JP2006028263A - 特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物、電荷輸送材料、及び電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】それ自身、成膜加工性に優れ、また電荷輸送材料として極めて高い電荷輸送能を有し、色素増感太陽電池などの光導電性材料に用いても優れた性能を発揮する他、電子写真感光体の材料として用いた場合、帯電電位が高く高感度で、繰返し使用しても諸特性が変化せず、安定した性能を発揮できる、優れた高分子化合物の提供。
【解決手段】特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物。
【選択図】 なし
【解決手段】特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、色素増感太陽電池(固体型)等の電子デバイスや、電子写真方式の感光体に用いられる有機光導電性材料として有用な新規の高分子化合物、及びこれを用いた電荷輸送材料、並びにこれを利用した電子写真感光体に関し、詳しくは、従来知られていなかった全く新しい、アルキルないしアルコキシ置換トリフェニルアミン化合物を、構成ユニットとして用いて合成された、優れた物理物性と、高い電荷輸送能を有する新規の高分子化合物、及びこの高分子化合物を用いた電荷輸送材料、並びにこの化合物を利用した、高感度で高耐久性の電子写真感光体に関するものである。
低分子のトリフェニルアミン化合物は、以前より電子材料の分野では、代表的な電荷輸送材料として知られており、また広く用いられてきた。
特に近年では、これまで幅広く使われてきた、複写機やパソコン等の端末プリンターの感光体として主流を占めている有機電子写真感光体のみならず、色素増感太陽電池(固体型)や、有機EL素子等の電子デバイスの分野においても、電荷輸送材料としての利用が活発に行われるようになってきた。
これら低分子のトリフェニルアミン化合物は、電荷輸送材料として固体型太陽電池等の電子デバイスに用いられる際には、主に蒸着により膜形成がなされ、また有機電子写真感光体の構成材料として用いられる場合には、耐摩耗性や寸法安定性、さらには耐久性の点から、ポリカーボネート樹脂と混合して有機溶剤に溶かし、溶剤塗工して膜形成を行う方法がとられている。
しかしながら、電荷輸送材料として従来より用いられてきた低分子のトリフェニルアミン化合物は、繰り返し使用による電荷輸送能の劣化が大きく、また、溶剤塗工の際にも結晶化しやすい等の物性的な問題があった。さらに、電荷輸送材料として知られているエナミン型化合物やベンジジン型化合物等の、他の材料と比較すると、合成が比較的容易である半面、電気特性的には、感度が劣っていたり、繰り返し特性が悪かったりといった、欠点を有していた。
これらの欠点を改良するために、トリフェニルアミン構造を高分子中に組み込んだ、いわゆる高分子電荷輸送材料が種々考案されており、トリフェニルアミン構造を側鎖に有するもの(特許文献1)や、その電子写真感光体への応用(特許文献2)、電子デバイス向けにトリフェニルアミン構造をポリエステル樹脂の主鎖に組み込んだもの(特許文献3)、あるいは主に電子写真感光体向けに、トリフェニルアミン構造をポリカーボネート樹脂の主鎖あるいは側鎖に組み込んでバインダーレスの電荷輸送層を形成しうるタイプの高分子化合物が報告されている(特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7)。これらの材料の中には、電子写真感光体用として用いた場合に、機械的耐久性に優れた特性を有するものもあるが、重要なポイントとなる電気特性、特に電荷輸送性に関して従来の低分子タイプの材料をしのぐものはこれまで見出されていない。これは、これらの高分子化合物がいずれも、基本的には個々のトリフェニルアミン分子を‘単につないだ’だけであり、電荷輸送性の向上に寄与するファクターが存在しないためと考えられる。
これに対し最近になって、トリフェニルアミン分子、或いはトリフェニルアミン構造を分子内の一部に含む分子を二重結合でつなぐことにより、電荷輸送性の向上をはかったタイプの高分子電荷輸送材料が報告されている(特許文献8、非特許文献1、非特許文献2)。このタイプの高分子化合物は、実際に合成してみると、二重結合で別個のトリフェニルアミンのベンゼン環同士をつなぐと云う、共役系の延長による電子的効果が発現するためか、電荷輸送性の向上は見られるものの、ベンゼン環と二重結合が交互に組み合わされているという剛直な構造をとっているために、水系の溶剤はもちろんのこと、殆どの有機溶剤に対して溶解度が極めて低く、このため実用的な観点からは、溶剤塗工による膜形成が出来ないという、製造プロセス上の欠陥を有していた。また、特許文献8や非特許文献2には、低級アルキル基または低級アルコキシ基を置換基として分子内に導入している例もあるが、これらをもってしても有機溶剤に対する溶解度が十分改善されるまでには至らなかった。
特開平7−258399号公報
特開平7−325409号公報
特開平9−62019号公報
特開平9−87376号公報
特開平9−151248号公報
特開平9−157378号公報
特開2001−72756号公報
特開平10−310635号公報
Polymer. Prep., 40巻, 1174頁, 19 99年
Acta Polym., 50巻, 105頁, 1999年
本発明は、この、特許文献8や非特許文献1に記載されているタイプの高分子化合物の高い電荷輸送性に着目し、各種有機溶剤に対する溶解性を改良して、溶剤塗工による膜形成を可能とすることにより、実用性のある新規な高性能の電荷輸送材料を得ることを目的としている。
本発明では、このタイプの高分子化合物の各種有機溶剤に対する溶解性を改良するため、単量体ユニットであるトリフェニルアミン骨格の3個のベンゼン環のうち、重合(高分子化)に関与していないベンゼン環に、有機溶剤に対する溶解度を上げる作用をもたらす置換基を導入することにより、溶解性の改良を図った。置換基導入の方法としては、1)ベンゼン環の水素原子の一つを中ないし長鎖のアルキル基(またはそれに類する基)で置換する、2)ベンゼン環の水素原子を複数のアルキル基(またはそれに類する基、例えばアルコキシ基など)で置換する、3)ベンゼン環の一つないし複数の水素原子を、極性基(メトキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、エステル基など)で置換する等の方法が考えられたが、製造上の容易さと、芳香族炭化水素系の溶剤への溶解度向上を考え、1)の方法を中心に、2)及び3)も含めて鋭意合成検討を行った。
その結果、従来知られていなかった、分子内に有機溶剤に対する溶解度を上げる作用をもたらす置換基が導入されたタイプの、新規のビスアルデヒド化合物を原料として用いて合成された、特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物が、極めて高い電荷輸送能と、各種有機溶剤に対する優れた溶解性を有することを見出し、本発明に至った。より具体的には、単量体ユニットであるトリフェニルアミン骨格の3個のベンゼン環のうち、重合(高分子化)に関与していないベンゼン環に、炭素数6個以上のアルキル基、または炭素数5個以上のアルコキシ基を1個置換することにより、溶剤に対する溶解性が飛躍的に向上することを見出した。また、この現象を利用することにより、溶剤塗工による製膜が容易で、かつ電荷輸送剤として電荷輸送能が飛躍的に向上した、実用的にも優れた特性を有する新しい高分子化合物を見いだすに至った。本発明の、分子内に有機溶剤に対する溶解度を上げる作用をもたらす置換基が導入されたタイプのトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物としては、以下の〔1〕〜〔3〕で示される特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物が挙げられる。
その結果、従来知られていなかった、分子内に有機溶剤に対する溶解度を上げる作用をもたらす置換基が導入されたタイプの、新規のビスアルデヒド化合物を原料として用いて合成された、特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物が、極めて高い電荷輸送能と、各種有機溶剤に対する優れた溶解性を有することを見出し、本発明に至った。より具体的には、単量体ユニットであるトリフェニルアミン骨格の3個のベンゼン環のうち、重合(高分子化)に関与していないベンゼン環に、炭素数6個以上のアルキル基、または炭素数5個以上のアルコキシ基を1個置換することにより、溶剤に対する溶解性が飛躍的に向上することを見出した。また、この現象を利用することにより、溶剤塗工による製膜が容易で、かつ電荷輸送剤として電荷輸送能が飛躍的に向上した、実用的にも優れた特性を有する新しい高分子化合物を見いだすに至った。本発明の、分子内に有機溶剤に対する溶解度を上げる作用をもたらす置換基が導入されたタイプのトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物としては、以下の〔1〕〜〔3〕で示される特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物が挙げられる。
〔1〕下記一般式(1)で示される構成単位を含有する高分子化合物。
一般式(1)において、R1は炭素数6以上のアルキル基、または炭素数5以上のアルコキシ基を示し、Xは2価の連結基を示す。
〔2〕一般式(1)におけるXが、下記一般式(2)、(3)、または(5)で示される高分子化合物。
一般式(2)において、Ar1は置換基を有してもよいアリーレン基を示す。
一般式(3)において、Ar2及びAr3は置換基を有してもよいアリーレン基を示し、Yは酸素原子、硫黄原子、または下記一般式(4)の基を示す。
一般式(4)において、mは1〜3の整数を示す。
一般式(5)において、nは1〜3の整数を示す。
〔3〕〔1〕または〔2〕において、重量平均分子量が1,000〜1,000,000である高分子化合物。
また、本発明に用いられる、従来知られていなかった、分子内に有機溶剤に対する溶解度を上げる作用をもたらす置換基が導入されたタイプのビスアルデヒド化合物としては、以下の〔4〕で示されるトリフェニルアミン誘導体が挙げられる。
〔4〕下記一般式(6)で示されるトリフェニルアミン誘導体。
一般式(6)におけるR1は、〔1〕のR1と同じ。
また、以下の〔5〕に示す高分子化合物も、本発明の化合物として挙げられる。
〔5〕〔1〕、〔2〕、または〔3〕において、〔4〕の一般式(6)で示される特定のトリフェニルアミン誘導体を用いて合成されることを特徴とする高分子化合物。
また、本発明の特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物を用いることにより得られる、優れた電荷輸送材料としては、以下の〔6〕の電荷輸送材料が挙げられる。
〔6〕〔1〕、〔2〕、〔3〕、または〔5〕のいずれかに記載の高分子化合物を含む電荷輸送材料。
また、本発明の特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物を用いることにより得られる、優れた電子写真感光体としては、以下の〔7〕の電子写真感光体が挙げられる。
〔7〕導電性支持体上に、〔6〕に記載の高分子化合物を含む感光層を有することを特徴とする電子写真感光体。
ここで、(1)におけるR1の具体例としては、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、2,2−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、5−メチルペンチル基、2−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、3,3−ジメチルペンチル基、2,3,5−トリメチル−4−プロピルヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−エトキシブチル基、1−メトキシペンチル基、2−メトキシヘキシル基、4−クロロヘキシル基、2−メトキシ−2−メチルブチル基、2,2−ジメトキシペンチル基、2−クロロ−4−メトキシヘキシル基、2−(2−エトキシ)エトキシエチル基などの、置換または無置換の炭素数6以上のアルキル基、またはペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチルオキシ基、2−プロピルオキシエトキシ基、4−エトキシブチルオキシ基、2−メトキシ−3−プロピルヘキシルオキシ基、2−クロロ−3−エトキシヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基などの、置換または無置換の炭素数5以上のアルコキシ基を示し、Xの具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−フェニル−1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブタジエニレン基、ヘキサトリエニレン基などの、置換または無置換の飽和ないし不飽和炭化水素2価基、1,4−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、3−エチル−1,2−フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、9,10−アントリレン基、2,7−フェナントリレン基、4,4′−ビフェニレン基、3,4′−ビフェニレン基、などの、置換または無置換のアリーレン基、またはこれらの2価基と酸素原子及び硫黄原子を含む群の中から任意のものを連結して出来るジエチルエーテル−2,2′−ジイル基、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイル基、ジフェニルスルフィド−4,4′−ジイル基、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジイル基、3,6,9−トリオキサウンデカン−1,11−ジイル基などの2価基を挙げることが出来る。
また、(2)におけるAr1の具体例としては、1,4−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、3−エチル−1,2−フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、9,10−アントリレン基、2,7−フェナントリレン基、4,4′−ビフェニレン基、3,4′−ビフェニレン基、などの、置換または無置換のアリーレン基
を挙げることが出来る。
を挙げることが出来る。
また、(3)におけるAr2及びAr3の具体例としては、1,4−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、2−メチル−1,4−フェニレン基、3−エチル−1,2−フェニレン基、2−クロロ−1,4−フェニレン基、4−メチル−1,3−フェニレン基、1,4−ナフチレン基、1,8−ナフチレン基、9,10−アントリレン基、2,7−フェナントリレン基、4,4′−ビフェニレン基、3,4′−ビフェニレン基、などの、置換または無置換のアリーレン基を挙げることが出来る。
また、(3)におけるYの具体例としては、酸素原子、硫黄原子、または一般式(4)で表されるエチレン基、ブタジエニレン基、ヘキサトリエニレン基などのポリエン基を挙げることが出来る。
また、(4)におけるmは、1〜3の整数を示す。
また、(5)におけるnは、1〜3の整数を示す。
一般式(1)で示される、本発明の特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物の、構成単位の好ましい具体例としては、以下に示す(7)〜(334)の構成単位を挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。
本発明の、分子内に有機溶剤に対する溶解度を上げる作用をもたらす置換基が導入されたタイプのトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物を用いることにより、電荷輸送能が飛躍的に向上した、実用的にも優れた特性を有する電荷輸送材料が得られる。また、この電荷輸送材料を電子写真感光体の電荷輸送物質として用いることにより、極めて高感度の、優れた電子写真感光体を得ることが出来る。
以下に本発明のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物について詳細に説明する。本発明の特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物は、従来よりWittig反応として知られている、下記の合成法により容易に合成出来る。
すなわち、下記一般式(6)で示されるトリフェニルアミン誘導体のビスアルデヒドと、(6)に対し1.0モル当量の、下記一般式(335)で示されるホスホネート化合物を、N,N−ジメチルホルムアミドやN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、あるいはテトラヒドロフランやジオキソラン等の環状エーテル系溶媒等を用い、また場合によっては溶解度を上げるために補助溶剤としてトルエンやキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等をこれに併用して、(6)に対し2.0モル当量〜3.0モル当量のカリウムt−ブトキシドやナトリウムメトキシド等の塩基を加え、反応の進みやすさに応じて、氷冷下、室温下、あるいは50〜100℃加温下、0.5〜8時間程度反応させることにより、容易に合成出来る。
上記一般式(6)におけるR1は、前記〔1〕における一般式(1)のR1と同じであり、また上記一般式(335)のXは、前記〔1〕における一般式(1)のXと同じであり、R2は、メチル基、エチル基等の低級アルキル基を示している。
上記反応の合成原料となる一般式(6)のビスアルデヒドは、下記一般式(336)で示される置換トリフェニルアミンの、置換基の付いていない2個のフェニル基を、ヴィルスマイヤー反応等を用いてビスフォルミル化することにより、容易に得られる。
上記一般式(336)におけるR1は、一般式(6)のR1と同じである。
また、一方の合成原料である一般式(335)のビスホスホネート化合物については、相当する下記一般式(337)のビスハライドを、下記一般式(338)の亜リン酸トリアルキルとともに加熱して反応させ、蒸留精製または再結晶する事により容易に得られる。
上記一般式(337)におけるYは、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子を示し、また上記一般式(338)におけるR2は、先の一般式(335)におけるR2と同じである。
本発明の特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物は、前記一般式(1)で示される繰り返し単位からなる単独重合体であり、分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000、好ましくは5000〜100000である。
以上のようにして得られる、本発明の特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物は、電荷輸送材料として非常に優れた特性を有し、センサー材料や有機EL素子等の電子デバイスや、また特に電子写真感光体の電荷輸送材料として好適に用いることが出来る。
次に本発明の電子写真感光体について説明する。本発明の電子写真感光体は上記の請求項1〜3及び5記載のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物を含む感光層を有するものである。
これらを含有する感光層を含む電子写真感光体の形態は、いずれのものでも用いることができる。例えば、導電性支持体上に電荷発生物質、電荷輸送物質、及びフィルム形成性結着剤樹脂からなる感光層を設けた、単層型の感光体や、導電性支持体上に、電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層をこの順に設けた、機能分離型と呼ばれる積層型の感光体が知られているが、本発明の化合物はいずれの構成においても、これらの電荷輸送物質として極めて有用である。
本発明の化合物を用いて感光体を作製する支持体としては、金属製ドラム、金属板、導電性加工を施した紙やプラスチックフィルムのシート状、ドラム状あるいはベルト状の支持体などが使用される。
また、上記構成における電荷発生物質には無機系電荷発生物質と有機系電荷発生物質があり、前者の例としては例えばセレン、セレン−テルル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコンなどが挙げられる。後者の例としては、例えばメチルバイオレット、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレットなどのトリフェニルメタン系染料、メチレンブルーなどのチアジン染料、キニザリンなどのキノン染料、シアニン染料、アクリジン染料、ピリリウム色素、チアピリリウム色素、スクエアリウム色素、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ペリノン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、等があるが、特に良く用いられるのは、金属含有あるいは無金属のフタロシアニン系顔料、またはビスアゾ顔料やトリスアゾ顔料等の、アゾ系顔料である。
フタロシアニン系顔料の例としては、無金属フタロシアニンは、特公昭49−4338号公報、特開昭58−182639号公報、或いはJ.Phys.Chem.72,3230(1968)に記載されているものを、チタニルオキシフタロシアニンは、特開昭61−217050号公報、特開昭62−67094号公報、特開昭63−365号公報、特開昭63−198067号公報、特開昭64−17066号公報、或いは特開平1−189200号公報に記載されているものを、銅フタロシアニンは、特公昭52−1667号公報、或いは特開昭51−108847号公報に記載されているものを、クロロアルミニウムフタロシアニンは、特開昭58−158649号公報に記載されているものを、クロロインジウムフタロシアニンは特開平7−13375号公報に記載されているものを、バナジルオキシフタロシアニンは、特開昭63−18361号公報、特開平1−204968号公報、特開平3−269063号公報、或いは特開平7−247442号公報に記載されているものを、ジフェノキシゲルマニウムフタロシアニンは、特開平4−360150号公報に記載されているものを、クロロガリウムフタロシアニンは、特開平5−194523号公報、或いは特開平7−102183号公報に記載されているものを、ヒドロキシガリウムフタロシアニンは、特開平5−263007号公報、或いは特開平7−53892号公報に記載されているものを、それぞれ挙げることができる。
アゾ系顔料の例としては、特開昭47−37543号公報に記載のベンジジン型ビスアゾ顔料、特開昭56−116039号公報に記載のベンゾオキサゾール型ビスアゾ顔料、特開昭57−176055号公報に記載のオキサジアゾール型ビスアゾ顔料、特公昭60−45664号公報に記載のフルオレノン型ビスアゾ顔料、或いは特開平1−200267号公報や特開平1−202757号公報に記載のピラゾール型ビスアゾ顔料、などのようなビスアゾ顔料、または特開昭57−195767号公報に記載のトリフェニルアミン型トリスアゾ顔料のようなトリスアゾ顔料を挙げることができる。
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1
化学式(18)を構成単位とする例示化合物の合成
1a)4−オクチルアニリン−N,N−ビス(4−ベンズアルデヒド)(下記(339))の合成
N,N−ジメチルホルムアミド31mlを氷冷下撹拌している中にオキシ塩化リン24.7mlを40分かけて滴下し、更に氷冷下1時間撹拌してヴィルスマイヤー試薬を調製した。このヴィルスマイヤー試薬を氷冷下撹拌している中に、下記(340)の4−オクチルトリフェニルアミン〔1−ブロム−4−オクチルベンゼンとジフェニルアミンから、ウルマン反応により合成〕21.45gを加え、攪拌しながら80℃で70時間加熱した。反応液を600mlの水にあけ、55℃で30分加熱、撹拌したのち、400mlの酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で3回洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧で溶剤を留去してオイル状の粗生成物20.2gを得た。これをシリカゲルでクロマト処理して精製し、黄色オイル状の(339)5.86gを得た。収率は23.6%であった。
化学式(18)を構成単位とする例示化合物の合成
1a)4−オクチルアニリン−N,N−ビス(4−ベンズアルデヒド)(下記(339))の合成
N,N−ジメチルホルムアミド31mlを氷冷下撹拌している中にオキシ塩化リン24.7mlを40分かけて滴下し、更に氷冷下1時間撹拌してヴィルスマイヤー試薬を調製した。このヴィルスマイヤー試薬を氷冷下撹拌している中に、下記(340)の4−オクチルトリフェニルアミン〔1−ブロム−4−オクチルベンゼンとジフェニルアミンから、ウルマン反応により合成〕21.45gを加え、攪拌しながら80℃で70時間加熱した。反応液を600mlの水にあけ、55℃で30分加熱、撹拌したのち、400mlの酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で3回洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧で溶剤を留去してオイル状の粗生成物20.2gを得た。これをシリカゲルでクロマト処理して精製し、黄色オイル状の(339)5.86gを得た。収率は23.6%であった。
このものは、1H−NMR(δ,ppm,CDCl3)において、9.88(s,2H)、7.76(dd,4H)、7.24(d,2H)、7.19(dd,4H)、7.07(d,2H)、2.63(t,2H)、1.65(m,2H)、1.4〜1.2(m,6H)、0.89(t,3H)のピークを示している事から、その構造が確認された。
1b)ビスホスホネート化合物(下記(341))の合成
o−キシリレンジクロリド25.5g、及び亜リン酸トリエチル50.84gを撹拌しながら130℃で2時間加熱したのち、さらに160℃で6時間加熱する。反応後、減圧下で過剰の亜リン酸トリエチルを除去して(341)54.96gを得た。収率は99.7%であった。
o−キシリレンジクロリド25.5g、及び亜リン酸トリエチル50.84gを撹拌しながら130℃で2時間加熱したのち、さらに160℃で6時間加熱する。反応後、減圧下で過剰の亜リン酸トリエチルを除去して(341)54.96gを得た。収率は99.7%であった。
1c)化学式(18)を構成単位とする例示化合物の合成
上記で得られた(339)2.6g及び(341)2.38gを溶かしたテトラヒドロフラン80ml溶液に、水浴で冷却下撹拌しながら、カリウムt−ブトキシド1.76gを2分間かけて加えた。室温で一晩撹拌を続けた後、反応液を水300mlに注ぎ込んで反応を停止し、クロロホルム300mlで抽出した。飽和食塩水で洗浄した後、溶剤を留去して得られた粗結晶を、クロロホルム25mlに溶かし、200mlメタノール中に注入して析出した結晶を炉取、この再沈殿操作を2回繰り返したのち、常温で減圧乾燥して、目的とする例示化合物1.9gを得た。収率は62.4%であった。
上記で得られた(339)2.6g及び(341)2.38gを溶かしたテトラヒドロフラン80ml溶液に、水浴で冷却下撹拌しながら、カリウムt−ブトキシド1.76gを2分間かけて加えた。室温で一晩撹拌を続けた後、反応液を水300mlに注ぎ込んで反応を停止し、クロロホルム300mlで抽出した。飽和食塩水で洗浄した後、溶剤を留去して得られた粗結晶を、クロロホルム25mlに溶かし、200mlメタノール中に注入して析出した結晶を炉取、この再沈殿操作を2回繰り返したのち、常温で減圧乾燥して、目的とする例示化合物1.9gを得た。収率は62.4%であった。
このものは、1H−NMR(δ,ppm,CDCl3)において、7.6〜7.2(m,10H)、7.1〜6.8(m,10H)、2.6〜2.5(m,2H)、1.7〜1.5(m,2H)、1.4〜1.2(m,6H)、0.9〜0.8(m,3H)のピークを示している事から、その構造が確認された。
実施例2
化学式(72)を構成単位とする例示化合物の合成
実施例1aで得られた(339)のビスアルデヒド3.2gと、実施例1bに記載した(341)の合成と同様の方法で得られた下記(342)のビスフォスフォネート4.15gを、実施例1cと同様の方法で反応させて、目的とする例示化合物を得た。収量は1.30g、収率は30.9%であった。
化学式(72)を構成単位とする例示化合物の合成
実施例1aで得られた(339)のビスアルデヒド3.2gと、実施例1bに記載した(341)の合成と同様の方法で得られた下記(342)のビスフォスフォネート4.15gを、実施例1cと同様の方法で反応させて、目的とする例示化合物を得た。収量は1.30g、収率は30.9%であった。
このものは、1H−NMR(δ,ppm,CDCl3)において、7.5〜7.3(m,6H)、7.1〜6.8(m,10H)、3.94(d,2H)、3.91(s,3H)、2.6〜2.5(m,2H)、1.9〜1.8(m,1H)、1.7〜1.5(m,2H)、1.4〜1.2(m,13H)、1.0〜0.8(m,9H)のピークを示している事から、その構造が確認された。
実施例3
化学式(182)を構成単位とする例示化合物の合成
3a)4−ヘキシルオキシアニリン−N,N−ビス(4−ベンズアルデヒド)(下記(343))の合成
化学式(182)を構成単位とする例示化合物の合成
3a)4−ヘキシルオキシアニリン−N,N−ビス(4−ベンズアルデヒド)(下記(343))の合成
実施例1aの方法と同様にして、上記(344)の4−ヘキシルオキシトリフェニルアミン〔1−ブロム−4−ヘキシルオキシベンゼンとジフェニルアミンから、ウルマン反応により合成〕16.88gから、黄色オイル状の上記(343)12.86gを得た。収率は65.6%であった。
3b)化学式(182)を構成単位とする例示化合物の合成
上記で得られた(343)1.94gと、実施例1bで得られた(341)のビスフォスフォネート化合物を、実施例1cと同様の方法で反応させて、目的とする例示化合物0.74gを得た。収率は32.5%であった。
上記で得られた(343)1.94gと、実施例1bで得られた(341)のビスフォスフォネート化合物を、実施例1cと同様の方法で反応させて、目的とする例示化合物0.74gを得た。収率は32.5%であった。
このものは、1H−NMR(δ,ppm,CDCl3)において、7.6〜7.2(m,8H)、7.1〜6.7(m,12H)、3.9〜3.8(t,2H)、1.8〜1.6(m,2H)、1.5〜1.2(m,6H)、1.0〜0.8(m,3H)のピークを示している事から、その構造が確認された。
実施例4
化学式(236)を構成単位とする例示化合物の合成
実施例3aで得られた(343)のビスアルデヒド2.38gと、実施例2に記載した(342)のビスフォスフォネート2.6gを、実施例1cと同様の方法で反応させて、目的とする例示化合物を得た。収量は2.16g、収率は68.5%であった。
化学式(236)を構成単位とする例示化合物の合成
実施例3aで得られた(343)のビスアルデヒド2.38gと、実施例2に記載した(342)のビスフォスフォネート2.6gを、実施例1cと同様の方法で反応させて、目的とする例示化合物を得た。収量は2.16g、収率は68.5%であった。
このものは、1H−NMR(δ,ppm,CDCl3)において、7.5〜7.3(m,6H)、7.2〜7.0(m,10H)、6.89(d,2H)、4.0〜3.9(m,4H)、3.91(s,3H)、1.9〜1.7(m,1H)、1.6〜1.5(m,2H)、1.5〜1.3(m,13H)、1.0〜0.8(m,9H)のピークを示している事から、その構造が確認された。
得られたこれら特定のトリフェニルアミンを構成単位に含む高分子化合物について、分子量をゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより測定したところ、ポリスチレン換算の分子量は以下の通りであった。
化学式(18)を構成単位とする例示化合物
数平均分子量:6500
重量平均分子量:13000
数平均分子量:6500
重量平均分子量:13000
化学式(72)を構成単位とする例示化合物
数平均分子量:7000
重量平均分子量:15000
数平均分子量:7000
重量平均分子量:15000
化学式(182)を構成単位とする例示化合物
数平均分子量:8800
重量平均分子量:15000
数平均分子量:8800
重量平均分子量:15000
化学式(236)を構成単位とする例示化合物
数平均分子量:9000
重量平均分子量:22000
数平均分子量:9000
重量平均分子量:22000
実施例5〜23
同様にして、以下の表1の実施例5〜23に示すような特定のトリフェニルアミンを構成単位に含む高分子化合物を合成した。
同様にして、以下の表1の実施例5〜23に示すような特定のトリフェニルアミンを構成単位に含む高分子化合物を合成した。
以上に示した本発明の化合物は、いずれもクロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン系溶剤の他、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソランなどの環状エーテル系溶剤や、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤にも高い溶解性を示した。すなわち、これら本発明の特定のトリフェニルアミンを構成単位に含む高分子化合物は、溶剤塗工による膜形成が可能な、実用性のある新規な電荷輸送材料であることが理解出来る。
(比較合成例)
先に挙げた、非特許文献1の方法に従い、下記の化学式(345)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約10000)、化学式(346)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約17000)、化学式(347)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約12000)、及び化学式(348)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約13000)を合成して、各種有機溶剤に対する溶解性を検討した。その結果、化学式(345)を構成単位とする比較化合物、及び化学式(346)を構成単位とする比較化合物では、殆どの有機溶剤に対して溶解度が極めて低く、電荷輸送材料として、溶剤塗工による膜形成が実際上不可能である事が判明した。また、化学式(347)を構成単位とする比較化合物、及び化学式(348)を構成単位とする比較化合物では、有機溶剤に対する溶解度は若干改善されはしたものの、十分な電気特性を発揮するのに足るまでの溶解度は得られず、塗工タイプの電荷輸送材料として用いるには不十分な物性であった。
先に挙げた、非特許文献1の方法に従い、下記の化学式(345)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約10000)、化学式(346)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約17000)、化学式(347)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約12000)、及び化学式(348)を構成単位とする比較化合物(数平均分子量:約13000)を合成して、各種有機溶剤に対する溶解性を検討した。その結果、化学式(345)を構成単位とする比較化合物、及び化学式(346)を構成単位とする比較化合物では、殆どの有機溶剤に対して溶解度が極めて低く、電荷輸送材料として、溶剤塗工による膜形成が実際上不可能である事が判明した。また、化学式(347)を構成単位とする比較化合物、及び化学式(348)を構成単位とする比較化合物では、有機溶剤に対する溶解度は若干改善されはしたものの、十分な電気特性を発揮するのに足るまでの溶解度は得られず、塗工タイプの電荷輸送材料として用いるには不十分な物性であった。
実施例24
電荷発生物質として、下記構造式のビスアゾ顔料(P−1)1重量部及びポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)1重量部をテトラヒドロフラン100重量部と混合し、ペイントコンディショナー装置でガラスビーズと共に2時間分散した。こうして得た分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送物質として、本発明の化合物(18)を、テトラヒドロフランを溶媒として10重量%の溶液を作り、上記の電荷発生層の上にアプリケーターで塗布して膜厚約18μmの電荷輸送層を形成した。
電荷発生物質として、下記構造式のビスアゾ顔料(P−1)1重量部及びポリエステル樹脂(東洋紡績製バイロン200)1重量部をテトラヒドロフラン100重量部と混合し、ペイントコンディショナー装置でガラスビーズと共に2時間分散した。こうして得た分散液を、アプリケーターにてアルミ蒸着ポリエステル上に塗布して乾燥し、膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。次に、電荷輸送物質として、本発明の化合物(18)を、テトラヒドロフランを溶媒として10重量%の溶液を作り、上記の電荷発生層の上にアプリケーターで塗布して膜厚約18μmの電荷輸送層を形成した。
この様にして作製した積層型感光体について、静電記録試験装置(川口電機製EPA−8200)を用いて電子写真特性の評価を行った。
測定条件:印加電圧−6kV、スタティックNo. 3(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/min )。その結果、帯電電位(V0)が−720V、半減露光量(E1/2)が0.72ルックス・秒と高感度の値を示した。
測定条件:印加電圧−6kV、スタティックNo. 3(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/min )。その結果、帯電電位(V0)が−720V、半減露光量(E1/2)が0.72ルックス・秒と高感度の値を示した。
更に同装置を用いて、帯電−除電(除電光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクルとする繰返し使用に対する特性評価を行った。5000回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1回目の帯電電位(V0)−720Vに対し、5000回目の帯電電位(V0)は−710Vであり、繰返しによる電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。また、1回目の半減露光量(E1/2)0.72ルックス・秒に対して5000回目の半減露光量(E1/2)は0.72ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
実施例25〜51
実施例1のビスアゾ顔料(P−1)及び、本発明の化学式(18)を構成単位とする例示化合物の代わりに、それぞれ下記構造式(P−1)〜(P−5)のビスアゾ顔料、及び表1に示す本発明の化合物を用いた他は、実施例24と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例1のビスアゾ顔料(P−1)及び、本発明の化学式(18)を構成単位とする例示化合物の代わりに、それぞれ下記構造式(P−1)〜(P−5)のビスアゾ顔料、及び表1に示す本発明の化合物を用いた他は、実施例24と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表2に示す。
実施例52
電荷発生物質として、ビスアゾ顔料(P−1)の代わりにCuKα1.541ÅのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が、9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°、27.3°に主要なピークを示すX線回折スペクトルを有するチタニルオキシフタロシアニン(Y型チタニルオキシフタロシアニン)を用いた他は、実施例24と同様にして感光体を作製し、その特性を実施例24と同様に評価した。結果は、帯電電位(V0)が−510V、半減露光量(E1/2)が0.25ルックス・秒と高感度の値を示した。また、繰返し使用に対する特性評価でも、1回目の帯電電位(V0)−500Vに対し、5000回目の帯電電位(V0)は−510Vであり、繰返しによる電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。また、1回目の半減露光量(E1/2)0.25ルックス・秒に対して5000回目の半減露光量(E1/2)は0.25ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
電荷発生物質として、ビスアゾ顔料(P−1)の代わりにCuKα1.541ÅのX線に対するブラッグ角(2θ±0.2°)が、9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°、27.3°に主要なピークを示すX線回折スペクトルを有するチタニルオキシフタロシアニン(Y型チタニルオキシフタロシアニン)を用いた他は、実施例24と同様にして感光体を作製し、その特性を実施例24と同様に評価した。結果は、帯電電位(V0)が−510V、半減露光量(E1/2)が0.25ルックス・秒と高感度の値を示した。また、繰返し使用に対する特性評価でも、1回目の帯電電位(V0)−500Vに対し、5000回目の帯電電位(V0)は−510Vであり、繰返しによる電位の低下がほとんどなく安定した特性を示した。また、1回目の半減露光量(E1/2)0.25ルックス・秒に対して5000回目の半減露光量(E1/2)は0.25ルックス・秒と変化がなく優れた特性を示した。
実施例53〜71
実施例52の、本発明の化学式(18)を構成単位とする例示化合物の代わりに、表3に示す本発明の例示化合物を用いた他は、実施例52と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表3に示す。
実施例52の、本発明の化学式(18)を構成単位とする例示化合物の代わりに、表3に示す本発明の例示化合物を用いた他は、実施例52と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表3に示す。
本発明の、特定のトリフェニルアミン誘導体を構成単位に含む高分子化合物は、前述のように、電荷輸送材料として、従来知られていたものと比較して、有機溶剤に対しはるかに高い溶解性を示すため、溶剤塗工による膜形成を可能としたのみならず、電荷輸送材料としても、極めて高い電荷輸送能を有することを見出した。本発明のこれらの材料は、電子写真感光体等の電荷輸送材料として、非常に有用である。
Claims (7)
- 請求項1または2において、重量平均分子量が1,000〜1,000,000である高分子化合物。
- 請求項1、2、または3において、請求項4の一般式(6)で示されるトリフェニルアミン誘導体を用いて合成されることを特徴とする高分子化合物。
- 請求項1、2、3、または5のいずれか1項に記載の高分子化合物を含む電荷輸送材料。
- 導電性支持体上に、請求項6に記載の高分子化合物を含む感光層を有することを特徴とする電子写真感光体。
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-
2004
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