JP2006083373A - 樹脂分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】
極性樹脂との相溶性が良好であり、オレフィン系重合体に対する接着性の優れた表面処理剤、接着剤、塗料等として有用な樹脂分散体を提供する。
【解決手段】
変性オレフィン系重合体が有機溶媒に分散してなる樹脂分散体において、該変性オレフィン系重合体が、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して極性高分子(B)20〜500重量部が結合したものであり、かつ該有機溶媒が、極性溶媒を20重量%以上含有する溶媒であることを特徴とする樹脂分散体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面処理剤、接着剤、塗料等として有用な樹脂分散体に関するものであり、より詳細には極性樹脂との相溶性が良好であり、結晶性を有するオレフィン系重合体に対する密着性に優れた樹脂分散体に関する。
プロピレン系重合体やプロピレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン系重合体は安価であり、しかも、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、耐水性などに優れていることから、広い分野で使用されている。しかしながら、このようなオレフィン系重合体は、分子中に極性基を持たないため極性が低く、塗装や接着が困難であるという欠点を有している。この欠点を改善するために、オレフィン系重合体と接着させる樹脂との間に、両者への接着性に優れた樹脂からなるプライマーを用いる方法が一般に行われている。
プライマーは、通常、特定の樹脂溶液の形で用いられるため、溶媒への溶解性が必要であり、その溶解性を発現させるため塩素化、或いは酸変性する等の方法が用いられてきた。しかしながら変性量が増えるに従い、オレフィン系重合体とプライマーとの接着性が低下し、溶解性と接着性を同時に改良することは困難であった。またこの問題に加えて、プライマーとして用いられる樹脂の多くは塗料等に使用される極性樹脂との相溶性が低く、極性樹脂と混合できないという問題もあった。
特許文献1には、極性樹脂との相溶性を改良した樹脂として、酸変性プロピレン・α−オレフィン共重合体に少なくとも1個の水酸基、グリシジル基またはアミノ基を持つ、反応性不飽和化合物をグラフト共重合して得られる樹脂が提案されており、この樹脂を含有するオレフィン系重合体系樹脂用コーティング組成物も開示されている。しかしながらこの組成物は、相溶性は改良されているものの、その溶液のゲル化や増粘といった問題点のため、溶液の固形分濃度や使用できる樹脂の分子量が限られ、用途が限定されていた。
一方、溶解性に関わる問題を回避するため、樹脂の分散体が提案されており、不飽和カルボン酸またはその無水物によって一部もしくは全部がグラフト変性された変性プロピレン系樹脂が有機溶剤中に分散してなる樹脂分散体において、該分散体を常温で乾固して得られる変性プロピレン系樹脂が、(a)示差走査分析で測定した融点が120℃未満、(b)極限粘度[η]が0.2〜2.0dl/g、(c)不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量が0.1〜15重量%の性状を有する、低温ヒートシール性に優れた樹脂分散体が開示されている(特許文献2)。しかしながらこの酸変性オレフィン系重合体の分散体は、変性量が少なく他の極性樹脂との相溶性が悪いため、単独でヒートシール等の用途に使用されることが多く、塗料やプライマー原料などとして幅広く使用するのには限界があった。
特許2019217号公報 特開平11−222543号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、極性樹脂との相溶性が良好であり、しかも、オレフィン系重合体に対する接着性の優れた、表面処理剤、接着剤、塗料等として有用な樹脂分散体を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の変性オレフィン系重合体を有機溶媒に分散させることによって、上記課題を解決できる樹脂分散体が得られることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、変性オレフィン系重合体が有機溶媒に分散してなる樹脂分散体において、該変性オレフィン系重合体が、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して極性高分子(B)20〜500重量部が結合したものであり、かつ該有機溶媒が、極性溶媒を20重量%以上含有する溶媒であることを特徴とする樹脂分散体に存する。
本発明によれば、極性樹脂との相溶性が良好であり、しかも、オレフィン系重合体に対する接着性の優れた、表面処理剤、接着剤、塗料等として有用な樹脂分散体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に用いられるオレフィン系重合体(A)は、エチレンもしくはプロピレンの単独共重合体、又はエチレンもしくはプロピレンとその他のコモノマー例えばブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素数2以上、好ましくは2〜6のα−オレフィンコモノマーとのランダム共重合体又はブロック共重合体又はこれらコモノマーの2種類以上の共重合体が使用される。また上記オレフィン系重合体を塩素化した塩素化オレフィン系重合体も使用される。好ましくはプロピレン単独重合体もしくは共重合体である。プロピレンの含有率は50モル%以上であり、好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。プロピレンの含量が低い場合、ポリプロピレン基材への密着性が劣る。
またプロピレンの単独重合体もしくは共重合体の立体規則性は、アイソタクチックもしくはアイソタクチックブロックを有するものが好ましい。通常のアイソタクチックポリプロピレンはもちろんのこと、特開2003−231714号公報やUS4522982号公報に記載のアイソタクチックブロックポリプロピレンやステレオブロックポリプロピレン等も使用することができる。
特にアイソタクチック立体規則性を示す10種類のペンタッドのうち、[mmmm]の比率(参考文献:A.Zambelli et al,Macromolecules,8,687−689(1975))は、10〜90%が好ましい。下限値の好ましい値は20%、さらに好ましくは30%、より好ましくは40%である。上限値の好ましい値は80%、さらに好ましくは60%、より好ましくは50%である。下限値が10%未満の場合は、オレフィン系重合体(A)のべたつきが多くなる場合があり、上限値が90%超過の場合は結晶化度が高すぎ製造上樹脂分散体を作るのが困難な場合がある。上記立体規則性の測定方法は、特開2003−231714号公報に記載の方法を用いることができる。
本発明におけるオレフィン系重合体(A)の重量平均分子量Mwは、2,000〜800,000であることが好ましく、より好ましくは15,000〜300,000、さらに好ましくは、30,000〜250,000であり、最も好ましくは40,000〜200,000である。重量平均分子量Mwが2,000より小さい場合には、変性オレフィン重合体にべたつきがあり、また基材への密着性が劣る場合がある。Mwが800,000を越える場合には、粘度が高くなり樹脂分散体を調製することが困難となる場合がある。重量平均分子量Mwは、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定することが可能であり、例えば、市販の装置を用いて、オルトジクロロベンゼンなどを溶媒として、標準ポリスチレン換算の値として得ることができる。
本発明のオレフィン系重合体(A)の製法については、本発明の要件を満たす重合体を製造できれば、いかなる製法であってもよい。例えばチーグラー・ナッタ触媒により重合する方法、シングルサイト触媒またはカミンスキー触媒により重合する方法が挙げられる。好ましい製法としては、シングルサイト触媒による製造方法を挙げることができる。この理由としては、一般にシングルサイト触媒がリガンドのデザインにより分子量分布や立体規則性分布がシャープであることなどが挙げられる。またシングルサイト触媒のなかでも、メタロセン触媒が好適に用いられる。
本発明に用いられる極性高分子(B)としては、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂が使用される。
これらの極性高分子(B)をオレフィン系重合体(A)と結合する方法としては、オレフィン系重合体もしくは反応性基を有するオレフィン系重合体の存在下で極性高分子(B)を重合する方法、あるいは、別途重合した極性高分子(B)と反応性基を有するオレフィン系重合体とを結合する方法等があげられる。これらの結合形式は、ラジカルグラフト反応による共有結合、反応性基同士を利用した共有結合又はイオン結合であるが、後述するように結合する極性高分子の種類によって適宜選択することが可能である。
アクリル樹脂は、例えば、不飽和カルボン酸もしくはエステルもしくは無水物をラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合で重合することで得られる。本発明の変性オレフィン系重合体は、オレフィン系重合体(A)に直接ラジカルグラフト重合する方法、水酸基、アミノ基、グリシジル基、(無水)カルボン酸基等を含有したアクリル樹脂と、反応性基を有するオレフィン系重合体と反応する方法等で結合し調製することができる。
ポリエーテル樹脂は、一般に、環状アルキレンオキサイドを開環重合することで得られる。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体の存在下で環状アルキレンオキサイドを開環重合する方法、開環重合で得られたポリエーテルポリオールやポリエーテルアミンと、反応性基を有するオレフィン系重合体とを反応する方法等で製造することができる。ポリエーテルアミンは、ポリエーテル骨格の片末端又は両末端に1級アミノ基を有する化合物であり、具体的にはハンツマン社製ジェファーミンMシリーズ、Dシリーズ、EDシリーズが使用できる。
ポリエステル樹脂は、通常、ジオールとジカルボン酸の縮合重合、もしくはラクトンの開環重合で得ることができる。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体存在下縮合重合でラクトンを開環重合する方法、もしくは多価アルコールと多塩基酸を縮合重合させる方法、反応性基を有するポリエステル樹脂と高分子反応させる方法で得ることが出来る。
ポリウレタン樹脂は、一般に、有機ジイソシアネートとポリオール及び鎖延長剤とで縮合重合で得られる。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体存在下、有機ジイソシアネートとポリオール及び鎖延長剤とで縮合重合する方法、反応性基を有するポリウレタン樹脂と高分子反応させる方法で得ることができる。
ポリアミド樹脂は、例えば、ラクタムの開環重合もしくはジアミンとジカルボン酸で得ることが出来る。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体中でラクタムを開環重合する方法、もしくはジアミンとジカルボン酸を縮合重合する方法、反応性基を有するポリアミドと反応性基を有するオレフィン系重合体とを反応する方法等で製造することができる。
ポリカーボネート樹脂は、通常、ビスフェノールとジアルキルまたはジアリールエステルのエステル交換反応で得ることができる。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体存在下でビスフェノールとジアルキルまたはジアリールエステルを反応させる方法、反応性基を有するポリカーボネート樹脂と反応性基を有するオレフィン系重合体とを反応する方法等で製造することができる。
エポキシ樹脂は、一般に、塩基存在下、フェノール誘導体とエピクロルヒドリンとの反応により得ることが出来る。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体存在下、フェノール誘導体とエピクロルヒドリンを反応させる方法、エポキシ樹脂と反応性基を有するオレフィン系重合体とを反応する方法等で製造することができる。
メラミン樹脂は、例えば、メラミンとホルムアルデヒドとの反応により得ることが出来る。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体存在下でメラミンとホルムアルデヒドを反応させる方法、反応性基を有するメラミン樹脂と反応性基を有するオレフィン系重合体とを反応する方法等で製造することができる。
アルキッド樹脂は、一般に、多価アルコールと多塩基酸との反応により得ることが出来る。変性オレフィン系重合体は、反応性基を有するオレフィン系重合体存在下、多価アルコールと多塩基酸を反応させる方法、反応性基を有するアルキッド樹脂と反応性基を有するオレフィン系重合体とを反応する方法等で製造することができる。
極性高分子(B)としては、上記の中でもアクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく使用される。これらは、直鎖の高分子を合成しやすく、末端に官能基を有する高分子を合成しやすいことから、オレフィン系重合体(A)と結合して変性オレフィン系重合体の製造が容易である。
極性高分子(B)の結合量は、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して20〜500重量部である。極性高分子(B)の結合量が20重量部未満では極性溶媒を20重量%以上含有する溶媒に分散することができず、500重量部超過では、オレフィン系重合体との密着性が劣る。
本発明における極性高分子(B)は、GPCで測定しポリスチレンの検量線で換算した数平均分子量Mnが300〜100,000であることが好ましく、さらに好ましくは、500〜100,000である。Mnが300未満の場合には、変性量が低くなり安定な樹脂分散体を得ることが難しい場合がある。また、Mnが100,000超過の場合には、粘度が高くなり、樹脂分散体の調製が困難な場合がある。GPC測定は、THFなどを溶媒として、市販の装置を用いて公知の方法で行うことができる。
オレフィン系重合体(A)に結合している極性高分子(B)の量は、オレフィン系重合体(A)1g当たり0.05〜1mmol/gであることが好ましい。より好ましくは0.1〜0.8mmol/g、さらに好ましくは0.2〜0.6mmol/gである。0.05mmol/g未満では極性溶媒を20重量%以上含有する溶媒中で安定な樹脂分散体を得ることが出来ない場合があり、1mmol/g超過ではオレフィン系重合体との密着性に劣る場合がある。
これらの値は、オレフィン系重合体(A)と極性高分子(B)とを結合する際使用する、反応性基を有するオレフィン系重合体の反応性基のモル数と、極性高分子(B)の数平均分子量とを用い計算することができる。
前述したように、極性高分子(B)の結合量は、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して極性高分子(B)20〜500重量部である。よって、上記のオレフィン系重合体(A)1g当たりの、極性高分子(B)の結合量(mmol/g)が低く、例えば0.05mmol/gの場合は、極性高分子(B)の分子量は高めになっていることが必要であり、好ましくは数平均分子量は4,000〜100,000である。他方、結合量(mmol/g)が高い場合、例えば1mmol/gの場合は、極性高分子(B)の分子量は低めになっていることが必要であり、このときの数平均分子量は、好ましくは、300〜5,000である。
上述した反応性基を有するオレフィン系重合体の製造方法としては、オレフィン系重合体(A)に、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物をグラフト共重合すること、または、オレフィン系重合体中の不飽和基に化合物を付加することにより得ることができるが、前者が好ましい。導入される反応性基としては、カルボン酸基、ジカルボン酸無水物基の酸基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基などが挙げられるが、カルボン酸基又はジカルボン酸無水物基が好ましい。
反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物としては、具体的には、カルボン酸基又はジカルボン酸無水物基を有するものとして、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸または無水物、イタコン酸または無水物、クロトン酸又は無水物等が、水酸基を有するものとして、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が、アミノ基を有するものとして(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(ジメチルアミノ)エチル等が、エポキシ基を有するものとしては(メタ)アクリル酸グリシジル等が、イソシアナート基を有するものとしては(メタ)アクリル酸(2−イソシアナト)エチル等が挙げられる。中でも無水マレイン酸が好ましい。
反応性基を有するオレフィン系重合体における、反応性基を有するラジカル重合性不飽和化合物のグラフト率は、0.05〜1mmol/gである事が好ましい。より好ましくは0.1〜0.8mmol/gであり、さらに好ましくは0.2〜0.6mmol/gである。0.05mmol/g未満では上述の極性高分子(B)の結合量が少なく安定な樹脂分散体を得られない場合があり、1mmol/g超過では結晶性のオレフィン系重合体に対する密着性が劣ることがある。
上記グラフト共重合に用いられるラジカル重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤から適宜選択して使用することができ、有機過酸化物、アゾニトリル等を挙げることができる。
オレフィン系重合体(A)と極性高分子(B)の結合、あるいは反応性基を有するオレフィン系重合体の製造方法としては、溶液中で加熱攪拌して反応する方法、無溶媒で溶融加熱攪拌して反応する方法、押出機中で加熱混練して反応する方法等が挙げられる。反応温度は、0〜200℃、好ましくは30〜150℃で反応することができる。
溶液中で反応を行う場合の溶媒の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素;ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒類などが挙げられる。
また、ポリオレフィン(A)と極性高分子(B)の結合反応時には、反応を促進するため触媒を添加することもできる。触媒としては、酸、塩基、金属、金属酸化物、有機金属、水、ラジカル開始剤等を、反応の種類に応じて用いることができる。
本発明で変性オレフィン系重合体を分散させる有機溶媒は、後述の極性溶剤を20〜100重量%含んだ溶剤である。ここで、極性溶剤とは、分子中に炭素原子および水素原子以外の原子を含み、常温で液体の化合物である。具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒類などが挙げられる。
極性溶剤以外の液体としてトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式脂肪族系炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が使用できる。
本発明の分散体を製造するには種々方法があるが、例えば前述の変性オレフィン系重合体を有機溶媒に添加し加熱溶解した後冷却し分散させる方法、変性オレフィン系重合体を有機溶媒に添加し粗分散体とした後、ホモジナイザー等の分散機を用いて機械的に分散させる方法、変性オレフィン系重合体を良溶媒で溶解した後、貧溶媒に加え分散させる方法、変性オレフィン系重合体を良溶媒で溶解し、得られた溶液を貧溶媒に加え分散させる方法などが挙げられる。
本発明の樹脂分散体の固形分は5〜60重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%で、さらに好ましくは20〜40重量%である。また、樹脂分散体に含まれる粒子の平均粒子径は0.1〜50μmの範囲であり、例えば東日コンピュータアプリケーションズ社製LDSA−3400A等の公知の測定機器で測定することが出来る。
また本発明の樹脂分散体には、必須成分である変性オレフィン系重合体の外に、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、脂肪酸変性ポリエステル樹脂、オイルフリーポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等を混合してもよい。
また本発明の樹脂分散体には、必要に応じて酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱防止剤等の各種安定剤;酸化チタン、有機顔料等の着色剤;カーボンブラック、フェライト等の導電性付与剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤等の各種添加剤も配合使用してもよい。
本発明の樹脂分散体は、そのままで、又は上記のような他の樹脂や配合剤を加えて塗料、プライマー、接着剤等に利用する事が出来る。
本発明の樹脂分散体は、結晶性を有するオレフィン系重合体からなる成形体(基材)に塗布することにより、塗膜を形成することが出来る。形成された塗膜は基材への密着性、塗料との密着性に優れている。
本発明の樹脂分散体を塗布する方法は特に制限はなく、スプレーで噴霧塗布する方法、ローラーで塗布する方法、刷毛で塗布する方法など、従来公知の方法が使用できるが、なかでも噴霧塗布が好適である。
成型品への塗布は通常、室温で行うことができ、塗布した後、自然乾燥や加熱強制乾燥等、適当な方法によって乾燥し、塗膜を形成することが出来る。加熱強制乾燥の温度に特に制限はないが、通常50〜150℃、好ましくは60〜130℃である。
基材として用いられるオレフィン系重合体としては、高圧法ポリエチレン、中低圧法ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1−ブテン、ポリスチレン等のオレフィン系重合体、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体等のオレフィン共重合体等が挙げられる。これらのオレフィン共重合体のうち、プロピレン系重合体が好ましく用いられる。また、ポリプロピレンと合成ゴムとからなる成型品、ポリアミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等からなる成型品、例えば自動車用バンパー等の成型品、さらには鋼板や電着処理用鋼板等の表面処理にも用いることができる。
また本発明の組成物が適用される成型品は、射出成形、圧縮成型、中空成形、押出成形、回転成形等の公知の成形法のいずれの方法によって成型されたものであってもよい。
これら成形品にタルク、亜鉛華、ガラス繊維、チタン白、硫酸マグネシウム等の無機充填剤、顔料等が配合されている場合にも、特に密着性の良い塗膜を形成することができる。
以下、本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
以下の諸例で用いた評価方法、配合材料は次の通りである。
<物性測定方法及び評価方法>
(1)立体規則性
ポリプロピレンの立体規則性[mmmm]は、NMR装置EX270(日本電子(株)製、400MHz)にて13C−NMRスペクトル測定法により測定した。試料350〜500mgを、10mmφのNMR用サンプル管中で、約2.2mlのオルトジクロロベンゼンを用いて完全に溶解させた。次いで、ロック溶媒として約0.2mlの重水素化ベンゼンを加え、均一化させた後、130℃でプロトン完全デカップリング法により測定を行った。測定条件は、フリップアングル90°、パルス間隔5T1以上(T1は、メチル基のスピン格子緩和時間のうち最長の値)とした。プロピレン系重合体において、メチレン基およびメチン基のスピン格子緩和時間はメチル基のそれよりも短いので、この測定条件では、すべての炭素の磁化の回復は99%以上である。20時間以上の積算を行い測定した。
(2)分子量
はじめに試料20mgを30mlのバイアル瓶に採取し、安定剤としてBHTを0.04質量%含有するオルトジクロロベンゼン20gを添加した。135℃に加熱したオイルバスを用いて試料を溶解させた後、孔径3μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルターにて熱濾過を行い、ポリマー濃度0.1質量%の試料溶液を調製した。次に、カラムとしてTSKgel GM H−HT(30cm×4本)およびRI検出器を装着したウォーターズ(Waters)社製GPC150CVを使用し、GPC測定を行った。測定条件としては、試料溶液のインジェクション量:500μl、カラム温度:135℃、溶媒:オルトジクロロベンゼン、流量:1.0ml/minを採用した。
分子量の算出に際しては、標準試料として市販の単分散のポリスチレンを使用し、該ポリスチレン標準試料およびポリプロピレンの粘度式から、保持時間と分子量に関する校正曲線を作成し、プロピレン系重合体の分子量の算出を行った。
なお、粘度式としては、[η]K・Mαを使用し、ポリスチレンに対しては、K=1.38E−4、α=0.70、プロピレン系共重合体に対しては、K=1.03E−4、α=0.78を使用した。
(3)グラフト率
重合体200mgとクロロホルム4800mgを10mlのサンプル瓶に入れて50℃で30分加熱し完全に溶解させる。材質NaCl、光路長0.5mmの液体セルにクロロホルムを入れ、バックグラウンドとした。次に溶解した重合体溶液を液体セルにいれて、日本分光(株)製FT−IR460plusを用い、積算回数32回にて赤外線吸収スペクトルを測定した。無水マレイン酸のグラフト率は、無水マレインをクロロホルムに溶解した溶液を測定し検量線を作成したものを用いて計算した。そしてカルボニル基の吸収ピーク(1780cm-1付近の極大ピーク、1750〜1813cm-1)の面積から、別途作成した検量線に基づき、重合体中の酸成分含有量を算出し、これをグラフト率(質量%)とした。
(4)分散粒子径
東日コンピュータアプリケーションズ(株)社製LDSA−3400A(He−Neレーザー 波長632.8nm)を用いて測定した。
(5)分散性
樹脂分散体を調製後室温にて1週間放置し、分散液の状態を目視で観察し以下の基準で判定した。
○:液層と固形分層が分離、或いは固化しておらず、安定な分散状態を維持している。
×:液層と固形分層が分離、或いは固化している。
(6)相溶性
ポリメチルメタクリレート(数平均分子量20000)を20%濃度でアセトンに溶解し、上記(5)で得られた樹脂分散体と1:1で混合し、その状態を目視で観察し、以下の基準で判定した。
○:液層と固形分層が分離、或いは固化しておらず、安定な分散状態を維持している。
×:液層と固形分層が分離、或いは固化した。
(7)密着性
基板表面をイソプロピルアルコールで清拭したものに実施例と比較例で得られた樹脂分散体をバーコーターで塗布した。塗布量は3〜7g/m2とした。塗布後、セーフベンドライヤー内で、80℃、10分間乾燥した後、25℃で1時間静置した。次いでベースコートとしてアクリルポリオールウレタン塗料(商品名:レタンPG80III(関西ペイント社製))に専用硬化剤を10:1の比率で配合し、更に専用シンナーを用いて、フォードカップ4番にて12〜13秒となるように粘度調整を行った後、上記塗膜の上から乾燥塗布量が50〜60gになるように噴霧塗布し、100℃で30分焼き付けした。25℃で24時間放置後、JIS K5400に記載されている碁盤目試験の方法に準じて碁盤目を付けた試験片を作成し、セロハンテープ(商品名:セロテープ(登録商標)(ニチバン社製))を貼り付けた後90度方向に剥離させ、碁盤目100のうち剥離されなかった碁盤目数にて評価した。
<配合材料>
[製造例1]
1)触媒スラリーの製造
1,000ml丸底フラスコに、脱塩水(110ml)、硫酸マグネシウム・7水和物(22.2g)および硫酸(18.2g)を採取し、攪拌下に溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製;ベンクレイSL,16.7g)を分散させ、2時間かけて100℃まで昇温し、100℃で2時間攪拌を行った。その後、1時間かけて室温まで冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキを回収した。回収したケーキを1,000ml丸底フラスコにて、脱塩水(500ml)にて再度スラリー化し、濾過を行った。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケーキを、窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥し、化学処理モンモリロナイト(13.3g)を得た。
得られた化学処理モンモリロナイト(0.88g)に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.4mmol/ml,4.0ml)を加え、室温で1時間攪拌した。この懸濁液にトルエン(16ml)を加え、攪拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返した後、トルエンを加えて、粘土スラリー(スラリー濃度=99mg粘土/ml)を得た。
別のフラスコに、東ソー・アクゾ社製トリイソブチルアルミニウム(0.342mmol)を採取し、ここで得られた粘土スラリー(11.4ml)およびジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)ハフニウム(17.8mg、34.2μmol)のトルエン希釈液を加え、室温で10分間撹拌し、触媒スラリーを得た。
2)ポロプロピレンの製造
次いで、内容積5リッターの誘導攪拌式オートクレーブ内に、トルエン(1100ml)、トリイソブチルアルミニウム(0.5mmol)および液体プロピレン(264ml)を導入した。室温で、上記触媒スラリーを全量導入し、80℃まで昇温し重合時の全圧を0.8MPaで一定に保持しながら、同温度で1.83時間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応プロピレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放してポリマーのトルエン溶液を全量回収し、溶媒ならびに粘土残渣を除去したところ、245gのプロピレン重合体が得られた。得られたポリプロピレンの分子量はMw66000、立体規則性[mmmm]は35%であった。
3)無水マレイン酸変性ポリプロピレンの製造
還流冷却管、滴下ロート、温度計、攪拌機のついたガラスフラスコ中に、トルエン(1000g)、製造例1で得られたポリプロピレン(1000g)を入れ、容器内を窒素ガスで置換し、110℃に昇温した。昇温後無水マレイン酸(150g)を加え、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボナート、日本油脂社製)(50g)を加え10時間同温度で攪拌を続けて反応を行った。反応終了後、系を室温付近まで冷却し、アセトンを加えて、沈殿したポリマーを濾別した。さらにアセトンで沈殿・濾別を繰り返し、最終的に得られたポリマーをアセトンで洗浄した。洗浄後に得られたポリマーを減圧乾燥することにより、白色粉末状の変性ポリマーが得られた。この変性ポリマーの赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、無水マレイン酸基の含量(グラフト率)は、4重量%(0.4mmol/g)であった。
[製造例2]
1)触媒スラリーの製造
フラスコに、東ソー・アクゾ社製トリイソブチルアルミニウム(0.2mmol)を採取し、ここで製造例1の1)で得られた粘土スラリー(19ml)およびジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)ハフニウム(31mg、57μmol)のトルエン希釈液を加え、室温で10分間撹拌し、触媒スラリーを得た(触媒の製造方法等については特開2004−002310を参照)。
2)ポロプロピレンの製造
次いで、内容積24リッターの誘導攪拌式オートクレーブ内に、トルエン(11L)、トリイソブチルアルミニウム(3.5mmol)および液体プロピレン(2.64L)を導入した。室温で、上記触媒スラリーを全量導入し、67℃まで昇温し重合時の全圧を0.65MPaで一定に保持しながら、同温度で2時間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応プロピレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放してポリマーのトルエン溶液を全量回収し、溶媒ならびに粘土残渣を除去したところ、13.5質量%のプロピレン重合体トルエン溶液を11kg(1.5kgのプロピレン重合体に相当する。)が得られた。得られたポリプロピレンの重量平均分子量はMw191,000、立体規則性[mmmm]は45.8%であった。
3)無水マレイン酸変性ポリプロピレンの製造
還流冷却管、温度計、攪拌機のついたガラスフラスコ中に、トルエン(650g)、製造例2の2)で得られたポリプロピレン(350g)を入れ、容器内を窒素ガスで置換し、110℃に昇温した。昇温後無水マレイン酸(35g)を加え、パーブチルI(t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボナート、日本油脂社製)(12g)を加え10時間同温度で攪拌を続けて反応を行った。反応終了後、系を室温付近まで冷却し、アセトンを加えて、沈殿したポリマーを濾別した。さらにアセトンで沈殿・濾別を繰り返し、最終的に得られたポリマーをアセトンで洗浄した。洗浄後に得られたポリマーを減圧乾燥することにより、白色粉末状の変性ポリマーが得られた。この変性ポリマーの赤外線吸収スペクトル測定を行った結果、無水マレイン酸基の含量(グラフト率)は、3重量%(0.3mmol/g)であった。また重量平均分子量は80,000であった。
<実施例及び比較例>
実施例1:
上記製造例1で得られた、無水マレイン酸変性ポリプロピレン100gに、無水マレイン酸基に対し当モル量のポリエーテルアミン(商品名ジェファーミンM−1000(ハンツマン社製)、数平均分子量1000)を40g(0.04mol)、トルエンを200g加え110℃で5時間反応させた。冷却後トルエンを減圧留去し、黄色のポリマー140gを得た。得られた生成物の赤外吸収スペクトル分析を行った結果、1784cm-1付近の無水ジカルボン酸に相当するピークは消滅し、完全に無水マレイン酸変性ポリプロピレンとポリエーテルアミンは結合していた。よって、得られた変性オレフィン系重合体の、オレフィン系重合体(A)1gに対する極性高分子量(B)は、0.04mmol/gであった。ここで、ポリプロピレンに結合した無水マレイン酸は、極性高分子の量に加えずに変性量を計算した。
得られたポリマー100gをアセトン400gに加え、攪拌しながら室温から56℃まで5℃/10分で昇温し、その後30分間攪拌を続け分散させた。分散させた後、攪拌しながら5℃/時間の速度で室温まで冷却した。平均分散粒子径は3.1μmであった。
得られた樹脂分散体について前述の方法によって、分散性、相溶性、密着性を評価した。評価結果を表1に示す。
実施例2:
還流冷却管、温度計、攪拌機のついたガラスフラスコ中に、製造例2で得られた無水マレイン酸変性ポリプロピレン100g(無水マレイン酸基の含量29mmol)およびトルエン200gを入れ、110℃に昇温し完全に溶解した。次いで無水マレイン酸基に対し当モル量のポリエーテルアミン(商品名ジェファーミンM−1000(ハンツマン社製)、数平均分子量1000)を30g(0.03mol)をトルエン20gに溶解した溶液を加え、110℃で3時間反応させた。冷却後トルエンを減圧留去し、黄色ポリマー130gを得た。
実施例1と同様にして、無水マレイン酸変性ポリプロピレンとポリエーテルアミンが完全に結合していることを確認した。
得られた黄色ポリマー100gにプロピレングリコールモノメチルエーテル400gを加え、攪拌しながら室温から100℃まで5℃/10分で昇温し、その後60分間攪拌を続け分散させた。分散させた後、攪拌しながら10℃/時間の速度で室温まで冷却した。平均分散粒子径は2.5μmであった。
比較例1:
実施例1で、無水マレイン酸変性ポリプロピレンと、ハンツマン社製ポリエーテルアミンの反応物を用いる代わりに、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを用いた以外は実施例1と同様に評価した。その結果、安定な分散体は得られず、室温まで冷却したものは大部分固化していた。また、相溶性および密着性評価は行うことが出来なかった。評価結果を表1に示す。
Figure 2006083373
<結果の評価>
1)比較例1は、極性高分子(B)が結合していないため、分散性が劣っており、相溶性、密着性の評価を行うことが出来なかった。
本発明の樹脂分散体は、結晶性を有するオレフィン系重合体を主成分とする成型品の表面に塗布し、その表面への塗料の密着性、耐水性および耐ガソリン性といった表面性能を改善するためのプライマー等として用いることができる。またプライマーとしての用途以外にも、上述の特徴を生かして、広範囲の用途に適用可能であり、例えば、接着剤や塗料の密着性促進剤等の用途にも適用可能である。

Claims (5)

  1. 変性オレフィン系重合体が有機溶媒に分散してなる樹脂分散体において、該変性オレフィン系重合体が、オレフィン系重合体(A)100重量部に対して極性高分子(B)20〜500重量部が結合したものであり、かつ該有機溶媒が、極性溶媒を20重量%以上含有する溶媒であることを特徴とする樹脂分散体。
  2. 前記変性オレフィン系重合体が、オレフィン系重合体(A)1gに対し、極性高分子(B)が0.05〜1mmol/g結合しているものである請求項1に記載の樹脂分散体。
  3. 樹脂分散体中の固形分濃度が5〜60重量%である請求項1又は2に記載の樹脂分散体。
  4. オレフィン系重合体(A)がメタロセン系の触媒を用いて調製されたものである請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂分散体。
  5. 極性高分子(B)が、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂の少なくとも一種である請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂分散体。
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