JP2005537024A - 発酵による硫黄含有ファインケミカルの製造方法 - Google Patents

発酵による硫黄含有ファインケミカルの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、メチオニンシンターゼ遺伝子(metA)をコードする核酸配列を発現する細菌を使用する、発酵による硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造方法に関する。

Description

本発明は、ホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼ(metA)遺伝子をコードする塩基配列を発現する細菌を使用する、発酵による硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造方法に関する。
硫黄含有ファインケミカル、例えばメチオニン、ホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、グルタチオン、システイン、ビオチン、チアミン及びリポ酸は天然代謝過程により細胞内で産生され、食品、飼料、化粧品及び医薬品産業を含む多数の産業分野において使用されている。これらの物質は、「硫黄含有ファインケミカル」と総称され、有機酸、タンパク質生成性及び非タンパク質生成性の両方のアミノ酸、ビタミンならびに補因子を包含する。最も簡便には、それらは、各場合において望ましい物質を大量に産生し分泌するよう開発された細菌を培養することにより大規模生産される。この目的に特に適した生物は、グラム陽性非病原性細菌であるコリネフォルム細菌である。
コリネフォルム細菌、特にコリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)の株を発酵させることによりアミノ酸が製造されることが知られている。この製造方法は、その高い重要性のため絶えず改良されている。製造方法の改良は発酵の技術的態様に関する手段、例えば攪拌及び窒素供給、又は発酵中の糖濃度のような栄養培地組成、又は例えばイオン交換クロマトグラフィーによる、産物を得るための後処理、又は微生物自体の固有の性能特性に関連したものでありうる。
硫黄含有ファインケミカル群から所望の化合物群を産生する多数の変異株が、株の選択により開発されている。該微生物の性能特性は、変異誘発、変異体の選択及び選別の方法を適用することにより、特定の分子の産生に関して改善される。しかし、これは時間のかかる困難な方法である。このようにして、例えば代謝拮抗物質、例えばメチオニン類似体、α-メチルメチオニン、エチオニン、ノルロイシン、N-アセチルノルロイシン、S-トリフルオロメチルホモシステイン、2-アミノ-5-ヘプテン酸、セレノメチオニン、メチオニンスルホキシミン、メトキシン、1-アミノシクロペンタンカルボン酸に耐性であり又は調節上重要な代謝産物に対して栄養要求性であり硫黄含有ファインケミカル(例えば、L-メチオニン)を産生する株が得られる。
発明の簡単な説明
本発明の目的は、発酵による硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの改良された新規製造方法を提供することである。
本発明者らは、metA活性を有するタンパク質をコードする異種塩基配列をコリネフォルム細菌において発現させることを含む、発酵による硫黄含有ファインケミカルの製造方法を提供することにより、この目的が達成されることを見出した。
本発明は、第1に、
a)所望の硫黄含有ファインケミカルを産生するコリネフォルム細菌培養を発酵させ、ここにおいて、該コリネフォルム細菌は、ホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼ(metA)活性を有するタンパク質をコードする少なくとも1つの異種塩基配列を発現し、
b)該培地内又は該細菌細胞内で該硫黄含有ファインケミカルを濃縮し、
c)好ましくはL-メチオニンを含む該硫黄含有ファインケミカルを単離する工程を含んでなる、少なくとも1つの硫黄含有ファインケミカルの、発酵による製造方法に関する。
前記の異種metAをコードする塩基配列は、好ましくは、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)ATCC 13032のmetAをコードする配列に対して100%未満、好ましくは70%超相同である。該metAをコードする配列は、好ましくは、表1の以下の生物のいずれかに由来する。
Figure 2005537024
本発明で使用するmetAをコードする配列は、好ましくは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43及び45のコーディング配列、又はmetA活性を有するタンパク質をコードするそれに相同な塩基配列を含む。
さらに、本発明で使用するmetAをコードする配列は、好ましくは、metA活性を有するタンパク質をコードし、該タンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44及び46のアミノ酸配列、又はmetA活性を有するタンパク質に相当するそれに相同なアミノ酸配列を含む。
metAをコードする配列は、好ましくは、コリネフォルム細菌内で複製可能である又は染色体内に安定に組み込まれるDNA又はRNAである。
好ましい実施形態においては、本発明の方法は、
a)調節配列の制御下でmetAをコードする配列のコピーの少なくとも1つを保持するプラスミドベクターで形質転換された細菌株を使用する、又は
b)metAをコードする配列が該細菌染色体内に組み込まれている株を使用することにより行う。
さらに、該発酵のためにmetAをコードする配列を過剰発現させることが好ましい。
さらに、所望の硫黄含有ファインケミカルの生合成経路の更なる遺伝子の少なくとも1つが増幅された及び/又は所望の硫黄含有ファインケミカルの生成を減少させる少なくとも1つの代謝経路が少なくとも部分的に切断された細菌を発酵させることも望ましいであろう。
さらに、所望の硫黄含有ファインケミカルの生合成経路の更なる遺伝子の少なくとも1つの活性が代謝産物による悪影響を受けない細菌を発酵させることも望ましいであろう。
したがって、本発明の方法のもう1つの実施形態においては、
a)アスパラギン酸キナーゼをコードする遺伝子lysC、
b)アスパラギン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子asd、
c)グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子gap、
d)3-ホスホグリセリン酸キナーゼをコードする遺伝子pgk、
e)ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする遺伝子pyc、
f)トリオース-リン酸イソメラーゼをコードする遺伝子tpi、
g)メチオニンシンターゼをコードする遺伝子metH、
h)シスタチオニンγシンターゼをコードする遺伝子metB、
i)シスタチオニンγリアーゼをコードする遺伝子metC、
j)セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子glyA、
k)O-アクリルホモセリンスルフヒドリラーゼをコードする遺伝子metY、
l)メチオニンシンターゼメチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子metF、
m)ホスホセリンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子serC、
n)ホスホセリンホスファターゼをコードする遺伝子serB、
o)セリンアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子cysE、
p)ホモセリンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子hom
から選ばれる遺伝子の少なくとも1つが同時に過剰発現されるコリネフォルム細菌を発酵させる。
本発明の方法のもう1つの実施形態においては、同時に、前記群a)〜p)の遺伝子から選ばれる遺伝子の少なくとも1つが変異していて、対応タンパク質の活性が、未変異タンパク質の場合と比較して、代謝産物により影響されるとしても低い程度にしか影響されず、特に本発明のファインケミカルの製造が悪影響を受けないコリネフォルム細菌を発酵させる。
本発明の方法のもう1つの実施形態においては、同時に、
q)ホモセリンキナーゼをコードする遺伝子thrB、
r)トレオニンデヒドラターゼをコードする遺伝子ilvA、
s)トレオニンシンターゼをコードする遺伝子thrC、
t)メソ-ジアミノピメリン酸Dデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子ddh、
u)ホスホエノール-ピルビン酸カルボキシキナーゼをコードする遺伝子pck、
v)グルコース-6-リン酸-6イソメラーゼをコードする遺伝子pgi、
w)ピルビン酸オキシダーゼをコードする遺伝子poxB、
x)ジヒドロジピコリン酸シンターゼをコードする遺伝子dapA、
y)ジヒドロジピコリン酸レダクターゼをコードする遺伝子dapB、又は
z)ジアミノピコリン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子lysA
から選ばれる遺伝子の少なくとも1つが、特に対応遺伝子の発現率を減少させることにより、弱められているコリネフォルム細菌を発酵させる。
本発明の方法のもう1つの実施形態においては、同時に、前記群q)〜z)の遺伝子の少なくとも1つが変異していて、対応タンパク質の酵素活性が部分的又は完全に減少しているコリネフォルム細菌を発酵させる。
本発明の方法においては、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)種の微生物を使用することが好ましい。
本発明は更に、
a)L-メチオニン産生微生物を発酵培地内で培養し、発酵させ、
b)L-メチオニン含有発酵ブロスから水を除去し、
c)発酵中に生成したバイオマスの0〜100重量%を除去し、
d)b)及び/又はc)により得た発酵ブロスを乾燥させて、所望の粉末又は顆粒形態で動物飼料添加物を得る工程を含んでなる、発酵ブロスからのL-メチオニン含有動物飼料添加物の製造方法に関する。
本発明は更に、初めて前記微生物から単離されたmetAをコードする配列、それによりコードされるホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼ、及びこれらのポリヌクレオチド及びタンパク質のそれぞれの機能的ホモログに関する。
発明の詳細な説明
a)一般的用語
ホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質(metA (EC 2.3.1.31)とも称する)は、ホモセリン及びアセチルコエンザイムAをO-アセチルホモセリンに変換しうるタンパク質を意味する。当業者であればホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼ活性とホモセリンO-スクシニルトランスフェラーゼ活性を区別できるが、文献ではmetAとも記載されている。後者の酵素では、スクシニルコエンザイムAは反応基質となるが、アセチルコエンザイムAは反応基質とはならない。当業者であれば、Park SD. Lee JY. Kim Y. Kim JH. Lee HS. Molecules & Cells. 8(3): 286-94, 1998に記載のプロトコールの酵素アッセイによりホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼの酵素活性を検出することが可能である。
本発明の範囲内では、「硫黄含有ファインケミカル」なる語は、本発明の発酵法により得られうる、共有結合した少なくとも1つの硫黄原子を含有する任意の化合物を包含する。非限定的なその具体例としては、メチオニン、ホモシステイン、S-アデノシルメチオニン、特に、メチオニン及びS-アデノシルメチオニンが挙げられる。
本発明の範囲内では、「L-メチオニン」、「メチオニン」、ホモシステイン及びS-アデノシルメチオニンなる語は、例えばメチオニン塩酸塩又はメチオニン硫酸塩のような対応塩をも包含する。
「ポリヌクレオチド」は、一般には、それぞれ未修飾RNA及びDNA又は修飾RNA及びDNAの形態をとりうるポリリボヌクレオチド(RNA)及びポリデオキシリボヌクレオチド(DNA)を意味する。
「ポリペプチド」は、本発明においては、ペプチド結合により連結された2以上のアミノ酸を含むペプチド又はタンパク質を意味する。
「代謝産物」なる語は、生物の代謝において中間体又は他の最終産物として生じる、化学的構成単位(化学的ビルディングブロック)としてのそれらの特性のほかに酵素及びその触媒活性に対してモジュレーション効果を及ぼしうる化合物を意味する。そのような代謝産物は酵素の活性に対して抑制効果及び刺激効果の両方を及ぼしうることが文献により知られている(Biochemistry, Stryer, Lubert, 1995 W. H. Freeman & Company, New York, New York)。また、UV照射、イオン照射又は変異誘発性物質によるゲノムDNAの変異のような手段により代謝産物による影響が修飾されている酵素を産生させ、ついで特定の表現型に関して選択しうることが文献に記載されている(Sahm H., Eggeling L., de Graaf A. A. Biological Chemistry 381(9-10):899-910, 2000; Eikmanns BJ., Eggeling L., Sahm H. Antonie van Leeuwenhoek. 64:145-63, 1993-94)。これらの改変された特性は特定の手段によっても得ることができる。酵素遺伝子において、該タンパク質をコードするDNAの特定のヌクレオチドを特異的に修飾して、発現されるDNA配列から生じるタンパク質に或る新たな特性を持たせること、例えば、未修飾タンパク質に対する代謝産物のモジュレーション効果を改変することが可能であることも、当業者に公知である。
本発明においては、「発現」及び「増幅」又は「過剰発現」なる語は、微生物における、対応DNAによりコードされる1以上の酵素の細胞内活性の産生又は増加を意味する。この目的には、例えば、遺伝子を生物内に導入し、既存の遺伝子を別の遺伝子により置換し、遺伝子のコピー数を増加させ、強力なプロモーターを使用し、又は高い活性を有する対応酵素をコードする遺伝子を使用することが可能であり、適当な場合には、これらの手段を組み合わせることが可能である。
b)本発明のmetAタンパク質
本発明は更に、前記表1における生物の具体的に開示されているmetA酵素の「機能的等価体」を含む。
本発明の範囲内では、具体的に開示されているポリペプチドの「機能的等価体」又は類似体は、それらとは異なるが例えば基質特異性のような所望の生物活性をさらに保持するポリペプチドである。
本発明においては、「機能的等価体」は、特に、前記配列位置の少なくとも1つにおいて具体的に挙げられているアミノ酸以外のアミノ酸を有するが前記生物活性の1つをさらに有する変異体を意味する。したがって、「機能的等価体」は、1以上のアミノ酸の付加、置換、欠失及び/又は逆位により得られうる変異体を包含し、前記修飾は、それが、本発明の特性プロフィールを有する変異体を与える限り、任意の配列位置に位置することが可能である。特に、機能的等価体は、変異体と未修飾ポリペプチドとの反応性パターンが質的に合致する場合、すなわち、例えば異なる速度で同一基質が変換される場合にも見出される。
もちろん、「機能的等価体」は、他の生物から得られうるポリペプチド及び天然に存在する変異体をも包含する。例えば、ある範囲の相同配列領域を配列比較により同定し、本発明の具体的な指針に従って等価酵素を確認することが可能である。
さらに、「機能的等価体」は、例えば所望の生物機能を有する、本発明のポリペプチドの断片、好ましくは個々のドメイン又は配列モチーフを包含する。
また、「機能的等価体」は、前記ポリペプチド配列又はそれに由来する機能的等価体の1つと、それとは機能的に異なる少なくとも1つの他の異種配列とを有し、それらが機能的なN又はC末端連結で連結された(すなわち、それらの融合タンパク質部分の機能が機能的にほとんど損なわれていない)融合タンパク質である。そのような異種配列の非限定的な具体例としては、例えばシグナルペプチド、酵素、免疫グロブリン、表面抗原、受容体又は受容体リガンドが挙げられる。
本発明においては、「機能的等価体」は、具体的に開示されているタンパク質のホモログを含む。これらは、Pearson及びLipmanのアルゴリズム(Proc. Natl. Acad, Sci. (USA) 85(8), 1988, 2444-2448)を用いて計算した場合に、具体的に開示されている配列の1つに対して少なくとも20%、又は約30%、40%、50%、好ましくは少なくとも約60%、65%、70%又は75%、特に、少なくとも85%、例えば90%、95%又は99%の相同性を有する。
本発明のタンパク質又はポリペプチドのホモログは、該タンパク質の変異誘発により、例えば点変異又は末端切断(トランケート化)により製造することができる。本明細書中で用いる「ホモログ」なる語は、該タンパク質活性のアゴニスト又はアンタゴニストとして作用する、該タンパク質の変異体を意味する。
本発明のタンパク質のホモログは、例えば末端切断型変異体のような変異体の組合せライブラリーをスクリーニングすることにより同定することができる。タンパク質変異体の多様なライブラリーは、例えば、核酸レベルでの組合せ変異誘発により、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を酵素により連結することにより作製することができる。縮重オリゴ塩基配列からの潜在的ホモログのライブラリーを作製するためには、多数の方法を用いることが可能である。縮重遺伝子配列の化学合成を自動DNA合成装置で行い、ついで該合成遺伝子を適当な発現ベクター内に連結することができる。縮重遺伝子の組の使用は、1つの混合物において、所望の組の潜在的タンパク質配列をコードする全配列を得ることを可能にする。縮重オリゴヌクレオチドの合成方法は当業者に公知である(例えば、Narang, S.A. (1983) Tetrahedron 39:3; Itakuraら (1984) Annu. Rev. Biochem. 53:323; Itakuraら, (1984) Science 198:1056; Ikeら (1983) Nucleic Acids Res. 11:477)。
さらに、タンパク質コドンの断片のライブラリーを使用してタンパク質断片の多様な集団を得てスクリーニングに付し、ついで本発明のタンパク質のホモログを選択することが可能である。1つの実施形態においては、1分子当たり約1回だけ切れ目が生じる条件下でコーディング配列の二本鎖PCR断片をヌクレアーゼで処理し、該二本鎖DNAを変性させ、DNAを再生させて、切れ目入りの種々の産物のセンス/アンチセンス対を含みうる二本鎖DNAを生成させ、新たに生成した二本鎖からS1ヌクレアーゼでの処理により一本鎖断片を除去し、得られた断片ライブラリーを発現ベクター内に連結することにより、コーディング配列断片のライブラリーを作製することができる。この方法により、本発明のタンパク質の種々のサイズを有するN末端断片、C末端断片及び内部断片をコードする発現ライブラリーを作製することが可能である。
点変異又は末端切断により作製した組合せライブラリーの遺伝子産物をスクリーニングするための及び選択された特性を有する遺伝子産物に関してcDNAライブラリーをスクリーニングするための幾つかの技術が従来技術において公知である。これらの技術は、本発明のホモログの組合せ変異誘発により作製した遺伝子ライブラリーの迅速なスクリーニングに応用することが可能である。ハイスループット分析に付す大きな遺伝子ライブラリーをスクリーニングするために最も頻繁に用いられる技術は、複製可能な発現ベクター内に遺伝子ライブラリーをクローニングし、得られたベクターライブラリーで適当な細胞を形質転換し、産物が検出されている遺伝子をコードするベクターの単離が所望の活性の検出により促進される条件下で該組合せ遺伝子を発現させることを含む。該ライブラリー内の機能的変異体の頻度を増加させる技術である反復的アンサンブル変異誘発(recursive ensemble mutagenesis (REM))を、ホモログを同定するために該スクリーニング試験と組み合わせて使用することが可能である(Arkin及びYourvan (1992) PNAS 89:7811-7815; Delgraveら (1993) Protein Engineering 6(3):327-331)。
c)本発明のポリヌクレオチド
本発明はまた、例えば合成ヌクレオチド類似体を使用することによっても得られうる、前記metA酵素及びその機能的等価体をコードする核酸配列(一本鎖及び二本鎖のDNA及びRNA配列、例えばcDNA及びmRNA)に関する。
本発明は、本発明のポリペプチドもしくはタンパク質又はそれらの生物活性断片をコードする単離された核酸分子と、例えば本発明のコード核酸を同定又は増幅するためのハイブリダイゼーションプローブ又はプライマーとして使用しうる核酸断片との両方に関する。
さらに、本発明の核酸分子は該遺伝子のコード領域の3'及び/又は5'末端非翻訳配列を含有しうる。
「単離(された)」核酸分子は、該核酸の天然源に存在する他の核酸分子から分離されており、そしてそれが組換え技術により製造された場合には、さらに、他の細胞物質又は培地を実質的に含有しないもの、あるいはそれが化学合成された場合には、化学前駆体又は他の化学物質を含有しないものでありうる。
本発明は更に、具体的に記載されている塩基配列又はその断片に相補的な核酸分子を含む。
本発明の塩基配列は、他の細胞型及び生物における相同配列を同定及び/又はクローニングするために使用しうるプローブ及びプライマーの作製を可能にする。そのようなプローブ及びプライマーは、通常、本発明の核酸配列のセンス鎖又は対応アンチセンス鎖の少なくとも約12、好ましくは少なくとも約25、例えば約40、50又は75個の連続したヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列領域を含む。
本発明の更なる核酸配列は配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43又は45から誘導され、1以上のヌクレオチドの付加、置換、挿入又は欠失によりそれとは異なっているが、所望の特性プロフィールを有するポリペプチドをさらにコードしている。これらは、該配列位置の少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、80%又は90%、好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%又は99%において前記配列と同一であるポリヌクレオチドでありうる。
本発明はまた、具体的な起源生物又は宿主生物のコドン使用頻度に従い、具体的に記載されている配列と比較して修飾されている又は「サイレント」な変異を含む核酸配列、及び天然に存在する変異体、例えばスプライス変異体又は対立遺伝子変異体を含む。本発明はまた、保存的ヌクレオチド置換(すなわち、関心のあるアミノ酸が、同じ電荷、サイズ、極性及び/又は溶解度のアミノ酸により置換されている)により入手可能な配列に関する。
本発明はまた、具体的に開示されている核酸から、配列多型により誘導された分子に関する。これらの遺伝的多型は集団内の個体間の自然変異により生じうる。これらの自然変異は、通常、遺伝子の塩基配列において1〜5%の不一致を与える。
さらに、本発明は、前記コーディング配列にハイブリダイズする又はそれに相補的である核酸配列も含む。ゲノムライブラリー又はcDNAライブラリーのスクリーニングの際にこれらのポリヌクレオチドを見出し、適当な場合には、適当なプライマーを使用するPCRによりそれから増幅し、ついで適当なプローブを使用して単離することが可能である。もう1つの可能性は、本発明のポリヌクレオチド又はベクターで適当な微生物を形質転換し、該微生物を増殖させ、それにより該ポリヌクレオチドを増幅し、ついでそれを単離することである。もう1つの可能性は、本発明のポリヌクレオチドを化学的経路により合成することである。
ポリヌクレオチドに「ハイブリダイズ」しうるという特性は、ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドが、ほとんど相補的な配列にはストリンジェントな条件下で結合しうるが、これらの条件下、非相補的相手との非特異的結合は生じないことを意味する。この目的には、該配列は70〜100%、好ましくは90〜100%相補的であるべきである。互いに特異的に結合しうるという相補的配列の特性は、例えば、ノーザン又はサザンブロット技術において、あるいはプライマー結合の場合にはPCR又はRT-PCRにおいて利用される。この目的には、通常、30塩基対以上の長さのオリゴヌクレオチドが使用される。ストリンジェントな条件は、例えばノーザンブロット技術においては、非特異的にハイブリダイズしたcDNAプローブ又はオリゴヌクレオチドを溶出するために、洗浄溶液、好ましくは、0.1% SDSを含有する0.1×SSCバッファー(20×SSC: 3M NaCl, 0.3M クエン酸Na, pH 7.0)を50〜70℃、好ましくは60〜65℃で使用することを意味する。この場合、前記のとおり、高度の相補性を有する核酸だけが互いに結合したままとなる。ストリンジェントな条件の設定は当業者に公知であり、例えば、Ausubelら, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.3.6に記載されている。
d)metAをコードする遺伝子の単離
酵素ホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼをコードするmetA遺伝子は、本質的に公知の方法で、前記表1の生物から単離することができる。
前記表1の生物のmetA遺伝子又は他の遺伝子を単離するためには、まず、大腸菌(E. coli)において、この生物の遺伝子ライブラリーを作製する。遺伝子ライブラリーの作製は、一般に知られているテキスト及びマニュアルに詳細に記載されている。具体例としては、Winnackerによるテキスト(Gene及びKlone, Eine Einfuhrung in die Gentechnologie (Verlag Chemie, Weinheim, Germany, 1990)又はSambrookらによるマニュアル(Molecular Cloning, A Laboratory Manual (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989))が挙げられうる。非常によく知られた遺伝子ライブラリーは、Koharaら(Cell 50, 495-508 (198))によりλベクターにおいて作製された大腸菌(E. coli)K-12株W3110のものである。
大腸菌(E. coli)における表1の生物由来の遺伝子ライブラリーを作製するためには、コスミド、例えばコスミドベクターSuperCos I(Wahlら 1987, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 84: 2160-2164)、又はプラスミド、例えばpBR322(BoliVal; Life Sciences, 25, 807-818 (1979))もしくはpUC9(Vieiraら, 1982, Gene, 19: 259-268)を使用することが可能である。適当な宿主としては、特に、制限及び組換え欠損型の大腸菌(E. coli)株が挙げられる。この一例としては株DH5αmcrが挙げられ、これはGrantら Proceedings of the National Academy of Sciences USA, 87 (1990) 4645-4649に記載されている。コスミドを使用してクローニングされた長いDNA断片を次いで、配列決定に適した通常のベクター内にサブクローニングし、ついで、例えばSangerら Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 74: 5463-5467, 1977に記載されているとおりに配列決定することができる。
ついで、得られたDNA配列を公知アルゴリズム又は配列解析プログラム、例えばStadenによるプログラム(Nucleic Acids Research 14,217-232 (1986))、Marckによるプログラム(Nucleic Acids Research 16, 1829-1836 (1988))又はButlerのGCGプログラム(Methods of Biochemical Analysis 39, 74-97 (1998))で研究することが可能である。
前記表1の生物からmetAをコードするDNA配列が見出された。特に、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、431及び45のDNA配列が見出された。さらに、前記の方法を用いて、該DNA配列から、対応タンパク質のアミノ酸配列が誘導された。配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44及び46は、metA遺伝子産物の、得られたアミノ酸配列を示す。
遺伝暗号の縮重により配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43及び45の配列から得られたコードDNA配列も本発明の対象である。同様に、本発明は、該配列又はそれに由来する配列部分にハイブリダイズするDNA配列に関する。
ハイブリダイゼーションによりDNA配列を同定するための方法については、当業者は、とりわけ、Boehringer Mannheim GmbH(Mannheim, Germany, 1993)によるマニュアル“The DIG System Users Guide for Filter Hybridization”及びLieblら, International Journal of Systematic Bacteriology (1991) 41: 255-260を参照することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりDNA配列を増幅するための方法については、当業者は、とりわけ、GaitによるマニュアルOligonucleotide synthesis: A Practical Approach(IRL Press, Oxford, UK, 1984)ならびにNewton及びGraham: PCR(Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg, Germany, 1994)を参照することができる。
さらに、タンパク質のN及び/又はC末端の変化はその機能を実質的に損なわず、さらには該機能を安定化しうることが公知である。これに関する情報については、当業者は、とりわけ、Ben-Bassatら Journal of Bacteriology 169(1987): 751-757、O’Reganら Gene 77: 237-251(1989)、Sahin-Tothら Protein Sciences 3: 240-247(1994)、Hochuliら Biotechnology 6: 1321-1325(1988)ならびに遺伝及び分子生物学の公知テキストを参照することができる。
それにより配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44及び46から得られるアミノ酸配列も本発明の一部である。
e)本発明で使用する宿主細胞
本発明は更に、特に、宿主細胞として働く微生物、特に、本発明で定義されるとおりの少なくとも1つのmetA遺伝子を保持するベクター(特に、シャトルベクター又はプラスミド)を含有するコリネフォルム細菌、あるいは本発明のmetA遺伝子の発現又は増幅に使用されるコリネフォルム細菌に関する。
これらの微生物は、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、糖蜜、デンプン、セルロースから又はグリセロール及びエタノールから硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンを産生しうる。該微生物は、好ましくは、コリネフォルム細菌、特にコリネバクテリウム(Corynebacterium)属の細菌である。コリネバクテリウム(Corynebacterium)属のなかでは、L-アミノ酸を産生しうることが当技術分野で公知であるコリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)種が特に挙げられなければならない。
コリネフォルム細菌の適当な株の具体例としては、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属の株、特にコリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)種の株、例えば、
コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)ATCC 13032、
コリネバクテリウム・アセトグルタミクム(Corynebacterium acetoglutamicum)ATCC 15806、
コリネバクテリウム・アセトアシドフィルム(Corynebacterium acetoacidophilum)ATCC 13870、
コリネバクテリウム・サーモアミノゲネス(Corynebacterium thermoaminogenes)FERM BP-1539、
コリネバクテリウム・メラッセコラ(Corynebacterium melassecola)ATCC 17965、又は
ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、例えば、
ブレビバクテリウム・フラブム(Brevibacterium flavum)ATCC 14067、
ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンツム(Brevibacterium lactofermentum)ATCC 13869及び
ブレビバクテリウム・ジバリカツム(Brevibacterium divaricatum)ATCC 14020、又はそれらに由来する株、例えば、
コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)KFCC10065、
コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)ATCC21608(これらは同様に、所望のファインケミカル又はその前駆体を産生する)が挙げられうる。略語KFCCはKorean Federation of Culture Collectionを示し、略語ATCCはAmerican Type Culture Collectionを意味し、略語FERM BPはNational Institute of Bioscience and Human Technology, Agency of Industrial Science and Technology, Japanを意味する。
f)本発明の発酵の実施
コリネフォルム細菌は、表1の生物からmetA遺伝子を過剰発現した後、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンを有利に産生することが、本発明において判明した。
過剰発現を達成するためには、当業者であれば、種々の手段を単独で又は組み合わせて用いることが可能である。例えば、適当な遺伝子のコピー数を増加させること、又は構造遺伝子の上流に位置するプロモーター及び調節領域又はリボソーム結合部位を変異させることが可能である。構造遺伝子の下流に組み込まれた発現カセットも同様に作用する。さらに、誘導プロモーターは、L-メチオニンの発酵生産の経過中の発現を増強することを可能にする。発現は、mRNAの寿命を延長させる手段によっても改善される。さらに、酵素活性は、酵素タンパク質の分解を防ぐことによっても増強される。遺伝子又は遺伝子構築物は、種々のコピー数を有するプラスミド内で存在することが可能であり、あるいは染色体内に組み込まれ増幅されうる。もう1つの可能な代替手段は、関心のある遺伝子の過剰発現を、培地組成及び培養管理を変更することにより達成することである。これに関する指針については、当業者は、とりわけ、Martinら(Biotechnology 5, 137-146 (1987)、Guerreroら(Gene 138, 35-41 (1994))、Tsuchiya及びMorinaga(Bio/Technology 6, 428-430 (1988))、Eikmannsら(Gene 102, 93-98 (1991))、欧州特許0472869、米国特許第4,601,893号、Schwarzer及びPuhler(Biotechnology 9, 84-87 (1991))、Remscheidら(Applied and Environmental Microbiology 60,126-132 (1994))、LaBarreら(Journal of Bacteriology 175, 1001-1007 (1993))、特許出願WO 96/15246、Malumbresら(Gene 134, 15-24 (1993))、特開平10-229891、Jensen及びHammer(Biotechnology and Bioengineering 58, 191-195 (1998))、Makrides(Microbiological Reviews 60:512-538 (1996))ならびに遺伝及び分子生物学の公知テキストを参照することができる。
したがって、本発明は、調節核酸配列の遺伝的制御下で本発明のポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなる発現構築物、及びこれらの発現構築物の少なくとも1つを含むベクターに関する。好ましくは、本発明のそのような構築物は、特定のコーディング配列の5'上流のプロモーター、及び3'下流のターミネーター配列、及び適当な場合には更に調節エレメントを含み、各場合において、それらはコーディング配列に機能しうる形で連結されている。「機能しうる形で連結されている」は、プロモーター、コーディング配列、ターミネーター、及び適当な場合には他の調節エレメントが連続的に配置されていて、該調節エレメントのそれぞれが、該コーディング配列の発現においてその機能を適切に果たしうることを意味する。機能しうる形で連結されうる配列の具体例としては、活性化配列及びエンハンサーなどが挙げられる。他の調節エレメントには、選択マーカー、増幅シグナル、複製起点などが含まれる。適当な調節配列は、例えば、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1990)に記載されている。
人工調節配列に加えて、天然調節配列がさらに、実際の構造遺伝子の上流に存在することが可能である。適当な場合には、遺伝的修飾がこの天然調節を無効にし、遺伝子の発現を増強又は減弱しうる。しかし、該遺伝子構築物が、より単純な構造を有すること、すなわち、構造遺伝子の上流に追加的な調節シグナルが挿入されておらず、その調節を行う天然プロモーターが除去されていないことも可能である。その代わりに、もはや調節が行われず遺伝子発現が増強又は減弱されるよう、該天然調節配列が変異している。該遺伝子構築物は該核酸配列のコピーの1以上を含有しうる。
有用なプロモーターの具体例としては、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)プロモーター由来のddh、amy、lysC、dpaA、lysA、また、Bacillus Subtilis and Its Closest Relatives, Sonenshein, Abraham L.,Hoch, James A., Losick, Richard; ASM Press, District of Columbia, Washington and Patek M. Eikmanns BJ. Patek J. Sahm H. Microbiology. 142 1297-309, 1996などに記載のグラム陽性プロモーターSPO2、又はグラム陰性菌において有利に使用されるcos、tac、trp、tet、trp-tet、lpp、lac、lpp-lac、lacIq、T7、T5、T3、gal、trc、ara、SP6、λ-PR又はλ-PLプロモーターが挙げられる。また、誘導プロモーター、例えば光誘導性、及び特に温度誘導性プロモーター、例えばPrPlプロモーターの使用が好ましい。原則として、調節配列を有するすべての天然プロモーターを使用することが可能である。また、合成プロモーターも有利に使用されうる。
記載されている調節配列は該核酸配列の特異的発現を可能にすると予想される。このことは、宿主生物に応じて、例えば、遺伝子が誘導後においてのみ発現又は過剰発現されること、あるいはそれが直ちに発現及び/又は過剰発現されることを意味する。
この場合、調節配列及び因子は、好ましくは、発現に対して有利な影響を及ぼして、発現を増強又は減弱しうる。したがって、強力な転写シグナル(例えば、プロモーター及び/又はエンハンサー)を使用することにより、調節エレメントを転写レベルで増強することが可能であり有利である。しかし、これに加えて、例えば、mRNAの安定性を向上させることにより、翻訳を増強することも可能である。
発現カセットは、適当なプロモーター、適当なシャイン・ダルガルノ配列をmetA塩基配列及び適当な終結シグナルに融合させることにより製造される。この目的には、通常の組換え及びクローニング技術、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, 1993, John Wiley & Sons, Incorporated, New York New York、PCR Methods, Gelfand, David H., Innis, Michael A., Sinsky, John J. 1999, Academic Press, Incorporated, California, San Diego、PCR Cloning Protocols, Methods in Molecular Biology Ser., Vol. 192, 2nd ed., Humana Press, New Jersey, Totowa. T. Maniatis, E.F. Fritsch及びJ. Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1989)ならびにT.J. Silhavy, M.L. Berman及びL.W. Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY (1984)ならびにAusubel, F.M.ら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience (1987)に記載されている技術が用いられる。
適当な宿主生物内での該遺伝子の最適な発現を可能にする宿主特異的ベクター内に該組換え核酸構築物又は遺伝子構築物を有利に挿入することにより、該組換え核酸構築物又は遺伝子構築物を該宿主生物内で発現させる。ベクターは当業者によく知られており、例えば、“Cloning Vectors”(Pouwels P. H.ら編, Elsevier, Amsterdam-New York-Oxford, 1985)に記載されている。また、「ベクター」なる語は、プラスミドのほかに、当業者によく知られている他のすべてのベクター、例えばファージ、トランスポゾン、ISエレメント、プラスミド、コスミド、及び直鎖状又は環状DNAをも意味する。これらのベクターは宿主生物内で自律的に複製されることが可能であり、あるいは染色体内で複製される。
本発明のmetA遺伝子を、例えばエピソームプラスミドを使用して過剰発現させることにより、metA遺伝子を増幅した。適当なプラスミドは、コリネフォルム細菌内で複製されるプラスミドである。多数の公知プラスミドベクター、例えばpZ1(Menkelら, Applied and Environmental Microbiology (1989) 64: 549-554)、pEKEx1(Eikmannsら, Gene 102: 93-98 (1991))又はpHS2-1(Sonnenら, Gene 107: 69-74 (1991))は潜在プラスミドpHM1519、pBL1又はpGA1に基づいている。他のプラスミドベクター、例えばpCLiK5MCS、又はpCG4(US-A 4,489,160)もしくはpNG2(Serwold-Davisら, FEMS Microbiology Letters 66, 119-124 (1990))もしくはpAG1(US-A 5,158,891)に基づくベクターも同様に使用することができる。
他の適当なプラスミドベクターは、例えば、hom-thrBオペロンを複製又は増幅するための、Remscheidら(Applied and Environmental Microbiology 60,126-132 (1994))に記載されているもののような、染色体内への組込みによる遺伝子増幅法に使用されうるものである。この方法においては、宿主(典型的には大腸菌(E. coli))内では複製されうるがコリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)内では複製され得ないプラスミドベクター内に完全な遺伝子をクローニングする。適当なベクターとしては、例えばpSUP301(Sirnonら, Bio/ Technology 1,784-791 (1983))、pK18mobもしくはpK19mob(Schaferら, Gene 145,69-73 (1994)、Bernardら, Journal of Molecular Biology, 234: 534-541 (1993))、pEM1(Schrumpfら 1991, Journal of Bacteriology 173: 4510-4516)又はpBGS8(Sprattら,1986, Gene 41: 337-342)が挙げられる。ついで、増幅すべき遺伝子を含有するプラスミドベクターを、形質転換により所望のコリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)株内に導入する。形質転換方法は、例えばThierbachら(Applied Microbiology and Biotechnology 29, 356-362 (1988))、Dunican及びShivnan(Biotechnology 7, 1067-1070 (1989))ならびにTauchら(FEMS Microbiological Letters 123,343-347 (1994))に記載されている。
酵素の活性は、酵素反応速度の部分的又は完全な減少が生じるよう対応遺伝子内の変異により影響されうる。そのような変異の具体例は当業者に公知である(Motoyama H. Yano H. Terasaki Y. Anazawa H. Applied & Environmental Microbiology. 67:3064-70, 2001, Eikmanns BJ. Eggeling L. Sahm H. Antonie van Leeuwenhoek. 64:145-63, 1993-94)。
さらに、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造には、本発明のmetA遺伝子を発現させ増幅することに加えて、それぞれの生合成経路、システイン経路、アスパラギン酸セミアルデヒド合成、解糖系、補充(アナプレロティックス)、ペントースリン酸代謝、クエン酸回路又はアミノ酸輸出の酵素の1以上を増強することが有利であろう。
したがって、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造には、以下の遺伝子の1以上を増強することが可能である:
・アスパラギン酸キナーゼをコードする遺伝子lysC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号281)、
・アスパラギン酸-セミアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子asd(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号282)、
・グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子gap(Eikmanns (1992), Journal of Bacteriology 174: 6076-6086)、
・3-ホスホグリセリン酸キナーゼをコードする遺伝子pgk(Eikmanns (1992), Journal of Bacteriology 174: 6076-6086)、
・ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする遺伝子pyc(Eikmanns (1992), Journal of Bacteriology 174: 6076-6086)、
・トリオース-リン酸イソメラーゼをコードする遺伝子tpi(Eikmanns (1992), Journal of Bacteriology 174: 6076-6086)、
・メチオニンシンターゼをコードする遺伝子metH(EP 1 108 790 A2)、
・シスタチオニン-γシンターゼをコードする遺伝子metB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3491)、
・シスタチオニン-γリアーゼをコードする遺伝子metC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3061)、
・セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子glyA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号1110)、
・O-アセチルホモセリンスルフヒドリラーゼをコードする遺伝子metY(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号726)、
・メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子metF(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2379)、
・ホスホセリンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子serC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号928)、
・ホスホセリンホスファターゼをコードする遺伝子serB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号334, DNA-配列番号467, DNA-配列番号2767)、
・セリンアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子cysE(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2818)、
・ホモセリンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子hom(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号1306)。
したがって、コリネフォルム細菌内での硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造には、同時に以下の遺伝子の少なくとも1つを変異させて、対応タンパク質の活性が、未変異タンパク質の場合と比較して低い程度に代謝産物により影響されるか又は全く影響されないようにすることが有利であろう:
・アスパラギン酸キナーゼをコードする遺伝子lysC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号281)、
・ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする遺伝子pyc(Eikmanns (1992), Journal of Bacteriology 174: 6076-6086)、
・メチオニンシンターゼをコードする遺伝子metH(EP 1 108 790 A2)、
・シスタチオニン-γシンターゼをコードする遺伝子metB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3491)、
・シスタチオニン-γリアーゼをコードする遺伝子metC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3061)、
・セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子glyA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号1110)、
・O-アセチルホモセリンスルフヒドリラーゼをコードする遺伝子metY(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号726)、
・メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子metF(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2379)、
・ホスホセリンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子serC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号928)、
・ホスホセリンホスファターゼをコードする遺伝子serB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号334, DNA-配列番号467, DNA-配列番号2767)、
・セリンアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子cysE(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2818)、
・ホモセリンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子hom(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号1306)。
さらに、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造には、本発明のmetA遺伝子の1つを発現させ増幅することに加えて、以下の遺伝子の1以上を減弱させること、特に、それらの発現を減少させる又はそれらの発現のスイッチを切ることが有利であろう:
・ホモセリンキナーゼをコードする遺伝子thrB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3453)、
・トレオニンデヒドラターゼをコードする遺伝子ilvA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2328)、
・トレオニンシンターゼをコードする遺伝子thrC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3486)、
・メソ-ジアミノピメリン酸Dデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子ddh(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3494)、
・ホスホエノール-ピルビン酸カルボキシキナーゼをコードする遺伝子pck(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3157)、
・グルコース-6-リン酸-6イソメラーゼをコードする遺伝子pgi(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号950)、
・ピルビン酸オキシダーゼをコードする遺伝子poxB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2873)、
・ジヒドロジピコリン酸シンターゼをコードする遺伝子dapA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3476)、
・ジヒドロジピコリン酸レダクターゼをコードする遺伝子dapB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3477)、
・ジアミノピコリン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子lysA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3451)。
さらに、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造には、コリネフォルム細菌内で本発明のmetA遺伝子の1つを発現させ増幅することに加えて、同時に以下の遺伝子の少なくとも1つを変異させて、対応タンパク質の酵素活性を部分的又は完全に減少させることが有利であろう:
・ホモセリンキナーゼをコードする遺伝子thrB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3453)、
・トレオニンデヒドラターゼをコードする遺伝子ilvA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2328)、
・トレオニンシンターゼをコードする遺伝子thrC(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3486)、
・メソ-ジアミノピメリン酸Dデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子ddh(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3494)、
・ホスホエノール-ピルビン酸カルボキシキナーゼをコードする遺伝子pck(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3157)、
・グルコース-6-リン酸6イソメラーゼをコードする遺伝子pgi(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号950)、
・ピルビン酸オキシダーゼをコードする遺伝子poxB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号2873)、
・ジヒドロジピコリン酸シンターゼをコードする遺伝子dapA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3476)、
・ジヒドロジピコリン酸レダクターゼをコードする遺伝子dapB(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3477)、
・ジアミノピコリン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子lysA(EP 1 108 790 A2; DNA-配列番号3451)。
さらに、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンの製造には、本発明のmetA遺伝子を発現させ増幅することに加えて、望ましくない二次反応を排除することが有利であろう(Nakayama: “Breeding of Amino Acid Producing Microorganisms”, in: Overproduction of Microbial Products, Krumphanzl, Sikyta, Vanek (eds.), Academic Press, London, UK, 1982)。
本発明に従い産生された微生物は、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンを製造するために、連続的に又はバッチ式に又はフェッドバッチもしくは反復フェッドバッチ法により培養することが可能である。公知培養方法の概説は、Chmielによるテキスト(Bioprozesstechnik 1. Einfuhrung in die Bioverfahrenstechnik (Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, 1991))又はStorhasによるテキスト(Bioreaktoren及びperiphere Einrichtungen (Vieweg Verlag, Brunswick/Wiesbaden, 1994))に見られる。
使用する培地は、個々の株の要求を適切に満たすものでなければならない。American Society for Bacteriology (Washington D. C., USA, 1981)による“Manual of Methods fur General Bacteriology”は種々の微生物用の培地の説明を記載している。
本発明において使用しうる培地は、通常、1以上の炭素源、窒素源、無機塩、ビタミン及び/又は微量元素を含む。
好ましい炭素源としては、糖、例えば単糖、二糖又は多糖が挙げられる。非常に優れた炭素源の具体例としては、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、リボース、ソルボース、リブロース、ラクトース、マルトース、スクロース、ラフィノース、デンプン及びセルロースが挙げられる。糖を、糖蜜又は糖精製の他の副産物のような複合化合物として培地に添加することも可能である。また、種々の炭素源の混合物を添加することも有利であろう。他の可能な炭素源としては、油脂、例えば大豆油、ヒマワリ油、ラッカセイ油及びヤシ脂肪、脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸及びリノール酸、アルコール、例えばグリセロール、メタノール及びエタノール、ならびに有機酸、例えば酢酸又は乳酸が挙げられる。
窒素源は、通常、有機もしくは無機窒素化合物、又はこれらの化合物を含む物質である。窒素源の具体例には、アンモニアガス、又はアンモニウム塩、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウム、硝酸塩、尿素、アミノ酸及び複合窒素源、例えばコーンスティープリカー、大豆粕、大豆タンパク質、酵母エキス、肉エキスなどが含まれる。窒素源は単独で又は混合物として使用することができる。
培地に加えられうる無機塩化合物には、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、コバルト、モリブデン、カリウム、マンガン、亜鉛、銅及び鉄の塩化物、リン又は硫酸塩が含まれる。
無機硫黄含有化合物、例えば硫酸塩、亜硫酸塩、亜ジチオン酸塩、四チオン酸塩、チオ硫酸塩、スルフィドに加えて、有機硫黄化合物、例えばメルカプタン及びチオールも、硫黄含有ファインケミカル、特にメチオニンの製造のための硫黄源として使用することができる。
リン源としては、リン酸、リン酸二水素カリウムもしくはリン酸水素二カリウム又は対応ナトリウム含有塩を使用することができる。
金属イオンを溶解状態で維持するために、キレート剤を培地に加えることができる。特に適したキレート剤には、ジヒドロキシフェノール、例えばカテコールもしくはプロトカテクアート、及び有機酸、例えばクエン酸が含まれる。
本発明で使用する発酵培地は、通常、他の増殖因子、例えばビタミン、又は増殖促進物質、例えばビオチン、リボフラビン、チアミン、葉酸、ニコチン酸、パントテナート及びピリドキシンなどをも含む。増殖因子及び塩は、しばしば、複合培地成分、例えば酵母エキス、糖蜜、コーンスティープリカーなどに由来する。さらに、適当な前駆体を培地に添加することができる。培地の厳密な組成は、個々の実験によって大きく左右され、それぞれの具体的な場合ごとに個別に決定される。培地の最適化に関する情報は、テキスト“Applied Microbiol. Physiology, A Practical Approach”(P.M. Rhodes, P.F. Stanbury編, IRL Press (1997) pp. 53-73, ISBN 0 19 963577 3)に記載されている。増殖培地は商業的供給業者から入手することが可能であり、具体例としてはStandard 1(Merck)又はBHI(ブレーンハートインフュージョン, DIFCO)などが挙げられる。
すべての培地成分は、加熱(1.5bar及び121℃で20分間)又は滅菌濾過により滅菌する。該成分は一緒に又は適当な場合には別々に滅菌することができる。すべての培地成分は培養の開始時に存在することが可能であり、あるいは、所望により、連続的に又はバッチ式に加えることが可能である。
培養温度は、通常、15℃〜45℃、好ましくは25℃〜40℃であり、実験中に一定に保ったり変化させることが可能である。培地のpHは5〜8.5、好ましくは約7.0であるべきである。培養のためのpHは、塩基性化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアもしくはアンモニア水、又は酸性化合物、例えばリン酸もしくは硫酸の添加により、培養中に制御することができる。消泡剤、例えば脂肪酸ポリグリコールエステルを使用することにより、泡の発生を抑制することができる。プラスミドの安定性を維持するために、選択的作用を有する適当な物質、例えば抗生物質を培地に加えることが可能である。酸素又は酸素含有気体混合物、例えば空気を培養内に通気することにより、好気的条件を維持する。培養温度は、通常、20℃〜45℃である。培養は、所望の産物の生成が最大になるまで継続する。この目的は、通常、10〜160時間以内に達成される。
このようにして得られた発酵ブロス、特に、L-メチオニンを含有する発酵ブロスは、通常、7.5〜25重量%の乾燥バイオマスを含有する。
もう1つの好ましいことは、発酵時間の少なくとも終了時に(特に、発酵時間の少なくとも30%にわたり)糖制限条件下で発酵を行うことである。これは、この時間中に、発酵培地内の利用可能な糖の濃度が> 0〜3g/lに維持される又は低下することを意味する。
ついで発酵ブロスを更に加工する。要件に従い、例えば遠心分離、濾過、デカントのような分離方法又はこれらの方法の組合せにより、バイオマスを完全又は部分的に発酵ブロスから除去することが可能であり、あるいは該ブロス内に完全に残すことが可能である。
ついでロータリーエバポレーター、薄膜エバポレーター、流下フィルムエバポレーター、逆浸透又はナノ濾過(nanofiltration)のような公知方法により、発酵ブロスを濃厚化又は濃縮することが可能である。ついでこの濃縮された発酵ブロスを凍結乾燥、噴霧乾燥、噴霧顆粒化又は他の方法により後処理することが可能である。
しかし、硫黄含有ファインケミカル、特にL-メチオニンを更に精製することも可能である。この目的には、産物含有ブロスを、バイオマスの除去の後、適当な樹脂を使用するクロマトグラフィーに付する。この場合、所望の産物又は混入物は完全又は部分的にクロマトグラフィー樹脂上に保持される。必要に応じて、同じ又は異なるクロマトグラフィー樹脂を使用して、これらのクロマトグラフィー工程を繰返すことができる。適当なクロマトグラフィー樹脂の選択及びその最も有効な使用は当業者によく知られている。精製された産物を濾過又は限外濾過により濃縮し、産物の安定性が最大となる温度で保存することができる。
単離された化合物の種類及び純度は当分野における技術により決定することができる。これらには、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分光光度法、染色法、薄層クロマトグラフィー、NIRS、酵素アッセイ又は微生物学的アッセイが含まれる。これらの分析方法はPatekら (1994) Appl. Environ. Microbiol. 60:133-140; Malakhovaら (1996) Biotekhnologiya 11 27-32; 及びSchmidtら (1998) Bioprocess Engineer. 19:67-70. Ulmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry (1996) Bd. A27, VCH: Weinheim, pp. 89-90, pp. 521-540, pp. 540-547, pp. 559-566, 575-581及びpp. 581-587; Michal, G (1999) Biochemical Pathways: An Atlas of Biochemistry and Molecular Biology, John Wiley and Sons; Fallon, A.ら (1987) Applications of HPLC in Biochemistry in: Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology, Volume 17に要約されている。
本発明は以下の非限定的な実施例及び添付図面により更に詳しく説明される。
図1は、プラスミドpClysCのプラスミド地図である。
図2は、プラスミドpCISlysCthr311ileのプラスミド地図である。
図3は、プラスミドpC_metA_Cdのプラスミド地図である。
該プラスミド地図には、制限切断部位が括弧内のそれらのそれぞれの位置と共に示されている。基本配列セグメントは太字で印刷されている。KanRはカナマイシン耐性遺伝子を意味し、askはアスパラギン酸キナーゼ遺伝子を意味する。
[実施例1] ベクターpCLiK5MCSの構築
まず、オリゴヌクレオチドp1.3(配列番号47)及びp2.3(配列番号48)を使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、ベクターpBR322のアンピシリン耐性配列及び複製起点を増幅した。
p1.3 (配列番号47)
5’-CCCGGGATCCGCTAGCGGCGCGCCGGCCGGCCCGGTGTGAAATACCGCACAG-3’
p2.3 (配列番号48)
5’-TCTAGACTCGAGCGGCCGCGGCCGGCCTTTAAATTGAAGACGAAAGGGCCTCG-3’
pBR322に相補的な配列に加えて、オリゴヌクレオチドp1.3(配列番号47)は、5'-3'方向に制限エンドヌクレアーゼSmaI、BamHI、NheI及びAscIの切断部位を含有し、オリゴヌクレオチドp2.3(配列番号48)は5'-3'方向に制限エンドヌクレアーゼXbaI、XhoI、NotI及びDraIの切断部位を含有する。Innisら(PCR Protocols. A Guide to Methods and Applications, Academic Press (1990))に記載されているような標準的な方法に従い、PfuTurboポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, USA)を使用してPCR反応を行った。GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して、得られた約2.1kbのサイズのDNA断片を精製した。高速DNA連結キット(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して、該DNA断片の平滑末端を互いに連結し、Sambrookら(Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, (1989))に記載の標準的な方法に従い該連結混合物をコンピテント大腸菌(E. coli)XL-1 Blue(Stratagene, La Jolla, USA)内に形質転換した。アンピシリン(50μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞を選択した。
個々のクローンのプラスミドDNAを、Qiaprep遠心ミニプレップキット(Qiagen, Hilden)を該製造業者の指示に従い使用して単離し、制限消化により検査した。このようにして得られたプラスミドをpCLiK1と命名した。
PCR反応用の鋳型としてのプラスミドpWLT1(Lieblら, 1992)から、オリゴヌクレオチドneo1(配列番号49)及びneo2(配列番号50)を使用してカナマイシン耐性カセットを増幅した。
neo1 (配列番号49):
5’-GAGATCTAGACCCGGGGATCCGCTAGCGGGCTGCTAAAGGAAGCGGA-3’
neo2 (配列番号50):
5’-GAGAGGCGCGCCGCTAGCGTGGGCGAAGAACTCCAGCA-3’
pWLT1に相補的な配列に加えて、オリゴヌクレオチドneo1は、5'-3'方向に制限エンドヌクレアーゼXbaI、SmaI、BamHI、NheIの切断部位を含有し、オリゴヌクレオチドneo2(配列番号50)は5'-3'方向に制限エンドヌクレアーゼAscI及びNheIの切断部位を含有する。Innisら(PCR Protocols. A Guide to Methods and Applications, Academic Press (1990))に記載されているような標準的な方法に従い、PfuTurboポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, USA)を使用してPCR反応を行った。GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して、得られた約1.3kbのサイズのDNA断片を精製した。該DNA断片を制限エンドヌクレアーゼXbaI及びAscI(New England Biolabs, Beverly, USA)で切断し、その後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して再び精製した。ベクターpCLiK1を同様に制限エンドヌクレアーゼXbaI及びAscIで切断し、アルカリホスファターゼ(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して脱リン酸化した。0.8%の強度のアガロースゲル中の電気泳動の後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して該線状化ベクター(約2.1kb)を単離した。高速DNA連結キット(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して、このベクター断片を該切断PCR断片に連結し、Sambrookら(Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, (1989))に記載の標準的な方法に従い該連結混合物をコンピテント大腸菌(E. coli)XL-1 Blue(Stratagene, La Jolla, USA)内に形質転換した。アンピシリン(50μg/ml)及びカナマイシン(20μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞を選択した。
個々のクローンのプラスミドDNAを、Qiaprep遠心ミニプレップキット(Qiagen, Hilden)を該製造業者の指示に従い使用して単離し、制限消化により検査した。このようにして得られたプラスミドをpCLiK2と命名した。
ベクターpCLiK2を制限エンドヌクレアーゼDraI(New England Biolabs, Beverly, USA)で切断した。0.8%の強度のアガロースゲル中の電気泳動の後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して約2.3kbのベクター断片を単離した。高速DNA連結キット(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して、このベクター断片を再連結し、Sambrookら(Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, (1989))に記載の標準的な方法に従い該連結混合物をコンピテント大腸菌(E. coli)XL-1 Blue(Stratagene, La Jolla, USA)内に形質転換した。カナマイシン(20μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞を選択した。
個々のクローンのプラスミドDNAを、Qiaprep遠心ミニプレップキット(Qiagen, Hilden)を該製造業者の指示に従い使用して単離し、制限消化により検査した。このようにして得られたプラスミドをpCLiK3と命名した。
PCR反応用の鋳型としてのプラスミドpWLQ2(Lieblら, 1992)から、オリゴヌクレオチドcg1(配列番号51)及びcg2(配列番号52)を使用して複製起点pHM1519を増幅した。
cg1 (配列番号51):
5’-GAGAGGGCGGCCGCGCAAAGTCCCGCTTCGTGAA-3’
cg2 (配列番号52):
5’-GAGAGGGCGGCCGCTCAAGTCGGTCAAGCCACGC-3’
オリゴヌクレオチドcg1(配列番号51)及びcg2(配列番号52)は、pWLQ2に相補的な配列に加えて、制限エンドヌクレアーゼNotIの切断部位を含有する。Innisら(PCR Protocols. A Guide to Methods and Applications, Academic Press (1990))に記載されているような標準的な方法に従い、PfuTurboポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, USA)を使用してPCR反応を行った。得られたDNA断片は約2.7kbのサイズであり、それを、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して精製した。該DNA断片を制限エンドヌクレアーゼNotI(New England Biolabs, Beverly, USA)で切断し、その後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して再び精製した。ベクターpCLiK3を同様に制限エンドヌクレアーゼNotIで切断し、アルカリホスファターゼ(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して脱リン酸化した。0.8%の強度のアガロースゲル中の電気泳動の後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して該線状化ベクター(約2.3kb)を単離した。高速DNA連結キット(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して、このベクター断片を該切断PCR断片に連結し、Sambrookら(Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, (1989))に記載の標準的な方法に従い該連結混合物をコンピテント大腸菌(E. coli)XL-1 Blue(Stratagene, La Jolla, USA)内に形質転換した。カナマイシン(20μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞を選択した。
個々のクローンのプラスミドDNAを、Qiaprep遠心ミニプレップキット(Qiagen, Hilden)を該製造業者の指示に従い使用して単離し、制限消化により検査した。このようにして得られたプラスミドをpCLiK5と命名した。
制限エンドヌクレアーゼSwaI、XhoI、AatI、ApaI、Asp718、MluI、NdeI、SpeI、EcoRV、SalI、ClaI、BamHI、XbaI及びSmaIの切断部位を含有する実質的に相補的な2つの合成オリゴヌクレオチドHS445(配列番号53)及びHS446(配列番号54)を一緒に95℃に加熱し、ついで徐々に冷却することによりそれらを合体させて二本鎖DNA断片を得ることにより、pCLiK5をマルチクローニングサイト(MC)により伸長させた。
HS445 (配列番号53):
5’-TCGAATTTAAATCTCGAGAGGCCTGACGTCGGGCCCGGTACCACGCGTCATATGACTAGTTCGGACCTAGGGATATCGTCGACATCGATGCTCTTCTGCGTTAATTAACAATTGGGATCCTCTAGACCCGGGATTTAAAT-3’
HS446 (配列番号54):
5’-GATCATTTAAATCCCGGGTCTAGAGGATCCCAATTGTTAATTAACGCAGAAGAGCATCGATGTCGACGATATCCCTAGGTCCGAACTAGTCATATGACGCGTGGTACCGGGCCCGACGTCAGGCCTCTCGAGATTTAAAT-3’
ベクターpCLiK5を制限エンドヌクレアーゼXhoI及びBamHI(New England Biolabs, Beverly, USA)で切断し、アルカリホスファターゼ(I(Roche Diagnostics, Mannheim))を該製造業者の指示に従い使用して脱リン酸化した。0.8%の強度のアガロースゲル中の電気泳動の後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して該線状化ベクター(約5.0kb)を単離した。高速DNA連結キット(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して、このベクター断片を該合成二本鎖DNA断片に連結し、Sambrookら(Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, (1989))に記載の標準的な方法に従い該連結混合物をコンピテント大腸菌(E. coli)XL-1 Blue(Stratagene, La Jolla, USA)内に形質転換した。カナマイシン(20μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞を選択した。
個々のクローンのプラスミドDNAを、Qiaprep遠心ミニプレップキット(Qiagen, Hilden)を該製造業者の指示に従い使用して単離し、制限消化により検査した。このようにして得られたプラスミドをpCLiK5MCSと命名した。
配列決定反応をSangerら (1977) Proceedings of the National Academy of Sciences USA 74:5463-5467に従い行った。ABI Prism 377(PE Applied Biosystems, Weiterstadt)により、該配列決定反応物を分画し、分析した。
得られたプラスミドpCLiK5MCSを配列番号57に記載する。[実施例2] ベクターpCLiK5MCS組込みsacBの構築 PCR反応用の鋳型としてのプラスミドpK19mob(Schaferら, Gene 145,69-73(1994))から、オリゴヌクレオチドBK1732及びBK1733を使用してバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)sacB遺伝子(レバンスクラーゼをコードする)を増幅した。
BK1732 (配列番号55):
5’-GAGAGCGGCCGCCGATCCTTTTTAACCCATCAC-3’
BK1733 (配列番号56):
5’-AGGAGCGGCCGCCATCGGCATTTTCTTTTGCG-3’
オリゴヌクレオチドBK1732及びBK1733は、pK19mobsacに相補的な配列に加えて、制限エンドヌクレアーゼNotIの切断部位を含有する。Innisら(PCR Protocols. A Guide to Methods and Applications, Academic Press (1990))に記載されているような標準的な方法に従い、PfuTurboポリメラーゼ(Stratagene, La Jolla, USA)を使用してPCR反応を行った。GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して、得られた約1.9kbのサイズのDNA断片を精製した。該DNA断片を制限エンドヌクレアーゼNotI(New England Biolabs, Beverly, USA)で切断し、その後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して再び精製した。
ベクターpCLiK5MCS(実施例1に従い製造したもの)を同様に制限エンドヌクレアーゼNotIで切断し、アルカリホスファターゼ(I(Roche Diagnostics, Mannheim))を該製造業者の指示に従い使用して脱リン酸化した。0.8%の強度のアガロースゲル中の電気泳動の後、GFX(商標)PCR, DNA及びゲルバンド精製キット(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して約2.4kbのサイズのベクター断片を単離した。高速DNA連結キット(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して、このベクター断片を該切断PCR断片に連結し、Sambrookら(Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, (1989))に記載の標準的な方法に従い該連結混合物をコンピテント大腸菌(E. coli)XL-1 Blue(Stratagene, La Jolla, USA)内に形質転換した。カナマイシン(20μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞を選択した。
個々のクローンのプラスミドDNAを、Qiaprep遠心ミニプレップキット(Qiagen, Hilden)を該製造業者の指示に従い使用して単離し、制限消化により検査した。このようにして得られたプラスミドをpCLiK5MCS組込みsacBと命名した。
配列決定反応をSangerら (1977) Proceedings of the National Academy of Sciences USA 74:5463-5467に従い行った。ABI Prism 377(PE Applied Biosystems, Weiterstadt)により、該配列決定反応物を分画し、分析した。
得られたプラスミドpCLiK5MCS組込みsacBを配列番号58に記載する。同様にして、metA遺伝子の本発明の発現又は過剰発現に適した他のベクターを製造することが可能である。
[実施例3] コリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)株LU1479からのlysC遺伝子の単離
株構築の第1工程は、以下でLU1479と称される、コリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)ATCC13032の酵素アスパラギン酸キナーゼをコードするlysC野生型遺伝子の対立遺伝子置換であると意図される。生じるタンパク質において、311位のアミノ酸Thrがアミノ酸Ileにより置換されるよう、LysC遺伝子におけるヌクレオチド置換を行うことが意図される。
Pfu-Turbo PCR系(Stratagene USA)を該製造業者の指示に従い使用して、PCR反応用の鋳型としてのLU1479の染色体DNAから、オリゴヌクレオチドプライマー配列番号59及び配列番号60 lysCで増幅を行った。Tauchら (1995) Plasmid 33:168-179又はEikmannsら (1994) Microbiology 140:1817-1828に記載されているとおりに、コリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)ATCC 13032の染色体DNAを調製した。該増幅断片は、その5'末端においてはSal制限切断部位と、そしてその3'末端においてはMluI制限切断部位と隣接する。クローニングの前に、該増幅断片をこれらの2つの制限酵素により消化し、GFX(商標)PCR, DNA and Gel Band Purification Kit(Amersham Pharmacia, Freiburg)で精製した。
配列番号59
5’-GAGAGAGAGACGCGTCCCAGTGGCTGAGACGCATC-3’
配列番号60
5’-CTCTCTCTGTCGACGAATTCAATCTTACGGCCTG-3’
得られたポリヌクレオチドをpCLIK5 MCS組込みSacB(以下、pCISと称される;実施例2の配列番号58)をSalI及びMluI制限切断部位を介してクローニングし、大腸菌(E. coli)XL-1ブルー内に形質転換した。カナマイシン(20μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞に関する選択を行った。該プラスミドを単離し、予想塩基配列を配列決定により確認した。Quiagenから得た材料を使用して、Quiagenの方法により、プラスミドDNAを調製した。Sangerら (1977) Proceedings of the National Academy of Sciences USA 74:5463-5467に記載されているとおりに、配列決定反応を行った。ABI Prism 377(PE Applied Biosystems, Weiterstadt)を使用して該配列決定反応物を分画し、評価した。得られたプラスミドpCIS lysCを配列番号61として示す。対応プラスミド地図を図1に示す。
配列番号61は以下の基本部分領域を含む。
位置(LOCUS) pCIS\lysC 5860 bp DNA 環状
特徴(FEATURES) 位置(Location)/性状詞(Qualifiers)
CDS1) 155..1420
/vntifkey="4"
/label=lysC
CDS complement2)(3935..5356)
/vntifkey="4"
/label=sacB\(Bacillus\subtilis)
プロモーター 相補(complement)(5357..5819)
/vntifkey="30"
/label=Promoter\sacB
C_領域 相補(complement)(3913..3934)
/vntifkey="2"
/label=sacB\下流領域
CDS 1974..2765
/vntifkey="4"
/label=Kan\R
CDS 相補(complement)(3032..3892)
/vntifkey="4"
/label=Ori\-EC\(pMB)
1) コード領域
2) 相補鎖上
[実施例4] コリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)lysC遺伝子の変異誘発
QuickChange Kit(Stratagene/USA)を該製造業者の指示に従い使用して、コリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)lysC遺伝子(実施例3)の特異的変異誘発を行った。該変異誘発は、プラスミドpCIS lysC, 配列番号69において行った。Quickchange法(Stratagene)により、thr311を311 ileにより置換するために、以下のオリゴヌクレオチドプライマーを合成した。
配列番号62
5’-CGGCACCACCGACATCATCTTCACCTGCCCTCGTTCCG-3’
配列番号63
5’-CGGAACGAGGGCAGGTGAAGATGATGTCGGTGGTGCCG-3’
Quickchange反応におけるこれらのオリゴヌクレオチドプライマーの使用は、lysC遺伝子における932位のヌクレオチド置換(CからTへの置換)(配列番号64を参照されたい)、及び対応酵素における311位のアミノ酸置換(Thr→Ile)(配列番号65を参照されたい)を招く。lysC遺伝子において生じたアミノ酸置換Thr311Ileを、大腸菌(E. coli)XL1-ブルー内への形質転換及びプラスミド調製の後、配列決定により確認した。該プラスミドをpCIS lysC thr311ileと命名し、配列番号66に記載する。対応プラスミド地図を図2に示す。
配列番号66を以下の基本部分領域を含む:
位置(LOCUS) pCIS\lysC\thr311ile 5860 bp DNA 環状
特徴(FEATURES) 位置(Location)/性状詞(Qualifiers)
CDS1) 155..1420
/vntifkey="4"
/label=lysC
CDS 相補(complement)2)(3935..5356)
/vntifkey="4"
/label=sacB\(Bacillus\subtilis)
プロモーター 相補(complement)(5357..5819)
/vntifkey="30"
/label=Promoter\sacB
C_領域 相補(complement)(3913..3934)
/vntifkey="2"
/label=sacB\下流領域
CDS 1974..2765
/vntifkey="4"
/label=Kan\R
CDS 相補(complement)(3032..3892)
/vntifkey="4"
/label=Ori\-EC\(pMB)
1) コード領域
2) 相補鎖上
Lieblら, (1989) FEMS Microbiology Letters 53:299-303に記載のエレクトロポレーションにより、プラスミドpCIS lysC thr311ileをコリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)LU1479内に形質転換した。該プロトコールの変法がDE-A-10046870に記載されている。個々の形質転換体のlysC遺伝子座の染色体配置を、Sambrookら (1989), Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harborに記載されているとおりのサザンブロット及びハイブリダイゼーションによる標準的な方法を用いて確認した。このようにして、該形質転換体は、相同組換えによりlysC遺伝子座において組み込まれた形質転換プラスミドを有する形質転換体であることが確認された。抗生物質を含有しない培地内でそのようなコロニーを一晩成長させた後、該細胞をスクロース-CM寒天培地(10% スクロース)上でプレーティングし、30℃で24時間インキュベートした。
ベクターpCIS lysC thr311ile内に存在するsacB遺伝子はスクロースを毒性産物に変換するため、第2の相同組換え工程により野生型lysC遺伝子と変異遺伝子lysC thr311Ileとの間でsacB遺伝子が欠失したコロニーだけが成長しうる。相同組換え中に、該野生型遺伝子又は該変異遺伝子及びsacB遺伝子が欠失しうる。sacB遺伝子が該野生型遺伝子と共に除去されると、変異形質転換体が生じる。
成長しているコロニーを拾い、カナマイシン感受性表現型に関して検査した。SacB遺伝子が欠失したコロニーは同時に、カナマイシン感受性成長挙動を示すに違いない。そのようなKan感受性クローンを、それらのリシン産生性に関して、振とうフラスコ内で調べた(実施例6を参照されたい)。未処理株LU1479を、比較のために増殖させた。対照と比較してリシン産生が増強したクローンを選択し、染色体DNAを得、lysC遺伝子の対応領域をPCR反応により増幅し、配列決定した。リシン合成の増強の特性を有しlysCの932位に変異が確認された1つのそのようなクローンをLU1479 lysC 311ileと命名した。
[実施例5] エチオニン耐性コリネバクテリウム・グルタミクム(C. glutamicum)株の製造
第2の株構築工程において、エチオニンに対する耐性を誘発するために、得られた株LU1479 lysC 311ile(実施例4)を処理した(Kase, H. Nakayama K.Agr. Biol. Chem. 39 153-106 1975 L-methionine production by methionine analog-resistant mutants of Corynebacterium glutamicum)。BHI培地(Difco)内の一晩培養物をクエン酸バッファー(50 mM pH 5.5)で洗浄し、N-メチルニトロソグアニジン(50 mM クエン酸(pH 5.5)中、10 mg/ml)で30℃で20分間処理した。化学的変異誘発剤N-メチルニトロソグアニジンでの処理の後、該細胞を洗浄し(クエン酸バッファー 50 mM pH 5.5)、500ml当たり以下の組成から構成される培地上でプレーティングした:10 g (NH4)2SO4, 0.5 g KH2PO4, 0.5 g K2HPO4, 0.125 g MgSO4*7H2O, 21 g MOPS, 50 mg CaCl2, 15 mg プロテオカテクアート, 0.5 mg ビオチン, 1 mg チアミン, 5 g/l D,L-エチオニン(Sigma Chemicals Germany), pH 7.0。また、該培地は以下のものの0.5 mlの微小塩溶液を含んでいた:10 g/l FeSO4*7H2O, 1 g/l MnSO4*H2O, 0.1 g/l ZnSO4*7H2O, 0.02 g/l CuSO4, 0.002 g/l NiCl2*6H2O(すべての塩は、0.1M HClに溶解した)。最終培地を濾過滅菌し、40mlの無菌50%グルコース溶液の添加後、液体無菌寒天を1.5% 寒天の最終濃度で加え、該混合物を培養皿に注いだ。
変異誘発処理を受けた細胞を、前記培地を含有するプレートに加え、30℃で3〜7日間インキュベートした。得られたクローンを単離し、個々のクローンを該選択培地上で少なくとも1回単離し、ついで振とうフラスコ中の培地II内のそれらのメチオニン産生性に関して分析した(実施例6を参照されたい)。
[実施例6] 株LU1479 lysC 311ile ET-16を使用するメチオニンの製造
実施例5で得た株を、CM培地を含む寒天プレート上で30℃で2日間増殖させた。
CM寒天:
10.0 g/l D-グルコース, 2.5 g/l NaCl, 2.0 g/l 尿素, 10.0 g/l バクトペプトン (Difco), 5.0 g/l 酵母エキス (Difco), 5.0 g/l 牛肉エキス (Difco), 22.0 g/l 寒天 (Difco), 高圧滅菌 (20分, 121℃)
ついで該細胞を該プレートから擦り取り、食塩水に再懸濁させた。主培養のために、100ml エーレンマイヤーフラスコ内の10mlの培地II及び0.5gの高圧滅菌CaCO3(Riedel de Haen)に該細胞懸濁液を、OD 600 nmが1.5になるまで接種し、回転シェーカー上、200rpm、30℃で72時間インキュベートした。
培地II:
40 g/l スクロース
60 g/l 糖蜜(100%の糖含量のものに基づく)
10 g/l (NH4)2SO4
0.4 g/l MgSO4*7H2O
0.6 g/l KH2PO4
0.3 mg/l チアミンHCl
1 mg/l ビオチン(NH4OHでpH 8.0にした1 mg/ml 濾過滅菌ストック溶液からのもの)
2 mg/l FeSO4
2 mg/l MnSO4
NH4OHでpHを7.8にし、該混合物を高圧滅菌(121℃, 21分)した。また、ストック溶液(200 μg/ml、濾過滅菌されたもの)からビタミンB12(ヒドロキシコバラミンSigma Chemicals)を100μg/lの最終濃度まで加えた。
該培養ブロス内の産生メチオニン及び他のアミノ酸を、Agilentによる、Agilent 1100 Series LC System HPLCでのアミノ酸決定法により測定した。オルト-フタルアルデヒドでのプレカラム誘導体化は産生アミノ酸の定量を可能にした。該アミノ酸混合物をカラム上で分離した。該アミノ酸混合物はHypersil AAカラム(Agilent)上で分離した。
メチオニン産生性が元の株LU1479 lysC 311ileの少なくとも2倍高いクローンを単離した。1つのそのようなクローンを更なる実験に使用し、LU1479 lysC 311ile ET-16と命名した。
[実施例7] コリネバクテリウム・ジフセリエからのmetAのクローニング及びプラスミドpC metA_Cd内へのクローニング
コリネバクテリウム・ジフセリエ(Corynebacterium diphtheriae)の染色体DNAを、American Type Strain Culture Collection(ATCC, Atlanta-USA), Cat. No. 700971D(株ATCC 700971からのもの)から入手した。
オリゴヌクレオチドプライマー配列番号67及び配列番号68、鋳型としてのコリネバクテリウム・ジフセリエ(C. diphtheriae)染色体DNAならびにPfuTurboポリメラーゼ(Stratagene)を使用して、Innisら (1990) PCR Protocols. A Guide to Methods and Applications, Academic Pressに記載されているような標準的な方法に従うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、非コード5'領域(プロモーター領域)を含むmetA遺伝子を含む約1.4kbのDNA断片を増幅した。該増幅断片は、その5'末端においてはXhoI制限切断部位に、3'末端においてはNdel制限切断部位(これらは該オリゴヌクレオチドプライマーにより導入されたものである)に隣接する。
配列番号67
5’-GAGACTCGAGGTTGGCTGGTCATCATAGG-3’
及び
配列番号76
5’-GAAGAGAGCATATGTCAGCGCTCTAGTTTGGTTC-3’
GFX(商標)PCR, DNA and Gel Band Purification Kit(Amersham Pharmacia, Freiburg)を該製造業者の指示に従い使用して、得られたDNA断片を精製した。ついでそれを制限酵素XhoI及びNdel(Roche Diagnostics, Mannheim)で切断し、ゲル電気泳動により分離した。ついで、GFX(商標)PCR, DNA and Gel Band Purification Kit(Amersham Pharmacia, Freiburg)を使用して、約1.4 kbのDNA断片をアガロースから単離した。
ベクターpClik5MCS(配列番号57)(以下、pCと称する)を制限酵素XhoI及びNdel(Roche Diagnostics, Mannheim)で切断し、約5kbの断片を電気泳動により分離し、ついで、GFX(商標)PCR, DNA and Gel Band Purification Kitを使用して単離した。
Rapid DNA Ligation Kit(Roche Diagnostics, Mannheim)を該製造業者の指示に従い使用して、該ベクター断片を該PCR断片に連結し、Sambrookら(Molecular Cloning. A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor, (1989))に記載の標準的な方法を用いて、該連結反応物をコンピテント大腸菌(E. coli)XL-1 Blue(Stratagene, La Jolla, USA)内に形質転換した。カナマイシン(20μg/ml)含有LB寒天(Lennox, 1955, Virology, 1:190)上でのプレーティングにより、プラスミド含有細胞に関する選択を行った。
Quiagenの方法及びQuiagenからの材料を用いて、該プラスミドDNAを製造した。Sangerら (1977) Proceedings of the National Academy of Sciences USA 74:5463-5467に記載のとおりに、配列決定反応を行った。ABI Prism 377(PE Applied Biosystems, Weiterstadt)により、該配列決定反応物を分離し、評価した。
得られたプラスミドpC metA_Cd (Corynebacterium diphtheriae)を配列番号69に示す。対応プラスミド地図を図3に示す。
LOCUS pC_metA_Cd 6472 bp DNA 環状
特徴(FEATURE) 位置(Location)/性状詞(Qualifiers)
CDS 313..1416
/vntifkey="4"
/label=metA\\Corynebacterium\diphtheriae
CDS 1838..2629
/vntifkey="4"
/label=Kan\R
CDS 4910..6031
/vntifkey="4"
/label=Rep\タンパク質
CDS 3902..4576
/vntifkey="4"
/label=ORF\1
CDS 相補(complement)(2896..3756)
/vntifkey="4"
/label=Ori\-EC\(pMB)
[実施例8] プラスミドpC metA_Cdでの株LU1479 lysC 311ile ET-16の形質転換
前記方法(Lieblら, (1989) FEMS Microbiology Letters 53:299-303)により、株LU1479 lysC 311ile ET-16をプラスミドpC metA_Cdで形質転換した。プラスミド含有細胞に関する選択を行うために、該形質転換混合物を、20mg/l カナマイシンを更に含むCMプレート上でプレーティングした。得られたKan耐性クローンを拾い、個々のクローンを単離した。該クローンのメチオニン産生性を振とうフラスコ実験において調べた(実施例6を参照されたい)。株LU1479 lysC 311ile ET-16 pC metA_Cdは、LU1479 lysC 311ile ET-16より有意に大量のメチオニンを産生した。
図1は、プラスミドpClysCのプラスミド地図である。 図2は、プラスミドpCISlysCthr311ileのプラスミド地図である。 図3は、プラスミドpC_metA_Cdのプラスミド地図である。
【配列表】
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Claims (16)

  1. a)所望の硫黄含有ファインケミカルを産生するコリネフォルム細菌培養を発酵させ、ここにおいて、該コリネフォルム細菌は、ホモセリンO-アセチルトランスフェラーゼ (metA) 活性を有するタンパク質をコードする少なくとも1つの異種塩基配列を発現し、
    b)該培地内又は該細菌細胞内で該硫黄含有ファインケミカルを濃縮し、
    c)該硫黄含有ファインケミカルを単離する工程を含んでなる、少なくとも1つの硫黄含有ファインケミカルの、発酵による製造方法。
  2. 該硫黄含有ファインケミカルがL-メチオニンを含む、請求項1記載の製造方法。
  3. 異種metAをコードする塩基配列が、コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)ATCC 13032のmetAをコードする配列に対して100%未満の相同性を有する、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  4. 異種metAをコードする塩基配列が以下の生物:
    Figure 2005537024
    のいずれかに由来する、請求項3記載の製造方法。
  5. metAをコードする配列が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43及び45のコーディング配列、又はmetA活性を有するタンパク質をコードするそれに相同な塩基配列を含む、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  6. metAをコードする配列が、metA活性を有するタンパク質をコードし、該タンパク質が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44及び46のアミノ酸配列、又はmetA活性を有するタンパク質に相当するそれに相同なアミノ酸配列を含む、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  7. metAをコードする配列が、コリネフォルム細菌内で複製可能である又は染色体内に安定に組み込まれるDNA又はRNAである、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  8. a)調節配列の制御下でmetAをコードする配列のコピーの少なくとも1つを保持するプラスミドベクターで形質転換された細菌株を使用する、又は
    b)metAをコードする配列が該細菌染色体内に組み込まれている株を使用する、請求項7記載の製造方法。
  9. metAをコードする配列を過剰発現させる、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  10. 所望の硫黄含有ファインケミカルの生合成経路の更なる遺伝子の少なくとも1つが更に増幅されているか又は変異していてその活性が代謝産物による影響を受けない細菌を発酵させる、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  11. 所望の硫黄含有ファインケミカルの生成を減少させる少なくとも1つの代謝経路が少なくとも部分的に切断された細菌を発酵させる、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  12. a)アスパラギン酸キナーゼをコードする遺伝子lysC、
    b)グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子gap、
    c)3-ホスホグリセリン酸キナーゼをコードする遺伝子pgk、
    d)ピルビン酸カルボキシラーゼをコードする遺伝子pyc、
    e)トリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子tpi、
    f)メチレンテトラヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子metF、
    g)シスタチオニンγシンターゼをコードする遺伝子metB、
    h)シスタチオニンγリアーゼをコードする遺伝子metC、
    i)セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子glyA、
    j)O-アセチルホモセリンスルフヒドリラーゼをコードする遺伝子metY、
    k)ビタミンB12依存性メチオニンシンターゼをコードする遺伝子metH、
    l)ホスホセリンアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子serC、
    m)ホスホセリンホスファターゼをコードする遺伝子serB、
    n)セリンアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子cysE、及び
    o)ホモセリンデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子hom
    から選ばれる遺伝子の少なくとも1つが同時に過剰発現又は変異していて、対応タンパク質の活性が、未変異タンパク質の場合と比較して、代謝産物により影響されるとしても低い程度にしか影響されないコリネフォルム細菌を発酵させる、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  13. 発現率を変化させることにより又は特定の変異を導入することにより、
    a)ホモセリンキナーゼをコードする遺伝子thrB、
    b)トレオニンデヒドラターゼをコードする遺伝子ilvA、
    c)トレオニンシンターゼをコードする遺伝子thrC、
    d)メソ-ジアミノピメリン酸Dデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子ddh、
    e)ホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼをコードする遺伝子pck、
    f)グルコース-6-リン酸6-イソメラーゼをコードする遺伝子pgi、
    g)ピルビン酸オキシダーゼをコードする遺伝子poxB、
    h)ジヒドロジピコリン酸シンターゼをコードする遺伝子dapA、
    i)ジヒドロジピコリン酸レダクターゼをコードする遺伝子dapB、及び
    j)ジアミノピコリン酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子
    から選ばれる遺伝子の少なくとも1つが同時に弱められているコリネフォルム細菌を発酵させる、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  14. コリネバクテリウム・グルタミクム(Corynebacterium glutamicum)種の微生物を使用する、前記請求項のいずれか1項記載の製造方法。
  15. a)L-メチオニン産生微生物を発酵培地内で培養し、発酵させ、
    b)L-メチオニン含有発酵ブロスから水を除去し、
    c)発酵中に生成したバイオマスの0〜100重量%を除去し、
    d)b)及び/又はc)により得た発酵ブロスを乾燥させて、所望の粉末又は顆粒形態で動物飼料添加物を得る工程を含んでなる、発酵ブロスからのL-メチオニン含有動物飼料添加物の製造方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項記載の微生物を使用する、請求項15記載の製造方法。

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