JP2006040666A - 漏電遮断器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遮断器本体に主回路接点,開閉機構,操作ハンドル,過電流引外し装置,および漏電検出回路7を含む漏電引外し装置を装備した漏電遮断器において、漏電検出回路7と主回路1との間に配線した給電回路に耐電圧テスト用スイッチ22を接続し、耐電圧テスト用スイッチを独立した外装スイッチとして遮断器本体のケース11に外付けする。耐電圧試験の実施に際して操作摘まみ22aを手動でOFF操作することにより、漏電検出回路を主回路から切り離し、同時に遮断器本体をトリップさせて主回路接点を開極した上で、開閉機構部3をトリップ動作状態に鎖錠する。
【選択図】 図1
Description
次に、従来における漏電遮断器(3相回路用)の回路図を図3に、またその組立構造を図4および図5に示す。図3において、1はR,S,T相の3相主回路、2は主回路接点、3は主回路接点2の開閉機構、4は操作ハンドル、5は主回路に流れる過負荷電流を検出して開閉機構をトリップ動作させる熱動式の過電流引外し装置である。
一方、図4,図5において、11は下部ケース11aと上部カバー11bからなる本体ケース、12,13は電源側,負荷側の主回路端子、14は主回路接点2(図3参照)の固定接触子、15は可動接触子、16は可動接触子15を支持した接触子ホルダ、17は消弧室である。また、開閉機構3は良く知られているように、前記接触子ホルダ16と操作ハンドル4との間を連繋するトグルリンク3aと開閉スプリング3bを組み合わせたトグルリンク機構,およびラッチ18,ラッチ受け19,トリップクロスバー20を組み合わせたラッチ機構との組立体からなり、トリップクロスバー20には前記した過電流引外し装置5の操作端が対向している。なお、図示のラッチ機構は一例を示したもので、これ以外にも様々な構造のラッチ機構が知られている。
上記漏電遮断器の開閉動作は周知の通りであり、操作ハンドル4をON,OFF位置に移動操作すると、操作ハンドル4に連動して開閉機構3のトグルリンク機構が反転動作し、可動接触子15が開閉動作する。また、主回路接点2が閉極(ON)している図示の投入状態では、ラッチ18がラッチ受け19に係止され、ラッチ受け19はこの位置でトリップクロスバー20に拘束されている。この状態から主回路に過電流が流れて過電流引外し装置5が作動すると、その操作端を介してトリップクロスバー20が反時計方向に回動し、ラッチ受け19とラッチ18との係合を釈放する。これにより開閉機構3がトリップ動作し、その開閉スプリング3bのばね力で可動接触子15が固定接触子14から開離して主回路の電流を遮断する。同様に図3の主回路1に地絡電流が流れ、これを検出し漏電検出回路7の出力でトリップコイルユニット8が作動すると、そのアーマチュアがトリップクロスバー20をラッチ釈放位置に駆動する。これにより開閉機構3がトリップ動作し、可動接触子15が開極して主回路1を断路する。なお、トリップ動作後に遮断器を再投入するには、トリップ位置に停止している操作ハンドル4をトリップ位置から一旦OFF位置に戻してラッチ機構をリセットした上で、さらに操作ハンドル4をOFFからON位置に移動することにより可動接触子15が閉極位置に投入される。
ところで、この耐電圧試験を実施する場合に、図3に示した漏電検出回路7の電源線9を主回路1の相間に配線した製品の組立状態で耐圧試験を行うと、電源線9を通じて漏電検出回路7に試験電圧がそのまま印加されるために、検出回路が電圧破壊してしまう。そこで、国内のメーカーでは漏電遮断器の組立工程で、漏電検出回路7に給電する電源線9を主回路1に配線接続する以前の組立段階で耐電圧試験を実施し、その後に電源線9を接続して製品を出荷するようにしているのが現状である。
一方、図4,図5に示した単体構造タイプになる漏電遮断器についても、製品出荷後にユーザーが行う耐電圧試験に対応させるために、あらかじめ漏電遮断器の本体ケース内部に耐電圧テスト用スイッチを組み込み、遮断器の主回路接点のON,OFF動作に連動して図3に示した漏電検出回路7の給電回路を入り,切りするようにした構成、また耐電圧試験の実施に際して前記耐電圧テスト用スイッチを手動でOFF操作すると、これに連動して漏電遮断器の主回路接点が強制的にトリップ動作するように構成したものが、本発明と同一出願人より先に提案されている(特許文献3参照)。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は、在来の漏電遮断器に対してその内部構造に変更を加えることなく、僅かに本体ケースに若干の変更を加えるだけで、ユーザーサイドで設置後に耐電圧試験を実施する顧客に対して、漏電遮断器の製品出荷時,ないし出荷後に耐電圧テスト用スイッチを遮断器本体に組み付け、使用先現場でも簡単な操作で漏電検出回路を主回路から切り離して耐電圧試験が安全に行えるようにした漏電遮断器を提供することにある。
前記漏電検出回路と主回路との間に配線した給電回路を入り,切りする手動操作式の耐電圧テスト用スイッチを備えるものとして、該耐電圧テスト用スイッチを独立した外装スイッチとして遮断器本体のケース側面に外付けし、漏電遮断器の耐電圧試験時に耐電圧テスト用スイッチをOFF操作して漏電検出回路を主回路から切り離すように構成するものとし(請求項1)、具体的には次記の態様で実施,構成することができる。
(1)前記の耐電圧テスト用スイッチは、常時は操作部を押し込んでそのスイッチ接点を閉極位置に保持し、操作部の引き上げ操作により接点を開極するオルタネート動作形の切換スイッチであり、かつ該スイッチを本体ケースに外付けした状態でその操作部と遮断器本体の開閉機構に装備のトリップクロスバーとの間を機械的にインターロックし、耐電圧テスト用スイッチのOFF操作により前記トリップクロスバーをラッチ釈放位置に駆動して主回路接点を開極させるとともに、トリップクロスバーをラッチ釈放位置に鎖錠するような構成とする(請求項2)。
(2)前項(1)において、耐電圧テスト用スイッチとトリップクロスバーとの間のインターロック手段として、耐電圧テスト用スイッチの操作部に連繋して該スイッチのON,OFF操作に従動するアクチュエータを設け、当該スイッチを遮断器本体に外付けした状態で前記アクチュエータの先端を遮断器本体に標準装備したトリップボタンに連繋させるようにする(請求項3)。
また、前記した耐電圧テスト用スイッチをOFF操作すると、該スイッチの操作部にアクチュエータ,トリップボタンを介してインターロックされたトリップクロスバーがラッチ釈放位置に鎖錠されてこの位置に拘束保持される。したがって、耐電圧テスト用スイッチがOFFの状態では、トリップ動作の状態にある漏電遮断器をハンドル操作により投入しようとしても、トリップクロスバーがリセットされないので主接点を閉極することができない。これにより、耐電圧試験の終了後に耐電圧テスト用スイッチを入れ忘れて漏電検出回路を主回路から切り離したまま主接点を閉極して漏電遮断器を使用状態に戻す操作ミス、およびこの操作ミスが原因で使用中に漏電遮断器の地絡検出,漏電保護が機能しなくなるといったトラブルを防ぐことができる。
この耐電圧テスト用スイッチ22は、図1(a)で示すように遮断器本体と分離独立した手動操作式の外装スイッチとして、漏電遮断器の本体ケース11の側面に外付けして使用されるものであり、次に詳細構造を説明する。
すなわち、耐電圧テスト用スイッチ22はケース上面に操作摘まみ22aを備え、図2(a)のように操作摘まみ22aを押し込むとスイッチ接点がONとなり、図2(b)のように操作摘まみ22aを引き上げる(ドライバなどの工具を使って操作摘まみをケース上面に引き出す)とスイッチ接点がOFFとなるオルタネート動作形の切換スイッチになる。そして、この耐電圧テスト用スイッチ22を適用するには、図示のように遮断器本体のケース側面に外付けした上で、その外部接続端子22bに図1(b)に示した電源線9を接続して遮断器本体の漏電検出回路7と主回路1との間に介挿するよう配線する。
すなわち、漏電遮断器は開閉機構の引外し動作をテストするために、図1(a)で示すように本体のケースカバー11bにトリップボタン23を標準装備しており、このトリップボタン23を開閉機構のトリップクロスバー20に連繋し(図2参照)、トリップボタン23を押し込むことによりトリップクロスバー20をラッチ釈放位置に駆動(反時計方向)して遮断器をトリップさせるようにしている。
上記の構成で、耐電圧テスト用スイッチ22の操作摘まみ22aを押し込んだスイッチONの状態(図2(a)参照)では、アクチュエータ22cが上方の待機位置に後退していて、トリップボタン23には干渉してない。したがって、この状態で遮断器本体の操作ハンドル4をON位置に投入すれば、主回路の相間電圧が耐電圧テスト用スイッチ22を介して漏電検出回路に給電される。
この状態から耐電圧試験を実施する場合には、その準備の手順として耐電圧テスト用スイッチ22の操作摘まみ22aを引き上げてOFF操作する(図2(b)参照)。これにより、耐電圧テスト用スイッチ22がOFFとなって遮断器の漏電検出回路を主回路から切り離すとともに、この操作摘まみ22cのOFF操作に従動してアクチュエータ22cがトリップボタン23を押し下げてトリップクロスバー20をラッチ釈放位置に駆動する。その結果、開閉機構3がトリップ動作して主接点が開極し、耐電圧試験の準備態勢が整うことになる。なお、この状態ではトリップクロスバー20がトリップボタン23,耐電圧テスト用スイッチのアクチュエータ22cを介してラッチ釈放位置に鎖錠されているので、漏電遮断器の操作ハンドル4をトリップ位置からOFF位置に移動しても開閉機構3がリセットされないので、耐電圧試験中に主回路接点1が誤って投入されることはない。
なお、当初は耐電圧テスト用スイッチを付属させずに製品を購入したユーザーが、設置後に耐電圧試験を定期的に行う必要が生じた場合でも、漏電遮断器の外部付属装置(オプション)として用意されている耐電圧テスト用スイッチをメーカーから購入して遮断器本体に外付けし、かつ漏電検出回路に対する電源線9を図3の状態から図1(b)の状態に配線替えすることで、漏電遮断器の耐電圧試験をユーザーサイドで行うことができる。
2 主回路接点
3 開閉機構
4 操作ハンドル
5 過電流引外し装置
7 漏電検出回路
11 本体ケース
14 固定接触子
15 可動接触子
20 トリップクロスバー
22 耐電圧テスト用スイッチ
22a 操作摘まみ
22c アクチュエータ
23 トリップボタン
Claims (3)
- 本体ケースに主回路接点,開閉機構,操作ハンドル,過電流引外し装置,および漏電検出回路を含む漏電引外し装置を内装した漏電遮断器において、
前記漏電検出回路と主回路との間に配線した給電回路を入り,切りする手動操作式の耐電圧テスト用スイッチを備えるものとして、該耐電圧テスト用スイッチを独立した外装スイッチとして遮断器本体のケース側面に外付けし、漏電遮断器の耐電圧試験時に耐電圧テスト用スイッチをOFF操作して漏電検出回路を主回路から切り離すようにしたことを特徴とする漏電遮断器。 - 請求項1に記載の漏電遮断器において、耐電圧テスト用スイッチが、常時は操作部を押し込んで接点を閉極位置に保持し、操作部の引き上げ操作により接点を開極するオルタネート動作形切換スイッチであり、かつ該スイッチを本体ケースに外付けした状態でその操作部と遮断器本体の開閉機構に装備のトリップクロスバーとの間を機械的にインターロックし、耐電圧テスト用スイッチのOFF操作によりリップクロスバーをラッチ釈放位置に駆動して主回路接点を開極させるとともに、トリップクロスバーをラッチ釈放位置に鎖錠するようにしたことを特徴とする漏電遮断器。
- 請求項2に記載の漏電遮断器において、耐電圧テスト用スイッチとトリップクロスバーとの間のインターロック手段として、耐電圧テスト用スイッチの操作部に連繋して該スイッチのON,OFF操作に従動するアクチュエータを設け、当該スイッチを遮断器本体に外付けした状態で前記アクチュエータの先端を遮断器本体に標準装備したトリップボタンに連繋させたことを特徴とする漏電遮断器。
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