JP2006092605A - 光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温・高湿下での保存信頼性が高く、高温動作が安定し、機械特性良好で、生産性の高い、高速・高密度の光記録が可能な光情報記録媒体の提供。
【解決手段】 同心円又は螺旋状の案内溝を有する基板上に、少なくとも光記録層と光反射層が順次積層されており、半導体レーザー光を照射することにより光記録層に変化を生じさせて情報の記録及び/又は書き換えを行なう光情報記録媒体であって、光反射層を構成する材料が、98〜99.5原子%のAgと、In、Nd、Cuから選ばれる少なくとも1種の元素からなることを特徴とする光情報記録媒体。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザー光を照射することにより情報の記録が可能であるMO、PD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW、DVD−RAM、Blu−ray等の高速記録に利用できる光情報記録媒体に関する。特に、DVD−ROMと同等以上の大容量で高密度記録可能な光情報記録媒体に関する。
近年、光情報記録媒体は、その情報記憶容量の大きさや可搬性、耐久性、保存性などの点から需要が高まっている。光情報記録媒体は、物理的に分類すると、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM等の再生専用の光情報記録媒体と、一回記録のみ可能なCD−R、DVD±R等の追記型光情報記録媒体と、何度か書き換えることができるCD−RW、DVD±RW、DVD−RAM等の書き換え型光情報記録媒体とに大別される。MO(Magneto Optical)ディスク、MD(Mini Disc)等の光磁気ディスクも書き換え型の光情報記録媒体である。
記録型の光情報記録媒体のうち、追記型光情報記録媒体の基本層構成は、一般的には、基板/光記録層/光反射層という層構造を有する。光記録層としては有機色素材料が用いられる。
一方、書き換え型の光情報記録媒体は、一般的には、基板/下部保護層/光記録層/上部保護層/光反射層という層構造を有する。更に必要に応じて、下部保護層と光記録層の間、光記録層と上部保護層の間、上部保護層と光反射層の間に中間層が形成される。書き換え型光情報記録媒体の光記録層としては、結晶−非結晶相間又は結晶−結晶相間の転移を利用する相変化材料や、垂直磁化膜の磁極の方向を利用する光磁気材料が用いられる。
これらの光情報記録媒体では、より多くの情報をより速く記録できるようにするため、更なる記録の高密度化や高線速度化が期待されている。
その対応策として、光反射層にAg系材料(Ag又はAg合金)を用いることが検討されている。
<Ag系光反射層の従来技術>
Agを光情報記録媒体の光反射層として利用すると、以下のようなメリットが期待される。
(1)広い波長領域でのディスク反射率の増大による再生能力の向上
(2)Agの光学特性に起因する信号振幅の増大による再生能力の向上
(3)相変化型光情報記録媒体の光反射層の場合、より冷却速度の速い層構造によるオーバーライト性能の向上
(4)相変化型光情報記録媒体の光反射層の場合、より冷却速度の速い層構造による記録可能線速度範囲の拡大
(5)高いスパッタ効率による生産性の向上
(6)スパッタ製膜時間の短縮による熱応力の低減(ディスク機械特性の改善)
これらAgのメリットを確保するためには、Ag固有の物性を効果的に発現させるために、主にAgで構成される光反射層を使用する必要がある。少なくとも95原子%のAgを含有する光反射層を用いることが望ましい。
一方、Agを光情報記録媒体の光反射層として利用する場合には、以下のような課題があった。
(1)高温高湿下で腐食し易い。
(2)硫黄や塩素によって腐食し易い。
(3)下地との膜密着力が小さい。
(4)高温高湿下でAgの結晶粒径が増大する。
(5)結晶粒径が大きくなり易く、高密度記録の際には再生信号のノイズとなる。
(6)生産プロセスの変動に対する光情報記録媒体の特性への影響が大きい。
Agの腐食を抑制する方法としては、Agの合金化が行われており、AgCu(特許文献1)、AgIn,AgV,AgNb(特許文献2)、AgMg(特許文献3)、AgOM(M:Sb、Pd、Pt)(特許文献4)、AgPdCu(特許文献5)などが知られている。また、特許文献6には、熱伝導率をコントロールするために、AgにTi、V、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Nb、Mo、Rh、Pd、Sn、Sb、Te、Ta、W、Ir、Pt、Pb、Bi、Cを含有させることが開示されている。
しかし、これらの材料系を実際に光反射層に用いて、DVD+Rディスク、DVD+RWディスクを作製し、80℃、85%RHでのアーカイバル高温保存信頼性を評価したところ、300時間の保存でエラーの急増が認められ充分な保存信頼性が得られなかった。
反射層の腐食を抑える手段としては、従来から反射層表面に紫外線硬化型樹脂層を形成することが行なわれている。例えば、特許文献7には、樹脂のガラス転移温度を45℃以上にすることで、樹脂の吸水による皺が無くなり、Al反射層の腐食を回避できることが開示されている。また、特許文献8では、3官能以上の多官能(メタ)アクリル酸エステル5〜70重量%、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジアクリル酸エステル95〜30重量%、及び、上記多官能(メタ)アクリル酸エステル及び2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジアクリル酸エステルの合計100重量部に対して0.2〜20重量部の光重合開始剤を含む樹脂組成物の硬化物を金属薄膜層上に形成することが提案されている。
これらの他にも、Ag系光反射層で使用することを想定した紫外線硬化型樹脂層が提案されている。
特許文献9〜10では、全塩素含有量1500ppm以下のビスフェノール型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを三級アミンを触媒として反応して得たエポキシジ(メタ)アクリレートや、その他のアクリレートなどを含有するコーティング材(紫外線硬化型樹脂)を硬化させた膜を、Ag又はAg合金反射膜表面に形成する方法が開示されている。
特許文献11では、紫外線硬化型組成物(樹脂)の1質量%メタノール溶液におけるpH値が4.5〜6.8であり、かつ光重合開始剤として、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オンを0.1〜3質量%含有する紫外線硬化型組成物とし、該紫外線硬化型組成物の硬化膜をAg又はその合金からなる反射層の保護層とすることが開示されている。
しかし、これらは何れも光反射層の表面側を保護するものであり、Ag系光反射層の腐食を抑える手段として充分ではなく、80℃、85%RHでの高温保存信頼性試験の結果、Ag系光反射層の腐食或いは光情報記録媒体の再生エラーの増大を生じることがある。
<バリア層(中間層)の従来技術>
記録層に相変化材料を用いる相変化型光情報記録媒体では、一般に、下部及び上部保護層に、ZnS・SiO(ZnS−80モル%、SiO−20モル%)膜が用いられている。この材料は熱膨張係数、光学定数、弾性率が相変化型光情報記録媒体に適している。しかしながら、相変化型光情報記録媒体の高速記録のために、光反射層にAg系材料を用いる場合、ZnS・SiO上に直接Ag系光反射層を形成すると、AgとZnS・SiOの硫黄原子(S)とが反応して、Ag系光反射層の腐食を生じる。
その対策として、上部保護層とAg系光反射層との間に中間層を形成し、両者が直接に接触することを妨げ、Ag系光反射層の腐食を防ぐという方法が幾つか提案されている。
特許文献12には、相変化型光情報記録媒体の保護層中の硫黄原子とAg系光反射層との化学反応を防止するため、Ta、Ni、Co、Cr、Si、W、Vなどの金属、半導体、それらの酸化物、窒化物、炭化物、非晶質カーボンなどを用いた中間層を設けることが開示されており、膜厚は、1〜100nm、好ましくは5〜50nmとすることが記載されている。しかし、金属以外に具体的に例示された物質は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化タンタル、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウムであり、実施例はTa(膜厚10〜50nm)のみであり、本発明で用いるTi、Nb、Taの炭化物や炭素と酸素を含む物質については全く例示されていない。また、Ag系光反射層と隣接層との密着力の改善に関する記載は見当たらない。
更に、本発明者等が、上記例示物質を中間層として相変化型光情報記録媒体を作製したところ、中間層膜厚10〜50nmでは信号特性の中間層膜厚依存性が大きく、実用的な信号品質は得られなかった。また温度の昇降速度10℃/時間で、25℃95%RH12時間と40℃95%RH12時間との間での6回のヒートサイクル試験では、Ag系光反射層が中間層から剥離するという問題も発生した。
即ち、本発明者等の検討結果では、中間層の形成により、保護層の硫黄とAgとの反応は抑制されるものの、中間層とAg系光反射層の密着力は充分でなく、両層の膜密着力が高湿度や結露によって低下することが分かった。これは、化学的に不活性な中間層を設けて相互拡散を抑制することによりAg系光反射層の腐蝕を抑制した結果、中間層とAg系光反射層の膜密着力、特に湿度による膜密着力の低下を抑えることが出来なくなったためと考えられる。
また、本発明者らは、信号特性を確保するために、上記例示金属又は例示物質を4nm以下の薄膜で利用することを検討したが、Ti、Nb、Taなどの金属ではスパッタ速度が速すぎてしまい膜厚の制御が困難であり生産に向かなかった。一方、Ti酸化物、Nb酸化物、Ta酸化物などではスパッタ速度が遅すぎてしまい生産性がよくなかった。またTi酸化物、Nb酸化物、Ta酸化物などの誘電体は、DCスパッタができないため設備コストがかかってしまい、生産に不適であった。更に、Ta及びTa酸化物は材料コストがかかり、市場競争力に劣った。
特許文献13には、反射層材料の硫化を防止する目的で、誘電体層と反射層の間に元素α(αはSn、In、Zr、Si、Cr、Al、Ta、V、Nb、Mo、W、Ti、Mg、Geのうち少なくとも1元素)の窒化物、酸化物、炭化物、或いは窒酸化物を含むバリア層を設けることが提案されている。しかしながら、具体的に例示された物質はGe−Cr−Nのみであり、本発明で用いるTi、Nb、Taの炭化物又は炭素と酸素を含む物質が選択的に優れた効果を奏することについては記載も示唆もされていない。しかも本発明の重要課題であるAg系光反射層と隣接層との密着力の改善に関する記載は見当たらない。
特許文献14〜16には、Ag又はAg合金からなる光反射層の硫化防止層、即ち中間層として、GeN、GeCrN、SiCを用いることが開示されている。
また、特許文献17には、中間層材料として、種々の金属又は半金属の窒化物、酸化物、炭化物が開示されており、中間層の膜厚は10nmが好ましいと記載されている。しかしながら、本発明者等の検討結果によると、中間層の膜厚が10nmでは厚すぎて、初期信号特性及び95%RH高湿度下での信頼性が充分でなかった。
また、特許文献17には、反射放熱層と接触する上部保護層として、AlN、SiNx、SiAlN、TiN、BN、TaN、Al、MgO、SiO、TiO、B、CeO、CaO、Ta、ZnO、In、SnO、WC、MoC、TiC、SiCを用いること、該上部保護層を多層としてもよいこと、上部保護層の合計膜厚を7〜60nm、好ましくは10〜30nmとすることなどが開示されている。同じく特許文献18では、Ag系光反射層とZnS・SiOの間に、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Wから選ばれる金属の炭化物と酸化物の混合物を形成することで、Ag系光反射層の腐食を抑制することが開示されており、実際に、2.4倍速記録対応のDVD+RWディスクにおける中間層としては効果的であることが確認されている。
しかしながら、4倍速記録対応のDVD+RWディスクに同様の中間層を利用した場合には、同様の効果が得られなかった。本発明者らの解析では、記録線速度の増大に伴い、記録層の結晶化処理(初期化)の高速・高パワー初期化が必要になるが、この過酷な初期化条件に耐えるにはAg系光反射層と中間層の膜密着力が不充分であることが分かった。また、生産上の各種プロセス変動に対するこれらの膜密着力の変動が大きいためと考えられた。更には、高速記録のため、短時間に高パワーでの記録が行われた結果、光情報記録媒体の熱ストレスが大きくなり、保存信頼性に影響することが考えられた。
また、ZnS・SiO膜とAg又はAg合金光反射膜との間の中間層の製膜条件が、AgとSの反応性に大きく影響することが分かった。特にスパッタ製膜中の残存酸素や水蒸気による膜質の劣化に起因するパシベーション能力の低下が問題であり、中間層製膜時の残存酸素分圧が大きいと、Ag又はAg合金光反射膜を腐食することが分かった。このように、中間層のパシベーション能力は、その製膜条件に左右されてしまい、製造プロセスの厳格な管理が必要であるが、現実には完璧な管理は容易ではなかった。
更に、基板成型プロセスからスパッタ製膜プロセスまでの時間が5分以上かかるとAg系光反射層と中間層との密着力が低下した。同様に、相変化型光情報記録媒体において、スパッタ製膜プロセスから初期化プロセス(記録層の結晶化処理)までの時間が2日以上かかるとAg系光反射層と中間層の密着力が低下した。
以上述べたように、実際の生産において、DVD4倍速以上等の高速で良好に高密度記録できる相変化型光情報記録媒体を安定に製造するためには、従来の光情報記録媒体の材料や層構造では対応できなくなってきており、より確実な対策が望まれていた。
そこで、本出願人は、本出願人の先願に係る特願2004−146200号において、中間層(バリア層)として、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素の炭化物を含むか、又は、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素と、炭素(C)と、酸素(O)を含み、基板上に少なくとも下部保護層、光記録層、上部保護層、中間層、Agを95原子%以上含有する光反射層を有するという構成の相変化型光情報記録媒体において、上記の課題が解決されることを示した。
このとき、中間層にTiが含まれる場合、即ち、TiC−TiO系では、ターゲットに含まれるTi、C、Oの組成比をそれぞれα1、β1、γ1(原子%)として、37≦α1≦48、12≦β1≦45、7≦γ1≦51、α1+β1+γ1=100のときに、DCスパッタが可能であり、生産の安定性に優れる。中間層にNbが含まれる場合、即ちNbC−Nb系では、ターゲットに含まれるNb、C、Oの組成比をそれぞれα2、β2、γ2(原子%)として、33≦α2≦47、9≦β2≦43、10≦γ2≦58、α2+β2+γ2=100のときにDCスパッタが可能であり、生産の安定性に優れる。中間層にTaが含まれる場合、即ち、TaC−Ta系では、ターゲットに含まれるTa、C、Oの組成比をそれぞれα3、β3、γ3(原子%)として、32≦α3≦47、9≦β3≦43、10≦γ3≦59、α3+β3+γ3=100のときにDCスパッタが可能であり、生産の安定性に優れる。なお、中間層の組成比は、通常の場合、ターゲットの組成比と殆ど同一である。
以上は一種類の金属を単独で用いた系についての結果であるが、Ti−Nb−O−C、Ti−Ta−O−C、Nb−Ta−O−C等の複数の金属を用いた系でも同様の効果が確認されている。しかし、一種類の金属を用いた場合の方が、金属の酸化還元反応を完全に抑えられることから効果的である。
しかしながら、上記先願発明では、保存信頼性として考慮しているのは、主に変色や剥れ等の欠陥についてであり、実際に記録した信号の保存信頼性については、評価装置により記録した信号が劣化したか否かの評価しか例示されていない。
実際にユーザーが記録型光情報記録媒体を使用する場合を想定すると、記録信号の保存信頼性については、
(1)記録した信号の劣化がないこと
(2)記録していない部分に新たに記録した場合でも、記録・再生が可能であること
(3)記録済みの部分に上書き記録をした場合でも、記録・再生が可能であること(書き換え型のみ)
が必要とされる。変色や剥れ等による欠陥が生じた場合でも、上記の項目に影響する劣化が起こるが、それ以外の原因で劣化が生じることも考えられる。従って、例示されている評価では、光情報記録媒体の保存信頼性を判定する指標としては不充分である。
また、実際にユーザーが使用する記録装置は、上記先願に例示されていた評価装置のように精度の高いものではなく、同様の光情報記録媒体であっても、記録直後の記録特性はやや劣ることになると考えられる。従って、ユーザーが使用する場合は、初めから上記先願に例示されている場合に比べてやや劣化した記録特性であることになるため、実際に保存信頼性に問題がないかどうかを判断することは困難である。
そのため、上記のような記録信号の保存信頼性に関する問題がなく、安定して使用可能な光情報記録媒体について、明確にする必要があった。
特開昭57−186244号公報 特開平6−243509号公報 特許第3558301号公報 特許第3429406号公報 特開2000−285517号公報 特許第2749080号公報 特開2001−222842号公報 特開2002−3539号公報 特開2000−230136号公報 特開2001−40246号公報 特開2003−173568号公報 特許第3494044号公報 特開2002−74746号公報 国際公開97/34298号パンフレット 特開平10−275360号公報 特開2002−203338号公報 特開2000−331378号公報 特開2004−185794号公報
本発明は、高温・高湿下での保存信頼性が高く、高温動作が安定し、機械特性良好で、生産性の高い、高速・高密度の光記録が可能な光情報記録媒体の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜16)の発明(以下、本発明1〜16という)によって解決される。
1) 同心円又は螺旋状の案内溝を有する基板上に、少なくとも光記録層と光反射層が順次積層されており、半導体レーザー光を照射することにより光記録層に変化を生じさせて情報の記録及び/又は書き換えを行なう光情報記録媒体であって、光反射層を構成する材料が、98〜99.5原子%のAgと、In、Nd、Cuから選ばれる少なくとも1種の元素からなることを特徴とする光情報記録媒体。
2) 光反射層を構成する材料が、Agを99〜99.5原子%含有することを特徴とする1)記載の光情報記録媒体。
3) 光反射層を構成する材料が、Agと、In、Nd、Cuから選ばれる何れか1種のみからなることを特徴とする1)又は2)記載の光情報記録媒体。
4) 光記録層を構成する材料が、相変化材料であることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の光情報記録媒体。
5) 基板上に、少なくとも、下部保護層、光記録層、上部保護層、中間層、光反射層が順次積層されており、光記録層に半導体レーザー光を照射することにより相変化を生じさせて、情報の記録及び/又は書き換えを行なうことを特徴とする4)記載の相変化型光情報記録媒体。
6) 中間層を構成する材料が、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素(M)の炭化物を含むことを特徴とする5)記載の相変化型光情報記録媒体。
7) 中間層を構成する材料が、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素(M)と、炭素(C)及び酸素(O)を含む材料であることを特徴とする5)記載の相変化型光情報記録媒体。
8) 元素(M)が、Ti、Nb、Taから選ばれる何れか1種のみであることを特徴とする6)又は7)記載の相変化型光情報記録媒体。
9) 最小記録マークの記録時間が34ns以下でも記録可能であることを特徴とする4)〜8)の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
10) 記録線速度が11m/s以上でも記録可能であることを特徴とする4)〜8)の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
11) 上部保護層の主成分が、ZnSとSiOであることを特徴とする5)〜10)の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
12) 光記録層の主成分が、組成式AgαGeβInγSbδTeε(α、β、γ、δ、εは原子%)で表される合金であり、0≦α≦5、0≦β≦5、2≦γ≦10、60≦δ≦90、8≦ε≦30、α+β+γ+δ+ε=100を満たすことを特徴とする4)〜11)の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
13) 光記録層の主成分が、組成式Xα′Geβ′Sbγ′Snδ′Zε′(XはGa及び/又はIn、ZはBi及び/又はTe、α′、β′、γ′、δ′、ε′は原子%)で表される合金であり、2≦α′≦20、2≦β′≦20、60≦γ′≦90、5≦δ′≦25、0≦ε′≦10、α′+β′+γ′+δ′+ε′=100を満たすことを特徴とする4)〜11)の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
14) 光記録層を構成する材料が、有機色素材料であることを特徴とする1)〜3)の何れかに記載の光情報記録媒体。
15) 温度80℃、相対湿度85%RHの環境下に300時間保管した後、保管前と同一条件で光記録を行なった際の記録した信号の再生エラー値ERR(A)が、保管前に記録を行ない測定した再生エラー値ERR(B)と比較して、ERR(A)≦3×ERR(B)であることを特徴とする1)〜14)の何れかに記載の光情報記録媒体。
16) 温度90℃、相対湿度85%RHの環境下に300時間保管した後、保管前と同一条件で光記録を行なった際の記録した信号の再生エラー値ERR(A)が、保管前に記録を行ない測定した再生エラー値ERR(B)と比較して、ERR(A)≦3×ERR(B)であることを特徴とする1)〜14)の何れかに記載の光情報記録媒体。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
これまでのAg系光反射層を有する光情報記録媒体について鋭意検討した結果、次の(a)〜(d)に起因するものが主だった課題であることが分かった。
(a)Ag系光反射層とそれと隣接する層との密着力
(b)Ag系光反射層の耐候性
(c)Ag系光反射層の結晶粒の凝集
(d)Ag系光反射層の結晶粒径
上記(a)の具体的な課題は、DVD+Rなどの色素を記録層とした光情報記録媒体の場合、Ag系光反射膜と色素の密着力が充分でなく、光記録によって熱ダメージを受けた記録マーク部分が変質してしまい保存寿命が短くなることである。この現象は、特にCD−R、CD−RWでCD10倍速(記録線速度12m/s)以上、DVD+R、DVD+RWでDVD3倍速(10.5m/s)以上の高速記録用の光情報記録媒体で顕著であった。このような高速記録用光情報記録媒体では、ディスク上で20mW/μm以上の光記録パワーが必要になり、Ag系光反射層と下地層との密着力が低下してしまうことが分かった。
CD−RW、DVD+RWなどの相変化型光情報記録媒体の場合、Ag系光反射膜と上部保護層あるいは上部保護層上の中間層との密着力が充分でなく、スパッタ製膜後の非晶質記録層を結晶化処理(初期化)や光記録によって熱ダメージを受けた部分が変質してしまい保存寿命が短くなった。特に、記録線速度11m/s以上で使用される高速記録用の光情報記録媒体では、高速かつ高パワーの初期化条件が必要になり、Ag系光反射層と下地層との密着力が低下してしまうことが分かった。その結果、光情報記録媒体を、再度、全面初期化する場合に、Ag系光反射層と下地層の膜剥れを生じることがあった。これは使用済み相変化型光情報記録媒体を再初期化して利用する際の障害にもなった。
一般に、相変化型光情報記録媒体に対して、CDで用いられるEFM(Eight−to−Fourteen Modulation,8−14)変調方式のように、PWM(Pulse Width Modulation)記録(マークエッジ記録)方式で光記録する場合には、図1に示したような記録パワーPwとボトムパワーPbの組み合わせからなるマルチパルスを含む発光波形、具体的には特許第3124720号公報、特開2001−250230号公報、特開2002−288828号公報に記載されているような発光波形が用いられている。
実際の光記録では、発光の際、2ns程度の発光パルスの立ち上がり時間及び立ち下がり時間を要する。従って、発光パルス時間が短くなる高速記録では、発光時間に占める発光の立ち上がり時間及び立ち下がり時間が相対的に大きくなるため矩形の発光波形が得られなくなる。発光時間に占める立ち上がり時間の割合が1/3以上になると、記録層の急冷が不充分になり、より大きな記録パワーが必要となる。その結果、光情報記録媒体に必要以上の熱ダメージや熱ストレスを生じてしまい、Ag系光反射層とその下地層の膜密着力が低下することが分かった。
また、高速光記録を行なう相変化型光情報記録媒体の場合、高速で初期化を行なうことが良好なジッターを獲得するために有効である。具体的には、相変化型光情報記録媒体の最高記録線速度の70%以上の線速度で初期化することが効果的である。この際、高速化のため、より高い初期化パワーが要求され、相変化型光情報記録媒体への熱ストレスが大きくなり、Ag系光反射層と中間層の膜密着力低下を生じる。
以上のように、高速記録対応の媒体ほど熱ダメージや熱ストレスを受けるため、Ag系光反射層とその下地層との密着力が必要になることが分った。特に(1)最小記録マークの記録時間が34ns以下、(2)チャンネルビット長の記録時間が11ns以下、(3)記録線速度が11m/s以上の光情報記録媒体において、過度の記録パワーが必要になり、Ag系光反射層とその下地層との密着力が必要になる。
また、Ag系光反射層の上層となる樹脂保護層との密着力の確保も、Agの腐食を抑えるためには必要である。密着力が低いと、Agが空気中に曝されているのと同様になるため、容易にAgの腐食が進行することになる。
上記(b)の具体的な課題は、Ag系光反射層の材料特性そのものに関わる本質的なものであり、光情報記録媒体の使用環境及び保管環境に存在するHS、Cl等の腐食性ガス、水蒸気等の腐食推進ガスとの化学反応によって保存寿命が短くなることである。
上記(c)の具体的な課題は、光情報記録媒体への水分の浸入によって、Ag原子(イオン)が凝集することで、微小空隙が発生することである。その微小空隙が、微小な記録マークの形状に影響を与えるような場合に問題となる。
上記(d)の具体的な課題は、Ag系光反射層を構成する結晶の粒界が、光記録及び再生の際に信号のノイズを発生し、光情報記録媒体の光記録再生性能を低下させてしまうことである。
上記(c)及び(d)は、405nm程度の青色の波長を利用した高密度な光記録を実現する場合に顕著な問題となる。
更に、これらAg系光反射層の課題を解決し、生産プロセスの各種変動を吸収して安定に大量生産することは容易でない。
本発明者らの検討の結果、上記課題(a)〜(d)に加えて、更に生産プロセスの課題として、次の(e)〜(k)が抽出された。
(e)基板の吸着水分量(好ましくは基板1枚あたり0.1g以下)
(f)基板温度(好ましくは50℃以下)
(g)Ag系光反射層のスパッタ条件
(好ましくは残存水蒸気量5×10−5mbar以下)
(h)Ag系光反射層が形成される層のスパッタ条件
(好ましくは残存水蒸気量5×10−5mbar以下)
(i)相変化型光情報記録媒体の場合、基板成型プロセス後、真空成膜プロセスに移行するまでの搬送時間(大気中の水分が基板に吸着する時間)(好ましくは3分以内)
(j)真空成膜装置にディスクを出し入れするロードロック部の排気時間(基板に吸着している水分を除去する時間)(好ましくは2秒以上)
(k)相変化型光情報記録媒体の場合、Ag系光反射層製膜後から光記録層の結晶初期化までの時間(好ましくは48時間以下)
しかし、基板の材料としてポリカーボネートのような樹脂を使用する場合、基板に吸着される水分量を制御することは容易ではない。特に、大量生産を行なう工場では、製造ラインのディスク搬送における一時的な停止・滞留による搬送時間の延長や、真空成膜装置の突発的な排気効率の低下、工場内環境(温度、湿度)のバラツキなどを排除することは非常に困難である。また、実際には、上記生産プロセスの要因は複雑に絡み合っていると考えられるが、(k)の時間が長いほど、初期結晶化プロセス直後にスパッタ膜の変色や浮き、剥れ等の欠陥が発生し易いことが分った。但し、本発明の媒体を得るのに、必ずしもこれらの生産プロセスを上記の好ましい条件で行なう必要はないが、上記条件で行なうことが望ましい。
Agの粒径をより小さくするには、Agの凝集を防止するような条件で製膜することが重要となる。具体的には、光反射膜形成過程において、膜表面へのAg原子又はクラスターの入射頻度と、その他の原子、分子、イオン又はクラスター等の入射頻度を制御することで可能となる。より具体的には、スパッタ製膜中の共存ガス(Ar、N、Oなど)の流量を大きくして膜表面への共存ガス入射頻度を大きくすることが効果的である。また、排気速度を小さくし製膜圧力を上げて製膜することにより、共存ガスの膜表面への入射頻度を大きくすることも効果的である。また、Agの膜表面への入射頻度を小さくする方法として、製膜速度を小さくするため製膜スパッタ電力を低下させることが効果的である。更には、Ag系光反射膜を製膜する際の基板温度を下げることも効果的である。実際の製膜時には、これら諸条件を調整してAg粒子の大きさを制御することができる。
Ag粒子の微細化には、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Cr、Cu、Zn、Y、Ce、Nd、Gd、Tb、Dy、Nb、Mo、Pd、In、Sn、Ta、W、Ptなどの異物を共存させて製膜することも効果的である。Ag粒子が成長する際、粒界を構成する部分にはこれらの添加物が多く含まれる。従って、これらの添加物の存在によって、Ag粒子の微細化が可能となる。これらの金属の種類の選択及び添加量は、Ag系光反射膜のスパッタ条件にも影響される。添加物を多く入れれば、Ag粒子の微細化は容易になるが、Agに期待される物性である高反射率、高熱伝導率が損なわれる。添加物を少なくした場合には、Agに期待される物性は確保されるものの、製膜条件に厳格な管理が要求される。このように添加物の種類や量とAg系光反射膜の製膜条件が重要である。
Agと合金化し易いCu、Pd、Ptであれば、Agの物性を維持したまま微細化が図れる。しかし、Agと合金を形成し易いため、粒径の微細化には製膜条件の管理が重要になる。一方、Mg、Al、Si、Ca、Ti、Cr、Zn、Nb、Mo、In、Sn、Ta、Wなどは、添加量が多いとAgの物性を大きく損なうが、製膜時に共存ガスを吸着し易く粒界形成に有効に働き、Ag結晶粒子の粗大化を抑制し、Ag結晶粒子の微細化に効果的である。また、Y、Ce、Nd、Gd、Tb、Dy、Zr、Hf、In、Snなどの添加物は、Agの原子半径より大きい原子半径であり、Ag粒子の結晶成長の抑制が可能となるので、Agの結晶粒径を微細化できる。
これらの添加物の添加量は、Agを光反射層に用いるメリットを確保し、Ag固有の物性を効果的に発現させるために、添加物の種類にもよるが、5原子%未満とすることが望ましい。
本発明者らの検討結果から、Ag系光反射膜の粒界ノイズが記録再生信号に与える影響を無視できる程度は、最小記録マークの1/3以下であった。この点について考察した結果、最小記録マークの1/3は、記録するマークのチャンネルビットに対応していることが分かった。チャンネルビットとは、光記録する際の情報の「0」、「1」に対応した最小単位のことであり、DVD−ROMでは、0.133μmに対応するものである。つまり、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RWでは、記録トラック方向における光反射層の平均的な結晶粒子の長さLagは、マークの1ビット長Lbi(=0.133μm)以下が効果的である。即ちAg系光反射層の結晶粒径は、チャンネルビット長以下、結晶粒径のバラツキを考慮すると、チャンネルビット長の2/3以下が望ましい。
また、光情報記録媒体に存在する案内溝が蛇行している場合、その蛇行(ウォブル)周期に比べて充分小さい粒径であることも重要である。光情報記録装置が光情報記録媒体の案内溝の蛇行を正確に読み取るためには、Ag粒子の粒界をノイズとして読み取った場合、光情報記録媒体の正しいアドレスが読み取れなくなってしまう。特に、DVD−R、DVD−RW等のピットを伴う案内溝を有する光情報記録媒体では尚更読み取りが困難となってしまう。
Ag系光反射層の結晶粒径と案内溝のウォブルとの関係では、1蛇行周期の1/10以下のAg系結晶粒径であることが望ましい。1蛇行の中で、1/10の部分にノイズが入ったとしても、その蛇行の情報は補完できるためである。更に、1蛇行周期の1/20以下のAg系結晶粒径であることが望ましい。1蛇行の中で、1/20の部分にノイズが入ったとしても、その蛇行の情報にとって、そのノイズは無視できるためである。また、ピットを伴う場合には、ピット間隔の1/10以下、更には1/20以下のAg結晶粒径とすることが望ましい。
本発明者らの実験結果から、基板表面に吸着する水分がAg系光反射層とAg系光反射層が形成される層の密着力に少なからず影響することが分かっており、Ag系光反射層が形成される中間層のパシベーション能力の向上が、Ag系光反射層と中間層との密着力向上も図れることが分かっている。
本発明者らは、Ag系光反射層との密着力を確保し、かつZnS・SiOとAgとの反応を防止するパシベーション能力を同時に満たす中間層としては、次の(1)(2)の物質を含むことが効果的であると考えた。
(1)パシベーション能力を確保するために原子のパッキングが密となる侵入型化合物を形成できる物質(侵入型化合物とは、金属の結晶格子又は原子格子の隙間に、他の小さな非金属元素の原子が侵入してできる化合物のことである)。
(2)密着力を確保するためにAg系光反射層と中間層の濡れ性を確保できる物質。
これらの条件を満たす中間層材料としては、本発明者らは、前記先願において、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素の炭化物を含むか、又は、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素(M)と、炭素(C)と、酸素(O)を含む材料が,良好であることを示した。
上記の中間層を有し、光反射層がAg系材料である相変化型光情報記録媒体について、Agの場合とAgへの添加物の合計量が0.5原子%(Ag含有量が99.5原子%)、1原子%(Ag含有量が99原子%)、2原子%(Ag含有量が98原子%)、3原子%(Ag含有量が97原子%)の場合の記録特性の比較評価を行なった。結果を図2に示す。
図2から分かるように、Agへの添加物の量が2原子%を超えるものは、光情報記録媒体の反射率が下がり、かつ、記録感度が悪くなるために変調度が小さくなり、良好な記録が困難となっていた。Agへの添加物の量が1原子%までは、反射率の低下もなく、変調度の減少の程度も小さいため、記録特性に大きな影響はなく、良好な特性での記録が容易に可能となっていた。
また、同様の相変化型光情報記録媒体について、保存信頼性の評価を行なった。評価方法は、初めに記録をしてから記録特性(再生エラー)の評価を行ない、高温高湿環境下に保管した加速劣化試験後に再びその部分の記録特性を測定するという評価(アーカイバル評価)と、同様の高温高湿試験後に、未記録部分へ新たに記録したときの記録特性評価(シェルフ評価)と、記録済みの部分へ上書きしたときの記録特性評価(OWシェルフ評価)を実施した。また、高温高湿試験の条件は、80℃,85%RH,300時間とした。結果を図3に示す。
その結果、図3から分かるように、Agの場合は、アーカイバル評価では、劣化は著しく大きいものではなかったが、シェルフ評価及びOWシェルフ評価では、再生エラーが増大し、DVD−ROMの規格値を超える結果となっていた。添加物を加えたものについては、添加量が2原子%を超えるものは、高温高湿環境下に置かれることにより、記録感度が一層悪くなるため、シェルフ評価及びOWシェルフ評価において、記録特性が悪化し、再生エラーが増大していた。
従って、Ag系光反射層として、記録特性及び保存信頼性の両方とも良好な結果が得られるのは、Ag含有量が98〜99.5原子%の範囲となる。Ag含有量が98原子%よりも少ないと、記録特性の確保が困難であり、99.5原子%よりも多いと、保存信頼性の確保が容易ではない。更に、99〜99.5原子%の範囲が、保存信頼性試験後でも記録特性が良好であり一層望ましい.
また、本発明により光情報記録媒体の保存信頼性が向上することから、光情報記録媒体の使用寿命を延ばすことができるため、廃棄物の削減や省資源にも、寄与することができる。
本発明の層構成例を図4、図5に示す。
図4は、本発明に係るDVD系相変化型光情報記録媒体の一例であり、情報基板上に、下部保護層、光記録層、上部保護層、Ag系光反射層、樹脂保護層及び/又は接着層、カバー基板が、この順に形成されている。性能向上のために、必要に応じて、第1界面層、第2界面層、中間層、印刷層が形成される。また、カバー基板側に逆順で、同様の層構成の相変化型光情報記録媒体を設け、二層型とすることもできる。
図5は、本発明に係るDVD系二層式追記型光情報記録媒体の一例であり、情報基板上に、光記録層(L0)、Ag系反射層、樹脂保護層及び/又は接着層を形成し、もう一方の情報基板には逆順で、Ag系光反射層、色素型光記録層(L1)を形成し、貼り合せた層構造をしている。
本発明は、これらの層構成に限らず、Ag系光記録層を有する種々の光情報記録媒体に適用される。
基板の材料は、通常ガラス、セラミックス、又は樹脂であり、樹脂基板が成型性、コストの点で好適である。樹脂の例としてはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられるが、成型性、光学特性、コストの点で優れるポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。
但し、本発明の光情報記録媒体をDVD+Rに応用する場合には、以下のような特定の条件が付与されることが望ましい。即ち、基板に形成される案内溝の幅が0.10〜0.40μm、好適には0.15〜0.35μm、案内溝の深さが120〜200nm、好適には140〜180nmとなっていることである。案内溝の蛇行の周期は、1周期が4.3μmとなる。基板の厚さは0.55〜0.65mmが好適であり、貼り合わせ後のディスクの厚さは、1.1〜1.3mmが好適である。これらの基板溝によって、DVD−ROMドライブでの再生互換性が向上する。
また、本発明の光情報記録媒体をDVD+RWに応用する場合には、以下のような特定の条件が付与されることが望ましい。即ち、基板に形成される案内溝の幅が0.10〜0.40μm、好適には0.15〜0.35μm、案内溝の深さが15〜45nm、好適には20〜40nmとなっていることである。案内溝の蛇行の周期は、1周期が4.3μmとなる。基板の厚さは0.55〜0.65mmが好適であり、貼り合わせ後のディスクの厚さは、1.1〜1.3mmが好適である。これらの基板溝によって、DVD−ROMドライブでの再生互換性が向上する。
相変化型光情報記録媒体の下部又は上部保護層の材料としては、SiO、SiO、ZnO、SnO、Al、TiO、In、MgO、ZrOなどの酸化物;Si、AlN、TiN、BN、ZrNなどの窒化物;ZnS、TaSなどの硫化物;SiC、TaC、BC、WC、TiC、ZrCなどの炭化物;ダイヤモンド状カーボン;或いはそれらの混合物が挙げられる。中でも(ZnS)85(SiO15、(ZnS)80(SiO20、(ZnS)75(SiO25(何れもモル%)などのZnSとSiOを含んだ物質が好ましく、特に熱膨張変化、高温・室温変化の熱ダメージを伴う相変化型光記録層と基板の間に位置する下部保護層としては、光学定数、熱膨張係数、弾性率が最適化されている(ZnS)80(SiO20(モル%)が望ましい。
下部保護層の膜厚は、反射率、変調度、記録感度に大きく影響するので、下部保護層の膜厚に対して、光情報記録媒体の反射率が極小値となる膜厚とすることが望ましい。この膜厚領域では記録感度が良好であり、熱ダメージのより小さいパワーで記録が可能になり、オーバーライト性能の向上が図られる。DVDの記録再生波長において良好な信号特性を得るためには、下部保護層に(ZnS)80(SiO20(モル%)を用いた場合、45〜65nmとすることが好適である。45nmより薄いと、基板への熱ダメージが大きくなり、溝形状の変形が起こる。また、65nmより厚いと、光情報記録媒体の反射率が高くなり、感度が低下する。
更に、相変化型光情報記録媒体の硫黄を含まない上部保護層としては、クラックの発生を抑制するのに効果的である酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、酸化ニオブ、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの材料が、光情報記録媒体の製造に適したスパッタ速度を有するので望ましい。本発明では、これら好適な材料を主成分として用いるが、ここでいう主成分とは50モル%を超えることを意味する。本発明で用いる材料としては、膜の柔軟性という点で2価の結合回転自由度の高い酸素によるネットワークが可能なSi、Al、Ti、Zn、Zr、Mo、Ta、Nb、Wの酸化物の添加が好ましい。しかし、これらの上部保護層材料においても、厚膜化すると、膜自身の内部応力や光記録層及びAg又はAg合金反射層との間の熱応力によってクラックを発生し易い。
また、上部保護層を多層化することによって、上部保護層の界面を形成し、熱伝導を妨げて熱蓄積構造とすることで、光記録の感度向上を図ることができる。
上部保護層の膜厚は、4〜24nmが好適である。4nmより薄いと、上部保護層の機能である蓄熱が充分にできなくなり、現存の半導体レーザーでの記録が困難になる。また24nmより厚くなると、先に述べたようにクラックを発生する。より望ましい上部保護層の膜厚は、8〜20nmである。
また、相変化型光情報記録媒体は、下部保護層/光記録層/上部保護層/光反射層がスパッタリングによる連続製膜によって製造されている。その際、最も製膜時間を必要とするのは、他の層に比べて膜厚が大きい下部保護層又は光反射層の製膜である。従って、ロスなく効率的に上部保護層を作製するためには、上部保護層は、下部保護層又は光反射層の製膜時間と同等か或いはそれよりも短い製膜時間で、所定の膜厚が形成できるような製膜条件が望まれる。下部保護層にZnS・SiO、反射層にAg又はAg合金を用い、スパッタ時間7秒以下を目標とすると、上部保護層の製膜速度は1nm/s以上、好ましくは3nm/s以上が必要である。
一方、4〜24nmの極力薄い膜を形成しようとした場合、あまり製膜速度が大きいと、スパッタリング製膜におけるプラズマ発生の立ち上がり時間の占める割合が大きくなり、ディスク毎の膜厚バラツキが大きくなり、光情報記録媒体の特性としては、記録感度のバラツキを大きくしてしまう。ディスク毎の上部保護層の膜厚バラツキを小さくするためには、限界製膜速度は10nm/s以下、好ましくは8nm/s以下である。
更に、相変化型光情報記録媒体の製造プロセスにおける初期化条件、特にパワーマージンを確保するためには、上部保護層とAg又はAg合金を主成分とする光反射層との界面に、Ag−O結合が形成されていることが効果的であった。Ag−O結合はXPS(X線光電子分光分析)などの分析方法で確認された。AlN、Siを上部保護層に用いた場合でも、基板からの脱ガスや残存ガスから酸素が供給されるため、Ag−O結合の形成が確認された。しかし、上部保護層に酸化物を用いた場合に比べてAg−O結合量が相対的に少なく、初期化の際のパワーマージンが小さくなる傾向にあった。
相変化型光記録層材料は、Sbを60〜90原子%含む相変化物質が好適である。例えば、Sbを60〜90原子%含むInSb、GaSb、GeSb、GeSbSn、GaGeSb、GeSbTe、GaGeSbSn、AgInSbTe、GeInSbTe、GeGaSbTeなどが挙げられる。具体例としては、DVDの4倍速相当の記録に対応可能である本発明12の物質や、DVDの8倍速相当の記録に対応可能である本発明13の物質などが挙げられる。
これらの相変化物質を用いてDVD+RW媒体を作製した場合の、Sb組成比とDVD互換あるいはCD互換を可能とする最小記録マークを記録できる時間の関係から、記録層のSb量が60原子%以上の場合に記録時間を短くできることが分っている。即ち、記録消去時における光記録層の溶融時間を短くすることができ、光記録層及び上部保護層の熱ダメージを低減できる。また、Sb量が60原子%以上の場合には、光情報記録媒体の溶融初期結晶化も高速でできるため熱ダメージが低減される。更に、Sb量70原子%以上では、初期化線速度を10m/s以上にすることが可能であり、熱ダメージをより低減することができる。しかし、Sbが90原子%を超えると、種々の元素を添加したとしてもマークの高温高湿度信頼性に劣るため好ましくない。
相変化型光記録層の厚さは8〜14nmが望ましい。8nmより薄いと80℃,85%RHの高温高湿での記録マークの結晶化が早くなり寿命が問題となる。一方、14nmを超えると、光記録消去の際に熱の発生が大きくなり、上部保護層への熱ダメージが顕著になり、上部保護層のクラック発生を誘発してしまう。
相変化型光情報記録媒体の下部保護層、光記録層、上部保護層、Ag又はAg合金からなる光反射層の作製方法としては、プラズマCVD、プラズマ処理、イオンプレーティング、光CVDなどが利用できるが、光情報記録媒体の製造で汎用されているスパッタが有効である。その代表的作製条件は、圧力10−2〜10−4mbar、スパッタ電力0.1〜5.0kW/200mmφ、製膜速度0.1〜50nm/sである。
追記型光情報記録媒体に用いられる光記録層には、有機色素材料が用いられる。ここで使用される有機色素材料としては、例えば、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色素、スクアリリウム系色素、アゾ系色素、ホルマザンキレート系色素、Ni,Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素及びニトロソ化合物を挙げることができる。これらは単独で用いても混合して用いても構わない。また、バインダー、安定剤等を含有させることも可能である。
これらの光記録層は、上記の有機色素材料を可溶な単一及び/又は混合した溶媒に溶解させ、その溶液をスピンコート法で塗布することにより形成する。
樹脂保護層としては、スピンコート法で作製した紫外線硬化型樹脂が好適である。厚さは3〜15μmが適当である。3μmより薄いと、オーバーコート層上に印刷層を設ける場合にエラーの増大が認められることがある。一方、15μmより厚くすると、内部応力が大きくなってしまい、ディスクの機械特性に大きく影響してしまう。
ハードコート層を設ける場合には、スピンコート法で作製した紫外線硬化型樹脂が一般的である。その厚さは2〜6μmが適当である。2μmより薄くすると、充分な耐擦傷性が得られない。6μmより厚くすると、内部応力が大きくなってしまい、ディスクの機械特性に大きく影響してしまう。その硬度は、布で擦っても大きな傷が付かない鉛筆硬度H以上とする必要がある。必要に応じて導電性の材料を混入させ、帯電防止を図って埃等の付着を防止することも効果的である。
印刷層は、耐擦傷性の確保、ブランド名などのレーベル印刷、インクジェットプリンタに対するインク受容層の形成などを目的としており、紫外線硬化型樹脂をスクリーン印刷法で形成するのが好適である。その厚さは、3〜50μmが適当である。3μmより薄いと、層形成時にムラが生じてしまうし、50μmより厚くすると、内部応力が大きくなってしまい、ディスクの機械特性に大きく影響してしまう。
接着層には、紫外線硬化型樹脂、ホットメルト接着剤、シリコーン樹脂などの接着剤を用いることができる。これらの材料は、オーバーコート層又は印刷層上に、材料に応じてスピンコート、ロールコート、スクリーン印刷法などの方法により塗布し、紫外線照射、加熱、加圧等の処理を行なって反対面のディスクと貼り合わせる。反対面のディスクは、同様の単板ディスクでも透明基板のみでも良く、反対面ディスクの貼り合わせ面については、接着層の材料を塗布してもしなくても良い。また、接着層としては、粘着シートを用いることもできる。
接着層の膜厚は特に制限されるものではないが、材料の塗布性、硬化性、ディスクの機械特性の影響を考慮すると、5〜100μm、好適には7〜80μmである。接着面の範囲も特に制限されるものではないが、DVD及び/又はCD互換が可能な書き換え型ディスクに応用する場合、高速記録を可能とするには、接着強度を確保するために、内周端の位置がφ15〜40mm、好適にはφ15〜30mmであることが望ましい。
本発明によれば、高温・高湿下での保存信頼性が高く、高温動作が安定し、機械特性良好で、生産性の高い、高速・高密度の光記録が可能な光情報記録媒体を提供できる。また、このことから、光情報記録媒体の廃棄物の削減及び省資源に寄与することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
溝幅0.25μm、溝深さ27nm、ウォブル溝の周期4.26μmの案内溝を有する厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を射出成型し、その上に、下部保護層、界面層、光記録層、上部保護層、中間層、光反射層を順次スパッタリング法により積層した。このとき、基板に吸着される水分を考慮して、成型後からスパッタ装置に投入されるまでの時間が3分以内になるように管理した。
下部保護層には厚さ55nmのZnS−SiO(80:20モル%)、界面層には厚さ3nmのZrO(3モル%Y)−TiO(80:20モル%)、光記録層には厚さ12nmのAgGeInSb72Te21、上部保護層には厚さ11nmのZnS−SiO(80:20モル%)、中間層には厚さ4nmのTiC−TiO(70:30モル%)、光反射層には厚さ140nmのAg−In(99.5:0.5原子%)を用いた。
その結果、ポリカーボネート基板/ZnS−SiO(80:20モル%):55nm/ZrO(3モル%Y)−TiO(80:20モル%):3nm/AgGeInSb72Te21:12nm/ZnS−SiO(80:20モル%):11nm/TiC−TiO:4nm/Ag−In:140nm、という層構成を形成した。
中間層の製膜条件は、圧力5.5×10−3mbar、スパッタ速度2nm/sとし、比較的製膜速度を小さく抑え、基板吸着ガスの膜表面への入射頻度を増大させた。
次いで、光反射層上に、紫外線硬化型樹脂材料(三菱レイヨン株式会社製ダイヤビームMH−7617N)をスピンコートして平均膜厚6μmの樹脂保護層を形成し、DVD−ROM再生互換性を有する相変化型光情報記録媒体の単板ディスクを作製した。
次いで、樹脂保護層上に、スピンコートにより形成した平均膜厚50μmの紫外線硬化型樹脂材料(日本化薬株式会社製KAYARAD DVD−700)で構成された接着層を介して、0.6mm厚のポリカーボネート基板を貼り合わせ、厚さ約1.2mmの貼り合わせ相変化型光情報記録媒体(光ディスク)を得た。
続いて、大口径LD(ビーム径75μm×1μm)を有する初期化装置(日立コンピュータ機器株式会社製)を用いて、CLV(ConstantLiner Velocity;線速度一定)回転制御で、線速度10m/s、初期化レーザパワー設定値1200mW、送り量37μm/回転として、光ディスクの内周部から外周部に向けて走査し、光記録層の全面結晶化を行なった。
このようにして得たDVD−ROM互換性を有する光ディスクに対して、DVD対応の光情報記録装置(株式会社リコー製MP5240A)により、DVD−ROMの4倍速相当(14m/s)の線速度で、コンテンツデータの記録を行なった。光情報記録装置(株式会社リコー製MP5240A)を使用する場合の記録条件は、該記録装置に設定されている条件に従った。
この記録部について、DVD再生評価装置(Audio Dev社製CATS SA300)により再生エラー評価を行なった結果は、表1に示すように、PIエラー=23であり、DVD−ROMの規格値であるPIエラー≦280を充分に満たしており、良好な特性で記録されていることが確認できた。また、この光ディスクについて、DVD−ROM再生装置(株式会社リコー製MP9120A)により記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
続いて、この光ディスクを、80℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験を実施した。この試験後に、試験前に記録していた部分の再生エラー評価(アーカイブ評価)を、DVD再生評価装置(Audio Dev社製CATS SA300)により行なった結果は、表1に示す通り、PIエラー=25(試験前との比が1.1)であった。この光ディスクについて、DVD−ROM再生装置(株式会社リコー製MP9120A)により、記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなくデータの読み取りを行なうことに成功した。
次いで、この試験後の光ディスクに対して、試験前には記録していなかった部分と、試験前から記録済みであった部分の両方に、試験前と同様に、DVD対応の光情報記録装置(株式会社リコー製MP5240A)によりDVD−ROMの4倍速相当(14m/s)の線速度で、コンテンツデータの記録を行なった。この記録部について、DVD再生評価装置(Audio Dev社製CATS SA300)により再生エラー評価を行なった結果を表1に示す。このとき、試験前には記録していなかった部分へ記録した場合の評価(シェルフ評価)の結果は、PIエラー=26(試験前との比が1.1)であり、DVD−ROMの規格値を満たしていた。
また試験前から記録済みであった部分へ記録した場合の評価〔OW(オーバーライト)シェルフ評価〕の結果も、PIエラー=32(試験前との比が1.4)であり、DVD−ROMの規格値を満たしていた。この光ディスクについて、DVD−ROM再生装置(株式会社リコー製MP9120A)により記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなくデータの読み取りを行なうことに成功した。
また、同様に作製した光情報記録媒体に対して、90℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験による評価を、80℃,85%RH環境下の試験のときと同様の方法にて実施した。結果は表2に示す通りであり、試験投入前の評価結果が、PIエラー=21、アーカイブ評価の結果が、PIエラー=28(試験前との比が1.3)、シェルフ評価の結果が、PIエラー=32(試験前との比が1.5)、OWシェルフ評価の結果が、PIエラー=38(試験前との比が1.8)と、何れもDVD−ROMの規格値を満たしていた。また、この光ディスクについて、DVD−ROM再生装置(株式会社リコー製MP9120A)により記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
<実施例2>
中間層材料をTi22Nb222036に、光反射層材料をAg−Cu(99:1原子%)に、光反射層上の樹脂保護層材料を大日本インキ化学工業株式会社製SD−318に、接着層材料を日本化薬株式会社製KAYARAD DVD−003に変えた点以外は、実施例1と同様にして、DVD−ROM再生互換性を有する相変化型光情報記録媒体(光ディスク)を作製した。
このようにして得たDVD−ROM互換性を有する光ディスクに対して、実施例1と同様にして記録及び再生エラー評価を実施したところ、結果は表1に示すように、PIエラー=25と良好な特性で記録することができており、DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについても、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
続いて、80℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験と、90℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験の両方についても、実施例1と同様にして実施した。結果を表1及び表2に示す。
80℃,85%RH環境下の試験結果は、アーカイブ評価の結果が、PIエラー=27(試験前との比が1.2)、シェルフ評価の結果が、PIエラー=29(試験前との比が1.2)、OWシェルフ評価の結果が、PIエラー=36(試験前との比が1.4)であった。DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについては、何れの評価においても、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
90℃,85%RH環境下の試験結果は、試験投入前の評価結果が、PIエラー=22、アーカイブ評価の結果が、PIエラー=28(試験前との比が1.3)、シェルフ評価の結果が、PIエラー=30(試験前との比が1.4)、OWシェルフ評価の結果が、PIエラー=40(試験前との比が1.8)であった。DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについては、何れの評価においても、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
<実施例3>
中間層材料をTaCに、光反射層材料をAg−Nd−Cu(98:1:1原子%)に変えた点以外は、実施例1と同様にして、DVD−ROM再生互換性を有する相変化型光情報記録媒体(光ディスク)を作製した。
このようにして得たDVD−ROM互換性を有する光ディスクに対して、実施例1と同様にして記録及び再生エラー評価を実施したところ、結果は表1に示すように、PIエラー=46と良好な特性で記録することができており、DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについても、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
続いて、80℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験と、90℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験の両方についても、実施例1と同様に実施した。結果を表1及び表2に示す。
80℃,85%RH環境下の試験結果は、アーカイブ評価の結果が、PIエラー=62(試験前との比が1.3)、シェルフ評価の結果が、PIエラー=124(試験前との比が2.7)、OWシェルフ評価の結果が、PIエラー=138(試験前との比が3.0)であった。DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについては、何れの評価においても、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
90℃,85%RH環境下の試験結果は、試験投入前の評価結果が、PIエラー=60、アーカイブ評価の結果は、PIエラー=84(試験前との比が1.4)であり、DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについては、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。しかしながら、シェルフ評価の結果は、PIエラー=174、OWシェルフ評価の結果は、PIエラー=191と、これらの評価においては、DVD−ROMの規格値を超えていた。また、試験前に測定したPIエラーとの比は、シェルフ評価では2.9、OWシェルフ評価では3.2であった。DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについては、データの読み取りを行なうことはできたが、読み取り速度の遅延が生じていた。
<比較例1>
中間層材料をTiCに、光反射層材料をAgに、光反射層上の樹脂保護層材料を大日本インキ化学工業株式会社製SD−318に、接着層材料を日本化薬株式会社製KAYARAD DVD−003に変えた点以外は、実施例1と同様にして相変化型光情報記録媒体(光ディスク)を作製した。
この光ディスクに対し、実施例1と同様にして再生エラー評価を行なった結果は、表1に示すように、PIエラー=17であって、DVD−ROMの規格値であるPIエラー≦280を充分に満たしており、良好な特性で記録されていることが確認できた。また、実施例1と同様にして記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
続いて、実施例1と同様にして80℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験を実施した結果は、表1に示す通り、PIエラー=161であった。また、実施例1と同様にして、記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなくデータの読み取りを行なうことに成功した。
次いで、この試験後の光ディスクに対して、実施例1と同様にしてコンテンツデータの記録を行ない、再生エラー評価を行なった。結果を表1に示すが、シェルフ評価の結果は、PIエラー=456とDVD−ROMの規格値を超えていた。また、OWシェルフ評価の結果は、PIエラー=397と、この評価においてもDVD−ROMの規格値を超えていた。また、実施例1と同様にして記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こし、データの読み取りに失敗した。
続いて、実施例1と同様にして90℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験を実施した結果は、表2に示す通り、試験投入前の評価結果が、PIエラー=19である光ディスクにおいて、アーカイブ評価の結果は、PIエラー=314と、DVD−ROMの規格値を超えていた。但し、実施例1と同様にして行なったコンテンツデータの読み取りについては、読み取り速度の遅延が生じていたが、データの読み取りを行なうことはできた。
シェルフ評価の結果は、PIエラー=814、OWシェルフ評価の結果は、PIエラー=996と、こちらの評価においても、DVD−ROMの規格値を超えていた。シェルフ評価及びOWシェルフ評価においては、実施例1と同様にして行なったコンテンツデータの読み取りについても、読み取りエラーを起こし、データの読み取りに失敗した。
<比較例2>
中間層材料をNbC−Nb(70:30モル%)に、光反射層材料をAg−Pd(97:3原子%)に変えた点以外は、比較例1と同様にして、DVD−ROM再生互換性を有する相変化型光情報記録媒体(光ディスク)を作製した。
このようにして得たDVD−ROM互換性を有する光ディスクに対して、実施例1と同様に、記録及び再生エラー評価を実施したところ、結果は表1に示すように、PIエラー=92であり、DVD−ROMの規格内ではあるが、やや高い値となっていた。DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについては、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
続いて、80℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験と、90℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験の両方についても、実施例1と同様に実施した。結果を表1及び表2に示す。
80℃,85%RH環境下の試験結果は、アーカイブ評価の結果が、PIエラー=108であり、DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについても、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功していた。これに対して、シェルフ評価の結果は、PIエラー=296、OWシェルフ評価の結果は、PIエラー=315と、DVD−ROMの規格値を超えていた。但し、DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについては、読み取り速度の遅延が生じたが、データの読み取りには成功した。また、試験前に測定したPIエラーとの比は、シェルフ評価では3.2、OWシェルフ評価では3.4であった。
90℃,85%RH環境下の試験結果は、試験投入前の評価結果が、PIエラー=88、アーカイブ評価の結果が、PIエラー=124であり、DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについても、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。しかしながら、シェルフ評価の結果は、PIエラー=383、OWシェルフ評価の結果は、PIエラー=405であり、DVD−ROMの規格値を超えていた上、DVD−ROM再生装置によるコンテンツデータの読み取りについても、読み取りエラーを起こし、データの読み取りに失敗した。また、このときの試験前に測定したPIエラーとの比は、シェルフ評価では4.4、OWシェルフ評価では4.6であった。
<実施例4>
溝幅0.25μm、溝深さ27nm、ウォブル溝の周期4.26μmの案内溝を有する厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を射出成型し、その上に、下部保護層、界面層、光記録層、上部保護層、中間層、光反射層を順次スパッタリング法により積層した。このとき、基板に吸着される水分を考慮して、成型後からスパッタ装置に投入されるまでの時間が3分以内になるように管理した。
下部保護層には厚さ55nmのZnS−SiO(80:20モル%)、界面層には厚さ4nmのSiO、光記録層には厚さ11nmのGeGaSb68Sn18、上部保護層には厚さ8nmのZnS−SiO(80:20モル%)、中間層には厚さ6nmのTi453322、光反射層には厚さ140nmのAg−In(99.5:0.5原子%)を用いた。
その結果、ポリカーボネート基板/ZnS−SiO(80:20モル%):55nm/SiO:4nm/GeGaSb68Sn18:11nm/ZnS−SiO(80:20モル%):8nm/Ti453322:6nm/Ag−In(99.5:0.5原子%):140nm、という層構成を形成した。
中間層の製膜条件は、圧力5.5×10−3mbar、スパッタ速度2nm/sとし、比較的製膜速度を小さく抑え、基板吸着ガスの膜表面への入射頻度を増大させた。
次いで、光反射層上に、紫外線硬化型樹脂材料(大日本インキ化学工業株式会社製SD−318)をスピンコートして平均膜厚6μmの樹脂保護層を形成し、DVD−ROM再生互換性を有する相変化型光情報記録媒体の単板ディスクを作製した。
次いで、樹脂保護層上に、スピンコートにより形成した平均膜厚50μmの紫外線硬化型樹脂材料(日本化薬株式会社製KAYARAD DVD−003)で構成された接着層を介して、0.6mm厚のポリカーボネート基板を貼り合わせて、厚さ約1.2mmの貼り合わせ相変化型光情報記録媒体(光ディスク)を得た。
続いて、大口径LD(ビーム径75μm×1μm)を有する初期化装置(日立コンピュータ機器株式会社製)を用いて、CLV回転制御で,線速度を20m/s、初期化レーザパワー設定値を1600mW、送り量を45μm/回転として、光ディスクの内周部から外周部に向けて走査し、光記録層の全面結晶化を行なった。
このようにして得たDVD−ROM互換性を有する光ディスクに対して、DVD対応の光情報記録再生評価装置(パルステック工業株式会社製DDU−1000/波長657nm、NA0.65)を用いて、記録線速度をDVD−ROMの8倍速相当(28m/s)、記録パワーPwを35mWとして、DVD−ROM再生可能なフォーマットでの記録を実施し、この記録部について、DVD再生評価装置(パルステック工業株式会社製DDU−1000/波長650nm、NA0.6)により再生エラー評価を行なった。結果は表1に示すように、PIエラー=12と、DVD−ROMの規格値であるPIエラー≦280を充分に満たしており、良好な特性で記録されていることが確認できた。
続いて、この光ディスクを、80℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験を実施した。この試験後に、試験前に記録していた部分の再生エラー評価(アーカイブ評価)を、DVD再生評価装置(パルステック工業株式会社製DDU−1000/波長650nm、NA0.6)により行なったところ、表1に示す通り、PIエラー=18であった。
次いで、該試験後の光ディスクに対して、試験前には記録していなかった部分と、試験前から記録済みであった部分の両方に、DVD対応の光情報記録再生評価装置(パルステック工業株式会社製DDU−1000/波長657nm、NA0.65)により、DVD−ROMの8倍速相当(28m/s)の線速度で、記録パワーPwを35mWとして、DVD−ROM再生可能なフォーマットでの記録を実施した。この記録部について、DVD再生評価装置(パルステック工業株式会社製DDU−1000/波長650nm、NA0.6)により再生エラー評価を行なった結果を表1に示す。このとき、試験前には記録していなかった部分へ記録した場合の評価(シェルフ評価)の結果は、PIエラー=21であり、試験前から記録済みであった部分へ記録した場合の評価(OWシェルフ評価)の結果は、PIエラー=26であった。
従って、80℃,85%RH,300時間保管による加速環境劣化試験の何れの評価結果においても、DVD−ROMの規格を充分に満たしており、充分な保存信頼性を有すること、及び、良好な特性で記録可能であることを確認することができた。
また、試験前に測定したPIエラーとの比は、シェルフ評価では1.8、OWシェルフ評価では2.2であった。
<実施例5>
溝幅0.25μm、溝深さ160nm、ウォブル溝の周期4.26μmの案内溝を有する厚さ0.6mmのポリカーボネート基板を射出成型し、その上に、スクアリリウム色素を2,2,3,3−テトラフロロプロパノール中に濃度1.5重量%で溶解した溶液を、スピンコートにより塗布することにより、案内溝の部分の平均膜厚が60nm、案内溝と案内溝の間となる部分の平均膜厚が10nmの光記録層を形成した。
次に、60℃環境下で10分間乾燥させた後、光記録層の上に、光反射層として、厚さ130nmのAg−Nd(99:1モル%)をスパッタリング法により形成した。
続いて、光反射層上に、紫外線硬化型樹脂材料(サンノプコ株式会社製ノプコキュア134)をスピンコートして平均膜厚5μmの樹脂保護層を形成し、DVD−ROM再生互換性を有する追記型光情報記録媒体の単板ディスクを作製した。
次いで、樹脂保護層上に、スピンコートにより形成した平均膜厚50μmの紫外線硬化型樹脂材料(日本化薬株式会社製KAYARAD DVD−700)で構成された接着層を介して、0.6mm厚のポリカーボネート基板を貼り合わせて、厚さ約1.2mmの貼り合わせ追記型光情報記録媒体(光ディスク)を得た。
このようにして得たDVD−ROM互換性を有する光ディスクに対して、DVD対応の光情報記録装置(株式会社リコー製MP5240A)を用いて、DVD−ROMの4倍速相当(14m/s)の線速度で、コンテンツデータの記録を行なった。
この記録部について、DVD再生評価装置(Audio Dev社製CATS SA300)により再生エラー評価を行なった結果、表1に示すように、PIエラー=63と、DVD−ROMの規格値であるPIエラー≦280を満たしており、良好な特性で記録することができていた。また、この光情報記録媒体について、DVD−ROM再生装置(株式会社リコー製MP9120A)により記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
続いて、この光ディスクを、80℃,85%RHの環境下に300時間保管する加速環境劣化試験を実施した。この試験後に、試験前に記録していた部分の再生エラー評価(アーカイブ評価)を、DVD再生評価装置(Audio Dev社製CATS SA300)により行なったところ、表1に示す通り、PIエラー=71であった。また、この光情報記録媒体について、DVD−ROM再生装置(株式会社リコー製MP9120A)により、記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
次いで、該試験後の光ディスクに対して、試験前には記録していなかった部分に、DVD対応の光情報記録装置(株式会社リコー製MP5240A)により、DVD−ROMの4倍速相当(14m/s)の線速度で、コンテンツデータの記録を行なった。この記録部について、DVD再生評価装置(Audio Dev社製CATS SA300)により再生エラー評価(シェルフ評価)を行なった結果、表1に示すように、PIエラー=75であり、試験前に測定したPIエラーとの比は、1.2であった。この記録部について、DVD−ROM再生装置(株式会社リコー製MP9120A)により記録したコンテンツデータの読み取りを行なったところ、読み取りエラーを起こすことなく、データの読み取りを行なうことに成功した。
Figure 2006092605
Figure 2006092605
光情報記録媒体への記録方法における発光パターンの一例を示す図。 Ag含有量による記録特性の変動の結果を示す図。(a)ジッタ、(b)変調度、(c)PIエラー、(d)反射率。 Ag含有量による保存信頼性の変動の結果を示す図。 本発明の光情報記録媒体の層構成の一例を示す図。 本発明の光情報記録媒体の層構成の他の例を示す図。
符号の説明
Pw 記録パワー
Pe 消去パワー
Pb ボトムパワー
nT 信号幅
EFM信号 8−14変調方式の信号

Claims (16)

  1. 同心円又は螺旋状の案内溝を有する基板上に、少なくとも光記録層と光反射層が順次積層されており、半導体レーザー光を照射することにより光記録層に変化を生じさせて情報の記録及び/又は書き換えを行なう光情報記録媒体であって、光反射層を構成する材料が、98〜99.5原子%のAgと、In、Nd、Cuから選ばれる少なくとも1種の元素からなることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 光反射層を構成する材料が、Agを99〜99.5原子%含有することを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
  3. 光反射層を構成する材料が、Agと、In、Nd、Cuから選ばれる何れか1種のみからなることを特徴とする請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
  4. 光記録層を構成する材料が、相変化材料であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光情報記録媒体。
  5. 基板上に、少なくとも、下部保護層、光記録層、上部保護層、中間層、光反射層が順次積層されており、光記録層に半導体レーザー光を照射することにより相変化を生じさせて、情報の記録及び/又は書き換えを行なうことを特徴とする請求項4記載の相変化型光情報記録媒体。
  6. 中間層を構成する材料が、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素(M)の炭化物を含むことを特徴とする請求項5記載の相変化型光情報記録媒体。
  7. 中間層を構成する材料が、Ti、Nb、Taから選ばれる少なくとも1種の元素(M)と、炭素(C)及び酸素(O)を含む材料であることを特徴とする請求項5記載の相変化型光情報記録媒体。
  8. 元素(M)が、Ti、Nb、Taから選ばれる何れか1種のみであることを特徴とする請求項6又は7記載の相変化型光情報記録媒体。
  9. 最小記録マークの記録時間が34ns以下でも記録可能であることを特徴とする請求項4〜8の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  10. 記録線速度が11m/s以上でも記録可能であることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  11. 上部保護層の主成分が、ZnSとSiOであることを特徴とする請求項5〜10の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  12. 光記録層の主成分が、組成式AgαGeβInγSbδTeε(α、β、γ、δ、εは原子%)で表される合金であり、0≦α≦5、0≦β≦5、2≦γ≦10、60≦δ≦90、8≦ε≦30、α+β+γ+δ+ε=100を満たすことを特徴とする請求項4〜11の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  13. 光記録層の主成分が、組成式Xα′Geβ′Sbγ′Snδ′Zε′(XはGa及び/又はIn、ZはBi及び/又はTe、α′、β′、γ′、δ′、ε′は原子%)で表される合金であり、2≦α′≦20、2≦β′≦20、60≦γ′≦90、5≦δ′≦25、0≦ε′≦10、α′+β′+γ′+δ′+ε′=100を満たすことを特徴とする請求項4〜11の何れかに記載の相変化型光情報記録媒体。
  14. 光記録層を構成する材料が、有機色素材料であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の光情報記録媒体。
  15. 温度80℃、相対湿度85%RHの環境下に300時間保管した後、保管前と同一条件で光記録を行なった際の記録した信号の再生エラー値ERR(A)が、保管前に記録を行ない測定した再生エラー値ERR(B)と比較して、ERR(A)≦3×ERR(B)であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の光情報記録媒体。
  16. 温度90℃、相対湿度85%RHの環境下に300時間保管した後、保管前と同一条件で光記録を行なった際の記録した信号の再生エラー値ERR(A)が、保管前に記録を行ない測定した再生エラー値ERR(B)と比較して、ERR(A)≦3×ERR(B)であることを特徴とする請求項1〜14の何れかに記載の光情報記録媒体。
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