JP2005539317A - コンディション解析 - Google Patents

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Abstract

本発明は、対象に対する処置計画を決定する方法を提供する。この方法は、対象のコンディションを表す対象データを取得することを含む。その対象データをコンディションのモデルと共に利用して、コンディションを表すシステム値を決定する。次いで、これらのシステム値を利用して、モデルに従うコンディションの進行を表す一つ以上の軌跡を決定する。これから、決定された軌跡に従って、処置計画を決定することが可能となる。

Description

本発明は、対象に対する計画を決定するための方法及び装置、並びに、対象のコンディションについての影響を表す対象パラメータ値を決定するための方法及び装置に関する。
本明細書において、いかなる従来技術が参照されたとしても、その参照によって、その従来技術が共通の一般知識の一部を形成していることが確認された若しくは任意の形式で示唆された訳でもなく、確認された若しくは示唆されたと受け取るべきでもない。
現在、医療計画を決定し、その計画に従って、種々の病気のコンディションに対して薬を投与することは周知である。しかしながら、この投薬計画の決定には、一般的に、何年にもおよぶ実験が必要とされる。その場合ですら、その投薬計画は、一般的に、極めて簡略化されており、患者が種々の時間間隔に処方された量の薬を服用することによっている。
この投薬方法は、多くの欠点に見舞われる。第一に、その投薬計画は、通常、コンディションに対して一般的であって、個別の患者に対して指定されたものではない。このことは重要である。何故なら、同一の投薬計画に対して、異なる患者が異なる反応を起こすことは頻繁にあるためである。時として、患者一人一人の症状にあわせた投薬計画が提供されることがある。しかしながら、現在の所、これは、患者に対する実験的投薬量の影響を監視した後にのみ可能であり、患者の健康に悪影響をおよぼす可能性がある。さらに、全ての投薬の影響が必ずしも直ちに明らかとなる訳ではなく、従って、何が投薬の影響であるのかを正確に決定することは必ずしも可能ではない。
投薬の影響の評価は、通常、主観的であり、投薬の影響が絶対的に決定されるように定量化されていないという事実により、これは悪化する。
第二に、投薬計画を決定する際に考慮されるのは、一般的に、限定された数の要因のみである。従って、例えば、研究者は、多くの場合、少量を長期間にわたって処方する方が有効であるにも拘わらず、危険のない範囲で患者に与えることが可能な最大量を処方する場合がある。
最後に、長期間にわたる投薬の影響が一般的な程度に比べて顕著になることを予測することは困難であり、それゆえ、投薬計画を決定する可能性はさらに複雑になる。
これらの問題の全ては、病気の進行及び長期間にわたる適応を含む多くの病気のダイナミクスにおける著しい非線形性及び複雑性によってさらに複雑になる。
第一の広義な形態において、本発明は、対象に対する処置計画を決定する方法を提供し、該方法は、
a) コンディションを表す対象データを取得すること、
b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションを表すシステム値を決定すること、
c) 前記モデル及び前記決定されたシステム値に従う前記コンディションの進行を表す一つ以上の軌跡を決定すること、
d) 前記決定された軌跡に従って、処置計画を決定すること、
を含む。
前記対象データは、典型的には、個人個人の病気のコンディションを表し、その場合、前記方法は、個人における病気のコンディションの進行を表す軌跡を決定することを含む。
各システム値は、典型的には、前記コンディションの各特性の測定に対して取得された数量を表し、前記システム値は、
a) 急速に変化する特性を表す状態変数値と、
b) 緩慢に変化する特性又は一定の特性を表すパラメータ値と、
を含む。
前記方法は、通常、制御変数値を決定することを含み、該制御変数値は外部から制御可能な前記コンディションの特性を表す。
前記モデルは、一般的に、前記コンディションを表す一つ以上のモデルの方程式を含み、前記方法は、前記モデルの方程式及び前記システム値に従って、一つ以上の対象の方程式を決定することを含む。
前記処置計画を決定する方法は、典型的には、
a) 前記対象の方程式の解を表す軌跡の挙動を評価すること、
b) 一つ以上の制御プログラムを決定することであって、各制御プログラムは一連の制御変数値を含み、その結果、軌跡は所望の挙動を有する、一つ以上の制御プログラムを決定すること、
を含む。
典型的には、前記方法は標的点の集合を決定することを含み、該標的点は前記対象の方程式の安定点を含む。
前記所望の挙動は、通常、
a) 前記軌跡は許容可能であること、
b) 前記軌跡は前記標的点から離れないこと、
c) 前記軌跡は最終的に前記標的点に近づくこと、
のうちの少なくとも一つを含む。
前記方法は、一般的に、前記解の軌跡が、
a) 非カオス的、かつ
b) 十分に滑らか
である場合に、前記解の軌跡は許容可能であると判断することを含む。
前記軌跡の挙動を評価する方法は、
a) 前記軌跡がカオス的であるような制御変数値及び/又はパラメータ値の領域を決定すること、
b) 前記軌跡を非カオス的にするか、或いは、安定化させることが可能な制御変数値及び/又はパラメータ値の範囲を決定すること、
を含むことが可能である。
この場合、前記方法は、典型的には、前記決定された範囲に従って一つ以上の制御プログラムを決定することを含む。
前記方法は、リアプノフ関数を利用して、前記一つ以上の制御プログラムを決定することを含むことが可能であるが、他の技術を利用しても構わない。
リアプノフ関数を利用する場合、前記方法は、好ましくは、
a) 勾配が前記標的点に向かう軌跡を規定するようなリアプノフ関数を定義すること、
b) 前記制御変数値に関する制約を定義すること、
c) 結果として、軌跡が前記制約に従って前記リアプノフ関数の勾配を下るように制御変数値を決定すること、
を含む。
前記制約は、一般的に、前記対象に対して提供可能な処置に関する制限を含む。
前記方法は、典型的には、
a) 前記カオス領域の指標を含む前記軌跡の表示を閲覧すること、
b) 前記表示された軌跡に従って制御プログラムを選択すること、
によって、前記決定された制御プログラムのうちの一つ以上に従って処置を決定することを含む。
前記方法はまた、さらに、
a) 一つ以上の自然値を決定することであって、該自然値は、前記コンディションの望ましくない進行を引き起こす前記コンディションの特性を表す自然パラメータ及び/又は変数の数量である、一つ以上の自然値を決定すること、
b) 前記対象の方程式を、前記一つ以上の自然値を取り込むために変更すること、
c) 前記変更された対象の方程式の解を表す変更された軌跡の挙動を評価すること、
d) i) 一つ以上の制御プログラムを決定することであって、各制御プログラムは制御変数値を含み、その結果、変更された軌跡は所望の挙動を有する、一つ以上の制御プログラムを決定すること、
ii) 一つ以上の望ましくないプログラムを決定することであって、各望ましくないプログラムは自然値を含み、その結果、変更された軌跡は望ましくない挙動を有する、一つ以上の望ましくないプログラムを決定すること、のうちの少なくとも一方を実行すること、
を含み得る。
典型的には、この場合、前記リアプノフ関数は、前記変更された軌跡を考慮して変更される。
前記方法は、一般的に、望ましくない点の集合を決定することを含み、前記望ましくない挙動は、
a) 前記変更された軌跡は許容可能ではないこと、
b) 前記変更された軌跡は前記望ましくない点から離れないこと、
c) 前記変更された軌跡は最終的に前記望ましくない点に近づくこと、
のうちの少なくとも一つを含む。
前記方法は、典型的には、
a) 勾配が前記望ましくない点に向かう変更された軌跡を規定するような第二のリアプノフ関数を定義すること、
b) 前記自然値に関する制約を定義すること、
c) 結果として、変更された軌跡が前記制約に従って前記第二のリアプノフ関数の勾配を下るように自然値を決定すること、
を含む。
前記方法は、通常、
a) 制御プログラムが存在するような変更された軌跡を有する開始点を決定すること、
b) 自然プログラムが存在するような変更された軌跡を有する開始点を決定すること、
c) i) 前記変更された軌跡と、
ii) 前記開始点と、
iii) 前記カオス領域と、
のうちの少なくとも一つを含む表示を閲覧すること、
d)一つ以上の表示された軌跡に従って、制御プログラムを選択すること、
によって、前記制御プログラム及び前記自然プログラムに従って前記処置計画を決定することを含む。
前記方法は、通常、
a) 前記対象データからシステム値の部分集合を決定すること、
b) 個人におけるコンディションの影響を表す一つ以上の方程式をそれぞれに含む一つ以上のモデルを選択すること、
c) 前記決定されたシステム値の部分集合及び前記方程式のそれぞれに従って、システム値の完全な集合の決定を試みること、
d) 前記決定されたシステム値の完全な集合に従って、モデルを選択すること、
によって、パラメータ値を決定することを含む。
前記完全値の決定を試みる方法は、典型的には、
a) 前記決定されたシステム値の部分集合及び前記方程式に従って、システム値の候補集合を決定すること、
b) 前記システム値の候補集合を、
i) 前記システム値の部分集合と、
ii) 所定の閾値と、
のうちの少なくとも一方と比較すること、
c) 比較の結果に従って、モデルを選択すること、
を含む。
前記対象は、典型的には、患者であり、人間であっても、人間以外であっても構わない。或いは、前記対象は、例えば、細胞等の生体外標本を含んでいても構わない。
前記処置は、典型的には、投薬であるが、或いは、前記コンディションに影響する任意の他の要因の決定された変更、例えば、前記対象が所定の栄養素、運動等を受け入れるように要求することであっても構わない。
第二の広義の形態において、本発明は、対象に対する処置計画を決定するための装置を提供し、該装置は、
a) コンディションを表す対象データを取得すること、
b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションを表すシステム値を決定すること、
c) 前記モデル及び前記決定されたシステム値に従う前記コンディションの進行を表す一つ以上の軌跡を決定すること、
d) 前記決定された軌跡に従って、処置計画を決定すること、
に適合した処理システムを含む。
一般的に、前記処理システムは、本発明の第一の広義の形態の方法を実行するのに適合している。
第三の広義の形態において、本発明は、対象に対する処置計画を決定するためのコンピュータ・プログラム製品を提供し、該コンピュータ・プログラム製品は、
適切な処理システム上で実行された場合に、該処理システムに本発明の第一の広義の形態の方法を実行させるコンピュータ実行可能コードを含む。
第四の広義の形態において、本発明は、対象のコンディションを表すシステム値を決定する方法を提供し、該方法は、
a) 前記コンディションを表す対象データを取得すること、
b) 前記対象データからシステム値の部分集合を決定することであって、各システム値は前記コンディションの各特性の測定によって取得された数量を表す、前記対象データからシステム値の部分集合を決定すること、
c) 個人におけるコンディションの影響を表す一つ以上の方程式をそれぞれに含む一つ以上のモデルを選択すること、
d) 各モデルに対して、前記システム値の部分集合及び前記方程式のそれぞれに従って、システム値の完全な集合の決定を試みること、
e) 前記決定されたシステム値の完全な集合に従って、モデルを選択すること、
を含む。
前記システム値は、典型的には、
a) 急速に変化する特性を表す状態変数値と、
b) 緩慢に変化する特性又は一定の特性を表すパラメータ値と、
を含む。
前記完全な値の決定を試みる方法は、典型的には、
a) 前記決定されたシステム値の部分集合及び前記方程式に従って、システム値の候補集合を決定すること、
b) 前記システム値の候補集合を、
i) 前記システム値の部分集合と、
ii) 所定の閾値と、
のうちの少なくとも一方と比較すること、
c) 比較の結果に従って、モデルを選択すること、
を含む。
第五の広義の形態において、本発明は、対象のコンディションを表すシステム値を決定するための装置を提供し、該装置は、
a) 前記コンディションを表す対象データを取得すること、
b) 前記対象データからシステム値の部分集合を決定することであって、各システム値は前記コンディションの各特性の測定によって取得された数量を表す、前記対象データからシステム値の部分集合を決定すること、
c) 個人におけるコンディションの影響を表す一つ以上の方程式をそれぞれに含む一つ以上のモデルを選択すること、
d) 各モデルに対して、前記システム値の部分集合及び前記方程式のそれぞれに従って、システム値の完全な集合の決定を試みること、
e) 前記決定されたシステム値の完全な集合に従って、モデルを選択すること、
に適合した処理システムを含む。
典型的には、前記装置は、本発明の第四の広義の形態の方法を実行するのに適合している。
第六の広義の形態において、本発明は、対象のコンディションを表すシステム値を決定するためのコンピュータ・プログラム製品を提供し、該コンピュータ・プログラム製品は、適切な処理システム上で実行された場合に、該処理システムに本発明の第四の広義の形態の方法を実行させるコンピュータ実行可能コードを含む。
第七の広義の形態において、本発明は、対象に対して提供された処置の有効性を決定する方法を提供し、該方法は、
a) コンディションを表す対象データを取得すること、
b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションの影響を表すシステム値を決定すること、
c) 前記対象に対して処置を提供すること、
d) 変更されたシステム値を決定するために、ステップ(a),(b)を繰り返すこと、
e) パラメータ値と前記変更されたシステム値とを比較すること、
f) 比較の結果に従って、前記処置の影響を決定すること、
を含む。
前記システム値を決定する方法は、好ましくは、本発明の第四の広義の形態に記載の方法である。
第八の広義の形態において、本発明は、対象に対して提供された処置の有効性を決定するための装置を提供し、該装置は、
a) コンディションを表す対象データを取得すること、
b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションの影響を表すシステム値を決定すること、
c) 前記対象に対して処置を提供すること、
d) 変更されたシステム値を決定するために、ステップ(a),(b)を繰り返すこと、
e) パラメータ値と前記変更されたシステム値とを比較すること、
f) 比較の結果に従って、前記処置の影響を決定すること、
に適合した処理システムを含む。
典型的には、前記装置は、本発明の第七の広義の形態の方法を実行する。
第九の広義の形態において、本発明は、対象に対して提供された処置の有効性を決定するためのコンピュータ・プログラム製品を提供し、該コンピュータ・プログラム製品は、適切な処理システム上で実行された場合に、該処理システムに本発明の第七の広義の形態の方法を実行させるコンピュータ実行可能コードを含む。
本発明の一例を、添付図面を参照しながら、以下に説明する。
あるコンディションの対象に対する計画を決定するための、或いは、対象のコンディションを表すパラメータ値を決定するための、本発明によって使用される方法論の概説を、図1を参照しながら、以下に説明する。
特に、本発明の技術は、任意の対象又は任意のコンディションに対して適用可能であるが、理想的には、この技術は病気のコンディションの患者に対する投薬計画を決定するのに適しており、以下に詳細に説明する。しかしながら、この技術を任意の対象及び任意のコンディションに拡張し得ることは当然理解されよう。
いずれにせよ、ステップ100に示すように、第一の段階は、対象データを取得することである。
一般的に、対象データの形式は、対象のコンディションの性質に依存して変更される。従って、例えば、対象がパーキンソン病の病気のコンディションに苦しんでいることが疑われる場合、その対象データは、脳のMRIスキャン、脳のドーパミン・レベルの指標等ような情報を一般的に含む。しかしながら、他のコンディションにおいては、異なる対象データが収集されることは当然理解されよう。従って、例えば、白血病のようなコンディションである場合、その対象データは、赤血球数及び白血球数の指標等を一般的に含む。或いは、その対象は運動選手であってもよく、この場合、そのコンディションは競技に対する適性の相対的レベルのことであり、その対象データはその運動選手の肉体的なコンディションの指標に関係し得る。
いずれにせよ、ステップ110において、対象データは、コンディションを表すために、方程式、変数値、及び/又はパラメータ値を決定するのに利用される。具体的には、そのパラメータ値及び/又は変数値を、コンディションを表す方程式に代入することにより、個別の対象についてのコンディションの影響を表す一つ以上の方程式を決定することが可能である。
このプロセスを解析的に行うことも、或いは、対象データの数値解析に基づいて行うことも可能である。さらに、以下により詳細に説明するように、一般的に、この計算は複雑であるため、処理システムのようなコンピュータが用いられ、支援されるが、手動によって実行することも可能である。
いずれにせよ、ステップ110において、一旦、パラメータ値、変数値、及び/又は方程式が決定されたならば、次いで、ステップ120において、その方程式、変数値、及び/又はパラメータ値に従って、一つ以上の解の軌跡の挙動を決定することが可能である。具体的には、対象のコンディションを有効にモデル化する方程式を解くことにより得られた解の軌跡は、個人におけるコンディションの進行の可能な道筋を表す。従って、各解の軌跡は、コンディションの可能な進行の仕方を有効にモデル化する。
ステップ130において、方程式及び/又は解の軌跡は、投薬又は処置計画を決定するのに利用される。従って、例えば、対象が現在の状態から辿ることが可能な種々の軌跡を検討することにより、改善の見込みがある軌跡、又は、対象のコンディションの悪化の割合が少なくとも低下する軌跡を選択することが可能である。
選択された解の軌跡は、次いで、投薬又は処置計画を決定するのに利用される。従って、例えば、選択された軌跡のうちの他に比べ有利な一つを辿ることを可能にするように、対象に処方し得る投薬のレベル及び種類を決定することによって、これは達成され得る。或いは、これは、再び適切な軌跡に従って、ダイエット及び運動計画のような対象のライフスタイルを変更して、対象のコンディションを改善するのにも利用され得る。
ステップ140において、決定された投薬計画に従って、対象に対して薬を処方することが可能である。
この方法は、次いで、ステップ100に戻り、プロセスを繰り返すことが可能である。これが実行可能であることは、数多くの理由のためであることは当然理解されよう。
第一に、決定されたパラメータ値、変数値、及び/又は方程式は、短期間においてのみ正確である場合がある。従って、コンディションが進行するにつれて、例えば、決定された解の軌跡が不正確になった場合、コンディションは選択された軌跡をもはや辿らないと判断される。これは、例えば、コンディションの進行がモデルの方程式の変更を引き起こし、それによって、上記において決定された解の軌跡は現在の対象のコンディションに対してのみ正確であるために、発生し得る。従って、コンディションが進行するにつれて、新たな対象のコンディションを反映させるために、場合によっては、新たな方程式、変数値、及び/又はパラメータ値、それゆえ、新たな軌跡を計算する必要がある。
第二に、新たな処置方法が利用可能となり、より有利な解の軌跡を使用することが出来る場合がある。
第三に、予測された解の軌跡を辿らないと判断される場合がある。これは、例えば、対象の実際のコンディションが本来決定されたコンディションとは異なることを示している。
第四に、例えば、本来の対象データにおける誤差のために、決定された本来のパラメータ値は不正確であると判断される場合がある。
他の理由も存在し得ることは当然理解されよう。
いずれにせよ、患者のコンディションが、改善又は悪化のいずれかの進行をするにつれて、変更された投薬計画を作成することが可能であるように、パラメータ値及び/又は方程式の再計算が必要となる場合がある。
これはまた、選択された解の軌跡を辿っているのか否かを判断するために、或いは、対象のコンディションが改善されたか、悪化したかをチェックするために、実行され、パラメータ値は再評価される。
ステップ150からステップ170において示すように、本発明はまた、別の方法においても使用され得る。この例において、対象の方程式、変数値、及び/又はパラメータ値は、ステップ110において計算される。投薬及び/又は処置は、次いで、ステップ150において、対象に対して提案され、処方される。
ステップ160において、処方された薬によって引き起こされたパラメータ値、変数値、及び/又は方程式の変化が決定される。これにより、ステップ170において、投薬及び/又は処置の効果を評価することが可能になる。
従って、これにより、製薬会社等は、処置後の対象のコンディションの変化を表す実際のパラメータ値を決定することによって、種々の方法又は投薬の成功を物理的に定量化することが可能である。これにより、従来の主観的な評価に優ることが出来る。主観的な評価の場合、対象は、頻繁に、投薬後に体調が改善されたと感じるか否かを単に意思表示しなければならないが、薬が個人の病気のコンディションについて改善を引き起こしたか否かに関する有用な情報が製薬会社に必然的に提供される訳ではない。
同様に、競技動物(performance animal)の場合、これは、動物の競技への適性及び健康を改善するためのトレーニング及びダイエットの影響を判断するのに利用可能である。これは、現在の状態が健康であるとみなすフィードバックを得ることが困難な動物を取り扱う場合において、特に有用である。
上述の概略手順の態様が手動により実行され得ることは、当業者には理解されよう。しかしながら、これを個人で達成するためには、対象データを解析し、そのパラメータ及び/又は方程式を取得し、次いで、その投薬及び処置計画を決定しなければならず、それには極めて難解な数学を駆使する必要がある。具体的には、その計算の一部は、一般的に、個人の範疇を超えた数値的方法を用いることによってのみ、解くことが可能である。
従って、本発明は、一般的に、対象データを受信し、かつこれを用いて、投薬又は処置計画、或いは、コンディションの現状を示すパラメータ値のいずれかを決定するのに適合した処理システムを用いることによって実行される。適切な処理システムの一例を図2に示す。
説明を簡単にするため、以後の説明では、患者に対する投薬計画の決定に関心を集中する。しかしながら、本技術は、他の処置方法及び他のコンディションに対しても等しく適用されることは当然理解されよう。
具体的には、処理システム10は、一般的に、図示されているようにバス24を介して互いに接続されたプロセッサ20、メモリ21、例えばキーボードのような入力デバイス22、例えばディスプレイのような出力デバイス23を少なくとも含む。以下により詳細に説明するように、必要に応じて、外部インターフェイス25も備えられ得る。
対象データは、入力デバイス22、或いは、外部インターフェイス25のいずれかを介して処理システムに供給され、その遂行方法は、対象データの性質に依存している。従って、例えば、対象データがMRIスキャンである場合、そのスキャンは処理システムに直接に供給されてもよい。その場合、処理システムは必要とされる情報を抽出するために、そのスキャンを解析するのに適合している。或いは、スキャンを評価するために医師が必要とされ、医師により、例えば脳細胞全体の質量のような情報を決定され、その後、この情報は、処理システムに供給されてもよい。
いずれにせよ、処理システム10は、対象データを受信すると直ちに、メモリ21に記憶された適切なアプリケーション・ソフトウェアを実行するように適合されており、対象データは解析され、その結果、パラメータ値、変数値、及び/又は投薬計画の決定が可能になる。
従って、処理システムは、以下により詳細に説明するような解析を実行するように適切にプログラムされた処理システムであれば、いかなる形態のものであっても構わないことは当然理解されよう。それゆえ、処理システムとしては、適切にプログラムされたコンピュータ、ラップトップ、パーム・コンピュータ等があり得る。或いは、専用ハードウェア等が利用されても構わない。
いずれにせよ、投薬計画を決定する際の処理システム10の動作の一例を、以下に、図3から図6を参照しながらより詳細に説明する。
具体的には、投薬計画を決定する方法は、病気のコンディションに依存した二つのレベル及び必要とされる精度のレベルで実行可能である。
図3及び図4において概説されている第一の筋書きでは、第一に、病気のコンディションは受動的であると仮定されている。従って、実質的に、この仮定は、病気のコンディションは投薬に対して予期せぬ反応を起こさないことを表している。従って、投薬によって、そのコンディションの影響が弱められる場合、そのコンディションはその投薬の効果を弱めるようには反応はしない、と仮定されている。
この技術は、全ての病気のコンディションにとって適切であるとは限らないが、いずれにせよ、投薬計画の決定の際に利用可能な第一のレベルの近似を提供することは当然理解されよう。
いずれにせよ、図3Aに示すように、プロセスは、ステップ200において開始され、そのステップでは、対象を観察することにより対象データが取得される。その対象データは、次いで、ステップ210において、状態変数値の部分集合z及びパラメータ値の部分集合λを決定するのに利用される。状態変数値z及びパラメータ値λは、病気のコンディションの個別の特性の測定により取得される数量を表し、その部分集合z,λは、対象データから決定することが可能なz,λのことである。
具体的には、状態変数値zは、急速に、典型的には、一日毎に変化する傾向にある測定値である。従って、例えば、パーキンソン病の場合、状態変数値は、治療中の脳内におけるドーパミンの現在のレベルを反映し得るものであり、そのレベルは、一般的に、一時間毎に著しく変動する傾向にある。
一方、パラメータ値λは、長期間にわたる変動のみを有し、一日程度では殆ど変動しない傾向にある測定値である。それゆえ、これらは、一般的に、数ヶ月、或いは、数年にわたって徐々に変化するというように、緩慢に変化する値である。従って、例えば、パーキンソン病の場合、パラメータ値としては、各人におけるドーパミン作動性の脳細胞の生存の個数があり得る。このような脳細胞の個数は、一般的に、数年にわたって徐々に崩壊し、急速には変化しない傾向にあることは当然理解されよう。
それゆえ、状態変数値及びパラメータ値の部分集合z,λは、数多くの方法により決定され得ることは当然理解されよう。従って、例えば、対象データは、単に、処理システム10に供給され、次いで、処理システム10は、状態変数値及びパラメータ値の部分集合を抽出する。しかしながら、代替として、ユーザが手動により状態変数値及びパラメータ値の部分集合を決定し、次いで、処理システム10に入力することも可能である。
さらに、種々の病気のコンディションに対する所定の状態変数値及びパラメータ値のデータベースが保持されていてもよい。その所定の値は、数多くの対象から収集されたデータに基づいていればよく、それゆえ、特定個人における病気のコンディションの進行に関する特定のデータではなく、標本の集団における病気のコンディションの進行に関する一般データを形成している。
従って、これにより、医師は、対象データから順番に決定される、個人の病気のコンディションの進行の現在のレベルに対応する状態変数値及びパラメータ値の部分集合を選択することが可能になる。この場合、決定された値は、一般的な集団における病気のコンディションを代表しており、決定された投薬計画がいかなるものであれ、それは、個人に特定なものではなく、その病気のコンディションに対して一般的なものである。
しかしながら、多くの場合、これは十分に正確な投薬計画を提供し得る。そうでない場合は、状態変数値及びパラメータ値の部分集合は、それらが対象に対して特定なものとなるように決定され、対象の特定の投薬計画を作成することが可能になる。
いずれにせよ、ステップ210において、状態変数値及びパラメータ値の部分集合z,λは決定され、処理システム10は、ステップ220において一つ以上の所定のモデルを選択するように動作する。
一般的に、処理システム10は、メモリ21に記憶された所定のモデルを数多く有している。これらのモデルのそれぞれは、対象に対する病気のコンディションの進行を表す一つ以上の個別の偏微分方程式及び/又は常微分方程式を含んでいる。
各コンディションに対して、各モデルが一つ提供され得ることは当然理解されよう。これに加えて、各コンディションに対して、幾つかの異なるモデルが提供されても構わない。これは、例えば、コンディションの影響が個人個人で異なる場合に、或いは、コンディションの影響が対象内部のコンディションの現在の状態に依存して変化する場合に、必要となる場合がある。従って、例えば、個人におけるパーキンソン病の影響は、そのコンディションがさらに進行した最終段階と比べて、初期の段階において非常に異なる傾向がある。従って、パーキンソン病のようなコンディションは、そのコンディションが個体内で著しく進行した状況と比べて、そのコンディションの初期の段階の間は、著しく異なる常微分方程式の集合を有する傾向にある。
従って、処理システム10は、対象のコンディションを表面的にモデル化し得る一つ以上の所定のモデルを選択する。従って、例えば、コンディションはパーキンソン病であると判断した場合、処理システム10は、一つ以上の異なるパーキンソン病のモデルを単に選択することが可能である。
選択を行うために、処理システム10は、ユーザにより提供される入力命令に基づいて選択を実行することが可能である。従って、例えば、訓練をうけた医療ユーザが、コンディションについての自分の評価を提供しても構わない。しかしながら、代替として、処理システム10は、ステップ210において提供された状態変数値及びパラメータ値の部分集合z,λによって、モデルを選択することに適合することも可能である。
いずれにせよ、ステップ230及び240において、処理システム10は、決定された状態変数値及びパラメータ値の部分集合z,λを複数のモデルのうちの一つに適合させようと試みる。
これを遂行するために、ステップ230において、処理システム10は、状態変数値及びパラメータ値の部分集合z,λ並びに各モデルの方程式から、状態変数値z及びパラメータ値λの完全な集合を構成しようと試みる。このように、これらの方程式は、一般的に、異なる状態変数値及びパラメータ値の間の種々の関係を特定し、処理システムは、これらの関係を、対象データからは決定されなかった状態変数値z及びパラメータ値λの値を決定するのに利用する。
ステップ240において、処理システム10は、決定された状態変数値z及びパラメータ値λの完全な集合によって、各モデルを評価する。
従って、例えば、処理システム10は、決定された状態変数値z及びパラメータ値λがセルフ・コンシステントか否かを判断するために、かつ、これらが対象データから決定された状態変数値及びパラメータ値の部分集合z,λに適合するのか否かを判断するために、各モデルの方程式を比較する。
ステップ250において、いずれのモデルも許容されないと判断された場合、プロセスはステップ220に戻り、異なるモデルを選択することが可能になる。次いで、ステップ220からステップ250は、適切なモデルが選択されるまで繰り返される。
利用可能ないかなるモデルも適切ではない場合は、新たなモデルを決定する必要があることは当然理解されよう。これは、病気のコンディションに苦しむ対象の状態変数値及びパラメータ値の数値解析を実行することにより、遂行される。具体的には、長期間にわたるパラメータ値及び状態変数値の変動が決定され、次いで、それは、その長期間にわたる値の変化を最良にモデル化する偏微分方程式又は常微分方程式を生成するのに利用される。その発展方程式をパラメータ値のさらなる変化を予測するのに利用することができ、それゆえ、予測された値と取得された値との間の差をモデルの改善に利用することが可能であることは当然理解されよう。
いずれにせよ、一旦、ステップ250において、適切なモデルが許容されたならば、プロセスは、ステップ260に移行し、処理システム10は、以下の形の対象の特定モデルを決定することが可能である。
Figure 2005539317
ここで、
zは、
Figure 2005539317
のように、状態変数値により形成された状態ベクトルである。
Δは、全ての可能な状態変数値の集合である。
uは、
Figure 2005539317
のように、制御変数値により形成された制御ベクトルである。
Uは、全ての可能な制御変数値の集合である。
λは、
Figure 2005539317
のように、パラメータ値により形成されたパラメータ・ベクトルである。
Λは、全ての可能なパラメータ値の集合である。
tは時間である。
この対象の特定モデルは、上記のステップ220からステップ250において、決定された方程式のモデルに、状態変数値及びパラメータ値を含めることにより得られる。これに加えて、この方程式は、時間tにより表される時間依存性、及び制御ベクトルuを使って定義される制御の態様も含んでいる。
制御ベクトルuは、コンディションの進行に影響を与えるのに利用可能な種々の外的要因、例えば、薬の処方等を表す。この段階において、制御ベクトルは、一般化されており、特定の値は含まない。
一旦、方程式が決定されならば、そのシステムの方程式を、
Figure 2005539317
のような解の軌跡φを生成するのに利用することが可能である。
ステップ270において、処理システム10は、対象の特定モデルに対する到達可能な平衡点又は他の所望の点を探索するように動作する。その平衡点は、対象の特定モデルの時間変化率がゼロ、すなわち、
Figure 2005539317
である点として与えられる。これは、∃uΨ∈U,λΨ∈Λにおいて、
Figure 2005539317
を満たす初期状態ベクトルz∈Δを計算することによって遂行される。ここで、
任意のt>Tに対して、f(zΨ,uΨ,λΨ,t)≡0である。
このように、処理システム10は、時間tが十分に大きな値に近づくにつれて、解の軌跡φが平衡点又は他の所望の点に進行することが可能な初期状態変数値zを計算するように、動作する。これらの解の軌跡φは、平衡点又は他の所望の点に至るコンディションの進行を表す。
しかしながら、場合によっては、その軌跡φには過度のレベルの投薬量等が必要であり、そのため、その軌跡φは、対象にとって辿ることが実質的に不可能な軌跡となることがあり得ることは当然理解されよう。これに加えて、全ての平衡点が対象にとって望ましい結果を表している訳ではなく、これらの平衡点の一部には、コンディションが現在に比べて著しく悪化する状況に対応するものもあり得る。従って、例えば、典型的には、平衡点は対象が死亡した場合に発生するが、その点は明らかに望ましい結果ではない。
従って、ステップ280における次の段階では、処理システムは、対象が生存して辿ることが可能な解の軌跡を決定する。これを行うために、処理システム10は、特定の初期位置からの解の軌跡が許容可能であるように、制約された範囲の制御変数値u及びパラメータ値λを含んでいる。従って、これは、軌跡が許容可能となるような初期状態zから生じる軌跡を決定することに対応する。
この意味で、許容可能な解の軌跡は、非カオス的な解の軌跡であり、対象に悪影響を及ぼさないように十分に滑らかである。具体的には、急速に変化する軌跡を辿るように誘導することは、対象のコンディションにとって一般的に望ましいことではない。これは、対象の健康全般にとって一般的に有害である対象のコンディションの急速な変化を引き起こすためである。
これを遂行するために、処理システムは、パラメータ値λが変化した場合における安定性を試験するように動作する。
具体的には、処理システム10は、カオスが発生するパラメータ値λを決定するように動作し、そのパラメータは、
Figure 2005539317
によって与えられる全ての可能な状態変数値及びパラメータ値の部分集合に含まれる。ここで、
Figure 2005539317
一旦、カオスが発生する位置が決定されたならば、処理システム10は、固有値ξ(z,u,λ,t)及び固有値ξ(z,u,λ,t)がシステムを安定化させるように制約された制御変数値u及びパラメータ値λを計算するように動作する。これはまた、回避集合(avoidance set)、
Figure 2005539317
を指定するのに利用される。ここで、Aは回避集合であり、
Figure 2005539317
である。
このように、このプロセスにより、状態空間における極端なカオスの領域を決定することが可能になる。以下により詳細に説明するように、これによって、引き続き決定される制御プログラムによるカオスの状態空間の領域の回避及び/又は対処が可能になる。
具体的には、処理システム10は、制約された制御変数値u及びパラメータ値λの集合U,Λを決定し、これらの集合を利用して、状態空間における制御可能領域R⊂Δを決定する。これは、z∈Rに対して、固有値ξ(z,u,λ,t)がシステムの軌跡φを非カオス的な挙動に安定化させるように、実行される。
従って、これによって、処理システム10は、解の軌跡φが状態空間内において非カオス的になるような制御変数値p及びパラメータ値λの範囲を決定すること可能になる。
ステップ290においてカオスの領域が決定され、次いで、これを用いて、許容可能な解の軌跡φが存在する状態空間の領域が決定され、処理システム10は、許容可能な解の軌跡φを取得するための一群の制御プログラムpを決定するように動作する。具体的には、制御プログラムpは、許容可能な解の軌跡が存在するような、制約された制御変数値uの範囲に基づいている。
このように、任意の初期状態ベクトルz∈Rを与えると、制御プログラムpを解の軌跡φが非カオス的になるように決定することが可能である。
Figure 2005539317
ここで、φ(z,p(z,λ,t),λ,t)は非カオス的である。
一群の制御プログラムpを決定すると、これによって、ステップ310において投薬計画を決定するのに、特定の制御プログラムを利用することが可能になる。これは、数多くの異なる方法により実行可能である。
従って、例えば、処理システム10は、許容可能な全ての可能な解の軌跡φを生成し、次いで、これらをユーザに提示するのに適合しており、ユーザは適切と思われる一つの解の軌跡φを選択することが可能である。しかしながら、この計算は、一般的に、非常に高価であり、時間を浪費する。それゆえ、一日毎にシステムが利用される場合は、特に望ましくない。
従って、図4A及び図4Bは、リアプノフ関数を用いてこれを遂行するための特定の技術を示す。
図4Aのステップ400において示すように、これは、処理システム10に、対象の特定モデルdz/dt=f(z,u,λ,t)における所望の標的点zτの集合τを選択させることによって遂行される。
一般的に、その標的点は、上記のステップ270において決定された平衡点の近傍における選択点に典型的に対応する。或いは、別の方法により決定された、安定な集合を形成する点を利用しても構わない。しかしながら、これが標的点zτを選択するのに利用される唯一の基準という訳ではなく、特に、対象の現在のコンディションに比べて悪化することに対応する任意の平衡点又は安定点は一般的に除外されることは当然理解されよう。しかしながら、例えば、対象が末期疾患を患っている場合は、これは当てはまらなくてもよい。この場合、安定点は、対象の現在のコンディションに比べて悪化し得るが、それらの点は、対象が達成しようとすることが出来る最良のものであり得る。
いずれにせよ、標的点zτの選択は、所定の基準に従って、処理システムによって自動的に遂行され得る。或いは、標的点zτは、医師が、例えば、標的点zτとしての安定点の適性を評価することによって選択されても構わない。
ステップ410において、処理システムは、リアプノフ関数Vを決定する。リアプノフ関数は、システムの軌跡に課せられるべき所望の定性的挙動に基づいており、それゆえ、数多くの異なるリアプノフ関数が、特定の筋書きにおいて選択され得ることは当然理解されよう。
それゆえ、最も便利なリアプノフ関数を選択することは、システムのユーザにとってある種の芸術であり、初めて、方程式の各組は解かれる。しかしながら、一般的には、たとえ病気のコンディションの特定の方程式が対象の間で変化しようとも、解の軌跡を決定している時に、同様の方程式に対しては、同様のリアプノフ関数を用いることが一般的に可能である。従って、使用されたリアプノフ関数はいかなるものであってもメモリ21に記憶され、適切なリアプノフ関数のデータベースが作成される。引き続いて、必要に応じて、そのデータベースからリアプノフ関数を選択することが可能である。
いずれにせよ、リアプノフ関数は、
Figure 2005539317
のように決定される。
いずれにせよ、ステップ410におけるリアプノフ関数Vの作成の間に、処理システムは、パラメータ値λ及び状態変数値zに関する制約を定義するように動作する。これらは、上記のステップ280において決定されたカオスの領域に基づいて決定される。
安全な制約は、λ∈Λτのように定義される。ここで、Λは、Λτ⊆Λを満たす有界集合である。従って、以下により詳細に概説するように、これは、典型的には、上記のステップ280において決定した制約されたパラメータ値の集合Λの部分集合を用いることを含む。
さらに、標的点の閉集合は、
Figure 2005539317
のように決定される。ここで、C>0,zτ∈τである。
ステップ420において、処理システム10は、制御変数値uに関する制約を決定するように動作する。その制約は、上記のステップ280において決定した制約された制御変数値uに従って一般的に定義されるが、さらなる制約が追加されても構わない。
従って、対象に提供可能なコンディションの制御に関する制限に基づいて、さらなる制約u,uを定義しても構わない。制御は、通常、投薬という形態で行われるため、その制約として、一般的に、個人に対する投薬の制限に関心を集中することは当然理解されよう。これは、最大投薬量、投薬量の最大比率、体による薬の最大吸収率、コスト等の要因に基づき得る。
しかしながら、他のコンディションにおいては、他の要因も影響を与え得る。これは、高レベルのコレステロール又は心臓病の場合、例えば、定期的な運動を行うことを含み得る。この場合、制約は、個人に提案された運動計画に従って定義される。このことから、投薬(medication)とは、一般的には、個人に対して薬又は他の調合製品を投与することを意味するが、例えば、ダイエット要求、運動等を含むコンディションについての任意の形態の処置もまた、一般的に、投薬に含まれることは当然理解されよう。
いずれにせよ、制約は、u∈[u,u]⊆Uのように定義される。
ステップ430において、処理システム10は、次いで、一つ以上の制御プログラムpを定義し、その制御プログラムは、所望の解の軌跡φを提供するように制約された有効制御変数値uのことである。制御プログラムpは生成され、所望の解の軌跡は、
・ 許容可能であること、
・ 標的点の集合τから離れないこと、
・ 最終的に標的点の集合τに進行すること、
を満たす。
このように、この段階において、処理システム10は、標的点の集合τから離れてしまう解の軌跡であっても、最終的に標的点の集合τに進行しない解の軌跡であっても、許容可能ではない解の軌跡であっても排除するように有効に動作する。
上記において詳細に説明したように、許容可能な解の軌跡とは、非カオス的であり、かつ十分に滑らかな軌跡のことである。従って、所望の解の軌跡は、実質的に、上記のステップ280において許容可能であると決定された軌跡の部分集合である。
従って、制約されたパラメータ値λは、制約されたパラメータ値λ∈Λの少なくとも部分集合でなければならず、制御プログラムpもまた制御変数値u∈Uの部分集合である。所望の解の軌跡が標的点の集合τから離れず、かつ最終的に標的点の集合τに進行することを保証するだけではなく、それらが許容可能であることを保証するために、これらは必要である。
数学的に表現すれば、処理システムは、以下の制御プログラムpを決定するように動作する。
Figure 2005539317
ここで、
Figure 2005539317
は、標的点の集合τの外部の状態ベクトルの領域を示し、
λは、λ∈Λτのように決定された制約されたパラメータ値であり、
任意のt>0に対して、p(λ)は、
dV/dt<0(V(z)の等高線に関して、軌跡が標的点の集合τにより接近するように改善する)、或いは、少なくとも
dV/dt=0(V(z)の等高線に関して、軌跡は標的点の集合τからは離れないために悪化しない)
のいずれかを遂行しようとする。
いずれにせよ、一旦、許容可能な解の軌跡をもたらす一つ以上の制御プログラムが決定されたならば、処理システム10は、各制御プログラムpに対して、解の軌跡φの候補を生成する。これは、ステップ440において、処理システム10によって実行される。
具体的には、解の軌跡は、制御プログラムp及び制約されたパラメータ値λによって決定される。これらに加えて、解の軌跡は、対象の現在の状態によって決定され、その対象の現在の状態は初期状態ベクトルzを定義するため、解の軌跡は、以下のようである。
Figure 2005539317
ステップ450において、各解の軌跡φの候補の挙動が評価される。これは、実施形態によって種々の方法により遂行され得る。
従って、例えば、処理システム10は、解の軌跡を所定の基準と比較することに適合することが可能である。これは、例えば、各解の軌跡φの候補の終点を比較して、どの終点が標的点zτのうちの選択された一つに最も近いのかを確認すること、或いは、どの解の軌跡の終点が対象にとって最も有益かを判断することを含み得る。これに加えて、処理システムは、どの解の軌跡φの候補が、常に、カオス領域から最も離れているのか等を判断するのに適合していても構わない。
或いは、解の軌跡の候補は、システムのユーザによって評価されても構わない。
これを遂行するために、処理システム10は、ディスプレイ23上に表示を生成することに適合することが可能である。表示の一例を図5に示す。
図示されているように、その表示は、一般的に、解の軌跡φ、及び対象の特定の方程式の解がカオス的である領域Cを示す状態空間の二次元グラフィック表示である。その表示にはまた、標的点の集合τ、及び、必要に応じて、初期状態の変数値zの例を含めることも出来よう。
これにより、医療の専門家は、対象にとって最も有益であると思われる解の軌跡を選択することが可能になる。従って、例えば、軌跡φは初期開始ベクトルzから所望の標的点の集合に到達し、それゆえ、所望の標的点の集合に到達しないか、或いは、初期開始ベクトルzから出発しないような他の解の軌跡φ,φに比べて好ましい。しかしながら、軌跡φ,φで示したような解の軌跡の組み合わせもまた選択し得ることは当然理解されよう。
これに加えて、所望の軌跡φを選択すること、又は、軌跡φ(z,p,λ,t)の定性的挙動か、若しくは定量的な最適化を通じてのいずれかに基づいて別の軌跡φを決定するために制御プログラムpを変更することも可能である。これは、例えば、オイラー方程式のような解析的方法によって、或いは、遺伝的アルゴリズムの使用を通じてのような適応数値的方法によって遂行可能である。
ステップ460において、所望の解の軌跡φが決定されたか否かが判断される。所望の解の軌跡が決定された場合は、ステップ470において、処理システム10は所望の解の軌跡φ及び関連する制御プログラムpの指標を提供するように動作する。
これは、数値的に計算された解の軌跡φ(z,p,λ,t)及び確定した制御プログラムpはもちろんのこと、あるT>0に対して、∀z∈R,limt→Tφ(z,p,λ,t)→zτ∈τを満たすように決定された有限の制御可能領域R⊂Δも含む。
所望の解の軌跡が決定されなかった場合は、ステップ490において、要求に応じてステップ400に進行して繰り返しを実行する前に、処理システムは、リアプノフ関数V,制約u,u,標的点の集合τのうちの一つ以上を変更する。これは、図示されているように、図4Aに戻って繋がることによって表されている。
再び、制約及び標的点の集合の変更は、数多くの方法、例えば、解析的又は適応数値的方法によって遂行することが可能である。或いは、これは、制約及び標的点の集合の検討によって手動で遂行することも可能である。
従って、例えば、医師は、処置に基づいて決定された制約、例えば、利用可能な投薬法を検討し、これが適当であるか否かを検討することが可能である。従って、例えば、別の薬又はさらに多量の薬を利用することが可能である。同様に、所望の標的点τへの到達が不可能な場合、望ましさが僅かに低いような他の標的点への到達は可能である。
上述したように、この例はコンディションが受動的であることによっている。しかしながら、多くの場合、コンディションは受動的ではなく、寧ろ、投薬等に反応して、その投薬の効果を無効にしようとする。従って、例えば、対象に薬が処方された場合、その対象のコンディションは、その投薬の効果を無効にしようと、その挙動のパターンを変更することによって、その投薬の作用に対抗し得る。従って、例えば、免疫不足のコンディションの場合、ウィルスを死滅させるための薬を処方すると、その薬の効果を無効にしようとウィルスが増殖するために、ウィルスのレベルの初期増加がもたらされる場合がある。
或いは、ステップ260−460は、システムの挙動は特定の状態変数値又はパラメータ値に依存しており、その値は限界に至るまでは測定可能、即ち、確実であることを明らかにした。この不確実性の限界に起因する最悪の場合の筋書きを以下に評価しなければならない。
これを説明するために、「自然を相手にしたゲーム(Game against Nature)」型問題と分類される変更された方法が利用可能である。
再び、数多くの方法によって、この型の問題を取り扱うことが可能である。しかしながら、特定の例が図6から図8を参照にしながら以下に説明され、そこでは、任意の投薬の効果を無効にするコンディションの作用を表すのに、自然値wが利用される。これは、
Figure 2005539317
のような自然パラメータ値により形成される自然ベクトルwを利用することによって遂行され得る。
具体的には、「自然」を、所定の制約内での医師の努力に対抗するために、最適な値の選択を計算する敏感な対戦相手と解釈する。従って、自然ベクトルwは、システム・ノイズの不確実性、機器の不確実性、薬の投与のノイズ、コンディションの進行、さらに不確実性又は病変の他の可能な原因のような要因を考慮して設定される。
それゆえ、自然値とは、病気のコンディションの特性を表す自然パラメータ及び/又は自然変数の数量のことであり、その病気のコンディションの望ましくない進行を引き起こす。従って、自然パラメータはゆっくり変化する特性であり、自然変数は急速に変化する特性であることは当然理解されよう。
従って、ステップ500において、処理システムは種々の自然パラメータ値及び/又は変数値を決定する。特定の自然値は、対象及び/又はコンディションの観察によって、医療ユーザ等により決定され得る。或いは、自然値を特定のコンディションに対して決定された所定の自然値から選択しても構わない。
ステップ510において、処理システム10は、その自然値wを利用して、変更された対象の特定モデルを決定する。
Figure 2005539317
再びこれらのシステムの方程式は解の軌跡、
Figure 2005539317
を生成する。
以前の例と同様に、ステップ520において、処理システム10は、対象の特定モデルdz/dtにおける平衡及び定性的なシステムの挙動を探索するように動作する。
処理システム10は、次いで、解の軌跡φが許容可能であるような、制御変数値ucw及びパラメータ値λcwの範囲を決定する。
再び、これは、図3Bに関連して上述した場合と同様に、状態空間におけるカオス的挙動の領域を捜し出すために、解の軌跡φを試験することを含む。処理システム10は、次いで、∀w∈Ξに対して、固有値ξ(z,ucw,w,λcw,t)がシステムを安定化させるように、固有値ξ(z,u,w,λ,t)、並びに制御変数ベクトルucw及びパラメータ・ベクトルλcwを計算する。処理システム10は、これらの値を利用して、
Figure 2005539317
のような回避集合Achを決定する。
ステップ540において、自然ベクトルwの影響にも拘わらず、許容可能な解の軌跡が存在するような状態空間の領域が決定されると、処理システムは、ステップ550に移行し、制御変数値ucw及びパラメータ値λcwの決定された範囲に従って、一群の制御プログラムpcwを決定する。
具体的には、処理システム10は、任意の初期状態ベクトルz∈Rcwが与えられると、自然ベクトルwの影響にも拘わらず、∀w∈Ξに対して、解の軌跡φ(z,ucw(z,w,λcw,t),w,λcw,t)が非カオス的であるような制御変数値ucw(z,w,λcw,t)に、制御プログラムpcwが基づくように、状態空間における制御領域Rcwを計算する。
ステップ560において、一群の選択された制御プログラムpcwを利用して、投薬計画が決定される。
再び、数多くの方法により、図6に説明した手順は実行され得る。しかしながら、この例では、処理システムは、病気のコンディションの影響及び他のノイズ又は不確実性の要因のような自然の影響を表すのに利用される第二のリアプノフ関数を決定する。
従って、図7Aに示すように、ステップ600において、処理システム10は、変更された第一のリアプノフ関数V1w及び対応する標的点の集合τ1wを決定する。この場合、リアプノフ関数V1wは、図4A及び図4Bにおいて使用したリアプノフ関数Vを、自然値wを考慮して変更したリアプノフ関数である。
一旦、これが完了すると、処理システム10は、次いで、ステップ610において、望ましくない点zτ2の集合τを選択するように動作する。これらの望ましくない点zτ2は、死亡、又は対処のコンディションが通過した場合に、恐らくは、対象の健康にとって有害であると思われる極めて望ましくない点に対応する。
望ましくない点の集合τは、
Figure 2005539317
に基づいて決定することが可能である。ここで、
Figure 2005539317
である。これにより、処理システム10は、Λτ2⊆Λ⊆Λ,τ⊆Δ⊆Δを満たすように、広い回避集合、
Figure 2005539317
を定義することが可能である。
ステップ620において、処理システム10は第二のリアプノフ関数Vを決定する。この第二のリアプノフ関数Vの目的は、敵対者としての自然値wの動作をモデル化して、それによって、ノイズ/不確実性及びコンディションの進行の敵対的挙動を具体化することにある。従って、第二のリアプノフ関数Vは、対象の健康を制御又は維持することに関する限り、病気のコンディションの悪化を引き起こす自然ベクトルの影響の下での病気のコンディションの進行を表す解の軌跡を決定する。これらの解の軌跡を以後望ましくない軌跡と呼ぶことにする。
第二のリアプノフ関数は、
Figure 2005539317
のように定義される。
ステップ630において、処理システム10は自然値wに関する許容可能な制約を決定する。
上述したように、自然値wは、システムのノイズ、機器の不確実性、薬の投与のノイズ等のような要因に基づいて決定される。従って、これらの値のうちの多くは、対象データを取得する方法、薬の送出方法、投薬方法の不正確さ等に基づいて決定される。
これは、対象のコンディションを決定し、処置する際に、最大の不確実性又は信頼性の不足を導く領域を決定するのに利用可能である。従って、例えば、リガンドの測定において、既存の許容誤差に関連する高レベルの信頼性が存在すると判断された場合、より正確な測定の許容誤差を得る際の膨大な投資は相対的に不要であることは当然理解されよう。
従って、低い制御信頼性の領域を特定することが可能であるため、自然値自体を評価することは有用であり、これらの問題を、少ない脅威を導く他の問題よりも優先して対処することが可能である。
いずれにせよ、ステップ640において、処理システム10は、リアプノフ関数Vの影響の下、望ましくない点の集合τに向かって移動するように振る舞う望ましくない軌跡を引き起こす一つ以上の自然プログラムp**を決定する。これは、ステップ640において実行され、処理システム10は、病気のコンディションの変化の最悪の影響を決定することが可能である。従って、これは、対象の健康を制御又は維持することに関する限り、病気のコンディションが悪化するか、或いは、不確実性が最悪な形で提供される状況を効果的に表す。
具体的には、与えられた初期状態ベクトル
Figure 2005539317
に対して、処理システムは、
Figure 2005539317
によって与えられる自然プログラムp**を決定するように動作する。ここで、Δはτ⊆Δのような回避集合であり、任意のt>0に対して、p**は、
dV/dt<0(V(z)の等高線に関して、望ましくない軌跡が望ましくない点の集合τにより接近するように悪化する)、或いは、少なくとも
dV/dt=0(V(z)の等高線に関して、望ましくない軌跡は望ましくない点の集合τからは離れないために改善しない)
のいずれかを遂行しようとする。
従って、一群の自然プログラムp**は、治療に対抗するコンディションによる制御戦略のうちの最も確実な「選択」の集合を表す。
ステップ650において、処理システム10は、解の軌跡が許容可能であり、かつ標的点の集合τ1wから離れないような一つ以上の制御プログラムp*wを決定するように動作する。従って、これは、解の軌跡が非カオス的、かつ滑らかであり、その後、自然の最適の努力にも拘らず、悪化しないようなコンディションの進行を表す解の軌跡を捜し出すことに対応する。
具体的には、与えられた初期状態ベクトル
Figure 2005539317
に対して、処理システムは、
Figure 2005539317
であり、
Figure 2005539317
を満たすような制御プログラムp*wを決定するように動作する。ここで、Δはτ⊆Δのような回避集合であり、任意のt>0に対して、p*wは、
dV1w/dt<0(V1w(z)の等高線に関して、軌跡が標的点の集合τ1wにより接近するように改善する)、或いは、少なくとも
dV1w/dt=0(V1w(z)の等高線に関して、軌跡は標的点の集合τ1wからは離れないために悪化しない)
のいずれかを遂行しようとする。
従って、処理システム10は、初期状態の作用を効果的に決定し、悪化又は行き詰まりを達成させようとする病気の最適の努力にも拘らず、解の軌跡が所望の標的点の集合τ1wに向かうように導く制御プログラムを決定することが可能である。それゆえ、その制御プログラムp*wは、医師による「確実な勝利戦略」を表し、一群のそのような制御プログラムp*wは、所望の標的点の集合τ1wを達成させようとする医師による制御戦略のうちの最も確実な選択の集合を表す。
従って、このことから、処理システム10は、コンディションにとって最も確実な制御戦略及び医師にとって最も確実な制御戦略をそれぞれに表す、一つ以上の自然プログラムp**及び一つ以上の制御プログラムp*wを決定することは当然理解されよう。
ステップ660において、処理システム10は、制御プログラムp*wが存在するような初期状態変数値z0*の領域Wを決定するように動作する。従って、実質的に、処理システム10は、解の軌跡を検討し、制御プログラムp*wが存在するような制御値、パラメータ値、及び自然値の値を決定するように動作する。
従って、処理システム10は、
Figure 2005539317
を決定するように動作する。
ステップ670において、処理システム10は、自然プログラムp**が存在するような初期状態ベクトルz0**の領域Wを同様に決定するように動作する
従って、実質的に、処理システム10は、自然プログラムp**に従う望ましくない軌跡を引き起こす初期状態ベクトルz0**及び解の軌跡が制御プログラムp*wに従うような状態ベクトルz0*を算出する。
次いで、ステップ680において、処理システムは、各制御プログラムp*w
及び各自然プログラムp**に対して、解の候補及び望ましくない軌跡を生成する。
各軌跡の候補の挙動は、次いで、ステップ690において評価される。
再び、これは、数多くの方法により遂行され得るものであり、例えば、自動的に、軌跡の候補を解析し、対象にとって最も有益な解の軌跡を選択する処理システムを有することによって遂行されてもよい。
しかしながら、一般的には、これは、専門の医療スタッフのメンバーに、図8に示すような領域W,W,カオス領域C,及び解の軌跡φを示す表示を検討させることによって遂行される。
従って、図示したように、Cで表されるカオス的挙動の領域と共に、望ましくない点の集合τ及び標的点の集合τ1wの領域、並びに初期領域W,Wが示されている。
実用上、医師は、状態ベクトルzを形成する対象の初期状態変数値を決定する。次いで、医師は、この点から、最終的には、対象の病気のコンディションが標的点の集合τ1wに向かうことが可能であるような一つ以上の軌跡を選択する。
この例では、7つの異なる軌跡がそれぞれφ〜φのように示されている。
この例では、軌跡φが唯一、初期開始点zから標的点の集合τ1wまで延びている。しかしながら、この軌跡φはカオス領域Cに侵入しており、それゆえ、直ちに否定される。
軌跡φ,φは、最終的に、望ましくない点の集合τに達する。再び、これらの軌跡を辿ること、或いは、近づくことすら望ましくない。
従って、対象が領域Wに向かう軌跡φ,φのうちの一方に沿って進行し、次いで、軌跡φ,φのうちの一方を辿って標的点の集合τ1wに向かうような対象の計画が必要である。この例では、軌跡φ,φのいずれもカオス領域Cに近く、従って、軌跡φ,φが選択される。
一旦、ステップ700において、許容可能な軌跡が決定されたならば、処理システム10は、所望の解の軌跡及び関連する制御プログラムp*wの表示を提供する。この例において、二つの解の軌跡が必要とされ、従って、二つの対応する制御プログラムp*wが必要とされることは当然理解されよう。この例では、第一の制御プログラムが対象のコンディションを軌跡φに沿って進行させ、第二の制御プログラムがその対象のコンディションを軌跡φに沿って進行させ、それによって標的点の集合τ1w内に到達する。
適切な解の軌跡が決定されなかった場合は、処理システムはステップ720に移行し、リアプノフ関数V,リアプノフ関数V,自然パラメータの制約w,w,制御パラメータの制約u,u,及び標的点の集合τ1wのうちの一つ以上を変更する。
処理システム10は、次いで、要求に応じて、ステップ600以降の繰り返しを行う。
アーキテクチャ
上述の方法が、数多くの異なる方法により遂行され得ることは当然理解されよう。従って、例えば、システムを利用する各医師に対して、個別の処理システム10が提供されてもよい。これは、例えば、移動可能媒体又はダウンロードにより、医師のコンピュータ・システムに個別のアプリケーション・ソフトウェアを供給すること等によって達成される。この場合にさらなるモデルが必要になった時、これらはプログラムの更新等により入手可能である。再び、これらは数多くの方法により入手可能であってもよい。
しかしながら、別のアーキテクチャ、例えば、分散型アーキテクチャ等が具体化されてもよい。
この例を図9に示す。同図では、処理システム10がデータベース11に接続され、基地局1において提供されている。基地局1は、インターネットのような通信ネットワーク2を介して、かつ/若しくは、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)4のような通信ネットワーク4を介して、数多くの末端局3に接続されている。従って、LAN4が、医師の診療室、病院、又は他の医療施設における内部ネットワークを形成していてもよいことは当然理解されよう。これにより、医師は、中央基地局1に対して遠隔に位置することが可能である。
従って、使用時に、末端局3は基地局1に配置された処理システム10と通信するのに適合していなければならない。これにより、数多くの異なる形態の末端局3が利用可能であることは当然理解されよう。
適切な末端局の一例を図10に示す。図示されているように、末端局3は、図示されたバス34を介して互いに接続されたプロセッサ30、メモリ31、例えばキーボードのような入力デバイス32、例えばディスプレイのような出力デバイス33を含む。その末端局が通信ネットワーク2,4のうちの一方に接続することが可能であるように、内部インターフェイス35が一般的に備えられている。
使用時に、プロセッサ30は、通信ネットワーク2,4を介して基地局1に備えられた処理システム10と通信するのに適合しており、上述のプロセスを実行することが可能である。従って、通信ネットワーク2がインターネットであった場合、これは、一般的に、基地局1に、末端局3上で医師に対してウェブ・ページを提示させることによって、遂行されることは当然理解されよう。
従って、末端局3は、適切にプログラムされたパーソナル・コンピュータ(PC)、インターネット端末、ラップトップ、ハンドヘルドPC等のような任意の適切な処理システムにより形成されていてもよく、それらは、一般的に、データ転送及び特定の場合はウェブ閲覧を可能にするアプリケーション・ソフトウェアを動作させていることは当然理解されよう。
この場合、医師によって、末端局3を介して、患者のデータ、任意の他の情報、及び入力命令が供給され、基地局1に配置された処理システム10に転送されてもよい。処理システムは、次いで、上述のように動作し、その結果を医師に提示するために末端局3に転送する。
この場合、そのプロセスに対するアクセスを、そのプロセスをホスティングするウェブ・サイトにアクセスするのに料金を必要とするような会費システム等を用いて制御してもよいことは当然理解されよう。これは、当業者であれば当然理解するように、パスワード・システム等を利用することにより遂行され得る。
さらに、情報がデータベース11に記憶されていてもよく、これは、基地局1に備えられたデータベース11、LAN4に接続されたデータベース11、又は任意の他の適切なデータベースのうちのいずれかであり得る。これはまた、患者のデータ、結果、決定されたパラメータ等を含むことが可能である。これにより、医師は、患者の病気のコンディションの履歴の記録を保持することが可能であり、その後、必要に応じて、アクセス可能である。これは、患者の内部における病気のコンディションの進行の正確な記録として利用され得るものであり、実際に患者に投与された薬の記録と組み合わせた場合、これにより、投薬の効果を判断することが可能である。
数多くの患者に対して収集されたデータ解析することによって、繰り返しプロセスにおいてより正確なモデルを構築することが可能であることは当然理解されよう。統計的な解析によって、さらなるモデルを構築することも可能である。例えば、年齢グループの範囲を解析することによって、年齢別のモデルが構築される。

この技術を人体における細胞のコロニーに適用した予測例を以下の付録Aに示す。
変形
上記から、この技術を任意の対象に適用可能であることは当然理解されよう。これには、人間の患者、他の哺乳類、非哺乳類種が含まれるが、これらに限定される訳ではなく、本発明の方法を用いて検査すること、或いは、処置することが望ましい任意の個体を含む。本発明の範囲に含まれる適切な対象には、霊長類、家畜動物(例えば、羊、牛、馬、ロバ、豚)、実験動物(例えば、ウサギ、マウス、ラット、モルモット、ハムスター)、ペット動物(例えば、猫、犬)、及び捕獲野生動物(例えば、狐、鹿、ディンゴ)が含まれるが、これらに限定される訳ではない。
特定の標本の反応を検査するために、この技術を生体外で使用することが可能であることもまた当然理解されよう。従って、例えば、栄養素の組み合わせ等のような各環境条件に対する細胞の反応を監視し、次いで、細胞の反応を変化させるためにその栄養素の組み合わせを変更するのに、この技術は利用可能である。
さらに、使用されている用語「患者」及び「病気のコンディション」によって、症状が存在することを、或いは、この技術が病気の若しくは生体のコンディション自体に限定されるべきであることを意味している訳でないことは理解されよう。寧ろ、この技術は対象の任意のコンディションに対して適用可能である。従って、例えば、この技術を、競技対象、例えば運動選手に対して適用し、トレーニングに対する対象の反応を判断することが可能である。これにより、対象に対して、オーバートレーニング等を回避しながら競技イベントに備えることが可能なトレーニング計画を構築することが可能である。
従って、この対象のコンディションは、現在の肉体的コンディション、特に、競技適性のための準備のことであり、処置計画は、特に運動選手にとって必要であるトレーニング計画に変更され得ることは当然理解されよう。
従って、上記において概説した技術が以下を提供することが可能であることは当然理解されよう。
(1) 患者の対する投薬計画を決定するための方法及び装置。
(2) 病気のコンディションに苦しむ動物に対する獣医学上の投薬計画を決定するための方法及び装置。対象動物の病気のコンディションの影響を表す家畜パラメータ値を決定するための方法及び装置。
(3) 薬学上の、薬理学上の、若しくは生理学上のプロセスのための非線形制御計画を決定するための方法及び装置。そのプロセスにおける特定の物理学的、生物学的、若しくは化学的干渉、作用、又は事象の影響を表すプロセスのパラメータ値を決定するための方法及び装置。
人間の場合、この技術が最も理想的に適用されるコンディションは、以下のようなコンディションを含む。
・ パーキンソン病
・ 統合失調症
・ 双極性障害/躁鬱症
・ 心疾患
・ 重症筋無力症
・ 神経筋疾患
・ 癌性及び腫瘍性細胞、並びに関連疾患の処置
・ HIV/AIDS及び他の免疫系疾患
・ 肝臓疾患
・ 運動競技のコンディション
・ 病原体の処置
・ 主要なプロセスを数学的モデルに還元することが可能な他の疾患又は病気
パーキンソン病に対する数学的モデルの一例を付録Bにおいて説明する。但し、これは簡単な基本的モデルの一例であり、限定の意図はなく、他のモデルの形態の例も利用され得る。
しかしながら、コンディションの数学的モデルを構築することが可能な任意のコンディションに関して、プロセスを実行することが可能であることは当然理解されよう。それゆえ、この技術は、その用途として、病気又は他の医療上の疾患のようなコンディションに理想的には適しているが、病気のコンディションに限定される訳ではない。
数学的モデルの初期構築、及びそれに引き続く、パラメータ値の形態での対象データの決定は、以下の例を含む任意の適切な技術を用いることにより遂行され得る。
・ モデル規範型適応制御(Model Reference Adaptive Control:MRAC)
・ ニューラル・ネットワーク
・ 複雑系解析
・ カルマン・フィルタ
但し、用語「ニューラル・ネットワーク」は、脳の機能との仮想類推に基づいて数学的モデルを構築する任意の方法を意味するものと理解される。一般的に、これは、不一致の誤差を低下させるように、適切な多数の項を含む非線形関数の組み合わせを用いることによって、コンディションをモデル化することにより遂行される。この場合、第一近似におけるモデルは、殆ど任意のコンディションのモデル化に使用可能な一般的モデルである。次いで、これをフィードバックにより学習させ、パラメータ等の制約に関連付けることによって、関心のある特定のコンディションをモデル化するようにモデルを制約することが可能である。
しかしながら、これは、限定を意図している訳ではなく、任意の適切な技術が利用可能であることは当然理解されよう。
いずれにせよ、上述のシステムにより、個別の対象内部におけるコンディションに対する数学的モデルを決定することが可能である。一旦、これが完了したならば、そのモデルは、種々の状況、具体的には、種々の投薬又は他の治療の状況の下でのコンディションの進行を表す軌跡を導出するのに利用される。
対象の現在のパラメータ値及び状態変数値における軌跡を計算することによって、これが対象内部におけるコンディションの進行を決定することを可能にすることは当然理解されよう。この例において、対象に既に薬が処方されている場合は、これは、既存の投薬計画によって起こり得る成功を評価することを可能にし、或いは、未処置の対象の場合は、依然として対象が未処置の場合におけるコンディションの進行を評価することを可能にする。
しかしながら、これに加えて、種々のパラメータ値及び状態変数値の範囲における数多くの異なる軌跡を決定し、評価することも可能である。例えば、安定な終点まで導かないか、或いは、対象のコンディションにおける急速な変動を表すカオス的挙動を示すために望ましくない軌跡を特定し、排除することがこれにより可能である。
一旦、これが完了すると、安定集合を定義することが可能であり、この集合は、残存する解の軌跡が許容可能であるようなパラメータ値及び状態変数値の集合に対応する。従って、これは、非カオス的であり、かつ、その結果、対象のコンディションが、適切な終点、例えば、コンディションが内部において相対的に不変に留まるような安定又は周期的領域に到達するような軌跡に対応する。
安定集合が決定されたならば、次いで、対象内部におけるコンディションの進行が最終的に許容可能な軌跡のうちの一つを辿ることを保証するために、対象の現在のパラメータ値及び状態変数値に必要な変更を決定することが可能である。従って、これは、対象のパラメータ値及び状態変数値に関する外的作用の効果を表す制御プログラムを決定することによって、遂行される。その制御プログラムは、投薬の効果のような外的要因を数学的にモデル化することによって構成され、これは、
・ リアプノフ関数
・ 動的最適化アルゴリズム(例、オイラー−ラグランジュ法)
・ 凸集合アルゴリズム(例、クーン−タッカー)
・ 任意の他の適切なアルゴリズム
のうちの一つ以上を用いることにより遂行可能である。
それゆえ、制御プログラムは、対象のパラメータ値及び状態変数値を安定集合における値に向かって変更させるような処置計画、例えば、投薬計画を表す。
それゆえ、これにより、投薬等をケース・バイ・ケースを基礎として処方することが可能になり、そのため、患者一人一人の症状にあわせた計画に従って、対象に薬を処方することが保証される。それによって、対象が安定集合のうちの一つによって定義されるコンディションの状態に進行することが促進される。
これは、理想的にはコンディションの除去を表す安定な終点又は領域を導くことは当然理解されよう。しかしながら、これは必ずしも可能ではなく、場合によっては、寧ろ、内部では症状及び/又はコンディションの影響が最小化されるか、制約されるか、或いは、安定化されるような安定な終点又は領域に導く軌跡を選択する必要がある。
当業者には、数多くの変形及び変更が明らかとなろう。当業者にとって明らかとなった全てのそのような変形及び変更は、上述した本発明の広い技術思想及び範囲内に含まれるとみなされるべきである。
付録A
1 問題の説明
人体における孤立した隣接細胞のコロニーであり、t≧0において個数x(t)の細胞からなる細胞のコロニーを検討する。このコロニーは細胞の世代を数世代経ており、十分な資源が与えられたならば、その増加率は既存の個数に比例する。しかしながら、コロニーの環境により提供される資源(酸素、血液等)が有限であるために、競争があり、その増加率は個数が増加するにつれて著しく抑制される。個数が十分に増加した場合、細胞は不十分な栄養のために死亡し、その増加率は負になる。
この細胞のコロニーは、患者の健康にとって重要な物質Sを分泌する。この物質は、モル濃度y(t)でコロニーにより外部環境中に分泌され、最終的には、隣接のタンパク質移送機構に取り込まれ、他の場所で使用される。分泌率は、ミカエリス−メンテン型の運動学に従い、一旦、コロニーにおける個数が十分に増加したならば、その率は最大値に飽和する。従って、このシステムのダイナミクスは、以下のような単純な定式化により記述可能である。
Figure 2005539317
ここで、Pは制約のない個数増加係数であり、Rは有限の資源による個数抑制係数であり、K,Kはミカエリス−メンテン定数(V,Kと表すのが通常)を表し、μは移送機構によるSの取り込み率であり、かつ
Figure 2005539317
は、片側ヘビサイド関数を示す。式(1)は、有名な「ロジスティク方程式」をより複雑な形にしたものである。
2 医学の問題
病変が、個数のうちの少数にわたって観測されると、それによって、明らかな肉体的原因がなくとも、y(t)は著しく変動する。医学界においては、このコンディションは、「Yの病気」として知られている。事例研究において、一部の患者では、患者が完全に異常になり、死に至るまでに、そのような変動は、数ヶ月、或いは数年のタイムスパンにわたって徐々に悪化し、患者の体の自由は完全に奪われることが観測されている。
処置としては、三種類の投薬がある。
・ 細胞の個数の制約されていない増加率Pを促進するホルモン(uで表す)。
・ 細胞の個数の制約されていない増加率Pを著しく抑制する(Yの病気を処置する場合は、通常使用されない)ホルモン(uで表す)。
・ y(t)の取り込み率μを抑制するための通常の投薬(uで表す)、又は促進するための投薬(uで表す)。
これらの投薬を含む処置は、特に有効ではなかった。増加ホルモンuを用いた臨床試験において、予期せぬことに、一部の患者は死亡した。一方、μの制御は、多くの場合、変動に対して有用であった。
3 生体内及び生体外でのパラメータの同定
これらのダイナミクスは、生存している患者の内部において発生している。現在の技術では、いかなる有意な方法を用いても、直接に、生体内でP,R,K,x(t)を測定することは不可能である。Kを生体外で推定することは可能である。fMRIを用いることにより、許容誤差±δyを伴ってy(t)を非侵襲的に測定することは可能である。
この状況では実質的に役には立たない、パラメータ推定についての通常の統計的方法を利用するのではなく、モデルの方程式及び動的同定アルゴリズム(図3Aに示したプロセス)を構成する。十分に大きな測定の時系列{y(t),y(t),...,y(t)}を与えると、モデルの係数はそのシステムの係数に収束するため、このデータ集合の長さによって部分的に決定される精度内で、特定の患者のパラメータ値を推定することが可能である。そのように収束しなかった場合、これは、モデル化の仮定と物理的システムとの間の構造的な不一致を示し得る。患者とモデルが最良に整合したことを確認するために、異なる形のモデルの方程式を利用して、交差的に相関させることが可能である(例えば、
Figure 2005539317
である)。同一の医学上のコンディションであり、そのコンディションの同一の段階にある患者達は、実際のパラメータ値は患者間で変化し得るけれども、共通の構造を備えたモデルを有するべきである。
これらのパラメータの推定値を取得すると、それらのパラメータは、システムのシミュレーションを行うためにモデルの方程式に代入される。モデルから出力を生成し、それを本来の患者の出力と相関させることによって、妥当性がチェックされる。
この同定プロセスを、十分に多数の人間又は動物の類似物に繰り返すことにより、システム上での(上記で列挙した)利用可能な投薬の影響を定量化する。結果として、投薬されたシステムは以下のように記述可能であることがわかる。
Figure 2005539317
ここで、
Figure 2005539317
である。これらの制約は、薬の安全性に関連して、或いは、uの場合は、そのホルモンをその場所に供給する際の精細な制御が不足していることによって課せられている。
式(3),(4)は、システムの状態方程式を構成し、より形式的には、以下のように記述される。
Figure 2005539317
ここで、z=[x(t),y(y)],u=[u(t),u(t),u(t),u(t)],及びλ=[P,R,K,K,μ]である。
特定の患者の場合、同定アルゴリズムの参照モデルは、患者が投薬されていない、即ち、u≡0の場合、規格化されたパラメータ値R=1.6,P=2,K=10,K=0.8,μ=1.2を有する式(1),(2)の形の常微分方程式(ODE)に漸近的に収束することがわかる。
4 大域的な安定性の解析
図3Bに示したように、式(1),(2)の構造に関するP,Rの値の範囲にわたった大域的な安定性の解析が実行される(図11)。図11の上図は、x(0)=1の場合における、繰り返された反復の収束のマップである。ダーク・グレイは、安定であることを示し(系列は最終的に収束する)、黒は極端に安定であることを示し(系列は直ちに最終値、通常は、死滅に向かう)、白は、系列の発散、或いは、カオスの始まりのいずれかによって、指定された反復の回数(この場合は、5000回)の後であっても最終的な収束をしていないこと示す。下図は、収束マップを着色してコントラストを際立たせたものであり、ここでは白黒で提供されている。
これらのマップの初期値x(0)の選択の依存性を(それが存在する場合に)評価するために、第二の「チェッカーボード」、固定されたRの値におけるPに対するx(0)の収束マップの集合が生成される。これを、図12に示す。
図11の構造から以下のことを確認することが可能である。
1.このシステムは、カオスと死滅のいずれも起こしやすい。
2.結果として、「Yの病気」におけるy(t)の著しい変動の兆候は、必然的に、必ずしも病気ではない、寧ろ、健康なシステムが不安定又は死滅の領域に至ることになりかねないようなダイナミクスの摂動である。
3.それゆえ、uの増加ホルモン治療の下での患者の予期せぬ死亡は、必然的に、いかなるホルモン固有の毒性も意味しない、寧ろ、カオスの誘導、或いは、P+uが非常に高い値(例えば、P+u≧3)に近づけられた場合に明白であるシステムの死滅の誘導によるものである。
4.基礎となる細胞のコロニーにおける個数の複雑なダイナミクスを仮定すると、x(t)を制御することなくy(t)の制御を試みても効果はない。それゆえ、ホルモンu,uを用いる細胞の個数の変更は、患者に対する投薬としては基本的なものである。期待に反して、y(t)の取り込みを変更する通常の投薬u,uは、y(t)を調整する際に制限された実用性しかない。
5.このシステムの殆どの安定な領域は、{P=1,R≪2}の近傍にあるが、そこにおいてすら、カオス的な構造の危険区域が存在する(図11の上図では白、下図では黒で記されている)。
特定の値のP,Rの場合、
Figure 2005539317
を満たす二対の平衡点[x,y、つまり、
Figure 2005539317
が存在する。これらの点のうちの第一のものは死滅の自明な平衡に対応し、第二のものは動的な非ゼロの個数の平衡に対応する(図12のフレームでは、黒の点線として確認可能である)。
5 シングル・リアプノフ制御
次の課題は、システムを制御し、患者のコンディションが改善するように、システムを安定な配置に導くことである(図4A及び図4Bに示したプロセス)。これの最初の段階は、所望の標的集合τを決定することである。図13において種々の倍率のレベルで示したように、これは、部分的にはシステムのスケールに依存している。P∈[0.8,1.19]において、広範囲にわたる安定な領域(pool)が確認されることに加えて、カオス的な領域P∈[1.2,1.4]の内部においてすら、小規模な局所的に安定な近傍が存在するようにみえる。
この患者の場合、その細胞のコロニーは、∀tについてu(t)]≡−1と設定することによって、常にP→1平行移動させられた増加パラメータを有する。P=1,R=1.6の場合のXY平面において、τを安定な平衡点[x ,y の近傍と定義する。これを図14において示す。この図において、相対的に安定な点[x(t),y(t)]は、通常のグレイスケール(黒=極端に収束する、白=収束しない)では左に、ここでは白黒で提供されているが、相対的な安定性の差を際立たせるために着色した濃淡を用いると右にマップされている。平衡点[x ,y は、黒点によって表示されており、相対的に安定な点の細い曲線上に位置することを確認することが可能である。τを構成する楕円型の近傍が示されている。この近傍に到達する全ての点は[x ,y に収束する。
次いで、リアプノフ関数Vがτの幾何学的配置の周辺で構成され、患者の状態をτに導くため、制約されたu,u,uを利用するために∇V.f(z,u,λ,t)≦0を用いて制御プログラムpが計算される。解の軌跡の候補が計算され、医師に提示される(例えば、点[x(0),y(0)]=[0.001,0]から出発する解の軌跡としては、図15aを見られたい)。これらの解の軌跡又はpに不満足である場合は、定量的な最適化が実行される(例えば、図15bは、同一の初期コンディションから標的集合に導かれる軌跡であって、僅かに異なる軌跡を示しており、そこでは、投薬u,uに関するいかなる依存性も除くために、一部の厳密性が犠牲にされている)。
そのようなV誘導型制御が可能な全てのz(0)の集合が計算され、Rと表される。
6 ダブル・リアプノフ制御
以下、Rの正確な値について不確実性が存在する問題を検討する。これは、同定アルゴリズムがR±δR以上に正確なRの推定値を実現することを妨げる背景の変動によるものであるか、或いは、ホルモン治療を通してPが変更された場合に、患者の生態機能がしきりに逆の反応をしようとして、そのため、Rが実際にδRだけ変動したのであるかもしれない。恐らく、これは病気によるものであるか、或いは、場合によっては自然な身体機能である。いずれであっても、そのような変動に対して強固であることを保証するように、先の節の制御プロセス繰り返す必要がある(図6、図7a及び図7bに示したプロセス)。
式(3),(4)は、書き直される。
Figure 2005539317
ここで、w∈[−w,w],wはRに起こりうる変動の最大値を示し、人間の患者においては、w=0.1と推定される。
この「自然を相手にしたゲーム」では、「自然」と指定されたプレイヤーによって、これらの変動は我々の制御戦略に対抗して理性的かつ攻撃的に配備され、システムを崩壊させようとすると仮定されている。この場合、任務は、そのようないかなる妨害に対しても強固な制御戦略を構成することである。標的集合τ1w及びリアプノフ関数V1wは、τ,Vと同一であるとみなされる。τの適切な選択を決定するために、図11及び図12を再検討する。R→1.1においてすら、P=1の場合、死滅に対応する領域に、自然によって直接に容易に到達することは不可能であることは明らかである。個数のダイナミクスを崩壊させる最も直接的な方法は、x(t)をx(t)→0,或いは、x(t)→x≫1.2のいずれかに追いやることである。x=1.4の値が選択され、この近傍をτと指定する。
適切なリアプノフ関数Vが構成され、∇V.f≦0を満たすような自然戦略p**が生成され、p**は我々の制御行動を妨害しようとする。基準∇V1w.f≦0に基づいて、制御戦略p*wが計算される。集合W(点[x(0),y(0)]であり、p*wはその点から全ての可能なwに対抗して軌跡を安全にτ1wに導く)及び集合W(点[x(0),y(0)]であり、p**はその点から、全ての可能なuにも拘らず、軌跡をτに導く)がプロットされる。上記と同様に、[x(0),y(0)]が与えられると、p*wの下、解の軌跡の候補が計算され、医師に提示される(例えば、wの反撃にも拘らず、uに対する成功制御計画を与える、点[x(0),y(0)]=[1,0]から出発する解の軌跡としては、図16を見られたい)。これらの制御計画は、最適化の別の層に従うことも可能であり、或いは、患者の医師による制御を改善するために、制約[u,u],[w,w]が変更される。
このように、これらのツールは、(a)動的なパラメータ及び状態の推定、(b)単一の関数の制御の計算、及び(c)ランダム又は活動的な敵対要素の存在下での強固な制御の計算を通して、患者の投薬を変更するのに利用可能であることを実演した。殆ど場合、そのような投薬制御戦略は、従来の経験的投薬の戦略とは大きく異なるものである。
付録B
以下に記載する方程式は、ドーパミン作動性ニューロンのシナプス間隙における外因性ドーパミン薬物動態学の簡単な3方程式モデルを表す。
Figure 2005539317
ここで、
[lbb:血流中のレボドパ濃度
11 bb,k12 bb:血液−脳障壁を横切るレボドパ移送パラメータ
μbb:血流中のレボドパの「減衰(sink)」係数
[lsyn:シナプス間隙におけるレボドパ濃度
11 dopa,k12 dopa:ドーパ・デカルボキシラーゼの変換パラメータ
μlsyn:間隙におけるレボドパの「減衰」係数
[dsyn:シナプス間隙におけるドーパミン濃度
11 dat,k12 dat:ニューロン質量におけるドーパミン移送係数
μdsyn:間隙におけるドーパミンの「減衰」係数
<d>:信号ドーパミンの平均濃度
A,w,φ:血液にレボトパを取り込むための制御変数
従って、当業者には、対象内部におけるパーキンソン病の進行を表すモデル決定する際に、上記の方程式を利用することが可能であることは理解されよう。
本発明のプロセスを概説するフローチャート。 本発明を実施するためのシステムの一例の概略図。 投薬計画を決定するプロセスを詳述するフローチャート。 投薬計画を決定するプロセスを詳述するフローチャート。 図3A及び図3Bの方法において、解の軌跡を決定するプロセスを詳述するフローチャート。 図3A及び図3Bの方法において、解の軌跡を決定するプロセスを詳述するフローチャート。 図4Bのプロセスの間に生成される表示の一例。 自然値を考慮することを含めて、投薬計画を決定するプロセスを詳述するフローチャート。 図6の方法において、解の軌跡を決定するプロセスを詳述するフローチャート。 図6の方法において、解の軌跡を決定するプロセスを詳述するフローチャート。 図7Bのプロセスの間に生成される表示の一例。 本発明を実施するためのシステムの別例の概略図。 図9の末端局のうちの一つの概略図。 付録Aにおいて概説された予測例における、Rに対するPの値の範囲の収束マップの一例。 付録Aにおいて概説された予測例における、固定されたRの値の場合での、Pに対するx(0)の値の範囲の収束マップの第二の集合の一例。 図12の収束マップのうちの選択された一つにおける種々の倍率のレベルの一例。 グレイスケールで示した、付録Aにおいて概説された予測例の標的点の集合の一例、及び着色して示した、付録Aにおいて概説された予測例の標的点の集合の一例 付録Aにおいて概説された予測例の解の軌跡の候補の一例。 付録Aにおいて概説された予測例の別の解の軌跡の一例。 ダブル・リアプノフ関数を用いた、付録Aにおいて概説された予測例の解の軌跡の候補の一例。

Claims (53)

  1. 対象に対する処置計画を決定する方法であって、
    a) 対象のコンディションを表す対象データを取得すること、
    b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションを表すシステム値を決定すること、
    c) 前記モデル及び前記決定されたシステム値に従う前記コンディションの進行を表す一つ以上の軌跡を決定すること、
    d) 前記決定された軌跡に従って、処置計画を決定すること、
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記対象データは個人個人の病気のコンディションを表し、前記方法は個人における病気のコンディションの進行を表す軌跡を決定することを含む、方法。
  3. 請求項1又請求項2に記載の方法において、各システム値は前記コンディションの各特性の測定に対して取得された数量を表し、前記システム値は、
    a) 急速に変化する特性を表す状態変数値と、
    b) 緩慢に変化する特性又は一定の特性を表すパラメータ値と、
    を含む、方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法は、制御変数値を決定することを含み、該制御変数値は外部から制御可能な前記コンディションの特性を表す、方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、前記モデルは前記コンディションを表す一つ以上のモデルの方程式を含み、前記方法は、前記モデルの方程式及び前記システム値に従って、一つ以上の対象の方程式を決定することを含む、方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、前記処置計画を決定する方法は、
    a) 前記対象の方程式の解を表す軌跡の挙動を評価すること、
    b) 一つ以上の制御プログラムを決定することであって、各制御プログラムは一連の制御変数値を含み、その結果、軌跡は所望の挙動を有する、一つ以上の制御プログラムを決定すること、
    を含む、方法。
  7. 請求項6に記載の方法は、標的点の集合を決定することを含み、該標的点は前記対象の方程式の安定点を含む、方法。
  8. 請求項7に記載の方法において、前記所望の挙動は、
    a) 前記軌跡は許容可能であること、
    b) 前記軌跡は前記標的点から離れないこと、
    c) 前記軌跡は最終的に前記標的点に近づくこと、
    のうちの少なくとも一つを含む、方法。
  9. 請求項8に記載の方法は、前記解の軌跡が、
    a) 非カオス的、かつ
    b) 十分に滑らか
    である場合に、前記解の軌跡は許容可能であると判断することを含む、方法。
  10. 請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法において、前記軌跡の挙動を評価する方法は、
    a) 前記軌跡がカオス的であるような制御変数値及び/又はパラメータ値の領域を決定すること、
    b) 前記軌跡を非カオス的にするか、或いは、安定化させることが可能な制御変数値及び/又はパラメータ値の範囲を決定すること、
    を含む、方法。
  11. 請求項10に記載の方法は、前記決定された範囲に従って一つ以上の制御プログラムを決定することを含む、方法。
  12. 請求項10又は請求項11のいずれか一項に記載の方法は、リアプノフ関数を利用して、前記一つ以上の制御プログラムを決定することを含む、方法。
  13. 請求項12に記載の方法は、
    a) 勾配が前記標的点に向かう軌跡を規定するようなリアプノフ関数を定義すること、
    b) 前記制御変数値に関する制約を定義すること、
    c) 結果として、軌跡が前記制約に従って前記リアプノフ関数の勾配を下るように制御変数値を決定すること、
    を含む、方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、前記制約は前記対象に対して提供可能な処置に関する制限を含む、方法。
  15. 請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法は、
    a) 前記カオス領域の指標を含む前記軌跡の表示を閲覧すること、
    b) 前記表示された軌跡に従って制御プログラムを選択すること、
    によって、前記決定された制御プログラムのうちの一つ以上に従って処置を決定することを含む、方法。
  16. 請求項6〜15のいずれか一項に記載の方法は、
    a) 一つ以上の自然値を決定することであって、該自然値は、前記コンディションの望ましくない進行を引き起こす前記コンディションの特性を表す自然パラメータ及び/又は変数の数量である、一つ以上の自然値を決定すること、
    b) 前記対象の方程式を、前記一つ以上の自然値を取り込むために変更すること、
    c) 前記変更された対象の方程式の解を表す変更された軌跡の挙動を評価すること、
    d) i) 一つ以上の制御プログラムを決定することであって、各制御プログラムは制御変数値を含み、その結果、変更された軌跡は所望の挙動を有する、一つ以上の制御プログラムを決定すること、
    ii) 一つ以上の望ましくないプログラムを決定することであって、各望ましくないプログラムは自然値を含み、その結果、変更された軌跡は望ましくない挙動を有する、一つ以上の望ましくないプログラムを決定すること、のうちの少なくとも一方を実行すること、
    を含む、方法。
  17. 請求項16に記載の方法は、前記変更された軌跡に従って、請求項10〜14のいずれか一項の方法を実行することを含む、方法。
  18. 請求項16又は請求項17に記載の方法は、望ましくない点の集合を決定することを含み、前記望ましくない挙動は、
    a) 前記変更された軌跡は許容可能ではないこと、
    b) 前記変更された軌跡は前記望ましくない点から離れないこと、
    c) 前記変更された軌跡は最終的に前記望ましくない点に近づくこと、
    のうちの少なくとも一つを含む、方法。
  19. 請求項17又は請求項18に記載の方法は、
    a) 勾配が前記望ましくない点に向かう変更された軌跡を規定するような第二のリアプノフ関数を定義すること、
    b) 前記自然値に関する制約を定義すること、
    c) 結果として、変更された軌跡が前記制約に従って前記第二のリアプノフ関数の勾配を下るように自然値を決定すること、
    を含む、方法。
  20. 請求項19に記載の方法は、
    a) 制御プログラムが存在するような変更された軌跡を有する開始点を決定すること、
    b) 自然プログラムが存在するような変更された軌跡を有する開始点を決定すること、
    c) i) 前記変更された軌跡と、
    ii) 前記開始点と、
    iii) 前記カオス領域と、
    のうちの少なくとも一つを含む表示を閲覧すること、
    d)一つ以上の表示された軌跡に従って、制御プログラムを選択すること、
    によって、前記制御プログラム及び前記自然プログラムに従って前記処置計画を決定することを含む、方法。
  21. 請求項2〜20のいずれか一項に記載の方法は、
    a) 前記対象データからシステム値の部分集合を決定すること、
    b) 個人におけるコンディションの影響を表す一つ以上の方程式をそれぞれに含む一つ以上のモデルを選択すること、
    c) 前記決定されたシステム値の部分集合及び前記方程式のそれぞれに従って、システム値の完全な集合の決定を試みること、
    d) 前記決定されたシステム値の完全な集合に従って、モデルを選択すること、
    によって、パラメータ値を決定することを含む、方法。
  22. 請求項21に記載の方法において、前記完全値の決定を試みる方法は、
    a) 前記決定されたシステム値の部分集合及び前記方程式に従って、システム値の候補集合を決定すること、
    b) 前記システム値の候補集合を、
    i) 前記システム値の部分集合と、
    ii) 所定の閾値と、
    のうちの少なくとも一方と比較すること、
    c) 比較の結果に従って、モデルを選択すること、
    を含む、方法。
  23. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法は、
    a) 安定集合を決定すること、
    b) 前記安定集合に従って、処置を決定すること、
    を含む、方法。
  24. 請求項23に記載の方法において、前記安定集合は、許容可能な軌跡をもたらすような状態値及びパラメータ値の組み合わせを表す、方法。
  25. 請求項23又は請求項24に記載の方法は、前記安定集合に従って、制御プログラムを決定することを含む、方法。
  26. 請求項24又は請求項25に記載の方法は、
    a) 前記対象に対する対象状態変数値及びパラメータ値を検討すること、
    b) 前記対象の状態変数値及びパラメータ値が前記安定集合内に収まるように要求された、前記状態変数値及びパラメータ値の変更を決定すること、
    c) 前記要求された状態変数値及びパラメータ値の変更に従って、処置計画を決定すること、
    を含む、方法。
  27. 請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法は、前記決定された安定集合に従って、投薬量計画を決定することを含む、方法。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法は、
    a) リアプノフ関数と、
    b) 動的最適化技術と、
    c) 凸集合アルゴリズムと、
    のうちの一つ以上を用いて、制御プログラムを決定することを含む、方法。
  29. 請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法において、前記対象は患者である、方法。
  30. 請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法において、前記処置は投薬である、方法。
  31. 本明細書において記載したような、対象に対する処置計画を決定する方法。
  32. 対象に対する処置計画を決定するための装置であって、
    a) コンディションを表す対象データを取得すること、
    b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションを表すシステム値を決定すること、
    c) 前記モデル及び前記決定されたシステム値に従う前記コンディションの進行を表す一つ以上の軌跡を決定すること、
    d) 前記決定された軌跡に従って、処置計画を決定すること、
    に適合した処理システムを含む装置。
  33. 請求項32に記載の装置において、前記処理システムは請求項1〜31のいずれか一項の方法を実行するのに適合する、装置。
  34. 本明細書において記載したような、対象に対する処置計画を決定するための装置。
  35. 対象に対する処置計画を決定するためのコンピュータ・プログラム製品であって、適切な処理システム上で実行された場合に、該処理システムに請求項1〜31のいずれか一項の方法を実行させるコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータ・プログラム製品。
  36. 本明細書において記載したような、対象に対する処置計画を決定するためのコンピュータ・プログラム製品。
  37. 対象のコンディションを表すシステム値を決定する方法であって、
    a) 前記コンディションを表す対象データを取得すること、
    b) 前記対象データからシステム値の部分集合を決定することであって、各システム値は前記コンディションの各特性の測定によって取得された数量を表す、前記対象データからシステム値の部分集合を決定すること、
    c) 個人におけるコンディションの影響を表す一つ以上の方程式をそれぞれに含む一つ以上のモデルを選択すること、
    d) 各モデルに対して、前記システム値の部分集合及び前記方程式のそれぞれに従って、システム値の完全な集合の決定を試みること、
    e) 前記決定されたシステム値の完全な集合に従って、モデルを選択すること、
    を含む方法。
  38. 請求項37に記載の方法において、前記システム値は、
    a) 急速に変化する特性を表す状態変数値と、
    b) 緩慢に変化する特性又は一定の特性を表すパラメータ値と、
    を含む、方法。
  39. 請求項37又は請求項38に記載の方法において、前記完全な値の決定を試みる方法は、
    a) 前記決定されたシステム値の部分集合及び前記方程式に従って、システム値の候補集合を決定すること、
    b) 前記システム値の候補集合を、
    i) 前記システム値の部分集合と、
    ii) 所定の閾値と、
    のうちの少なくとも一方と比較すること、
    c) 比較の結果に従って、モデルを選択すること、
    を含む、方法。
  40. 本明細書において記載したような、対象のコンディションを表すシステム値を決定する方法。
  41. 対象のコンディションを表すシステム値を決定するための装置であって、
    a) 前記コンディションを表す対象データを取得すること、
    b) 前記対象データからシステム値の部分集合を決定することであって、各システム値は前記コンディションの各特性の測定によって取得された数量を表す、前記対象データからシステム値の部分集合を決定すること、
    c) 個人におけるコンディションの影響を表す一つ以上の方程式をそれぞれに含む一つ以上のモデルを選択すること、
    d) 各モデルに対して、前記システム値の部分集合及び前記方程式のそれぞれに従って、システム値の完全な集合の決定を試みること、
    e) 前記決定されたシステム値の完全な集合に従って、モデルを選択すること、
    に適合した処理システムを含む装置。
  42. 請求項41に記載の装置は、請求項37〜40のいずれか一項の方法を実行するのに適合する、装置。
  43. 本明細書において記載したような、対象のコンディションの影響を表す対象パラメータを決定するための装置。
  44. 対象のコンディションを表すシステム値を決定するためのコンピュータ・プログラム製品であって、適切な処理システム上で実行された場合に、該処理システムに請求項37〜40のいずれか一項の方法を実行させるコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータ・プログラム製品。
  45. 本明細書において記載したような、対象のコンディションの影響を表す対象パラメータを決定するためのコンピュータ・プログラム製品。
  46. 対象に対して提供された処置の有効性を決定する方法であって、
    a) コンディションを表す対象データを取得すること、
    b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションの影響を表すシステム値を決定すること、
    c) 前記対象に対して処置を提供すること、
    d) 変更されたシステム値を決定するために、ステップ(a),(b)を繰り返すこと、
    e) パラメータ値と前記変更されたシステム値とを比較すること、
    f) 比較の結果に従って、前記処置の影響を決定すること、
    を含む方法。
  47. 請求項46に記載の方法において、前記システム値を決定する方法は請求項37〜40のいずれか一項に記載の方法である、方法。
  48. 本明細書において記載したような、対象に対して提供された処置の有効性を決定する方法。
  49. 対象に対して提供された処置の有効性を決定するための装置であって、
    a) コンディションを表す対象データを取得すること、
    b) 前記対象データ及び前記コンディションのモデルを利用して、前記コンディションの影響を表すシステム値を決定すること、
    c) 前記対象に対して処置を提供すること、
    d) 変更されたシステム値を決定するために、ステップ(a),(b)を繰り返すこと、
    e) パラメータ値と前記変更されたシステム値とを比較すること、
    f) 比較の結果に従って、前記処置の影響を決定すること、
    に適合した処理システムを含む装置。
  50. 請求項49に記載の装置において、前記処理システムは請求項46〜48のいずれか一項の方法を実行するのに適合する、装置。
  51. 本明細書において記載したような、対象におけるコンディションの影響を表す対象パラメータを決定するための装置。
  52. 対象に対して提供された処置の有効性を決定するためのコンピュータ・プログラム製品であって、適切な処理システム上で実行された場合に、該処理システムに請求項46〜48のいずれか一項の方法を実行させるコンピュータ実行可能コードを含むコンピュータ・プログラム製品。
  53. 本明細書において記載したような、対象に対して提供された処置の有効性を決定するためのコンピュータ・プログラム製品。
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