JP2005530786A - 心損傷の処置のためのピロロキノリンキノンおよびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、実質的に精製されたピロロキノリンキノンを含有する組成物を含み、この組成物は、低酸素症または虚血によって引き起こされる心臓損傷の処置および予防のための方法に有用である。本発明はまた、本発明の組成物をヒト患者と接触させる工程を含む心臓損傷を処置および予防するための方法も含む。また、発明は、心筋細胞が細胞死から防御されるように薬剤を投与することによる、心筋低酸素症損傷または虚血性損傷の処置または予防に関連する。

Description

(発明の背景)
心臓は、酸素および栄養分の送達および有害な代謝産物の除去に関して、連続した血流に決定的に依存している。虚血は、心筋の代謝および細胞外傷における急速な変化に至り、その外傷の程度は、虚血の重篤度に依存する。連続した虚血は、数時間で、全組織の壊死に至る。
再灌流は、一般に有益であると考えられるが、いくつかの機構により組織外傷を引き起こす。臨床的には、開胸手術、心臓移植および心臓疾患の逆転、虚血再灌流による外傷に対する心筋の防御は、臨床の最大の関心のある問題である。さらに、再灌流による酸素化の回復(再酸素化)の後の低酸素症外傷の悪化は、器官移植の他の型における細胞外傷ならびに肝臓、腸、脳、腎臓および他虚血性症候群の重要な機構である。
(発明の要旨)
本発明は、特定の心臓防御因子の投与により、心筋酸化ストレスが予防され、または最小化され得、そしてそれにより、心臓血管および他の疾患の処置に利益を有するという発見に関する。特に、無毒性投薬量のピロロキノリンキノン(「PQQ」)薬物が、心臓防御薬剤として有用であることが発見され、従って幅広い種々の心臓関連疾患(例えば、虚血再灌流障害、鬱血性心不全、心拍停止および心筋梗塞(例えば、冠動脈遮断に起因する))の処置および心臓防御に役に立つことが発見された。PQQは特に、心筋細胞(酸化ストレスの被験体である)が細胞死から防御されるように、心筋酸化ストレスを調節することが見出されている。
本発明の組成物および方法は、驚くべきことにインビボおよびエキソビボでの低酸素性/虚血性心損傷の軽減または除去、ならびにそれが必要な哺乳動物(例えば、ヒト)の心臓血管疾患の予防および/または処置に有用である。
本発明の別の局面では、PQQは、心臓防御シグナル伝達経路(例えば、ミトコンドリアチャネルmitoKATPの調節、酸化窒素タンパク質キナーゼC経路およびアンジオテンシン変換酵素経路の調節)の効果を調節する(例えば、増強するかまたは維持する)ことが見出された。
本発明の別の局面では、本発明は、心筋細胞が細胞死から防御されるように心筋酸化ストレスを調節する薬剤を投与することによる被験体の心筋細胞の心筋酸化ストレスの処置または予防に関連する。
本発明の別の局面では、本発明は、心筋細胞が細胞死から防御されるように心筋低酸素症損傷または虚血性損傷を調節する薬剤を投与することによる被験体の心筋低酸素症損傷または虚血性損傷の処置または予防に関連する。
本発明の別の局面では、PQQは、心筋酸化ストレスにより引き起こされるフリーラジカル損傷を調節することが見出されている。虚血性または低酸素性症状により産生されるフリーラジカルは、心筋死につながる心筋損傷の重要な原因であることが見出されている。このように、インビボで無毒性投薬量で投与されたPQQの投与は、心筋酸化ストレスフリーラジカル損傷を阻害または予防するための有効な処置である。
本発明はさらに、冠動脈血流が改善されるように、被験体に無毒性量のPQQを投与することによる被験体の冠動脈血流を改善する方法に関連する。
一つの局面では、本発明は、ピロロキノリンキノンを投与する(例えば、心損傷を処置または予防するために有効な量で)ことによる被験体の低酸素症または虚血によって引き起こされる心損傷の処置または予防に関連する。PQQは、代表的には、無毒性濃度(例えば、900μM未満、700μM未満、500μM未満、300μM未満、100μM未満または50μM未満を含む約1nMと10μM未満との間)で投与される。他の実施形態では、PQQは、約1〜10μMの濃度で投与され得る。他の実施形態では、PQQは、被験体の体重の関数として投与される。PQQは代表的には、1μg/kg被験体体重〜1g/kg被験体体重の間の濃度で投与され得、その濃度としては、500mg/kg未満、250mg/kg未満、100mg/kg未満、10mg/kg未満、5mg/kg未満、2mg/kg未満、1mg/kg未満、500μg/kg未満、250μg/kg未満、100μg/kg未満、10μg/kg未満、5μg/kg未満、2μg/kg未満または1μg/kg未満が挙げられる。
本発明はさらに、PQQ(例えば、心臓防御を生じるために有効な量で)および薬学的に受容可能なキャリアを含有する心臓防御薬剤を含む。また、有効量のピロロキノリンキノン、薬学的に受容可能なキャリアおよび使用説明書を一つ以上の容器に入れた、心損傷、脳卒中または偏頭痛の危険性がある患者を処置するためのキットも含まれる。
別の局面では、本発明は、NADPH依存性メトヘモグロビンレダクターゼ基質の投与によるインビボにおける低酸素症または虚血により引き起こされる心損傷の処置または予防、ならびに有効量のNADPH依存性メトヘモグロビンレダクターゼ基質、薬学的に受容可能なキャリアおよび使用説明書を含む心損傷の処置または予防に使用するためのキットに関連する。本発明のいくつかの実施形態では、NADPH依存性メトヘモグロビンレダクターゼ基質は、赤血球(例えば、哺乳動物の赤血球(例えば、ヒト、ウシ、マウス)または非哺乳動物の赤血球(例えば、Rana catesbeiana))から精製される。
なお別の局面では、本発明は、器官または組織移植中の器官損傷を予防するための方法ならびに器官または組織の移植の間に、器官損傷を予防するために使用されるキットに関連し、この方法において、PQQは、器官または組織の除去の前に、および/または同時に器官ドナーに投与され、そしてこのキットは、有効量のピロロキノリンキノン、薬学的に受容可能なキャリアおよび使用説明書を含む。
さらなる局面では、本発明は、所望の防御効果を得るために有効な量のPQQを投与することによる(例えば、心不全を被った被験体の)脳卒中を予防するための方法に関連する。PQQは望ましくは、例えば、約1μM〜約10μMの濃度で投与され得る。
本発明は、PQQおよび一つ以上のさらなる治療化合物を投与することによる被験体の心不全を処置するための方法を含む。いくつかの実施形態では、さらなる治療化合物は、抗血小板薬物、抗凝血剤薬物および/または抗血栓症薬物またはこれらの組み合わせであり得る。
別の局面では、本発明は、心筋梗塞が低減されるかまたは安定化されるようなレベルで、PQQを投与することによる被験体の心筋梗塞を処置する方法に関連する。
なお、別の局面では、本発明は、PQQで被験体を処置することによる被験体の偏頭痛を予防する方法に関連する。PQQは、望ましくは、例えば、約1μM〜約10μMの濃度で投与され得る。
なお、別の局面では、本発明は、被験体をPQQで処置することによる低体温症を被った被験体またはその危険性がある被験体の再灌流障害を防止する方法に関連する。PQQは、望ましくは、例えば、約1μM〜約10μMの濃度で投与され得る。
本発明はさらに、被験体をPQQで前処理することによる被験体のバルーン血管形成後の血管閉塞を防止するための方法に関連する。被験体はまた、PQQおよび一つ以上のさらなる治療化合物(例えば、クーマディン、アンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター(例えば、カプトプリル、ベナゼプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リジノプリル、キナプリル、ラミプリル、イミダプリル、ペリドプリル(peridopril)、エルブミン(erbumine)およびトランドラプリル)ならびにACEレセプターブロッカー(例えば、ロサルタン、イルベルサルタン、カンデサルタン、シレクセティル(cilexetil)およびバルサルタン)で前処理され得る。いくつかの実施形態では、さらなる治療化合物は、抗血小板薬物、抗凝固剤薬物および/もしくは抗血栓症薬物またはこれらの組み合わせであり得る。
別の局面では、本発明は、PQQを被験体に投与することによる低体温性外傷を被った被験体における再灌流障害を予防または低減するための方法を包含する。
本発明のこれらの目的および他の目的は、以下に提供される本発明の詳細な説明から明白である。
(発明の詳細な説明)
本発明の特徴および他の詳細は、添付する図を参考として、より詳細に記載され、そして特許請求の範囲に記載される。本明細書に記載された特定の実施形態は、例として示されたもので、本発明を限定するものではないことが理解される。本発明の基本的な特徴は、本発明の範囲を逸脱することなく、種々の実施形態で使用され得る。全ての部およびパーセントは、他に特定しない限り、重量基準である。
(定義)
便宜上、本明細書、実施例および添付した特許請求の範囲で使用された特定の用語は、ここに収集される。他に定義しない限り、本明細書で使用された全ての技術用語および科学用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般的に理解される意味と同一の意味を有する。しかし、これらの定義が、当該分野で広まっている意味から変化する程度まで、以下の定義は制御する。
「虚血」とは、心筋の血流の低減または停止を含む。
「低酸素症」とは、身体の組織に到達する酸素量の不足を含む。
「低酸素症または虚血関連外傷」は、心損傷を含む。
「再灌流」は、心臓発作または脳卒中後のような血流の供給が止められた器官または組織への血流の回復を含む。
「酸化ストレス」とは、過剰のフリーラジカル、抗酸化剤レベルの減少またはその両方が存在する場合に生じる症状を含む。
「壊死」は、特に、身体の局在した領域(例えば、心筋)での外傷または疾患を介した細胞または組織の死を含む。
「アポトーシス」とは、プログラム細胞死をいう。
「βブロッカー」とは、アドレナリンβ作用性レセプターでの競合アンタゴニストとして作用する薬剤(例えばアテノロール、メトプロロールおよびプロプラノロール)を含む。このような薬剤としてはまた、低減した全身の副作用を可能にする心臓(β−1)レセプターに対してより選択的なものが挙げられる。βブロッカーは、高血圧、心臓不整脈、偏頭痛および交感神経系に関連する他の障害と関係した症状を低減する。βブロッカーはまた時々、心臓の鼓動を安定化させるために、心臓発作後に投与される。交感神経系では、βアドレナリン作用性レセプターは、主に心臓、肺、肝臓および血管に局在する。βブロッカーは、神経刺激ホルモンであるエピネフリンとレセプター部位に関して競合し、従ってエピネフリンの作用を妨害し、血圧および心拍数を低下させ、不整脈を停止させ、そして偏頭痛を予防する。
「心損傷」とは、心臓および/または関連組織(例えば、心膜、大動脈および他の関連した血管)に関連する任意の慢性または急性の病理学的事象(虚血再灌流障害、鬱血性心不全、心拍停止、心筋梗塞、化合物(例えば、薬物(例えば、ドキソルビシン, ハーセプチン(登録商標), チオリダジンおよびシサプリド))によって引き起こされる心臓毒性、寄生虫感染(細菌、菌類、リケッチアおよびウイルス(例えば、梅毒、慢性Trypanosoma cruzi感染)の感染)に起因する心臓損傷、急性心臓アミロイド症、心臓手術、心臓移植および外傷性心損傷(例えば、穿通性心損傷(penetrating cardiac injury)もしくは閉鎖性心損傷(blunt cardiac injury)、大動脈弁断裂(aortic valve rupture)が挙げられる)を含む。
「被験体」とは、生きている生物(例えば、ヒト、サル、ウシ(cow)、ヒツジ、ウマ、ブタ、ウシ(cattle)、ヤギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、これら由来の培養細胞およびこれらのトランスジェニック種)を含む。好ましい実施形態では、被験体はヒトである。本発明の組成物の処置すべき被験体への投与は、被験体の症状を処置するために有効な投薬量および時間で、公知の手順を使用して実施され得る。治療効果を達成するために必要な治療化合物の有効量は、因子(例えば、被験体の年齢、性別および体重ならびに治療化合物の被験体における外性薬剤を処理する能力)に従って変動し得る。投薬量処方計画は、最適治療反応を提供するように適合され得る。例えば、数回にわけた用量は、毎日投与され得るか、または用量は治療状況の急迫した事情により示されるように比例的に減少され得る。
「実質的に純粋」とは、天然では化合物と一緒にある成分から分離された化合物(例えば、薬物、タンパク質またはポリペプチド)を含む。代表的には、サンプル中の全物質の少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%、そして最も好ましくは少なくとも99%(体積で、湿重量もしくは乾燥重量で、またはモル%またはモル分率で)が目的の化合物である場合に化合物は実質的に純粋である。純度は、任意の適切な方法(例えば、ポリペプチドの場合には、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動またはHPLC分析)により測定され得る。化合物(例えば、タンパク質)はまた、天然に一緒に存在する成分が実質的にない場合またはその天然の状態で化合物と一緒に存在する天然の不純物から分離される場合に、実質的に精製される。例えば、サンプル中で総タンパク質の少なくとも95%(体積で、湿重量もしくは乾燥重量で、またはモル%またはモル分率で)が、目的のタンパク質またはポリペプチドである均質に純粋な化合物(例えば、タンパク質またはポリペプチド)は、用語「実質的に純粋」の意味に含まれる。
「投与」は、本発明の組成物が、それらの意図される機能(例えば、低酸素症または虚血によって引き起こされる心外傷の処置または予防)を発揮することを可能にする投与経路を含む。処置する疾患または症状に依存して、非経口投与(例えば、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、皮下注射)、経口投与(例えば、食事)、局所投与、鼻腔投与、直腸投与または徐放性マイクロキャリアを含む種々の投与経路が可能であるが、必ずしもこれらに限定されない。経口投与、非経口投与および静脈内投与は、投与の好ましい様式である。投与される化合物の処方(例えば、溶液、エマルション、ジェル、エアゾール、カプセル)は、選択される投与経路によって異なる。投与される化合物を含む適切な組成物は、生理学的に受容可能なビヒクルまたはキャリアおよび任意に添加したアジュバントおよび防腐剤中で調製され得る。溶液またはエマルションに関しては、適切なキャリアとしては、例えば、水性またはアルコール/水性の溶液、エマルションまたは懸濁液、生理食塩水および緩衝媒体を含んでもよく、滅菌水、クリーム、膏薬、ローション、オイル、ペーストおよび固体キャリアが挙げられる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンガーデキストロース、デキストロースと塩化ナトリウム、乳酸化リンガー液または不揮発油などが挙げられ得る。静脈内ビヒクルとしては、種々の添加剤、防腐剤または液体、栄養分または電解質補充薬が挙げられ得る(一般的に、Remington’s Pharmaceutical Science, 第16版, Mack編. (1980)を参照のこと)。
「有効量」とは、ピロロキノリンキノンの意図される機能(例えば、本明細書に記載されるような低酸素症または虚血により引き起こされる心損傷を部分的または全体的に処置するかまたは予防する)の実行を可能にする量を含む。有効量は、生物学的活性、年齢、体重、性別、一般的健康状態、処置される症状の重篤度ならびに適切な薬理学的動力学特性を含む多数の因子に依存する。例えば、活性物質の投薬量は、約0.01mg/kg/日〜約500mg/kg/日であり得、都合よくは、約0.1mg/kg/日〜約100mg/kg/日であり得る。治療的に有効量の活性物質が、単回用量または複数回用量で適切な経路により投与され得る。さらに、活性物質の投薬量は、治療状況または予防状況の急迫した事情により示されるように、比例的に増加または減少され得る。
「特異的な結合」または「特異的に結合する」とは、ピロロキノリンキノンまたはそのリガンドを認識し、結合するが、サンプル中の他の分子は実質的に認識せず、また結合しないタンパク質(例えば、抗体)を含む。
「薬学的に受容可能なキャリア」とは、化合物の活性と適合性で、被験体に生理学的に受容可能である任意のかつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌薬剤、抗菌薬剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。薬学的に受容可能なキャリアの例は、緩衝化標準生理食塩水(0.15M NaCl)である。薬学的に活性な物質に対するこのような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任意の従来的な媒体または薬剤が、治療化合物と不適合である場合を除いては、薬学的投与に適した組成物中でのその使用が企図される。追加の活性化合物もまた、組成物中に組み込まれ得る。
「薬学的に受容可能なエステル」とは、相対的に無毒性の本発明の治療化合物のエステル化した産物を含む。これらのエステルは、治療化合物の最後の単離および精製の間に、インサイチュで調製され得るかまたはその遊離酸形態もしくはヒドロキシルの形態で精製された治療化合物を、適切なエステル化剤と別に反応させることにより調製され得、そのどちらかは、当業者に公知の方法である。酸は、当業者に周知の方法(例えば、触媒の存在下でアルコールで処理することにより)に従ってエステルに変換され得る。
「添加成分」としては、以下の一つ以上が挙げられるが、これらに限定されない:賦形剤、界面活性剤、分散剤、不活性希釈剤、顆粒剤および崩壊剤、結合剤、滑沢剤、甘味剤、着香剤、着色剤、防腐剤、生理学的に分解可能な組成物(例えば、ゼラチン)、水性ビヒクルおよび水性溶媒、油性ビヒクルおよび油性溶媒、懸濁剤、分散剤または湿潤剤、乳化剤、鎮痛剤、緩衝液、塩、濃化剤、フィラー、乳化剤、抗酸化剤、抗菌剤、抗細菌剤、安定化剤および薬学的に受容可能なポリマーまたは疎水性物質。本発明の薬学的組成物に含まれ得る他の「添加成分」は、当該分野で公知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences中に記載される。
「単位用量」とは、規定量の活性成分を含む薬学的組成物の分割した量を含む。
ピロロキノリンキノン(PQQ)は、水溶性のアニオン性キノンであり、種々の還元剤および酸化剤との間で触媒的に電子を移し得、真核生物細胞で、可溶性電子輸送系の一部であり得る。適切なPQQは、一般的構造
Figure 2005530786
のものである。
「ピロロキノリンキノン」とは、化学的類似性を有する(PQQの密接に関連した異性体および立体異性体アナログを含む)ピロロキノリンキノンファミリーの任意のメンバー(例えば、Zhangら, 1995, Biochem. Biophys. Res. Commun. 212: 41−47, 1995を参照のこと)を含む。PQQはまた、メトキサチンとしても公知である。PQQは、動物組織および液体中で見出される。理論により束縛されることは望まないが、PQQは、フリーラジカル、特に活性酸素種(ROS)の捕捉剤として作用し得る。従って、PQQは、NADPH依存性メトヘモグロブリンリダクターゼ基質として機能し得る(例えば、Xuら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1992, 89 (6): 2130−4).を参照のこと)。他のNADPH依存性メトヘモグロブリンリダクターゼ基質は、低酸素症または虚血関連心損傷を低減するかまたは除去するために機能し得る。
実質的に精製されたピロロキノリンキノンを含有する組成物は、ピロロキノリンキノンのみを含有してもよく、または他の成分(例えば、βブロッカー)および好ましくは心臓防御シグナル伝達経路を調節するのに効果的である化合物(例えば、フェニルエフェリン、スフィンゴシン−1−リン酸またはガングリオシドGM−1)と組み合わせて含有してもよい。ピロロキノリンキノンは、当業者に周知の方法のいずれかにより、実質的に精製され得る(例えば、E.J.CoreyおよびAlfonso Tramontano,J.Am.Chem.Soc.,103,5599−5600(1981);J.A.Duine,Review Ann.Rev.Biochem.58,403(1989)を参照のこと。)
本発明のピロロキノリンキノンは、一つの実施形態では、緩衝液、塩、他のタンパク質および薬学的組成物として受容可能な他の成分もまた含み得る薬学的組成物の成分である。本発明はまた、ピロロキノリンキノンの改変した形態もまた含み、それは、本明細書に記載されるように、低酸素症/虚血性心損傷を予防または低減し得る。
本発明の治療化合物の構造は、不斉炭素原子を含み得る。従って、このような不斉から生じる異性体(例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー)は、本発明の範囲内に含まれる。このような異性体は、伝統的な分離技術および立体構造的に制御された合成により、実質的に純粋な形態で入手され得る。本出願の目的のために、明確に逆に示さない限り、治療化合物は、各キラル中心においてRまたはSの両方の立体異性体を含むことを意味する。特定の実施形態において、本発明の治療化合物は、カチオンを含む。カチオン基が、水素、Hである場合、治療化合物は、酸であると考えられる。水素が金属イオンまたはその等価物に置き換えられる場合、治療化合物は、その酸の塩である。治療化合物の薬学的に受容可能な塩は、本発明の範囲内であり、例えば、薬学的に受容可能なアルカリ金属(例えば、Li、NaまたはK)塩、アンモニウムカチオン塩、アルカリ土類カチオン塩(例えば、Ca2+、Ba2+、Mg2+)、より高い価のカチオン塩、またはポリカチオン対イオン塩(例えば、ポリアンモニウムカチオン)が挙げられる。(例えば、Bergeら、(1977)「Pharmaceutical Salts」,J.Pharm.Sci.66:1−19を参照のこと。)アニオン化合物の塩形成対イオン(存在する場合)に対するアニオン化合物の化学量論は、化合物(存在する場合)のアニオン部分の電荷および対イオンの電荷に依存する。好ましい薬学的に受容可能な塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩が含まれるが、薬学的に受容可能な範囲内の他の塩もまた企図される。
本発明は、例えば、被験体の低酸素症また虚血によって引き起こされる心筋酸化ストレスを処置または予防するための方法に関連する。このことは、酸化ストレスの標的である心筋細胞が細胞死から防御されるように、心筋酸化ストレスを調節する好ましくは無毒性量の薬剤(例えば、PQQ)のこのような投与を必要とする被験体への投与によりなされる。細胞死は、例えば、壊死またはアポトーシスのどちらに起因してもよい。
心臓防御シグナル伝達経路は、当該分野で公知である。これらの経路は、心臓防御シグナル伝達経路の効果を増強するかまたは維持するために、有効量のピロロキノリンキノンを投与することによる心臓防御の必要な患者の増強のための標的となり得る。
虚血症状または低酸素症状により産生されるフリーラジカルは、心筋死につながる心筋損傷の重要な原因であることが見出されている。以下のように、インビボで投与された(例えば、無毒性投薬量で)PQQの投与は、PQQ媒介性フリーラジカル捕捉またはフリーラジカル産生の阻害のどちらかにより、心筋酸化ストレスフリーラジカル損傷を阻害または予防するための有効な処置である。
本発明の化合物の投与は、臨床的に必要な場合または所望の場合、例えば、再灌流の開始時または再灌流の前になされ得る。
驚くべきことに、このような投与を必要とする被験体に、無毒性量のピロロキノリンキノンを投与することにより、冠動脈流は、被験体(例えば、低血流症状を被った被験体)中で有益に改善され得ることもまた見出されている。このことは、実施例中に例示される。冠動脈流は、いくつかの指示器(例えば、左室拡張期血圧(「LVDP」) または左室(「LVEDP」))により測定され得る。冠動脈流の測定(例えば、LVDPまたはLVEDPを決定することによる)は、当業者の技術の範囲内である。
従って、低酸素症または虚血(例えば、心筋梗塞)により引き起こされる心損傷は、好ましくは、無毒性投薬量(例えば、約10μM未満の濃度で)でのピロロキノリンキノンの投与により処置される得るかまたは予防され得る。
本発明は、被験体の低酸素症または虚血により引き起こされた心損傷を処置するかまたは予防する方法を包含し、ここで、PQQは、低酸素症関連損傷または虚血関連損傷が予防または低減されるように、このような投与を必要とする被験体に投与され得る。特定の実施形態において、PQQは、約10μMより低い濃度で投与される。他の実施形態では、PQQは、約10nM〜約10μM、約10nM〜約1μM、100nM〜約10μMおよび100nM〜約500nMの範囲の濃度で投与される。本発明のさらに他の実施形態では、PQQはPQQの心臓組織の部位での濃度が10nM〜約10μMの範囲になるような濃度で投与される。PQQはまた被験体の体重の関数として投与され得る。本発明のいくつかの実施形態において、PQQは被験体の体重の約1μg/kg〜1g/kgの間の濃度で投与され、その濃度としては、500mg/kg未満、250mg/kg未満、100mg/kg未満、10mg/kg、5mg/kg、2mg/kg、1mg/kg、500μg/kg未満、250μg/kg未満、100μg/kg未満、10μg/kg未満、5μg/kg未満、2μg/kg未満または1μg/kg未満が挙げられる。本発明のさらなる実施形態では、PQQは、無毒性濃度で投与され、その濃度は、細胞増殖抑制性であるが細胞毒性ではないPQQの濃度を含み、意図する一つ以上の細胞型(例えば、心筋細胞)以外の細胞型に対して細胞毒性である濃度を含む。公知の濃度のPQQの1つ以上の細胞型に対する細胞毒性の決定は、当業者の能力内である。非限定的な例として、培養された成体マウスの心筋細胞に対する毒性が、100μM PQQの濃度で観察される。いくつかの実施形態において、PQQは、他の化合物(例えば、抗血小板薬物、抗凝固剤薬物および抗血栓症薬物)と組み合わせて投与される。
本発明の方法および組成物により処置され得るかまたは予防され得る心臓損傷としては、低酸素症および/または虚血により引き起こされるかまたは影響される全ての心臓損傷が挙げられる。このような損傷としては、虚血再灌流障害、鬱血性心不全、心筋梗塞、薬物(例えば、薬物(例えば、ドキソルビシン))により引き起こされる心臓毒性、寄生虫感染に起因する心臓損傷、劇症心臓アミロイドーシス、心臓手術、心臓移植および外傷性心損傷が挙げられるがこれらに限定されない。関連した血管および/または組織(例えば、心膜)を含む心臓の全てまたは一部は、損傷し得る。
本発明はまた、低酸素症または虚血関連損傷が予防されるか低減されるように、このような投与を必要とする被験体に、NADPH依存性メトヘモグロビンレダクターゼ基質を投与することによって、被験体の低酸素症または虚血により引き起こされる心臓損傷を処置するかまたは予防する方法も包含する。本発明の実施形態では、NADPH依存性メトヘモグロブリンレダクターゼ基質は、赤血球(例えば、哺乳動物の赤血球(例えば、ヒト、ウシまたはマウス)または非哺乳動物の赤血球(例えば、Rana catesbeiana))から精製される。当業者には、最低限の実験で、NADPH依存性メトヘモグロビンレダクターゼ基質をどのように単離し、精製するかは公知である。
本発明はさらに、ドナーに、器官または組織の取り出しの前に、または同時に、この器官または組織の再灌流により引き起こされる損傷を低減し、予防するように、ピロロキノリンキノンを投与することにより、この器官または組織移植の間の器官損傷または組織損傷を予防する方法を包含する。好ましい実施形態では、移植される器官または組織は、心臓または心臓組織である。PQQはまた、ドナー由来の器官または組織の外科的取り出し後の器官または組織と接触され得る。いくつかの実施形態では、PQQは、公知の器官または組織保存溶液(例えば、University of Wisconsin溶液またはCelsior溶液(Thabutら、Am J Respir Crit Care Med,2001,164(7):1204−8;Faenzaら,Transplantation,2001,72(7):1274−7を参照のこと))に添加される。
本発明はなおさらに、被験体をピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアで処置することにより、心臓疾患を被った被験体(例えば、ヒト)の脳卒中を予防する方法を包含する。いくつかの実施形態では、ピロロキノリンキノンは、約10μM未満の濃度で被験体に投与される。PQQは、患者の脳卒中の可能性が増加し得る外科的手順の前または外科的手順と同時に投与され得る。1つの実施形態では、手順は、バルーン血管形成術である。他の手順としては、冠動脈バイパス手術および弁置換手術が挙げられる。PQQは、抗血管形成薬剤(例えば、クーマディン)の前に、同時にまたは後に投与され得る。
本発明はまた、被験体をピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアで処置することにより被験体(例えば、ヒト)の頭痛を軽減するかまたは予防する方法を包含する。このような頭痛としては、急性偏頭痛および慢性偏頭痛ならびに鼻炎性頭痛が挙げられる。
本発明はなおさらに、被験体をピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアで処置することにより低体温症を被った被験体(例えば、ヒト)の再灌流障害を予防する方法を包含する。被験体は、当該分野で一般的に公知である低体温症を被った人を処置するための標準的再加温手順の前かまたは同時にPQQで処置され得る。
本発明は、活性成分として低酸素性/虚血性心損傷の予防または低減に有用である化合物を含有する薬学的組成物の調製および使用を包含する。このような薬学的組成物は、被験体への投与に適した形態で、活性成分のみからなり得るか、または薬学的組成物は、活性成分および1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア、1つ以上の添加成分またはこれらのいくつかの組合せを含み得る。活性成分は、当該分野で周知であるように、例えば、生理学的に受容可能なカチオンまたはアニオンと組み合わせて、薬学的に受容可能なエステルまたは塩の形態で薬学的組成物中に存在し得る。さらに、ピロロキノリンキノンは、調製物の効果に悪い影響を与えない(例えば、虚血または再灌流障害を低減するかまたは阻害する)限り、薬理学的に受容可能な添加剤(例えば、キャリア、賦形剤および希釈剤)、安定化剤または一般的に薬学的製品に使用される調製物の処方に必要な成分を含み得る。
添加剤および安定化剤の例としては、糖類(例えば、単糖類(例えば、グルコースおよびフルクトース)、二糖類(例えば、スクロース、ラクトースおよびマルトース)ならびに糖アルコール(例えば、マンニトールおよびソルビトール));有機酸(例えば、クエン酸、マレイン酸および酒石酸)ならびにそれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩およびカルシウム塩);アミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン酸およびグルタミン酸)およびそれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩またはカリウム塩);界面活性剤(例えば、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル);ヘパリンならびにアルブミンが挙げられる。
本明細書で記載される薬学的組成物の処方物は、薬理学の分野で公知の任意の方法または今後開発される方法により調製され得る。一般に、このような調製方法は、活性成分をキャリアまたは1つ以上の他の補助成分と一緒にする工程、および次いで必要であるかまたは所望の場合、製品を、単回用量単位または複数回用量単位に形作るかまたは包装する工程を含む。
本明細書に提供された薬学的組成物の記述は主に、ヒトに対する倫理的な投与に適した薬学的組成物に関するが、このような組成物は、一般に全ての種の動物に対する投与に適していることが当業者に理解される。種々の動物への投与に適した組成物を提供するためのヒトへの投与に適した薬学的組成物の改変がよく理解され、当該分野の獣医薬理学者は、必要な場合、単に通常の実験のみで、このような改変を設計し、そして実施し得る。本発明の薬学的組成物の投与が企図される被験体としてはヒトおよび他の霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の方法に有用である薬学的組成物は、経口、直腸、膣、非経口、局所、肺、鼻腔内、舌下、眼または他の投与経路に適した組成物で調製され、包装されまたは販売される。好ましい形態は、静脈内投与である。
ピロロキノリンキノンおよび前述の成分は、必要に応じて混合され、粉末、顆粒、錠剤、カプセル、シロップ、注射などを生じる。他の企図される処方物は、突出ナノ粒子、リポソーム調製物、活性成分を含む再び封じた(resealed)赤血球および免疫学に基いた処方物を含有する。
本発明の薬学的組成物は、単回単位用量または複数の単回単位用量として大量に調製され得、包装され得、また販売され得る。活性成分の量は、一般的に、活性成分の投薬量と等量であり、これは、被験体に投与されるか、またはこのような投薬量の好都合な画分で(例えば、このような投薬量の2分の1または3分の1)、被験体に投与される。
本発明の薬学的組成物中の活性成分、薬学的に受容可能なキャリアおよび任意の添加成分の相対量は、処置される被験体の個性、大きさおよび症状に依存して変動し、さらに、その組成物が投与される経路に依存して変動する。例として、組成物は、0.1%〜100%(w/w)の活性成分を含有し得る。
活性成分に加えて、本発明の薬学的組成物は、さらに、1つ以上のさらなる薬学的に活性な薬剤を含有し得る。
特に企図されるさらなる薬剤としては、制吐剤および捕捉剤(例えば、シアン化合物、シアン酸捕捉剤)が挙げられる。本発明の薬学的組成物の制御性放出組成物または持続性放出組成物は、従来技術を使用して作製され得る。
経口投与に適した本発明の薬学的組成物の処方物は、分離した固体用量単位の形態で調製され得、包装され得、また販売され得、その形態としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:錠剤、硬カプセルまたは軟カプセル、カシェ剤(cachet)、トローチ(troche)または口内錠(lozenge)、これらはそれぞれ、予め決めた量の活性成分を含む。経口投与に適した他の処方物としては、粉末組成物もしくは顆粒組成物、水性懸濁液もしくは油性懸濁液、水性溶液もしくは油性溶液またはエマルションが挙げられるが、これらに限定されない。
活性成分を含む錠剤は、例えば、必要に応じて1つ以上のさらなる成分とともに、活性成分を圧縮するか成形することにより製造され得る。圧縮された錠剤は、必要に応じて1つ以上の結合剤、潤滑剤、賦形剤、界面活性剤および分散剤と混合して、適切なデバイスで活性成分を自由に流れる形態(例えば、粉末調製物または顆粒調製物)に圧縮することにより調製され得る。成形された錠剤は、適切なデバイスで活性成分、薬学的に受容可能なキャリアおよび少なくとも混合物を湿らせるために十分な液体の混合物を成形することにより製造され得る。錠剤の製造に使用される薬学的に受容可能な賦形剤としては、不活性な希釈剤、造粒剤および崩壊剤、結合剤および潤滑剤が挙げられるが、これらに限定されない。公知の分散剤としては、ジャガイモデンプンおよびグリコール酸デンプンナトリウムが挙げられる。公知の界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。公知の希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、微晶質セルロース、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムおよびリン酸ナトリウムが挙げられる。公知の造粒剤および崩壊剤としては、コーンスターチおよびアルギン酸が挙げられる。公知の結合剤としては、ゼラチン、アラビアゴム、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。公知の潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカおよびタルクが挙げられる。
被験体の胃腸管での分解の遅延を達成し、それによって持続性の放出および活性成分の持続性の吸収を達成するために、錠剤は、非コートであり得るかまたは公知の方法を使用してコートされ得る。例として、例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような物質が、錠剤をコートするために使用され得る。さらなる例として、錠剤は、浸透圧的に制御された放出錠剤を形成するために、例えば、米国特許番号第4,256,108号;同第4,160,452号および同第4,265,874号に記載される方法を使用してコートされ得る。錠剤は、薬剤的に的確かつ口当たりの良い調製物を提供するために、さらに、甘味剤、矯味剤、着色剤、防腐剤またはこれらのいくつかの組合せを含み得る。
活性成分を含む硬カプセルは、生理学的に分解性の組成物(例えば、ゼラチン)を使用して作製され得る。このような硬カプセルは、活性成分を含み、さらに、添加成分(例えば、不活性な固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)を含む)を含み得る。
活性成分を含む軟ゼラチンカプセルは、生理学的に分解性の組成物(例えば、ゼラチン)を使用して作製され得る。このような軟カプセルは、活性成分を含み、それは、水または油性媒体(例えば、ピーナッツオイル、液体パラフィンまたはオリーブオイル)と混合され得る。
経口投与に適した本発明の薬学的組成物の液体処方物は、使用前に、水または別の適切なビヒクルと再構成することが意図される液体形態または乾燥製品の形態のどちらかで、調製され得、包装され得、そして販売され得る。
液体懸濁液は、水性または油性ビヒクル中での活性成分の懸濁液を達成するために、従来的な方法を使用して調製され得る。水性ビヒクルとしては、例えば、水および等張な生理食塩水が挙げられる。油性ビヒクルとしては、例えば、アーモンドオイル、油性エステル、エチルアルコール、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油、分画植物油および鉱物油(例えば、液体パラフィン)が挙げられる。液体懸濁液はさらに、1つ以上の添加成分を含み得、これらとしては、懸濁剤、分散剤または湿潤剤、乳化剤、緩和剤、防腐剤、緩衝液、塩、香料、着色料および甘味料が挙げられるがこれらに限定されない。油性懸濁液はさらに、濃化剤を含み得る。公知の懸濁剤としては、ソルビトールシロップ、硬化食用油脂、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アカシアゴムおよびセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)が挙げられるが、これらに限定されない。公知の分散剤および湿潤剤としては、天然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、脂肪酸、長鎖脂肪族アルコール、脂肪酸に由来する部分エステルおよびヘキシトール(hexitol)または脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルを含むアルキレンオキシドの濃縮産物(例えば、それぞれ、ポリオキシエチレンステアレート、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートおよびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。公知の乳化剤としては、レシチンおよびアラビアゴムが挙げられる。公知の防腐剤としては、メチル、エチルまたはn−プロピル−パラ−ヒドロキシベンゾエート、アスコルビン酸およびソルビン酸が挙げられる。公知の甘味料としては、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、スクロースおよびサッカリンが挙げられる。油性懸濁液のための公知の濃化剤としては、例えば、蜜蝋、硬質パラフィンおよびセチルアルコールが挙げられる。
水性溶媒または油性溶媒中の活性成分の溶液は、液体懸濁液と実質的に同一の様式で調製され得、活性成分が、溶媒に懸濁されるというよりはむしろ溶解されるという主要な相違が存在する。本発明の薬学的組成物の溶液は、液体懸濁液に関して記載された成分のそれぞれを含み得、懸濁剤が溶媒中の活性成分の溶解を必ずしも補助しないことが理解される。水性溶媒としては、例えば、水および等張生理食塩水が挙げられる。油性溶媒としては、例えば、アーモンド油、油性エステル、エチルアルコール、植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油)、分画植物油および鉱物油(例えば、液体パラフィン)が挙げられる。
本発明の薬学的調製物の粉末化処方物および顆粒化処方物は、公知の方法を使用して調製され得る。このような処方物(例えば、錠剤を形成するため、カプセルを満たすため、または水性ビヒクルもしくは油性ビヒクルをそこに添加することにより、水性もしくは油性懸濁液もしくは溶液を調製するために使用される)は、直接被験体に投与され得る。これらの処方物のそれぞれは、さらに1つ以上の分散剤または湿潤剤、懸濁剤および防腐剤を含み得る。さらなる賦形剤(例えば、フィラーおよび甘味料、香料または着色剤)はまた、これらの処方物に含まれ得る。
本発明の薬学的組成物はまた、水中油型エマルションまたは油中水型エマルションの形態で調製され得、包装され得、または販売され得る。油相は、植物油(例えば、オリーブ油またはラッカセイ油)、鉱物油(例えば、液体パラフィン)またはこれらの組合せであり得る。このような組成物はさらに1つ以上の乳化剤(例えば、天然に存在するゴム(例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然に存在するホスファチド(例えば、大豆ホスファチドまたはレシチンホスファチド)、脂肪酸と無水ヘキシトール(例えば、ソルビタンモノオレエート)との組み合わせに由来するエステルもしくは部分エステル)およびこのような部分エステルのエチレンオキサイド(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)との濃縮産物を含み得る。これらのエマルションは、また添加成分(例えば、甘味料または香料を含む)を含み得る。
本発明の薬学的組成物は、直腸投与に適した処方物で調製され得、包装され得、または販売され得る。このような組成物は、例えば、座薬、保持浣腸剤調製物(retention enema preparation)および直腸または結腸洗浄のための溶液の形態であり得る。
座薬処方物は、活性成分を非刺激性の薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて作製され得、その賦形剤は、通常の室温(すなわち、約20℃)では、固体であり、被験体の直腸温度(すなわち、健常なヒトでは、約37℃)では液体である。適切な、薬学的に受容可能な賦形としては、カカオ脂、ポリエチレングリコールおよび種々のグリセリドが挙げられるがこれらに限定されない。座薬処方物はさらに、種々の添加成分(抗酸化剤および防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
保持浣腸剤調製物または直腸もしくは結腸洗浄のための溶液は、活性成分を薬学的に受容可能な液体キャリアと組み合わせて作製され得る。当該分野で周知なように、浣腸組成物は、被験体の直腸構造に適合した送達デバイスを使用して投与され得、そして送達デバイス内に包装され得る。浣腸調製物はさらに、種々の添加成分(抗酸化剤および防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
本発明の薬学的組成物は、膣投与に適した処方物で調製され得、包装され得、または販売され得る。このような組成物は、例えば、座薬の形態、含浸させたかまたは被覆させた膣に挿入し得る物質の形態(例えば、タンポン、洗浄調製物、ジェルもしくはクリームまたは膣洗浄用の溶液)であり得る。
化学組成物を含む物質を、含浸させるかまたは被覆させるための方法は、当該分野で公知であり、その方法としては、化学組成物を表面に沈着させるかまたは結合させる方法、材料の合成の間に、材料(すなわち、例えば、生理学的に分解可能な材料)の構造に化学組成物を組み込む方法および水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液を吸収性材料に吸収させる(後に乾燥させるかまたは乾燥させない)方法が挙げられるがこれらに限定されない。
膣洗浄のための洗浄調製物または溶液は、活性成分を薬学的に受容可能な液体キャリアと組み合わせて作製され得る。当該分野で周知なように、洗浄調製物は、被験体の膣構造に適合した送達デバイスを使用して投与され得、そして送達デバイス内に包装され得る。
洗浄調製物はさらに、種々の添加成分(抗酸化剤、抗生物質、抗真菌剤および防腐剤をが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
化合物の投与のためのさらなる送達方法としては、薬物送達デバイス(例えば、米国特許第5,928,195号に記載される)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、薬学的組成物の「非経口投与」とは、被験体の組織の物理的切開により特徴付けられる任意の投与および組織の裂け目を介した薬学的組成物の投与の任意の経路を含む。従って、非経口投与は、組成物の注射によるか、外科的切開を介した組成物の適用によるか、組織貫通非外科的創傷を介した組成物の適用などによる薬学的組成物の投与を含むが、これらに限定されない。特に、非経口投与としては、皮下注射、腹腔内注射、筋肉内注射および腎臓透析注入技術が企図されるが、これらに限定されない。
非経口投与に適した薬学的組成物の処方物は、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、滅菌水または滅菌等張生理食塩水)と組み合わせた活性成分を含む。このような処方物は、丸薬または持続投与に適した形態で調製され得、包装され得、または販売され得る。注射し得る処方物は、単位投薬量形態(例えば、アンプルまたは防腐剤を含む複数用量容器で)で調製され得、包装され得、または販売され得る。非経口投与のための処方物としては、懸濁液、溶液、油性ビヒクル中のエマルションもしくは水性ビヒクル中のエマルション、ペーストおよび移植可能な持続性放出処方物または生分解性処方物が挙げられるが、これらに限定されない。このような処方物はさらに、1つ以上の添加成分(懸濁剤、安定化剤または分散剤が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。非経口投与のための処方物の1つの実施形態では、活性成分は、再構成された組成物の非経口投与前の、適したビヒクル(例えば、ピロゲンを含まない滅菌水)との再構成のための乾燥形態(すなわち、粉末または顆粒)で提供される。
薬学的組成物は、滅菌注射水性もしくは油性懸濁液もしくは溶液の形態で、調製され得、包装され得、または販売され得る。この懸濁液または溶液は、公知技術に従って処方され得、活性成分に加えて、添加成分(例えば、本明細書に記載される分散剤、湿潤剤または懸濁剤)を含み得る。このような滅菌注射処方物は、無毒性の非経口的に受容可能な希釈剤もしくは溶剤(例えば、水または1,3−ブタンジオール)を使用して調製され得る。他の受容可能な希釈剤および溶剤としてはリンガー溶液、等張塩化ナトリウム溶液および不揮発性油(例えば、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリド)が挙げられるがこれらに限定されない。他の非経口的に投与し得る有用な処方物としては、微結晶形態で活性成分を含む処方物、リポソーム調製物中に含む処方物または生分解性ポリマー系の成分として含む処方物が挙げられる。持続性放出または移植のための組成物は、薬学的に受容可能なポリマー性物質または疎水性物質(例えば、エマルション、イオン交換樹脂、やや溶けにくいポリマーまたはやや溶けにくい塩)を含み得る。
局所投与に適した処方物としては、液体調製物もしくは半液体調製物(例えば、塗布薬、ローション、水中油型エマルションもしくは油中水型エマルション(例えば、クリーム、軟膏もしくはペースト)および溶液もしくは懸濁液)が挙げられるが、これらに限定されない。局所に投与し得る処方物は、例えば、約1%〜約10%(w/w)の活性成分を含むが、この活性成分の濃度は、溶媒中での活性成分の溶解性の限界と同等に高くあり得る。局所投与のための処方物は、さらに、本明細書に記載される1つ以上の添加成分を含み得る。
本発明の薬学的組成物は、口腔を介した肺投与に適した処方物で調製され得、包装され得、または販売され得る。このような処方物は、活性成分を含み、約0.5nm〜約7nmの範囲の直径、そして好ましくは約1nm〜約6nmの範囲の直径を有する乾燥粒子を含み得る。このような組成物は、好都合なことに、噴射剤の流れが粉末を分散し得る乾燥粉末レザバまたは自己噴霧溶媒/粉末分配容器(例えば、密閉した容器中の低沸点の噴射剤中に溶解したかまたは懸濁した活性成分を含むデバイス)を備えるデバイスを使用する投与のために、乾燥粉末の形態である。好ましくは、このような粉末は、粒子の少なくとも98%(重量で)が、0.5nmより大きい直径を有し、粒子の少なくとも95%(数で)が、7nmより小さい直径を有する粒子を含む。より好ましくは、粒子の少なくとも95%(重量で)が、1nmより大きい直径を有し、粒子の少なくとも90%(数で)が、6nmより小さい直径を有する。乾燥粉末組成物は好ましくは、固体微細粉末希釈剤(例えば、砂糖)を含み、好都合なことに、単位用量形態で提供される。
低沸点噴射剤は、一般的に、大気圧で、65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を含む。一般的に、噴射剤は、組成物の50〜99.9%(w/w)を構成し得、活性成分は、組成物の0.1〜20%(w/w)を構成し得る。噴射剤はさらに、添加成分(例えば、液体非イオン性界面活性剤または固体アニオン性界面活性剤または固体希釈剤)(好ましくは、活性成分を含む粒子と同一の次数の粒子サイズを有する)を含み得る。
肺送達のために処方された本発明の薬学的組成物はまた、活性成分を溶液もしくは懸濁液の液滴の形態で提供し得る。このような処方物は、水性溶液もしくは希釈アルコール溶液もしくは懸濁液として調製され得、包装され得、また販売され得、任意に滅菌され、活性成分を含み得、都合良く任意の噴霧デバイスまたは微粒化デバイスを使用して投与され得る。このような処方物は、さらに1つ以上の添加成分をを含み得、その添加成分としては、賦香料(例えば、サッカリンナトリウム)、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤または防腐剤(例えば、メチルヒドロキシベンゾエート)が挙げられるが、これらに限定されない。この投与の経路により提供される液滴は、好ましくは、約0.1nm〜約200nmの範囲の平均直径を有する。
肺送達に有用であるとして本明細書に記載される処方物はまた、本発明の薬学的組成物の鼻腔内送達に関しても有用である。
鼻腔内投与に適した別の処方物は、活性成分を含み、約0.2μm〜500μmの平均粒子を有する粗い粉末である。このような処方物は、鼻呼吸が取られる様式、すなわち鼻に近づけて保持された粉末の容器から鼻腔経路を介した急速な吸入により投与される。
鼻腔投与に適した処方物は、例えば、約0.1%(w/w)〜100%(w/w)の量の活性成分を含み得、さらに、本明細書に記載された1個以上の添加成分を含み得る。
本発明の薬学的組成物は、舌下投与に適した処方物で調製され得、包装され得、または販売され得る。このような処方物は、例えば、従来の方法を使用して作られた錠剤またはトローチ剤の形態であり得、例えば、0.1〜20%(w/w)の活性成分を含み得、残りは、経口で可溶性または分解性組成物を含み、そして、必要に応じて、本明細書中に記載される一つ以上の添加成分を含む。あるいは、舌下投与に適した処方物は、粉末を含み得るかまたは活性成分を含むエアゾール化または微粒化された溶液もしくは懸濁液であり得る。このような粉末化されたまたはエアゾール化された処方物は、分散された場合、好ましくは、約0.1〜約200nmの範囲の平均粒子サイズまたは液滴サイズを有し、さらに、本明細書に記載される1つ以上の添加成分を含み得る。
本発明の薬学的組成物は、眼の投与に適した処方物で、調製され得、包装され得、または販売され得る。このような処方物は、例えば、点眼の形態であり得、例えば、水性液体キャリアまたは油性液体キャリア中に0.1〜1.0%(w/w)の活性成分の溶液または懸濁液を含む。このような点眼はさらに、緩衝剤、塩、または本明細書に記載される1つ以上の他の添加成分を含み得る。眼に(ophthalmalmically)投与し得る有用な他の処方物は、それらを含み、微結晶形態中またはリポソーム調製物中に活性成分を含む。
ピロロキノリンキノンおよび薬理学的に受容可能な添加剤の混合物は、好ましくは、凍結乾燥された産物として調製され、使用の際に溶解される。このような調製物は、ピロロキノリンキノンを注射用の希釈水または滅菌精製水用の蒸留水中に可溶化することにより、約0.01〜100.0mg/mlのピロロキノリンキノンを含む溶液中に調製され得る。より好ましくは、生理学的に等張な塩濃度および生理学的に所望のpH値(pH6〜8)を有するように調製される。
用量は、症状、体重、性別、動物種などに依存して適切に決定されるが、一般的には、約1μMの血液濃度を維持する処置選択肢が好ましいと仮定される。この血漿濃度は、1日あたり1回〜数回の用量の投与を介して達成され得る。ピロロキノリンキノンが被験体に投与される場合、0.1ng/kg体重〜10mg/kg体重(例えば、1ng/kg体重〜1mg/kg体重)のピロロキノリンキノンが静脈内に投与され得る。
化合物は、動物に日に数回の頻度で投与され得るかまたはより少ない頻度で(例えば、1日に1回、週に1回、2週間に1回、月に1回またはさらに少ない頻度で、例えば、数ヶ月に1回またはさらに年に1回またはそれ未満で)投与され得る。用量の頻度は、当業者には容易に明らかであり、いくつかの数の因子(例えば、処置される疾患の型および重篤度、動物の型および年齢などが挙げられるが、これらに限定されない)に依存する。
これらの実施例は、例示のみの目的のために提供され、本発明は決してこれらの実施例に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ本明細書中に提供される教示の結果として明白になる任意のかつ全ての改変を含むと解釈されるべきである。
(実施例1.心筋細胞生存性のPQQ保護のインビトロ研究)
PQQによる心臓保護を研究するために、培養した成体マウスの心筋細胞のインビトロのモデルを開発した。これらの細胞は、生理学的pHで、48時間までの培養で生存し、90%より多くが棒状の細胞からなる。これらの細胞は、トリパンブルー除外により、細胞生存度の決定に容易に使用され得、そして、生物化学的研究、免疫化学的研究および分子研究に使用され得る。このモデルでは、2〜3時間、低酸素症チャンバー中で0%酸素に曝露した場合、約35%の細胞が死ぬ。図1に示すように、細胞を苛酷な低酸素(0%酸素で2〜3時間)を受ける1時間前に、1μM PQQを添加すると、トリパンブルー除外によって示される生存細胞の割合の顕著な増加を生じる。より高濃度のPQQ(100μM)は、100%細胞死によって明示されるように、酸素正常条件下では、毒性が高い。図2は、低酸素により誘導される細胞死に対する1μM PQQ保護が、10μM 5−ヒドロキシデカン酸(ミトコンドリアKATPチャネルインヒビターである)によって阻害されないことを示す。理論に束縛されることを望まないが、これらのデータは、PQQがミトコンドリアKATPチャネルを開放することによっては心臓防御を発揮しないことを示唆する。
(実施例2.心臓機能のPQQ保護のエキソビボ研究)
Langendorff技術を使用して単離したマウス心臓調製物を使用してエキソビボ研究を行った。この研究法では、心臓を除去し、薬物を大動脈カニューレによって与え得る灌流装置上にマウントする。心臓を一定速度で調整し、左室拡張期血圧(LVDP;左室収縮終期圧−左室拡張終期圧)、左室拡張終期圧(LVEDP)および左室圧の最大陽性および陰性第一誘導体(+dP/dtmaxおよび−dP/dtmax)を記録する。心臓は20分間平衡させる。薬物またはビヒクルが注入された後、心臓は、20分間の虚血を受け(冠動脈流は完全に停止する)、その後、30分間の再灌流を受ける。冠動脈流の反映としての冠状静脈洞流をまた、測定する。このプロトコルは、血流力学パラメーターにより測定される重篤な心筋傷害を導く。
図3に見られるように、冠動脈流の完全な停止のわずか2分前に注入された100nM PQQは、有意なLVDPベースライン1の保護を生じる。VDPを平均化すると、60mmHgである。類似した結果が、LVEDP(図4)で得られる。ベースラインLVEDPを平均すると、8mmHgである。(LVEDPにおける増加が、逆の反応を表すことに注目すべきである)。予測されるように、+および−dP/dtmaxに対するデータは、LVDPを追跡する(図5および図6)。同様に、冠動脈流は、PQQ前処置により、コントロールと比較して、有意に改善される(図7)。
図8では、示される濃度でのPQQの2分間の前処置は、10nMと1μMとの間で、進行性の好ましい反応を有するが、10μMでは、毒性が生じることを示す。主要な興味深い点は、再灌流(PQQ処置)の開始時に投与された100nMのPQQが、前処置と等価であるということである。従って、PQQは、両方の前処置(例えば、心臓外科手順または他の外科手順中および例えば、急性の重大な心臓の事象において生じる症状の後)において有用である。
図9は、PQQ前処置後の梗塞サイズ測定の実験の結果を示す。示されるように、血流力学データと並行して、10nMと1μMとの間で、梗塞サイズの進行性の低減が存在する。後者と一致して、梗塞サイズは、10μM PQQでは、低減しない。
(実施例3.酸化ストレスを受けた細胞のPQQ保護)
培養した心筋細胞を、インビトロでのHの投与により、酸化ストレスに供する。2つの研究を行ない、1つは、PQQを、10nMと10μM未満との間の濃度で、心筋細胞に添加し、その後、Hを添加する。もう1つの研究では、心筋細胞を、インビトロで2時間Hの処理による損傷に供し、その後、PQQを10nMと10μM未満との間の濃度で添加する。両方の研究ともPQQは、保護性であることが見出される。
(実施例4.インビボでの酸化ストレスの予防/低減に対するPQQの使用)
心筋梗塞のげっ歯類モデルをヒト系と比較する。心筋損傷を救助するかまたは防御するPQQの性能を示すために、すなわち、心筋梗塞の低減または予防を決定することにより、心筋梗塞の冠動脈連結マウスモデルを使用する。
(1.心筋梗塞のげっ歯類モデル)
マウスにおける心臓の機能を調査するために、心筋梗塞の冠動脈結紮モデルを使用する。マウスを最初に、ジロジン(zylozine)およびケタミンで麻酔し、適切な知覚麻痺を得た後、気管を挿管し、陽圧換気を開始する。動物を、背臥位に配置し、その四肢をゆるくテープし、胸骨正中切開を行なう。心臓を穏やかに取り出し、6−O縫合糸を、冠動脈の左前下行枝の周りで、堅く結ぶ。心臓を胸部に速やかに配置し、開胸切開を、3−Oパルス線縫合糸で閉じ、その後、断続した縫合糸または外科クリップにより皮膚を閉じる。動物を、温度調節した温熱パッド上に配置し、回復の間、詳しく観察する。必要な場合、追加酸素を投与し、および心肺蘇生を施す。回復後、マウスを管理設備に戻す。このようなマウスにおける冠動脈結紮(litigation)は、大きな前壁心筋梗塞を生成し得る。この手順の48時間の死亡率は、50%の高さであり、この手順により生成される梗塞の大きさは、変化しやすい。
(2.)
実施例2に記載されたエキソビボのLangendorff実験の結果から得た有効PQQ濃度の範囲に基いて、梗塞の開始の前に、または冠動脈結紮を達成した後に、マウスの尾静脈からまたは大動脈からPQQを注入する。コントロールマウスは、ビヒクルのみを受ける。cPKCノックアウトマウスおよびその野生型の同腹子を、実施例2に記載されるエキソビボでの実験の結果に依存するかどうかを研究する。測定の48時間後に、コントロールマウスおよび梗塞マウスに以下を行なう:
(a.超音波心臓検査)
本発明者らは、麻酔をかけられていないマウスの2−DおよびM様式の心エコー図を得る方法を開発した。左室の大きさ、機能、壁の厚さおよび壁の動きを、再現可能に、かつ確実に測定し得る。これらの測定は、PQQ投与に関して、偏りを取り除くために、盲検様式で、実施する。
(b.血流力学)
左室機能障害の程度を決定するために、血流力学測定を使用する。マウスを、イソフルラン(isoflorane)で、麻酔する。右前頸部に沿った切開を介して、右頚動脈および右頚静脈を単離し、圧伝達カテーテル(Millar、SPR−612、1.2Fr)を用いてカニューレ処置する。以下の測定を行う:心拍数、心臓収縮BPおよび心臓拡張BP、平均動脈圧、左室収縮圧および左室収縮終期圧ならびに+および−dp/dt。左室拡張終期圧の測定、心筋損傷の程度と関連した進行性の上昇の測定は、特に有用である。
(c.梗塞サイズ)
標準TTC方法論を使用して梗塞サイズを測定するために、マウスを屠殺する。
これらの実験は、冠動脈結紮の前または後のどちらかのPQQの全身投与が、心エコー検査および血流力学測定および梗塞サイズの減少により評価される血流力学の異常の範囲を含むので、インタクトな動物における有益な効果につながるという仮説を試験する。最初の測定は、48時間で計画されるが、数週間〜数ヶ月を超える連続した測定(そうすることが適切である場合)もまた、マウスの複数の群で、実施され得る。
(限界および代替)
いくつかのマウスでは、梗塞が生成しないかまたは小さな梗塞しか生成せず;これらのマウスは、通常の心エコー図および通常の血流力学(左室拡張終期圧、<8mmHg)により、同定され得る。このようなマウスは、屠殺されないが、実施例1および2に記載される実験で使用され得る。コントロールマウスとPQQ処置マウスとの間で相違が検出されない場合、本発明者らは、より多くの薬物かまたは注入の延長のどちらかを使用して、投薬計画を変える必要がある。本発明者らは、投与経路(静脈内 対 大動脈内)が、投薬についての手引きを提供する(すなわち、直接の大動脈内への投与が、静脈内投与より優れている)ことを見出し得、それに従って、薬物の濃度を調節する。本発明者らはまた、前調整を生じることが公知の他の薬剤(例えば、フェニルエフリン、ホルボールエステル、スフィンゴシン−1−リン酸またはガングリオシドGM−1)と一緒に与えられる場合に、PQQがより有効であることを見出し得る。
(等価物)
当業者は、本明細書に記載された特定の手順に対する多数の等価物を認識するかまたは日常的な実験のみを使用して確認し得る。このような等価物は、本発明の範囲内であると考えられ、添付の特許請求の範囲により包含される。特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の置換、変更および改変が、本発明に対してなされ得る。他の局面、利点および改変は、本発明の範囲内である。本出願全体を通して引用された全ての参考文献、発行された特許および公開された特許出願の内容は、本明細書により参考として援用される。
図1は、PQQで低酸素症を前処理した後の成体マウスの心臓の生存筋細胞の増加を示す棒グラフである。 図2は、10μMの5−ヒドロキシデカン酸(ミトコンドリアKATPチャネルインヒビターである)では、PQQ防御が阻害されないことを示す棒グラフである。 図3は、虚血前のPQQ処置が、左室拡張期血圧(LVDP)を維持することを示す折れ線グラフである。 図4は、虚血前のPQQ処置が、左室拡張終期圧 (LVEDP ;左室収縮終期圧−左室拡張終期圧)を維持することを示す折れ線グラフである。 図5は、虚血前のPQQ処置の効果を、左室圧の最大陽性第一誘導体(the maximum positive first derivative of left ventricular pressure(LVDP))により測定したものとして示す折れ線グラフである。 図6は、左室圧の最大陰性第一誘導体(the maximum negative first derivative of left ventricular pressure(LVDP))により測定した虚血の前のPQQ処置の効果を示す折れ線グラフである。 図7は、冠動脈血流がPQQ処置によってコントロールと比較して有意に改善されることを示す折れ線グラフである。 図8は、10nMと1μMの間のいくつかの濃度(しかし、10μMでは、毒性を生じる)でのPQQによる2分間の前処置が、進行性の好ましい反応を示したことを示す棒グラフである。 図9は、PQQ前処置後の脳梗塞の大きさの変化を示す棒グラフである。10nMと1μMの間では、進行性の梗塞の大きさの減少が存在するが、10μMのPQQでは、梗塞の大きさは変化しない。

Claims (59)

  1. 心筋酸化ストレスの処置または予防の必要な被験体に、無毒性量の薬剤を投与する工程を包含する、被験体の心筋酸化ストレスを処置するかまたは予防する方法であって、ここで、該薬剤が、該酸化ストレスの対象である1つ以上の心筋細胞が細胞死から保護されるように心筋酸化ストレスを調節する、方法。
  2. 前記細胞死が、壊死性であるかまたはアポトーシス性である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞死が、アポトーシス性である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記細胞死が、壊死性である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記心筋酸化ストレスが、低酸素症または虚血によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記薬剤が、ピロロキノリンキノンである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ピロロキノリンキノンが、約1nM〜約10μM未満の間の濃度で投与される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記ピロロキノリンキノンが、約10nM〜約1μMの間の濃度で投与される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記ピロロキノリンキノンが、約1μMの濃度で投与される、請求項6に記載の方法。
  10. 心臓保護シグナル伝達経路を調節する方法であって、心臓保護の必要な患者に、該心臓保護シグナル伝達経路の効果を増強するかまたは維持するために有効な量で、ピロロキノリンキノンを投与する工程を包含する、方法。
  11. 前記心臓保護シグナル伝達経路が、RHO、PI 3−キナーゼおよびAktからなる群から選択される酵素を特徴とするシグナル伝達経路を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 心筋酸化ストレスによって引き起こされるフリーラジカル損傷を調節するための方法であって、フリーラジカル心筋損傷の必要な患者に、フリーラジカル損傷を阻害するために有効な量で、無毒性量のピロロキノリンキノンを投与する工程を包含する、方法。
  13. 前記フリーラジカル損傷が、PQQにより媒介されるフリーラジカル除去により阻害される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記フリーラジカル損傷が、フリーラジカル発生調節により阻害される、請求項12に記載の方法。
  15. 前記心筋酸化ストレスが、低酸素症または虚血によって引き起こされる、請求項12に記載の方法。
  16. 前記投与が、再灌流の開始時になされる、請求項15に記載の方法。
  17. 前記投与が、再灌流の前になされる、請求項15に記載の方法。
  18. 前記ピロロキノリンキノンが、約1nM〜約10μM未満の間の濃度で投与される、請求項12に記載の方法。
  19. 前記ピロロキノリンキノンが、約10nM〜約1μMの間の濃度で投与される、請求項12に記載の方法。
  20. 前記ピロロキノリンキノンが、約1μMの濃度で投与される、請求項12に記載の方法。
  21. 被験体の心筋低酸素症性損傷または虚血性損傷を処置するかまたは予防する方法であって、心筋細胞が細胞死から保護されるように、心筋低酸素症性損傷または虚血性損傷を調節する、無毒性量の薬剤を該処置または予防の必要な被験体に投与する工程を包含する、方法。
  22. 被験体の冠動脈血流を改善する方法であって、該被験体の冠動脈流が改善されるように、無毒性量のピロロキノリンキノンを該改善の必要な被験体に投与する工程を包含する、方法。
  23. 前記冠動脈流が、LVDPによって決定される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記冠動脈流が、LVEDPによって決定される、請求項22に記載の方法。
  25. 前記投与が、再灌流の前になされる、請求項22に記載の方法。
  26. 前記投与が再灌流の開始時になされる、請求項22に記載の方法。
  27. 被験体の低酸素症または虚血によって引き起こされる心外傷を処置するかまたは予防する方法であって、該低酸素症または虚血関連外傷が予防されるかまたは低減されるように、該処置または予防の必要な被験体にピロロキノリンキノンを投与する工程を包含し、ここで、該ピロロキノリンキノンが10μMより低い濃度で投与される、方法。
  28. 前記外傷が、心筋梗塞、心拍停止および心臓移植からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記外傷が心筋梗塞である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記ピロロキノリンキノンが、約1nM〜約10μM未満の間の濃度で投与される、請求項27に記載の方法。
  31. 前記ピロロキノリンキノンが、約10nM〜約1μMの間の濃度で投与される、請求項27に記載の方法。
  32. 前記ピロロキノリンキノンが、約1μMの濃度で投与される、請求項27に記載の方法。
  33. 前記外傷が、心筋梗塞、心拍停止および心臓移植からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  34. 前記外傷が、心筋梗塞である、請求項27に記載の方法。
  35. 前記投与が、再灌流の前になされる、請求項27に記載の方法。
  36. 前記投与が、再灌流の開始時になされる、請求項27に記載の方法。
  37. 被験体の低酸素症または虚血によって引き起こされる心外傷を処置または予防する方法であって、該低酸素症または虚血関連外傷が予防されるかまたは低減されるように、該処置または予防の必要な被験体にピロロキノリンキノンを投与する工程を包含し、ここで、該ピロロキノリンキノンが無毒性濃度で投与される、方法。
  38. 前記ピロロキノリンキノンが、約1μMの濃度で投与される、請求項37に記載の方法。
  39. 請求項37に記載の方法であって、ここで、前記外傷が、心筋梗塞、心拍停止、虚血性再灌流障害、鬱血性心不全、心毒性、寄生生物感染症に起因する心臓損傷、劇症心臓アミロイド症、心臓手術、心臓移植および傷害性心臓損外傷からなる群から選択される、方法。
  40. 前記心毒性が、ドキソルビシンによって引き起こされる、請求項39に記載の方法。
  41. 前記寄生生物感染に起因する心臓損傷が、梅毒または慢性Trypanosoma cruzi感染によるものである、請求項39に記載の方法。
  42. 前記傷害性心外傷が、貫通性心外傷もしくは閉塞性心外傷または大動脈弁破裂によるものである、請求項39に記載の方法。
  43. 被験体の低酸素症または虚血によって引き起こされる心外傷を処置するかまたは予防する方法であって、該心外傷が予防または低減されるように、該処置または予防の必要な被験体にNADPH依存性メトヘモグロビンレダクターゼ基質を投与する工程を包含する、方法。
  44. 前記NADPH依存性メトヘモグロビンレダクターゼ基質が無毒性濃度で投与される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記外傷が、心筋梗塞、心拍停止、虚血性再灌流障害、鬱血性心不全、心毒性、寄生生物感染症に起因する心臓損傷、劇症心臓アミロイド症、心臓手術、心臓移植および外傷性心臓損傷からなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
  46. 前記心毒性が、ドキソルビシンにより引き起こされる、請求項45に記載の方法。
  47. 前記寄生虫感染に起因する心臓損傷が、梅毒または慢性Trypanosoma cruzi感染によるものである、請求項45に記載の方法。
  48. 前記傷害性心外傷が、貫通性心臓損傷もしくは閉塞性心外傷または大動脈弁破裂によるものである、請求項45に記載の方法。
  49. 心筋梗塞を処置するための方法であって、該心筋梗塞が低減されるかまたは、安定化されるように、該処置の必要な被験体にピロロキノリンキノンを投与する工程を包含し、ここで、該ピロロキノリンキノンが約10μM未満の濃度で投与される、方法。
  50. 器官または組織移植の間に、器官損傷を予防するための方法であって、該器官または組織の再灌流によって引き起こされる損傷が低減されるかまたは予防されるように、該器官の除去の前に、または除去と同時にピロロキノリンキノンを器官ドナーに投与する工程を包含する、方法。
  51. 前記器官が心臓である、請求項50に記載の方法。
  52. 器官または組織移植の間に、器官損傷を予防するための方法であって、該器官または組織の灌流によって引き起こされる損傷が低減されるかまたは予防されるように、ピロロキノリンキノンを1つ以上の器官または組織と接触させる工程を包含する、方法。
  53. ピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアを含有する、心臓保護薬剤。
  54. 低酸素症または虚血関連心臓損傷を処置または予防するためのキットであって、1つ以上の容器に、ピロロキノリンキノン、薬学的に受容可能なキャリアおよび該キットの使用のための説明書を含む、キット。
  55. 心不全にかかった被験体の発作を予防するための方法であって、該方法は、該被験体をピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアで処置する工程を包含し、ここで、該ピロロキノリンキノンが約10μM未満の濃度で投与される、方法。
  56. 被験体の心不全を処置するための方法であって、該被験体をピロロキノリンキノンおよび抗血小板薬剤、抗凝血薬剤、抗血栓症薬剤からなる群から選択される化合物で処置する工程を包含し、ここで、該ピロロキノリンキノンが約10μM未満の濃度で投与される、方法。
  57. 被験体のバルーン血管形成後の血管閉塞を予防する方法であって、該方法は、該被験体をピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアで前処置する工程を包含する、方法。
  58. 偏頭痛の低減または予防の必要な被験体の偏頭痛を低減または予防するための方法であって、該方法は、該被験体をピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアで処置する工程を包含し、ここで、該ピロロキノリンキノンが約10μM未満の濃度で投与される、方法。
  59. 低体温症にかかった被験体の再灌流障害を予防するための方法であって、該被験体をピロロキノリンキノンおよび薬学的に受容可能なキャリアで前処置する工程を包含する、方法。
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