JP2006056912A - ビタミン機能性材料、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
冷蔵庫の庫内にアタッチメント部材として設置することにより、生鮮食料品の鮮度低下の原因となる酸化劣化を抑制し、鮮度保持に寄与することができ、またエアコンや空気清浄機、加湿器などの吹出し口フィルターとして使用することにより、ビタミンエアーの放出により、室内の抗酸化作用や保湿効果などの環境改善効果を期待することができるビタミン機能性材料、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
通気孔2を形成したセラミック多孔構造体1にビタミン類を無機または有機化合物のバインダーにより付着保持してビタミン機能性材料を構成する。
【選択図】図1
Description
即ち、請求項1および請求項7に記載の発明によれば、多数の微細孔を有し表面積の大きい多孔質基材にビタミン類を保持させることにより、ビタミン類の含有量を増大させることができ、該ビタミン類を無機または有機化合物のバインダーを用いて保持しているので、その効能を長期的に維持することができる。
本発明に係るビタミン機能性材料は、多孔質基材にビタミン類を無機または有機化合物のバインダーにより含浸保持したものであり、以下、各構成要素について説明する。
多孔質基材としては、セラミックス材料、天然繊維材、合成繊維材及びパルプ材などを所望の大きさ、形状に加工したものを用いることができ、その他、多孔質で吸水特性を有する材料であればよい。ビタミン類を含浸させる基材としてこれらの多孔質材料を用いるのは、多孔質材料は多数の微細孔を有するので表面積が大きく、その表面のみならず微細孔中にもビタミン類を含浸させることができ、ビタミン類の含有量を増大させることができるからである。
また、冷蔵庫の庫内に設置するアタッチメント部材として使用する場合には、パイプ状、シート状、プリーツ状などに加工したもの挙げられるが、これに限るものではない。
ビタミン類の原料には、ビタミンC等のビタミン単体の他、ビタミン類の安定性を確保するための補助原料としてビタミン誘導体も含まれる。
ビタミンCの原料としては、例えば、L−アスコルビン酸が挙げられ、また補助原料としては、水溶性のL−アスコルビン酸誘導体である燐酸、ポリ燐酸エステルまたは該エステル金属塩が挙げられる。これら金属塩には、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、鉄などがある。
多孔質基材に含浸させるビタミン類の成分効能を長期的に維持するために、無機または有機化合物をビタミン原料に混合してビタミン類の保持力を有するをバインダーとして機能させる。
無機化合物としては、例えば、珪酸リチウムや珪酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸ジルコニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、エチルシリケート、シリカゾル、オルガノシリケートなどの珪酸塩、あるいは燐酸、ポリ燐酸、ウルトラポリ燐酸、燐酸アルミニウム、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウムなどの燐酸塩のうちの一種類または二種類以上から選択されるものを用いる。
ビタミン類を無機または有機化合物のバインダーで多孔質材料に固定させるのに、水中で使用したり、加湿されたり、過剰な水量と接触する環境では、多孔質基材に含浸保持したビタミン類に、金属イオンまたは金属酸化物を分散させることが好ましい。
このような用途に対応しうる金属としては、銅や銀、亜鉛、鉄、マグネシウム、白金などが挙げられる。
まず、基材として多数の微細孔を有するとともに、構造体として多数の通気孔を有する多孔構造体の製造について説明する。
ビタミン類としては、ビタミンC原料のL−アスコルビン酸の他、補助原料としてL−アスコルビン酸燐酸マグネシウムを用いる。また、無機化合物としては25%燐酸、40%コロイダルシリカを用い、金属添加物としては銀を用いる。
まず、本実施例のビタミン機能性材料の製造方法について説明する。
ビタミン類としては、ビタミンC原料のL−アスコルビン酸を用いる。また、無機化合物としては25%燐酸、40%珪酸リチウム、325meshゼオライトを用い、金属添加物としては銀を用いる。
ウレタンエマルション5重量部を混合した水溶液100重量部に、200メッシュ以下に粒度調整された高分子吸収材60重量部を加えて添着したコルゲートを製造した。これに、上記で製造したビタミン機能性材料10〜40重量部をウレタンエマルション100重量部に混合分散させたものを、10〜50g/m2の付着量にてコルゲートに添着加工した。それらを100〜105℃で24時間乾燥し、図3に示すようなビタミン担持高吸水性コルゲート11を得た。このビタミン担持高吸水性コルゲート(コルゲート多孔構造体)11は、略円板状を呈しており、多数の山形状の通気孔12が渦巻き状に形成されている。
図5は、シリカゲル等の多孔質セラミックスにビタミン類を含浸させた状態を示す概略図であり、0.1〜3μmφのシリカゲルの一粒子を示している。図示するように、シリカゲルの一粒子21内には多数の微細孔22が存在し、これら微細孔22内にビタミン成分23が含浸しており、それらの隙間には珪酸リチウムや燐酸カルシウム等の無機化合物の反応成分24が結合している。以下、これをビタミンセラミックスと称する。
2 矩形状の通気孔
11 コルゲート多孔構造体
12 山形状の通気孔
21 シリカゲルの一粒子
22 微細孔
23 ビタミン成分
24 無機化合物の反応成分
Claims (12)
- 多孔質基材にビタミン類を無機または有機化合物のバインダーにより付着保持したことを特徴とするビタミン機能性材料。
- 前記ビタミン類には、ビタミン単体の他、ビタミン誘導体も含まれることを特徴とする請求項1に記載のビタミン機能性材料。
- 前記無機化合物バインダーは、珪酸塩類、燐酸塩類のうちの一種類または二種類以上から選択されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のビタミン機能性材料。
- 前記有機化合物バインダーは、セルロース類、ポリビニルアルコール、エマルション類のうちの一種類または二種類以上から選択されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のビタミン機能性材料。
- 前記多孔質基材に付着保持したビタミン類に、金属イオンまたは金属酸化物の一種類もしくは二種類以上を分散させていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のビタミン機能性材料。
- 前記多孔質基材が複数の通気孔を有する多孔構造体として成型されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のビタミン機能性材料。
- ビタミン類に無機または有機化合物を加えた混合水溶液に多孔質基材を浸漬させて乾燥させた後に焼成して、多孔質基材にビタミン類を含浸保持させるようにしたことを特徴とするビタミン機能性材料の製造方法。
- 前記ビタミン類には、ビタミン単体の他、ビタミン誘導体も含まれることを特徴とする請求項7に記載のビタミン機能性材料の製造方法。
- 前記無機化合物は、珪酸塩類、燐酸塩類のうちの一種類または二種類以上から選択されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のビタミン機能性材料の製造方法。
- 前記有機化合物は、セルロース類、ポリビニルアルコール、エマルション類のうちの一種類または二種類以上から選択されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のビタミン機能性材料の製造方法。
- 前記多孔質基材を前記混合水溶液に浸漬させた後に、金属イオンまたは金属酸化物の一種類もしくは二種類以上を混合分散させた溶液に浸漬させ、これを乾燥させた後に焼成するようにしたことを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載のビタミン機能性材料の製造方法。
- 前記多孔質基材が複数の通気孔を有する多孔構造体として成型されていることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれかに記載のビタミン機能性材料の製造方法。
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