JP2005522840A - 磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いたコイル及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いたコイル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005522840A
JP2005522840A JP2003585123A JP2003585123A JP2005522840A JP 2005522840 A JP2005522840 A JP 2005522840A JP 2003585123 A JP2003585123 A JP 2003585123A JP 2003585123 A JP2003585123 A JP 2003585123A JP 2005522840 A JP2005522840 A JP 2005522840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soft magnetic
magnetoresistive
enameled wire
varnish
alloy powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003585123A
Other languages
English (en)
Inventor
ジョンゴ・ヨン
Original Assignee
ジョンゴ・ヨン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジョンゴ・ヨン filed Critical ジョンゴ・ヨン
Priority claimed from KR1020030023238A external-priority patent/KR100585993B1/ko
Publication of JP2005522840A publication Critical patent/JP2005522840A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B7/00Insulated conductors or cables characterised by their form
    • H01B7/0009Details relating to the conductive cores
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B7/00Insulated conductors or cables characterised by their form
    • H01B7/02Disposition of insulation
    • H01B7/0208Cables with several layers of insulating material
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F5/00Coils
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/29Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
    • Y10T428/2913Rod, strand, filament or fiber
    • Y10T428/2933Coated or with bond, impregnation or core

Landscapes

  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

本発明は、コイルに製造時、磁性材料に表れる異方性磁気抵抗効果と類似した効果を示し、導体の抵抗を減少して電気伝導率を向上することができ、強い磁束密度を示す磁気抵抗と類似した効果を示すための物質がコーティングされた磁気抵抗エナメル線及びその製造方法と、このエナメル線を用いたコイル及びその製造方法を提供する。

Description

技術分野
本発明は、磁気抵抗エナメル線に関するもので、詳しくは、コイルに製造時、異方性磁気抵抗またはトンネル型磁気抵抗と類似した効果を示し、導体の抵抗を減少して電気伝導率を向上しながら、外部的にも強い磁束密度を示す磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いて製造される磁気抵抗コイル及びその製造方法に関するものである。
背景技術
従来の電気機器、通信機器、音響機器などに使用されるコイルには、絶縁層を備えた絶縁電線を所定形状の支持管に巻線した後、絶縁ワニス処理により電線相互間を接着・固定して製造される一般のコイルと、前記絶縁ワニス処理の代りに絶縁層を備えた絶縁電線の外部に自己融着(self-bonding)ワニスを処理しこれを巻線した後、加熱、通電、または溶剤処理などの適切な方法により自己融着ワニスを融着し、電線相互間を固定して製造される自己融着性ワニスを用いたコイルと、がある。
しかしながら、これらコイルは、実質的に、導体の抵抗によって通電時の温度上昇を抑制することが困難であり、温度上昇によって消失されるエネルギーの量が多いという問題点があり、かつ、外部的にも強い磁束密度を得ることが困難であるという問題点がある。
一方、大韓民国公開特許公報第1989-0006095号は、低損失酸化物磁性材料に関して開示している。具体的には、ディスプレイモニター、カラーテレビセットなどの電源分野、変圧器の磁心などに適用するために、高周波または高負荷状態で電力損失が著しく低下する、低損失Mn-Zn系複合酸化物により構成される低損失酸化物磁性材料の製造方法を提供しており、特に、変圧器の磁心に適用する場合、約60℃〜100℃の温度で電力の損失を最低にする酸化物磁性材料の製造方法を提供している。以下、比較例及び実施例の結果を、下記の表1に示した。
Figure 2005522840
また,大韓民国公開特許公報第1992-013493号は、各種電子機器の電源部に使用される酸化物磁性材料に関するもので、特に、低い電力損失、高い飽和磁束密度及び低い磁束密度を有し、TV、VCR、コンピュータ、ファクシミリなどの産業機器の電源装置に対する小型化を可能にしてエネルギー節約効果をも有するFe、ZnO及びMnOを主成分とする複合酸化物磁性材料に関して開示しており、その特性を下記の表2に示した。
Figure 2005522840
この他に、大韓民国公開特許公報第1993-0001250号は、低電力損失酸化物磁性材料及びその製造方法に関して開示しており、具体的には、ディスプレイモニターのパワーサプライなどに使用されるトランスフォーマーのコア用材料として適した、低電力損失Mn-Zn系複合酸化物及び酸化物の製造方法に関するものである。
これとは別途に、大韓民国実用新案登録番号20-0166183号は、[電磁波遮蔽電線]を開示している。これは、高透磁率を有する強磁性体のニッケル及びコバルト合金からなることを特徴として、人体に及ぼす健康上の問題を最小化し、電子機器媒体などのデータエラーやエネルギー伝達損失を最小化する電磁波遮蔽電線を提供することを目的としており、このようなデータエラーやエネルギー伝達損失は、電線の内部に影響を及ぼす外部磁界によって発生すると説明している。
また、強磁性体のニッケル及びコバルト合金からなる8μm〜0.4mmの厚さを有する遮蔽膜は、高透磁性物質であって、電磁波、特に磁界が通過しないように磁場の経路を凝集及び密閉して外部への発散を防ぐと主張している。
しかし、実用新案権者が本文で明らかにしたように、電気場は、伝導性の高い物体や接地装置により相当の部分を遮断できるが、磁界は、その透過性により遮断が容易でない。電気場は、発生源から垂直方向に直線状に発生し、木、建物、人の皮膚などによって容易に除去されるか弱くなるが、磁場は、発生源を中心に円状に形成されるため、物体や材料などにより容易に除去されるか弱くならない特性を示すためである。
家庭用電気の場合、1秒に60回振動する60Hzの周波数を有する交流を使用し、バッテリの場合、電流が一方向のみに流れる直流を使用している。交流の場合、誘導電流といわれる微弱な電流を引き起こす磁場を発生して人の健康に影響を及ぼし、直流の場合、ほとんどの実際状況で誘導電流を引き起こさないと知られている。
一般に、電気場は、電圧によって発生するが、磁場は、電流によって発生すると知られている。
実用新案権者が明らかにしたニッケル及びコバルト合金からなる8μm〜0.4mmの厚さの遮蔽膜は、電線に流れる電流が非常に微弱な場合のみに磁界を遮断することができる。それは、磁場が物体により容易に除去されるか弱くならずに透過されるためであり、かつ、高透磁率のニッケル及びコバルト合金が磁化されて一層強い磁場を形成するためである。
一方、大韓民国公開特許公報第2000-0033283号は、前記支持管にコイルを巻線し、その巻線されたコイルを接着テープにより取り囲んで固定し、このとき、酸化鉄粉末の磁性体物質層をその外部にさらに備えたスピーカーボイスコイルを開示している。また、大韓民国公開特許公報第2000-0033282号は、心線の外部に絶縁被膜及び融着被膜を形成し、この融着被膜の外部に酸化鉄の磁性体被膜を形成するか、または、融着被膜内に酸化鉄の磁性体を添加したスピーカーボイスコイルを開示している。これらスピーカーボイスコイルは、別途のジグを用いてスピーカーを構成する後方プレートの軸棒に結合設置するとき、コイルの外部または電線の外部に添加される酸化鉄磁性体によって、ボイスコイルを構成する前方プレートの厚さ中心に正確に一致するという効果がある。
ボイスコイルは、酸化鉄が常に外部磁場を発生することで前方プレートの厚さ中心に正確に一致する。よって、ボイスコイルは、後方のスピーカーから所定間隔離れた状態で一種の磁気浮上効果を示して中心を正確に維持し、このように中心を維持することで、スピーカーに表れる音の変形、すなわち歪曲率の改善および生産性の増大をもたらすという効果がある。
一般に、酸化鉄は、FeO、Fe、Feに区分され、Feは、再びアルファ(α)型(α-Fe)とガンマ型(γ-Fe)とに区分される。このうち、Fe、 γ-Feが常温で自発磁化値を有し、これらの保磁力は非常に低い値を有する。例えば、Fe及びγ-Feは、保磁力が約200〜450Oe、飽和磁化値がそれぞれ約0.6、0.5Tesla、残留磁化値が飽和磁化値の約80%を示す。このようなFe及びγ-Feの保磁力は、ボイスコイルの外部磁場を用いるのに充分である。
一般に、マグネットワイヤーともいわれるエナメル線は、コーティング技術、導体の伸線技術、コーティング絶縁体であるワニスの製造技術などが結合されて製造される。
コーティング絶縁体として使用されるワニスは、着実に発展して250℃以上を耐えうる程度に発展し、コーティング技術及び伸線技術は、0.05mm以下の細い裸銅線を伸線してコーティングする程度に技術的に発展してきたが、このようなエナメル線は、今までの基本的な機能の他に、色素を添加して外皮の色相を変えることを除くと、特別に改善された機能はない。
一般に、エナメル線に流れる電流は、発熱作用、化学作用及び磁気作用をすると知られており、これは、エナメル線に電流を流してみると容易に確認することができる。
今までのエナメル線の性能改善を見ると、耐熱性または絶縁破壊電圧数値の向上のみに偏っており、実際的な高機能性エナメル線は製造されていない。
したがって、エナメル線の根本的な性能改善のための研究が不可欠であり、このようなエナメル線の性能改善は、私たちに様々な利点をもたらす。
上述したように、従来のエナメル線は、抵抗に電流の発熱作用及び磁気作用が常存する状況で発熱作用を抑制することができなく、このような抵抗による発熱作用は、エネルギー損失を放置するという問題点があった。かかる問題点のため、エナメル線被覆用ワニスの耐熱性が重要になった。
発明の開示
本発明は、従来の問題点を勘案して、エネルギー伝達過程で発生する導体の抵抗及び負荷を、磁気抵抗効果またはこれと類似した効果によって減少することで、通電時に温度上昇が抑制されるコイルを提供するとともに、エネルギー切断過程で発生するエネルギーの損失量を画期的に減少できる磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いた磁気抵抗コイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、外部的に強い磁束密度を得られる磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いた磁気抵抗コイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、絶縁破壊が容易に行われる現像を防止できる磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いた磁気抵抗コイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、低い電圧下でも異方性磁気抵抗またはこれと類似した効果を充分に示すエナメル線及びその製造方法とこれを用いた磁気抵抗コイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
図面の簡単な説明
図1は、異方性磁気抵抗と類似した効果を示すための高透磁率材料が導体に被覆されたとき、磁界の形成方向を示した概念図である。
図2は、一般的なエナメル線における磁界の形成を図式化した概念図である。
図3は、本発明のエナメル線における磁界の形成を図式化した概念図である。
図4は、本発明のエナメル線の一部の要部切開斜視図である。
発明を実施するための最良の実施形態
本発明は、このような目的を達成するために、異方性磁気抵抗物質または異方性磁気抵抗効果と類似した効果を示す物質が被覆された磁気抵抗エナメル線を提供する。
ここで、異方性磁気抵抗物質とは、エナメル線を構成する伝導性心線に流れる電流によって相異なる多様な方向に磁界が形成されるように磁化が行われる物質をいう。
また、本発明は、磁気抵抗エナメル線の製造方法において、
a)伝導性心線を提供する段階と、
b)前記a)段階の心線の外周部に磁気抵抗効果と類似した効果を示すための物質を含むワニスを被覆・軟化する段階と、を含む磁気抵抗エナメル線の製造方法を提供する。
また、c)前記b)段階の異方性磁気抵抗物質を含むワニスを被覆・軟化して製造されたエナメル線を着磁する段階をさらに含んで磁気抵抗エナメル線を製造できる。
また、本発明は、磁気抵抗コイルの製造方法において、前記磁気抵抗効果と類似した効果を示すための物質が被覆された磁気抵抗エナメル線を巻線してコイルを製造する段階を含む磁気抵抗コイルの製造方法を提供する。
以下、本発明の構成手段の作用および好ましい実施例に基づいて、本発明を詳しく説明する。
まず、磁気抵抗現像及び磁気抵抗物質を説明する。
薄膜は、平らな基板上に物質をドーピングして設けた材料である。その厚さは、原子1〜数千層まで設けられるが、このように設けられた薄膜材料は、塊りであるときと比較してその特性が大きく変わる。特に、多層薄膜といって相異なるいくつの物質を順に積層した薄膜は、独特の特性を帯びるようになる。しかも、設けられた薄膜を切り抜いて導線を描き、その間に抵抗、コイル、コンデンサ、トランジスタなどを薄膜技術により設ける技術が開発され、CPU、メモリ、ハードディスクの全ては、薄膜材料により核心部品が設けられる。薄膜を開発する場合、設けられた薄膜がいかなる結晶構造を有するか、その結晶がいかなる方向を示しているか、厚さは正確に設けられたかを測定すべきである。
この薄膜材料の一例として、磁気抵抗物質が挙げられる。磁気抵抗現像とは、外部の磁気力により材料の抵抗値が変わる現像をいい、この現像は、外部磁場の変化を非常に敏感に読み出せるため、高容量のハードディスクに用いられる。市販されるハードディスク広告に表示された“MRヘッド採用”という文句がそれを示す。このような磁気抵抗物質は、シリコン基板上に磁性物質及び非磁性物質の2層を交互に数十層重ねて設けられる。
1999年11月三星電子は、最低騷音20.4Gb大容量HDDを市販した。このHDDは,スピンポイントV10200シリーズという名称で10.2GB、15.3GB、20.4GBなどの3種に市販されたが、このシリーズは、GMR(巨大磁気抵抗効果:Giant Magnetoresistant)ヘッドを採用して秒当たり66MBの伝送速度を出すことができる。ここで、HDDヘッド部は、異方性磁気抵抗効果が大きく表れる巨大磁気抵抗物質により設けられたヘッドであった。この他に、類似したデータ保存と関連し、2000年5月10日のWWW.edtn.comによると、モトローラ社の半導体研究員が高速3V電源で作動する磁気抵抗素子メモリ(MRAM)のプロトタイプを開発したと発表した。
磁気抵抗効果素子(MR)は、半導体の薄いチップに電流を流して磁界を加えた場合、電流端子間の電気抵抗が変化する現像を用いたもので、半導体磁気抵抗素子と強磁性体磁気抵抗素子とに区分される。
半導体磁気抵抗素子は、長く細い半導体の上に長い方向と直角に短絡ストライプが付着されており、磁気抵抗素子を多数直列に接続した構造で素子数を多くすると、抵抗値が大きくなるが、主に、無接触可変抵抗器、ポテンショメータ、磁束計、電流計、変位及び振動ピックアップ、乗算器、アナログ計算器、マイクロ波電力計、回転計、紙幣識別センサなどに用いられる。
強磁性体磁気抵抗素子は、磁界が大きくなると抵抗が直線的に減少する負性磁気抵抗効果、及び磁化方向と電流方向とがなす角度によって抵抗が異方的に変化する異方性磁気抵抗効果を用いるものがあるが、異方性磁気抵抗効果を得るために、低磁界強度に優れ、素子の小型化及び高抵抗化という目標から屈曲線状の薄膜に構成され、Ni-Co合金が主に用いられている。この強磁性体磁気抵抗素子の特徴をみると、飽和磁界(Hs)以上の磁界で使用した場合、磁界の方向が検出され、出力レベルが磁界強度に関係なく安定になり、金属からなるので半導体に比べて出力の温度変化が少なく、高温で使用することができる。また、同一基板上に複数個のセンサの配列集積化が容易でかつ多機能化が可能であり、低磁界で大きな出力が得られるが直に飽和状態になる。
このような強磁性磁気抵抗素子は、主に高密度磁気センサ、高精密度位置センサ、リニア位置センサ、ロータリエンコーダ、マグネットスイッチ、プリンターの因子配列器などに使用された。
このような多様な現像に対する根本的な原理は、ホール効果(Hall effect)として発表された時点から検討すれば理解できる。19世紀イギリスの科学者であるStonyは、電気及び電子に対し、電気にはこれ以上分けれない最も小さな粒子があるが、それが電子であると主張し、米国のミリカンは、実験を通して電子の電荷を測定した。
ホール効果は、1879年米国のジョーンズホプキンズ大学の大学院生であったエドウィンホールによって初めて発見された。彼は、磁場内に垂直に置かれた薄い伝導体に電流を流したとき、伝導体の両端に電圧(Hall)が表れることを発見した。
ホール効果は、磁場中心の電気伝導による現像であって、磁場に垂直に電流を流したとき、磁場及び電流の両者に垂直な方向に電気場が発生することである。この現像は、電流を運搬する電子に磁場によるローレンツ力が作用して電気場が発生したことである。これによって分かるように、ホール電圧は、磁場の強さと比例する。これは、電荷密度と比例するためであって、産業的に多く用いられており、これを正常磁気抵抗の最初の原理と見なすべきである。
磁気抵抗(Magnetoresistance;MR)とは、物質に磁場を加えるときにその物質の電気抵抗が変化する現像であり、多様なメカニズムがある。
第一に、ホール効果によるものであって、Auのような非磁性体及び半導体物質に磁場を加えると、伝導電子がローレンツ力を受けて電子の軌跡が円状を描くことで、抵抗の発生をもたらす。一般に、これを正常磁気抵抗(Ordinary magnetoresistance;OMR)といい、1%未満の相当小さい大きさを有する。
第二は、正常磁気抵抗に付け加えて、強磁性物質に表れる磁気抵抗がある。これは、スピン-軌道結合に起因したもので、磁気抵抗は、強磁性物質の磁化容易軸、外部磁場と電流間の方向に依存し、これを異方性磁気抵抗という。
パーマロイ系合金の場合、常温で約2%の変化を示し、既存のMRセンサや磁気再生ヘッドに用いられてきた。これを、縦効果または音の磁気抵抗という。
第三に、隣接した磁性層の間を伝導電子が通過するとき、スピン方向差によるスピン依存散乱に起因した巨大磁気抵抗(giant magnetoresistance;GMR)がある。
この内容を一層詳しく説明すると、大韓物理学会で発刊する‘物理学と尖端技術1999年11月第8巻第11号’の内容のうち、韓国標準科学研究院、巨大磁気抵抗材料物質研究団の団長ホナンフェの他3人が掲載した“巨大磁気抵抗材料:研究、現況及び展望”を見れば容易に理解できる。すなわち、“一般に、導体の抵抗は、磁場を加えると電子の流れが遅くなって増加するようになる。ところが、ある材料では反対に抵抗が減少する現像を示すが、これら物質のうち、磁場による抵抗の減少が1,000%以上で非常に大きな物質を巨大磁気抵抗材料(Colossal magnetoresistance;CMR)という(以下省略)”と述べている。
しかしながら、このような各種磁性材料の用途及び活用面を見ると、ディスプレイモニター、カラーテレビジョンセット、VCR、コンピュータ、ファクシミリ、変圧器などの産業機器の電源装置の磁心(コア)に適用されるか、磁気記録媒体や再生ヘッドなどに関連した分野に偏っている。
この他に、複合磁性材料を用いてインジェクション成形、トランスファー成形、圧出成形方法により、プリント基盤のモールド材、半導体のパッケージ材料、巻線コイルのモールド材、各種コイルのコア、トロイダル、クランプフィルタ用コア材料、コネクターのハウジング及びカバー材、各種ケーブルの被覆剤、各種電子機器の光体が、絶縁性、作業性、腐食発生の問題、高周波特性及び耐電圧などの特性改善を目的に使用されたことはあるが、実質的なエネルギー伝達過程における導体の抵抗減少及び伝導率の改善を目的にした研究は一度もなかった。
本発明は、強磁性磁気抵抗素子の製造理論に基づいて、磁気抵抗効果または磁気抵抗と類似した効果を示すために高透磁率材料をエナメル線に被覆することで、内部及び外部的に強い磁界を形成することができ、その結果、内部の磁場によって磁気抵抗または磁気抵抗と類似した特性を示すエナメル線が得られることを発見した。
ここで、磁気抵抗特性は、コーティングされた磁化可能な材料が伝導性心線に流れる電流から発生した磁界によって磁化され、伝導性心線が前記磁化可能な材料により形成された磁界内に置かれるため、伝導率が改善されて電気的抵抗が減少する現像をいう。
上述したように、材料に磁場を加えてその材料の電気抵抗が変わることと同様に、エナメル線に磁場を加える場合、その磁場によって抵抗数値が変わるかに対する簡易実験があった。
このような簡易実験によると、直径0.41mm、長さ234.6mのエナメル線を円筒状のアルミニウム管に巻線した後、固有抵抗を測定すると、約33.7Ωになるが、この巻線されたコイルに小さい複合酸化物系磁石を近接させて左右上下に揺らすと、抵抗数値が11〜86Ωまで高くなるか低くなって変わることが確認された。
また、断面積が広くて大きい磁界を有する複合酸化物系磁石を近接させて左右上下に揺らすと、抵抗数値の変化が一層大きくなることが確認された。
しかし、このような永久磁石を、巻線したコイル周辺の所定箇所に位置変動なしに置く場合、エナメル線の固有抵抗数値は、永久磁石の磁界が及ぼす状況でも最初に測定した33.7Ωに還元されることが確認された。
この実験で、エナメル線の周囲に永久磁石を配置せずに、磁性材料をエナメル線の外周部に均等にコーティングし、エナメル線に流れる電流で磁性材料を引き続いて磁化する場合、磁性材料から出る磁場によってエナメル線の固有抵抗変化が得られることを発見し、これに基づいて本発明を完成した。
このような簡易実験により、磁気抵抗効果またはこれと類似した効果、特にトンネル型磁気抵抗効果(TMR;Tunnel Magnetoresistance)とさらに類似した効果が得られる。
磁気抵抗効果における大きな課題は、弱い磁場でも大きな抵抗変化を引き起こすことであって、このような磁気抵抗の研究において、1988年、鉄及びクロムの磁性人工格子を用いた巨大磁気抵抗効果も発見された。
このような巨大磁気抵抗効果とは異なる流れで、スピン偏極を用いたトンネル型巨大磁気抵抗効果に対する研究が進行された。このようなトンネル型磁気抵抗効果によると、磁場のない状態では、非磁性層を境界に電子スピンが相異なる方向に向かっているため、電子が散乱を受けてトンネル電流は流れ難くなるが、磁場を印加すると、スピンの方向が備わって電流を容易にトンネルする。
以下、本発明の磁気抵抗効果またはこれと類似した効果を一層詳しく説明する。すなわち、磁性層、非磁性層及び磁性層を加えたペロブスカイト構造の磁気抵抗材料に電気を通電しながら磁気抵抗を設ける、エナメル線の主要導体である金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)などは、狭く見ると反磁性体で、広く見ると常磁性体である。常磁性体の特性である磁性をほとんど示さずに反磁性の性質を有する場合も、反磁性という用語が物質の内部に磁力線を侵入させない意味であるにもかかわらず、その作用が極めて微弱であるため、金属であっても簡単に磁力線が通りすぎることで、磁力線を遮断する力が全くないと見なされ、エナメル線が金、銀、銅、アルミニウムなどの常磁性体の螺旋により導体を形成することに着眼して、周辺に異方性磁気抵抗と類似した効果を出すように、高透磁率材料を粉末状にエナメル線コーティング用絶縁ワニス及び磁気融着性絶縁ワニスに希釈してコーティングし、エナメル線に通電時に発生する1次磁場によって高透磁率材料が磁化され、その磁化された高透磁率材料によって発生した2次磁場中にエナメル線の導体が置かれることで、スピンが所定方向に円滑に流れるようになり、電気的抵抗を減少できるという効果がある。
本発明は、このために、磁気抵抗効果または異方性磁気抵抗と類似した効果を示すための物質をエナメル線に被覆して磁気抵抗エナメル線を製造し、これを巻線して磁気抵抗コイルを製造する。前記異方性磁気抵抗と類似した効果を示す物質をエナメル線に被覆する方法は、多様に選択することができる。
本発明のエナメル線で製造されるコイルは、電気の通電時、エナメル線に被覆された高透磁率材料の磁化が進行され、その磁化が進行される高透磁率材料は、導線の内側および外側に同時に磁界を形成し、従来のコイルで形成される磁場よりも大きい磁界を形成する。特に、導線の内側に形成された磁界中に導体が置かれることで、異方性磁気抵抗効果やトンネル型磁気抵抗効果のように、導体の電気抵抗を減少するようになる。
このような効果によって、コイルは、電気伝導率が向上して抵抗及び負荷による温度上昇が抑制され、これによるエネルギー損失を最小化した状態でエネルギーを伝達するようになる。また、製造されるコイルは、通電時、コイルを形成するエナメル線の心線から出る磁場が高透磁率材料の磁化を進行させ、このように依存的に磁化された高透磁率材料により生成される磁場がエナメル線の心線側及び外側に、従来の磁場よりも大きい磁界を形成するようになる。
このような磁界の形成は、図面により容易に理解できる。
図1は、高透磁率材料が導体に被覆されたとき、磁界の形成方向を示した概念図である。図1の矢印は、高透磁率材料の磁界の形成方向を示すものである。したがって、高透磁率材料が伝導性心線に完全に塗布された場合、伝導性心線は、高透磁率材料が磁化されて形成した磁界に完全に置かれることで、異方性磁気抵抗と類似した効果を示すようになる。
本発明の効果を示すための高透磁率材料は、通電により磁化が進行される磁化されていない高透磁率材料であり、粉末状にワニスに混合及び分散して使用する。既に磁化された高透磁率材料である場合も、分散性が容易な程度の水準であれば大きな問題は発生しないが、粉末の磁化状態が激しくてワニスに混合するときに永久磁石のように磁気抵抗物質どうしがくっ付くことで撹拌が困難であり、撹拌器にくっ付いて分離しがたい程度であれば使用することが困難である。したがって、磁化されていない磁気抵抗物質を粉末状にワニスに混合して使用することが好ましい。
本発明の高透磁率材料は、酸化鉄から得られる磁束密度よりも強い磁束密度を示す物質を選択する。酸化鉄のみでは、常温で本特許発明の効果を得ることが難しく、得られるとしても、その値が大きくないため効果は微々たるもので、これを補完するために多量使用する場合も、所望の効果を得ることが困難であり、多量使用する場合は、ワニスに分散しにくいという問題点が発生する。
本発明の高透磁率材料に使用される化合物は、三つの形態に分けられるが、ほとんどの軟質磁性材料及び低損失酸化物磁性材料が使用される。
すなわち、
i)希土類金属または転移金属を1種以上含む磁気抵抗物質、特に高透磁率軟質磁性合金、
ii)前記希土類金属または転移金属を1種以上含む磁気抵抗物質、特に高透磁率軟質磁性複合酸化物、
iii)前記希土類金属または転移金属を1種以上含む磁気抵抗物質、特に高透磁率軟質磁性複合窒化物である。
また、これらは、互いに組み合わされた混合物として、本発明の絶縁ワニスに含むこともできる。
この他に、永久磁石材料である硬質磁性材料が使用されるが、硬質磁性材料の特性が材料を磁化する過程で多量のエネルギーを要求するため、大容量の電流が流れない限り、その効果を見ることは困難である。
磁性材料は、強磁性体と常磁性体とに区分され、このうち、強磁性材料は、軟質磁性材料と硬質磁性材料とに分けられるが、軟質磁性材料は、弱い磁場で大きく磁化される高透磁率を有する材料をいい、硬質磁性材料は、高保磁力、すなわち磁石の磁束を減少する磁場に対し、磁束密度を保護して維持しようとする抵抗の大きい磁性材料をいう。したがって、大きな磁場が形成される電流を流す所では、硬質磁性材料にも充分な抵抗減少効果が得られるが、通常的な電気電子で使用するためには、高透磁率を有する軟質磁性材料を選択することが好ましい。
代表的な軟質磁性材料には、純鉄、センダスト、硅素鋼、パーマロイ、アモルファスなどの金属性軟質磁性材料が挙げられる。特に、パーマロイには、ニッケルの含量によって45パーマロイ、78パーマロイ、81パーマロイなどがあり、第3元素を添加したMoパーマロイ、Crパーマロイ、Cuパーマロイ、Siパーマロイ、Tiパーマロイ、Mu金属などの透磁率を改善したものが含まれる。
また、アモルファスには、Co基アモルファス、Fe基アモルファス、Ni-Fe基アモルファスなどがあるが、これらのうち、Ni-Fe基アモルファスは、Ni-FeをベースにしてMn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、W、Zrから選択された少なくとも1種の元素を含む組成を有する。
この他の軟質磁性材料として、
(1)Ni-Fe-Mo系4%パーマロイ、
(2)Ni-Cu-Zn系軟磁性フェライト、
(3)Fe、MnO、ZnOを主成分にして、NiO、MgO、CuO、SiO、CaO、V、TiO、Nbなどが特性改善用に添加されるMn-Zn系軟磁性フェライト、
(4)Ni-Zn系軟磁性フェライト、
(5)Mg-Mn-Zn系軟磁性フェライト,
(6)Mg-Cu-Zn系軟磁性フェライト,
(7)Fe-Ti-N系軟磁性フェライト、
(8)Fe-Cr系軟磁性フェライト(副成分:C、N、Si、Mn、Ni、P、S、Cr、Al、Mo、Ti)、
(9)Fe-Co-Ni-N系軟磁性フェライト、
(10)Fe-Co系軟磁性フェライト、
(11)Fe-Al-Si系軟磁性合金粉末、
(12)Fe-Al系軟磁性合金粉末、
(13)Fe-Si-B-Cu-Nb系軟磁性合金粉末、
(14)Fe-Br-B-Cu系軟磁性合金粉末、
(15)Fe-B-M-N-R系軟磁性合金粉末(ここで、Mは、Hf、Zr、Nbから選択された一つの元素で、Nは、Cu元素で、Rは,Ti、V、Ta、Cr、Mn、Mo、W、Au、Ag、Zn、Ga、Geから選択される1種以上の添加元素)、
(16)Fe基軟磁性合金粉末((Fe1-x)100-a-b-c-dSiAl)(ここで、Mは、Co、Niまたはそれらの混合物で、Kは、Nb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ge、C、Pから選択された1種以上の元素)、
(17)Fe系軟磁性合金粉末(Feをベースに、CO、Niのうち一つまたは両者を選択し、添加元素としてTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wからなるグループで1種以上選択された元素)、
(18)Fe-Zr-B-Ag系軟磁性合金粉末、
(19)Fe-Hf系軟磁性合金粉末、
(20)Fe-Si系、Fe-Si-Al系、Fe-Ni系軟磁性合金粉末、
(21)Fe-(Ta、Hf、Zr、Nb、Mo、Al、Si、Ti、Cr、Wから1種以上選択される元素)-(C、N、O、Bから1種以上選択される元素)-Pにより構成される軟磁性合金粉末、
(22)酸化鉄(Fe)、酸化ニッケル(NiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)、酸化ビスマス(Bi)により組成されたことを特徴とする軟磁性粉末、
(23)Fe-Co-(希土類元素としてSm、Er、Tm、Yb、Hoから1種以上選択される元素)-(微細結晶化のためのC、N、O、Bから1種以上選択される元素)の組成を有する軟磁性粉末、
(24)Mg-Zn系、Mn-Al系、Co-Pt系、Cu-NI-Co系、Cu-Zn系、Mn系、Co系、LI系、Mg系、Mi系軟磁性フェライト粉末,
(25)Fe、Fe、CoFeのうち1種または2種以上を主成分とする軟磁性複合酸化物粉末などが挙げられる。
本発明の磁性材料を使用する際は、透磁率、残留磁束密度(BR)および最大エネルギー積(BH)maxが相対的に低いため、合金、酸化物、窒化物、またはこれらの混合物の形態で使用することが好ましい。
本発明の物質を明確にするために、本発明で使用する磁気抵抗物質を定義すると、磁気抵抗物質とは、前記高透磁率材料および軟磁性材料をいい、硬質磁性材料とは、保磁力の大きい永久磁石用材料をいう。
前記説明した軟質磁性材料や硬質磁性材料のうちフェライトは、複合酸化物であって、酸化鉄を希釈して使用するのでなく、材料を混合焼成するか、または他の方法によって製造するものである。
例えば、バリウム-鉄系複合酸化物、またはストロンチウム-鉄系複合酸化物の製造方法は、次のようである。
まず、主成分である酸化鉄(Fe)は、製鉄所の薄板製造工程で表面に発生する酸化鉄を塩酸により洗浄して分離した後、廃液から得る。次に、この酸化鉄、炭酸バリウム(BaCO)、あるいは炭酸ストロンチウム(SrCO)などを正確に計量して混合することから製造工程が開始される。この混合は、原料どうしが充分に接触して化学反応を引き起こすようにする重要な工程であり、ボールミール内で5〜20時間にわたって行われる。次に、この材料を可塑する。可塑工程では、回転炉内で約1,300℃まで加熱するが、これは、材料のフェライト化をある程度進行して、その後の焼成における焼縮制御を容易にするために行われる。
可塑を終了した材料が精製して固い塊りになると、炉から取り出し、これを約1ミクロンの粉末に作るために、水および鉄玉を入れて粉砕する。この粉砕によって材料の表面積が大きくなり、その後の反応性や焼結性が向上するようになる。
その後、ここで得られた材料は、"等方性複合酸化物"と"異方性複合酸化物"の製造に分れる。まず、等方性フェライトの場合は、粉砕された材料に粘結剤や潤滑剤を混ぜ、その状態でプレス成形して所望の形状および大きさに固まる。
これに反して、異方性フェライトの場合は、プレスを磁場中で行って磁化方向をある程度整列した後、加圧および成形し、その後の着磁で大きな効果をもたらす。そして、等方性や異方性フェライト成形品も、その後に炉内で焼結される。ここでは、25〜26時間にわたって約1,000℃まで加熱して非常に固くなるが、この工程を終了したものは、焼結前に比べて体積が減少する。そのため、変形を除去するために、サンディング/研磨を実施する。
本発明に使用される磁気抵抗物質は、金属成分が全く含まれない酸化物系、窒化物形態および金属成分を含む形態に、伝導性可否によって区分され、ワニスに分散して使用する。金属成分が含まれた伝導性磁気抵抗物質を使用する場合、エナメル線のコーティング時、可能な限り導体の近くに塗装した後、絶縁性能の破壊を防ぐために、別途に外皮に絶縁層を形成することが好ましい。特に、伝導性心線とコーティングする磁気抵抗物質との間の空間を可能な限り小さく作って、磁気抵抗物質の粒子大きさが相対的に小さい状態で使用することが好ましい。もし、順序を変えて絶縁層の外部に金属成分が含まれた磁気抵抗物質をコーティングする場合、導体で流れる電気が絶縁層を過ぎて金属成分がコーティングされた部分に流れることで、絶縁ワニス層が容易に破壊されてエナメル線の絶縁性能を維持することが困難である。
したがって、敢えて外部層に伝導性のある磁気抵抗物質を被覆する場合は、その被覆前に、1次層あるいは2次層までの絶縁層を形成して充分な絶縁破壊電圧を確認した後、最終的にコーティングするように注意すべきである。
伝導性のない酸化物系または窒化物系、あるいは各粉末粒子を一つずつ絶縁処理した磁気抵抗物質は、導電性に影響を与えないので、絶縁層のどの部分に分散して使用してもよい。
このような磁気抵抗物質は、ワニスに混合されて磁気抵抗ワニスとして製造されるが、前記磁気抵抗物質は、固形分基準に0.3乃至30重量%含まれることが好ましい。0.3重量%未満に含まれると、磁気抵抗固有の特性である起磁力、保磁力、磁束密度及び透磁率などの磁気抵抗性質を充分に示すことが困難である。
その反面、30重量%を超過して使用する場合は、ワニスに均等に分散することが困難になるか、製造される磁気抵抗エナメル線の外観が平滑でなく表面に固まり及び膨みを誘発するか、または、磁場の大きさが添加量だけ増加されないという問題が発生する。
以下、エナメル線の心線を被覆するための前記磁気抵抗物質を含むワニスの製造方法を説明する。
本発明の磁気抵抗物質は、エナメル線の導体である伝導性心線の外周部に位置されるワニスに含まれて被覆されることが好ましい。かかるワニスは、通常的なエナメル線用ワニスであり、絶縁ワニス、または自己融着性絶縁ワニスに本発明の磁気抵抗物質が含まれることが好ましい。磁気抵抗物質が含まれた絶縁ワニスは、伝導性心線に被覆されて磁気抵抗絶縁ワニス層を形成し、磁気抵抗物質が含まれた自己融着性絶縁ワニスは、磁気抵抗自己融着性絶縁ワニス層を形成する。
通常、絶縁ワニスは、心線に最も近い外周部に絶縁層としての絶縁ワニス層を形成し、自己融着性絶縁ワニスは、この絶縁層の外側に被覆されて自己融着及び絶縁層としての自己融着性絶縁層を形成する。本発明の磁気抵抗物質は、このような導線の外周部に被覆形成される絶縁ワニス層、または自己融着性絶縁ワニス層のうちいずれか一つの層のみに含ませても、磁気抵抗効果を得ることができ、絶縁ワニス層及び自己融着性絶縁ワニス層の全てに含ませることもできる。
よって、本発明のエナメル線の導体である伝導性心線の外周部に磁気抵抗物質を含む磁気抵抗ワニス層を形成し、必要に応じて、磁気抵抗ワニス層の外周部に形成された自己融着ワニス層、または第2および第3の絶縁ワニス層に磁気抵抗物質を含ませることもできる。このときも、従来の絶縁性能を維持するには何らの問題も発生しない。
また、前記説明したように、金属成分が含まれた伝導性のある磁気抵抗物質を使用する場合は、伝導性心線に最も近い部分に被覆するか、被覆前に1次層あるいは2次層までの絶縁層を形成して充分な絶縁破壊電圧を確認した後、最終的に被覆するように注意すべきである。
本発明によるエナメル線およびコイルは、高圧から低圧に至るまで多様に使用される。
通常、本発明の磁気抵抗物質が含まれた絶縁ワニスには、一般のエナメル線用絶縁ワニスを使用する。具体的には、絶縁ワニスに分散剤および磁気抵抗物質を投入し、撹拌して製造する。好ましい分散剤としては、一般の油性系、ポリエチレン重合型保護コロイド系及び脂肪酸アミド系からなる群から1種以上選択して使用することが好ましい。分散剤の使用量は、磁気抵抗物質を適用した絶縁物質100重量部に対して0.5乃至3.0重量部が好ましい。
前記使用可能な一般のエナメル線用絶縁ワニスは、
i)ポリエステルエナメル線用ワニス、
ii)ポリウレタンエナメル線用ワニス、
iii)ポリビニルホルマールエナメル線用ワニス、
iv)ポリエステルイミドエナメル線用ワニス、
v)ポリアミドイミドエナメル線用ワニス、
vi)ポリイミドエナメル線用ワニスなどである。
このように適用される絶縁ワニスは、通常的に使用されるものであり、以下、これらを具体的に説明する。
前記i)のポリエステルエナメル線用ワニスは、多価酸および多価アルコールの反応によるエステル重合に基づいて、高温反応によって合成した数平均分子量約5,000のポリエステル樹脂に各種の架橋剤、添加剤及び溶剤類を適当に混合して最終的なワニスとして製造したものである。前記エナメル線用ワニスは、主に各種の回転電動機、一般及び大型の変圧器などに使用されており、耐熱指標はB-F種(耐熱温度130〜155℃)である。
前記ii)のポリウレタンエナメル線用ワニスは、イソシアネート(-NCO)反応基を含むポリイソシアネート、およびヒドロキシ(-OH)反応基を有するポリエステル系ポリオールを主成分にし、実際の応用時、常温で1液型に安定化されつつ加熱によってイソシアネート反応基およびヒドロキシ反応基が反応するように、特殊なブロッキング化されたポリイソシアネートを使用する。前記ポリウレタンエナメル線用ワニスは、主に家電製品に適用される全般的な変圧器類に使用され、耐熱指標はE-F種(耐熱温度120〜155℃)である。
前記iii)のポリビニルホルマール(PVF)エナメル線用ワニスは、ポリビニルアセタール樹脂のうちポリビニルホルマール樹脂の特性を補強するエポキシ、メラミンなどを添加して製造されるもので、耐摩耗性及び耐冷媒性に優れて、主に冷蔵庫及び冷房装置などの冷媒が入る密閉型コンプレッサモータの製造に使用され、基本的なホルマール銅線エナメルへのウレタン基の導入やその他の変性による改善も可能である。耐熱指標はE-B種(120〜130℃)である。
前記iv)のポリエステルイミドエナメル線用ワニスは、従来のポリエステル樹脂に耐熱安定度の高いイミド基を導入して耐熱度を向上したもので、電子及び電気産業の各関連機器が軽薄短小化されながら、相対的に機器の寿命と関連した信頼性面で高い耐熱度が要求されるものに使用される。前記ポリエステルイミドエナメル線用ワニスは、主に電動工具、自動車用ウィンドーブラッシュ、高熱の発生する電動機及びHVT(High Voltage Transformer)などに使用される。耐熱指標はF-N種(155〜200℃)である。
前記v)のポリアミドイミドワニスは、芳香族アミドとイミドとを共重合して得たワニスであって、構造上、線状でありながら芳香族の巨大分子により構成されるため、各種の機械的、電気的、化学的な耐久特性に優れて、主に、4,4‘-メチレンジイソシアネート(MDI)およびトリメリット酸(TMA:Tri-Mellitic Anhydride)の反応によって製造される。前記ポリアミドイミドワニスは、主に高耐熱が要求される電子及び電気機器産業分野、線舶及び宇宙航空分野などに使用され、耐熱指標はH-N種(180〜220℃)である。
前記vi)ポリイミドエナメル線用ワニスは、最も高い耐熱性を保有したものであって、ピロメリット酸無水物(PMDA:Pyrromellitic dianhydride)、ベンゾフェノン酸無水物(BPDA:Benzophenon Dianhydride)などの芳香族多価酸および芳香族多価アミンを反応して液状のポリアミン酸に製造し、加熱によってイミド環を形成してポリイミドエナメル線に製造する。前記ポリイミドエナメル線用ワニスは、主に宇宙航空分野及び絶対的な信頼性が要求される大都市の電力供給用変圧器及び防衛産業用機器などに使用され、耐熱指標はC種(250℃)以上である。
本発明の磁気抵抗物質が含まれた自己融着性絶縁ワニスは、エナメル線の最外郭に位置してエナメル線を製造し、これを巻線した後、加熱、通電、または溶剤処理などの適切な方法により自己融着性ワニスを融着して電線相互間を固定する自己融着性コイルに製造される。このために、通常、自己融着性絶縁ワニスは、一般のエナメル線用自己融着性絶縁ワニスを使用する。
前記使用可能な自己融着性絶縁ワニスには、
i)ポリビニルブチラール系自己融着性ワニス、
ii)フェノキシ系自己融着性ワニス、
iii)ポリアミド系自己融着性ワニス、
iv)エポキシ系自己融着性ワニスなどがある。
前記i)のポリビニルブチラール系自己融着性ワニスは、ポリビニルアセタール樹脂のうちポリビニルブチラール樹脂の熱可塑性であり接着力に優れた特性を活用して自己融着性を持たせたものであって、特に、一部の溶剤で溶解力を有するため、溶剤噴射による融着方式が可能である。
前記ii)のフェノキシ系自己融着性ワニスは、エポキシ樹脂のうち可塑性を有するフェノキシ樹脂を使用して製造したものであって、溶剤による溶出、通電方式および加熱方式の全てに適している。
前記iii)のポリアミド系自己融着性ワニスは、接着強度、表面潤滑性及び耐熱性に優れて家電製品の主要コイル部品に多様に使用され、基本樹脂としては、ナイロン11、12及び共重合体が使用され、湿気との反応による水素結合で製造されたエナメル線間の表面粘着発生を極小化するように設計される。前記ポリアミド系自己融着性ワニスは、高画質テレビの偏向ヨークコイル及び特殊形態のコイルの製造などに使用され、通電及び加熱方式に適している。
前記iv)変性エポキシ系自己融着性ワニスは、低粘土-高不揮発成分のハイソリッド化、粘着強度、融着・粘着後の変形性、及び作業性に優れたワニスであって、主に通電方式を適用する。
本発明の磁気抵抗エナメル線は、伝導性心線の外側に前記磁気抵抗物質を含む磁気抵抗ワニスを被覆して軟化し、磁気抵抗ワニス層を形成して製造する。
好ましくは、伝導性心線の導体の外側に一次に磁気抵抗物質を含む絶縁ワニスを塗装及び軟化して磁気抵抗絶縁ワニス層を形成する。次に、必要に応じて、磁気抵抗物質を含むか含まない同一種類、または異なる種類の樹脂を使用する第2および第3の絶縁ワニスを塗装及び軟化して形成する。
また、必要に応じて、前記のように多重塗装されて形成された磁気抵抗ワニス層の外側に自己融着ワニスを被覆して軟化し、自己融着性磁気抵抗エナメル線に製造することもできる。また、融着性のない絶縁層に磁気抵抗物質を含ませず、最終的に塗装及び軟化する自己融着層に磁気抵抗物質を含ませて自己融着性磁気抵抗エナメル線に製造することもできる。
また、前記磁気抵抗ワニス層の外部に磁気抵抗物質を含むか含まない絶縁層を反復的に塗装・軟化することができる。また、各絶縁層は、所望の被覆厚さを得るために、塗装及び軟化を数回反復して実施することができる。このときも、伝導性のある磁気抵抗物質を含む場合は、1次絶縁層に磁気抵抗物質を含ませるか、1次層あるいは2次層を形成した後、充分な絶縁破壊電圧が出るかを確認して最終的に含ませることが好ましい。塗装及び軟化を数回反復する理由は、一度に所望の厚さで形成されたエナメル線よりも、反復してコーティング形成されたエナメル線が一層絶縁力に優れるためである。
前記伝導性心線に磁気抵抗ワニス、自己融着性絶縁ワニス、または自己融着性磁気抵抗ワニスを塗装する方法は、ロールコーティングまたは含浸などの通常的な方法により実施する。また、塗装後の軟化は、軟化炉で実施することが好ましい。軟化炉の温度は、各ワニスの樹脂の軟化、または硬化温度に合せて調整することが好ましく、より好ましい温度は400乃至700℃である。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を一層詳しく説明する。ただ、下記の磁気抵抗物質および硬質磁性材料を含んで実施された実施例は、本発明を例示するためのものであって、本発明がこれらに限定されることはない。
[実施例]
<比較例1>
(一般のポリエステル系絶縁ワニスの製造)
ジメチルテレフタレート(D.M.T)28.11重量部、エチレングリコール(E.G)6.69重量部、グリセリン(純度:95重量%以上)6.63重量部、Tin系金属塩の金属触媒0.01重量部、及びメタ-クレゾール(メタ分:55重量部以上)17.28重量部を反応器に投入して150乃至250℃の温度で反応し、軟化点が85±2℃に到達すると反応を中断した後、反応物にフェノール7.41重量部、キシレン18.58重量部、ソルベント-ナフサ10.20重量部、テトラ-n-ブチルチタネート(T.B.T)1.75重量部、亜鉛含量8重量%の亜鉛オクトエート(Zn-Octoate)1.09重量部、及びポリイソシアネート(-NCO:5重量%含有)2.25重量部を順に投入して希釈し、ポリエステル系絶縁ワニスを製造した。このワニスの粘度は、25℃で測定したとき3±0.5poiseを示し、固形分は、35±0.5重量%(200℃で2時間乾燥)を示した。
(一般のポリエステル系絶縁ワニス塗装エナメル線の製造)
前記製造された一般のポリエステル系絶縁ワニスを直径1.0mmの銅導体線にロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
製造されたエナメル線における絶縁ワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表3に示した。
<実施例1>
(ポリエステル系軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例1で製造された一般のポリエステル系絶縁ワニス100重量部に、FeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質磁性材料1.225重量部、及びポリエチレン重合型保護コロイド系分散剤0.125重量部を追加的に投入して撹拌及び分散し、ポリエステル系軟質磁性材料を含むワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(ポリエステル系軟質磁性ワニス塗装エナメル線の製造)
一般のポリエステル系絶縁ワニスの代りに前記ワニスを塗装することを除いては、前記比較例1のような方法により軟質磁性材料型エナメル線を製造した。
製造されたエナメル線におけるワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表3に示した。
Figure 2005522840
<比較例2>
(一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニスの製造)
メタ-クレゾール(メタ分:55重量部以上)15.69重量部、ソルベント-ナフサ10.49重量部、キシレン11.89重量部、ポリイソシアネート(-NCO含量:5重量%)38.60重量部、ポリビニルブチラール樹脂(日本Chisso社製造、Vinylec-L)3.33重量部、亜鉛含量8重量%の亜鉛オクトエート(Zn-Octoate)0.25重量部、ポリエステルポリオール(-OH含量:4.5重量%)15.35重量部を反応器に投入して150乃至250℃の温度で反応し、ポリビニルホルマール系絶縁ワニスを製造した。このワニスの粘度は、25℃で測定したときに3±0.5poiseを示し、固形分は、35±0.5重量%(200℃で2時間乾燥)を示した。
(一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニス塗装エナメル線の製造)
前記製造された一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニスを直径1.0mmの銅導体線にロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
製造されたエナメル線における絶縁ワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.017mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表4に示した。
<実施例2>
(ポリビニルホルマール系軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例2で製造された一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニス100重量部に、FeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質磁性材料1.10重量部、及び脂肪酸ポリアミド系の分散剤0.05重量部を追加的に投入して、撹拌及び分散してポリビニルホルマール系軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(ポリビニルホルマール系軟質磁性ワニス塗装エナメル線の製造)
一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニスの代りに、前記ポリビニルホルマール系軟質磁性ワニスを塗装することを除いては、前記比較例2のような方法により磁気抵抗エナメル線を製造した。
製造されたエナメル線における軟質磁性ワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.017mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表4に示した。
Figure 2005522840
<比較例3>
(一般のポリウレタン系絶縁ワニスの製造)
メタ-クレゾール(メタ分:55重量部以上)40.00重量部、ソルベント-ナフサ9.40重量部、キシレン12.70重量部、ポリイソシアネート(-NCO含量:11重量%)16.00重量部、ポリイソシアネート(-NCO含量:12重量%)9.20重量部、ポリアミド樹脂(ドイツBASF社製造、Ultramid-1C)0.80重量部、亜鉛含量8重量%の亜鉛オクトエート(Zn-Octoate)0.40重量部、ポリエステルポリオール(-OH含量4.5重量%)17.50重量部を反応器に投入し、150乃至250℃の温度で反応してポリウレタン系絶縁ワニスを製造した。このワニスの粘度は、25℃で測定したときに3±0.5poiseを示し、固形分は35±0.5重量%(200℃で2時間乾燥)を示した。
(一般のポリウレタン系絶縁ワニス塗装エナメル線の製造)
前記製造された一般のポリウレタン系絶縁ワニスを直径1.0mmの銅導体線にロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は50m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
製造されたエナメル線における絶縁ワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表5に示した。
<実施例3>
(ポリウレタン系軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例3で製造された一般のポリウレタン系絶縁ワニス100重量部に、FeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質磁性材料1.20重量部、及び脂肪酸アミド系の分散剤0.15重量部を追加的に投入し、撹拌及び分散してポリウレタン系軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(ポリウレタン系軟質磁性ワニス塗装エナメル線の製造)
一般のポリウレタン系絶縁ワニスの代りに、前記ポリウレタン系軟質磁性ワニスを塗装することを除いては、前記比較例3のような方法により軟質磁性エナメル線を製造した。
製造されたエナメル線におけるワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表5に示した。
Figure 2005522840
<比較例4>
(一般のポリエステルイミド系絶縁ワニスの製造)
キシレノール酸47.00重量部、エチレングリコール18.30重量部、ジエチレングリコール25.30重量部、トリス-ヒドロキシエチルイソシアヌレート(tris-hydorxyethylisocyanurate)77.80重量部、グリセリン(純度:95重量%以上)20.70重量部、ジメチルテレフタレート103.70重量部、酢酸亜鉛(Zn-acetate)0.24重量部、トリメリット酸無数物(tri-mellitic-anhydride)118.04重量部、ジアミノジフェニルメタン(di-amino-diphenylmethane)81.70重量部、メタ-クレゾール(メタ分:55重量部以上)421.00重量部、ソルベント-ナフサ140.00重量部、クレゾールチタネートポリマー15.50重量部、レゾール型フェノール樹脂7.76重量部、及びポリイソシアネート(-NCO含量:4.5重量%MDI系ブロッキング型)3.88重量部を反応器に投入して150乃至250℃の温度で反応し、ポリエステルイミド系絶縁ワニスを製造した。このワニスの粘度は、25℃で測定したときに3±0.5poiseを示し、固形分は35±0.5重量%(200℃で2時間乾燥)を示した。
(一般のポリエステルイミド系絶縁ワニス塗装エナメル線の製造)
前記製造された一般のポリエステルイミド系絶縁ワニスを直径1.0mmの銅導体線にロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
製造されたエナメル線における絶縁ワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表6に示した。
<実施例4>
(ポリエステルイミド系軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例4で製造された一般のポリエステルイミド系絶縁ワニス100重量部に、FeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の異方性磁気抵抗物質1.20重量部、及びポリエチレン重合型保護コロイド系の分散剤0.07重量部を追加的に投入して撹拌及び分散し、ポリエステルイミド系軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(ポリエステルイミド系軟質磁性ワニス塗装エナメル線の製造)
一般のポリエステルイミド系ワニスの代りに、前記ポリエステルイミド系軟質磁性ワニスを塗装することを除いては、前記比較例4のような方法により磁気抵抗エナメル線を製造した。
製造されたエナメル線におけるワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表6に示した。
Figure 2005522840
<比較例5>
(一般のポリアミドイミド系絶縁ワニスの製造)
トリメリット酸無数物(tri-mellitic-anhydride)134.0重量部、4,4-メチレンジフェニルジイソシアネート175重量部、N-メチルピロリドン(N-methylpyrolidone)418.0重量部、及びジメチルホルムアミド(di-methyl-formamide)137.0重量部を反応器に投入して150乃至250℃の温度で反応し、ポリアミドイミド系絶縁ワニスを製造した。このワニスの粘度は、25℃で測定したときに3±0.5poiseを示し、固形分は35±0.5重量%(200℃で2時間乾燥)を示した。
(一般のポリアミドイミド系絶縁ワニス塗装エナメル線の製造)
前記製造された一般のポリアミドイミド系絶縁ワニスを直径1.0mmの銅導体線にロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
製造されたエナメル線における絶縁ワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表7に示した。
<実施例5>
(ポリアミドイミド系軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例5で製造された一般のポリアミドイミド系絶縁ワニス100重量部に、FeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質磁性材料1.35重量部、及び脂肪酸アミド系の分散剤0.05重量部を追加的に投入して撹拌及び分散し、ポリアミドイミド系軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(ポリアミドイミド系軟質磁性ワニス塗装エナメル線の製造)
一般のポリアミドイミド系絶縁ワニスの代りに、前記ポリアミドイミド系軟質磁性ワニスを塗装することを除いては、前記比較例5のような方法により軟質磁性エナメル線を製造した。
製造されたエナメル線における軟質磁性ワニス層の厚さは、外側マイクロメータで測定した結果、0.019mmを示した。このエナメル線のその他の物性は、下記の表7に示した。
Figure 2005522840
<比較例6>
(ポリビニルブチラール系自己融着性絶縁ワニスの製造)
メタ-クレゾール(メタ分:55重量%以上)31.50重量部、キシレン79.40重量部、ジメチルホルムアミド31.00重量部、エポキシ-フェノール変性樹脂1.35重量部、ポリビニルブチラール樹脂(Monsanto社製造、Morbital B-30H)を150乃至250℃の温度で反応してポリビニルブチラール系自己融着性絶縁ワニスを製造した。
(一般のポリエステル系絶縁ワニス層及びポリビニルブチラール系自己融着性絶縁ワニス層を含むエナメル線の製造)
前記比較例1で製造された一般のポリエステル系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に前記製造したポリビニルブチラール系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例6>
(ポリエステル系軟質磁性ワニス層及びポリビニルブチラール系自己融着性絶縁ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例1で製造されたポリエステル系軟質磁性ワニスが塗装されたエナメル線に前記比較例6のポリビニルブチラール系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例7>
(ポリビニルブチラール系自己融着性軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例6で製造されたポリビニルブチラール系自己融着性絶縁ワニス100重量部に、FeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質磁性材料0.70重量部、及びポリエチレン重合型保護コロイド系の分散剤0.05重量部を追加的に投入して撹拌及び分散し、ポリビニルブチラール系自己融着性軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(一般のポリエステル系絶縁ワニス層及びポリビニルブチラール系自己融着性軟質磁性ワニス層を含む自己融着性絶縁エナメル線の製造)
前記比較例1で製造された一般のポリエステル系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に前記製造されたポリビニルブチラール系自己融着性軟質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例8>
(ポリエステル系軟質磁性ワニス層及びポリビニルブチラール系自己融着性軟質磁性ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例1で製造されたポリエステル系軟質磁性ワニスが塗装されたエナメル線に前記比較例7で製造されたポリビニルブチラール系自己融着性軟質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
Figure 2005522840
<比較例7>
(フェノキシ系自己融着性絶縁ワニスの製造)
メタ-クレゾール(メタ分:55重量%以上)12.30重量部、ソルベント-ナフサ19.50重量部、キシレン19.50重量部、フェノキシ樹脂(PKHH-3038)20.00重量部、フェノール8.18重量部、ブチルカルビトール(butyl carbitol)20.5重量部、及び無水フタル酸0.02重量部を150乃至250℃の温度で反応してフェノキシ系自己融着性絶縁ワニスを製造した。
(一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニス層及びフェノキシ系自己融着性絶縁ワニス層を含むエナメル線の製造)
前記比較例2で製造された一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に、前記製造したフェノキシ系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例9>
(ポリビニルホルマール系軟質磁性ワニス層及びフェノキシ系自己融着性絶縁ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例2で製造されたポリビニルホルマール系軟質磁性ワニスが塗装されたエナメル線に前記比較例7のフェノキシ系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例10>
(フェノキシ系自己融着性軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例7で製造されたフェノキシ系自己融着性絶縁ワニス100重量部に、FeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質磁性材料1.00重量部、及びポリエチレン重合型保護コロイド系の分散剤0.12重量部を追加的に投入して撹拌及び分散し、フェノキシ系自己融着性軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニス層及びフェノキシ系自己融着性磁気抵抗ワニス層を含む自己融着性絶縁エナメル線の製造)
前記比較例2で製造された一般のポリビニルホルマール系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に前記製造されたフェノキシ系自己融着性硬質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例11>
(ポリビニルホルマール系軟質磁性ワニス層及びフェノキシ系自己融着性軟質磁性ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例2で製造されたポリビニルホルマール系軟質磁性ワニスが塗装されたエナメル線に前記実施例10で製造されたフェノキシ系自己融着性軟質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
Figure 2005522840
<比較例8>
(ポリアミド系自己融着性絶縁ワニスの製造)
メタ-クレゾール(メタ分:55重量%以上)120.0重量部、ソルベント-ナフサ1.3重量部、キシレン126.0重量部、フェノール8.3重量部、アルキルフェノール樹脂0.75重量部、ポリイソシアネート(-NCO含量:4.5重量%、MDI系ブロッキング型)0.9重量部、亜鉛含量8重量%の亜鉛オクトエート0.6重量部、ポリアミド共重合体(ナイロン11系)60.0重量部を150乃至250℃の温度で反応してフェノキシ系自己融着性絶縁ワニスを製造した。
(一般のポリアミドイミド系絶縁ワニス層及びポリアミド系自己融着性絶縁ワニス層を含むエナメル線の製造)
前記比較例5で製造された一般のポリアミドイミド系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に前記製造したポリアミド系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例12>
(ポリアミドイミド系軟質磁性ワニス層及びポリアミド系自己融着性絶縁ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例5で製造されたポリアミドイミド系軟質磁性ワニスが塗装されたエナメル線に前記比較例8のポリアミド系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例13>
(ポリアミド系自己融着性軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例8で製造されたポリアミド系自己融着性絶縁ワニス100重量部にFeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質磁性材料1.30重量部、及び脂肪酸アミド系の分散剤0.05重量部を追加的に投入して撹拌及び分散し、ポリアミド系自己融着性軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(一般のポリアミドイミド系絶縁ワニス層及びポリアミド系自己融着性軟質磁性ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記比較例5で製造された一般のポリアミドイミド系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に前記製造されたポリアミド系自己融着性軟質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例14>
(ポリアミドイミド系軟質磁性ワニス層及びポリアミド系自己融着性軟質磁性ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例5で製造されたポリアミドイミド系軟質磁性ワニスが塗装されたエナメル線に前記実施例13で製造されたポリアミド系自己融着性軟質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
Figure 2005522840
<比較例9>
(エポキシ系自己融着性絶縁ワニスの製造)
エポキシ樹脂(エポキシ当量186)62.0重量部、ヒドロキノン9.16重量部、トリ-n-ブチルアミン(試薬級)1.53重量部、レゾルシン(resorcin)9.16重量部、及びメチルカルビトール(methyl carbitol)186.7重量部を150乃至250℃の温度で反応してエポキシ系自己融着性絶縁ワニスを製造した。
(一般のポリウレタン系絶縁ワニス層及びエポキシ系自己融着性絶縁ワニス層を含むエナメル線の製造)
前記比較例3で製造された一般のポリウレタン系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に前記製造したエポキシ系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例15>
(ポリウレタン系軟質磁性ワニス層及びエポキシ系自己融着性絶縁ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例3で製造されたポリウレタン系磁気抵抗ワニスが塗装されたエナメル線に前記比較例9のエポキシ系自己融着性絶縁ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例16>
(エポキシ系自己融着性軟質磁性ワニスの製造)
前記比較例9で製造されたエポキシ系自己融着性絶縁ワニス100重量部にFeO約63%、FeO約23%、CoFeO約9%を主成分とする複合酸化物の軟質)磁性材料1.20重量部、及びポリエチレン重合型保護コロイド系の分散剤0.15重量部を追加的に投入して撹拌及び分散し、エポキシ系自己融着性軟質磁性ワニスを製造した。製造されたワニスの軟化度は4を示した。
(一般のポリウレタン系絶縁ワニス層及びエポキシ系自己融着性軟質磁性ワニス層を含む自己融着性絶縁エナメル線の製造)
前記比較例3で製造された一般のポリウレタン系絶縁ワニスが塗装されたエナメル線に前記製造されたエポキシ系自己融着性軟質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
<実施例17>
(ポリウレタン系軟質磁性ワニス層及びエポキシ系自己融着性軟質磁性ワニス層を含む自己融着性軟質磁性エナメル線の製造)
前記実施例3で製造されたポリウレタン系軟質磁性ワニスが塗装されたエナメル線に前記実施例16で製造されたエポキシ系自己融着性軟質磁性ワニスをロールコーティング方式により被覆して軟化炉で軟化した後、乾燥炉で乾燥した。このとき、軟化炉の長さは4Mで、軟化炉の温度は460℃を維持し、軟化炉及び乾燥炉の線束は35m/Minであった。また、乾燥炉の長さは3.4Mで、乾燥炉の温度は、入口で460℃、出口で540℃を維持した。
Figure 2005522840
<比較例10>
本発明の効果を確認するために、小型機器を製作した。前記小型機器は、前記比較例1で製造した約2kgのシングルコーティングエナメル線に2次層としてポリエステル絶縁層を追加的に形成し、定格電圧24ボルトおよび定格電流1Aで2,800rpmに回転するモータである。前記モータを製作するために、モータの回転子にエナメル線を巻線した後、含浸処理により固定し、その他の条件は、従来のモータ製作方法と同一方法で京畿道富川市所在の(株)オメガ電子によって製作した。
本発明の磁気による抵抗減少効果により同一量のエネルギーを有してどれ程長く使用できるか、そして、定格電圧で運行時の外部温度をどれ程低下できるかを間接的に検証するために、分当りの回転数、総回転時間、及びモータの外部温度などを測定した。製造されたモータの試験結果は、下記の表12に示した。
<実施例18>
前記実施例1で製造したエナメル線を用いて前記比較例10と同一の方法で同種のモータ2台を製造した。製造されたモータの試験結果は、下記の表12に示した。
<比較例11>
前記比較例1でポリエステルエナメル線用ワニスを用いて直径0.4mmの裸銅線に1次層として0.013mmの絶縁層を形成し、2次層として同種のエナメル線ワニスを0.007mm形成した絶縁エナメル線を製造し、前記エナメル線のその他の物性は、下記の表13に示した。
<実施例20>
(ポリエステル系磁気抵抗ワニスの製造)
前記比較例1のポリエステル系絶縁ワニス100重量部に、磁気抵抗物質としてFe、Fe、CoFeを主成分にする酸化物系高透磁率材料1.225重量部、及びポリエチレン重合型保護コロイド系分散剤0.125重量部を追加的に投入してロールミールにより充分にワニス液を吸入した後、撹拌及び分散してポリエステル系磁気抵抗ワニスを製造した。
(ポリエステル系磁気抵抗エナメル線の製造)
製造したポリエステル系磁気抵抗ワニスを、前記比較例11で1次層を形成したエナメル線の2次層に適用して0.007mm形成し、その他の物性は、下記の表13に示した。
Figure 2005522840
<比較例12>
本発明の高透磁率軟質磁性材料を磁気抵抗物質に使用したときの効果を確認するために、小型機器を製作した。前記小型機器は、前記比較例11で製造したエナメル線を約2kg用いて回転子に形成し、定格電圧90ボルトおよび定格電流1Aで1,750rpmに回転する直流モータである。前記モータを製作するために、モータの回転子にエナメル線を巻線した後、含浸処理により固定し、その他の条件は、従来のモータ製作方法と同一の方法で製作した。
本発明の磁気による電気的抵抗減少効果により、同一量のエネルギーを用いてどれ程長く使用できるか、そして、定格電圧で運行時の外部温度をどれ程に低下できるかを間接的に検証するために、分当りの回転数、総回転時間及びモータの外部温度などを測定した。製造されたモータの実験結果は、下記の表14に示した。
<実施例21>
前記実施例20で製造したエナメル線を用いて前記比較例12のような方法により同種のモータを製造した。製造されたモータの試験結果は、下記の表14に示した。
Figure 2005522840
今回の実験により、磁気抵抗物質としての高透磁率軟質磁性材料をエナメル線用ワニスに撹拌および分散してコーティングしたエナメル線を有する直流モータは、一般のモータよりも総回転時間、発熱量、外部温度などで著しい差があることを確認した。
<実施例22>
前記[表14]の効果を一層明確に検証するために、比較例12および実施例21のモータの回転子を対向させ、前記回転子を柔軟性のあるゴムバンドやテープなどで固定した後、徐々に定格電圧の90ボルトまで上昇しながら発生する電圧を測定し、その結果を、下記の表15に示した。
Figure 2005522840
<実施例23>
前記[表15]の効果を一層明確に検証するために、比較例12および実施例21のモータを同種の第3のモータを用いて回転子を対向させ、前記回転子を柔軟性のあるゴムバンドやテープなどで固定した後、徐々に定格電圧の90ボルトまで上昇しながら発生する電圧を測定し、その結果を、下記の表15に示した。
Figure 2005522840
前記結果により、モータの内部抵抗や各種の損失が改善されることを間接的に検証し、この他に、逆方向の回転時に騷音が著しく減少し、正常方向の回転時にも所定の騷音減少効果があることを確認した。
<実施例24>
本発明のエナメル線の誘導電動機における効果を検証するために、(株)現代重工業の回転器設計部の支援を受けて直径の相異なるエナメル線を用いた比較実験をし、前記試験結果は、下記の表17に示しだ。
Figure 2005522840
本実験により、本発明の0.40mmの磁気抵抗エナメル線では、一般のポリエステル0.45mmのエナメル線よりも巻線抵抗が少なく検出されることを確認し、この他にも、本発明のエナメル線の外部磁場によって従来のエナメル線よりも鉄損、漂流負荷損などの損失が大幅に減少することを確認した。
したがって、本発明の磁気抵抗物質として高透磁率軟質磁性材料を含む磁気抵抗ワニス層により構成される磁気抵抗エナメル線は、導体の抵抗及び負荷により発生する損失エネルギー量を画期的に縮小し、外部的にも強い磁束密度を得るコイルを製造することができる。
すなわち、本発明の磁気抵抗エナメル線は、電流の流れを改善する特性を有している。このような電流の流れの改善は、導体抵抗の減少から起因するもので、抵抗の減少は、導体の温度上昇を抑制して電流の流れを円滑にする。
また、前記効果だけでなく、過電流による負荷から発生するエネルギー損失量を大きく縮小することができる。特に、このような電流の流れの改善により、超伝導を示す温度まで使用温度を低下せずに、常温でエネルギーの損失を最小化して電流を伝達する。
本発明の磁気抵抗エナメル線は、直流モータ、交流モータ、原動機、発電機、変圧器などの誘導電流を使用する機器の1次コイルに適用され、ほとんどの発熱を抑制すべきである器資材に適用される。
本発明の磁気抵抗エナメル線により製造されるコイルは、常温で磁気抵抗性質を有し、電力線に適用するときは、配電及び送電ケーブルの自体抵抗及び負荷による損失電力量を縮小し、かつ、抵抗減少は、運転環境による劣化加速から発生する電力線の寿命短縮を解決する。
異方性磁気抵抗と類似した効果を示すための高透磁率材料が導体に被覆されたとき、磁界の形成方向を示した概念図である。 一般的なエナメル線における磁界の形成を図式化した概念図である。 本発明のエナメル線における磁界の形成を図式化した概念図である。 本発明のエナメル線の一部の要部切開斜視図である。

Claims (20)

  1. 伝導性心線及び前記心線の外周部に被覆される被覆物質により構成されるエナメル線において、
    前記被覆物質は、磁気抵抗物質であることを特徴とする磁気抵抗エナメル線。
  2. 磁気抵抗物質は、異方性磁気抵抗物質であることを特徴とする請求項1記載のエナメル線。
  3. 前記エナメル線は、
    a)伝導性心線と、
    b)前記a)の心線の外周部に位置され、磁気抵抗物質を含む少なくとも一つ以上のワニス層と、を含む請求項1記載の磁気抵抗エナメル線。
  4. b)のワニス層は、絶縁ワニス層または自己融着性絶縁ワニス層であることを特徴とする請求項3記載の磁気抵抗エナメル線。
  5. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち
    i)希土類金属または転移金属を1種以上含む高透磁率軟質磁性合金と、
    ii)前記希土類金属または転移金属を1種以上含む高透磁率軟質磁性複合酸化物と、
    iii)前記希土類金属または転移金属を1種以上含む高透磁率軟質磁性複合窒化物と、からなる群から1種以上選択される請求項1記載の磁気抵抗エナメル線。
  6. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち高透磁率軟質磁性材料である純鉄、センダスト、硅素鋼、パーマロイ、アモルファスからなる群から1種以上選択される請求項1記載の磁気抵抗エナメル線。
  7. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち高透磁率軟質磁性材料である45パーマロイ、78パーマロイ、81パーマロイ、Moパーマロイ、Crパーマロイ、Cuパーマロイ、Siパーマロイ、Tiパーマロイ、Mu金属、Co基アモルファス、Fe基アモルファス、Ni-Fe基アモルファス(付加元素:Mn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、W、Zrから選択された少なくとも1種の元素を含む)からなる群から1種以上選択される請求項1記載の磁気抵抗エナメル線。
  8. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち中高透磁率軟質磁性材料である
    (1)Ni-Fe-Mo系4%パーマロイと、
    (2)Ni-Cu-Zn系軟磁性フェライトと、
    (3)Fe、MnO、ZnOを主成分としてNiO、MgO、CuO、SiO、CaO、V、TiO、Nbなどが特性改善用に添加されるMn-Zn系軟磁性フェライトと、
    (4)Ni-Zn系軟磁性フェライトと、
    (5)Mg-Mn-Zn系軟磁性フェライトと、
    (6)Mg-Cu-Zn系軟磁性フェライトと、
    (7)Fe-Ti-N系軟磁性フェライトと、
    (8)Fe-Cr系軟磁性フェライト(副成分:C、N、Si、Mn、Ni、P、S、Cr、Al、Mo、Ti)と、
    (9)Fe-Co-Ni-N系軟磁性フェライトと、
    (10)Fe-Co系軟磁性フェライトと、
    (11)Fe-Al-Si系軟磁性合金粉末と、
    (12)Fe-Al系軟磁性合金粉末と、
    (13)Fe-Si-B-Cu-Nb系軟磁性合金粉末と、
    (14)Fe-Br-B-Cu系軟磁性合金粉末と、
    (15)Fe-B-M-N-R系軟磁性合金粉末(ここで,Mは、Hf、Zr、Nbから選択された一つの元素で、Nは,Cu元素で、Rは、Ti、V、Ta、Cr、Mn、Mo、W、Au、Ag、Zn、Ga、Geから選択される1種以上の添加元素)と、
    (16)Fe系軟磁性合金粉末((Fe1-x)100-a-b-c-dSiAl)(ここで、Mは、Co、Niまたはそれらの混合物で、Kは、Nb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ge、C、Pから選択された1種以上の元素)と、
    (17)Fe系軟磁性合金粉末(Feをベースに、Co、Niのうち一つまたは両者を選択し、添加元素としてTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wからなるグループから1種以上選択された元素)と、
    (18)Fe-Zr-B-Ag系軟磁性合金粉末と、
    (19)Fe-Hf系軟磁性合金粉末と、
    (20)Fe-Si系、Fe-Si-Al系、Fe-Ni系軟磁性合金粉末と、
    (21)Fe-(Ta、Hf、Zr、Nb、Mo、Al、Si、Ti、Cr、Wから1種以上選択される元素)-(C、N、O、Bから1種以上選択される元素)-Pにより構成される軟磁性合金粉末と、
    (22)酸化鉄(Fe)、酸化ニッケル(NiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)、酸化ビスマス(Bi)により組成されたことを特徴とする軟磁性粉末と、
    (23)Fe-Co-(希土類元素としてSm、Er、Tm、Yb、Hoから1種以上選択される元素)-(微細結晶化のためのC、N、O、Bから1種以上選択される元素)の組成を有する軟磁性粉末と、
    (24)Mg-Zn系、Mn-Al系、Co-Pt系、Cu-NI-Co系、Cu-Zn系、Mn系、Co系、LI系、Mg系、Mi系軟磁性フェライト粉末と、
    (25)Fe、Fe、CoFeのうち1種または2種以上を主成分とする軟磁性複合酸化物粉末と、からなる群から1種以上選択される請求項1記載の磁気抵抗エナメル線。
  9. 前記b)のワニス層内の磁気抵抗物質の含量は、0.3重量%乃至30重量%である請求項3記載の磁気抵抗エナメル線。
  10. 磁気抵抗エナメル線の製造方法において、
    a)伝導性心線を提供する段階と、
    b)前記a)段階の心線の外周部に磁気抵抗物質を含むワニスを被覆して軟化する段階と、を含むことを特徴とする磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  11. 前記b)のワニスは、絶縁ワニスまたは自己融着性絶縁ワニスである請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  12. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち、
    i)希土類金属または転移金属を1種以上含む高透磁率軟質磁性合金と、
    ii)前記希土類金属または転移金属を1種以上含む高透磁率軟質磁性複合酸化物と、
    iii)前記希土類金属または転移金属を1種以上含む高透磁率軟質磁性複合窒化物と、からなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  13. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち高透磁率軟質磁性材料である純鉄、センダスト、硅素鋼、パーマロイ、アモルファスからなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  14. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち高透磁率軟質磁性材料である45パーマロイ、78パーマロイ、81パーマロイ、Moパーマロイ、Crパーマロイ、Cuパーマロイ、Siパーマロイ、Tiパーマロイ、Mu金属、Co基アモルファス、Fe基アモルファス、Ni-Fe基アモルファス(付加元素:Mn、Cr、Co、Nb、V、Mo、Ta、W、Zrから選択された少なくとも1種の元素を含む)からなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  15. 前記磁気抵抗物質は、強磁性材料のうち高透磁率軟質磁性材料である、
    (1)Ni-Fe-Mo系4%パーマロイと、
    (2)Ni-Cu-Zn系軟磁性フェライトと、
    (3)Fe、MnO、ZnOを主成分としてNiO、MgO、CuO、SiO、CaO、V、TiO、Nbなどが特性改善用に添加されるMn-Zn系軟磁性フェライトと、
    (4)Ni-Zn系軟磁性フェライトと、
    (5)Mg-Mn-Zn系軟磁性フェライトと、
    (6)Mg-Cu-Zn系軟磁性フェライトと、
    (7)Fe-Ti-N系軟磁性フェライトと、
    (8)Fe-Cr系軟磁性フェライト(副成分:C、N、Si、Mn、Ni、P、S、Cr、Al、Mo、Ti)と、
    (9)Fe-Co-Ni-N系軟磁性フェライトと、
    (10)Fe-Co系軟磁性フェライトと、
    (11)Fe-Al-Si系軟磁性合金粉末と、
    (12)Fe-Al系軟磁性合金粉末と、
    (13)Fe-Si-B-Cu-Nb系軟磁性合金粉末と、
    (14)Fe-Br-B-Cu系軟磁性合金粉末と、
    (15)Fe-B-M-N-R系軟磁性合金粉末(ここで、Mは、Hf、Zr、Nbから選択された一つの元素で、Nは、Cu元素で、Rは、Ti、V、Ta、Cr、Mn、Mo、W、Au、Ag、Zn、Ga、Geから選択される1種以上の添加元素)と、
    (16)Fe系軟磁性合金粉末((Fe1-x)100-a-b-c-dSiAl)(ここで、Mは、Co、Niまたはそれらの混合物で、Kは、Nb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ge、C、Pから選択された1種以上の元素)と、
    (17)Fe系軟磁性合金粉末(Feをベースに、Co、Niのうち一つまたは両者を選択し、添加元素としてTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、Wからなるグループから1種以上選択された元素)と、
    (18)Fe-Zr-B-Ag系軟磁性合金粉末と、
    (19)Fe-Hf系軟磁性合金粉末と、
    (20)Fe-Si系、Fe-Si-Al系、Fe-Ni系軟磁性合金粉末と、
    (21)Fe-(Ta、Hf、Zr、Nb、Mo、Al、Si、Ti、Cr、Wから1種以上選択される元素)-(C、N、O、Bから1種以上選択される元素)-Pにより構成される軟磁性合金粉末と、
    (22)酸化鉄(Fe)、酸化ニッケル(NiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)、酸化ビスマス(Bi)により組成されたことを特徴とする軟磁性粉末と、
    (23)Fe-Co-(希土類元素としてSm、Er、Tm、Yb、Hoから1種以上選択される元素)-(微細結晶化のためのC、N、O、Bから1種以上選択される元素)の組成を有する軟磁性粉末と、
    (24)Mg-Zn系、Mn-Al系、Co-Pt系、Cu-NI-Co系、Cu-Zn系、Mn系、Co系、LI系、Mg系、Mi系軟磁性フェライト粉末と、
    (25)Fe、Fe、CoFeのうち1種または2種以上を主成分とする軟磁性複合酸化物粉末と、からなる群から1種以上選択されることを特徴とする請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  16. 前記b)段階のワニス層内の磁気抵抗物質の含量は、0.3重量%乃至30重量%である請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  17. 前記b)段階の被覆方法は、ローラ塗装により実施されることを特徴とする請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  18. 前記b)段階の軟化は、400乃至700℃の温度で実施されることを特徴とする請求項10記載の磁気抵抗エナメル線の製造方法。
  19. 請求項1に記載の磁気抵抗エナメル線を含むコイル。
  20. 磁気抵抗コイルの製造方法において、請求項1に記載の磁気抵抗エナメル線を巻線してコイルを製造する段階を含む磁気抵抗コイルの製造方法。
JP2003585123A 2002-04-12 2003-04-12 磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いたコイル及びその製造方法 Pending JP2005522840A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR20020019934 2002-04-12
PCT/KR2003/000744 WO2003088282A1 (en) 2002-04-12 2003-04-12 Enameled wire having magnetic reluctance properties and preparation method thereof, and coil using the same and preparation method thereof
KR1020030023238A KR100585993B1 (ko) 2002-04-12 2003-04-12 자기저항 에나멜선 및 그의 제조방법과 이를 이용한 코일및 그의 제조방법

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005522840A true JP2005522840A (ja) 2005-07-28

Family

ID=36697142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003585123A Pending JP2005522840A (ja) 2002-04-12 2003-04-12 磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いたコイル及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20060165983A1 (ja)
EP (1) EP1500113A4 (ja)
JP (1) JP2005522840A (ja)
AU (1) AU2003221138A1 (ja)
WO (1) WO2003088282A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019153471A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 東京特殊電線株式会社 高周波コイル用線材及び絶縁電線

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6743273B2 (en) * 2000-09-05 2004-06-01 Donaldson Company, Inc. Polymer, polymer microfiber, polymer nanofiber and applications including filter structures
US20100201469A1 (en) * 2006-08-09 2010-08-12 General Electric Company Soft magnetic material and systems therewith
CZ307210B6 (cs) * 2006-10-27 2018-03-28 Austin Detonator S.R.O. Izolace, obklopující vodič elektrického proudu, pro zlepšení separovatelnosti od zpracovávané rubaniny
CZ306750B6 (cs) * 2006-10-27 2017-06-14 Austin Detonator S.R.O. Detonační trubice průmyslové neelektrické rozbušky pro zlepšení separovatelnosti od zpracovávané rubaniny
US20100175555A1 (en) * 2008-09-12 2010-07-15 Ismael Ferrer Polyamide Fine Fibers
DE102009003512A1 (de) * 2009-02-20 2010-09-02 Elantas Gmbh Umweltfreundlicher lötbarer Drahtlack
CN101834034A (zh) * 2010-04-21 2010-09-15 江苏宝杰隆电磁线有限公司 铌钛镍合金改性缩醛树脂超导体漆包扁线的生产方法
CN102142298A (zh) * 2010-11-12 2011-08-03 吴江市神州双金属线缆有限公司 一种大型变压器用的漆包线
EP2695174B1 (en) * 2011-04-07 2014-12-17 ABB Research Ltd. Cable and electromagnetic device comprising the same
US20150083458A1 (en) * 2012-05-01 2015-03-26 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Multi-core cable
CN103871707B (zh) * 2014-03-04 2016-04-13 山西雷麦电子科技有限公司 一种钴铁基巨磁阻抗软磁丝材料及制备方法
CN105097115A (zh) * 2015-07-13 2015-11-25 江苏亨通线缆科技有限公司 高强度铜合金用户引入电缆
US11483952B2 (en) 2017-04-28 2022-10-25 Halliburton Energy Services, Inc. Broadband wireline cable
FI20175553A (fi) 2017-06-14 2018-12-15 Spindeco Tech Oy Sähkölaitteen tehonsyöttö- tai signaalijohtoon kytkettävissä oleva lisäyksikkö tai -kaapeli
US10591316B2 (en) * 2018-03-30 2020-03-17 Mitutoyo Corporation Transmitter and receiver configuration for inductive position encoder
CN109192354B (zh) * 2018-09-27 2020-10-27 宁波鑫健新材料科技有限公司 一种高导电性能的漆包线及制备方法
CN110229992B (zh) * 2019-04-24 2020-10-30 武汉钢铁有限公司 一种钛微合金化低成本q355b钢板的冶炼生产方法
CN111024469A (zh) * 2019-12-25 2020-04-17 珠海格力电工有限公司 一种测试漆包线偏心度的方法
CN112846196B (zh) * 2020-12-31 2022-08-26 莱芜职业技术学院 一种制备片状铁硅铬软磁复合材料的制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1013043A (en) * 1962-06-25 1965-12-15 Albert Edward Newman Improved electrical conductors for high frequency currents
JPS56167302A (en) * 1980-05-27 1981-12-23 Nippon Steel Corp Magnetic metal wire for iron core
JPS6441202A (en) * 1987-08-06 1989-02-13 Mitsubishi Petrochemical Co Cable shielding bead
US5206459A (en) * 1991-08-21 1993-04-27 Champlain Cable Corporation Conductive polymeric shielding materials and articles fabricated therefrom
US5171937A (en) * 1991-07-22 1992-12-15 Champlain Cable Corporation Metal-coated shielding materials and articles fabricated therefrom
DE69322796T2 (de) * 1992-04-16 1999-05-12 Sumitomo Wiring Systems, Ltd., Yokkaichi, Mie Lackbeschichteter Elektrodraht und Verfahren zu seiner Herstellung
JP3518267B2 (ja) * 1997-08-07 2004-04-12 住友電装株式会社 Emi抑制ケーブル
JP3811571B2 (ja) * 1998-04-22 2006-08-23 東都化成株式会社 熱可塑性ポリヒドロキシポリエーテル樹脂及びそれから成形した絶縁性フィルム
DE60016820T2 (de) * 1999-02-24 2005-12-15 Sharp K.K. Optisches Informationsaufzeichnungsmedium

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019153471A (ja) * 2018-03-02 2019-09-12 東京特殊電線株式会社 高周波コイル用線材及び絶縁電線
JP7109938B2 (ja) 2018-03-02 2022-08-01 東京特殊電線株式会社 高周波コイル用線材及び絶縁電線並びに高周波コイル用線材の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1500113A4 (en) 2008-07-30
EP1500113A1 (en) 2005-01-26
AU2003221138A1 (en) 2003-10-27
US20060165983A1 (en) 2006-07-27
WO2003088282A1 (en) 2003-10-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005522840A (ja) 磁気抵抗エナメル線及びその製造方法とこれを用いたコイル及びその製造方法
JP3432317B2 (ja) コードレスパワーステーション
KR100247444B1 (ko) 전자기 간섭 억제제용 복합 자석
JP7143159B2 (ja) 複合磁性材料及び回転電機
JP2019161183A (ja) 複数の扁平磁性金属粒子、圧粉材料及び回転電機
JP2005340759A (ja) アンテナモジュール用磁芯部材、アンテナモジュールおよびこれを備えた携帯情報端末
JP7412937B2 (ja) 磁性材料、回転電機及び磁性材料の製造方法。
He et al. Soft magnetic materials for power inductors: State of art and future development
JP2020025077A (ja) 複数の扁平磁性金属粒子、圧粉材料及び回転電機
US10910153B2 (en) Superparamagnetic iron cobalt alloy and silica nanoparticles of high magnetic saturation and a magnetic core containing the nanoparticles
US9093205B2 (en) Superparamagnetic iron oxide and silica nanoparticles of high magnetic saturation and a magnetic core containing the nanoparticles
CN113496799A (zh) 压粉材料及旋转电机
JP2009054709A (ja) 圧粉磁心及びその製造方法
KR100585993B1 (ko) 자기저항 에나멜선 및 그의 제조방법과 이를 이용한 코일및 그의 제조방법
Sarfraz et al. Lightweight thermoplastic coated soft magnetic composites (SMC) and application for high-efficiency brushless DC motors
Lee et al. Controlling properties of metal–polymer soft magnetic composites through microstructural deformation for power inductor applications
Smith et al. Insulations for metallic glasses in pulse power systems
V Sreenivasulu et al. Fascinating magnetic energy storage nanomaterials: A brief review
WO2011046125A1 (ja) 高周波用磁性材料及び高周波デバイス
KR20150041321A (ko) 자성시트 및 이를 포함하는 무선충전용 자성부재
Harris et al. Magnetic materials
KR20210070759A (ko) 자성 패드, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 무선 충전 소자
US10984933B2 (en) Superparamagnetic iron cobalt ternary alloy and silica nanoparticles of high magnetic saturation and a magnetic core containing the nanoparticles
KR102204236B1 (ko) 자성 패드, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 무선 충전 소자
JP7016713B2 (ja) 圧粉磁心および磁心用粉末

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060905

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070703

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20071003

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071011

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071019

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071211