JP2006031445A - 事故、インシデントレポート分析システム - Google Patents

事故、インシデントレポート分析システム Download PDF

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Abstract

【構成】 統合看護活動モニタシステム10と看護事故、インシデントレポートを結合させることにより、レポートの自由記述に欠如情報があるとき、看護活動モニタシステムを参照して、欠如している情報を補完または補間する(図5(A))。一方、看護活動モニタシステムで事故やインシデントの情報が欠けていたり、よく判らなかった場合、事故、インシデントレポートを参照し、欠如している情報を補完または補間する(図5(B))。そして、補完(または補間)されたデータはデータマイニング技術により解析される。
【効果】 補完(または補間)したデータマイニングによって分析するため、事故、インシデントと看護師や環境との関係を的確に把握できる。
【選択図】 図5

Description

この発明は事故、インシデントレポート分析システムに関し、特にたとえば、医師や看護師による医療(看護)事故(アクシデント(accident))やインシデント(incident)を記録したレポート(「事故、インシデントレポート」ということがある。)を分析する、事故、インシデントレポート分析システムに関する。
医療(看護)ミスにより、訴訟を起こされ、訴訟に負けて多額の賠償を払わなければいけなくなった病院が多々ある。したがって、破産しないように医療(看護)ミスに保険をかけている病院もある。勿論、医療(看護)ミスは病院にとって問題なだけではない。患者にも深刻な影響を与えるのである。保険をかければ、破産を防ぐことはできる。しかし、患者の命を救うことはできない。つまり、医療(看護)ミスを防ぐという意味では、大変受動的なのである。
最近、医療リスクマネージメントは病院、患者共々に非常に重要であることが認識されている。医療リスクマネージメントは看護に対するコスト、保険金を最小にしようとすることである。したがって、保険金を低くするのがよいと思われる。そのためには、看護事故、インシデントを減らすことが重要である。そうすることで、病院のためにも、患者のためにもなる。
看護事故、インシデントを避けるためには、以前に起こった看護事故、インシデントの事例を解析することが重要である。以前あった出来事を集め、一般化して心にとめておけば、同じことや似たことが起こるのを避けることができる。したがって、病院は普通、看護事故に関しては、何故それが起こったのかを調べるために事故、インシデントレポートを作成している。
レポートは通常、リスクマネージメントを専門としている人により読まれ、アクシデントとインシデントとを解析し、看護リスクマネージメントに関する事例や教科書を作成する。残念ながら、全てのレポートを読んで重要な点を抽出して一般化するには、多大な時間を要する。
データマイニング(Data Mining:データ探索)の観点からしても、最近、一部の病院が電子カルテを導入していることを考えると、コンピュータの助けを借りて多量のレポートを解析するのがよさそうである。
データマイニング技術はセールスのトレンド、経済のトレンドを解析し、現在の状況から将来の状況を予測するために使われてきた。このように、データマイニング技術は現在の傾向と、過去、未来の傾向を探すために使われている。したがって、データマイニング手法を看護事故やインシデントの解析に適用すれば、看護事故、インシデントにおける傾向を探すことができ、典型的な看護事故、インシデントのパターンを推測することができる。典型的なパターンにより、看護師は将来おこると思われる多くの看護事故、インシデントを避けることができるのである。
データマイニング手法の一部(決定木生成)は既に、非特許文献1に示すように、看護事故、インシデントレポートの解析に使われている。
この非特許文献1では、事故、インシデントレポート(電子カルテシステムから得られるレポート)からのデータマイニングを行った。具体的には、この非特許文献1では、ICONS-Miner(商品名)(感染症検査データマイニング支援ソフト、高電工業株式会社製)(参照:http://www.koden.jp/product_02.html)を用いて決定木を生成させていた。非特許文献1で得た結果の一部を表1に示す。
Figure 2006031445
朴勤植、平井祐範、小野佐江子、藤井敏光、西沢良記:データマイニング手法による安全管理レポートの分析と実際、Proc. of 22nd JCM, pp.712-713, 2002
非特許文献1における解析では、表1に示すように、傾向や、規則は発見されている。しかしながら、それらは、極めて典型的な傾向や規則であり、既に、リクスマネージメントエキスパートにより指摘されていることである。さらに、これらの傾向は非常に表層的である。その理由は、データマイニングを事故やインシデントレポートの解析にどれくらい使えるか調べる単なる実験にすぎず、しかも、解析したのは、レポートの中の選択肢だけである。選択肢や固定入力部分には、予測可能な情報しか含まれていないのであるから、非特許文献1の結果は、どちらかというと、簡単で、当り前の結果のように思える。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な医療事故情報分析システムを提供することである。
この発明の他の目的は、事故やインシデントと看護師、環境の間の詳細で正確な関係を分析できる、事故、インシデントレポート分析システムを提供することである。
請求項1の発明は、看護事故やインシデントのレポートをデータマイニングによって分析する、事故、インシデントレポート分析システムであって、レポートの自由記述を分析するとき、欠如情報を看護活動モニタシステムを参照して補完するようにした、事故、インシデントレポート分析システムである。
請求項2の発明は、看護活動モニタシステムで欠如している情報はレポートを参照して補完する、請求項1記載の事故、インシデントレポート分析システムである。
請求項3の発明は、看護活動モニタシステムの情報を、データマイニングによって分析する、請求項1または2記載の事故、インシデントレポート分析システムである。
この発明によれば、欠如または欠落情報を看護活動モニタシステムを参照して補完した上で事故、インシデントレポートの自由記述をデータマイニングによって分析するようにしたため、定型的でなく、事故やインシデントと看護師、環境の間の詳細で正確な関係を分析できる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この発明の一実施例である統合看護活動モニタシステム10は、たとえば病院に適用され、サーバ12を含む。このサーバ12は、有線或いは無線による通信回線(ネットワーク)14を介して複数の看護師用端末(以下、単に「端末」という。)16および複数のステーション18に接続される。端末16は、パーソナルコンピュータ或いはワークステーションのようなコンピュータであり、看護師毎に割り当てられる。たとえば、端末16は看護師の詰所などに設置される。ただし、1台の端末16を数人の看護師で使用する場合もあり得る。複数のステーション18は、それぞれ、入院患者を収容する病棟内であり、廊下、病室(入り口、ベッド或いはその近傍)および看護師の詰所などの所定位置に配置され、無線通信可能なウェアラブルセンサユニット(以下、単に「センサユニット」という。)20の識別情報を取得し、サーバ12に送信する。複数のセンサユニット20は、それぞれ、看護師に割り当てられ(装着され)、センサユニット20の識別情報は、無線通信可能な範囲(たとえば、半径3〜5メートル)に存在するステーション18によって検出される。また、ステーション18とセンサユニット20とは互いに通信可能であるため、センサユニット20は、無線通信可能な範囲に存在するステーション18の識別情報(ステーションID)を検出する。図示は省略するが、センサユニット20は、センサユニット20同士で無線通信することが可能であるため、無線通信可能な範囲に存在する2以上のセンサユニット20同士で、互いの識別情報を検出することもできる。また、センサユニット20は、無線LANによってネットワーク14に直接接続される場合もある。
図2はサーバ12の具体的な構成を示すブロック図であり、この図2を参照して、サーバ12には、図1では省略したが、複数の対物センサ22、複数の集音マイク24および複数の荷重センサ25が接続される。図示は省略するが、この実施例では、複数の対物センサ22は、体温計、血圧計、注射器、点滴注射器(注入器)、血液採取用試験管、検尿コップなどの医療器具を格納してある格納箱の取り出し部分やナースコール端末などに設置され、それらの医療器具等についての使用(取り出し)の有無を検知する。ただし、これらの医療器具等には、タグ情報やバーコードのような識別情報を付加しておき、タグ情報やバーコードを読み取ることにより、その使用の有無を検出するようにしてもよい。また、複数の集音マイク24は、入院患者を収容する病棟内であり、廊下および病室(ベッド或いはその近傍)などに設置され、周囲音を集音する。さらに、複数の荷重センサ25は、入院患者が使用するベッドの手すりに設置される。
なお、後述のデータマイニングやデータ補完にビデオデータを利用する場合には、そのようなビデオデータを取得するためにビデオカメラ(動画および/または静止画)を設置する必要があり、そのようなカメラは、たとえば、看護詰め所、廊下、病室などに設けられることになろう。
また、図1では省略したが、サーバ12には、複数のデータベース(DB)が接続される。具体的には、看護師DB26、病棟イベントDB28、所在情報DB30、電子カルテDB30および知識DB30が接続される。
看護師DB26は、看護師の一日の業務おける行動についてのデータ(看護師データ)を看護師毎に記録する。看護師データには、たとえば、ラベルとして看護師名が記述され、看護師名の横に日付が記述される。看護師名および日付の下側には、当該看護師の看護業務に関する項目(内容)が記述される。つまり、看護業務の開始時刻、看護業務の終了時刻、看護業務の対象患者、看護業務の内容、看護業務における歩数、看護業務における傾斜(上半身(上体)を傾ける)角度の平均値および医療ミス等の業務における事故(アクシデント・インシデント)がそれぞれ記述される。このような看護師データでは、基本的には、センサユニット20で計測されるデータから取得される。
病棟イベントDB28は、複数のセンサすなわち上述した複数の対物センサ22から得られる対物検知データ、複数の集音マイク24から得られる音データおよび荷重センサ25から得られる荷重検知データ(これらのデータをまとめて「病棟イベントデータ」という。)を記録する。対物検知データには、検知する対象となる医療器具等の名称のような識別情報がラベルとして付される。音データには、集音マイク24の設置場所を示す識別情報がラベルとして付される。荷重検知データには、荷重センサ25の設置場所を示す識別情報がラベルとして付される。つまり、対物検知データから検知対象物を特定することができ、音データのラベルから集音した場所を特定することができ、そし
て、荷重検知データからベッドを特定することができる。さらに、サーバ12は、病棟イベントデータを取得した時間(時間データ)を、内蔵される時計回路12aから取得して、当該病棟イベントデータに付加する。
たとえば、対物検知データの入力があると、サーバ12は当該対物検知データに時間データを付加して、病棟イベントDB28に記録する。集音マイク24は、主として、物の落下音を集音することを目的とするため、所定のレベル以上の音が入力されたときに、当該音に対応する音データがサーバ12に入力され、サーバ12は当該音データに時間データを付加して、病棟イベントDB28に記録する。荷重検知データの入力があると、サーバ12は当該荷重検知データに時間データを付加して、病棟イベントDB28に記録する。
所在情報DB30には、看護師についての所在情報のデータ(所在情報データ)が記録される。後で詳細に説明するが、所在情報データは、看護師のそれぞれが装着するセンサユニット20に割り当てられたタグ情報のような識別情報(看護師ID)と、当該看護師IDを検出したステーション18のタグ情報すなわち識別情報(ステーションID)とを時系列に従って記録したデータである。また、上述したように、ステーション18とセンサユニット20とは互いに通信するため、所在情報データは、センサユニット20で検出したステーションIDを時系列に従って記録したデータも含む。さらに、上述したようにセンサユニット20同士は無線通信可能であり、各センサユニット20に割り当てられた看護師IDと、当該センサユニット20と無線通信したセンサユニットの看護師IDとを時系列に従って記録したデータも含まれる。この所在情報データによって、看護師の所在(行動)を知ることができる。たとえば、何時何分何秒にどこ(病室、詰所または廊下など)に居たかを知ることができ、また、何時何分何秒にどの看護師と一緒に居たか或いはすれ違ったか等を知ることができる。
電子カルテDB32には、現在入院中或いは治療中の患者についての電子カルテが記録される。図示は省略するが、この電子カルテは、医師等が記載するカルテの内容から必要な事項を抽出するとともに、必要な事項を追加して、電子データにしたものである。たとえば、電子カルテには、患者名、担当看護師名(看護師カテゴリ番号)、性別、病名、病状、処方箋、リハビリの状況、入院暦、患者に対する注意事項などの情報のデータ(テキストデータ)が記述されるとともに、このテキストデータに当該患者についての患者カテゴリ番号(k)がラベルとして付される。したがって、患者が特定されると、その患者カテゴリ番号(k)に応じて、当該患者についての電子カルテを特定することができる。
知識DB34には、過去に入院や治療をした患者についての電子カルテが記録されるとともに、そのような患者の看護において起きた医療事故或いは起きそうであった医療事故またはそのような患者の行為に基づいて発生した事故についての事例が記憶される。また、そのような事例を検討した結果から、事故(起きそうであった事故を含む。)の発生原因を追求(探求)し、事前に事故を回避するための看護師および患者に対する注意事項の内容が記憶される。
たとえば、頭部外傷による下肢麻痺の患者が自力で立てるようになった直後に、ベッドの下に落とした物を拾おうとしたときに、転倒事故が発生した。このことから、当該症状(頭部損傷による下肢麻痺)の患者に対しては、落下物がある場合には、必ずナースコールで看護師を呼ぶように注意を促しておくべきであるという知識を取得することできる。また、落下物がある場合には、ナースコールの有無を検知し、ナースコールが無い場合には、看護師から当該患者に対して呼びかけたり、当該患者を訪問したりするようにすれば、転倒事故を未然に回避できるという知識を取得することもできる。このような事例および知識が知識DB34に構築されているのである。
また、知識DB34には、看護業務に使用する器具や看護業務の正しい進行を記載したマニュアルについてのテキストデータが記述されている。たとえば、看護業務が「検温」であれば、使用する器具は体温計であり、(1)患者を訪問し、(2)患者に体温計を手渡し、(3)検温の結果を記録するといった正しい手順が記録されているのである。また、医療器具(機器)の操作が煩わしいものであれば、さらにその機器等の正しい操作方法なども盛り込まれている。
図3はセンサユニット20の具体的な構成を示すブロック図であり、この図3を参照して、センサユニット20はCPU40を含む。CPU40には、A/D変換器42,44,エンコーダ46,非接触センサ48,インターフェイス50,カードスロット52,時計回路54,DIPスイッチ56,無線送信機58および無線受信機60が接続される。A/D変換器42には歩数計62が接続され、A/D変換器42は、歩数計62から入力される歩数をディジタルデータ(バイナリデータ)に変換してCPU40に入力する。また、A/D変換器44には傾斜角センサ64が接続され、A/D変換器44は、傾斜角センサ64から入力される傾斜角(角度)をディジタルデータ(バイナリデータ)に変換してCPU40に入力する。エンコーダ46にはマイク66が接続され、エンコーダ46は、マイク66から入力される音声信号をMP3のような圧縮音声データ(以下、単に「音声データ」という。)に変調してCPU40に入力する。このように、音声信号を圧縮変調するのは、後述するメモリカード68の容量を考慮したためであり、このような記録媒体の容量を無視できる場合には、単にディジタルデータに変換するだけでもよい。
非接触センサ48としては、焦電センサを用いることができ、CPU40は非接触センサ48からの入力に応じてマイク66をオン/オフする。この実施例では、非接触センサ48すなわち焦電センサの前で、看護師が手を2回上下させると、その検出信号がCPU40に入力され、これに応じて、CPU40はマイク66をオンし、その後、看護師が焦電センサの前で、手を2回上下させると、マイク66をオフする。ただし、CPU40は、看護師の操作によらないで、所定時間(10秒)が経過した場合にもマイク66をオフするようにしてある。この実施例では、マイク66としては、ヘッドセットタイプのものが用いられ(図4参照)、また、指向性を有する。これは、看護師の音声を正確に入力するとともに、患者のプライバシーを守るためである。
インターフェイス50は、LAN(無線LAN)アダプタのようなインターフェイスであり、これにより、センサユニット20はネットワーク14に直接接続される。ただし、RS232CやUSBのようなインターフェイスを設けて、ケーブルを用いることにより、サーバ12或いは端末16のような他の端末に通信可能に接続することもできる。カードスロット52には、MMCのようなメモリカード68が着脱自在に設けられる。このメモリカード68には、このセンサユニット20で検出或いは取得されるデータ(歩数データ、傾斜角データ、音声データ)が記憶される。また、メモリカード68に記憶されたデータは、メモリカード68をサーバ12或いは端末16のような他の端末に装着することにより、当該他の端末に移動(コピー)することができる。
時計回路54は、日付および時刻を計時する回路であり、CPU40は、時計回路54から取得した時間データを、各センサ(62,64および66)から取得したデータや看護師IDのデータに付加して、メモリカード68に記憶する。また、必要に応じて、時間データを付されたデータは、インターフェイス50を介してネットワーク14に接続されるサーバ12または端末16或いはその両方に出力される。
DIPスイッチ56は、たとえば8ビットで構成され、各ビットのオン/オフを切り替えることにより、0〜255の間で数値を設定することができる。この数値が識別情報すなわち看護師IDであり、各センサユニット20で異なる値が設定される。CPU40は、看護師IDをラベルとして付するとともに、時間データを付加したデータを、メモリカード68に記憶したり、サーバ12に転送したりする。
なお、この実施例では、DIPスイッチ56を用いて看護師IDを設定するようにしてあるが、これに限定されるべきではない。たとえば、後述するメモリカード68に看護師IDを記憶させておくようにすることもできる。また、DIPスイッチ56に代えて、看護師IDを記憶したROMなどを設けておくようにすることもできる。
無線送信機58は、CPU40の指示に従って、DIPスイッチ56によって設定された看護師IDを所定の周波数による電波(微弱電波)で送信する。無線受信機60は、無線通信可能な範囲に存在する他のセンサユニット20から送信される微弱電波を受信し、看護師IDに復調し、復調した看護師IDについてのデータをCPU40に入力する。
ここで、ステーション18は、上述したように、センサユニット20の看護師IDを検出し、検出した看護師IDを、ネットワーク14を介してサーバ12に送信する。また、ステーション18にも識別情報(ステーションID)が割り当てられ、上述したように、このステーションIDがセンサユニット20によって検出される。したがって、たとえば、ステーション18は、センサユニット20の一部の回路コンポーネントを用いることにより、構成することができる。具体的には、ステーション18は、CPU40,インターフェイス50,DIPスイッチ56,無線送信機58および無線受信機60によって構成される。
なお、DIPスイッチ56に代えて、ステーションIDを記憶したROMを設けるようにしてもよい点は、センサユニット20の場合と同様である。
上述したような構成のセンサユニット20は、各看護師に装着される。たとえば、図3および図4に示すように、非接触センサ48,歩数計62,傾斜角センサ64およびマイク66以外の回路コンポーネントはボックス(筐体)70に収容され、ボックス70は看護師の腰部(ベルト部分)に装着される。また、非接触センサ48および傾斜角センサ64は、ペン型のケース72に収容され、看護師の衣服(白衣)の胸ポケットに挿すように収納される。ただし、図面では、分かり易く示すために、ケース72を胸ポケットの外部に記載してある。また、歩数計62は、上述のボックス70と同様に看護師の腰部に装着される。さらに、マイク66は看護師の頭部に装着される。
なお、図4においては省略するが、非接触センサ48は接続線を用いてボックス70内のCPU40に接続され、歩数計62,傾斜角センサ64およびマイク66は、それぞれ、接続線を用いてボックス70内のA/D変換器42,A/D変換器44およびエンコーダ46に電気的に接続される。ただし、接続線を用いずに、ブルートゥースのような近距離無線によって接続するようにしてもよい。つまり、電気的に接続されればよいのである。
また、図4に示すように、看護師は、たとえば、白衣の前ポケットに携帯型のコンピュータ(この実施例では、PDA)80を収納し、所持(携帯)している。図示は省略するが、PDA80は、無線LANによって、図1に示したネットワーク14に接続可能な構成にされる。PDA80は既に周知であるため、その構成および動作等の詳細な説明は省略することにする。なお、図面では、分かり易くするため、前ポケットの外部に示してある。
たとえば、看護師の操作によって、センサユニット20の主電源がオンされると、CPU40は、傾斜角センサ64からの入力を所定時間(この実施例では、500ms)毎に検出する。上述したように、マイク66は、非接触センサ48の入力に応じて、そのオン/オフが制御される。また、CPU40は、マイク66がオフされているとき、歩数計62からの入力を有効化する。
したがって、CPU40は、歩数計62によって計測された歩数のデータ(歩数データ),傾斜角センサ64によって計測された角度のデータ(角度データ)およびマイク66で検出された音声のデータ(音声データ)を、種別してメモリカード68に記憶するとともに、無線LANによって他の端末(この実施例では、サーバ12)に送信する。また、CPU40は、歩数データ、角度データおよび音声データを記録する場合には、各データの取得開始時刻および取得終了時刻についての時間データを時計回路54から取得し、各データに当該時間データを付すようにしてある。
たとえば、看護師nが患者kさんの患者訪問を行う場合には、看護師nが「患者kさんの(患者)訪問に行きます。」と発話した内容、患者kさんの病室を往復する間の歩数および当該病室を往復する間に上半身を傾斜した際の角度(傾斜角度)のそれぞれについてのデータが記録される。また、このデータに,看護業務の開始時刻および終了時刻の時間データが付加される。
このような音声,歩数および傾斜角度についてのデータおよびこれらに付される時間データ(以下、これらをまとめて「計測データ」ということがある。)は、看護師nの1日の業務のすべてについて取得される。上述したように、センサユニット20は、無線LAN(ネットワーク14)によって接続され、したがって、上述のようにして取得された1日の業務についての計測データ(業務計測データ)は、センサユニット20から端末16に送信(転送)することができる。また、メモリカード68を端末16に装着するようにすれば、業務計測データを直接端末16に入力することができる。
端末16は転送された業務計測データを受信し、たとえば、看護師の操作によって、その業務計測データはサーバ12にアップロードされる。サーバ12は、アップロードされた業務計測データに基づいて、アクシデント・インシデントを除く看護師データを作成する。つまり、看護師を特定し、その後、各計測データからアクシデント・インシデントを除く看護師データの項目を特定(決定)して、記録する。
ただし、業務計測データは、センサユニット20からネットワーク14を介してサーバ12に直接アップロードされるようにしてもよい。
たとえば、看護師は、センサユニット20から転送される業務計測データに付された看護師IDに基づいて、サーバ12側で容易に特定することができる。
また、計測データに含まれる音声データは、音声認識処理を施され、認識した音声から患者名や当該患者に対して行った看護業務が特定される。つまり、サーバ12は、音声認識機能を備えており、また、音声認識のための辞書すなわち複数の発話(音声)に対応する音声データを記録したメモリ(たとえば、ハードディスクやROM)を有している。ただし、看護師の音声データは、一例として、看護師DB26に記録される。
なお、この実施例では、複数の発話は看護業務に関する発話であり、予め看護師が音声入力することにより、複数の看護業務に関する発話に対応する音声データが記録(収録)される。ただし、個々の発話を効率よく認識するようにするため、看護師毎に辞書が設けられる。
したがって、サーバ12は、看護師の音声についての音声データとメモリに記録された音声データとを、DPマッチング法やHMM(隠れマルコフモデル)法により比較し、看護師が発話した内容を認識(特定)する。具体的には、「患者kさんの検尿に行ってきます。」という発話を認識すると、患者名「患者k」および当該患者に対する看護業務の内容「検尿」を特定することができる。また、「患者kさんの検尿を終了しました。」という発話を認識すると、当該患者に対する看護業務の内容「検尿」を終了したことを認識することができる。
ただし、患者名および看護業務の内容については正確に特定する必要があるため、DPマッチング法等による比較結果から近似度が一番高い(第1位の)発話と次に近似度が高い(第2位の)発話とを抽出し、第1位の発話と第2位の発話とに基づいて第1位の発話についての認識の妥当性(信頼度)を判断するようにしてある。
つまり、第1位の発話から特定される患者名(第1患者名)と看護業務の内容(第1看護業務)とのそれぞれを抽出するとともに、第2位の発話から特定される患者名(第2患者名)と看護業務の内容(第2看護業務)とのそれぞれを抽出する。次に、第1患者名と第2患者名との近似度(距離値)および第1看護業務と第2看護業務との距離値をそれぞれ計算する。ここで、距離値とは、言葉(単語)の発音が近似している度合いをいう。たとえば、“伊藤(いとう)”と“紀藤(きとう)”とでは近似度が高い(距離値が小さい)が、“伊藤(いとう)”と“田中(たなか)”とでは近似度が低い(距離値が大きい)。
したがって、患者名同士の距離値と看護業務同士の距離値とが予め設定した閾値(第1閾値)よりも小さい場合には、第1位の発話と第2位の発話とが近似しているため、認識結果の信頼度が低いと言える。一方、患者名同士の距離値と看護業務同士の距離値とが第1閾値よりも大きい場合には、第1位の発話と第2位の発話とが近似していないため、認識結果の信頼度が高いと言える。
なお、この実施例では、患者名同士の距離値と看護業務同士の距離値との両方が小さい場合に、第1位の発話と第2位の発話とが近似しているとして、認識結果の信頼度が低いと考えるようにしてあるが、いずれか一方の距離値が小さい場合に、認識結果の信頼度が低いと考えるようにしてもよい。
認識結果の信頼度が高い場合には、第1位の発話に含まれる患者名および看護業務の内容を抽出(採用)して、看護師データの作成に使用する。一方、認識結果の信頼度が低い場合には、第1位の発話に含まれる患者名および看護業務の内容を排除(リジェクト)して、サーバ12の管理者により手入力される。つまり、当該管理者は、業務日報などを参照して、図示しない入力装置(キーボードやコンピュータマウス)を用いて患者名および看護業務を入力する。
ただし、患者名は、音声認識によらないで、所在情報データに基づいて特定することも可能である。たとえば、各患者(のベッド)に対してステーション18を割り当てるようにしておき、当該音声データに付加される時間データに対応する時間および業務計測データに付加された看護師IDを読み出す。次に、当該時間における所在情報データを所在情報DB34から読み出し、当該看護師IDを検出しているステーションIDを特定する。そして、当該ステーションIDが割り当てられたステーション18の設置位置から患者名を特定する。
さらに、看護師データに含まれる開始時刻および終了時刻の項目に入力すべきデータについては、音声データに付加された時間データから決定される。つまり、開始時刻の欄には時間データに含まれる録音開始時刻が記述され、終了時刻の欄には録音終了時刻から録音開始時刻を減算した値(時間)が記述される。
表2に典型的な事故、インシデントレポートに含まれる項目を示す。
Figure 2006031445
表2に示すレポートは、事件やインシデントに関与したスタッフか、発見したスタッフにより書かれる。レポートのフォーマットには、2種類のものがある。1つは、日時や時間といったリストから選択するものや、定型の入力である。もう1つは自由記述である。
たとえば、「記載者情報」は、「当事者」か「発見者」から選択される。看護師、医師といった「発見者:職種」もリストから選択されるか、同じフォーマットで入力される。
一方、「発生情報:詳細情報」、「発生情報:発生後対応」、「発生情報:患者への影響」、「発生情報:原因と対策」などは、自由記述で書かれる。
たとえば、「発生情報:種類」には、「点滴」が書かれ、「発生情報:発生状況」には、「…指示が離れて書かれており,見落として止血剤を混注せずに接続してしまった…」などが書かれる。「発生情報:原因と対策」には、解析したことから得られる重要な情報が書かれる。たとえば、「多忙な夜勤の朝方であった。また朝方も検温や処置、ケアに追われていた…」などと書かれる。
将来的な解析のために、事故、インシデントレポートはできる限りの情報を含むようにし、事故、インシデントの自己解析も書くようになっている。したがって、自由記述の部分が解析には重要となるのである。
このように、レポートは自由記述を含んでいるのであるが、この自由記述には、環境情報や予測のつかないファクタが含まれている可能性が高い。一方、解析において、もし、選択肢のような項目のみ使っている場合、環境情報とか、予測のつかない情報は欠如してしまうであろう。このような選択肢だけの項目を解析することによって明示的な結果をコンピュータで獲得することは重要である。しかし、それでは、看護リスクマネージメントの観点からは、結果は不十分である。
したがって、表2のような事故、インシデントレポートの自由記述を解析することが重要なのであるが、そのような簡単なデータから複雑な関係を求めるのは難しい。さらに、レポートからは環境や看護婦の間の関係など、かなりの情報が欠如しているので、レポートからだけでは、複雑な結果を得るのは非常に難しい。
事故、インシデントレポートは、普通、同じか、同様の事故やインシデントを防ぐために書かれる。したがって、上の表2に示したように、何故、いつ、誰によって、どのようにその事故やインシデントが起こったかが他のスタッフにもわかるように正確に書かれる。
このように、レポートは事故やインシデントに関する重要な情報を含んでいる。したがって、リスクマネージメントを行う人は、レポートを受け取ったときに、事故やインシデントにおけるクリティカルポイントを見つけるために、内容を精査し、将来的にどうすればそのような看護事故を防げるかを示す。
たとえば、「核医学検査はキャンセルが多いので、蒸留水のみ注射器に吸って準備していて、ダイアモックスは直前に溶解しようと思い、箱から出して、注射器の側に置いた。検査が順々に進められていくうちに、溶解してあるものと思い込んでしまって医師に渡したしまった。」という事故、インシデントレポートを受け取ったら、リスクマネージメントを行う人は、「作業の中断はエラー発生の要因と言われています。基本的には作業中断をしなくてよい手順を作りましょう。」といったコメントを行う。さらに、状況を理解、把握できない原因となっている欠如情報を指摘したり、示唆したりする。
このように、基本的に、事故、インシデントレポートの解析は人間の経験者によりなされている。しかし、コンピュータにより、自動的に解析できたら、さらによいと思われる。何故なら、コンピュータを使えば、高速な解析ができるからである。特に、レポートに含まれるデータが非常に大きいときは、効果が高い。さらに、コンピュータを使って解析すると、主観が入る余地がないので、自然に、客観的にデータを解析することができる。
自由記述のなかの記述を解析すれば、看護事故、インシデントに関する環境的要因を発見できる。しかしながら、自由記述をそのまま解析するのは簡単ではない。それを簡単にするためには、テキストマイニング手法が適用できる。さらに、看護リスクマネージメントのための重要な情報を得るには、要約や、焦点の抽出などの手法が必要である。さらに、看護リスクマネージメントに対して、環境と何らかの関連を持つ明示的、非明示的(潜在的)情報双方を含むデータも必要である。また、このデータから無意識で深刻な事故を惹き起こす可能性のある潜在的な関係を探すことは、重要である。
上で指摘したように、効果的な看護リスクマネージメントのためには、環境と何らかの関連を持つ明示的、非明示的(潜在的)情報双方を含むデータを獲得することが必要である。しかしながら、個人にとって、事故、インシデントレポートから環境的要因を全て読むのは大変難しい。何故なら、全ての環境的情報がレポートに書かれているわけではないからである。したがって、事故、インシデントレポートに加えて、自動環境モニタシステムが全環境的要因を獲得するのに必要である。
そこで、この実施例では、図1−図4に示す看護活動モニタシステム10を用いる。このシステム10を利用すれば、リアルタイムに看護師の活動のワークフローを看護師のかわりにモニタしてレポートするために提案された。すなわち、看護師のワークフローは自動的にモニタされ、記録される。その結果、看護活動に関する色々なタイプのデータが獲得される。
たとえば、足数と体の傾き角度からは、直観的にベッドサイドでケアしているとか、患者の歩行を補助しているとか、ドキュメントを作成しているとかといった仕事のカテゴリが予測できる。さらに、ビデオモニタシステムを使えば、上記のカテゴリ予測を確認できるし、看護師が気づいていないことも発見できる。将来的には、統合看護活動システムは拡張されて、看護活動のリアルタイムモニタリング、リアルタイムアラームシステムとして使うことが可能であろう。
看護師が活動している間、モニタシステムは看護師の行動を記録し、起こる可能性のあるミスを予測するために看護師の行動データを解析、評価している。そして、看護ミスの可能性を察知したときに、システムは、関係する看護師に警告を出す。
このように、図1−図4に示すシステムによって、様々なタイプの看護活動に関するデータを取得できる。
ここで、一例として、看護師の会話をデータマイニングした結果を表3に示す。実験では、「C4.5」を採用した。「C4.5」は、Quinlan J. R.によって、たとえばPrograms for Machine Learning, Morgan Kaufman, 1993に開示され、データセットから決定木を生成することができ、データマイニングツールとして使うことができる。決定木を生成することのメリットは、決定木が命題ルールや、因果関係の集合と見倣すことができることである。つまり、決定木から、看護師の行動に関して推論をする際に使うことができる一般化されたルールや因果関係のセットを見つけることができるのである。
以下に示すものは、「C4.5」により、看護師の会話から生成された決定木の一部である。マイクをつけて勤務している看護師は全ての行動を口頭で記録することになっている。マイク66(図3、図4)は、基本的に、マイクをつけている看護師の声のみ記録することになっている。
Figure 2006031445
データには、時間情報が含まれる。しかし、「C4.5」は時間情報を扱えないので、時間の表記を少し変えた。つまり、開始時間と終了時間が開始時(○○時)と持続時間 (○○分)に変換した。たとえば、業務が9:46にはじまり、9:53に終った場合、開始時は「9」で、持続時間は「7」である。
この結果から、典型的な看護業務と典型的な看護活動に必要な時間がわかる。しかしながら、上記の結果は看護師の自分の会話データからのみ生成されていので、問題や、環境情報は含まれていない。
トラブルの場合は、行動を冷静にレポートするのは、大変難しいと思われる。反対に、深刻な事故の場合は、無口になるであろうと思われる。さらに、事故には、無意識のうちに起こるものもある。
したがって、看護師の会話データからのみ生成された決定木から看護事故に関する因果性を見つけるのは、難しいと思われる。
このように、看護事故や、インシデントに関する情報、環境情報などを事故、インシデントレポート、ビデオなどのソースからから得る必要がある。
ここで、事故、インシデントレポートからのデータマイニングの結果と実施例のシステム10により記録されたデータからのデータマイニング結果について検討する。
先に説明したように、事故、インシデントレポートに含まれる選択肢からのデータマイニングの結果は、非常に簡単である。
決定木(表1)を見ても、「誤薬の原因は、患者への説明不足である」とか 「誤薬の原因は、観察不足である」などのような簡単な関係しか得られない。何故なら、解析されたデータは、その前に簡単なカテゴリに分類されているからである。さらに、事前に予測のつく項目しか含まれていない。したがって、結果は当り前の結果しか出て来ない。実際、選択肢には「その他」も含まれているが、コンピュータによる解析には、無意味な情報である。
自由記述の欄に含まれる記述を解析すれば、看護事故、インシデントの環境的理由を見つけることができるが、その解析を行うためには、要約や焦点の抽出などの技術が必要となる。しかしながら、全時間に亙って全てのことに気が付いているわけではないので、自由記述にも何か欠如があると思われる。さらに、レポートはリアルタイムには書かれていないので、ある事象に関する記憶は消えているかも知れない。また、レポートには記述できない情報も含まれている。例の一つとして、書く必要のない共通した知識、他にも、書くことのできない暗黙知などがある。したがって、要約は、焦点の抽出などの技術を適用しても、看護事故、インシデントの完全な理由を得るのは難しいと思われるので、レポートに欠けている知識を抽出するために、要約や焦点の抽出以外の技術が必要となる
このように、モニタされたデータからのデータマイニング結果にはかなりのファクタの欠如がある。また、モニタされたデータは、事故やインシデントと関連付けて取られているわけではないので、そのデータを事故や、インシデントに関連付ける必要がある。さらに、データを環境情報や他の関連する情報とも関連付けなければならない。何故なら、全データは、殆んど独立して取られているからである。記録のあと、それらの関連を何らかの手段で探す必要がある。
たとえば、RFIDタグ(図示せず)により生成された情報を使うことで、看護師の位置情報を得ることができ、看護師同士のインタラクションを推測することができる。そして、タイムスタンプ情報を使うことで、ビデオに取られた画像を見ることにより、インタラクションが起こったときの状況を観察できる。
これらのデータは、リンクを付け、関係を見つけやすいようにしておく。結合された、あるいは、リンクされたデータセットは看護事故やインシデントの関係や因果性を得る際に強力なデータとなる。さらに、モニタされたデータを看護事故、インシデントレポートと結合することは、大変、重要である。
前述のように、看護事故、インシンデントレポートは時々環境的アスペクトを欠いている。もし、レポートからモニタされたデータへのリンクを探すことができれば、欠如した情報を補完することができる。
すでに説明したように、単一リソースからのデータマイニングだけでは、不十分である。何故なら、どのリソースデータも何かを欠いているからである。したがって、適切なルールや、関係を得るには、統合されたデータを扱う必要がある。病院は、事故やインシデントが起こると、看護事故やインシデントレポートを記録している。レポートには、人の観点が含まれており、それは、事故やインシデントを解析するときに役に立つ。しかしながら、レポートは看護師本人やその同僚により書かれているので、よく知られていることは省かれていることがあるし、忘れていたり、気が付いてさえいないこともある。
このように、レポートから欠けている情報を補完することは、重要なことなのである。
そこで、図1および図2に示す統合看護活動モニタシステム10と看護事故、インシデントレポートを結合させることにより、事故やインシデントと看護師、環境の間のより詳細で、正確な関係を生成するものである。事故やインシデントのある部分が欠けているときは、図5(A)に示すように看護活動モニタシステムを参照し、欠如している情報を補完(または補間)する。このようにして補完した情報を有する事故、インシデントレポートの特に自由記述部分をデータマイニングする。
たとえば「カディアンカプセル内服後、麻薬の空シートを食事トレーに置いたまま放置したため下膳されてしまい、シートが不明になった。」というインシデントレポートを考えると、この場合、「誰が」の情報が欠けているが、レポートの時刻、場所等の情報からその辺りのビデオなどの情報を調べ、誰が上記行為(空シート放置)を行なったか、この事故に至るまでのプロセス、環境状況などを調べ、インシデントレポートの不備を修正する。その結果、このインシデントレポートの不備が解消され、より正確なデータマイニングが可能になる。
そして、補完(補間)されたデータはデータマイニング技術により解析される。この統合的データマイニングシステムを使うことで、環境的ファクタや人間に関連するファクタなどを考慮して、看護リスクマネージメントをすることができる。
また、看護活動モニタシステム10で、何か事故やインシデントの情報が欠けていたり、よく判らなかった場合、システム10は、図5(B)に示すように事故、インシデントレポートを参照し、欠如している情報を補完(または補間)する。このようにして補完した情報を有する統合看護活動モニタシステム10のデータをデータマイニングする。
なお、2人以上の人間と環境の関係、インタラクションを考慮して人間のミスを解析する手法として、EdwardsやHawkins等によって提案されているSHELLモデルが知られている。
この実施例のシステムは、SHELLモデルと似たコンセプトではあるが、SHELLモデルは、欠如した情報があることを前提としていないのに対し、この実施例では、情報が欠如しているときにはそれを補完する、という点で、まったく相違するものである。
図1の統合看護活動モニタシステム10では、データとして画像やイメージを含む。したがって、もし、コンピュータで自動的にデータマイニングを行う場合は、シンボルグランディング問題が生じるであろう。シンボルグランディング問題は、かなり難しい問題で、いまだにAIでは議論され続けられている。
しかしながら、コンピュータとインタラクションをすれば、シンボルグランディング問題は解決できると思われる。何故なら、もし、コンピュータが問題点を指摘し、それらが、正しければ、ビデオモニタを確認したり、ほかの機器を見ることで、重要な点を見つけることができる。つまり、イメージやシンボルを記号などに変換する必要なないのである。
なお、実施例では、解析のために、会話データを用いた。したがって、フィラー、イントネーション、会話の長さなどの会話情報が抜けている。トラブルやパニックの際には、このような情報も解析する必要があるかもしれない。
なお、通常、「インシデント」はアクシデント(医療事故)に相対する言葉として使用されるが、医療看護業務に関する何らかのミスや誤った業務行為であって、看護婦等からの報告であるインシデントレポートによって報告されるもののことを全てインシデントと呼ぶ。したがって、このインシデントは結果的に必ずしも患者に悪影響を及ぼす、すなわち医療事故に至ったものであるとは限らない。これに対して、「事故」とは医師(看護師)による医療(看護)に起因した事故(アクシデント)である。
図1はこの発明の医療事故情報分析システムの構成の一例を示す図解図である。 図2は図1に示すサーバの電気的な構成を示す図解図である。 図3は看護師に装着されるセンサユニットの電気的な構成の一例を示す図解図である。 図4は図3に示すセンサユニットを看護師に装着した様子を示す図解図である。 図5はこの発明の実施例に従って情報が補完される状態を示す図解図であり、図5(A)は事故、インシデントレポートの欠如情報を統合看護活動モニタシステムから補完してデータマイニングする状態を示し、図5(B)は統合看護活動モニタシステムの欠如情報を事故、インシデントレポートから補完してデータマイニングする状態を示す。
符号の説明
10 …統合看護活動モニタシステム
12 …サーバ
16 …端末
18 …ステーション
20 …センサユニット
62 …歩数計
64 …傾斜角センサ
66 …マイク
80 …PDA

Claims (3)

  1. 看護事故やインシデントのレポートをデータマイニングによって分析する、事故、インシデントレポート分析システムであって、
    前記レポートの自由記述を分析するとき、欠如情報を、看護活動モニタシステムを参照して補完するようにした、事故、インシデントレポート分析システム。
  2. 前記看護活動モニタシステムで欠如している情報を、前記レポートを参照して補完するようにした、請求項1記載の事故、インシデントレポート分析システム。
  3. 前記看護活動モニタシステムの情報を、データマイニングによって分析する、請求項1または2記載の事故、インシデントレポート分析システム。
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