JP2006090914A - 分子検出装置、匂いセンサ、光学素子、分子検出方法 - Google Patents

分子検出装置、匂いセンサ、光学素子、分子検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高感度化、高精度化を図ることのできる分子検出装置、匂いセンサ、光学素子、分子検出方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 センサ10は、フォトニック結晶構造のコア層23を有する光学素子20を備え、コア層23に検出対象となる特定分子が吸着したときの、コア層23(導波路25)の光学特性(格子間隔や屈折率)の変化を検出部40で検出し、センサ10が置かれた雰囲気中における、特定分子の存在の有無や特定分子の濃度を検出する。また、導波路25を複数本備えることで、同時に複数の分子を検出することもできる。さらに、導波路25を複数本備えれば、いずれか一つの導波路25をリファレンス(基準)用として用い、環境変化の影響等を排除して高精度な検出を行うこともできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、匂いを検出する匂いセンサ、雰囲気中に存在する分子を検出する分子検出装置等に関する。
従来より、爆発危険性や有害性のあるガス等の存在、あるいはその定量的な濃度を検出するためのセンサが存在した。このセンサでは、ガスに含まれる特定の分子を吸着し、その吸着の有無、あるいは吸着量を検出することで、ガス等の存在の有無、あるいはその濃度を検出している。このようなセンサは、ガス等を取り扱う施設、設備、装置等に設置され、ガスの漏れやガス量のコントロールに用いられている。
また近年、燃料電池の開発が盛んに行われている。燃料電池は水素を用いるため、水素ステーションや、燃料電池を使用する車両や装置、機器等において、水素の漏れが無いか監視するのが好ましい。このような用途にも、上記センサは適用できる。
上記用途以外にも、特定の分子を吸着することで、その吸着の有無あるいは吸着量を検出するセンサは、例えば食物の鮮度や成分分析、快適空間を提供・維持するための環境制御、さらには、人体等、生体の状態検知等に用いることが考えられる。
このようなセンサとしては、従来、大きく分けて2種類の方式のものがあった。
一つは、カンチレバー上に、特定の分子を吸着する分子吸着膜(感応膜)を設け、分子吸着膜に分子が吸着されたときのカンチレバーの状態変化から、分子の吸着を検出するものである。分子吸着膜に分子が吸着されると、分子吸着膜の質量が増加する。これにより、カンチレバーのたわみ量が変化するので、その変化量から、特定の分子の吸着を検出できる。また、分子の吸着により分子吸着膜の質量が増加すると、カンチレバーと分子吸着膜とからなる系の共振周波数が変化するので、その変化から特定の分子の吸着を検出することもできる(例えば、非特許文献1参照。)。
もう一つの方式は、水晶振動子に分子吸着膜を設け、分子吸着膜に分子が吸着されたときの、水晶振動子の共振周波数変化から、特定の分子の吸着を検出するものである。
このような方式を採用することで、白金やパラジウムを水素分子の吸着膜として適用した水素ガス検知センサや、PMMAポリマーを用いたアルコール成分検知、また食物の匂い検知等が実現できることが既に報告されている。特に、カンチレバーや水晶振動子の共振周波数変化を検出する方法では、特定分子が分子吸着膜に吸着して微小な質量変化が生じた際に、高い振動Q値を有する水晶振動子やカンチレバーの共振周波数がその質量変化に極めて敏感に反応して変化を生じるため、高感度な検知が可能になっている。
こうした従来の水晶振動子やカンチレバーの共振周波数変化を用いてガス検知をする方法においては、センサ自体を、水晶の固体素子や、微細加工技術で製作する大きさ数十〜数百μmのカンチレバーで構成する。したがって、センサの小型化が可能であり、また前述のように振動Q値も高くできる特徴があるので、小型化、高感度化の面で優れた構成であると言える。
Suman Cherian, Thomas Thundat、"Determination of adsorption-induced variation in the spring constant of a microcantilever"、Applied Physics Letter、2002年、Vol.80、No.12、pp.2219-2221
しかしながら、従来のような方式においては、より高感度化、高精度化を図り、さらに信頼性向上等を目指すには、以下に示すような問題が存在する。
高感度化を図るには、僅かな分子吸着によって、たわみ量や共振周波数が大きく変化するのが好ましい。これに対し、カンチレバーのたわみ量変化を用いる方式において、僅かな分子吸着によってたわみ量を大きく変化させるには、カンチレバーを薄く(細く)する必要がある。しかしながら、それには自ずと限界がある。
また、カンチレバーの共振周波数変化を用いる方式において、高感度化を図るにはカンチレバーのQ値を高める必要がある。それには、カンチレバーの小型化(軽量化)、高剛性化が必要となる。小型化の追求は、静電容量やピエゾ抵抗、あるいは光てこ方式等によるカンチレバーの振動変位の計測感度の低下を招く(信号のSN比の低下)ので、大きさの限界がある。このような課題に対して、カンチレバーの振動変位の計測のために、微弱電子の検出を行うことも試みられているが、FIB(集束イオンビーム加工装置)による加工が必要であるなど、実際に量産に適用できるレベルのものではない。
さらに、カンチレバーの共振周波数変化を用いる方式においては、共振周波数の変化から質量変化量を求め、最終的に分子吸着膜に吸着した分子量を求めているが、このとき厳密には、分子吸着膜に分子が吸着することによってカンチレバーに応力が生じ、その結果ばね定数が変化している。この、ばね定数の変化が同時に共振周波数に変化を与えるので、共振周波数の変化をそのまま質量変化に置き換えて分子吸着量を求めることは誤差を生じ、高精度化の妨げとなっている。
また、カンチレバーは常に共振周波数で振動し続けているため、カンチレバーの疲労破壊、あるいは外部からの衝撃振動等でカンチレバーの衝撃破壊が懸念される。
一方、水晶振動子の共振周波数変化を用いる方式においては、水晶振動子はQ値が高く(剛性が極めて高く設定できる)、構造も簡素であるために、高感度化は図りやすい。しかしながら、この方式では小型化が困難である。
さらに、カンチレバーや水晶振動子の共振周波数変化を検出する場合、カンチレバーや水晶振動子は外界の環境変化にも非常に敏感に反応する。このため、高精度な検出を行うには、温度管理、湿度管理、気圧管理等も重要である。したがって、これらの検出環境をモニタリングし、環境を均一に保つか、変化した環境に合わせて結果を較正しなければならず、これらには手間やコストがかかる。
また、共振周波数を精密に計測して、その変化量を求めるには、実際には数十kHz程度の振動周波数帯において、1%以下の周波数分解能で計測する必要がある。そのためには、共振周波数の計測回路には種々の工夫が必要であり、これも高コスト化に繋がる要因となる。
ところで近年では、健康等への関心が大いに高まっている。健康の度合いを示す指標として、体臭等の匂いを検出することが考えられる。このような用途にセンサを用いる場合、匂いは様々な分子が組み合わさって生成されるため、複数(多数)の分子検出をセンサで行わなければならない。
センサをこのような構成とするには、単純には、複数のセンサを一体にユニット化すればよいのであるが、実際には、センサの大型化に繋がる。また、その構造も複雑になるので、センサの製造コストが上昇することになる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、高感度化、高精度化を図ることのできる分子検出装置、匂いセンサ、光学素子、分子検出方法を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の分子検出装置は、特定分子の吸着の影響により光学特性が変化する導波路と、導波路に入射させる所定波長の光を発する光源と、光源で発した光を導波路に入射して伝播させたときに、導波路から出射される光の変化に基づき、特定分子の吸着を検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
このような構成では、特定分子の吸着の影響により導波路の光学特性が変化する。このような導波路に、光源で発した所定波長の光を入射させて伝播させると、導波路から出射される光は、導波路の光学特性の変化の影響を受ける。したがって、検出部にて、導波路から出射される光の変化を検出し、検出した変化に基づき、特定分子の吸着を検出することができる。ここで、検出部では、特定分子の吸着の有無を検出することもできるし、また特定分子の吸着量を検出することも可能である。
さて、導波路としては、特定分子の吸着の影響により光学特性が変化するものであれば、いかなるものを用いても良い。
これには、導波路を、特定分子を吸着する材料で形成された分子吸着部材に設ける、つまり分子吸着部材自体が特定分子を吸着し、それによって、この分子吸着部材に設けられた導波路の光学特性が変化するものとするのが好ましい。このような分子吸着部材としては、特に、分子吸着部材とは屈折率の異なる物質が存在する領域が周期的に配列され、導波路が、分子吸着部材に領域を連続して欠落させたことで形成されている構成のもの、いわゆるフォトニック結晶構造のものを用いるのが好ましい。フォトニック結晶構造は、光学特性が敏感に変化し、また容易に小型化が図れるからである。
フォトニック結晶構造を有した分子吸着部材は、特定分子を吸着することで、分子吸着部材における領域の配列周期が変化する。領域の配列周期が変化すると、すなわち導波路の光学特性が変化することになるので、検出部では、導波路から出射される光の変化を検出し、これに基づき、特定分子の吸着を検出することができる。
また、導波路が、特定分子を吸着する材料で形成された分子吸着部材に設けられている場合、導波路自体に特定分子が吸着することで導波路の屈折率が変化する。したがって、検出部では、導波路の屈折率が変化することで生じる、導波路から出射される光の変化に基づき、導波路への特定分子の吸着を検出することができる。
また、特定分子を吸着することでひずみや応力を受ける別の部材を導波路に近接して設け、特定分子を吸着したときに別の部材が受けたひずみや応力の影響により、導波路の光学特性が変化するものであってもよい。
さらに、導波路に接する位置に、特定分子の吸着により誘電率または体積が変化する分子吸着部材を設け、導波路が、分子吸着部材の誘電率または体積の変化にともない光学特性が変化するようにすることができる。これには、例えば、導波路に分子吸着部材を積層することができる。また、導波路をフォトニック結晶構造により形成する場合、フォトニック結晶構造の空隙となる部分に分子吸着部材を充填することができる。さらには、フォトニック結晶構造の空隙となる部分に分子吸着部材を充填するだけでなく、フォトニック結晶構造を覆うように分子吸着部材を設けることもできる。
ところで、検出部では、光学特性が変化した導波路から出射される光の変化として、例えば、導波路から出射される光の偏向モードまたは強度の変化を検出することができる。そして、検出された変化に基づき、特定分子の吸着を検出するのである。
上記したような導波路は、分子検出装置に複数備えることもできる。この場合、検出部は、複数の導波路のそれぞれから出射される光の変化に基づき、導波路への特定分子の吸着を検出する。このような導波路は、入射側で一本であったものを複数本に分岐して形成しても良い。
そして、複数の導波路のそれぞれで、互いに異なる種類の特定分子を吸着できるようにすれば、検出部において、複数の導波路のそれぞれから出射される光に基づき、複数種類の特定分子の吸着を検出することができる。これにより、同時に複数種類の特定分子の存在や濃度が検出できるほか、匂いのように、複数の特定分子が複合したものを検出することもできる。
また、複数の導波路のうち、少なくとも二つの導波路のうち一つの導波路から出射される光を基準としたときの、他の導波路から出射される光の変化に基づき、特定分子の吸着を検出することもできる。つまり、一つの導波路を基準とし、他の導波路における光の変化の差分を検出し、これによって特定分子の吸着を検出するのである。これにより、温度、湿度、気圧等、様々な環境条件を較正することができる。
また、このような分子検出装置には、導波路に吸着された特定分子を導波路から除去するための分子除去部をさらに備えるようにしても良い。このような分子除去部としては、例えばヒータがある。ヒータで導波路(あるいは導波路が設けられた分子吸着部材)を加熱することで、吸着した分子を蒸発させて除去するのである。もちろん、同様の機能を発揮できるのであれば、適宜他のものを分子除去部として用いても良い。
このような本発明の分子検出装置は、例えば、特定のガスの存在やその定量化、または匂いなど複数の分子が混ざり合って存在する環境雰囲気の検知が可能となる。さらに、フォトニック結晶構造を採用することで小型化が可能な構成であることから、携帯機器等の小型の機器に搭載される燃料電池における水素の漏れや濃度の検知、小型のガス検知装置、人体から生じる匂い成分による、可搬性に優れた健康モニタリング装置等の用途に本発明の分子検出装置を適用することができる。もちろん、用途はこれに限るものではなく、ガスや匂い、特定の分子の特定が必要な産業上の用途全般に本発明の分子検出装置は利用可能である。
本発明は、匂いセンサとして捉えることもできる。この匂いセンサは、特定分子の吸着の影響により光学特性が変化する複数の導波路と、複数の導波路のそれぞれに入射させる所定波長の光を発する光源と、光源で発した光を複数の導波路に入射して伝播させたときに、複数の導波路のそれぞれから出射される光の変化に基づいて、匂いを検出する検出部と、を備えることを特徴とする。例えば、導波路を、特定分子を吸着する材料で形成すれば、特定分子の吸着により導波路の光学特性が変化する。
このとき、互いに異なる種類の特定分子を吸着する材料で形成された分子吸着部を複数有するようにし、複数の分子吸着部のそれぞれに導波路を形成するのが好ましい。
人体の体臭等の匂いは、複数種の分子が複合化して構成されるものであることから、匂いセンサに複数の導波路を備え、それぞれの導波路で特定分子を吸着し、これを検出することで、全体として複数種の特定分子が検出でき、これによって匂いの検出が可能となるのである。
本発明は、上記したような分子検出装置や匂いセンサに適用するのに最適な光学素子として捉えることもできる。このような光学素子は、特定分子を吸着する材料で形成され、材料とは屈折率の異なる物質が存在する領域が周期的に配列された分子吸着部材と、分子吸着部材に前記の領域を連続して欠落させたことで分子吸着部材に形成され、所定波長の光を伝播する導波路と、を備えることを特徴とする。複数の分子を検出したり、高精度な検出を行うのであれば、導波路が形成された分子吸着部材を複数組備えるのが良い。この場合、複数組の分子吸着部材は、一の分子吸着部材と、他の分子吸着部材とで、吸着できる特定分子の種類が互いに異なるようにするのが好ましい。これにより、複数の分子を同時に検出したり、匂いを検出する場合に適した光学素子を構成できる。
また、本発明は、特定分子を吸着する材料で形成したフォトニック結晶素子に、所定波長の光を入射させる工程と、光がフォトニック結晶素子の導波路を伝播し、導波路から出力された光の特性を検出することで、特定分子の存在または特定分子の存在度合いを検出する分子検出方法として捉えることもできる。このような分子検出方法は、特定のガスを検出するためのものとすることができる。また、複数種の特定分子の存在または存在度合いを検出することで、特定の匂いを検出するためのものとすることもできる。
本発明によれば、特定分子が吸着することで生じる導波路の光学特性の変化を検出することで、分子検出装置や匂いセンサが置かれた雰囲気中における、特定分子の存在の有無や特定分子の濃度を検出することができる。
このような構成において、体積変化や屈折率変化に非常に敏感なフォトニック結晶を分子吸着部材に用いることで、分子検出装置や匂いセンサを、小型で、高感度、高精度、しかも高い信頼性を有したものとすることができる。
また、導波路を複数備えるような構成とすれば、匂いのように、複数の分子が混ざり合った検知対象の検出が可能となる。さらに、リファレンス用の導波路を設ければ、環境の影響を受けず、さらに高精度な検出が可能となる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
図1は、本実施の形態におけるセンサ(分子検出装置、匂いセンサ)10の構成を説明するための図である。
この図1に示すセンサ10は、検知対象となる特定の分子(以下、特定分子)を吸着することで、ガスや匂い等の存在(発生)の有無、あるいはその濃度の検出を行うものである。このセンサ10は、特定の分子を吸着し、吸着した分子によって光学特性が変化する光学素子(フォトニック結晶素子)20と、光学素子20に所定波長の光を入射させる光源30と、光源30から光学素子20を通って出射される光を受け、光学素子20における分子の吸着状態を検出する検出部40と、を備えている。
光源30は、所定波長の光を発し、図示しない光ファイバ、別途構成された導波路、あるいは光結合器等を伝播させて光学素子20に入射させる。ここで、光源30では、検出する対象、つまり光学素子20で吸着する特定分子に応じ、適切な波長を有したものを用いる。より詳しくは、光学素子20で吸着する分子に応じて選択される光学素子20の材料の屈折率に応じ、光源30で発する光の波長が選択される。したがって、ここでは、光源30で発する光の波長を何ら限定することはなく、赤外光から紫外光、さらに短波長のものまでを許容する。ただし、センサ10を小型化するという観点からすると、光源30も小型化できるものを選択するのが好ましい。
光学素子20は、特定分子の吸着に応じ、光学特性が変化する構成のものとする。このような構成の光学素子20としては、フォトニック結晶構造を採用するのが好ましい。
すなわち、光学素子20は、例えば単結晶シリコン、ガラス等から形成されるプレート状のベース21上に、クラッド層22と、コア層(分子吸着部材)23とが積層された構造を有しており、コア層23で分子を吸着できるよう構成する。
コア層23は、特定の分子を選択的に吸着することによりその素材の光学特性が変化する材料、例えばポリマー系素材から形成される。このようなポリマー系素材としては、例えばアクリル酸系のポリマー等がある。このようなポリマー系素材(分子吸着膜)は、例えば、南戸 秀仁、“匂いセンサ”、AROMA RESEARCH、フレグランスジャーナル社、2002年、Vol.3、No.2、p.102−110に記載されたものがあり、アクリル酸、メチルアクリル酸、ビニルアクリル酸、エチルアクリル酸、n−プロピルアクリル酸、n−ブチルアクリル酸、tert−ブチルアクリル酸、iso−ブチルアクリル酸、n−ヘキシルアクリル酸、2,2,2−トリフルオロエチルアクリル酸、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアクリル酸、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリル酸等がある。
コア層23には、所定の配列で、孔(屈折率の異なる物質が存在する領域)24が周期的に形成されている。孔24は、所定径(例えば数百nm)を有し、正三角形を単位胞とする三角格子状に配列され、各単位胞における孔24どうしは、入射される光の波長に応じた所定の間隔(前記の正三角形の一辺の長さ)を隔てている。また、コア層23の母材(例えばポリマー系素材)と孔24の部分を満たす物質(一般には空気等の気体、他の物質を充填しても良い)により、誘電率(屈折率)の異なる2種類の物質が交互に周期的に配列された構成となる。なお、孔24はコア層23だけでなく、クラッド層22、さらにはベース21にまで形成しても良い。さらに、コア層23には、このような孔24が、所定の連続する軌跡に沿って欠損する(孔24を形成しない)ことで、いわゆる導波路25が形成されている。このようにして、コア層23は、いわゆるフォトニック結晶を構成する。
ここで、クラッド層22は、コア層23とは屈折率が異なる物質、例えばシリコン酸化膜(SiO2)等で形成されている。これにより、コア層23は、その一面側はクラッド層22に接し、他面側は空気等の雰囲気に接し、両面を屈折率の異なる物質に挟み込まれた状態となっている。
このような構成により、コア層23の側面に露出する導波路25の一端25aに、光源30から図示しない光ファイバを介して所定波長の光を入射させると、この光は導波路25内を伝播し、導波路25の他端25bから外部に出力される。導波路25の他端25bから出力された光は、図示しない集光レンズ等を介して光ファイバ等に入光され、検出部40へと導かれる。
検出部40は、上記のようにして導波路25から出力された光を、フォトダイオード等の受光素子で受光し、その光信号の強度(の変化)を検出する。そして、その光信号の強度変化から、予め規定されたしきい値に基づいて特定分子の吸着の有無を判定したり、コア層23への分子吸着量を特定する。そして、検出部40では、判定した特定分子の吸着の有無や、特定したコア層23への分子吸着量を、インジケータランプ、アラーム音、メータ等の視覚や聴覚で認識できる情報、あるいは外部のPCやモニタ装置への出力信号等として出力することができる。
さて、このようなセンサ10において、コア層23を形成する材料に特定分子が吸着すると、コア層23はその光学特性が変化する。このときに変化する光学特性としては、孔24によって構成される格子の間隔(周期配列:以下、「格子間隔」と称する)と、屈折率とがある。
センサ10が置かれた雰囲気中に特定分子が存在するとき、コア層23にこの特定分子が吸着すると、コア層23の質量が変化する。コア層23に対しては、センサ10が置かれた雰囲気中の特定分子の濃度に対応した量の分子が吸着する。つまり、特定分子の濃度が高いときにはコア層23への吸着量が多く、濃度が薄いときには吸着量が少なくなる。
このようにして、コア層23に特定分子が吸着すると、コア層23と特定分子との結合によって、コア層23は、初期状態(特定分子を吸着していない状態)に対し、圧縮あるいは引張の応力を受ける。この応力によってコア層23は歪を受け、結果的にコア層23に体積変化を生じることとなる。すると、孔24が周期的に配列されたフォトニック結晶構造のコア層23において、孔24の周期に(僅かな)寸法変化が生じる。その結果、導波路25を伝播する光の特性を大きく変化させる。
例えば、コア層23における周期構造のずれ量と、このコア層23の導波路25から出力される光の出力変動との関係をシミュレーションしてみる。ここで、導波路25の長さを5μmとし、この導波路25に波長1550nmの光を伝播させる条件でシミュレーションを行った。図2は、そのシミュレーション結果を示すものである。
この図2に示すように、周期構造(格子間隔)に1%のずれが生じると、約5%の出力変動を受ける。このことから、コア層23への特定分子の吸着によって、コア層23に1%の体積変化が生じたとき、コア層23を構成するフォトニック結晶の周期構造も1%の変化を受け、その結果、前述条件の結晶構造においては、5%の出力変化が生じる。
したがって、この光の出力変化を、検出部40で検出することで、コア層23に吸着した特定分子の量が特定できる。
また、コア層23に特定分子が吸着することによって、コア層23(導波路25)の屈折率が変化する場合も同様で、導波路25を伝播して出力される光特性は変化を受ける。
光が通過する導波路25の屈折率が変化した場合に、出力される光の強度変化をシミュレーションした。ここで、長さ5μmの導波路25に、波長1550nmの光を伝播させ、導波路25の屈折率が2.0から1.5に低下(25%の変化)したとしてシミュレーションを行った。図3は、そのシミュレーション結果を示すものである。
この図3に示すように、導波路25の屈折率が2.0から1.5に低下すると、導波路25から出力される光の出力は、約35%低下した。つまり、導波路25の屈折率が10%変化する毎に、導波路25から出力される光の出力は約15%変化する。したがって、この光の出力変化を、検出部40で検出することで、コア層23に吸着した特定分子の量が特定できる。
ところで、このような構成のセンサ10においては、コア層23で吸着した特定分子をコア層23から離散させる(抜く)ため、光学素子20を加熱するヒータ(分子除去部)50を備えるようにしても良い。
ヒータ50で光学素子20を加熱すると、コア層23が加熱され、コア層23に吸着された特定分子がコア層23から揮発する。これにより、特定分子の吸着によって変化が生じたコア層23の光学特性を、初期の状態に復元することができる。
上述したようなセンサ10は、フォトニック結晶構造のコア層23を有する光学素子20を備え、コア層23に検出対象となる特定分子が吸着したときの、コア層23の光学特性(格子間隔や屈折率)の変化を検出部40で検出することができる。したがって、センサ10が置かれた雰囲気中における、特定分子の存在の有無や特定分子の濃度をセンサ10で検出することができる。
これにより、センサ10では、特定のガス、匂い等の検出が可能となり、特定のガスの漏れや、雰囲気環境の監視等、各種のモニタリング等が可能となる。
このようなセンサ10は、体積変化や屈折率変化に非常に敏感なフォトニック結晶素子を分子吸着膜とすることにより、小型で高感度なものとすることができる。しかも、センサ10は、機構的に可動部分がなく、したがって機械的な故障が生じにくく、高い信頼性を発揮することができる。
さらに、ヒータ50でコア層23に吸着した特定分子を除去するようにすれば、センサ10を繰り返し使用し、長期にわたって高精度な検出を行うことも可能となる。
加えて、フォトニック結晶構造のコア層23を有する光学素子20において、導波路25の幅(サブミクロンレベル)は、使用する波長が決まれば一定であり、小型化および複合化(アレー化)しやすい。したがって、センサ10自体の小型化が図れる。
また、導波路25を伝播して出力される光の強度変化を検出部40で検出することで分子吸着量が特定できるので、検出部40で用いる光検出素子としては一般的な光センサが適用できる。また信号検出のための回路も複雑さはない。したがって、この点においても、全体としての小型化が図れる。
ところで、このようなセンサ10は、例えば、複数のセンサ10を組み合わせて用い、それぞれのセンサ10のコア層23で異なる特定分子を吸着するようにすれば、複数種の特定分子を検出することも可能となる。このような場合にも、上記のような理由から、全体として小型化を図ることができる。
ここで、上記のようなセンサ10の応用例を示す。
図4に示すように、センサ(分子検出装置、匂いセンサ)10’は、図1に示したセンサ10と同様、光学素子(フォトニック結晶素子)20’、光源30、検出部40を備えている。そして、光学素子20’は、図1に示した光学素子20と同様、ベース21上に、クラッド層22、フォトニック結晶構造を有したコア層(分子吸着部材)23’が積層された構造を有している。
ここで、コア層23’には、導波路25が途中で複数(図4の例では2本)の導波路25A、25Bに分岐するよう、孔24が周期的に配列形成されている。これにより、光源30から光学素子20’の導波路25に入射した光は、導波路25A、25Bに分岐し、導波路25A、25Bのそれぞれを伝播していく。ところで、フォトニック結晶構造においては、急峻な曲げ半径を有するようにしても、光損失をほとんど伴わずに光を伝播させることができるので、図4に示したような分岐箇所を有する導波路25の形成もきわめて容易に、そして小型にできる。
そして、検出部40では、分岐した導波路25A、25Bのそれぞれから出力される光の強度変化を検出し、これに基づいて、導波路25A、25Bのそれぞれの光学特性の変化を検出する。
そして、このような構成のセンサ10’において、一方の導波路25Aに対応した領域(分子吸着部)S1と、他方の導波路25Bに対応した領域(分子吸着部)S2において、コア層23’を、それぞれ異なる特定分子を吸着する材料で形成する。領域S1、S2において、それぞれ異なる特定分子をコア層23’に吸着すると、コア層23’はそれぞれ光学特性(格子間隔や屈折率)が変化する。これにより、導波路25A、25Bから出力された光の強度変化を検出部40で検出することで、領域S1、S2においてコア層23’に吸着された、それぞれの特定分子の吸着量を検出できる。
つまり、このようにすることで、センサ10’で、同時に複数(ここでは2種類)の分子を検出することが可能となる。したがって、センサ10’においては、匂いのように、複数の分子が混ざり合った検知対象の検出が可能となり、しかも、このような場合にも、センサ10’は小型のものとすることが可能である。
また、このような構成のセンサ10’において、一方の導波路25Aに対応した領域S1と、他方の導波路25Bに対応した領域S2において、いずれか一つ(例えば領域S2)をリファレンス(基準)用として用いることもできる。この場合、領域S1とS2では、コア層23’を構成する材料を共通とし、リファレンス用の領域S2においては、カバーやコート層等を設けることで、コア層23’に特定分子を吸着できないようにするのが好ましい。
このようにすると、領域S1、S2とも、同一の雰囲気環境(温度、湿度、気圧等)の影響を受けながら、領域S1においては、コア層23’に特定分子が吸着され、領域S2においてはコア層23’に特定分子が吸着されない。この状態で、検出部40で導波路25A、25Bから出力された光の強度変化を検出し、領域S2側の導波路25Bの光の強度変化を基準とし、特定分子が吸着される領域S1側の導波路25Aの光の強度変化の差分を検出する。すると、センサ10’においては、種々の環境変化の要因を排除し、さらに高精度な分子検出が行え、しかも、このような場合にも、センサ10’を小型のものとすることができる。
ここで、図4に示したセンサ10’は、2系統の導波路25A、25Bを有するものとしたが、もちろん、これを3系統以上とすることができる。そのようにすれば、3種以上の特定分子の検出が可能となる。また、少なくとも1種の特定分子についてリファレンス用の導波路を設ければ、複数種の特定分子の検出を行いつつ、より高精度な検出も行える。このような構成は、特に、複数種の特定分子の存在度合いを検出して、感覚的な情報である複雑な匂いをかぎ分ける場合に際し、特に有効である。
また、図4に示したセンサ10’では、導波路25を途中で2系統の導波路25A、25Bに分岐させるようにしたが、それぞれ独立した複数系統の導波路25を光学素子20’に形成するようにしても良い。この場合、光源30からの光が光学素子20’に至るまでの間に光を分岐させ、それぞれの系統の導波路25に光を入射させるようにすれば良い。
なお、上記実施の形態では、光学素子20、20’に入射する光の波長、強度、偏光面等の光特性については、検出に影響を及ぼさない範囲で任意に設定可能であり、フォトニック結晶構造を有する光学素子20、20’の大きさや周期構造も制限を与えるものではない。
また、上記実施の形態においては、コア層23を、特定分子を選択的に吸着することによりその素材の光学特性が変化する材料で形成する構成としたが、特定分子の吸着の「影響」により導波路25の光学特性が変化するのであれば、他の構成を採用しても良い。
例えば、図5(a)、(b)に示すように、特定分子を吸着しない材料(例えば通常、フォトニック結晶材料に用いられるSi等)でコア層23を形成し、このコア層23に形成した孔24の部分に、コア層23とは屈折率(誘電率)が異なり、特定分子を選択的に吸着することによりその素材の光学特性が変化する材料(例えばポリマー系素材等:分子吸着部材)60を充填する構成とすることができる。ここで、この材料60は、図5(a)に示すように、孔24のみに充填しても良いし、図5(b)に示すように、孔24に充填するだけでなく、コア層23全体を覆うように塗布しても良い。
このような構成では、コア層23において、周期的に配列された孔24にコア層23とは屈折率が異なる材料60が充填されているので、これにより、光は導波路25を伝播する。そして、孔24に充填された材料60が特性分子を吸着すると、材料60の屈折率が変化するので、これによって導波路25を伝播する光もその光学特性の変化の影響を受ける。この光の出力変化を、検出部40で検出することで、孔24に充填された材料60に吸着した特定分子の存在や量が特定できる。その結果、特定のガス、匂い等の検出が可能となり、特定のガスの漏れや、雰囲気環境の監視等、各種のモニタリング等が可能となる。
また、図5(a)、(b)に示した構成において、コア層23に形成した孔24の部分に、コア層23とは屈折率が異なり、特定分子を選択的に吸着することによりその体積が変化する材料70を充填する構成とすることができる。このような材料としては、上記のコア層23と同様の、例えばアクリル酸系のポリマー等を用いることができる。
このような構成では、コア層23において、周期的に配列された孔24にコア層23とは屈折率が異なる材料(分子吸着部材)70が充填されているので、これにより、光は導波路25を伝播する。そして、孔24に充填された材料70が特性分子を吸着すると、材料70の体積が変化するので、これによってコア層23自体(孔24以外の部分)の充填率が変化し、導波路25を伝播する光もその光学特性の変化の影響を受ける。この光の出力変化を、検出部40で検出することで、孔24に充填された材料70に吸着された特定分子の存在や量が特定できる。その結果、このような構成においても、特定のガス、匂い等の検出が可能となり、特定のガスの漏れや、雰囲気環境の監視等、各種のモニタリング等が可能となる。
また、上記実施形態では、光学素子20、20’の導波路25を伝播して出力される光信号として、検出部40で光強度を検出するようにしたが、偏光制御した光を入光し、その偏光面の変化を検出したり、波面制御された複数の光の一方を参照光として用い、導波路25を伝播した光との干渉光をつくり、その位相シフト量から分子吸着膜への分子吸着量を特定する方法等も適用することができる。
さらに、ベース21、クラッド層22、コア層23、特定分子を選択的に吸着することによりその体積が変化する材料70等については、所要の機能を果たすものであれば、上記に例示したものに限らず、適宜他の材料を採用することが可能である。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本実施の形態におけるセンサの構成を示す図である。 コア層におけるフォトニック結晶構造の周期構造(格子間隔)の変化量と、導波路から出力される光の出力変動との関係をシミュレーションした結果を示す図である。 導波路の屈折率が変化した場合に、出力される光の強度変化をシミュレーションした結果を示す図である。 複数の導波路を備えたセンサの例を示す図である。 特定分子を吸着する分子吸着部材をフォトニック結晶構造のコア層に配した構成のセンサの例を示す断面図である。
符号の説明
10、10’…センサ(分子検出装置、匂いセンサ)、20、20’…光学素子(フォトニック結晶素子)、21…ベース、22…クラッド層、23、23’…コア層(分子吸着部材)、24…孔(屈折率の異なる物質が存在する領域)、25、25A、25B…導波路、30…光源、40…検出部、50…ヒータ(分子除去部)、60、70…材料(分子吸着部材)、S1、S2…領域(分子吸着部)

Claims (19)

  1. 特定分子の吸着の影響を受けて光学特性が変化する導波路と、
    前記導波路に入射させる所定波長の光を発する光源と、
    前記光源で発した光を前記導波路に入射して伝播させたときに、前記導波路から出射される光の変化に基づき、前記特定分子の吸着を検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする分子検出装置。
  2. 前記導波路は、前記特定分子を吸着する材料で形成された分子吸着部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の分子検出装置。
  3. 前記分子吸着部材に、前記分子吸着部材とは屈折率の異なる物質が存在する領域が周期的に配列され、
    前記導波路は、前記分子吸着部材に前記領域を連続して欠落させたことで形成されていることを特徴とする請求項2に記載の分子検出装置。
  4. 前記分子吸着部材は、前記特定分子を吸着することで、前記分子吸着部材における前記領域の配列周期が変化し、
    前記検出部は、前記領域の配列周期が変化することで生じる、前記導波路から出射される光の変化に基づき、前記特定分子の吸着を検出することを特徴とする請求項3に記載の分子検出装置。
  5. 前記導波路は、前記特定分子を吸着することで屈折率が変化し、
    前記検出部は、前記導波路の屈折率が変化することで生じる、前記導波路から出射される光の変化に基づき、前記導波路への前記特定分子の吸着を検出することを特徴とする請求項2または3に記載の分子検出装置。
  6. 前記導波路に接する位置に設けられ、前記特定分子の吸着により誘電率または体積が変化する分子吸着部材をさらに備え、
    前記導波路は、前記分子吸着部材の誘電率または体積の変化にともない、光学特性が変化することを特徴とする請求項1に記載の分子検出装置。
  7. 前記検出部は、前記導波路から出射される光の偏向モードまたは強度の変化を検出し、検出された前記変化に基づき、前記特定分子の吸着を検出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の分子検出装置。
  8. 前記導波路を複数備え、
    前記検出部は、複数の前記導波路のそれぞれから出射される光の変化に基づき、前記特定分子の吸着を検出することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の分子検出装置。
  9. 複数の前記導波路のそれぞれで、互いに異なる種類の前記特定分子を吸着可能とし、
    前記検出部は、複数の前記導波路のそれぞれから出射される光に基づき、複数種類の前記特定分子の吸着を検出することを特徴とする請求項8に記載の分子検出装置。
  10. 複数の前記導波路のうち、少なくとも二つの前記導波路において、一つの前記導波路から出射される光を基準としたときの、他の前記導波路から出射される光の変化に基づき、前記特定分子の吸着を検出することを特徴とする請求項8または9に記載の分子検出装置。
  11. 吸着された前記特定分子を除去するための分子除去部をさらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の分子検出装置。
  12. 特定分子の吸着の影響により光学特性が変化する複数の導波路と、
    複数の前記導波路のそれぞれに入射させる所定波長の光を発する光源と、
    前記光源で発した光を複数の前記導波路に入射して伝播させたときに、複数の前記導波路のそれぞれから出射される光の変化に基づいて、匂いを検出する検出部と、
    を備えることを特徴とする匂いセンサ。
  13. 互いに異なる種類の前記特定分子を吸着する材料で形成された複数の分子吸着部を有し、
    複数の前記分子吸着部のそれぞれに前記導波路が形成されていることを特徴とする請求項12に記載の匂いセンサ。
  14. 特定分子を吸着する材料で形成され、前記材料とは屈折率の異なる物質が存在する領域が周期的に配列された分子吸着部材と、
    前記分子吸着部材に前記領域を連続して欠落させたことで前記分子吸着部材に形成され、所定波長の光を伝播する導波路と、
    を備えることを特徴とする光学素子。
  15. 前記導波路が形成された前記分子吸着部材を複数組備えることを特徴とする請求項14に記載の光学素子。
  16. 複数組の前記分子吸着部材は、一の前記分子吸着部材と、他の前記分子吸着部材とで、吸着できる特定分子の種類が互いに異なることを特徴とする請求項15に記載の光学素子。
  17. 特定分子を吸着する材料で形成したフォトニック結晶素子に、所定波長の光を入射させる工程と、
    前記光が前記フォトニック結晶素子の導波路を伝播し、前記導波路から出力された光の特性を検出することで、前記特定分子の存在または前記特定分子の存在度合いを検出する分子検出方法。
  18. 特定のガスを検出するためのものであることを特徴とする請求項17に記載の分子検出方法。
  19. 複数種の前記特定分子の存在または存在度合いを検出することで、特定の匂いを検出するためのものであることを特徴とする請求項17に記載の分子検出方法。
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