JP2006088321A - 記録媒体用基板の内周端面のブラシ研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のディスク状記録媒体用基板の内周端面研磨の際に十分な加工精度をもって行なうことができる、基板の内周端面の研磨方法を提供する。
【解決手段】 ディスク状記録媒体用基板8の内周端面のブラシ研磨方法であって、 中心部に内周端面をなす円孔を有するディスク状記録媒体用基板8を複数枚用意し、円孔の位置合わせをして積層して、中心部に円孔を有する被研磨対象物を形成すること、研磨材を含む研磨材スラリー7と前記被研磨対象物を接触させること、 前記スラリー7を前記被研磨対象物と接触させた状態で、前記被研磨対象物の円孔に、ロッド状の軸の周囲にブラシ毛を設けた研磨ブラシ4を挿入し、軸を中心として研磨ブラシ4を回転して基板8の内周端面を研磨すること、を含み、前記研磨材スラリー7が一定の温度に制御される、ディスク状記録媒体用基板8の内周端面のブラシ研磨方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は記録媒体用基板の内周端面研磨方法及びそれを用いた当該基板の製造方法等に関する。
磁気ディスク等の磁気記録媒体用基板としては、アルミニウム基板が広く用いられてきたが、磁気ディスクの小型・薄板化と、高密度記録化に伴い、アルミニウム基板に比べて基板表面の平坦性及び基板強度に優れたガラス基板に徐々に置き換わりつつある。この磁気記録媒体用ガラス基板には、一般に基板強度を上げるため、化学強化されたガラス基板や、結晶化によって基板強度を上げた結晶化ガラス基板が用いられている。
また、磁気ヘッドの方も高密度記録化に伴って、薄膜ヘッドから、磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)、大型磁気抵抗型ヘッド(GMRヘッド)へと推移してきている。したがって、ガラス基板を用いた磁気記録媒体を磁気抵抗型ヘッドで再生することが、これからの大きな潮流となることが予想されている。
このように磁気ディスクは高密度記録化のため種々の改良が加えられており、このような磁気ディスクの進歩に伴って、磁気記録媒体用ガラス基板にも次々に新しい課題が発生してきている。その一つにガラス基板表面の高清浄化がある。これは、ガラス基板表面に異物が付着していると、ガラス基板表面上に形成する薄膜の膜欠陥の原因となったり、薄膜表面の凸部となるといった問題を引き起こす。また、ガラス基板を用いた磁気記録媒体を磁気抵抗型ヘッドで再生する際、記録密度の向上を求めてヘッドのフライングハイト(浮上高さ)を下げると、再生の誤動作、あるいは、再生が不可能になる現象に遭遇することがあり、問題となっている。この原因は、磁気ディスク表面にガラス基板上のパーティクルによって形成された凸部が、サーマル・アスペリティ(Thermal Asperity)となって、磁気抵抗型ヘッドに熱が発生し、ヘッドの抵抗値を変動させ、電磁変換に悪影響を与えていることによるものである。
上述したような磁気記録媒体用ガラス基板表面の異物の原因は、ガラス基板の端面の表面状態が平滑でないため、この端面が樹脂製ケースの壁面と擦過し、この擦過によって発生する樹脂やガラスのパーティクルや、ガラス基板の内周端面及び外周端面部に捕捉されるその他のパーティクルが、表面に付着することが大きな要因となっている。
特許文献1(特開平11−221742号公報)は、中心部に円孔を有する円板状のガラス基板(記録媒体用基板)を、遊離砥粒を含有した研磨液に浸漬し、前記ガラス基板の端面を、遊離砥粒を含有した研磨液を用いて研磨ブラシ又は研磨パッドと回転接触させて研磨することを特徴とする研磨方法を開示している。
上記のようなスラリーと研磨ブラシとを用いて基板の端面を研磨する場合、中心孔を有するディスク状基板の中心孔に位置合わせして基板を複数枚積層した被研磨対象物の中心孔に対して、スラリーを滴下しながら、或いは、被研磨対象物をスラリー中に浸漬した状態で、ロッド状の研磨ブラシを中心孔に挿入し、ブラシを回転させて研磨を行なう。このような研磨方法では、被研磨対象物と研磨材スラリーと研磨ブラシの摩擦によって温度上昇が起こる。この温度上昇は研磨速度を変動させ、正確な加工量をもって研磨を行うのが困難となっている。一方、積層された基板の端面においては、それぞれの基板に面取りがなされているので、上下の基板の面取り部どうしの間にくぼみ部分が形成される。このようなくぼみ部分を他の端縁面と同様の加工精度で研磨することが困難である。ディスク状記録媒体用基板において中心孔の寸法精度を高めることが求められており、したがって、内周端面の研磨の加工精度を高める必要がある。
特開平11−221742号公報
そこで、本発明は、複数のディスク状記録媒体用基板の内周端面研磨の際に十分な加工精度をもって行なうことができる、基板の内周端面の研磨方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下のディスク状記録媒体用基板の内周端面のブラシ研磨方法及びそれを用いた基板の製造方法を提供する。
(1)ディスク状記録媒体用基板の内周端面のブラシ研磨方法であって、
中心部に内周端面をなす円孔を有するディスク状記録媒体用基板を複数枚用意し、円孔の位置合わせをして積層して、中心部に円孔を有する被研磨対象物を形成すること、
研磨材を含む研磨材スラリーと前記被研磨対象物を接触させること、
前記スラリーを前記被研磨対象物と接触させた状態で、前記被研磨対象物の円孔に、ロッド状の軸の周囲にブラシ毛を設けた研磨ブラシを挿入し、軸を中心として研磨ブラシを回転して基板の内周端面を研磨すること、
を含み、前記研磨材スラリーが一定の温度に制御される、ディスク状記録媒体用基板の内周端面のブラシ研磨方法。
(2)研磨ブラシを回転するとともに、被研磨対象物に対して研磨ブラシをブラシ挿入方向に往復運動させることで研磨を行なう、上記(1)に記載のブラシ研磨方法。
(3)ディスク状記録媒体用基板の製造方法において、上記(1)又は(2)に記載のブラシ研磨方法を行なう工程を含むディスク状記録媒体用基板の製造方法。
(4)上記(3)に記載のディスク状記録媒体用基板の製造方法により製造された基板。
(5)上記(1)又は(2)に記載のブラシ研磨方法を行なう工程を含む、磁気記録媒体の製造方法。
本発明の研磨方法では、研磨材スラリーの温度が一定に制御されているので、基板の内周端面の研磨速度を一定に維持することができ、結果として、高い寸法精度をもって研磨加工を行うことができる。
本発明の研磨方法は、研磨材を含むスラリーと、ロッドの周囲にブラシ毛を設けた研磨ブラシを用いて、積層された複数枚のディスク状記録媒体用基板の内周端面を同時に研磨する方法である。図1には本発明の研磨方法で使用できる研磨装置の略断面図を示している。研磨装置100は、研磨装置容器1と、保持台2と、該保持台2の上に設置された基板ホルダー3と、研磨用回転ブラシ4と、回転駆動部5とを備えている。研磨装置容器1の内部には、研磨材スラリー7が充填されており、研磨材スラリー流通口6を介して基板ホルダー3内をとおり、研磨材スラリー7を用いて、ブラシ4と基板8の内周端面を回転接触させる。この装置100においては、研磨材スラリー7中に基板が浸漬されるようになっており、それにより、基板とスラリー7との接触を行なっている。
本発明の方法では、スラリー7の温度が一定に維持され、それにより、研磨速度を一定に保つようになっている。スラリー7の温度はチラーユニット/温度コントローラ10と連携した温度センサー9で測定され、予め決められた設定温度となるように冷却タンク13でスラリーの冷却を行なっている。研磨装置100からのスラリー7はスラリー配管11を通り、好ましくはフィルター12でろ過され、研磨加工により生じた研削物などが除去され、その後、冷却タンク13に入る。冷却タンク13は二重構造になっており、内側にスラリー7が保持され、冷却水配管16をとおして外側に冷却水が循環するようになっている。冷却タンク13内には、撹拌機15が備えられており、スラリーの温度を均一にするとともに、スラリー中の研磨材の沈降を防止している。冷却タンク13の温度制御は、一定量の冷却水の温度の調節又は一定温度の冷却水の流量の調節、或いは、冷却水の量及び温度の両方の調節により行なえる。所望の温度に制御されたスラリー7はポンプ14を通して研磨装置100に戻されるようになっている。このようにして、研磨時のスラリー7の温度は一定に維持される。スラリー7の温度は、研磨速度を一定にするために一定であればよく、いかなる温度でもよい。
次に、図2には被研磨対象物である積層した基板の断面図を示している。各基板の内周端面21は端縁面22と面取り部23とから構成されている。上下の基板の端面21の間に面取り部23により形成されるくぼみ部分24ができる。このくぼみ部分24はブラシ4が接触しにくく又は接触圧力が弱くなるので、端縁面22と比較して研磨がなされにくくなっている。このため、ブラシ4は回転運動のほか、被研磨対象物である積層された基板に対して上下運動することができると、より良好かつ精密な研磨が行なえる。なお、上下運動はブラシ4の上下運動又は基板ホルダー3の上下運動で行なえる。
なお、本発明における「上」、「下」の方向は、図1における上、下の方向を基準とする。
本発明の研磨方法で使用される研磨材及びそれを含むスラリーは特に限定されず、当業界において知られているいかなる研磨材及び研磨材スラリーを用いてもよい。具体的には、希土類酸化物、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び二酸化ケイ素などの研磨材を用いることができるが、ガラス基板の表面研磨のためには、酸化鉄、酸化ジルコニウム及び二酸化ケイ素に比べて研磨速度が数倍優れているという理由から、希土類酸化物、特に酸化セリウムを主成分とする研磨材を用いることができる。限定するわけではないが、以下、酸化セリウムを含む研磨材スラリーを例にとって説明する。
研磨材スラリーは、酸化セリウムを含む希土類酸化物を主成分とする研磨材を水中に分散させて得ることができる。スラリーには、必要に応じて、分散剤、キレート化剤などが含まれる。
研磨材スラリーに含有される酸化セリウムを含む希土類酸化物混合物を主成分とする研磨材としては、例えば、酸化セリウム含量が50質量%程度であるバストネサイト系、塩化希土系の低セリウム研磨材、酸化セリウム含量が70〜90質量%である合成系の高セリウム研磨材、酸化セリウム含量が99質量%以上の高純度酸化セリウムなどを挙げることができる。
バストネサイト系研磨材は、希土類元素のフッ化炭酸塩鉱物であるバストネス石を粉砕し、化学処理、乾燥、焙焼、粉砕、分級、仕上げの各工程を経て得られるものであり、酸化セリウムを約50質量%含むほかに、他の希土類元素がLaOF、NdOF、PrOFなどの塩基性フッ化物として共存する。塩化希土系研磨材は、塩化希土を水酸化物ケーキとし、乾燥したのち部分硫酸塩として焙焼し、粉砕、分級、仕上げにより得られるものであり、酸化セリウムを約50質量%含むほかに、他の希土類元素がLa23・SO3、Nd23・SO3、Pr511・SO3などの塩基性無水硫酸塩として共存する。
合成系の高セリウム研磨材は、バストネス石などの原料を焙焼したのち硝酸を用いて溶解し、希アンモニア水でpHを調製しながら加熱してCe4+を加水分解して水酸化物とし、これをろ別、乾燥、焙焼、粉砕、分級、仕上げの各工程を経て製造するもので、酸化セリウム70〜90質量%を含有する。高純度の酸化セリウムは、酸化希土を硝酸に溶解し、水溶液中に存在するCe4+をリン酸トリブチル−ベンゼンで抽出して有機相に移行させ、さらに亜硝酸ナトリウムのような還元剤を含む水相により逆抽出してシュウ酸セリウムとしたのち、焙焼することにより得られるもので、酸化セリウムの純度は通常99.9質量%以上に達する。
酸化セリウムは、そのモース硬度がガラスのモース硬度と同等または少し高めの5.5〜6.5であり、かつ微調節が可能であるので、ガラスの研磨材として好適に使用することができる。低セリウム研磨材も高セリウム研磨材も優れた研磨力を有するが、高セリウム研磨材には特に寿命が長いという特徴がある。研磨材組成物に用いる酸化セリウムを含む希土類酸化物混合物を主成分とする研磨材の粒子径には特に制限はないが、一般にはJIS R 6002、「6.電気抵抗試験方法」によって測定した体積分布の累積値50%に相当する粒子径が0.5〜3μmの研磨材を好適に使用することができる。酸化セリウムの結晶系は、立方晶系であることが好ましい。
研磨材スラリーは、必要に応じてキレート化剤を含むことができる。キレート化剤を含有せしめることによって、研磨によって生じたガラス成分の反応性を低下させることができる。従来のガラス表面仕上げ研磨においては、研磨材スラリーは通常循環使用されるが、使用時間が長くなるに従って、被研磨物であるガラスの成分が循環使用しているスラリー中に増加してゆく。そのガラス成分が研磨材粒子表面を均一に覆ってしまうと研磨材の沈澱物が非常に硬いものになってしまうばかりでなく、ガラス表面との親和性が高いため再付着してガラスの洗浄性を悪化させる。
研磨材スラリーがキレート化剤を含むと、研磨材粒子表面とガラス表面との反応性が低下し、研磨材粒子表面がガラス成分で覆われることが防止され、ひいては硬い沈澱物が生成することがなく、洗浄性の悪化が防止される。キレート化剤の好ましい具体例としては、o−フェナントロリン、グルコン酸およびその塩、アミノ酸、およびエチレンジアミン四酢酸などを挙げることができる。グルコン酸およびその塩としては、例えば、グルコン酸およびそのナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、第一鉄塩などを挙げることができる。
含有するアミノ酸には特に制限はなく、例えば、酸性アミノ酸、中性アミノ酸、塩基性アミノ酸、これらの金属塩、アミノ酸のアミノ基の水素原子の一部がアルキル基、ヒドロキシルアルキル基、アルコキシル基などにより置換された化合物などを使用することができる。ただし、研磨材スラリーが酸性になると、酸化セリウム自身が有するガラス研磨に対するケミカルな効果が低下して加工速度が低くなるため、酸性アミノ酸を使用する場合には、塩基性アミノ酸と併用することが好ましい。また、アミノ酸は、天然品、合成品のいずれも使用することができ、さらに、光学異性体を有するアミノ酸にあっては、D型、L型のいずれをも使用することができる。
研磨材スラリーに使用することができるアミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ジヨードチロシン、チロキシン、ヒドロキシリジン、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、アントラニル酸、m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸などを挙げることができる。これらの中で、グリシンおよびアルギニンを特に好適に使用することができる。アミノ酸は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組合せて用いることもできる。
上記のキレート化剤の中でも、o−フェナントロリンおよびグルコン酸およびその塩が好ましい。キレート化剤の含有量は0.05〜0.3質量%であることが好ましい。その含有量が0.05質量%未満ではガラス成分の反応性抑制効果が乏しく、逆に、0.3質量%を越えると研磨速度を低下させてしまう。
研磨材スラリーは、さらに、アセトナト配位子を1〜3個有するアルミニウムのアセトナト錯体を含むこともできる。アルミニウムのアセトナト錯体を含有せしめることによって、ガラス基板や研磨装置への研磨材の付着を抑制し、洗浄性の低下を防ぐことができる。通常、研磨材は平均粒径が1〜2μm程度の超微粉であり、その表面活性のために研磨スラリー中では一定の凝集状態で存在する。この凝集粒は見かけの表面積を低下させ研磨材のガラス基板や研磨装置への付着性を抑えるはたらきをしているが、その最も外殻にある粒子は活性を保ったままで存在するため一旦ガラス基板や研磨装置各部に付着すると、流水や超音波照射などの洗浄では除去できなくなる。通常の研磨材ではガラス基板や研磨装置への付着が生じ易い。対照的に、アルミニウムのアセトナト錯体を含む研磨材では、研磨材スラリー中でのアルミニウムのアセトナト錯体と研磨材の凝集粒子との相互作用により、研磨材の付着が抑制され、洗浄性の低下が防止される。
用いられるアルミニウムのアセトナト錯体の具体例としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などのアセチルアセトネート(R=メチル)配位子を有する錯体、およびアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)などのエチルアセトアセテート(R=エトキシ)配位子を有する錯体などが挙げられる。これらの中でもアルミニウムトリス(アセチルアセトネート)が好ましい。アルミニウムのアセトナト錯体は1分子中に2種または3種の異なるアセトナト配位子を有する錯体であってもよく、また、アルミニウムのアセトナト錯体は単独で用いても、または2種以上を組合せ用いてもよい。アルミニウムのアセトナト錯体の含有量は0.05〜0.3質量%であることが好ましい。その含有量が0.05質量%未満では研磨材付着防止効果が劣り、また、0.3質量%を越えると研磨速度が低下する。
研磨材スラリーは、粒子の分散性向上、沈降防止および作業性向上のため、必要に応じエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、トリポリリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等のリン酸塩、ポリアクリル酸塩などの高分子系分散剤、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類、ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を添加しても良い。これらの研磨材に対する添加量は0.05〜20質量%の範囲が通常であり、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。
研磨材スラリーは、一般に、水などの分散媒に分散させて濃度5〜30重量%程度のスラリーとして使用される。分散媒としては水や水溶性有機溶媒が使用される。水溶性有機溶媒としてはアルコール、多価アルコール、アセトン、テトラヒドロフランなどが例示されるが、水が通常使用される。また、通常の酸化セリウム系研磨材に常用される助剤を添加することができる。
本発明の方法で用いるスラリーは、各々原料を混合すれば良く、特に限定されるものではないが、好ましくはボールミル、高速ミキサーなどにより上記混合割合にて機械的に混合調製すればよい。
基板の端面研磨は、一般に、ガラス基板の中央部に円孔を開け、内周端面及び外周端面に面取り加工を行なった後に行われる。その後、基板は記録表面の研磨加工などが施され、さらに、必要に応じて、硝酸カリウムや硝酸ナトリウムの化学強化液などで化学強化されてよい。
上記のように調製された基板上に、下地層、磁性層、保護層、潤滑層を順次積層することで磁気記録媒体が製造できる。なお、限定するわけではないが、下地層としては、通常、Cr、Mo、Ta、W、V、B、Alなどの非磁性材料を用いることができる。また、磁性層としてはCoを主成分とする磁性膜を用いることができる。保護層としては、Cr膜、炭素膜などを用いることができ、潤滑層としては、液体潤滑剤であるパーフルオロエーテルをフルオロ系溶剤で希釈し、塗布・乾燥したものを用いることができる。
本発明は実施例に限定されるものではないが、以下において、本発明の方法を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
実施例1
65mm直径(外径)、20mm直径(中央孔の内径)及び0.635μm厚さのハードディスク(HD)用ガラス基板((株)オハラ製 TS―10SX)を150枚積層し、以下の条件で図1に示すような研磨装置を用いて内周端面の研磨を行なった。
なお、基板の内周端面は、それぞれ、0.335μmの端縁面と、その両側にある0.150μmの面取り部からなった。
1.研磨加工
1.1.研磨材スラリー
研磨材の種類、粒径:酸化セリウム(昭和電工(株)製 SHOROX A―10)、平均粒径1.4μm
分散媒:水
分散剤:ヘキサメタリン酸ナトリウム
スラリー中の研磨材濃度:10質量%
ブラシ材質、毛長さ、毛直径:ナイロン、4mm、φ0.15mm
ブラシ回転数:2400rpm
研磨時間:20分間
なお、研磨スラリーの温度は図1に示すとおりの機構で25℃に制御した。
比較例1
上記の実施例1と同様にして研磨加工を行なったが、温度制御を行なわなかった。研磨開始時の温度は26℃であり、研磨終了時には30℃に上昇していた。
2.評価試験
2.1.表面欠陥観察
上記の実施例及び比較例で研磨を行なった基板について、表面欠陥観察を行なった。表面欠陥観察はオリンパス製 顕微鏡 200倍下で、内周端面全周を観察した。
2.2.内周端面の寸法検査
上記の実施例及び比較例で研磨を行った最も外側の2つの基板と、中央の基板の合計3つの基板の寸法測定を行なった。結果を下記の表1に示す。なお、結果は3つの基板の寸法の平均値を示す。
Figure 2006088321
上記の試験結果より、実施例1及び比較例1の両方とも、表面欠陥観察でキズやピットが全くないことが確認された。一方、内周端面の寸法については、実施例1では予定研磨量の16μmであったのに対して、比較例1では予定研磨量より3μm多い19μmであった。研磨時の温度を一定に制御することで、研磨速度(加工速度)が安定化し、目標値とほぼ同一の内径が得られる。また、局部的な温度上昇によるブラシの硬さの変動による内径のばらつきが抑えられる。
本発明の研磨方法で使用できる研磨装置の略断面図を示す。 積層した基板の断面図を示す。
符号の説明
1 研磨装置容器
2 保持台
3 基板ホルダー
4 研磨用回転ブラシ
5 回転駆動部
6 研磨材スラリー流通口
7 研磨材スラリー
8 基板
9 温度センサー
10 チラーユニット/温度コントローラ
11 スラリー配管
12 フィルター
13 冷却タンク
14 ポンプ
15 撹拌機
16 冷却水配管
100 研磨装置

Claims (5)

  1. ディスク状記録媒体用基板の内周端面のブラシ研磨方法であって、
    中心部に内周端面をなす円孔を有するディスク状記録媒体用基板を複数枚用意し、円孔の位置合わせをして積層して、中心部に円孔を有する被研磨対象物を形成すること、
    研磨材を含む研磨材スラリーと前記被研磨対象物を接触させること、
    前記スラリーを前記被研磨対象物と接触させた状態で、前記被研磨対象物の円孔に、ロッド状の軸の周囲にブラシ毛を設けた研磨ブラシを挿入し、軸を中心として研磨ブラシを回転して基板の内周端面を研磨すること、
    を含み、前記研磨材スラリーが一定の温度に制御される、ディスク状記録媒体用基板の内周端面のブラシ研磨方法。
  2. 研磨ブラシを回転するとともに、被研磨対象物に対して研磨ブラシをブラシ挿入方向に往復運動させることで研磨を行なう、請求項1に記載のブラシ研磨方法。
  3. ディスク状記録媒体用基板の製造方法において、請求項1又は2に記載のブラシ研磨方法を行なう工程を含む、ディスク状記録媒体用基板の製造方法。
  4. 請求項3に記載のディスク状記録媒体用基板の製造方法により製造された基板。
  5. 請求項1又は2に記載のブラシ研磨方法を行なう工程を含む、磁気記録媒体の製造方法。
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