JP2006037148A - 缶胴用アルミニウム合金硬質板およびその製造方法 - Google Patents

缶胴用アルミニウム合金硬質板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 缶胴用材料として、強度、しごき加工性、フランジ成形性、耳率のバランスに優れたものが、熱延後の中間焼鈍を省略した低コストのプロセスで得られるようにする。
【解決手段】 Al−Mg−Mn系合金からなり、n値が0.01〜0.2で苛酷しごきの成功率が70%以上のAl合金硬質板。その中間製品の熱延板として、導電率30〜50%、結晶粒度(ASTM)4.0以上、キューブ方位密度5〜10のもの。さらにその製造方法として、熱間圧延条件(熱延開始温度、中途の各板厚での材料温度、Ln(Z)値、歪速度、熱延終了温度、冷却速度)を厳密に規定し、熱延後は中間焼鈍なしで冷間圧延のみにより仕上げることとした。
【選択図】 なし

Description

この発明は2ピースアルミニウム缶用の缶胴(一般にはDI缶胴)あるいはリシール性を備えたアルミニウムボトルの缶胴に使用されるAl−Mg−Mn系アルミニウム合金の硬質板およびその製造方法に関し、特に塗装焼付前後の強度が高いにもかかわらず、塗装焼付前のしごき加工性、塗装焼付後のフランジ成形性が優れ、かつ深絞り耳も低い缶胴用アルミニウム合金硬質板とその製造方法、および缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板に関するものである。
一般に2ピースアルミニウム缶(DI缶)の製造工程としては、缶胴用素材に対して、深絞り加工およびしごき加工によるDI成形を施して缶胴形状とした後、所定の寸法、形状にトリミングを施して脱脂・洗浄処理を行ない、さらに塗装・印刷を行って焼付け(ベーキング)を行ない、その後に缶胴縁部に対してネッキング加工、フランジ加工を行ない、別に成形した缶蓋と合せて巻締め(シーミング加工)を行なうのが通常である。
また、リシール性を有するアルミニウムボトル缶としては、いわゆる1ピースボトル缶と2ピースボトル缶とがあり、前者と後者とではその製造方法が若干異なる。前述の1ピースボトル缶の場合は、前述の2ピースアルミニウム缶(DI缶)と同様の工程を経て、最後のフランジ加工の代りに口部成形(スカート成形、ネジ成形、カール成形)を行なう。一方後者の2ピースボトル缶の場合は、缶胴用素材に対して、深絞り加工およびしごき・フランジ加工を行なってフランジ付き缶胴形状とした後、トップドーム成形(ネッキング・絞り加工)、缶底フランジトリミングを行なってから脱脂・洗浄処理を行ない、さらに塗装・印刷を行なって焼付け(ベーキング)し、穴あけ、スカート成形、ねじ成形、カール成形などの口部成形を行ない、さらに缶底フランジ加工および巻締めを行なうのが通常である。
上述のようにして製造される2ピース缶やボトル缶の缶胴用の素材としては、従来からAl−Mg−Mn系合金からなるJIS3004合金の硬質板が広く使用されている。この3004合金は、しごき加工性に優れていて、強度を高めるために高圧延率で冷間圧延を施した場合でも比較的良好な成形性を示すところから、これらの缶胴材として好適であるとされている。
なおこのような3004合金からなる缶胴用硬質板の製造方法としては、一般にDC鋳造法などによって鋳造した後、鋳塊に均質化処理を施し、さらに熱間圧延および冷間圧延によって所定の板厚とし、かつその過程における熱間圧延後の冷間圧延前、もしくは冷間圧延の中途において、再結晶のために中間焼鈍を施す方法が一般的である。
ところでアルミニウム缶胴材(2ピースアルミニウム缶の缶胴やアルミニウムボトル缶の缶胴)については、主として材料コスト削減の観点から、薄肉化を図ることが強く望まれている。そしてこのように薄肉化を図る場合、薄肉化に伴なう缶の座屈強度低下の問題等を回避するため、材料の高強度化を図ることが重要であり、特にボトル缶の場合には缶胴部のみならず、缶肩部、缶頸部も所要の強度を確保する必要があり、そのため材料の高強度化が不可欠である。
またボトル缶を含むDI缶の製造時における高い生産性を確保するためには、しごき加工時における缶切れを防止するため、しごき加工性が良好であることが必要である。
さらに、2ピース缶の缶胴の如くフランジ加工が要求される場合には、フランジ割れの発生を防止するため、フランジ成形性(口拡げ性)が優れていることが求められる。
そしてまたDI缶胴用材料としては、DI成形時における耳率が安定して低いことが望まれる。すなわち、DI成形時の耳率が安定して低いことは、DI成形時の歩留り向上と、缶胴の耳切れに起因する缶胴破断防止の点から重要である。
ここで、これらの強度、しごき加工性、フランジ成形性、耳率は、いずれか一つが優れていれば良いというものではなく、これらのバランスが良好で総合的に優れていることが必要であり、また製造方法としては、上述のような材料特性からの諸要求のほか、製造コストが低廉であることも重要である。
ところで従来の3004合金缶胴用硬質板の一般的な製造方法においては、前述のように熱間圧延後の冷間圧延前、あるいは冷間圧延の中途において、再結晶のために中間焼鈍を行なうのが通常である。このような中間焼鈍の観点から従来の主な製造プロセスを分類すれば、次の(a)〜(c)のプロセスに分けられる。
(a) 熱延−バッチ焼鈍プロセス
これは、通常の熱間圧延の後、加熱速度の遅い箱型焼鈍炉(バッチ式焼鈍炉;BAF)を用いて焼鈍する方法である。
(b) 熱延−連続焼鈍プロセス
これは、通常の熱間圧延の後、加熱速度の速い連続焼鈍炉(CAL)を用いて焼鈍する方法である。
(c) 冷延中間連続焼鈍プロセス
これは、通常の熱間圧延後の冷間圧延の中途において、加熱速度の速い連続焼鈍炉を用いて焼鈍する方法である。
さらに、以上の(a)〜(c)のプロセスのほか、次の(d)のような方法もある。
(d) 自己再結晶プロセス
これは、熱間圧延の上がり温度を材料の再結晶温度以上に制御することによって、熱間圧延上がりの状態で材料を自己再結晶(自己焼鈍)させる方法である。
以上のような(a)〜(d)のプロセスのうち、(a)、(b)、(d)のプロセスを適用した場合、いずれも最終的に得られた缶胴材のしごき加工性が劣るという共通の問題がある。またこれらのうち(d)のプロセスでは、しごき加工性を改善しようとすれば、材料強度を下げざるを得ず、そのため強度不足の問題が生じてしまう。さらに(c)のプロセスを適用した場合、缶胴材としてしごき加工性は優れるものの、フランジ成形性が劣るという問題がある。そしてまた、熱間圧延後に再結晶のための焼鈍を必要とする(a)、(b)、(c)のプロセスでは、製造コストが割高であるという問題もある。
ここで、Al−Mg−Mn系合金からなるDI缶胴材の製造方法として既に提案されている先行技術の方法としては、例えば特許文献1〜特許文献9に示すような方法があるが、これらのうち特許文献2〜特許文献7の方法は、いずれも熱間圧延の後、もしくは冷間圧延の中途で焼鈍を必須とするものであり、前述のようにコスト面等で問題があった。また特許文献1、特許文献8、特許文献9の方法の場合、いずれも強度、しごき加工性、フランジ成形性、および耳率の各性能のバランスの良い材料を得る点では未だ不充分であった。
特開平10−310837号公報 特開平11−256290号公報 特開平11−256291号公報 特開平11−256292号公報 特開2000−234158号公報 特開2001−40461号公報 特開2002−212691号公報 特開2003−203105号公報 特開平11−140576号公報
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、2ピースアルミニウム缶やアルミニウムボトル缶などのDI缶胴材として望まれる諸特性をバランスよく満足し得る材料、すなわち高強度を有すると同時にしごき加工性およびフランジ成形性が良好で、かつ耳率が安定して低くて、これらの諸特性のバランスが総合的に良好な缶胴用のアルミニウム合金硬質板を、低コストで得ることを目的とするものであり、特に熱間圧延後の焼鈍を不要としたプロセスで上述のような高品質の缶胴材を得る方法を提供することを目的とするものである。
本発明者等が前述の課題を解決するべく種々実験・検討を重ねた結果、熱間圧延条件を厳密かつ適切に制御して、熱間圧延板の性能を適切に制御することにより、熱間圧延後の再結晶のための焼鈍を省略しながらも、前述のような諸性能のバランスに優れた高品質のDI缶胴材を得ることができることを見出し、この発明をなすに至った。
すなわち、この発明では、熱間圧延後の中間焼鈍(熱間圧延と冷間圧延との間の中間焼鈍、もしくは冷間圧延中途での中間焼鈍)を行なわないプロセスで製造することを前提としているが、このように熱間圧延後に中間焼鈍を行なわないプロセスでは、熱間圧延終了直後の熱間圧延板の性能は、最終板(缶胴材)の性能を大きく左右することとなる。そして本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、熱間圧延終了後の熱間圧延板の導電率、結晶サイズ、集合組織(結晶方位)、さらには金属間化合物中のMg量を適切に制御することによって、最終板として、強度、しごき加工性、フランジ成形性、耳率のバランスの優れる材料が得られることを見出した。
また前述のような熱間圧延板の導電率、結晶サイズ、集合組織、金属間化合物中のMg量を適切に制御するためには、熱間圧延過程における諸条件、特に板厚減少の各段階における材料温度や、各パスの歪速度、さらには各パスでの熱間歪み蓄積の指標となるZ値(Zener−Hollomon Parameter)を適切に制御することが必要であることを見出した。
そしてまた、最終板の条件として、成分組成のみならず、加工硬化性能の指標であるn値および苛酷しごきの成功率を適切に規制することによって、前述のような諸性能のバランスの優れた材料が得られることを見出したのである。
具体的には、請求項1の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板は、Mg0.5〜2.0%、Mn0.5〜2.0%、Fe0.05〜0.8%、Si0.05〜0.8%、Cu0.05〜0.7%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなり、加工硬化指数n値が0.01〜0.2の範囲内にあり、しかも苛酷しごきの成功率が70%以上であることを特徴とするものである。
また請求項2の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板は、請求項1に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板において、前記アルミニウム合金の成分として、さらにCr0.05〜0.5%、Zn0.05〜0.8%、Ti0.001〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有するものである。
さらに請求項3の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法は、請求項1もしくは請求項2において規定する成分組成のアルミニウム合金を鋳造した後、500℃以上の温度域で均質化処理を行ない、次いで熱間圧延を行なうにあたり、
(1)熱間圧延を、300〜550℃の範囲内で開始し、
(2)熱間圧延過程における厚さ150mmから20mmまでの間における材料温度を300〜470℃の範囲内に制御し、
(3)熱間圧延過程における厚さ20mmから熱間圧延最終パス直前までの材料温度を270〜420℃の範囲内に制御し、
(4)熱間圧延過程における厚さ150mm以下の各パスにおけるLn(Z)値(注:ZはZener−Hollomon Parameterを示す)を20〜50の範囲内に制御し、
(5)熱間圧延終了温度を270〜350℃の範囲内とし、
(6)熱間圧延上りの270〜350℃の範囲内の温度から100℃以下の温度域までの冷却過程において、100℃までの平均冷却速度を100℃/hr以下に制御し、
以上の(1)〜(6)によって得られた熱間圧延板について、中間焼鈍を施すことなく、50%以上の圧延率で冷間圧延を行ない、加工硬化指数n値が0.01〜0.2の範囲内にありしかも苛酷しごきの成功率が70%以上の缶胴用アルミニウム合金硬質板を得ることを特徴とするものである。
また請求項4の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法は、請求項3に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法において、前記熱間圧延過程における厚さ20mm以下の各パスを、その各パスにおける歪速度が後段のパスほど高くなるように制御するとともに、最終パスの歪速度を50/秒以上に制御することを特徴とするものである。
一方請求項5および請求項6は、請求項1もしくは請求項2に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板を製造する過程での中間製品、すなわち缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板を規定している。
すなわち請求項5の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板向け熱間圧延板は、請求項1もしくは請求項2に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板において、請求項1もしくは請求項2に記載の成分組成のアルミニウム合金からなり、かつ導電率が30〜50%IACSの範囲内にあり、しかも結晶粒度がASTMナンバーで4.0以上であり、さらにキューブ方位密度がランダム試料の5倍以上、100倍以下であることを特徴とするものである。
請求項6の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板向け熱間圧延板は、請求項1もしくは請求項2に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板において、請求項1もしくは請求項2に記載の成分組成のアルミニウム合金からなり、かつ熱間圧延板に存在している金属間化合物中に含まれるMg量が0.01〜0.2%の範囲内であることを特徴とするものである。
請求項1もしくは請求項2の発明による缶胴用アルミニウム合金硬質板は、2ピース缶やボトル缶のDI缶胴に要求される諸特性のバランスに優れており、特に強度、しごき加工性、フランジ成形性、および耳率のバランスが良好である。また請求項3、請求項4の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法によれば、熱間圧延後の中間焼鈍(熱間圧延と冷間圧延との間の中間焼鈍、もしくは冷間圧延中途での中間焼鈍)を省いたプロセスを適用しているため生産性が高く、低コストで缶胴材を製造することができ、しかもこのように中間焼鈍を省略しながらも、缶胴材に要求される諸特性、特に強度としごき加工性、フランジ成形性、および耳率のバランスに優れた高性能の缶胴材を安定して得ることができる。また請求項5、請求項6の発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板向け熱間圧延板を用いれば、熱間圧延後の中間焼鈍を省略しながらも、最終的に前述のように優れた性能バランスを有する缶胴用アルミニウム合金硬質板を得ることができる。
先ずこの発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板に用いられるアルミニウム合金の成分組成の限定理由について説明する。
Mg:
Mgの添加は、Mgそれ自体の固溶による強度向上に効果があり、またMgの固溶に伴なう加工硬化量の増大による強度向上が期待でき、さらにはSiとの共存によるMg2Siの時効析出による強度向上も期待でき、したがってMgは缶胴材として必要な強度を得るためには不可欠の元素である。またMgは、加工時の転位の増殖作用があるため、再結晶粒を微細化させるためにも有効である。但しMg量が0.5%未満では上述の効果が少なく、一方2.0%を越えれば、高強度は容易に得られるものの、DI加工時の変形抵抗が大きくなってしごき加工性やフランジ成形性を悪くする。したがってMg量は0.5〜2.0%の範囲内とした。なおMg量は、この範囲内でも特に0.7〜1.5%の範囲内が好ましい。
Mn:
Mnは強度および成形性の向上に寄与する有効な元素である。特にこの発明で目的としている用途である缶胴材ではDI成形時にしごき加工が加えられるため、とりわけMnは重要となる。アルミニウム板のしごき加工においては通常エマルジョンタイプの潤滑剤が用いられているが、Mn系晶出物が少ない場合には同程度の強度を有していてもエマルジョンタイプ潤滑剤だけでは潤滑能が不足し、ゴーリングと称される擦り疵や焼付きなどの外観不良が発生するおそれがある。ゴーリングは晶出物の大きさ、量、種類に影響されることが知られており、その晶出物を形成するためにMnは不可欠な元素である。Mn量が0.5%未満ではMn系化合物による固体潤滑的な効果が得られず、一方Mn量が2.0%を越えればAl6Mnの初晶巨大金属間化合物が発生して、著しく成形性を損なってしまう。そこでMn量は0.5〜2.0%の範囲内とした。またここで製品板中における固溶Mnは、加工時の回復を抑制する効果および塗装焼付け時の軟化を低減する効果がある。なおMn量は、0.5〜2.0%の範囲内でも特に0.7〜1.5%の範囲内が好ましい。
Fe:
Feは、Mnの晶出や析出を促進して、アルミニウム基地中のMn固溶量やMn系金属間化合物の分散状態を制御するために必要な元素であり、また化合物を通じて結晶粒の微細化にも寄与する。そして適切な化合物分散状態を得るためには、Mn添加量に応じてFeを添加することが必要である。Fe量が0.05%未満では適切な化合物分散状態、微細な結晶粒を得ることが困難であり、一方Fe量が0.8%を越えれば、Mn添加に伴なって初晶巨大金属間化合物が発生しやすくなり、しごき加工性、フランジ成形性を損なうおそれがある。そこでFe量の範囲は0.05〜0.8%とした。なおFe量は、0.05〜0.8%の範囲内でも特に0.2〜0.6%の範囲内が好ましい。
Si:
Siの添加は、Mg2Si系化合物の析出による時効硬化を通じて缶胴材の強度向上に寄与する。またSiは、Al−Mn−Fe−Si系金属間化合物を生成して、Mn系金属間化合物の分散状態を制御するために必要な元素である。Si量が0.05%未満では上記の効果が得られず、一方0.8%を越えれば時効硬化により材料が硬くなりすぎて成形性を阻害する。そこでSi量の範囲は0.05〜0.8%とした。なおSi量は、0.05〜0.8%の範囲内でも特に0.1〜0.5%の範囲内が好ましい。
Cu:
Cuは、主にAl−Cu−Mg系析出物として析出して、強度向上に寄与する。Cu量が0.05%未満ではその効果が得られず、一方Cuを0.7%を越えて添加した場合には、時効硬化は容易に得られるものの、硬くなりすぎてしごき加工性、フランジ成形性などを阻害し、また耐食性も劣化する。そこでCu量の範囲は0.05〜0.7%とした。なおCu量は、0.05〜0.7%の範囲内でも特に0.1〜0.4%の範囲内が好ましい。
以上の各元素のほかは、基本的にはAlおよび不可避的不純物とすれば良いが、必要に応じてCr、Zn、Tiのうちの1種または2種以上を添加しても良い。これらのCr、Zn、Tiについてさらに詳細に説明する。
Cr:
Crは強度向上に効果的な元素であるが、0.05%未満ではその効果が少なく、0.5%を越えれば巨大晶出物生成によって成形性の低下を招くため、好ましくない。そこでCrを添加する場合のCr量の範囲は0.05〜0.5%とした。なおCr量のより好ましい範囲は0.1〜0.4%である。
Zn:
Znの添加はAl−Mg−Zn系粒子の時効析出による強度向上に寄与するが、0.05%未満ではその効果が得られず、0.8%を越えれば、強度への寄与については問題がないが、耐食性を劣化させる。そこでZnを添加する場合のZr量の範囲は0.05〜0.8%とした。なおZn量のより好ましい範囲は、0.1〜0.5%である。
Ti:
通常のアルミニウム合金においては、鋳塊結晶粒微細化のためにTiを微量添加することが行なわれており、この発明においても、必要に応じて微量のTiを添加しても良い。但しTi量が0.001%未満ではその効果が得られず、一方0.20%を越えれば巨大なAl−Ti系金属間化合物が晶出して成形性を阻害するため、Tiを添加する場合のTi量は0.001〜0.20%の範囲内とした。またTiとともに微量のBを添加すれば鋳塊結晶粒微細化の効果が向上することが知られており、そこでこの発明の場合もTiとともに微量のBを添加することは許容される。このようにTiと併せてBを添加する場合、B量が0.0001%未満ではその効果がなく、0.05%を越えればTi−B系の粗大粒子が混入して成形性を害することから、TiとともにBを添加する場合のB量は0.0001〜0.05%の範囲内ととすることが望ましい。
さらにこの発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板では、合金の成分組成を前述のように規制するのみならず、板の加工硬化指数、すなわち所謂n値と、苛酷しごきの成功率を定めている。これらについて次に説明する。
加工硬化指数(n値)は材料の各種加工時、各種成形加工時における加工硬化の種々の指標であり、次の(1)式
σ=F・ε ・・・(1)
で定義される。但し、σは真応力、εは真歪み、Fは定数である。
このような加工硬化指数n値は最終的な製品(缶胴)の強度および成形性、加工性に影響を与える。加工硬化指数n値が0.01未満では、加工硬化が進み難いため、強度不足となりやすく、また缶のボトム部とネック部の成形時において、シワが発生しやすくなる。一方n値が0.2を越えれば、材料の加工硬化が過度に進み、フランジ割れ感受性が高くなって、フランジ成形性が低下し、またしごき加工性も低下するおそれがある。そこでこの発明では、缶胴用アルミニウム合金硬質板の加工硬化指数n値を0.01〜0.2の範囲内に定めた。なおここでn値は、JIS5号試験片を圧延方向と平行に採取し、伸び2〜3%の範囲で求めたものとする。
さらに、DI缶胴材のしごき加工性を効率良く、しかも高精度で評価するために、本発明者等が実験・検討を重ねた結果、リドローダイスR1.8mmとし、缶ボディメーカの第2のしごき用ダイスを抜いて、第1と第3のしごき用ダイスのしごき率55%と苛酷に設定してしごき加工(苛酷しごき)を行なった場合に、連続100缶の製缶で缶切れが発生しない比率がしごき加工性の指標としてきわめて有効であることを見出した。そしてこのような苛酷しごきの成功率が70%以上になれば、しごき加工性が良好とみなすことができることを見出し、この値を発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板のしごき加工性指標として規定した。
さらにこの発明では、最終板(缶胴用アルミニウム合金硬質板)として、強度、しごき加工性、フランジ成形性、耳率のバランスの優れた材料を安定して得るため、そのアルミニウム合金硬質板(最終板)の製造過程の中間製品である熱間圧延板、すなわち缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板について、導電率、結晶粒サイズ、集合組織(結晶方位)、さらには金属間化合物に含まれるMg量を規定している。その理由は次の通りである。
この発明では、缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造プロセスとして、低コスト化を図るため、熱間圧延終了直後やその後の冷間圧延中途での中間焼鈍を実施しないプロセスを適用することとしており、このようなプロセスでは、熱間圧延終了後の熱間圧延板の性能が最終板の性能を大きく左右することとなる。そして本発明者等が種々実験・検討を重ねた結果、熱間圧延終了後の段階における熱間圧延板の導電率、結晶粒サイズ、集合組織(結晶方位)の制御、さらには金属間化合物に含まれるMg量の制御が、最終板の強度、しごき加工性、フランジ成形性、耳率のバランスにとって極めて重要であることを見出し、これらを熱間圧延板についての条件として規定したのである。
具体的には、先ず熱間圧延板の導電率は、材料中に固溶している元素の固溶量の指標となる値であって、加工硬化に及ぼす影響が大きく、したがって導電率は加工硬化性を通じて材料の強度、しごき加工性、フランジ成形性に影響を及ぼす重要な因子であることから、この発明では30〜50%IACSの範囲内に規制することとした。ここで、熱間圧延板の導電率が30%IACS未満では、固溶元素量が多過ぎて、最終板の加工硬化指数n値が0.2を越えるおそれがあり、その場合高強度を得るためには有利となるが、しごき加工性、フランジ成形性が低下してしまう。また、熱間圧延後の導電率が50%IACSを越えれば、固溶元素量が少な過ぎて、最終板の加工硬化指数n値が0.01未満に低下してしまうおそれがあり、それに伴ない強度不足を招くおそれがある。なお熱間圧延板の導電率は、好ましくは35〜45%IACSの範囲内とする。なお、加工硬化指数n値は、導電率に影響される以外に、次に述べるように結晶方位、析出物のサイズと分布密度にも影響される。
次に結晶粒が微細であることは、強度向上と均一変形に寄与する重要な因子であり、したがって結晶粒度は材料の強度、しごき加工性、フランジ成形性のバランスにとって極めて重要である。熱間圧延板段階での結晶粒度がASTMナンバーで4.0未満では、中間焼鈍を省略したプロセスでは最終板の組織も微細とならず、そのため強度、しごき加工性、フランジ成形性の良好な板を得ることが困難となる。そこで熱間圧延板段階での結晶粒サイズをASTMナンバー4.0以上と定めた。なお好ましくはASTMナンバー7.0以上とする。
さらに、熱間圧延板の段階での集合組織(結晶方位密度)、特にキューブ方位密度は、最終板の耳率に大きな影響を及ぼすだけでなく、すべり変形の異方性にも影響を与え、そのすべり変形の異方性を通じて、最終板のしごき加工性、フランジ成形性にも影響を及ぼす。熱間圧延段階でのキューブ方位密度の適切な範囲は、最終板の耳率、しごき加工性、フランジ成形性のバランスから、ランダム試料の5倍以上100倍以下である。熱間圧延板でのキューブ方位密度がランダム試料の5倍未満となるかまたは100倍を越えれば、しごき加工性、フランジ成形性が低下し、また低耳率を得ることも困難となる。
さらに、熱間圧延板中に存在する金属間化合物、特にMgを含有する系の金属間化合物(Mg系金属間化合物)の分散状況(分布の疎密、サイズ)は、最終板の強度や耳率、しごき加工性に大きな影響を与える。またここで熱間圧延板中に存在する金属間化合物のMg量(板全体に対してMg系金属間化合物に含まれているMgの割合)は、Mg系金属間化合物の分散状況の指標となる。そこでこの発明では、熱間圧延板中に存在する金属間化合物中に含まれているMg量を、熱間圧延板全体の全ての金属間化合物の合計量(総金属間化合物量)に対する割合で0.01〜0.2質量%の範囲内と規定している。
この点についてより具体的に説明すると、熱間圧延板中に含まれるMg系金属間化合物としては、代表的にはAl−Mg−Cu系(例えばS相すなわちMgCuAl2)やMg2Siなどがある。このようなMg系金属間化合物に含まれているMgの量が熱間圧延板全体に対し0.01%未満では、これらのMg系金属間化合物の分布が疎になり過ぎて、低強度になりやすく、また、耳率も不安定になる。逆に金属間化合物に含まれるMgの量が熱間圧延板全体に対し0.2%を越えれば、これら金属間化合物の分布が密になり過ぎて、しごき加工性が劣化する。特に上述のMg系金属間化合物のうちS相は、そのサイズが小さく、強度、しごき加工性に及ぼす影響が大きいから、上記のように規制すこととした。なお、Mg系以外の金属間化合物としては、Al(MnFe)Si系、AlMnSi系、AlFeSi系、AlMn系、AlFe系などがあり、一般にはこれらが主体となって全金属間化合物の90%以上を占めることが多く、これらのMg系以外の金属間化合物も全体として一定の分散強化の効果をもたらすが、個々の粒子サイズは比較的大きく、析出硬化に対する寄与は少ない。したがって合金成分および製造条件がこの発明で規定する範囲内であれば、Mg系以外の金属間化合物については特に考慮する必要はない。
以上のように、この発明では熱間圧延板の段階での導電率、結晶粒度、キューブ方位密度、および金属間化合物に含まれるMg量をそれぞれ規定しており、最終板(熱間圧延板に冷間圧延を加えたもの)の段階ではこれらを規定していないが、その理由は次の通りである。
すなわち、最終板では冷間加工(冷間圧延)によって結晶粒が変形し、繊維状の加工組織となるため、結晶粒サイズの測定は困難であり、また冷間加工によるキューブ方位密度の低減と加工集合組織成分の増大などにって結晶方位成分が複雑となり、一律に方位密度条件を規定することが困難となる。さらにこの発明では、熱間圧延後に中間焼鈍を行なわないプロセスを対象としているため、冷間圧延後の最終板の性能バランスは熱間圧延後の段階での性能指標によってほとんど決定されてしまう。したがってこの発明では、熱間圧延板の段階での板の条件を厳密に規定しておくこととした。
次にこの発明の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法について説明する。なおこの発明では、最終板である缶胴用アルミニウム合金硬質板のみならず、その中間製品に相当する熱間圧延板についても規定しているが、このような中間製品としての熱間圧延板の製造方法は、以下の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法についての説明中に含ませて説明するものとする。
先ず前述のような合金組成を有するアルミニウム合金鋳塊を、常法にしたがってDC鋳造法(半連続鋳造法)により鋳造する。次いでその鋳塊に対して均質化処理を行ない、鋳塊の偏析を均質化するとともにMn、Fe、Si系の第2相粒子サイズと分布を最適化する。このような第2相粒子のサイズと分布は熱間圧延板の結晶粒サイズと集合組織に影響を及ぼす。均質化処理温度が500℃未満では、均質化効果が不充分であるばかりでなく、微細な結晶粒サイズ、最適な集合組織が得られなくなるおそれがある。一方均質化処理温度の上限特に規制しないが、通常は640℃を越えれば、共晶融解のおそれがあるから、640℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、均質化処理温度は560〜630℃の範囲内とする。また均質化処理の時間は特に規制しないが、1時間未満では均質化効果が不充分となるおそれがあり、また48時間を越えれば経済性を損なうから、通常は1〜48時間の範囲内とし、好ましくは2〜16時間の範囲内とする。なお上述のようにして均質化処理を行なった鋳塊は、その温度を保持したまま直ちに次に述べるような熱間圧延に供しても良く、あるいは一旦冷却して表面品質維持のための面削を行なった後、改めて熱間圧延開始温度に再加熱して熱間圧延を行なっても良い。
均質化処理後には、上述のように熱間圧延を行なう。ここで、この発明の場合、熱間圧延後に焼鈍を行なわないプロセスを適用することとしているため、熱間圧延上がりの状態で充分に再結晶している必要があり、また熱間圧延後は冷間圧延を施すだけであるため、熱間圧延を終了した段階での板(熱間圧延板)の性能は最終板の性能に大きな影響を及ぼす。そこで最終板として性能バランスの優れたものを得るため、熱間圧延を終了した段階での板の条件として、既に述べたように導電率、結晶粒サイズ、キューブ方位密度、および金属間化合物に含まれるMg量を規定している。そしてこれらの条件を満たす熱間圧延板を得るためには、熱間圧延条件を厳密に規制する必要があり、そこでこの発明の製造方法では、熱間圧延開始温度や熱間圧延終了温度(熱延上り温度)のみならず、熱間圧延過程における各板厚段階(特に後期〜末期)での材料温度、さらには熱間圧延過程の後期〜末期における各パスのLn(Z)値、歪速度等を厳密に規制している。具体的には、請求項3に係る発明の製造方法では、次の(1)〜(6)の条件を規定している。
(1)熱間圧延開始温度を、300〜550℃の範囲内に制御する。
(2)熱間圧延過程における厚さ150mmから20mmまでの間における材料温度を300〜470℃の範囲内に制御する。
(3)熱間圧延過程における厚さ20mmから熱間圧延最終パス直前までの材料温度を270〜420℃の範囲内に制御する。
(4)熱間圧延過程における厚さ150mm以下の各パスにおけるLn(Z)値を20〜50の範囲内に制御する。
(5)熱間圧延終了温度を270〜350℃の範囲内に制御する。
(6)熱間圧延上りの270〜350℃の範囲内の温度から100℃以下の温度域までの冷却過程において、100℃までの平均冷却速度を100℃/hr以下に制御する。
さらに以上の(1)〜(6)の条件と併せて、次の(7)の条件を満たすことが望ましく、この(7)の条件を請求項4の発明で規定している。
(7)熱間圧延過程における厚さ20mm以下の各パスを、その各パスにおける歪速度が後段のパスほど高くなるように制御するとともに、最終パスの歪速度を50/秒以上に制御する。
以下にこれらの熱間圧延条件のうち、先ず請求項3で規定している(1)〜(6)の条件について具体的に説明する。
(1)熱間圧延開始温度を、300〜550℃の範囲内に制御する。
熱間圧延開始温度は、熱間圧延中の材料の回復、再結晶挙動に強い影響を及ぼす。熱間圧延開始温度が300℃未満では圧延中に再結晶が起こりにくく、材料の延性が低下して、熱間圧延中に板のエッジ割れ現象が生じやすい。一方、550℃を越えた温度で熱間圧延を開始すれば、粗大な結晶粒が形成されやすく、板の表面品質が低下するため、熱間圧延開始温度は300〜550℃の範囲に制御することとした。なお熱間圧延開始温度の好ましい範囲は350〜500℃である。
(2)熱間圧延過程における厚さ150mmから20mmまでの間における材料温度を300〜470℃の範囲内の温度に制御する。
熱間圧延の開始温度と終了温度だけではなく、熱間圧延中の材料温度制御は極めて重要であり、特に熱間圧延過程中における板厚150mm以降の段階での材料温度の厳密な制御は、材料の析出挙動、再結晶挙動を制御して、材料の導電率、集合組織、耳率を適切な範囲に制御するために不可欠かつ重要である。板厚150mmから20mmまでの段階の材料温度が300℃未満では、熱間圧延中に深刻な板エッジ割れが生じるおそれがあり、一方470℃を越えれば、再結晶の進行が早まり、所要の導電率、集合組織、耳率が得られなくなるおそれがある。
(3)熱間圧延過程における厚さ20mmから熱間圧延最終パス直前までの材料温度を270〜420℃の範囲内に制御する。
この条件は、前述の(2)の厚さ150mmから20mmの段階の温度条件と合せて、熱間圧延過程における材料の析出挙動、再結晶挙動を制御して、材料の導電率、集合組織、耳率を適切な範囲に制御するばかりでなく、(2)の温度条件よりさらに低温側にシフトさせて材料温度を制御することによって、より多くの歪を蓄積し、熱間圧延終了後の材料の結晶粒度を微細にさせるために必要である。この段階での材料温度が270℃未満では、熱間圧延中に深刻な板エッジ割れを招くおそれがあり、一方420℃を越えれば、再結晶の進行が早まって、所要の導電率、集合組織、耳率が得られなくなるおそれがあるばかりでなく、歪の蓄積も少なくなって、微細な結晶粒を得ることが困難となる。なおこの範囲内でも特に280〜390℃の範囲内に制御することが好ましい。
(4)熱間圧延過程における厚さ150mm以下の各パスにおけるLn(Z)値を20〜50の範囲内に制御する。
ここで、Zは、例えば文献「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(昭和60年5月1日、社団法人軽金属協会発行)の第88頁〜第89頁に示されているように、熱間歪み蓄積の指標となるZener−Hollomon Parameter(単位:/秒)であり、歪み速度をE、活性化エネルギをQ、気体定数をR、温度をTとすれば、次の(2)式
Z=E・exp(Q/RT) ・・・(2)
で求められる値である。そして請求項3の発明では、前記の(2)、(3)の温度条件と合わせて、材料の熱間歪み蓄積と回復・再結晶を制御する目的で、Z値の自然対数Ln(Z)の値を、20から50までの範囲内に制御することとしている。ここで、Ln(Z)の値が20未満では熱間歪みの蓄積が不充分であり、一方50を越えれば材料の再結晶が促進され、いずれの場合も所要の集合組織、耳率、結晶粒度が得られなくなるおそれがある。なお厚さ150mm以下の各パスのLn(Z)の値は、好ましくは25〜45の範囲内に制御する。ここで、各パスにおけるLn(Z)の値は、(2)式から明らかなように各パスの歪速度および各パスの温度を適切に調整することによって制御することができ、特に厚さ150mm以下の各パスのLn(Z)の値を上述のような特定の範囲内に制御することは、所要の集合組織、耳率、結晶粒度を得るために極めて有効である。なおこの発明においては、Z値の計算にあたって活性化エネルギQの値として37,300cal/molの値を用い、気体定数Rとしては1.987cal/mol・kの値を用いている。
(5)熱間圧延終了温度を270〜350℃の範囲内に制御する。
熱間圧延終了温度が270℃未満では、充分な再結晶組織が得られ難く、この場合そのまま焼鈍せずに最終板厚まで冷間圧延すれば、DI缶の耳が高くなり、またしごき加工性の劣化も招く。一方熱間圧延終了温度が350℃を越える場合、材料は完全再結晶組織となりやすいが、結晶粒の粗大化と表面品質の低下を招くおそれがある。そのため熱間圧延の終了温度は270〜350℃の範囲内とした。なおこの範囲内でも特に280〜340℃の範囲内が好ましい。なおまた熱間圧延終了板厚は特に限定しないが、最終板の強度と耳率としごき加工性、フランジ成形性のバランスを考慮すれば、3.0〜1.5mmの範囲内が好ましい。
(6)熱間圧延上りの270〜350℃の範囲内の温度から100℃以下の温度域までの冷却過程において、100℃までの平均冷却速度を100℃/hr以下に制御する。
熱間圧延終了後、270〜350℃の温度範囲からの冷却過程、特に100℃までの冷却過程は、再結晶の進行過程であって、キューブ方位結晶粒が成長する過程でもある。この過程での平均冷却速度が100℃/hrを越えれば、再結晶が充分に進行せず、キューブ方位結晶粒の生成が不充分となり、その結果最終板の低耳率の制御に不利となるだけではなく、成形性も低下するおそれがある。またこの冷却過程は、微細なMg系金属間化合物が生成する過程でもあり、この過程での冷却速度を制御することにより、Mg系金属間化合物のサイズと分布を適切に調整することができ、その結果冷間圧延後に適切な材料強度が得られるばかりでなく、安定した低い耳率を得ることが可能となる。そこでこの冷却過程での平均冷却速度を100℃/hr以下に規制することとした。なおこの過程で生成されるMg系金属間化合物としては、既に述べたようにAl−Mg−Cu系(例えばS相 MgCuAl2)、Mg2Siなどがある。そして既に述べたように熱間圧延板中の金属間化合物に含まれるMgの量が0.01%未満では、これらの金属間化合物の分布が疎になり過ぎて、低強度になりやすく、また耳率も不安定になり、逆に金属間化合物に含まれるMgの量が0.2%を越えれば、これらの金属間化合物の分布が密になり過ぎて、しごき加工性が劣化するから、金属間化合物に含まれるMgの量は0.01〜0.2%の範囲内とする必要があり、そのためにも上記の冷却過程の制御は重要である。
さらに請求項4の発明の製造方法においては、熱間圧延条件として、請求項3の発明の製造方法で規定している(1)〜(6)のほか、(7)の条件を規定しており、この(7)の条件について次に説明する。
(7)熱間圧延過程における厚さ20mm以下の各パスの歪速度が、後段のパスほど高くなるように、すなわち後パスの歪速度をその一つ前のパスの歪速度を越えるように制御(以下このような制御方式を逓増方式と称する)するとともに、最終パスの歪速度を50/秒以上に制御する。
このように熱間圧延中の歪速度を規制することによって、(2)、(3)の温度条件、(4)のLn(Z)条件と有機的に結びついて、より安定的に望ましい導電率、集合組織、耳率と微細な結晶粒度が得られるばかりでなく、Mg系金属間化合物の量を制御することが可能となる。一般に熱間圧延における仕上げ段階では、相対的に材料温度が低くなるのが通常であり、このように材料温度が低下していく段階で歪速度を逓増させることによって、組織の回復を抑制し、歪を蓄積させるために極めて有効となる。そして熱間圧延過程で歪が蓄積された加工組織から完全再結晶組織に変わるまでの間は、転位パイプ拡散などによって微細なMg系金属間化合物が多量に生成されることになる。ここで、歪速度を逓増方式にしなければ、蓄積が足りず、そのため微細なMg系金属間化合物の生成が不足して、最終板で所要の強度と適切な耳率が得られなくなるという不具合が生じる。また、最終パスの歪速度が50/秒未満の場合も同様な不具合が生じる。
以上のような各条件を満たすようにして、熱間圧延を終了して材料を室温もしくは室温近くまで冷却した後には、自己焼鈍によりほぼ完全な再結晶の組織となるばかりでなく、微細な結晶組織と適切なMg系金属間化合物の分布が得られるため、これ以降、改めて中間焼鈍を施すことなく、冷間圧延を行なうだけで、低コストで性能バランスの優れた高品質の製品板を得ることができる。
冷間圧延は、圧延率50%以上で行なう。ここで、中間焼鈍を施さずに最終冷間圧延率を50%未満とした場合、最終製品板の望ましい板厚0.35〜0.25mmの範囲を考慮すれば、熱延上り板厚を1mm未満にする必要が生じる。しかしながら熱延上り板厚を1mm未満とすることは、実操業上において極めて困難であり、また最終冷間圧延率を50%未満とすれば、材料の冷間加工硬化による強化が少なくなり、充分な材料強度が得られなくなるおそれがあり、さらには耳率の制御にも不利となる。したがって、冷間圧延率は50%以上に規制することとした。なお冷間圧延率の上限は特に規制しないが、しごき加工性、フランジ成形性、耳率、強度のバランスを考慮すれば、好ましくは90%以下とする。
以上のような工程を経て得られた硬質板は、既に述べたような加工硬化指数n値の条件(0.01〜0.2)、および苛酷しごき成功率の条件(70%以上)を満たし、強度、しごき加工性、フランジ成形性、耳率のバランスの優れた材料となる。
以下にこの発明の実施例を比較例とともに説明する。なお以下の各例は、この発明の効果を説明するためのものであり、実施例記載のプロセスおよび条件がこの発明の技術的範囲を制限するものではないことはもちろんである。
表1に示す合金記号A1〜A6の各合金について、それぞれ常法に従って溶製し、DC鋳造法により厚み650mmのスラブに鋳造した。得られたスラブについて、610℃の温度に加熱して6時間保持の均質化処理を行ない、放冷した。その後、片面あたり10mmづつ面削して表2中に示す熱間圧延開始温度まで加熱して2時間保持後、熱間圧延を開始した。なおスラブ均質化処理における昇温速度は2〜200℃/hr、均質化処理後の冷却過程における降温速度は5〜1000℃/hrの範囲内とした。熱間圧延過程では、150〜20mmの板厚範囲で100mm、65mm、30mmの各板厚をそれぞれ代表板厚として材料温度の測定を行ない、また板厚20mm以下では、12mmおよび4.5mmをそれぞれ代表板厚として材料温度の測定を行なった。さらに、各代表板厚のLn(Z)値および板厚20mm以下の各パスの歪速度を調べた。なお、熱間圧延終了板厚は2mmとした。このような熱間圧延過程における詳細な条件を表2、表3に示す。
熱間圧延後は、中間焼鈍を施すことなく、板厚0.285mmまで冷間圧延を行ない、硬質板とした。なお冷間圧延率は85.75%である。
以上の過程において、熱間圧延板の段階での導電率、結晶粒サイズ、結晶方位密度(キューブ方位密度)、および板中に存在する金属間化合物に含まれるMg量(板全体の全ての金属間化合物の総量に対する金属間化合物中のMgの割合:質量%)を測定したので、その結果を表4に示す。なおこれらの測定方法は次の通りである。
導電率(%IACS)
渦電流導電率測定装置を用いて、銅、黄銅を基準試料として測定を行なった。
結晶粒サイズ:
圧延方向と平行な断面をEBSP法でマッピングし、得られた結晶粒を切断法で評価し、ASTM規格と比較して結晶粒度ナンバーを付した。
結晶方位密度(キューブ方位密度)の測定:
厚さ2mmの熱間圧延板について、10%NaOH水溶液で表面から板厚中央方向に向けて250μm、500μm、725μm、1000μmの深さまでエッチングしたものをそれぞれ測定サンプルとし、これらの各位置で測定したキューブ方位密度の平均値を熱間圧延板のキューブ方位密度とした。測定装置としては、リガク(株)のX線回折装置を用い、X線回折のシェルツ反射法により、{200}、{220}、{111}の不完全極点図を測定し、これらを元に三次元結晶方位解析(ODF)を行なって調べた。またこれらの解析においては、アルミニウム粉末から作られたランダム結晶方位を有する試料を測定して得られたデータを{200}、{220}、{111}の不完全極点図解析の際に使う規格化ファイルとし、これによりランダム方位を有する試料に対する倍数としてキューブ方位密度、すなわち{100}<001>方位の密度を求めた。なおこの発明において、結晶方位密度は全て三次元結晶方位解析(ODF)に基くものである。
金属間化合物に含まれるMg量の測定:
熱間圧延板に含まれるMg量は、フェノール法によって調べ、熱間圧延板中に存在する全金属間化合物の総質量に対する割合として求めた。
さらに、前述のようにして得られた最終板(缶胴用アルミニウム合金硬質板)について、塗装焼付を想定した200℃×20分保持の熱処理(ベーク)を行なった前後の試験片について引張試験を行ない、ベーク前後の機械的強度(0.2%耐力)を調べるとともに、ベーク前の加工硬化指数n値について調べた。
また、前述の最終板について、カップ耳率および苛酷しごきの成功率を調べるとともに、フランジ成形性を調べ、さらにDI缶に成形した後のDI缶の耐圧試験を行なって、ボトム耐圧を調べた。これらの結果を表5に示す。なおこれらの具体的な試験方法、評価方法は次の通りである。
引張試験(ベーク前後の耐力、ベーク前のn値):
JIS5号試験片を圧延方向と平行に採取して引張試験を行なった。なお加工硬化指数n値は、伸び2〜3%の範囲において、前記(1)式に基いて求めた。
カップ耳率:
コイルの長手方向に等間隔に7点、幅方向に等間隔に5点、合計35点について絞り試験を行なって45°方向のカップ耳率を調べた。
苛酷しごきの成功率:
DI缶成形において、リドローダイスR1.8mmとし、缶ボディメーカの第2のしごき用ダイスを抜いて、第1と第3のしごき用ダイスのしごき率55%と苛酷に設定してしごき加工(苛酷しごき)を行ない、連続100缶の製缶で缶切れが発生しない比率をしごき加工性の指標として求めた。ここでこのような苛酷しごきの成功率が70%以上になれば、しごき加工性が良好とみなすことができる。
フランジ成形性(口拡げ性):
フランジ成形性(口拡げ性)としては4段ネッキング後のフランジ成形性を調べた。すなわち、4段ネッキング後のDI缶開口部(半径R0:29mm)に15°の勾配が形成されたポンチを、トリミング、洗浄、ベークしたDI缶の上部開口端にその開口縁部が割れるまで押し込み、割れる限界まで口拡げした後の開口部の半径をR1とし、その差(R1−R0)を求めた。
DI缶耐圧試験(ボトム耐圧):
DI缶の内圧をボトムが変形されるまで上昇させて、その最大の圧力を求めた。
Figure 2006037148
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表2〜表5において、製造番号1〜4はいずれもこの発明の成分組成範囲内の合金を用いて、この発明で規定する方法に従って製造した例であり、この場合には最終板の強度、耳率、しごき性、フランジ成形性のバランスが優れ、DI缶のボトム耐圧も良好であることが確認された。
一方製造番号5、6の比較例は、いずれも合金の成分組成はこの発明で規定する範囲内であるが、熱間圧延条件の少なくとも一部がこの発明の範囲を外れた例である。そして製造番号5の比較例の場合は、フランジ成形性は良好であるが、強度、最終板のn値が低く、45°耳率も高く、さらにしごき性の低下も見られ、またDI缶のボトム耐圧も低かった。また製造番号6の比較例の場合は、高強度でかつボトム耐圧性も良好であったが、しごき性が極端に低下し、また耳率、フランジ成形性も悪かった。さらに製造番号7の比較例は、合金の成分組成がこの発明で規定する範囲を外れた例であり、この場合は製造プロセス条件はこの発明で規定する範囲内としたが、ベーク後の強度、耳率、しごき性、フランジ成形性がいずれも劣っていた。

Claims (6)

  1. Mg0.5〜2.0%(mass%、以下同じ)、Mn0.5〜2.0%、Fe0.05〜0.8%、Si0.05〜0.8%、Cu0.05〜0.7%を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物よりなるアルミニウム合金からなり、加工硬化指数n値が0.01〜0.2の範囲内にあり、しかも苛酷しごきの成功率が70%以上であることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板。
  2. 請求項1に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板において、
    前記アルミニウム合金の成分として、さらにCr0.05〜0.5%、Zn0.05〜0.8%、Ti0.001〜0.20%のうちの1種または2種以上を含有する、缶胴用アルミニウム合金硬質板。
  3. 請求項1もしくは請求項2において規定する成分組成のアルミニウム合金を鋳造した後、500℃以上の温度域で均質化処理を行ない、次いで熱間圧延を行なうにあたり、
    (1)熱間圧延を、300〜550℃の範囲内で開始し、
    (2)熱間圧延過程における厚さ150mmから20mmまでの間における材料温度を300〜470℃の範囲内に制御し、
    (3)熱間圧延過程における厚さ20mmから熱間圧延最終パス直前までの材料温度を270〜420℃の範囲内に制御し、
    (4)熱間圧延過程における厚さ150mm以下の各パスにおけるLn(Z)値(注:ZはZener−Hollomon Parameterを示す)を20〜50の範囲内に制御し、
    (5)熱間圧延終了温度を270〜350℃の範囲内とし、
    (6)熱間圧延上りの270〜350℃の範囲内の温度から100℃以下の温度域までの冷却過程において、100℃までの平均冷却速度を100℃/hr以下に制御し、
    以上の(1)〜(6)によって得られた熱間圧延板について、中間焼鈍を施すことなく、50%以上の圧延率で冷間圧延を行ない、加工硬化指数n値が0.01〜0.2の範囲内にありしかも苛酷しごきの成功率が70%以上の缶胴用アルミニウム合金板を得ることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法。
  4. 請求項3に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法において、
    前記熱間圧延過程における厚さ20mm以下の各パスを、その各パスにおける歪速度が後段のパスほど高くなるように制御するとともに、最終パスの歪速度を50/秒以上に制御することを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板の製造方法。
  5. 請求項1もしくは請求項2に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板において、請求項1もしくは請求項2に記載の成分組成のアルミニウム合金からなり、かつ導電率が30〜50%IACSの範囲内にあり、しかも結晶粒度がASTMナンバーで4.0以上であり、さらにキューブ方位密度がランダム試料の5倍以上、100倍以下であることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板向け熱間圧延板。
  6. 請求項1もしくは請求項2に記載の缶胴用アルミニウム合金硬質板向けの熱間圧延板において、請求項1もしくは請求項2に記載の成分組成のアルミニウム合金からなり、かつ熱間圧延板に存在している金属間化合物中に含まれるMg量が0.01〜0.2%の範囲内であることを特徴とする、缶胴用アルミニウム合金硬質板向け熱間圧延板。
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