JP2006020525A - 遺伝子検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 特定の配列を有する遺伝子を高感度に検出する方法を提供する。
【解決手段】 電極上に固定された核酸プローブと、遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせる工程と、二本鎖核酸に特異的に挿入し、かつ光照射により該二本鎖核酸と共有結合を形成する二本鎖核酸結合部位と、電気化学活性を有する電気化学活性部位と、前記二本鎖核酸結合部位と前記電気化学活性部位とを連結する連結部位と、を有する化合物からなる挿入剤を添加する工程と、前記二本鎖核酸と前記挿入剤とを共有結合させる光照射工程と、前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤を電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む遺伝子検出方法において、前記挿入剤の電気化学活性部位は、官能基が導入された複素環系化合物を配位子に有する金属錯体である、ことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 電極上に固定された核酸プローブと、遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせる工程と、二本鎖核酸に特異的に挿入し、かつ光照射により該二本鎖核酸と共有結合を形成する二本鎖核酸結合部位と、電気化学活性を有する電気化学活性部位と、前記二本鎖核酸結合部位と前記電気化学活性部位とを連結する連結部位と、を有する化合物からなる挿入剤を添加する工程と、前記二本鎖核酸と前記挿入剤とを共有結合させる光照射工程と、前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤を電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含む遺伝子検出方法において、前記挿入剤の電気化学活性部位は、官能基が導入された複素環系化合物を配位子に有する金属錯体である、ことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、試料中に存在する特定の遺伝子配列を高感度に検出するための遺伝子検出方法に関し、より詳細には、挿入剤により電気化学的に遺伝子を検出する技術に関する。
従来の、電気化学的に特定の遺伝子配列を検出するDNAチップは、検出すべき目的遺伝子に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブを電極表面に固定化し、該核酸プローブと一本鎖に変性された目的遺伝子サンプルとをハイブリダイズさせた後、該核酸プローブと目的遺伝子サンプルとの二本鎖核酸に特異的に結合し且つ電気化学的に活性な挿入剤を、該核酸プローブと遺伝子サンプルとの反応系に添加し、電極を介した電気化学的な測定により、前記二本鎖核酸に結合した挿入剤を検出し、これにより、目的遺伝子サンプルとハイブリダイズした前記核酸プローブを検出することで、目的とする遺伝子の存在を確認する(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
ここで、前記挿入剤とは、前記二本鎖の核酸を認識して、該二本鎖核酸と特異的に結合する物質を指す。前記挿入剤は、何れも分子中にフェニル基等の平板状挿入基を有し、該挿入基が二本鎖核酸の塩基対と塩基対との間に介入することによって、二本鎖核酸と結合する。この挿入剤と二本鎖核酸との結合は、静電気的相互作用あるいは疎水的相互作用での結合であって、前記挿入剤の二本鎖核酸の塩基対間への挿入、及びその塩基対間からの離脱が一定の速度で繰り返される平衡反応による結合である。
さらに、前記挿入剤の中には電気的に可逆な酸化還元反応を起こす物質があり、このような電気化学的に可逆である酸化還元反応を起こす挿入剤を用いることにより、電気化学的変化の測定によって、前記二本鎖核酸に結合した挿入剤の存在を検出することができる。なお、この電気化学的変化の出力信号としては、酸化還元時に発生する電流や発光が挙げられる。
以上のように、前記検出方法においては、前記挿入剤が二本鎖核酸にのみ特異的に結合すること、また、前記二本鎖核酸に結合した挿入剤の量を検出することが重要となる。しかし、前記挿入剤は、配位結合や共有結合といった化学結合、静電気的相互作用、疎水的相互作用等といった原因により、一本鎖の核酸プローブや、該核酸プローブが固定される電極表面にも非特異的に吸着してしまう。そして、この非特異的に吸着した挿入剤は、前記二本鎖核酸に結合した挿入剤の量の検出時に、バックグランドノイズとなり、検出感度を低下させる原因となる。
これを解消するため、前記検出方法においては、前記挿入剤の添加後に、前記一本鎖の核酸プローブ及び電極表面に非特異的な吸着をしている挿入剤を除去するための洗浄が必要となっている。
特許第2573443号公報
特許第3233851号公報
しかしながら、従来の検出方法では、挿入剤と二本鎖核酸間の結合は静電気的相互作用あるいは疎水的相互作用によるものであって、結合力が弱いため、前述したように、前記一本鎖の核酸プローブや、該核酸プローブが固定される電極表面に非特異的に吸着した挿入剤を除去する洗浄工程の際に、二本鎖核酸に結合させた挿入剤も解離してしまい、逆に検出感度を低下させてしまう、という課題がある。
一方、前記二本鎖核酸に結合した挿入剤が解離しないように考慮した前記洗浄では、該非特異的に吸着した挿入剤の除去が不十分となるため、バックグランドノイズが増加してしまい、検出感度の低下につながる、という課題がある。
本発明は、前記課題を解決するためにされたものであって、前記核酸プローブと目的遺伝子サンプルとの二本鎖核酸と強固に、かつ不可逆的に結合し、さらに非特異吸着を抑え、洗浄により容易に非特異吸着成分の除去が可能な挿入剤を用いることで、目的遺伝子サンプルとハイブリダイズした前記核酸プローブを高感度に検出可能な遺伝子検出方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するため、本発明の遺伝子検出方法は、検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブが固定化された電極と、一本鎖に変性された遺伝子サンプルとを反応させ、該電極に固定化された核酸プローブと前記遺伝子サンプルとがハイブリダイズした二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、二本鎖核酸に特異的に挿入し、かつ光照射により該二本鎖核酸と共有結合を形成する二本鎖核酸結合部位と、電気化学活性を有する電気化学活性部位と、前記二本鎖核酸結合部位と前記電気化学活性部位とを連結する連結部位と、を有する化合物、からなる挿入剤を添加する挿入剤添加工程と、光照射を行うことにより、前記二本鎖核酸と前記挿入剤とを共有結合させる光照射工程と、 前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤を電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含み、前記挿入剤の電気化学活性部位は、官能基が導入された複素環系化合物を配位子に有する金属錯体であるものである。
これにより、前記遺伝子サンプルと核酸プローブとをハイブリダイズさせた二本鎖核酸と、前記挿入剤とを、不可逆的、且つ強固に結合させることができ、この結果、一本鎖の核酸プローブ及び電極表面に非特異的な吸着をしている挿入剤を除去するために洗浄する際、二本鎖核酸に結合した挿入剤が解離することがなくなる。さらに、官能基を導入することにより、電極表面等への非特異吸着を阻害することで、非特異吸着を抑え、洗浄により容易に非特異吸着成分の除去が可能となり、検出すべき遺伝子サンプルを高感度に検出することができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記官能基がアルキル基、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステルの組み合わせから構成されるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記連結部位がアルキル基、アミド、エーテル、ケトン、エステルの組み合わせから構成されるものである。
これにより、挿入剤の電極表面への非特異吸着要因をさらに減少させる構成となり、非特異吸着を抑え、洗浄により容易に非特異吸着成分の除去が可能となり、検出すべき遺伝子サンプルを高感度に検出することができる。
また、本発明の遺伝子検出方法は、検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブが固定化された電極と、一本鎖に変性された遺伝子サンプルとを反応させ、該電極に固定化された核酸プローブと前記遺伝子サンプルとがハイブリダイズした二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、二本鎖核酸に特異的に挿入し、かつ光照射により該二本鎖核酸と共有結合を形成する二本鎖核酸結合部位と、電気化学活性を有する電気化学活性部位と、前記二本鎖核酸結合部位と前記電気化学活性部位とを連結する連結部位と、を有する化合物、からなる挿入剤を添加する挿入剤添加工程と、光照射を行うことにより、前記二本鎖核酸と前記挿入剤とを共有結合させる光照射工程と、 前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤を電気化学的な測定により検出する検出工程、とを含み、前記連結部位がアルキル基、アミド、エーテル、ケトン、エステルの組合わせから構成されるものである。
これにより、挿入剤の電極表面への非特異吸着要因を減少させる構成となり、非特異吸着を抑え、洗浄により容易に非特異吸着成分の除去が可能となり、検出すべき遺伝子サンプルを高感度に検出することができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記電気化学的な測定が、前記電極に対して電圧を印加し、前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤による電気化学発光量を測定するものである。
これにより、電極に固定された二本鎖核酸を高感度に検出することができ、この結果、核酸プローブとハイブリゼーション反応させた遺伝子サンプルを、高感度に検出することができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記金属錯体が酸化還元性を有する化合物であるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記酸化還元性を有する化合物が電気化学発光を示す化合物であるものである。
これにより、前記電極に電圧を印加すると、該電極に固定化された二酸化核酸に結合した挿入剤が酸化還元反応すると共に発光し、該電気化学発光量を測定することで、検出すべき遺伝子サンプルを検出することができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記金属錯体が、配位子にピリジン部位を有する金属錯体であるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体が金属ビピリジン錯体、金属フェナントロリン錯体であるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記金属錯体の中心金属が、ルテニウム、オスニウムであるものである。
これにより、前記電極に電圧を印加した際、より良好な電気化学発光量を得ることができ、前記遺伝子サンプルをより高感度に検出することができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記二本鎖核酸結合部位が感光性挿入剤であるものである。
これにより、前記二本鎖核酸と前記挿入剤とを、光照射することによって、不可逆的、且つ強固に結合させることができる。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記感光性挿入剤がフロクマリン誘導体であるものである。
さらに、本発明の遺伝子検出方法は、前記フロクマリン誘導体がソラレン誘導体であるものである。
本発明の遺伝子検出方法によれば、二本鎖核酸と挿入剤とを、不可逆的、且つ強固に結合させることができ、二本鎖核酸に結合した挿入剤が解離することがなくなり、さらに、二本鎖核酸に結合していない挿入剤の非特異吸着を抑えることができ、高感度に二本鎖核酸の形成状態を検出することができる。
以下に、本発明の遺伝子検出方法について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態における遺伝子サンプルとは、例えば、血液、白血球、血清、尿、糞便、***、唾液、培養細胞、各種臓器細胞のような組織細胞、その他遺伝子を含有する任意の試料から、該試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖の核酸に解離させたものである。また、本実施の形態における遺伝子サンプルは、制限酵素で切断して電気泳動による分離等で精製した核酸断片でもよい。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における遺伝子検出方法について説明する。まず、検査対象となる遺伝子サンプルを作成する。この遺伝子サンプルは、前述したように、任意の試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖に変性させる。
以下、実施の形態1における遺伝子検出方法について説明する。まず、検査対象となる遺伝子サンプルを作成する。この遺伝子サンプルは、前述したように、任意の試料中の細胞を破壊して二本鎖核酸を遊離させ、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖に変性させる。
このとき、前記試料中の細胞の破壊は、常法により行うことができ、例えば、振とう、超音波等の物理的作用を外部から加えて行うことができる。また、核酸抽出溶液(例えば、SDS、Triton−X、Tween−20等の界面活性剤、又はサポニン、EDTA、プロテア−ゼ等を含む溶液等)を用いて、細胞から核酸を遊離させることもできる。
次に、検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブを生成する。この核酸プローブは、生物試料から抽出した核酸を制限酵素で切断し、電気泳動による分離等で精製した核酸あるいは化学合成で得られた一本鎖の核酸を用いることができる。生物試料から抽出した核酸の場合には、熱処理あるいはアルカリ処理によって、一本鎖の核酸に解離させておくことが好ましい。そしてこの後、前述のようにして得られた核酸プローブを電極に固定する。
本発明で用いる電極は、電極として使用可能であればどのようなものであってもよく、例えば、金、白金、白金黒、パラジウム、ロジウムのような貴金属電極や、グラファイト、グラシーカーボン、パイロリティックグラファイト、カーボンペースト、カーボンファイバーのような炭素電極や、酸化チタン、酸化スズ、酸化マンガン、酸化鉛のような酸化物電極や、Si、Ge、 ZnO、 CdS、TiO、GaAsのような半導体電極等が挙げられる。これらの電極は、導電性高分子によって被覆しても良く、このように被覆することによって、より安定なプローブ固定化電極を調製することができる。
なお、前記核酸プローブを前記電極に固定化する方法としては、公知の方法が用いられる。一例をあげると、例えば前記電極が金である場合、固定する核酸プローブの5’−もしくは3’−末端(好ましくは、5’−末端)にチオール基を導入し、金とイオウとの共有結合を介して、前記核酸プローブが該金電極に固定される。この核酸プローブにチオール基を導入する方法は、文献(M.Maeda et al.,Chem.Lett.,1805〜1808(1994)及びB.A.Connolly,Nucleic Acids Res.,13,4484(1985))に記載されているものが挙げられる。
即ち、前記方法によって得られたチオール基を有する核酸プローブを、金電極に滴下し、低温下で数時間放置することにより、該核酸プローブが電極に固定され、核酸プローブが作製される。
また別の例をあげると、例えば前記電極がグラシーカーボンである場合、まずグラシーカーボンを過マンガン酸カリウムで酸化することによって、電極表面にカルボン酸基を導入し、これにより、核酸プローブが、アミド結合によりグラシーカーボン電極表面に固定される。このグラシーカーボン電極に核酸プローブを固定する、実際の固定化方法については、文献(K.M.Millan et al.,Analytical Chemistry,65,2317〜2323(1993))に詳細が記載されている。
そして、以上のようにして得られた、核酸プローブが結合した電極を、前記遺伝子サンプルを含む溶液に接触させることにより、核酸プローブと相補的な配列を有する遺伝子サンプルがハイブリダイズし、二本鎖核酸が形成される。この核酸プローブと遺伝子サンプルをハイブリダイズさせる方法は周知であるため、ここでは説明を省略する。
このように二本鎖核酸を形成した後、挿入剤を添加して、該挿入剤を前記二本鎖核酸に挿入させる。なお、この挿入剤の添加は、二本鎖核酸を形成する前、つまりハイブリダイゼーション反応前に、前記検体試料中に添加するものであってもよい。
そして、挿入剤を二本鎖核酸に挿入させた後に光照射を行い、二本鎖核酸と挿入剤との間で共有結合を形成させる。
以下、前記二本鎖核酸に挿入する挿入剤について説明する。本発明の挿入剤は、前記二本鎖核酸に特異的に挿入し、光照射により二本鎖核酸と共有結合する特徴をもつ物質を用いる。これにより、前記挿入剤は、二本鎖核酸と、強固且つ不可逆的に結合するため、この後の工程である洗浄工程の際に、二本鎖核酸に結合した挿入剤が解離することがない。さらに、本発明の挿入剤は、電気化学的に活性である特徴を持つ物質を用いる。これにより、前記二本鎖核酸に特異的に結合した挿入剤由来の電気化学的な信号により、該二本鎖核酸の存在を高感度に検出できる。
前述した2つの特性を満たす挿入剤は、前記二本鎖核酸に特異的に挿入し、且つ光照射により二本鎖核酸と共有結合する二本鎖核酸結合部位(I)と、電気化学活性を有する電気化学活性部位(F)と、前記二本鎖核酸結合部位と前記電気化学活性部位とを連結する連結部位(L)と、を有する化合物である。
例えば、このような挿入剤は、下記一般式(1)で表すことができる。
一般式
F − L − I (1)
(式中Fは電気化学活性基、Lは連結基、Iは光照射により二本鎖核酸と架橋する部位を有する二本鎖核酸挿入基を表わす。)
ここで、前記一般式(1)に示す、二本鎖核酸挿入基Iとして用いることができる物質としては、二本鎖核酸に特異的に挿入し、且つ光照射により二本鎖核酸と共有結合できる物質であり、感光性をもつ挿入剤が挙げられる。
F − L − I (1)
(式中Fは電気化学活性基、Lは連結基、Iは光照射により二本鎖核酸と架橋する部位を有する二本鎖核酸挿入基を表わす。)
ここで、前記一般式(1)に示す、二本鎖核酸挿入基Iとして用いることができる物質としては、二本鎖核酸に特異的に挿入し、且つ光照射により二本鎖核酸と共有結合できる物質であり、感光性をもつ挿入剤が挙げられる。
そして、このような感光性挿入剤としては、例えば、フロクマリン誘導体が挙げられ、特に、ソラレン誘導体が好ましい。このソラレン誘導体は、二本鎖核酸に挿入すると、二本鎖核酸と非共有的相互作用を起こし、さらにこれに長波長紫外線(300〜400nm)を照射すると、安定な共有結合を形成する。
これにより、二本鎖核酸に挿入したソラレン誘導体部分が、強固に且つ不可逆的に二本鎖核酸と共有結合するようになり、前記一本鎖の核酸プローブや、該核酸プローブが固定される電極表面に非特異吸着した挿入剤を洗浄等する操作によって、二本鎖核酸に結合させた挿入剤が抜け落ちることがなくなる。これにより、前記一本鎖の核酸プローブ及び電極表面に非特異吸着した挿入剤に対して、強い洗浄を行って除去することができるようになる。
このようなソラレン誘導体の具体的な例としては、ソラレン、メトキシソラレン、トリメチルソラレン等が挙げられる。
次に、前記一般式(1)に示す、電気化学活性基Fとして用いることができる物質は、電気化学的に検出可能な物質であり、複素環系化合物を配位子に有する金属錯体を挙げることができる。
このような金属錯体は、酸化還元性を有する化合物であり、可逆な酸化還元反応時に生じる酸化還元電流を測定することで物質の検出が可能である。
さらに、このような金属錯体には、酸化還元反応時に電気化学発光を生じるものもあり、その発光を測定することで検出を行うこともできる。
さらに、前述金属錯体としては、酸素や窒素等を含む複素環系化合物、例えば、ピリジン部位、ピラン部位等を配位子に有する金属錯体があり、特にピリジン部位を配位子に有する金属錯体が好ましい。
さらに、前述のピリジン部位を配位子に有する金属錯体としては、例えば、金属ビピリジン錯体、金属フェナントロリン錯体等がある。
さらに、前記金属錯体において、中心金属としては、例えば、ルテニウム、オスニウム、亜鉛、コバルト、白金、クロム、モリブデン、タングステン、テクネチウム、レニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、銅、インジウム、ランタン、プラセオジム、ネオジム、サマリウム等を挙げることができる。
そして特に、中心金属がルテニウム、オスニウムである錯体は良好な電気化学発光特性を有し、このような良好な電気化学発光特性を有する物質としては、例えば、ルテニウムビピリジン錯体、ルテニウムフェナントロリン錯体、オスニウムビピリジン錯体、オスニウムフェナントロリン錯体等を挙げることができる。
さらに、上記のような金属錯体の配位子に官能基を導入することにより、錯体の配位子骨格のπ電子が、電極の空軌道に入ることを阻害するため、配位結合による非特異吸着を抑えることができる。
金属錯体の配位子に導入する官能基としては、アルキル基、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、またこれらの組み合わせから構成される官能基を挙げることができる。
さらに、アルコール、アルデヒド、カルボン酸、アミド、は、極性をもつ官能基であり、親水性を有しているため、疎水的相互作用による吸着の低減に有効に作用する。
特に、カルボン酸は、水溶液中において負電荷を有する官能基であり、電極に金のような貴金属を使用した場合には、電極表面は負に帯電しており、反発する。そのため、静電気的相互作用による吸着の低減に有効に作用する。
一般式(1)において、Lで示される物質は、FとIとを連結する連結部位である。連結部は、アルキル基、アミド、エーテル、ケトン、エステル、またこれらの組み合わせから構成されることを特徴としており、電極表面に配位結合する非共有電子対を持たない構成となる。そのため、連結部位の構造に起因した非特異吸着の発生を低減することが可能となる。
以上のように、本発明の挿入剤は、金属錯体の配位子に官能基を導入すること、および、連結部の構成により、非特異吸着を低減させることが可能となる。さらに、金属錯体の配位子に官能基を導入すること、および、連結部の構成による非特異吸着の低減効果は、互いに独立に働くものであり、前者のみ、もしくは後者のみでも非特異吸着の低減に有効に働くため、どちらか一方を適用した挿入剤を用いてもよい。しかし、非特異吸着の低減効果は、両者の効果を組合わせた場合が最も効果が高く、両者を適用した挿入剤を用いることがより好ましい。
以上に説明したような挿入剤を、前記遺伝子サンプルと電極に固定化された前記核酸プローブをハイブリダイズさせる前か後に添加し、該核酸プローブと遺伝子サンプルとがハイブリダイズした二本鎖核酸と前記挿入剤とを光照射により共有結合させた後、洗浄を行い、前記一本鎖の核酸プローブや、該核酸プローブが固定される電極表面に非特異的に吸着した挿入剤を除去する。
以上に説明したような挿入剤を、前記遺伝子サンプルと電極に固定化された前記核酸プローブをハイブリダイズさせる前か後に添加し、該核酸プローブと遺伝子サンプルとがハイブリダイズした二本鎖核酸と前記挿入剤とを光照射により共有結合させた後、洗浄を行い、前記一本鎖の核酸プローブや、該核酸プローブが固定される電極表面に非特異的に吸着した挿入剤を除去する。
この結果、前記ハイブリダイズした二本鎖核酸に、特異的に共有結合した挿入剤のみが残るようになり、この挿入剤由来の電気化学的な信号を測定することにより、二本鎖核酸の存在を高感度に検出することができる。
前記挿入剤由来の電気化学的な信号は、添加する挿入剤の種類により異なるが、酸化還元電流を生じる挿入剤を用いた場合には、ポテンショスタット、ファンクションジェネレータ等からなる計測系で測定できる。一方、電気化学発光を生じる挿入剤を用いた場合には、フォトマルチプライヤー等を用いて計測が可能である。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)金電極表面への核酸プローブの固定化
ガラス基板上にスパッタ装置(アルバック製SH−350)によりチタン10nmを下地に金200nmを形成し、フォトリソグラフィ工程により電極パターンを形成することで、金電極を準備した。電極表面をピラニア溶液(過酸化水素:濃硫酸=1:3)で1分間洗浄し、純水ですすいだ後、窒素ブローで乾燥させた。
ガラス基板上にスパッタ装置(アルバック製SH−350)によりチタン10nmを下地に金200nmを形成し、フォトリソグラフィ工程により電極パターンを形成することで、金電極を準備した。電極表面をピラニア溶液(過酸化水素:濃硫酸=1:3)で1分間洗浄し、純水ですすいだ後、窒素ブローで乾燥させた。
核酸プローブには、ヒト由来Cytochrome P−450の遺伝子配列の5´末端より629−668番目に位置するCCCCCTGGATCCAGATATGCAATAATTTTCCCACTATCATの配列を有する5´末端のリン酸基を介してチオール基を修飾した40塩基のオリゴデオキシヌクレオチド(タカラバイオ製)を使用した。そして、該核酸プローブを10mMのPBS(pH7.4のリン酸ナトリウム緩衝液)に溶解させ、100μMに調整した。
この調整した核酸プローブの溶液を前記金電極上に滴下し、飽和湿潤下、室温で4時間放置することで、チオール基と金とを結合させて、核酸プローブを金電極に固定した。
(2)ハイブリダイゼーション
遺伝子サンプルには、前記核酸プローブと相補的な5´末端からATGATAGTGGGAAAATTATTGCATATCTGGATCCAGGGGGの配列を有するオリゴデオキシヌクレオチド(タカラバイオ製)を使用した。そして、該遺伝子サンプルを、10mMのPBS、及び2XSSCを混合したハイブリダイゼーション溶液に溶解させ、20μMに調整した。
遺伝子サンプルには、前記核酸プローブと相補的な5´末端からATGATAGTGGGAAAATTATTGCATATCTGGATCCAGGGGGの配列を有するオリゴデオキシヌクレオチド(タカラバイオ製)を使用した。そして、該遺伝子サンプルを、10mMのPBS、及び2XSSCを混合したハイブリダイゼーション溶液に溶解させ、20μMに調整した。
この調整した、遺伝子サンプルが溶解したハイブリダイゼーション溶液を、前記核酸プローブを固定した金電極上に滴下し、40℃の恒温槽内で4時間反応させ、二本鎖核酸を形成させた。これにより、二本鎖核酸が形成された金電極xを得た。
さらに、本実施例においては、比較対象として、二本鎖核酸が形成されていない金電極yを作成する。この二本鎖核酸が形成されない金電極yは、前記核酸プローブと非相補的な配列を有する遺伝子サンプル(以下、「比較遺伝子サンプル」と称す。)を使用して、前記二本鎖核酸が形成された金電極xを得る時と同様の処理をする。なお、ここでは、前記比較遺伝子サンプルとして、40merのPoly−A(タカラバイオ製)、AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAの配列を有する遺伝子サンプルを使用した。
(3)挿入剤の添加
挿入剤には、下記の化1に示すソラレン修飾ルテニウム錯体を使用した。
挿入剤には、下記の化1に示すソラレン修飾ルテニウム錯体を使用した。
ソラレン修飾ルテニウム錯体の合成は、以下手順により得ることができる。
乾燥ジメチルホルムアミド50mLに溶解させた水素化ナトリウム60%2.2g(55mmol)を窒素雰囲気の容器に入れ、これに1,4−ブタンジオール0.49g(5.44mmol)を滴下し1時間還流した。次に、公知の方法(Biochemistry,vol.16,No6,1977)により合成した4’−クロロメチル−4,5,8−トリメチルソラレン(0.5g、1.81mmol)を、乾燥ジメチルホルムアミド10mLに溶解させ、滴下した。12時間反応後、蒸留水で水素化ナトリウムをクエンチした。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液に入れ、撹拌した後、クロロホルムで抽出した。溶媒を留去した後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理により精製し、生成物Aを得た(収率62%)。
THF60.0mLに溶解させた4,4‘−ジメチル−2,2’ビピリジン2.50g(1.35×10−2mol)溶液を窒素雰囲気の容器に注入した後、リチウムジイソプロピルアミド2M溶液16.9mL(2.70×10−2mol)を滴下し、冷却しながら30分撹拌した。一方、同様に窒素気流中で乾燥させた容器に1,2−ジブロモエタン7.61g(4.05×10−2mol)とTHF10mLを加え、冷却しながら撹拌させた。この容器に、先程の反応液を滴下し、2.5時間反応させた。反応溶液は2Nの塩酸で中和し、THFを留去した後、クロロホルムで抽出した。溶媒を留去して得た粗生成物をシリカゲルカラムで精製し、生成物Bを得た(収率47%)。
乾燥ジメチルホルムアミド5.0mLに溶解させた水素化ナトリウム60%11mg(0.46mmol)を窒素雰囲気の容器に入れ、これに生成物A0.10g(0.30mmol)を加え1時間還流した。次に、生成物B(0.13g、0.45mmol)を、乾燥ジメチルホルムアミド5.0mLに溶解させ、滴下した。8時間反応後、蒸留水で水素化ナトリウムをクエンチした。反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液に入れ、撹拌した後、クロロホルムで抽出した。溶媒を留去した後、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理により精製し、生成物Cを得た(収率48%)。
2,2’−ビピリジン−4,4‘−ジカルボン酸1.0g、4.1mmol;和光純薬製)をエタノール20mLに入れ、濃硫酸を数滴加え、2時間還流した。炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後、溶媒を留去し、エタノールから再結晶を行い、生成物D(4,4‘−ジカルボキシエチル−2,2’−ビピリジン)を得た(収率90%)。
塩化ルテニウム(III)・二水和物(0.24g、1.0mmol)および生成物D(0.66g、2.2mmol)をジメチルホルムアミド(80.0mL)中で6時間還流した後、溶媒を留去した。その後、アセトンを加え、一晩冷却することで得られた黒色沈殿物を採取し、エタノール水溶液170mL(エタノール:水=1:1)を加え1時間加熱還流を行った。ろ過後塩化リチウムを20g加え、エタノールを留去し、さらに一晩冷却した。析出した黒色物質は吸引ろ過で採取し、生成物Eを得た(収率51.3%)。
生成物C(0.17g、0.31mmol)および生成物E(0.30g、0・39mmol)をジメチルホルムアミドに溶かし、5時間還流した。反応後、溶媒を留去させて得た黒紫色の物質に蒸留水を加えて溶解させ、未反応錯体をろ過により除去した後、溶媒を留去した。得られた粗生成物は、シリカゲルクロマトグラフィー処理により精製してから、アルカリ溶液(1N NaOH)中で加水分解させ、ソラレン修飾ルテニウム錯体を得た(収率62%)。表1は、前述のようにして得たソラレン修飾ルテニウム錯体の1H−NMR結果である。
(表1)
1H−NMR(300MHz、DMSOd−6)
σ:
1.5〜2.0(12H,m)
2.4〜2.6(12H,m)
2.74 (2H,t)
4.33 (2H,s)
6.32 (1H,s)
7.34 (2H,s)
7.48 (1H,s)
7.61 (2H,d)
7.82 (4H,m)
8.22 (4H,d)
8.74 (2H,d)
8.82 (4H,d)
このようにして得られたソラレン修飾ルテニウム錯体を10mMのPBSで2μMに調整した。この調整した溶液を、二本鎖核酸が形成された金電極x、及び二本鎖核酸が形成されていない金電極yにそれぞれ添加し、30分間4℃の冷蔵庫内で暗反応を行った。
(表1)
1H−NMR(300MHz、DMSOd−6)
σ:
1.5〜2.0(12H,m)
2.4〜2.6(12H,m)
2.74 (2H,t)
4.33 (2H,s)
6.32 (1H,s)
7.34 (2H,s)
7.48 (1H,s)
7.61 (2H,d)
7.82 (4H,m)
8.22 (4H,d)
8.74 (2H,d)
8.82 (4H,d)
このようにして得られたソラレン修飾ルテニウム錯体を10mMのPBSで2μMに調整した。この調整した溶液を、二本鎖核酸が形成された金電極x、及び二本鎖核酸が形成されていない金電極yにそれぞれ添加し、30分間4℃の冷蔵庫内で暗反応を行った。
(4)二本鎖核酸と挿入剤との共有結合
30分後、UVクロスリンカー(フナコシ製UVPCL1000L型)を用いて波長365nm、5mW/cm2の紫外線を10分間照射し、ソラレンと二本鎖核酸とを共有結合させた。共有結合後、金電極を10mMのPBSで10分間揺動洗浄し、未反応のRu錯体を取り除いた。
30分後、UVクロスリンカー(フナコシ製UVPCL1000L型)を用いて波長365nm、5mW/cm2の紫外線を10分間照射し、ソラレンと二本鎖核酸とを共有結合させた。共有結合後、金電極を10mMのPBSで10分間揺動洗浄し、未反応のRu錯体を取り除いた。
(5)電気化学測定
以上の工程の後、二本鎖核酸が形成された電極x、及び二本鎖核酸が形成されていない電極yのそれぞれに、0.1MのPBSおよび0.1Mのトリエチルアミンを混合した電解液を滴下した。その後、それぞれの電極x,yに電圧を印加し、この時に生じた挿入剤由来の電気化学発光の測定を行った。なお、電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、1秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における最大発光量を測定した。
以上の工程の後、二本鎖核酸が形成された電極x、及び二本鎖核酸が形成されていない電極yのそれぞれに、0.1MのPBSおよび0.1Mのトリエチルアミンを混合した電解液を滴下した。その後、それぞれの電極x,yに電圧を印加し、この時に生じた挿入剤由来の電気化学発光の測定を行った。なお、電圧の印加は、0Vから1.3Vまで走査し、1秒間電気化学測定を行った。電気化学発光量の測定は、光電子増倍管(浜松ホトニクス製H7360−01)を用いて行い、電圧走査中における最大発光量を測定した。
図1は、本実施例における、二本鎖核酸が形成された電極x、及び二本鎖核酸が形成されていない電極yにおいて検出された最大電気化学発光量を示したものである。
図1から明らかなように、二本鎖核酸が形成された電極xでの発光量は、二本鎖核酸が形成されていない電極yでの発光量と比較して著しく高い値となっており、本実施例の挿入剤を用いれば、高感度に二本鎖核酸の検出が可能であることが分かる。
本発明にかかる遺伝子検出方法は、特定の配列を有する遺伝子を高感度に検出することができ、遺伝子診断、感染症診断、ゲノム創薬等の用途に適用できる。
Claims (13)
- 特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、
検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブが固定化された電極と、一本鎖に変性された遺伝子サンプルとを反応させ、該電極に固定化された核酸プローブと前記遺伝子サンプルとがハイブリダイズした二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、
二本鎖核酸に特異的に挿入し、かつ光照射により該二本鎖核酸と共有結合を形成する二本鎖核酸結合部位と、電気化学活性を有する電気化学活性部位と、前記二本鎖核酸結合部位と前記電気化学活性部位とを連結する連結部位と、を有する化合物からなる挿入剤を添加する挿入剤添加工程と、
光照射を行うことにより、前記二本鎖核酸と前記挿入剤とを共有結合させる光照射工程と、
前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤を電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含み、
前記挿入剤の電気化学活性部位は、官能基が導入された複素環系化合物を配位子に有する金属錯体である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項1に記載の遺伝子検出方法において、
前記官能基がアルキル基、アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステルの組み合わせから構成される、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項1に記載の遺伝子検出方法において、
前記連結部位がアルキル基、アミド、エーテル、ケトン、エステルの組合わせから構成される、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 特定の配列を有する遺伝子を検出する遺伝子検出方法であって、
検出すべき遺伝子配列に対して相補的な塩基配列を有する一本鎖の核酸プローブが固定化された電極と、一本鎖に変性された遺伝子サンプルとを反応させ、該電極に固定化された核酸プローブと前記遺伝子サンプルとがハイブリダイズした二本鎖核酸を形成する二本鎖核酸形成工程と、
二本鎖核酸に特異的に挿入し、かつ光照射により該二本鎖核酸と共有結合を形成する二本鎖核酸結合部位と、電気化学活性を有する電気化学活性部位と、前記二本鎖核酸結合部位と前記電気化学活性部位とを連結する連結部位と、を有する化合物、からなる挿入剤を添加する挿入剤添加工程と、
光照射を行うことにより、前記二本鎖核酸と前記挿入剤とを共有結合させる光照射工程と、
前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤を電気化学的な測定により検出する検出工程と、を含み、
前記連結部位がアルキル基、アミド、エーテル、ケトン、エステルの組合わせから構成される、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項1から4に記載の遺伝子検出方法において、
前記電気化学的な測定は、前記電極に対して電圧を印加し、前記二本鎖核酸と共有結合した挿入剤による電気化学発光量を測定するものである、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項1から3に記載の遺伝子検出方法において、
前記金属錯体が酸化還元性を有する化合物である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項6に記載の遺伝子検出方法において、
前記酸化還元性を有する化合物が電気化学発光を示す化合物である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項7に記載の遺伝子検出方法において、
前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体が、配位子にピリジン部位を有する金属錯体である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項8に記載の遺伝子検出方法において、
前記配位子にピリジン部位を有する金属錯体が、金属ビピリジン錯体、金属フェナントロリン錯体である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項9に記載の遺伝子検出方法において、
前記配位子に複素環系化合物を有する金属錯体の中心金属が、ルテニウム、オスニウムである、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項1から4に記載の遺伝子検出方法において、
前記二本鎖核酸結合部位が感光性挿入剤である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項11に記載の遺伝子検出方法において、
前記感光性挿入剤がフロクマリン誘導体である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。 - 請求項12に記載の遺伝子検出方法において、
前記フロクマリン誘導体がソラレン誘導体である、
ことを特徴とする遺伝子検出方法。
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JP2007304091A (ja) * | 2006-04-10 | 2007-11-22 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 遺伝子検出方法 |
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