JP2005538970A - 表面活性炭水化物脂肪酸エステルを製造するためのトランスアシドリシスプロセス - Google Patents

表面活性炭水化物脂肪酸エステルを製造するためのトランスアシドリシスプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、表面活性炭水化物脂肪酸エステルを製造するための、低温での無溶媒トランスアシドリシスプロセスであって、酸触媒の存在下で、減圧下にて、溶媒を添加することなく、アシル化炭水化物を遊離脂肪酸と反応させる段階;このようにして得られた反応混合物を脱色し、溶媒抽出および段階的冷却によって、未反応脂肪酸および炭水化物脂肪酸エステルに分離する段階;を含むプロセスに関する。酸触媒の存在下で部分加水分解することによって、炭水化物脂肪酸エステル上のヒドロキシル基を選択的に釣り合わせ、脂肪酸エステル生成物のHLBを改変する。精製中に除去された未反応遊離脂肪酸および未反応炭水化物基質は、開始反応物混合物に再循環される。

Description

発明の背景
(a)本発明の分野
本発明は、表面活性炭水化物脂肪酸エステル、特に、減圧下および酸触媒の存在下での、低分子量カルボン酸と遊離脂肪酸との低温での無溶媒トランスアシドリシス反応に関する。
(b)従来技術の説明
炭水化物脂肪酸エステルは、優れた生分解性を有する非刺激性、非イオン界面活性剤である。それは、膜タンパク質を可溶化し、多くのグレードの洗剤、薬剤、食品および化粧品を作るために使用される。炭水化物脂肪酸エステルは、治療薬としても使用される。1998年4月発行のヨコヤマおよびヨネダによる米国特許第5,739,117号には、脳代謝改善薬としてのグルコースエステルの使用が記載されている。炭水化物エステルは、胆石症(米国特許第4,264,583号)、結腸疾患(米国特許第5,840,860号)および高コレステロール血症(米国特許第4,241,054号)の治療にも使用することができる。それらは、抗菌活性および殺虫活性を示すことも知られている。しかしながら、炭水化物脂肪酸エステルの合成方法は多くの制限に直面している。
溶媒および非溶媒環境におけるショ糖脂肪酸エステルの合成法;以下のバッチ式または連続反応方式が現在存在する。従来技術は、米国特許第4,614,718号、同第4,927,920号;同第4,966,966号;同第4,968,791号;同第4,996,309号;同第5,043,438号;および同第5,908,922号に記述されている。しかしながら、炭水化物脂肪エステルを製造するための、従来技術で記載の従来の方法は、以下の不利点および制限に直面している:
(1)炭水化物脂肪エステルの大部分の工業生産者によって現在支持されているエステル交換反応法は、基質の糖および脂肪酸部位が、極性の差異のために不混和性であることから、不十分な転化平衡を有する可逆過程である。したがって、そのプロセスは、低い生成物収率によって特徴付けられる;
(2)優れた安全な保証を有する相互溶媒(mutual solvent)を見つけること。ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホルム、ベンゼンおよびトルエンなどの相互溶媒が基質を可溶化するのに必要である。これらの相互溶媒は毒性があり、現在の規則に準ずるレベルまで除去することができず、このため、生成物の用途が制限される。
(3)複雑かつ費用のかかる生成物精製手順。
(4)公知の大部分のプロセスに通常必要とされる、100℃を超える温度での反応物炭水化物の熱分解および異性化。
(5)特に酵素的プロセスにおける、高い触媒添加。
米国特許第5,945,519号には、ショ糖脂肪酸エステルの無溶媒製造プロセスならびに非糖ポリオール脂肪酸エステとのそれらの混合物が記載されている。このプロセスでは、炭素原子6〜20個の鎖長を有する1種または複数種の脂肪酸アルキルエステルとショ糖を温度120〜160℃で反応させ、次いで、その反応混合物を脂肪酸アルキルエステルと減圧で反応させ、次いで溶媒を添加することなく濾過する。
毒性相互溶媒の使用に付随する問題に取り組むため、米国特許第4,996,309号では、水性反応系においてアルカリ触媒の存在下にて、ショ糖と脂肪酸アルキルエステルとを反応させることによってショ糖脂肪酸エステルを製造する方法が開示されている。触媒によって、生成物において大量の石鹸が生じる。したがって、逆浸透および限外濾過ステップを要し、分離および精製が面倒になり、費用がかかる。その場合でさえ、通常得られる生成物純度は、わずか70%である。
米国特許第5,872,245号には、固定(stationary)エステル交換反応触媒の存在下にて、「担体」溶媒としての限定量のメタノール中で、ショ糖を脂肪酸メチルエステルと反応させることによってショ糖脂肪酸エステルを合成し、機械的乳化するための連続プロセスが記載されている。このプロセスでは、触媒量の水酸化ナトリウムの他に、Zn、Cu、SnおよびPbなどの重金属触媒が用いられる。生成物の分離は、密度の区別(density differentiation)によって達成される。
しかしながら、このプロセスは、水酸化ナトリウムの存在および熱によって誘導される色および反事実(antifact)を示さない。さらに、6種類を超える同様な生成物の生成物混合物と反応物との有効な密度の区別によって、プロセスサイクルにおけるホールドアップ時間が長くなる。モノ、ジ、トリおよびポリエステルの形成は選択的に制御することができず、したがって、プロセスで形成される「過剰エステル化」ポリオールが蓄積する。
本発明の主な目的は、表面活性脂肪酸エステルを製造するための無溶媒トランスアシドリシスプロセスであって、反応中に溶媒を添加せず、エステル化を迅速に進めポリエステルを形成し、必要であれば、一部脱アシル化して目的の生成物を形成することによって、上記の欠点および/または制限を無くしたプロセスを提供することである。
本発明の概要
したがって、本発明は、表面活性炭水化物脂肪酸エステルを製造するためのトランスアシドリシスプロセスであって、減圧下および酸触媒存在下での、低分子量カルボン酸(C2またはC3)および遊離脂肪酸(C6〜C22)の炭水化物エステルの間の低温でのトランスアシドリシス反応を含むプロセスを提供する。
一態様において、本発明は:
(a)酸触媒の存在下にて、減圧下でアシル化炭水化物を遊離脂肪酸と反応させるステップと、
(b)再循環のために、ステップ(a)で得られた反応混合物から、未反応脂肪酸を脱色し、抽出または結晶化するステップと、
(c)再循環のために、ステップ(a)で得られた反応混合物から、未反応アシル化炭水化物を沈殿させるステップと、
(d)炭水化物脂肪酸エステル層を回収するステップと、
を含む、表面活性炭水化物脂肪酸エステルを製造するための無溶媒トランスアシドリシスプロセスを提供する。
ステップ(a)での反応は、反応混合物に溶媒を添加することなく行われる。その反応は、60〜95℃の温度範囲で行われることが好ましい。ステップ(c)での未反応アシル化炭水化物の沈殿は、炭水化物脂肪酸エステル層を−4〜10℃の温度に冷却することによって達成される。
表面活性炭水化物脂肪酸エステルを製造するトランスアシドリシスを提供することによって、本発明に従って、HLB値1〜10を有する、C2またはC3−アシル化炭水化物のモノ、ジおよびポリ脂肪酸エステルが、脂肪酸部位の置換度および鎖長に応じて得ることができる。
本発明のその他の態様において、HLB値8〜16の遊離ヒドロキシル基を有する炭水化物脂肪酸エステルが、酸触媒の存在下での部分加水分解の更なるステップによって得ることができる。
本発明の他の態様では、未反応遊離脂肪酸および低分子量カルボン酸の未反応炭水化物エステルを精製中に除去し、開始反応物混合物に再循環する。
従来技術の上記の制限のうちの少なくとも1つを避ける、本発明によるプロセスの利点は:
(1)反応媒体としての溶媒を避けることである。反応物炭水化物に結合されたC2−またはC3−アシル基は、優れた保護基および脱離基であり、それと同時に、脂肪酸において炭水化物部位の溶解性を高める;
(2)低いエネルギー要求量で反応平衡に前進させるために低い圧力を用いること。この結果、高い収率(>90%)が得られ、生成物の異性化および分解が少なくなる。
(3)供給原料は、再生可能天然資源であり、容易に入手可能であり、かつ安価である。未反応基質は再循環される。したがって、このプロセスは工業的に存立可能である。
(4)本発明は、バッチ式および連続式炭水化物脂肪酸エステルプロセスのどちらにも適用可能である。
(5)高いグレード(純度98%)の炭水化物脂肪酸エステルが得られる。
(6)このプロセスは、多くの炭水化物脂肪酸エステルの製造に対応可能である。
本発明の範囲を制限することなく、本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照すれば明らかになるだろう。
詳細な説明
本発明の炭水化物脂肪酸エステルを製造するためのプロセスに従って、好ましい反応物C2−またはC3−アシル化炭水化物としては、単糖ないし三糖炭水化物が挙げられ、好ましい遊離脂肪酸は、ゼロ、一価または二価不飽和を有するC6−C22の鎖長を含む。
本発明のプロセスにおいて、酸触媒としては、単糖の場合には、硫酸およびカンホスルホン酸(camphorsulfonic acid);二糖および三糖の場合には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、アルキルスルホン酸ポリシロキサンおよびポリシロキサンおよびトシル酸が挙げられる。
本発明のプロセスの炭水化物脂肪エステルは以下の化学構造:
(式中、R2、R3、R5はそれぞれ、H、CH3CO、CH3CH2CO、およびC6〜C22脂肪酸アシル基からなる群から選択され;R1、およびR4はそれぞれ、部分または完全アシル化(peracylated)単糖または二糖、H、CH3CO、CH3CH2COまたはC6〜C22脂肪酸アシル基からなる群から選択され;nは、1、2または3に等しい値の整数であり;主要な単糖単位がフラノシル、ピラノシル、またはC2〜C6開鎖構造であり得る)を有する。
ステップ1:
図1を参照すると、反応器1(12)において、C2−またはC3−アシル化炭水化物、反応物A10、(好ましくは、単糖ないし三糖)をC6〜C22遊離脂肪酸(反応物B11)と反応させる。反応は、酸触媒の存在下で、温度範囲60〜95℃(好ましくは、単糖の場合には80〜90℃、二糖および三糖の場合には60〜75℃)で、範囲4〜20トル(好ましくは、5〜10トル)の減圧下にて、いずれの溶媒も添加することなく、絶え間なく攪拌しながら行われる。
その反応は3〜6時間続けられ、その後にそれを止め、次いで、イソプロパノール、n−プロパノール、酢酸エチルまたはエタノールなどの有機溶媒中で、反応混合物を取り上げる。
トランスアシドリシスの副生成物である、低分子量C2−またはC3−カルボン酸は、凝縮によって捕集され、他の用途のために保管しておく。
ステップ2:
次いで、反応混合物を脱色装置(decoloriser)13に通し、そこで、活性炭などの吸着剤と接触することによって、反応混合物は脱色され、次いで濾過される。
次いで、未反応遊離脂肪酸(反応物B11)および未反応アシル化炭水化物(反応物A10)を回収し、以下に記述するようにステップ3またはステップ4のいずれかによって再循環される:
ステップ3:
ステップ2の溶媒は、蒸留器15において、温度30〜50℃で真空蒸留することによって除去し、次いで未反応脂肪酸をヘキサンで抽出する。次いで、温度30〜50℃でヘキサンを真空蒸留し、未反応脂肪酸を回収する。残りの反応混合物をステップ2で使用した溶媒中に再溶解して30〜40%(w/v)溶液が形成され、冷却器分離器(chiller separator)14において−4〜10℃に冷却し、未反応アシル化炭水化物沈殿物が生じる。次いで、濾液溶媒を真空蒸留により除去し、生成物のアシル化炭水化物脂肪酸エステル(生成物A)16)が得られる。回収された未反応脂肪酸(反応物B)11)およびアシル化炭水化物(反応物A)10)は、反応器1に再循環するために保管しておく。
ステップ4:
ステップ3の代替方法としては、ステップ2の溶媒を水10〜20%(V/V)でスパイキング(spiking)し、冷却器分離器14でその溶媒を8〜12℃に冷却することによって、未反応脂肪酸を結晶化する。次いで、その溶液をさらに−4〜0℃に冷却することによって、未反応アシル化炭水化物を沈殿物として除去する。次いで、濾液溶媒を真空蒸留により除去し、アシル化炭水化物脂肪酸エステル生成物(生成物A16)が得られる。回収された未反応脂肪酸およびアシル化炭水化物は、反応器1(12)に再循環するために保管しておく。
ステップ5
生成物のHLFプロファイルを望ましいレベルに改変するために、ステップ3または4で得られたアシル化炭水化物脂肪酸エステル(生成物A16)を第2反応器(反応器2(17))に通し、そこで、脂肪酸アシル基の置換、脱アシル化および鎖長の程度に応じて、酸触媒(反応物C18)の存在下で部分加水分解することによって遊離ヒドロキシル基を釣り合わせ、必要なHLBプロファイルが得られる。生成物のHLBプロファイルの詳細は図2に示される。
加水分解中に釣り合わすことができる遊離脂肪酸は、冷却器/分離器19のステップで結晶化することによって除去され、反応器1(12)に再循環される。
炭水化物脂肪酸エステルにおける脱アシル化の程度および脂肪酸アシル鎖の長さを変えることによって、図2で詳述されるように、異なるHLB値を有する生成物(生成物B、C、D...)を製造することができる。これらの生成物は様々な溶解性および昇華温度を有し、したがって、存在するエステルに応じて、10〜−15℃の温度に段階的に冷却することによって、炭水化物脂肪酸エステルに分離される。
ステップ6:
段階的な冷却によって生成物を分離した後、次いで、品質保証に通し、下流ユーザーに供給するために、フォーマーに通してペレット、フレーク、ペーストまたは液体などの所望の形状にすることができる。
以下の実施例によって、本発明がさらに説明されるだろう。
実施例1:アセチル化グルコースラウレートおよび部分脱アシル化グルコースラウレートの製造
a)アセチル化グルコースラウレートの製造
電磁スターラー、活栓、液体窒素冷トラップに通じる真空引取り(vacuum take-off)ラインおよび真空ポンプを備えた三つ口丸底フラスコに、ラウリン酸(Fluka Chemika社,スイス)0.03mol(6.00g)を添加した。グルコースペンタアセテート、GPA(Fluka Chemika社,スイス)0.01mol(3.90g)を添加し、均一な溶液が形成するまで、その混合物を絶え間なく攪拌しながら油浴において80〜100℃に加熱した。次いで、濃硫酸(または0.2%カンホスルホン酸)0.1%(w/w)(0.01g)を添加し、圧力5〜10トルをかけた。反応を3〜6時間続けた。次いで、その反応を止め、n−プロパノール100mlで取り上げた。次いで、溶液を1M NaHCO3水溶液で中和し、活性炭1.0gで脱色し、温かいまま濾過した。次いで、N−プロパノールを真空蒸留によって除去した。
未反応ラウリン酸を50×4mlヘキサンで抽出した。ヘキサンを真空蒸留して、未反応のラウリン酸を回収し、再循環のために保管しておいた。グルコース脂肪酸エステルを温かいn−プロパノール中に再溶解し、30〜40%(w/v)溶液が形成され、−4〜0℃に冷却し、濾過して、沈殿物として未反応GPAを得た。次いで、濾液であるn−プロパノールを真空蒸留により除去し、純度70〜85%のアセチル化グルコースラウレートを得た。脂肪酸の抽出およびGPAの沈殿を繰り返し行うことによって、純度90〜95%の生成物(収率90.2%)が得られた。生成物のHLBプロファイルの詳細を図2に示し、その図で、脱アシル化前(実線)および脱アシル化後(破線)の炭水化物脂肪酸エステル生成物の親水性親油性バランス(HLB)が示される。
キー(KEY):・=単糖脂肪酸エステル、△=二糖脂肪酸エステル、および*=三糖脂肪酸エステル。
代替方法としては、図1に示されていない反応において、n−プロパノール溶液を水10〜20%(V/V)でスパイキングし、その溶液を8〜12℃に冷却することによって、未反応脂肪酸を結晶化し、次いでその溶液をさらに−4〜0℃に冷却することによって、未反応GPAを沈殿物として除去する。
都合および設備の選択に応じて、脂肪酸を抽出するためのいずれの方法を用いてもよい。
b)アセチル化グルコースラウレートの部分脱アシル化
上記で得られたアセチル化グルコースラウレートの一部をCF3COOH:H20(7:3)に添加し、20〜50%(w/v)溶液を形成し、室温(22〜33℃)で15分から2時間の間、攪拌した。処理の継続時間、脂肪酸アシル鎖の長さおよび置換の程度に応じて、図2に詳述される、様々なHLB値の部分脱アシル化グルコース脂肪酸エステルが得られた。溶媒を減圧下で蒸留除去した。生成物を温度10〜−15℃に段階的に冷却することによって、様々な程度の脱アシル化および置換の炭水化物脂肪酸エステルに分離する。
実施例2:アセチル化オレイン酸スクロースおよび部分脱アシル化オレイン酸スクロースの製造
a)アセチル化オレイン酸スクロースの製造
電磁スターラー、活栓、液体窒素冷トラップに通じる真空引取りラインおよび真空ポンプを備えた三つ口丸底フラスコに、オレイン酸(Fluka Chemika社,スイス)0.06mol(16.93g)を計り入れた。スクロースオクタアセテート、SOA(Fluka Chemika社,スイス)0.01mol(6.79g)を添加し、均一な溶液が形成するまで、その混合物を絶え間なく攪拌しながら、油浴で80〜95℃に加熱した。次いで、トシル酸0.01%(w/w)(またはアルキルスルホン酸ポリシロキサン、またはBF3.OEt2)を添加した。次いで反応温度を60〜75℃に下げ、圧力5〜10トルをかけた。反応を3〜6時間続けた。生成物をイソ−プロパノール250mlで取り上げ、1M NaHCO3水溶液で中和し、活性炭2.0gで脱色し、濾過した。次いで、イソ−プロパノールを真空蒸留によって除去した。未反応オレイン酸を50×4mlヘキサンで抽出し、再利用のために保管しておいた。ショ糖脂肪酸エステルを温かいイソプロパノールに再溶解して30〜40%(w/v)溶液が形成され、−4〜0℃に冷却し、濾過して、未反応SOAを沈殿物として得た。次いで、濾液であるイソプロパノールを蒸留除去し、純度70〜85%のアセチル化オレイン酸スクロースを得た。ヘキサンによる抽出およびSOAの沈殿を繰り返し行うことによって、純度90〜95%の生成物(収率87%)が得られた。
b)アセチル化オレイン酸スクロースの部分脱アシル化
上記で得られたアセチル化オレイン酸スクロースの一部をCF3COOH:H20(7:3)に添加し、20〜50%(w/v)溶液を形成し、室温(22〜33℃)で15分から2時間の間、攪拌した。処理の継続時間、脂肪酸アシル鎖の長さおよび置換の程度に応じて、図2に詳述される、様々なHLB値の部分脱アシル化ショ糖脂肪酸エステルが得られた。溶媒を減圧下で蒸留除去した。所望の場合には、生成物を温度10〜−15℃に段階的に冷却することによって、様々な程度の脱アシル化および/または置換の炭水化物脂肪酸エステルに分離する。
実施例3:アセチル化ラウリン酸ラフィノースおよび部分脱アシル化ラウリン酸ラフィノースの製造
a)過酢酸ラフィノース(RA)の製造
無水ラフィノース(252g、0.50mol)を無水酢酸ナトリウム60gに添加し、予め100℃に平衡化された無水酢酸800mL中で攪拌した。完全に均一な溶液が30〜50分で得られる。反応を1〜2時間続けたままにし、その後、反応混合物を氷4リットルに注ぎ、2時間静置しておいた。形成された過酢酸ラフィノース沈殿物を上澄み液から分離し、ジクロロメタンに再溶解し、中性のpHの飽和重炭酸ナトリウム溶液で3回洗浄した。次いで、ジクロロメタン溶液を活性炭2.0gで脱色し、真空乾燥させて、白い粉末の過酢酸ラフィノース492g(収率90%)を得た。
b)アセチル化ラウリン酸ラフィノースの製造
電磁スターラー、活栓、液体窒素冷トラップに通じる真空引取りラインおよび真空ポンプを備えた三つ口丸底フラスコに、ラウリン酸(Fluka Chemika社,スイス)0.06mol(12.0g)を計り入れた。過酢酸ラフィノース、RA(上記で製造された)0.01mol(11.54g)を添加し、均一な溶液が形成するまで、その混合物を絶え間なく攪拌しながら、油浴で80〜100℃に加熱した。次いで、BF3.OEt20.01%(w/w)(またはトシル酸またはアルキルスルホン酸ポリシロキサン)を添加した。反応温度を60〜75℃に下げ、圧力5〜10トルをかけた。反応を2〜6時間続けた。生成物を酢酸エチル250ml中で取り上げ、1M NaHCO3水溶液でクエンチし、活性炭2.0gで脱色し、濾過した。次いで酢酸エチルを真空蒸留によって除去した。
未反応ラウリン酸を50×4mlヘキサンで抽出し、再利用のために保管しておいた。ラフィノース脂肪酸エステルを温かいイソプロパノールに再溶解して30〜40%(w/v)溶液が形成され、−4〜0℃に冷却し、濾過して、未反応RAを沈殿物として得た。次いで、濾液であるイソプロパノールを蒸留除去し、純度70〜85%のアセチル化ラウリン酸ラフィノースを得た。ヘキサンによる抽出およびRAの沈殿を繰り返し行うことによって、純度90〜95%の生成物(収率85%)が得られた。
c)アセチル化ラウリン酸ラフィノースの部分脱アシル化
上記で得られたアセチル化ラウリン酸ラフィノースの一部をCF3COOH:H20(7:3)に添加し、20〜50%(w/v)溶液を形成し、室温(22〜33℃)で15分〜2時間の間、攪拌した。処理の継続時間、脂肪酸アシル鎖の長さおよび置換の程度に応じて、図2に詳述される、様々なHLB値の部分脱アシル化ラウリン酸ラフィノースが得られた。溶媒を減圧下で蒸留除去した。生成物を温度10〜−15℃に段階的に冷却することによって、様々な程度の脱アシル化および/または置換の炭水化物脂肪酸エステルに分離する。
本発明は好ましい実施形態に関して説明されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に修正および改良を加えることができることは、当業者には明らかであるだろう。したがって、本発明は、特定の説明的な実施形態によって制限されるものではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明の実施形態は、図面を参照して以下に記述される。
本発明の好ましい実施形態のプロセスフローチャートである。 脱アシル化前および後の生成物炭水化物脂肪酸エステルのHLBプロファイルのグラフである。

Claims (23)

  1. (a)酸触媒の存在下にて、減圧下でアシル化炭水化物を遊離脂肪酸と反応させるステップと、
    (b)ステップ(a)で得られた反応混合物から、未反応脂肪酸を脱色し、分離するステップと、
    (c)ステップ(b)で得られた反応混合物から、未反応アシル化炭水化物を沈殿させるステップと、
    (d)ステップ(c)で得られた反応混合物から、炭水化物脂肪酸エステルを回収するステップと、
    を含む、炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  2. ステップ(a)において、溶媒がそれに添加されない、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  3. ステップ(b)における反応混合物中の前記未反応脂肪酸が、制御温度で溶媒混合物から沈殿によって除去される、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  4. ステップ(b)における反応混合物中の前記未反応脂肪酸が、溶媒抽出によって反応混合物から除去される、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  5. ステップ(b)における反応混合物を範囲−4〜10℃の温度に冷却することによって、前記未反応アシル化炭水化物をステップ(c)で沈殿させる、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  6. 精製ステップ(b)および(c)中に除去される、前記未反応遊離脂肪酸および未反応C2またはC3−アシル化炭水化物エステルが、反応物混合物に再循環される、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  7. ステップ(a)が、範囲4〜20トルの圧力で行われる、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  8. ステップ(a)が、範囲5〜10トルの圧力で行われる、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  9. 様々なHLB値のC2またはC3−アシル化炭水化物エステルのモノ、ジおよびポリ脂肪酸エステルが得られる、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  10. 炭水化物脂肪酸エステル生成物の前記HLB値が、1〜10の範囲である、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  11. (e)酸触媒の存在下で、C2−またはC3−アシル化炭水化物脂肪酸エステルを所定の時間、部分加水分解することによって遊離ヒドロキシル基を釣り合わせ、所定のHLB値の遊離ヒドロキシル基を有する炭水化物脂肪酸エステルを得るステップをさらに含む、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  12. 炭水化物脂肪酸エステル生成物の前記HLB値が、8〜16の範囲である、請求項11に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  13. ステップ(a)が、60〜95℃の温度範囲で処理される、請求項1に記載の炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  14. (a)酸触媒の存在下にて、減圧下でアシル化炭水化物を遊離脂肪酸と反応させるステップと、
    (b)ステップ(a)で得られた反応混合物から、未反応脂肪酸を脱色し、分離するステップと、
    (c)ステップ(b)で得られた反応混合物から、未反応アシル化炭水化物を沈殿させるステップと、
    (d)未反応遊離脂肪酸および低分子量カルボン酸の炭水化物エステルを精製中に除去し、除去された未反応遊離脂肪酸および炭水化物エステルを開始反応物混合物に再循環させるステップと、
    (e)酸触媒の存在下で、アシル化炭水化物脂肪酸エステルを所定の時間、部分加水分解することによって、遊離ヒドロキシル基を釣り合わせ、所定のHLB値の遊離ヒドロキシル基を有する炭水化物脂肪酸エステルを得るステップと、
    を含む、炭水化物脂肪酸エステルを製造するプロセス。
  15. 請求項1または14に記載のプロセスに従って製造される、炭水化物脂肪酸エステル。
  16. 前記反応物炭水化物反応物が、一部または完全アシル化(peracylated)単糖、二糖および三糖からなる群を含み、その単糖単位(1つまたは複数が)がフラノシル、ピラノシル、またはC2〜C6開鎖構造であり得る、請求項1または14に記載のプロセス。
  17. 前記反応物アシル化炭水化物におけるアシル基が、酢酸またはプロピオン酸アシル基である、請求項1、14または16に記載のプロセス。
  18. 前記酸触媒が、単糖の場合には、硫酸またはカンホスルホン酸(camphorsulfonic acid)を含むとともに、二糖および三糖の場合には、三フッ化ホウ素ジエチルエーテラート、アルキルスルホン酸ポリシロキサンおよびポリシロキサンまたはトシル酸を含む、請求項1または14に記載のプロセス。
  19. 前記ワークアップ溶媒が、水、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノールおよび酢酸エチルを含む、請求項1または14に記載のプロセス。
  20. 前記抽出溶媒がヘキサンである、請求項4に記載のプロセス。
  21. 前記遊離脂肪酸が、ゼロ、一価、または二価不飽和を有するC6〜C22鎖長を有する、請求項1または14に記載のプロセス。
  22. 前記加水分解酸触媒がトリフルオロ酢酸である、請求項11または14に記載のプロセス。
  23. 前記の部分加水分解された炭水化物脂肪酸エステルが、アシル化のそれらの程度に応じて、−15〜10℃の制御温度範囲で段階的に冷却することによってさらに分離される、請求項11または14に記載の方法。
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