JP2006069424A - 4輪駆動車両のパワートレーン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】後輪荷重を増大させる要求に鑑み、クラッチC1,C2を変速機側に設けてクラッチハウジング12内に収納する。これらクラッチは大径故に出力軸21の前端より軸線方向に変速後の回転を取り出すことができなくする。そこで、出力軸21の前端に歯車45を設け、これに歯車46を噛合させて、クラッチC1,C2の外周を迂回する歯車列47を設定する。この迂回歯車列47は、出力軸21の前端からの出力回転をクラッチC1,C2と干渉することなく、トルク配分クラッチ48、プロペラシャフト7およびディファレンシャルギヤ装置8を経て左右前輪に向かわせる。出力軸21の後端からの出力回転はディファレンシャルギヤ装置5を経て左右後輪に向かわせる。
【選択図】図3
Description
このパワートレーンは、エンジンを車両前部に搭載し、変速機を車両後部に搭載し、
変速機は、エンジン側に設けられたクラッチ、および入力側プロペラシャフトを順次介してエンジン回転を入力される入力軸と、この入力軸に平行な出力軸と、これら入出力軸間における歯車変速機構とで構成する。
そして、エンジンに近い変速機出力軸の前端を、出力側プロペラシャフトを介して左右前輪にそれぞれ駆動結合し、エンジンから遠い変速機出力軸の後端を左右後輪にそれぞれ駆動結合して、4輪駆動を可能にしたものである。
ここで車両前後重量配分の要求が、エンジン搭載側荷重(前輪荷重)を低下させて変速機搭載側荷重(後輪荷重)を増大させるというものである場合、クラッチの移動が容易であることから、これをエンジン側から変速機側へ移す対策が最も常識的である。
一方で、変速機出力軸の前端は前記した通り、出力側プロペラシャフトを介して左右前輪に駆動結合しているため、クラッチをエンジン側から変速機側へ移す最も常識的な対策をとり得ない。
しかし、変速機入出力軸間距離を大きくすると、変速機が径方向に大型化してその搭載性を悪化させるだけでなく、変速機入出力軸間に設ける歯車変速機構を成す各歯車の直径も大きくする必要が生じて、変速機の重量増という弊害をも招く。
先ず、前提となるパワートレーンを説明するに、これは、原動機および変速機を車両の前後に分離して搭載したものとする。
そして変速機は、断接機構および入力側プロペラシャフトを介して原動機の回転を入力される入力軸と、この入力軸に平行な出力軸と、これら入出力軸間における歯車変速機構とで構成する。
また、原動機に近い側における変速機出力軸の端部を、出力側プロペラシャフトを介して原動機に近い側の左右輪にそれぞれ駆動結合し、
原動機から遠い側における変速機出力軸の端部を、変速機に近い側の左右輪にそれぞれ駆動結合する。
上記の断接機構を上記入力側プロペラシャフトおよび変速機入力軸間に配置し、
原動機に近い出力軸端部の回転を、断接機構の外周を迂回して出力側プロペラシャフトに伝達する迂回歯車列を、原動機に近い出力軸端部と出力側プロペラシャフトとの間に設けた構成に特徴づけられるものである。
上記の迂回歯車列が、断接機構の原動機側から変速機側への移設によっても、変速機出力軸と断接機構との軸線方向における干渉を回避することができ、この移設を変速機入出力軸間距離の増大に頼ることなく可能にして、車両前後重量配分に関する前記の要求を満足させることができる。
そして当該作用効果を、変速機入出力軸間距離の増大に頼らないで達成することから、変速機の径方向大径化(搭載性の悪化)に関する前記の問題や、変速機の重量増に関する前記の問題を生ずることもない。
図1および図2は、本発明の一実施例になる4輪駆動車両のパワートレーンを示し、図1はその平面図、図2はその側面図である。
本実施例においては、原動機としてのエンジン1を車両前部のエンジンルームに搭載し、変速機2を車両後部に搭載してトランクフロアパネル3の下部に配置する。
なお、入力側プロペラシャフト4の前後における4a,4b、および出力側プロペラシャフト7の前後における7a,7bはそれぞれ自在継手を示す。
変速機ケース11内に収納した後述の歯車変速機構と、エンジン1(図1および図2参照)から延在する入力側プロペラシャフト4との間には図1のごとく、奇数変速段(第1速、第3速、第5速、後退)用の自動クラッチC1、および、偶数変速段(第2速、第4速、第6速)用の自動クラッチC2を介在させる。
これらクラッチC1,C2は断接機構を構成するもので、両クラッチC1,C2をクラッチハウジング12内に収納すると共に、両クラッチC1,C2の入力要素を自在継手4bを介して入力側プロペラシャフト4に結合する。
クラッチハウジング12内には更に、常時エンジン駆動されるオイルポンプ13を設け、これからの作動油を媒体として後述するクラッチC1,C2の締結制御を含む変速段選択制御を実行するものとする。
第2入力軸16は中空とし、これを第1入力軸15上に嵌合するが、両者間の環状スペースにフロント側ニードルベアリング17およびリヤ側ニードルベアリング18を介在させて、内側の第1入力軸15および外側の第2入力軸16を相互に同心状態で回転自在とする。
第2入力軸16の前端外周をボールベアリング19により変速機ケース11の前壁11aに回転自在に支承し、その近傍に上記のフロント側ニードルベアリング17を配置し、リヤ側ニードルベアリング18をエンジンから遠い第2入力軸16の後端に配置する。
第1入力軸15を第2入力軸16の後端から突出させ、この突出した第1入力軸15の後端部15aを変速機ケース11の中間壁11bに貫通すると共に、この貫通部において第1入力軸15の後端部15aをボールベアリング20により変速機ケース11の中間壁11bに回転自在に支承する。
第1速歯車組G1および後退歯車組GRは、第2入力軸16の後端と変速機ケース中間壁11bとの間に位置させ、第3速歯車組G3および第5速歯車組G5は、変速機ケース11の中間壁1bと後壁11cとの間に位置させる。
後退歯車組GRは、第1入力軸15の後端部15aに結合した後退入力歯車28と、出力軸21上に回転自在に設けた後退出力歯車29と、これら歯車28,29に噛合してこれら歯車間を逆転下に駆動結合するリバースアイドラギヤ30とで構成する。
第3速歯車組G3は、第1入力軸15の後端部15aに結合した第3速入力歯車31と、出力軸21上に回転自在に設けた第3速出力歯車32とを相互に噛合させて構成する。
第5速歯車組G5は、第1入力軸15の後端部15aに結合した第5速入力歯車33と、出力軸21上に回転自在に設けた第5速出力歯車34とを相互に噛合させて構成する。
そのカップリングスリーブ35aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ35bに噛合させるとき、第1速出力歯車27が出力軸21に駆動結合されて後述するごとく第1速を選択可能なものとし、
カップリングスリーブ35aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ35cに噛合させるとき、後退出力歯車29が出力軸21に駆動結合されて後述するごとく後退を選択可能なものとする。
そのカップリングスリーブ36aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ36bに噛合させるとき、第3速出力歯車32が出力軸21に駆動結合されて後述するごとく第3速を選択可能なものとし、
カップリングスリーブ36aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ36cに噛合させるとき、第5速出力歯車34が出力軸21に駆動結合されて後述するごとく第5速を選択可能なものとする。
第6速歯車組G6は変速機ケース11の前壁11aに沿うよう第2入力軸16の前端に配置し、第4速歯車組G4は第2入力軸16の後端に配置し、第2速歯車組G2は第2入力軸16の両端間中央部に配置する。
第2速歯車組G2は、第2入力軸16の外周に一体成形した第2速入力歯車39と、出力軸21上に回転自在に設けた第2速出力歯車40とを相互に噛合させて構成する。
第4速歯車組G4は、第2入力軸16の外周に一体成形した第4速入力歯車41と、出力軸21上に回転自在に設けた第4速出力歯車42とを相互に噛合させて構成する。
そのカップリングスリーブ43aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ43bに噛合させるとき、第6速出力歯車38が出力軸21に駆動結合されて後述するごとく第6速を選択可能なものとする。
また出力軸21には、第2速出力歯車40および第4速出力歯車42間に配して2速−4速用同期噛合機構44を設け、
そのカップリングスリーブ44aを図示の中立位置から左行させてクラッチギヤ44bに噛合させるとき、第2速出力歯車40が出力軸21に駆動結合されて後述するごとく第2速を選択可能なものとし、
カップリングスリーブ44aを図示の中立位置から右行させてクラッチギヤ44cに噛合させるとき、第4速出力歯車42が出力軸21に駆動結合されて後述するごとく第4速を選択可能なものとする。
動力伝達を希望しない中立(N)レンジや駐車(P)レンジにおいては、クラッチC1,C2の双方を締結しておくが、同期噛合機構35,36,43,44のカップリングスリーブ35a,36a,43a,44aを全て図示の中立位置にして、ツインクラッチ式マニュアルトランスミッションが動力伝達を行わないようにする。
前進動力伝達を希望するDレンジや、後退動力伝達を希望するRレンジにおいては、オイルポンプ13からの作動油を媒体として以下のごとくに同期噛合機構35,36,43,44のカップリングスリーブ35a,36a,43a,44aおよびクラッチC1,C2を制御することにより各前進変速段や、後退変速段を選択することができる。
これにより入力側プロペラシャフト4およびクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸15、第1速歯車組G1を経て出力軸21に至り、第1速での動力伝達を行うことができる。
なお、第1速の選択が発進用のものである時は、それ用にクラッチC1の締結進行制御を行うこと、勿論である。
かかるアップシフトの完了後、同期噛合機構35のカップリングスリーブ35aを中立位置に戻して歯車27を出力軸21から切り離し、その後クラッチC1を締結しておく。
これにより、入力側プロペラシャフト4およびクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸16、第2速歯車組G2を経て出力軸21に至り、第2速での動力伝達を行うことができる。
かかるアップシフトの完了後、同期噛合機構44のカップリングスリーブ44aを中立位置に戻して歯車40を出力軸21から切り離し、その後クラッチC2を締結しておく。
これにより、入力側プロペラシャフト4およびクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸15、第3速歯車組G3を経て出力軸21に至り、第3速での動力伝達を行うことができる。
かかるアップシフトの完了後、同期噛合機構36のカップリングスリーブ36aを中立位置に戻して歯車32を出力軸21から切り離し、その後クラッチC1を締結しておく。
これにより、入力側プロペラシャフト4およびクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸16、第4速歯車組G4を経て出力軸21に至り、第4速での動力伝達を行うことができる。
かかるアップシフトの完了後、同期噛合機構44のカップリングスリーブ44aを中立位置に戻して歯車42を出力軸21から切り離し、その後クラッチC2を締結しておく。
これにより、入力側プロペラシャフト4およびクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸15、第5速歯車組G5を経て出力軸21に至り、第5速(変速比1:1)での動力伝達を行うことができる。
かかるアップシフトの完了後、同期噛合機構36のカップリングスリーブ36aを中立位置に戻して歯車34を出力軸21から入り離し、その後クラッチC1を締結しておく。
これにより、入力側プロペラシャフト4およびクラッチC2からのエンジン回転が第2入力軸16、第6速歯車組G6を経て出力軸21に至り、第6速での動力伝達を行うことができる。
これにより、入力側プロペラシャフト4およびクラッチC1からのエンジン回転が第1入力軸15、後退歯車組GRを経て出力軸21に至り、この間に後退歯車組GRが回転方向を逆にすることから、後退変速段での動力伝達を行うことができる。
なお、後退変速段での発進時は、それ用にクラッチC1の締結進行制御を行うこと、勿論である。
先ず後輪駆動系を説明するに、変速機ケース11の後壁11cに結合してデフハウジング11dを設け、このデフハウジング11d内に後輪用ディファレンシャルギヤ装置5を内蔵する。
変速機ケース11の後壁11cから突出する出力軸21の後端(本発明の第2出力部に相当)と、左右後輪6との間を後輪用ディファレンシャルギヤ装置5により駆動結合し、これがため、出力軸21の後端に傘歯車型式の出力軸側歯車5aを結合し、後輪用ディファレンシャルギヤ装置5に傘歯車型式の車輪側歯車5bを結合し、これら歯車5a,5bを相互に噛合させて後輪駆動用の終減速機を構成する。
従って、出力軸歯車45は迂回歯車列47の入力歯車を成し、カウンター入力ギヤ46は迂回歯車列47の出力歯車を成す。
カウンター入力ギヤ46は、クラッチハウジング12内に設けた前輪伝達トルク制御クラッチ48、および前記した自在継手7aを介して出力側プロペラシャフト7に結合する。
かくて前輪伝達トルク制御クラッチ48は、前輪伝達トルクの制御を介して前後輪トルク配分を決定するトルク配分要素の用をなす。
かかる4輪駆動中、前輪伝達トルク制御クラッチ48の締結容量を制御して前輪伝達トルクを決定することで、車両の前後輪トルク配分を制御することができる。
エンジン1に近い出力軸21の前端からの回転を迂回歯車列47の設置により、エンジン1と変速機2との間に必須の、そして、前後輪荷重配分の要求に鑑みエンジン1側から変速機2側へ移したクラッチC1,C2の外周を迂回して出力側プロペラシャフト7に伝達するよう構成したから、
図3に示すように、クラッチC1,C2の外径が大きく、変速機出力軸21の前端が軸線方向においてクラッチC1,C2と干渉し、変速機出力回転を変速機出力軸21の前端からそのまま軸線方向へ取り出すことができない場合でも、迂回歯車列47が変速機出力回転を出力側プロペラシャフト7および前輪用ディファレンシャルギヤ装置8へ向かわせることができる。
そして当該クラッチC1,C2の移設が、変速機入力軸15,16と変速機出力軸21との間における軸間距離の増大に頼ることなく可能であるから、当該軸間距離の増大による問題、つまり、変速機の径方向大径化(搭載性の悪化)に関する問題や、変速機の重量増に関する問題を回避しつつ上記の作用効果を達成することができる。
迂回歯車列47を成す出力軸歯車45およびカウンター入力ギヤ46を、出力軸歯車45の歯数がカウンター入力ギヤ46の歯数よりも小さい構成とし、これにより迂回歯車列47が、出力軸21の前端からの回転を出力側プロペラシャフト7へ減速下に伝達するよう構成するのがよい。
図5は、車速VSPに対する出力側プロペラシャフト(7)回転数Npoの変化傾向を、出力軸歯車45の歯数Zc1およびカウンター入力ギヤ46の歯数Zc2間にZc1>Zc2の関係がある場合と、Zc1<Zc2の関係がある場合とで比較して示し、入力側プロペラシャフト4の回転数Npi(エンジン回転数)を併記したものである。
出力軸歯車45の歯数Zc1がカウンター入力ギヤ46の歯数Zc2よりも大きい(Zc1>Zc2)の場合、つまり迂回歯車列47が出力軸21の前端からの回転を出力側プロペラシャフト7へ増速下に伝達するものである場合、変速機2が高速側(第5速、第6速)変速段を選択していると、出力側プロペラシャフト7の回転数Npoが入力側プロペラシャフト4の回転数Npiよりも高くなる。
その対策としては、出力側プロペラシャフト7の外径を大きくして、出力側プロペラシャフト7の回転数Npoに対する出力側プロペラシャフト7の振動加速度の変化特性を同図にβで示すようなものとなし、常用回転数Npo2での振動加速度を点β1におけるような値まで低下させることが考えられる。
図7は、出力側プロペラシャフト7、入力側プロペラシャフト4および排気管49の通常のレイアウトを示し、これらは図示のごとく、車体フロアパネル50の車幅方向中程に前後方向へ延在させて形成したトンネル50a内に収納するのが普通である。
ところで出力側プロペラシャフト7の外径を二点鎖線で示すように大きくすると、これが排気管49の途中に不可欠な大径の消音器49aと干渉したり、車体フロアパネル50と干渉し、出力側プロペラシャフト7の大径化には限界があって常用回転数Npo2での振動加速度を点β1におけるような値まで低下させることができないという問題を有する。
しかしも、出力側プロペラシャフト7の外径を大きくすることなく当該作用効果を奏し得ることから、出力側プロペラシャフト7の大径化による前記の不具合、つまり、これが消音器49aや車体フロアパネル50と干渉するという問題を回避しつつ上記の作用効果を達成して、常用回転数での振動加速度の低下を確実に実現することができる。
そしてこの際、変速機入力軸15,16およびカウンター入力ギヤ46との間の軸間距離C(図4参照)を、クラッチ(断接機構)C1,C2の外径および前輪伝達トルク制御クラッチ(トルク配分要素)48の外径の和の半分よりも大きくして、図2に明示するように前輪伝達トルク制御クラッチ(トルク配分要素)48をクラッチ(断接機構)C1,C2に並置するのがよい。
この場合、前輪伝達トルク制御クラッチ(トルク配分要素)48が変速機2の側に位置して、後輪荷重を増大させるという要求によく符合するほかに、前輪伝達トルク制御クラッチ(トルク配分要素)48とカウンター入力ギヤ46とでクラッチハウジング12に対する軸受構造を兼用することができて部品点数の減少によるコスト低減を図り得るという作用効果が得られる。
変速機出力軸21の前端から延在する出力側プロペラシャフト7を左右前輪9に駆動結合する終減速機を成すプロペラシャフト側歯車8aの歯数をZdf1(図3参照)、車輪側歯車8bの歯数をZdf2(図3参照)とし、
迂回歯車列47をなす出力軸歯車45の歯数をZc1(図3参照)、カウンター入力ギヤ46の歯数をZc2(図3参照)とし、
左右前輪9の動半径をRr(図2参照)、左右後輪6の動半径をRf(図2参照)としたとき、
(Zc2/Zc1)・{[(Zdr1/Zdr2)・Rr]/[(Zdf1/Zdf2)・Rf]}≦1.01・・・(1)
が満足されるよう構成するのがよい。
図8は、特許文献1に記載のように変速機2から左右前輪9のディファレンシャルギヤ装置8へ向かうよう延在する出力側プロペラシャフト7が、エンジン1から変速機2へ向かうよう延在する入力側プロペラシャフト4を包套する中空であるため、出力側プロペラシャフト7が、前記した実施例と同様の主旨で変速機2の側へ(クラッチハウジング12内に)移設したクラッチ(断接機構)Coと軸線方向において干渉する場合の本発明の適用例である。
なお図8において、図1〜図4におけると同じ符号を付して示した部分はそれぞれ、前記したと同様に機能するものとする。
出力軸21からの変速後の回転を、一方では出力軸21の後端(本発明の第2出力部に相当)からディファレンシャルギヤ装置5を経て左右後輪6に向かわせ、他方では出力軸21の前端(本発明の第1出力部に相当)から迂回歯車列47、前輪伝達トルク制御クラッチ(トルク配分要素)48、出力側プロペラシャフト7、チェーン伝動機構52、およびディファレンシャルギヤ装置8を経て左右前輪9に向かわせる。
かくて、出力側プロペラシャフト7がクラッチ(断接機構)Coと軸線方向において干渉する場合も、本発明の着想を同様に適用して同様の作用効果を達成することができる。
従って、出力軸歯車45が迂回歯車列47の入力歯車を成し、プロペラシャフト側歯車55が迂回歯車列47の出力歯車を成す。
{(Zc1’/Zc1)・(Zc2/Zc2’)}・{[(Zdr1/Zdr2)・Rr]/[(Zdf1/Zdf2)・Rf]}
≦1.01・・・(2)
のようなものとなり、本実施例においてはこの(2)式が満足されるよう構成することで、前記した実施例におけると同様な対応する作用効果が奏し得られる。
2 変速機
3 トランクフロアパネル
4 入力側プロペラシャフト
5 後輪用ディファレンシャルギヤ装置
5a 終減速機出力軸側歯車
5b 終減速機車輪側歯車
6 左右後輪
7 出力側プロペラシャフト
8 前輪用ディファレンシャルギヤ装置
8a 終減速機出力軸側歯車
8b 終減速機車輪側歯車
9 左右前輪
11 変速機ケース
12 クラッチハウジング
Co,C1,C2 自動クラッチ(断接機構)
13 オイルポンプ
15 第1入力軸
16 第2入力軸
21 出力軸(第1出力部、第2出力部)
G1,G2,G3,G4,G5,G6,GR 歯車組
35 1速−後退用同期噛合機構
36 3速−5速用同期噛合機構
43 第6速同期噛合機構
44 2速−4速用同期噛合機構
45 出力軸歯車(迂回歯車列の入力歯車)
46 カウンター入力ギヤ(迂回歯車列の出力歯車)
47 迂回歯車列
48 前輪伝達トルク制御クラッチ(断接機構)
49 排気管
50 車体フロアパネル
51 入力軸
52 チェーン伝動機構
53 カウンターシャフト
54 カウンター出力ギヤ
55 プロペラシャフト側歯車(迂回歯車列の出力歯車)
Claims (7)
- 原動機および変速機を車両の前後に分離して搭載し、
この変速機は、断接機構および入力側プロペラシャフトを介して前記原動機の回転を入力される入力軸と、この入力回転を歯車変速機構により変速した後の出力回転を、原動機に近い変速機の端部から出力する第1出力部、および、原動機から遠い変速機の端部から出力する第2出力部とを有し、
第1出力部を、出力側プロペラシャフトを介して原動機に近い側の左右輪にそれぞれ駆動結合し、
第2出力部を、変速機に近い側の左右輪にそれぞれ駆動結合した4輪駆動車両のパワートレーンにおいて、
前記断接機構を前記入力側プロペラシャフトおよび変速機入力軸間に配置し、
前記第1出力部の回転を、前記断接機構の外周を迂回して前記出力側プロペラシャフトに伝達する迂回歯車列を、前記第1出力部と出力側プロペラシャフトとの間に設けたことを特徴とする4輪駆動車両のパワートレーン。 - 請求項1に記載の4輪駆動車両のパワートレーンにおいて、
前記迂回歯車列は、前記第1出力部の回転を前記出力側プロペラシャフトへ減速下に伝達するものであることを特徴とする4輪駆動車両のパワートレーン。 - 請求項1または2に記載の4輪駆動車両のパワートレーンにおいて、
前記迂回歯車列は、前記第1出力部に回転結合した出力軸歯車と、この出力軸歯車に直接噛合させたカウンター入力ギヤとよりなる減速歯車組で構成し、
該カウンター入力ギヤの軸線方向に回転を取り出して前記出力側プロペラシャフトに向かわせるものであることを特徴とする4輪駆動車両のパワートレーン。 - 請求項1または2に記載の4輪駆動車両のパワートレーンにおいて、
前記迂回歯車列は、前記第1出力部に回転結合した出力軸歯車と、この出力軸歯車に直接噛合させたカウンター入力ギヤと、該カウンター入力ギヤと共に回転するカウンター出力ギヤと、このカウンター出力ギヤに直接噛合させた入力歯車とよりなる減速歯車組で構成し、
該入力歯車の軸線方向に回転を取り出して前記出力側プロペラシャフトに向かわせるものであることを特徴とする4輪駆動車両のパワートレーン。 - 請求項3または4に記載の4輪駆動車両のパワートレーンにおいて、
前記カウンター入力ギヤから前記出力側プロペラシャフトへ向かう伝達トルクを制御して前後輪トルク配分を決定するトルク配分要素を設け、
前記変速機入力軸およびカウンター入力ギヤとの間の軸間距離を、前記断接機構の外径およびトルク配分要素の外径の和の半分よりも大きくして、前記トルク配分要素を前記断接機構に並置したことを特徴とする4輪駆動車両のパワートレーン。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の4輪駆動車両のパワートレーンにおいて、
前記第2出力部を変速機に近い側の左右輪に駆動結合する終減速機の出力軸側歯車歯数をZdr1、車輪側歯車歯数をZdr2とし、
前記第1出力部から延在する前記出力側プロペラシャフトを原動機に近い側の左右輪に駆動結合する終減速機のプロペラシャフト側歯車歯数をZdf1、車輪側歯車歯数をZdf2とし、
前記迂回歯車列の入力歯車の歯数をZc1、出力歯車の歯数をZc2とし、
変速機に近い側の左右輪の動半径をRr、原動機に近い側の左右輪の動半径をRfとしたとき、
(Zc2/Zc1)・{[(Zdr1/Zdr2)・Rr]/[(Zdf1/Zdf2)・Rf]}≦1.01
が満足されるよう構成したことを特徴とする4輪駆動車両のパワートレーン。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の4輪駆動車両のパワートレーンにおいて、
原動機を車両の前部に、また、変速機を車両の後部にそれぞれ分離して搭載し、
前記第1出力部を、出力側プロペラシャフトを介して左右前輪にそれぞれ駆動結合し、
前記第2出力部を左右後輪にそれぞれ駆動結合したことを特徴とする4輪駆動車両のパワートレーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004256925A JP4581569B2 (ja) | 2004-09-03 | 2004-09-03 | 4輪駆動車両のパワートレーン |
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