JP2006028216A - ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006028216A
JP2006028216A JP2004204632A JP2004204632A JP2006028216A JP 2006028216 A JP2006028216 A JP 2006028216A JP 2004204632 A JP2004204632 A JP 2004204632A JP 2004204632 A JP2004204632 A JP 2004204632A JP 2006028216 A JP2006028216 A JP 2006028216A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamic acid
titanium dioxide
acid solution
polyimide film
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004204632A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Fujiwara
寛 藤原
Kazuhiro Ono
和宏 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2004204632A priority Critical patent/JP2006028216A/ja
Publication of JP2006028216A publication Critical patent/JP2006028216A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】
本発明は、二酸化チタン粒子をフィルム内部に含有し表面平均粒子径及び凝集最大粒子径が5μm以下、静摩擦係数が1.4以下の易滑性を有するポリイミドフィルム及びポリイミドフィルムの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 平均粒子径が0.01μm以上0.80μm以下である二酸化チタン粒子をフィルム全体に内在し、該二酸化チタン粒子がポリイミド重量に対して0.010〜0.500重量%の割合で含有されていることを特徴とするポリイミドフィルムであり、該ポリイミドフィルムの表面粒子径が最大5μm以下であり、かつ、フィルム同士の静摩擦係数が1.80以下のポリイミドフィルムを使用する。

Description

本発明は、二酸化チタン微粒子を含有するポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法に関する。
従来、耐熱性や電気絶縁性等の、各種の優れた特性を有するポリイミド樹脂は、エレクトロニクス分野において広く用いられている。例えば、フレキシブルプリント基板、TABテープあるいは高密度記録媒体用ベースフィルム等に用いられている。
ポリイミドフィルムは、一般的にポリアミド酸溶液を平滑な金属板上に塗布する方法等で製造されることが多く、フィルム表面が平滑になりやすく、その為、滑り性(易滑性)などはかえって充分ではなかった。その為、高い滑り性を付与するために、無機の微粒子等を内在させてフィルム表面に微細な突起を有する易滑性フィルムとすることが提案されている。内在させる無機微粒子として用いられるのは、例えばシリカ微粒子、シリカコロイド、燐酸水素カルシウム、燐酸カルシウムなどの高硬度で耐熱性の高いフィラーが用いられることが多い。しかし、このようなフィラーを用いた場合には、例えば硬度の高いシリカ粒子を用いるとフィルム同士が接触した際に、フィラーによるフィルム表面の研磨作用が生じるのでフィルム表面に微細な傷が多数発生することがあった。
例えば、特許文献1には、粒子が1〜5μmを主体とした無機粉体を、対フィルム樹脂重量当り、0.1乃至0.5重量%含む芳香族非熱可塑性ポリイミドフィルムが記載されている。従って、特許文献1においては、内在させた金属粒子の粒子径が1μm以上であることを必須としており、1μm以上でないと十分な易滑性(すべり性)を発現しにくい問題があることが記載されている。
また、特許文献2には、ポリイミドフィルムの表面層に平均粒子径が0.01〜100μmである無機質粒子各粒子の一部をそれおれ埋没させて保持されていて、一部露出した無機質粒子からなる多数の特記が表面層の全域にわたって均一に形成されているポリイミドフィルムが記載され、無機質粒子として二酸化チタンが例示されている。しかし、特許文献2に記載されたフィルムは、フィルム内に内填された無機質粒子では十分な易滑性を付与したポリイミドフィルムが製造できない為、金属粒子を含有するバインダー樹脂(ポリアミック酸樹脂溶液)を表面に積層する方法が提案されているが、製造方法が困難でしかも、二酸化チタン粒子の凝集力が強く、該方法では凝集してしまう問題があった。
特許文献3には、フィラー粒子としてメジアン粒子径が0.8〜1.0μmの粒子を含有したリイミドフィルムの開示がある。しかし、この粒子径のフィラー粒子を用いると、得られるフィルムの二酸化チタン粒子による表面突起径の最大径を5μm以下とすることは困難であった。
特公平6―65707(3項右) 特開平5−25295(段落番号0006〜0008) 特開2002−256085(段落番号0009〜0010)
近年、電気電子機器の軽量・小型・高密度実装化に伴いフレキシブルプリント基板等の基板表面に形成される金属配線及び配線間隔を狭くして、金属配線板を軽量・小型・高密度実装の要求に対応した物である必要が出てきた。最近の技術では、配線と配線間隔を合計した値が15μmという微細な配線・配線間隔が実現されている。
その様な、配線間隔を実現するためには、表面に形成されるフィラー起因の粒子径を5μm以下に制御することが望まれている。このような表面性を達成させるためにはシリカ粒子を用いて例えば、特許文献2記載の方法を用いて達成することが出来るが、上記記載の様にフィルム同士が接した際に傷が発生するために、より粒子径が小さく表面に傷の発生しにくいフィラーが望まれており、その為のフィラーとして二酸化チタンが有力視されている。しかし、二酸化チタン粒子はシリカ粒子よりも凝集力が高くその為に凝集粒子によって、表面突起径が大きくなる問題が発生することがあった。また、凝集を抑えるためにフィルムの粒子量を少なくするとフィルムのすべり性を付与できない問題があった。
つまり、二酸化チタン粒子を用いて、二酸化チタン粒子による表面突起径の最大径を5μm以下とすることは、非常に困難であった。
本発明は、以下の新規なポリイミドフィルムおよびその製造方法によって上記課題を解決しうる。
1)二酸化チタン粒子がフィルム中に存在するポリイミドフィルムであって、フィルムの表面には二酸化チタン粒子による突起が存在し、かつ該二酸化チタン粒子による突起径の最大径が5μm以下であることを特徴とするポリイイミドフィルム。
2)フィルムの静摩擦係数が1.80以下であることを特徴とする1)記載のポリイミドフィルム。
3)少なくとも、
(A)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させてポリアミド酸溶液(a)を得る工程、
(B)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させて得られるポリアミド酸溶液(b)と二酸化チタン粒子および分散用有機溶媒の少なくとも3成分を含む二酸化チタン分散溶液(c)を得る工程、
(C)前記ポリアミド酸溶液(a)に二酸化チタン分散溶液(c)を添加する工程
(D)前記(C)工程の後、芳香族テトラカルボン酸二無水物もしくは芳香族ジアミンを添加する工程、
を含む製造方法により製造された二酸化チタン含有ポリアミド酸溶液(d)を用いてポリイミドフィルムを製造することを特徴とする1)または2)記載のポリイミドフィルムの製造方法。
4)前記酸化チタン粒子の平均粒子径が0.01μm以上0.80μm以下である3)記載の製造方法。
5)前記ポリアミド酸溶液(a)の粘度が0.1〜100Pa・sであることを特徴とする3)または4)記載のポリイミドフィルムの製造方法。
6)前記二酸化チタン含有ポリアミド酸溶液(d)の粘度が100〜1000Pa・sであることを特徴とする3)〜5)のいずれか一項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
7)前記二酸化チタン分散溶液(c)は、ポリアミド酸固形分濃度が0.5〜10重量%であって、かつ二酸化チタン粒子の固形分濃度が1〜20重量%であることを特徴とする3)記載の製造方法。
8)前記二酸化チタン含有ポリアミド酸溶液(d)は、ポリアミド酸固形分重量に対して、二酸化チタン粒子が0.010〜0.500重量%となるように添加されていることを特徴とする3)記載の製造方法。
9)前記ポリアミド酸溶液(a)の末端基と前記ポリアミド酸溶液(b)の末端基が同じであることを特徴とする3)記載の製造方法。
10)前記ポリアミド酸溶液(a)およびポリアミド酸溶液(b)の末端基がアミン末端基もしくはカルボン酸末端基であることを特徴とする9)記載の製造方法。
本発明によれば、二酸化チタン粒子がフィルム中に存在するポリイミドフィルムであって、二酸化チタン粒子による表面突起径の最大径を5μm以下にできる。さらには、フィルム同士の静摩擦係数を小さくすることができる。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、粒子径の小さい二酸化チタン粒子を用いているにもかかわらず、二酸化チタン粒子同士の凝集の発生が少なく、粒子径の小さい二酸化チタン粒子が内在している新規なポリイミドフィルムを見出した。すなわち、二酸化チタン粒子がフィルム中に存在するポリイミドフィルムであって、フィルムの表面には二酸化チタン粒子による突起が存在し、かつ該二酸化チタン粒子による突起径の最大径が5μm以下であるポリイイミドフィルムを見出した。
(本発明のポリイミドフィルムにおける二酸化チタン粒子による最大突起径)
本発明のポリイミドフィルムは、粒子径の小さな二酸化チタン粒子がフィルムに内在している。本発明においては、フィルム表面に存在する二酸化チタン粒子による突起径を測定する。二酸化チタンの突起径は、フィルムの200μm×200μmの範囲を5箇所光学顕微鏡(ニコン社製)にて観測を行い最大突起径を観測した。本願発明では上記最大粒子径が5μm以下であることが望ましい。
(本発明に用いる二酸化チタン粒子の平均粒子径)
二酸化チタン粒子の平均粒子径は、カーボンテープ表面に粒子を接着し、その上に、金、白金、カーボン等の導電体を真空蒸着装置内(日本電子株式会社製 イオンスパッタ装置)で蒸着した後に、電子顕微鏡(日本電子株式会社製)で粒子径を直接に観測して50個の粒子径を観測した後にその平均粒子径を算出し平均粒子径とした。特に二酸化チタン粒子は粒子形状が球形で無いものが殆どであり、粒子径は下記算出式1により算出した。
Figure 2006028216
平均粒子径は0.01〜0.80μmが好ましく、特に好ましくは0.02〜0.70μmの球形が好ましい。また、上記範囲の粒子を含有することでポリイミドフィルムの滑性(すべり性)が付与できる。
またさらに、本願明で好ましい粒子径比を下記算出式2より算出する。
Figure 2006028216
本願発明で好ましいい粒子径比は1.00〜10.00が望ましく、特に望ましくは1.00〜5.00である。つまり、粒子の最大長と粒子の最短長がほぼ等しい程望ましい。これは粒子径の比が小さい程二酸化チタン粒子が球形に近づき易滑性を発現すると共に、フィルム表面の粒子径を小さくできるので望ましい。
(本発明のポリイミドフィルムの摩擦係数)
本発明のポリイミドフィルムは、粒子径の小さい二酸化チタン粒子がフィルムに内在しているため、ポリイミドフィルムの静摩擦係数が小さく、かつフィルム同士が接触しても傷が発生しにくいフィルムである。
本発明のポリイミドフィルムの静摩擦係数は、ポリイミドフィルムを10×20cmに切り出してフィルムを金属基板上に固定して、更にポリイミドフィルム7×6cmに切り出したフィルムをその上に重ねて置き、底面積が36cm2、重さが860gの重りを7×6cmのフィルム上にのせてフィルムを200mm/分の速度で引張り、そのときにフィルムが動き出す瞬間に発生する力を静摩擦力とした。尚、垂直抗力は重りの重量から860gfとなる。
静摩擦係数は、下記の式で算出する。
Figure 2006028216
静摩擦係数は1.80以下であることが好ましい。
(ポリイミドフィルムの製造方法)
以下に本発明のポリイミドフィルムの製造方法の一例を示す。
本発明のポリイミドフィルムは、二酸化チタン粒子含有ポリアミド酸溶液から製造することができる。二酸化チタン粒子含有ポリアミド酸溶液は、少なくとも下記の(A)〜(D)の工程を含む製造方法により得ることができる。
(A)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させてポリアミド酸溶液(a)を得る工程
(B)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させて得られるポリアミド酸溶液(b)と二酸化チタン粒子および分散用有機溶媒の少なくとも3成分を含む二酸化チタン分散溶液(c)を得る工程、
(C)前記ポリアミド酸溶液(a)に二酸化チタン分散溶液(c)を添加する工程
(D)前記(C)工程の後、芳香族テトラカルボン酸二無水物もしくは芳香族ジアミンを添加する工程
以下各工程について詳述する。
(A)工程
(A)工程は、芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させてポリアミド酸溶液(a)を得る工程である。本発明のポリアミド酸溶液(a)の調製の際には用いられる上記芳香族テトラカルボン酸二無水物とは、下記の一般式(1)で示すように、2つの無水ジカルボン酸構造を含む構造を有している。
Figure 2006028216
上記一般式(1)中のR1は、少なくとも1つの炭素6員環を含む4価の芳香族残基であることが好ましいが、より好ましい構造としては、下記の一般式群(2)に示す4種類の芳香族残基が挙げられる。
Figure 2006028216
なお、上記一般式群(2)の芳香族残基に含まれる4価の構造上の位置は特に限定されるものではなく、上記各一般式中では、説明の便宜上、価を示す結合線は図示していないが、上記4価のうち、2価ずつが対をなしている構造であることがより好ましい。
また、上記一般式群(2)の芳香族残基中のR2は、ベンゼン環またはナフタレン環を含む下記の一般式群(3)より選択される2価の有機基であることが好ましい。
Figure 2006028216
なお、上記一般式群(3)中のR3は、H−、CH3−、Cl−、Br−、F−、CH30−からなる群より選択される何れか1つの基であればよい。
上記構造を有する芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体的な例としては、例えば、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン―3,4,3’,4’―テトラカルボン酸二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、m−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物,1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタントリカルボン酸−2,6:3,5−二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン酸二無水物が挙げられる。
本発明で用いられる上記芳香族ジアミンとは、下記の一般式(4)で示すように、2つのアミノ基を含む構造を有している。
Figure 2006028216
上記一般式(4)中のR4は、少なくとも1つの炭素6員環を含む2価の芳香族残基であることが好ましいが、より好ましい構造としては、下記の一般式群(5)より選択される2価の有機基が挙げられる。
Figure 2006028216
なお、上記一般式群(5)中のR5は、H−、CH3−、Cl−、Br−、F−、CH30−からなる群より選択される何れか1つの基であればよい。
上記構造を有する芳香族ジアミンの具体的な例としては、例えば、o−、m−またはp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、パラキシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、3,3’−ジトリフルオロメチルベンジジン等の芳香族ジアミン、が挙げられる。
ポリアミド酸溶液は、有機溶媒中にて一般式(1)記載の芳香族テトラカルボン酸二無水物を少なくとも1種類以上と一般式(2)記載の芳香族ジアミンを少なくとも1種類以上とを選び、ポリアミド酸溶液(a)の粘度を0.1〜100Pa・sに制御するためには、生成する有機溶媒中のポリアミド酸の固形分濃度は、有機溶媒中にポリアミド酸が5〜40wt%、好ましくは10〜30wt%、更に好ましくは、13〜25wt%溶解されているのが取り扱い面から好ましい。ここでいう、固形分濃度とは、ポリアミド酸溶液に含まれる重合用溶媒を除いた不揮発性成分全体の濃度を指すが、実質的には、ポリアミド酸溶液に含まれるポリアミド酸の濃度を指すことになる。したがって、ポリアミド酸溶液の総重量をWsとし、ポリアミド酸溶液に含まれるポリアミド酸の重量をWpとした場合に、上記固形分濃度Cは、次式(iii)で算出される。
固形分濃度C=(Wp/Ws)×100 ・・・(i)
芳香族テトラカルボン酸二無水物/芳香族ジアミン比を0.90以下で芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させて得られる末端基がアミン末端基のポリアミド酸溶液、もしくは、芳香族テトラカルボン酸二無水物/芳香族ジアミン比を1.10以上の割合で芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させることで得られる末端基がカルボン酸末端基のポリアミド酸溶液として調整することが望ましい。本願発明におけるポリアミド酸溶液(a)の粘度とは23℃に保温された水浴中で1時間保温し、その時の粘度をB型粘度計で、ローターはNo.7を回転数は4rpmで測定を行いその粘度をポリアミド酸溶液の粘度とする。本願発明の方法では二酸化チタン粒子が分散した二酸化チタン分散溶液(c)を添加する際の粘度は0.1〜100Pa・sであることが望ましく、特に好ましいのは1.0〜90Pa・sである。ポリアミド酸溶液(a)の粘度が高い場合には二酸化チタン溶液(c)を添加すると二酸化チタン粒子が凝集しやすく100Pa・s以下に調製することが望ましい。
また、本発明のポリアミド酸溶液(a)の重合に使用される有機溶媒としては、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−メチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられることができ、通常これらの溶媒を単独で用いるが必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いて良い。これらのうちDMF、DMAc、NMPなどのアミド類が好ましく使用される。
このポリアミド酸溶液(a)の製造には1つの反応装置で1段階で重合反応を行い、ポリアミド酸溶液(a)を生成することで調製することができる。1段階で重合反応を行うためには、重合反応におけるモノマー成分からの不溶解原料や混入異物を取り除く為に、反応容器に添加直前にモノマーを有機溶媒中に溶解してフィルター等にて混入異物を取り除く工程を設けると、フィルム中の異物・欠陥を減少させることが可能である。或いは直接に粉末を篩にかけて直接に混入異物を取り除く工程設けてフィルム中の異物・欠陥を減少させた後に重合反応を行うことが好ましい。上記フィルターの目開きは10μm以下が好ましく、好ましくは5μm以下、更に好ましくは3μm以下が良い。なぜなら、不溶解原料や混入異物に起因する欠陥がポリイミドフィルム表面に存在するとポリイミドフィルム上への金属層形成工程においてフィルムと金属層の密着性が低下するからである。
以上の操作により本願発明に好適なポリアミド酸溶液(a)を調製することが可能である。また、上記ポリアミド酸溶液(a)に
(B)工程
(B)工程は、(B)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させて得られるポリアミド酸溶液(b)と二酸化チタン粒子および分散用有機溶媒の少なくとも3成分を含む二酸化チタン分散溶液(c)を得る工程である。
まず、ポリアミド酸溶液(b)の製造方法について説明する。ポリアミド酸溶液(b)の原料となる芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンは、前記ポリアミド酸溶液(a)で例示した芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンと同様のものが好適に用いられる。また、ポリアミド酸溶液(a)で用いた芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンと同種であっても、異種であっても良い。
ポリアミド酸溶液(b)は、有機溶媒中にて一般式(1)記載の芳香族テトラカルボン酸二無水物を少なくとも1種類以上と一般式(2)記載の芳香族ジアミンを少なくとも1種類以上とを選び、おおよそ等モル反応させポリイミド前駆体であるポリアミド酸溶液を製造することが好ましい。調製する溶液の末端基はポリアミド酸溶液(a)と同一の末端基を有していることが必須であり、ポリアミド酸溶液(a)の末端基がアミン末端の場合には、芳香族テトラカルボン酸二無水物/芳香族ジアミン比は0.8500〜0.9999の割合で調製することが好ましく、0.8500以下の割合では臨界分子量と呼ばれるポリミドフィルムに成形した際に、剛性を充分に発現せずフィルム成型体への成型が困難になる場合がある。また、ポリアミド酸溶液(a)の末端基がカルボン酸末端の場合には、芳香族テトラカルボン酸二無水物/芳香族ジアミン比は1.0001〜1.2500の割合で調製することが好ましく、1.2500以上になるとポリアミド酸溶液中に過剰の芳香族テトラカルボン酸二無水物が多く残り、フィルム体中に過剰の芳香族テトラカルボン酸二無水物が残り種々のカルボン酸に起因する問題が発生する。例えば、カルボン酸がポリイミドフィルム内に多く残る場合には、ポリイミドフィルムの加水分解速度が加速される問題があり、ポリイミドフィルムの安定性が低下する問題ある。
尚、本願発明に好適に用いることの芳香族テトラカルボン酸もしくは芳香族ジアミンの選定は、ポリイミドフィルムの引張り弾性率が4.2GPa以上6.9GPa以下であるポリイミドフィルムを用いることが好ましい。ポリイミドフィルムの引張り弾性率が上記範囲内にあると、微粒子を含有させたポリアミド酸溶液から得られるポリイミドフィルム表面に良好な凹凸が発生して易滑性を発現しやすくなるので好ましい。尚、上記引張り弾性率のポリイミドフィルムを得る為の芳香族テトラカルボン酸二無水物類と芳香族ジアミン化合物類の選定は当業者であれば容易に選定することが可能である。
ポリアミド酸溶液(b)の重合に使用される有機溶媒としては、前記ポリアミド酸溶液(a)に例示した溶媒が好ましく使用される。
生成する有機溶媒中のポリアミド酸の固形分濃度は、有機溶媒中にポリアミド酸が5〜40wt%、好ましくは10〜30wt%、更に好ましくは、13〜25wt%溶解されているのが取り扱い面から好ましい。
尚、ポリアミド酸の平均分子量は、GPCのPEG(ポリエチレングリコール)換算で10000以上である方が二酸化チタン分散液を調製する際に二酸化チタン粒子が分散しやすく好ましい。
また、上記ポリアミド酸溶液の粘度は、23℃に保温された水浴中で1時間保温し、その時の粘度をB型粘度計で、ローターはNo.7を回転数は4rpmで測定を行いその粘度が50Pa・s以上1000Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは100Pa・s以上500Pa・s、最も好ましくは200Pa・s以上350Pa・sであることが二酸化チタン粒子溶液を調製する上で充分な分散性を付与できるので好ましい。
なお、ポリアミド酸溶液(b)の製造方法についても、ポリアミド酸溶液(a)と同様の製造方法が採用できる。
このようにして得られたポリアミド酸溶液(b)と、二酸化チタン粒子及び分散用有機溶媒を添加し、二酸化チタン粒子分散溶液(c)を得る。
二酸化チタン分散溶液(c)は、分散用有機溶媒に上記ポリアミド酸溶液(b)のポリアミド酸溶液の一部を二酸化チタン分散液(c)のポリアミド酸固形分濃度が0.5重量%以上1.5重量%以下になるように添加し、更に、二酸化チタン分散溶液中の二酸化チタン粒子の固形分濃度が1重量%以上20重量%以下になるように添加し分散・混合して二酸化チタン分散溶液(c)を調製することが好ましい。
用いる二酸化チタン粒子の平均粒子径は、平均粒子径が0.01μm以上0.80μm以下であることが好ましい。
二酸化チタン粒子分散溶液(c)の分散・混合には、ホモジナイザー等の強力に粒子を分散できる装置で分散することで調製することが出来る。ポリアミド酸溶液(a)とポリアミド酸溶液(b)は用いる芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンが同種であっても、異種であっても良い。しかし、本発明では、ポリアミド酸溶液の末端基が同一であることが好ましい。ポリアミド酸溶液の末端基とは、重合の際に芳香族テトラカルボン酸二無水物量が芳香族ジアミン量よりも多い場合には、末端はカルボン酸基になる。このようなポリアミド酸溶液を酸末端のポリアミド酸溶液と称する。また、重合の際に芳香族ジアミン量が芳香族テトラカルボン酸二無水物量よりも多い場合には、末端はアミン基となる。このようなポリアミド酸溶液をアミン末端のポリアミド酸溶液と称する。つまり、本発明で用いる事のできるポリアミド酸溶液(a)とポリアミド酸溶液(b)の末端基は共に酸末端であるか、もしくは、ジアミン末端であることが好ましい。尚、末端基が異なる場合には、ポリアミド酸溶液がゲル化して硬化する場合がある。また、例えば、ジカルボン酸無水物でアミン末端を修飾したり、或いは、アミン化合物で酸末端を修飾したりすることもできる。
二酸化チタン分散溶液(c)に用いる分散用有機溶媒としては、テトラメチル尿素、N,N−ジメチルエチルウレアのようなウレア類、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、テトラメチルスルフォンのようなスルホキシドあるいはスルホン類、N,N−メチルアセトアミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ―ブチルラクトン、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類、またはホスホリルアミド類の非プロトン性溶媒、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化アルキル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、フェノール、クレゾールなどのフェノール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、p−クレゾールメチルエーテルなどのエーテル類が挙げられることができ、通常これらの溶媒を単独で用いるが必要に応じて2種以上を適宜組合わせて用いて良い。これらのうちDMF、DMAcなどのアミド類が好ましく使用される。
上記ポリアミド酸溶液(a)および(b)で使用された溶剤と二酸化チタン分散溶液の溶剤とが同種でも、異種でもポリアミド酸溶液中のポリアミド酸もしくは二酸化チタン粒子が析出しない限り、その種類は限定されない。また、同様に使用するポリアミド酸溶液(a)とポリアミド酸溶液(b)のポリアミド酸組成が同種でも異種でもポリアミド酸溶液の末端基が同一であれば使用することが可能である。
二酸化チタン分散溶液に添加するポリアミド酸溶液(b)の量は最終的に二酸化チタン分散溶液(c)中のポリアミド酸固形分濃度が0.5重量%以上1.5重量%以下となるように添加することが二酸化チタン分散溶液中の二酸化チタン粒子の分散安定性を向上させるので好ましい。ポリアミド酸固形分濃度が0.5重量%以下の場合には二酸化チタン粒子の沈降が進み易い場合がある。
更に、二酸化チタン分散溶液中の二酸化チタン粒子の含有量は固形分濃度が1重量%以上20重量%以下となるように添加されていることが望ましい。二酸化チタン粒子の固形分濃度が20重量%よりも多い場合には、二酸化チタン分散溶液中の二酸化チタン粒子が凝集する傾向がある場合がある。
更に、二酸化チタンを分散した溶液は上記添加方法にて、分散溶媒、二酸化チタン粒子、ポリアミド酸溶液を混合して分散する為の分散装置は、公知効用の装置を用いることが出来る。例えば、ホモジナイザー等の強力な分散装置や、パドル翼等を設置した分散装置等の種々の装置を用いて分散させることができる。
(C)工程
(C)工程は、(C)前記ポリアミド酸溶液(a)に二酸化チタン分散溶液(c)を添加する工程である。
ポリアミド酸溶液(a)への二酸化チタン分散液(c)の添加方法は、ポリアミド酸溶液(a)を攪拌混合しながら、二酸化チタン粒子分散液(c)を徐々に添加する方法が好ましい。ポリアミド酸溶液(a)の攪拌装置、攪拌速度、攪拌温度は公知公用の装置、該装置に適した攪拌速度、ポリアミド酸溶液(a)の反応に最適な攪拌温度を選定することが望ましい。
次に、ポリアミド酸溶液(a)と二酸化チタン分散溶液(c)を添加した溶液の、二酸化チタン粒子含有量について説明する。
二酸化チタン粒子の含有量は、二酸化チタン粒子がポリイミド樹脂に対して0.010〜0.500重量%、特に好ましくは0.010〜0.450重量%の割合で含有されている事が、ポリイミドフィルムの滑性を付与する上で好ましい。特に、凝集粒子が上記範囲以内に制御することで凝集粒子を低減させることができるので好ましい。
尚、二酸化チタン粒子の含有量は、以下で規定することができる。
二酸化チタン含有量(重量%)=
(ポリアミド酸溶液に添加する二酸化チタン重量)÷(ポリアミド度酸溶液中のポリアミド酸重量)÷(1−(1gのポリアミド酸から発生する理論水分量))
ポリアミド酸溶液中の二酸化チタンの固形分濃度が0.5重量%以上の場合にはポリイミドフィルム表面で粒子が凝集することがある。0.010重量%以下の場合にはポリイミドフィルム同士のすべり性を充分に付与することが困難になる場合がある。
また、ポリアミド酸溶液(a)に二酸化チタン粒子分散液(c)を添加する際には、ポリアミド酸溶液(a)をフィルターで少なくとも1回以上濾過した後に用いることが望ましく。フィルターの目開きは、10μm以下、好ましくは、5μm以下、特に好ましくは3μm以下であることが最終的に得られるポリアミド酸溶液中の異物量が少なくポリイミドフィルム等のイミド体に成形した際に、異物量が少なくなるので好ましい。
(D)工程
(D)工程は、(C)工程以降、芳香族テトラカルボン酸二無水物もしくは芳香族ジアミンを添加する工程である。
ポリアミド酸液(a)に二酸化チタン分散液(c)を添加した後に、ポリアミド酸溶液を少なくとも1分以上5時間以下、好ましくは10分以上3時間以下の時間で攪拌・混合した後に、ポリアミド酸(a)がアミン末端基の溶液の場合には、芳香族テトラカルボン酸二無水物を追加添加して粘度上昇を行い、ポリアミド酸(a)がカルボン酸末端基の場合には芳香族ジアミンを追加添加して粘度上昇を行い所望の粘度のポリアミド酸溶液を得ることが好ましい。尚、芳香族テトラカルボン酸二無水物および芳香族ジアミンの添加時の形体は溶液であっても良いし、粉末状或いは溶剤中に分散したスラリー溶液の形態であってもよい。
最終的に得られるポリアミド酸溶液(d)の粘度は、ポリイミドフィルムへの成形性を鑑みて、23℃のワニスをB型粘度計(ローターはNo.7を回転数は4rpm)で測定を行いその粘度が100Pa・s以上1000Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは100Pa・s以上500Pa・s、最も好ましくは200Pa・s以上350Pa・sであることがフィルム成形体を作製する際に取扱い上で最も好ましい。
また、このポリアミド酸有機溶媒溶液(d)には必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、或いは、各種の強化剤を添加してもよい。
ポリアミド酸の重合反応時には、重合温度が高い場合にはポリアミド酸溶液の分解反応が進行しやすくなり、ポリアミド酸溶液の重合反応が進行しない問題が生じる。よって、反応溶液の液温は60℃以下であることが好ましく、50℃以下であることがより好ましい。
さらに、本発明にかかるポリアミド酸溶液に含まれているポリアミド酸は2種類以上であってもよい。つまり、本発明にかかる製造方法で製造したポリアミド酸溶液(a)は、他の重合反応で製造した1種以上のポリアミド酸溶液を添加して混合することで、2種以上のポリアミド酸を含むポリアミド酸溶液とにしてもよい。また、ポリアミド酸重合工程における諸条件を変化させて、本発明にかかる製造方法を実施し、得られた平均分子量等が異なるポリアミド酸溶液を混合してもよい。
ただし、上記複数種類のポリアミド酸溶液を混合する場合には、ポリアミド酸の末端基の種類が一致していることが好ましい。具体的には、ポリアミド酸の末端基がカルボン酸基(以下酸末端と称する)である場合とアミン基(以下アミン末端と称する)である場合があるが、互いに混合可能なポリアミド酸は、酸末端のポリアミド酸同士、またはアミン末端のポリアミド酸同士であり、酸末端のポリアミド酸とアミン末端のポリアミド酸とは混合できない。
(ポリイミドフィルムの製造)
このようにして得られた二酸化チタン粒子含有ポリアミド酸溶液(d)から本発明のポリイミドフィルムを得るためには、熱的に脱水閉環する熱的方法、脱水剤を用いる化学的方法の何れでも良いが、化学的方法によると生成するポリイミドフィルムの伸び率や引張強度等の機械的特性が優れるので好ましい。また、化学的方法による方が、短時間でイミド化する事ができる等の利点がある。尚、熱的方法と化学的方法を併用することもできる。
ポリアミド酸の有機溶媒溶液からポリイミドフィルムを製造する代表的な方法としては、上記ポリアミド酸の有機溶媒溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒を加えた混合溶液をスリット付き口金からドラム又はエンドレスベルト等の支持体上に流延塗布してフィルムに成形し、支持体上で200度以下1〜20分間で加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体よりフィルムを引き剥がす。次いで、フィルムの両端部を固定する。その後100度〜600度まで徐々にもしくは段階的に加熱することによりイミド化を進行させ、徐冷後、端部の固定を取り外しポリイミドフィルムを得る化学的閉環法。及び脱水剤と触媒を含有しないポリアミド酸の有機溶媒溶液をスリット付き口金からドラム又はエンドレスベルト等の支持体上に流延塗布してフィルムに成形し、支持体上で200度以下、1〜20分間で加熱乾燥することにより自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体よりフィルムを引き剥がす。次いで、フィルムの両端部を固定する。その後100度〜600度まで徐々にもしくは段階的に加熱することによりイミド化を進行させ、徐冷後端部の固定を取り外しポリイミドフィルムを得る熱的閉環法がある。これら化学的閉環法及び熱的閉環法を併用することも可能である。
化学的閉環法に用いられる脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、イソキノリンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。
脱水剤及び触媒をポリアミド酸有機溶媒溶液と混合する前にフィルター等にて不溶解原料や混入異物を取り除く工程設けてフィルム中の異物・欠陥を減少させる。上記フィルターの目開きは、取得フィルム厚みの1/2、好ましくは1/5、更に好ましくは1/10が良い。
ポリアミド酸に対する脱水剤及び触媒の含有量は、ポリアミド酸を構成する構造式に依存するが、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましい。更に好ましくは、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましい。なお、この場合には、アセチルアセトン等の反応遅延剤を併用しても良い。また、ポリアミド酸に対する脱水剤及び触媒の含有量は、0℃にてポリアミド酸と脱水剤・触媒混合物とが混合されてから粘度上昇が始まるまでの時間(ポットライフ)で規定しても良い。一般にはポットライフが0.1分〜60分、さらに好ましくは0.5分〜20分が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。特に、本願発明ではポリイミドフィルムの製造方法における実施例を記載する。
(実施例1)
(ポリアミド酸溶液(b)の調製)
セパラブルフラスコにDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)をとり、p−PDA(パラフェニレンジアミン)5.0当量、ODA(4,4’―ジアミノジフェニルエーテル)を7.0当量とり、p−PDA,ODAが完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。次に、TMHQ(p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物))8.0当量、PMDA(ピロメリット酸二無水物)3.9当量を徐々に添加し、その後、40分間攪拌し、固形分濃度15重量%で、粘度が160Pa・s(23℃)で、末端基がカルボン酸末端基であるポリアミド酸溶液を得た。
(二酸化チタン分散溶液の調製)
100mlの容量のガラスビーカー中にDMFを添加して、上記ポリアミド酸溶液(b)を二酸化チタン分散溶液のポリアミド酸の固形分濃度が1.0重量%になるように混合し、この溶液中に、二酸化チタン粒子、ST−01(二酸化チタン平均粒子径0.11μm、石原産業株式会社製)を固形分濃度が10重量%となるように混合し、ホモジナイザーで10分間攪拌した後に二酸化チタン分散溶液として用いた。尚、二酸化チタン粒子の平均粒子径は、カーボンテープ表面に粒子を接着し、その上に、金、白金、カーボン等の導電体を真空蒸着装置内(日本電子株式会社製 イオンスパッタ装置)で蒸着した後に、電子顕微鏡(日本電子株式会社製)で粒子径を直接に観測して50個の粒子径を観測した後にその平均粒子径を算出し平均粒子径とした。特に二酸化チタン粒子は粒子形状が球形で無いものが殆どであり、粒子径は下記算出式1により算出した。
Figure 2006028216
またさらに、粒子径比を下記算出式2より算出する。
Figure 2006028216
(ポリアミド酸溶液(a)の調製)
セパラブルフラスコにDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)をとり、p−PDA(パラフェニレンジアミン)5.0当量、ODA(4,4’―ジアミノジフェニルエーテル)を7.0当量とり、p−PDA,ODAが完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。次に、TMHQ(p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物))8.0当量、PMDA(ピロメリット酸二無水物)2.8当量を徐々に添加し、その後、40分間攪拌し、固形分濃度15重量%で、粘度が50Pa・s(23℃)のポリアミド酸溶液を得た。該ポリアミド酸溶液に前記調整した二酸化チタン分散溶液をポリアミド酸に対する二酸化チタン粒子の固形分濃度が0.15重量%になるように添加して、さらに、PMDA1.2等量を添加して粘度が200Pa・s(23℃)で、末端基がカルボン酸末端基であるポリアミド酸溶液を得た。ポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%であった。
(ポリイミドフィルムの製造方法)
上記ポリアミド酸溶液100gに無水酢酸(AA)20g及びイソキノリン(IQ)5gとを混合し、混合液をアルミ板上に流延塗布して、100℃にて3分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をアルミ板より剥がし、その塗膜を支持枠に固定して、その後100℃にて2分間、350℃にて20秒間、450℃にて20秒間、更に500℃で20秒間加熱し、脱水閉環乾燥して、25μmのポリイミドフィルムを得た。
上記の方法で得られたポリイミドフィルムの静摩擦係数およびフィルム表面の二酸化チタン粒子の最大突起径の測定は以下のようにして行った。
(静摩擦係数)
上記ポリイミドフィルムを10×20cmに切り出してフィルムを金属基板上に固定して、更にポリイミドフィルム7×6cmに切り出したフィルムをその上に重ねて置き、底面積が36cm2、重さが860gの重りを7×6cmのフィルム上にのせてフィルムを200mm/分の速度で引張り、そのときにフィルムが動き出す瞬間に発生する力を静摩擦力とした。尚、垂直抗力は重りの重量から860gfとなる。
静摩擦係数は、下記の式で算出した。
Figure 2006028216
(本発明のポリイミドフィルムにおける二酸化チタン粒子による最大突起径の測定)
本発明のポリイミドフィルムは、粒子径の小さな二酸化チタン粒子がフィルムに内在している。本発明においては、フィルム表面に存在する二酸化チタン粒子による突起径を測定する。二酸化チタンの突起径は、フィルムの200μm×200μmの範囲を5箇所光学顕微鏡(ニコン社製)にて観測を行い最大突起径を観測した。
(実施例2)
二酸化チタン粒子としては、SA−1(堺化学社製、二酸化チタン平均粒子径0.26μm)の二酸化チタン粒子を用いた以外は実施例1と同様のフィルムの調製方法を使用してフィルムを作製し、物性値の評価を行った。評価結果を表1に記載する。
(実施例3)
二酸化チタン粒子としては、KRONOS KA−30(チタン工業社製、平均粒子径0.24μm)の二酸化チタン粒子を用いた以外は実施例1と同様のフィルムの調製方法を使用してフィルムを作製し、物性値の評価を行った。評価結果を表1に記載する。
(実施例4〜6)
二酸化チタン粒子としては、TA−200(富士チタン社製、平均粒子径0.30μm)の二酸化チタン粒子を用い、表1記載の添加量で添加した以外は実施例1と同様のフィルムの調製方法を使用してフィルムを作製し、物性値の評価を行った。評価結果を表1に記載する。
(実施例7)
二酸化チタン粒子として、T805(日本アエロジル社製、平均粒子径0.02μm)の二酸化チタン粒子を用いた以外は実施例1と同様のフィルムの調製方法を使用してフィルムを作製し、物性値の評価を行った。評価結果を表1に記載する。
(実施例8)
(ポリアミド酸溶液(b)の調製)
セパラブルフラスコにDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)をとり、ODA(4,4’―ジアミノジフェニルエーテル)を10.0当量とり、ODAが完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。次に、PMDA(ピロメリット酸二無水物)10.0当量を徐々に添加し、その後、40分間攪拌し、固形分濃度15重量%で、粘度が200Pa・s(23℃)のポリアミド酸溶液を得た。
(二酸化チタン分散溶液の調製)
100mlの容量のガラスビーカー中にDMFを添加して、上記ポリアミド酸溶液(b)を二酸化チタン分散溶液のポリアミド酸溶液の固形分濃度が1.0重量%になるように混合し、この溶液中に、二酸化チタン粒子、ST−01(平均粒子径0.11μm、石原産業株式会社製)を固形分濃度が10重量%となるように混合し、ホモジナイザーで10分間攪拌した後に二酸化チタン分散溶液として用いた。
(ポリアミド酸溶液(a)の調製)
セパラブルフラスコにDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)をとり、p−PDA(パラフェニレンジアミン)5.0当量、ODA(4,4’―ジアミノジフェニルエーテル)を7.0当量とり、p−PDA,ODAが完全に溶解するまで室温でよく攪拌した。次に、TMHQ(p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物))8.0当量、PMDA(ピロメリット酸二無水物)2.8当量を徐々に添加し、その後、40分間攪拌し、固形分濃度15重量%で、粘度が50Pa・s(23℃)のポリアミド酸溶液を得た。該ポリアミド酸溶液に前記調整した二酸化チタン分散溶液をポリアミド酸に対する二酸化チタン粒子の固形分濃度が0.15重量%になるように添加して、さらに、PMDA1.22等量を添加して粘度が210Pa・s(23℃)のポリアミド酸溶液を調製した。ポリアミド酸溶液の固形分濃度は15重量%であった。
(ポリイミドフィルムの製造方法)
上記ポリアミド酸溶液100gに無水酢酸(AA)20g及びイソキノリン(IQ)5gとを混合し、混合液をアルミ板上に流延塗布して、100℃にて5分間乾燥後、ポリアミド酸塗膜をアルミ板より剥がし、その塗膜を支持枠に固定して、その後100℃にて2分間、350℃にて20秒間、450℃にて20秒間、更に500℃で20秒間加熱し、脱水閉環乾燥して、25μmのポリイミドフィルムを得た。
ポリイミドフィルムの物性値を実施例1と同じ条件で評価を行い。評価結果を表1に記載する。ポリアミド酸溶液(a)とポリアミド酸溶液(b)の組成が異なってもポリイミドフィルムの物性値には大きな差は生じないことが明らかになった。
(比較例1)
実施例4〜6で使用したTA−200(富士チタン社製、平均粒子径0.30μm)の二酸化チタン粒子の添加量を0.005重量%とした以外は、実施例1と同様のフィルムの調製方法を使用してフィルムを作製し、物性値の評価を行った。評価結果を表1に記載する。
(比較例2)実施例1の条件で二酸化チタン粒子を含有しないフィルムの製造を行い静摩擦係数の測定を行った。その結果、フィルムの静摩擦係数が大きく問題であることが明らかになった。
Figure 2006028216
本願ポリイミドフィルム表面の粒子径の観測部位

Claims (10)

  1. 二酸化チタン粒子がフィルム中に存在するポリイミドフィルムであって、フィルムの表面には二酸化チタン粒子による突起が存在し、かつ該二酸化チタン粒子による突起径の最大径が5μm以下であることを特徴とするポリイイミドフィルム。
  2. フィルムの静摩擦係数が1.80以下であることを特徴とする請求項1記載のポリイミドフィルム。
  3. 少なくとも、
    (A)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させてポリアミド酸溶液(a)を得る工程、
    (B)芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを反応させて得られるポリアミド酸溶液(b)と二酸化チタン粒子および分散用有機溶媒の少なくとも3成分を含む二酸化チタン分散溶液(c)を得る工程、
    (C)前記ポリアミド酸溶液(a)に二酸化チタン分散溶液(c)を添加する工程
    (D)前記(C)工程の後、芳香族テトラカルボン酸二無水物もしくは芳香族ジアミンを添加する工程、
    を含む製造方法により製造された二酸化チタン含有ポリアミド酸溶液(d)を用いてポリイミドフィルムを製造することを特徴とする請求項1または2記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 前記酸化チタン粒子の平均粒子径が0.01μm以上0.80μm以下である請求項3記載の製造方法。
  5. 前記ポリアミド酸溶液(a)の粘度が0.1〜100Pa・sであることを特徴とする請求項3または4記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  6. 前記二酸化チタン含有ポリアミド酸溶液(d)の粘度が100〜1000Pa・sであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のポリイミドフィルムの製造方法。
  7. 前記二酸化チタン分散溶液(c)は、ポリアミド酸固形分濃度が0.5〜10重量%であって、かつ二酸化チタン粒子の固形分濃度が1〜20重量%であることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  8. 前記二酸化チタン含有ポリアミド酸溶液(d)は、ポリアミド酸固形分重量に対して、二酸化チタン粒子が0.010〜0.500重量%となるように添加されていることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  9. 前記ポリアミド酸溶液(a)の末端基と前記ポリアミド酸溶液(b)の末端基が同じであることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  10. 前記ポリアミド酸溶液(a)およびポリアミド酸溶液(b)の末端基がアミン末端基もしくはカルボン酸末端基であることを特徴とする請求項9記載の製造方法。
JP2004204632A 2004-07-12 2004-07-12 ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法 Withdrawn JP2006028216A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204632A JP2006028216A (ja) 2004-07-12 2004-07-12 ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004204632A JP2006028216A (ja) 2004-07-12 2004-07-12 ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006028216A true JP2006028216A (ja) 2006-02-02

Family

ID=35894963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004204632A Withdrawn JP2006028216A (ja) 2004-07-12 2004-07-12 ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006028216A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008290302A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Du Pont Toray Co Ltd 銅張り板
JP2009018521A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Du Pont Toray Co Ltd 銅張り板
JP2009057556A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Kolon Ind Inc ポリイミドフィルム
US8319299B2 (en) 2009-11-20 2012-11-27 Auman Brian C Thin film transistor compositions, and methods relating thereto
US8653512B2 (en) 2009-11-20 2014-02-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Thin film transistor compositions, and methods relating thereto
JP2014141605A (ja) * 2013-01-25 2014-08-07 Du Pont-Toray Co Ltd ポリイミドフィルム

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008290302A (ja) * 2007-05-23 2008-12-04 Du Pont Toray Co Ltd 銅張り板
JP2009018521A (ja) * 2007-07-13 2009-01-29 Du Pont Toray Co Ltd 銅張り板
JP2009057556A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Kolon Ind Inc ポリイミドフィルム
US8319299B2 (en) 2009-11-20 2012-11-27 Auman Brian C Thin film transistor compositions, and methods relating thereto
US8653512B2 (en) 2009-11-20 2014-02-18 E. I. Du Pont De Nemours And Company Thin film transistor compositions, and methods relating thereto
JP2014141605A (ja) * 2013-01-25 2014-08-07 Du Pont-Toray Co Ltd ポリイミドフィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI386433B (zh) Polyimide compounds and flexible wiring boards
JP6336061B2 (ja) アルコキシシラン変性ポリアミド酸溶液、それを用いた積層体及びフレキシブルデバイス、並びにポリイミドフィルム及び積層体の製造方法
JP6858900B2 (ja) アルコキシシラン変性ポリアミド酸溶液の製造方法、積層体の製造方法及びフレキシブルデバイスの製造方法
JP5347306B2 (ja) シームレスベルト
JP2013511599A (ja) 熱安定性および寸法安定性ポリイミドフィルム、ならびにそれに関連する方法
JP2017052877A (ja) ポリイミド前駆体組成物、ポリイミド前駆体組成物の製造方法、及びポリイミド成形体の製造方法
JP5473601B2 (ja) ポリイミド樹脂組成物、該ポリイミド樹脂組成物を与えるポリイミド前駆体樹脂組成物およびそれらの製造方法、ならびにポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP2017149796A (ja) ポリイミド前駆体組成物、及びポリイミド前駆体組成物の製造方法
JP4852287B2 (ja) 芳香族ポリイミドフィルム
WO2012118020A1 (ja) 樹脂組成物およびそれを用いた膜形成方法
TW202138435A (zh) 樹脂組成物、其製造方法、樹脂膜及覆金屬積層板
JP2004035825A (ja) 半導電性ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP6195719B2 (ja) 複合樹脂組成物
JP2006028216A (ja) ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムの製造方法
JP2008088371A (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JPH10226751A (ja) 改良されたポリイミド樹脂組成物及びそれからなる耐熱性樹脂フィルム
JP2008088372A (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP2007063492A (ja) 欠陥の少ないポリイミドフィルム
JPH06192446A (ja) 易滑性ポリイミドフィルムの製造方法
JP4942378B2 (ja) ポリイミド樹脂の製造方法
JP2004059694A (ja) 分散剤、分散液および無機粉体分散液の製造方法
JPS646672B2 (ja)
JPH06100714A (ja) 易滑性ポリイミドフィルム及びその製造方法
JP2004285355A (ja) ポリイミド樹脂粉体の製造方法
JP4251947B2 (ja) ポリイミドフィルム及び該ポリイミドフィルムを用いた金属積層板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070521

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20090330