JP2006091410A - レンズ鏡胴 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡素かつコンパクトな構造でありながら、像面を任意に変化させることが可能なレンズ鏡胴を提供する。
【解決手段】 電磁エネルギーの印加により第1および第2圧電アクチュエータ4,5を形状変化させることで第1レンズG1と第2レンズG2との面間隔D2および第2レンズG2と第3レンズG3との面間隔D4を調整するようにしたので、簡素かつコンパクトな構造でありながら、画面中央部のピントを合わせつつ画面周辺部のピントをぼかすように像面を変化させたり、画面全体に亘って明瞭となるように像面を変化させることが可能となる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、VFC機構を備えたレンズ鏡胴に関する。
一般に、小型のデジタルカメラや携帯電話に搭載されるデジタルカメラ(以下、小型デジタルカメラ等という。)には、レンズを移動させることなく遠景から近景に至るまでピントが合う、いわゆるパンフォーカスレンズを有するレンズ鏡胴が備えられていることが多い。一方で、オートフォーカス機構を有するレンズ鏡胴を備えたカメラであれば、遠景から近景に至るまで被写体距離に応じた良好な画像が得られる(例えば、特許文献1参照。)。また、オートフォーカス機構とは別に、撮影者の任意により、画面中央部のピント位置と画面周辺部のピント位置とを積極的に変えることのできるVFC(Variable Field Curvature)機構を有するレンズ鏡胴も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。このようなVFC機構を用いて像面をシフトさせることにより、例えば、画面中央部の被写体にピントを合わせ、その被写体の背景を大きくぼかすようにすれば、被写体を強調し奥行きのある画像を得ることができる。一方、画面中央部の被写体と背景とのピント位置を合わせ、画面全体に亘って明瞭な画像を得ることもできる。
特開2003−66312号公報 特開平4−194914号公報
最近の小型デジタルカメラ等においては、光学性能が著しく高度化する一方でコンパクト性も強く求められるようになってきている。しかしながら、上記特許文献1に示されたVFC機構は構成が複雑であり、これを有するレンズ鏡胴のコンパクト化を図ることは困難である。加えて、ギヤ等の部品点数も多いことから部品コストや製造コストが高く、結果としてVFC機構を有するレンズ鏡胴およびそれを搭載したカメラは高価なものとなってしまう。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素かつコンパクトな構造でありながら、像面を任意に変化させることが可能なレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明によるレンズ鏡胴は、撮像光学系を構成する複数のレンズを保持するレンズ保持手段と、電磁エネルギーが印加されることによって自らの形状変化を生じて複数のレンズの相互間隔を変化させることにより、複数のレンズの配置位置を、第1の像面に対応した第1の配置位置から第2の像面に対応した第2の配置位置へ向かうように変化させる間隔調整素子とを備えるようにしたものである。ここで、複数のレンズの配置位置とは、複数のレンズを構成する各レンズの、ある基準位置に対する絶対的な距離を表す絶対位置と、複数のレンズを構成する各レンズにおける相互間隔を表す相対位置との両者を含む主旨である。また、第1および第2の像面とは、互いに異なる像面を表し、例えば、第2の像面とは、画面中央部のピント位置と画面周辺部のピント位置とが大きく異なり、画面中央部にピントを合わせたときに画面周辺部が著しく不明瞭である(ぼけている)像面を表し、第1の像面とは、画面中央部にピントを合わせたときの画面周辺部が、少なくとも第1の像面よりも明瞭である像面を表す。あるいは、第2の像面とは、画面中央部のピント位置と画面周辺部のピント位置とが一致し、第1の像面と比較した場合、画面全体に亘って明瞭となる像面を表す。
本発明によるレンズ鏡胴では、電磁エネルギーが印加されることにより、間隔調整素子が形状変化を生じて複数のレンズの相互間隔が変化し、複数のレンズの配置位置が第1の配置位置から第2の配置位置へ向かうように変化する。
本発明によるレンズ鏡胴では、間隔調整素子が、光軸近傍の合焦状態を維持しつつ、複数のレンズの配置位置を変化させるように構成されていることが望ましい。
本発明によるレンズ鏡胴では、レンズ保持手段が、物体側から第1レンズを保持する第1レンズ枠と第2レンズを保持する第2レンズ枠と第3レンズを保持する第3レンズ枠とを含み、間隔調整素子が、第1および第2レンズの間に設けられた第1の素子と、第2および第3レンズの間に設けられた第2の素子とを含むように構成してもよい。その場合、電磁エネルギーが第2の素子に印加されることにより、第2の素子における光軸方向の寸法が増大して第2レンズと第3レンズとの間隔が広がり、電磁エネルギーが第1の素子に印加されることにより、第1の素子における光軸方向の寸法が減少して第1レンズと第2レンズとの間隔が狭まるように構成されていることが望ましい。
本発明によるレンズ鏡胴では、第1および第2の素子が圧電アクチュエータであることが望ましい。
本発明のレンズ鏡胴によれば、電磁エネルギーを印加することによって間隔調整素子が形状変化を生じ、レンズ保持手段に保持された複数のレンズの配置位置を第1の像面に対応した第1の配置位置から第2の像面に対応した第2の配置位置へ向かうように変化させるようにしたので、簡素かつコンパクトな構造でありながら、画面中央部のピント位置と画面周辺部のピント位置との差をより大きくするように、または画面中央部のピント位置と画面周辺部のピント位置との差をより小さくするように像面を任意に変化させることが可能となる。
特に、間隔調整素子が、光軸近傍の合焦状態を維持しつつ複数のレンズの配置位置を変化させるようにすれば、画面中央部のピントを合わせつつ画面周辺部のピントをぼかすように像面を動かすことができ、画面中央部のピントを合わせつつ画面周辺部のピントをも合わせるように像面を動かすことができる。
特に、圧電アクチュエータを用いて間隔調整素子を構成するようにすれば、相互間隔の調整をより高精度に行うことができ、所望の像面を容易に得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図6を参照して、本実施の形態に係るレンズ鏡胴の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るレンズ鏡胴の全体構成を表す概略図である。図2は、図1におけるII矢視方向から眺めた平面構成を表したものである。さらに、図3は、図1に示したレンズ鏡胴における光軸Z1を含む断面構成(図2のIII−III切断線に沿った矢視方向の断面構成)を表したものである。これら図1〜図3は、通常撮影時(第1の配置位置)に対応する構成をそれぞれ表している。各図では、物体側を符号Zobjで表し、像側を符号Zimgで表している。また、図3において、符号S1〜S8は、最も物体側の面をS1とし、像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1〜8)の面を示す。これら面S1〜S8における中心の曲率半径を、それぞれR1〜R8として示す。さらに、符号D1〜D7は、物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸Z1上の間隔を示す。さらに、図4および図5は、それぞれ本実施の形態のレンズ鏡胴の一部をなす第1および第2圧電アクチュエータの構成を表すものである。図6は、図3の要部を拡大して表した断面図である。
本実施の形態のレンズ鏡胴は、例えば、CCD(Charged Coupled Device:電荷結合素子)などの撮像素子を用いた携帯用モジュールカメラや小型デジタルカメラ等に搭載されて使用されるものである。
このレンズ鏡胴では、図1および図3に示したように、撮像光学系を構成する第1〜第3レンズG1〜G3が物体側から順に配置されている。これら第1〜第3レンズG1〜G3は、それぞれ、第1〜第3レンズ枠1〜3によって固定的に保持されている。第1レンズG1と第2レンズG2との間には第1圧電アクチュエータ4が設けられ、第2レンズG2と第3レンズG3との間には第2圧電アクチュエータ5が設けられている。これら第1および第2圧電アクチュエータ4,5の自らの形状変化により、第1レンズG1および第2レンズG2の相互間隔D2ならびに第2レンズG2および第3レンズG3の相互間隔D4が変化するようになっている。ここで、第1〜第3レンズG1〜G3のうち、第1および第2レンズG1,G2は光軸Z1に沿って移動可能となっているが、第3レンズG3は第3レンズ枠3を介して図示しない本体に固定されている。第1および第2の圧電アクチュエータ4,5は、リード線4L1,4L2,5L1,5L2(図4)等を介して駆動回路8と接続されており、この駆動回路8によって電圧が印加され、形状変化を生じるようになっている。駆動回路8は制御部9に接続されており、制御部9は、操作スイッチ10の操作に応じて駆動回路8へ駆動信号を発するようになっている。操作スイッチ10は、操作レバー10Lをポジション10Aとポジション10Bとの間で切り換えるように構成されている。制御部9は、例えば操作レバー10Lがポジション10Aにあるときは第2圧電アクチュエータ5に電圧を印加するように駆動回路8へ駆動信号を発し、操作レバー10Lがポジション10Bにあるときは第1圧電アクチュエータ4に電圧を印加するように駆動回路8へ駆動信号を発するように構成されている。なお、操作レバー10Lは、使用者が手を離すと(すなわち、無負荷状態とすると)直ちにニュートラルポジション10Nへ戻り、制御部9からの駆動信号が出力されない状態となる。したがって、操作レバー10Lがポジション10Aまたはポジション10Bのいずれかに位置する場合に、第1または第2圧電アクチュエータ4,5に電圧が印加されるようになっている。
第1レンズG1は、例えば物体側に凸面を向けたメニスカス形状をなし、例えば正のパワーを有している。第2レンズG2は、近軸近傍において、例えば像側に凸面を向けたメニスカス形状をなし、正または負のパワーを有している。第2レンズ群(第3レンズ)G3は、近軸近傍において、例えば、物体側に凸面を向けたメニスカス形状をなし、正または負のパワーを有している。なお、第2および第3レンズG2,G3の両面は、非球面であることが望ましい。
第1レンズ枠1は、光軸Z1を中心とした周回方向に沿って環状をなしており、中心位置に第1レンズG1を保持している。この第1レンズ枠1は、引っ張りばね6によって光軸Z1に沿って第3レンズ枠3へ向かうように付勢されている。具体的には、図1〜図3に示したように、第1レンズ枠1は光軸Z1を中心として対向する位置に一対の係止部1T1,1T2を有し、これと対応する位置に設けられた第3レンズ枠3における一対の係止部3T1,3T2と共に引っ張りばね6A,6Bの一端ずつを保持し、常に互いに引き合うように構成されている。第1レンズ枠1の一部をなす円筒部分1Aの外周面は、第3レンズ枠3の一部をなす円筒部分3Aの内面と接している。ただし、円筒部分1Aの、円周方向に3等分した3箇所には突起部1K(1K1〜1K3)が設けられており、これら突起部1Kは、第3レンズ枠3の一部をなす円筒部分3Aの内面に形成された縦溝(図示せず)に収められている。第1レンズ枠1はこの縦溝にガイドされて光軸Z1の方向にスライドするようになっている。
第2レンズ枠2は、第1レンズ枠1と同様、光軸Z1を中心とした周回方向に沿って環状をなしており、中心位置に第2レンズG2を保持している。第2レンズ枠2の端縁2Aは円筒部分3Aの内面と接している。また、当接面2Bが円筒部分1Aの内面と接するように配置されている。ただし、光軸Z1の方向においては、ギャップ12Gが確保されている。ギャップ12Gの寸法は、第1圧電アクチュエータ4の形状変化に伴って変化するものであり、第1圧電アクチュエータ4の光軸Z1方向の変位量よりも大きく確保されている。さらに、第2レンズ枠2は、端縁2Aの、円周方向に3等分した3箇所には突起部2K(2K1〜2K3)が設けられており、これら突起部2Kは、第1レンズ枠1の突起部1Kと同様、円筒部分3Aの内面に形成された縦溝に収められている。第2レンズ枠2はこの縦溝にガイドされて光軸Z1の方向にスライドするようになっている。
第3レンズ枠3は、第1および第2レンズ枠1,2と同様、光軸Z1を中心とした周回方向に沿って環状をなしており、把持部3Bによって中心位置に第3レンズG3を保持している。第3レンズ枠3は、光軸Z1の方向において、第2レンズ枠2との間にギャップ23Gを確保するように配置されている。ギャップ23Gの寸法は、第2圧電アクチュエータ5の形状変化に伴って変化するものであり、第2圧電アクチュエータ5の光軸Z1方向の変位量よりも大きく確保されている。また、第3レンズ枠3には、CCDなどの固体撮像素子7が設けられている。固体撮像素子7の撮像面は、第1〜第3レンズG1〜G3からなるレンズ系の結像面と一致する。第3レンズG3と固体撮像素子7との間には、固体撮像素子7の撮像面を保護するためのカバーガラスCGが設けられている。さらに、カバーガラスCGのほか、赤外線カットフィルタやローパスフィルタなどの他の光学部材が配置されていてもよい。
第1および第2圧電アクチュエータ4,5は、電圧を印加することによりその形状を僅かに変化させると共に、電圧を取り除くと初期の形状に復元する性質を有しており、電気的に高精度な変位量の制御が可能な素子である。第1および第2圧電アクチュエータ4,5は、図4(A)の平面図に示したように、光軸Z1と直交する面内において光軸Z1を全周に亘って取り囲むリング状をなし、その中心位置が光軸Z1と一致するように配置されている。これら第1および第2圧電アクチュエータ4,5は、図4(B)に示したようにそれぞれ一対の電極4L1,4L2によって挟まれており、リード線4L1,4L2を介して第1の電圧および第1の電圧とは反対の極性を有する第2の電圧が印加されることにより、合焦を行いつつ像面を変化させる機能を有している。なお、形状についてはリング状に限らず、例えば、図5(A)の平面図に示した圧電アクチュエータ41〜43(51〜53)のように円柱状となるように構成し、光路を避けるように円周上の3箇所に配置するようにしてもよい。この場合、図5(B)に示したように、例えばリング状の薄い電極4P2(5P2)に、圧電アクチュエータ41〜43(51〜53)を接合することにより保持すればよい。リード線4L1,4L2,5L1,5L2は図6に示したように、例えば第2レンズ枠2および第3レンズ枠3の内部を通過するように配設されており、端部がそれぞれ駆動回路8と接続されている。
次に、上記構成をなすレンズ鏡胴を備えたカメラにおいて撮影を行う際の動作を説明する。図3は、本発明の「第1の配置位置」の一具体例に対応する通常撮影時の状態(モードIの配置位置)における断面構成を表している。「第2の配置位置」の一具体例に対応するモードIIの配置位置およびモードIIIの配置位置については、第1レンズG1および第2レンズG2の移動量が0.1mm〜0.3mm程度と僅かであるので図示を省略する。また、図3は、画面中央部のピント位置を合わせた状態を表している。
まず、第1〜第3レンズG1〜G3の配置位置を、通常撮影時の状態(モードIの配置位置)からモードIIの配置位置へ変化させることにより、画面中央部にピントを合わせると共に画面周辺部を積極的にぼかす場合の動作について説明する(第1の切換動作)。この場合、操作レバー10Lをポジション10Aに合わせることにより、制御部9が駆動回路8に対して第1の駆動信号を発するようにする。第1の駆動信号を受けた駆動回路8は、第1圧電アクチュエータ4には通電せずに第2圧電アクチュエータ5のみに電圧を印加するように動作する。したがって、第1圧電アクチュエータ4の寸法は変化せず面間隔D2が一定に保持される。その一方で、第2圧電アクチュエータ5は形状変化を生じ、光軸Z1方向の厚みが(例えば0.3mm)拡大する。このとき、第2圧電アクチュエータ5と接する第3レンズG3は、第3レンズ枠3(の把持部3B)に固定されているので動くことはない。第2圧電アクチュエータ5と接する他方のレンズである第2レンズG2は、第2レンズ枠2に固定され、第1圧電アクチュエータ4を介して第1レンズ枠1と共に引っ張りばね6の付勢力によって像側へ付勢されているものの、光軸Z1方向において固定されているわけではない。第2圧電アクチュエータ5は、その形状変化により引っ張りばね6の付勢力よりも大きな力で第2レンズG2および第3レンズG3を押すので、第2レンズG2が第1レンズG1と共に物体側へ押し出されることとなる。この結果、面間隔D4が第2圧電アクチュエータ5の光軸Z1方向の形状変化分に対応する分だけ(例えば0.1mm)広がることとなる。
このように、第1圧電アクチュエータ4を一定の形状に保ち面間隔D2を一定に保持しつつ、第2圧電アクチュエータ5の形状を変化させ面間隔D4を拡大することにより、第1〜第3レンズG1〜G3の配置位置がモードIの配置位置からモードIIの配置位置へ変化し、画面中央部にピントを合わせつつ、画面周辺部を積極的にぼかすように像面を変化させることができる。この際、操作レバー10Lの操作によって通電量を制御し、第2圧電アクチュエータ5の形状変化量を適宜変化させることにより、画面周辺部のぼかし具合を撮影者の任意により調整することができる。上記の第1の切換動作は、例えば、画面中央部に人物を入れて撮影する際、画面周辺部に映り込んだ背景をぼかすことで人物を強調させたい場合に有効に用いることができる。
続いて、モードIの配置位置から、モードIIの配置位置とは異なるモードIIIの配置位置へ変化させることにより、画面中央部にピントを合わせつつ、画面周辺部のピントをも積極的に合わせる場合の動作について説明する(第2の切換動作)。この場合、操作レバー10Lをポジション10Bに合わせることにより、制御部9が駆動回路8に対して第2の駆動信号を発するようにする。第2の駆動信号を受けた駆動回路8は、第2圧電アクチュエータ5には通電せずに第1圧電アクチュエータ4のみに電圧を印加するように動作する。したがって、第2圧電アクチュエータ5の寸法は変化せず面間隔D4が一定に保持される。その一方で、第1圧電アクチュエータ4は形状変化を生じ、光軸Z1方向の厚みが(例えば0.3mm)縮小する。このとき、第1圧電アクチュエータ4と接する第1レンズG1および第2レンズG2は、引っ張りばね6の付勢力によって互いに引き合うように付勢されているので、第1圧電アクチュエータ4の光軸Z1方向の形状変化分に対応する分だけ面間隔D2が(例えば0.3mm)狭まることとなる。
このように、第2圧電アクチュエータ5を一定の形状に保ち面間隔D4を一定に保持しつつ、第1圧電アクチュエータ4の形状を変化させ面間隔D2を縮小することにより、第1〜第3レンズG1〜G3の配置位置が、モードIの配置位置からモードIIIの配置位置へ変化する。これにより、画面中央部にピントを合わせつつ、画面周辺部のピントをも積極的合わせるように像面を変化させることができる。この際、操作レバー10Lの操作によって通電量を制御し、第1圧電アクチュエータ4の形状変化量を適宜変化させることにより、画面周辺部の明瞭さを撮影者の任意により調整することができる。上記の第2の切換動作は、例えば、画面中央部に人物を入れて撮影する際、人物だけでなく画面周辺部に映り込んだ背景をも明瞭にし、画面全体に亘って明瞭である画像を得たい場合に有効に用いることができる。
以上説明したように、本実施の形態のレンズ鏡胴によれば、第1および第2の切換動作により、第1および第2圧電アクチュエータ4,5を形状変化させることで面間隔D2,D4を変化させるようにしたので、ギヤ機構などの複雑な構造を備えることなくコンパクトな構造をなし、画面中央部のピントを合わせつつ画面周辺部のピントをぼかすように像面を変化させたり、画面全体に亘って明瞭となるように像面を変化させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、第1の切換動作により、第2圧電アクチュエータ5のみを形状変化させるようにしたが、これに限らず、第1圧電アクチュエータ4をも形状変化させるようにしてもよい。同様に、第2の切換動作により、第1圧電アクチュエータ4のみを形状変化させるようにしたが、第2圧電アクチュエータ5をも形状変化させるようにしてもよい。したがって、本発明の「形状変化」は、(1)第1および第2圧電アクチュエータ4,5の双方の形状変化、(2)第1圧電アクチュエータ4のみの形状変化、(3)第2圧電アクチュエータ5のみの形状変化、の3つを全て含む意である。
次に、本実施の形態に係るレンズ機構における具体的な数値実施例について説明する。
図7は、図3に示したレンズ機構のうちのレンズ部分(第1〜第3レンズG1〜G3)の構成に対応する具体的なレンズデータ(本実施例)を示すものである。図7(A)および図7(B)には、本実施例のレンズデータのうち基本的なレンズデータを示し、図7(C)には、本実施例のレンズデータのうち非球面形状に関するデータ部分を示す。
図7(A)における面番号SiおよびRiの欄には、図3で付した符号に対応させて物体側からi番目(i=1〜7)の面の番号およびその曲率半径をそれぞれ示す。面間隔Diの欄についても、図3で付した符号に対応させて、物体側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1との光軸Z1上の間隔を示す。ただし、面間隔D2,D4は可変である。曲率半径Riおよび面間隔Diの単位はミリメートル(mm)である。ndjおよびνdjの欄には、それぞれ、物体側からj番目(j=1〜4)レンズ要素のd線(587.6nm)に対する屈折率およびアッベ数の値を示す。表1の欄外には、諸データとして、全系の焦点距離f(mm)、Fナンバー(FNO.)および画角2ω(ω:半画角)の値を示す。図7(A)の各レンズデータにおいて、面番号Siの左側に付された記号「*」は、そのレンズ面が非球面形状であることを示す。本実施例では、第2レンズG2の両面S3,S4および第3レンズG3の両面S5,S6が非球面形状となっている。図7(A)には、これらの非球面の曲率半径Riとして、光軸近傍(近軸近傍)の曲率半径の数値を示している。また、図7(B)には、図7(A)における面間隔D2,D4と撮影モードとの対応関係の一例を示す。
図7(C)の非球面データの数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10-2」であることを示す。
非球面データには、以下の式(A)によって表される非球面形状の式における各係数Ai,Kの値を記す。Zは、より詳しくは、光軸から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)を示す。
Z=C・h2/{1+(1−K・C2・h21/2}+A3・h3+A4・h4+A5・h5+A6・h6+A7・h7+A8・h8+A9・h9+A10・h10 ……(A)
ただし、
Z:非球面の深さ(mm)
h:光軸からレンズ面までの距離(高さ)(mm)
K:離心率
C:近軸曲率=1/R
(R:近軸曲率半径)
Ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
各実施例共に、第2レンズG2の両面S3,S4の非球面形状は、非球面係数として、偶数次の係数A4,A6,A8,A10のみを有効に用いて表されている。第3レンズG3の両面S5,S6の非球面形状は、さらに奇数次の非球面係数A3,A5,A7,A9をも有効に用いている。
図8(A)〜(C)は、MTF(Modulated Transfer Function )特性図を示している。図8(A)〜(C)において、横軸はデフォーカスを表し、縦軸はMTF値(%)を表す。また、各図において、符号Cは中心軸での分布曲線を示し、符号STは、80%の像高でのサジタル方向およびタンジェンシャル方向の平均の分布曲線を示す。図8(A)は、モードI(通常撮影時、面間隔D2=0.95mm,D4=0.1mm)におけるMTF特性を示しており、分布曲線Cのピーク位置と分布曲線STのピーク位置とがほぼ一致している。図8(B)は、モードII(周辺部を大きくぼかす時、面間隔D2=0.95,D4=0.2mm)におけるMTF特性を示している。面間隔D4を広げることにより、分布曲線Cのピーク位置に対し分布曲線STのピーク位置が右方向(正方向)に大きく偏り、80%の像高を有する周辺部分での像面湾曲が生じている。図8(C)は、モードIII(周辺部にもピントを合わせる時、面間隔D2=0.65,D4=0.1mm)におけるMTF特性を示している。面間隔D2を狭めることにより、分布曲線Cのピーク位置に対し分布曲線STのピーク位置が左方向(負方向)に大きく偏り、80%の像高を有する周辺部分において、図8(B)とは反対の像面湾曲が生じている。
図9(A)〜図9(C)は、本実施例のモードI〜IIIにそれぞれ対応する球面収差および非点収差を示すものである。各収差図には、d線を基準とした収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル方向の収差を示し、破線はタンジェンシャル方向の収差を示す。ωは半画角を示す。
以上の各レンズデータおよび特性図から明らかなように、本実施例において、像面のコントロールを行いつつ、球面収差および非点収差について良好な収差補正がなされている。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、本実施の形態では、撮像光学系を構成する複数のレンズを3群3枚構成として説明したが、これに限られるものではない。例えば、4枚以上のレンズにより撮像光学系を構成してもよい。その場合、例えば第1レンズを複数枚のレンズからなるレンズ群としてもよい。
また、第1および第2の素子として、それぞれ圧電アクチュエータを用いるようにしたが、これに限定されるものではなく、外部から磁気エネルギーを与えることにより形状変化を生じるもの(例えば、磁歪素子)についても適用可能である。
本発明の一実施の形態に係るレンズ鏡胴における全体構成を表す概略図である。 図1に示したレンズ鏡胴における全体の平面構成を表す平面図である。 図1に示したレンズ鏡胴の、標準撮影位置における断面構成を表す断面図である。 図1に示したレンズ鏡胴に搭載された圧電アクチュエータを表す平面図および断面図である。 図4に示した圧電アクチュエータの変形例を表す平面図および断面図である。 図1に示したレンズ鏡胴の要部構成を表す拡大断面図である。 図1に示したレンズ鏡胴の一実施例に対応するレンズデータを表す説明図である。 図1に示したレンズ鏡胴の一実施例に対応するMTF特性図である。 図1に示したレンズ鏡胴の一実施例に対応する球面収差および非点収差を表す収差図である。
符号の説明
1…第1レンズ枠、1A…円筒部分、2…第2レンズ枠、2B…端縁、3…第3レンズ枠、3A…円筒部分、4…第1圧電アクチュエータ、5…第2圧電アクチュエータ、6(6A,6B)…引っ張りばね、7…固体撮像素子、8…駆動回路、9…制御部、10…操作スイッチ、G1…第1レンズ、G2…第2レンズ、G3…第3レンズ、CG…カバーガラス。

Claims (5)

  1. 撮像光学系を構成する複数のレンズを保持するレンズ保持手段と、
    電磁エネルギーが印加されることによって自らの形状変化を生じ、前記複数のレンズの相互間隔を変化させることにより、前記複数のレンズの配置位置を、第1の像面に対応した第1の配置位置から第2の像面に対応した第2の配置位置へ向かうように変化させる間隔調整素子と
    を備えたことを特徴とするレンズ鏡胴。
  2. 前記間隔調整素子は、光軸近傍の合焦状態を維持しつつ、前記複数のレンズの配置位置を変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
  3. 前記レンズ保持手段は、物体側から
    第1レンズを保持する第1レンズ枠と、
    第2レンズを保持する第2レンズ枠と、
    第3レンズを保持する第3レンズ枠と
    を含み、
    前記間隔調整素子は、
    前記第1および第2レンズの間に設けられた第1の素子と、
    前記第2および第3レンズの間に設けられた第2の素子と
    を含み、
    前記電磁エネルギーが前記第2の素子に印加されることにより、前記第2の素子における光軸方向の寸法が増大して前記第2レンズと前記第3レンズとの間隔が広がり、
    前記電磁エネルギーが前記第1の素子に印加されることにより、前記第1の素子における光軸方向の寸法が減少して前記第1レンズと前記第2レンズとの間隔が狭まる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡胴。
  4. 前記第1および第2の素子は、圧電アクチュエータである
    ことを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡胴。
  5. 前記第1および第2の素子は、リング状をなし、その中心位置が光軸と一致するように配置されている
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレンズ鏡胴。



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