JP2006003301A - 赤外線検出素子、赤外線検出装置および固体撮像装置、および赤外線検出装置の製造方法 - Google Patents

赤外線検出素子、赤外線検出装置および固体撮像装置、および赤外線検出装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 誘電ボロメータ用酸化物薄膜とその製造方法、さらに誘電ボロメータ用酸化物薄膜を用いた赤外線固体撮像装置を提供する。
【解決手段】 温度に応じて誘電率が変化する赤外線検出用膜であって、Ba(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)の化学式で示され、1℃の温度変化に対する誘電率の変化が2%以上であることを特徴とし、さらに、Snの化学組成xが0.1以上0.2以下であり、膜厚が2μm以下である。この赤外線検出用膜を有する誘電ボロメータを用いれば、室温で動作可能な高感度の赤外線検出器および固体撮像装置を実現できる。
【選択図】図7

Description

本発明は、誘電ボロメータ用酸化物薄膜を有する熱型赤外線検出装置およびその製造方法、熱型赤外線検出装置を備え、監視カメラなどに使用される熱型赤外線固体撮像装置に関するものである。
赤外線の検出方法には数多くの方式が存在し、大別すると二種類の方式を利用した赤外線検出装置が主流となっている。一つは、固体材料の光電効果によって赤外線吸収を直接電気信号に変換することを利用した量子型赤外線検出器であり、もう一つは、赤外線を赤外線吸収体によって一度熱に変換し、その温度変化を温度による物性の変化が大きい材料によって検出する熱型赤外線検出器である。量子型赤外線検出器は、赤外線吸収による固体の状態間遷移に基づく光電効果を赤外線検出の基本原理としているため、撮像領域は通常液体窒素などにより冷却されなくてはならない。一方、熱型赤外線検出器は、赤外線の吸収により発生する熱を利用するため、室温においても赤外線を検出することができる。
近年、防犯やセキュリティー分野において、暗視野においても物体を検知し、さらに画像としてその物体を認識することのできる赤外線検出器および赤外線撮像装置に対するニーズが大きくなっており、特に、量子型赤外線検出器に比べて小型で安価な熱型赤外線撮像装置の需要は拡大の一途をたどっている。シリコンプロセスで製造され、画素が二次元的に配列された熱型赤外線撮像装置は、周辺回路とワン・チップ化ができるという長所を有し、小型監視カメラや自動車に搭載される暗視カメラなどの画像入力素子として注目されている。 熱型赤外線撮像装置に応用可能な検出原理は多く提案されており、特に、強誘電体の相転移に伴う分極変化を利用した焦電型赤外線固体撮像装置が実用化されている。例えば、赤外線検出の強誘電体材料としてチタン酸バリウム・ストロンチウム(Ba1-xSrxTiO3:BST)などのセラミックを用いた焦電型赤外線イメージセンサーが「強誘電体素子イメージングシステム」(Ferroelectric Imaging System)と題した特許文献1、及び「熱イメージングシステム用のポリイミド熱絶縁メサ」(Polyimide Thermal Isolation Mesa for a Thermal Imaging System)と題した特許文献2に開示されている。
しかし、焦電型赤外線イメージセンサーは、素子に入射する赤外線を変調するためのチョッパを必要とすることや、高い焦電能力を保持するために、強誘電体材料の膜厚が数μm以上必要なことから微細化に不向きであった。また、焦電型赤外線イメージセンサーの製造方法は複雑で、歩留まりの低下が問題となっていた。
前記の課題に対し、近年、強誘電体薄膜の比誘電率の温度変化を利用して赤外線を検知する誘電ボロメータが提案されており、チョッパを必要としないことや微細化に適していること等の優れた特徴を有しているため、その実用化が期待されている。
誘電ボロメータ用材料に求められる特性としては、比誘電率の温度変化の割合の大きさを表す誘電率温度係数(以下、これをTCD;Temperature coefficient of dielectricと表記する)が大きいことやリーク電流が小さいことなどがある。特に、TCDは赤外線検出器の温度分解能であるNETD(Noise equivalent of temperature difference;等価雑音温度差)を決める最も重要な要素であり、大きなTCDを得ることを目的とした材料物性研究、およびTCDの大きな誘電体薄膜を用いた赤外線検出器の製造方法の研究が盛んに行われている。誘電ボロメータのデバイス構造は、例えば特許文献3、特許文献4などに開示されており、誘電ボロメータ用酸化物薄膜に関しては、例えば特許文献5に示されており、製造方法に関しては、特許文献6で提案されている。
米国特許第4,143,269号 米国特許第5,047,644号 特開平11−148868号 特開平11−271141号 特開平11−271142号 特開2002−124708号
しかし、誘電体薄膜の性能指数であるTCDは、前記いずれの技術を用いた場合も十分な検出能を持つ赤外線検出器を実現するためには小さく、赤外線イメージセンサーの検出素子として、より大きなTCDを示す誘電体材料が求められている。
また、微細化のトレンドや歩留まりなど製造の観点から、誘電ボロメータに用いる誘電体薄膜は薄ければ薄いほど良く、その厚みは少なくとも2μm以下であることが望まれている。現在、チタン酸バリウム・ストロンチウム系の材料が誘電ボロメータ用薄膜材料の候補として盛んに研究されているが、感度が低いために実用化の目処は立っていない。このように、所望のTCDを有する材料を得るのが困難である1つの理由を以下に説明する。
一般的に、強誘電体から常誘電体へ相転移する際に誘電率がキュリー点近傍で大きく変化することが知られており、この現象は誘電異常と呼ばれている。誘電ボロメータは強誘電体材料の強誘電体―常誘電体相転移に基づくこの誘電異常を利用しており、バルク固体においては十分に大きいTCDを示す材料が報告されている。しかしながら、強誘電体を薄膜化した場合、誘電異常が小さくなる、すなわち、比誘電率の温度変化の割合が小さくなるという現象が生じる。すなわち、誘電異常はバルクにおいて顕著に見られる現象であり、一般に強誘電体を薄膜化するとキュリー点がシフトし、誘電異常が小さくなり単調な変化を示すようになる。
図8は、Ba1-xSrxTiO3(0<x<1)(以下「BST」と呼ぶ)の化学式で示される誘電体材料の比誘電率の温度変化の割合と膜厚との関係を示す図である。同図に示されるように、膜厚が5μmである場合、BSTの誘電率は23℃近傍で極大値を持ち、この場合の比誘電率の温度変化の割合は、25℃近辺で−10%/Kと典型的な誘電異常を示している。これに対し、膜厚が0.08μmである場合、BSTの比誘電率の温度変化の割合が25℃近辺で−0.2%/Kと極めて小さく、誘電異常が小さくなっていることがわかる。
このように、誘電体の膜厚を薄くするに従って、誘電異常は著しく小さくなる。そのため、厚さが数μm以下の薄膜は赤外線検出素子の材料としては適しておらず、誘電体のバルク固体や厚膜が誘電ボロメータ素子や焦電素子に用いられている。なお、誘電体膜の薄膜化に伴う誘電異常の減少は、薄膜化効果やサイズ効果として知られているが、詳細なメカニズムは未だ明かになっていない。
バルク固体もしくは厚膜の材料を誘電ボロメータ用材料として用いることは、低歩留まり化、高コスト化の原因となり、上述のように素子の微細化における大きな障害にもなっている。そのため、誘電ボロメータを利用した赤外線検出器の製作において、大きなTCDを持つ誘電ボロメータ用薄膜材料の開発が必須となっていた。
そこで、本発明は、誘電ボロメータを実用化するのに十分な大きさのTCDを示す誘電ボロメータ用酸化物薄膜とこれを用いた赤外線カメラなどの赤外線固体撮像装置、および誘電ボロメータ用酸化物薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の赤外線検出素子は、温度に応じて比誘電率が変化する赤外線検出用膜よりなる赤外線検出素子であって、Ba(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)からなり、いずれかの温度において、1℃の温度変化に対する比誘電率の変化の割合の絶対値が2%以上である。
これにより、本発明の赤外線検出素子を用いて、例えば、受光した赤外線によって生じた温度変化を検出する高感度な赤外線検出器や熱型固体撮像装置を実現することが可能となる。
Snの組成比xは0.1以上で、0.2以下であれば温度変化に対する比誘電率の変化の割合の絶対値を、赤外線検出器や熱型固体撮像装置を実現するのに十分な値とすることができるので好ましい。
特に、Snの組成比xは0.13以上で、且つ0.16以下であればさらに好ましい。
また、膜厚が2μm以下であれば、歩留まりが高く、且つ微細化された誘電ボロメータを作製でき、これを用いた熱型熱型固体撮像装置などを実現することが可能になる。
本発明の赤外線検出装置は、基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極の上に設けられた誘電体膜と、前記誘電体膜の上に設けられた上部電極とを有し、温度変化に応じて静電容量値が変化する第1の容量素子を備えている赤外線検出装置であって、前記誘電体膜は、Ba(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)からなる。
これにより、室温で動作できる高感度な熱型赤外線検出器および赤外線固体撮像装置を作製することが可能になる。
Snの組成比xは0.1以上で、且つ0.2以下であることが好ましい。
前記第1の容量素子に直列に接続される第2の容量素子をさらに備え、前記第1の容量素子と前記第2の容量素子との間の電位を検出することで、高感度で赤外線を検知することが可能になる。
本発明の固体撮像装置は、撮像領域が形成された基板と、前記基板の撮像領域上に1次元または2次元状に配列され、外部から受光した赤外線を検知して信号を発生する画素とを備えている固体撮像装置であって、前記画素は、Ba(Ti1-xSnx)O3(但し、0<x<1)からなる誘電体膜を有し、いずれかの温度において、受光した前記赤外線量に応じて静電容量値が変化する第1の容量素子を有している。
この構成により、受光した赤外線量に応じて第1の容量素子の静電容量が大きく変化するので、これに伴う電位変化などを検知することで、従来よりも高精細且つ高画質の映像を撮影することが可能になる。また、この構成によれば、撮像装置の多画素化が可能であり、被写体の赤外線イメージを静止画および動画で撮像することが可能となる。
Snの組成比xは0.1以上で、且つ0.2以下であることが好ましい。
膜厚が2μm以下であることが好ましい。
本発明の赤外線検出装置の製造方法は、基板上に形成された下部電極と、前記下部電極の上に有機金属分解法により形成され、Ba(Ti1-xSnx)O3(但し、0<x<1)からなる誘電体膜と、前記誘電体膜の上に形成された上部電極とを有し、温度変化に応じて静電容量値が変化する容量素子を備えている赤外線検出装置の製造方法であって、前記誘電体膜を形成する工程は、有機金属化合物を用いてBa(Ti1-xSnx)O3を堆積するスピンコート工程と、前記基板を熱処理して有機溶媒を蒸発させるドライ工程と、前記基板を熱処理して前記Ba(Ti1-xSnx)O3の結晶核を生成するための仮焼結工程と、前記基板を熱処理して前記結晶核から結晶を成長させるための焼結工程とを備えている。
この方法によれば、誘電体膜材料中の各元素の混合比を正確に制御でき、且つ均一な誘電体膜を成膜することができる。また、比較的安価に誘電体膜を作製できる。
前記スピンコート工程は窒素雰囲気下で行なうことが好ましい。
前記ドライ工程では、前記Ba(Ti1-xSnx)O3の結晶化温度よりも低い温度で前記基板を熱処理することが好ましい。
前記ドライ工程では、前記基板を裏面側から加熱することが好ましい。
前記ドライ工程の後であって前記仮焼結工程の前に、前記Ba(Ti1-xSnx)O3の結晶化温度以下の温度で前記基板を加熱するポストドライ工程をさらに含んでいることにより、ポストドライ工程を行わない場合に比べてTCDを大きくすることができるので、好ましい。
前記焼結工程は前記仮焼結工程での処理温度よりも高温であると共に、600℃以上且つ1000℃未満の温度で行なう、赤外線検出装置の製造方法。
前記仮焼結工程は、酸素を含む気相中で行なうことが好ましい。
前記焼結工程は、酸素を含む気相中で行なうことが好ましい。
酸素を含む気相中、前記誘電体膜および前記上部電極を500℃以下で熱処理するポストアニール工程を備えていることにより、誘電体膜のTCDの絶対値を大きくすることができる。
本発明に係る赤外線検出用膜を有する熱型赤外線固体撮像装置によれば、比誘電率の温度変化の割合が大きな誘電体薄膜を用いることで、赤外線検出器の感度を向上させることができるため、高画質且つ高精細の赤外線イメージを撮像することができる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る赤外線検出用膜(赤外線検出素子)は、入射した赤外線によって生じた温度変化によって比誘電率が変化する材料であり、Ba(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)(これ以後単にBTSと表記する)の化学式で示される誘電ボロメータ用酸化物薄膜である。本実施形態の赤外線検出用膜の材料は、BaTiO3の化学式で示されるチタン酸バリウムのチタン原子の一部をスズ原子で置換したBa(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)で示される強誘電体であってBTS中のSnの組成比xが0.1以上0.2以下になっている。特に、本実施形態の赤外線検出用膜は、例えばシリコン基板上に形成された白金(Pt)からなる下部電極上に形成され、厚さ2μm以下のBa(Ti1-xSnx)O3(0.10≦x≦0.20)からなる誘電体膜である。そして、本実施形態の赤外線検出用膜の室温(25℃)における強誘電体から常誘電体への相転移に伴う比誘電率の温度変化の割合(TCD)の絶対値は、2%以上である。なお、本明細書中で「Snの組成比」とは、前記BTSの化学式中のxのことを指すものとする。
本実施形態の赤外線検出用膜は、BTS中のSnの組成比が0.1以上0.2以下の場合、TCDの絶対値が、2μm以下の厚さにも関わらず、2%以上という大きな値を示す。上述したように、誘電体膜を薄膜化した場合の誘電異常の減少が、誘電体薄膜を利用した誘電ボロメータ赤外線センサーの実現化を困難なものにしていた最も大きな要因であったが、本実施形態の赤外線検出用膜は、薄膜化しつつも比誘電率の温度変化の割合が大きく保たれているので、感度が高く微細な赤外線検出器を実現できる誘電ボロメータの材料として用いることができる。ここで、本願発明者らは、赤外線検出用膜におけるTCDの絶対値が2%以上あれば、赤外線検出器あるいは撮像装置の実用化に耐えることを確認している。
次に、発明者らが以上の組成の赤外線検出用膜を形成するために行った実験結果を説明する。
まず、本願発明者らは、赤外線検出用膜の材料としてBTSを用いることを検討することとした。これは、後述するMODスピンコート法などにより良好な膜質のBTS膜を形成することが可能であることなどによる。その上で、発明者らは、BTSにおいて、チタン原子を置換するSn(スズ)の組成比がTCDの大きさおよびキュリー温度を決定する大きな要因であることに着目し、TCDの絶対値が大きくなるSnの組成比について検討を行った。
図1は、BTSからなる本実施形態の赤外線検出用膜における比誘電率の温度変化の割合を示す図であり、図2は、BTSに含まれるSnの組成比が0から0.16である場合の、バルクBTSの比誘電率の温度に対する変化を示す図である。なお、図1での実験に用いたBTS膜の厚みは0.5μmで、Snの組成比は0.15である。以下、Ba(Ti0.85Sn0.15)O3を「BTS15」と呼ぶものとする。また、TCDは比誘電率の温度変化の割合であり、図2における比誘電率と温度の関係を微分したものに相当する。
前記の実験を行った結果、図2に示すように、BTSのSn組成比が0〜0.15までの間では、Snの組成比が大きくなる程キュリー温度が低温側にシフトし、比誘電率の極大値が大きくなることが分かった。また、Snの組成比が0.15のときに比誘電率の極大値が最も大きくなり、キュリー温度の高温側近傍におけるTCDの絶対値も測定した材料中で最大になることが分かった。また、驚くべきことに、Snの組成比が0.16を超えると比誘電率の極大値は急激に減少し、それに伴って比誘電率の温度に対する変化の割合も小さくなることが分かった。この傾向は、薄膜においても同様であると考えられる。そこで、BTS膜を誘電ボロメータに用いる赤外線検出用膜とする場合は、室温において大きいTCDを得ることが求められることから、BTS中のSnの組成比は少なくとも0.1以上0.2以下、より好ましくは0.13以上0.16以下の範囲内であることが必要であると結論された。
さらに、図1に示すように、BTS15の比誘電率は、キュリー温度(比誘電率が最大となる温度付近)以下では温度の上昇に伴って急激に増加し、キュリー温度よりも高い温度では温度の上昇に伴って比誘電率が減少する典型的な誘電異常現象を示すことが分かった。一般に、このような比誘電率の温度に対する変化割合の大きな値は、薄膜の強誘電体においてほとんど観測されないことが知られているが、本実施形態に係る赤外線検出用膜は、厚さが2μm以下であっても顕著な誘電異常を示すことがわかる。しかも、キュリー温度より高い場合のBTS15におけるTCDの絶対値は、少なくとも2%以上あることから、本実施形態の赤外線検出用膜を用いた誘電ボロメータによって、実用に耐えうる感度を備えた赤外線検出器を作製することが可能となることが分かる。
なお、以上の結果から導かれた本実施形態の赤外線検出用膜の厚みは、2μm以下であることが好ましいが、より高いTCDが要求される場合や、微細化にこだわらない用途に用いる場合には、特に限定されることはない。
また、本実施形態の赤外線検出用膜の室温におけるTCDの絶対値が2%以上であることを説明したが、これにより、冷却装置が不要な小型の固体撮像素子や赤外線検出器が実現できる。TCDの絶対値は室温に限らず、外気温度(例えば10℃以上40℃以下)の範囲内で2%以上あれば好ましい。ただし、いずれかの温度でのTCDの絶対値が2%以上あれば、感度の高い固体撮像素子および赤外線検出器を実現することは可能である。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態として、Ba(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)からなる第1の実施形態に係る赤外線検出用膜を有する誘電ボロメータを備えた固体撮像装置について説明する。本実施形態の固体撮像装置は、入射した赤外線による温度変化に伴う材料の比誘電率の変化を、入射した赤外線の強度の信号として読み出す誘電ボロメータ方式の熱型赤外線撮像装置である。また、本実施形態の固体撮像装置は、第1の実施形態に係る赤外線検出用膜を有する単位画素を備え、その単位画素が1次元あるいは2次元状に配列された構造を持つことを特徴としている。
図3は、本実施形態の誘電ボロメータ型赤外線固体撮像装置の構成の一例を示す図である。
同図に示すように、本実施形態の固体撮像装置は、撮像領域2が形成された半導体基板(図示せず)と、半導体基板の撮像領域2上に設けられ、2次元状に配列されると共に各々が赤外線を受光する複数の画素1と、第1の方向(図3の例では縦方向)に配列された画素1を選択するための垂直シフトレジスタ3と、第1の方向とは異なる第2の方向(図3の例では横方向)に配列された画素1を選択するための水平シフトレジスタ4と、垂直シフトレジスタ3および水平シフトレジスタ4に必要なパルスを供給するタイミング発生回路5と、選択された各画素1からの信号を増幅するオペアンプ6と、センサアレイの列に対応して設けられオペアンプ6からの信号の高周波ノイズを除去するための帯域透過フィルター7と、帯域透過フィルター7からの信号を選択的に出力端子に与えるマルチプレクサ8とを備えている。
撮像領域2においては、各画素1が、赤外線検出部と読み出し回路と参照容量とで構成されている。この構成によって、高感度な熱型赤外線固体撮像装置を得ることができる。
図4は、本実施形態の固体撮像装置において、画素1内に設けられた読み出し回路(誘電ボロメータ、すなわち赤外線検出装置)の一例を示す図である。同図に示すように、この読み出し回路は、温度に応じて比誘電率が変化するBTS膜からなる赤外線検出用膜を含む赤外線検出容量(第1の容量素子)10と、赤外線検出容量10と直列に接続され、赤外線検出容量10と同一組成で厚みが同じBTS膜を含む参照容量(第2の容量素子)11とを有している。また、第1の端部13は参照容量11に接続し、第2の端部14は赤外線検出容量10に接続している。そして、赤外線検出容量10は基板上に設けられた第1の電極(下部電極)および第2の電極(上部電極)と、第1の電極と第2の電極に挟まれたBTS膜とを有し、温度変化に応じて静電容量値が変化する。また、参照容量11は、第3の電極および第4の電極と、第3の電極と第4の電極に挟まれたBTS膜とを有している。ここで、各BTS膜中のSnの組成比は、0.1以上0.2以下とする。
また、赤外線検出容量10は周囲から断熱されており、赤外線の入射に伴う温度変化によって容量値が変化する。すなわち、BTS膜のキュリー温度より高い温度赤外線が入射してBTS膜の温度が上がると、BTS膜の比誘電率が下がり、赤外線検出容量10の容量は小さくなる。一方、参照容量11は基板に設置されており、赤外線の入射に伴う温度変化はほとんどないので、参照容量11の容量変化もほとんどない。
以上のような構成において、第1の端部13と第2の端部の間に交流電圧を印加して、赤外線検出容量10および参照容量11に交流電圧を印加することで、容量分割された中間ノード12の電位を出力として読み出すことができる。この中間ノード12の電位を読み出すことで、赤外線検出容量10の容量変化を測定することができ、赤外線入射による容量10の温度変化を測定することができる。ここで、中間ノード12は赤外線検出容量10と参照容量11との間にあるものとする。
また、本実施形態の固体撮像装置においては、赤外線検出部(赤外線検出容量10)の温度を一定にすることが望ましい。特に、赤外線検出部が外気温の変化の影響をそのまま受けないようにする方がセンサーとしてはより好ましい。図1または図2からも分かるように、TCDは温度変化による比誘電率の変化率を表しており、誘電異常を引き起こすキュリー温度近傍ではその絶対値が大きな値をもち、比誘電率が最大になる温度や比誘電率の変化率が小さくなる温度領域ではTCDの絶対値は小さくなる。そのため、赤外線検出材料として用いるためには、適当な温度補償素子によってボロメータ薄膜の温度をTCDの絶対値が最大になるように設定することが求められる。この構成により常に最大のTCDを示す温度において赤外線検出ができるようになり、赤外線検出器の感度は向上する。
このように、本発明の赤外線検出用膜を用いることで、従来よりも高感度で且つ小型化可能な熱型赤外線固体撮像装置および赤外線センサーを実現することができる。より具体的には、本発明の赤外線検出用膜を有する誘電ボロメータを用いれば、小型で且つ室温で使用可能な体温計やサーモグラフィーなどの医療機器、建物内の防犯用センサー、資源探査装置、生産設備の異常監視用カメラなどを実現することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態として、Ba(Ti1-xSnx)O3(0<x<1)の化学式で示される赤外線検出用膜(誘電ボロメータ薄膜すなわち、赤外線検出素子)の作製方法について説明する。本実施形態の方法において、BTS膜は有機金属分解法(MOD法)を用いて作製する。MOD法の利点は、主に以下に述べる4点が上げられる。(1)化学量論比の制御を正確に行える。(2)成膜の均一性が良い。(3)大面積の成膜に適している。(4)製造装置および製造方法が安価であり非常にシンプルである。これらの利点があるため、BTS膜の製造方法としてMOD法を採用することで、大きいTCDを有するBTS薄膜を安価で比較的容易に作製することができる。
図5は、MOD法を用いたBTS膜の製造プロセスフローの概略を示す図である。
通常のMOD法は、大きく分けて4つの主工程から構成される。まず、図5に示すステップS2で、有機金属錯体を溶解した溶液を所定のモル比だけ混合し、スピンコート工程によって基板に均一に塗布する。なお、図4に示す赤外線検出容量10を形成する場合には、前もって基板上にスパッタなどにより白金(Pt)からなる下部電極を形成しておき、その下部電極上にBTS膜を形成する。
次に、ステップS3で、有機溶媒を分解あるいは蒸発させるための熱処理であるドライ工程を行う。ドライ工程の熱処理は作製する誘電体の結晶化温度よりも低い温度でなければならない。
次いで、ステップS4で、ポストドライ工程を行った後、ステップS5で、基板上に作製する誘電体の結晶核を生成するための低温焼結工程(仮焼結工程とも言う)を行なう。続いて、ステップS6では、結晶を成長させるための高温焼結工程(本焼結工程とも言う)を行なう。
この一連の工程を行うことで数十nmの成膜が可能となるため、これらの一連の工程を繰り返し行うことで所望の膜厚を得ることができる。また、誘電ボロメータ用膜の作製においては、前記に説明した基本的な作製方法に加え、電極の形成を行う工程を必要とする。
MOD法の前記の各工程において、雰囲気、温度、時間など様々な工程処理条件を設定する必要があり、適切な処理条件を決定することが所望する物性を示す材料を作製する上で最も重要かつ難しいことである。本発明に係る製造方法は、室温において2%以上のTCDを示すBTS膜の製造方法に関するものであり、以下にその詳細を示す。
−スピンコート工程−
BTSはチタン酸バリウムのチタン原子の一部をスズ原子で置換した構造を有する誘電体であるため、スピンコート工程において、各有機金属錯体が溶けた有機溶媒を所定のモル比で混合する。ここでは、大きいTCDを示すBTS膜を作製するために、スズの混合モル比を0.1以上0.2以下の範囲にしなければならない。これにより、室温においてBTS膜が2%以上のTCDを得ることができるようになる。また、スピンコート処理は窒素雰囲気下で行なう。
−ドライ工程およびポストドライ工程−
ドライ工程では、基板を裏面側から加熱し、340℃以下、例えば250℃で1分間行なう。また、この加熱処理の後に、ポストドライ工程として、再度BTS膜の結晶化温度以下で10分程度基板を処理する。この条件を採用した理由は次の通りである。
図6は、Snの組成比が0.15である場合のBTSの示差熱分析(DTA)および熱重量分析(TG)の結果を示す図である。ドライ工程は、BTSの結晶化温度以下で行う必要があり、図6に示すようにDTAおよびTGの結果から、BTSの結晶化温度は350℃〜380℃までの範囲内であることが分かった。この結果から、ドライ工程の熱処理温度は350℃以下が望ましいことが分かった。そこで、本実施形態では250℃でドライ工程処理を行った。また、ドライ工程の処理時間は温度に依存するが、本実施形態においては、250℃の熱処理を1分間行なうこととする。このとき、ドライ工程の熱処理は、ホットプレートなどを使用し、有機溶媒を塗布した基板表面とは反対側の裏面から加熱する。ドライ工程において、基板全体を加熱する方法を用いても、比較的大きなTCDを得ることができるが、本発明において、裏面から基板を加熱することによって、TCDがさらに増大することが確認された。
さらに、ドライ工程を行った後に、もう一度結晶化温度以下の熱処理を行うと大きいTCDを示すBTS膜が得られることが分かった。この工程をこれ以後「低温熱処理工程」(ポストドライ工程)と呼ぶことにする。低温熱処理工程は通常のMOD法の工程には含まれていないが、BTS膜の場合においては、低温熱処理工程を行わない場合と比較して低温熱処理工程を行った場合の方がより大きいTCDを示すBTS膜を得ることができた。また、低温熱処理工程の熱処理において、基板全体を均等に加熱することで大きなTCDを得ることができることが分かった。そこで、本実施の形態では、オーブンを用いた250℃の熱処理を約10分間行なうこととした。
−焼結工程−
焼結工程は、一般的に仮焼結工程と呼ばれる低温焼結工程と、本焼結工程と呼ばれる高温焼結工程とから成り、両焼結工程とも結晶化温度よりも高い温度による熱処理工程である。大きいTCDを示すBTS膜を作製するためには、焼結工程における各種条件を以下のように設定しなければならない。
仮焼結工程は、結晶化温度以上で行えばよいが、炉を使用した360℃以上の熱処理であることが望ましく、450℃以上での熱処理であればさらに望ましい。また、仮焼結処理は酸素雰囲気下で行ない、酸素の流量は1L/min程度とすることが、大きいTCDを得るためには適している。そして、上述のスピンコート工程から仮焼結工程までの一連の工程を4,5回程度繰り返した後、本焼結工程を一回行う。通常スピンコート工程から本焼結までの一連の工程において厚さ50nm〜60nm程度のBTS膜を作製することができるが、より厚い薄膜を得るためには、この一連の工程を繰り返し行う必要がある。本発明の本焼結工程は、仮焼結工程と同様に結晶化温度よりも高い温度が必要であり、BTSの場合は600度以上1000度以下で10分間以上の熱処理が望ましい。
一方、本焼結処理は炉を用いた酸素雰囲気下で行ない、酸素の流量は1L/min程度が適している。大きいTCDを得るためには、雰囲気中に酸素が存在することが必須である。
−電極形成工程およびポストアニール工程−
上述の焼結工程の終了後、赤外線検出用膜となるBTS膜の上に上部電極を形成する。
この工程では、電極材料として白金(Pt)を用いる。すなわち、BTS膜上にスパッタ法により厚さ200nm程度のPtを堆積し、上部電極を形成する。
続いて、BTS膜および上部電極の熱処理、すなわちポストアニールを行なう。この工程は、500℃以下で行えばよいが、200℃以上350℃以下のBTSの結晶化温度以下の温度で行なうことがより好ましい。また、BTS膜のTCDを向上させるために、ポストアニールは、空気(窒素80%、酸素20%の混合物)などの酸素を含む雰囲気中で行なうことが好ましい。本実施形態の方法において、空気中でのポストアニールを行うことで10%を越える大きいTCDを示すBTS膜を得ることができる。なお、以上の条件は、以下に示す実験結果から導いたものである。
図7は、BTS15膜のTCDの温度依存性とポストアニールの効果とを示す図である。ここで、BTS15膜の厚さは500nm程度である。折れ線51はポストアニールを行わずに形成したBTS15のTCDの温度依存性グラフであり、折れ線52および折れ線53は、それぞれ真空中でポストアニールを行った場合と空気中でポストアニールを行った場合のBTS15のTCDの温度依存性グラフである。BTS15では、20℃において最も大きいTCDを与える。
図7に示す結果から、ポストアニールを行わない場合(折れ線51)と真空中でポストアニールを行った場合(折れ線52)のTCDの温度依存性は非常に類似しており、それぞれの場合でのTCDは最大値で4%を示すものの、25℃以上では2%を下回ることが分かる。これに対し、空気中でポストアニール処理を行った場合(折れ線53)のBTS膜におけるTCDは、最大値が11%と極めて大きく、35℃〜50℃においても2%程度の値を保持している。このように、ポストアニール工程がTCDを向上させる詳細なメカニズムは未だ明かにされていないが、電極とBTS界面の酸素欠陥による結晶内の結合の修復や欠陥を修復する効果があると推測される。
以上のことから、空気中におけるポストアニール工程を行うことによって、BTS膜のTCDが10%程度にまで大きくできることが分かる。従って、BTSを赤外線検出装置として使用する場合、温度補償素子などによってボロメータ薄膜の温度を、TCDが最大になるように設定することで、極めて高感度な赤外線検出器を得ることができる。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、十分に大きいTCDを示すBTS膜を得ることができるので、このBTS膜を用いて高感度・高精細・低コストの誘電ボロメータ型赤外線検出器あるいは撮像装置を作製することが可能となる。
本発明の赤外線検出装置は、室温で赤外線を検知できるので、体温計やサーモグラフィーなどの医療機器、建物内の防犯用センサー、資源探査装置など、種々の用途に利用できる。また、本発明の固体撮像装置は、防犯用や工場の異常監視用カメラなど、種々の用途に用いられる。
BTSからなる本発明の第1の実施形態に係る赤外線検出用膜における比誘電率の温度変化を示す図である。 BTSに含まれるSnの組成比が0から0.16である場合の、バルクBTSの比誘電率の温度に対する変化を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る誘電ボロメータ型赤外線固体撮像装置の構成の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る固体撮像装置において、画素内に設けられた読み出し回路を概略的に示す図である。 MOD法を用いたBTS膜の製造プロセスフローの概略を示す図である。 Snの組成比が0.15である場合のBTSの示差熱分析(DTA)および熱重量分析(TG)の結果を示す図である。 本発明に係るBTS15膜のTCDの温度依存性とポストアニールの効果とを示す図である BST(Ba1-xSrxTiO3)における比誘電率の温度変化と膜厚との関係を示す図である。
符号の説明
1 画素
2 撮像領域
3 垂直シフトレジスタ
4 水平シフトレジスタ
5 タイミング発生回路
6 オペアンプ
7 帯域透過フィルター
8 マルチプレクサ
10 赤外線検出容量
11 参照容量
12 中間ノード
13 第1の端部
14 第2の端部
51 ポストアニールしない場合のBTS膜のTCDの温度変化
52 真空中でポストアニール処理をした場合のBTS膜のTCDの温度変化
53 空気中でポストアニール処理をした場合のBTS膜のTCDの温度変化

Claims (19)

  1. 温度に応じて比誘電率が変化する赤外線検出用膜よりなる赤外線検出素子であって、
    Ba(Ti1-xSnx)O3(但し、0<x<1)からなり、いずれかの温度において、1℃の温度変化に対する比誘電率の変化の割合の絶対値が2%以上であることを特徴とする赤外線検出素子。
  2. Snの組成比xは0.1以上で、且つ0.2以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線検出素子。
  3. Snの組成比xは0.13以上で、且つ0.16以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線検出素子。
  4. 膜厚が2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の赤外線検出素子。
  5. 基板上に設けられた下部電極と、前記下部電極の上に設けられた誘電体膜と、前記誘電体膜の上に設けられた上部電極とを有し、温度変化に応じて静電容量値が変化する第1の容量素子を備えている赤外線検出装置であって、
    前記誘電体膜は、Ba(Ti1-xSnx)O3(但し、0<x<1)からなることを特徴とする赤外線検出装置。
  6. Snの組成比xは0.1以上0.2以下であることを特徴とする請求項5に記載の赤外線検出装置。
  7. 前記第1の容量素子に直列に接続される第2の容量素子と、
    前記第1の容量素子と前記第2の容量素子との間の電位を検出することで赤外線を検知する検知手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載の赤外線検出装置。
  8. 撮像領域が形成された基板と、前記基板の撮像領域上に1次元または2次元状に配列され、外部から受光した赤外線を検知して信号を発生する画素とを備えている固体撮像装置であって、
    前記画素は、Ba(Ti1-xSnx)O3(但し、0<x<1)からなる誘電体膜を有し、いずれかの温度において、受光した前記赤外線量に応じて静電容量値が変化する第1の容量素子を有していることを特徴とする固体撮像装置。
  9. Snの組成比xは0.1以上で、且つ0.2以下であることを特徴とする請求項8に記載の固体撮像装置。
  10. 膜厚が2μm以下であることを特徴とする請求項8に記載の固体撮像装置。
  11. 基板上に形成された下部電極と、前記下部電極の上に有機金属分解法により形成され、Ba(Ti1-xSnx)O3(但し、0<x<1)からなる誘電体膜と、前記誘電体膜の上に形成された上部電極とを有し、温度変化に応じて静電容量値が変化する容量素子を備えている赤外線検出装置の製造方法であって、
    前記誘電体膜を形成する工程は、
    有機金属化合物を用いてBa(Ti1-xSnx)O3を堆積するスピンコート工程と、
    前記基板を熱処理して有機溶媒を蒸発させるドライ工程と、
    前記基板を熱処理して前記Ba(Ti1-xSnx)O3の結晶核を生成するための仮焼結工程と、
    前記基板を熱処理して前記結晶核から結晶を成長させるための焼結工程とを備えていることを特徴とする赤外線検出装置の製造方法。
  12. 前記スピンコート工程は窒素雰囲気下で行なうことを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  13. 前記ドライ工程では、前記Ba(Ti1-xSnx)O3の結晶化温度よりも低い温度で前記基板を熱処理することを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  14. 前記ドライ工程では、前記基板を裏面側から加熱することを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  15. 前記ドライ工程の後であって前記仮焼結工程の前に、前記Ba(Ti1-xSnx)O3の結晶化温度以下の温度で前記基板を加熱するポストドライ工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  16. 前記焼結工程は、前記仮焼結工程での処理温度よりも高温であると共に、600℃以上且つ1000℃未満の温度で行なうことを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  17. 前記仮焼結工程は、酸素を含む気相中で行なうことを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  18. 前記焼結工程は、酸素を含む気相中で行なうことを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
  19. 酸素を含む気相中、前記誘電体膜および前記上部電極を500℃以下で熱処理するポストアニール工程を備えていることを特徴とする請求項11に記載の赤外線検出装置の製造方法。
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