JP2006065149A - 電子写真感光体の製造方法、及び製造装置 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法、及び製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スプレー塗工によってOPC等の電子写真装置の部品を製造する際に、塗工欠陥がなく、電子写真装置用部品として要求される電気特性の低下や変化もない電子写真装置用部品(ドラム状やベルト状のOPC電子写真感光体、その他)を提供する。
【解決手段】スプレー塗工ブース内に被塗工物を置き、これを回転させながらスプレーガンでスプレー塗工を行なって被塗工物表面に塗膜を形成する電子写真感光体の製造装置であって、該塗工ブース内に被塗工物の表面を除塵する機能を有する除塵手段と、塗工ブース内のエアーを排気する排気手段を有し、前記除塵手段は、スプレーガン又はエアーノズルであり、前記被塗工物の塗工直前に、回転させた該被塗工物の表面を除塵する機能を有するものであることを特徴とする電子写真感光体の製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真用基体へのスプレー塗工方法、電子写真感光体のスプレー塗工方法、電子写真感光体の製造方法に関し、更に詳しくはスプレー塗工による電子写真感光体の製造方法及び製造装置、電子写真感光体に関するものである。更に、このような電子写真感光体を用いた電子写真装置、プロセスカートリッジ、電子写真方法に関する。
電子写真装置は複写機、プリンタ等として広く実用化されているが、近年はその高解像度化、フルカラー化が進展している。高解像度化について述べると、従来は600dpiであった解像度が1200dpiあるいはそれ以上が要求されるようになっている。またカラーもフルカラーとして、銀塩に迫るフルカラーが要求されている。
これらの高解像度化、あるいはフルカラー化した電子写真装置では、画像形成に直接かかわる部品も従来より高い品質が求められている。例えば、電子写真感光体は静電潜像を形成したのち、トナーを付着させてトナーで像を形成する重要な部品であるが、この欠陥は静電潜像、及びトナー像に直接悪影響を与えるので、均一で欠陥の無いことが求められている。
電子写真感光体はアモルファスシリコン等を使用した無機感光体と、有機光半導体を使用した有機感光体(以下OPCと略す)がある。有機感光体は塗工によって製造することが可能であり、塗膜の構成と各塗膜の成分、厚さによって特性を制御できるので、広く使用されている。塗工により、電子写真感光体としてのシート状基体、あるいはドラム状基体の上に機能性膜を形成して作成する。この機能性膜の作製方法として、一般的には浸漬塗工、スプレー塗工が使用されている。浸漬塗工では、基体を風船状のチャックや機械的にチャックする方法により塗工する方法が多く用いられている。浸漬塗工では一度に多くの基体を塗工出きる利点があるが、多量の液を使用しなれればならない問題がある。また、基体の種類、層構成が増えるとその対応のために多くの設備改造、段取り替えが発生する。さらに少量多品種を塗工する場合には非常に不向きである。
スプレー塗工はベルト以外にも、ドラム状感光体基体の塗工にも利用されており、特許文献1では、外周面に円筒状導電性基体を装着できる円筒管3を、スプレー塗工ブース1内に水平方向に支持し、回転駆動部4により回転可能とする。円筒管に加熱・強制冷却装置を内装し、スプレーノズル2を、円筒管の軸線方向に走査可能に設ける。感光体の製造に際しては、基体を円筒管に装着し、スプレーノズル2による所定の塗布処理を行つた後、基体を円筒管に装着したまま、加熱・強制冷却装置により、加熱・乾燥、ついで強制冷却を行なうことで生産性向上を提案している。
スプレー塗工は、特許文献2で説明しているように、塗工ブース内に被塗工物を置き、これを回転させながら、塗工ガンから塗工液を噴霧して被塗工物の表面に付着させ、塗膜を形成する方法である。
OPCは導電性基体上に塗工で作成するが、塗工法としてはいわゆる浸漬塗工と、特許文献2で開示されているスプレー塗工が使用されている。
一部のOPCでは、導電性基体上に浸漬塗工で下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を形成し、この上に保護層をスプレー塗工で作成することも行なわれている。
スプレー塗工は、このようにOPCの製造に用いられているが、電子写真装置の他の部品、例えば、転写ローラー、転写ベルト、定着ローラー、定着ベルト等の製造にも使用されており、浸漬塗工に比べ少ない塗工液量で塗膜を形成できるので、近年は広く使用されるようになってきた。
特許文献3では、基体内部に通電により赤外線を発する棒状のハロゲンランプを設け、これをヒーターとすることによって、スプレー終了後一定時間加熱しながら周回させることにより、塗工後の予備乾燥の時間を短縮し、生産性を高めることを提案している。
また、特許文献4では、1層塗工当たり2回以上のオシレートでスプレー塗工により形成する電子写真感光体の製造方法でオシレートとオシレートの間に予備乾燥時間を設けることにより不均一な塗膜、塗膜のタレ、気泡の発生が無く生産性が向上することが提案されている。
また、塗膜欠陥の原因であるスプレーガン先の塊付着対策として特許文献5では、スプレーガンを塗膜形成後、形成領域外に移動し、スプレーガンの先端にキャップをあてがい、洗浄液をノズルからエアー噴出穴を通じてノズル先端を洗浄する方法が提案されている。
ここで、スプレー塗工では、被塗工物をスプレーブースの中に置くが、スプレーブースには給排気口を備えており、HEPA、又はULPAフィルターで濾過したエアーを給気することで塗工ブース内をクリーンエアーで置換している。
スプレーガンから噴射されたスプレーミスト流は、被塗工物に当たり塗膜を形成した後、付着しなかったミストが給気口から排気口に向かう気流の流れに沿って排出される。この排出口は、通例スプレーガンが噴霧する方向が、あるいは、その下方に設けられる。よってブース内はより気流が整流化されるような形状とすることが望ましい。
スプレーブースの外もクリーンルームであるが、作業者によるワークの運搬のために、クリーンレベルが下がり、被塗工物の表面に埃、塵が付着し易い状態になりやすい。
以上から、スプレー工程間をスプレーブースで繋ぎ、機械搬送することで、被塗工物の表面に埃、塵が付着し易い状態を防止することが考えられるが、スプレーブース内に搬送機構を設けることはスプレーブース内の気流を乱す原因となり採用しにくい。
スプレーブースはこのような構造になって塗膜品質に関与すると考えられるが、電子写真感光体の製造に供するスプレーブースとして検討した従来技術は存在しなかった。
しかし、電子写真分野以外ではいくつか検討されており、例えば、スプレー塗工ブースに関するものとしては、特許文献6〜16が存在する。
本発明者は、近年の高解像度、及び、フルカラーで使用可能なOPCをスプレー塗工で製造する検討を行なっていたが、塗工ブース内外で付着するゴミ、繊維が原因と思われる塗工欠陥が発生し、満足する品質のOPCを安定して得ることができなかった。そして、この塗工欠陥は特許文献記載の技術によっても解決することはできなかった。
本発明者らの検討では、スプレー塗工前に、スプレーブース全体を溶剤で拭き洗浄し、かつ、30分以上時間を空けてからスプレー塗工することによって、始めの数本は欠陥の無い、あるいは極めて少ないOPCを得ることができるが、5本以上塗工後は、数本に1本の割合で欠陥の発生が認められるようになる。ここで、溶剤を使用して拭き洗浄を行なっても、その直後ではやはり塗工欠陥が発生し、塗工ブースの静置が必要になる。
しかし、この方法では安定して良好な塗膜品質のOPCを得ることはできず、大きな問題となっていた。
スプレー塗工を行なっている例は電子写真装置用部品以外で多くあり、利用できる技術を調査したが、スプレーミストの回収方法に関する発明は多く有るものの、発明者らが問題としている塗工欠陥の撲滅を目的としたスプレーブースの検討は無かった。
この利用はOPCでは塗膜の厚さは数μmから20μmであり、大きさ数μmの塗工欠陥が問題となるが、一般にスプレー塗工を使用している分野は塗膜は数倍の厚さがあり、問題とならないことが考えられる。
また、OPCでは塗膜に電子写真感光体としての電気特性を要求しているが、他の分野でスプレー塗工を使用している場合は、主として外観が重要であり、電気特性等を問われることはないことが考えられる。
また、これらのスプレー塗工方法においては加熱・乾燥・冷却中にスプレーガンが稼動しておらず、生産性の低下を招いている。また、加熱・乾燥・冷却中にスプレーが液を吐出していないために前に塗工した液が固まり次の塗工時にその塊が取れて電子写真感光体上に落ち塗膜欠陥になる。一方、充分な予備乾燥なしで加熱を行なっているため膜中に気泡を発生してしまい塗膜欠陥になったり、膜表面が荒れて画像にムラが発生する問題が発生している。
オシレートとオシレートの間に予備乾燥時間を設けることによる生産性の向上も塗工ブース、塗工タクトが充分に検討されていないため充分な設備稼働率による生産性の向上を達成されていない。塗膜欠陥対策のノズル先端洗浄方法は設備が複雑な上、生産性が非常に悪い。以上のことより、(1)生産性の低下、(2)スプレーガン先汚れによる塗膜欠陥の増加、(3)表面性の低下による画像ムラの発生の3点の問題があると云うことができ、これら3点はそのまま、本発明の課題として位置づけられる。
特開平8−15876号公報 特許第3286707号公報 特開平1−231056号公報 特開2003−91082号公報 特開2003−211064号公報 特開昭59−10269号公報 特開昭59−10270号公報 特開昭59−23870号公報 実公平01−43191号公報 実公平03−1085号公報 実開平05−18669号公報 実開平06−39152号公報 特開2000−225361号公報 特開2001−205155号公報 特開2001−239194号公報 特開2001−300370号公報
したがって、本発明の課題は、スプレー塗工によってOPC等の電子写真装置の部品を製造する際に、塗工欠陥がなく、電子写真装置用部品として要求される電気特性の低下や変化もない電子写真装置用部品(ドラム状やベルト状のOPC電子写真感光体、その他)を提供することである。また、本発明での塗工対象はOPCドラム、OPCベルト、転写ベルト、転写ローラ、定着ローラ、転写ベルトである。また、本発明の別の目的は、これら、電子写真感光体(OPCドラム、OPCベルト)、転写ベルト、転写ローラ、定着ローラ、転写ベルトの生産性の向上を達成して、塗膜欠陥、画像ムラの発生しないスプレー塗工による電子写真感光体の塗工装置、製造方法、電子写真感光体を提供することである。さらに、このような電子写真感光体を用いた電子写真方法、電子写真装置を提供することにある。
これら課題は、本発明により解決されるが、本発明は、理解の便宜上、第1の群の発明及び第2の群の発明に分けて捉えることができる。
〔第1の群の本発明〕
発明者は、前記のスプレー塗工における塗工欠陥の発生原因究明を行ない、塗工欠陥の原因として、被塗工物を塗工ブース内に設置する際に、事前に塗工ブース外で被塗工物表面を溶剤で拭き取り、又は0.5Mpaの圧縮エアーで20sec程度被塗工物表面の拭きつけ、除塵をしても、作業者のハンドリング時、人又は周囲雰囲気から被塗工物に付着した繊維、ゴミがスプレーブース内に持ちこまれることと、塗工ブース外の雰囲気内に浮遊している繊維、ゴミ等の異物が塗工ブース内に持ち込まれることにより、スプレー塗工時に被塗工物に付着したり、あるいは、一旦スプレーブースの内壁に付着した後、これが剥離し、被塗工物に付着して発生することを、確認した。
そして、発明者はその対策を検討し、本発明に至った。
すなわち、上記課題は第1の群の本発明の(1)「スプレー塗工ブース内に被塗工物を置き、これを回転させながらスプレーガンでスプレー塗工を行なって被塗工物表面に塗膜を形成する電子写真感光体の製造装置であって、該塗工ブース内に被塗工物の表面を除塵する機能を有する除塵手段と、塗工ブース内のエアーを排気する排気手段を有し、前記除塵手段は、スプレーガン又はエアーノズルであり、前記被塗工物の塗工直前に、回転させた該被塗工物の表面を除塵する機能を有するものであることを特徴とする電子写真感光体の製造装置」;
(2)「前記塗工ブース内のスプレーガンがエアースプレーガンであり、霧化エアー用吐出口のエアー圧力を塗工前と塗工時で切替えできるエアー圧力切替手段が配置されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(3)「前記塗工ブース内のスプレーガンに隣接して、エアー噴出手段が配置されており、該エアー噴出手段は前記スプレーガンの塗工液スプレーのための駆動系としても作動するものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(4)「前記被塗工物へのエアー吹付け完了が塗工開始前30秒以内であり、エアー吹付けから塗工開始までの間、該被塗工物の回転を止めないことを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(5)「前記エアー噴出手段の向きが、前記被塗工物の回転中心に向けて吹きつけるよう配置されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(6)「前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルのエアー吹出し方向が、該塗工ブースへの換気用エアーの給気方向に並行に配置されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」:
(7)「前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルが前記被塗工物の回転軸方向に沿って走査されることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(8)「前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルの走査方向に対し、該スプレーガンのエアー噴出手段又は該エアーノズルが垂直に配置されていることを特徴とする前記第(7)項に記載の電子写真感光体の製造装置」:
(9)「前記スプレーガンのエアー噴出手段先端又は前記エアーノズル先端と前記被塗工物間距離が、100mm以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(10)「被塗工物へのエアー吹付け速度を少なくとも200m/s以下とすることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(11)「エアー吹出し量が、塗工ブ−ス換気風量の1%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」;
(12)「塗工ブースの排気口が、吹きつけエアー方向と並行及び/又は垂直方向に向いて少なくとも1組以上配置されていることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体の製造装置」により達成される。
さらに、上記課題は、第1の群の本発明の(13)「スプレー塗工ブース内に被塗工物を置き、これを回転させながらスプレーガンでスプレー塗工を行なって被塗工物表面に塗膜を形成する電子写真感光体の製造方法であって、少なくとも該塗工ブース内に配置された被塗工物の表面を除塵する工程と、該塗工ブース内のエアーを排気する工程とを有し、前記除塵工程はスプレーガン又はエアーノズルにより前記被塗工物の表面にエアーを吹き付けることにより、前記被塗工物の塗工直前に、回転させた該被塗工物の表面を除塵するものであることを特徴とする電子写真感光体の製造方法」;
(14)「前記塗工ブース内のスプレーガンが、エアースプレーガンであり、霧化エアー用吐出口のエアー圧力が塗工前と塗工時で切替えできることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(15)「前記塗工ブース内のスプレーガンに隣接して、エアー噴出手段が配置されており、該エアー噴出手段は前記スプレーガンの塗工液スプレーのための駆動系としても作動するものであることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(16)「前記被塗工物へのエアー吹付け完了が塗工開始前30秒以内であり、エアー吹付けから塗工開始までの間、該被塗工物の回転を止めないことを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(17)「前記エアー噴出手段の向きが、前記被塗工物の回転中心に向けて吹きつけるよう配置されていることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(18)「前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルのエアー吹出し方向が、該塗工ブースへの換気用エアーの給気方向に並行に配置されていることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(19)「前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルが前記被塗工物の回転軸方向に沿って走査されることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(20)「前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルの走査方向に対し、該スプレーガンのエアー噴出手段又は該エアーノズルが垂直に配置されていることを特徴とする前記第(19)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(21)「前記スプレーガンのエアー噴出手段先端又は前記エアーノズル先端と前記被塗工物間距離が、100mm以下であることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(22)「被塗工物へのエアー吹付け速度を少なくとも200m/s以下とすることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(23)「エアー吹出し量が、塗工ブ−ス換気風量の1%以下であることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」;
(24)「塗工ブースの排気口が、吹きつけエアー方向と並行及び/又は垂直方向に向いて少なくとも1組以上配置されていることを特徴とする前記第(13)項に記載の電子写真感光体の製造方法」により達成される。
〔第2の群の本発明〕
また、上記課題は、第2の群の本発明の(25)「基体上にスプレー塗工で膜厚20μm以上の塗工層を形成する電子写真感光体の塗工方法であって、塗工ブース数をA、塗工タクトをB(秒)、予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係であることを特徴とする電子写真感光体の塗工方法」;
(26)「基体上にスプレー塗工で2層以上の塗工層を形成し、うち少なくとも1層が20μm以上である電子写真感光体の塗工方法であって、塗工ブース数をA、2層以上塗工の合計塗工タクトをB(秒)、2層以上の合計予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を各層当たり1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係であることを特徴とする電子写真感光体の塗工方法」;
(27)「前記予備乾燥中の回転数が60〜130rpmであることを特徴とする前記第(25)項又は第(26)項に記載の電子写真感光体の塗工方法」により達成される。
さらに、上記課題は、第2の群の本発明の(28)「基体上にスプレー塗工で膜厚20μm以上の塗工層を形成する電子写真感光体の塗工装置であって、塗工ブース数をA、塗工タクトをB(秒)、予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係にあることを特徴とする電子写真感光体の塗工装置」;
(29)「基体上にスプレー塗工で2層以上の塗工層を形成し、うち少なくとも1層が20μm以上である電子写真感光体の塗工装置であって、塗工ブース数をA、2層以上塗工の合計塗工タクトをB(秒)、2層以上の合計予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を各層当たり1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係であることを特徴とする電子写真感光体の塗工装置」;
(30)「前記予備乾燥中の回転数が60〜130rpmであることを特徴とする前記第(28)項又は第(29)項に記載の電子写真感光体の塗工装置」により達成される。
〔前記第1及び第2の群に共通する発明〕
さらに、本発明は、その好ましい態様として次の発明をも提供する。
(31)「前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真感光体の製造装置又は前記第(28)項乃至第(30)項のいずれかに記載の電子写真感光体の塗工装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法」;
(32)「前記第(25)項乃至第(27)項のいずれかに記載の電子写真感光体の塗工方法を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法」;
(33)「前記第(31)項又は第(32)項に記載の方法で作製されたことを特徴とする電子写真感光体」;
(34)「少なくとも帯電工程、画像露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が前記第(33)項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置」;
(35)「少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が前記第(33)項に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ」;
(36)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が前記第(33)項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置」;
(37)「少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が前記第(33)項に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ」;
(38)「少なくとも電子写真感光体に帯電工程、画像露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程および除電工程を施す電子写真方法であって、該電子写真感光体が前記第(33)項に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法」。
第1の群の本発明は、スプレー塗工によって電子写真装置用部品の塗膜形成を行なう製造方法、及び製造装置において、スプレー塗工直前に被塗工物表面のエアー吹付け、及び、微小塵埃やミスト随伴エアーの排気、により除塵をすることによって、塗工欠陥の発生を防ぐことを基本的な内容としており、スプレー塗工直前(例えば好ましくはスプレー塗工前30sec以内)に被塗工物表面に、適当なモード(好ましくは各請求項記載のようなモード)で、適当な圧縮(好ましくは0.2Mpa以上の)エアーを吹きつけることにより、被塗工物表面に付着した繊維、ゴミ異物を剥離させ、速やかに排気させることができ、塗工欠陥による塗膜欠陥、及び塗膜の荒れに起因する画像欠陥を低減できるを防止できると云う極めて優れた効果を奏する。
また、第2の群の本発明においては、基体上にスプレー塗工において膜厚20μm以上の電子写真感光体を作製する工程で塗工ブース数をA、塗工タクトをB、予備乾燥時間をCとするとき0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係になるように設定することにより、生産性が向上すると共にスプレーガンの汚れに起因する塗膜欠陥、及び塗膜の荒れに起因する画像欠陥を低減できると云う極めて優れた効果を奏する。
以下、図面に基いて本発明を詳細に説明する。
〔第1の群の本発明〕
図1は、第1の群の本発明の感光体製造装置の1例の概要を示すものである。図1の装置は、スプレー塗工ブース(100)内に置かれた電子写真感光体基体である被塗工物(1)は、これを保持し回転させる被塗工物回転手段(2)で回転させながら、スプレーガン(3)でスプレー塗工を行なって被塗工物表面に塗膜を形成する電子写真感光体の製造装置例であって、この装置例におけるスプレーガン(3)には、隣接付設されたエアー噴出手段(7)(除塵ノズル)が設けられているが、スプレーガン(3)はエアースプレーガンであることができ、エアー圧力を塗工前と塗工時で切替えできるエアー圧力切替手段を配置していることが好ましい。さらに、スプレーガン(3)がエアーのみを噴射できないものであるときにはスプレーガン(3)に隣接して又はスプレーガン(3)の近傍にエアーノズル(不図示)を設けることができ、又はスプレーガン(3)に同調して移動するエアーノズルを離れた箇所に設けることができる。スプレーガン(3)は、移動手段(4)により塗工物(1)の回転軸方向に沿って走査される。
スプレーガン(3)には、供給管(5)が接続されており、この供給管(5)を介して圧縮エアーがスプレーガン(3)に供給されるが、この供給管(5)の源方向には、供給されるエアーの圧力を調節するためのエアー圧力切替手段(不図示)が設けられている。エアー圧力切替手段は、スプレーガン(3)の塗工モード(例えば塗工前の除塵モード)のときと非塗工モードときとで、吐出口のエアー圧力を塗工前と塗工時で切替えることができる。供給管(5)は好ましくは、塗工液とエアーを別に供給できるようなデュアル構造部分を有するものであってもよい。
塗工ブース(100)の底部には給気手段(9)(不図示、図3に記載)による吹付けエアー方向と並行方向に向いた排気口(6)が、また、側部には吹付けエアー方向と垂直方向に向いた2つの排気口(8)が、それぞれ設けられているが、これら排気口(6)、(8)は少なくとも一方が設けられていることが好ましい。
図2は、本発明におけるエアー噴出手段、エアーノズル(7)の向きの1例を説明するものである。図2に示されるように、本発明においては、エアー噴出手段、エアーノズル(7)が被塗工物(1)の回転中心に向けて吹きつけるよう配置されていることが好ましく、エアー噴出手段、エアーノズル(7)の数は、1本に限られる訳ではない。また、スプレーガン(3)のエアー噴出手段又はエアーノズル(7)のエアー吹出し方向は、上記のように、給気手段(9)による塗工ブース(100)への換気用エアーの給気方向に並行に配置されていることが好ましい。また、スプレーガン(3)のエアー噴出手段又はエアーノズル(7)の走査方向に対し、該スプレーガン(3)のエアー噴出手段又は該エアーノズル(7)が垂直に配置されていることが好ましい。
また、本発明においては、スプレーガン(3)のエアー噴出手段先端又は前記エアーノズル(7)先端と被塗工物(1)間距離は、100mm以下であることが好ましく、被塗工物(1)へのエアー吹付け速度は少なくとも200m/s以下であることが好ましい。
さらに、エアー吹出し量は、塗工ブ−ス換気風量の1%以下であることが好ましい。また、本発明においては、被塗工物(1)へのエアー吹付け完了が塗工開始前30秒以内であることが好ましく、さらに、エアー吹付けから塗工開始までの間、該被塗工物の回転を止めないことが好ましい。
本発明の方法では、スプレー塗工ブース内に被塗工物を置き、これを回転させながらスプレーガンでスプレー塗工を行なって被塗工物表面に塗膜を形成する電子写真装置用部品の製造方法において、該スプレー塗工前30sec以内に被塗工物表面に0.2Mpa以上の圧縮エアーを吹きつけることにより、被塗工物表面に付着した繊維、ゴミ異物を剥離させ、速やかに排気させることができる。
除去効果は被塗工物表面に付着した繊維、ゴミ異物の周囲をマーキングした後に剥離させブラックライト照射による観察や、粘着テープによる異物収集にて容易に確認することができる。
本発明のように(図1参照)、塗工直前に被塗工物表面を除塵することにより、被塗工物表面に異物がついたままスプレー塗工して欠陥を作り出すことを防止することができる。直前に除塵しないと塗工前までに被塗工物に繊維、ゴミが付着することが防止できず、塗工欠陥になる問題がある。
また、本発明では(図1参照)、電子写真装置用部品の製造方法において、スプレー塗工を行なうガンに、エアースプレーガン(3)を用い、エアースプレーガンの構成部である、塗工液を霧化させるための圧縮エアー吐出口を、圧力制御することで除塵を行なうエアーとして兼用することができることを特徴としている。
この兼用化により塗工ブース内部の余計な構造物を増やさないので、塗工ブース内部のシンプル化が可能となる。
塗工ブース内の構造物が複雑であると給気口から排気口までの気流が乱流となり、気流淀み、その構造物への堆積により、繊維、ゴミ、排気ミストが速やかに排気されず欠陥異物の原因となったり、塗工後の塗膜の乾燥ムラを誘発し、均一な塗膜形成を阻害する問題が発生する。
さらに、本発明の電子写真装置用部品の製造方法では、スプレーガンがエアースプレーでない場合や塗工液の液性、スプレーガン形状によりガン先に塗工液カスが付着してしまい、給気手段(7)による除塵エアーとして、霧化エアーを使用時に付着した液カスを被塗工物に拭きつける恐れがある場合に有効となる。駆動系をスプレーガンと兼用とすることで、構造のシンプル化が可能となる。
前記のように、被塗工物のエアー除塵の完了から、塗工開始迄を30sec以内にすること、更に塗工開始まで被塗工物の回転を止めないことにより、除塵後の異物の再付着が抑えられる効果があり、被塗工物のエアー除塵を実施する場合(図2参照)、エアー吹出しノズルが被塗工物の回転中心に向けて吹付けするように、配置することにより、ごみ・繊維異物を効率よく除去することが可能となる。
除塵するエアーの吹付け方向が(図3参照)、スプレー塗工ブースに供給されるクリーンエアーの流れ方向と除塵エアーの流れ方向を平行に配置することにより、ブース内のクリーン度を保つことができ、除塵するエアーの吹出しノズルは軸方向に走査し(図4参照)、被塗工物を回転させることによって、ごみ・繊維異物を効率よく除去することが可能となる。
除塵するエー吹出しノズル取付位置は(図4参照)、ノズル走査方向に対して、垂直方向に配置されることにより、異物を効率よく排気方向へ除去することが可能となり、また、前記のように除塵するエアーノズルから被塗工物の距離は、100mm以下が除塵効率が良い(図5参照)。
除塵するエアーの吹付け速度は、200m/s以下が除塵効率が良好であり、好ましくは、30m/s〜150m/sが良い。200m/s以上の速度になると、被塗工物への異物付着が多く良品率を低下させる要因となる。
除塵するエアーの風量は、ブースに給気する風量に対して、5%未満の風量設定が好ましく、5%以上の風量になると、被塗工物への異物付着が多くなる問題が発生する。また、塗工ブース内におけるスプレーミストの排気口は、(図6参照)に示すように、給気方向に対して、排気方向が下方向及び垂直方向に配置され、スプレー塗工時に発生するミストを効率よく除去する。
以上説明したように、本発明の装置によって、被塗工物へのエアー除塵することにより異物付着を無くすことができる。さらに本発明においては、スプレー時に発生するミストの付着を防止するため、ミスト排気口を設置することにより、ミストを迅速にブース外へ排出することが可能となり、塗膜欠陥の発生を抑制できる。
本発明における塗工として、一部の層の塗工をスプレー塗工以外の塗工方法で形成しても良く、例えば、浸漬塗工法、リング塗工が利用可能である。
本発明において、スプレー塗工としては、二流体スプレー塗工が適しているが、一流体スプレー塗工も使用可能である。
本発明による塗工対象としては、電子写真感光体以外の電子写真装置用部品も可能であり、例えば、転写ローラ、あるいは、転写ベルトの製造の際のスプレー塗工による塗膜形成や、定着ローラ、あるいは、定着ベルトの製造におけるスプレー塗工による塗膜形成においても、塗膜欠陥の抑制が可能であり、均一で優れた品質の塗膜を形成できることから、問題なく適用可能である。
特に、近年の1200dpiあるいはそれ以上の高解像度な電子写真装置や、フルカラー出力可能な電子写真装置に使用される電子写真装置用部品のスプレー塗工に適している。
ここで、定着ベルトの場合を例に挙げると、ポリイミドフィルーム製ベルトにプラーマーをスプレー塗工し、更にその上にシリコン系樹脂をスプレー塗工等で塗工して作成するが、この塗工時に第1群の本発明はそのまま適用できる。
〔第2群の本発明〕
(塗工装置)
図7は、第2群の本発明により、ベルトの外表面にスプレー塗工を行なう1装置例の塗工部分を示した図である。図において、(1)は被加工物としての基体であり、これは基体保持治具(22)に取り付けられている。そして、(23)はボールネジ、(3)はスプレーガン、(5)はスプレーガン(3)に塗工液やスプレーアーを供給する配管(チューブ)である。塗工液は図示されていない塗工タンクからポンプで送液されてくる。また、塗工液は圧縮空気等で塗工液貯蔵タンクに圧力を加え、圧送されてくる場合もある。また、図示されていないが、塗工液を濾過するフィルタや流量計、粘度計もチューブ(5)に連なる送液配管系に取り付けられる場合もある。
この塗工装置は、仕切られたブース(不図示)が設置され、換気(給気、排気)が行われて、スプレーミストが周囲に飛散しないようになっている。図において、基体(1)は水平に取り付けられているが、垂直に取り付けられる場合もある。また、スプレーガン(3)と基体(1)の位置は塗膜仕上がりを見て設定すれば良い。
第2群の本発明における塗工ブースとは図7に示す基体(1)を投入できる場所であり、塗工ブースの数とは1つの塗工設備の中にある基体(1)を投入できる数とする。第2群の本発明における塗工タクトとは図7に示す基体(1)の投入からスプレーガン(3)にて塗工が終了して別のブースにスプレーガン(3)が移動するまでの時間(分)とする。予備乾燥時間とはスプレーガン(3)での塗工終了から基体を取り出すまでの時間(分)とする。
第2群の本発明においては、塗工ブース数Aと塗工タクトB及び予備乾燥時間Cの関係により、スプレーガン1の稼働率、塗工ブースの稼働率がそれぞれに影響されることになる。第2群の本発明において、スプレーガン及び塗工ブースの稼働率が最も高くなる場合として、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の式が成り立つときである。
例えば、B/(C/(A−1))が0.95より小さい場合、言い換えれば予備乾燥時間が長い場合はスプレーガンの停止している時間が長くなっていることをあらわしている。逆にB/(C/(A−1))が1.05より大きい場合、言い換えれば塗工タクトが長い場合は塗工ブース内に基体が停止しており塗工ブースとしての稼働率が低くなっていることをあらわしている。第2群の本発明において、理想的には上記式が1になるとスプレーガン及び塗工ブース共に稼働率100%となる。
具体的な例で説明すると塗工ブース数A=3、塗工タクトB=10分、予備乾燥時間C=20分とすると、B/(C/(A−1))=1となる。この場合、1つめの塗工ブースで塗工して後、2つめの塗工ブースで塗工し、3つめの塗工ブースで塗工することになる。塗工タクトは10分、また予備乾燥時間20分であるので2つめ、3つめで塗工終了と同時に1つめで塗工した電子写真感光体は予備乾燥時間が終了して、4本目の電子写真感光体を1つめの塗工ブースで塗工できることになる。これを繰り返すことにより、塗工ブース、スプレーガン共に稼働率が100%になることがわかる。
理想的には上記式が1であることが良いが0.95〜1.05の範囲であれば充分に効果がある。
また、2層以上の電子写真感光体を同じ塗工設備で作製する工程においても同様にスプレーガン及び塗工ブースの稼働率が最も高くなる場合として塗工ブース数をA、2層以上塗工の合計塗工タクトをB、2層以上の合計予備乾燥時間をC、スプレーガン数を各層当たり1個とするとき0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の式が成り立つときである。
しかし、膜厚20μm以上の塗工膜を均一化するためには塗工溶剤を揮発させるために充分な予備乾燥時間を取ることが必要となるが、上記関係式から塗工ブースの数が多くなり設備が大きくなる。そのため塗工ブースとしては2〜4程度であることが望ましい。
一方、予備乾燥時間を短くするためには予備乾燥中の回転数を上げて遠心力により溶剤を揮発させた方が有利であるが、回転数を上げすぎると電子写真感光体表面の表面性が悪くなりRmaxが大きくなることが確認されている。Rmaxとしては0.5μm以下が望ましい。0.5μmを超えると中間調画像においてムラが発生しやすくなる。
回転数が小さすぎると予備乾燥時間が長くなり生産性向上の目的を達成できなくなる。
そのため、予備乾燥中の回転数としては60〜130rpmであることが望ましい。
また、塗工タクトと予備乾燥時間のバランスが悪いとスプレーガンの液噴射の間隔が長いとスプレーガン先に塗料が乾燥してしまい塗料の塊が付着して次の塗工時にそれが基体に付着する塗膜欠陥が発生する。
そのため、塗料塊の塗膜欠陥を低減するには0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05が必要となる。この方法であれば、装置は複雑にならない。
〔電子写真感光体〕
図8に、第1、及び第2の群の本発明の電子写真感光体(ベルト(例))の全体図を示す。図において、(31)は感光体面、(32)は感光体面とは反対側の面である。
図9に、第1、及び第2の群の本発明の電子写真感光体(ベルト(例))の断面図を示す。
B及びCに示されるように、本発明における電子写真感光体の基体(11)上に設けられる感光層(33)は、例えば下引き層(12)、電荷発生層(13)、電荷輸送層(14)から構成(図B)され、或いは、さらに保護層(15)を含んで構成(図C)され、又は電荷発生層(13)と電荷輸送層(14)に機能分離してない単層構造のもであってもよく、或いは場合によってさらに図示しない中間層を例えば下引き層(12)と電荷発生層(13)の間、若しくは電荷輸送層(14)と保護層(15)の間に有していてもよく、したがって、第2の群の本発明における構成層とは、これら下引き層(12)、電荷発生層(13)、電荷輸送層(14)、保護層(15)、図示しない中間層等を意味する。第1、2の群の本発明の電子写真感光体は表面性が良くRmaxで0.5μm以下を達成している。また、塗工時の塗工ムラの発生が少ない利点がある。図では描かれていないが、ベルトの両側に寄り止めを行なうリブ状ガイドを設けてもよい。
図9に、第1、2の群の本発明の別の電子写真感光体例の断面図を示す。図において、(31)は感光体面、(32)は感光体面とは反対側の面、(33)は感光体層、(34)はニッケル層である。ここで、感光体層(33)は単層でも積層でも構わないが少なくとも1層以上が20μm以上の膜厚である。積層の例として、電荷発生層は電荷発生物質又は電荷発生物質と結着樹脂から構成され、膜厚は0.05〜3μmの範囲が好ましい。
電荷発生物質としては、例えばシーアイピグメントブルー25(カラーインデックスCI 21180)、シーアイピグメントレッド41(CI 21200)、シーアイシッドレッド52(CI 45100)、シーアイベーシックレッド3(CI 45210)、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルベンゼン骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料などのアゾ顔料;例えばシーアイピグメントブルー16(CI 74100)などのフタロシアニン系顔料;例えばシーアイバットブラウン(CI 73410)、シーアイバットダイ(CI 73030)などのインジゴ系顔料;アルゴールスカーレット5(バイエル社製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)などのペリレン系顔料、スクエリック染料、六方晶Se粉末などが挙げられる。
これらの電荷発生物質をテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロルエタンなどの溶媒と共に、ボールミル、アトライター、サンドミルなどの方法で粉砕、分散する。この時、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどの樹脂を結着剤として加えてもよい。
電荷輸送物質としては、主鎖又は側鎖にアントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳香族化合物又はインドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、トリアゾールなどの含窒素環式化合物を有する化合物、トリフェニルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、α−フェニルスチルベン化合物などが使用される。これら電荷輸送物質をポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂と共に、テトラヒドロフラン、シクロルヘキサノン、ジオキサン、ジクロルエタンなどの溶剤に溶解して電荷輸送層形成液を調製し、スプレー塗工し、予備乾燥を経た後本乾燥して電荷輸送層を形成する。
これまでは電子写真感光層が電荷発生層と電荷輸送層との積層タイプとしたもので説明してきたが、上記のように、本発明における電子写真感光層はもちろん単層のものであってもよい。また、必要に応じて導電性支持体とそれに隣接する電荷輸送層又は電荷発生層の間に下引き層、中間層を設けることもできる。その場合、電荷発生層の結着樹脂として挙げた樹脂の中から選ばれた材料を用いることができ、更に酸化チタン等の白色顔料やスルホン酸又はスルホン酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等のアニオン系導電性ポリマーを添加することもできる。この時、下引き層の上に積層される層の形成液に使用される溶剤に溶解しない材料を選択することが好ましい。
〔電子写真用プロセスカートリッジ〕
図10は、第1及び第2の群の本発明を実施するのに好適な電子写真用プロセスカートリッジの例であり、図において、(51)は電子写真感光体、(52)は現像機構、(53)は転写機構、(54)はクリーニング機構、(55)は帯電機構、(56)は定着機構、(57)は露光光を示しており、(58)はプロセスカートリッジのケースである。
〔電子写真装置〕
図11は、本発明を実施するのに好適な電子写真装置の例であり、図において、(51)は電子写真感光体、(52)は現像機構、(53)は転写機構、(54)はクリーニング機構、(55)は帯電機構、(56)は定着機構、(57)は露光光である。
〔第1の群の本発明〕
以下に、第1の群の本発明を実施例と比較例によって説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
サンプルの作製については、下記の方法にて実施した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL(大日本インキ化学工業社製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60(大日本インキ化学工業社製))10重量部をメチルエチルケトン150重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(タイペールCR−EL(石原産業社製))90重量部を加えボールミルで12時間分散した。これを容器に取り出し固形分が25重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈し、下引層用塗工液を作製した。
これをφ92mm、長さ410mm、厚み30μm、最大表面粗さ0.05μmのニッケルシームレスベルトに、表1に示す条件下でスプレー塗工法によって塗布した。
スプレーガンは、(株)メサック製の二流体スプレーを使用した。
スプレー塗工後に130℃20分間乾燥し、膜厚が6.5μm、有効画像領域の最大膜厚差が0.9μmの下引き層を形成した。
次にポリビニールブチラール樹脂(エスレックHL−S(積水化学工業社製))4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これを下記に示すトリスアゾ顔料10重量部を加え、ボールミルで48時間分散後、さらにシクロヘキサノン210重量部を加えて3時間分散を行なった。
Figure 2006065149
これを容器に取り出し固形分が1.5重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈した。
こうして得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に、表1に示す条件下でスプレー塗工法によって塗布後、145℃、30分間乾燥し、波長690nmの透過率4%で有効画像領域の最大透過率差が0.8%の電荷発生層を形成した。
スプレーガンは、(株)明治機械製作所製の二流体スプレーを使用した。
次に、テトラヒドロフラン83部に、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂10部、シリコンオイル(KF−50(信越化学工業社製))0.002部を溶解し、これに下記構造式の電荷輸送物質8部を加えて溶解させ、固形分が8重量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈し電荷輸送層用塗工液を作製した。
Figure 2006065149
こうして得られた電荷輸送層用塗工液を電荷発生層上に、表1に示す条件下でスプレー塗工法によって塗布した。
スプレーガンは、(株)明治機械製作所製の二流体スプレーを使用した。
スプレー塗工後、155℃、30分間乾燥し、膜厚25μm、有効画像領域の最大膜厚差1.2μmの電荷輸送層を形成した。その後、エンドレスベルト状感光体の長さが367mmになるよう両端をカットした。
以上のようにして、実施例1から4の電子写真感光体を、表1〜4に示す条件下でスプレー塗工し、各10本作製した。
なお、実施例1から4で得られた電子写真感光体の下引き層及び電荷輸送層の膜厚差は、支持体上に単独の膜を設け、渦電流式膜厚測定器(フィッシャー社製)により任意の測定点80点における膜厚を測定しその最大値と最小値の差とした。電荷発生層の透過率差は、透明PETフィルーム上に同様に単独の膜を設け、分光光度により690nmにおける透過率を任意の測定点60点について測定し、その最大値と最小値の差とした。
下引き層の膜厚は6.4μm、有効画像領域の最大膜厚差が0.9μmであった。
また、電荷輸送層の付着量は、波長690nmの透過率で示した場合、透過率は4%で有効画像領域の最大透過率差が0.8%であった。
また、電荷輸送層の膜厚は、膜厚25μm、有効画像領域の最大膜厚差1.2μmであった。
Figure 2006065149
△:塗膜欠陥による外観検査で白ポチを発見
○:外観に異常なし
エアー拭き付けから塗工開始までの時間が30secを境に短いほうが効果があった。
スプレーブース内の排気は被塗工物回りで0.4m/sの風速があることとした。
Figure 2006065149
△:塗膜欠陥による外観検査で白ポチを発見
○:外観に異常なし
スプレー塗工ブース内の排気を0.4m/sec以上することで、異物付着による塗膜欠陥を無くすことができた。
Figure 2006065149
△:塗膜欠陥による外観検査で白ポチを発見
○:外観に異常なし
エアー速度を150m/s以下にすることで、異物付着による塗膜欠陥を無くすことができ、良好な結果が得られた。
Figure 2006065149
×:塗膜欠陥による画像白ポチが発生
○:画像に異常なし
ミスト排気方法を下方向+横方向にすることで、異物付着による塗膜欠陥を無くすことができ、良好な結果が得られた。
(実施例の評価)
以上のようにして得られた実施例1〜4、の感光体を株式会社リコー製フルカラーレーザープリンターIPSIO Color 5000の改造機(λ=655nm、1200dpi、ビームスポット2.7×10−3mmに改造)を用いて、画像形成を行ない、画像の品質を目視で判定した。
なお、ハーフトーン画像は2×2のドット画像である。
画像評価結果を表5〜8に示す。
Figure 2006065149
Figure 2006065149
Figure 2006065149
Figure 2006065149
〔第2群の本発明〕
実施例5
1.下引き層塗工液の調整
下記材料をボールミルに入れ、ミリングし、これを希釈して下引き層塗工液を調整した。
ポリアミド樹脂 10部
酸化チタン 40部
シクロヘキサノン 50部
メチルエチルケトン 50部
2.下引き層の塗工
ニッケルベルトとして肉厚30μmのニッケルベルトを用意し、これを基体保持治具に取り付けた。次に図7に示すスプレー塗工装置で塗工を行ない、これを乾燥して厚さ3μmの下引き層を形成した。
(スプレー塗工条件)
ノズル:明治機械製 JFS
ノズル基体間距離:75mm
3.電荷発生層塗工液の調整
下記材料をボールミルに入れ、ミリングし、これを希釈して電荷発生層塗工液を調整した。
チタニルフタロシアニン 3部
ポリビニルブチラール樹脂 1部
シクロヘキサノン 250部
メチルエチルケトン 250部
(スプレー塗工条件)
ノズル:明治機械製 A100
ノズル基体間距離:60mm
4.電荷発生層の形成
スプレーガン以外は下引き層形成時と同様なスプレー塗工装置を使用して厚さ0.08μmの電荷発生層を形成した。
5.電荷輸送層塗工液の調整
下記材料を溶解し、これを濾過して電荷輸送層塗工液を調整した。
ポリカーボネート樹脂 10部
シリコーンオイル 0.02部
テトラヒドロフラン 60部
シクロヘキサノン 60部
下記構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 2006065149

(スプレー塗工条件)
ノズル:明治機械製 JFS
ノズル基体間距離:60mm
6.電荷輸送層の形成
スプレー塗工装置を使用して厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:9.7分,予備乾燥時間C:20分,予備乾燥中の回転数:150rpmとすると、
B/(C/(A−1))=0.97
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間0.3分/塗工ブース稼動停止時間0分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.65μm、塗膜欠陥は無かった。
8.画像評価
作製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク4であった。
実施例6
1〜5までは実施例5と同様である。
6.電荷輸送層の形成
スプレー塗工装置を使用して厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:9.7分,予備乾燥時間C:20分,予備乾燥中の回転数:100rpmとすると、
B/(C/(A−1))=0.97
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間0.3分/塗工ブース稼動停止時間0分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.41μm、塗膜欠陥は無かった。
8.画像評価
作製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク5であった。
実施例7
3及び5は実施例5と同様である。
6’.電荷発生層と電荷輸送層を同一塗工ブースにて形成する。
スプレー塗工装置を使用して電荷発生層0.08μm、電荷輸送層25μmを形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:117分,予備乾燥時間C:22分,予備乾燥中の回転数:130rpmとすると、
B/(C/(A−1))=1
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間0.3分/塗工ブース稼動停止時間0分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.57μm、塗膜欠陥は無かった。
8.画像評価
作製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク4であった。
実施例8
6’までの工程は実施例7と同様である。
6’.電荷発生層と電荷輸送層を同一塗工ブースにて形成する。
スプレー塗工装置を使用して電荷発生層0.08μm,電荷輸送層25μmを形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:117分,予備乾燥時間C:22分,予備乾燥中の回転数:100rpmとすると、
B/(C/(A−1))=1
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間0分/塗工ブース稼動停止時間0分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.38μm、塗膜欠陥は無かった。
8.画像評価
製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク5であった。
比較例1
1〜5までは実施例5と同様である。
6.電荷輸送層の形成
スプレー塗工装置を使用して厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:8.5分,予備乾燥時間C:20分,予備乾燥中の回転数:150rpmとすると、
B/(C/(A−1))=0.85
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間1.5分/塗工ブース稼動停止時間0分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.57μm、塗膜欠陥は5(個/本)発生した。
8.画像評価
作製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク4であった。
比較例2
1〜5までは実施例5と同様である。
6.電荷輸送層の形成
スプレー塗工装置を使用して厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:10分,予備乾燥時間C:16分,予備乾燥中の回転数:150rpmとすると、
B/(C/(A−1))=1.25
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間0分/塗工ブース稼動停止時間2分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.85μm、塗膜欠陥は無かった。
8.画像評価
作製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク3であった。
比較例3
1〜5までは実施例5と同様である。
6.電荷輸送層の形成
スプレー塗工装置を使用して厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:8.5分,予備乾燥時間C:20分,予備乾燥中の回転数:100rpmとすると、
B/(C/(A−1))=0.85
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間1.5分/塗工ブース稼動停止時間0分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.38μm、塗膜欠陥は5(個/本)発生した。
8.画像評価
作製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク5であった。
比較例4
1〜5までは実施例5と同様である。
6.電荷輸送層の形成
スプレー塗工装置を使用して厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
その時の塗工装置条件を示す。
塗工ブース数A:3,塗工タクトB:10分,予備乾燥時間C:16分,予備乾燥中の回転数:130rpmとすると、
B/(C/(A−1))=1.25
1本塗工当たりのスプレーガン停止時間0分/塗工ブース稼動停止時間2分
7.塗膜評価
このようにして作製した感光体の表面粗さRmax及び塗膜欠陥を評価した。
この時Rmax=0.49μm、塗膜欠陥は無かった。
8.画像評価
作製した電子写真感光体を図10で示した電子写真感光体を搭載した電子写真装置にて画像評価を行なった。画像評価は、7%文字パターン、中間調画像、白画像を各5枚出力した。
画像ムラ評価は5段階評価した結果、ランク4であった。
以上の結果をまとめて次表に示す。
Figure 2006065149
本発明を実施するのに好適なスプレー塗工装置の構成例を示す図である。 本発明を実施するのに好適なスプレー除塵ノズル位置の構成例を示す図である。 本発明を実施するのに好適なスプレー除塵ノズル位置の構成例を示す図である。 本発明を実施するのに好適なスプレー除塵走査方向の構成例を示す図である。 本発明を実施するのに好適なスプレー除塵ノズル位置の構成例を示す図である。 本発明を実施するのに好適なスプレー塗工装置の排気口位置の構成例を示す図である。 ベルトの外表面にスプレー塗工を行なう本発明の装置の構成図である。 本発明のベルト感光体を示す図である。 本発明の感光体の構成例の図である。 電子写真感光体を搭載した電子写真用プロセスカートリッジの一例を示す図である。 電子写真感光体を搭載した電子写真装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 被塗工物(基体)
2 被塗工物を保持し回転させる機構
3 スプレーガン
4 スプレーガンの往復運動手段
5 塗工液と圧縮空気の配管(チューブ)
6 被塗工物下側の排気口
7 除塵ノズル
8 被塗工物側面側の排気口
9 給気手段
11 基体(被加工物)
12 下引き層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 保護層
22 基体の保持治具
23 ボールネジ
31 電子写真感光体表面
32 電子写真感光体裏面
33 電子写真感光体層断面
34 ニッケル基体(被塗工物)
51 電子写真感光体
52 現像機構
53 転写機構
54 クリーニング機構
55 帯電機構
56 定着機構
57 露光
58 プロセスカートリッジのケース
100 塗工ブース

Claims (38)

  1. スプレー塗工ブース内に被塗工物を置き、これを回転させながらスプレーガンでスプレー塗工を行なって被塗工物表面に塗膜を形成する電子写真感光体の製造装置であって、該塗工ブース内に被塗工物の表面を除塵する機能を有する除塵手段と、塗工ブース内のエアーを排気する排気手段を有し、前記除塵手段は、スプレーガン又はエアーノズルであり、前記被塗工物の塗工直前に、回転させた該被塗工物の表面を除塵する機能を有するものであることを特徴とする電子写真感光体の製造装置。
  2. 前記塗工ブース内のスプレーガンがエアースプレーガンであり、霧化エアー用吐出口のエアー圧力を塗工前と塗工時で切替えできるエアー圧力切替手段が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  3. 前記塗工ブース内のスプレーガンに隣接して、エアー噴出手段が配置されており、該エアー噴出手段は前記スプレーガンの塗工液スプレーのための駆動系としても作動するものであることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  4. 前記被塗工物へのエアー吹付け完了が塗工開始前30秒以内であり、エアー吹付けから塗工開始までの間、該被塗工物の回転を止めないことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  5. 前記エアー噴出手段の向きが、前記被塗工物の回転中心に向けて吹きつけるよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  6. 前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルのエアー吹出し方向が、該塗工ブースへの換気用エアーの給気方向に並行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  7. 前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルが前記被塗工物の回転軸方向に沿って走査されることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  8. 前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルの走査方向に対し、該スプレーガンのエアー噴出手段又は該エアーノズルが垂直に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の電子写真感光体の製造装置。
  9. 前記スプレーガンのエアー噴出手段先端又は前記エアーノズル先端と前記被塗工物間距離が、100mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  10. 被塗工物へのエアー吹付け速度を少なくとも200m/s以下とすることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  11. エアー吹出し量が、塗工ブ−ス換気風量の1%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  12. 塗工ブースの排気口が、吹きつけエアー方向と並行及び/又は垂直方向に向いて少なくとも1組以上配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造装置。
  13. スプレー塗工ブース内に被塗工物を置き、これを回転させながらスプレーガンでスプレー塗工を行なって被塗工物表面に塗膜を形成する電子写真感光体の製造方法であって、少なくとも該塗工ブース内に配置された被塗工物の表面を除塵する工程と、該塗工ブース内のエアーを排気する工程とを有し、前記除塵工程はスプレーガン又はエアーノズルにより前記被塗工物の表面にエアーを吹き付けることにより、前記被塗工物の塗工直前に、回転させた該被塗工物の表面を除塵するものであることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  14. 前記塗工ブース内のスプレーガンが、エアースプレーガンであり、霧化エアー用吐出口のエアー圧力が塗工前と塗工時で切替えできることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 前記塗工ブース内のスプレーガンに隣接して、エアー噴出手段が配置されており、該エアー噴出手段は前記スプレーガンの塗工液スプレーのための駆動系としても作動するものであることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  16. 前記被塗工物へのエアー吹付け完了が塗工開始前30秒以内であり、エアー吹付けから塗工開始までの間、該被塗工物の回転を止めないことを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  17. 前記エアー噴出手段の向きが、前記被塗工物の回転中心に向けて吹きつけるよう配置されていることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  18. 前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルのエアー吹出し方向が、該塗工ブースへの換気用エアーの給気方向に並行に配置されていることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  19. 前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルが前記被塗工物の回転軸方向に沿って走査されることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  20. 前記スプレーガンのエアー噴出手段又は前記エアーノズルの走査方向に対し、該スプレーガンのエアー噴出手段又は該エアーノズルが垂直に配置されていることを特徴とする請求項19に記載の電子写真感光体の製造方法。
  21. 前記スプレーガンのエアー噴出手段先端又は前記エアーノズル先端と前記被塗工物間距離が、100mm以下であることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  22. 被塗工物へのエアー吹付け速度を少なくとも200m/s以下とすることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  23. エアー吹出し量が、塗工ブ−ス換気風量の1%以下であることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  24. 塗工ブースの排気口が、吹きつけエアー方向と並行及び/又は垂直方向に向いて少なくとも1組以上配置されていることを特徴とする請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  25. 基体上にスプレー塗工で膜厚20μm以上の塗工層を形成する電子写真感光体の塗工方法であって、塗工ブース数をA、塗工タクトをB(秒)、予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係であることを特徴とする電子写真感光体の塗工方法。
  26. 基体上にスプレー塗工で2層以上の塗工層を形成し、うち少なくとも1層が20μm以上である電子写真感光体の塗工方法であって、塗工ブース数をA、2層以上塗工の合計塗工タクトをB(秒)、2層以上の合計予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を各層当たり1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係であることを特徴とする電子写真感光体の塗工方法。
  27. 前記予備乾燥中の回転数が60〜130rpmであることを特徴とする請求項25又は26に記載の電子写真感光体の塗工方法。
  28. 基体上にスプレー塗工で膜厚20μm以上の塗工層を形成する電子写真感光体の塗工装置であって、塗工ブース数をA、塗工タクトをB(秒)、予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係にあることを特徴とする電子写真感光体の塗工装置。
  29. 基体上にスプレー塗工で2層以上の塗工層を形成し、うち少なくとも1層が20μm以上である電子写真感光体の塗工装置であって、塗工ブース数をA、2層以上塗工の合計塗工タクトをB(秒)、2層以上の合計予備乾燥時間をC(秒)、スプレーガン数を各層当たり1個とするとき、0.95≦B/(C/(A−1))≦1.05の関係であることを特徴とする電子写真感光体の塗工装置。
  30. 前記予備乾燥中の回転数が60〜130rpmであることを特徴とする請求項28又は29に記載の電子写真感光体の塗工装置。
  31. 請求項1乃至12のいずれかに記載の電子写真感光体の製造装置又は請求項28乃至30のいずれかに記載の電子写真感光体の塗工装置を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  32. 請求項25乃至27のいずれかに記載の電子写真感光体の塗工方法を用いることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  33. 請求項31又は32に記載の方法で作製されたことを特徴とする電子写真感光体。
  34. 少なくとも帯電工程、画像露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程、除電工程および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項33に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
  35. 少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項33に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  36. 少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項33に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置。
  37. 少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が請求項33に記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  38. 少なくとも電子写真感光体に帯電工程、画像露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程および除電工程を施す電子写真方法であって、該電子写真感光体が請求項33に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110965006A (zh) * 2019-12-30 2020-04-07 广东省新材料研究所 一种热喷涂内孔喷枪及内孔热喷涂方法与碳化钨涂层

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CN110965006A (zh) * 2019-12-30 2020-04-07 广东省新材料研究所 一种热喷涂内孔喷枪及内孔热喷涂方法与碳化钨涂层

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