JP2006008749A - ゴム組成物、架橋性ゴム組成物および架橋物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 固形ジエン系ゴム(I)100質量部、シリカ(II)0.1〜150質量部、および数平均分子量が300,000以下で少なくとも1つの分子末端に酸素原子、窒素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれるヘテロ原子を有する特定の官能基をもつ官能化ジエン系ゴム(III)0.1〜100質量部を含有するゴム組成物;該ゴム組成物と架橋剤とを含有する架橋性ゴム組成物;並びに該架橋性ゴム組成物を架橋してなる架橋物。
【選択図】 なし
Description
固形ジエン系ゴム(I)100質量部、シリカ(II)0.1〜150質量部および数平均分子量が300,000以下で少なくとも1つの分子末端に次の一般式(i):
で表される基を有する官能化ジエン系ゴム(III)0.1〜100質量部を含有することを特徴とするゴム組成物;該ゴム組成物と架橋剤とを含有する架橋性ゴム組成物;並びに該架橋性ゴム組成物を架橋してなる架橋物;を提供するものである。
ポリマーの成長末端にアミノ基を導入できる官能性キャッピング剤としては、例えばエチレンイミン、プロピレンイミン、シクロヘキセンイミンなどのイミン化合物を挙げることができる。
ポリマーの成長末端にメルカプト基を導入することのできる官能性キャッピング剤としては、例えば二硫化炭素、エチレンスルフィド、プロピレンスルフィド、硫黄原子などを挙げることができる。
ポリマーの成長末端にハロゲン原子を導入できる官能性キャッピング剤としては、例えば塩素原子、臭素原子などを、エポキシ基を導入できるキャッピング剤としてはエピクロルヒドリンなどを、スルホニル基を導入できるキャッピング剤としては、例えばプロパンスルトンなどを挙げることができる。
以下の参考例において、ポリマーの分子量は、ピーク分子量が公知の標準ポリスチレンで校正したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製「HLC−8020」)を用いて測定した(溶媒:テトラヒドロフラン、温度:40℃)。反応の進行度、およびポリマーの構造はプロトン核磁気共鳴分光装置(1H−NMR)(日本電子データム社製「JNM−LA400」)を用い、得られた反応液、あるいはポリマーを重クロロホルムに溶解させ、50℃で測定した。
(1)窒素置換を行った容量10リットルのオートクレーブ中に、ヘキサン260gおよびシクロヘキサン2800gを仕込んだ後、N,N−ジエチルケイ皮アミン[N,N−ジエチル−(3−フェニル−2−プロペニル)−アミン]38.6g(204ミリモル)を仕込んだ後、0℃まで冷却し、攪拌を行いながらsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液78.5mL(sec−ブチルリチウムとして102ミリモル)をゆっくりと添加し、6時間反応を行った。反応液の一部をサンプリングし、プロトン核磁気共鳴法(1H−NMR)測定を行ったところ、仕込んだN,N-ジエチルケイ皮アミンの50%が反応していた。
(2)上記(1)で得られた反応混合物を50℃に昇温した後、イソプレン1.96kgを添加して、3時間重合を追い込んだ後、官能性キャッピング剤としてエチレンオキシドを20mL(400ミリモル)添加した。重合反応液の一部をサンプリングし、GPC分析を行ったところ、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)=44000、重量平均分子量(Mw)およびMnの比(Mw/Mn)=1.19のポリイソプレンが生成していた。分子量を確認した後、系内に5mLのメタノールを添加し、重合を停止した。
(3)上記(2)で得られた重合反応溶液を水洗した後、溶媒を除去することにより、下記化学式(ii):
参考例1において、重合系内に共重合ランダマイザーとしてテトラヒドロフラン8gを加え、イソプレンの代わりにスチレン/ブタジエン混合物(重量比:25/75)を用いる以外は参考例1と同様にして、上記化学式(ii)で表される基と水酸基とを分子末端に1つずつ有するスチレン−ブタジエンランダム共重合体(以下、官能化ジエン系ゴム2と記載する場合がある)を得た。該ポリマーのGPC分析を行ったところ、数平均分子量(Mn)=53000、重量平均分子量(Mw)およびMnの比(Mw/Mn)=1.03であった。該ポリマーの1H−NMR測定を行った結果、ポリマー1g中に含まれるスチレン単位が0.23g、ブタジエン単位の35%が1,2−ビニル連鎖であった。またポリマー1分子あたり、式(ii)で示される基が0.92個、水酸基が0.8個導入されていた。
(1)窒素置換を行った容量5リットルのオートクレーブ中に、ヘキサン2000gおよびn−ブチルリチウム1.47gを仕込んだ後、50℃まで昇温し、イソプレン650gを添加し、3時間重合を行った。反応液の一部をサンプリングし、GPCで生成物を分析したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)=47000、分子量分布(Mw/Mn)=1.14のポリイソプレンが生成していた。分子量を確認した後、系内に3mLのメタノールを添加し、重合を停止した。
(2)上記(1)で得られた重合反応溶液を水洗した後、溶媒を除去することにより、ポリイソプレン(以下、未官能化ジエン系ゴム1と記載する場合がある)を得た。該ポリマーの1H−NMR測定を行った結果、3,4−連鎖が6%含まれ、1,2−連鎖は1%未満であった。またポリマーの末端には何ら官能基は含まれていなかった。
○(架橋性)ゴム組成物の作製:
バンバリーミキサー(神戸製鋼社製「バンバリーミキサーBR型」)、およびオープンロール(関西ロール社製「8インチ LABORATORY ROLL」)を用いて行った。
ムーニー粘度計(島津製作所社製「MOONEY VISCOMETER SMV−200」)を用い、JIS K6300に準拠して、100℃でML1+4の値を測定した。
○架橋性ゴム組成物の加硫試験:
JIS K6300に準拠し、キュラストメーター(今中機械工業社製「JSR型キュラストメーター UMT−071」)を用い、155℃で加硫試験を行った。10%加硫時間(T10)、90%加硫時間(T90)を測定した。
○架橋物の硬度:
JIS K6250に準拠し、硬度計(高分子計器社製「DUROMETER HARDNESS タイプA」)を用い測定した。
○架橋物の引張試験:
架橋物シートからダンベル状3号形試験片を打ち抜いて作製し、JIS K6251に準拠して、万能材料試験機(インストロンジャパン社製「TM−MS−134」)を用い、100%モジュラス(M100)、300%モジュラス(M300)、破断強度および破断伸びを測定した。架橋物の引裂試験は、架橋物シートから切込み無しアングル形試験片を打ち抜いて作製し、JIS K6252に準拠して、万能材料試験機(インストロンジャパン社製「TM−MS−134」)により、引裂強さを測定した。
○ゴム組成物または架橋物の貯蔵弾性率のひずみ依存性:
直径8mm、厚さ2mmの円形試験片を作製し、ARES(レオメトリックサイエンティフィック社製)を使用して、ひずみ範囲0.001〜50%の範囲で貯蔵弾性率を測定した。ひずみが0.1%のときの貯蔵弾性率を、ひずみが10%のときの貯蔵弾性率で除した値G’rを求めた。G’rの値が小さいほどシリカの分散性が良好である。
○架橋物の動的粘弾性測定:
縦10mm×横10mm×厚さ2mmの試験片を作製し、RHEOVIVRON−DDV−III(オリエンテック社製)を用いて、周波数11Hzの測定条件で0℃、60℃における損失正接(tanδ)を測定した。0℃のtanδが高いほど、タイヤとしての耐ウェットスキッド性が、60℃のtanδが低いほど、タイヤとしての転がり抵抗が優れている。
(1)油展溶液重合スチレン−ブタジエンゴム(油展S−SBR;商品名「タフデン2330」、油展量37.5phr、旭化成ケミカルズ社製)、ブタジエンゴム(BR;商品名「JSR BR01」、ジェイ・エス・アール社製)、シリカ(商品名「ニプシールVN3」、東ソー・シリカ社製)、シランカップリング剤 [ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド;商品名「Si75」、デグッサ社製] 、参考例1で得られた官能化ジエン系ゴム1、アロマ系オイル(商品名「J.S.O.Aroma790」、Sunoco,Inc製)、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤[商品名「ノクラック6C」(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)、大内新興社製]を、表1に示す配合量比で、バンバリーミキサーを80℃に設定し、6分間混練した。混練完了後、混練物を一旦室温まで自然冷却し、再びバンバリーミキサーを80℃に設定して、5分間の混練を行った。
(2)次いで、得られた混練物に、硫黄、加硫促進剤 [商品名「ノクセラーCZ」(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド)、大内新興社製] 、加硫促進剤 [商品名「ノクセラーD」(1,3−ジフェニルグアニジン)、大内新興社製] を表1に示す配合量比でオープンロールを使用し、55℃に設定して、6分間混練して架橋性ゴム組成物を得た。
(3)上記(2)で得られた架橋性ゴム組成物について、100℃でのムーニー粘度(ML1+4)、T10、およびT90を測定した。結果を表2に示す。
(4)上記(2)で得られた架橋性ゴム組成物を、155で18分間プレスすることで架橋し、引張試験用の厚さ2mmの架橋されたゴム組成物(架橋物)のシートを得た。
得られた架橋物シートについて、硬度測定、引張試験、引裂試験を行い、硬度、100%モジュラス(M100)、300%モジュラス(M300)、破断強度、破断伸び、引裂強さを測定した。結果を表2に示す。
(5)架橋物について、貯蔵弾性率のひずみ依存性を測定を行いG’rを求めた。さらに架橋物について、動的粘弾性測定を行い、0℃、および60℃における損失正接(tanδ)を測定した。表2に結果を示す。
実施例1における官能化ジエン系ゴム1の代わりに官能化ジエン系ゴム2を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、架橋性ゴム組成物、架橋物を得た。得られた架橋性ゴム組成物のムーニー粘度、加硫試験、および架橋物の硬度、引張試験、引裂試験、動的粘弾性測定の結果を表2に示す。
実施例1における官能化ジエン系ゴム1を添加せず、実施例1および2との比較のため、実質のジエン系ゴム量が100部となるように配合を変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、架橋性ゴム組成物、架橋物を得た。架橋性ゴム組成物のムーニー粘度、T10、T90、および得られた架橋物の硬度、引張試験、引裂試験、貯蔵弾性率のひずみ依存性、動的粘弾性測定の結果を表2に示す。
実施例1の、官能化ジエン系ゴム1の代わりに比較参考例3で得られた未官能化ジエン系ゴム1を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、架橋性ゴム組成物、架橋物を得た。架橋性ゴム組成物のムーニー粘度、T10、T90、および得られた架橋物の硬度、引張試験、引裂試験、貯蔵弾性率のひずみ依存性、動的粘弾性測定の結果を表2に示す。
2)ブタジエンゴム;ジェイ・エス・アール社製「JSR BR01」
3)シリカ;東ソー・シリカ社製「ニプシールVN3」
4)シランカップリング剤;デグッサ社製「Si75」
5)アロマ系オイル;Sunoco,Inc製「J.S.O.Aroma790」
6)老化防止剤;大内新興社製「ノクラック6C」
7)加硫促進剤;大内新興社製「ノクセラーCZ」
8)加硫促進剤;大内新興社製「ノクセラーD」
また比較例1と比較例2から低分子量のジエン系ゴムの添加により、架橋性ゴム組成物の加硫速度の低下、架橋物の100%モジュラス、300%モジュラス、破断強度、引裂強度などの力学物性が大幅に低下する傾向にある。また、シリカの分散度合いの指標であるG’rの値は、低分子量のジエン系ゴムの添加により上昇し、シリカの分散を阻害する傾向であることがわかる。
実施例2で得られた架橋性ゴム組成物においても、低分子量のジエン系ゴムを添加しているのにも関わらず、官能化ジエン系ゴム1が分子の両末端に官能基を有しているため、加硫速度の低下が起こらない。さらに実施例1よりも架橋物の物性の保持力に優れ、特に引裂強度における物性の保持率に優れている。G’rも実施例1に比べより低い値となり、シリカの分散がさらに進行していることがわかる。0℃でのtanδも大幅に向上しており、ウェットスキッド性能に優れていることが分かる。
参考例1において、エチレンオキシドを添加しなかったこと以外は同様に重合を行い、得られた重合反応溶液を水洗した後、溶媒を除去することにより、上記化学式(ii)で表される基を分子末端に1つずつ有するポリイソプレン(以下、官能化ジエン系ゴム3とする)を得た。該ポリマーのGPC分析を行ったところ、数平均分子量(Mn)=45000、重量平均分子量(Mw)およびMnの比(Mw/Mn)=1.14であった。該ポリマーの1H−NMR測定を行った結果、3,4−連鎖が7.5%含まれ、1,2−連鎖の含量は0%であった。また、ポリマー1分子あたり、式(ii)で示される基が0.98個導入されていた。
(1)天然ゴム(NR;一般的に使用されるRSS#3グレードのもの)、シリカ(商品名「ニプシールVN3」、東ソー・シリカ社製)、シランカップリング剤 [ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド;商品名「Si69」、デグッサ社製] 、ジシクロヘキシルアミン、参考例1で得られた官能化ジエン系ゴム1、ナフテン系オイル(商品名「Sunthene4240」、Sunoco,Inc製)、亜鉛華、ステアリン酸、老化防止剤[商品名「ノクラック6C」(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)、大内新興社製]を、表3に示す配合量比で、バンバリーミキサーを80℃に設定し、6分間混練した。
(2)次いで、得られた混練物に、硫黄、加硫促進剤 [商品名「ノクセラーCZ」(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド)、大内新興社製] 、加硫促進剤[商品名「ノクセラーD」(1,3−ジフェニルグアニジン)、大内新興社製]を表1に示す配合量比でオープンロールを使用し、55℃に設定し、8分間混練して架橋性ゴム組成物を得た。
(3)上記(2)で得られた架橋性ゴム組成物について、100℃でのムーニー粘度(ML1+4)、T10、およびT90を測定した。結果を表2に示す。
(4)上記(2)で得られた架橋性ゴム組成物を、155で18分間プレスすることで架橋し、引張試験用の厚さ2mmの架橋されたゴム組成物(架橋物)のシートを得た。
(5)得られた架橋物シートについて、硬度測定、引張試験、引裂試験を行い、硬度、300%モジュラス(M300)、破断強度、破断伸び、引裂強さを測定した。結果を表4に示す。
(6)架橋物について、動的粘弾性測定を行い、0℃、および60℃における損失正接(tanδ)を測定した。表4に結果を示す。
実施例3において、官能化ジエン系ゴム1の代わりに官能化ジエン系ゴム3を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行い、架橋性ゴム組成物、架橋物を得た。得られた架橋性ゴム組成物のムーニー粘度、加硫試験、および架橋物の硬度、引張試験、引裂試験、動的粘弾性測定の結果を表2に示す。
実施例3において、官能化ジエン系ゴム1を用いず、実施例3、4との比較のため、実質のジエン系ゴム量が100部となるように配合を変更した以外は実施例3と同様の操作を行い、架橋性ゴム組成物、架橋物を得た。架橋性ゴム組成物のムーニー粘度、T10、T90、および得られた架橋物の硬度、引張試験、引裂試験、動的粘弾性測定の結果を表4に示す。
実施例3において、官能化ジエン系ゴム1の変わりに比較参考例3で得られた未官能化ジエン系ゴム1を用いた以外は実施例3と同様の操作を行い、架橋性ゴム組成物、架橋物を得た。架橋性ゴム組成物のムーニー粘度、T10、T90、および得られた架橋物の硬度、引張試験、引裂試験、動的粘弾性測定の結果を表4に示す
2)シリカ;東ソー・シリカ社製「ニプシールVN3」
3)シランカップリング剤;デグッサ社製「Si75」
4)ナフテン系オイル;Sunoco,Inc製「Santhene4240」
5)老化防止剤;大内新興社製「ノクラック6C」
6)加硫促進剤;大内新興社製「ノクセラーCZ」
7)加硫促進剤;大内新興社製「ノクセラーD」
また比較例3と比較例4とから、低分子量のジエン系ゴムとして未官能化ジエン系ゴムを添加することにより、架橋物の300%モジュラス、破断強度、引裂強度などの力学物性が大幅に低下する傾向にあり、低分子量のジエン系ゴムを添加することによる弊害が顕著である。
しかしながら、実施例4と比較例4との比較から、低分子量のジエン系ゴムの末端に式(ii)で表される基が導入されることにより、力学物性の保持率が向上し、さらに引裂強度においては、何ら低分子量のジエン系ゴムを添加していない比較例3に比べ大幅に上昇しており、低分子量のジエン系ゴムを添加することによる弊害が緩和されている。さらに、低分子量のジエン系ゴムとして片方の末端に式(ii)で表される基を有し、かつもう一方の末端に水酸基を有する官能化ジエン系ゴム1を用いた実施例3では、実施例4に比較し、力学強度の保持率がさらに改良され、特に引裂強度が大きく向上した架橋物となった。
また実施例3および4と比較例3とを比較すると、分子末端に式(ii)で表される基を有する官能化ジエン系ゴムを添加することにより、タイヤにとって重要な性能である、ウェットスキッド性能の指標である0℃のtanδが上昇する。0℃におけるtanδの改良効果、すなわちウェットスキッド性能の向上は、実施例4よりも実施例3の場合の方が高く、式(ii)で表される基が導入されていない側の分子末端にも水酸基等のシリカとの相互作用がある官能基を導入することが効果的であることがわかる。
(1)窒素置換を行った容量5リットルのオートクレーブ中に、ヘキサン2000gおよびn−ブチルリチウム2.5gを仕込んだ後、50℃まで昇温し、イソプレン650gを添加し、3時間重合を行った。反応液の一部をサンプリングし、GPCで生成物を分析したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)=27000、分子量分布(Mw/Mn)=1.16のポリイソプレンが生成していた。分子量を確認した後、系内に5mLのメタノールを添加し、重合を停止した。
(2) 上記(1)で得られた重合反応溶液を水洗した後、溶媒を除去することにより、ポリイソプレン(以下、未官能化ジエン系ゴム2と記載する場合がある)を得た。該ポリマーの1H−NMR測定を行った結果、3,4−連鎖が6.2%含まれ、1,2−連鎖は1%未満であった。またポリマーの末端には何ら官能基は含まれていなかった。
(1)乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(E−SBR;商品名「JSR1502」ジェイ・エス・アール社製)、参考例1で得られた官能化ジエン系ゴム1、シリカ(商品名「ニプシールVN3」、東ソー・シリカ社製)、老化防止剤 [商品名「ノクラック6C」(N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)、大内新興社製] を表5に示す配合量比で混練した。混練は、オープンロールを90℃に設定し、1分間素練りを行い、その後2分間老化防止剤を混練した。この段階から7分間でシリカを添加しながら混練し、一部をサンプリング(サンプリング1)した。さらに10分間混練を継続した後、2回目のサンプリング(サンプリング2)を行った。さらに10分間の混練後、3回目のサンプリング(サンプリング3)を行った。各サンプリングで得られたゴム組成物から直径8mm、厚さ2mmの試験片を作製し、貯蔵弾性率のひずみ依存性を測定した。結果を図1、図2、図3に示す。
実施例5の、官能化ジエン系ゴム1の代わりに官能化ジエン系ゴム2を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、貯蔵弾性率のひずみ依存性を測定した。結果を図1、図2、図3に示した。
実施例5の、官能化ジエン系ゴム1の代わりに比較参考例5で得られた未官能化ジエン系ゴム2を用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、貯蔵弾性率のひずみ依存性を測定した。一般にシリカの分散が進行するほど、低ひずみ領域における貯蔵弾性率は低下する。結果を図1、図2、図3に示した。
2)シリカ;東ソー・シリカ社製「ニプシールVN3」
3)老化防止剤;大内新興社製「ノクラック6C」
Claims (5)
- 固形ジエン系ゴム(I)100質量部、シリカ(II)0.1〜150質量部および数平均分子量が300,000以下で少なくとも1つの分子末端に次の一般式(i):
[式中、R1およびR3は炭素数1〜10個のアルキル基、R2は炭素数1〜10個のアルキレン基をそれぞれ示し、Aは酸素原子、窒素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれるヘテロ原子であり、ヘテロ原子Aが酸素原子または硫黄原子のときにmおよびnはそれぞれ0または1であって且つmとnの合計が1であり、ヘテロ原子Aが窒素原子または燐原子のときにmおよびnはそれぞれ0、1または2であって且つmとnの合計が2である。]
で表される基を有する官能化ジエン系ゴム(III)0.1〜100質量部を含有することを特徴とするゴム組成物。 - 一般式(i)のAが窒素原子である請求項1に記載のゴム組成物。
- 官能化ジエン系ゴム(III)の一般式(i)で表される基を有さない末端が水酸基である請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物と架橋剤とを含有する架橋性ゴム組成物。
- 請求項4に記載の架橋性ゴム組成物を架橋してなる架橋物。
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