JP2005527954A - 基板表面にパターン層を設ける方法 - Google Patents

基板表面にパターン層を設ける方法 Download PDF

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Abstract

パターン層(4)を基板上に製造する方法は、基板表面(2)に、それを前記パターン層の領域が得られる流体を収容するための複数のコンパートメントに仕切るダム構造(6)を設け、湿式堆積法を用いて、コンパートメントを流体の体積で充填し、その後、流体体積から、パターン層の領域が得られる。比較的厚い厚さと良好な厚さ均一性を有するパターン層を得るため、幾つかのパスで、前記充填及び領域形成が行われ、各パスは、互いに最隣接する2個のコンパートメントを含まれるような選択をしないように気をつけて、選択されたコンパートメントを、コンパートメント容積よりも多い体積を有する流体で充填し、そこから対応領域が得られる。

Description

この発明は、湿式堆積法を用い、基板表面に、所期したパターンに従って、相互に隣接しかつ間隔をおいて配設された複数の領域を有するパターン層を設ける方法に関する。
パターン層は、所期したパターンに従って、相互に隣接しかつ間隔をおいて配設された複数の領域を有し、基板表面上にそのような層を設けるための方法は、よく知られかつ多くの工業において用いられており、グラフィックス業や印刷業は明らかな実例がある。また、エレクトロニクス産業においても、そのような層が用いられている。典型的に、多くの場合、そのようなパターン層は薄く、およそ100μm未満であり、そのような層のスタックを有する装置の部分である。実例は、半導体やエレクトロルミネセント素子のようなディスプレイ装置を含む。
よく知られているように、そのような層は印刷法やコーティング法のような湿式堆積法を用いて製造され、湿式堆積法では、典型的には、前記層の領域が得られる流体を、基板表面の所望の位置上に堆積させ、その後、そのようにして堆積させた流体は層の領域に変換される。そのようなパターン層を湿式堆積する技術においては、コスト効率が良くかつ単純であり、高いパターン精度と層厚さの良好な厚さ均一性を可能にする方法を提供するための一定の原動力である。パターン精度と良好な厚さ均一性を達成するため、パターン層の領域が得られるべきである流体の流れをチェックするダム構造を使用することは提案されてきた。
PCT国際公開第WO 01/41229号公報には、エレクトロルミネセント素子の製造方法の一部として、ダム構造を用いてパターン層を設ける方法の記載がある。パターン層は、例えば、レリーフパターンの形式でダム構造を用いたインクジェット印刷によって設けられるポリマー層である。なぜなら、ポリマー層が得られる流体は、インクジェット印刷を可能にするため、ほんの重量比で数パーセントと非常に少ないポリマー材料しか含有してなく、使用されうるダム構造の高さが制限され、堆積されるべき層の厚さは比較的薄いからである。
この発明の目的は、特に、基板表面に、湿式堆積法を用いて、パターンに従って相互に隣接しかつ間隔をおいて配設された複数の領域を有する層を設ける方法を提供することにある。特に、この発明の目的は、広範囲の流体、特に、層の領域を形成させるための材料を少しだけ含有する流体に適している方法を提供することにある。
この目的は、湿式堆積法を用い、基板表面に、所期したパターンに従って相互に隣接しかつ間隔をおいて配設された複数の領域を有するパターン層を設けた方法を用いることによって達成され、前記方法が、基板表面に、それを前記層の領域によって被覆されるべき複数の基板領域に仕切るパターンに従って、ダム構造を設け、複数の基板領域とダム構造がともに、前記複数の領域が得られる流体の体積を収容するための複数のコンパートメントを形成し、
複数のコンパートメントの中で、選択内のコンパートメントのいずれもが、選択内の他の最隣接コンパートメントではないように、コンパートメントを選択し、
前記湿式堆積法を用いて、選択内のコンパートメントの各々を、前記層の領域が得られかつ対応するコンパートメントの容積よりも多い量の流体の体積で充填し、
前記コンパートメント内に収容された流体体積から、前記層の対応領域が得られ、および/または、前記コンパートメント内に収容される流体体積を、対応するコンパートメントの容積よりも少ない体積まで減少させ、
複数のコンパートメントの中で、未だ選択されていない複数のコンパートメントが存在する場合には、複数のコンパートメントの中で、未だ選択されていないコンパートメントを含むコンパートメントを選択し、この選択が、選択内のコンパートメントのいずれもが、選択内の他の最隣接コンパートメントではないようにし、その後、後述する工程c)に戻り(、すなわち、上記と同様に流体体積の充填以降の工程を繰り返し)、
複数のコンパートメントの中で、流体を収容する1個のコンパートメントが存在する場合には、そのようなコンパートメント内に収容する流体体積から対応領域を得る工程を有する。
この発明の方法では、コンパートメントは、そのコンパートメントの容積よりも多い量の流体で充填され、互いに最隣接するコンパートメントには、そのような量の流体を同時に充填しない。この文脈において、「同時に」とは、単一パス内を意味し、1パスは、多数のコンパートメントを充填する工程と、充填されたコンパートメントに収容される流体の体積から対応領域を得る工程とを有する(後述にて、それぞれ工程c)およびd)として箇条書きにした。)。
発明者らは、流体とダム構造のある特定の組み合わせに関し、厚さが比較的薄い層のみが確実に製造しうることを観察した。比較的厚いパターン層の堆積が試みられるとすると、領域内と領域間の双方でのパターン層は、厚さが非常に不均一である。厚さの大きな変化は、多数の領域を含むスケール上で観察される。発明者らは、領域の製造プロセスにおいて、分離を保持したままではなく、最隣接コンパートメントに収容される流体体積は、互いに接触し、また、表面張力を最小限にする傾向があるため、単一の流体体積に融合するという事実によって、層厚さの不均一性が生じることを洞察した。融合した流体体積は、同じ体積の流体体積を分離させた場合と比べて、かなり異なる領域を生成する。最隣接の流体体積の好ましくない融合を防止するため、この発明に従う方法は、単一パスでは、充填を必要とする全てのコンパートメントを充填せず、複数のパスを用いて全てのコンパートメントを充填する。各パス内での選択は、複数のコンパートメントの中で行われ、その選択は、選択内のコンパートメント同士が最隣接でないように行われる(このことは、第1のパスのための工程b)と次のパスのための工程e)に表わされている。)。明らかに、終わらせるための方法に関し、選択は、いずれかの前のパスで充填されなかったコンパートメントを含むべきである。その後、選択内のコンパートメントは、流体で充填される(工程c))。次のパスで堆積させるいかなる流体体積でも、そのような流体体積のいかなる融合も防止するため、流体体積は、対応領域に変換され、または少なくとも前記体積は、融合が生じないレベルまで減少させる(工程d))。典型的には、流体体積が流体が収容されるコンパートメントの容積よりも少ないならば、融合は生じない。
別個のパスで充填することによって、この発明に従う方法は、コンパートメントにより多くの流体を収容することが可能であり、従って、良好な厚さ均一性を有する比較的厚いパターン層が高分解で得られることが可能になる。
ダム構造は、パターンが形成された後に所定の位置に残しておいてもよいし、あるいは、パターン層は形成された後に除去してもよい。パターン層を担持する基板に更なるプロセスを施し、かつ、次のプロセスがダム構造によって悪影響を及ぼされるのであれば、ダム構造は除去するのが好ましい。これに対して、ダム構造の除去がパターン層または基板を損傷させるのであれば、ダム構造を所定位置のまま残しておくのが賢明であるかもしれない。後者の意見は、一般に、パターン層が有機パターン層であり、特に、ダム構造がフォトレジストレリーフパターンであるならば好ましい。
前記方法は、組成に関して均一である層、すなわち、複数領域が全て同じ材料からなるパターン層を設けるのに使用されうる。しかしながら、前記方法は、異なる材料から形成される領域を有し、異なる光学的、電気的、電気光学的または磁気的特性のような異なる特性をもつ領域を設けたパターン層に特に好ましい。
この発明に従う方法は、パターン層がポリマー材料から形成されているならば、特に好ましい。一般に、ポリマー材料は、高い粘度を有する。インクジェット印刷のような従来の印刷法に適合しうる粘度をもつポリマー材料を含有する流体を得るため、非常に低濃度の流体を用いることが必要である。従って、パターン層を得るため、より多くの流体が必要になり、結果として、最隣接コンパートメントに収容される流体体積のリスクが特に大きい。
ダム構造は、コンパートメントに収容される流体体積をチェックするために適しているいかなる構造であってもよい。前記体積から均一厚さの領域を得るため、ダム構造の形状および材料は、流体および堆積させるべき流体の量に従って選択されるべきである。流体、基板表面およびダム構造間の相互作用が、重力に対する表面張力(すなわち、濡れ性が関連パラメーターである。)によって主に決定されるのであれば、コンパートメントに堆積させる流体の体積は、溢れることなく可能であるコンパートメントの容積よりも多い。
ダム構造の特別な実施例は単分子層である。そのような単分子層は、それ自体よく知られている。単分子層は、無極性流体を堆積させるべきであるならば、親水性であり、あるいは、極性流体を堆積させるべきであるならば、疎水性であるかもしれない。単分子層のダム構造は、高さが低くなり、領域を損傷なしに除去した後に取り除くのが比較的容易であるという利点を有する。
択一的に、ダム構造は、レリーフパターンであってもよい。そのようなパターンは、多量の流体を収容するべきである場合に利点を有するかもしれない。レリーフパターンは、流体と接触すると劣化するいずれかの材料、例えば、金属、セラミック材料、酸化物材料、ガラスなどのような無機材料から形成されていてもよいけれども、好ましくは、製造することが容易であるフォトレジストパターンが使用される。領域が、ダム構造によって曝されている基板領域にのみ形成することができるように、ダム構造が設けられたパターンはパターン層の所期したパターンによって明らかに第一に決定される。好適なダム構造パターンは方形や六角形のパターン、または、円筒状(cylindrical)(円柱状(circular cylindrical)、円錐台状)のコンパートメントが切除された均一層を含む。前記方法は、ダム構造が基板上に相互に平行でかつ間隔をおいて配設された複数のストリップを有するならば特に好ましい。そのようなダム構造を用いることによって、全てのコンパートメントに、最小数のパスで流体を充填させることが可能になる。なぜなら、各コンパートメントは、多くても2つの再隣接コンパートメントしか有さないからである。
コンパートメントの充填は、トランスファ・シルクスクリーン(transfer silk screen)またはオフスクリーン(off screen)印刷法のようにコンパートメントを流体で個別に充填できる適当な湿式堆積法のいずれかを用いて行ってもよい。高分解に関し、分散(dispensing)またはインクジェット印刷は、好ましい方法であり、特に、単一ノズルまたはマルチノズル法である。
この発明に従う方法の好適な実施形態では、コンパートメントは、これを形成するダム構造部分の表面積の半分よりも大きい面積を濡らすのに十分な量の流体で充填される。
この方法は、ポリマーエレクトロルミネセント素子のようなエレクトロルミネセント素子の製造に特に有用である。
この発明のこれらの面及び他の面が、以下に示す図面や実施形態に関し、さらに説明されるであろう。
図1は、パターン層を設けた基板表面の模式的断面を示す。
図示の構造1は、複数の領域、図示では、領域4a,4bおよび4cを有するパターン層4を設けた基板表面2を有する。前記領域4a,4bおよび4cは、所期したパターンに従って相互に隣接しかつ間隔をおいて配設される。断面で見るとき、パターンは図1からは全体として完全には認識できない。図5〜7は、図1の断面のパターンについての種々の実施例を示す。前記領域4a,4bおよび4cは、対応する基板領域2a,2bおよび2cを被覆し、該基板領域は、基板表面2をダム構造6による仕切りから得られる。ダム構造6と基板領域2a,2bおよび2cは、複数のコンパートメント8a,8bおよび8cを形成し、これらコンパートメントの各々は、対応する領域4a,4bまたは4cが得られる流体の体積を収容するのに適する。
図2は、図1の層を製造するため、従来法の1ステージの模式的断面を示す。
図2は、従来法に関連した問題を示したものである。基板表面2にダム構造6を設けた後、マルチノズル13(単一ノズルの使用でもマルチノズルと同様の結果が導かれる。)を有するインクジェットヘッド12は、コンパートメント8aおよび8bの上方に位置決めされる。その後、液滴14は、それぞれのコンパートメント8aおよび8b内に堆積させて、液体10aおよび10bの体積を形成する。一点鎖線9は、コンパートメント8aおよび8bの頂面を示す。前記線9は、流体溢れが表面張力に対抗するようなケース重力内で発生する前で、コンパートメント8aまたは8bが充填できる最大レベルに対応し、流体溢れが発生するか否かを決定する決定的なファクタである。この発明との関係において、前記線9によって囲まれた容積、ダム構造および基板表面は、コンパートメントの容積であると考えられる。
この発明の主題である方法は、重力に対抗するような張力が、流体、ダム構造および基板表面の相互作用を決定する支配的な力であるところのものである。表面張力支配体制(The surface tension dominated regime)は、ダム構造およびダム構造間のスペースが小さいときに適用する。
表面張力支配体制では、流体溢れが発生する前で、より詳細には隔離したコンパートメントによって収容できる流体の量が、コンパートメントの容積よりも一般には、非常に多くなる。この発明の文脈において、そのような流体の量は、コンパートメントの収容能力といわれている。
したがって、それらのコンパートメント8aおよび8bのそれぞれの容積と比較して、コンパートメント8aおよび8bに堆積させる液体10aおよび10bの体積から明らかなように、ステージが図2に示されているような方法は、表面張力支配体制において機能する方法である。しかしながら、コンパートメント8aおよび8bの収容能力よりも少ないのに、その中に堆積する流体の量は、非常に多く、10aおよび10bの体積の流体境界は、ダム構造の中央部分で互いに接触するばかりでなくオーバーラップする。この結果、表面自由エネルギーを最小限にするため、体積10aおよび10bは融合して単一体積10abを形成する。表面張力支配体制において、一般には、流体のそのような体積からの層形成は、流体、特定ダム構造および基板表面の相互作用によって決定されるので、融合した体積からの層形成は、融合しなかった液体の体積での層形成とは異なる。実際に、後述する実施例では、層形成における相違が、層厚みにおける均一性に劇的な効果を有することを示している。
従来法に関連した問題を明らかにした後に、この発明はまた、パターン層を複数のパスで形成することを必要とすることによって、この問題に対する解決法を提供する。
図3は、この発明に従う方法の1ステージの模式的断面を示す。図示されたステージは、この発明に従って、最隣接するコンパートメントであるコンパートメント8aおよび8bが同時には流体で満たされないことを除いて、図2に示されるステージと対応する。その時点で、コンパートメント8aは流体で満たされ、その最隣接コンパートメント8bの領域は既に形成されている。この方法では、ダム構造の部分を共用するいずれのコンポーネントも、同時に流体の体積を収容することが防止され、この結果、そのような体積の融合が有効に防止される。
最隣接コンパートメントに堆積される流体体積の融合を防止する方法を一般的に言うと、この発明に従えば、複数のコンパートメントが単一のパスでは満たされず、複数の別個のパスで満たされるような方法である。そのような複数のパスの第1パスは、以下の工程を有する。
−複数のコンパートメントの中から、最隣接コンパートメントではないコンパートメントの選択を行い(工程“b”)、
−湿式堆積法を用いて、選択したコンパートメントを流体体積で満たし、かかる流体は、対応するコンパートメントの容積よりも多い量であり、層の領域が前記流体から得られ(工程“c”)、
−コンパートメントに収容された流体体積から、対応する層の領域を得、および/または、コンパートメントに収容される流体体積を、対応するコンパートメントの容積よりも少ない体積まで減じ(工程“d”)、
−複数のコンパートメントの中で、未だ選択されていないコンパートメントが存在するならば、複数のコンパートメントの中で、未だ選択されていないコンパートメントを含むコンパートメントの選択を行い、その選択は、選択内のコンパートメントが、選択内の他の最隣接コンパートメントではないように行い、(工程“e”)、
−湿式堆積法を用いて、選択したコンパートメントを流体体積で満たし、対応するコンパートメントの容積よりも多い量の前記流体体積から、層の領域が得られ(工程“c”)、
−コンパートメントに収容された流体体積から、層の対応領域を得、および/または、コンパートメントに収容される流体体積を、対応するコンパートメントの容積よりも少ないサイズまで減じる(工程“d”)。
充填を必要とする時期に全てのコンパートメントがある特別なパスで満たされたならば、パターン層の形成は、ラストパスで満たされたコンパートメントの中には、流体を依然として収容したままであるという条件付きで完成している。それゆえ、この条件を満足するという条件で、この発明に従う方法は、以下の工程、すなわち、複数のコンポーネントの中で、流体を収容する1個のコンパートメントが存在するならば、そのようなコンパートメントに収容される流体の体積から対応する領域を得る工程を有する。
択一的に、この発明に従う方法は、ダム構造を除去する更なる工程を含むことができる。ダム構造の第一の機能は、コンパートメントに堆積させる流体をチェックすることであるので、第一の機能は、パターン層を形成した後は陳腐化している。それゆえ、原則的には、この発明に従う方法は、パターン層形成後のダム構造を除去する工程を含んでいてもよい。これが妥当かどうかは、パターン化に使用される特定の用途に依存する。例えば、ダム構造が、その結果生じる層の形成に悪影響を及ぼすならば、それを除去することが適当であるかもしれない。それに対して、その除去自体が、パターン層、基板またはダム構造を劣化させるか、あるいは、ダム構造が、パターン層の一部である製品の製造または使用において、さらに機能を有するならば、ダム構造を除去しないことが適当であるかもしれない。パターン層が有機のパターン層であるならば、特に、ダム構造がフォトレジスト-レリーフパターンであるならば、一般に、ダム構造を所定位置に残しておくことが好ましい。
この発明に従う方法は、所期したパターンに従って相互に隣接しかつ間隔を置いて配設される領域を有する層であることを条件とするいずれのパターン層の製造にも適当に使用することができる。特に、層の厚さ、より詳細には、領域の厚さは、約1mmから単分子層(molecular monolayer)または原子層の厚さまでの範囲にすることができ、より詳細には、約500μmから10nmまでの範囲、100μmから20nmまでの範囲、50μmから50nmまでの範囲、または10μmから70nmまでの範囲にすることが好ましい。層の平面内における領域の典型的な寸法は、例えば、約1mから0.1μmの範囲で変化させることができ、より詳細には、1cmから1μmまでの範囲、1mmから1μmまでの範囲または500μmから10μmまでの範囲にすることが好ましい。
パターン層、より詳細には、そのいずれかの領域は、流体を利用して層または領域を得ることができることを条件として、有機または無機、金属、半導体、セラミックまたはポリマーのいずれかの材料からなることができる。この方法は、パターン層がポリマー材料から形成されるならば、特に好適である。ポリマー材料は、一般に高い粘度を有している。インクジェット印刷のような従来の印刷法に適合する粘度を有するポリマー材料を含有する流体を得るには、非常に希釈した流体を用いることが必要である。従って、比較的厚いポリマーパターン層を得るには、多量の流体が必要であり、その結果として、最隣接コンパートメント内に収容される体積同士の融合のリスクが特に高くなる。
パターン層の全領域が、同一材料から形成されていてもよく、あるいは、パターン層の異なる領域が、異なる材料から形成されていてもよい。この方法は、組成に関して均質である層、すなわち、複数の領域が全て同一材料からなるパターン層を付与するために使用してもよい。しかしながら、この方法は、異なる光学的、電気的、電気光学的または磁気的な特性のような異なる特性を有する領域を付与する、異なる材料から形成される領域を有するパターン層に特に好適である。
これらの領域は、同一厚さを持つ必要はない。層が配列されるところのパターンは、不規則または規則的ないかなる形状を有することができる。基板表面は、パターン層、ダム構造および流体を担持できるいかなる表面であってもよい。基板は、フラットにしてもよく、あるいは、パターン層と1以上の層が一部であるところの製品の使用中、パターン層と協働するのに適合させた1以上の(パターン)層を設けたレリーフ構造を有してもよい。基板は、フレキシブルまたは剛体、酸素に対する不通気性、および/または透明または不透明であってもよく、また、特にポリマー材料のような有機材料、または無機材料のような適した材料のいずれかからなることができる。実施例は、紙、テキスタイル、金属、シリコン、特にガラスのようなセラミックを含む。
択一的に、パターン層を形成した後、そのパターン層は、基板から分離させたり、あるいは、所望ならば、他の基板に移動させてもよい。ダム構造は、コンパートメントに収容される流体の体積をチェックするのに適するいかなる構造であってもよい。流体の体積から、均一厚さの領域を得るため、ダム構造の形状および材料は、堆積させるべき流体およびその量に従って選択されるべきである。流体、基板表面およびダム構造を、重力に対抗するような表面張力(そしてこのようにして、濡れ性は領域形成の関連するパラメーターである)によって主に決定するのであれば、コンパートメントに堆積させる流体の量は、コンパートメントから溢れることのない上限容積であるコンパートメントの容積を超える。
ダム構造の特別な実施形態は、単分子層である。そのような(化学吸着または物理吸着した)単分子層、および所期したパターンに従ってそのような単分子層を堆積するための方法は、それら自体よく知られていて、実施例は、アルキルチオールとアルキルカルボン酸塩、または一般に、相間移動化合物(phase transfer compounds)から形成される単分子層である。ラングミュア ブロジット法(Langmuir Blodgett methods)は、そのような単分子層を得るのに特に好適である。単分子層に対する流体の所要の濡れ性に応じて、流体にさらされる単分子層の面は、親水性または疎水性であってもよく、そして、基板の極性とは逆の極性である。単分子層のダム構造は、高さが低く、かつ、領域が損傷することなく除去された後に取り除くことが比較的容易であるという利点を有する。
択一的に、ダム構造は、レリーフパターンであってもよい。そのようなパターンは、流体体積を収容しなければならないときに役に立つかもしれない。レリーフパターンが流体と接触しているときに劣化しないいずれかの好適材料、例えば、金属、セラミック材料、酸化材料、ガラス等のような無機材料から形成されるかもしれなけれども、フォトレジストパターンとして使用されるパターンが、製造することが容易であるため好ましい。
レリーフパターンダム構造の横断面輪郭は、矩形、正スロープ形状(すなわち、トップがベースよりも狭い)、負スロープ形状(すなわち、トップがベースよりも広い)、または丸みのある形状、マッシュルーム形状等のような好適形状のいずれかを有することができる。
レリーフパターンダム構造の表面は、流体に対するダム構造の濡れ性を改良する処理を施してもよい。技術的によく知られているそのような処理は、界面活性剤を用いた処理、CFプラズマまたは(UV)オゾンに対する照射を含む。一般に、コンパートメントのキャパシティを最大にするには、流体とダム構造との間で十分に濡れるようにすることが有利である。図8は、そのように良好な濡れ性を有するダム構造−流体の結合を示す。特に、流体10の体積は、ダム構造6の頂面全体を覆う。
好適なダム構造の高さは、典型的には、1〜10μmの間または2〜5μmの間である。ダム構造の断面幅は、用途によって決定されるが、典型的には、約2〜50μmである。
領域が、ダム構造によってさらされる基板領域だけ形成される場合には、ダム構造が付与されるところのパターンは、パターン層の所期したパターンによって明らかに第一に決定される。好適なダム構造パターンは、矩形や六角形のパターン、または円筒状のコンパートメント(例えば円柱状または円錐台状(frusto-conical))が取り除かれたところの均一層を含む。この方法は、ダム構造が基板上に相互に平行でかつ間隔をおいて配設される複数のストリップを有するならば、特に好適である。そのようなダム構造を使用することは、最少数のパスにおいて、全てのコンパートメントを流体で満たすことが可能である。なぜなら、各コンパートメントは、多くても2つの最隣接コンパートメントをもつにすぎないからである。
単一パスで満たされるべきである複数のコンパートメントの中からの選択は、別の選択されたコンパートメントの最隣接であるコンパートメントを選択しないようにするべきである。広い意味では、それらのコンパートメントが十分なキャパシティまで流体で満たされ、かつ流体の体積同士の融合が生じるならば、コンパートメントは、別のコンパートメントの最隣接コンパートメントである。典型的に、そのようなコンパートメントが他のコンパートメントとともにダム構造の部分を共用するならば、コンパートメントは他のコンパートメントの最隣接コンパートメントである。図5〜7は、ダム構造の幾つかの実施例を提供する。
図5は、第1のダム構造のパターンの模式的平面図を示す。図5に示されるダム構造は、基板を長手方向のコンパートメント8に平行に区分する複数のストリップ6を有する。Nで表示された各コンパートメントは、コンパートメントXの最隣接である。Xで表示されたコンパートメント10は、互いにダム構造6の部分を共用せず、従って互いに最隣接ではない。同様のことがNで表示されたコンパートメント同士でも適用される。従って、Xで表示されたコンパートメントのセットまたはそのサブセットを、単一のパスで安全に選択することができる。流体の体積相互の融合は予期されない。同様のことがNで表示されたコンパートメントのセットに対しても適用され、その結果、全てのコンパートメントを2パスで満たすことができる。
図6は、第2のダム構造のパターンの模式的平面図を示す。ダム構造6は、複数の矩形状のコンパートメント8を画定する矩形状のパターンを有する。Nで表示されたコンパートメントは、Xで表示されたコンパートメントとともにダム構造の部分を共用し、このため、これらのコンパートメントは最隣接同士であり、そして、従って、コンパートメントNは、コンパートメントXと同じ選択であるべきではない。流体がダム構造を極端によく濡らせるのであれば、NNおよびXで表示されたコンパートメントに堆積させる流体の体積相互の融合が生じる危険性がある。なぜなら、コンパートメントXとNNは、ダム構造の小さな部分を共用するからである。この場合では、コンパートメントNNはまた、コンパートメントXの最隣接であるとみなされ、よって、これらは同じ選択であるべきではない。
図7は、第3のダム構造のパターンの模式的な平面図を示す。図7のダム構造は、円形の領域が切除されたところの連続的な層で構成され、円形領域は、六角形の格子上にレイアウトされる。コンパートメントXは、NNで表示されたコンパートメントをまた含む極端な場合には、Nで表示された6個の最隣接コンパートメントを有する。
コンパートメントを満たすことは、転写法、スクリーン印刷法またはオフスクリーン印刷法のように、コンパートメントを流体で個別に満たすことができる好適な湿式堆積法のいずれかを用いて行うことができる。高分解能のため、分配することおよび、特にインクジェット印刷が好ましい方法であり、特に、シングルノズル法またはマルチノズル法である。パターン層の領域を得ることができる流体は、液体、ゲル、インク、ペースト、溶液、エマルション、粒子、特にナノ粒子の懸濁液、ゾルまたは分散液のようないずれかの好適な形態で適用することができ、精密な形成は、使用される湿式堆積法に依存する。
この発明に従う方法は、ゆっくりと蒸発する溶媒を有する流体を用いるならば、特に好適である。ゆっくり蒸発する溶媒(典型的に、そのような溶媒は高沸点を有する)は、閉塞のリスクを減少させることによってインクジェットヘッドの寿命が延びる。そのような溶媒を、この発明に従う方法に用いるならば、流体は、乾燥するための時間が長くなり、よりゆっくり蒸発する溶媒は、さらに均一なパターン層を得ると同時に、必要に応じて使用することができる。
パターン層の領域が得られるべきである流体の体積は、それ自体またはその先駆物質材料から形成される材料を含有してもよい。
典型的に、流体は、流体の体積が対応する領域に変化させたときに蒸発させる溶媒を含有する。堆積させるべき流体は、さらなる物質を含有してもよい。例えば、粘度、(粘)弾性、接触角および/または濡れ性のような流動学的な特性を変化させる物質である。湿潤剤、レベリング剤、界面活性剤、増粘剤、希釈剤等を加えることができる。
コンパートメントに堆積させるべき流体の量は、そのようなコンパートメントの容積よりも多くするべきであるが、液溢れを防止すべきであるならば、コンパートメントのキャパシティよりも少なくするべきである。
この発明に従う方法の好適な実施形態では、コンパートメントが、最隣接コンパートメントとの間で共用するダム構造部分の表面積の半分よりも大きい面積を濡らすのに十分である流体の量で満たされている。この好適な方法では、この発明がより十分に活用されている。なぜなら、従来法では、最隣接コンパートメント同士が、そのような量の流体で満たされたとすれば、各体積が共用されるダム構造部分の表面積の半分よりも広い面積を必要とするので、最隣接体積の融合が、確実に生じるであろうからである。同じ層厚さが達成されるのであれば、より多くの体積は、より厚い層を単一パス内で堆積させることが可能であり、または、同等に、ダム構造をより低くすることが可能である。
共用するダム構造の表面積の半分よりも大きい面積を、流体の体積で占めるかどうかを決定するため、ダム構造は、その表面の各位置が、それに再隣接するコンパートメントに割り当てられるように区分化される。ダム構造表面上のいくつかの位置は、2つの(または3以上の)コンパートメントと等距離であるだろう。この等距離位置のセットは、コンパートメント間の境界を明白に画定する。図5、6および7では、コンパートメント境界は、破線7によって示されている。コンパートメントに堆積させた流体の体積が、コンパートメント境界をその最隣接コンパートメントの一方と交差するならば、そのコンパートメントとその最隣接コンパートメントとの間で共用されるダム構造部分の表面積の半分よりも大きい面積が覆われていたとみなされる。プロセス変化に起因する液溢れのリスクを減少させるため、コンパートメントは、その全容積まで満たされるべきではなく、結果的にはその約95%である。
選択内のコンパートメントが満たされた後は、コンパートメントに収容される体積に相当する領域が得られるべきである。それを得るには、不活性雰囲気中で必要に応じて、流体の体積を、増加または減少させた温度、増加または減少させた圧力、および/または放射にさらすことを必要とするかもしれない。それを得るには、高温で行うことが好ましい。
領域を形成する材料は、流体の対応する体積内にそれ自体が存在するのであれば、溶媒および/または他の揮発性成分を蒸発させることが十分であるかもしれない。前記体積が先駆物質材料を含有するならば、それを得るにはまた、化学反応を必要とする。化学分野の当業者に知られている豊富な化学反応は、適当な先駆物質材料を得るために活用することができる。好適な先駆物質材料は、コンバージョン中に削除される離脱基(leaving groups)を含有する。実施例は、ビニレン基の少なくとも一部が、アルコキシ基、ハロゲン基またはスルフォニウム基のような離脱基を担持するエタンジオール基(ethanediyl groups)で置き換えられたポリ−P−フェニレンビニレンのコンバージョンである。熱的に転化するとき、離脱基が除去され、ビニレン基を形成する。
流体の体積から領域を得るのを完了することは必ずしも必要ではない。流体の体積を、融合がもはや起こりえない程度までの体積に減少させれば十分である。理論上は、流体の最隣接体積のいずれもが、共用するダム構造の表面の半分よりも大きい面積を覆わないならば、流体の最隣接体積同士の融合は生じないが、製造方法において統計変動に起因する偶然の融合を防ぐため、流体の体積は、コンパートメントの容積よりも少ない量まで下げることが好ましい。完了する代わりに、単に体積を減少させることは、その方法を迅速化する。
この発明に従う方法は、プリントまたはグラフィックスを設けた商品のようないずれかの製品または商品の製造に用いられてもよく、プリントまたはグラフィックスは、この発明に従って製造されるパターン層の形式で設けられる。パターン層は、電子、照明および光学デバイスのようなデバイスであってもよく、かかるデバイスでは、パターン層は、装飾的な層ではなく機能層である。この方法は、ポリマーベースの集積回路のような集積回路の製造において特に有益であるかもしれない。この方法は、陰極線管、プラズマディスプレイパネル、電気泳動、電界放出および液晶ディスプレイのようなディスプレイの製造に特に適している。
この方法は、有機またはより具体的には、ポリマーエレクトロルミネセント素子のようなエレクトロルミネセントの製造において特に有益である。そのようなデバイスは、典型的には、エレクトロルミネセント層、ホール伝達および電子伝達層、電極層、バリア層等のようないくつかのパターン層を含む薄膜デバイスである。これらの層の各々は、典型的には、例えば、個別にアドレス可能な画像素子(ピクセル)をもつディスプレイ、よく知られた実施例としては、セグメント化されたディスプレイや、パッシブアンドアクティブなマトリックス・ディスプレイを得るため、パターンに従って設けられる。したがって、前記パターン層、特に、パターン化されたエレクトロルミネセント層とパターン化された伝達層が、この発明に従う方法を用いて設けられる。
この発明に従わない実施例(比較例)
一例として、図1に示すように基板表面上のパターン層は、従来法でガラス基板表面に270μm幅のインジウム−錫酸化物(ITO)トラックを設けることによって製造される。その後、従来のHPRフォトレジストの層が適用され、基板表面にダム構造を設けるため、マスク照射(mask exposure)を用いて処理し、ダム構造は、ITOトラックによって被覆されない基板表面の部分を覆うため、各々高さ5.7μm、幅40μmおよび間隔300μmである平行ストリップからなっており、ダム構造とITOトラックは、パターン層の領域が得られる流体の体積を収納するための300μm幅の細長いコンパートメントを形成する。ダム構造を設けた基板は図5の様相を呈する。ダムは、堆積させるべき流体に対してITOトラックの濡れ性を増加させるため、切断円形状を有し、そのようにして得られた基板に対し10分間のUVオゾン処理が施される。
マイクロドロップ社によって提供され、ノズル径が50μmである単一の圧電ノズルインクジェットヘッドを備えるインクジェットプリンターは、バイエルAG社によって提供され、質量比で3.8%の固形分である、ポリマーポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との水性混合物で充填される。
コンパートメントの上方に位置決めされるインクジェットプリンターを用い、インクジェットヘッドによって生成される(およそ68μmの液滴径に相当する)165パウンダル(pl)の液滴が、コンパートメント内に40μm間隔で落ちるような速度で、前記コンパートメントは、それに沿って基板に対しインクジェットヘッドを移動させることによって充填される。同様な方法で、各コンパートメントの最隣接コンパートメントを含む他のコンパートメントの全ては、流体で充填される。
次いで、そのようにしてコンパートメント内に堆積させた流体の体積は、ポリマーポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸の混合物の対応領域に変換されてパターン層が得られる。流体中のポリマー材料の量を与えるとするならば、その量は、パターン層の厚さが550nmになることが見込まれる量である。その後、結果として生じるパターン層は、顕微鏡を用いて検査される。観察される顕微鏡像の平面図が図4に示される。図4の垂直暗線はフォトレジストストリップに相当する。図4は、多くのコンパートメントを横切り、それらコンパートメントの実質的な部分に沿って延びる明暗領域をさらに明瞭に示す。明暗領域は干渉縞に相当する。よく知られているように、干渉縞は、パターン層に照射するために用いられる光の波長のほぼ4分の1程度である厚さの変化によって生じる。(400〜600nmの波長をもつ)可視光が使用されるので、領域内と領域間の双方で領域の厚さが非常に不均一であることは明らかである。
不均一性が、コンパートメントの各々に堆積される流体の量に関連することを説明するため、この実施例(比較例)は、液滴がさらに広い間隔、より具体的には、65μm間隔で落ちるように基板に対するインクジェットヘッドの速度を選択する唯一の相違点として繰り返され、従って、コンパートメントにより少ない量の流体で充填される。そのようにして得られたパターン層を顕微鏡での検査は、干渉縞が観察されないことを示し、パターン層の領域が均一厚さを有することを表わしている。
更なる調査は、40μmの液滴間隔では、コンパートメントとそれに再隣接するコンパートメントの間で共用するダム構造部分の表面積の半分よりも広くを濡らすのに十分である液体量でコンパートメントが充填される。対照的に、65μmの液滴間隔では、コンパートメントとそれに再隣接するコンパートメントの間で共用するダム構造部分の表面積の半分よりも広くを濡らすのに十分ではない液体量でコンパートメントが充填される。PEDOT含有流体とダム構造間の接触角度はおよそ10°である。
この発明に従う実施例
40μmの液滴間隔をもつ先の実施例は、インクジェット印刷が、この発明に従って2つのパスで行われることを唯一の相違点として繰り返される。第一のパスでは、X(図5)を付されたコンパートメントを流体の体積で充填し、その後、対応領域が水を蒸発させることによって得られる。第二のパスでは、Nを付されたコンパートメントを流体の体積で充填し、水の蒸発によって、流体体積に対応する領域が得られる。
顕微鏡で検査すると、パターン層の像は干渉縞がないことを示し、パターン層が非常に良好な厚さ均一性を有することを示す。領域の厚さはおよそ550nmである。
この実施例は、複数のコンパートメントの充填が、各パスで、最隣接コンパートメント同士では充填しないことを確かにする別個のパスでなされるならば、1個のコンパートメント内に堆積しうる流体の体積を増加させることができることを説明する。それゆえ、この発明に従う方法によって、形成されるべきパターン層は、より厚くすることが可能であり、さらに均一厚さもつ。
良好な厚さ均一性を有する比較的厚い層である同様な結果が、液滴間隔を20μmまで減少させれば得られ、1個のコンパートメント内に堆積しうる流体の量は、複数のコンパートメントがこの発明に従う方法を用いて充填されるならば、全コンパートメントが同時に充填される従来法に対して、少なくとも3よりも大きなファクターでありうることが説明される。
この方法は、水性流体に適しているばかりでなく、有機溶媒ベースの流体にも用いることができる。例えば、ポリフェニレンビニレン、ポリフルオレンおよびスピロユニット(spiro unit)を含有する発光ポリマーのような発光ポリマーのパターン層の堆積に関し、同様な結果が得られ、そのようなポリマー自体は技術的にはよく知られている。
要約すれば、基板上にパターン層を製造する方法は、基板表面を、パターン層の領域が得られる流体を収容するための複数のコンパートメントに仕切るダム構造を基板表面に設け、前記コンパートメントに、湿式堆積法を用いて、流体の容積を充填し、その後、流体堆積からパターン層の領域が得られる。比較的厚い厚さと良好な厚さ均一性を有するパターン層を得るため、幾つかのパスで充填及び領域形成が行われ、各パスは、互いに最隣接する2個のコンパートメントを含まれるような選択をしないように気をつけて、選択されたコンパートメントを、コンパートメント容積よりも多い体積を有する流体で充填し、そこから対応領域が得られる。
パターン層を設けた基板表面の模式的断面図である。 従来法の1ステージの模式的断面図である。 この発明に従う方法の1ステージの模式的断面図である。 従来法を用いてパターン層を設けた基板表面を上方から眺めたときの顕微鏡写真である。 第1のダム構造のパターンの模式的平面図である。 第2のダム構造のパターンの模式的平面図である。 第3のダム構造のパターンの模式的平面図である。 良好な濡れ性を有するダム構造−流体の結合状態を示す模式的断面図である。

Claims (11)

  1. 湿式堆積法を用い、所期したパターンに従って互いに隣接しかつ間隔をおいて配設された複数の領域を有するパターン層を基板表面に設ける方法であって、 前記方法が、
    基板表面に、それを前記層の領域によって被覆されるべき複数の基板領域に仕切るパターンに従ってダム構造を設け、複数の基板領域とダム構造がともに、前記複数の領域が得られる流体の体積を収容するための複数のコンパートメントを形成し、
    複数のコンパートメントの中で、選択内のコンパートメントのいずれもが、選択内の他の最隣接コンパートメントではないように、コンパートメントを選択し、
    前記湿式堆積法を用いて、選択内のコンパートメントの各々を、前記層の領域が得られかつ対応するコンパートメントの容積よりも多い量の流体の体積で充填し、
    前記コンパートメント内に収容された流体体積から、前記層の対応領域が得られ、および/または、前記コンパートメント内に収容される流体体積を、対応するコンパートメントの容積よりも少ない体積まで減少させ、
    複数のコンパートメントの中で、未だ選択されていない複数のコンパートメントが存在する場合には、複数のコンパートメントの中で、未だ選択されていないコンパートメントを含むコンパートメントを選択し、この選択が、選択内のコンパートメントのいずれもが、選択内の他の最隣接コンパートメントではないようにし、その後、上記と同様に流体体積の充填以降の工程を繰り返し、
    複数のコンパートメントの中で、流体を収容する1個のコンパートメントが存在する場合には、そのようなコンパートメント内に収容する流体体積から対応領域を得る工程を有する、パターン層を基板表面に設ける方法。
  2. 前記方法は、パターン層形成の完了後に、ダム構造を取り除く工程をさらに有する請求項1記載の方法。
  3. 前記パターン層は、異なる材料から形成される領域を有する請求項1記載の方法。
  4. 前記パターン層の領域は、ポリマー材料から形成される請求項1記載の方法。
  5. 前記ダム構造は、単分子層である請求項1記載の方法。
  6. ダム構造が、レリーフパターン、好適にはフォトレジストレリーフパターンである請求項1記載の方法。
  7. ダム構造が、複数の相互に平行に配列されたストリップを有する請求項1記載の方法。
  8. 選択されたコンパートメントの充填は、インクジェット印刷法を用いて行われる請求項1記載の方法。
  9. 前記インクジェット印刷法は、単一ノズルまたはマルチノズルインクジェット印刷法である請求項8記載の方法。
  10. 1個のコンパートメントは、該コンパートメントとこれの最隣接コンパートメントの間で共用するダム構造部分の表面積の半分よりも広い面積を濡らすのに十分である流体の量で充填される請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項記載の方法を有する、エレクトロルミネセント素子の製造方法。
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