JP2006037148A - 缶胴用アルミニウム合金硬質板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 Al−Mg−Mn系合金からなり、n値が0.01〜0.2で苛酷しごきの成功率が70%以上のAl合金硬質板。その中間製品の熱延板として、導電率30〜50%、結晶粒度(ASTM)4.0以上、キューブ方位密度5〜10のもの。さらにその製造方法として、熱間圧延条件(熱延開始温度、中途の各板厚での材料温度、Ln(Z)値、歪速度、熱延終了温度、冷却速度)を厳密に規定し、熱延後は中間焼鈍なしで冷間圧延のみにより仕上げることとした。
【選択図】 なし
Description
(a) 熱延−バッチ焼鈍プロセス
これは、通常の熱間圧延の後、加熱速度の遅い箱型焼鈍炉(バッチ式焼鈍炉;BAF)を用いて焼鈍する方法である。
(b) 熱延−連続焼鈍プロセス
これは、通常の熱間圧延の後、加熱速度の速い連続焼鈍炉(CAL)を用いて焼鈍する方法である。
(c) 冷延中間連続焼鈍プロセス
これは、通常の熱間圧延後の冷間圧延の中途において、加熱速度の速い連続焼鈍炉を用いて焼鈍する方法である。
(d) 自己再結晶プロセス
これは、熱間圧延の上がり温度を材料の再結晶温度以上に制御することによって、熱間圧延上がりの状態で材料を自己再結晶(自己焼鈍)させる方法である。
(1)熱間圧延を、300〜550℃の範囲内で開始し、
(2)熱間圧延過程における厚さ150mmから20mmまでの間における材料温度を300〜470℃の範囲内に制御し、
(3)熱間圧延過程における厚さ20mmから熱間圧延最終パス直前までの材料温度を270〜420℃の範囲内に制御し、
(4)熱間圧延過程における厚さ150mm以下の各パスにおけるLn(Z)値(注:ZはZener−Hollomon Parameterを示す)を20〜50の範囲内に制御し、
(5)熱間圧延終了温度を270〜350℃の範囲内とし、
(6)熱間圧延上りの270〜350℃の範囲内の温度から100℃以下の温度域までの冷却過程において、100℃までの平均冷却速度を100℃/hr以下に制御し、
以上の(1)〜(6)によって得られた熱間圧延板について、中間焼鈍を施すことなく、50%以上の圧延率で冷間圧延を行ない、加工硬化指数n値が0.01〜0.2の範囲内にありしかも苛酷しごきの成功率が70%以上の缶胴用アルミニウム合金硬質板を得ることを特徴とするものである。
Mgの添加は、Mgそれ自体の固溶による強度向上に効果があり、またMgの固溶に伴なう加工硬化量の増大による強度向上が期待でき、さらにはSiとの共存によるMg2Siの時効析出による強度向上も期待でき、したがってMgは缶胴材として必要な強度を得るためには不可欠の元素である。またMgは、加工時の転位の増殖作用があるため、再結晶粒を微細化させるためにも有効である。但しMg量が0.5%未満では上述の効果が少なく、一方2.0%を越えれば、高強度は容易に得られるものの、DI加工時の変形抵抗が大きくなってしごき加工性やフランジ成形性を悪くする。したがってMg量は0.5〜2.0%の範囲内とした。なおMg量は、この範囲内でも特に0.7〜1.5%の範囲内が好ましい。
Mnは強度および成形性の向上に寄与する有効な元素である。特にこの発明で目的としている用途である缶胴材ではDI成形時にしごき加工が加えられるため、とりわけMnは重要となる。アルミニウム板のしごき加工においては通常エマルジョンタイプの潤滑剤が用いられているが、Mn系晶出物が少ない場合には同程度の強度を有していてもエマルジョンタイプ潤滑剤だけでは潤滑能が不足し、ゴーリングと称される擦り疵や焼付きなどの外観不良が発生するおそれがある。ゴーリングは晶出物の大きさ、量、種類に影響されることが知られており、その晶出物を形成するためにMnは不可欠な元素である。Mn量が0.5%未満ではMn系化合物による固体潤滑的な効果が得られず、一方Mn量が2.0%を越えればAl6Mnの初晶巨大金属間化合物が発生して、著しく成形性を損なってしまう。そこでMn量は0.5〜2.0%の範囲内とした。またここで製品板中における固溶Mnは、加工時の回復を抑制する効果および塗装焼付け時の軟化を低減する効果がある。なおMn量は、0.5〜2.0%の範囲内でも特に0.7〜1.5%の範囲内が好ましい。
Feは、Mnの晶出や析出を促進して、アルミニウム基地中のMn固溶量やMn系金属間化合物の分散状態を制御するために必要な元素であり、また化合物を通じて結晶粒の微細化にも寄与する。そして適切な化合物分散状態を得るためには、Mn添加量に応じてFeを添加することが必要である。Fe量が0.05%未満では適切な化合物分散状態、微細な結晶粒を得ることが困難であり、一方Fe量が0.8%を越えれば、Mn添加に伴なって初晶巨大金属間化合物が発生しやすくなり、しごき加工性、フランジ成形性を損なうおそれがある。そこでFe量の範囲は0.05〜0.8%とした。なおFe量は、0.05〜0.8%の範囲内でも特に0.2〜0.6%の範囲内が好ましい。
Siの添加は、Mg2Si系化合物の析出による時効硬化を通じて缶胴材の強度向上に寄与する。またSiは、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物を生成して、Mn系金属間化合物の分散状態を制御するために必要な元素である。Si量が0.05%未満では上記の効果が得られず、一方0.8%を越えれば時効硬化により材料が硬くなりすぎて成形性を阻害する。そこでSi量の範囲は0.05〜0.8%とした。なおSi量は、0.05〜0.8%の範囲内でも特に0.1〜0.5%の範囲内が好ましい。
Cuは、主にAl−Cu−Mg系析出物として析出して、強度向上に寄与する。Cu量が0.05%未満ではその効果が得られず、一方Cuを0.7%を越えて添加した場合には、時効硬化は容易に得られるものの、硬くなりすぎてしごき加工性、フランジ成形性などを阻害し、また耐食性も劣化する。そこでCu量の範囲は0.05〜0.7%とした。なおCu量は、0.05〜0.7%の範囲内でも特に0.1〜0.4%の範囲内が好ましい。
Crは強度向上に効果的な元素であるが、0.05%未満ではその効果が少なく、0.5%を越えれば巨大晶出物生成によって成形性の低下を招くため、好ましくない。そこでCrを添加する場合のCr量の範囲は0.05〜0.5%とした。なおCr量のより好ましい範囲は0.1〜0.4%である。
Znの添加はAl−Mg−Zn系粒子の時効析出による強度向上に寄与するが、0.05%未満ではその効果が得られず、0.8%を越えれば、強度への寄与については問題がないが、耐食性を劣化させる。そこでZnを添加する場合のZr量の範囲は0.05〜0.8%とした。なおZn量のより好ましい範囲は、0.1〜0.5%である。
通常のアルミニウム合金においては、鋳塊結晶粒微細化のためにTiを微量添加することが行なわれており、この発明においても、必要に応じて微量のTiを添加しても良い。但しTi量が0.001%未満ではその効果が得られず、一方0.20%を越えれば巨大なAl−Ti系金属間化合物が晶出して成形性を阻害するため、Tiを添加する場合のTi量は0.001〜0.20%の範囲内とした。またTiとともに微量のBを添加すれば鋳塊結晶粒微細化の効果が向上することが知られており、そこでこの発明の場合もTiとともに微量のBを添加することは許容される。このようにTiと併せてBを添加する場合、B量が0.0001%未満ではその効果がなく、0.05%を越えればTi−B系の粗大粒子が混入して成形性を害することから、TiとともにBを添加する場合のB量は0.0001〜0.05%の範囲内ととすることが望ましい。
σ=F・εn ・・・(1)
で定義される。但し、σは真応力、εは真歪み、Fは定数である。
(1)熱間圧延開始温度を、300〜550℃の範囲内に制御する。
(2)熱間圧延過程における厚さ150mmから20mmまでの間における材料温度を300〜470℃の範囲内に制御する。
(3)熱間圧延過程における厚さ20mmから熱間圧延最終パス直前までの材料温度を270〜420℃の範囲内に制御する。
(4)熱間圧延過程における厚さ150mm以下の各パスにおけるLn(Z)値を20〜50の範囲内に制御する。
(5)熱間圧延終了温度を270〜350℃の範囲内に制御する。
(6)熱間圧延上りの270〜350℃の範囲内の温度から100℃以下の温度域までの冷却過程において、100℃までの平均冷却速度を100℃/hr以下に制御する。
(7)熱間圧延過程における厚さ20mm以下の各パスを、その各パスにおける歪速度が後段のパスほど高くなるように制御するとともに、最終パスの歪速度を50/秒以上に制御する。
熱間圧延開始温度は、熱間圧延中の材料の回復、再結晶挙動に強い影響を及ぼす。熱間圧延開始温度が300℃未満では圧延中に再結晶が起こりにくく、材料の延性が低下して、熱間圧延中に板のエッジ割れ現象が生じやすい。一方、550℃を越えた温度で熱間圧延を開始すれば、粗大な結晶粒が形成されやすく、板の表面品質が低下するため、熱間圧延開始温度は300〜550℃の範囲に制御することとした。なお熱間圧延開始温度の好ましい範囲は350〜500℃である。
熱間圧延の開始温度と終了温度だけではなく、熱間圧延中の材料温度制御は極めて重要であり、特に熱間圧延過程中における板厚150mm以降の段階での材料温度の厳密な制御は、材料の析出挙動、再結晶挙動を制御して、材料の導電率、集合組織、耳率を適切な範囲に制御するために不可欠かつ重要である。板厚150mmから20mmまでの段階の材料温度が300℃未満では、熱間圧延中に深刻な板エッジ割れが生じるおそれがあり、一方470℃を越えれば、再結晶の進行が早まり、所要の導電率、集合組織、耳率が得られなくなるおそれがある。
この条件は、前述の(2)の厚さ150mmから20mmの段階の温度条件と合せて、熱間圧延過程における材料の析出挙動、再結晶挙動を制御して、材料の導電率、集合組織、耳率を適切な範囲に制御するばかりでなく、(2)の温度条件よりさらに低温側にシフトさせて材料温度を制御することによって、より多くの歪を蓄積し、熱間圧延終了後の材料の結晶粒度を微細にさせるために必要である。この段階での材料温度が270℃未満では、熱間圧延中に深刻な板エッジ割れを招くおそれがあり、一方420℃を越えれば、再結晶の進行が早まって、所要の導電率、集合組織、耳率が得られなくなるおそれがあるばかりでなく、歪の蓄積も少なくなって、微細な結晶粒を得ることが困難となる。なおこの範囲内でも特に280〜390℃の範囲内に制御することが好ましい。
ここで、Zは、例えば文献「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(昭和60年5月1日、社団法人軽金属協会発行)の第88頁〜第89頁に示されているように、熱間歪み蓄積の指標となるZener−Hollomon Parameter(単位:/秒)であり、歪み速度をE、活性化エネルギをQ、気体定数をR、温度をTとすれば、次の(2)式
Z=E・exp(Q/RT) ・・・(2)
で求められる値である。そして請求項3の発明では、前記の(2)、(3)の温度条件と合わせて、材料の熱間歪み蓄積と回復・再結晶を制御する目的で、Z値の自然対数Ln(Z)の値を、20から50までの範囲内に制御することとしている。ここで、Ln(Z)の値が20未満では熱間歪みの蓄積が不充分であり、一方50を越えれば材料の再結晶が促進され、いずれの場合も所要の集合組織、耳率、結晶粒度が得られなくなるおそれがある。なお厚さ150mm以下の各パスのLn(Z)の値は、好ましくは25〜45の範囲内に制御する。ここで、各パスにおけるLn(Z)の値は、(2)式から明らかなように各パスの歪速度および各パスの温度を適切に調整することによって制御することができ、特に厚さ150mm以下の各パスのLn(Z)の値を上述のような特定の範囲内に制御することは、所要の集合組織、耳率、結晶粒度を得るために極めて有効である。なおこの発明においては、Z値の計算にあたって活性化エネルギQの値として37,300cal/molの値を用い、気体定数Rとしては1.987cal/mol・kの値を用いている。
熱間圧延終了温度が270℃未満では、充分な再結晶組織が得られ難く、この場合そのまま焼鈍せずに最終板厚まで冷間圧延すれば、DI缶の耳が高くなり、またしごき加工性の劣化も招く。一方熱間圧延終了温度が350℃を越える場合、材料は完全再結晶組織となりやすいが、結晶粒の粗大化と表面品質の低下を招くおそれがある。そのため熱間圧延の終了温度は270〜350℃の範囲内とした。なおこの範囲内でも特に280〜340℃の範囲内が好ましい。なおまた熱間圧延終了板厚は特に限定しないが、最終板の強度と耳率としごき加工性、フランジ成形性のバランスを考慮すれば、3.0〜1.5mmの範囲内が好ましい。
熱間圧延終了後、270〜350℃の温度範囲からの冷却過程、特に100℃までの冷却過程は、再結晶の進行過程であって、キューブ方位結晶粒が成長する過程でもある。この過程での平均冷却速度が100℃/hrを越えれば、再結晶が充分に進行せず、キューブ方位結晶粒の生成が不充分となり、その結果最終板の低耳率の制御に不利となるだけではなく、成形性も低下するおそれがある。またこの冷却過程は、微細なMg系金属間化合物が生成する過程でもあり、この過程での冷却速度を制御することにより、Mg系金属間化合物のサイズと分布を適切に調整することができ、その結果冷間圧延後に適切な材料強度が得られるばかりでなく、安定した低い耳率を得ることが可能となる。そこでこの冷却過程での平均冷却速度を100℃/hr以下に規制することとした。なおこの過程で生成されるMg系金属間化合物としては、既に述べたようにAl−Mg−Cu系(例えばS相 MgCuAl2)、Mg2Siなどがある。そして既に述べたように熱間圧延板中の金属間化合物に含まれるMgの量が0.01%未満では、これらの金属間化合物の分布が疎になり過ぎて、低強度になりやすく、また耳率も不安定になり、逆に金属間化合物に含まれるMgの量が0.2%を越えれば、これらの金属間化合物の分布が密になり過ぎて、しごき加工性が劣化するから、金属間化合物に含まれるMgの量は0.01〜0.2%の範囲内とする必要があり、そのためにも上記の冷却過程の制御は重要である。
このように熱間圧延中の歪速度を規制することによって、(2)、(3)の温度条件、(4)のLn(Z)条件と有機的に結びついて、より安定的に望ましい導電率、集合組織、耳率と微細な結晶粒度が得られるばかりでなく、Mg系金属間化合物の量を制御することが可能となる。一般に熱間圧延における仕上げ段階では、相対的に材料温度が低くなるのが通常であり、このように材料温度が低下していく段階で歪速度を逓増させることによって、組織の回復を抑制し、歪を蓄積させるために極めて有効となる。そして熱間圧延過程で歪が蓄積された加工組織から完全再結晶組織に変わるまでの間は、転位パイプ拡散などによって微細なMg系金属間化合物が多量に生成されることになる。ここで、歪速度を逓増方式にしなければ、蓄積が足りず、そのため微細なMg系金属間化合物の生成が不足して、最終板で所要の強度と適切な耳率が得られなくなるという不具合が生じる。また、最終パスの歪速度が50/秒未満の場合も同様な不具合が生じる。
渦電流導電率測定装置を用いて、銅、黄銅を基準試料として測定を行なった。
圧延方向と平行な断面をEBSP法でマッピングし、得られた結晶粒を切断法で評価し、ASTM規格と比較して結晶粒度ナンバーを付した。
厚さ2mmの熱間圧延板について、10%NaOH水溶液で表面から板厚中央方向に向けて250μm、500μm、725μm、1000μmの深さまでエッチングしたものをそれぞれ測定サンプルとし、これらの各位置で測定したキューブ方位密度の平均値を熱間圧延板のキューブ方位密度とした。測定装置としては、リガク(株)のX線回折装置を用い、X線回折のシェルツ反射法により、{200}、{220}、{111}の不完全極点図を測定し、これらを元に三次元結晶方位解析(ODF)を行なって調べた。またこれらの解析においては、アルミニウム粉末から作られたランダム結晶方位を有する試料を測定して得られたデータを{200}、{220}、{111}の不完全極点図解析の際に使う規格化ファイルとし、これによりランダム方位を有する試料に対する倍数としてキューブ方位密度、すなわち{100}<001>方位の密度を求めた。なおこの発明において、結晶方位密度は全て三次元結晶方位解析(ODF)に基くものである。
熱間圧延板に含まれるMg量は、フェノール法によって調べ、熱間圧延板中に存在する全金属間化合物の総質量に対する割合として求めた。
JIS5号試験片を圧延方向と平行に採取して引張試験を行なった。なお加工硬化指数n値は、伸び2〜3%の範囲において、前記(1)式に基いて求めた。
コイルの長手方向に等間隔に7点、幅方向に等間隔に5点、合計35点について絞り試験を行なって45°方向のカップ耳率を調べた。
DI缶成形において、リドローダイスR1.8mmとし、缶ボディメーカの第2のしごき用ダイスを抜いて、第1と第3のしごき用ダイスのしごき率55%と苛酷に設定してしごき加工(苛酷しごき)を行ない、連続100缶の製缶で缶切れが発生しない比率をしごき加工性の指標として求めた。ここでこのような苛酷しごきの成功率が70%以上になれば、しごき加工性が良好とみなすことができる。
フランジ成形性(口拡げ性)としては4段ネッキング後のフランジ成形性を調べた。すなわち、4段ネッキング後のDI缶開口部(半径R0:29mm)に15°の勾配が形成されたポンチを、トリミング、洗浄、ベークしたDI缶の上部開口端にその開口縁部が割れるまで押し込み、割れる限界まで口拡げした後の開口部の半径をR1とし、その差(R1−R0)を求めた。
DI缶の内圧をボトムが変形されるまで上昇させて、その最大の圧力を求めた。
Claims (6)
- Mg0.5〜2.0%(mass%、以下同じ)、Mn0.5〜2.0%、Fe0.05〜0.8%、Si0.05〜0.8%、Cu0.05〜0.7%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなり、加工硬化指数n値が0.01〜0.2の範囲内にあり、しかも苛酷しごきの成功率が70%以上であることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板。
- 請求項1に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板において、
前記アルミニウム合金の成分として、さらにCr0.05〜0.5%、Zn0.05〜0.8%、Ti0.001〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有する、缶胴用アルミニウム合金硬質板。 - 請求項1もしくは請求項2において規定する成分組成のアルミニウム合金を鋳造した後、500℃以上の温度域で均質化処理を行ない、次いで熱間圧延を行なうにあたり、
(1)熱間圧延を、300〜550℃の範囲内で開始し、
(2)熱間圧延過程における厚さ150mmから20mmまでの間における材料温度を300〜470℃の範囲内に制御し、
(3)熱間圧延過程における厚さ20mmから熱間圧延最終パス直前までの材料温度を270〜420℃の範囲内に制御し、
(4)熱間圧延過程における厚さ150mm以下の各パスにおけるLn(Z)値(注:ZはZener−Hollomon Parameterを示す)を20〜50の範囲内に制御し、
(5)熱間圧延終了温度を270〜350℃の範囲内とし、
(6)熱間圧延上りの270〜350℃の範囲内の温度から100℃以下の温度域までの冷却過程において、100℃までの平均冷却速度を100℃/hr以下に制御し、
以上の(1)〜(6)によって得られた熱間圧延板について、中間焼鈍を施すことなく、50%以上の圧延率で冷間圧延を行ない、加工硬化指数n値が0.01〜0.2の範囲内にありしかも苛酷しごきの成功率が70%以上の缶胴用アルミニウム合金板を得ることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法。 - 請求項3に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法において、
前記熱間圧延過程における厚さ20mm以下の各パスを、その各パスにおける歪速度が後段のパスほど高くなるように制御するとともに、最終パスの歪速度を50/秒以上に制御することを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法。 - 請求項1もしくは請求項2に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板において、請求項1もしくは請求項2に記載の成分組成のアルミニウム合金からなり、かつ導電率が30〜50%IACSの範囲内にあり、しかも結晶粒度がASTMナンバーで4.0以上であり、さらにキューブ方位密度がランダム試料の5倍以上、100倍以下であることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板向け熱間圧延板。
- 請求項1もしくは請求項2に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板において、請求項1もしくは請求項2に記載の成分組成のアルミニウム合金からなり、かつ熱間圧延板に存在している金属間化合物中に含まれるMg量が0.01〜0.2%の範囲内であることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板向け熱間圧延板。
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