JP2006018116A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 応答速度が速く表示品位に優れると共に、消費電力が小さい液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 互いに対向する2枚の基板間に負の誘電率異方性を有する液晶材料を挟持すると共に、上記液晶材料を構成する液晶分子の長軸方向が少なくとも一方の基板の主面に対して閾値電圧未満で略垂直方向に配向し、かつ閾値電圧以上で略平行方向に配向する液晶層を有する液晶表示装置であって、上記液晶層は、液晶材料の屈折率異方性をΔn、液晶層の厚さをd(nm)としたときに、リタデーションΔn・dが下記式;
240nm<Δn・d<420nm (1)
を満たし、かつ液晶材料のスプレイの弾性定数K11及びベンドの弾性定数K33のうち少なくとも一方が下記式;
K11≦15又はK33≦15 (2)
を満たす液晶表示装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関する。より詳しくは、コンピュータ、ワードプロセッサ、車載ナビゲーションのモニタ、テレビジョン等に広く適用することができる液晶表示装置に関するものである。
近年、液晶表示装置は、軽量・薄型・低消費電力を実現することができるディスプレイとして注目されており、その駆動方式としては、アクティブマトリクス駆動方式が一般的に用いられている。従来のアクティブマトリクス型液晶表示装置の表示方式としては、TN(Twisted Nematic;ツイステッドネマチック)液晶を用いたTN方式が主流であったが、TN方式では、電圧印加時においても電圧無印加時の配向方位をある程度保った状態で液晶表示パネルの法線方向に液晶分子が配向し、電圧印加時の液晶分子の配向状態に方位角依存性が発生するので、視野角特性が狭いという点で改善の余地があった。
これに対して、視野角特性を改善することができる方式として、電圧無印加時に垂直配向した液晶分子を電圧印加時に液晶表示パネルの少なくとも一方の基板側に設けた突起物等の構造物による電界の歪みによって配向制御し、複数の方向に液晶分子の配向分割を行うMVA(Multi−domain Vertical Alignment;マルチドメイン垂直配向)型液晶表示装置が注目されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、図5を参照して、従来のMVA型液晶表示装置について説明する。図5(a)は、従来のMVA型液晶表示装置の電圧無印加状態における要部を概略的に示す断面模式図であり、図5(b)は、従来のMVA型液晶表示装置の電圧印加状態における要部を概略的に示す断面模式図である。
図5(a)に示すMVA型液晶表示装置においては、TFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)基板31上(液晶39側)には、ITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウム錫)透明電極からなる画素電極32と共に、局所的に液晶分子40の配向を規制する絶縁体からなる突起33が設けられ、これらを覆うように垂直配向膜34が設けられている。一方、TFT基板31と対向するCF(Color Filter;カラーフィルタ)基板35上(液晶39側)には、ITO透明電極からなる共通電極36と共に、局所的に液晶分子40の配向を規制する絶縁体からなる突起37がTFT基板31側に設けられた突起33と(基板面垂直方向から見て)投影的に重ならない位置に設けられ、これらを覆うように垂直配向膜38が設けられている。そして、TFT基板31とCF基板35との間には、負の誘電率異方性(Δε<0)を有する液晶39が注入されている。この場合、突起33、37の近傍の液晶分子40は、突起33、37の形状に依存した配向状態を示すことになり、突起33、37の表面を覆う垂直配向膜34、38の法線方向に揃うように傾斜して配向することになる。一方、突起33、37から離れた位置の液晶分子40は、垂直配向膜34、38の規制を受けて基板31、35に対して垂直配向することになる。
このような構成のMVA型液晶表示装置は、TFT基板31側に設けられる偏光子41とCF基板35側に設けられる偏光子42とをクロスニコル配置することによって、電圧を印加しない状態において“黒”表示になる。そして、電圧を印加することによって、予め傾斜配向していた突起33、37近傍の液晶分子40の傾斜配向が伝搬し、液晶分子40全体の配向が印加電圧に応じて傾斜角θpだけ傾斜し、透過状態から中間状態(中間調)の表示が得られることになる。
このようにMVA型液晶表示装置においては、突起33、37を設けて液晶分子40の一部を予め傾斜配向させているので、TN方式等の従来の他の液晶表示装置に比べて速い応答速度が得られると共に、液晶分子40が複数の方向に配向分割されているので、上下左右160°の広い視野角(10以上のコントラスト比で表示できる角度)を実現することができる。なお、突起33、37の代わりに切り欠き部、すなわちスリット部を画素電極32又は共通電極36に設けることによっても、同様の効果を得ることができる。
しかしながら、近年、液晶表示装置においては、パーソナルコンピュータ等の主に静止画用途のモニタのみならず、動画対応のモニタの需要が高まっていると共に、残像や表示ボケを生じさせない応答性が要求されるようになってきており、MVA型液晶表示装置においても更なる応答速度の改善が求められている。
そこで、MVA型液晶表示装置の応答速度の改善策として、セル厚を小さくすることが提案されている。しかしながら、セル厚を小さくした場合には、セルの光透過率の低下を防ぐために、高い屈折率異方性Δnの液晶が必要となり、液晶は屈折率異方性Δnが大きくなるとその粘性が高まる傾向にあるため、応答速度が遅くなって、セル厚を小さくした効果が相殺されてしまうため、充分な応答速度の改善効果を得ることは困難であった。
また、横方向(パネル面に対して平行方向の)電界を印加することによって液晶分子をパネル画面内で(パネル面に対して平行方向に)駆動するIPS(In−Plane Switching;面内スイッチング)型液晶表示装置においては、中間調の応答速度の高速化が図られている。しかしながら、IPS型液晶表示装置では、開口率の観点から電極間の幅を小さくすることに限界があるため、駆動電圧が高くなってしまう点で改善の余地があった。
なお、液晶表示装置においては、一般的に消費電力を低下させるために種々の工夫がなされているが、液晶表示パネルの消費電力を低下させるためには、液晶分子を低電圧で駆動させる必要がある。そのためには、液晶材料の誘電率異方性|Δε|を大きくする必要があるが、誘電率異方性|Δε|を大きくすると、信頼性が低下することが知られている。これに対し、動画対応のモニタ、特にテレビジョン等では長期に渡って高い信頼性が要求されるため、液晶材料の誘電率異方性|Δε|の制御による液晶表示パネルの低消費電力化は困難な状況にあった。
特開平11−242225号公報(第1、162頁、第1図)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、応答速度が速く表示品位に優れると共に、消費電力が小さい液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、垂直配向(VA)型液晶表示装置の応答速度の向上及び消費電力の低減について種々検討したところ、液晶層の液晶材料の特性、中でもスプレイの弾性定数K11及びベンドの弾性定数K33に着目した。そして、液晶層のリタデーションΔn・dが、240nm<Δn・d<420nmを満たし、かつ液晶材料のスプレイの弾性定数K11(pN)及びベンドの弾性定数K33(pN)のうち少なくとも一方がK11≦15又はK33≦15を満たすことで、液晶の応答速度の高速化や液晶表示パネルの低消費電力化を実現することができることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、互いに対向する2枚の基板間に負の誘電率異方性を有する液晶材料を挟持すると共に、上記液晶材料を構成する液晶分子の長軸方向が少なくとも一方の基板の主面に対して閾値電圧未満で略垂直方向に配向し、かつ閾値電圧以上で略平行方向に配向する液晶層を有する液晶表示装置であって、上記液晶層は、液晶材料の屈折率異方性をΔn、液晶層の厚さをd(nm)としたときに、リタデーションΔn・dが下記式;
240nm<Δn・d<420nm (1)
を満たし、かつ液晶材料のスプレイの弾性定数K11(pN)及びベンドの弾性定数K33(pN)のうち少なくとも一方が下記式;
K11≦15又はK33≦15 (2)
を満たす液晶表示装置である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の液晶表示装置は、互いに対向する2枚の基板間に負の誘電率異方性を有する液晶材料を挟持すると共に、上記液晶材料を構成する液晶分子の長軸方向が少なくとも一方の基板の主面に対して閾値電圧未満で略垂直方向に配向し、かつ閾値電圧以上で略平行方向に配向する液晶層を有するものである。液晶材料としては負の誘電率異方性を有するものであれば特に限定されないが、ネマチック液晶材料が好ましい。また、本発明において、基板間に挟持される液晶材料は、1種の液晶材料からなるものであってもよく、複数種の液晶材料が混合されたものであってもよい。なお、基板間に挟持される液晶材料の特性については、1種の液晶材料により構成されるときには、当該1種の液晶材料の性質であり、2種以上の液晶材料により構成されるときには、基板間に挟持される液晶材料中に含まれる割合で当該2種以上の液晶材料を混合したときの特性である。
なお、本発明において、閾値電圧とは、液晶層が光学的な変化を起こし、液晶表示装置において表示状態が変化することになる電場を生じる電圧値を意味する。例えば、明状態の光透過率を100%に設定したとき、10%の光透過率を与える電圧値を意味する。略垂直方向とは、基板の主面に対して実質的に垂直な方向であることが好ましいが、垂直配向(VA)型液晶表示装置として有効に機能することが可能な範囲であれば、垂直方向に対して角度を有する方向も含むものである。略平行方向とは、基板の主面に対して実質的に平行な方向であることが好ましいが、垂直配向(VA)型液晶表示装置として有効に機能することが可能な範囲であれば、平行方向に対して角度を有する方向も含むものである。
本発明においては、互いに対向する2枚の基板間に印加される電圧が閾値電圧未満の場合には、液晶分子の長軸方向(配向方向)は、主に基板上の液晶層側に設けられた垂直配向膜等によって制御され、基板の主面に対して略垂直配向に配向することとなり、閾値電圧以上の場合には、液晶分子の長軸方向(配向方向)は、主に電圧印加により発生した電場により制御され、基板の主面に対して略平行方向に配向することとなる。
なお、本発明の液晶表示装置は、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
上記液晶層は、液晶材料の屈折率異方性をΔn、液晶層の厚さをd(nm)としたときに、リタデーションΔn・dが下記式;
240nm<Δn・d<420nm (1)
を満たす。液晶層の光学設計におけるリタデーションΔn・dの最適値は、複屈折モードでは、λ/2条件(275nm)であり、旋光を使うモードでは、400nmである。本発明においては、リタデーションΔn・dが240nmを超えて、420nm未満であることにより、複屈折モードと旋光を使うモードでの最適設計値を含んだうえで、製造上のマージン、液晶層の条件や他の構成要素との調整等を考慮した場合でも、良好な表示を得ることができる。リタデーションΔn・dのより好ましい範囲は、260〜280nm又は390〜410nmである。
液晶材料の屈折率異方性Δnの好ましい下限は0.07、好ましい上限は0.13である。なお、屈折率異方性Δnは、設計波長550nmの光により25℃で測定された値を用いる。液晶層の厚さdの好ましい下限は2000nm、好ましい上限は5500nmである。なお、液晶層の厚さdは、セルギャップともいう。
上記液晶層は、液晶材料のスプレイ(広がり)の弾性定数K11(pN)及びベンド(曲がり)の弾性定数K33(pN)のうち少なくとも一方が、下記式;
K11≦15又はK33≦15 (2)
を満たす。すなわち、本発明においては、(1)K11≦15のみを満たす場合、(2)K33≦15のみを満たす場合、(3)K11≦15とK33≦15との両方を満たす場合のいずれであってもよい。なお、スプレイの弾性定数K11及びベンドの弾性定数K33は、25℃の条件にて測定された値を用いる。スプレイの弾性定数K11が15pN以下であることにより、低電圧で液晶駆動を行うことが可能となり、液晶表示パネルの消費電力を低下させることができる。ベンドの弾性定数K33が15pN以下であることにより、低電圧で液晶駆動を行うことが可能となり、液晶表示パネルの消費電力を低下させることができる。また、後述するように、K33を小さくすると、印加電圧オフ時の応答速度τoffは速くなる。
本発明の作用効果について、図2、3を参照して更に詳しく説明する。
図2は、本発明のMVA型液晶表示装置について、液晶材料のスプレイの弾性定数K11を一定にしてベンドの弾性定数K33を変更して測定したときの電圧−光透過率(V−T)特性の一例を示す図である。なお、図2では、10V印加時の光透過率を1.0として電圧−光透過率特性を規格化して示しており、測定に用いられた液晶材料の誘電率異方性Δεは−3.0、スプレイの弾性定数K11は15pNで一定にされている。
図2より、ベンドの弾性定数K33を小さくすると、V−T特性が低電圧側にシフトすることが分かる。
図3は、本発明のMVA型液晶表示装置について、液晶材料のベンドの弾性定数K33を一定にしてスプレイの弾性定数K11を変更して測定したときの電圧−光透過率(V−T)特性の一例を示す図である。なお、図3では、10V印加時の光透過率を1.0として電圧−光透過率特性を規格化して示しており、測定に用いられた液晶材料の誘電率異方性Δεは−3.0、ベンドの弾性定数K33は15pNで一定にされている。
図3に示すように、スプレイの弾性定数K11を小さくすると、V−T特性が低電圧側にシフトすることが分かる。
なお、実用上使用可能な転移温度を有する液晶材料、すなわち−20〜80℃でネマチック相を保つ液晶材料には、スプレイの弾性定数K11及びベンドの弾性定数K33に関し、K11<10やK33<10の特性を持つものはないことが一般的に知られている。従って、液晶材料は、K11>10を満たすものであることが好ましく、また、K33>10を満たすものであることが好ましい。更に、液晶材料は、液晶表示パネルに適用される際、注入時に真空状態にさらされるため、揮発性が高過ぎると真空下で揮発してしまうため、実用に適さない。従って、液晶材料は、K11>11を満たすものであることがより好ましく、また、K33>11を満たすものであることがより好ましい。
以下に、本発明の液晶表示装置の好ましい形態について詳細に説明する。
上記液晶材料は、弾性定数比K33/K11がK33/K11<1.15を満たすことが好ましい。これにより、応答速度が遅い階調と速い階調との応答速度の差を小さくすることができるため、テレビジョン等の動画を表示するのに好適に用いることができるようになる。具体的には、従来約10倍であった応答速度が遅い階調と速い階調との応答速度の差を約5倍にすることが可能であり、例えば、従来の液晶材料を使用して、室温で応答速度が遅い階調で80msec、速い階調で8msecであった場合には、本発明の液晶材料を使用することにより、応答速度が遅い階調の応答速度を40msecにすることができる。
また、弾性定数比K33/K11を小さくすることにより、すなわちベンドの弾性定数K33を大きくし、スプレイの弾性定数K11を小さくすることにより、液晶表示パネルの消費電力を低下させる作用効果や、階調表示における1階調あたりの透過率の変化を小さくして階調をとりやすくする作用効果を得ることも可能となる。
本発明により液晶の応答速度が高速化される点について、図4を参照して更に詳しく説明する。
図4(a)は、本発明のMVA型液晶表示装置について、液晶材料のベンドの弾性定数K33を一定にしてスプレイの弾性定数K11を変更して測定したときの応答時間−光透過率特性の一例を示す図であり、図4(b)は、(a)の印加電圧オフ直後(50〜65msec)を拡大して示す拡大図である。なお、図4では、10V印加時の光透過率を1.0として電圧−光透過率特性を規格化して示しており、測定に用いられた液晶材料の誘電率異方性Δεは−3.0、ベンドの弾性定数K33は15pNで一定にされている。また、図4に係る測定では、電圧は、0〜50msecの間で印加されており、それに対する光透過率の変化から応答時間を確認することができる。
図4(a)、(b)より、K33/K11を小さくする(K33を小さくする)と、印加電圧オフ時の応答速度τoffは速くなることが分かる。
本発明の液晶表示装置においては、少なくとも一方の基板が突起を有し、液晶層を構成する液晶分子が閾値電圧以上で2方向以上に倒れこむことが好ましい。これにより、突起近傍の液晶分子が予め傾斜配向するため、液晶表示装置の中間調表示における応答速度を速くすることができると共に、広い視野角を得ることができる。すなわち、本発明の液晶表示装置は、マルチドメイン垂直配向(MVA)型液晶表示装置であり、液晶分子を2方向以上に倒れこませるための手段として突起を備え、この突起により閾値電圧以上で液晶分子を2方向以上に配向分割するものであることが好ましい。突起の材質としては、感光性樹脂等が挙げられる。突起の形状としては、略円錐形状、帯状等が挙げられ、周期的に設けられることが好ましい。突起の形成場所としては、電極上等が挙げられる。突起の高さ等の大きさは特に限定されるものではない。
本発明の液晶表示装置においては、少なくとも一方の基板が、相互に電気的に接続された複数の略矩形状の小電極により形成されるスリット(小電極間の電極非形成部分)をを有し、液晶層を構成する液晶分子が閾値電圧以上で2方向以上に倒れこむことが好ましい。これにより、スリット近傍の液晶分子が電圧印加時に電界の歪みにより傾斜配向し易くなるため、液晶表示装置の中間調表示における応答速度を速くすることができると共に、広い視野角を得ることができる。すなわち、本発明の液晶表示装置は、マルチドメイン垂直配向(MVA)型液晶表示装置であり、液晶分子を2方向以上に倒れこませるための手段として相互に電気的に接続された複数の略矩形状の小電極により形成されるスリットを備え、このスリットにより閾値電圧以上で液晶分子を2方向以上に配向分割するものであることが好ましい。なお、上記略矩形状とは、実質的に矩形状であると評価される形状であることが好ましいが、マルチドメイン垂直配向(MVA)型液晶表示装置として有効に機能することが可能な範囲であれば、それに類する形状をも含むものである。スリットの形状としては、矩形状等が挙げられる。スリットの形成方法としては、フォトリソグラフィ等が挙げられる。
本発明の液晶表示装置のより好ましい形態としては、互いに対向する2枚の基板が共に突起、又は、相互に電気的に接続された複数の略矩形状の小電極により形成されるスリットを有する形態が挙げられる。
次に、本発明の液晶表示装置を構成する液晶層以外の各構成部材について説明する。
基板の材質としては特に限定されないが、ガラスが好ましい。基板には、通常では、アクティブ素子、信号配線、カラーフィルタ、垂直配向膜、偏光子等が適宜設けられる。垂直配向膜としては、膜表面に垂直配向処理(ラビング処理)を施されたポリイミド膜等が挙げられる。本発明においては、2枚の基板の対向面に設けられる電極の少なくとも一方が透明電極で構成されていることが好ましい。
本発明の液晶表示装置によれば、液晶材料のスプレイの弾性定数K11及びベンドの弾性定数K33のうち少なくとも一方が15pN以下であることから、液晶の応答速度の高速化や液晶表示パネルの低消費電力化を実現することができ、また、液晶層のリタデーションが240nm<Δn・d<420nmを満たすことから、複屈折モードや旋光を使うモードにおいて良好な表示を得ることが可能である。
以下に、本発明の透過型アクティブマトリクス液晶表示装置の実施例を掲げ、本発明について更に詳細に説明するが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施形態である実施例1のMVA型液晶表示装置の要部を概略的に示す断面模式図である。
図1に示すように、TFT基板となるガラス基板1上(液晶層側)には、ITOからなる画素電極11を設け、一方TFT基板と対向するCF基板となるガラス基板2上(液晶層側)には、ITOからなる共通電極12を設けた。そして、画素電極11には、幅W3が10μmで深さが100nmのスリット部5を設けた後、画素電極11を覆うように垂直配向膜3を設けた。一方、共通電極12上には、幅W1が10μmで高さが1.3〜1.6μmの感光性樹脂(レジスト)等からなる突起6を、相互の間隔W2が25μm以下、例えば25μmになるように、かつスリット部5と(基板面垂直方向から見て)投影的に重ならないように設けた後、全面に垂直配向膜4を設けた。次いで、直径が4.5μmの樹脂ビーズからなるスペーサ13を塗布法により配置し、熱硬化シール材を用いてTFT基板とCF基板とを貼り合わせることによって、セル厚がdの空セルを作製した。なお、セル厚測定装置(オーク製作所社製)によりセル厚dを測定したところ、d≒D(4.5μm)であった。次いで、この空セルに負の誘電率異方性を有し、下記表1に示す特性を有する液晶材料Aを注入し、封止した後、偏光子9、10をクロスニコルの状態でそれぞれ基板1、2に貼り合わせて、MVA型液晶表示装置を作製した。
なお、表1おいて、スプレイの弾性定数K11及びベンドの弾性定数K33は、25℃の条件にて測定された値である。屈折率異方性Δnは、設計波長550nmの光により25℃で測定された値である。NI点は、各液晶材料(ネマチック液晶材料)の、ネマチック相から等方性液体相への相転移温度(℃)を表している。γ1は、各液晶材料の25℃における粘度(mPa・sec)を表している。
このようにして構成されたMVA型液晶表示装置では、図5に示す従来のMVA型液晶表示装置と同様に、突起6から離れた位置の液晶分子8は、垂直配向膜3、4の規制を受けて基板1及び2に対して垂直に配向することになり、突起6の近傍の液晶分子8は、突起6の形状に依存した配向状態を示すことで、突起6の表面を覆う垂直配向膜4の法線方向に揃うように傾斜配向することになる。
(実施例2〜4)
液晶材料として液晶材料Aの代りに、下記表1に示す特性を有する液晶材料B〜Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてMVA型液晶表示装置を作製した。
(比較例1)
液晶材料として液晶材料Aの代りに、下記表1に示す特性を有する液晶材料Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてMVA型液晶表示装置を作製した。
(評価試験)
実施例1〜4及び比較例1で得られたMVA型液晶表示装置について、Vth及び応答速度τoffを測定し、動画性能の評価を行った。その結果を表1に示した。
なお、Vthは、10V印加時の光透過率を100%としたときの、10%の光透過率を示す印加電圧を表している。応答速度τoffは、10V印加時から0V(電圧無印加)時までの時間−光透過率特性の変化について、10V印加時及び0V時の光透過率をそれぞれ100及び0と規格化したときに、10Vの電圧印加を止めた時から光透過率が10%になる時までの時間を表している。動画性能の評価は、応答速度が遅い階調と速い階調との応答速度の比が大きいものを×とし、小さいものを○とした。具体的には、10倍であれば、×とし、5倍であれは、○とした。動画性能が○であれば、例えば、動画画質の主観評価をしたときに、下記表2の基準に基づく画質への応答速度の影響評価の結果が4.5点以上を満足している。
Figure 2006018116
Figure 2006018116
表1に示すように、誘電率異方性Δε及びスプレイの弾性定数K11が等しい液晶材料A、Bを比較すると、ベンドの弾性定数K33が小さい液晶材料Aが、液晶材料BよりもVthが0.14V低くなった。また、誘電率異方性Δεが等しく、ベンドの弾性定数K33がほぼ等しい液晶材料C、Dを比較すると、スプレイの弾性定数K11が大きい液晶材料Dが、液晶材料CよりもV−T特性曲線がなだらかに立ち上がっており、液晶材料Cよりも応答時間τoffが1.5msec速くなっていた。更に、液晶材料A〜D(K33/K11<1.15)を用いた実施例1〜4の本発明の液晶表示装置では、モジュール駆動での動画性能が基準を満たすものであったが、液晶材料E(K33/K11=1.18)を用いた比較例1の液晶表示装置では、Vthが2.9Vと高く、応答速度が遅く、動画性能が充分ではなかった。
本発明の一実施形態である実施例1のMVA型液晶表示装置の要部を概略的に示す断面模式図である。 本発明のMVA型液晶表示装置について、液晶材料のスプレイの弾性定数K11を一定にしてベンドの弾性定数K33を変更して測定したときの電圧−光透過率(V−T)特性の一例を示す図である。 本発明のMVA型液晶表示装置について、液晶材料のベンドの弾性定数K33を一定にしてスプレイの弾性定数K11を変更して測定したときの電圧−光透過率(V−T)特性の一例を示す図である。 (a)は、本発明のMVA型液晶表示装置について、液晶材料のベンドの弾性定数K33を一定にしてスプレイの弾性定数K11を変更して測定したときの応答時間−光透過率特性の一例を示す図であり、(b)は、(a)の印加電圧オフ直後(50〜65msec後)を拡大して示す拡大図である。 (a)は、従来のMVA型液晶表示装置の電圧無印加状態における要部を概略的に示す断面模式図であり、(b)は、従来のMVA型液晶表示装置の電圧印加状態における要部を概略的に示す断面模式図である。
符号の説明
1、2:基板
3、4:垂直配向膜
5:スリット部
6:突起
7:液晶層
8:液晶分子
9、10:偏光子
11、12:電極
13:スペーサ
31:TFT基板
32:画素電極
33:突起
34:垂直配向膜
35:CF基板
36:共通電極
37:突起
38:垂直配向膜
39:液晶
40:液晶分子
41、42:偏光子

Claims (4)

  1. 互いに対向する2枚の基板間に負の誘電率異方性を有する液晶材料を挟持すると共に、該液晶材料を構成する液晶分子の長軸方向が少なくとも一方の基板の主面に対して閾値電圧未満で略垂直方向に配向し、かつ閾値電圧以上で略平行方向に配向する液晶層を有する液晶表示装置であって、
    該液晶層は、液晶材料の屈折率異方性をΔn、液晶層の厚さをd(nm)としたときに、リタデーションΔn・dが下記式;
    240nm<Δn・d<420nm (1)
    を満たし、
    かつ液晶材料のスプレイの弾性定数K11(pN)及びベンドの弾性定数K33(pN)のうち少なくとも一方が下記式;
    K11≦15又はK33≦15 (2)
    を満たすことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶材料は、弾性定数比K33/K11がK33/K11<1.15を満たすことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶表示装置は、少なくとも一方の基板が突起を有し、液晶層を構成する液晶分子が閾値電圧以上で2方向以上に倒れこむことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶表示装置は、少なくとも一方の基板が、相互に電気的に接続された複数の略矩形状の小電極により形成されるスリットを有し、液晶層を構成する液晶分子が閾値電圧以上で2方向以上に倒れこむことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
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