以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、TAB(Tape Automated Bonding)用テープを用いたBGA(Ball Grid Array)構造の半導体装置に本発明を適用した一例について説明する。
本実施の形態で示す半導体装置1の構造について図1〜図4を用いて説明する。図1は半導体装置1を示す概略平面図、図2は図1の半導体装置1の封止部13を省略した概略平面図、図3は図1の半導体装置1をX−X線で切断した概略断面図、図4は図1の半導体装置1の底面図である。
本実施の形態で示す半導体装置1は、ファンアウト仕様のBGA構造の半導体装置である。この半導体装置1は、TAB用テープからなる基板4と、基板4に搭載された半導体チップ2と、半導体チップ2の主面に形成された電極端子5と、一端(以下、先端という)が電極端子5と電気的に接続される配線でもあるインナーリード(以下、リードという)6と、先端から延在したリード6と電気的に接続され、基板4に形成された外部電極端子3と、半導体チップ2の主面を覆い保護する封止部13とを有する。
半導体チップ2は、例えばp型の単結晶シリコンからなり、半導体ウエハ(半導体基板)からダイシングされて、分離されたものである。この半導体チップ2には、半導体基板の主面上にIC回路、LSI回路を構成する半導体素子などが形成されるとともに、その半導体素子などと接続されているセンターパッド構造の電極端子5が形成されている。なお、図2において半導体チップ2は基板4の裏面側に搭載されているが、説明を容易にするため点線で示されている。
電極端子5は、例えば金により形成され、例えば、半導体素子を駆動するための電力供給用の電源端子およびGND端子、半導体素子の動作のタイミングを決めるクロック用の電源端子、この半導体素子の入出力信号を外部回路に出入力させるために半導体チップ2上に形成された入出力用端子などから構成されている。
基板4は、リール状に巻かれたTAB用テープから切り出されたものであり、そのTAB用テープは、厚さが50μm程度の絶縁性のテープ(テープ基板)であり、例えばポリイミド樹脂フィルムにより形成されている。この基板4には、その一方の面(上面)に複数のリード6が形成されており、基板4の縁寄り(外周)に形成されているリード6上には、リード6を保護するために絶縁性の保護膜8が形成されている。なお、図1および図2においては保護膜8を省略している。
基板4に形成されるリード6は、プリント配線技術を用いて形成されたプリント配線からなり、銅箔をパターニングして形成され、その表面に金メッキ膜が形成されている。また、保護膜8は、例えば膜厚が20μm程度のソルダーレジスト膜からなり、リード6を保護するとともに、基板4の反りなどの発生を防止する。
また、基板4には、外部電極端子3を形成するために、基板4の縁寄りに各辺に沿って所定のピッチで開口部9が形成されている。この開口部9内では、リード6が横切るように延在している。この開口部9内に存在するリード6は、外部電極端子3を形成するためのパッドとなる。このリード6からなるパッドに外部電極端子3が形成されており、例えばボール状の半田(半田ボール)などの金属部材からなる。なお、このリード6からなるパッドの上下(表裏)面には、メッキ膜が形成されている。すなわち、パッドの下面に外部電極端子3を形成し易くするため、および半導体装置1を積層して使用する場合に上段の半導体装置の外部電極端子をリード6の上面に接続し易くするために、パッドの上下面には、メッキ膜が形成されている。
また、基板4の中央部には、細長の開口部(デバイス孔)10が設けられており、リード6は、その先端を開口部10内に突出させている。そして、これらリード6の先端は、センターパッド構造の半導体チップ2の各電極端子5と接続されている。また、開口部10の両側には開口部10に沿って開口部11が設けられている。また、開口部9の内側であり、かつ基板4に固定された半導体チップ2の外側には、矩形枠状の開口部(スリット)12が設けられている。
この開口部12は、基板4の各辺に沿って直線的に延在し、その幅は例えば500μm程度である。この開口部12により、基板4は、開口部12の内側の部分(内部、製品領域部)と、外側の部分(外部、製品領域外部)に分けられている。よって、半導体チップ2が搭載されることとなる内部は、開口部12と開口部12間の連結部14を介して外部に支持されている。
また、この開口部12は、半導体装置1の製造の各段階または製造後、基板4自体、または基板4を含む半導体装置を構成する部材に応力、熱ストレスが加わった際、ストレスを基板4の内側領域と外側領域で分断して解消させて基板4を含む部分が反りなどを起こさせない作用をするために設けられる。また、開口部12は樹脂封止を行う際、樹脂の外側(開口部12の外側)へ流出を停止させる働きをも兼ねるものである。
開口部12内側の基板4に選択的に設けられた開口部11は、樹脂(ポリイミド樹脂)である基板4と導体(銅箔)で形成されるリード6の熱膨張係数の違いによる反りなどを分断し低減するためのものである。
各開口部9を延在するリード(配線)6は、必要に応じて屈曲し、その一方の先端(内端)を開口部10のいずれかの長辺から開口部10内に突出延在させ、他方は、基板4の外縁にまで到達させた構造になっている。なお、半導体装置1のリード6の他方が基板4の外縁まで延在するのは、半導体装置1の前駆体において後述するテストパッド(検査用パッド)とリード6とが接続されていたところ、半導体装置1を成形するにあたって前駆体からテストパッドをダイシングなどにより取り除いたためである。
半導体チップ2の電極端子5を設けた主面側には絶縁性の樹脂で封止部13が形成されている。この封止部13は、半導体チップ2の主面側の基板4、リード6を覆う構造となっている。封止部13は開口部12の内側の領域全体を覆い、開口部10および開口部11をも封止する構造になっている。
次に、半導体装置1の前駆体(個片)に用いられる基板4aについて図5〜図9を用いて説明する。図5は基板4aを示す概略平面図であり、図6は基板4aに形成されるテストパッド(検査用パッド)22の配置を示す概略平面図であり、図7〜図9はテストパッド22と開口部9とを接続(結線)した配線パターン23を示す概略平面図である。なお、配線パターン23には上述したリード6が含まれる。
図5に示す基板4aは、リール状に巻かれたTAB用テープから切り出されたものであり、上述した半導体装置1の基板4を構成する。また、TAB用テープは、厚さが50μm程度の絶縁性のテープ(テープ基板)であり、例えばポリイミド樹脂フィルムにより形成されている。したがって、基板4aは、連続的にリール状に巻かれたTAB用テープから切断した状態であり、例えばその形状は図5に示すように短冊状である。
この基板4aには、上述した半導体装置1が形成される製品領域21(図中、点線で囲まれた領域)と、テストパッド22、スプロケットホール24、開口部20および配線パターン23が形成されている領域(製品領域21を除く領域、以下、テスト用領域と称する)がある。
テストパッド22は、短冊状の基板4aの長手方向に沿って、その両端にそれぞれ例えば30パッド(合計60パッド)が所定間隔で配置されている。このテストパッド22は半導体装置1のバーンイン試験、電気的特性の測定などの電圧印加(総称して、テストという)時において、テストパッド22と同じ配置で並べられたコンタクトピン(検査用ピン)群を有する治具(ソケット)のコンタクトピンと接触させるために設けられたものである。よって、テストパッド22は、導電体からなり、例えば上述したリード6(配線パターン23)と同様にプリント配線技術を用いて形成されたプリント配線からなり、銅箔をパターニングして形成され、その表面に金メッキ膜が形成されている。
従来は、外部電極端子とコンタクトピンを直接接触させてテストを行っており、外部電極端子に外傷(ダメージ)を与えるおそれがあった。特にバーンイン試験では高温にするため、そのダメージは大きくなり、端子が変形するなどの問題が生じ、さらに外部電極端子に不具合が生じ、半導体装置の信頼性が低下していた。しかし、本実施の形態では、テストを行う際に、コンタクトピンと接触させる端子が、外部電極端子ではなく、テストパッド22としているので、外部電極端子に全くダメージを与えずテストを行うことができ、それにより半導体装置の信頼性を向上することができる。
配線パターン23には、上述した半導体装置1のリード6が含まれる。そのリード6については上述したので、ここでは、外部電極端子が形成される開口部9からテストパッド22にかかる配線パターン23について説明する。
配線パターン23は、一方(先端)が半導体チップの電極端子と接続する位置に配置され、他方が配線パターン23の先端から延在する方向に開口部9を介してテストパッド22と電気的に接続されている。このため、配線パターン23は、製品領域21内およびテスト用領域に形成されることとなる。
すなわち、配線パターン23は、基板4aに固定して配置されているテストパッド22と、半導体装置の外形(サイズ)、外部電極端子のピンピッチおよび配置によって配置が決定される開口部9とを、電気的に接続する。したがって、半導体装置の外形、ピンピッチおよび配置が異なる異種外形の半導体装置により、基板4aに形成される開口部9の配置が異なったとしても、配線パターン23を変形して形成することで、基板4aに固定のテストパッド22と、半導体チップの電極端子と電気的に接続することができる。なお、図5において、テストパッド22と接続されない配線パターン23も存在するのは、配線パターン23を配置する目的が、半導体チップ上の電極端子と接続するためであり、その電極端子と対応しないテストパッド22には、結線する配線パターン23を形成する必要がないからである。
また、基板4aには、その短手方向に沿って、その両側に一定間隔で形成されるスプロケットホール24を有しており、このスプロケットホール24にスプロケット歯車が噛み合って、リールを構成する基板4aがピッチ送りされる。
また、基板4aには、製品領域21とテスト領域との境であり、かつ、製品領域の各角部に対応する部分には、直角に屈折する開口部20が設けられている。半導体装置製造の最終段階で、開口部20間の連結部を切断することによって、上述した半導体装置1を製造することができる。
図6は、図5で示した基板4aに形成されているテストパッド22を示す概略平面図である。なお、図中、テストパッド22に記載されているVDD、CLKなどの記号は、半導体装置の端子の機能を示す一般的な略称であり、例えば、半導体素子を駆動するための電力供給用の電源端子VDD、半導体素子の動作のタイミングを決めるクロック用の電源端子CLKなどである。
上述したように、テストパッド22は短冊状の基板4aの長手方向に沿って、その両側にそれぞれ例えば30パッド(合計60パッド)が所定間隔で配置されている。このテストパッド22を基板4a上の決められた位置に配置することで、テスト時に用いるソケットのコンタクトピンの配置を共通化することができる。すなわち、半導体装置の外形(サイズ)、外部電極端子のピッチおよび配置から決定される開口部9の配置が、その半導体装置(製品)の種類によって異なったとしても、テストパッド22と結線される配線パターン23を変えることで、ソケットのコンタクトピンの配置を換えることなく、共通のソケットを用いてテストを行うことができる。また、共通のソケットを用いることで、すなわちBGA構造半導体装置のテスト環境を共通化することで、半導体装置の製品コストを低減することができる。
図7〜図9は、基板4a上に形成された配線パターン23の一例を示す概略平面図である。なお、テストパッド22および開口部9に記載されているVDD、CLKなどの記号は、半導体装置の端子の機能を示す一般的な略称である。
図7は、製品(半導体装置)のサイズが12mm×12mm程度、外部電極端子のピッチ(ピンピッチ)が0.65mm程度および外部電極端子の数(ピン数)が64ピンの場合の、配線パターン23を示している。図8及び図9は、製品のサイズが10mm×10mm程度、ピンピッチが0.50mm程度およびピン数が72ピンの場合の、配線パターン23を示している。なお、図8と図9の違いは、テスト項目の違いにより、配線パターン23を変形させている点である。
従来、ソケットは、BGA構造の半導体装置の外形、ピンピッチおよび配置が異なる複数の異種外形のBGA構造半導体装置に併せて、それぞれ用意しなければならなかった。しかし、本実施の形態で示すように、BGA構造の半導体装置の外形、ピンピッチおよび配置が異なっても、テストパッド22の配置さえ共通化しておけば、テストパッド22と接触するコンタクトピンの位置を変えずに、共通化したソケットでテストを行うことができる。
また、テスト項目が異なる半導体装置においても、そのテスト項目に必要な半導体チップの電極端子に電圧を印加できるように、配線パターン23を変形させるだけで、共通化したソケットでテストを行うことができる。
次に、本実施の形態で示す半導体装置1の製造工程について図10〜図18を用いて説明する。図10〜図18は、半導体装置の製造工程中における概略断面図である。
まず、半導体基板の主面上にIC回路、LSI回路を構成する半導体素子などが形成されるとともに、その半導体素子などと接続されているセンターパッド構造の電極端子5が形成された半導体チップ2を準備する。
図10では、半導体チップ2の主面に突起状の電極端子(突起電極、バンプ電極)5を形成するときの概略断面図を示している。図10の左図に示すように、半導体チップ2の主面に形成されている下地電極5a上で、キャピラリ25で保持した例えば金からなるワイヤ26の先端を超音波接続する。すなわち、ワイヤ26の先端を放電などによって球状化しておき、この球状化部分を圧接と超音波振動とにより下地電極5aに擦りつけて接続し、次いでワイヤ26を引っ張り、接続近傍で切断する。その後、図10の右図に示すように、下地電極5a上の接続部分を抑え片27で押し潰して突起電極すなわち電極端子5を形成する。なお、電極端子5には、下地電極5aが含まれる。
次に、図11に示すように、厚さ50μm程度のポリイミド樹脂フィルムで形成されたTAB用テープから構成されている基板4aを準備する。この基板4aは、リール状に巻かれているが、各工程で解き出されることとなる。
続いて、開口部9〜12を形成した基板4aの一方の面または他方の面に厚さ12μm程度の接着剤で厚さ35μm程度の銅箔を接着し、その後銅箔を所望のパターンにエッチングして、リード6を含む配線パターン23を形成する。配線パターン23は、図5で示したように、リード6の先端から外部電極端子3(開口部9のリード6)へ、また外部電極端子3からテストパッド22へと、結線される。上述したように、それぞれの半導体装置(製品)のサイズ、外部電極端子のピッチおよび配置が異なった製品に対応した配線パターン23を形成することで、テスト用のソケットを共通化してテスト時に使用することができる。なお、後述するボンディング工程を行う前は、開口部10に突出するリード6は平坦になっている。
続いて、開口部12から半導体チップが搭載される方向とは反対方向の領域の基板4a上に、リード6を基板4aと挟むように絶縁性の保護膜8を形成する。
続いて、図12に示すように、リール状に巻かれた基板4aを解き出し、半導体チップ2を基板4aに搭載した後、リード6の先端を半導体チップ2の電極端子5と接続(インナーリードボンディング:ILB、ボンディング)する。すなわち、リール状に巻かれたリード6を備えた基板4aを解き出し、この基板4aの下方に半導体チップ2を位置決めし、基板4aの上方から接続工具を降下させてリード6の先端を電極端子5に圧接して接続する。次いで、ボンディングが行われた基板4aを、巻き取り用のリールに巻き取る。
続いて、図13に示すように、リール状に巻かれた基板4aを解き出し、半導体チップ2の主面を覆うように、絶縁性の樹脂を滴下塗布(ポッティング)し、塗布した樹脂をベークして硬化させて封止部13を形成する。基板4aに滴下塗布された樹脂は、基板4aの上面上を広がるとともに、開口部10及び開口部11から落ちて半導体チップ2の主面上に広がる。基板4a上を広がる樹脂は表面張力の作用から開口部12の内縁で停止する。開口部12と開口部12の間の連結部は、その幅が短いため、樹脂の表面張力によって開口部12の内周縁に対応する部分で停止する。ここで停止しない樹脂も開口部12の外周縁に対応する部分で停止する。半導体チップ2の主面上の樹脂も半導体チップ2の外周縁から基板4aの開口部12の内周縁に掛かる部分で停止する。このような樹脂の広がりの程度は、ディスペンサによる塗布量及び樹脂の粘度によって決まるので、適当に選択する。次いで、封止部13が形成された基板4aを、巻き取り用のリールに巻き取る。
次に、図14に示すように、リールから解き出された基板4aに外部電極端子3を形成する。外部電極端子3の形成では、ボール付けを行う基板4aの面を上方にし、ボール付けをおこなって外部電極端子(バンプ電極)3を形成した後、フラックス等を除去するための洗浄が行われる。次いで、外部電極端子3が形成された基板4aを、巻き取り用のリールに巻き取る。
次に、図15に示すように、リール状に巻かれた基板4aを所定間隔で切断して半導体装置の前駆体(個片)1aとした後、この前駆体1aをテスト用ソケット31に取り付け、テスト装置32に設置してあるコンタクトピン33と、テストパッド22とを接触させて所定のテストを行う。なお、図15では、コンタクトピン33は、テスト装置32に設置されているが、ソケット31にコンタクトピン33を配置し、テスト装置32を用いてテストを行ってもよい。
従来は、外部電極端子とコンタクトピンを直接接触させてテストを行っており、外部電極端子に外傷(ダメージ)を与えるおそれがあった。特にバーンイン試験では高温にするため、そのダメージは大きくなり、端子が変形するなどの問題が生じ、したがって外部電極端子の不具合が生じていた。しかし、本実施の形態では、テストを行う際に、コンタクトピン33と接触させる端子が、外部電極端子ではなく、テストパッド22としているので、外部電極端子に全くダメージを与えずテストを行うことができる。
また、従来、ソケットは、BGA構造の半導体装置の外形(サイズ)、外部電極端子のピンピッチおよび配置が異なる複数の異種外形のBGA構造半導体装置に併せて、それぞれ用意しなければならなかった。しかし、本実施の形態では、半導体装置の外形(サイズ)、外部電極端子のピッチおよび配置から決定される開口部9の配置が、その半導体装置(製品)の種類によって異なったとしても、テストパッド22と結線される配線パターン23を変えることで、ソケットのコンタクトピン33の配置を換えることなく、共通のソケットを用いてテストを行うことができる。また、共通のソケットを用いることで、すなわちBGA構造半導体装置のテスト環境を共通化することで、半導体装置の製造コストを低減することができる。
続いて、図16に示すように、基板4aからテストパッド22を含む領域(テスト領域)を除去し(基板4aは、半導体装置1の基板4となる)、半導体装置1を成形(完成)する。この半導体装置1に対するテストは、従来のように、外部電極端子とコンタクトピンとを接触させて行わず、テストパッド22とコンタクトピン33とを接触させて行っているので、外部電極端子に全くダメージを与えずテストを行うことができ、これにより半導体装置1の製造歩留りを向上することができる。
続いて、この半導体装置1は、図17に示すように、実装基板34に実装される。実装基板34の上面には、半導体装置1の外部電極端子3に対応してランド35が設けられている。また、実装基板34のランド35が設けられていない上面は絶縁膜36で覆われている。そこで、実装基板34に半導体装置1を実装するには、半導体装置1を下面の各外部電極端子3が実装基板34のランド35上に重なるように載置した後、ランド35の表面にあらかじめ設けておいた半田等を再溶融(リフロー)して外部電極端子3をランド35に電気的に接続する。
また、図18に示すように、半導体装置1を4段に積層接続した構造とすることもできる。すなわち、4個の半導体装置1b〜1eを準備した後、半導体装置1b上に半導体装置1cを載置する。次いで、半導体装置1c上に半導体装置1dを載置する。次いで、半導体1d上に半導体装置1eを載置する。この積層時、上段側の半導体装置の外部電極端子3を下段側の半導体装置の開口部9に延在するリード6に重なるように位置決めして積層する。その後、リフローによってリード6とその上の外部電極端子3を電気的に接続して半導体装置を製造することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、ガラスエポキシ銅張積層板を用いたBGA(Ball Grid Array)構造の半導体装置に本発明を適用した一例について説明する。なお、実施の形態1では、基板にTAB用テープを用いたが、本実施の形態では、基板にガラスエポキシ銅張積層板を用いる点で相違する。以下は、この相違を中心に説明する。
本実施の形態で示す半導体装置51の構造について図19〜図22を用いて説明する。図19は半導体装置51を示す概略平面図、図20は図19の半導体装置51の封止部52を省略した概略平面図、図21は図19の半導体装置51をX−X線で切断した概略断面図、図22は図19の半導体装置51の底面図である。
本実施の形態で示す半導体装置51は、ガラスエポキシ銅張積層板からなる基板53と、基板53の一方の面(表面)に搭載された半導体チップ54と、基板53の他方の面(裏面)にグリッド状に配置、形成された外部電極端子58と、半導体チップ54の主面に形成された電極端子56と、基板53の表面上に形成された電極端子57と、電極端子56と電極端子57とを電気的に接続するボンディングワイヤ55と、基板53の表面上に搭載された半導体チップ54を覆う封止部52とを有する。詳細については、以下に示す半導体装置51の前駆体51a、51b、51cと併せて説明する。
まず、半導体装置51の前駆体51aについて図23〜図26を用いて説明する。図23は半導体装置51の前駆体51aを示す概略平面図、図24は図23で示した半導体装置51の前駆体51aの封止部52を省略した概略平面図、図25は図23で示した半導体装置51の前駆体51aの概略断面図、図26は図23で示した半導体装置51の前駆体51aの底面図である。
前駆体51aは、基板53aと、基板53aの一方の面(表面)に形成された封止部52と、基板53aの表面の外周側に配置されたテストパッド59と、基板53の他方の面(裏面)にアレイ状に配置、形成された外部電極端子58とを有する。この前駆体51aから、製品領域60(図中、点線で囲まれた領域)以外の不要な領域(テスト領域)を、例えばダイシングして取り除くことにより半導体装置51が成形されることとなる。
さらに、前駆体51aは、基板53aの表面上に搭載された半導体チップ54と、半導体チップ54上に形成された電極端子56と基板53a上の電極端子57とを電気的に接続するボンディングワイヤ55とが、封止部52によって封止されている。
この電極端子57と、テストパッド59とは、図示しないが配線(配線パターン)によって電気的に接続されている。この配線は、基板53aの表面上、裏面上あるいは基板53aが多層基板であれば基板内に形成されることとなる。なお、基板53aの裏面または基板内に形成されている配線と電極端子57との接続の際には、スルーホール(図示せず)を介して接続される。したがって、電極端子56とテストパッド59とが電気的に接続されてさえいれば、配線パターンの形状はどんな形状であっても良いこととなる。
従来は、外部電極端子とコンタクトピンを直接接触させてテストを行っており、外部電極端子に外傷(ダメージ)を与えるおそれがあった。特にバーンイン試験では高温にするため、そのダメージは大きくなり、端子が変形するなどの問題が生じ、さらに外部電極端子に不具合が生じ、半導体装置の信頼性が低下していた。しかし、本実施の形態では、テストを行う際に、コンタクトピンと接触させる端子が、外部電極端子58ではなく、テストパッド59としているので、外部電極端子58に全くダメージを与えずテストを行うことができ、それにより半導体装置の信頼性を向上することができる。
続いて、基板53aの表面とは反対の面(裏面)の外周部に複数のテストパッド59を配置したBGA構造の半導体装置51の前駆体51bについて図27〜図29を用いて説明する。図27は半導体装置51の前駆体51bを示す概略平面図、図28は図27で示した半導体装置51の前駆体51bの概略断面図、図29は図27で示した半導体装置51の前駆体51bの底面図である。
この前駆体51bは、上述した前駆体51aとは、テストパッド59の配置の点で相違する。したがって、この場合においても、テストを行う際に、コンタクトピンと接触させる端子が、外部電極端子58ではなく、テストパッド59としているので、外部電極端子58に全くダメージを与えずテストを行うことができ、それにより半導体装置の信頼性を向上することができる。
続いて、基板53aの表面全体を封止部で覆い、裏面の外周部に複数のテストパッド59を配置したBGA構造の半導体装置51の前駆体51cについて図30〜図32を用いて説明する。図30は半導体装置51の前駆体51cを示す概略平面図、図31は図30で示した半導体装置51の前駆体51cの概略断面図、図32は図30で示した半導体装置51の前駆体51cの底面図である。
この前駆体51cは、上述した前駆体51bとは、基板53aの表面全体を封止部52で覆っている点で相違する。したがって、この場合においても、テストを行う際に、コンタクトピンと接触させる端子が、外部電極端子58ではなく、テストパッド59としているので、外部電極端子58に全くダメージを与えずテストを行うことができ、それにより半導体装置の信頼性を向上することができる。
次に、本実施の形態で示す半導体装置51の製造工程について図33〜図38を用いて説明する。図33は、半導体装置51の前駆体に用いられる基板の概略平面図である。図34〜図38は、半導体装置51の製造工程中における概略断面図である。
図33に示すように、半導体装置51が多数個取れるような基板53bを準備する。この基板53bでは、半導体装置51の前駆体(個片)51aの基板53aが12個、すなわち半導体装置51が12個取得することができる。この基板53bには、図33に示すように、複数のマトリクス配置された基板53aと、これら基板53aを隔てるダイシングライン61と、基板53a(基板53b)上に形成された電極端子57とが形成されている。この基板53bを用いて、例えば複数の基板53aを一括に覆う状態で樹脂モールドする一括モールドが施されることとなる。
続いて、図34に示すように、テストパッド59、電極端子57を含む配線が形成された基板53b上に半導体チップ54を搭載し、半導体チップ54上に形成されている電極端子56と、基板53b上に形成されている電極端子57とをボンディングワイヤ55で接続(ボンディング)する。なお、基板53bへの半導体チップ54の搭載は、基板53bの半導体チップ54搭載面に接着剤を塗布し、半導体チップ54を搭載して接着固定される。
続いて、図35に示すように、トランスファーモールド用のモールド金型を用いてモールドを行い、半導体チップ54とボンディングワイヤ55とを封止樹脂によって封止し、モールド樹脂を硬化させて、封止部52を形成する。なお、モールド樹脂としては、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂などを用いる。
続いて、図36に示すように、基板53bの裏面に形成されている接続用電極に、外部電極端子58を形成する。外部端子電極58は、例えばボール状の半田からなり、基板53bの半導体チップ54搭載面を下方に向け、複数の外部電極端子58を真空吸着保持したボール搭載用治具をその上方に配置し、基板53bの上方から製品領域の接続用電極(パッド)に搭載して形成する。
続いて、図37に示すように、ダイシングによって、基板53bを分割した半導体装置51の前駆体51aに対してテストを行う。テストを行う際には、まず、前駆体51aをソケット62に配置する。この前駆体51aをテスト用ソケット62に取り付け、テスト装置64に設置してあるコンタクトピン63と、テストパッド59とを接触させて所定のテストを行う。なお、図37では、コンタクトピン63は、テスト装置64に設置されているが、ソケット62にコンタクトピン63を配置し、テスト装置64を用いてテストを行ってもよい。
従来は、外部電極端子とコンタクトピンを直接接触させてテストを行っており、外部電極端子に外傷(ダメージ)を与えるおそれがあった。特にバーンイン試験では高温にするため、そのダメージは大きくなり、端子が変形するなどの問題が生じ、したがって外部電極端子の不具合が生じていた。しかし、本実施の形態では、テストを行う際に、コンタクトピンと接触させる端子が、外部電極端子ではなく、テストパッドとしているので、外部電極端子に全くダメージを与えずテストを行うことができる。
また、従来、ソケットは、BGA構造の半導体装置の外形(サイズ)、外部電極端子のピンピッチおよび配置が異なる複数の異種外形のBGA構造半導体装置に併せて、それぞれ用意しなければならなかった。しかし、本実施の形態では、半導体装置の外形(サイズ)、外部電極端子のピッチおよび配置が、その半導体装置(製品)の種類によって異なったとしても、テストパッドと結線される配線パターンを変えることで、ソケットのコンタクトピンの配置を換えることなく、共通のソケットを用いてテストを行うことができる。また、共通のソケットを用いることで、すなわちBGA構造半導体装置のテスト環境を共通化することで、半導体装置の製造コストを低減することができる。
続いて、図38に示すように、前駆体51aから製品領域部をダイシングにより取り出して、半導体装置51を完成する。上述したようにこの半導体装置51に対するテストは、外部電極端子58とコンタクトピン63とを接触させて行わず、テストパッド59とコンタクトピン63とを接触させて行っているので、外部電極端子に全くダメージを与えずテストを行うことができ、これにより半導体装置の製造歩留りを向上することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、前記実施の形態では、外部導電端子にボール状の導電体を用いたBGA構造の半導体装置に適用した場合について説明したが、外部導電端子にランド状の導電体を用いたLGA(Land Grid Array)構造の半導体装置としても適用することができる。