JP2006080205A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被加工面上で振動的に強度が増減する光強度分布を得ることができ、小型化することが容易なレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】 ウェッジ基板5の入射表面5aへレーザビームを垂直に入射させる。入射するレーザビームのうち、一方の出射表面5b1を通過する第1の成分及び他方の出射表面5b2を通過する第2の成分が、それぞれ、出射表面5b1及び出射表面5b2で屈折し、ともにレーザビームの断面の中心側に偏向する。これにより、両成分の経路が互いに重なる。第1及び第2の成分が、被加工面上の共通の領域を照射し、この領域において両成分が干渉する。これにより、被加工面内で強度を振動的に増減させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ加工装置及びレーザ加工方法に関し、強度が被加工面内で振動的に変化するレーザビームを被加工面に照射するためのレーザ加工装置及びそれを用いたレーザ加工方法に関する。
表面に非晶質シリコン膜が形成された基板に、例えばエキシマレーザを照射することにより、非晶質シリコン膜を多結晶化するレーザアニールが行われている。レーザ照射により非晶質シリコン膜が一時的に溶融して、シリコン結晶粒が成長し、多結晶化が行われる。多結晶シリコン膜が形成された基板は、例えばアクティブマトリクス型液晶表示装置に用いられる。
以下に説明するように、シリコン結晶粒を被加工面に平行な方向へ成長させるレーザアニール方法が知られている。加工基板に、強度が被加工面内で周期的に増減するレーザビームを照射する。被加工面上において、強度が極小となる位置の近傍領域では、非晶質シリコンが完全には溶融しない。強度が極大となる位置の近傍領域では、非晶質シリコン膜が完全に溶融する。強度が極小となる位置の近傍領域のシリコン結晶粒が種結晶となり、シリコン膜が完全に溶融する領域に向かって、シリコン結晶粒が成長する。強度が極小となる位置ごとに、シリコン結晶粒が成長する。
例えばアクティブマトリクス型液晶表示装置を作製するためにレーザアニールを行うとき、シリコン結晶粒を被加工面に平行な方向について3μm程度以上の大きさに成長させることが好ましいと考えられている。現在、シリコン結晶粒を3〜10μm程度の大きさに成長させることが目標とされている。3〜10μm程度の大きさのシリコン結晶粒を成長させるために、シリコン結晶粒の大きさ程度の周期で強度が増減するレーザビームを、被加工面に照射したい。そのような周期で強度が増減する光強度分布を得るために、被加工面上でレーザビームを干渉させる方法が考えられている。
具体的には例えば、回折格子や、レーザビームが入射する面内に多数の微細な開口が形成されたマスクを用いる方法が考案されている。回折格子またはこのようなマスクによりレーザビームを干渉させ、上述のような周期で強度が増減する干渉縞を生じる位置に、被加工面を配置する。ただし、このような方法を用いる場合、回折格子またはマスクから被加工面までの距離が最適な値からずれると、所望の周期で増減する光強度分布が得られない。このため、このような方法を用いる場合、回折格子またはマスクから被加工面までの距離の設定を精密に行う必要がある。
特許文献1に、被加工面上でレーザビームを干渉させるための他のいくつかの方法が記載されている。1つの方法は以下のようなものである。レーザ光源から出射したレーザビームを、8本のシリンドリカルレンズが並べられたシリンドリカルレンズアレイに入射させ、レーザビームを断面内で分割する。シリンドリカルレンズアレイから出射したレーザビームを、1本のシリンドリカルレンズに入射させ、収束させる。これにより、分割された成分の経路同士が重なり、各レーザビームが被加工面上の共通の領域に照射される。このようにして、シリンドリカルレンズアレイで分割した成分同士が、被加工面上で干渉する。
他の1つの方法は以下のようなものである。レーザ光源から出射したレーザビームが、2つの反射面を有する分岐用ミラーに入射する。分岐用ミラーのある反射面で反射されたレーザビームと、他の反射面で反射されたレーザビームとが、互いに反対向きに進行する。分岐用ミラーのある反射面で反射されたレーザビームが、第1の合成用ミラーで反射されて、被加工面に照射される。分岐用ミラーの他の反射面で反射されたレーザビームが、第2の合成用ミラーで反射されて、被加工面に照射される。第1及び第2の合成用ミラーで反射されたレーザビームが、それぞれ、所定の入射角で被加工面に入射するように、かつ、第1及び第2の合成用ミラーで反射されたレーザビームが、被加工面上の共通の領域を照射するように、これら2つのミラーが配置される。このようにして、分岐用ミラーで2本に分岐させたレーザビーム同士が、被加工面上で干渉する。
この方法では、第1及び第2の合成用ミラーで反射されたレーザビームのそれぞれを、被加工面に所定の入射角で入射させることにより、被加工面上で強度が変化する周期を所望の値にできる。被加工面へ入射する両レーザビームの入射角を小さくするほど(垂直入射に近くするほど)、被加工面上の強度変化の周期が長くなる。なお、この方法では、第1及び第2の合成用ミラーから被加工面までの距離が所定値からずれても、被加工面上の強度変化の周期がほとんど変わらない。
特開2002−280302号公報
特許文献1に記載された方法のうち、分岐用ミラーで2本に分岐させたレーザビーム同士を被加工面上で干渉させる方法を用いれば、被加工面に入射する2本のレーザビームの入射角を制御することにより、被加工面上の強度変化の周期を制御することができる。
レーザ照射により形成されるシリコン結晶粒を大きくするために、被加工面上の強度変化の周期を長くしたい。そのため、被加工面に入射する2本のレーザビームの入射角を小さくしたい。特許文献1に記載された方法では、分岐用ミラーで2本に分岐させたレーザビームを、それぞれ第1及び第2の合成用ミラーで反射して、被加工面に照射する。第1の合成用ミラーから第2の合成用ミラーまでの距離を、ある程度以上近づけることができないので、入射角を小さくするために、両ミラーから被加工面までの距離を長くする必要がある。そのため、レーザ加工装置の小型化が容易でない。
また、この方法でレーザビームを干渉させるために、分岐用ミラーと、第1の合成用ミラーと、第2の合成用ミラーとが必要である。これら3つの光学部品の相対位置を調整する必要があるので、レーザ加工装置の調整が簡単ではない。
本発明の一目的は、被加工面上で振動的に強度が増減する光強度分布を得ることができ、小型化することが容易なレーザ加工装置を提供することである。
本発明の他の目的は、被加工面上で振動的に強度が増減する光強度分布を、従来よりも簡単な構成で得ることができるレーザ加工装置を提供することである。
本発明の他の目的は、上記目的に示したようなレーザ加工装置を用いて行うことができるレーザ加工方法を提供することである。
本発明の一観点によれば、レーザビームを出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射したレーザビームの断面内における第1の領域を通過する第1の成分及び該断面内における該第1の領域以外の第2の領域を通過する第2の成分の少なくとも一方を偏向させて、該第1及び第2の成分の経路同士を重ねる偏向手段と、前記第1及び第2の成分の経路同士が重なる範囲に被加工面が配置されるように、加工対象物を保持する保持台とを有し、前記レーザ光源から出射したレーザビームが前記偏向手段に入射してから加工対象物に照射されるまでの間、該第1及び第2の成分の経路が互いに接しているかまたは重なりを持つレーザ加工装置が提供される。
被加工面上で第1及び第2の成分が干渉することにより、被加工面内で強度が周期的に増減する光強度分布が得られる。レーザ光源から出射したレーザビームが偏向手段に入射してから加工対象物に照射されるまでの間、第1及び第2の成分の経路が互いに離れないので、偏向手段から加工対象物の被加工面までの距離を近くしても、被加工面に入射する両成分の入射角を小さくすることができる。両成分の被加工面への入射角を小さくすれば、被加工面上の光強度分布の周期を長くできる。レーザ加工装置をあまり大きくせずに、被加工面上の光強度分布の周期を長くすることができる。
図1は、本発明の実施例によるレーザ加工装置を概略的に示す。レーザ光源1が、レーザビームを出射する。レーザ光源1は、例えば、波長308nmのレーザビームを出射するXeClエキシマレーザである。レーザ光源1から出射したレーザビームの断面形状が、ほぼ矩形(例えば3cm角の正方形)である。レーザ光源1から出射したレーザビームが、マスク2に入射する。
マスク2が、遮光領域と遮光領域内に形成された矩形の開口とを有する。レーザ光源1から出射したレーザビームの断面形状が、例えば3cm角の正方形であるとき、マスク2の開口の形状を、例えば1cm角の正方形とする。レーザ光源1から出射したレーザビームの断面内で、中心近傍が最も強度の均一な部分である。ビーム断面内の強度の均一性が高い中心近傍を透過させ、他の部分を遮光するように、マスク2が配置される。マスク2から出射したレーザビームの断面が、マスク2の開口に対応した矩形に整形される。マスク2を通過したレーザビームが、レンズ3を透過して、折り返しミラー4で反射され、ウェッジ基板5に入射する。
ウェッジ基板5は、例えば石英(SiO)等のレーザビームを透過及び屈折させる素材からなり、レーザビームが入射する平面5a(入射表面5a)と、レーザビームが出射する出射表面5bとを有する。出射表面5bは、外側に向かって凸となるように互いに交わる2枚の平面5b1(出射表面5b1)と平面5b2(出射表面5b2)とからなる。出射表面5b1と出射表面5b2との交線が、入射表面5aと平行である。また、出射表面5b1と出射表面5b2とは、両者の交線を含みレーザビームの進行方向と平行な仮想平面に関して対称である。
ウェッジ基板5の入射表面5aへレーザビームを垂直に入射させる。出射表面5b1と5b2との交線が、レーザビームの経路のほぼ中心を通過するように、レーザビームとウェッジ基板5との相対位置が調整されている。入射するレーザビームのうち、一方の出射表面5b1を通過する第1の成分及び他方の出射表面5b2を通過する第2の成分が、それぞれ、出射表面5b1及び出射表面5b2で屈折し、ともにレーザビームの断面の中心側に偏向する。これにより、両成分の経路が互いに重なる。
ウェッジ基板5から出射したレーザビームが、例えば表面に非晶質シリコン膜が形成されたガラス基板である加工対象物6に入射する。加工対象物6の被加工面が、ウェッジ基板5の入射表面5aと平行に配置される。また、被加工面は、レーザビームの第1及び第2の成分の経路が重なる範囲内に配置される。第1及び第2の成分が、被加工面上の共通の領域を照射し、この領域において両成分が干渉する。これにより、被加工面内で強度を振動的に増減させることができる。
マスク2の開口が加工対象物6の被加工面に結像するような位置に、レンズ3が配置される。これにより、ウェッジ基板5から出射した第1及び第2の成分が、それぞれ被加工面をほぼ均一に照射する。被加工面をそれぞれほぼ均一に照射する第1及び第2の成分が、被加工面上で干渉する。
XYステージ7が、加工対象物6を保持する。XYステージ7は、被加工面と平行な2次元方向に、加工対象物6を移動させることができる。被加工面上のある領域へのレーザ照射が終了したら、未加工の領域にレーザビームが照射できるように、XYステージ7で加工対象物6を移動し、未加工領域へのレーザ照射を行う。このような工程を繰り返し、被加工面全面にレーザビームを照射する。
マスク2がビーム断面を矩形に整形することにより、第1及び第2の成分により照射される被加工面上の領域の形状が矩形となる。被加工面上の光照射領域が矩形であると、被加工面に対する光照射領域の移動を繰り返し、被加工面全面に隙間なくレーザビームを照射することが容易になる。
次に、図2を参照し、ウェッジ基板5の作用について、さらに説明する。図2は、ウェッジ基板5を透過して、加工対象物6に照射されるレーザビームの光路を概略的に示す。ウェッジ基板5の入射表面5aに、レーザビームLBが入射する。入射表面5aと出射表面5b1とがなす角を、出射表面5b1のウェッジ角度とし、入射表面5aと出射表面5b2とがなす角を、出射表面5b2のウェッジ角度とする。出射表面5b1及び出射表面5b2のウェッジ角度がともにαである。
出射表面5b1で屈折した第1の成分LB1が平行光であり、その波面は平面である。出射表面5b2で屈折した第2の成分LB2も平行光であり、その波面が平面である。第1及び第2の成分LB1及びLB2が、ともに、加工対象物6の被加工面に入射角θで入射する。第1の成分LB1の入射方向と、第2の成分LB2の入射方向とがなす角が、2θである。なお被加工面へ入射するレーザビームの入射角は、被加工面の法線方向と入射光の進行方向とがなす角である。入射角θは、ウェッジ角度をαとし、レーザビームLBの波長に対するウェッジ基板5の屈折率をnとして、
Figure 2006080205
と表される。ウェッジ角度α及びウェッジ基板5の屈折率nの少なくとも一方を適切に選択することにより、入射角θを所望の値にすることができる。なお、例えば、波長308nmのレーザビームを用いるとき、石英からなるウェッジ基板5の屈折率nは1.5程度である。
被加工面上の、第1及び第2の成分LB1及びLB2にともに照射される領域において、両成分が互いに干渉する。出射表面5b1と5b2の交線に直交する仮想的な平面を考え、この平面と被加工面との交線方向を強度変調方向と呼ぶ。図2の下側のグラフに、被加工面上の第1及び第2の成分LB1及びLB2が干渉する領域内の、強度変調方向に関する光強度分布を示す。グラフの縦軸が強度を示し、横軸が被加工面上の位置を示す。強度が強度変調方向に関して周期的に増減する(この周期を、強度変調周期dと呼ぶ)。第1及び第2の成分LB1及びLB2の位相が等しい位置で、強度が極大となり、第1及び第2の成分LB1及びLB2の位相が半波長分ずれた位置で、強度が極小となる。互いに隣接する極大点同士の間隔が(または、互いに隣接する極小点同士の間隔が)、強度変調周期dとなる。
強度変調周期dは、レーザビームLBの波長λと入射角θとを用いて、
Figure 2006080205
と表される。例えば、レーザビームの波長λが308nmで、入射角θが0.88度であるとき、強度変調周期dは10μmとなる。波長λ及び入射角θの少なくとも一方を適切に選択することにより、強度変調周期dを所望の値にすることができる。なお、ウェッジ基板5から被加工面までの距離が所定値からずれても、強度変調周期dはほとんど変化しない。
被加工面上の、強度が極小となる位置の近傍領域では、非晶質シリコン膜が完全には溶融せず、強度が極大となる位置の近傍領域では、非晶質シリコン膜が完全に溶融するように、照射するレーザビームの強度を調節する。強度が極小となる位置の近傍領域のシリコン結晶粒が種結晶となり、シリコン膜が完全に溶融する領域に向かって、シリコン結晶粒が成長する。強度が極小となる位置ごとに、シリコン結晶粒が成長する。すなわち、被加工面上における光強度分布の周期に対応した大きさの結晶粒が形成されることになる。
なお、第1及び第2の成分LB1及びLB2各々の、ビーム断面内における強度の均一性を高めることにより、各極大点の強度及び各極小点の強度が、光照射領域内でばらつくことが抑制される。これにより、形成される多結晶シリコン膜の被加工領域内おける品質のばらつきが抑制される。
なお、以下のようにしてレーザビームをウェッジ基板5に入射させてもよい。ウェッジ基板5に入射する前に、レーザビームを偏光ビームスプリッタに入射させ、S偏光成分のレーザビームとP偏光成分のレーザビームとに2分割する。例えば、レーザビームが直線偏光であるとき、レーザビームと偏光ビームスプリッタとの相対位置を調整することによって、分割されたS偏光成分及びP偏光成分のレーザビームの強度比を調整することができる。
偏光ビームスプリッタで分割された2本のレーザビームの少なくとも一方の進行方向を偏向させて両レーザビームを互いに平行に進行させ、両レーザビームをウェッジ基板5の入射表面5aに垂直に入射させる。偏光ビームスプリッタで分割された2本のレーザビームは互いに偏光方向が異なっているので、一方のレーザビームの経路中に、例えばλ/2板等を配置し、両レーザビームの偏光方向を揃えてから、両レーザビームをウェッジ基板5に入射させる。
2本のレーザビームの一方が出射表面5b1を通過し、他方が出射表面5b2を通過するように、2本のレーザビーム及びウェッジ基板5の相対位置が調整されている。ウェッジ基板5を出射した2本のレーザビームが互いに交差して干渉する。
互いに干渉する2本のレーザビームの強度比を調整することにより、被加工面上に生じる強度変調の振幅を調整することができる。なお、レーザビームを偏光ビームスプリッタで分割する例を説明したが、他の手段で分割しても構わない。また、分割された2本のレーザビームの強度比を、上述した手段と異なる手段で調整しても構わない。
上述したウェッジ基板5は、出射表面5b1及び出射表面5b2のウェッジ角度が等しいものであったが、両面のウェッジ角度を等しくしなくてもよい。以下に説明するように、片方の面を、レーザビームが入射する入射表面5aと平行にすることもできる。
図3(A)は、このようなウェッジ基板5の構成例を示す。図3(A)に示すウェッジ基板5は、図2に示したウェッジ基板5の出射表面5b1を、レーザビームの入射する入射表面5aと平行にした形状を有する。出射表面5b2が、入射表面5aに対して傾斜している。出射表面5b1と出射表面5b2との交線が、入射表面5aと平行である。
入射表面5aにレーザビームLBが垂直に入射する。出射表面5b1から出射する第1の成分LB1が、そのまま直進する。出射表面5b2から出射する第2の成分LB2が、出射表面5b2で屈折して、レーザビームの断面の中心側に偏向することにより、第1及び第2の成分LB1及びLB2の経路が互いに重なる。第1の成分LB1が、被加工面へ垂直に入射する。第2の成分LB2が、被加工面へ入射角θで入射する。第1の成分LB1の入射方向と、第2の成分LB2の入射方向とがなす角が、θである。被加工面上で両成分が干渉する。
出射表面5b1と5b2の交線に直交する仮想的な平面を考えたとき、この平面と被加工面との交線方向(強度変調方向)に関して、被加工面上の強度が周期的に増減する。この周期d(強度変調周期d)は、レーザビームLBの波長λと第2の成分LB2の入射角θとを用いて、
Figure 2006080205
と表される。図2に示したウェッジ基板5の構成例の場合と同様に、波長λ及び入射角θの少なくとも一方を適切に選択することにより、強度変調周期dを所望の値にすることができる。
なお、図3(A)に示したウェッジ基板5の出射表面5b1は、第1の成分LB1をそのまま直進させる。よって、図3(B)に示すように、入射表面5aと出射表面5b1とに挟まれた部分を除いた形状のウェッジ基板5を用いることもできる。第1の成分LB1は、ウェッジ基板5を透過せず、そのまま直進して被加工面に入射する。第2の成分LB2は、ウェッジ基板5の入射表面5aに入射し、出射表面5b2で屈折して偏向され、被加工面へ斜めに入射する。被加工面上で両成分が干渉する。
図4に示すように、レーザビームの断面内に複数のウェッジ基板5を並べてもよい。図4に示す構成例では、レーザビームLBの断面の一方向に関する幅が10cm程度であり、幅が2cm程度のウェッジ基板5が、その方向に5つ並んで配置されている。各ウェッジ基板5が、それに入射したレーザビームの断面内の相異なる領域を通過する成分同士を、被加工面上で干渉させる。配置されたウェッジ基板5と等しい数の(図では5つの)光照射領域が、被加工面上に離散的に配置される。なお、互いに隣接する光照射領域同士の間に、レーザビームが照射されない隙間が生じるが、XYステージで加工対象物6を移動すれば、このような領域にレーザビームを照射できる。
これを、レーザビームの断面の大きさに対応する1つの大きなウェッジ基板を配置する場合と比べると、以下のような違いがある。1つの大きなウェッジ基板を配置する場合、ビーム断面内で互いに遠く離れた領域を通過する成分同士が、被加工面上の共通の領域を照射する。ビーム断面内で互いに遠く離れた領域を通過する成分同士は、干渉しにくい。一方、複数の小さなウェッジ基板を配置する場合、ビーム断面内で互いに近い領域を通過する成分同士が、被加工面上の共通の領域を照射する。ビーム断面内で互いに近い領域を通過する成分同士は、干渉しやすい。
また、被加工面上のある広さの領域内でレーザビームを干渉させるとき、1つの大きなウェッジ基板を配置する場合は、複数の小さなウェッジ基板を配置する場合に比べて、ウェッジ基板から被加工面までの距離を遠くする必要がある。
次に、図5を参照して、変形例によるレーザ加工装置について説明する。図5のレーザ加工装置は、図1のレーザ加工装置のウェッジ基板5から加工対象物6までの間の光路上に、ズームレンズ8を追加した構成を有する。
レーザ光源1から出射し、マスク2、レンズ3、折り返しミラー4を経たレーザビームが、ウェッジ基板5に入射する。ウェッジ基板5でそれぞれ偏向された第1及び第2の成分が、ズームレンズ8を透過して、被加工面上で干渉する。マスク2の開口が加工対象物6の被加工面に結像するように、レンズ3及びズームレンズ8が配置される。
ズームレンズ8の拡大率(または縮小率)を変化させることにより、被加工面上の光照射領域の広さを調整することができ、また、被加工面に入射する第1及び第2の成分の入射角θを調整することができる。入射角θを調整することにより、強度変調周期dを調整することができる。
以上説明した実施例及び変形例によるレーザ加工装置は、ウェッジ基板を用いて、被加工面上で振動的に強度が増減する光強度分布を得ることができる。従来のレーザ加工装置より簡単な構成で、このような光強度分布を得られるため、光軸の調整等が容易になる。ウェッジ基板のウェッジ角度を適切に選択することにより、被加工面に入射するレーザビームの入射角を調整して、強度変調周期を所望の値にできる。
上述のレーザ加工装置では、レーザ光源から出射したレーザビームの断面内のある領域を通過する第1の成分及び断面内の他の領域を通過する第2の成分の少なくとも一方が、ウェッジ基板で偏向されることにより、両成分の経路が互いに重なる。第1及び第2の成分(の少なくとも一方)がウェッジ基板から出射して被加工面に照射されるまでの間、両成分の経路が、互いに接しているかまたは重なっている。両成分の経路が、互いに近いので、ウェッジ基板から被加工面までの距離を近くしても、被加工面に入射する両成分の入射角を小さくできる。レーザ加工装置をあまり大きくせずに、強度変調周期を長くできる。
なお、図1及び図5に示したレーザ加工装置で、レーザビームをウェッジ基板5の入射表面5aに入射させ、表面5bから出射させたが、レーザビームが表面5bに入射し、表面5aから出射するように、ウェッジ基板5を配置しても構わない。このようにウェッジ基板5を配置した場合、ウェッジ基板5の表面5b1及び表面5b2にそれぞれ入射した成分の経路同士が重なる。
なお、図1に示したレーザ加工装置で、マスク2により、ビーム断面内の強度の均一性が高い部分を透過させ、レンズ3により、マスク2の開口を被加工面に結像させたが、このレーザ加工装置からマスク2を取り除き、レンズ3を、レーザ光源1の光共振器の出射端面におけるレーザビームの断面が、被加工面上に結像するような位置に配置してもよい。このようにしても、被加工面上で干渉する成分各々の、ビーム断面内における強度の均一性をある程度高くできると考えられる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
本発明の実施例によるレーザ加工装置の概略図である。 ウェッジ基板の一構成例を示す断面図である。 図3(A)は、ウェッジ基板の他の構成例を示す断面図であり、図3(B)は、ウェッジ基板のさらに他の構成例を示す断面図である。 複数のウェッジ基板を配置した構成例を示すウェッジ基板の断面図である。 変形例によるレーザ加工装置の概略図である。
符号の説明
1 レーザ光源
2 マスク
3 レンズ
4 折り返しミラー
5 ウェッジ基板
6 加工対象物
7 XYステージ
8 ズームレンズ

Claims (10)

  1. レーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射したレーザビームの断面内における第1の領域を通過する第1の成分及び該断面内における該第1の領域以外の第2の領域を通過する第2の成分の少なくとも一方を偏向させて、該第1及び第2の成分の経路同士を重ねる第1の偏向手段と、
    前記第1及び第2の成分の経路同士が重なる範囲に被加工面が配置されるように、加工対象物を保持する保持台と
    を有し、
    前記レーザ光源から出射したレーザビームが前記第1の偏向手段に入射してから加工対象物に照射されるまでの間、該第1及び第2の成分の経路が互いに接しているかまたは重なりを持つレーザ加工装置。
  2. 前記第1の偏向手段が、レーザビームを屈折させる部材からなり、レーザビームが入射する平らな第1の面と、レーザビームが出射する平らな第2の面とを有し、該第1及び第2の面が互いに平行でない請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第1の偏向手段の、レーザビームが入射する表面またはレーザビームが出射する表面の一方が、互いに交わる2枚の平らな面からなる請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記保持台に保持された加工対象物の表面に入射する前記第1及び第2の成分の各々が、平行光である請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  5. さらに、前記第1の偏向手段から前記保持台に保持された加工対象物までの間の光路上に配置されたズームレンズを有する請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  6. さらに、前記レーザ光源から前記第1の偏向手段までの間の光路上に配置され、レーザビームの断面内の一部の領域を通過する成分を透過させ、それ以外の領域を通過する成分を遮蔽するビーム整形器と、
    前記ビーム整形器を透過した位置におけるレーザビームの断面が、前記保持台に保持された加工対象物の被加工面上に結像するように、該ビーム整形器から該第1の偏向手段までの間の光路上に配置された第1のレンズと
    を有する請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  7. さらに、前記レーザ光源の光共振器の出射端面におけるレーザビームの断面が、前記保持台に保持された加工対象物の被加工面上に結像するように、該レーザ光源から該第1の偏向手段までの間の光路上に配置された第2のレンズを有する請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  8. さらに、前記レーザ光源から出射したレーザビームの断面内における前記第1及び第2の領域以外の第3の領域を通過する第3の成分及び該第1、第2及び第3の領域以外の第4の領域を通過する第4の成分の少なくとも一方を偏向させて、該第3及び第4の成分の経路同士を重ねる第2の偏向手段を有する請求項1〜7のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  9. レーザビームを出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射したレーザビームの断面内における第1の領域を通過する第1の成分及び該断面内における該第1の領域以外の第2の領域を通過する第2の成分の少なくとも一方を偏向させて、該第1及び第2の成分の経路同士を重ねる偏向手段であって、レーザビームを屈折させる部材からなり、レーザビームが入射する平らな第1の面と、レーザビームが出射する平らな第2の面とを有し、該第1及び第2の面が互いに平行でない該偏向手段と、
    前記第1及び第2の成分の経路同士が重なる範囲に被加工面が配置されるように、加工対象物を保持する保持台と
    を有するレーザ加工装置。
  10. レーザビームの断面内における第1の領域を通過する第1の成分及び該断面内における該第1の領域以外の第2の領域を通過する第2の成分の経路が互いに離れないように両成分を伝搬させたまま、該第1及び第2の成分の少なくとも一方を偏向させて両成分を交差させ、両成分が交差する範囲内に加工対象物の被加工面を配置して、被加工面上で両成分を干渉させることにより、被加工面上で強度が振動的に増減する光を加工対象物に照射するレーザ加工方法。
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