JP2006025907A - ガイドワイヤー - Google Patents

Abstract

【課題】分岐部での側枝血管への誤導入を防ぐことができるとともに、分岐部等にて血管選択性を求められる際は、方向性を生み出すことが可能であるガイドワイヤーを提供すること。
【解決手段】本体（２）の先端部（３）に、第一屈曲部（４）と第二屈曲部（５）を有する先端湾曲部（３Ｃ）を形成したガイドワイヤー（１）。本体（２）の長さ方向に水平に延長した基線（Ｂ）、第一屈曲開始点（６）と第二屈曲開始点（７）を結んだ延長線（Ｅ）と定義し、前記基線（Ｂ）と延長線（Ｅ）の交差する角度θを１０°から５０°に形成した。
【選択図】図１

Description

本発明は治療もしくは検査用として用いるカテーテル又はイントロデューサーキットを血管の目的部位に導入するために用いられるガイドワイヤーの改良に関するものである。

医療用ガイドワイヤーは診断、治療などを行う際、カテーテル又はイントロデューサーキットを血管内に導入し患部に留置するために用いられる。従って、医療用ガイドワイヤーは分岐や蛇行する血管内を血管に損傷を与えることなく、血管形状に追随して押し込むことが可能な先端形状付けが必要となる。

医療用ガイドワイヤー先端は、Ｊ型、ダブルアングル型又はアングル型に形状付けがなされている。この中で、フェモラル（大腿部）、ブラキアル（上腕）又はラジアル（手首）からガイドワイヤーを導入する場合、先端がＪ型に形状付けされた医療用ガイドワイヤーは、スムーズに血管内及び、血管造影用カテーテル内へ押し込むことが出来ない場合が指摘されている。

このため、特許文献１のように、ビーク（くちばし）型（先端の方向延長線とワイヤー基線のなす角度が１０〜１２０度）の発明が提案されたが、ビーク型のものでもなお、鼠頚部、橈骨及び上腕より動脈を逆行させ心臓に向かってガイドワイヤーを進める際での頚動脈等への誤進入等がしてしまう場合があり、また心血管以外に、腹部、下肢、頚動脈、及び内胸動脈造影等行う場合があり、そのような際では逆に血管選択性を強く求められる場合がある為、ガイドワイヤーの操作性において十分満足できるものではない。
またアングル型ガイドワイヤーは、特許文献１の発明で定義される角度α（基線と先端方向延長線がなす角度）が１２０度以上の形状であるため、直角に分岐した血管モデルへ押し込んだ時、分岐血管部に蛇行し易く、特にブラキアル（上腕）又はラジアル（手首）からワイヤーを導入する場合、導入が困難である旨の課題が指摘されている。（特許文献１の［００１９］）

特開２００４−２４８２５号（特許請求の範囲、図１）

解決しようとする問題点は、鼠頚部、橈骨及び上腕より動脈を逆行させ心臓に向かってガイドワイヤーを進める際での頚動脈等への誤進入を防止しつつ、かつ心血管以外の、腹部、下肢、頚動脈、及び内胸動脈造影等行う場合等、血管選択性を求められる場合での、ガイドワイヤーの進入方向性、また分岐部での操作性、血管選択性を持たせる点である。

［１］本発明は、本体（２）の先端部（３）に、第一屈曲部（４）と第二屈曲部（５）を有する先端湾曲部（３Ｃ）を形成したガイドワイヤー（１）を提供する。
［２］本発明は、本体（２）の長さ方向に水平に延長した基線（Ｂ）、第一屈曲開始点（６）と第二屈曲開始点（７）を結んだ延長線（Ｅ）と定義し、
前記基線（Ｂ）と延長線（Ｅ）の交差する角度θを１０°から５０°に形成した［１］に記載のガイドワイヤー（１）を提供する。

本発明のガイドワイヤー１は、ビーク（くちばし）型及びJ型の利点である、無用な血管への導入を防止する機能を保持しつつ、またアングル型の利点である、大血管の選択機能は有することが可能であるガイドワイヤーである。すなわち、真っ直ぐ押し込むことで、血管内では直進性が高まり分岐部での側枝血管への誤導入を防ぐことができ、また逆に分岐部等にて、血管選択性を求められる際は、ガイドワイヤーを基線Ｂを軸に回転させ、押し進めることで方向性を生み出すことが可能であるガイドワイヤーである（図２参照）。

図１は本発明のガイドワイヤー１の概略図である。
本発明のガイドワイヤー１は、本体２の先端部３に、第一屈曲部４と第二屈曲部５を有する先端湾曲部３Ｃを形成している。本体２の基端側から先端部３に向けて、第一屈曲部４、第二屈曲部５の順に形成されている。
「第一屈曲部４」とは、図１に例示するとおり、本体２の第一屈曲開始点６から鈍角に折れ曲がっている部分である。「第二屈曲部５」とは、図１に例示するとおり、本体２の第二屈曲開始点７から湾曲するように折れ曲がっている部分である。「第一屈曲部４」の範囲は、第一屈曲開始点６から第二屈曲開始点７までである。「第二屈曲部５」の範囲は、第二屈曲開始点７から最先端部８までである。「第二屈曲部５」は、第二屈曲終点９から最先端部８に亘って、先端直線部３Ｓが形成されている。
本体２の長さ方向に水平に延長した線を「基線Ｂ」、第一屈曲開始点６と第二屈曲開始点７を結んだ線を「延長線Ｅ」と定義し、前記基線Ｂと延長線Ｅの交差する角度を「θ」と定義すると、角度θを１０°から５０°に形成したものである。
角度θがあまり小さい（１０°未満）と基線Ｂを軸に回した際、基線Ｂとの角度θが直線に近くなるため、血管選択性を有することが期待できず、角度θがあまり大きい（５０°を超える）と、基線Ｂと先端８との距離Ｄ（先端湾曲部３Ｃの幅ともいう）が大きくなり過ぎ、逆に血管内走行時に抵抗が生じ過ぎる可能性があり、かつ無用な血管へ誤進入してしまう可能性が高くなるので好ましくない。

本発明のガイドワイヤー１は、金属製芯材の表面を合成樹脂で被覆したものである。金属製芯材及び合成樹脂は公知のものであれば何でも使用することができる。金属製芯材として、例えばＳＵＳ、ニッケルチタン系合金、銅系合金、アルミ系合金等が使用される。
［寸法等の説明］
本発明のガイドワイヤー１の先端曲線部３Ｃの全体の長さＬは、第一屈曲開始点６から最先端部８までのＬであり、先端曲線部３Ｃの幅は、前記基線Ｂと先端８との距離Ｄであり、図中Ｄで示すものである。本発明のガイドワイヤーは、Ｌが１０〜６０ｍｍであり、Ｄが５〜２０ｍｍ、先端直線部３Ｓが３〜１５ｍｍ、第一屈曲部４が５〜３０ｍｍである。

本発明のガイドワイヤー１は図２に例示するように、分岐血管等のように、血管選択性を求められる際は、基線Ｂを軸に回転させ、押し進めることで方向性を生み出すことが可能であり、側管に容易に挿入することができる。
これに対して、ビーク（くちばし）型ガイドワイヤーは、本発明のガイドワイヤー１で定義した「角度θ」がほとんど０ないし０に近いため、本発明のガイドワイヤー１で定義した「基線Ｂ」を軸に回した際、「基線Ｂ」との「角度θ」が直線に近くなる為、血管選択性を有することが期待できず、図３に例示するように、側管に挿入するのが困難である。
またアングル型ガイドワイヤーは、進入方向性、また分岐部での操作性、血管選択性は、ビーク（くちばし）型ガイドワイヤーより優れているが、図４に例示するように、直角に分岐した血管へ押し込んだ時、分岐血管部に蛇行し易く、目的とする血管への導入が困難である。（特許文献１の［００１９］の説明参照）

以上のように本発明のガイドワイヤー１は、ビーク（くちばし）型及びJ型の利点であり、逆にアングル型には求めることが出来なかった、無用な血管への導入を防止する機能を保持しつつ、従来のビーク（くちばし）型、Ｊ型で求めることが出来なかったアングル型の利点である、血管選択性を求められる場合での、ガイドワイヤーの進入方向性、また分岐部での操作性、血管選択性を持たせることが可能である。すなわち、ビーク（くちばし）型とＪ型、アングル型の相反する利点を併せ持った性能的に優れたガイドワイヤー１である。

本発明のガイドワイヤーの概略図 本発明のガイドワイヤーの使用例の一例を示す概略図 ビーク（くちばし）型ガイドワイヤーの使用例の一例を示す概略図 アングル型ガイドワイヤーの使用例の一例を示す概略図

符号の説明

１ ガイドワイヤー
２ 本体
３ 先端部
３Ｃ 先端曲線部
３Ｓ 先端直線部
４ 第一屈曲部
５ 第二屈曲部
６ 第一屈曲開始点
７ 第二屈曲開始点
８ 最先端部（末端）
９ 第二屈曲終点
Ｂ 基線
Ｄ 基線Ｂと先端８との距離（曲線部の幅）
Ｅ 延長線
Ｌ 先端曲線部（全体）の長さ

Claims (2)

1. 本体（２）の先端部（３）に、第一屈曲部（４）と第二屈曲部（５）を有する先端湾曲部（３Ｃ）を形成したことを特徴とするガイドワイヤー（１）。
2. 本体（２）の長さ方向に水平に延長した基線（Ｂ）、第一屈曲開始点（６）と第二屈曲開始点（７）を結んだ延長線（Ｅ）と定義し、
   前記基線（Ｂ）と延長線（Ｅ）の交差する角度θを１０°から５０°に形成したことを特徴とする請求項１に記載のガイドワイヤー（１）。

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