JP2006027512A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 システム異常発生に伴うフェールセーフ移行時においても効果的にアシスト力を付与しつつ穏やかにその低減をすることが可能な電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】 マイコン11は、システム異常の発生を検出するシステム異常検出部31と、システム異常発生時にDUTY指示値Dxを制限するためのDUTY制限値αを演算するDUTY制限値演算部32とを備え、DUTY制限値演算部32は、システム異常発生から時間経過とともにDUTY制限値αを低減する。そして、DUTY指示値演算部23は、接地電位に対応するDUTY比の値を基準としてDUTY制限値αにより規定される制限範囲内となるようにDUTY指示値Dxを制限する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置に関するものである。
近年、車両用パワーステアリング装置として、モータを駆動源とする電動パワーステアリング装置(EPS)が広く採用されるようになっている。
一般に、こうしたEPSには、トルクセンサや回転角センサ等といった複数のセンサが設けられており、駆動源としてのモータは、これら各種センサにより検出される複数の車両状態量に基づいて制御されている。そして、これにより、状況に応じた最適なアシスト力を操舵系に付与するとともに、各種センサの出力信号に基づいてシステムの異常(システム異常)を検出し、システム異常発生時には、モータを停止してフェールセーフを図るようになっている。
しかしながら、こうしたフェールセーフ移行時において、システム異常の発生とともに、即座にモータの作動を停止すれば、ステアリングが急に重たく感じる等、操舵フィーリングを大きく損ねてしまうおそれがある。
そのため、従来、システム異常を検出した場合には、モータ制御信号のデューティ比を時間経過とともに低減することによりモータへの印加電圧を徐々に低減するものがある。これにより、システム異常発生時には、穏やかにアシスト力を低減して運転者に違和感を与えることなくモータを停止することができ、ひいてはフェールセーフ移行時の操舵フィーリングの向上を図ることができる(特許文献1参照)。
特公平7−94227号公報
しかしながら、上記従来技術では、デューティ比の大小に関わらず時間経過とともに減少する所定の低減比率でその低減を行うため、仮にアシスト付与を停止しても比較的違和感の少ないアシスト力の小さな場合であっても、アシスト力が大きな場合と同一の低減比率でその低減が行われるという不合理が生ずる。また、特に、モータが高速回転している場合においては、印加電圧の不足により逆起電圧を打ち消すことができなくなり、これに伴う回転数の低下により操舵フィーリングが悪化するという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、システム異常発生に伴うフェールセーフ移行時においても効果的にアシスト力を付与しつつ穏やかにその低減をすることができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、DUTY指示値と搬送波との比較によりモータ制御信号を出力するPWM出力手段と、モータ制御信号に制御されるスイッチング素子のオン/オフにより前記DUTY指示値に応じた電圧を出力する駆動回路と、前記電圧が印加されるモータとを備え、前記モータを駆動源として操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置であって、システムの異常を検出する検出手段と、前記DUTY指示値を制限するための制限値を演算する演算手段と、接地電位に対応する値を基準として前記制限値により規定される制限範囲内に前記DUTY指示値を制限する制限手段とを備え、前記演算手段は、前記異常検出時には、前記制限値を時間経過とともに低減し、前記制限手段は、前記DUTY指示値が前記制限範囲にない場合には、前記DUTY指示値を前記制限範囲内に補正すること、を要旨とする。
上記構成によれば、制限値が時間経過とともに低減し制限範囲が次第に狭くなることで、DUTY指示値のとり得る範囲が接地電位に対応する値に近い値に制限されるようになる。従って、駆動回路の出力電圧を時間経過とともに接地電位に近づけることができ、その結果、モータの発生するアシストトルク、即ち操舵系に付与されるアシスト力を穏やかに低減することができるようになる。
また、制限範囲を超えない限りDUTY指示値は補正されないため、同制限範囲内において、目標となるアシストトルクを発生するために必要な電圧をモータに印加することが可能になる。従って、システム異常発生に伴うフェールセーフ移行時においても、効果的にアシスト力を付与することができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記モータはブラシレスモータであり、前記駆動回路は直流電源を三相の駆動電力に変換して前記モータに出力するものであって、前記制限時に前記モータの各相に印加する前記電圧が平衡状態となるように各相に対応する前記DUTY指示値を補正する補正手段を備えたこと、を要旨とする。
上記構成によれば、DUTY指示値を制限した場合においても、各相電圧の平衡状態を維持してトルクリップルの発生を抑制することができ、これにより好適な操舵フィーリングを維持することができる。
本発明によれば、システム異常発生に伴うフェールセーフ移行時においても効果的にアシスト力を付与しつつ穏やかにその低減をすることが可能な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
以下、本発明を電動パワーステアリング装置(EPS)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、EPS1は、車両の操舵系にアシスト力を付与する駆動源としてのモータ2と、該モータ2を制御するECU3とを備えている。
ステアリングホイール(ステアリング)4は、ステアリングシャフト5を介してラック6に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト5の回転は、ラックアンドピニオン機構(図示略)にてラック6の往復直線運動に変換され操舵輪8に伝達される。本実施形態のEPS1は、モータ2がラック6と同軸に配置された所謂ラック型EPSであり、モータ2が発生するアシストトルクは、ボール送り機構(図示略)を介してラック6に伝達される。そして、ECU3は、このモータ2が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する。
図2に示すように、ECU3は、モータ制御信号を出力するマイコン11と、モータ制御信号に基づいてモータ2に駆動電力を供給する駆動回路としてのPWMインバータ12とを備えている。尚、本実施形態のモータ2はブラシレスモータであり、PWMインバータ12は、モータ制御信号に基づいて三相(U,V,W)の駆動電力を供給する。
マイコン11には、トルクセンサ14及び車速センサ15(図1参照)、並びに電流センサ16u,16v,16w、及び回転角センサ19が接続されており、マイコン11は、これら各センサの出力信号に基づいて、操舵トルクτ、車速V、モータ2の各相電流値Iu,Iv,Iw、及びその回転角(電気角)θを検出する。そして、マイコン11は、この検出された操舵トルクτ、車速V、モータ2の各相電流値Iu,Iv,Iw、及びその回転角θに基づいて、操舵系に付与するアシストトルクを決定し、そのアシストトルクをモータ2に発生させるべくモータ制御信号を出力する。
詳述すると、マイコン11は、モータ2が発生するアシストトルクの制御目標量となる電流指令値Iq*を演算する電流指令値演算部21と、該電流指令値Iq*に基づいてモータ2の各相に印加する電圧の指令値、即ち相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を演算する相電圧指令値演算部22とを備えている。
本実施形態では、電流指令値演算部21には、トルクセンサ14により検出された操舵トルクτ、及び車速センサにより検出された車速Vが入力されるようになっており、電流指令値演算部21は、これら操舵トルクτ及び車速Vに基づいて電流指令値Iq*を演算する。そして、電流指令値演算部21は、その演算により算出された電流指令値Iq*を相電圧指令値演算部22に出力する。
相電圧指令値演算部22には、上記電流指令値Iq*とともに、各電流センサ16u,16v,16wにより検出された各相電流値Iu,Iv,Iw、及び回転角センサ19により検出された回転角θが入力される。そして、相電圧指令値演算部22は、これら各相電流値Iu,Iv,Iw、回転角θ、及び電流指令値Iq*に基づいて相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の演算を行う。
尚、本実施形態では、相電圧指令値演算部22は、d−q座標系における電流制御により相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*の演算を行う。即ち、電流指令値Iq*は、q軸電流指令値として相電圧指令値演算部22に入力され、各相電流値Iu,Iv,Iwは、回転角θに基づいてd/q変換される。そして、相電圧指令値演算部22は、q軸電流指令値、及びd/q変換により算出されたd,q軸電流値に基づいてd,q軸電圧指令値を演算し、そのd,q軸電圧指令値をd/q逆変換することにより各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を算出する。
相電圧指令値演算部22により算出された各相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*はDUTY指示値演算部23に出力される。そして、DUTY指示値演算部23は、その相電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて各相のDUTY指示値Du,Dv,Dwを演算する。
図3に示すように、DUTY指示値Dx(X=U,V,W、以下同様)は、搬送波である三角波δの一周期内にPWMインバータ12のX相に対応する上位側のFET(後述)をオンとする時間の比率、即ちDUTY比(オンデューティ比)を示す値であり、X相の出力電圧は、このDUTY比によりその値が規定される。具体的には、DUTY比が「50」より大きい場合にX相の出力電圧は「正」となり、「50」より小さい場合にはX相の出力電圧は「負」となる。そして、DUTY比が「50」となる場合にX相の出力電圧は接地電位となる。
図2に示すように、DUTY指示値演算部23は、DUTY指示値DxをPWM出力部24に出力し、PWM出力部24は、入力されたDUTY指示値Dxと三角波δとの比較に基づいてモータ制御信号を生成する(図3参照)。そして、PWM出力部24は、そのモータ制御信号をPWMインバータ12へと出力する。
一方、PWMインバータ12は、モータ2の相数に対応する複数(2×3個)のスイッチング素子としてのパワーMOSFET(以下、単にFET)により構成されており、具体的にはFET26a,26dの直列回路、FET26b,26eの直列回路及びFET26c,26fの直列回路を並列接続することにより構成されている。そして、FET26a,26dの接続点27uはモータ2のU相コイルに接続され、FET26b,26eの接続点27vはモータ2のV相コイルに接続され、FET26c,26fの接続点27wはモータ2のW相コイルに接続されている。
マイコン11から出力されるモータ制御信号は、各FET26a〜26fのゲート端子に印加される。そして、このモータ制御信号に応答して各FET26a〜26fがオン/オフすることにより、直流電源30から供給される直流電圧が三相(U,V,W)の駆動電力に変換されてモータ2に供給されるようになっている。
(システム異常発生時)
次に、本実施形態での電動パワーステアリング装置におけるシステム異常発生時の制御態様について説明する。
図2に示すように、本実施形態のマイコン11は、システム異常の発生を検出するシステム異常検出部31と、システム異常発生時にDUTY指示値Dxを制限するためのDUTY制限値αを演算するDUTY制限値演算部32とを備え、DUTY制限値演算部32は、システム異常発生から時間経過とともにDUTY制限値αを低減する。そして、図3に示すように、DUTY指示値演算部23は、接地電位に対応するDUTY比の値、即ち「50」を基準としてDUTY制限値αにより規定される制限範囲R内となるようにDUTY指示値Dxを制限する(DUTY制限)。
詳述すると、システム異常検出部31には、上記各センサの出力信号、並びに図示しない上位ECUからの異常信号が入力されるようになっており、システム異常検出部31は、これらの各信号に基づいてシステム異常の発生を検出する。そして、システム異常を検出した場合には、システム異常が発生した旨を示すシステム異常検出信号をDUTY制限値演算部32に出力する。
尚、ここでいう「システム異常」とは、各種センサの出力信号異常等、EPSとしての機能を完全に失うまでには至らないが、モータ2の作動を停止してフェールセーフを図ることが望ましい状態を指すものである。
DUTY制限値演算部32は、システム異常検出部31からのシステム異常検出信号の入力をトリガとしてDUTY制限値αを演算し、そのDUTY制限値αをDUTY指示値演算部23に出力する。
本実施形態では、DUTY制限値演算部32は、システム異常発生からの経過時間TとDUTY制限値αとが関係付けられたマップ33を有しており(図4参照)、同マップ33において、DUTY制限値αは、最大値である「50」から経過時間Tの増加に従って徐々に低減するように設定されている。そして、DUTY制限値演算部32は、このマップ33を参照することによりDUTY制限値αを算出する。従って、DUTY指示値演算部23に出力される同DUTY制限値αは、システム異常発生から時間の経過とともに低減されるようになっている。
図3に示すように、DUTY指示値演算部23は、DUTY制限値演算部32から入力されたDUTY制限値αに基づいて、接地電位に対応するDUTY比の値、即ち「50」を基準とする制限範囲R(「50+α」〜「50−α」)を設定する。そして、相電圧指令値演算部22から入力された相電圧指令値Vx*に対応するDUTY指示値Dxが、この制限範囲R内にない場合(Dx>50+α又はDx<50−α)には、DUTY指示値Dxが制限範囲R内となるように補正する。
具体的には、DUTY指示値Dxが、制限範囲Rの上限値よりも大きい場合(Dx>50+α)には、DUTY指示値Dxを上限値(Dx=50+α)に、DUTY指示値Dxが、制限範囲Rの下限値よりも小さい場合(Dx<50−α)には、DUTY指示値Dxを下限値(Dx=50−α)に補正する。
そして、DUTY制限値演算部32から入力されるDUTY制限値αが時間経過とともに減少し制限範囲Rが次第に狭くなることにより、DUTY指示値Dxのとり得る範囲が「50」により近い値に制限され、PWMインバータ12の出力電圧、即ち各相の相電圧が接地電位に近づくようになっている。
また、本実施形態では、DUTY指示値演算部23は、X相のDUTY指示値Dxを補正した場合には、当該X相の相電圧及び他相の相電圧が平衡状態となるように、他相のDUTY指示値を補正する。これにより、DUTY制限時においても、各相電圧の平衡状態を維持して、トルクリップルの発生を抑制することが可能となっている。
尚、この各相電圧の平衡化は、例えば、接地電位に対応するDUTY比の値、即ち「50」を基準としたDUTY指示値Dxの補正比率β(β=α/(Dx−50)、又はβ=α/(50−Dx))を求め、その補正比率βに基づいて他相DUTY指示値を補正することで実現可能である。
次に、システム異常発生時におけるDUTY制限の処理手順について説明する。
図5のフローチャートに示すように、DUTY指示値演算部23は、相電圧指令値演算部22から相電圧指令値Vx*が入力されると(ステップ101)、同相電圧指令値Vx*に対応するDUTY指示値Dxを演算する(ステップ102)。
次に、DUTY指示値演算部23は、DUTY制限値演算部32からDUTY制限値αが入力されたか否か、即ちシステム異常が発生したか否かを判定する(ステップ103)。そして、DUTY制限値αが入力された場合(ステップ103:YES)には、以下に示すステップ104〜ステップ109の処理を実行することにより、DUTY指示値Dxが、接地電位に対応するDUTY比の値「50」を基準としてDUTY制限値αにより規定される制限範囲R内となるように、そのDUTY制限を実行する。
詳述すると、上記ステップ103において、DUTY制限値αの入力がある場合(ステップ103:YES)、DUTY指示値演算部23は、先ず、上記ステップ102において演算したDUTY指示値Dxが、制限範囲Rの上限値よりも大きいか否かを判定する(Dx>50+α、ステップ104)。そして、DUTY指示値Dxが制限範囲Rの上限値よりも大きい場合(ステップ104:YES)には、同DUTY指示値Dxを制限範囲Rの上限値に補正し(Dx=50+α、ステップ105)、更に、各相の相電圧が平衡状態となるように他相のDUTY指示値を補正する(ステップ106)。
一方、上記ステップ104において、DUTY指示値Dxが制限範囲Rの上限値よりも小さいと判定した場合(ステップ104:NO)、DUTY指示値演算部23は、続いてDUTY指示値Dxが、制限範囲Rの下限値よりも小さいか否かを判定する(Dx<50−α、ステップ107)。そして、DUTY指示値Dxが制限範囲Rの下限値よりも小さい場合(ステップ107:YES)には、同DUTY指示値Dxを制限範囲Rの下限値に補正し(Dx=50−α、ステップ108)、更に各相の相電圧が平衡状態となるように、他相のDUTY指示値を補正する(ステップ109)。
尚、DUTY指示値演算部23は、上記ステップ103において、DUTY制限値αの入力がないと判定した場合(ステップ103:NO)、又は上記ステップ107において、DUTY指示値Dxが制限範囲Rの下限値以上と判定した場合(ステップ107:NO)には、DUTY指示値Dxの補正を行わない。
即ち、DUTY指示値演算部23は、システムに異常がない場合又はDUTY指示値Dxが制限範囲R内にある場合には、DUTY指示値Dxの補正を行わず、上記ステップ102において演算したDUTY指示値Dx、即ち相電圧指令値Vx*に対応するDUTY指示値DxをそのままPWM出力部24に出力する(ステップ110)。
このように、DUTY指示値演算部23が上記ステップ101〜ステップ110の処理を繰り返す間に、DUTY制限値演算部32は、DUTY指示値演算部23に出力するDUTY制限値αを時間経過とともに低減する。そして、このDUTY制限値αの低減により制限範囲Rが次第に狭められ、DUTY指示値Dxのとり得る範囲が「50」により近い値に制限されることで、PWMインバータ12の出力電圧、即ち各相の相電圧が接地電位に近くなり、モータ2の発生するアシストトルク、即ち操舵系に付与されるアシスト力が穏やかに低減されるようになっている。
尚、本実施形態では、PWM出力部24がPWM出力手段を、システム異常検出部31が検出手段を、DUTY制限値演算部32が演算手段を、そしてDUTY指示値演算部23が制限手段及び補正手段を構成する。
以上、本実施形態によれば、以下のような特徴を得ることができる。
(1)マイコン11は、システム異常の発生を検出するシステム異常検出部31と、システム異常発生時にDUTY指示値Dxを制限するためのDUTY制限値αを演算するDUTY制限値演算部32とを備え、DUTY制限値演算部32は、システム異常発生から時間経過とともにDUTY制限値αを低減する。そして、DUTY指示値演算部23は、接地電位に対応するDUTY比の値、即ち「50」を基準としてDUTY制限値αにより規定される制限範囲R内となるようにDUTY指示値Dxを制限する。
このような構成とすれば、DUTY制限値αが時間経過とともに低減し制限範囲Rが次第に狭くなることで、DUTY指示値Dxのとり得る範囲が「50」により近い値に制限されるようになる。従って、PWMインバータ12の出力電圧、即ち各相の相電圧を時間経過とともに接地電位に近づけることができ、その結果、モータ2の発生するアシストトルク、即ち操舵系に付与されるアシスト力を穏やかに低減することができるようになる。
(2)DUTY指示値演算部23は、DUTY指示値Dxが、制限範囲Rの上限値よりも大きい場合(Dx>50+α)には、DUTY指示値Dxを上限値(Dx=50+α)に、DUTY指示値Dxが、制限範囲Rの下限値よりも小さい場合(Dx<50−α)には、DUTY指示値Dxを下限値(Dx=50−α)に補正する。そして、DUTY指示値Dxが制限範囲R内にある場合には、DUTY指示値Dxの補正を行わず、相電圧指令値Vx*に対応するDUTY指示値DxをそのままPWM出力部24に出力する。
このような構成とすれば、制限範囲Rを超えない限りDUTY指示値Dxは補正されない。従って、制限範囲R内において、アシストトルクの制御目標量となる電流指令値Iq*に基づく相電圧指令値Vx*に対応した電圧をモータ2の各相に印加することができ、これによりシステム異常発生に伴うフェールセーフ移行時においても、効果的にアシスト力を付与することができるようになる。
(3)DUTY指示値演算部23は、X相のDUTY指示値Dxを補正した場合には、当該X相の相電圧及び他相の相電圧が平衡状態となるように、他相のDUTY指示値を補正する。これにより、DUTY制限時においても、各相電圧の平衡状態を維持してトルクリップルの発生を抑制することができ、好適な操舵フィーリングを維持することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、本発明を電動パワーステアリング装置に具体化したが、電動パワーステアリング装置以外に用いるその他のモータ制御装置に具体化してもよい。
・本実施形態のEPS1では、駆動源であるモータ2をブラシレスモータとし、同モータ2にU,V,Wの三相の駆動電力を供給することとしたが、本発明を直流モータを駆動源とするEPSに具体化してもよい。
・本実施形態では、DUTY指示値演算部23が制限手段及び補正手段を構成することとしたが、DUTY指示値演算部23以外に制限手段及び補正手段を設ける構成としてもよい。
・各相の相電圧を平衡状態とする方法は、本実施形態の方法に限るものではなく、どのような方法を用いてもよい。
・本実施形態では、マップ33を用いることによりシステム異常発生から時間経過とともにDUTY制限値αを低減することとしたが、DUTY制限値αは、時間経過とともに同DUTY制限値αが減少する所定の関数を用いて算出することとしてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる請求項以外の技術的思想を記載する。
(イ)請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記モータはブラシレスモータであり、前記駆動回路は直流電源を三相の駆動電力に変換して前記モータに出力するものであって、前記制限手段は、接地電位に対応する値に前記制限値を加えた値を前記制限範囲の上限値とし、前記DUTY指示値が前記上限値よりも大きい場合には、前記DUTY指示値を前記上限値に補正すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(ロ)請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、前記モータはブラシレスモータであり、前記駆動回路は直流電源を三相の駆動電力に変換して前記モータに出力するものであって、前記制限手段は、接地電位に対応する値から前記制限値を減じた値を前記制限範囲の下限とし、前記DUTY指示値が前記下限値よりも小さい場合には、前記DUTY指示値を前記下限値に補正すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
(ハ)DUTY指示値と搬送波との比較によりモータ制御信号を出力するPWM出力手段と、モータ制御信号に制御されるスイッチング素子のオン/オフにより前記DUTY指示値に応じた電圧を出力する駆動回路を備え、該出力する電圧を印加することによりモータを制御するモータ制御装置であって、システムの異常を検出する検出手段と、前記DUTY指示値を制限するための制限値を演算する演算手段と、接地電位に対応する値を基準として前記制限値により規定される制限範囲内に前記DUTY指示値を制限する制限手段とを備え、前記演算手段は、前記異常検出時には、前記制限値を時間経過とともに低減し、前記制限手段は、前記DUTY指示値が前記制限範囲にない場合には、前記DUTY指示値を前記制限範囲内に補正すること、を特徴とするモータ制御装置。
本実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 本実施形態のEPSの制御ブロック図。 システム異常発生時のDUTY制限の態様を示す波形図。 経過時間とDUTY制限値とが関係付けられたマップの模式図。 システム異常発生時のDUTY制限の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、2…モータ、3…ECU、4…ステアリングホイール、8…操舵輪、11…マイコン、12…PWMインバータ、14…トルクセンサ、15…車速センサ、16u,16v,16w…電流センサ、19…回転角センサ、21…電流指令値演算部、22…相電圧指令値演算部、23…DUTY指示値演算部、24…PWM出力部、26a〜26f…FET、30…直流電源、31…システム異常検出部、32…DUTY制限値演算部、Iq*…電流指令値、Vx*(Vu*,Vv*,Vw*)…相電圧指令値、Dx(Du,Dv,Dw)…DUTY指示値、δ…三角波、α…DUTY制限値、R…制限範囲、T…経過時間。

Claims (2)

  1. DUTY指示値と搬送波との比較によりモータ制御信号を出力するPWM出力手段と、モータ制御信号に制御されるスイッチング素子のオン/オフにより前記DUTY指示値に応じた電圧を出力する駆動回路と、前記電圧が印加されるモータとを備え、前記モータを駆動源として操舵系にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置であって、
    システムの異常を検出する検出手段と、
    前記DUTY指示値を制限するための制限値を演算する演算手段と、
    接地電位に対応する値を基準として前記制限値により規定される制限範囲内に前記DUTY指示値を制限する制限手段とを備え、
    前記演算手段は、前記異常検出時には、前記制限値を時間経過とともに低減し、
    前記制限手段は、前記DUTY指示値が前記制限範囲にない場合には、前記DUTY指示値を前記制限範囲内に補正すること、を特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置において、
    前記モータはブラシレスモータであり、前記駆動回路は直流電源を三相の駆動電力に変換して前記モータに出力するものであって、
    前記制限時に前記モータの各相に印加する前記電圧が平衡状態となるように各相に対応する前記DUTY指示値を補正する補正手段を備えたこと、
    を特徴とする電動パワーステアリング装置。
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