JP2006078075A - 水蓄熱方式の空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 大がかりな脱気装置を設けることなく溶存酸素濃度の増加を抑制できる水蓄熱方式の空調システムを提供することである。
【解決手段】 建家空調配管系統16は熱源系統11から熱を保有した水の供給を受ける。建家空調配管系統16の供給側循環配管18は、熱源系統11からの水をファンコイル19に導き、前記ファンコイルで熱交換された水は戻り側循環配管20により熱源系統11に戻される。戻り側循環配管20に設けられた逆止機能付き自動空気抜き弁24は、戻り側循環配管20が正圧のときは戻り側循環配管20に含まれる空気を排気し、戻り側循環配管20が負圧のときは戻り側循環配管20への空気の混入を阻止する。
【選択図】 図1
【解決手段】 建家空調配管系統16は熱源系統11から熱を保有した水の供給を受ける。建家空調配管系統16の供給側循環配管18は、熱源系統11からの水をファンコイル19に導き、前記ファンコイルで熱交換された水は戻り側循環配管20により熱源系統11に戻される。戻り側循環配管20に設けられた逆止機能付き自動空気抜き弁24は、戻り側循環配管20が正圧のときは戻り側循環配管20に含まれる空気を排気し、戻り側循環配管20が負圧のときは戻り側循環配管20への空気の混入を阻止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱媒体として水を使用し、水が保有する熱を熱源系統から建家空調配管系統に供給して建家内の空調を行う水蓄熱方式の空調システムに関する。
蓄熱方式の空調システムには、媒体として淡水を使用した水蓄熱方式の空調システムがある。この水蓄熱方式の空調システムは、熱源系統からの媒体を建家空調配管系統に供給してファンコイルで熱交換し、建家の冷房や暖房を行い、再び媒体を熱源系統に戻して熱源機から温熱または冷熱の熱量の供給を受け、サイクルを繰り返し行うものである。以下の説明では、ファンコイルとは空調機やファンコイルユニットなどのファンとコイルとを備えたもののすべてを含むものとする。
図8は、熱源系統から建家空調配管系統に冷熱を供給する水蓄熱方式の空調システムの構成図である。熱源系統11の蓄熱槽12には冷媒である水が蓄えられており、熱源機13により蓄熱槽12の水が冷却される。冷却された水は供給配管14に設けられた送水ポンプ15により、建家空調配管系統16に供給される。
建家空調配管系統16では、熱源系統11の供給配管14からの水を循環ポンプ17で供給側循環配管18に導き、熱交換を行うファンコイル19に水を供給する。ファンコイルで熱交換された水は、戻り側循環配管20を通って熱源系統11の戻り配管21に導かれ、熱源系統11の蓄熱槽12に戻される。
建家空調配管系統16には自動空気抜き弁22が設けられており、また、戻り側循環配管20には落水防止弁23が設けられている。自動空気抜き弁22は供給側循環配管18や戻り側循環配管20に混入した空気を自動的に排出するものであり、落水防止弁23は、自動空気抜き弁22から空気が自動的に排出できるように戻り側循環配管20内の圧力を正圧に保持するものである。すなわち、落水防止弁23により戻り側循環配管20内の圧力を常時正圧に保持しておき、例えば、空調システムの起動時には、供給側循環配管18や戻り側循環配管20に空気が混入していることがあるので、この混入している空気を自動空気抜き弁22で排出する。
戻り側循環配管20に混入している空気を抜くのは、送水ポンプ15や循環ポンプ17の性能低下を防止すると共に空調効率を維持するためである。空気が混入していると、送水ポンプ15や循環ポンプ17の吐出圧力が低下し、また媒体である水の供給が適正に行えなくなり空調効率が低下するので、これを防止するためである。
このような水蓄熱方式の空調システムでは、蓄熱槽12が大気に解放されており、空気中の酸素が蓄熱槽12の水に常時供給されることになるので、水中に溶存酸素が存在することになる。従って、供給配管14、供給側循環配管18、戻り側循環配管20、戻り配管21等の配管(炭素鋼管、亜鉛めっき鋼管)や、ファンコイル19の水管(銅管、鋼管)に対する防食が必要となる。
そこで、半球状の水面被覆材を蓄熱槽12の水面に浮かべて大気からの酸素供給を遮断したり、脱気装置により水中の溶存酸素を除去したり、防錆剤などの薬品を添加している。半球状の水面被覆材としては、例えば、耐食性の素材を用いて中空小型浮球体となし、上半部は球面または錐形面など滑りやすい形状に成形し、かつ筒状の周面を設けて重い下半部が常に液面に接して浮上するようにした液面浮上体を用いる(例えば、特許文献1参照)。
実公昭54−23785号公報
ところが、蓄熱槽12の水は災害時の生活用水や消防用水として使用することになるので、防錆剤などの薬品を水中に添加することは好ましくない。また、水面被覆材を蓄熱槽12の水面に浮かべて大気からの酸素供給を遮断したり、脱気装置により水中の溶存酸素を除去したとしても、供給配管14、供給側循環配管18、戻り側循環配管20、戻り配管21等の配管や、ファンコイル19の水管が腐食し、特にファンコイル19の水管が腐食してしまう現象が生じている。これは、蓄熱槽12への大気からの酸素供給を遮断したり、水中の溶存酸素を除去したとしても、溶存酸素が十分に除去されていないことを意味する。
これに対処するためには、熱源系統11の供給配管14または戻り配管21を流れる水の全量に対して、溶存酸素の除去を行うことが考えられるが、そうすると、大がかりな脱気装置が必要となり現実的でない。
本発明の目的は、大がかりな脱気装置を設けることなく溶存酸素濃度の増加を抑制できる水蓄熱方式の空調システムを提供することである。
請求項1の発明に係わる水蓄熱方式の空調システムは、熱を保有した水を供給する熱源系統と、前記熱源系統からの水が保有する熱をファンコイルで熱交換して建家内の空調を行い前記ファンコイルで熱交換された水を前記熱源系統に戻す建家空調配管系統とを備え、前記建家空調配管系統は、前記熱源系統からの水を前記ファンコイルに導く供給側循環配管と、前記ファンコイルで熱交換された水を前記熱源系統に戻す戻り側循環配管と、前記戻り側循環配管に設けられ前記戻り側循環配管が正圧のときは前記戻り側循環配管に含まれる空気を排気し前記戻り側循環配管が負圧のときは前記戻り側循環配管への空気の混入を阻止する逆止機能付き自動空気抜き弁とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる水蓄熱方式の空調システムは、請求項1の発明において、前記建家空調配管系統は、前記熱源系統からの水が保有する熱を熱交換する熱交換器を備え、前記熱交換器からの水を前記供給側循環配管を通して前記ファンコイルに供給し、前記ファンコイルで熱交換された水を前記戻り側循環配管を通して前記熱交換器に戻すことを特徴とする。
請求項3の発明に係わる水蓄熱方式の空調システムは、請求項1または2の発明において、前記戻り側循環配管の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明に係わる水蓄熱方式の空調システムは、請求項1の発明において、前記戻り側循環配管の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器と、前記熱源系統に戻された水の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度計とを備えたことを特徴とする。
請求項5の発明に係わる水蓄熱方式の空調システムは、請求項2の発明において、前記戻り側循環配管の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器と、前記熱交換器に戻された水の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度計とを備えたことを特徴とする。
請求項6の発明に係わる水蓄熱方式の空調システムは、請求項1ないし5のいずれか一記載の発明において、前記逆止機能付き自動空気抜き弁に代えて、前記戻り側循環配管が正圧のときは前記戻り側循環配管に含まれる空気を排気する自動空気抜き弁に、前記戻り側循環配管が負圧のときは前記戻り側循環配管への空気の混入を阻止する逆止弁を直列接続したことを特徴とする。
本発明によれば、建家空調配管系統の戻り側循環配管に逆止機能付き自動空気抜き弁または逆止弁を設けて、戻り側循環配管の圧力が負圧になった場合に空気が戻り側循環配管内に混入するのを防止するので、戻り側循環配管内の溶存酸素濃度の増加を抑制できる。従って、水の全量に対して溶存酸素を除去するための大がかりな脱気装置を設けることなく溶存酸素濃度の増加を抑制でき、配管やファンコイルの水管の腐食を防止できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる水蓄熱方式の空調システムの構成図である。この第1の実施の形態は、図8に示した従来例に対し、自動空気抜き弁22に代えて逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けたものである。図8と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
逆止機能付き自動空気抜き弁24は、逆止機構25を内蔵しており、この逆止機構25は、戻り側循環配管20が負圧のときは戻り側循環配管20への空気の混入を阻止する。すなわち、逆止機能付き自動空気抜き弁24は、戻り側循環配管20が正圧のときは戻り側循環配管20に含まれる空気を排気し、戻り側循環配管20が負圧のときは逆止機構25により、戻り側循環配管20への空気の混入を阻止する。これにより、戻り側循環配管20への空気の混入が阻止され、配管やファンコイルの水管の腐食を防止できる。
ここで、自動空気抜き弁22に代えて逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けるに至った経緯を説明する。
水面被覆材を蓄熱槽12の水面に浮かべて大気からの酸素供給を遮断したり、脱気装置により水中の溶存酸素を除去したとしても、供給配管14、供給側循環配管18、戻り側循環配管20、戻り配管21等の配管や、ファンコイル19の水管が腐食し、特にファンコイル19の水管が腐食してしまう現象が生じており、この原因を究明することとした。ファンコイル19の水管が腐食するという現象は、溶存酸素が十分に除去されていないことを意味する。そこで、実験1を行った。
<実験1>
水が大気と触れる場所は蓄熱槽12であることから、水面被覆材を蓄熱槽12の水面に浮かべて大気からの酸素供給を遮断し、また、脱気装置により溶存酸素を除去した水(例えば溶存酸素濃度が0.1ppm以下の水)を蓄熱槽12に蓄積し、さらに、供給配管14及び戻り配管21に溶存酸素濃度計を設置し、供給配管14から建家空調配管系統16に溶存酸素を除去した水を供給して、供給配管14及び戻り配管21の水中の溶存酸素濃度を計測した。また、途中から脱気装置の運転を停止した。
水が大気と触れる場所は蓄熱槽12であることから、水面被覆材を蓄熱槽12の水面に浮かべて大気からの酸素供給を遮断し、また、脱気装置により溶存酸素を除去した水(例えば溶存酸素濃度が0.1ppm以下の水)を蓄熱槽12に蓄積し、さらに、供給配管14及び戻り配管21に溶存酸素濃度計を設置し、供給配管14から建家空調配管系統16に溶存酸素を除去した水を供給して、供給配管14及び戻り配管21の水中の溶存酸素濃度を計測した。また、途中から脱気装置の運転を停止した。
図2は、実験1での溶存酸素濃度の計測結果を示すグラフである。図2の計測結果曲線S1は供給配管14の水の溶存酸素濃度、計測結果曲線S2は戻り配管21の水の溶存酸素濃度である。図2では、計測開始と共に脱気装置を運転し、計測を開始してから15日目に脱気装置の運転を停止した場合を示している。
図2から分かるように、供給配管14の水の溶存酸素濃度より、戻り配管21の水の溶存酸素濃度の方が高い値であることが判明した。また、11日目と12日目との間、14日と15日との間、15日と16日との間に戻り配管21の水の溶存酸素濃度が大きな値を示しており、この時点で大量の空気が配管内に混入したと推察できる。
また、計測の開始後の15日目に脱気装置の運転を停止したところ、毎朝のほぼ定時に溶存酸素濃度が約0.1ppm程度上昇することが判明した。これは、建家空調配管系統16のいずれかの箇所から配管(供給側循環配管18や戻り側循環配管20)に空気が混入していることを意味する。
<実験1の考察>
通常、建家空調配管系統16において、空気が配管に混入する箇所は本来的にあり得ない。すなわち、落水防止弁23により戻り側循環配管20内の圧力は常時正圧に保持されるよう構築されているので、自動空気抜き弁22から空気が配管内に混入することは考えられていない。また、ファンコイル19の水管からの混入も水管が破断しない限りは考えられない。供給側循環配管18や戻り側循環配管20はフランジを介して連結されて構成されているので、フランジの連結が不良であると、このフランジ部分からの空気の混入が考えられるが、フランジの連結が不良である場合には、供給側循環配管18や戻り側循環配管20からの水の漏洩を伴うはずである。
通常、建家空調配管系統16において、空気が配管に混入する箇所は本来的にあり得ない。すなわち、落水防止弁23により戻り側循環配管20内の圧力は常時正圧に保持されるよう構築されているので、自動空気抜き弁22から空気が配管内に混入することは考えられていない。また、ファンコイル19の水管からの混入も水管が破断しない限りは考えられない。供給側循環配管18や戻り側循環配管20はフランジを介して連結されて構成されているので、フランジの連結が不良であると、このフランジ部分からの空気の混入が考えられるが、フランジの連結が不良である場合には、供給側循環配管18や戻り側循環配管20からの水の漏洩を伴うはずである。
図2の溶存酸素濃度の計測結果を見る限り、溶存酸素濃度が高くなっているので、配管内に空気が混入していることは確かである。空気の混入箇所を特定するために実験2を行った。
<実験2>
建家空調配管系統16の戻り側循環配管20に圧力計を取り付けて、戻り側循環配管20内の圧力を経時的に測定すると共に、戻り配管21に溶存酸素濃度計を取り付け、戻り側循環配管20の圧力と戻り配管21の水の溶存酸素濃度を計測した。
建家空調配管系統16の戻り側循環配管20に圧力計を取り付けて、戻り側循環配管20内の圧力を経時的に測定すると共に、戻り配管21に溶存酸素濃度計を取り付け、戻り側循環配管20の圧力と戻り配管21の水の溶存酸素濃度を計測した。
図3は、実験2での圧力及び溶存酸素濃度の計測結果を示すグラフである。図3の計測結果曲線S11は戻り側循環配管20の圧力、計測結果曲線S12は戻り配管21の水の溶存酸素濃度である。
戻り側循環配管20内の圧力は毎朝7時頃に瞬時的に50kPa程度に増加し、その後に若干減圧になってから15kPa程度の一定値となる。この瞬間的な圧力増加は循環ポンプ17の起動によるものと思われる。
ところが、5日目の昼間部に−30kPa程度に達する負圧状態が8時間以上にわたって起きた。この間、戻り配管21の水の溶存酸素濃度も増加しており、戻り側循環配管20の圧力が正圧になると溶存酸素濃度も減少した。5日目以外(1日目の午後)にも圧力の減少に対応して溶存酸素濃度が増加している。
<実験2の考察>
毎朝7時頃の瞬間的な圧力増加後の溶存酸素濃度の増加は、循環ポンプ17の起動の急激な流量変化に対して、落水防止弁23の制御系が追随できずに、一時的に戻り側循環配管20の圧力が負圧となり、空気の吸い込みが起こるためと思われる。
毎朝7時頃の瞬間的な圧力増加後の溶存酸素濃度の増加は、循環ポンプ17の起動の急激な流量変化に対して、落水防止弁23の制御系が追随できずに、一時的に戻り側循環配管20の圧力が負圧となり、空気の吸い込みが起こるためと思われる。
一方、長時間にわたり負圧となる現象は起こる時期や規模が一定ではなく、その原因も明らかではないので、今のところそれらを予測することはできないが、この現象が生じたときには、この戻り側循環配管20の圧力が負圧になることから、空気が戻り側循環配管20に混入してその溶存酸素濃度が増加したと判断できる。すなわち、戻り側循環配管20が負圧になったときに空気が混入することから、空気の混入箇所は自動空気抜き弁22であると判断できる。
以上述べた実験1及び実験2の知見に基づき、本願発明では、戻り側循環配管20に、自動空気抜き弁22に代えて、逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けることとした。この逆止機能付き自動空気抜き弁24により、戻り側循環配管20が正圧のときは、戻り側循環配管20に含まれる空気を排気し、戻り側循環配管20が負圧のときは戻り側循環配管20への空気の混入を阻止する。
図4は、逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けた場合と設けない場合の供給配管14の溶存酸素濃度と戻り配管21の水の溶存酸素濃度の計測結果を示すグラフである。
図4中の計測結果曲線S21は逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けた場合の供給配管14の溶存酸素濃度、計測結果曲線S22は逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けた場合の戻り配管21の水の溶存酸素濃度、計測結果曲線S21’は逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けない場合の供給配管14の溶存酸素濃度、計測結果曲線S22’は逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けない場合の戻り配管21の水の溶存酸素濃度である。
図4から分かるように、逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けた場合には、逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けない場合に比較し、戻り配管21の水の溶存酸素濃度はほぼ一定に保たれた。これは、戻り側循環配管20内の圧力が毎朝7時頃に瞬時的に増加しても、また、昼間部に負圧状態が発生しても、戻り側循環配管20への空気の混入を阻止できたためであると判断できる。
以上述べた説明では、戻り側循環配管20が負圧のときは戻り側循環配管20への空気の混入を阻止する逆止機構25を内蔵した逆止機能付き自動空気抜き弁24を設けたが、逆止機能付き自動空気抜き弁24に代えて、戻り側循環配管20が正圧のときは戻り側循環配管20に含まれる空気を排気する自動空気抜き弁22に、戻り側循環配管20が負圧のときは戻り側循環配管20への空気の混入を阻止する逆止弁を直列接続するようにしてもよい。この場合は、既存の自動空気抜き弁22に逆止弁を取り付けるだけでよい。
第1の実施の形態によれば、建家空調配管系統の戻り側循環配管に混入する空気を防止して溶存酸素濃度の増加を抑制するので、水の全量に対して溶存酸素を除去するための大がかりな脱気装置を設けることなく溶存酸素濃度の増加を抑制できる。従って、効率的に配管内部の溶存酸素濃度の増加を抑制でき、配管やファンコイルの水管の腐食を防止できる。また、逆止機能付き自動空気抜き弁は、脱気装置に比較してイニシャルコストもランニングコストもはるかに安価であり、特別な運転管理も必要としない。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図5は本発明の第2の実施の形態に係わる水蓄熱方式の空調システムの構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、熱源系統11からの水が保有する熱を熱交換する熱交換器26を追加して設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
熱交換器26からの水を供給側循環配管18を通してファンコイル19に供給し、ファンコイル19で熱交換された水を戻り側循環配管20を通して熱交換器26に戻す。熱交換器26にて熱源系統11と建家空調配管系統16とを分離するので、熱源系統11の配管内への空気の混入による溶存酸素濃度の増加と、建家空調配管系統16の配管内への空気の混入による溶存酸素濃度の増加との管理を区分することが可能となり、また、溶存酸素濃度に増加に伴うメンテナンスも区分して行うことができる。
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、熱交換器26にて熱源系統11と建家空調配管系統16とを分離するので、熱源系統11と建家空調配管系統16との溶存酸素濃度の管理を区分することができ、その溶存酸素濃度に増加に伴うメンテナンスも区分して行うことができる。
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図6は本発明の第3の実施の形態に係わる水蓄熱方式の空調システムの構成図である。この第3の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、戻り側循環配管20の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器27と、熱源系統11の戻り配管21に戻された水の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度計28とを追加して設けたものである。図1と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
圧力発信器27は戻り側循環配管20の圧力を検出し、戻り側循環配管20の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する。この場合の所定値は戻り側循環配管20の圧力が負圧であるか否かを判定する基準値が設定されている。圧力発信器27からの圧力低信号は、図示省略のシステム管理室の警報装置に入力される。これにより、システム管理室の運転管理者は、戻り側循環配管20の圧力が所定値以下(負圧)になったことを警報により知ることができる。
また、溶存酸素濃度計28で検出された戻り配管21の水の溶存酸素濃度は、図示省略の記録計に記録される。運転管理者は警報が報知された時点の戻り配管21の水の溶存酸素濃度を確認することにより、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作しているか否かを判断することになる。
すなわち、警報が報知された時点の戻り配管21の水の溶存酸素濃度が通常時の溶存酸素濃度より大きいときは、戻り側循環配管20の圧力が所定値以下(負圧)の状態で戻り配管21の水の溶存酸素濃度が大きい状態であることから、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作していないと判断できる。
以上の説明では、圧力発信器27及び溶存酸素濃度計28の双方を設けた場合について説明したが、圧力発信器27のみを設けるようにしてもよい。圧力発信器27のみを設けた場合には、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作しているか否かを判断することはできないが、前述したように、落水防止弁23により戻り側循環配管20内の圧力は常時正圧に保持されるよう構築されているので、頻繁に戻り側循環配管20が負圧になるようだと、建家空調配管系統16のいずれかに不具合が発生していると判断できる。
第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加え、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作しているか否か、あるいは建家空調配管系統16のいずれかに不具合が発生しているか否かを判断できるので、逆止機能付き自動空気抜き弁24や建家空調配管系統16のメンテナンスが適切に行える。
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図7は本発明の第4の実施の形態に係わる水蓄熱方式の空調システムの構成図である。この第4の実施の形態は、図5に示した第2の実施の形態に対し、戻り側循環配管20の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器27と、熱交換器26の戻り側循環配管20に戻された水の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度計29とを追加して設けたものである。図5と同一要素には同一符号を付し重複する説明は省略する。
圧力発信器27は戻り側循環配管20の圧力を検出し、戻り側循環配管20の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する。この場合の所定値は戻り側循環配管20の圧力が負圧であるか否かを判定する基準値が設定されている。圧力発信器27からの圧力低信号は、図示省略のシステム管理室の警報装置に入力される。これにより、システム管理室の運転管理者は、戻り側循環配管20の圧力が所定値以下(負圧)になったことを警報により知ることができる。
また、溶存酸素濃度計29で検出された戻り側循環配管20の水の溶存酸素濃度は、図示省略の記録計に記録される。運転管理者は警報が報知された時点の戻り側循環配管20の水の溶存酸素濃度を確認することにより、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作しているか否かを判断することになる。
すなわち、警報が報知された時点の戻り側循環配管20の水の溶存酸素濃度が通常時の溶存酸素濃度より大きいときは、戻り側循環配管20の圧力が所定値以下(負圧)の状態で戻り側循環配管20の水の溶存酸素濃度が大きい状態であることから、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作していないと判断できる。
以上の説明では、圧力発信器27及び溶存酸素濃度計29の双方を設けた場合について説明したが、圧力発信器27のみを設けるようにしてもよい。圧力発信器27のみを設けた場合には、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作しているか否かを判断することはできないが、前述したように、落水防止弁23により戻り側循環配管20内の圧力は常時正圧に保持されるよう構築されているので、頻繁に戻り側循環配管20が負圧になるようだと、建家空調配管系統16のいずれかに不具合が発生していると判断できる。
第4の実施の形態によれば、第2の実施の形態の効果に加え、逆止機能付き自動空気抜き弁24の逆止機構25が正常に動作しているか否か、あるいは建家空調配管系統16のいずれかに不具合が発生しているか否かを判断できるので、逆止機能付き自動空気抜き弁24や建家空調配管系統16のメンテナンスが適切に行える。
11…熱源系統、12…蓄熱槽、13…熱源機、14…供給配管、15…送水ポンプ、16…建家空調配管系統、17…循環ポンプ、18…供給側循環配管、19…ファンコイル、20…戻り側循環配管、21…戻り配管、22…自動空気抜き弁、23…落水防止弁、24…逆止機能付き自動空気抜き弁、25…逆止機構、26…熱交換器、27…圧力発信器、28、29…溶存酸素濃度計
Claims (6)
- 熱を保有した水を供給する熱源系統と、前記熱源系統からの水が保有する熱をファンコイルで熱交換して建家内の空調を行い前記ファンコイルで熱交換された水を前記熱源系統に戻す建家空調配管系統とを備え、前記建家空調配管系統は、前記熱源系統からの水を前記ファンコイルに導く供給側循環配管と、前記ファンコイルで熱交換された水を前記熱源系統に戻す戻り側循環配管と、前記戻り側循環配管に設けられ前記戻り側循環配管が正圧のときは前記戻り側循環配管に含まれる空気を排気し前記戻り側循環配管が負圧のときは前記戻り側循環配管への空気の混入を阻止する逆止機能付き自動空気抜き弁とを備えたことを特徴とする水蓄熱方式の空調システム。
- 前記建家空調配管系統は、前記熱源系統からの水が保有する熱を熱交換する熱交換器を備え、前記熱交換器からの水を前記供給側循環配管を通して前記ファンコイルに供給し、前記ファンコイルで熱交換された水を前記戻り側循環配管を通して前記熱交換器に戻すことを特徴とする請求項1記載の水蓄熱方式の空調システム。
- 前記戻り側循環配管の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の水蓄熱方式の空調システム。
- 前記戻り側循環配管の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器と、前記熱源系統に戻された水の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度計とを備えたことを特徴とする請求項1記載の水蓄熱方式の空調システム。
- 前記戻り側循環配管の圧力が所定値より低いときは圧力低信号を出力する圧力発信器と、前記熱交換器に戻された水の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素濃度計とを備えたことを特徴とする請求項2記載の水蓄熱方式の空調システム。
- 前記逆止機能付き自動空気抜き弁に代えて、前記戻り側循環配管が正圧のときは前記戻り側循環配管に含まれる空気を排気する自動空気抜き弁に、前記戻り側循環配管が負圧のときは前記戻り側循環配管への空気の混入を阻止する逆止弁を直列接続したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の水蓄熱方式の空調システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004261839A JP2006078075A (ja) | 2004-09-09 | 2004-09-09 | 水蓄熱方式の空調システム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004261839A JP2006078075A (ja) | 2004-09-09 | 2004-09-09 | 水蓄熱方式の空調システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105135566A (zh) * | 2015-09-09 | 2015-12-09 | 同济大学 | 一种基于空气定向流动原理的污染物隔断***及其使用方法 |
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2004
- 2004-09-09 JP JP2004261839A patent/JP2006078075A/ja active Pending
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