JP2006030801A - 定着部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】基体上に設けられた20°以下のJIS A硬度と2mm以下の厚さを有する付加反応型シリコーンゴム層に厚さ100μm以下の付加型シリコーンゴム系接着剤を介して厚さ50μm以下の厚さを有するチューブ状フッ素樹脂層を最外層として設けてなる定着部材において、定着部材の表面での硬度の上昇を抑制する。
【解決手段】付加反応型シリコーンゴム層を、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンと不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとを前記不飽和脂肪族基の数に対する前記活性水素原子の数の比が0.8以上となる割合で反応させることにより形成する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、定着部材に係り、特に、複写機、ファクシミリ、レーザービームプリンタ等の電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットに使用される定着部材に関する。
電子写真式画像形成装置のトナー画像定着ユニットに用いられる定着部材としては、ローラまたは無端ベルトの形態にある基体上にシリコーンゴム層(弾性層)を設け、トナーの離型性を向上させるために、シリコーンゴム層をフッ素樹脂チューブで被覆したものが知られている。シリコーンゴム層とフッ素樹脂チューブは、通常付加反応型シリコーン接着剤により接着されている。また、シリコーンゴムは、硬化の制御が容易である等取り扱い上の観点から、縮合硬化型のものではなく、付加反応型のものが使用されている。
近時、トナー画像の画質をより一層向上させるために、弾性層としてのシリコーンゴム層の低硬度化が図られている。このような低硬度化の要請に応えると同時に強度を確保するために、例えば特許文献1には、低級アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン(ハイドロジェンオルガノポリシロキサン)とを後者のオルガノポリシロキサン中のケイ素結合原子の合計量と前者のオルガノポリシロキサン中の全低級アルケニル基の合計量とのモル比が0.1:1〜1:1となるような量で硬化させてシリコーンゴムを生成させることを開示している。
また、特許文献2には、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを前者におけるビニル基のモル数に対する後者の水素原子のモル数の比率(H/Vi)が1.0未満となるように反応・硬化させたシリコーンゴム層(厚さ200μm以上)の少なくとも最外層側から10〜100μmの厚み範囲の部分を、耐久性向上を目的として、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとをH/Viが1.0以上となるように反応・硬化させたシリコーンゴムにより構成することを開示している。シリコーンゴム層は、全体として、H/Viが1.0未満となるものとされている。
特開平11−45022号公報 特開2004−133286号公報
本発明者らは、ビニル基含有オルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを前者におけるビニル基の数(モル数)に対する後者の活性水素原子の数(原子数)の比が1.0未満となる割合で反応・硬化させて生成した付加反応型シリコーンゴム弾性層とその上に付加反応型シリコーンゴム系接着剤を介して設けられたチューブ状フッ素樹脂層を備えた定着部材について鋭意検討を重ねた。その結果、シリコーンゴム弾性層のJIS A硬度が20°以下で、その厚さが2mm以下である場合に、付加反応型シリコーンゴム弾性層の上に100μm以下の厚さの付加反応型シリコーンゴム系接着剤を介してフッ素樹脂チューブを被せ、加熱処理すると、得られた定着部材製品の硬度(フッ素樹脂チューブ表面での硬度)がデュロメータで測定したJIS A硬度では設計値どおりであったにも拘わらず、実際に定着装置に組み込んで使用した場合、ニップ幅が不足し、定着不良をもたらすという予想外の現象が生じた。
この現象についてさらに研究したところ、デュロメータでは確認できなかったが、微小硬度計を用いて測定したところ、定着部材製品の硬度が設計値よりも上昇していることがわかった。
従って、本発明は、基体上に設けられた20°以下のJIS A硬度と2mm以下の厚さを有する付加反応型シリコーンゴム層に厚さ100μm以下の付加型シリコーンゴム系接着剤を介して厚さ50μm以下の厚さを有するチューブ状フッ素樹脂層を最外層として設けてなる定着部材において、定着部材の表面での硬度の上昇を抑制し、もって定着不良のおそれを解消することを目的とする。
本発明によれば、基体と、この基体上に設けられた20°以下のJIS A硬度と2mm以下の厚さを有する付加反応型シリコーンゴム層と、このシリコーンゴム層を覆うように厚さ100μm以下の付加反応型シリコーンゴム系接着剤層を介して最外層として設けられた厚さ50μm以下のチューブ状フッ素樹脂層を備え、前記シリコーンゴム層は、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンと不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとを前記不飽和脂肪族基の数に対する前記活性水素原子の数の比が0.8以上となる割合で反応させることにより形成されることを特徴とする定着部材が提供される。
本発明の定着部材は、基体上に設けられた20°以下のJIS A硬度と2mm以下の厚さを有する付加反応型シリコーンゴム層に厚さ100μm以下の付加型シリコーンゴム系接着剤を介して厚さ50μm以下の厚さを有するチューブ状フッ素樹脂層を最外層として設けてなる定着部材であるにも拘わらず、微小硬度計で測定しても設計値よりも表面硬度の上昇が抑制されている。
本発明の定着部材は、基体がローラの形態にある定着ローラと、基体が無端ベルトの形態にある定着ローラを含む。
ローラ形態の基体は、いわゆる芯金であり、鉄、スチール鋼、アルミニウム等の金属で形成することができる。無端ベルト形態の基体は、ステンレス鋼、ニッケル等の金属またはポリイミド等の耐熱性樹脂で形成することができる。
基体の表面上には、弾性層として作用する付加反応型シリコーンゴム層が設けられている。本発明において、このシリコーンゴム層は、20°以下(0を含む)のJIS A硬度と2mm以下の厚さを有する。シリコーンゴム層の厚さの下限値は、通常、0.1mm(100μm)である。
このシリコーンゴム層を覆うように厚さ100μm以下の付加反応型シリコーンゴム系接着剤層を介して厚さ50μm以下のチューブ状フッ素樹脂層(フッ素樹脂チューブ)が設けられている。接着剤層の厚さが100μmを超えて増加すると、接着剤層からのシリコーンゴム層への浸透成分が増えることにより、定着部材製品硬度が上昇するおそれが高くなるとともに、接着剤自体の硬度がJIS A硬度で30以上であるので、やはり、定着部材製品の硬度が上昇するおそれが高くなる。また、フッ素樹脂チューブのJIS A硬度は80以上であるので、その厚さが50μmを超えて増加すると、定着部材製品の硬度が上昇するおそれが高くなる。
付加反応型シリコーンゴム系接着剤は、いわゆる自己接着型のものであり、それ自体既知のものを使用することができる。いうまでもなく、付加反応型シリコーンゴム系接着剤は、上記シリコーンゴム層を生成するシリコーンゴム材と同様、基本的に、ビニル基等の不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンを含有し、白金系硬化触媒で硬化するものである。この接着剤は、接着性付与剤を含有し得る。そのような付加反応型シリコーンゴム系接着剤の一例を挙げると、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと、1分子中に2個以上の活性水素(ケイ素に直接結合した水素)を有するオルガノポリシロキサン(ハイドロジェンオルガノポリシロキサン)と、1分子中に1個以上のアルケニル基および(または)活性水素とアルコキシシリル基および(または)エポキシ基を有する化合物(接着性付与剤)とを含み、白金系硬化触媒で硬化させるものである。この接着剤は、耐熱安定剤として、酸化セリウムまたは水酸化セリウムを含有することができる。このような付加反応型シリコーンゴム系接着剤は、特許第2970311号明細書に記載されており(ただし、カーボンブラック、添加剤は省略できる)、市販もされている。
付加反応型シリコーンゴム系接着剤層の厚さの下限値は、通常、10μmである。
この付加反応型シリコーンゴム系接着剤層を介して、定着部材の最外層として、付加反応型シリコーンゴム層上に設けられるチューブ状フッ素樹脂は、熱可塑性のものであり、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好ましく用いられる。フッ素樹脂チューブの厚さの下限値は、通常、15μmである。
さて、本発明において、シリコーンゴム層は、通常、付加反応型の液状シリコーンゴム材から形成される。付加反応型液状シリコーンゴム材は、主剤となる不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、架橋剤となるケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサン(ハイドロジェンオルガノポリシロキサン)を含む。不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンにおいて、不飽和脂肪族基は、両末端に導入され、側鎖としても導入され得る。そのような不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンは、例えば、下記式(1)で示すことができる。
Figure 2006030801
式(1)において、R1は、不飽和脂肪族基を表し、各R2は、C1〜C4低級アルキル基、またはフェニル基を表す。a+bは、通常、50〜2000である。R1によって表される不飽和脂肪族基は、通常、ビニル基である。各R2は、通常、メチル基である。
ハイドロジェンオルガノポリシロキサンは、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンに対し架橋剤として作用するものであり、主鎖のケイ素原子に結合した水素原子(活性水素)を有する。そのような活性水素含有オルガノポリシロキサンは、例えば、下記式(2)で示すことができる。
Figure 2006030801
式(2)において、R3は、水素またはC1〜C4低級アルキル基を表し、R4は、C1〜C4低級アルキル基を表す。c+dは、通常、8〜100である。R3およびR4で表される低級アルキル基は、通常、メチル基である。活性水素原子は、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン1分子当たり3個以上存在することが好ましい。
本発明では、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを前者における不飽和脂肪族基(以下、USG)のモル数に対する後者における活性水素(以下、SiH)の原子数の比SiH/USGを0.8以上となる割合で反応させる。このSiH/USG比が0.8未満であると、上に述べたように、定着部材の製造過程で硬度が有意に上昇してしまう。SiH/USG比が0.8未満であると、以下の実験例で示されるように、当該シリコーンゴム材を十分に硬化させても、有意量の未反応のUSGが硬化シリコーンゴム中に残存し、この未反応USGが付加反応型シリコーンゴム系接着剤に由来する反応成分(ハイドロジェンオルガノポリシロキサン等)と反応し、シリコーンゴム層の硬度が上昇し、これが定着部材製品の表面での硬度に反映することがわかった(この定着部材製品表面の硬度上昇は、デュロメータでは測定し得ず、微小硬度系を用いてはじめてわかったものである)。SiH/USGの比は、0.9〜1.5であることが好ましい。不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとの反応に際し、白金触媒を使用するが、その量は、白金原子として、1〜100重量ppm程度で十分である。
本発明で使用する付加反応型液状シリコーンゴム材は、市販されている。市販品では、付加反応型液状シリコーンゴム材を構成する不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとハイドロジェンオルガノポリシロキサンとは別々のパッケージで提供され、両者の硬化反応に必要な硬化触媒(白金触媒)は、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンに添加されている。
本発明は、付加反応型液状シリコーンゴム材におけるSiH/USG比を0.8以上に設定することにより、定着部材の製造過程での弾性層の硬度の上昇を抑え、もってニップ幅を十分に確保するものであるが、付加反応型シリコーンゴム層の硬度の上昇によりニップ幅が確保できない現象は、シリコーンゴム層の厚さが500μm以下で特に顕著となる。従って、本発明の手法(SiH/USG比を0.8以上に設定すること)は、500μm以下の付加反応型シリコーンゴム層を備える定着部材に対して特に有効である。同様の理由により、本発明の手法は、接着剤層の厚さが20〜30μmの場合、および/またはチューブ状フッ素樹脂の厚さが20〜30μmの場合に、特に有効である。なお、シリコーンゴム層の厚さは、シリコーンゴム層が弾性層としての機能を十分に発揮させるために、接着剤層の厚さの5倍〜25倍であることが好ましい。
本発明の定着部材を製造するためには、基体上に付加反応型シリコーンゴム材を塗布し、例えば、120℃〜150℃で0.5時間〜1時間加熱することによって十分に反応・硬化させてシリコーンゴム層を形成する。しかる後、シリコーンゴム層の外周面に付加反応型シリコーンゴム系接着剤を塗布し、フッ素樹脂チューブを被せ、例えば120℃〜150℃で0.5時間〜1時間加熱する。こうして、所望の定着部材を製造することができる。なお、フッ素樹脂チューブの内面を、予め、ナトリウムで処理するか、エキシマレーザ照射処理しておくことによって、シリコーンゴム系接着剤との接着をより強固なものとすることができる。
以下、本発明を例により説明するが、本発明は、それらの例より限定されるものではない。
実験例1
この実験例では、付加反応型液状シリコーンゴム材におけるSiH/USG比が異なることにより、付加反応型シリコーン接着剤との反応によりシリコーンゴムの硬度がどのように変化するかを調べた。
使用した付加反応型液状シリコーンゴム材は下記表1に示すとおりのものであった。
Figure 2006030801
各付加反応型液状シリコーンゴム材a〜fを130℃で5分間のプレス処理により、20mm×70mm×6mm(厚さ)のシリコーンゴム板に成形した後、200℃で4時間保持した(エージング)。得られた試験片を容量500mLの容器に入れ、付加反応型シリコーンゴム系接着剤(信越化学社製KE−1830)を流し込み、試験片を浸漬した。試験片を接着剤に浸漬直後、浸漬1時間後、浸漬3時間後、浸漬12時間後、浸漬24時間後に取り出し、表面に付着した接着剤をふき取った。これら試験片を200℃の恒温槽中で2時間放置した後、室温に冷却し、硬度を測定した。
硬度の測定には、高分子計器社製デュロメータTYPE−Aと同社製微小硬度計MD−1を用いて行った。微小硬度計MD−1は、荷重方式がバネ式のもので、バネ荷重が22mN(0°)〜332mN(100°)であり、押針が、直径0.16mmで長さ500μmの円柱形のものである。
硬度の測定結果を下記表2および表3に示す。また、各浸漬時間における硬度と浸漬前の硬度(初期硬度値)との差を浸漬時間に対してプロットした結果を図1(デュロメータによるもの)および図2(微小硬度計によるもの)に示す。図1および図2において、線a〜fは、シリコーンゴム材a〜fの結果を示す。
Figure 2006030801
Figure 2006030801
これらの結果からわかるように、SiH/USG<0.8であるシリコーンゴム材eおよびfは、接着剤との反応により顕著な硬度上昇を示している。この硬度上昇については、浸漬直後のもので微小硬度計による硬度値が数ポイント上昇し、浸漬時間が増すにつれデュロメータによる硬度値も同様に上昇していることから、接着剤とSiH/USG<0.8であるシリコーンゴムとの反応は、シリコーンゴムの表面だけでなく、内部でも生じていると推察される。
これに対し、SiH/USG≧0.8であるシリコーンゴム材a〜dは、いずれも顕著な硬度上昇を示していない。
これらの結果から、シリコーンゴム材中の残存不飽和基と接着剤中の活性水素との反応によりシリコーンゴムの硬度が上昇するものと考えられる。また、本発明に従い、SiH/USG≧0.8であるシリコーンゴム材を使用すれば、シリコーンゴム層自体の硬度上昇を抑制し得ることもわかる。
実験例2
この実験例は、SiH/USG比の違いによる定着部材製品上での硬度の変化を調べるために、実験例1で硬度の上昇が顕著であることが確認されたSiH/USG<0.8のシリコーンゴム材と、硬度上昇が低いことが確認されたSiH/USG=1のシリコーンゴム材を用い、各シリコーンゴム材について以下の試料A〜Cを作製し、硬度を測定した。使用したシリコーンゴム材は、実験例1で使用したシリコーンゴム材fと信越化学工業社製X−34−2560(SiH/ビニル基=1、硬化後の公称JIS A硬度8°)(以下、シリコーンゴム材g)であった。
<試料Aの作製>
内径34mm、厚さ50μmのニッケル電鋳ベルトの外周面にシリコーンゴム材を塗布し、150℃で30分間加熱して硬化させた。シリコーンゴム層の厚さは330μmであった。このシリコーンゴム層を覆って、接着剤を用いることなく、厚さ30μmのPFAチューブを被せて試料Aを作製した。
<試料Bの作製>
試料Aの作製と同様にして、ニッケル電鋳ベルトの外周面にシリコーンゴム層を形成した。他方、同様のPFAチューブの内面に付加反応型シリコーンゴム系接着剤(信越化学工業社製KE−1830)を塗布し、十分に乾燥させた。接着剤層の厚さは30μmであった。この接着剤塗布PFAチューブをシリコーンゴム層を設けたニッケル電鋳ベルトのシリコーンゴム層を覆うように被せて試料Bを作製した。
<試料Cの作製>
上記試料Bの作製方法において接着剤を乾燥することなくPFAチューブをシリコーンゴム層を設けたニッケル電鋳ベルトに被せた後、200℃で6時間加熱して、試料Cを作製した。この試料Cは定着ベルト製品に相当する。
<硬度の測定>
外径34mmの中子を微小硬度計MD−1の試料台にセットし、押針先端から中子までの距離を6〜12mmの範囲内に設定する。中子の硬度が99〜101°の範囲内となるように、試料台の位置調整つまみにより中子の位置を固定する。しかる後、中子に試料を被せ、同一試料につき3回硬度を測定し、平均値を求めた。結果を下記表4に示す。
Figure 2006030801
これら結果から、接着剤を用いていない試料Aと、製品相当の試料Cを見ると、実験例1と同様、SiH/USG<0.8のシリコーンゴム材を用いた場合、SiH/USG=1のシリコーンゴム材を用いた場合に比べ、硬度上昇が大きいことがわかる。
試料A、Bの比較では、シリコーンゴム材の種類による硬度差(B−A)はほとんどないことから、接着剤を用いてもシリコーンゴムとの反応が生じていない場合には、定着部材表面上での硬度に差は生じないことがわかる。
これらの結果から、SiH/USG<0.8のシリコーンゴム材が付加反応型シリコーン接着剤と反応する条件では、シリコーンゴム材自体の硬度上昇が、定着部材の表面での硬度に反映されることが確認された。また、本発明に従い、SiH/USG≧0.8であるシリコーンゴム材を使用すれば、定着部材表面での硬度もほとんど上昇しないことがわかる。
実験例3
基体としてニッケル電鋳ベルトの代わりに内径50mmで厚さ70μmのポリイミドベルトを用いた以外は、実験例2と同様にして試料AおよびCを作製し、硬度を測定した。結果を下記表5に示す。
Figure 2006030801
表5に示す硬度差(C−A)と表4に示す硬度差(C−A)を比べると、その差はほとんどなく、従って、付加反応型シリコーンゴムと付加反応型シリコーンゴム系接着剤との反応による定着部材表面での硬度上昇は基体の材質に関係しないことが確認された。
実験例4
付加反応型シリコーンゴム材として、実験例1で用いたシリコーンゴム材aおよびf、並びに実験例2で用いたシリコーンゴム材gを用い、接着剤として付加反応型シリコーンゴム系接着剤(信越化学工業社製KE−1830)および縮合反応型(脱オキシム型)シリコーンゴム系接着剤(東芝シリコーン社製TSE−387)を用いて、実験例2と同様にして試料AおよびCを作製し、硬度を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2006030801
表6に示す結果から、縮合反応型シリコーンゴム系接着剤は、シリコーンゴム材のSiH/USGの比率如何にかかわらず、硬度上昇を生じさせないが、付加反応型シリコーンゴム系接着剤は、SiH/USG<0.8のシリコーンゴム材を用いた場合に顕著な硬度上昇を生じさせることがわかる。従って、本発明で取り扱っている硬度上昇は、付加反応型シリコーンゴム材と付加反応型シリコーン接着剤を用いた場合の特有の現象であるといえる。
そして、以上の結果から、本発明で取り扱っているSiH/USG<0.8のシリコーンゴム材を用い、付加反応型シリコーン接着剤を反応させた場合のシリコーンゴムの硬度の上昇は、SiH/USG<0.8のシリコーンゴム材自体の反応硬化後に残る未反応USG基と付加反応型シリコーンゴム系接着剤に由来する反応成分(接着剤中の活性水素等)との反応に起因するといえる。
実験例5
付加反応型シリコーンゴム材として、実験例1で用いたシリコーンゴム材aとシリコーンゴム材f、および実験例2で用いたシリコーンゴム材gを用い、接着剤として付加反応型シリコーンゴム系接着剤(信越化学工業社製KE−1830)および縮合反応型(脱オキシム型)シリコーンゴム系接着剤(東芝シリコーン社製TSE−387)を用いて、実験例2と同様にして試料Cを作製した。各試料を230℃で250時間、500時間、750時間、および1000時間加熱し、それぞれの加熱時間後の硬度を微小硬度計で測定し、加熱前の硬度値(初期値)との差を求めた。結果を表7に示す。
Figure 2006030801
表7に示す結果から、縮合反応型シリコーンゴム系接着剤を用いた場合では、この耐熱試験においても定着部材表面の硬度上昇は問題とならない程度であることがわかる。これに対し、付加反応型シリコーンゴム系接着剤を用いた場合において、SiH/USGが0.8未満であるシリコーンゴム材fを用いたとき、硬度上昇が顕著である。しかしながら、付加反応型シリコーンゴム系接着剤を用いた場合でも、SiH/USGが0.8以上であるシリコーンゴム材を用いたときには、定着部材表面の硬度上昇は問題とならない程度であることがわかる。
付加反応型シリコーンゴムを付加反応型接着剤中に浸漬したときの各浸漬時間におけるシリコーンゴムのデュロメータ測定硬度と浸漬前のデュロメータ測定硬度との差を浸漬時間に対してプロットした結果を示すグラフ。 付加反応型シリコーンゴムを付加反応型接着剤中に浸漬したときの各浸漬時間におけるシリコーンゴムの微小硬度計測定硬度と浸漬前の微小硬度計測定硬度との差を浸漬時間に対してプロットした結果を示すグラフ。

Claims (7)

  1. 基体と、この基体上に設けられた20°以下のJIS A硬度と2mm以下の厚さを有する付加反応型シリコーンゴム層と、このシリコーンゴム層を覆うように厚さ100μm以下の付加反応型シリコーンゴム系接着剤層を介して最外層として設けられた厚さ50μm以下のチューブ状フッ素樹脂層を備え、前記シリコーンゴム層は、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンと不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンとを前記不飽和脂肪族基の数に対する前記活性水素原子の数の比が0.8以上となる割合で反応させることにより形成されることを特徴とする定着部材。
  2. 前記不飽和脂肪族基に対する前記活性水素原子のモル比が、0.9〜1.5であることを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 前記シリコーンゴム層の厚さが、100〜500μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の定着部材。
  4. 前記接着剤層の厚さが20〜30μmであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の定着部材。
  5. 前記チューブ状フッ素樹脂の厚さが20〜30μmであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の定着部材。
  6. 前記基体が、ローラの形態にある請求項1ないし5のいずれか1項に記載の定着部材。
  7. 前記基体が、無端ベルトの形態にある請求項1ないし5のいずれか1項に記載の定着部材。
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