JP2006038564A - 半導体式ガス検知素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被検知ガスのガス感度、ガス検知時の応答性、被毒ガスに対する耐久性に優れたガス感応部を有する半導体式ガス検知素子を提供する。
【解決手段】 検出電極2,3を覆うと共に被検知ガスと接触自在に設けられたガス感応層5を備えた半導体式ガス検知素子であって、ガス感応層5を、コア粒子51aと、コア粒子51aの表面を覆う金属酸化物の微粒子層51bとからなる構成粒子が集合したポーラス構造に形成してある。
【選択図】 図2

Description

本発明は、検出電極を覆うと共に被検知ガスと接触自在に設けられたガス感応層を備えた半導体式ガス検知素子に関する。
従来、この種の半導体式ガス検知素子としては、例えば基板型半導体式ガス検知素子が知られていた。当該ガス検知素子は、例えば絶縁基板であるアルミナ基板上に一対の検出電極を蒸着し、その電極上を覆うガス感応層を形成してある。このガス感応層の抵抗は、ガス感応層の膜材料を構成する粒子表面の吸着酸素と被検知ガスとの酸化反応によって、トラップされていた電子が放されることで変化する。被検知ガスの検知はその抵抗の変化を測定して行う。
ガス感応層の構成粒子は、粒子径を小さくすると比表面積が増えるため、ガス感応層の酸化活性が高くなってガス感度が高くなる。さらに、粒子径を小さくすると共に粒子間ネックのサイズを空間電荷層の厚みと同じオーダーにすると、電気抵抗の変化は鋭敏になり、さらにガス感度が高くなる。従って、ガス検知素子を高感度化するには、ガス感応層の構成粒子の粒子径が小さいことが望まれる。
一方、電極付近のガス感応層の抵抗変化はガス感応層全体のバルク抵抗変化に最も敏感であるため、ガス検知素子の感度を上げるためには被検知ガスのガス感応層内部への拡散性を向上させる必要がある。ガス感応層内部への被検知ガスの拡散性は、ガス感応層のポーラス構造(多孔構造)、ガス感応層の構成粒子の粒子径によって大きく左右される。当該粒子径が大きくなるほど被検知ガスの拡散性は向上するが、一方で、ガス感応層の電気抵抗の変化は小さくなり、ガス感度は低下する。従って、当該粒子径と、拡散性を制御するガス感応層の構造との関係を最適化することが求められている。
上述の基板型半導体ガス検知素子は、ガス感応層の膜厚により、厚膜型ガス検知素子と薄膜型ガス検知素子に分類できる。
厚膜型ガス検知素子は、金属酸化物をガス感応層の構成粒子とし、検出電極を設けた絶縁基板上に、膜厚が10〜50μm程度になるようにガス感応層を形成してある。
一方、薄膜型ガス検知素子は、金属酸化物をガス感応層の構成粒子とし、膜厚がおよそ1μm以下になるようにガス感応層を形成してある。このガス感応層は、真空蒸着・スパッタリング・液相析出(LPD)法などにより、検出電極を設けた絶縁基板上に金属酸化物薄膜を形成することで構成してあり、当該構成粒子の粒子径が非常に小さいため高いガス感度が得られる。
尚、本発明における従来技術となる半導体式ガス検知素子は、一般的な技術であるため、特許文献等の従来技術文献は示さない。
上述した厚膜型ガス検知素子は、薄膜型ガス検知素子のガス感応層の構成粒子に比べて粒子径が大きいため、粒子間にできる被検知ガスのパスが大きくなって被検知ガスの拡散性は向上するが、ガス感応層の電気抵抗の変化は小さくなってガス感度が低下するという問題点があった。
一方、薄膜型ガス検知素子は、厚膜型ガス検知素子のガス感応層の構成粒子に比べて粒子径が小さいために粒子間にできる被検知ガスのパスが小さく、被検知ガスの拡散性に欠ける。そのため、膜厚を非常に薄く制御しなければ所望のガス感度と応答速度が得られないという問題点があった。また、ガス検知素子は常に様々な種類のガスが存在する雰囲気中に暴露・被毒されているため、膜厚が薄い薄膜型ガス検知素子は厚膜型ガス検知素子より劣化し易くなるという問題点があった。
つまり、ガス感応層の構成粒子の粒子径と、拡散性を制御するガス感応層の構造との関係を最適化して、被検知ガスのガス感度・ガス検知時の応答性・被毒ガスに対する耐久性に優れたガス感応部とするのは困難であった。
従って、本発明の目的は、被検知ガスのガス感度、ガス検知時の応答性、被毒ガスに対する耐久性に優れたガス感応部を有する半導体式ガス検知素子を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る半導体式ガス検知素子は、検出電極を覆うと共に被検知ガスと接触自在に設けられたガス感応層を備えた半導体式ガス検知素子であって、その第一特徴構成は、前記ガス感応層を、コア粒子と、当該コア粒子の表面を覆う金属酸化物の微粒子層とからなる構成粒子が集合したポーラス構造に形成してある点にある。
上記第一特徴構成によれば、ガス感応層の構成粒子は、コア粒子の表面上を微粒子層によりコーティングした粒子となり、このコア粒子を覆う微粒子の平均粒子径を、例えば数〜数十nm程度の非常に微細な粒子とすることが可能である。そのため、微粒子層が被検知ガスと接触する比表面積が増大して、ガス感応層の酸化活性が高くなり、被検知ガスの微粒子層への到達によって吸着酸素との酸化反応によって抵抗値が大きく変化し易くなる。その結果、ガス感応層のバルク抵抗が大きく変化して高いガス感度が得られる。
ここで、半導体式ガス検知素子の電気抵抗は、コア粒子表面上の金属酸化物微粒子層によって決定される。これは、ガス感応層の構成粒子を構成するコア粒子と金属酸化物微粒子層とが、共に導電体であっても、抵抗値の差が十分あれば、構成粒子の表面を形成する金属酸化物微粒子層に電流が流れ、コア粒子を流れる電流は小さくなるためである。そして、当該微粒子層には非常に微細な微粒子を適用しているため、当該微粒子層の電気抵抗の変化は鋭敏になり、さらにガス感度が高いガス感応層が得られる。
このように、本構成では、ガス感応層の構成粒子において、電流が流れる構成粒子の表層付近を、比表面積の制御が行える金属酸化物微粒子層とする。これにより、ガス感応層の酸化活性が高く、かつ、ガス感度が高いガス感応層が得られる。
また、ガス感応層の構成粒子は、比較的粒子径の大きいコア粒子の表面上に金属酸化物をコーティングした状態でポーラス構造に形成してあるため、被検知ガスのパスである構成粒子間の空間が大きくなって、被検知ガスのガス感応層内部への拡散が容易となり速い応答が得られる。
また、被検知ガスのガス感応層内部への拡散が容易で速い応答が得られるため、ガス感応層の膜厚を大きくして被毒ガスに対する耐久性を向上できる。例えば、ガス感応層の膜厚は数十μmとすることが可能であり、これは従来の厚膜型ガス検知素子の膜厚(10〜50μm程度)と同程度の厚さを有するため、種々の被毒ガスによって被毒され難い、耐久性に優れたガス感応部を有する半導体式ガス検知素子となる。
ここで、ガス感応層における被検知ガスの拡散性とガス感度という2つの特性の制御を例に、従来の半導体式ガス検知素子と本発明の半導体式ガス検知素子とを比較する。
従来の半導体式ガス検知素子のガス感応層における被検知ガスの拡散性は、ガス感応層の構成粒子の粒子径を大きくすることで改善できるが、それに伴い酸化活性が低くなってガス感度が低下することが避けられない。つまり、被検知ガスの拡散性とガス感度という2つの特性は、1つのパラメータ(ガス感応層の構成粒子の粒子径)によって制御されるため、両特性を共に向上させるのは限界があった。
しかし、本発明のように構成することで、被検知ガスの拡散性を制御するためには、コア粒子の粒子径を調整すればよく、ガス感度を高めるために電気抵抗変化を制御するには、金属酸化物微粒子の粒子径を調整すればよい。つまり、従来のガス感応層と異なり、被検知ガスの拡散性とガス感度という2つの特性の制御は、異なるパラメータ(コア粒子の粒子径、金属酸化物微粒子の粒子径)によって行われる。従って、被検知ガスの拡散性とガス感度という両特性は、独立してコントロールできるため、両特性共に向上させることが可能となる。
従って、本発明の第一特徴構成に記載の半導体式ガス検知素子であれば、厚膜ガス検知素子の優れた被検知ガスの拡散性・耐被毒性と、薄膜ガス検知素子の高感度特性という、両方の長所を兼ね備えるガス感応層を有する半導体式ガス検知素子を提供することができる。
本発明に係る半導体式ガス検知素子の第二特徴構成は、前記コア粒子が絶縁性である点にある。
従って、本発明の第二特徴構成に記載の半導体式ガス検知素子であれば、ガス感応層の構成粒子のコア粒子には電流が流れないため、その表面に形成してある金属酸化物微粒子層に確実に電流が流れる。そのため、ガス感応層における構成粒子の電気抵抗を制御し易くなる。
本発明に係る半導体式ガス検知素子の第三特徴構成は、前記微粒子層の電気抵抗を、前記コア粒子の電気抵抗よりも小さく設定してある点にある。
仮に、コア粒子の電気抵抗と微粒子層の電気抵抗とが同程度であるとき、原子価制御する為、微粒子層の金属酸化物に、例えば、N型半導体の微粒子中の金属よりイオン化数の大きい金属等をドーピングすることで微粒子層の電気抵抗を小さく設定する。例えば、微粒子中の金属がN型半導体のSnOの場合には、Sb等のV族元素を添加する。これにより、コア粒子より微粒子層に電流が流れやすくなって微粒子層の電気抵抗の変化を鋭敏化できる。
従って、本発明の第三特徴構成に記載の半導体式ガス検知素子であれば、ガス感応層の構成粒子の電気抵抗を制御して、ガス感度を向上できる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明のガス検知素子は、検出電極を覆うと共に被検知ガスと接触自在に設けられたガス感応層を備えた半導体式ガス検知素子である。当該半導体式ガス検知素子として、例えば、絶縁基板上に一対の検出電極を設けると共に、これら一対の検出電極に亘ってガス感応層を設けた基板型半導体式ガス検知素子を例示するがこれに限られるものではない。その他の半導体式ガス検知素子としては、熱線型半導体式ガス検知素子、直熱型半導体式ガス検知素子、傍熱型半導体式ガス検知素子等が挙げられる。
図1〜2に示すように、基板型半導体式ガス検知素子10には、アルミナ基板1の表面に一対の金製櫛型電極2、3が蒸着して設けてあり、これら電極の上に、金属酸化物半導体を構成成分とするガス感応層5が設けてある。
また、図3に示したように、ガス感応層5の構成粒子51は、コア粒子51aと、その表面を覆う金属酸化物の微粒子層51bとを有する。
コア粒子51aは、例えば、アルミナ粉体・シリカ粉体等の絶縁粒子、金属酸化物微粒子は、酸化スズ・酸化タングステン・酸化インジウム・酸化亜鉛および複合金属酸化物等の微粒子が好適に例示されるが、これに限られるものではない。特にコア粒子51aは、例えば種々の高分子化合物等、金属酸化物微粒子よりもある程度電気伝導度の小さい材料であれば、絶縁性あるいは導電性の何れの材料であっても適用できる。
コア粒子51aの平均粒子径は、例えば数十nm〜数μm程度とする。
また、微粒子層51bは、液相析出(LPD)法等によりコア粒子51aの表面に金属酸化物微粒子を析出させることで得られる。金属酸化物微粒子が酸化スズである場合、当該微粒子の平均粒子径は数〜数十nm、例えば5〜20nm程度となる。このとき、コア粒子51aを覆う微粒子層51bの膜厚は数十〜数百nm、例えば50〜800nm程度となる。
また、金属酸化物微粒子が酸化タングステン(WO)である場合、まず、アルミナコアの表面に酸化チタン(TiO)をコーティングした後、その上に酸化タングステンをコーティングする。この場合、酸化チタンの抵抗値は酸化タングステンよりはるかに高いので、絶縁体であるアルミナコア粒子51aの表面に直接酸化タングステンをコーティングしたものと同等の性質を有する構成粒子51となる。
この場合、アルミナコアと酸化チタンとの両者で形成される粒子がコア粒子51aとなる。
基板型半導体式ガス検知素子10のガス感応層5の膜材料にこのような構成粒子51を使用すると、検出電極2,3間に流れる電流は、微粒子層51bを伝わる。そして、基板型半導体式ガス検知素子10の電気抵抗は、絶縁物であるコア粒子51a表面上の金属酸化物微粒子層51bによって決定される。つまり、電気抵抗変化を制御するためには、金属酸化物微粒子の粒子径を調整すればよいことになる。
また、微粒子層51bの電気抵抗は、コア粒子51aの電気抵抗より小さく設定してある。
仮に、コア粒子51aの電気抵抗と微粒子層51bの電気抵抗とが同程度であるとき、原子価制御する為、微粒子層51bにおける微粒子中の金属Snよりイオン化数の大きい金属、例えばSb等をドーピングすることで微粒子層51bの電気抵抗を小さくすることが可能である。
これにより、コア粒子51aより微粒子層51bに電流が流れやすくなって微粒子層51bの電気抵抗の変化を鋭敏化できる。そのため、ガス感度を向上できる。
このようにコア粒子51aと微粒子層51bとを有する構成粒子51は、ポーラス構造に形成してガス感応層5を構成する。
ここで、ポーラス構造とは、多孔構造を形成することを指す。そのため、構成粒子51間は、被検知ガスが流通する空間が形成される。
この構成は、構成粒子51にエチレングリコール等を添加して金属酸化物半導体ペーストにし、このペーストを、検出電極2,3を設けた絶縁基板1上に塗布して焼成することで得られる。
このようにして得られるガス感応層5の膜厚は、数十μm、例えば40〜50μm程度とする。
上述したように、ガス感応層5の構成粒子51は、コア粒子51aの表面上を微粒子層51bによりコーティングした粒子である。このコア粒子51aを覆う微粒子の平均粒子径は数〜数十nm程度の非常に微細な粒子である。そのため、微粒子層が被検知ガスと接触する比表面積が増大して、ガス感応層5の酸化活性が高くなり、被検知ガスの微粒子層51bへの到達によって吸着酸素との酸化反応によって抵抗値が大きく変化し易くなる。その結果、ガス感応層5のバルク抵抗が大きく変化して高いガス感度が得られる。
そして、上述したように、基板型半導体式ガス検知素子10の電気抵抗はコア粒子51a表面上の金属酸化物微粒子層51bによって決定される。つまり、非常に微細な粒子である金属酸化物微粒子を適用しているため、当該微粒子層51bの電気抵抗の変化は鋭敏になり、さらにガス感度が高いガス感応層5が得られる。
また、構成粒子51は比較的粒子径の大きいコア粒子51aの表面上に金属酸化物を析出してポーラス構造に形成してあるため、構成粒子51間の空間が大きく、被検知ガスのガス感応層5内部への拡散が容易となり速い応答が得られる。このような被検知ガスの拡散パスは、異なる粒子径のコア粒子51aを選ぶことにより自由に制御できる。つまり、被検知ガスの拡散性を制御するためには、コア粒子51aの粒子径を調整すればよいことになる。
さらに、被検知ガスの選択性も、この拡散性に依存するため、コア粒子51aの粒子径を調整することで、特定の被検知ガスを特異的に検知できるようにコントロールできる。
また、ガス感応層5の膜厚は数十μmであり、従来の厚膜型ガス検知素子の膜厚(10〜50μm程度)と同程度の厚さを有するため、種々の被毒ガスによって被毒され難い、耐久性に優れたガス感応部を有する基板型半導体式ガス検知素子10となる。
つまり、本発明の半導体式ガス検知素子は、厚膜ガス検知素子の優れた被検知ガスの拡散性・耐被毒性と、薄膜ガス検知素子の高感度特性という、両方の長所を兼ね備えることになる。
また、図1に示したように、アルミナ基板1の裏面には、基板型半導体式ガス検知素子10の動作温度を維持するため、白金薄膜ヒーター6が設けてある。
このように構成される基板型半導体式ガス検知素子10は、図4に示すように、ガス検知回路20に組み込み、ガス検知出力が得られるようにガス検知装置Xを構成する。また、基板型半導体式ガス検知素子10から得られたガス検知出力は制御部30に入力され、被検知ガス濃度が警報を要するレベルに達しているかどうかの判断がなされる。ここで、警報を要すると判断された場合、制御部30は警報部40に対して警報信号を出力し、警報部40において警報ブザー、警報音声等を鳴動させる。
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
酸化スズ(金属酸化物微粒子)を、アルミナ粉体(コア粒子)にLPD法で析出コーティングして得た粉体を、ガス感応層5の構成粒子51とした基板型半導体式ガス検知素子10の作製方法を以下に示す。
第一フッ化スズをイオン交換水に溶解させ、酸化により得られた酸化スズ沈殿をフッ化水素酸溶液に溶解させて反応母液(フッ化スズ錯体)を作製した。
アルミナ粉体を反応母液に添加して攪拌し、超音波振動器にて均一に分散させた後、反応開始剤であるホウ酸水溶液を添加した。攪拌しながら10時間酸化スズを析出させた。このとき、アルミナ粉体(コア粒子51a)表面に析出した酸化スズ粒子層(微粒子層51b)の厚さは約100nmであり、析出した酸化スズの平均粒子径は5nmであった。
その後、反応母液からアルミナ粉体表面に酸化スズ粒子層が析出コーティングした粒子を遠心分離機で分離(2500rpm、5分)し、イオン交換水で洗浄した。この遠心分離と洗浄処理とを数回繰り返して十分洗浄を行った後、分離された粒子を恒温槽で乾燥(80℃、180分)し、さらに200℃で焼いてガス感応層5の構成粒子51となる粉体を得た。
当該粉体にエチレングリコールを添加して金属酸化物半導体ペーストにし、このペーストを、櫛形検出電極2,3を設けた絶縁基板1上に塗布した後、800℃で2時間焼成して基板型半導体式ガス検知素子10を作製した。このとき、ガス感応層5の構成粒子51は、ポーラス構造となってガス感応層5を構成する。
また、アルミナ粉体(コア粒子51a)表面に析出した酸化スズ粒子層(微粒子層51b)の厚さは約100nmであり、酸化スズの平均粒子径は15nmであった。また、ガス感応層5の膜厚は40μmであり、ガス検知素子10の動作温度は450℃であった。
実施例1で作製した基板型半導体式ガス検知素子10を用いて、被検知ガスであるトルエンを検知したときの応答特性を調べた。結果を図5に示した。
基板型半導体式ガス検知素子10を、電源投入後、2秒、47秒、91秒、138秒、181秒、225秒の各時間においてそれぞれ濃度の異なるトルエンに暴露させた。各時間におけるトルエン濃度は、それぞれ、0.01ppm、0.03ppm、0.05ppm、0.1ppm、0.5ppm、1ppmであった。その結果、各時間において直ちに電気抵抗の変化を検出してその直後に電気抵抗が安定した結果が得られた。これより、本発明の半導体式ガス検知素子は、ガス感応膜5が厚膜(40μm)であるにもかかわらず、非常に応答速度が速く、被検知ガスに対して高いガス感度が得られるものと認められる。
これは、コア粒子51a上の酸化スズの金属酸化物微粒子層51bは高い酸化活性を持ち、100nmの微粒子層からなるポーラス構造が被検知ガスのガス感応層5内部への拡散を容易にしているため、ガス感度と応答速度が著しく向上していると考えられる。
実施例1で作製した基板型半導体式ガス検知素子10を用いて、被検知ガスであるトルエン・エチルベンゼン・パラキシレンを検知したときの感度特性を調べた。結果を図6に示した。尚、図中の「Rair」とは「空気中におけるセンサ抵抗」のこと、「Rs」とは「被検知ガスの異なった濃度におけるセンサ抵抗」のことを指す。
この結果、空気中の被検知ガス濃度の割合が増加するに従い、センサ出力も増加することが判明した。そのため、本発明の半導体式ガス検知素子は、種々の被検知ガスに対して優れた感度特性を有するものと認められる。
[比較例1]
ガス感応層5の構成粒子51を酸化スズのみとしたこと以外は、実施例1で作製した基板型半導体式ガス検知素子10と同様の従来の薄膜型ガス検知素子を用いて、被検知ガスであるトルエンを検知したときの感度特性を調べた。ガス感応層はLPD法により膜厚が100nmおよび300nmとなるように制御した。
膜厚が100nmのときの結果を図7に、膜厚が300nmのときの結果を図8に示した。薄膜型ガス検知素子の動作温度は450℃であった。
薄膜型ガス検知素子によるガス検知時のトルエン濃度は、電源投入後、10秒、120秒、240秒、360秒、480秒、605秒の各時間において、それぞれ、0.03ppm、0.07ppm、0.1ppm、0.3ppm、0.7ppm、1ppmであった。
この結果、薄膜型ガス検知素子をトルエンに暴露させたとしても迅速な電気抵抗の変化を検出できず、トルエン検知後においても迅速な電気抵抗の安定には至らなかった。つまり、薄膜型ガス検知素子は、被検知ガスに対する感度特性が低く、応答速度も遅い結果が得られた。
特に、図8より、膜厚が大きくなることにより、緻密な薄膜中で被検知ガスの拡散が非常に遅くなり、ガス感応層内部まで拡散できずに被検知ガスは薄膜表面部で酸化されるため、感度が著しく低下しており、応答速度も非常に遅くなっている。
[比較例2]
ガス感応層5の構成粒子51を酸化スズのみとしたこと以外は、実施例1で作製した基板型半導体式ガス検知素子10と同様の従来の厚膜型ガス検知素子を用いて、被検知ガスであるトルエンを検知したときの感度特性を調べた。ガス感応層はLPD法により膜厚が10μmとなるように制御した。結果を図9に示した。
厚膜型ガス検知素子によるガス検知時のトルエン濃度は、比較例1と同様とした。
この結果、厚膜型ガス検知素子をトルエンに暴露させたとしても迅速な電気抵抗の変化を検出には至らなかった。つまり、厚膜型ガス検知素子は、膜の平均粒子径が大きく、酸化活性が低いため被検知ガスに対する感度特性が低く、応答速度も遅い結果が得られた。
本発明の半導体式ガス検知素子の概略図 本発明の半導体式ガス検知素子の断面概略図 本発明の半導体式ガス検知素子におけるガス感応層の構成粒子の断面概略図 本発明の半導体式ガス検知素子を用いたガス検知装置の概略図 本発明の半導体式ガス検知素子を用いて、被検知ガスであるトルエンを検知したときの応答特性を調べた結果を示した図 本発明の半導体式ガス検知素子を用いて、被検知ガスであるトルエン・エチルベンゼン・パラキシレンを検知したときの感度特性を調べた結果を示した図 従来の薄膜型ガス検知素子(膜厚100nm)を用いて、被検知ガスであるトルエンを検知したときの感度特性を調べた結果を示した図 従来の薄膜型ガス検知素子(膜厚300nm)を用いて、被検知ガスであるトルエンを検知したときの感度特性を調べた結果を示した図 従来の厚膜型ガス検知素子を用いて、被検知ガスであるトルエンを検知したときの感度特性を調べた結果を示した図
符号の説明
1 絶縁基板
2,3 検出電極
5 ガス感応層
10 半導体式ガス検知素子
51a コア粒子
51b 微粒子層

Claims (3)

  1. 検出電極を覆うと共に被検知ガスと接触自在に設けられたガス感応層を備えた半導体式ガス検知素子であって、
    前記ガス感応層を、コア粒子と、当該コア粒子の表面を覆う金属酸化物の微粒子層とからなる構成粒子が集合したポーラス構造に形成してある半導体式ガス検知素子。
  2. 前記コア粒子が絶縁性である請求項1に記載の半導体式ガス検知素子。
  3. 前記微粒子層の電気抵抗を、前記コア粒子の電気抵抗よりも小さく設定してある請求項1に記載の半導体式ガス検知素子。
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