JP2006089513A - プロピレン系樹脂組成物、そのフィルムおよび積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリプロピレンブロック共重合体と、メルトフローレートが0.01〜50g/10分であり、下記の式(1)を充足する非晶性α-オレフィン共重合体とを含有するプロピレン系樹脂組成物、そのフィルムおよび積層体。
Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 式(1)
ただし、式(1)において、Uaは、前記非晶性α−オレフィン系共重合体50重量%と、特定の物性を有するホモポリプロピレン樹脂50重量%とからなる評価用樹脂組成物の曲げ弾性率(MPa)、SaおよびTaのそれぞれは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂の曲げ弾性率(MPa)および配合割合(50重量%)を表す。
【選択図】 なし
Description
かかる状況において、本発明の目的は、耐熱性、低温での耐衝撃性および縦方向(MD)の引裂強度と横方向(TD)の引裂強度との引裂強度バランスに優れるプロピレン系樹脂組成物、そのフィルムおよび積層体を提供することにある。
すなわち、本発明は、
下記の成分(I)99〜1重量%と、下記の成分(II)1〜99重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物(但し、当該プロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%とする)、当該プロピレン系樹脂組成物からなるフィルムおよび積層体に係るものである。
成分(I) :ポリプロピレンブロック共重合体。
成分(II):下記要件(1)および要件(2)を充足する非晶性α-オレフィン共重合体。
要件(1):230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.01〜50g/10分であること。
要件(2):下記式(1)を充足すること。
Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 式(1)
ただし、式(1)において、
Uaは、非晶性α−オレフィン系共重合体(成分(II))50重量%と、下記の物性(1)〜(3)を有するホモポリプロピレン樹脂50重量%とからなる評価用樹脂組成物のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Saは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Taは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂の配合割合(50重量%)を表す。
物性(1):JIS K 7203に準拠して測定した曲げ弾性率(Sa)が1400±100MPaであること。
物性(2):荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12±3g/10分であること。
物性(3):JIS K 7122に準拠して示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃であること。
B成分が20重量%未満の場合、低温での耐衝撃性が悪化することがあり、40重量%を超えた場合、耐熱性が悪化することがある。
A成分とB成分のそれぞれの含有量は、低温での耐衝撃性の観点から、好ましくは、A成分が60〜75重量%であり、B成分が25〜40重量%である。
B成分のエチレン含有量が20重量%未満である場合や50重量%を超えた場合、低温での耐衝撃性が低下することがあり、また、極限粘度(〔η〕B)が2dl/g未満の場合も、低温での耐衝撃性が低下することがある。
B成分のエチレン含有量は、外観と低温での耐衝撃性の観点から、好ましくは25〜45重量%であり、B成分の極限粘度(〔η〕B)として、好ましくは2.5dl/g以上であり、より好ましくは2.5〜4.5dl/gである。
極限粘度の比(〔η〕B/〔η〕A)が1.8を超えた場合、フィルムにフィッシュアイが発生して外観が損なわれることがある。
極限粘度の比(〔η〕B/〔η〕A)は、低温での耐衝撃性と外観の観点から、好ましくは0.8〜1.7である。
(a)Si−O結合を有する有機ケイ素化合物の共存下、一般式Ti(OR1)nX4-n(R1は炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン原子、nは0<n≦4の数字を表わす。)で表されるチタン化合物を、有機マグネシウム化合物で還元して得られる固体生成物を、エステル化合物及び、エーテル化合物と四塩化チタンとの混合物で処理して得られる三価のチタン化合物含有固体触媒成分、
(b)有機アルミニウム化合物
(c)Si−OR2結合(R2は炭素数が1〜20の炭化水素基である。)を有するケイ素化合物よりなる触媒系
などのチーグラー・ナッタ型触媒を用いて、
(b)成分中のAl原子/(a)成分中のTi原子のモル比を1〜1000、好ましくは5〜600、(c)成分/(b)成分中のAl原子のモル比を0.02〜500、好ましくは0.05〜10となるように使用し、重合温度20〜150℃、好ましくは50〜95℃、重合圧力は大気圧〜40kg/cm2G、好ましくは2〜30kg/cm2Gの条件下に、第1工程で実質的に不活性溶剤の不存在下にプロピレンと分子量調節のため水素を供給してプロピレンを主体とした重合体部分(A成分)を重合した後、引き続いて、A成分の存在下に、第2工程で気相中でプロピレンとエチレンと水素を供給してエチレン−プロピレン共重合体部分(B成分)を重合する方法が挙げられる。
要件(1):230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.01〜50g/10分であること。
要件(2):下記式(1)を充足すること。
Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 式(1)
ただし、式(1)において、
Uaは、非晶性α−オレフィン系重合体(成分(II))50重量%と、下記の物性(1)〜(3)を有するホモポリプロピレン樹脂50重量%とからなる評価用樹脂組成物のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Saは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Taは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂の配合割合(50重量%)を表す。
物性(1):JIS K 7203に準拠して測定した曲げ弾性率(Sa)が1400±100MPaであること。
物性(2):荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12±3g/10分であること。
物性(3):JIS K 7122に準拠して示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃であること。
Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 式(1)
ただし、式(1)において、
Uaは、非晶性α−オレフィン系重合体(成分(II))50重量%と、下記の物性(1)〜(3)を有するホモポリプロピレン樹脂50重量%とからなる評価用樹脂組成物のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Saは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Taは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂の配合割合(50重量%)を表す。
物性(1):JIS K 7203に準拠して測定した曲げ弾性率(Sa)が1400±100MPaであること。
物性(2):荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12±3g/10分であること。
物性(3):JIS K 7122に準拠して示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃であること。
Ua≦1.4×Sa×(Ta/100)3.3 式(1−a)
Ua≦1.3×Sa×(Ta/100)3.3 式(1−b)
Ua≦1.2×Sa×(Ta/100)3.3 式(1−c)
(I)ホモポリプロピレン樹脂として、JIS−K−7203に準拠して測定した曲げ弾性率(Sa)が1400±100MPa、荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12±3g/10分、JIS−K−7122に準拠して示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃、であるプロピレンの単独重合体を用いる。該ホモポリプロピレン樹脂として、市販品を用いてもよい。
(II)該ホモポリプロピレン樹脂の曲げ弾性率(Sa)を、JIS−K−7203に準拠して測定する。
(III)該ホモポリプロピレン樹脂50重量部と、非晶性α-オレフィン系共重合体50重量部(Ta)と、イルガノックス1010(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製の酸化防止剤)0.25重量部とを、バッチ式密閉混練機(例えば、プラスチコーダーPLV151型混練機(商品名、ブラベンダー社製))を用いて、スクリュー回転数10rpm、200℃で2分間混練した後、次いで、100rpmで5分間混練することによって、評価用樹脂組成物(1)を得る。
(IV)上記(III)で得られた評価用樹脂組成物(1)を、JIS−K−6758に準拠して230℃でプレス成形し、3種類のシートを得る。
(V)上記(IV)で得られたシートの曲げ弾性率(Ua)を、JIS−K−7203に準拠して測定する。
(VI)上記(II)で測定されたホモポリプロピレン樹脂の曲げ弾性率(Sa)の値および非晶性α-オレフィン系共重合体の含有量(Ta)の値(50重量部)を上記式(1)の各々の右辺に代入し、右辺の値を算出する。
(VII)上記(VI)で算出された右辺の値と上記(V)で測定されたシートの曲げ弾性率(Ua)の値とを比較して、上記(III)で得られた評価用樹脂組成物(1)が上記式(1)を満足するか否かを検定する。
(VIII)上記(III)で得られた評価用樹脂組成物(1)が上記式(1)を満足する場合、評価用樹脂組成物(1)に用いられた非晶性α-オレフィン系共重合体は、本発明の要件(2)を満足すると判断でき、すなわち、上記式(1)を充足すると判断でき、評価用樹脂組成物(1)に用いられた非晶性α-オレフィン系共重合体を、本発明で用いられる非晶性α-オレフィン系共重合体(成分(II))に該当すると判断することができる。
0 ≦[x/(x+y)] ≦ 0.5 式(2)
ただし、式(2)において、
xは非晶性α−オレフィン系共重合体(成分(II))に含有されるエチレンから誘導された構造体単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系重合体(成分(II))に含有される炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導された構造体単位の含有量(モル%)を表す(ただし、非晶性α−オレフィン系共重合体(成分(II))に含有されるエチレン、プロピレンまたは炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導された構造体単位の合計量を100モル%とする)。
好ましくは、成分(I)の含有量が98〜40重量%であり、成分(II)の含有量が2〜60重量%であり、より好ましくは、成分(I)の含有量が97〜60重量%であり、成分(II)の含有量が3〜40重量%である。
公知の混合方法に用いられる装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラブレンダー等が挙げられ、公知の溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法に用いられる装置としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサー等が挙げられる。
基材層としては、包装材料として使用可能なものであればよく、その形状はシート、フィルム、トレー、容器等のいずれであってもよい。
また、基材層が熱可塑性樹脂で形成される場合には、共押出し法で直接積層体を成形することもできる。なお、レトルト食品包装用積層体の場合には、通常、フィルムの一方の面に基材層が積層され、別の包装材として使用される場合には、フィルムの両面に基材層を積層してもよい。
[I]測定方法
物性測定は、下記のとおりに行った。
(1)非晶性α−オレフィン系共重合体に含有される各単量体から誘導される構造単位の含有量(単位:モル%)
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C−NMRスペクトルのプロピレンから誘導される構造単位に由来するメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテンから誘導される構造単位に由来するメチル炭素のスペクトル強度の比からプロピレンから誘導される構造単位と1−ブテンから誘導される構造単位の組成比を算出した。
メルトインデックス(MI)は、JIS K6758に従って、230℃、2.16kgfで測定した。
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの非晶性α−オレフィン系重合体の濃度(c)が、0.6、1.0、1.5mg/mlである非晶性重合体のテトラリン溶液を調整し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度([η])として求めた。
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって測定した。測定装置としてはWaters社製150C/GPCを用い、測定溶媒としてはo−ジクロロベンゼンを用い、カラムとしては昭和電工社製Sodex Packed ColumnA−80M(2本)を用い、分子量標準物質としはポリスチレン(東ソー社製、分子量68〜8,400,000)を用い、溶出温度140℃、溶出溶媒流速1.0ml/minの条件で、重合体約5mgを5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解したものを400μl注入し、示差屈折検出器にてポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、この比である分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
JIS K7121に従い、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−100℃まで降温し、−100℃で5分間保持した後、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温し、融解ピークの測定を行った。
JIS K7121に従い、示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)によって測定を行った。具体的には、状態調整として、室温から200℃まで30℃/分で昇温し、200℃で5分間保持した。次に、10℃/分で−100℃まで降温し、−100℃で5分間保持した後、−100℃から200℃まで10℃/分で昇温し、融解ピークの測定を行った。融解ピークが最も大きいピークのピーク値を融点とし、この値が大きいほど耐熱性に優れることを示す。
また、レトルト食品包装では、滅菌のため135℃で高温高圧処理を行うことから、同温度で10分間処理を行った後の目視によるフィルムのヘタリについて、次の基準で表示した。
○:フィルムにヘタリが見られなかった。
△:フィルムにヘタリが若干見られた。
×:フィルムにヘタリが見られ熱融着が生じていた。
−10℃において東洋精機フィルムインパクトテスターを使用して、直径15mmの半球状衝撃頭を用いて、フィルムの衝撃強度を測定した。この値が大きいほど、低温での耐衝撃性が高いことを示す。
JIS Z1702に従い、フィルムの縦方向(MD)の引裂強度および横方向(TD)の引裂強度を測定し、縦方向(MD)の引裂強度と横方向(TD)の引裂強度の比(MD値/TD値)を、引裂強度のバランスとして評価した。この値が1に近いほど、縦方向(MD)の引裂強度と横方向(TD)の引裂強度のバランスに優れていることを示す。
直径100mmで、リップギャップ1.2mmのサーキュラーダイを備えた(株)プラコー製空冷インフレ成形機にて、樹脂温度210℃、引取速度7m/分、ブロー比を3とし、平均厚み60μmで加工したときのバブルの安定性について、次の基準で表示した。
○:バブルが長時間にわたり安定し、良好なフィルムが得られた。
△:バブルが左右に若干蛇行し、バブルがなかなか安定しなかった。
×:バブルが安定せず、安定成形が不可能であった。
[非晶性α−オレフィン系共重合体の製造]
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンとを、分子量調節として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、本発明の成分(II)に相当するプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00Kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81Kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出した。
重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマー及び水洗浄し、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体(以下、重合体Bと称する。)を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。重合体Bの生成速度は7.10Kg/時間であった。重合体B中のプロピレンに基づく構造単位の含有量は94.5モル%、1−ブテンに基づく構造単位の含有量は5.5モル%であった。また、重合体Bの[η]値は2.3dl/gであり、Mw/Mn値は2.2であり(Mw=420000、Mn=191000)、融解ピークは観測されなかった。
上記の方法により製造した非晶性プロピレン−1−ブテン共重合体85重量部とポリプロピレンブロック共重合体(住友化学工業(株)製 ノーブレンWFS5293−10 MI=2.9g/10分)15重量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 Irganox1010)0.2重量部と、芳香族フォスファイト系酸化防止剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製 Irgafos168)0.2重量部とを配合した後、得られた配合物(100.24重量部)に、過酸化物(日本油脂(株)製CH−3)0.3重量部を配合し、二軸押出機により220℃で溶融混練し、MI=3g/10分の非晶性α−オレフィン系共重合体マスターバッチ1を得た。また、上記のポリプロピレンブロック共重合体をプロピレン-エチレン単独重合体(住友化学工業(株)製 ノーブレンFS2011DG3 MI=2.3g/10分、エチレン含量=0.3重量%)とした他は同様にし、マスターバッチ2を得た。
成分(I)のポリプロピレンブロック共重合体として、ポリプロピレンブロック共重合体(住友化学工業(株)製 ノーブレンWFS5293−10 MI=2.9g/10分)95重量%と成分(II)の非晶性α−オレフィン系共重合体として前記方法で製造した非晶性α−オレフィン系共重合体マスターバッチ1を5重量%をペレットブレンドを行い、直径100mmで、リップギャップ1.2mmのサーキュラーダイを備えた(株)プラコー製空冷インフレ成形機へ前記のブレンドしたペレットを供給し、樹脂温度210℃、引取速度7m/分、ブロー比を3とし、空冷インフレーション成形を行い、平均厚み60μmのフィルムを得た。実際の成分(I)、成分(II)含量は表1に示した。得られたフィルムの耐熱性、低温での耐衝撃性、縦方向(MD)の引裂強度と横方向(TD)の引裂強度のバランスを評価し、評価結果をそれぞれ表2に示した。
成分(I)のポリプロピレンブロック共重合体として、ポリプロピレンブロック共重合体(住友化学工業(株)製 ノーブレンWFS5293−10 MI=2.9g/10分)70重量%と成分(II)の非晶性α−オレフィン系共重合体として前記方法で製造した非晶性α−オレフィン系共重合体マスターバッチ1を30重量%をペレットブレンドを行い、実施例1と同じ方法でフィルムを製膜した。実際の成分(I)、成分(II)含量は表1に示した。得られたフィルムの物性を評価し、評価結果をそれぞれ表2に示した。
成分(I)のポリプロピレンブロック共重合体の代わりに、プロピレン-エチレン共重合体(住友化学工業(株)製 ノーブレンFS2011DG3 MI=2.3g/10分、エチレン含量=0.3重量%)70重量%と成分(II)の非晶性α-オレフィン系共重合体マスターバッチ2を30重量%をペレットブレンドを行い、実施例1と同じ方法でフィルムを製膜した。実際の成分(I)、成分(II)含量は表1に示した。得られたフィルムの物性を評価し、評価結果をそれぞれ表2に示した。
成分(I)のポリプロピレンブロック共重合体(住友化学工業(株)製 ノーブレンWFS5293−10 MI=2.9g/10分)100重量%を実施例1と同じ方法でフィルムを製膜した。実際の成分(I)、成分(II)含量は表1に示した。得られたフィルムの物性を評価し、評価結果をそれぞれ表2に示した。
これに対して、本発明のエチレン含有量に関する要件を満足しないプロピレン-エチレン共重合体を用いた比較例1のフィルムは、低温での耐衝撃性が不充分であり、
本発明の要件である非晶性α-オレフィン系共重合体(成分(II))を用いなかった比較例2のフィルムは、製膜性、低温での耐衝撃性および縦方向(MD)の引裂強度と横方向(TD)の引裂強度のバランスが不充分であったことが分かる。
Claims (6)
- 下記の成分(I)99〜1重量%と、下記の成分(II)1〜99重量%とを含有するプロピレン系樹脂組成物(但し、当該プロピレン系樹脂組成物の全量を100重量%とする)。
成分(I):ポリプロピレンブロック共重合体。
成分(II):下記要件(1)および要件(2)を充足する非晶性α-オレフィン共重合体。
要件(1):230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレートが0.01〜50g/10分であること。
要件(2):下記式(1)を充足すること。
Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 式(1)
ただし、式(1)において、
Uaは、非晶性α−オレフィン系共重合体(成分(II))50重量%と、下記の物性(1)〜(3)を有するホモポリプロピレン樹脂50重量%とからなる評価用樹脂組成物のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Saは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂のJIS K7203に準拠して測定される曲げ弾性率(MPa)を表し、
Taは、該評価用樹脂組成物に含まれるホモポリプロピレン樹脂の配合割合(50重量%)を表す。
物性(1):JIS K 7203に準拠して測定した曲げ弾性率(Sa)が1400±100MPaであること。
物性(2):荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフローレートが12±3g/10分であること。
物性(3):JIS K 7122に準拠して示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃であること。 - 非晶性α−オレフィン共重合体(成分(II))がエチレン、プロピレン及び炭素原子数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれた少なくとも二種のオレフィンから誘導された構造単位を有し、下記式(2)を充足する非晶性α−オレフィン系重合体である請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
0 ≦[x/(x+y)] ≦ 0.5 式(2)
ただし、式(2)において、xは非晶性α−オレフィン系共重合体に含有されるエチレンから誘導された構造単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系重合体に含有される炭素原子数4〜20のα−オレフィンから誘導された構造単位の含有量(モル%)を表す。(ただし、非晶性α−オレフィン系共重合体に含有されるオレフィンから誘導された構造単位の全量を100モル%とする。) - ポリプロピレンブロック共重合体(成分(I))が少なくともチタン、マグネシウム、ハロゲンを必須とするチーグラー・ナッタ型触媒を用いて、第1工程で実質的に不活性溶剤の不存在下にプロピレンを主体とする単量体を重合して得られる重合体部分(A成分)60〜80重量%と、ついで第2工程で気相中で、前記A成分の存在下にプロピレンとエチレンを重合して得られるエチレン含有量が20〜50重量%であるエチレン−プロピレン共重合体部分(B成分)20〜40重量%からなり(ただし、B成分に含有されるプロピレン含有量とエチレン含有量の合計を100重量%とし、A成分とB成分の合計を100重量%とする)、B成分の極限粘度(〔η〕B)が2dl/g以上であり、B成分の極限粘度(〔η〕B)とA成分の極限粘度(〔η〕A)の比(〔η〕B/〔η〕A)が1.8以下であるブロック共重合体を溶融混練してなるポリプロピレンブロック共重合体であって、20℃キシレン可溶部に含有され、分子量が5万以下である成分の含有量が2重量%以下である請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物からなる層を少なくとも一層有するフィルム。
- レトルト食品包装用である請求項4記載のフィルム、または、請求項5記載の積層体。
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- 2004-09-21 JP JP2004273002A patent/JP2006089513A/ja active Pending
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