JP2006084707A - 電子写真装置の転写ベルト、電子写真装置 - Google Patents

電子写真装置の転写ベルト、電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表面層(表面コート層)への電圧負担を軽減し、一定抵抗領域を長期に渡り安定して保持可能な電子写真用転写ベルト、及びそれを備えた電子写真装置を提供する。
【解決手段】電子写真用転写ベルトを、ゴム層100の表裏面に、表面コート層102及び裏面コート層104が設けらた構成とし、電表面コート層102の体積抵抗率の常用対数値をRv1(logΩcm)、ゴム層100の体積抵抗率の常用対数値をRv2(logΩcm)、裏面コート層104の体積抵抗率の常用対数値をRv3(logΩcm)としたとき、式(1):Rv1>Rv2、式(2):Rv1>Rv3、式(3):Rv3>Rv2の関係を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真装置において使用される搬送転写ベルト、中間体転写ベルトなどの電子写真用転写ベルト、及びそれを備えた電子写真装置に関するものである。
電子写真装置にあっては、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト、現像ベルト等のベルト部材が使用されている。上記転写ベルトは、感光体上に形成されたトナー像を被印刷体上に転写させる部材であり、上記定着ベルトは、上記被印刷体上に転写されたトナー像を上記被印刷体上に定着させる部材である。
したがって上記ベルト部材やロール部材は静電気によってトナーの離脱が阻害されないようにするために、導電性が付与されている。これら部材の体積固有抵抗率の常用対数値は装置のタイプによって、6〜8logΩcmあるいは11〜13logΩcmの範囲に設定されるのが一般的である。
従来、このような上記ベルトの材料としては、例えばクロロプレンゴム(CR)が使用されている。CRは体積固有抵抗率の常用対数値が10〜12 logΩcmであるから、これを6〜10logΩcmに調節するには、カーボン粉末やイオン導電剤のような導電剤を混合しプレス成形や押し出し成形し表面研磨したものである。そして、このように作製したベルト基材(ゴム層)に、特開2000−181284公報に記載されているようにPTFEやその他のフィラー(例えば特開平7−56442号公報、特開平8−50419号公報、特許202064号、特開平9−34276号公報)などこれに所望の離型性や平滑性を付与するため表面コートしたり、ベルト張架する際の汚染、タック、錆発生などを抑える裏面処理などが必要である。
カーボン粉末は上記ゴムには非常に混りにくく、多量のカーボン粉末をゴムに均一に混合することは困難である。
一方イオン導電剤はゴムと均一に混練し易いが、吸湿性があり、多量に添加すると導電性が温度、湿度等の環境要因に影響され易くなる。更にイオン導電剤は均一に混合してもその後マイグレーションし易いと云う問題点がある。ゴム単層では最も制御しにくい領域である6〜12logΩcm範囲での転写領域での設定は2桁以内に安定性使用範囲が電子写真装置ではあり、前記の抵抗を満たす範囲で使用するためには、カーボン分散したゴムやイオン導電性ゴムのみの抵抗調整ではコート処理後の絶縁破壊によるピンホールリークによる抵抗低下やイオン導電剤の偏析による抵抗値のベルト使用時の通電負荷時の上昇により1桁から2桁以上抵抗変動が発生する。
特開2000−181284公報 特開平7−56442号公報 特開平8−50419号公報 特許202064号 特開平9−34276号公報
ところで、特開平8−50419号公報では、表面層(表面コート層)の体積抵抗率を支持層(ゴム層)より2桁以上高いところ設定することが提案されいる。この提案では、支持層(ゴム層)まで含めた抵抗設計が、下層(ゴム層)<上層(表面層)のみの関係(上層より下層の体積抵抗率が低いといった関係)が開示されている。
しかしながら、このような関係で体積抵抗率を設定すると、表面層に大きな電圧負担を強いることになり、表面層の絶縁破壊がおこりやすく、長期使用時の表面層での抵抗低下が発生し、抵抗安定性の保持が難しい。さらに、ゴム層の膜厚を制御して抵抗安定性を図ると、本来持っているゴム層の弾性的性質の保持やバルク抵抗が経時抵抗変化にともなって暫時抵抗変化した場合の抵抗安定性が失われ、転写特性が悪化する。
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、表面層(表面コート層)への電圧負担を軽減し、一定抵抗領域を長期に渡り安定して保持可能な電子写真用転写ベルト、及びそれを備えた電子写真装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の電子写真用転写ベルトは、ゴム層の表裏面に、表面コート層及び裏面コート層が設けられてなり、前記表面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv1(logΩcm)、前記ゴム層の体積抵抗率の常用対数値をRv2(logΩcm)、前記裏面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv3(logΩcm)としたとき、下記式(1)〜(3)の関係を同時満たすことを特徴としている。
式(1):Rv1>Rv2
式(2):Rv1>Rv3
式(3):Rv3>Rv2
本発明の電子写真用転写ベルトにおいては、前記ゴム層の体積抵抗率の常用対数値Rv2が、5〜12logΩcmであり、前記ゴム層の体積抵抗率の常用対数値Rv2と前記表面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv1との差が0.3〜3(桁)以内であり、且つ前記ゴム層の体積抵抗率の常用対数値Rv2と前記裏面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv3との差も0.3〜3(桁)以内であることが好適である。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、前記ゴム層が複数層から構成され、当該複数層のゴム層うち、前記表面コート層側のゴム層の体積抵抗率は前記裏面コート層側のゴム層の体積抵抗率よりも高いことが好適である。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいては、前記記表面コート層及び前記裏面コート層の少なくとも一方には、導電剤が含有していることが好適である。また、上記表面コート層及び上記裏面コート層の少なくとも一方には、離型性フィラーが含有していることが好適である。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいては、前記表面コート層及び前記裏面コート層の表面粗さRzが、0.1〜50μmであることが好適である。また、前記表面コート層の表面粗さRzは、前記裏面コート層の表面粗さRzよりも小さいことが好適である。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、前記表面コート層及び前記裏面コート層は、スプレー塗布法、ディップ塗布法、又はフローコート塗布法により形成されたことが好適である。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、前記ゴム層はカーボン粉末及び/又はイオン導電剤が含有していることが好適である。前記カーボン粉末は、前記ゴム層を構成する組成物100質量部に対して1〜80質量部で含有することが好適である。前記カーボン粉末は、粒径60nm以下、DBP吸油量が180ml/100g以下であることが好適である。また、前記イオン導電剤は、前記ゴム層を構成する組成物100質量部に対して0.1〜5質量部で含有することが好適である。前記イオン導電剤は、第4級アンモニウム塩であることが好適である。前記第4級アンモニウム塩は1分子中に少なくとも1個のフェニル基を含んでいることが好適である。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、前記ゴム層は、無機充填材が前記ゴム層を構成する組成物に対して1〜200質量部で含有していることが好適である。前記無機充填材の表面はシランカップリング剤によって処理されていることが好適である。
一方、本発明の電子写真装置は、上記本発明の電子写真用転写ベルトを備えることを特徴としている。
本発明によれば、表面層(表面コート層)への電圧負担を軽減し、一定抵抗領域を長期に渡り安定して保持可能な電子写真用転写ベルト、及びそれを備えた電子写真装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[電子写真用転写ベルト]
本発明の電子写真用転写ベルトは、図1に示すように、中間層(支持層)としてのベルト状に形成されたゴム層100と、ゴム層100の外周面に形成された表面コート層102と、ゴム層100の内周面に形成された裏面コート層104と、から構成されている。
そして、この3層構成において、表面コート層102の体積抵抗率の常用対数値をRv1(logΩcm)、ゴム層100の体積抵抗率の常用対数値をRv2(logΩcm)、裏面コート層104の体積抵抗率の常用対数値をRv3(logΩcm)としたとき、式(1):Rv1>Rv2、式(2):Rv1>Rv3、式(3):Rv3>Rv2を同時に満たしている。
本発明の電子写真用転写ベルトでは、体積抵抗率の常用対数値が上記関係となるように、ゴム層100より下層に裏面コート層104(抵抗層)を形成させることで、表面コート層102(表面層)への電圧負担を軽減し、一定抵抗領域を長期に渡り安定して保持可能となる。
これにより、例えば、表面コート層102(表面層)側でのピンホールリーク減少を抑え、過大電圧付与時の絶縁耐圧を上げ、厚紙転写性や裏面モード使用による転写特性の劣化や端部用紙汚れ、小サイズ紙の転写時の用紙範囲外での漏洩電流の流入抑制により転写不良の防止や長期使用時のゴム層の劣化、カーボンブラック(CB)連鎖破断、イオン成分の偏在による抵抗上昇があっても表面コート層102の抵抗が安定しており、ベルト抵抗の変化も少なく、裏面コート層104が保護層になって、剥離放電や給電ロール(転写電流を与えるための金属ロール又は発泡転写ロール)による放電生成物の付着によるゴム層100裏面での抵抗低下、さらにこれによる漏洩電流発生で転写ブラーや転写ムラ、像流れなどの現象が発生しやすい。さらにゴム層のみの比べ補強性が増し、永久伸びによるCB分散系では抵抗上昇、カラー用転写ベルトにおけるカラーレジストレーションの悪化などが抑えられ、より安定なゴムベルト物性の維持が可能となっている。
また、表面コート層102及び裏面コート層104の双方が持っている電気的特性の欠点を解消でき、低温低湿下においてはゴム層100の環境による抵抗変化をゴム層100より高い抵抗をもつ表面コート層が受け持つことによりピンホールリーク現象により抵抗低下が発生し、一方高温高湿下においてはゴム層100の環境による抵抗低下をゴム層100より抵抗の高い裏面コート層104において上乗せされた抵抗率が転写電流値の過剰な供給を抑制し、全体的には環境変動に対して裏面コート層104より狭い範囲で調整でき印加電圧に対しては表面コート層102より広い範囲で安定した電流を供給できることができる。
また、例えば、ゴム層100自体の体積抵抗率は安定転写領域に近い8乗付近に調整することなく、これより製造安定性のよい5〜6乗で調整でき安定した抵抗率を維持できる。なお、ゴム層100及び表面コート層102の2層構成では高温高湿時の抵抗低下が大きく、表面コート層102を設けたのみでは絶縁耐圧が維持できないため、上記3層構成にすることによりゴム層100の抵抗変化を補い、表面コート層102の電圧負担を軽減させることにより所望の抵抗を安定して維持でき、環境による大きな抵抗低下を防ぐことができる。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、より具体的には、例えば、安定使用領域を得るために転写領域より抵抗が0.5〜3桁低くなるように、体積抵抗率の常用対数値を5〜12 logΩcmの範囲に調整したゴム層100をベルト状に形成し、このゴム層100の裏面(内周面)に裏面コート層104として例えばゴム層よりも体積抵抗率が0.3〜3.0(好ましくは0.5〜2.5)桁高く、摩擦係数や表面性をもった抵抗層を形成し、さらにゴム層の表面(外周面)に表面コート層102としてゴム層100より体積抵抗率が0.3〜3.0(好ましくは0.5〜2.5)桁高く、且つ裏面コート層104よりも高い抵抗層を形成することがよい。このように、ゴム層100<裏面コート層104<表面コート層102の順に高い体積抵抗率の層を構築させ、表面コート層102単独での抵抗寄与、その負担電圧を分散させ、電気抵抗の安定な領域を維持させることができる。
また、より広い範囲で表面コート層102及び裏面コート層104の体積抵抗率を調整することにより、ゴム層100の抵抗も加工上、配合上、成形及び研磨上での最も安定した領域で使用でき、かつ表面コート層102の絶縁耐圧を用途に応じて裏面コート層104の抵抗で調整し、その負担電圧を軽減させることにより、厚膜化によるゴム物性を失なわせることなく、表面コート層102を形成させることができる。
また、裏面コート層104自体も厚い樹脂層や厚膜コート処理することなく、例えば、抵抗層として活用させ高抵抗のシリコーン離型処理や柔軟なウレタンコート層、液状ゴム層をなどを形成すると、本来のゴム弾性を維持したまま多層構成ベルトとなる。
また、ゴム層100は複数層で構成されていてもよいが、この場合でも個々のゴム層100の体積抵抗率は、上記関係を満たしつつ、当該複数層のゴム層100うち、表面コート層102側のゴム層100の体積抵抗率を裏面コート層104側のゴム層100の体積抵抗率よりも高く設定することが好適である。これにより、ゴム層100を複数設けた場合でも、表面コート層102(表面層)への電圧負担を軽減し、一定抵抗領域を長期に渡り安定して保持可能となる。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、ゴム層100の体積抵抗率の常用対数値は5〜12(logΩcm)の範囲とすることが好ましく、より好ましくは6〜11(logΩcm)の範囲である。また、表面コート層102の体積抵抗率の常用対数値は5.3〜15(logΩcm)の範囲とすることが好ましく、より好ましくは5.5〜14.5(logΩcm)の範囲である。また、裏面コート層104の体積抵抗率の常用対数値は5.3〜15(logΩcm)の範囲とすることが好ましく、より好ましくは5.5〜14.5(logΩcm)の範囲である。
ここで、体積抵抗率の常用対数値は、例えば、アドバンテスト社製超高抵抗/微小電流計により三菱油化HRブローブを用いてJIS K6911に準じて、測定環境23℃55%、印加電圧500v,10秒値で抵抗計測し、電気抵抗値を測定し体積固有抵抗率を求めた値である。
なお、ゴム層100の体積抵抗率の常用対数値は、上記の測定において100V印加時と1000V印加時ではその差が3以下であることが望ましい。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、ゴム層100の厚みは、0.2〜2mmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは0.3〜1mmの範囲である。また、表面コート層102の厚みは3〜50μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは5〜30μmの範囲である。また、裏面コート層104の厚みは1〜30μmの範囲とすることが好ましく、より好ましくは2〜10μmの範囲である。このように各層の厚みを上記範囲とすることで、本発明の抵抗値を制御しやすくなり、また、機械的な強度を維持できるため長期の使用においても劣化の少ないベルトを提供することができる。
本発明の電子写真用転写ベルトにおいて、表面コート層102及び裏面コート層104の表面粗さRzは、0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜10μmである。この表面コート層102及び裏面コート層104の表面とは、ベルトの外周面、内周面のことを示し、この表面粗さRzが上記範囲とすることで、ベルトの搬送性を良好に保つことが出来、トナーの保持性を向上できる傾向がある。また、表面コート層の表面粗さRzは、前記裏面コート層の表面粗さRzよりも小さいことが好ましい。
ここで、なお、表面粗さRz(10点平均表面粗さ)は、触針式表面粗さ測定機(商品名:サーフコム1400A、東京精密社製等)を使用して測定した。測定条件はJIS94準拠で、評価長さLn=4mm、基準長さL=0.8mm、カットオフ値=0.8mmとした。また、接触針としてはダイヤモンド製で球状先端曲率半径2μmの円錐状のものを用い、場所を変えて3回繰り返し測定した際の平均値を感光体表面の表面粗さRzとして求めた。
以下、各層について詳細に説明する。なお、符号は省略して説明する。
(ゴム層)
ゴム層は、任意のゴム組成物(ゴム層を構成する組成物:例えば、エラストマー組成物)で構成することができるが、例えば、体積固有抵抗率の常用対数値7.5 logΩcm以上のゴムAと、体積固有抵抗率の常用対数値6.5 logΩcm以下のゴムBとを95:5〜5:95の質量比率で混合した混合物を主体とするエラストマー組成物で構成することが好適である。また、このエラストマー組成物において、ゴムAとゴムBとの混合割合は質量比率で、望ましくは90:10〜10:90、更に望ましくは80:20〜20:80に設定される。
このエラストマー組成物は、体積固有抵抗率の常用対数値7.5 logΩcm以上のゴムAに、体積固有抵抗率の常用対数値6.5 logΩcm以下のゴムBを添加することから、ゴムAの導電性をゴムBによって高めることができる。したがって導電剤を添加する場合でも、その分導電剤の添加量を少なくすることができる。また、導電剤としてカーボン粉末を添加しても、ゴム中に均一に分散させることができる。また、導電剤としてイオン導電剤を混合する場合でも、環境要因に影響されず、またマイグレーションを起さない程度の混合量にすることができる。
−ゴムA−
ゴムAは体積固有抵抗率の常用対数値が7.5 logΩcm以上の高抵抗ゴムである。このようなゴムAとしては、例えばスチレン・ブタジエンゴム(SBR:10〜15logΩcm)、クロロプレンゴム(CR:10〜12 logΩcm)、イソブチレン・イソプレンゴム(IIR:16〜18logΩcm)、アクリルゴム(AR:11 logΩcm)、クロロスルホン化ポリエチレン(14 logΩcm)、エチレン・プロピレンゴム(EPR:12〜15 logΩcm)、多硫化系合成ゴム(15 logΩcm)、ウレタンゴム(9〜12 logΩcm)、シリコンゴム(11 logΩcm)、フッ素ゴム(15〜18 logΩcm)等が例示される。
望ましいゴムAとしては可撓性が良好であるCRがある。CRの結晶性は抵抗値の変化の度合いに影響するから、CRとして結晶化がなるべく遅いものを選択することが望ましい。またCRとしては、メルカプタン変性、キサントゲン変性、硫黄変性等の変性CRが選択されてもよい。
−ゴムB−
ゴムBは体積固有抵抗率の常用対数値6.5 logΩcm以下の低抵抗ゴムである。このようなゴムBとしては、エピクロルヒドリンゴム(ECO:5.5〜6 logΩcm)、ブタジエン−アクリロニトリルゴム(NBR:2〜6 logΩcm)、ポリエチレングリコール変性シリコンゴム(3〜4 logΩcm)等が例示される。
望ましいゴムBとしては耐久性の良好なECOがある。ECOとしてはエピクロルヒドリン単独重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド二元共重合体、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アクリルグリシジルエーテル三元共重合体等が含まれる。
−導電剤−
ゴム層は、体積固有抵抗率の常用対数値をより精度よく制御する為に、導電材を添加してもよい。導電材としてカーボン粉末及び/又はイオン導電材を用いることが好ましい。
カーボン粉末としては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられ、平均粒径70nm以下でDBP吸油量が180ml/100g以下であることが好ましく、平均粒径60nm以下でDBP吸油量が150ml/100g以下であることがより好ましく、平均粒径50nm以下でDBP吸油量が100ml/100g以下であることがより更に好ましい。
尚、DBP(ジブチルフタレート)吸油量とは、ASTM D2414−6TTに定義されており、カーボンブラック100gに吸収されるDBP量(ml)が多いか少ないかを表すものである。このDBP吸油量の多いカーボンブラックほど、長い連鎖結合を形成するものとされている。
また、ゴム層にカーボン粉末を添加する場合には、ゴム組成物100質量部に対するカーボン粉末の含有量が、1〜80質量部の範囲内であることが好ましく、5〜30質量部の範囲内であることがより好ましく、10〜30質量部の範囲内であることが更に好ましい。
イオン導電材としては、例えば、含過塩素酸リチウムのエステル系可塑剤のような金属塩含有可塑剤;トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルアミンアセテート、イミダゾリン誘導体アセテート、ポリアルキレンポリアミン誘導体、又はそれらの塩;オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチルアミノエチルアルキルアミドハロゲニド、アルキルピリジニウム硫酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムハロゲニド等のカチオン性界面活性剤等が挙げられ、この中でも第4級アンモニウム塩が好ましく、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドのような1分子中に少なくとも1個のフェニル基を含んでいる第4級アンモニウム塩がより好ましい。このような第4級アンモニウム塩は、フェニル基による立体障害のため、ゴム組成物中でマイグレーションを起しにくい。
また、ゴム層にイオン導電材を含有する場合、前記ゴム組成物100質量部に対するイオン導電材の含有量が、0.1〜5.0質量部の範囲内であることが好ましく、0.5〜3.0質量部の範囲内であることがより好ましく、1.0〜2.0質量部の範囲内であることが更に好ましい。
また、ゴム層にカーボン粉末とイオン導電材とを併用して添加する場合には、カーボン粉末:イオン導電材の質量比率が1:50〜1000:1の範囲内であることが好ましく、10:1〜50:1の範囲内であることがより好ましい。
なお、ゴム層の電気抵抗値の調整は、主としてカーボン粉末の添加量で行い、イオン導電材は微調整のために添加することが好ましい。
−無機充填剤−
ゴム層には、難燃性、耐熱性、機械的強度等を組成物に付与するために、無機充填剤を更に配合することが好ましい。無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛等の金属水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、ケイ藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、カーボン繊維、ケイ酸カルシウム、ベンナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等の無機充填剤が好ましい。
また、前記無機充填剤の表面がシランカップリング剤で処理されていることが好ましい。前記無機充填剤の表面をシランカップリング剤で処理しておけば、無機充填剤はゴムとの親和性が向上し、より均一に混合し易くなる。
無機充填剤の添加量は、ゴム組成物100質量部に対して1〜200質量部の範囲内であることが好ましく、1〜100質量部の範囲内であることがより好ましく、5〜50質量部の範囲内であることが更に好ましい。
また、無機充填剤が金属水酸化物の場合には、更に難燃性が付与される。
本発明のエラストマー組成物は、難燃度がはV−2以上であることが好ましい。
尚、前記難燃度(UL規格)は、米国のUNDERWRITERS LABORATORIES INC.社が制定、認可している電気機器に関する安全性の規格であり、UL燃焼試験法による垂直燃焼試験により規定された規格である。難燃性の程度によりV-0、V-1、V-2がありV-0に近づくほど高難燃性材料であることを示している。燃焼時間が10秒以下から30秒以下で燃焼しながら落ちる溶融物がない場合でV−0〜V−1レベル,及び燃焼しながら落下する溶融物のある場合はV−2である。
−第三成分−
ゴム層には、その他の第三成分として、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソノニルフタレート(DINP)等のフタル酸系可塑剤;トリメリット酸トリ−2エチルヘキシル(TOTM)等のトリメリット酸系可塑剤;ジオクチルアジペート(DOA)、ジイソノニルジオクチルアジペート(DINA)等の二塩基酸系可塑剤;トリクレジルフォスフェート(TCP)、トリフェニルフォスフェート(TPP)等のリン酸系可塑剤;エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等の可塑剤、柔軟剤、その他老化防止剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
また、ゴム層には、加硫剤を含有することができる。また、所望により加硫剤に加えて加硫促進剤を併用してもい。加硫剤としては硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ハイドロタルサイド等が使用される。これら加硫剤はイドロタルサイドと酸化亜鉛及び/又は酸化マグネシウムとの二成分又は三成分系で使用することができ、加硫剤は、硫黄と、酸化亜鉛及び/又は酸化マグネシウムとの二成分又は三成分系で使用することもできる。また、加硫促進剤としてはテトラメチルチウラムモノスルフィド、ジ−O−トリグアニジン、チオウレア等が使用される。
加硫剤の添加量は、加硫剤がハイドロタルサイド、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムの場合、それぞれゴム組成物100質量部に対して1〜10質量部が好ましく、より好ましくは3〜7質量部程度である。また、加硫剤が硫黄の場合、ゴム組成物100質量部に対して0.5〜5質量部程度であることが好ましい。一方、加硫促進剤の添加量としては通常ゴム組成物100質量部に対して0.5〜5質量部であることが好ましい。
また、ゴム層には、上記ゴム組成物(エラストマー組成物)に加え、熱可塑性樹脂を添加することもでき、その場合には、該熱可塑性樹脂の添加量は、前記ゴム組成物100質量部に対して、1〜100質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。
(表面コート層・裏面コート層)
表面コート層及び裏面コート層(以下、まとめてコート層と表記する場合がある)は、上記ゴム層の構成材料とは異なる材料で構成され、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリミアド等の樹脂材料で構成することができる。これら樹脂材料で構成されるコート層は、イソシアンート、メラミン、シランカプラー、カルボジイミド等の硬化剤により樹脂塗膜として得られる。また、コート層は、PTFE(ポリ4フッ化エチレン)、シリカ、2硫化モリブデン、カーボンブラックなどの離型性フィラーを充填させることによって表面のトナー、紙粉、放電性生成物の蓄積を抑えることができる。また、コート層は、抵抗調整用として導電性のカーボンブラック、酸化錫、酸化亜鉛などの導電性フィラー(導電剤)を含有してもよい。さらに、コート層には、これらのフィラーを均一混合分散するために、フッ素系、シリコーン系、ノニオン系の界面活性材などを含有してもよい。
また、コート層のうち、表面コート層の構成材料として好適には、溶剤可溶性ポリエステル樹脂、シリコーン変性ウレタンエマルション樹脂、フロオロエチレン−ビニルエーテル交互共重合体、フッ素樹脂(例えば、PTFE分散タイプ)、アルコール可溶性ポリアミド等が挙げられる。
また、コート層のうち、裏面コート層の構成材料として好適には、熱可塑性樹脂(弾性材料)が挙げられる。この熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレンターポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。
(ベルト作製方法)
本発明の電子写真用転写ベルトの作製例としては、まず、例えば、ゴム組成物を射出成形、鋳型成形等によって、ベルト形状のゴム層を成形する。この場合成形温度は120〜180℃に設定され、成形と同時に加硫が行われることが好ましい。次に、ゴム層の表裏面に、例えば、スプレー塗布法、ディップ塗布法、又はフローコート塗布法により、コート層を形成する。また、コート層は、ゴム層とともに多層成形、ラミネート処理、接着・融着処理、又は金型内に予め装着したフィルム内にゴム層をトランスファー成形してゴム層と共にベルト状に加工してもよい。
本発明の電子写真用転写ベルトは、表面のアスカC硬度(23℃)が30〜90、マイクロ硬度(23℃)40〜70、の範囲であることが好適である。また、一般にベルトの場合には厚み0.1〜2mm、周長200〜800mm、幅200〜400mmとすることが好適である。
[電子写真装置]
本発明の電子写真装置は、上記本発明の電子写真用転写ベルトを備えるものである。本発明の電子写真装置は、例えば、タンデム型や、中間転写方式の公知の電子写真装置が例示され、これらの中間転写ベルトや搬送転写ベルトとして上記本発明の電子写真用転写ベルトが適用される。
以下、本発明の電子写真装置の1実施形態を図2を用いて説明する。図2は本発明の電子写真装置の1実施形態を説明するための概略構成図である。
図2において、符号10は感光ドラム(像担持体)であり、矢印A方向に回転するようになっている。そして、この感光ドラム10の周囲には、そのドラム表面(感光層)を一様に帯電する帯電器11、帯電された感光ドラム10に所定の画像情報に応じた光学像を露光して静電潜像を形成する像露光装置12、感光ドラム10の表面に現像剤を供給して静電潜像を現像してトナー像とする現像装置13、トナー像Tを記録用紙(最終記録媒体)Pに転写させるベルト方式の転写装置18、転写後の感光ドラム10に残留付着するトナー等を除去するクリーニング装置14等が配設されている。
また、符号15は記録用紙Pを積層して収容する給紙トレイ、15aは給紙トレイ15から記録用紙Pを1枚ずつ送り出すフィードロール、16(16-a、16-b)は給紙トレイ15から送り出された記録用紙Pを感光ドラム10と転写装置18の間に所定のタイミングで送り出すレジストロール、17は転写されたトナー像を記録用紙Pに定着させるロール方式の定着装置を示している。
本実施形態において、転写装置18は、搬送転写ベルト(最終転写媒体搬送ベルト)20と、この転写ベルト20を張架した状態で感光ドラム10と同期して矢印B方向に回転走行するように支持する支持ロール21,22と、転写ベルト20に転写トナー像のトナー帯電極性と逆極性の転写バイアスを供給するバイアス電源(転写手段)23と、このバイアス電源23から出力される転写バイアスを転写ベルト20に印加する給電ロール(転写手段)24と、転写ベルト20に付着するトナー等を除去するクリーニングブレード25とでその主要部が構成されている。
転写ベルト20は、2本の支持ロール21,22により張架された状態で感光ドラム10に当接して転写ニップ部(転写部分)Nを形成するように配設されている。少なくとも転写ニップ部Nの上流側の支持ロール21は接地された状態で配設されており、また2本の支持ロールのうちいずれか一方の支持ロールは転写ベルト20の駆動ロールになっている。(本実例では支持ロール21)は転写ベルト20の駆動ロールになっている。
また、給電ロール24は、感光体ドラム1と当接する面を支持する二本の支持ロール20,21間に、転写ベルト20の裏面側に当接するように配設されている。バイアス電源23は、矩形パルスから構成されるバイアス波形からなる転写バイアスを出力するようになっている。
更に、感光体ドラム1を駆動する駆動元となるモータ30及び転写ベルト20の支持ロールで且つ転写ベルト20の回転を行うドライブロールを駆動する駆動元となるモータ(ベルト駆動手段)31が装備されている。モータ30、モータ31は内部にエンコーダ等の回転状態を出力できる構造を備え、その出力は随時駆動コントローラ70に送られる。駆動コントローラ(回転駆動制御手段)70は、モータ30、モータ31から送られてくる回転状態をモニターし更に、二つのモータの回転速度を比較する比較回路を備え、その比較した値をもとにモータ30、モータ31の回転を制御している。
一方、給電ロール24にバイアスを印加するバイアス電源23は、バイアス電源の制御部であるコントローラ(電界判断手段)19によって制御されている。給電ローラ24にはコントローラ19による制御によって、適確なタイミングで適正なバイアス値が印加される。給電ロール24に印加された電圧値はコントローラ19でモニターされ、その情報(転写電界)は前述の駆動コントローラ70に送られることとなる。
次に本発明の電子写真装置の1実施形態における画像形成プロセスについて説明する。
先ず、回転する感光ドラム10の感光層を帯電器11により一様に帯電し、その帯電面に像露光装置12により原稿からの反射光を収束した光学像もしくは画像変調されたレーザビームからなる光学像が照射されて静電潜像が形成される。続いて、現像装置13からトナーが供給されて感光ドラム10の静電潜像のみに付着することによりトナー像Tが形成される。この例では、感光ドラム10は負極性に一様帯電されて反転現像用の静電潜像が形成された後、負極性に帯電したトナーにより現像されるため、負極性に帯電したトナー像Tが形成されるようになっている。
続いて、このトナー像Tの形成タイミングにあわせて、給紙トレイ15からは所定のサイズや種類の記録用紙Pが1枚ずつフィードロール15aにて送り出され、レジストロール16によりタイミング調整された後に転写ニップ部Nにむけて送り出される。この転写ニップNを記録用紙Pの先端が通過する直前にコントローラ19からの指示に基づいて、バイアス電源23から所定の電圧(V0)又は所定の電流(I0)が印加される。
これにより、記録用紙Pは、感光ドラム10と対向する転写ニップ部Nに送り込まれた後、転写ベルト20表面に静電吸着され感光ドラム10に対し適正な速度でこの転写ニップ部Nにおいて感光ドラム10からトナー像Tが静電的に転写される。トナー像Tが転写された記録用紙Pは、支持ロール22により支持される転写ベルト20の部分でそのベルトから分離して剥離された後、定着装置17に送り込まれてトナー像Tの定着処理が施され、最後に装置外部に排出される。以上により画像が形成される。
以下に本発明を更に具体的に説明するための実施例を記載する。なお本発明の以下に挙げる実施例の形態に限定されるものではない。また、特に断りがない限り、「部」とは「質量部」を意味する。
(実施例1〜10、比較例1〜2)
表1及び表2に実施例及び比較例に使用した配合を示す。表1及び表2に示す配合に従って、ゴム基材(ゴム層)の加工においてはCR(クロロプレン)、ECO(エピクロロヒドリン)ゴム100部に対して加硫剤として硫黄(鶴見化学)0.1部、硫黄加硫促進剤として(三新化学工業)22=0.5部、TT(大内新興化学)=0.7部、DM(同)=1部、R(同)=0.2部、及び受酸剤としてMgO(神島化学)=4部、ZnO(正同化学)=5部、さらにシリカ(日本シリカ工業)RS150=20部を補強剤として10Lニーダーでブレンドした後、2本ロールによるリボン成形し、押し出し(90mmφスクリュー)成形により84mmφX幅313mmベルトに肉厚1mmでベルト化した。さらに2軸研磨機で500μmの肉厚まで両面を研磨した後、表1に従ってバインダーを用いて各種フィラーを分散混合した塗料をゴム基材の表裏面にデイップ又はスプレーコートして、表面層(表面コート層)及び裏面層(裏面コート層)を形成し、2から3層の積層ベルトを作製した。得られたベルトの電気特性(各層の体積抵抗率の常用対数値Rv、ベルトの環境変動値)を示す。
なお、得られたベルトは、CR及びECOのブレンド比率を変更したゴム基材に各種ポリエステル系バイロン塗料や各種ウレタンエマルション変性塗料を表面及び裏面に塗工したもでの裏面塗工に際しては裏返しによる塗工とそのままスプレーで裏面側を塗工したもので同時に製膜したものではない。
そして、得られたベルトについて、以下に示すベルト体積抵抗率の経時変化、及び画像特性を評価した。結果を表3に示す。
−ベルト体積抵抗率の経時変化−
10℃、15%RH(LL環境)にて転写ベルトを2本の金属ロールにより張架するように配置して、一方の金属ロールに3kVの電圧を印加しながら90rpmで168時間連続回転させた後の体積抵抗率の常用対数値ρE(1kV印加)を測定し、初期の体積抵抗率の常用対数値ρIとの差(ρE−ρI)を経時変化値とした。
−画像特性−
ベルトを、モノクロ複写機DocuCentre 705C(富士ゼロックス社製)に搬送転写ベルトとして装着し、10℃、15%RH(LL環境)及び28℃、85%RH(HH環境)下にて画像出しを行い、その画像について目視により以下の判断基準で評価を行った。
○:問題なし。
△:一部画質不良あり(用紙端部、裏面など)。
×:転写不良発生。
Figure 2006084707
Figure 2006084707
Figure 2006084707
これら実施例及び比較例では、各種配合比率が異なるものでも塗工後の体積抵抗率の常用対数値を7.9から9.7乗まで広い範囲で抵抗調整したが、2層コートではこれ以上に厚膜にした場合、本来のゴム基材の持っている弾性が失われるものでなく、表面層がベルト使用時に回転・伸張・屈曲によりクラックが発生しやすく抵抗変化が基材の影響で大きくなっていた。
また、表面層の抵抗を上げ、かつ絶縁耐圧を上げるためにはゴム基材裏面側の裏面層のCB量やフィラー量を調整することによって電気的に安定したベルト特性が得られることがわかる。
また、ウレタン系材料で構成した表裏層では、ゴム弾性を維持させながらベルト基材の追従性を上げることができ、比較的基材抵抗に習った抵抗管理が可能となっている。
一方、比較例1においてはもし単独でゴム基材抵抗をさらに高い領域まで制御して作製した場合は導電性カーボンブラックの配合量を10部以下ではイオン導電的挙動を示し、さらなり環境変動の悪化を招きやすく、一方、表面層抵抗を上げてもさらに抵抗ムラやバラツキが大きくなり、8〜9乗台の安定した抵抗制御が困難であった。さらに必要に応じてフィラーやCB量を調整することによって3層構成であるならさらに高い領域までゴム抵抗は制御しなくとも対応可能である。
このように、体積抵抗率を特定の関係を満たしつつ、積層構造のベルトを作製することで、単独ゴムでは得られなかった抵抗安定性と転写ベルトにおける電気的維持性、表面層ではトナー、紙粉、異物、放電生成物などの蓄積防止が可能となった。また、裏面層は、ゴム劣化防止、裏面抵抗変化、放電生成物による摩擦係数の変化、充填フィラーなどによる安定したベルトスピードの維持やゴム耐摩耗性の保持、表面層の電圧負担軽減によるリーク防止、給電ロール部材への汚染抑制、ゴム層の永久伸び防止、膜厚調整による表面クラック抑制やベルト剛性調整、さらにゴム材料の安定抵抗領域活用による全体抵抗を負担し、用途に応じた安定した転写領域の確保ができ、イオン導電性のゴム基材であっても水分の浸入を上下に防ぐことにより、電気抵抗の使用環境変化に依存しない安定性の確保及びカーボン導電性のゴム基材の成形ムラや分散ムラに起因する画質ムラや2次凝集などの跡からくるピンホールデフェクトなどについても裏面層抵抗が高いことからより軽減でき、裏面層として順次抵抗層を設けなくとも先にゴム層での抵抗安定領域で作製することで使用領域をそれ以外の層で調整し、つねにゴム層の製造安定性を確保できた。
さらに、上記積層構造に限られず、機能分離したベルト構成にすることにより、個々に弾性機能、抵抗層、離型層、ブリード防止層、高摩擦層などその用途に応じたコート層、弾性層を組み合わせ、複合した機能に合わせて、カラー用中間転写ベルトからモノクロ用搬送ベルトまで用途に応じて各機能層を選択してゆき、各層に抵抗調整機能を割り当てることにより、長期に渡り安定したベルトとなった。
本発明の電子写真用転写ベルトの層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置の1実施形態を説明するための概略構成図である。
符号の説明
10…感光ドラム、11…帯電器、12…像露光装置、13…現像装置、14…クリーニング装置、15…給紙トレイ、15a…フィードロール、16…レジストロール、17…ロール方式の定着装置、18…転写装置、19…コントローラ、20…転写ベルト、21,22…支持ロール、23…バイアス電源、24…給電ロール、25…クリーニングブレード、30、31…モータ、70…駆動コントローラ、T…トナー像、P…記録用紙、N…転写ニップ部

Claims (2)

  1. ゴム層の表裏面に、表面コート層及び裏面コート層が設けられた電子写真用転写ベルトであって、
    前記表面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv1(logΩcm)、前記ゴム層の体積抵抗率の常用対数値をRv2(logΩcm)、前記裏面コート層の体積抵抗率の常用対数値をRv3(logΩcm)としたとき、下記式(1)〜(3)の関係を同時満たすことを特徴とする電子写真用転写ベルト。
    式(1):Rv1>Rv2
    式(2):Rv1>Rv3
    式(3):Rv3>Rv2
  2. 請求項1に記載の電子写真用転写ベルトを備えることを特徴とする電子写真装置。
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