JP2006066144A - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】前面板と背面板との間でプライミング放電を安定して発生させることで、高精細化した場合でもアドレス特性が安定したPDPを提供する。
【解決手段】第1の基板1上に互いに平行となるように配置した第1電極4および第2電極5と、第1の基板1に放電空間3を挟んで対向配置される第2の基板2上に第1電極4および第2電極5と直交する方向に配置した第3電極10と、第2の基板2上に第1電極4および第2電極5と平行に配置した第4電極15と、放電空間3を区画する隔壁とを有し、隔壁により、第1電極4および第2電極5と第3電極10との立体交差部に主放電セルを形成するとともに第4電極15上にプライミングセルを形成し、プライミングセルにおける第4電極15側に、2次電子を放出する材料層18を設けたプラズマディスプレイパネルを製造する際に、材料層18を大気中で形成する。
【選択図】図1
【解決手段】第1の基板1上に互いに平行となるように配置した第1電極4および第2電極5と、第1の基板1に放電空間3を挟んで対向配置される第2の基板2上に第1電極4および第2電極5と直交する方向に配置した第3電極10と、第2の基板2上に第1電極4および第2電極5と平行に配置した第4電極15と、放電空間3を区画する隔壁とを有し、隔壁により、第1電極4および第2電極5と第3電極10との立体交差部に主放電セルを形成するとともに第4電極15上にプライミングセルを形成し、プライミングセルにおける第4電極15側に、2次電子を放出する材料層18を設けたプラズマディスプレイパネルを製造する際に、材料層18を大気中で形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、壁掛けテレビや大型モニターに用いられるプラズマディスプレイパネルの製造方法に関する。
AC型として代表的な交流面放電型のプラズマディスプレイパネル(PDP)は、ガラス基板上に面放電を行う走査電極および維持電極を配列し、これらの電極を誘電体層で覆い、さらにこの誘電体層の上に保護層を形成してなる前面板と、ガラス基板上に誘電体層で覆われたデータ電極を配列し、誘電体層上に隔壁および蛍光体層を形成してなる背面板とを、走査電極および維持電極とデータ電極とがマトリックスを組むように平行に対向配置し、その外周部をガラスフリットなどの封着材によって封着することにより構成されている。そして、ガラス基板間には放電空間が形成され、放電空間にはネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの希ガスが放電ガスとして封入されている。このような構成のPDPにおいては、ガス放電により紫外線を発生させ、この紫外線でR、G、Bの各色に発光する蛍光体層を励起して発光させることによりカラー表示を行っている(特許文献1参照)。
このPDPは、1フィールド期間を複数のサブフィールドに分割し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって駆動し階調表示を行う。各サブフィールドは初期化期間、アドレス期間および維持期間からなる。画像データを表示するためには、初期化期間、アドレス期間および維持期間でそれぞれ異なる信号波形を各電極に印加している。
初期化期間には、例えば、正極性のパルス電圧を全ての走査電極に印加し、走査電極および維持電極を覆う誘電体層上の保護層および蛍光体層上に必要な壁電荷を蓄積する。
アドレス期間では、全ての走査電極に、順次負極性の走査パルスを印加することにより走査し、表示データがある場合、走査電極を走査している間に、データ電極に正極性のデータパルスを印加すると、走査電極とデータ電極との間でアドレス放電が起こり、走査電極上の保護層の表面に壁電荷が形成される。このようにして書き込み動作が行われる。
続く維持期間では、一定の期間、走査電極と維持電極との間に放電を維持するのに十分な電圧を印加する。これにより、走査電極と維持電極との間に放電プラズマが生成され、一定の期間、蛍光体層を励起発光させる。アドレス期間においてデータパルスが印加されなかった放電空間では、放電は発生せず蛍光体層の励起発光は起こらない。
このようなPDPでは、アドレス期間の放電に大きな放電遅れが発生し、書き込み動作が不安定になる、あるいは書き込み動作を完全に行うために書き込み時間を長く設定しアドレス期間に費やす時間が大きくなりすぎるといった問題があった。これらの問題を解決するために、前面板に補助放電電極を設け前面板側の面内補助放電によって生じたプライミング放電によって放電遅れを小さくするPDPとその駆動方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−195990号公報
特開2002−297091号公報
しかしながら、このようなPDPにおいて、高精細化してライン数が増えたときには、さらにアドレス期間に費やす時間が長くなり、維持期間に費やす時間を減らさなければならず、高精細化したときに輝度の確保が難しいという問題が生じる。さらに、高輝度・高効率化を達成するために、キセノン分圧を上げた場合においても放電開始電圧が上昇し、放電遅れが大きくなりアドレス特性が悪化してしまうという問題があった。また、アドレス特性はプロセスの影響も大きいため、アドレス時の放電遅れを小さくしてアドレス時間を短くすることが求められている。
このような要求に対し、従来の前面板面内でプライミング放電を行うPDPは、アドレス時の放電遅れを十分に短縮できない、あるいは補助放電の動作マージンが小さい、誤放電を誘発して動作が不安定であるなどの課題があった。また、補助放電が前面板の面内で行われるために隣接する放電セルへプライミングに必要な粒子以上のプライミング粒子が供給されてクロストークを生じるなどの課題があった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、前面板と背面板との間でプライミング放電を安定して発生させることで、高精細化した場合でもアドレス特性が安定したPDPを提供することを目的とする。
このような目的を達成するために、本発明は、第1の基板上に互いに平行となるように配置した第1電極および第2電極と、前記第1の基板に放電空間を挟んで対向配置される第2の基板上に前記第1電極および前記第2電極と直交する方向に配置した第3電極と、前記第2の基板上に前記第1電極および前記第2電極と平行に配置した第4電極と、前記放電空間を区画する隔壁とを有し、前記隔壁により、前記第1電極および前記第2電極と前記第3電極との立体交差部に主放電セルを形成するとともに前記第4電極上にプライミングセルを形成し、前記プライミングセルにおける前記第4電極側に2次電子を放出する材料層を設けたプラズマディスプレイパネルを製造する際に、前記材料層を大気中で形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
本発明によれば、前面板と背面板との間でプライミング放電を安定して発生させることで、高精細化した場合でもアドレス特性が安定したPDPを得ることができる。
本発明の請求項1に記載の発明は、第1の基板上に互いに平行となるように配置した第1電極および第2電極と、前記第1の基板に放電空間を挟んで対向配置される第2の基板上に前記第1電極および前記第2電極と直交する方向に配置した第3電極と、前記第2の基板上に前記第1電極および前記第2電極と平行に配置した第4電極と、前記放電空間を区画する隔壁とを有し、前記隔壁により、前記第1電極および前記第2電極と前記第3電極との立体交差部に主放電セルを形成するとともに前記第4電極上にプライミングセルを形成し、前記プライミングセルにおける前記第4電極側に2次電子を放出する材料層を設けたプラズマディスプレイパネルを製造する際に、前記材料層を大気中で形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、材料層をスクリーン印刷法により形成することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、材料層をゾルゲル法により形成することを特徴とする。
以下、本発明の一実施の形態におけるPDPについて、図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態1におけるPDPを示す断面図、図2は第1の基板である前面基板側の電極配列を模式的に示す平面図、図3は第2の基板である背面基板側を模式的に示す斜視図であり、図4はその平面図である。
図1に示すように、第1の基板であるガラス製の前面基板1と、第2の基板であるガラス製の背面基板2とが放電空間3を挟んで対向して配置され、その放電空間3には放電によって紫外線を放射する放電ガスとして、ネオンおよびキセノンなどが封入されている。前面基板1上には、対を成す走査電極(第1電極)4と維持電極(第2電極)5とからなるストライプ状の電極が、互いに平行となるように配置されている。この走査電極4および維持電極5は、それぞれ透明電極4a、5aと、この透明電極4a、5a上に重なるように形成されかつ導電性を高めるための銀などからなる金属母線4b、5bとから構成されている。また、図1、図2に示すように、走査電極4と維持電極5とは、走査電極4−走査電極4−維持電極5−維持電極5・・・となるように2本ずつ交互に配列され、また、隣り合う2つの走査電極4の間と隣り合う2つの維持電極5の間には発光時のコントラストを高めるための光吸収層6が設けられており、さらに隣り合う2つの走査電極4の間には光吸収層6上に補助電極7が形成されている。補助電極7は、PDPの端部にある非表示部において、隣接する2つの走査電極4のうちの一方と接続されている。そして、走査電極4、維持電極5、光吸収層6および補助電極7を覆うように前面基板1上に誘電体層8が形成され、この誘電体層8上に保護層9が形成されている。
また、図1、図3および図4に示すように、背面基板2上には、走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数のストライプ状のデータ電極(第3電極)10が互いに平行となるように配置されている。また、背面基板2上には、走査電極4および維持電極5とデータ電極10との立体交差部に形成される複数の放電セルを区画するための隔壁11が形成されている。隔壁11は、前面基板1に設けられた走査電極4および維持電極5と直交する方向、すなわちデータ電極10と平行な方向に延びる縦壁部11aと、この縦壁部11aに交差するように設けて第1の放電空間であるセル空間12を形成し、かつセル空間12の間に隙間部13を形成する横壁部11bとで構成されている。セル空間12には蛍光体層14が設けられ主放電セルが形成されている。すなわち、主放電セルは走査電極4および維持電極5とデータ電極10との立体交差部に形成されている。
また、図3に示すように、背面基板2の隙間部13はデータ電極10と直交する方向に連続的に形成され、走査電極4同士が隣り合う部分に対応する隙間部13にのみ、前面基板1と背面基板2との間で放電を生じさせるための第4電極であるプライミング電極15がデータ電極10と直交する方向に形成され、第2の放電空間であるプライミングセルを形成している。すなわち、プライミングセルはプライミング電極15上に形成されている。プライミング電極15は、データ電極10を覆う誘電体層16上に形成され、さらにプライミング電極15を覆うように誘電体層17が形成されており、この誘電体層17上に隔壁11および蛍光体層14が形成されている。したがって、プライミング電極15はデータ電極10よりも隙間部13に近い位置に形成されている。この構成により、補助電極7と、背面基板2側に形成されたプライミング電極15との間でプライミング放電が行われる。なお、プライミング電極15と補助電極7は、互いに平行であるが、図1のC−C線に示すように、それぞれの中心線がA方向に対して一致するように形成するのが望ましい。
また、本実施の形態では、図1に示すように、第2の放電空間である背面基板2上のプライミングセルにおいて、プライミング電極15を覆う誘電体層17上に2次電子放出係数の大きい材料層18が略均一な膜厚に形成されている。材料層18はMgOにより形成されている。したがって、材料層18は、プライミング電極15と補助電極7との間に電圧を印加した場合に、材料層18からプライミングセル内に効果的に2次電子を放出する機能を有している。この結果、本実施の形態では、プライミングセルの長手方向に連続して形成された材料層18からプライミングセル内に略均一かつ効果的に2次電子を供給することにより、細長い形状を有するプライミングセルにおけるプライミング放電のバラツキを抑制し、各セル空間12に対して均一なプライミング放電を発生させることができる。また、プライミング放電の発生をむらなく促進し、プライミング放電に印加すべき電圧を低減することができる。
なお、本実施の形態では、誘電体層17によりプライミング電極15を被覆しているが、誘電体層17を設けずに、プライミング電極15上に直接、材料層18を形成するようにしてもよい。この場合、隔壁11および蛍光体層14は誘電体層16上に直接形成する。
次に、PDPに画像データを表示させる方法について図5を用いて説明する。PDPを駆動する方法として、1フィールド期間を2進法に基づいた発光期間の重みを持った複数のサブフィールドに分割し、発光させるサブフィールドの組み合わせによって階調表示を行っている。各サブフィールドは初期化期間、アドレス期間および維持期間からなる。
図5は、本実施の形態におけるPDPを駆動するための駆動波形図である。まず、初期化期間において、正の電圧をすべての走査電極4に印加することにより補助電極7には走査電極4と同じ正の電圧が印加されるので、プライミング電極15が形成されたプライミングセルでは、補助電極7とプライミング電極15との間で初期化が行われる。
次のアドレス期間では、プライミング電極15には正の電圧Vprが印加される。このため、プライミングセルにおいては、走査電極Ynに走査パルスSPnが印加されたとき、プライミング電極15と補助電極7との間でプライミング放電が発生する。そして、走査パルスSPnの印加タイミングに合わせて所望のデータ電極10にデータパルス電圧Vdを印加するとアドレス放電が発生する。このときのアドレス放電は、プライミング放電によって発生しやすくなり、アドレス時の放電遅れは小さくなる。
次に、n+1番目の放電セルの走査電極Yn+1に走査パルスSPn+1が印加されるが、このときには直前にプライミング放電が起こっているために、n+1番目の放電セルのアドレス時の放電遅れも小さくなる。これらの動作を全ての走査電極4について順次行うことにより書き込み動作が行われる。
次の維持期間では、全ての走査電極Yi(i=1、2・・・)と全ての維持電極Xとに交互に維持パルスを印加することにより、主放電セルにおいて維持放電を発生させ、この維持放電によって発生する紫外線によって蛍光体層14を励起発光させることにより表示を行う。
なお、ここでは、或る1サブフィールドの駆動シーケンスのみの説明を行ったが、他のサブフィールドにおける動作原理も同様である。図5に示す駆動波形において、アドレス期間にプライミング電極15に正の電圧を印加することによって、上述した動作をより確実に起こすことができる。また、アドレス期間におけるプライミング電極15の印加電圧は、データ電極に印加するデータ電圧値よりも大きな値に設定するのが望ましい。
このようにして、本実施の形態では、プライミング放電は、前面基板1に設けられた補助電極7と背面基板2に設けられたプライミング電極15との間で上下方向に発生し、しかも、背面基板2上のプライミングセルに2次電子放出係数の大きな材料層18を形成することにより、補助電極7とプライミング電極15の2つの電極間において材料層18から2次電子を放出させ、プライミングセル内に2次電子を供給することによりプライミング放電の発生を均一化したうえ、放電を促進することができる。したがって、従来同様の動作マージンを確保しつつ、放電電圧を低減することにより放電の強度を小さくし、例えば、クロストークなどのプライミング放電による他への影響を抑制することができる。また、従来と同じ放電電圧とする場合は、従来よりも放電の動作マージンを大きくすることができる。もちろん、印加電圧を調整することにより、クロストークの抑制効果と動作マージン増大の効果を併用することもできる。このことにより、高精細度のPDPにおいても、アドレス特性をより安定化させることができる。
次に、本実施の形態によるPDPの製造方法について、特に背面基板2上に形成する方法について説明する。
まず、前面基板1上に真空蒸着法により透明電極4a、5aを形成し、その透明電極4a、5a上に金属母線4b、5bを形成する。そして、前面基板1上に光吸収層6を形成し、その上に補助電極7を形成する。金属母線4b、5b、光吸収層6および補助電極7は印刷、露光、現像を行うことにより形成される。その後、それらを覆うように印刷やダイコートにより誘電体層8を形成し、その誘電体層8上に真空蒸着法により保護層9を形成する。
また、背面基板2上にデータ電極10を形成し、それを覆うように誘電体層16を形成する。続いて誘電体層16上にプライミング電極15を形成し、それを覆うように誘電体層17を形成する。この誘電体層17上に隔壁11を形成し、次に蛍光体層14を形成する。その後、誘電体層17上に材料層18を形成する。データ電極10、プライミング電極15、隔壁11については印刷、露光、現像を行うことにより形成される。また、誘電体層16、17は印刷やダイコートにより形成され、蛍光体層14は印刷などにより形成される。材料層18の形成方法については後述する。
以上のようにして所定の構成部材が形成された背面基板2において、その背面基板2の外周部にガラスフリットを形成した後、前面基板1と対向配置し、ガラスフリットを溶融させることにより封着する。その後、放電空間3を排気してから放電ガスを封入し封じることによりPDPが得られる。
次に、背面基板2上に形成された誘電体層17の上に材料層18を形成する方法について説明する。材料層18は上記のように隔壁11、蛍光体層14を形成した後で形成するため、隔壁11の厚みのために真空蒸着法で材料層18を形成するのは困難である。このため、次のような方法で材料層18を形成する。
まず、水酸化マグネシウムの粉末を電気炉の中で空気を流しながら650℃で2時間加熱し、熱分解反応により、酸化マグネシウムの粉末を作製する。次にこの粉末を数ミクロン以下に粉砕し、バインダであるエチルセルロースと有機溶剤を混ぜて、3本ローラにより十分混練してペーストを作製する。次にこのペーストを誘電体層17の表面にスクリーン印刷法により塗布する。スクリーン印刷版はメッシュ300を用いた。次に100℃で10分間、乾燥した後、570℃で20分焼成を行う。この結果、プライミングセルにおける誘電体層17上には、MgOからなる材料層18が形成される。これらの工程は全て大気中で行われ、真空装置を用いることはない。
ところで、前面基板1上に設ける保護層9は真空蒸着法によって形成するのに対して、上記のように背面基板2上に設ける材料層18はスクリーン印刷法によって形成する。通常、スクリーン印刷法で作製された保護層9を有するPDPは、真空蒸着法で形成された保護層9を有するPDPに比べ放電電圧が高く、放電遅れも大きくなる。すなわち、スクリーン印刷法を用いた場合には、大気中に存在する水分や炭酸ガスと反応し、MgO粉末の表面に水酸化物や炭酸塩に変質すること、また、スクリーン印刷後、焼成時にペースト中に存在するカーボンや水分と反応し、同様にMgOの表面に水酸化物や炭酸塩を作るために放電電圧が高く、放電遅れも大きくなる。このため、保護層9については、通常は真空蒸着法を用いて形成する。
ところが、材料層18が放電発生に必要な2次電子を放出する陰極として作用するのは図5に示した初期化期間においてであり、この初期化期間では放電を発生させるために充分大きな電圧を印加しており、また電圧を印加する時間も放電遅れが影響するような短い時間ではない。このため、材料層18をスクリーン印刷法で形成した場合でもプライミングセルでの放電は安定して発生するので、PDPを安定して動作させることができる。
また、材料層18を形成する方法として大気中で成膜するゾルゲルのディッピング法やスプレー法などを用いてもよく、次にその方法について説明する。
まず、塩化マグネシウム水溶液にアンモニア水を混合し水酸化マグネシウムの沈殿物を作る。次にこの沈殿物をろ過し、純水で洗浄し、この沈殿物に純水と酢酸を加え加熱し、水酸化マグネシウムのゾル状のコーティング液を作製する。すなわち、マグネシウム化合物の加水分解反応により作製された水酸化マグネシウムゾルを含むコーティング液を作製する。次に、このコーティング液をディッピング法により誘電体層17の表面に塗布し、120℃で1時間乾燥させてから500℃で2時間焼成し、材料層18であるMgOの薄膜を形成する。このように、ゾルゲル法を用いて材料層18を形成することができる。
このゾルゲル法もスクリーン印刷法と同様に大気中で行われるため、大気中の水分や炭酸ガスと反応し、材料層18であるMgOの表面が改質されることになるが、上記のように材料層18が放電発生に必要な2次電子を放出する陰極として作用するのは図5に示した初期化期間においてであるので、材料層18をゾルゲル法で形成した場合でもプライミングセルでの放電は安定して発生するので、PDPを安定して動作させることができる。
なお、上記実施の形態では材料層18としてMgOを用いる場合について説明したが、プライミング構造を持つPDPの材料層18を大気中で形成できるものならばよく、例えば材料層18としてTiO2などを用いてもよい。
以上のように本発明によれば、前面基板と背面基板との間でプライミング放電を安定して発生させることで、高精細化した場合でもアドレス特性が安定したPDPを得ることができ、このようなPDPを製造する際に有用である。
1 前面基板
2 背面基板
3 放電空間
4 走査電極
5 維持電極
6 光吸収層
7 補助電極
8、16、17 誘電体層
9 保護層
10 データ電極
11 隔壁
12 セル空間
13 隙間部
14 蛍光体層
15 プライミング電極
18 材料層
2 背面基板
3 放電空間
4 走査電極
5 維持電極
6 光吸収層
7 補助電極
8、16、17 誘電体層
9 保護層
10 データ電極
11 隔壁
12 セル空間
13 隙間部
14 蛍光体層
15 プライミング電極
18 材料層
Claims (3)
- 第1の基板上に互いに平行となるように配置した第1電極および第2電極と、前記第1の基板に放電空間を挟んで対向配置される第2の基板上に前記第1電極および前記第2電極と直交する方向に配置した第3電極と、前記第2の基板上に前記第1電極および前記第2電極と平行に配置した第4電極と、前記放電空間を区画する隔壁とを有し、前記隔壁により、前記第1電極および前記第2電極と前記第3電極との立体交差部に主放電セルを形成するとともに前記第4電極上にプライミングセルを形成し、前記プライミングセルにおける前記第4電極側に2次電子を放出する材料層を設けたプラズマディスプレイパネルを製造する際に、前記材料層を大気中で形成することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 材料層をスクリーン印刷法により形成することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 材料層をゾルゲル法により形成することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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JP2004245613A JP2006066144A (ja) | 2004-08-25 | 2004-08-25 | プラズマディスプレイパネルの製造方法 |
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