JP2006007699A - 印刷版材料及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、露光画像の確認が容易で、機上現像性に優れる印刷版材料及び画像形成方法を提供することである。
【解決手段】 親水性表面を有する基材上に、印刷機上現像可能な感熱画像形成層を有するネガ型印刷版材料であって、a)該親水性表面の可視光反射濃度が0.5以上であり、b)該基材の感熱画像形成層側に、極大波長が830nmの赤外レーザー光により400mJ/cm2のエネルギー量で露光する露光条件下において、露光部の可視光反射濃度を未露光部の可視光反射濃度に対して0.2以上減少し得る、可視画付与層を有することを特徴とする印刷版材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は印刷版材料及びその画像形成方法に関し、特にコンピューター・トゥー・プレート(CTP)方式により画像形成が可能な印刷版材料及び画像形成方法に関する。
現在、印刷の分野においては、印刷画像データのデジタル化に伴い、CTP方式による印刷が行われるようになってきているが、この印刷においては、安価で取り扱いが容易で従来の所謂PS版と同等の印刷適性を有したCTP方式用印刷版材料が求められている。
特に近年、特別な薬剤(例えばアルカリ、酸、溶媒など)を含む処理液による現像処理を必要とせず、従来の印刷機に適用可能である印刷版材料が求められており、例えば、全く現像処理を必要としない相変化タイプの印刷版材料、水もしくは水を主体とした実質的に中性の処理液で処理をする印刷版材料、印刷機上で印刷の初期段階で現像処理を行い特に現像工程を必要としない印刷版材料などの、ケミカルフリータイプ印刷版材料やプロセスレスタイプ印刷版材料と呼ばれる印刷版材料が知られている。
上記の全く現像処理を必要としない印刷版材料や印刷機上で現像を行うプロセスレスタイプの印刷版材料においても、印刷機に取り付ける際に必要なパンチングを露光後に行うため、従来のPSと同様に所謂露光可視画性をもつことが必要とされている。
また、プロセスレスタイプの印刷版材料の画像形成に主として用いられるのは近赤外〜赤外線の波長を有するサーマルレーザー記録方式であり、この方式で画像形成可能なサーマルプロセスレスプレートには、大きく分けて、アブレーションタイプと熱融着画像層機上現像タイプ、および相変化タイプが知られている。
一方これらのプロセスレスタイプの印刷版材料に露光可視画性を持たせた印刷版材料として以下の印刷版材料が知られている。
例えば、画像形成層中にロイコ色素とその顕色剤といったような感熱発色する素材を含有させた層や、熱によってスルホン酸を発生する官能基を有する高分子化合物および発生した酸によって変色する化合物とを含有する親油層、を有する印刷版材料(特許文献1、2参照)、画像形成要素の露出によりその光学濃度を変化させることができるIR−色素を含有する層を有する印刷版材料(特許文献3参照)、露光によって光学濃度を変化させることのできるシアニン系赤外線吸収色素を20質量%以上含有させた、印刷機上で除去可能な親水性オーバーコート層を有する印刷版材料(特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、これらの印刷版材料においては、露光により発色あるいは退色、変色する色素を含有するため、機上現像において、これらの色素による印刷インキ、湿し水に対する汚染を避けるのは困難であり、機上現像時に正常な印刷物を得るまでに要する損紙の量が多い場合あるといった問題があった。
また、これらの印刷版材料では、充分な露光可視画性を得ようとすると印刷版材料の感度、機上現像性が不充分となり、印刷適性と露光可視画性を両立させるのは困難であった。
特開2000−225780号公報 特開2002−211150号公報 特開平11−240270号公報 特開2002−205466号公報
本発明の目的は、露光画像の確認が容易で、機上現像性に優れる印刷版材料及び画像形成方法を提供することである。
本発明の目的は、下記の構成により達成される。
(請求項1)
親水性表面を有する基材上に、印刷機上現像可能な感熱画像形成層を有するネガ型印刷版材料であって、a)該親水性表面の可視光反射濃度が0.5以上であり、b)該基材の感熱画像形成層側に、極大波長が830nmの赤外レーザー光により400mJ/cm2のエネルギー量で露光する露光条件下において、露光部の可視光反射濃度を未露光部の可視光反射濃度に対して0.2以上減少し得る、可視画付与層を有することを特徴とする印刷版材料。
(請求項2)
請求項1に記載の印刷版材料をレーザー光で画像露光し、画像形成することを特徴とする画像形成方法。
本発明の上記構成により、露光画像の確認が容易で、機上現像性に優れる印刷版材料及び画像形成方法が提供できる。
本発明は、親水性表面を有する基材上に、印刷機上現像可能な感熱画像形成層を有するネガ型印刷版材料において、a)該親水性表面の可視光反射濃度が0.5以上であり、b)該基材の感熱画像形成層側に、極大波長が830nmの赤外レーザー光により400mJ/cm2のエネルギー量で露光する露光条件下において、露光部の可視光反射濃度を未露光部の可視光反射濃度に対して0.2以上減少し得る、可視画付与層を有することを特徴とする。
本発明は、上記特定の反射濃度を有する基材と可視画付与層とを組み合わせ有することにより、良好な露光可視画性と機上現像性を得るものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔基材〕
本発明に係る親水性表面を有する基材は、基材の表面を親水化処理する方法あるいは基材上に親水性層を設ける方法により得られる。
本発明に係る親水性表面を有する基材は、可視光反射濃度が0.5以上であることが必要であり、さらに0.8以上が好ましく1.0〜1.5が特に好ましい。
可視光反射濃度とは、観測視野2°、絶対白色濃度標準で測定した値で400nmから700nmまでの、各20nm間隔の反射濃度値の平均値をいい、例えば、GretagMacbeth社製分光濃度計Spectrolinoを用いて、フィルター条件D65、観測視野2°、ホワイトベース:絶対白色、濃度標準:Status−Tで測定した値で400nmから700nmまでの、各20nm間隔の反射濃度を測定し、平均値を求めることにより算出することができる。
本発明に係る基材としては、印刷版の基材として使用される公知の材料を使用することができる。
例えば、金属板、プラスチックフィルム、ポリオレフィン等で処理された紙、上記材料を適宜貼り合わせた複合基材等が挙げられる。基材の厚さとしては、印刷機に取り付け可能であれば特に制限されるものではないが、50〜500μmのものが一般的に取り扱いやすい。
金属板としては、鉄、ステンレス、アルミニウム等が挙げられるが、比重と剛性との関係から特にアルミニウムが好ましい。アルミニウム板は、通常その表面に存在する圧延・巻取り時に使用されたオイルを除去するためにアルカリ、酸、溶剤等で脱脂した後に使用される。脱脂処理としては特にアルカリ水溶液による脱脂が好ましい。また、塗布層との接着性を向上させるために、塗布面に易接着処理や下引き層の塗布を行なっても良い。
例えば、ケイ酸塩やシランカップリング剤等のカップリング剤を含有する液に浸漬するか、液を塗布した後、十分な乾燥を行なう方法が挙げられる。陽極酸化処理も易接着処理の一種と考えられ、使用することができる。また、陽極酸化処理と上記浸漬または塗布処理を組み合わせて使用することもできる。また、公知の方法で粗面化されたアルミニウム基材、いわゆるアルミ砂目を、親水性表面を有する基材として使用することもできる。
本発明の印刷版材料に用いることができるアルミニウム基材には、純アルミニウムおよびアルミニウム合金よりなる基材が含まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。
アルミニウム基材は、粗面化処理に先立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,リン酸ナトリウム等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂処理にアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができる。
脱脂処理にアルカリ水溶液を用いた場合には、燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処理の次に電解粗面化を行う場合は、中和に使用する酸を電解粗面化に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
基材の粗面化としては公知の方法での電解粗面化処理を行うが、その前処理として、適度な処理量の化学的粗面化や機械的粗面化を適宜組み合わせた粗面化処理を行なってもかまわない。
化学的粗面化は脱脂処理と同様に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,リン酸ナトリウム等のアルカリの水溶液を用いる。処理後には燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処理の次に電解粗面化を行う場合は、中和に使用する酸を電解粗面化に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
機械的粗面化処理方法は特に限定されないがブラシ研磨、ホーニング研磨が好ましい。
機械的に粗面化された基材は、基材の表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除いたり、ピット形状をコントロールしたりする等のために、酸またはアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングすることが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が含まれる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。
機械的粗面化処理に#400よりも細かい粒度の研磨剤を用い、かつ、機械的粗面化処理の後にアルカリ水溶液によるエッチング処理を行うことで、機械的粗面化処理による入り組んだ粗面化構造を滑らかな凹凸の表面とすることができる。このため、本発明の画像形成層を設けた際にも機上現像性を損なうことなく数μm〜数十μmの比較的長波長のうねりを形成することができ、これに後述する電解粗面化処理を加えることで、印刷性能が良好で、かつ、耐刷性向上にも寄与するアルミニウム基材とすることができる。また、電解粗面化処理時の電気量を低減することもでき、コストダウンにもつながる。
上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
中和処理の次に電解粗面化処理を行う場合は、中和に使用する酸を電解粗面化処理に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
電解粗面化処理は一般に酸性電解液中で交流電流を用いて粗面化を行うものである。酸性電解液は通常の電解粗面化法に用いられるものが使用できるが、塩酸系または硝酸系電解液を用いるのが好ましく、本発明においては塩酸系電解液を用いるのが特に好ましい。
電解に使用する電源波形は、矩形波、台形波、のこぎり波等さまざまな波形を用いることができるが、特に正弦波が好ましい。
また、特開平10−869号公報に開示されているような分割電解粗面化処理も好ましく用いることができる。
硝酸系電解液を用いての電解粗面化において印加される電圧は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好ましい。電流密度(ピーク値)は、10〜200A/dm2が好ましく、20〜150A/dm2が更に好ましい。
電気量は全処理工程を合計して、100〜2000C/dm2、好ましくは200〜1500C/dm2、より好ましくは200〜1000C/dm2である。
温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45℃が更に好ましい。硝酸濃度は0.1〜5質量%が好ましい。
電解液には、必要に応じて硝酸塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム酸、ホウ酸、酢酸、蓚酸等を加えることが出来る。
本発明においては、電解粗面化処理された基材は、表面のスマット等を取り除いたり、ピット形状をコントロールしたりする等のために、アルカリの水溶液に浸漬して表面のエッチングを行う。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が含まれる。
アルカリ水溶液によるエッチング処理を行うことで、本発明の画像形成層を設けた際の刷り出し性や地汚れが非常に良好となる。
アルカリの水溶液で浸漬処理を行った後には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処理の次に陽極酸化処理を行う場合は、中和に使用する酸を陽極酸化処理に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
粗面化処理の次に、陽極酸化処理を行う。
本発明で用いられる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理により基材上には酸化皮膜が形成される。本発明において、陽極酸化処理には、硫酸および/または燐酸等を10〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく用いられるが、他に米国特許第1,412,768号に記載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、米国特許第3,511,661号に記載されている燐酸を用いて電解する方法等を用いることができる。
陽極酸化処理された基材は、必要に応じ封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処理、沸騰水処理、水蒸気処理、重クロム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処理等公知の方法を用いて行うことができる。
また、陽極酸化処理された基材は適宜、上記封孔処理以外の表面処理を行うこともできる。表面処理としては、ケイ酸塩処理、リン酸塩処理、各種有機酸処理、PVPA処理、ベーマイト化処理といった公知の処理が挙げられる。また、特開平8−314157号に記載の炭酸水素塩を含有する水溶液による処理や、炭酸水素塩を含有する水溶液による処理に続けてクエン酸のような有機酸処理を行ってもよい。
本発明に係る基材としてのプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セルロースエステル類等を挙げることができる。
また、裏面のすべり性を制御する(例えば版胴表面との摩擦係数を低減させる)目的で、裏面コート層を設けた基材も好ましく使用することができる。
(アルミニウム基材の着色)
基材の親水性表面の可視光反射濃度は、親水性表面を着色させることにより0.5以上とすることができる。
良好な可視画視認性を得るためには、濃色に着色できることが好ましい。
具体的には、反射濃度として、0.5以上が必要であるが、視認性、網点画像の光学濃度の測定精度などの面から0.8以上が好ましく1.0〜1.5がさらに好ましい。
本発明においては、基材としてアルミニウムを用いその親水性表面を着色するのが好ましい態様である。
アルミニウム基材を着色する手段として、下記の様な方法が挙げられる。
たとえば『電解法による着色皮膜』馬場宣良著(槇書店)記載の電解着色法等を用いることができる。
硫酸浴中で交流電解により作った交流アルマイトは各種金属塩水溶液に浸漬すると下記に示すカラー・アルマイトが得られ、この着色が利用できる。
(浸漬液:アルマイトの色)
酒石酸ナトリウム・アンチモン:オレンジ
ヒ素酸ナトリウム:黄色
クエン酸アンモニウム・ビスマス:黄褐色
硫酸銅:緑
酢酸コバルト:黒
酢酸カドミウム:黄色
塩化金:紫
酢酸鉛:こげ茶
シュウ酸アンモニウム鉄:黒
モリブデン酸ナトリウム:オレンジ
硫酸アンモニウム・ニッケル:ブロンズ
セレン酸ナトリウム:赤褐色
硝酸銀:灰褐色
塩化アンモニウム・第2スズ:黄色
塩化アンモニウム・第1スズ:褐色
酢酸ウラニウム:褐色
また、Al−Si合金、Al−Cr合金、Al−Mn合金などは硫酸浴で陽極酸化するだけでカラー・アルマイトができ、これらのカラー・アルマイトを「合金発色」というが、これらの着色も利用できる。
合金発色法においては、合金成分だけでなくて、合金の熱処理状況によって発色しなかったり、色調が変化したりする。すなわち、アルミ合金が固溶体であるか、共晶であるかが発色に影響を与え、例えば下記のような色が得られる。
(アルミ合金:色)
Al−Si:黒、灰色
Al−Cr:黄金色、灰色
Al−Mn:紅褐色
Al−Mn−Cr:黒、灰色、黄色
又、無色のアルマイトを作ったあとに、改めて色をつける方法を着色法と呼び、アルマイトの着色法としては染料着色法、無機塩浸漬着色法、電解着色法があるが、これらの着色方も利用できる。また、そのほかの特殊な着色法として、アルミニウム上に機械的に非常に細い多数のミゾを作り、光の干渉で色をつける方法も利用できる。
〔親水性層〕
親水性表面を有する基材は、上記のような基材の表面を親水化処理する方法あるいは基材上に親水性層を設ける方法により得られる。
親水性を設ける場合、親水性層は親水性素材を含み、親水性素材としては、金属酸化物が好ましく用いられる。
金属酸化物としては、金属酸化物の粒子を含むことが好ましい。
例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。
この金属酸化物粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でも良い。平均粒径としては、3〜100nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物粒子を併用することもできる。又、粒子表面に表面処理がなされていても良い。
上記金属酸化物粒子はその造膜性を利用して結合剤としての使用が可能である。有機の結合剤を用いるよりも親水性の低下が少なく、親水性層への使用に適している。
本発明には、上記の中でも特にコロイダルシリカが好ましく使用できる。コロイダルシリカは比較的低温の乾燥条件であっても造膜性が高いという利点があり、良好な強度を得ることができる。
上記コロイダルシリカとしては、ネックレス状コロイダルシリカ、平均粒径20nm以下の微粒子コロイダルシリカを含むことが好ましく、さらに、コロイダルシリカはコロイド溶液としてアルカリ性を呈することが好ましい。
本発明に用いることができる親水性層は金属酸化物として多孔質金属酸化物粒子を含むことが好ましい。
多孔質金属酸化物粒子としては、多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
多孔質無機粒子の粒径としては、親水性層に含有されている状態で、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。
親水性層にはその他の添加素材として、ケイ酸塩水溶液も使用することができる。ケイ酸Na、ケイ酸K、ケイ酸Liといったアルカリ金属ケイ酸塩が好ましく、そのSiO2/M2O比率はケイ酸塩を添加した際の塗布液全体のpHが13を超えない範囲となるように選択することが無機粒子の溶解を防止する上で好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているもの、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
本発明の好ましい態様として、親水性層には後述の光熱変換剤を含有させることができる。
光熱変換素剤としては下記のような素材を挙げることができる。
一般的な赤外吸収色素であるシアニン系色素、クロコニウム系色素、ポリメチン系色素、アズレニウム系色素、スクワリウム系色素、チオピリリウム系色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素などの有機化合物、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アゾ系、チオアミド系、ジチオール系、インドアニリン系の有機金属錯体などが挙げられる。具体的には、特開昭63−139191号、特開昭64−33547号、特開平1−160683号、特開平1−280750号、特開平1−293342号、特開平2−2074号、特開平3−26593号、特開平3−30991号、特開平3−34891号、特開平3−36093号、特開平3−36094号、特開平3−36095号、特開平3−42281号、特開平3−97589号、特開平3−103476号等に記載の化合物が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、特開平11−240270号、特開平11−265062号、特開2000−309174号、特開2002−49147号、特開2001−162965号、特開2002−144750号、特開2001−219667号に記載の化合物も好ましく用いることができる。
親水性層を設ける場合は、この親水性層の表面の可視光反射濃度が0.5以上であり、後述の可視画付与層が露光により濃度が低下した領域との濃度差が0.5以上であることが好ましい。
〔感熱画像形成層〕
本発明に係る感熱画像形成層(以下画像形成層と略記)は、像様加熱により画像形成可能な層であり、印刷機上現像可能な層である。
像様に加熱するには、直接熱源で画像様に加熱する方法、あるいはレーザーなどで、画像露光を行い、露光することにより発生する熱により加熱する方法があるが、本発明においては、レーザー光を用いた画像露光による方法が好ましく用いられる。
画像形成層の加熱された部分は印刷時印刷インキ受容性である画像部となる。
画像形成層は熱により変形、溶融、軟化等の変化を生じる感熱性素材を含有する。
画像形成層には、前述の親水性層に記載の光熱変換剤を含有させるのが好ましい態様である。
感熱性素材としては、天然または合成ワックス類、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリウレタン系樹脂もしくはこれらの共重合体樹脂あるいはブロックイソシアネートなどの熱反応性の素材などが挙げられる。
感熱性素材は、耐刷性、機上現像性等の面でブロックイソシアネート、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂粒子等であることが好ましい。
これらの樹脂の好ましい物性として、融点、軟化点、ガラス転移点(Tg)などの性質が40℃以上である。
又、感熱性素材は熱可塑性の樹脂粒子などが好ましく、その平均粒径は機上現像性、解像度の面から0.01〜2μmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜1μmである。
〔画像形成層に含有可能なその他の素材〕
本発明に係る画像形成層にはさらに以下のような素材を含有させることが好ましい。
画像形成層には水溶性樹脂、水分散性樹脂を含有させることが好ましい。水溶性樹脂、水分散性樹脂としては、オリゴ糖、多糖類、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、ビニル系重合体ラテックス、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の樹脂が挙げられる。
オリゴ糖としては、ラフィノース、トレハロース、マルトース、ガラクトース、スクロース、ラクトースといったものが挙げられるが、特にトレハロースが好ましい。
多糖類としては、デンプン類、セルロース類、ポリウロン酸、プルランなどが使用可能であるが、特にメチルセルロース塩、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース塩等のセルロース誘導体が好ましく、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩やアンモニウム塩がより好ましい。
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩(Na塩等)、ポリアクリルアミドとしては、分子量3000〜500万であることが好ましく、5000〜100万であることがより好ましい。
水溶性樹脂、水分散性樹脂は印刷版材料の経時保存後の地汚れや耐熱性、および機上現像性を向上させるために添加させる場合があるが、添加量を増やした場合、印刷版画像部の耐久性を低下させる場合があるため添加量は必要最低限であることが好ましく、通常50質量%以下の範囲が好ましく、30%以下の範囲がより好ましい。
また、画像形成層には、水溶性の界面活性剤を含有させることができる。Si系、F系、アセチレングリコール系等の界面活性剤を使用することができる。
さらに、pH調整のための酸(リン酸、酢酸等)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、ケイ酸塩、リン酸塩等)を含有していても良い。
画像形成層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
〔可視画付与層〕
本発明に係る可視画付与層は、極大波長が830nmの赤外レーザー光により400mJ/cm2のエネルギー量で露光する露光条件下において、露光部の可視光反射濃度を未露光部の可視光反射濃度に対して0.2以上減少し得る層であり、像様加熱時に少なくとも熱または光により、透明度の低下、光散乱性の増大が生じることによって可視光反射濃度が低下する。
これにより、印刷版材料の露光部と未露光部で反射濃度差が生じ、画像の判別が可能となる。
本発明に係る可視画付与層は、反射濃度を低下させる素材を含み、この素材としては下記のものが挙げられる。
(金属酸化物)
金属酸化物としては、金属酸化物粒子を含むことが好ましい。
例えば、コロイダルシリカ、アルミナゾル、チタニアゾル、その他の金属酸化物のゾルが挙げられる。
この金属酸化物粒子の形態としては、球状、針状、羽毛状、その他の何れの形態でも良い。平均粒径としては、3〜2000nmであることが好ましく、平均粒径が異なる数種の金属酸化物粒子を併用することもできる。又、粒子表面に表面処理がなされていても良い。
その他、金属酸化物として多孔質金属酸化物粒子を含むことが好ましい。多孔質金属酸化物粒子としては、後述する多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子もしくはゼオライト粒子を好ましく用いることができる。
(多孔質シリカ多孔質シリカ又は多孔質アルミノシリケート粒子)
多孔質シリカ粒子は一般に湿式法又は乾式法により製造される。湿式法ではケイ酸塩水溶液を中和して得られるゲルを乾燥、粉砕するか、中和して析出した沈降物を粉砕することで得ることができる。乾式法では四塩化珪素を水素と酸素と共に燃焼し、シリカを析出することで得られる。これらの粒子は製造条件の調整により多孔性や粒径を制御することが可能である。
(ゼオライト粒子)
ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり、細孔径が0.3〜1nmの規則正しい三次元網目構造の空隙を有する多孔質体である。
多孔質無機粒子の粒径としては、実質的に1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましい。
また、本発明の印刷版材料の可視画付与層は金属酸化物として、層状鉱物粒子が好ましく用いられる。
この層状鉱物粒子としては、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サボナイト等)、バーミキュライト、マイカ(雲母)、クロライトといった粘土鉱物及び、ハイドロタルサイト、層状ポリケイ酸塩(カネマイト、マカタイト、アイアライト、マガディアイト、ケニヤアイト等)等が挙げられる。中でも、単位層(ユニットレイヤー)の電荷密度が高いほど極性が高く、親水性も高いと考えられる。好ましい電荷密度としては0.25以上、更に好ましくは0.6以上である。このような電荷密度を有する層状鉱物としては、スメクタイト(電荷密度0.25〜0.6;陰電荷)、バーミキュライト(電荷密度0.6〜0.9;陰電荷)等が挙げられる。特に、合成フッ素雲母は粒径等安定した品質のものを入手することができ好ましい。又、合成フッ素雲母の中でも、膨潤性であるものが好ましく、自由膨潤であるものが更に好ましい。
又、上記の層状鉱物粒子のインターカレーション化合物(ピラードクリスタル等)や、イオン交換処理を施したもの、表面処理(シランカップリング処理、有機バインダとの複合化処理等)を施したものも使用することができる。
状層状鉱物粒子のサイズとしては、層中に含有されている状態で(膨潤工程、分散剥離工程を経た場合も含めて)、平均粒径(粒子の最大長)が20μm以下であり、又平均アスペクト比(粒子の最大長/粒子の厚さ)が20以上の薄層状であることが好ましく、平均粒径が5μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましく、平均粒径が1μm以下であり、平均アスペクト比が50以上であることが更に好ましい。粒子サイズが上記範囲にある場合、薄層状粒子の特徴である平面方向の連続性及び柔軟性が塗膜に付与され、クラックが入りにくく乾燥状態で強靭な塗膜とすることができる。また、粒子物を多く含有する塗布液においては、層状粘土鉱物の増粘効果によって、粒子物の沈降を抑制することができる。
層状鉱物粒子を含む場合の含有量としては、層全体の1〜90質量%であることが好ましく、4〜80質量%であることがより好ましく、特に4〜50%質量%であることが好ましい。
特に膨潤性合成フッ素雲母やスメクタイトは少量の添加でも効果が見られるため好ましい。層状鉱物粒子は、塗布液に粉体で添加してもよいが、簡便な調液方法(メディア分散等の分散工程を必要としない)でも良好な分散度を得るために、層状鉱物粒子を単独で水に膨潤させたゲルを作成した後、塗布液に添加することが好ましい。
また、金属アルコキシドを用いた、いわゆるゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーも使用することができる。ゾル−ゲル法による無機ポリマーもしくは有機−無機ハイブリッドポリマーの形成については、例えば「ゾル−ゲル法の応用」(作花済夫著/アグネ承風社発行)に記載されているか、又は本書に引用されている文献に記載されている公知の方法を使用することができる。
本発明に係る可視画付与層において、像様に熱または光を与えた領域の反射濃度が低下するのは、レーザー光等により短時間に急激な温度変化が生じるために、可視画付与層中に極微小なクラックを生じたり、層中にガスを包含するために観察光源の入射光が散乱されて、その結果印刷版材料表面の濃度が低下するものと推定される。
本発明の印刷版材料の好ましい態様としては、前述の表面を親水化処理されたアルミニウム基材、もしくは基材上に設けられた親水性層上に、画像形成層を設け、画像形成層またはそれ以外の基材上の構成層のいずれかに、光熱変換剤を含有する印刷版材料である。
可視画付与層は、基材の画像形成層側に設けられるが、画像形成層と別層として設けても良いが、塗布工程数の低減、光熱変換効率の向上の観点から、画像形成層と可視画付与層が1つの層として機能することも好ましい態様である。
画像形成層の上層として保護層を設けることもできる。保護層に用いる素材としては、水溶性樹脂、水分散性樹脂を好ましく用いることができる。
また、特開2002−019318号や特開2002−086948号に記載されている親水性オーバーコート層も好ましく用いることができる。保護層の付き量としては、0.01〜10g/m2であり、好ましくは0.1〜3g/m2であり、さらに好ましくは0.2〜2g/m2である。
本発明においては保護層に可視画付与層の機能を付与することも出来る。
画像形成層は、印刷機上現像可能な層である。
印刷機上現像可能とは、露光後、平版印刷における湿し水及びまたは印刷インキにより非画像部の画像形成層が除去され得ることをいう。印刷機上現像可能とするには、上述の感熱性素材、水溶性樹脂、水分散性樹脂などを含有させることにより得られる。
本発明の可視画付与層において、反射濃度を0.2以上減少させる好ましい態様としては、反射濃度を低下させる素材として、モンモリロナイト等の層状鉱物粒子を可視画付与層の全固形分の4〜50質量%程度の比率で添加する。これらは、水と混ぜることで膨潤し粘度の高い溶液のような状態を形成するため、前述の感熱性素材としてのポリエステルエマルジョン、水溶性の赤外吸収色素と水溶媒中で混合して可視画付与層兼画像形成層塗布液とすることができる。感熱性素材の固形分は40〜95%、赤外吸収色素は0.5〜30%のとなるのが好ましい。
可視画付与層の付量としては、0.1〜10g/m2が好ましく、0.2〜5g/m2がより好ましい。
可視画付与層兼画像形成層塗布液を親水性表面を有する基材上に塗布後の乾燥は、20℃〜200℃で10秒〜30分程度で行うのが好ましい。
その際、感熱性素材が熱により、その後に水洗で除去不可能な程度に軟化、溶融して親水性表面に密着しない条件に、温度と時間を調整することが必要であるが、上記の温度範囲のなかで調製することで可能となる。
このような条件で形成された層は、比較的透明性が高く基材表面の濃度を損ねない。この印刷版材料に極大波長が830nmの赤外レーザー光により400mJ/cm2のエネルギー量で露光した場合、露光領域の可視画付与層兼画像形成層が粗面化、白濁化して非露光領域とのコントラストを生じさせることができ、その結果画像が目視で容易に確認が出来るようになる。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法には、印刷版としての画像形成と、可視画像の付与のための画像形成の、2つの画像形成工程が存在する。
これらを別々の工程で行っても良いが、簡略化の点から同時に行われることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、印刷版材料をレーザー光を用いて画像を形成するが、中でも特にサーマルレーザーによる露光によって画像形成を行うことが好ましい。
例えば赤外及び/または近赤外領域で発光する、即ち700〜1500nmの波長範囲で発光するレーザーを使用した走査露光が好ましい。
レーザーとしてはガスレーザーを用いてもよいが、近赤外領域で発光する半導体レーザーを使用することが特に好ましい。
走査露光に好適な装置としては、この半導体レーザーを用いてコンピュータからの画像信号に応じて印刷版材料表面に画像を形成可能な装置であればどのような方式の装置であってもよい。
一般的には、(1)平板状保持機構に保持された印刷版材料に一本もしくは複数本のレーザービームを用いて2次元的な走査を行って印刷版材料全面を露光する方式、(2)固定された円筒状の保持機構の内側に、円筒面に沿って保持された印刷版材料に、円筒内部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いて円筒の周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式、(3)回転体としての軸を中心に回転する円筒状ドラム表面に保持された印刷版材料に、円筒外部から一本もしくは複数本のレーザービームを用いてドラムの回転によって周方向(主走査方向)に走査しつつ、周方向に直角な方向(副走査方向)に移動させて印刷版材料全面を露光する方式が挙げられる。又特に印刷装置上で露光を行う装置においては、(3)の露光方式が用いられる。
〔機上現像方法〕
印刷機上での画像形成層の未露光部の除去は、版胴を回転させながら水付けローラーやインクローラーを接触させて行なうことができるが、下記に挙げる例のような、もしくは、それ以外の種々のシークエンスによって行なうことができる。
また、その際には、印刷時に必要な湿し水水量に対して、水量を増加させたり、減少させたりといった水量調整を行ってもよく、水量調整を多段階に分けて、もしくは、無段階に変化させて行ってもよい。
(1)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(2)印刷開始のシークエンスとして、インクローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、水付けローラーを接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
(3)印刷開始のシークエンスとして、水付けローラーとインクローラーとを実質的に同時に接触させて版胴を1回転〜数十回転回転させ、次いで、印刷を開始する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中「部」は特に断りのないかぎり「質量部」を表す。
〔基材の作製〕
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、50℃の1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、25℃の0.1質量%塩酸水溶液中に30秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。
次いでこのアルミニウム板を、塩酸10g/L、アルミを0.5g/L含有する電解液により、正弦波の交流を用いて、ピーク電流密度が50A/dm2の条件で電解粗面化処理を行なった。
この際の電極と試料表面との距離は10mmとした。電解粗面化処理は12回に分割して行い、一回の処理電気量(陽極時)を40C/dm2とし、合計で480C/dm2の処理電気量(陽極時)とした。また、各回の粗面化処理の間に5秒間の休止時間を設けた。
電解粗面化後は、50℃に保たれた1質量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、粗面化された面のスマット含めた溶解量が1.2g/m2になるようにエッチングし、水洗し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗した。次いで、20%硫酸水溶液中で、20Vの定電圧条件で電気量が150C/dm2となるように陽極酸化処理を行い、さらに水洗した。
次いで、水洗後の表面水をスクイーズした後、70℃に保たれた1質量%のリン酸二水素ナトリウム水溶液に30秒間浸漬し、水洗を行った後に80℃で5分間乾燥し、基材1を得た。
基材1のRaは460nmであった(WYKO社製RST Plusを使用し、40倍で測定した)。
続いて、酢酸アンモニウム(関東化学社製)を固形分濃度0.1質量%の水溶液とし、90℃に液温を保った浴中に、撹拌しながら60秒浸漬処理後、水洗、乾燥した後、カルボキシメチルセルロース1150(ダイセル化学株式会社製)を固形分濃度0.1質量%の水溶液とし、80℃に液温を保った浴中に、撹拌しながら30秒浸漬処理後、水洗、乾燥した。
〔基材の着色〕
電解着色法を用い、陽極酸化膜を10μmつけて、金属イオン含有の電解液中で交流の定電圧法にて3〜10分処理することで陽極酸化中のポア内に金属微粒子を析出させた。
表面を黒くするために、硫酸第一錫を用い、下記の電解条件で着色を行った。
電解液:硫酸第一錫10g/L、硫酸10g/L、カテコール5g/L
処理温度28度、電圧15V、15秒立ち上げのソフトスタート
着色後のアルミニウム基材表面の反射濃度は0.75であった。濃度測定は、GretagMacbeth社製分光濃度計Spectrolinoを用いて、フィルター条件D65、観測視野2°、ホワイトベース:絶対白色、濃度標準:Status−Tで測定した値で400nmから700nmまでの、各20nm間隔の反射濃度を測定し、平均値を求めた。
〔印刷版材料の作製〕
[印刷版材料1]
下記組成の素材を、十分に撹拌混合した後、純水で濃度を適宜希釈調整し、濾過して、固形分2.5質量%の可視画付与層兼画像形成層(1)の塗布液を得た。
次いで、親水性層上に、可視画付与層兼画像形成層(1)の塗布液を、ワイヤーバーを用いて乾燥後の付量が0.8g/m2となるように塗布し、温度50℃で3分間乾燥した。
次いで、35℃24時間のエイジング処理を行って、印刷版材料1を得た。質量部比は乾燥後の固形分中の質量比率を表す。
可視画付与層兼画像形成層(1)塗布液組成
感熱性素材:水分散型共重合ポリエステル樹脂エマルジョン(東洋紡績(株)社製、バイロナールPMD1200(lot.NoF22524)、固形分41質量%)
163部
水溶性樹脂:ポリアクリル酸ナトリウム、アクアリックDL522(日本触媒社製)の水溶液、固形分10質量% 50部
赤外吸収色素:ADS830WS(AmericanDyeSource 社製)の1質量%水溶液 800部
層状鉱物粒子:コープケミカル株式会社製親水性スメクタイトSWN 20部
[印刷版材料2〜6]
印刷版材料1における着色後のアルミニウム基材表面の反射濃度を表1の様に調整した以外は印刷版材料1と同様にして平版印刷版材料2〜6を得た。
[印刷版材料7]
比較の印刷版材料として、印刷版材料1における可視画付与層兼画像形成層(1)の塗布液組成のうち、層状粘土鉱物粒子を除いた以外は同様にして、印刷版材料7を作製した。
[印刷版材料8]
印刷版材料1におけるアルミニウム基材表面の着色工程を省略した以外は印刷版材料1と同様にして平版印刷版材料8を得た。
[印刷版材料9]
印刷版材料1における着色後のアルミニウム基材表面の反射濃度を表1の様に調整し、さらに可視画付与層件画像形成層の付き量を1.3/m2に変更した以外は印刷版材料1と同様にして平版印刷版材料9を得た。
〔赤外線レーザー露光による画像形成〕
印刷版材料を露光ドラムに巻付け固定した。露光には波長830nm、スポット径約18μmのレーザービームを用い、露光エネルギーを400mJ/cm2として、2400dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)、175線で画像を形成した。露光した画像はベタ画像と1〜99%の網点画像とを含むものである。
未露光領域の反射濃度及び露光領域の反射濃度を表1に示す。濃度測定は上記基材1と同様の方法により測定した。
〔印刷方法〕
印刷機:三菱重工業社製DAIYA1F−1を用いて、コート紙、湿し水:アストロマーク3(日研化学研究所社製)2質量%、インク(東洋インク社製TKハイユニティ紅)を使用して印刷を行った。印刷版材料は露光後そのままの状態で版胴に取り付け、PS版と同じ刷り出しシークエンスを用いて印刷した。
〔印刷評価〕
[機上現像性]
各印刷版材料について、刷り出しから何枚目の印刷で機上現像が終了するかを求めた。
機上現像終了の指標は、印刷物上で非画像部の汚れがなく、かつ、ベタ画像部の濃度が1.6以上(MacbethRD918を用いてMのモードで測定し)であり、かつ、95%の網点画像が開いていることとした。良好な印刷が得られるまでの損紙の枚数を表1に示した。
[可視画性の評価]
赤外線レーザー露光による画像形成の印刷版材料をグレタグマクベス社製、標準光源装置プルーフライト(反射用)LD50−440モデルの光源下で観察を行い、網点ステップ部の画像を観察した。
その際の網点%の異なるステップ同士の階調差の判別性の可否を比較した。
評価基準
5:網点1%から99%の全領域において網点の階調差%が5%のステップの差を目視判別可能
4:網点5%から95%の領域において網点の階調差%が5%のステップの差を目視判別可能
3:網点10%から90%の領域において網点の階調差%が20%のステップの差を目視判別可能
2:網点0%(未露光部)と50%および100%(ベタ露光部)のステップの差を目視判別可能
1:網点0%(未露光部)と100%(ベタ露光部)のステップの差を目視判別可能
Figure 2006007699
表1の結果より、本発明の印刷版材料は、機上現像性に優れ、露光後の目視判別性が良好であり、可視画性に優れることが分かる。

Claims (2)

  1. 親水性表面を有する基材上に、印刷機上現像可能な感熱画像形成層を有するネガ型印刷版材料であって、a)該親水性表面の可視光反射濃度が0.5以上であり、b)該基材の感熱画像形成層側に、極大波長が830nmの赤外レーザー光により400mJ/cm2のエネルギー量で露光する露光条件下において、露光部の可視光反射濃度を未露光部の可視光反射濃度に対して0.2以上減少し得る、可視画付与層を有することを特徴とする印刷版材料。
  2. 請求項1に記載の印刷版材料をレーザー光で画像露光し、画像形成することを特徴とする画像形成方法。
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