JP2006061926A - レーザービームによる切断方法と該方法に用いるレーザービーム切断装置並びに前記方法により製造された物 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属板、合成樹脂製板等の薄板状体をレーザービームによって切断する際、低出力のレーザービームを使用しながら、切断部エッジのバリの発生を抑制し、或いは防止することの出来るレーザービームによる切断方法と該方法に用いるレーザービーム切断装置を提供すること。
【解決手段】集光レンズを用いたレーザービームによって薄板状体を切断する方法であって、前記薄板状体の上面に対して、レーザービームの切断に有効な有効エネルギー領域を斜めに照射し、前記薄板状体の切断された一方の切断下面が90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】集光レンズを用いたレーザービームによって薄板状体を切断する方法であって、前記薄板状体の上面に対して、レーザービームの切断に有効な有効エネルギー領域を斜めに照射し、前記薄板状体の切断された一方の切断下面が90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、金属板、紙製ノート、熱可塑性プラスチック板(カード類)等の薄板状体を切断するレーザービームによる切断方法と該方法に用いるレーザービーム切断装置並びに前記方法により製造された物に関する。
レーザーは、集光レンズを用いて高エネルギーのレーザービームを対象物に照射することにより、金属、合成樹脂、木材、その他の材質の切断を綺麗に行うことが出来ると共に昨今のコンピューター利用の制御技術の発達によって、その切断を精密に制御し易いところから、各種の産業分野において汎用されている。
レーザービームによる種々の素材の切断技術については、それが可能であるかどうかという段階は既に過ぎており、昨今は、切断対象物に適応した諸条件の克服(不活性ガスの併用等)と、より正確な切断、更には、より低コストでの切断作業をどのように行うかという問題に焦点が移っている。
特に、切断に際して綺麗な切断面を得ることが出来るところから、仕上げ工程を経ることなく、直ちに製品として用いることが出来るようにしたいという要望がある。
特に、切断に際して綺麗な切断面を得ることが出来るところから、仕上げ工程を経ることなく、直ちに製品として用いることが出来るようにしたいという要望がある。
こうしたレーザービームによる物の切断技術についての既存の技術を見ると、例えば、次ぎの如き特許文献に開示されている。
上述したレーザービームを用いた物の切断技術において、切断面が綺麗な状態で仕上がることは一般に知られているところであるが、切断部のエッジ、特に、レーザービームが貫通した側の面のエッジにバリが形成されることが多々あり、これを除去する作業工程が必要になるという問題がある。
殊に、金属板や合成樹脂製板等の切断物を溶融する切断においては、このエッジのバリが顕著に形成されることが解っている。
殊に、金属板や合成樹脂製板等の切断物を溶融する切断においては、このエッジのバリが顕著に形成されることが解っている。
従って、バリを除去する作業工程を無くし、或いは、そうした作業を軽減できるように、バリの発生を防止、或いは抑制できる切断技術の開発が求められている。
例えば、熱可塑性プラスチックで構成される銀行カード等のカード類をレーザービームで切断を行うと、高出力のレーザービームであれば、切断面の綺麗なカットと切断部エッジにバリの発生が殆ど無い切断が出来ることは解ったが、バリについては、必ず発生を防止できるとは限らず、多々見受けられるものである。
例えば、熱可塑性プラスチックで構成される銀行カード等のカード類をレーザービームで切断を行うと、高出力のレーザービームであれば、切断面の綺麗なカットと切断部エッジにバリの発生が殆ど無い切断が出来ることは解ったが、バリについては、必ず発生を防止できるとは限らず、多々見受けられるものである。
そして、切断作業の経済性(切断加工のコスト)を考慮して、レーザービームの出力を低下させると、上述したエッジのバリ発生が顕著に見られ、レーザービームの出力の高低がバリ発生の原因の一つであることが解った。
しかし、上述したように、高出力のレーザービームを使用する場合にもバリの発生が見られるところから、バリの発生がレーザービームの出力の高低のみに起因するものでないことも解っている。
従って、先ず、バリ発生のメカニズムを究明して、その対処策を講じると同時に低出力のレーザービームであっても、切断部のエッジにバリが発生しないようにするにはどのような手段を講じればよいかという問題がある。
しかし、上述したように、高出力のレーザービームを使用する場合にもバリの発生が見られるところから、バリの発生がレーザービームの出力の高低のみに起因するものでないことも解っている。
従って、先ず、バリ発生のメカニズムを究明して、その対処策を講じると同時に低出力のレーザービームであっても、切断部のエッジにバリが発生しないようにするにはどのような手段を講じればよいかという問題がある。
本発明は、上述の問題点に鑑み、金属板、合成樹脂製板等の薄板状体をレーザービームによって切断する際、低出力のレーザービームを使用しながら、切断部エッジのバリの発生を抑制し、或いは防止することの出来るレーザービームによる切断方法と該方法に用いるレーザービーム切断装置並びに前記方法により製造された物を提供することを目的とする。
本発明にかかるレーザービームによる切断方法は、上記課題を解決するべく、集光レンズを用いたレーザービームによって薄板状体を切断する方法であって、
前記薄板状体の上面に対して、レーザービームの切断に有効な有効エネルギー領域を斜めに照射し、
前記薄板状体の切断された一方の切断下面が90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成する、という手段を講じたものである。
前記薄板状体の上面に対して、レーザービームの切断に有効な有効エネルギー領域を斜めに照射し、
前記薄板状体の切断された一方の切断下面が90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成する、という手段を講じたものである。
更に、本発明にかかるレーザービーム切断装置は、上記目的を達成するために、上記切断方法に用いる2本のレーザービームを、前記薄板状体の切断された両方の切断下面が夫々鈍角となる切断エッジを形成するように、前記薄板状体に対して夫々所要の角度で照射するように構成する、という手段を講じたものである。
本発明の方法及び装置によれば、薄板状体を切断したときに、前記薄板状体の切断された一方の切断下面が90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成することにより、前記薄板状体の上面から下面に抜けるレーザービームが切断エッジを通過する際、前記薄板状体の切断に伴い発生するガスと溶融残渣(金属、プラスチック等)が下面のエッジに付着乃至滞留するのを、通常の直角のエッジに比べて引き剥がし易く、これによりバリの発生を未然に回避することが出来る。
即ち、切断が前記薄板状体の上面から下面に進行し、レーザービームが最後に薄板状体を貫通しての下面から下方に抜ける際、切断に伴う例えばプラスチック等の発生ガスと溶融残渣が、狭い切断スリットから抜けると同時に前記薄板状体の下面に沿って膨張、拡散しようとするが、この際、従来の切断の場合には、発生ガス及び溶融残渣が、直角エッジによって下方に流れるように矯正されるところから、その直角エッジの部分で渦流発生が顕著に表れ、エッジに付着の溶融残渣を引き剥がす力が弱くなるため、結果としてエッジの部分に溶融残渣が付着し、バリとして残ることになる。
しかし、本発明の方法及び装置によれば、エッジの部分が90度より大きく110度よりも小さい鈍角を形成するので、切断で発生したガス、溶融残渣は、切断スリットから下方に抜ける際、薄板状体の下面に沿って膨張、拡散しようとしたときに、これを容易に許容し、或いは助長することになるので、エッジの部分に生じる渦流の発生を極力抑えることができて、切断スリットからのガスが抜け出し、膨張し、拡散する際の噴出スピードを低下させることが殆どなく、その結果、エッジに付着しようとする溶融残渣を引き剥がす力を引き出すことが出来て、バリの発生を抑制し、或いは回避させることが出来るのである。
これによって、低出力のレーザービームを使用して切断加工の経済性を高めながら、従来のバリの除去作業工程を省き、或いは軽減させることができるという利点がある。
これによって、低出力のレーザービームを使用して切断加工の経済性を高めながら、従来のバリの除去作業工程を省き、或いは軽減させることができるという利点がある。
また、本発明の方法により製造された物は、90度より大きく110度よりも小さい鈍角を有するので、バリ発生もなく、また、バリ取り作業工程も不要な綺麗なエッジを有するものであり、手触りも良く、ATM、スキャナー等での使用に際して引っ掛かりや細かいバリの脱落もない、機器のトラブル発生を少なくする利点がある。
本発明の実施に際しては、前記薄板状体の上面に対するレーザービームの斜め照射を、レーザービームの中心軸を所定の角度に傾斜させることによって行うのが好ましい。ここに言うレーザービームの有効エネルギー領域とは、集光レンズに集光されたレーザービームで、切断を有効に行い得る実質的なビームの領域を言い、形状としては、集光レンズの焦点を中心として拡径するサイ頭円錐状を成す。
このように、レーザービームそのものを所定の角度に設定することは容易であると共に角度を所望の値に設定し易いという利点がある。
このように、レーザービームそのものを所定の角度に設定することは容易であると共に角度を所望の値に設定し易いという利点がある。
そして、前記薄板状体の上面に対するレーザービームの有効エネルギー領域の斜め照射を、レーザービームの集光レンズの焦点位置を前記薄板状体の上面よりも上方に設定することによって得られる、前記焦点通過後のレーザービームの拡散によるレーザービームの有効エネルギー領域の外郭線が中心軸に対して持つ傾斜によって得るようにするようにしても良い。
この場合は、集光レンズの焦点を中心として拡径する特性を利用して集光レンズの焦点位置を前記薄板状体の上面よりも上方に設定するだけで、実質的に、レーザービームの有効エネルギー領域の外郭線が中心軸に対して持つ傾斜が、そのまま前記薄板状体に対するビームの照射の傾斜とすることが出来るので、格別にレーザービームを傾斜させる手段を備えなくても実施できる利点がある。
この場合は、集光レンズの焦点を中心として拡径する特性を利用して集光レンズの焦点位置を前記薄板状体の上面よりも上方に設定するだけで、実質的に、レーザービームの有効エネルギー領域の外郭線が中心軸に対して持つ傾斜が、そのまま前記薄板状体に対するビームの照射の傾斜とすることが出来るので、格別にレーザービームを傾斜させる手段を備えなくても実施できる利点がある。
更に、前記薄板状体の上面に対するレーザービームの有効エネルギー領域の斜め照射を、それぞれ集光レンズを用いた2本のレーザービームが所定の交差角度でもってクロスされた状態で照射することによって行われるのが好ましい。
この場合、前記薄板状体に対しては、1本の切断スリットを形成しながら、切断された前記薄板状体の両側の下面の切断エッジに対するバリ発生を防止出来る。
尤も、前記2本のレーザービームの交差は、実施に際しては、互いがクロス部分で干渉する場合も、位相をズラして側面視でクロスさせる場合もあり、何れの方式を採っても良いものである。
この場合、前記薄板状体に対しては、1本の切断スリットを形成しながら、切断された前記薄板状体の両側の下面の切断エッジに対するバリ発生を防止出来る。
尤も、前記2本のレーザービームの交差は、実施に際しては、互いがクロス部分で干渉する場合も、位相をズラして側面視でクロスさせる場合もあり、何れの方式を採っても良いものである。
本発明において、薄板状体の切断された一方(又は両方)の切断下面の切断エッジの鈍角としては、90度以上110度以内とするのが好ましい。この角度範囲のエッジが形成されれば、薄板状体の厚みにもよるが、切断部に現れる傾斜断面が、視覚或いは触覚として垂直切断断面と殆ど差異が認められず、薄板状体がプラスチック板のキャッシュカードであったり、診察カードであったりした場合に、使用に際して違和感を伴うことがない。
本発明にかかるレーザービームによる切断方法と当該方法に用いるレーザービーム切断装置並びに前記方法により製造された物の実施例1について、図1及び図2を参照して詳述する。
ここでは、切断対象となる物として、薄板状体で素材にPETを用い、情報の担体としての所謂銀行のキャッシュカードに用いられる厚さ0.76mmのシート材が使用され、このカード本体1の切断が、図1及び図2に示すように、カード本体1の厚みt方向に通る垂線Vに対するカード本体1の表面側のレーザービーム2の中心軸2Aの入射角度αが90度よりも小さく、ここでは、85度とし、カード本体1の裏面側の切断角度βが90度よりも大きな鈍角、ここでは、98度となり、切断面としては傾斜された切断面Sが形成されるようにレーザービーム発生装置3自体を傾斜させて設けており、これによって、切断された一方のカード本体1の切断下面が鈍角となる切断エッジ5を形成する。
この実施例では、前記レーザービーム発生装置3は、集光レンズ3Aを用いた型のもので、出力300WのCO2レーザーであり、切断速度が5m/min.〜50m/min.の間で調節される構成のものであって、レーザービームの照射には、アシストガスとして、不活性ガス、ここでは、窒素ガスが噴射され、焼き切りに際して不測の溶解乃至延焼が拡大しないようにされている。そして、前記集光レンズ3Aの焦点fが、ここでは、カード本体1の表面から、0.38mm内方に設定されている。従って、前記焦点fから下方は、そのレーザービーム自体の拡散によるレーザービームの有効エネルギー領域の外郭線6の傾斜が、レーザービーム発生装置3の設定された本来のレーザービームの傾斜角度に合算され、その角度でもって、カード本体1の下面の鈍角の切断エッジ5が形成されることになる。
この実施例では、図1に示すように、前記レーザービーム発生装置3が、サーボ機構4によって、垂直軸芯に対して90度〜45度の範囲で、任意の角度に微細調節出来るように設けられている。前記サーボ機構4は、更に、前記レーザービーム発生装置3を垂直方向に位置調節自在に稼動するように構成されている。これによって、カード本体1の厚み変化等、距離要素の変化に対応させて相対位置を調節できる。尤も、集光レンズ3A自体の焦点調節によるカード本体1に対する焦点距離の変動は別途行われるもので、前述の垂直方向距離調節、傾斜角度調節とは別である。
尚、前記サーボ機構4に代えて、これらの動作を手動操作で行うように構成してもよく、傾斜角度調節については、例えば、レーザービーム発生装置3を水平軸回りに回動可能にする枢支構造と、回動位置を固定するラチェット機構、垂直方向距離調節については、例えば、ラックギアとピニオンギアの組み合わせといった機械要素を用いて、夫々ラチェット操作、ピニオンギアの回動操作を行えばよい。
この実施例2では、図3及び図4に示すように、薄板状体であるカード本体1の上面に対するレーザービームの有効エネルギー領域の斜め照射を、レーザービームの集光レンズの焦点fの位置を前記薄板状体の上面よりも上方に設定することによって得るようにしている点が実施例1と異なる。
この実施例で用いたレーザービーム発生装置3は、上記実施例1と同様の性能のものであるので、ここでの詳細は省略する。そして、この実施例では、前記焦点fの位置を、カード本体1の表面から、1.0mm離したところに設定している。
この実施例で用いたレーザービーム発生装置3は、上記実施例1と同様の性能のものであるので、ここでの詳細は省略する。そして、この実施例では、前記焦点fの位置を、カード本体1の表面から、1.0mm離したところに設定している。
要するに、この実施例2は、前記焦点通過後のレーザービームの拡散によるレーザービームの有効エネルギー領域(実際に切断可能なエネルギーレベルのビーム領域)の外郭線6がビームの中心軸に対して傾斜角度を持つという点に着眼し、実質的に切断を行う有効エネルギー領域の外郭線6の垂直線に対する傾き(傾斜角度)を利用しているものであり、従って、この実施例の場合には、実施例1のように、レーザービーム発生装置3を傾斜させるための格別のサーボ機構4を設ける必要はない。
図4に示すように、集光レンズ3Aの焦点fを、カード本体1の上面から、所定距離、例えば、1.0mm離して照射すると、カード本体1の内部に向かうに従って、有効エネルギー領域の外郭線6が広がるように変化するから、その広がり傾斜角度が上述した切断エッジの鈍角を形成することになる。
この切断方法において、切断エッジ5の鈍角を変更調節するには、最も簡単な方法は、前記レーザービーム発生装置3を垂直方向に移動調節して、その焦点fの位置を、前記カード本体1の表面より上に位置させるという条件の下で調節すれば良い。
この切断方法において、切断エッジ5の鈍角を変更調節するには、最も簡単な方法は、前記レーザービーム発生装置3を垂直方向に移動調節して、その焦点fの位置を、前記カード本体1の表面より上に位置させるという条件の下で調節すれば良い。
また、上述の方法以外に、前記レーザービームの有効エネルギー領域の外郭線6の広がり(傾斜角度)は、レーザービームの絞りをおおきくするとビームが大きな傾斜角度を持って細くなって、有効エネルギー領域の外郭線6の傾斜が大きくなり、緩めるとその傾斜角度は小さくなるのであるから、その集光レンズ3Aの絞り調節によっても達成可能であり、これによって、切断エッジ5の鈍角を調節することが出来る。
尤も、この実施例2のレーザービームの焦点fの位置を調節する方法と、実施例1のレーザービーム発生装置3の垂直移動によるレーザービームの焦点fの位置を調節する方法とを併用することは可能であり、本発明の目的を達成するために適宜行って良い。
尤も、この実施例2のレーザービームの焦点fの位置を調節する方法と、実施例1のレーザービーム発生装置3の垂直移動によるレーザービームの焦点fの位置を調節する方法とを併用することは可能であり、本発明の目的を達成するために適宜行って良い。
この実施例3は、薄板状体であるカード本体1の切断に際して、素材のプラスチックシート(板状体)に1本の切断スリットが形成される際に、その両側の切断下面の切断エッジ5が鈍角を持つように、2本のレーザービームをクロスさせて照射し、以って、切断された両側のシート本体1にバリが発生しないようにしたものである。即ち、1回の切断で、両側をシート本体1として用いることが出来るようにし、切断された他方のシート素材を廃棄することになる上記実施例1及び実施例2の片側商品化とは異なる。
この実施例3では、図5に示すように、レーザービーム発生装置3を2基設置して、そのビームがクロスするように照射する構成とされている。
ここでは、図6に示すように、各レーザービーム発生装置3の焦点fが、切断対象物であるカード本体1の厚みの略中間位置に設定され、ここで、両レーザービームがクロスしている。このクロスは、互いが干渉するのではなく、平面視で位相を僅かにずらしているもので、側面視においてクロスした状態となっている。
ここでは、図6に示すように、各レーザービーム発生装置3の焦点fが、切断対象物であるカード本体1の厚みの略中間位置に設定され、ここで、両レーザービームがクロスしている。このクロスは、互いが干渉するのではなく、平面視で位相を僅かにずらしているもので、側面視においてクロスした状態となっている。
この実施例3において、上述してきた切断エッジの鈍角を調節するのに2つの手段を備えている。
一つは、各レーザービーム発生装置3自体の傾斜姿勢を変更し、発射するレーザービームの角度を変える手段である。
もう一つは、各レーザービーム発生装置3自体の傾斜姿勢はそのままで、各レーザービーム発生装置3を垂直方向に移動させて、その焦点fの位置を、カード本体1の表面よりも上に位置させるという手段である。
一つは、各レーザービーム発生装置3自体の傾斜姿勢を変更し、発射するレーザービームの角度を変える手段である。
もう一つは、各レーザービーム発生装置3自体の傾斜姿勢はそのままで、各レーザービーム発生装置3を垂直方向に移動させて、その焦点fの位置を、カード本体1の表面よりも上に位置させるという手段である。
上記各レーザービーム発生装置3自体の傾斜姿勢を変更し、発射するレーザービームの角度を変える手段として、支持フレーム7に対する各レーザービーム発生装置3の取り付けを、各々水平軸回りに回動、固定自在とし、互いに連動連結されて、垂直軸に対してシンメトリックに作動して同じ傾斜角度が得られる構成が採用されている。
この構成として、図7に示すように、垂直に設けられた支持フレーム7に枢支軸8を設け、これに、一対のレーザービーム発生装置3を回動、固定自在に枢着し、且つ、前記枢支軸8よりも上方位置にウォームギヤ9を設け、これに噛み合う平ギヤ10を、ターンバックル11の本体11Aに設け、このターンバックル11の羅軸11B,11Bで前記一対のレーザービーム発生装置3の上部を互いに連結している。
この構成として、図7に示すように、垂直に設けられた支持フレーム7に枢支軸8を設け、これに、一対のレーザービーム発生装置3を回動、固定自在に枢着し、且つ、前記枢支軸8よりも上方位置にウォームギヤ9を設け、これに噛み合う平ギヤ10を、ターンバックル11の本体11Aに設け、このターンバックル11の羅軸11B,11Bで前記一対のレーザービーム発生装置3の上部を互いに連結している。
これにより、ウォームギヤ9の回転で平ギヤ10が回転し、これと一体のターンバックル11の本体11Aが回転すると、その両端にネジ係合された羅軸11B,11Bが互いに反対方向に直線運動し、これに連結された一対のレーザービーム発生装置3が、前記枢支軸8を中心として、互いに離間するように回動変位することになり、その結果、レーザービーム発生装置3の傾斜姿勢が調節されることになり、所望の傾斜角度のレーザービームを発射することが出来る。
もう一つの手段である、各レーザービーム発生装置3自体の傾斜姿勢はそのままで、各レーザービーム発生装置3を垂直方向に移動させて、その焦点fの位置を、カード本体1の表面よりも上に位置させるという手段については、実施例1において説明してきたレーザービーム発生装置3を垂直に変位させる機構を用いればよいが、この実施例では、図8に示すように、支持フレーム7の長さを調節する手段を採用している。
その構成として、支持フレーム7が上下に2分割、即ち、支持フレーム上部7A,,支持フレーム下部7Bとに分割され、互いを、上下方向の軸心を持つネジ軸12で連結し、該ネジ軸12を回動操作することで、支持フレーム7の長さ、即ち、切断位置のカード本体1に対する各レーザービーム発生装置3の位置(距離)を調節できるようにされている。
その構成として、支持フレーム7が上下に2分割、即ち、支持フレーム上部7A,,支持フレーム下部7Bとに分割され、互いを、上下方向の軸心を持つネジ軸12で連結し、該ネジ軸12を回動操作することで、支持フレーム7の長さ、即ち、切断位置のカード本体1に対する各レーザービーム発生装置3の位置(距離)を調節できるようにされている。
また、その他の手段として、例えば、一対のレーザービーム発生装置3の支持フレーム7への取り付け部材を、支持フレームに対して上下方向にスライドさせ、固定させる構成を採用することによっても適宜実施できるものである。
本発明の活用例として、物としては,実施例で取り上げた熱可塑性合成樹脂製の銀行カード,クレジットカード、メモリーカード、プリペイドカード(交通、電話等)、等に適応でき、その方法は、その他の産業分野における各種の金属板、木製板、紙製器具の切断作業において実施可能であるので、本発明の適用される産業分野は非常に広いものである。
1:カード本体
2:レーザービーム
2A:レーザービームの中心軸
3:レーザービーム発生装置
3A:集光レンズ
4:サーボ機構
5:切断エッジ
6:外郭線
7:支持フレーム
7A:支持フレーム上部
7B:支持フレーム下部
8:枢支軸
9:ウォームギヤ
10:平ギヤ
11:ターンバックル
11A:本体
11B:羅軸
12:ネジ軸
f:焦点
S:切断面
t:厚み
V::垂線
α:入射角度
β:切断角度
2:レーザービーム
2A:レーザービームの中心軸
3:レーザービーム発生装置
3A:集光レンズ
4:サーボ機構
5:切断エッジ
6:外郭線
7:支持フレーム
7A:支持フレーム上部
7B:支持フレーム下部
8:枢支軸
9:ウォームギヤ
10:平ギヤ
11:ターンバックル
11A:本体
11B:羅軸
12:ネジ軸
f:焦点
S:切断面
t:厚み
V::垂線
α:入射角度
β:切断角度
Claims (6)
- 集光レンズを用いたレーザービームによって薄板状体を切断する方法であって、
前記薄板状体の上面に対して、レーザービームの切断に有効な有効エネルギー領域を斜めに照射し、
前記薄板状体の切断された一方の切断下面が90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成する、
レーザービームによる切断方法。 - 前記薄板状体の上面に対するレーザービームの有効エネルギー領域の斜め照射を、レーザービームの中心軸を所定の角度に傾斜させることによって行う、
請求項1のレーザービームによる切断方法。 - 前記薄板状体の上面に対するレーザービームの有効エネルギー領域の斜め照射を、レーザービームの集光レンズの焦点位置を前記薄板状体の上面よりも上方に設定することによって得られる、前記焦点通過後のレーザービームの拡散によるレーザービームの外郭線が中心軸に対して持つ傾斜によって得るようにする、
請求項1のレーザービームによる切断方法。 - 前記薄板状体の上面に対するレーザービームの斜め照射を、それぞれ集光レンズを用いた2本のレーザービームが所定の交差角度でもってクロスされた状態で照射することによって行われる、
請求項1のレーザービームによる切断方法。 - 前記請求項4のレーザービームによる切断方法に用いる2本のレーザービームを、前記薄板状体の切断された両方の切断下面が夫々90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成するように、前記薄板状体に対して夫々所要の角度で照射するように構成されたレーザービーム切断装置。
- 請求項1乃至請求項5の方法によって製造された物であって、
薄板状体の切断された切断下面が90度より大きく110度よりも小さい鈍角となる切断エッジを形成する物。
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