JP2006046221A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】
1回の燃料噴射期間中の噴射率を制御するための燃料噴射弁であって、噴射初期の間、燃料が他の噴射孔へリークしないよう摺動部分の長さをより多くとることを目的とする。
【解決手段】
大径円筒部とこの大径円筒部の先端より突出される円頂部を備える弁ボディ20と、弁ボディ20の内部に往復移動可能に収容され、大径円筒部に形成されている第1噴射孔30を開閉する第1ノズルニードル70と、第1ノズルニードル70の内部に往復移動可能に収容され、円頂部に形成されている第2噴射孔40を開閉する第2ノズルニードル80と、第2ノズルニードル80の側壁と円頂部の内壁とで形成される所定長さを有する摺動部140とを備え、摺動部140は、第2噴射孔40を開閉する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料噴射弁に関する。
ディーゼルエンジンの燃料噴射制御において、NOxまたは燃焼騒音の発生を低減させるために噴射率を制御し、燃料噴射弁の1回の燃料噴射を噴射初期の噴射量を少なく、噴射後期の噴射量を多くする。このような噴射特性をもつ燃料噴射弁として、例えば、特許文献1に記載されている燃料噴射弁が知られている。ここで噴射率は、単位時間当たりの噴射量を示す。
特許文献1に記載されている燃料噴射弁は、弁ボディの先端部に第1噴射孔および第2噴射孔と、1つのノズルニードルとを有している。第2噴射孔は、第1噴射孔よりも燃料下流に位置している。このノズルニードルの先端には、第1噴射孔を開閉するためのテーパ部と、第2噴射孔を開閉するための円柱部が形成されている。円柱部は、第1噴射孔と第2噴射孔との間に形成される嵌合部と摺動可能となっており、この円柱部と嵌合部とが摺動しているときは、燃料の第2噴射孔への流れが遮断される。
ノズルニードルが燃料噴射弁に導入される高圧燃料によって、リフトすると、まずテーパ部が弁ボディから離座し、第1噴射孔が開口され燃料が噴射される。このとき、第2噴射孔は円柱部と嵌合部とが摺動しているので、燃料が遮断され噴射されない(噴射初期)。さらに、ノズルニードルがリフトすると、円柱部が嵌合部から離れ、燃料が第2噴射孔を通って噴射される。このとき、第1噴射孔、および第2噴射孔の両噴射孔から燃料が噴射される(噴射後期)。このようにして、1回の燃料噴射期間中に噴射率を噴射初期と噴射後期とで変化させている。
特開昭59−147864号公報
しかし、上記従来技術の燃料噴射弁において、噴射初期における第2噴射孔への燃料の遮断は、ノズルニードルの円柱部と弁ボディの嵌合部との摺動部分で行っている。この摺動部分には、微小の隙間が形成されている。摺動部分の軸方向長さが短いと、この隙間から燃料が第2噴射孔へリークするおそれがあり、最適な燃料噴射ができなくなる可能性がある。
これに対し、摺動部分の軸方向長さを長くすることにより、この部分から第2噴射孔への燃料のリークを防止することが考えられるが、噴射初期から噴射後期へ切り替えるタイミングを最適なものとするためには、摺動部分の軸方向長さが制限されてしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、1回の燃料噴射期間中の噴射率を制御するための燃料噴射弁であって、噴射初期の間、燃料が他の噴射孔へリークしないよう摺動部分の長さをより多くとることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の燃料噴射弁は、弁ボディ内に導入された燃料の圧力により、ノズルニードルを往復移動させて弁ボディに形成されている噴射孔からの燃料の噴射を遮断、および噴射を許容する燃料噴射弁であって、大径円筒部とこの大径円筒部の先端より突出される円頂部を備える弁ボディと、弁ボディの内部に往復移動可能に収容され、大径円筒部に形成されている噴射孔としての第1噴射孔を開閉する第1ノズルニードルと、第1ノズルニードルの内部に往復移動可能に収容され、円頂部に形成されている第2噴射孔を開閉する第2ノズルニードルと、第2ノズルニードルの側壁と円頂部の内壁とで形成される所定長さを有する摺動部とを備え、摺動部は、第2噴射孔を開閉することを特徴とする。
請求項1に記載の燃料噴射弁によれば、第1、第2ノズルニードルを備え、それらのノズルニードルは、個別に第1、第2噴射孔を開閉する。第2ノズルニードルの側壁と弁ボディに形成されている円頂部の内壁とで形成される所定長さを有する摺動部によって、第2噴射孔が開閉される。このため、従来技術の1つのノズルニードルをもつ燃料噴射弁とは違い、2つのノズルニードルをもち、それらを個別に動作させているので、摺動部の長さを多く取ることができる。結果として、第1噴射孔から燃料を噴射している噴射初期の段階で、第2噴射孔への燃料のリークを防止することができる。
請求項2に記載の燃料噴射弁は、第2ノズルニードルの端面と円頂部の内壁との間に形成される空間と、弁ボディの内壁と第1ノズルニードルの側壁との間に形成される燃料通路とを備え、第2噴射孔は、第2ノズルニードルのリフト量が所定リフト量に達したとき、摺動部によって閉塞されている状態から開口する状態に切り替えられる位置に形成され、第2ノズルニードルの内部には、空間と燃料通路とを連通可能なニードル通路が形成されていることを特徴とする。
これにより、摺動部によって閉塞されている第2噴射孔が第2ノズルニードルのリフトによって開口される以前に、第2ノズルニードルに形成した燃料通路とノズルニードルの端面と円頂部の内壁の間に形成される空間(以下、サック室という)とを連通するニードル通路を介して燃料通路の燃料を予めサック室に導入しておくことができる。従って、第2噴射孔が開口すると同時に燃料通路と同じ燃料圧力を有した燃料を噴射させることができる。
請求項3に記載の燃料噴射弁では、ニードル通路は、第2噴射孔の開時と同期して空間と燃料通路とが連通することを特徴とする。請求項3に記載の燃料噴射弁によれば、サック室に燃料通路内の燃料を導入するタイミングを第2噴射孔の開時と同期させているので、第2噴射孔が開口するまでの間、サック室に燃料が導入されることを確実に阻止できる。従って、サック室と第2噴射孔との間に形成される摺動部から第2噴射孔への燃料のリークを確実に防止することができる。
請求項4に記載の燃料噴射弁は、第1ノズルニードルと第2ノズルニードルとの間に、第1ノズルニードルと第2ノズルニードルが相対運動することにより着座、離座するシール部が形成されていることを特徴とする。
ノズルニードルを2つ有する場合において、ノズルニードル間を余分な燃料が通り精度よく噴射することができなくなるおそれがある。請求項5に記載の燃料噴射弁によれば、第1ノズルニードルと第2ノズルニードルとの間にノズルニードルが相対運動することにより着座、離座するシール部が形成されているので、この間を通る燃料が第1噴射孔や第2噴射孔にリークすることが確実に防止できる。
請求項5に記載の燃料噴射弁は、空間に軟質部材が設けられることを特徴とする。請求項5に記載の燃料噴射弁によって、第2噴射孔が開口するまでの間、サック室に燃料通路の燃料が導入されることを阻止できる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1から図4に基づいて説明する。図1は、燃料噴射弁10の要部断面図である。図2は、第1噴射孔30が開口するときの要部断面図である。図3は、第1噴射孔30および第2噴射孔40が開弁するときの要部断面図である。図1は、燃料噴射停止時を示す。
図1に示す燃料噴射弁10は、図示しないエンジンのシリンダヘッドに挿入搭載され、エンジンの各気筒に燃料を直接噴射するように構成されている。図示しない燃料噴射ポンプから燃料配管を通って図示しないコモンレールに供給された高圧燃料は、コモンレール内で一定の高圧に蓄圧され、燃料配管を通って各気筒に配置された燃料噴射弁10に導入される。導入された燃料のうち余剰燃料は図示しない燃料タンクへ戻される。
なお、図示しない燃料噴射ポンプは、エンジンの回転数、負荷、吸入燃料圧力、吸入空気量、冷却水の温度等に従って燃料吐出圧を調整するように設けられている。
燃料噴射弁10の弁ボディ20は、大径円筒部21(以下、ボディ部と呼ぶ)と円頂部22(以下、サック部と呼ぶ)から構成される。ボディ部21は、底面にボディ端面23を有する。ボディ部21の内部には、コモンレールからの高圧の燃料が導入される燃料流入通路50、余剰燃料を燃料タンクに戻すためのリターン通路60、高圧燃料を溜めておく油溜室110、および第1噴射孔30が形成されている。
なお、第1噴射孔30は、ボディ端面23に形成されている。サック部22は、円頂状に形成されている。サック部22の開口側は、ボディ端面23に接続されている。サック部22は、サック側壁部24を有し、そこには、第2噴射孔40が形成されている。
燃料噴射弁10の弁ボディ20の内部には、中空円筒状の第1ノズルニードル70が往復移動可能な状態で収容されている。また、第1ノズルニードル70の内部には、略円柱状の第2ノズルニードル80が往復移動可能な状態で収容されている。
第1、第2ノズルニードル70、80の反噴射孔側端部とボディ部21との間には、第1、第2ノズルニードル70、80の噴射時期を制御する圧力制御室90が形成されている。第1ノズルニードル70の側面と油溜室110付近のボディ部21の内壁との間には、燃料流入通路50からの高圧燃料を第1、第2噴射孔30、40に供給する燃料通路100が形成されている。
圧力制御室90には、燃料流入通路50とリターン通路60とが接続され、その接続部には入口絞り91および出口絞り92が形成されている。リターン通路60途中には、出口絞り92の下流と燃料タンクとの連通、遮断を切り替えて、圧力制御室90内の燃料圧力を制御するための電磁弁160が設けられている。
これにより、燃料噴射弁10の噴射時期および噴射量を調整することができる。なお、入口絞り91、出口絞り92の流路断面の面積比を調整することにより、電磁弁160を開閉制御した時の圧力制御室90の燃料圧力の低下率もしくは上昇率を定めることができる。
図1に示すように、第1ノズルニードル70には、噴射孔側の内壁に弁座部71、噴射孔側のボディ端面23に着座可能な第1シート部72、高圧燃料の圧力を受ける第1受圧部73が形成されている。第1ノズルニードル70の反噴射孔側端部には、第1ノズルニードル70を噴射孔側に付勢する第1スプリング74が設けられている。
第1シート部72は、ボディ端面23に着座、離座することにより、第1噴射孔30の開閉を制御することができる。第1噴射孔30からは、燃料通路100からの高圧の燃料が噴射される。
第2ノズルニードル80には、噴射孔側から小径部82、大径部81が一体に形成されている。大径部81の噴射孔側端部には、第2シート部83と高圧燃料の圧力を受ける第2受圧部84が形成されている。大径部81の反噴射孔側端部には、第2ノズルニードル80を噴射孔側に付勢する第2スプリング85が設けられている。第2シート部83は、弁座部71に対向しており、弁座部71に着座可能である。第2シート部83が弁座部71に着座することにより、圧力制御室90内の高圧燃料が第1ノズルニードル70と第2ノズルニードル80との間を通って第1噴射孔30に漏れることを防止することができる。第2ノズルニードル80は、第1ノズルニードル70の内壁を摺動しつつ往復移動可能に収容されている。この摺動部分で圧力制御室90内の燃料のリークはある程度防止されるが、第2シート部83と弁座部71で形成されるシール部分を設けることにより、確実に燃料のリークが防止できる。
小径部82には、サック側壁部24に対して摺動可能なニードル側壁部86、ニードル端面87、およびニードル通路88が形成されている。小径部82は、サック部22の空間に挿入されており、そのニードル端面87とサック部22の内壁とで形成される空間がサック室120として形成される。サック側壁部24とニードル側壁部86とで形成される所定長さを有した摺動部140が形成される。小径部82の先端内部には、燃料通路100とサック室120とを連通するニードル通路88が形成されている。
燃料噴射が停止されている状態では、摺動部140によって第2噴射孔40とサック室120との連通が遮断されている。小径部82がサック部22内を反噴射孔側にリフトされると、燃料通路100からの高圧の燃料がニードル通路88を介してサック室120に導入される。さらに、小径部82がリフトされると、第2噴射孔40が開口し、そこからサック室120に導入された高圧の燃料が噴射される。なお、ボディ端面23、第1ノズルニードル70、第2ノズルニードル80で囲まれる空間にノズルニードル間室130が形成される。
電磁弁160は、制御弁161、ソレノイド162、第3スプリング163から構成されている。制御弁161には、その上部にソレノイド162と第3スプリング163とが備えられている。ソレノイド162に駆動電流が供給されていない場合、制御弁161は第3スプリング163の付勢力により図示しない弁座に着座し、リターン通路60を遮断する。駆動電流が供給される場合、制御弁161はソレノイド162に発生する励磁吸引力により弁座より離座し、リターン通路60を開放する。なお、制御弁161の駆動電流は、図示しないエンジン制御装置(ECU)によりエンジンの運転状態に応じて求められたタイミングでソレノイド162に供給される。
次に、本実施形態の燃料噴射弁10の作動を図2、図3、および図4に基づいて説明する。図2は、第1噴射孔30が開口したときの様子(以下、噴射初期という)を示し、図3は、第1噴射孔30および第2噴射孔40が開口したときの様子(以下、噴射後期という)を示す。図4(a)は、ソレノイド162を通電制御したときの制御弁161のリフト量の変化を示したものである。図4(b)は、制御弁161を作動させたときの圧力制御室90内の圧力状態を示したものである。図4(c)は、ノズルニードル間室130の圧力状態を示したものである。図4(d)は、第1ノズルニードル70のリフト量の変化を示したものである。図4(e)は、第2ノズルニードル80のリフト量の変化を示したものである。図4(f)は、燃料噴射弁10より噴射される燃料の噴射率の変化を示したものである。
(噴射停止時)
第1ノズルニードル70の先端部分に形成されている第1受圧部73には、コモンレールからの高圧の燃料が作用している。この第1受圧部73に作用する力は、第1ノズルニードル70を反噴射孔側に押し上げようとする力(以下、開弁力という)である。噴射停止時では、第1ノズルニードル70を噴射孔側に押し下げようとする圧力制御室90の圧力が第1ノズルニードル70に及ぼす力と第1スプリング74の付勢力との力(以下、閉弁力という)の和が第1受圧部73の開弁力よりも大きいので、第1ノズルニードル70は噴射孔側に押し下げられ、第1シート部72はボディ端面23に着座する。
第2ノズルニードル80は、圧力制御室90の第2ノズルニードル80への閉弁力と第2スプリング85の閉弁力によって、噴射孔側に押し下げられ、第2シート部83は弁座部71に着座する。
なお、このとき、第1ノズルニードル70と第2ノズルニードル80との間から流れ込んでくる圧力制御室90内の高圧の燃料は、第2シート部83が弁座部71に着座することによって、第1噴射孔30へリークすることが確実に阻止される。燃料通路100からの高圧の燃料は、第1シート部がボディ端面23に着座することによって第1噴射孔30へリークすることが阻止される。
(第1噴射孔開口時への作動)
第1噴射孔30開口時の作動を図2および図4に基づいて説明する。図4(a)に示すように、制御弁161は、駆動電流がソレノイド162に供給されると、ソレノイド162の発生する励磁吸引力によってリフトされ、リターン通路60を開放する。
リターン通路60が開放されると、図4(b)に示すように、圧力制御室90内の燃料は、出口絞り92、制御弁161を介して燃料タンクへ排出される。入口絞り91の流路断面積は、出口絞り92の流路断面積よりも小さいので、圧力制御室90の圧力は低下する。
図4(b)に示すように、圧力制御室90の圧力が第1ノズルニードル70の開弁圧力まで低下すると第1ノズルニードル70の閉弁力が開弁力よりも減少するので、第1ノズルニードル70は、反噴射孔側にリフトされる。このとき、第1シート部72は、ボディ端面23から離座し、第1噴射孔30から高圧の燃料が噴射される。図4(d)に示すように、第1ノズルニードル70は、リフト量L1までリフトされ、これ以上リフトされないように図示しないストッパなどでリフトが停止される。
図4(e)に示すように、第2ノズルニードル80は、第2シート部83と弁座部71との着座状態を維持したまま、第1ノズルニードル70と共に反噴射孔側にリフト量L1だけリフトされる。また、高圧の燃料は、図4(c)に示すように第1噴射孔30から噴射されるとともに、ノズルニードル間室130にも供給され、ノズルニードル間室130の圧力が上昇し始める。このとき、燃料通路100内の高圧の燃料がニードル通路88を介してサック室120に導入される。
なお、このとき、第2噴射孔40は、ニードル側壁部86とサック側壁部24とで形成される所定長さを有する摺動部140によって閉塞状態にあるので、第2噴射孔40から高圧の燃料のリークが防止される。第2ノズルニードル80とサック側壁部24は摺動自在に設けられているため、ニードル側壁部86とサック側壁部24との間には比較的微小な隙間が存在するが、この摺動部140は所定の長さを有しているので、この隙間からの燃料のリークは防止できる。
図4(f)に示すように、噴射初期では、高圧の燃料は、第1噴射孔30からしか噴射されないので、噴射率が低い状態にある。
(第1、第2噴射孔開口時への作動)
第1ノズルニードル70がボディ端面23から離座すると、燃料通路100を介してノズルニードル間室130に高圧の燃料が入り込む。この高圧の燃料は、第2ノズルニードル80の第2受圧部84に作用することとなり、これが第2ノズルニードル80の開弁力となる。一方、第2ノズルニードル80の反噴射孔側にも、圧力制御室90内の燃料圧力と第2スプリング85の付勢力の和である閉弁力がかかっている。
図4(b)および図4(e)に示すように圧力制御室90内の圧力が第2ノズルニードル80の開弁圧力まで低下すると、第2シート部83は、弁座部71から離座し、第2ノズルニードル80は、反噴射孔側にさらにリフト量L2だけリフトされる。なお、第2ノズルニードル80の第1噴射孔30の噴射開始からの総リフト量は、L1+L2となる。
第2ノズルニードル80が第1ノズルニードル70のリフト量L1に加えリフト量L2だけリフトされると、ニードル端面87が第2噴射孔40を通過し、第2噴射孔40が開口される。このとき、サック室120に導入された高圧の燃料が第2噴射孔40からも噴射される。サック室120には、高圧の燃料がニードル通路88を介して予め導入されているので、第2噴射孔40が開口すると同時に適切な噴射圧の燃料が噴射される。噴射後期では、高圧の燃料は、第1噴射孔30および第2噴射孔40から噴射されるので、噴射率が高い状態にある。
また、第2ノズルニードル80のリフト速度は、第2ノズルニードル80の第2受圧部84の面積と圧力制御室90側の受圧面積との割合を変えることにより自由に設定することができる。
なお、サック室120に導入される燃料の導入タイミングは、ニードル通路88の開口部の位置を調整することにより可能である。第2噴射孔40が開口すると同時にニードル通路88を介してサック室120に高圧の燃料を導入してもよい。この場合は、第2噴射孔40から噴射される燃料の噴射圧が適切な噴射圧となるまでに微小の時間が必要となるが、第2噴射孔40への燃料のリークを防止するという観点では、第2噴射孔40からの噴射直前まで燃料がサック室120に導入されないので、第2噴射孔40への燃料のリークが確実に防止できる。
(噴射停止時への作動)
運転状態に応じた所定時間が経過すると、ソレノイド162への駆動電流の供給が停止され、制御弁161はリターン通路60を遮断する(図1の状態)。すると、出口絞り92から下流への燃料の流出が遮断されるので、流出燃料の量よりも圧力制御室90に燃料流入通路50から入口絞り91を介して導入される高圧の燃料の量の方が多くなる。図4(b)に示すように圧力制御室90内の圧力は増加し、閉弁圧力となると第1、第2ノズルニードル70、80は再び第1、第2噴射孔30、40を閉弁し、噴射が停止する。
本実施形態の第2噴射孔40への燃料の遮断を目的とする摺動部140の長さは、第2ノズルニードル80がリフトされ始めてから第2噴射孔40が開口するまでのリフト量L1+L2と等しい。本実施形態の燃料噴射弁では、第1、第2ノズルニードル70、80の受圧面積を調整することにより、夫々の作動タイミングおよびリフト速度を個別に定めることができる。従来技術のシングルノズルニードルタイプの燃料噴射弁では、噴射特性を適切なものとするため、摺動部の長さに制約があったが、本実施形態では、ノズルニードルをツインタイプのものとし、ノズルニードルの作動タイミングおよびリフト速度を個別に定めることができるので摺動部140の長さを確保することができる。
例えば、第2ノズルニードル80のリフト速度を速くすれば、第1噴射孔30が開口してから第2噴射孔40が開口するまでの時間を最適な噴射特性となる時間としながら、第2ノズルニードル80のリフト量L2の長さを多く取ることが可能である。第2ノズルニードル80は、第1ノズルニードル70内に移動可能に収容されているため、体格が第1ノズルニードル70よりも小さいので、リフト速度も容易に速くできる。
次に、本実施形態の燃料噴射弁10の作用効果を説明すると、
(1)燃料噴射弁10に単独にリフト制御可能な第1、第2ノズルニードル70、80を備え、第2ノズルニードル80のニードル側壁部86にサック室120のサック側壁部24と摺動する所定の長さを備えた摺動部140を設けているので、摺動部140の長さを多く取ることができ、第2噴射孔40に燃料がリークすることが防止できる。
(2)この摺動部140が第2ノズルニードル80のニードル側壁部86とサック側壁部24とで形成されているので、第2ノズルニードル80のリフト速度を容易に速くすることが可能となり、摺動部140の長さをより多く取ることができる。
(3)弁ボディ20の端部であるサック部22にサック室120が設けられ、そのサック室120には、第2ノズルニードル80の小径部82に形成したニードル通路88を介して高圧の燃料が第2噴射孔40の開口前に導入されるようになっているので、第2噴射孔40が開口すると同時に所定の噴射圧を有した燃料を噴射することができる。
(4)第2噴射孔40が開口する時期と同期してサック室120に高圧の燃料が導入されるようにニードル通路88を形成すると、第2噴射孔40が開口される直前まで高圧の燃料をサック室120に導入させないので、サック室120と第2噴射孔40との間に形成される摺動部140からの燃料のリークを確実に防止することができる。
(5)燃料噴射弁10の第1、第2ノズルニードル70、80の間に圧力制御室90と第1噴射孔30との連通を遮断する弁座部71と第2シート部83とが形成されているので、この間を通る燃料が第1噴射孔30や第2噴射孔40にリークすることが確実に防止される。
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態を図5に基づいて説明する。図5は、他の実施形態の燃料噴射弁10の要部断面図である。なお、第1実施形態と同一機能物は同一符号を付す。
弁ボディ20のサック部22に形成されるサック室120の底部に軟質部材170が設けられている。この軟質部材170は、超弾性の性質を有する特殊な金属である。超弾性金属材料とは、ある程度の負荷を加え、ひずみを与えた後でも、除荷するだけで元の形に戻る性質を持った金属材料である。
噴射停止時、第1、第2ノズルニードル70、80は、図5に示すように、第1噴射孔30、第2噴射孔40を遮断している。このとき、サック室120内の軟質部材170は、第2ノズルニードル80のニードル端面87によって圧縮変形されている。燃料通路100とサック室120とを結ぶニードル通路88は、軟質部材170によって遮断されている。
ソレノイド162に駆動電流が供給され、制御弁161がリフトされ、圧力制御室90内の圧力が第1ノズルニードル70の開弁圧力まで低下すると、第1、第2ノズルニードル70、80が共にリフトされ、第1噴射孔30から高圧の燃料が噴射される。このときでも、ニードル通路88は、軟質部材170によって遮断された状態が維持される。第2ノズルニードル80がリフトされた分だけ軟質部材170に対する負荷が除去されるが、軟質部材170はいまだ圧縮された状態にあり、軟質部材170がもつ反発力によってニードル通路88を遮断する。
さらに圧力制御室90内の圧力が第2ノズルニードル80の開弁圧力まで低下すると、第2ノズルニードル80のみがリフトされる。第2ノズルニードル80が第2噴射孔40を開口するところまでリフトされると、軟質部材170は元の形に戻り、ここで初めてサック室120と燃料通路100とが連通し、高圧の燃料がニードル通路88を介してサック室120に導入される。その後、第2噴射孔40から高圧の燃料が噴射される。
次に、他の実施形態での作用効果を説明すると、
(1)軟質部材170がサック室120に設けられ、第2ノズルニードル80の作動に応じて、燃料通路100とニードル通路88との連通、遮断を制御しているので、第1噴射孔が開口してから第2噴射孔が開口するまでの間、サック室120に高圧の燃料が導入させないので、サック室120と第2噴射孔40との間に形成される摺動部140からの燃料のリークを確実に防止することができる。
第1実施形態の燃料噴射弁の要部断面図である。 図1の燃料噴射弁の第1噴射孔が開口するときの要部断面図である。 図1の燃料噴射弁の第1噴射孔および第2噴射孔が開口するときの要部断面図である。 第1実施形態の圧力制御室90の圧力の変化に伴う噴射率の増減を示す特性図である。 他の実施形態の燃料噴射弁10の要部断面図である。
符号の説明
10 燃料噴射弁
20 弁ボディ
21 ボディ部(大径円筒部)
22 サック部(円頂部)
23 ボディ端面
24 サック側壁部
30 第1噴射孔
40 第2噴射孔
70 第1ノズルニードル
71 弁座部
72 第1シート部
80 第2ノズルニードル
83 第2シート部
86 ニードル側壁部
88 ニードル通路
90 圧力制御室
100 燃料通路
120 サック室
140 摺動部
161 制御弁
170 軟質部材

Claims (5)

  1. 弁ボディ内に導入された燃料の圧力により、ノズルニードルを往復移動させて前記弁ボディに形成されている噴射孔からの燃料の噴射を遮断、および噴射を許容する燃料噴射弁であって、
    大径円筒部とこの大径円筒部の先端より突出される円頂部を備える前記弁ボディと、
    前記弁ボディの内部に往復移動可能に収容され、前記大径円筒部に形成されている前記噴射孔としての第1噴射孔を開閉する第1ノズルニードルと、
    前記第1ノズルニードルの内部に往復移動可能に収容され、前記円頂部に形成されている第2噴射孔を開閉する第2ノズルニードルと、
    前記第2ノズルニードルの側壁と前記円頂部の内壁とで形成される所定長さを有する摺動部とを備え、
    前記摺動部は、前記第2噴射孔を開閉することを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記第2ノズルニードルの端面と前記円頂部の内壁との間に形成される空間と、
    前記弁ボディの内壁と前記第1ノズルニードルの側壁との間に形成される燃料通路とを備え、
    前記第2噴射孔は、前記第2ノズルニードルのリフト量が前記所定リフト量に達したとき、前記摺動部によって閉塞されている状態から開口する状態に切り替えられる位置に形成され、
    前記第2ノズルニードルの内部には、前記空間と前記燃料通路とを連通可能なニードル通路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記ニードル通路は、前記第2噴射孔の開時と同期して前記空間と前記燃料通路とが連通することを特徴とする請求項2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記第1ノズルニードルと前記第2ノズルニードルとの間には、前記第1ノズルニードルと前記第2ノズルニードルが相対運動することにより着座、離座するシール部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記空間に軟質部材が設けられることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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CN109555620A (zh) * 2018-10-22 2019-04-02 中船动力研究院有限公司 带有自动保护装置的燃气喷射阀及其工作方法

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