JP2006031043A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 第1色目の画像形成時に感光体および中間転写ベルト間で生ずる摩擦力による感光体等の位置ずれを防ぎ、第2色目以降との色ずれをなくする。
【解決手段】 感光体1ドラム上に静電潜像を形成するROSと、静電潜像を前記複数色のトナーによって可視化する現像装置ユニット3と、可視化されたトナー像を中間転写ベルト4上に1次転写するための転写バイアス印加手段とを備える。ROSによる第1色目の画像書込みに先立って、少なくとも中間転写ベルト4の1周回前に第1色目の現像バイアスを印加する。その結果、第1色目の画像形成時における感光体ドラム1および中間転写ベルト4間の摩擦係数は低下しており、色ずれを生じるような大きな摩擦力が生じるのを防止する。
【選択図】 図1
【解決手段】 感光体1ドラム上に静電潜像を形成するROSと、静電潜像を前記複数色のトナーによって可視化する現像装置ユニット3と、可視化されたトナー像を中間転写ベルト4上に1次転写するための転写バイアス印加手段とを備える。ROSによる第1色目の画像書込みに先立って、少なくとも中間転写ベルト4の1周回前に第1色目の現像バイアスを印加する。その結果、第1色目の画像形成時における感光体ドラム1および中間転写ベルト4間の摩擦係数は低下しており、色ずれを生じるような大きな摩擦力が生じるのを防止する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、電子写真複写機やレーザプリンタ等の画像形成装置に関し、特に、中間転写体として無端ベルトを用いて画像を形成する画像形成装置に関する。
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置では、感光体ドラム等の潜像担持体上に形成された未定着トナー像を用紙等の記録媒体に転写して印刷画像を得る方式がとられる。前記未定着トナー像を記録媒体に転写する方式として、前記未定着トナー像を記録媒体に直接転写する方式と、潜像担持体上に形成された未定着トナー像を、ドラム状あるいは無端ベルト状のフィルム部材からなる中間転写体上に1次転写した後、該中間転写体上の未定着トナー像を改めて記録媒体上に2次転写して複写画像を得る方式とが知られている。
図9は、ベルト状中間転写体を用いた画像形成装置の一例としてのカラープリンタの要部構成を示す模式図である。同図において、感光体ドラム等の潜像担持体(以下、「感光体ドラム」で代表して説明する)1の表面は帯電器2により所定の電荷で一様に帯電され、図示しない画像書込装置(ROS)によるレーザー光Lの書き込み走査で第1色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は感光体ドラム1の、A方向への回転で現像装置ユニット3の第1色の現像器との対向位置に到り、第1色の現像器でトナー現像される。感光体ドラム1はトナー像Tを担持してさらに回転する。
上記トナー現像動作に合わせて、中間転写ベルト4は感光体ドラム1の周速と略同一の速度で移動し、感光体ドラム1と中間転写ベルト4とが当接する位置の直下付近で中間転写ベルト4に接して配置された1次転写ロール5が配置されている1次転写部において、該1次転写ロール5に印加される上記トナーの帯電極性と逆極性の転写電界(転写バイアス)によって感光体ドラム1に担持されていたトナー像Tが中間転写ベルト4に1次転写される。以上で、1色分の1次転写サイクルが終了する。
中間転写ベルト4に1次転写されたトナー像は中間転写ベルト4の周回移動によって2次転写ロール6が配置されている2次転写部に到る。フルカラー画像形成装置の場合には潜像の形成からトナー像の1次転写までを予定色(一般にはイエロー(Y) 、マゼンタ(M) 、シアン(C) およびブラック(Bk))分だけ繰り返して中間転写ベルト4上に多色トナーを重ね合わせたカラートナー像を形成する。
各色のトナー像を形成するため、現像装置ユニット3はイエロー現像器3−1、マゼンタ現像器3−2、シアン現像器3−3およびブラック現像器3−4の4色現像器からなる回転装置で構成され、感光体ドラム1に形成された各色の潜像を順次現像できるように構成されている。
感光体ドラム1に担持された第1色のトナー像が1次転写部で中間転写ベルト4上に転写された後、感光体ドラム1上の残留トナーは感光体クリーナ7で除去されるとともに図示しない除電器で電荷が中和された後、次の,第2色に対応する潜像の形成がなされる。第2色の静電潜像も第1色と同様にして現像され、その第2色のトナー像が中間転写ベルト4上の、先に転写された第1色のトナー像に重ねて転写される。以下、第3色以降についても同様にして中問転写ベルト4に多重転写され、その結果、中間転写ベルト4には未定着の複数色トナーが重畳したカラートナー像が形成される。
すべての色のトナー像が1次転写された中間転写ベルト4が2次転写位置に達する時点で、タイミングを合わせて給紙トレイ8から送り出された記録媒体としての記録紙Pが2次転写位置に給送される。
記録紙Pを2次転写ロール6および中間転写ベルト4によって挟持して搬送する際、2次転写ロール6に印加される前記トナー像の帯電極性と逆極性の転写電圧で形成される転写電界により中間転写ベルト4のトナー像が記録紙Pに2次転写される。トナー像が2次転写された記録紙Pは定着器9に送られ、加熱・加圧処理によりトナー像を記録紙Pに固定し、作像プロセスを終了する。
2次転写ロール6は、中間転写ベルト4に対して矢印C方向に当接・離間自在に設けられていて、記録紙Pの進入に合わせて当接し、排出に合わせて離間する。2次転写ロール6は2次転写の終了とともに待避位置に戻る。また、中間転写ベルト4に対向して配置されているクリーナ10も記録紙Pへ転写されなかったトナー像をクリ−ニングすべく、中間転写ベルト4に対して2次転写ロール同様、当接・離間する。
前記中間転写ベルト4は、駆動ロール11、アイドルロール12、2次転写バックアップロール13およびテンションロール14により張架され、駆動ロール11により矢印B方向に搬送される。中間転写ベルト4には、該中間転写ベルト4が駆動ロール11等、各ロールの軸方向での位置を規制するための図示しないリブが、その側端部内周に沿って設けられている。また、補強のため、該中間転写ベルトには、その側端部外周に沿ってベルト補強テープが設けられている。
このような中間転写ベルトを用いたカラー画像形成装置では、該中間ベルト上で既に多重転写された合成トナー像(各色トナー像の重畳像)を記録媒体に一括で転写しているので、潜像担持体から直接記録媒体に各色のトナー像を順次転写する方式におけるトナー像間の位置ずれや画像乱れの発生を効果的に防止できるといった利点を有している。なお、中間転写ベルトを使用した画像形成装置の一例が、特開平5−134556号公報に開示されている。
特開平5−134556号公報
中間転写ベルトを用いた画像形成装置では次のような問題点があった。上述の画像形成装置では、感光体ドラム1の周速度VD および中間転写ベルト4の移動速度VB は互いに同一速度であって相対速度はゼロに設定されているのが理想である。しかし、中間転写ベルト4の駆動ロール11の外径や感光体ドラム1の外径等は公差を有しているので、現実には、両者の速度は僅かに異なっていて相対速度を有している。
一方、1次転写ロール5に転写バイアスを印加すると、感光体ドラム1と中間転写ベルト4とは互いに引きつけ合って強く密着する。密着した感光体ドラム1と中間転写ベルト4とは相対速度を有しているので、感光体ドラム1および中間転写ベルト4に力が作用する。
例えば、感光体ドラム1の速度VD が中間転写ベルト4の速度VB より大きい場合を想定すると、中間転写ベルト4には、該中間ベルト4の周回方向Bに力が作用し、1次転写ロール5と駆動ロール11との間で中間転写ベルト4をたるませるように働く。また、感光体ドラム1に対しては、該感光体ドラム1の回動方向Aに逆らうように力が作用し、結果的に感光体ドラム1の位置変動を生じさせる。前記中間転写ベルト4のたるみや感光体ドラム1の位置変動は、多色トナーを転写する場合に、色ずれの原因となる。
中間転写ベルト4や感光体ドラム1に作用する力は、互いが密着したときの摩擦力により生じるので、両者の摩擦係数が小さい場合には、色ずれが許容範囲に収まっている。例えば、感光体ドラム1にトナー粒子が存在する場合は、そのトナー粒子が低摩擦化剤として作用し、摩擦力が小さくなる。
記録紙Pに中間転写ベルト4上のトナー像を転写した後、該中間転写ベルト4はクリーナ10でクリーニングされてトナー粒子は除去される。したがって、1枚目のプリントの第1色目の1次転写直前までは、感光体ドラム1および中間転写ベルト4の摩擦力は大きいが、1次転写によってトナー像が中間転写ベルト4上に転写され始めると該摩擦力は小さくなる。第1色目に続く2色目以降の転写や、連続するジョブの2枚目以降の全色の転写においても、トナー粒子が存在するので摩擦力は小さくなる。
その結果、1色目の1次転写の開始時とその後とでは、前記感光体ドラム1を変位させたり、中間転写ベルト4をたるませたりする程度に違いが生じる。このような現象により、中間転写ベルト4上において、1枚目の1色目のみが、その画像先端位置が2色目以降に対してずれるという不具合となって現れる。感光体ドラム1および中間転写ベルト4の材料の組み合わせが、互いに摩擦係数の小さいもの同士であれば上記不具合は生じないが、本質的に画像形成に必要とされる特性を備え、かつ摩擦力が小さくなるような感光体ドラム1および中間転写ベルト4の材料の組み合わせは現在知られていない。
本発明は、上述の課題を解決し、転写バイアス印加による感光体ドラムおよび中間転写ベルト間の密着力を低減させて第1色目とそれ以降の色ずれをなくし、良好な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、像担持体上に形成された複数色のトナー像を順次中間転写ベルトに1次転写し、その1次転写された複数色のトナー像を記録媒体に2次転写して重ね合わせることによりカラー画像を形成するように構成された画像形成装置において、前記像担持体上に画像信号に応じた静電潜像を形成する画像書込手段と、前記静電潜像を前記複数色のトナーによって可視化する現像手段と、前記可視化されたトナー像を前記中間転写ベルト上に1次転写するための転写バイアス印加手段とを具備し、前記現像手段が、前記画像書込手段による第1色目の画像書込みに先立って、少なくとも前記中間転写ベルトの1周回前に第1色目の現像バイアスを印加するように構成された点に特徴がある。
上記特徴によれば、第1色目(例えばイエロ)の画像形成に際しては、通常より早めに第1色用の現像器を回転し、現像バイアスが印加される。この動作により、第1色目のトナーがわずかな量だけ像担持体に載り、これが1次転写部に供給される。そして、第1色目の画像形成時における像担持体および中間転写ベルトの摩擦係数は低下しており、色ずれを生じさせるような大きな摩擦力を発生させない。
以下、添付図面に基づいて本発明を適用したカラー画像形成装置を詳細に説明する。ここでは、図9に関して説明した構成や動作等を援用し、適宜図9を参照しつつ説明する。
図2は、中間転写ベルト4上の基準位置を検知する反射型センサの取付けの態様を示す要部拡大図である。同図において、駆動ロール11はベルトユニットを構成するサイドフレーム18に軸19を介して支持されている。また、テンションロール14は前記サイドフレーム18に揺動自在に軸支されたブラケット20に軸21で支持されている。中間転写ベルト4は、これら駆動ロール11やテンションロール14ならびに前記アイドルロール12やバックアップロール13からなるロール類に掛け渡されていて、テンションロール14によって所定の張力が与えられている。駆動ロール11およびテンションロール14の間には、基準位置を検知する反射型センサ22が配置されている。該反射型センサ22はサイドフレーム18に直接固定されていて、中間転写ベルト4との間隔SDが変動しないようにしている。
中間転写ベルト4上の非画像形成領域、つまり軸19の軸端方向には前記反射型センサ22によって検出されるマーキング(反射テープ等)が貼付けられている。中間転写ベルト4が停止している状態では、前記マーキングは反射型センサ22と駆動ロール11との中間に位置するように設定されている。ROSによる前記レーザ光Lによる画像書き込みタイミングや転写バイアス印加タイミング等は前記反射型センサ22によるマーキングの検出信号に基づいて決定されている。
図1は、本実施形態におけるカラー画像形成装置の要部タイムチャートである。同図において、マーキング検出信号(基準信号)は中間転写ベルト4が1周回する毎に出力される。ROSの書き込みは基準信号s1〜s4の立上がりに応答して開始される。但し、マージンとして、T1時間(例えば50msec)を設けるのがよい。すなわち、2周回目の基準信号s2の立上がり後にY色の画像が感光体ドラム1上に書き込まれ、3周回目の基準信号s3の立上がり後にM色の画像が感光体ドラム1上に書き込まれる。以下、同様にしてC色、K色の画像が感光体ドラム1上に書き込まれる。
感光体ドラム1が回転して画像書き込み位置が1次転写位置に至ったとき、つまり基準信号の立上がりからT2時間後に、現像された各色のトナー像が中間転写ベルト4に1次転写される。この1次転写に先立ち、1次転写ロール5に転写バイアスが印加される。この転写バイアスは2周回目の基準信号s2の立上がりからT3時間後に印加される。
1次転写ロール5に対して転写バイアスが印加されると、その印加時間が長くなるに伴って感光体ドラム1の変位や中間転写ベルト4の歪みは累積される。すなわち、転写バイアス印加開始時点から時間が経過するほど、感光体ドラム1の周速度VD と中間転写ベルト4の移動速度VB との速度差による中間転写ベルト4のたるみや感光体ドラム1の変位は大きくなり、第2色目以降の画像との色ずれが生じてしまう。
そこで、本実施形態では、1次転写ロール5にかかるバイアスがトナーの転写性能に悪影響を与えない程度に上昇することができる範囲で、転写バイアス印加開始から第1色の1次転写開始までの時間(T2−T3)ができるだけ短い時間となるように時間T3として決定している。
このように、時間(T2−T3)をできるだけ短時間とすることによって、感光体ドラム1と中間転写ベルト4との摩擦力による感光体ドラム1の位置ずれ等が小さい状態で第1色の画像形成を行うことができる。その結果、ROSによる画像書込み位置のずれ等が低減し、1色目の画像先端が2色目以降に対してずれるのを防止できる。
なお、従来は、少なくともROSによる第1色の画像書き込みの開始のための基準信号s2よりも手前(一例として基準信号s1とs2との中間時点vs)で1次転写バイアスの印加を開始していた。これは、画像書き込み中に転写バイアスを印加すると、該転写バイアス印加による影響が感光体ドラム1に現れ、転写バイアス印加前後で画像に濃淡差が出ることを配慮したためである。しかし、本発明者らの実験では、ROSによる画像書き込み中に転写バイアスを印加開始しても、前記画像の濃淡差はみられなかった。
図3は、前記時間(T2−T3)と、第2色目に対する第1色目の先端位置の色ずれ量との関係を示した図である。この図から明らかなように、時間(T2−T3)が短くなるほど色ずれ量は小さくなり、画質が改善されていることが分かる。色ずれは、感光体ドラム1の周速度VD と中間転写ベルト4の移動速度VB との相対速度によるものに限らず、他の外乱によっても生じ得るので、時間(T2−T3)はできるだけ短くするのがよい。なお、1次転写ロール5は転写バイアスを印加開始後0.1秒程度で、転写に必要な十分な電圧に達することができるので、時間(T2−T3)は0.1秒以上に設定しておけば、トナーの転写性能不良による画質劣化を生じることはない。
転写バイアスを印加するタイミングは、基準信号からの時間により管理するのが制御の簡素化という観点からは望ましい。実験機において、基準信号から1次転写開始までの時間T2は1.9秒であったので、一例として、時間(T2−T3)を0.1秒とすると、時間T3は1.8秒となる。すなわち、制御の簡素化および色ずれの低減の両方を満足するための時間T3としては0〜1.8秒とするのが好ましい。
次に、感光体ドラム1の周速度と中間転写ベルト4の移動速度との相対速度による前記色ずれを解消するための、第2の実施形態を説明する。前記色ずれを解消するためには、感光体ドラム1と中間転写ベルト4との間に生じる摩擦力を小さくすればよく、そのためには両者の接触面に垂直に作用する力を低減させるのが有効であることをすでに述べた。これに対して、この第2の実施形態では、感光体ドラム1と中間転写ベルト4との間に、低摩擦剤を存在させるようにした。
すなわち、感光体ドラム1上において、該感光体ドラム1上に形成された第1色のトナー像の先端よりも先方に低摩擦化剤としてのトナーを存在させるようにした。具体的には、現像装置ユニット3のイエロー現像器3−1を早めに感光体ドラム1に当接させ、かつ現像バイアスを印加させる。こうすることにより、Y色のトナーが僅かな量だけ感光体ドラム1上に載り、これが1次転写部に供給される。その結果、第1色つまりY色の画像形成時における感光体ドラム1および中間転写ベルト4の摩擦係数は低下しており、前記色ずれを生じるような大きな摩擦力は発生しない。
図4は、現像装置ユニット3と感光体ドラム1との関係を示す図である。同図において、現像装置ユニット3は現像器3−1〜3−4を支持するフレーム部材24を有していて、このフレーム部材24は図示しないモータによって、感光体ドラム1と反対方向つまり矢印Aとは反対方向に回転可能である。各現像器3−1〜3−4はフレーム部材24に対して、該フレーム部材24の回転中心から放射状方向に変位可能に支持されており、かつばね25によって外方に付勢されている。
フレーム部材24は各トナー色の現像タイミングに応じて現像位置つまり感光体ドラム1との当接位置まで回動し、その現像ロールが感光体ドラム1の表面に前記ばね25の押圧力によって当接させられる。なお、現像ロールはトラッキングロールを介して、感光体ドラム1の表面とは一定の間隙を有して対向する。
通常、各色の現像器は当該トナー色の潜像の先端が現像位置に到達する直前に現像ロールが現像位置に位置合わせされ、現像バイアスが印加される。しかし、本実施形態では、1枚目の第1色(イエロ)の画像形成に際してだけは、通常よりは早めに現像器3−1の回転をし、現像バイアスを印加する。
図5に、現像装置ユニット3の各現像器の当接動作開始タイミングと現像バイアスの印加タイミングを示している。なお、ここでは、1次転写バイアスはvs点で印加している。同図において、各色の、ROSによる画像書き込みは2周目以降の基準信号の立上がりから時間T1経過後に行われる。一方、現像器3−1は最初の基準信号s1と同時に感光体ドラム1に当接させられ、現像バイアスの印加も同時に行われる。この動作によって、基準信号s2の後に実行される第1色目の画像書き込み時には感光体ドラム1と中間転写ベルト4との間にはトナー粒子が存在する。
このように、第1色の画像形成タイミングよりも早めに現像器を感光体ドラム1に当接させて現像バイアスを印加することにより、感光体ドラム1に載ったトナー粒子が感光体ドラム1と中間転写ベルト4との間に低摩擦化剤として作用し、色ずれを引き起こすような大きい摩擦力を生じさせない。なお、前記低摩擦化剤としてのトナー粒子の量は、いわゆるバックグラウンドとして現れる程度の量であり、特に、第1色としてY色のトナー像を形成させる場合には、人の目ではほとんど認識されない。
図6は、第2の実施形態における第2色目に対する第1色目の先端位置の色ずれ量を示した図であり、図中のマークは実験値を示すものである。図の理解を容易にするため横軸方向に実験値が広げて図示している。図示のように、1色目の現像直前に現像器3−1を当接して現像バイアスを印加した場合には、色ずれ量は60μm以上となったのに対して、1色目の画像形成開始よりも中間転写ベルト4の約1周分前に現像器3−1を感光体ドラム1に当接して現像バイアスを印加した場合には、色ずれ量は±20μmの範囲に収まっている。
なお、現像装置ユニット3を回転させて現像器3−1を感光体ドラム1に当接させた瞬間はトナー粒子が感光体ドラム1上に必要量以上移行してしまう傾向がある。そこで、現像器3−1の当接よりも前に現像バイアスを印加して必要以上のトナー粒子が移行するのを防止することが考えられる。
しかし、予め現像バイアスを印加した場合でも、目で認識できる程度のトナー汚れが生じることがある。したがって、第1色目の画像書込みに先立って現像バイアスを印加する場合に、このトナー汚れが画像形成領域に発生しないようにすることが望ましい。
そのためには、現像器3−1の当接および現像バイアスの印加は、中間転写ベルト4のインタイメージつまり画像形成領域と画像形成領域との間の領域において行うのが好ましい。すなわち、第1色の画像書込みよりも少なくとも1周回前のインタイメージで現像器3−1の当接および現像バイアスの印加を行うのがよい。この場合、第1色の画像書込みは少なくとも3つ目の基準信号s3以降に遅らせることになる。
上述の2つの実施形態によれば、特に、1枚目の第1色の1次転写感光体ドラム1と中間転写ベルト4との間の摩擦力を低減でき、大きい摩擦力に起因する第1色目と他の色との色ずれを抑制することができる。
上述の実施形態による色ずれ低減の効果は、次のような感光体ドラム1の支持構造をとった場合に特に顕著である。図7は、感光体ドラム1の支持構造を示す正面断面図であり、図8は、同側面図である。両図において、感光体ドラム1はハウジング26に支持されている。ハウジング26の一方の側板26aには感光体ドラム1の一方のフランジ27の軸27aを支持する軸受28が設けられ、他方の側板26bには感光体ドラム1の他方のフランジ29に形成されたボス29aの外周をガイドするスリーブ30が設けられている。ハウジング26の側板26bの外面には位置決めピン31が設けられており、側板26aにはその外面にブラケット32が固定されている。ブラケット32には位置決め孔33,33とラッチ軸34が設けられている。
一方、画像形成装置のフレーム35には前記位置決めピン31が挿入される軸受36が固定されているほか、前記フランジ29の中心孔に挿入される軸37を有するモータ38が固定されている。さらに、フレーム35には前記ブラケット32に設けられた位置決め孔33,33に挿入される位置決めピン39,39と、前記ラッチ軸34の先端が係合するラッチ孔(図示せず)が設けられている。モータ38の軸37にはフランジ29と係合するジョイント37aが形成されている。ジョイント37aはフランジ29との係合を確実なものとするためばね40で軸37の先端方向に付勢されている。
感光体ドラム1はフレーム35に装着されるまでは前記軸受28とスリーブ30とによってハウジング26に仮に支持されている状態である。すなわち、前記位置決めピン31,39,39が対応する軸受36や孔33,33に嵌合され、モータ38の軸37がフランジ29に係合するとともに、ラッチ軸34がフレーム35にラッチされることによって画像形成装置内の所定位置に支持される。
このような感光体ドラム1の支持構造は、画像形成装置に対する感光体ドラム1の脱着を容易にし、交換や点検の作業性を高めているが、位置決めピンとその孔等の嵌め合いは、感光体ドラム1の中心を貫通する軸を設けてそれをフレームで受ける構造のものよりも緩い。したがって、この支持構造の下では、前記感光体ドラム1と中間転写ベルト4との相対速度による摩擦力が大きい場合は位置変動を起こしやすい。
しかし、上述のように、1次転写時の摩擦力を低減させることができるようにすれば、このような脱着容易な支持構造においても、第1色の色ずれを生じるような位置変動はなくなる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、像担持体と中間転写ベルトとの間に生じる摩擦力による像担持体や中間転写ベルト等のずれは、第1色目の画像の位置ずれを生じさせるまでには大きくならない。したがって、第1色目の画像先端位置が第2色目以降の画像とずれるという不具合を解消することができる。
1…感光体ドラム、 3…現像装置ユニット、 4…中間転写ベルト、 11…駆動ロール、 14…テンションロール、 18…サイドフレーム、 22…反射型センサ、 23…裏当て、 25…ばね
Claims (4)
- 像担持体上に形成された複数色のトナー像を順次中間転写ベルトに1次転写し、その1次転写された複数色のトナー像を記録媒体に2次転写して重ね合わせることによりカラー画像を形成するように構成された画像形成装置において、
前記像担持体上に画像信号に応じた静電潜像を形成する画像書込手段と、
前記静電潜像を前記複数色のトナーによって可視化する現像手段と、
前記可視化されたトナー像を前記中間転写ベルト上に1次転写するための転写バイアス印加手段とを具備し、
前記現像手段が、前記画像書込手段による第1色目の画像書込みに先立って、少なくとも前記中間転写ベルトの1周回前に第1色目の現像バイアスを印加するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1色目の現像バイアスは、前記中間転写ベルト上のインタイメージ部において印加するように構成されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記中間転写ベルト表面のトナーを除去するクリーナ手段を具備し、
第1色目の画像形成時に先立って前記クリーナ手段による中間転写ベルトの清掃を行うように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 前記像担持体が円筒状の感光体ドラムであり、
前記感光体ドラムの駆動モータを固定したフレームと、
前記感光体ドラムの一端を回転自在に軸受で支持し、前記フレームに脱着自在に設けられたハウジングとを具備し、
前記ハウジングを前記フレームに装着したときに、前記感光体ドラムの他端が前記駆動モータの軸に係合して支持されるように構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
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2005
- 2005-09-09 JP JP2005261691A patent/JP2006031043A/ja active Pending
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CN104603647A (zh) * | 2012-08-03 | 2015-05-06 | 帝人杜邦薄膜日本有限公司 | 白色反射性膜 |
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