JP2006077125A - 孔版印刷用エマルションインキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に酸価が15以下であり、かつヨウ素価が80超であるアルキド樹脂を含有すると共に、前記水相中にポリビニルピロリドンを含有する孔版印刷用エマルションインキである。該アルキド樹脂のインキにおける含有量が、1〜7質量%である態様、該ポリビニルピロリドンにおけるK値が15〜30である態様、ポリビニルピロリドンのインキにおける含有量が、固形分濃度で0.2〜1.0質量%である態様などが好ましい。
【選択図】 なし
Description
このため、コロ跡汚れの発生を防止する方法として、例えば、(1)油相にアルミニウムキレート類を添加する方法(特許文献1参照)、(2)ヨウ素価80以下のアルキド樹脂とアルミニウムキレート化合物を使用する方法(特許文献2参照)、及び(3)水相中に第3アミンを含む水溶性高分子化合物を添加する方法(特許文献3参照)、などが提案されている。
しかし、前記特許文献1によれば、顔料の分散性向上により浸透性を向上させる効果のみであるため、コロ跡汚れに対する効果としては不十分である。また、前記特許文献2によれば、アルキド樹脂は使用しているものの、ヨウ素価が80以下であり、この場合もコロ跡汚れに対する効果は不十分である。更に、前記特許文献3では、水相中にポリビニルピロリドンを1〜20質量%含有しているものの、油相中にヨウ素価の高い油溶性樹脂を混合できないことから、消しゴム等の強い力に対する残留性(チョーキング性)が不十分であるという問題がある。
<1> 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に酸価が15以下であり、かつヨウ素価が80超であるアルキド樹脂を含有すると共に、前記水相中にポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキである。該<1>に記載の本発明の孔版印刷用エマルションインキにおいては、該油相中に酸価が15以下であり、かつヨウ素価が80超であるアルキド樹脂を含有する。ヨウ素価が高いということは、該分子構造中に2重結合を多く有することを意味する。ヨウ素価の高いアルキド樹脂を用いると、空気中の酸素と2重結合部分が酸化反応することにより樹脂分子同士が重合し、樹脂成分が高粘度化して紙に固着することによって、コロ跡汚れの発生防止に有効である。しかし、ヨウ素価の高いアルキド樹脂を含有したインキは、酸化重合しやすいことから、ドラム内で長期間放置されると、樹脂成分の高粘度化によりインキが吐出しにくくなることが知られているが、上記ヨウ素価範囲であっても、酸価(水酸基やカルボキシル基が多いと高い傾向)の低い領域のアルキド樹脂であれば、インキのエマルション安定性が良く、インキの経時劣化が遅く、そのため、両面印刷時のコロによる汚れ(コロ跡汚れ)の発生が少なく、更にインキがドラム内で長期間放置された時の立ち上がりが良好な孔版印刷用エマルションインキを提供できる。また、エマルションインキの水相中にポリビニルピロリドンを添加することで該ポリビニルピロリドンの造膜性能によって画像を形成するインキ皮膜を強靭にすることができる。
<2> アルキド樹脂のインキにおける含有量が、1〜7質量%である前記<1>に記載の孔版印刷用エマルションインキである。
<3> ポリビニルピロリドンにおけるK値が15〜30である前記<1>から<2>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキである。
<4> ポリビニルピロリドンのインキにおける含有量が、固形分濃度で0.2〜1.0質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキである。
したがって、<1>から<4>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキにおいては、比較的少量のアルキド樹脂で、顔料の紙への浸透と多少の乾燥を担い、比較的少量のポリビニルピロリドンで、表面の弱いセットを担うことができ、両面印刷時のコロによる汚れの発生がなく、消しゴム等の強い力に対する残留性(チョーキング性)にも優れ、かつインキがドラム内で長期放置された時の立ち上がり性に優れるインキを提供することができる。
<6> 油相中にエステル化大豆油を含有し、かつアルキド樹脂が大豆油脂肪酸アルキド樹脂である前記<1>から<5>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキである。該<6>に記載の孔版印刷用エマルションインキにおいては、植物性の油を用いドラム内での長期放置性を損なわないことから、環境に配慮されたインキにすることが可能である。また、孔版印刷機用インキにおいては、前記アルキド樹脂を大豆油脂肪酸アルキドにし、エステル化大豆油を用いることにより、大豆油由来成分の合計が6%を超え、アメリカ大豆協会のSOYマークの認定を受けられることから、有利である。
<7> 水相中に2価の陰イオン含有化合物及びグリセリンの少なくともいずれかを含有する前記<1>から<6>のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキである。該<7>に記載の孔版印刷用エマルションインキにおいては、インキとしての降伏値が多少低いインキとなり、油分離が多少多い傾向があったが、水相中に2価の陰イオンを含有することで、インキ中の水相粒子径を小さくできるので、降伏値を上昇させて、油分離を抑えることができる。また、水相中にグリセリンを含有することで、水相の揮発等によるインキの経時劣化を抑える効果及びエマルションの安定化の作用で、コロ跡汚れに対する効果を維持したまま、ドラム内での長期放置でのインキの変質を更に小さくすることが可能となる。
ここで、前記アルキド樹脂は、酸価が15以下であり、かつヨウ素価が80超であり、該アルキド樹脂の前記インキにおける含有量が、1〜7質量%である態様が好ましい。
また、前記ポリビニルピロリドンにおけるK値が15〜30である態様、該ポリビニルピロリドンのインキにおける含有量が、固形分濃度で0.2〜1.0質量%である態様が好ましい。
前記油相の混合割合が10質量%未満であると、W/Oエマルションとしての形態をとれなくなることがあり、90質量%を超えると、物性的にW/Oエマルションとすることの効果が不足してしまうことがある。
前記油相としては、アルキド樹脂を含有してなり、更に必要に応じて、着色剤、着色剤分散剤、酸化防止剤、乳化剤、植物油、鉱物油、体質顔料などのその他の成分を含有してなる。
前記アルキド樹脂は、酸価が15以下であり、10以下がより好ましい。また、ヨウ素価が80超であり、81〜110がより好ましい。
前記酸価が15を超えると、印刷機のドラム内でのインキの変質により、インキが吐出し難くなることがある。また、前記ヨウ素価が80以下であると、両面印刷におけるコロによる汚れが発生し易くなることがある。
ここで、前記アルキド樹脂の酸価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。前記アルキド樹脂のヨウ素価は、例えば、JIS K0070により測定することができる。
ここで、前記アルキド樹脂の粘度は、例えば、コーンプレート型回転粘度計により測定することができる。
前記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリット、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビットなどが挙げられる。
前記着色剤としては、各種色調の公知の顔料、分散染料などを用いることができ、これらの中でも、顔料が特に好ましい。前記着色剤としては、例えば、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラック類;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;弁柄、黄鉛、群青、酸化クロム、酸化チタン等の無機顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料等のアゾ系顔料;無金属フタロシアニン顔料、銅フタロシアニン顔料等のフタロシアニン系顔料;アントラキノン系色素、キナクリドン系色素、イソインドリノン系色素、イソインドリン系色素、ジオキサンジン系色素、スレン系色素、ペリレン系色素、ペリノン系色素、チオインジゴ系色素、キノフタロン系色素、金属錯体等の縮合多環系顔料;酸性又は塩基性染料のレーキ等の有機顔料;ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性染料;蛍光顔料、などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、通常2〜15質量%が好ましい。
前記着色剤分散剤としては、エマルションの形成を阻害しないものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する乳化剤用非イオン界面活性剤、アルキルアミン系高分子化合物、アルミニウムキレート化合物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポリエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩、ポリエチレンイミン、アルキロールアミン塩、インキの保存安定性を阻害しない範囲であればイオン性界面活性剤、両性界面活性剤なども使用可能であり、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、顔料の分散効果(アルミニウムキレート化合物の吸着効果とポリグリセリン脂肪酸エステル化合物の立体障害効果の相乗効果)による顔料の浸透性向上によって、更にコロ跡汚れに効果がある点からアルミニウムキレート化合物及びポリグリセリン脂肪酸エステル化合物から選択される少なくともいずれかが好ましい。
前記酸化防止剤は、アルキド樹脂等の酸化を防ぎ、ドラム内での長期間放置でのインキの変質を防止でき、油相及び水相の少なくともいずれかに添加することができる。該酸化防止剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択して用いることができるが、例えば、ノルジヒドログアヤレチック酸(NDGA)、グアヤク脂、クエン酸エステル、抽出トコフェロール、トコフェロール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロキシアニソール、亜硫酸塩類、チオ硫酸塩、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体等が挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、インキ総量に対し2質量%以下が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。
前記エステル化植物油としては、前記植物油をエステル化したものが挙げられ、前記エステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル等が挙げられる。該エステル化植物油としては、例えば、エステル化大豆油が特に好ましい。
前記アルキド樹脂として、油脂が大豆油である大豆油脂肪酸アルキド樹脂を用い、エステル化大豆油を使用することにより、大豆油由来成分の合計が6%を超えることで、アメリカ大豆協会のSOYマークの認定を受けることができ、安全性の点でも有利となる。
前記パラフィン系オイルとしては、市販品を用いることができ、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックシリーズ、新日本石油株式会社製の日石スーパーオイルシリーズ、出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ等が挙げられる。
前記ナフテン系オイルとしては、環分析によるナフテン成分の炭素含有量(CN)が30質量%以上であり、芳香族成分の炭素の含有量(CA)が20質量%以下であり、かつパラフィン成分の炭素含有量(CP)が55質量%以下であるものが好適であり、例えば、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックオイル155及び300ID、ガーゴオイルアークティックオイルライト、ガーゴオイルアークティックオイルCヘビー;出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシアシリーズ;日本サン石油株式会社製のサンセンオイルシリーズなどが挙げられる。
前記石油系溶剤としては、市販品を用いることができ、例えば、エクソン化学社製のアイソパーシリーズ及びエクソール;新日本石油株式会社製のAFソルベントシリーズなどが挙げられる。
なお、必要に応じて安全性の高いアロマ系オイル(例えば、特開平11−80640号公報)を使用することもできる。
前記体質顔料の前記孔版印刷用エマルションインキにおける添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜50質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
前記水相は、ポリビニルピロリドン、その他の水溶性高分子化合物、水、更に必要に応じて水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤、電解質、O/W樹脂エマルション、防腐・防かび剤、pH調整剤などのその他の成分を含有してなる。
前記ポリビニルピロリドン(PVP)としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、市販品であってもよいし、適宜合成したものであってもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリビニルピロリドン(PVP)としては、例えば、下記構造式(1)で表されるものを好適に用いることができる。
<数式1>
ただし、前記数式1中、cは、g/100ml溶液における濃度を表す。ηrelは、溶媒と比較した溶液の粘度を表す。
前記半合成高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等が挙げられる。
前記合成高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子化合物等が挙げられる。
前記低級飽和一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。前記グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。
これらの中でも、水相の揮発等によるインキの経時劣化を抑える効果及びエマルションの安定化の作用により、アルキド樹脂のコロ跡汚れに対する効果を維持したまま、ドラム内での長期間放置でのインキの変質を小さくさせることが可能となる点でグリセリンが特に好ましい。
前記水の蒸発抑制剤又は凍結防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、インキ中の水の総質量に対し15質量%以下が好ましく、4〜12質量%がより好ましい。
前記電解質の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水相の0.1〜2質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましい。
また、前記水中油型樹脂エマルションの分散方法についても特に制限はなく、分散剤、保護コロイド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリー乳化重合によって合成したものでもよい。前記水中油型樹脂エマルションの最低造膜温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、40℃以下が好ましい。
前記防腐・防かび剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、インキ中に含まれる水の総質量に対し3質量%以下が好ましく、0.1〜1.2質量%がより好ましい。
以上説明したように、本発明の孔版印刷用エマルションインキは、両面印刷時にコロ跡汚れの発生がなく、チョーキング性に優れ、インキからの油分離が少なく、インキがドラム内で長期放置された時の立ち上がり性に優れ、輪転孔版印刷機による孔版印刷に好適に用いられる。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
鉱物油としてのスピンドル油(コスモ石油株式会社製)9.0質量%、鉱物油としての日石AFソルベント4号(新日本石油株式会社製)10.0質量%、及びソルビタン系乳化剤3.0質量%を加え混合し、及び表1に示すアルキド樹脂2.0質量%を撹拌機で混合して、油相を調製した。
一方、フタロシアニンブルー(東洋インキ製造株式会社製)4.0質量%、ポリビニルピロリドン(BASF社製、商品名Luvitec K30、K値=30)0.8質量%、及び水道水69.2質量%をビーズミルで混合して、水相を調製した。
次に、前記油相に前記水相を徐々に添加し、ディスパーミキサーで乳化させて、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
フタロシアニンブルー(東洋インキ製造株式会社製)4.0質量%、鉱物油としてのスピンドル油(コスモ石油株式会社製)9.0質量%、及び表1に示すアルキド樹脂2.0質量%を3本ロールで練肉することで顔料分散体を調製した。この顔料分散体に、鉱物油としての日石AFソルベント4号(新日本石油株式会社製)12.0質量%、及びソルビタン系乳化剤3.0質量%を加えて混合し、油相を調製した。
一方、ポリビニルピロリドン(BASF社製、商品名Luvitec K30、K値=30)0.8質量%、及び水道水69.2質量%を混合して水相を調製した。
次に、前記油相に前記水相を徐々に添加し、ディスパーミキサーで乳化させて、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
実施例2において、水相に硫酸マグネシウム0.5質量%を添加し、水道水の添加量を68.7質量%とした以外は、実施例2と同様にして、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
実施例2において、水相にグリセリン5.0質量%を添加し、水道水の添加量を64.2質量%とした以外は、実施例2と同様にして、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
実施例2において、油相に大豆メチルエステル4.0質量%を添加し、鉱物油としてのスピンドル油の添加量を6.0質量%、及び日石AFソルベント4号(新日本石油株式会社製)の添加量を11.0質量%とした以外は、実施例2と同様にして、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
実施例1において、油相にアルキド樹脂を添加せず、鉱物油としてのスピンドル油の添加量を12.0質量%とし、水相の水道水の添加量を68.2質量%とした以外は、実施例1と同様にして、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
実施例2において、水相にポリビニルピロリドンを添加せず、水道水の添加量を70.0質量%とした以外は、実施例2と同様にして、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
実施例2において、油相のアルキド樹脂の添加量を10.0質量%とし、鉱物油としてのスピンドル油の添加量を12.0質量%とし、水相にポリビニルピロリドンを添加せず、水道水の添加量を68.0質量%とした以外は、実施例2と同様にして、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
−孔版印刷用エマルションインキの調製−
実施例1において、油相にアルキド樹脂を添加せず、鉱物油としてのスピンドル油の添加量を12.0質量%とし、水相のポリビニルピロリドンの添加量を5.0質量%とし、水道水の添加量を64.0質量%とした以外は、実施例1と同様にして、孔版印刷用エマルションインキを調製した。
孔版印刷機(東北リコー株式会社製、プリポートN−500)のドラム内に、各インキを十分にいきわたらせた後、ベタ画像印刷を行った。印刷後1時間放置後に画像の裏面を、白紙製版で再度印刷し、その100枚目の画像のコロ跡汚れの度合いを目視により観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:コロ跡汚れの発生が全くなし
○:コロ跡汚れの発生なし
△:コロ跡汚れの発生がややあり
×:コロ跡汚れが多発している。
孔版印刷機(東北リコー株式会社製、プリポートN−500)のドラム内に、各インキを十分にいきわたらせた後、ベタ画像印刷を行った。得られたベタ画像部を消しゴムで強く10回こすった後の残留濃度の度合いを目視により観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:画像がほとんど残っている(残留濃度高い)。
○:画像が残っている。
△:画像が残っているがやや少ない
×:画像がほとんど残っていない(残留濃度低い)。
各インキについて、遠心分離器により7000Gを3時間加え、分離した油の量を測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:分離した油がほとんどない。
○:分離した油がわずかにある。
△:分離した油がやや多くある。
×:分離した油が多くある。
孔版印刷機(東北リコー株式会社製、プリポートN−500)の印刷ドラム内に、各インキを十分にいきわたらせた後、その印刷ドラムを50℃のオーブン内で2週間放置した後、再び印刷を行い、画像が全面に出ているかどうかを目視により観察し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:画像が全面に出ている(画像復帰が早い)。
○:画像がほとんど全面に出ている。
△:画像が一部出ていない部分がある。
×:画像の出ていない部分が多く見られる(完全に復帰しない目詰まり部分がある)。
即ち、両面印刷時のコロによる汚れの発生がないことは、実施例1及び2と比較例1及び2とを対比することから明らかである。また、消しゴム等の強い力に対する残留性(チョーキング性)に優れていることは、実施例1と比較例1及び比較例4とを対比することから分かり、実施例2〜5のように油相に着色剤を含有することで、更に効果が大きいことが分かる。また、インキからの油分離が少ないことは、実施例1に対して実施例3が非常に優れていることから明らかである。また、インキがドラム内で長期放置された時の立ち上がり性に優れることは、実施例1と比較例3及び比較例4とを対比することで分かり、実施例4で、更に効果が大きいことから明らかである。
なお、環境に配慮されていることは、実施例5の処方から、植物油成分が多くなり鉱物油成分が少なくなっていることから明らかに認められる。
Claims (7)
- 油相10〜90質量%及び水相90〜10質量%を含んでなり、該油相中に酸価が15以下であり、かつヨウ素価が80超であるアルキド樹脂を含有すると共に、前記水相中にポリビニルピロリドンを含有することを特徴とする孔版印刷用エマルションインキ。
- アルキド樹脂のインキにおける含有量が、1〜7質量%である請求項1に記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- ポリビニルピロリドンにおけるK値が15〜30である請求項1から2のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- ポリビニルピロリドンのインキにおける含有量が、固形分濃度で0.2〜1.0質量%である請求項1から3のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- 油相中に着色剤を含有する請求項1から4のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- 油相中にエステル化大豆油を含有し、かつアルキド樹脂が大豆油脂肪酸アルキド樹脂である請求項1から5のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキ。
- 水相中に2価の陰イオン含有化合物及びグリセリンの少なくともいずれかを含有する請求項1から6のいずれかに記載の孔版印刷用エマルションインキ。
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