JP2005519927A - 多嚢胞性卵巣症候群の処置における、シルデナフィル如きpde5インヒビターの使用 - Google Patents

多嚢胞性卵巣症候群の処置における、シルデナフィル如きpde5インヒビターの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、多嚢胞性卵巣症候群の処置のための、シルデナフィルのようなピラゾロピリミジノンPDE5インヒビターの使用に関する。

Description

発明の分野
本発明は、多嚢胞性卵巣症候群(時にPCOSと呼ばれる)の治療ならびに係る治療用化合物および組成物、ならびに該化合物および組成物の使用に関する。
特に本発明は、PCOSの処置のための、環状グアノシン3',5'-一燐酸ホスホジエステラーゼ5型(PDE5またはPDE V)のピラゾロピリミジノンインヒビターの使用に関する。さらに詳細には、本発明は、PCOSの処置のためのシルデナフィル化合物の使用に関する。環状グアノシン3',5'-一燐酸ホスホジエステラーゼ5型インヒビターは時にcGMP PDE5インヒビターまたはcGMP PDE5iといわれる。
多嚢胞性卵巣症候群および診断
閉経前の女性の約5%がPCOSに罹患していると推定される。PCOSの女性は***に問題を経験し易く、月経が少量であったり無かったりすることがある。PCOSの女性は、循環アンドロゲンレベルの上昇に起因する高アンドロゲン症を経験し、それにより、多毛、男性化およびざ瘡の症状を呈する傾向がある。PCOSに伴う最も一般的な症状は、不妊症、肥満症、希発月経および多毛症である。PCOSの女性に頻繁に見出されるさらなる症状は、無月経、脂漏症、ざ瘡、脱毛症およびグルコース寛容減損である。より稀な症状には高血圧症、子宮内膜癌腫および卵巣腫瘍がある。
グルコース寛容減損を持つPCOSの女性の数は約31%と推定されており、一方、約7.5%が糖尿病である。
生化学的には、患者のPCOSは、アンドロゲンレベルの増大、性ホルモン結合グロブリンの減少、LH/FSH比の増大、非環式エストロゲンレベル、高インスリン血症、インスリン抵抗性、PAI-1レベルの増大によって指摘できる。インスリン抵抗性のPCOS患者が一般的に示す症状は、肥満症、糖尿病および高血圧症であり、これらは全て心血管危険因子である。
PCOS患者においてインスリン抵抗性の有病率が比較的高いことを考慮して、一般に現行の治療は、メトホルミン、トログリチゾン、PPAR-γといったインスリン低下/感作薬を使用している。
PCOSの様々な症状に対する、これに代わる治療には、クロミド;経口避妊薬(エストロゲンおよびプロゲスチン);経口避妊薬と組み合わせたGnRH類似体;副腎を抑制するためのグルココルチコイド;アンドロゲンレセプターアンタゴニスト、例えばスピロノラクトン、酢酸シプロテロン、フルタミド、5-αレダクターゼインヒビターまたはフィナステリド;アンドロゲン生合成インヒビター、例えばケトコナゾール;ブロモクリプチン;シメチジンが包含される。
いかなる女性にとっても不妊症は痛ましい状態であるが、PCOSの女性が妊娠に困難を経験するのは一般的なことである。本出願者は、シルデナフィルが、PCOSの発症とPCOS自身の両者に関連する重要な臨床パラメータへの影響を示すことを発見した。
故に、シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩を使用してPCOSの処置を提供することが、本発明の一つの目的である。
シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩による処置によってPCOSの発症を防止する手段を提供することが、さらなる態様である。例えば、インスリン抵抗性、高血圧症、肥満症といったような幾つかのPCOS発症の危険因子を呈する女性を、予防措置としてシルデナフィルで治療することができる。
シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩による処置によってPCOSの関連する不妊症の治療を提供することが、本発明のさらなる目的である。
PCOSについての論考はBMJ 1998, vol.317, 329-332頁に見出すことができる。この論文から、若干の教示を以下に述べる:
「多嚢胞性卵巣症候群は、無***性不妊症の最も一般的形態である。月経障害および変化したホルモンパラメータと結びついたこの症候群は、罹患した多くの生殖年齢の女性を、婦人科や不妊クリニックの受診へと導いている。この状態の病因は不明であるが、最近の証拠は、主たる基礎疾患がインスリン抵抗性であり、結果として起こる高インスリン血症が過剰の卵巣アンドロゲン産生を刺激している事を示唆している。インスリン抵抗性が蔓延している事と関連して、これらの女性は特徴的な高脂血症、ならびにインスリン非依存性糖尿病および晩年には心血管疾患の素因を示す。このように、多嚢胞性卵巣症候群は代謝性症候群の特徴の多くを持っているように思われる。
多嚢胞性卵巣症候群の診断上の臨床的特徴は、長期の無***または希発***に続発する月経障害、および高アンドロゲン血症に起因する多毛症またはざ瘡を包含する。この古典的概念にも拘わらず、これは多相的疾患であり、正確な診断基準については依然として異論がある。それ故、人種間の変動に加え、この状態の有病率は、生殖年齢女性の5%および10%の間であると推定されているのみである。
遊離アンドロゲンの指標によって定義される遊離テストステロン活性の上昇は、診断を支持する最も鋭敏な生化学的マーカーである。黄体化ホルモン濃度の上昇はこの症候群の有用なマーカーではあるが、現在では診断手段としてあまり好まれていない。全てではないものの多くの患者が、拡張した卵巣の特徴的な超音波概観、および、辺縁に位置した多数の小さな卵胞に取り囲まれた、エコーの増大した稠密な支質を示す。先天性副腎過形成の遅発、甲状腺疾患、高プロラクチン血症、およびアンドロゲン分泌腫瘍といった、類似の態様となり得る他の可能性ある病因を除外することが必須である。
末梢インスリン感受性の低下と結果として生じる高インスリン血症が多嚢胞性卵巣症候群の病理の中枢である、という仮説を、良好な証拠が支持している。末梢インスリン抵抗性は過体重の患者において最も明らかであり、肥満と多嚢胞性卵巣症候群はそれぞれインスリン抵抗性と別個の且つ相乗的関係を持っているように思われる。インスリン抵抗性の正確なメカニズムははっきりしないが、脂肪組織におけるレセプター後欠陥が確認されている。脂肪および骨格筋におけるインスリン抵抗性にも拘わらず、卵巣はインスリンに対して比較的感受性を残しており、インスリンとインスリン様成長因子1はいずれも卵胞膜のアンドロゲン産生に刺激効果を有する。事実、インスリン抵抗性が無く、故に高インスリン血症の無い多嚢胞性卵巣症候群を持つ若干の痩せた女性は、インスリンに対する卵巣の感受性の亢進を示すことがある。
インスリンはさらに、肝臓に作用して、性ホルモン結合グロブリンおよびインスリン様成長因子1結合蛋白の産生を阻害する。性ホルモン結合グロブリンの低下は生物学的に利用可能な遊離テストステロンの増加を導く。このようにインスリン抵抗性は、卵巣のアンドロゲン分泌を増大させるのみならず、遊離(活性)ホルモンの比率の増大を促進する。同様に、インスリン様成長因子1結合蛋白産生の阻害は、循環する遊離インスリン様成長因子1の濃度を増大させ、卵巣のアンドロゲン産生をさらに亢進する。
現在、大多数の意見は、卵巣が過剰のアンドロゲンを産生する主たる部位である事を示唆しているが、多嚢胞性卵巣症候群を持つ幾らかの女性は、アンドロゲン産生の増大に副腎が寄与していることがある。このメカニズムは依然としてはっきりしておらず、ほぼ確実に多因子的である。この症候群において一般的な、内臓への体脂肪の分布は、肥満自体よりもインスリン抵抗性の代謝効果により多大な因果関係があるということがよく理解されている。中心肥満とインスリン抵抗性は、脂肪組織からの遊離脂肪酸放出抑制の障害と共に、インスリンに脂肪分解反応の変化を導く。増加した中心部位からの遊離脂肪酸の流出は門脈循環に入り、トリグリセリド産生のための肝臓の基質利用性を増大させる。さらに、この症候群を持つ女性は、大きなリポ蛋白粒子を、よりアテローム産生性のある種である、より小さな粒子へと変換する事を担う酵素である、肝臓リパーゼの活性増大を示す。この事は、高密度リポ蛋白コレステロールの濃度低下と、アテローム発生性のある小さな低密度リポ蛋白レベルの増大という発見を説明している。上昇したトリグリセリドと減少した高密度リポ蛋白が組合わさると、心血管疾患へと強く結びつく。多嚢胞性卵巣症候群の患者と、年齢および体重を合致させた対照の間のこれら脂質パラメータの食い違いは、若年において明白である。よって、脂質の変動に起因する心血管疾患リスクの増大が、成人初期の人生に存在する。多嚢胞性卵巣症候群の女性はまた、フィブリン溶解の強力なインヒビターであるプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1の濃度上昇を示し、これは、心筋梗塞の発症を予測することが示された。
ゴナドトロピン放出ホルモン類似体の使用による高アンドロゲン血症の抑制はインスリン抵抗性または高脂血症に殆ど効果が無く、この事は、異常な脂質プロファイルがアンドロゲン濃度の上昇とは無関係であることを示唆している。
多嚢胞性卵巣症候群の女性は今のところ、それらが示す特徴、不規則月経、多毛症、または不妊症に従った治療を受けている。
不規則月経:月経を規則正しくするには一般に経口避妊薬の合剤が使用されている。アンドロゲン分泌を低下させつつ性ホルモン結合グロブリンのレベルを上げることにより、循環する遊離テストステロン活性が低下する。しかしながら、この合剤はインスリン抵抗性を悪化させ、また、多くの患者は過体重であり、肥満は相対的禁忌であるため、この治療は不適切であるかも知れない。
多毛症:これは抗アンドロゲンである酢酸シプロテロンまたはスピロノラクトン(前者はエチニルエストラジオールと組み合わせて使用する)の使用によって対処することができる。これらの主たる作用様式は、毛包においてジヒドロテストステロンがそのレセプターに結合する事を阻害する事である。3ヶ月後に有益な効果が観察されるが、治療の終了後まもなく、過剰な毛の成長が再来する。酢酸シプロテロンは月経周期の不規則性を激化させ、そしてどちらの薬も妊娠を試みている患者における使用は不適切である。
不妊症:妊娠を望んでいる患者にはクエン酸クロミフェンが***の刺激に良いが、これは多胎妊娠のリスク増大を抱えている。視床下部におけるエストロゲン仲介性の負のフィードバックを阻害することにより、これは卵胞刺激ホルモンの分泌を亢進する。卵巣癌のリスクが増大する可能性があるため、クロミフェン治療の継続は6ヶ月を超えるべきでないという事を指針は示唆している。クロミフェン治療後に妊娠できない患者は、通常、外因性ゴナドトロピンに応答するが、これには、多胎妊娠のリスクを減らすための集中的な監視が必要である。
薬物治療に代わるものとして卵巣のレーザーまたは電気メスがある。これはしばしば最後の手段として使われるものであって全ての施設で利用できる訳ではなく、また、肥満患者では困難である。***を助け月経を規則正しくするのに有効ではあるが、その有益な効果は通常短期間である。
インスリン抵抗性:多嚢胞性卵巣症候群の基礎にある主たる障害はインスリン抵抗性であると思われることから、全ての臨床症状の表出に対する最も適切な治療は、この問題を特に対象とする治療である。
減量は多嚢胞性卵巣症候群を持つ肥満女性にとって複数の利益がある。結果として起こるインスリン抵抗性の低下はホルモン不均衡を是正し、***および規則的月経を促進し、そしてこの疾患の代謝的帰結を改善する。それ故減量を奨励すべきであるが、この群の患者にとって減量は達成が困難であるように思われる。
インスリン感作物質:最近の治験で、この物質が多嚢胞性卵巣症候群に及ぼす効果が調査された。インスリン非依存性糖尿病にしばしば用いられるビグアニドであるメトホルミンが最も一般的に使用されている。筋肉のインスリン感受性を改善するチアゾリジンジオンであるトログリタゾンも研究されたが、最近、肝機能への副作用のため、市場から放逐された。現在までの治験には少数の患者が含まれているだけであるが、結果は有望であり、殆どのものが、空腹時血清インスリン、アンドロゲン、および黄体化ホルモンの濃度の低下を示している。加えて、性ホルモン結合グロブリンの循環濃度が増大し、その結果、生物活性の点でより利用されにくいテストステロンを産んだ。多嚢胞性卵巣症候群を持つ肥満女性をメトホルミンで治療すると規則的な月経周期と***が回復する事を、予備的な証拠が示している。インスリン感作物質がこの症候群に伴う血管危険因子を改変できるかどうかは依然として見極める必要があるが、Lp(a)リポ蛋白とプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1の低下は観察されている。さらに、幾つかの研究が、通常の食事および生活様式を継続していたにも拘わらず、治療された患者に幾らかの体重低下が見られ、中心肥満の低下を示した者もいたということを報告している。
このように、この疾患の重要因子を標的とした治療は、この症候群と共に存在する婦人科的問題を解消するばかりか、その後の人生における血管疾患のリスクを低下させることができるかも知れない。」
PCOSの論考は、http://www.mc.vanderbilt.edu/peds/pidl/adolesc/polcysov.htm.に見出すことができる。参照を容易にするため、それらの教示を以下に述べる:
「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、拡張した嚢胞性卵巣に関連した無月経、多毛症、および肥満より成る症候群として1905年にSteinおよびLeventhalによって最初に記載された。現在では、この比較的一般的な症候群は、初経後まもなく始まる極めて多相性の臨床症候群である事が分かっており、幾人かの著者はこれを高アンドロゲン性慢性無***の症候群と呼ぶ事を好んでいる。事実、PCOSの初期の研究は卵巣の形態学的所見に焦点が合わせられ、これが重要な診断基準であると考えられていた。ところが、卵巣の多嚢胞性変化は幾らかの正常な周期の女性にも観察されることが発見された。
さらに、卵巣の多嚢胞性変化は、クッシング症候群のような充分明確にされている他の疾患、およびアンドロゲンを産生できる卵巣または副腎腫瘍にも付随することが示された。
加えて、最近の研究は、PCOSの臨床的特徴を有する幾人かの女性が正常サイズの卵巣を持っていることを証明した。実際に、PCOSの卵巣には、これまでのところ生得的な異常は見つかっていない。故に、卵巣の形態学への焦点は、この症候群のホルモン上の特徴へと転じた。PCOSの発生数は青年および成人の両者において約3%である。これは思春期前発症の高アンドロゲン症の最も一般的な原因である。しかしながら、PCOSの臨床症状発現には人種間で若干の変動があるように見受けられる。肥満と多毛症はPCOSの日本人女性では著明でない。米国では、日本および東洋の10-20%に比して患者の70%が多毛症である。PCOSにおいて一般的であると考えられている肥満症は、通常、症例の40%に認められる。脂肪の分布に関して特別のパターンは無い。しかしながら、肥満は、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の低下(これは未結合テストステロンの断片の増加を産む)に関連しているため、多毛症に関する重要な特徴である。
さらに、これらの患者ではアンドロゲンからエストロゲンへの末梢における変換が増大するため、肥満症が長期のエストロゲン刺激に寄与する。常套的治療に応答しない抵抗性ざ瘡を持つ女性では、多嚢胞性卵巣症候群は極めて一般的である。主要な罹患域は、顔(下顎角、上唇および頤)および身体の恥骨上領域である。その他の一般的な部位は、胸部、大腿内側および会陰を包含する。高アンドロゲン産生症候群におけるもう一つの臨床徴候は黒色表皮腫である。これは、皮膚の、対称的なビロード様の灰茶色色素過剰を特徴とする。これは普通、うなじ、腋窩および鼠径部を冒す。
PCOSの最も一般的な特徴は、高アンドロゲン産生に加えて長期の無***と不妊症である。長期無***の臨床症状発現は、不規則な月経周期、希発または無月経と時折の重篤な膣出血を包含する。月経機能不全は通常初経時から存在する。***が無い場合、通常の月経前モリミナは起こらない。加えて、対抗するものの無い子宮内膜のエストロゲン刺激があるため、子宮内膜過形成、そして幾らかの例では腺癌を発症することがある。
幸い、PCOSに伴う腺癌は通常、組織学的等級が低く、初期の段階で出現する。PCOSでは、長期無***は異常な卵胞形成を反映する。その結果、これらの患者は不妊症に苦しむ。時にはこの症候群において自然の***と妊娠が起こることもある。患者の部分集合には家族歴のあることがある。しかしながら現在のところ、特定の遺伝様式を解明する努力は実を結んでいない。PCOSは、不適当なゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)パルスの大きさと、卵胞刺激ホルモン(FSH)ではなく黄体化ホルモン(LH)レベルが持続的に上昇していることを特徴とする、病因が未確認の内分泌疾患である。
さらに、卵巣と副腎の両者が産生するアンドロゲンの循環レベルの増大がある。それらが上昇すると、血清のテストステロンレベルは通常70-120ng/dlとなり、アンドロステンジオンレベルは通常3および5ng/mlの間となる。また、この症候群を持つ女性の約半数はDHEA-Sが上昇している。多毛症の存在または不在は、これらのアンドロゲンが、5αレダクターゼによって末梢で、より強力なアンドロゲンDHTジヒドロテストステロンおよび3αジオール-Gに変換されるか否か(これは3α-ジオール-Gのレベル上昇によって表される)に依存している。故に、多毛症の存在または不在をほぼ決定するのは皮膚の5-αレダクターゼ活性である。慢性的に上昇したLHは通常20mlU/mlを超える。PCOS患者のFSHレベルは正常または低いため、LHレベルが8mlU/mlより低くない時にLH/FSH比が3より大きいという事が、PCOSの臨床的特徴を有する女性においてこの診断を示唆するのに使用できる事が判明した。PCOSの女性の約20%がプロラクチンレベルの軽度上昇(20-30ng/ml)をも有しており、これは恐らくGnRHの拍出増大または相対的ドーパミン欠乏またはその両者に関連している。加えて、この症候群を持つ多くの女性は軽度の高インスリン症およびインスリン抵抗性を持っている。
PCOSの診断は病歴と理学的検査によって強力に示唆される。特に、思春期に始まる稀で不規則な月経パターンはこれを強く示唆する。随伴する過剰の毛の証拠は殆ど特有症候である。多毛症の女性において考慮すべき最も厄介な事柄はアンドロゲン産生新生物の存在である。総テストステロンおよびDHEA-Sの測定が推奨されるのはこのためである。クロマトグラフィーによる分離とラジオイムノアッセイにより測定した場合200ng/dlより高いレベルならば、卵巣または副腎起源のアンドロゲン産生腫瘍の疑いを提起すべきである。血清DHEA-Sは副腎アンドロゲンのマーカーであり、700ng/dlより高いレベルは新生物の可能性を意味する。軽度ないし中等度の多毛症はCAH、21ヒドロキシラーゼ欠損症の存在を反映し得るが、重度の多毛症であることもしばしばである。
この疾患における多毛症に付随するその他の特徴的臨床所見は、規則的な月経周期、陰核巨大症のような男性化、家族歴、および低身長を包含する。PCOSおよびCAH、21ヒドロキシラーゼ欠損症のいずれにおいても17-OHプロゲステロンは上昇するが、PCOSにおいてそのレベルが300ng/dlを超える事は稀である。故に、300ng/dlを超える濃度はCAH、21ヒドロキシラーゼ欠損症を示唆し、ACTH刺激を実施すべきである。多毛症を起こすその他のCAHの酵素欠損症は、11-βヒドロキシラーゼ欠損症および3-βヒドロキシラーゼ欠損症である。前者の診断は、高血圧症と塩貯留の共存によって示唆され、一方後者の状態は血清DHEA-Sの著明な上昇に関連している。」
発明の要約態様
本発明によれば本発明者等は、驚くべき事に、PDE5インヒビターを使用してPCOSの処置が可能であることを発見した。
PDE5インヒビターは1またはそれ以上のさらなる薬学上活性な物質と組み合わせて使用できる(同時、別々のまたは連続投与)。このさらなる薬学上活性な物質が存在するか、またはこれを本発明に係るPDE5インヒビターと共に使用する場合、これは「さらなる物質」または「さらなる活性物質」と称することができる。
さらなる物質は例えば、PCOSの処置に有用な1またはそれ以上の他の物質であってよい。
PDE5インヒビターおよびさらなる物質のこうした組み合わせを、より詳細に下記に述べる。
したがって本発明はさらに、PCOSの処置のためのPDE5インヒビター(本明細書に詳述する通り)と1またはそれ以上のさらなる物質の組み合わせを含む。
本発明の詳細な態様
第一の態様によれば、本発明は、PCOSの処置用薬剤の製造におけるPDE5インヒビターの使用を提供する。
第二の態様によれば本発明は、PCOSの処置用薬剤の製造におけるピラゾロピリミジノンPDE5インヒビターの使用を提供する。
第三の、そして好ましい態様によれば、本発明は、PCOSの処置用薬剤の製造における、化合物シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩の使用を提供する。
第四の態様によれば本発明は、個体に有効量のシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩を投与することを含む、個体においてPCOSを治療する方法を提供する。
第五の態様によれば本発明は、薬学上許容し得る担体、希釈剤または賦形剤と混合したシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩を含む、PCOSの治療用医薬組成物を提供する。
上記定義による本発明の第五の態様において、この医薬組成物はさらに1またはそれ以上のさらなる活性物質を含むことができる。
第六の態様によれば本発明は、シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩および1またはそれ以上の活性物質を含む、個体においてPCOSを処置するための薬学的組み合わせ(同時、別々のまたは連続投与のための)を提供する。
第七の態様によれば本発明は、シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩を薬学上許容し得る担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む、PCOSの治療用医薬組成物の製造方法を提供する。
参照を容易にするため、本発明に係るこれらのそしてさらなる態様を適当な標題の下でここに説明する。しかしながら、各項の教示は必ずしも各々の個別的項に限定される訳ではない。
本明細書で使用する「薬学的(医薬)」および「薬学上(医薬として)」という語はそれぞれ「獣医学的」および「獣医学上」を包含する。
個体
本明細書中使用する「個体」という語は、雌性の脊椎動物、とりわけ哺乳動物種の雌性成員を指す。
処置(治療)
本明細書中の処置への言及は全て、治癒的、緩和的および予防的処置のうち1またはそれ以上を包含すると理解すべきである。好ましくは、処置という語は、少なくとも治癒的処置および/または緩和的処置を包含する。
さらに、本明細書中の処置への言及は全て、短期的処置(必要に応じて行われる)と長期的処置(長期の連続処置)を包含することを認識すべきである。
インヒビター
本明細書中、本発明に係る物質に関して使用する「インヒビター」という語は、PDE5の有害作用を低減および/または排除および/または隠蔽および/または防止できる物質を意味する。このインヒビターはアンタゴニストとして作用し得る。
PDE5インヒビター
PDE5インヒビターという語は、このインヒビター自身および/または薬学上許容し得るその塩、溶媒和物もしくは組成物を包含する。
本発明で使用するPDE5インヒビターは時に本明細書中で環状グアノシン3',5'-一燐酸ホスホジエステラーゼ5型インヒビターまたはcGMP PDE5インヒビターまたは物質(即ち本発明に係る物質)と呼ばれる。
好ましくは、本発明に従う使用のための好適なピラゾロピリミジノンPDE5インヒビターは、PDE5イソ酵素の選択的インヒビターである化合物である。
本発明に係るより好ましい態様のためには、PDE5インヒビターは、PDE5イソ酵素の極めて選択的なインヒビターである化合物である。
任意の特定PDE5インヒビターの適当性は、文献法を用いてその力価および選択性の評価を行い、次いでその毒性、吸収、代謝、薬動力学などを標準的薬学実務に従って評価することにより、容易に決定できる。
PDE5インヒビターのIC50値を、下記の検定の項にあるPDE5検定を用いて決定できる。好ましくは、PDE5インヒビターは、PDE5酵素に対して100ナノモル未満(より好ましくは50ナノモル未満)のIC50を有する。
前に述べたように、本発明に従って使用するPDE5インヒビターは、好ましくはPDE5酵素に選択的である。好ましくは(例えば経口使用する時)これらはPDE3よりも、より好ましくはPDE3およびPDE4よりも選択的である。好ましくは(例えば経口の場合)、本発明に係るPDE5インヒビターはPDE3に優って、そしてより好ましくはPDE3およびPDE4に優って100、より好ましくは300より大きな選択比を有する。選択比は当業者が容易に決定することができる。PDE3およびPDE4酵素のIC50値は、確立された文献法を用いて決定でき、S A Ballard et al, Journal of Urology, 1998, vol.159, 2164-2171頁を参照されたく、また本明細書に詳細に後述する通りである。
より好ましくは、本発明に係る好ましいPDE5化合物は、PDE5に極めて選択的であり且つPDE6に対比してPDE5の方に望ましい選択性を示すピラゾロピリミジノンである。シルデナフィル、クエン酸シルデナフィルおよびメシル酸シルデナフィルが本発明において特に好ましい。
幾つかの適用のためには、本発明に係るPDE5インヒビター(および所望により所望によるさらなる物質)は、好ましくはKi値が約100nMより低く、好ましくは約75nMより低く、好ましくは約50nMより低く、好ましくは約25nMより低く、好ましくは約20nMより低く、好ましくは約15nMより低く、好ましくは約10nMより低く、好ましくは約5nMより低い。
幾つかの適用のためには、本発明に係るPDE5インヒビター(および所望により所望によるさらなる物質)は、好ましくはKb値が約100nMより低く、好ましくは約75nMより低く、好ましくは約50nMより低く、好ましくは約25nMより低く、好ましくは約20nMより低く、好ましくは約15nMより低く、好ましくは約10nMより低く、好ましくは約5nMより低い。
幾つかの適用のためには、本発明に係るPDE5インヒビター(および所望により所望によるさらなる物質)は、好ましくはKa値が約100nMより低く、好ましくは約75nMより低く、好ましくは約50nMより低く、好ましくは約25nMより低く、好ましくは約20nMより低く、好ましくは約15nMより低く、好ましくは約10nMより低く、好ましくは約5nMより低い。
1またはそれ以上の強力且つ選択的なcGMP PDE5インヒビターと1またはそれ以上の選択的D3ドーパミンレセプターアゴニストの組み合わせが、本発明において特に好ましい。
具体的なPDE5化合物
本発明における使用のために特に有用な化合物は、一般式(I):
Figure 2005519927
[式中、
AはCHまたはNであり;
R1は、H、C1ないしC6アルキル、C3ないしC6アルケニル、C3ないしC6シクロアルキル、C3ないしC6シクロアルケニル、またはC1-C3ペルフルオロアルキル[ここで、このアルキル基は分枝または直鎖であってよく、そして、このアルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはペルフルオロアルキル基は所望により、ヒドロキシ;C1ないしC4アルコキシ;C3ないしC6シクロアルキル;C1-C3ペルフルオロアルキル;C1ないしC3アルキル、C1ないしC4アルコキシ、C1ないしC4ハロアルキルもしくはC1ないしC4ハロアルコキシ[ここでこのハロアルキルおよびハロアルコキシ基は1またはそれ以上のハロ原子を含む]、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11[式中、R11はH、C1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルカノイル、C1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシであり、R12はC1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルカノイル、C1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシである]から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されているフェニル;NR7R8、CONR7R8またはNR7COR11[式中、R7およびR8は、H、C1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルコキシ、CO2R9、SO2R9[ここで、このアルキル、アルケニルまたはアルコキシ基は所望により、NR5R6、C1ないしC4ハロアルキルもしくはC1ないしC4ハロアルコキシで置換されていてもよく、そして、R9はH、ヒドロキシC2ないしC3アルキル、C1ないしC4アルカノイルまたはC1ないしC4アルキル[これは所望によりフェニル[ここでこのフェニルは、所望によりC1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシで置換されていてもよいC1ないしC4アルキル、C1ないしC4アルコキシ、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11またはCO2R11から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]で置換されていてもよい]である]から各々個別に選ばれる];Het1;Het2またはHet3から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]であり、または、R1は、Het4またはフェニル[ここでこのフェニル基は、所望により、C1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルコキシ、ハロ、CN、CF3、OCF3、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]であり;
R2は、H、C1ないしC6アルキル、C3ないしC6アルケニルまたは(CH2)n(C3ないしC6シクロアルキル)[式中、nは0、1または2であり、このアルキルまたはアルケニル基は所望により1またはそれ以上のフルオロ置換基で置換されていてもよい]であり;
R13はOR3またはNR5R6であり;
R3は、C1ないしC6アルキル、C3-C6アルケニル、C3-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、C1-C6ペルフルオロアルキルまたは、所望によりC3ないしC5シクロアルキル、ヒドロキシ、C1ないしC4アルコキシ、C3-C6アルケニル、C3-C6アルキニル、ベンジルオキシ、NR5R6、フェニル、Het1、Het2、Het3またはHet4から選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよい(C3-C6シクロアルキル)C1-C6アルキル[ここで、C1ないしC6アルキルおよびC1ないしC4アルコキシ基は所望により、CF3のようなハロアルキル基;C3ないしC6シクロアルキル;Het1、Het2、Het3またはHet4で終結していてもよい]であり;
R4は、所望によりOH、NR5R6、CN、CONR5R6またはCO2R7で置換されていてもよいC1-C4アルキル;所望によりCN、CONR5R6またはCO2R7で置換されていてもよいC2-C4アルケニル;所望によりNR5R6で置換されていてもよいC2-C4アルカノイル;所望によりNR5R6で置換されていてもよいヒドロキシC2-C4アルキル;所望によりOHまたはNR5R6で置換されていてもよい(C2-C3アルコキシ)C1-C2アルキル;CONR5R6;CO2R7;ハロ;NR5R6;NHSO2NR5R6;NHSO2R8;またはフェニルもしくはヘテロ環[いずれも所望によりメチルで置換されていてもよい]であるか;または、R4は、ピロリジニルスルホニル、ピペリジノスルホニル、モルホリノスルホニル、またはピペラジニル基の4位に置換基R10を有するピペラジン-1-イルスルホニル基[ここでこのピペラジニル基は、所望により1または2個のC1ないしC4アルキル、C1ないしC3アルコキシ、NR7R8またはCONR7R8基で置換されていてもよく、且つ所望によりその4-N-オキシド型であってもよい]であり;
R5およびR6は、H、および所望によりC3ないしC5シクロアルキルまたはC1ないしC4アルコキシで置換されていてもよいC1ないしC4アルキルから各々個別に選ばれるか、または、それらの結合している窒素原子と合してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、4-(NR9)-ピペラジニルまたはイミダゾリル基[ここでこの基は所望によりメチルまたはヒドロキシで置換されていてもよい]を形成しており;
R10は、H;所望によりヒドロキシ、NR5R6、CONR5R6、フェニル[所望によりC1ないしC4アルキルまたはC1ないしC4アルコキシで置換されていてもよい]から選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよい、C1ないしC6アルキル、(C1-C3アルコキシ)C2-C6アルキル、ヒドロキシC2-C6アルキル、(R7R8N)C2-C6アルキル、(R7R8NCO)C1-C6アルキル、CONR7R8、CSNR7R8またはC(NH)NR7R8;C2ないしC6アルケニルまたはHet4であり;
Het1は、所望によりS、NまたはOから選ばれる1またはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよいN-結合した4、5または6員環窒素含有ヘテロ環式基であり;
Het2は、所望によりOまたはSから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、O、SまたはNヘテロ原子を含むC-結合した5員環ヘテロ環式基であり;
Het3は、所望によりO、SまたはNから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、OまたはSヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるか、または、Het3は、3個のNヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であり;
Het4は、S、OまたはNから選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含む、C-結合した4、5または6員環ヘテロ環式基であり;そして、ここでこのヘテロ環式基Het1、Het2、Het3またはHet4のいずれかは、飽和、部分不飽和または芳香族であってよく、且つこのヘテロ環式基のいずれかは、所望によりC1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルコキシ、ハロ、CO2R11、COR11、SO2R12またはNHR11から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、そして/または、このヘテロ環式基のいずれかはベンゾ融合している。
または、R13がOR3またはR3NR5である時;R1は、Het、アルキルHet、アリールまたはアルキルアリール[ここで、後者の5つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]であり;R2は、H、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、SO2NR14R15、低級アルキル、Het、アルキルHet、アリールまたはアルキルアリール[ここで、後者の5つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]であり;R3は、H、低級アルキル、アルキルHetまたはアルキルアリール[ここで、後者の3つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい] であり;R4は、H、ハロ、シアノ、ニトロ、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、NR16Y(O)R17、SOR18、SO2R19R20、C(O)AZ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、Het、アルキルHet、アリール、アルキルアリール[ここで、後者の7つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]であり;YはCまたはS(O)[ここで、YがS(O)である時、R16およびR17のうち一方は存在しない]であり;Aは低級アルキレンであり;Zは、OR6、ハロ、Hetまたはアリール[ここで、後者の2つの基はいずれも所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]であり;R5、R6、R7、R8、R9、R18、R19およびR20は個別にHまたは低級アルキルであり;R10およびR11は個別にHまたは低級アルキル[ここで、後者の基は所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]、または、所望により後者の11の基のうち1またはそれ以上で置換されていてもよいHetもしくはアリールであるか、またはR10およびR11のうち一方は低級アルコキシ、アミノまたはHet[ここで、後者の2つの基はいずれも所望により低級アルキルで置換されていてもよい]であってよく;R12およびR13は個別にHまたは低級アルキルであるか、またはR12もしくはR13のうち一方はC(O)-低級アルキルまたはC(O)Het[式中、Hetは所望により低級アルキルで置換されていてもよい]であってよく;R14およびR15は個別にHまたは低級アルキルであるか、またはR14およびR15はそれらが結合している窒素原子と合してヘテロ環を形成しており;R16およびR17は個別にHまたは低級アルキルであるか、またはR16およびR17のうち一方はHetまたはアリール[ここで、後者の2つの基はいずれも所望により低級アルキルで置換されていてもよい]であってよく;Hetは、所望により置換されていてもよい4ないし12員環ヘテロ環式基[これは芳香族または非芳香族であってよく、1またはそれ以上の二重結合を含んでいてよく、単環式または二環式であってよく、そしてN、SおよびOから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいる]である。]
を有する、またはそのいずれかの薬学上許容し得る塩もしくは溶媒和物である。
このPDE5インヒビターはハロ基を含み得る。ここで「ハロ」とはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
このPDE5インヒビターは、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルキレンおよびアルケニレン基のうち1またはそれ以上を含むことができ、これらの基は非分枝または分枝鎖であってよい。
本発明に係る使用のための一般式(I)の化合物の好ましい群は、R1がH、メチルまたはエチルであり;R2がH、所望によりOHで置換されていてもよいC1-C3アルキル、またはメトキシであり;R3がC2-C3アルキルまたはアリルであり;R4がスルホニルピペリジノまたは4-N-(R10)-スルホニルピペラジン-1-イル基であり;R5がH、NR7R8、またはCONR7R8であり;R10がH、C1-C3アルキル、ヒドロキシC2-C6アルキル、CONR7R8、CSNR7R8またはC(NH)NR7R8であり;R7およびR8が各々個別にHまたはメチルである化合物である。
本発明に係る使用のための一般式(I)の化合物の、もう一つの好ましい群は、R1が、所望によりHetで置換されていてもよいC1ないしC2アルキル;2-(モルホリン-4-イル)エチルまたはベンジルであり;R2がC2ないしC4アルキルであり;R13がOR3またはNR5R6であり;R3が、所望によりシクロプロピル、シクロブチル、OH、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、NR5R6、フェニル、フラン-3-イル、ピリジン-2-イルおよびピリジン-3-イルから選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいC1ないしC4アルキル;シクロブチル;1-メチルピペリジン-4-イル;テトラヒドロフラン-3-イルまたはテトラヒドロフラン-4-イルであり;R5およびR6が、Hおよび所望によりシクロプロピルまたはメトキシで置換されていてもよいC1ないしC2アルキルから各々個別に選ばれるか、または、これらの結合している窒素原子と合してアゼチジニル、ピロリジニルまたはモルホリニル基を形成し;R7およびR8が、それらの結合している窒素原子と合して、所望により1または2個のメチル基で置換されていてもよく且つ所望によりその4-N-オキシドの形であってもよい4-R10-ピペラジニル基を形成し;R10が、H、所望によりOH、NR5R6、CONR5R6、フェニル[所望によりメトキシで置換されていてもよい]、ベンゾジオキソール-5-イルおよびベンゾジオキサン-2-イルから選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいC1ないしC3アルキル;アリル;ピリジン-2-イル;ピリジン-4-イルまたはピリミジン-2-イルであり;そして、Hetが、ピリジン-2-イル;1-オキシドピリジン-2-イル;6-メチルピリジン-2-イル;6-メトキシピリジン-2-イル;ピリダジン-3-イル;ピリミジン-2-イルおよび1-メチルイミダゾール-2-イルから選ばれる、化合物である。この群の中で、より好ましい化合物は、R1が所望によりHetで置換されていてもよいC1ないしC2アルキル、2-(モルホリン-4-イル)エチルまたはベンジルであり;R2がC2ないしC4アルキルであり;R13がOR3であり;R3が、所望によりシクロプロピル、シクロブチル、OH、メトキシ、エトキシ、フェニル、フラン-3-イルまたはピリジン-2-イルで一置換されていてもよいC1ないしC4アルキル;シクロブチル;テトラヒドロフラン-3-イルまたはテトラヒドロピラン-4-イルであり;R7およびR8が、それらの結合している窒素原子と合して、所望によりその4-N-オキシドの形であってもよい4-R10-ピペラジニル基を形成し;R10が、所望によりOHで一置換されていてもよいC1ないしC3アルキルであり;そして、Hetが、ピリジン-2-イル;1-オキシドピリジン-2-イル;6-メチルピリジン-2-イル;6-メトキシピリジン-2-イル;ピリダジン-3-イル;ピリミジン-2-イルおよび1-メチルイミダゾール-2-イルから選ばれる、化合物である。
本発明に係る使用のための一般式(I)の化合物の、もう一つのさらに好ましい群は、R1が、C1ないしC6アルキルまたはC3ないしC6アルケニル[ここでこのアルキルまたはアルケニル基は分枝鎖または直鎖であってよい]であるか、またはR1が、C3ないしC6シクロアルキルまたはC4ないしC6シクロアルケニル[ここで、R1がC1ないしC3アルキルである時、このアルキル基は、そしてR1がC4ないしC6アルキル、C3ないしC6アルケニル、C3ないしC6シクロアルキルまたはC4ないしC6シクロアルケニルである時、このアルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはシクロアルケニル基は、所望により、ヒドロキシ;C1ないしC4アルコキシ;C3ないしC4シクロアルキル;C1ないしC3アルキル、C1ないしC4アルコキシ、C1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシ、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHCOR12、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11[ここでこのハロアルキルおよびハロアルコキシ基は1またはそれ以上のハロ原子を含んでいる]から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されているフェニル;NR7R8、CONR7R8またはNR7COR11;N-結合した4員環N含有ヘテロ環式基であるHet1基;所望によりN、OまたはSから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、O、SまたはNヘテロ原子を含むC-結合した5員環ヘテロ環式基であるHet2基;所望によりO、SまたはNから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、OまたはSヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるHet3基、または、3個のNヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるHet3基;から選ばれる1またはそれ以上の置換基[ここで、R7、R8、R11およびR12は本明細書前記に定義の通りである]で置換されていてもよい]であるか、または、R1が、S、OまたはNから選ばれる1個のヘテロ原子を含むC-結合した4もしくは5員環ヘテロ環式基であるHet4;SまたはOから選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるHet4;3個の窒素ヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるHet4;C1ないしC4アルキル、C1ないしC4アルコキシ、CO2R11、SO2R12、COR11、NHR11またはNHCOR12から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されており、所望によりS、OまたはNから選ばれるさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい、1または2個の窒素ヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるHet4[ここで、いずれの前記ヘテロ環式基Het1、Het2、Het3またはHet4も、適宜飽和、部分不飽和または芳香族であり、また、いずれの前記ヘテロ環式基も所望によりC1ないしC4アルキル、C3ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルコキシ、ハロ、CO2R11、SO2R12、COR11またはNHR11[式中、R11は前記と同意義である]から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、そして/またはいずれの前記ヘテロ環式基もベンゾ融合している]であり;または、R1が、CF3、OCF3、SO2R12またはCO2R12[式中、R12は、所望によりフェニル、C1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシ[ここでこのハロアルキルおよびハロアルコキシ基は1またはそれ以上のハロ原子を含んでいる]で置換されていてもよいC1ないしC4アルキルである]から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されているフェニルであり;R2がC1ないしC6アルキルであり;R13がOR3であり;R3が、所望によりC3ないしC5シクロアルキル、ヒドロキシ、C1ないしC4アルコキシ、ベンジルオキシ、NR5R6、フェニル、フラニル、テトラヒドロフラニルまたはピリジニルで置換されていてもよいC1ないしC6アルキル[ここでこのC1ないしC6アルキルおよびC1ないしC4アルコキシ基は所望によりCF3のようなハロアルキル基で終結していてもよい]であるか;または、R3が、C3ないしC6シクロアルキル、1-(C1ないしC4アルキル)ピペリジニル、テトラヒドロフラニルまたはテトラヒドロピラニルであり;R4が、ピペラジニル基[ここでこのピペラジニル基は所望により1または2個のC1ないしC4アルキル基で置換されていてもよく、且つ所望によりその4-N-オキシド型であってもよい]の4位に置換基R10を持つピペラジン-1-イルスルホニル基であり;R5およびR6が、Hおよび所望によりC3ないしC5シクロアルキルまたはC1ないしC4アルコキシで置換されていてもよいC1ないしC4アルキルから各々個別に選ばれるか、またはそれらが結合している窒素原子と合してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリニル基を形成し;そしてR10が、H;所望によりヒドロキシ、NR5R6、CONR5R6、フェニル[これは所望によりC1ないしC4アルキルもしくはC1ないしC4アルコキシで置換されていてもよい]から選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいC1ないしC4アルキル;C3ないしC6アルケニル;Het4であり;但し、R1が、フェニルで置換されているC1ないしC3アルキルである時、このフェニル基はC1ないしC4アルコキシ;CN;ハロ;CF3;OCF3;またはC1ないしC4アルキルで置換されていない、化合物である。より好ましいこの化合物群は、R1がC1ないしC6アルキル[ここでこのアルキルは分枝鎖または直鎖であってよい]であるか、またはR1がC3ないしC6シクロアルキル[ここで、R1がC1ないしC3アルキルである時、このアルキル基は、そしてR1がC4ないしC6アルキルまたはC3ないしC6シクロアルキルである時、このアルキルまたはシクロアルキル基は、所望により、ヒドロキシ;
C1ないしC2アルコキシ;C3ないしC5シクロアルキル;NR7R8、NR7COR11またはCOR11[式中、R7およびR8は、H、C1ないしC4アルキルまたはCO2R9[式中、R9およびR11は前記と同意義である]から各々個別に選ばれる];N-結合した4員環N含有ヘテロ環式基であるHet1基;所望によりO、SまたはNから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、OまたはSヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるHet3基、または3個のNヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるHet3基;から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]であるか;または、R1が、S、OまたはNから選ばれる1個のヘテロ原子を含むC-結合した4員環ヘテロ環式基であるHet4基であるか、または、R1が、SまたはOから選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環[ここで、いずれの前記ヘテロ環式基Het1、Het2、Het3またはHet4も、飽和、部分不飽和または芳香族であり、且つ所望によりC1ないしC4アルキル、C1ないしC4アルコキシ、-CO2R11、-SO2R12、-COR11またはNHR11[式中、R11およびR12は前記と同意義である]から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、そして/またはいずれの前記ヘテロ環式基もベンゾ融合している]であり;または、R1が、CF3、-OCF3、-SO2R12、-COR11、-CO2R11[式中、R11およびR12は前記と同意義である]から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されているフェニルであり;R2がC1ないしC6アルキルであり;R13がOR3であり;R3が、所望によりシクロプロピル、シクロブチル、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、フェニル、ベンジル、フラン-3-イル、テトラヒドロフラン-2-イルメチル、テトラヒドロフラン-3-イルメチル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルまたはNR5R6[式中、R5およびR6はHおよびC1ないしC2アルキルから各々個別に選ばれる]から選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、i-ブチルまたはt-ブチルアルキルであり;R4が、ピペラジニル基の4位に置換基R10を有するピペラジン-1-イルスルホニル基[ここでこのピペラジニル基は所望により1または2個のC1ないしC4アルキル基で置換されていてもよく、且つ所望によりその4-N-オキシドの形であってもよい]であり;そしてR10が、Hであるか、ヒドロキシ、NR5R6、CONR5R6[式中、R5およびR6はH、C1ないしC4アルキルおよびC3アルケニルから各々個別に選ばれる]から選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよいC1ないしC3アルキルである、化合物である。
本発明に係る使用のための好ましい一般式(I)の化合物のさらなる群は、R1が、H、低級アルキル、Het、アルキルHet、またはアルキルアリール(後者の4つの基は全て、所望によりシアノ、低級アルキル、OR6、C(O)OR9またはNR12R13から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい)であり;R2が、H、ハロ、低級アルキル、Hetまたはアリール(後者の4つの基は全て、所望により前記定義による1またはそれ以上の置換基、好ましくはNR12R13またはSO2NR14R15で置換されそして/または終結していてもよい)であり;R3が、所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよいC1-C4アルキルまたはC3-C4シクロアルキルであり;R4が、ハロ、シアノ、ニトロ、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、N[Y(O)R17]2、NR16Y(O)R17、SOR18、SO2R19、C(O)AZ、低級アルキル、低級アルキニル、Hetまたはアリール(後者の3つの基は全て、所望により前記定義による1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい)である[ここで、Y、A、Z、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R5、R6、R7、R8、R9、R18、R19およびHetは前記と同意義である]化合物である。このさらなる群の中で、より好ましい化合物は、R1が所望により置換されていてもよい低級アルキル、より好ましくは低級アルキル、低級アルコキシで終結している低級アルキル、NR12R13で終結している低級アルキル、またはN-モルホリノで終結している低級アルキルである化合物である。
或いは、R1は、所望によりピペリジニル基の窒素原子において低級アルキルまたはC(O)OR9で置換されていてもよい、4-ピペリジニルまたは3-アゼチジニル基であってよい。このさらなる群の中の、さらに好ましいこのような化合物では、R2は、C(O)NR10R11、NR12R13、所望によりNにおいて低級アルキルまたはアシルで置換されていてもよい、所望によりO、SまたはNのうち1またはそれ以上によって断続されていてもよい低級アルキル、または所望により置換されていてもよいアリールまたはHetである。より好ましくは、R2が断続されている低級アルキルである時、この断続原子はOおよび低級アルキル化-Nのうち1またはそれ以上であり、また、R2がアリールである時、これは所望により置換されていてもよいフェニルまたはピリジルである。このさらなる群の中で特に好ましい化合物は、R2がC(O)NR10R11、NR12R13、所望によりOまたはNで断続されていてもよい、所望によりNにおいて低級アルキルで置換されていてもよいC1-4アルキル、所望により置換されていてもよいフェニル、または所望により置換されていてもよいピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリミジン-5-イル、ピラジン-2-イル、ピラゾール-4-イル、オキサジアゾール-2-イル、フラン-2-イル、フラン-3-イル、テトラヒドロフラン-2-イルおよびイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルである化合物である。
このさらなる化合物のうち、より好ましい群において、R3は低級アルキルまたはシクロアルキルであってよい。また、Xは好ましくはOである。このようなさらなるそしてより好ましい化合物は、ハロ、低級アルキル、低級アルキニル、所望により置換されていてもよいHet、所望により置換されていてもよいアリール、C(O)R8、C(O)AZ、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13またはNR16Y(O)R17であるところのR4を有する。R4のためのより好ましい意義は、C(O)R8(例えばアセチル)、ハロ(例えばヨード)、SO2R19(式中、R19は低級アルキルである)およびC(O)NR10R11(例えば、R10およびR11が個別にHおよび低級アルキルであり、そして/またはR10およびR11の一方が低級アルコキシである)またはNHB(式中、BはH、SO2CH3またはC(O)Hetである)である。これ以外のさらに好ましい化合物は、R4がヨード、低級アルキル、低級アルキニル(後者の2つの基はC(O)OR9[式中、R9はHまたはC1-6アルキルである]で置換されそして/または終結している)、N(H)Y(O)R17、N[Y(O)R17]2、所望により置換されていてもよいHetまたはNR12R13(式中、R12およびR13は合してOまたはN-S(O)2-(所望により置換されていてもよいアリール)により断続されているC3-5アルキレンである)である化合物である。
本発明はさらに、上に示した化合物の模擬物質または生物学的アイソスターの用途をも包含する。
一般式(I)に従う、この用途のための好適なPDE5インヒビターは、
EP-A-0463756に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0526004に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開された国際特許出願WO93/06104に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開された国際特許出願WO93/07149に開示の異性体ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-オン;公開された国際特許出願WO93/12095に開示のキナゾリン-4-オン;公開された国際特許出願WO94/05661に開示のピリド[3,2-d]ピリミジン-4-オン;公開された国際特許出願WO94/00453に開示のプリン-6-オン;公開された国際特許出願WO98/49166に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開された国際特許出願WO99/54333に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-0995751に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン;公開された国際特許出願WO00/24745に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-00995750に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-4-オン;公開された国際出願WO95/19978に開示の化合物;公開された国際出願WO99/24433に開示の化合物および公開された国際出願WO93/07124に開示の化合物;を包含する。
公開された国際出願WO01/27112に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;公開された国際出願WO01/27113に開示のピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン;EP-A-1092718に開示の化合物およびEP-A-1092719に開示の化合物。
本発明に係る用途のための好ましいピラゾロピリミジノンPDE5インヒビターは、
1-[[3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-メチルピペラジンとしても知られる5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(シルデナフィル)(EP-A-0463756を参照されたい);
5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(EP-A-0526004を参照されたい);
3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO98/49166を参照されたい);
3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO99/54333を参照されたい);
3-エチル-5-{5-[4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル]-2-([(1R)-2-メトキシ-1-メチルエチル]オキシ)ピリジン-3-イル}-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンとしても知られる(+)-3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-(2-メトキシ-1(R)-メチルエトキシ)ピリジン-3-イル]-2-メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO99/54333を参照されたい);
1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジンとしても知られる5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27113、実施例8を参照されたい);
5-[2-iso-ブトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-(1-メチルピペリジン-4-イル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27113、実施例15を参照されたい);
5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-フェニル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27113、実施例66を参照されたい);
5-(5-アセチル-2-プロポキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-イソプロピル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27112、実施例124を参照されたい);
5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(WO01/27112、実施例132を参照されたい);
を包含する。
本明細書に記載の用途のための特に好ましいピラゾロピリミジノンは、シルデナフィル(5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン)、または5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン (1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン)または5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンである。
シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩が本発明において特に好ましい。
PDE5インヒビターは、上に提示した化合物の模擬物質および/または化学誘導体であってよいという事を理解すべきである。例えばシルデナフィルの場合、この物質は、シルデナフィル自身、その模擬物質または化学誘導体の形であってよい。
シルデナフィル
シルデナフィルは5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンであり、1-[[3-(6,7-ジヒドロ-1-メチル-7-オキソ-3-プロピル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-メチルピペリジンとしても知られる。
シルデナフィルの任意の薬学上許容し得る塩を本発明に従って使用できるが、典型的にはクエン酸塩またはメシル酸塩として、好ましくはクエン酸塩としてシルデナフィルを使用する。
さらなる態様によれば、本発明はPCOSの処置のために以下のさらなる化合物の用途をさらに提供する。
(6R,12aR)-2,3,6,7,12,12a-ヘキサヒドロ-2-メチル-6-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-ピラジノ[2',1':6,1]ピリド[3,4-b]インドール-1,4-ジオン(IC-351)、即ち公開された国際出願WO95/19978の実施例78および95、ならびに実施例1、3、7および8の化合物;および/または、
1-[[3-(3,4-ジヒドロ-5-メチル-4-オキソ-7-プロピルイミダゾ[5,1-f]-アズ-トリアジン-2-イル)-4-エトキシフェニル]スルホニル]-4-エチルピペラジンとしても知られる2-[2-エトキシ-5-(4-エチル-ピペラジン-1-イル-1-スルホニル)-フェニル]-5-メチル-7-プロピル-3H-イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-4-オン(バルデナフィル)、即ち公開された国際出願WO99/24433の実施例20、19、337および336の化合物。
さらに別のPDE5インヒビターは、公開された国際出願WO93/07124(EISAI)の実施例11の化合物;およびRotella D P, J. Med. Chem., 2000, 43, 1257由来の化合物3および14;4-ブロモ-5-(ピリジルメチルアミノ)-6-[3-(4-クロロフェニル)-プロポキシ]-3(2H)ピリダジノン;1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミオノ]-6-クロロ-2-キノゾリニル]-4-ピペリジン-カルボン酸一ナトリウム塩;(+)-cis-5,6a,7,9,9,9a-ヘキサヒドロ-2-[4-(トリフルオロメチル)-フェニルメチル-5-メチル-シクロペンタ-4,5]イミダゾ[2,1-b]プリン-4(3H)オン;フラズロシリン;cis-2-ヘキシル-5-メチル-3,4,5,6a,7,8,9,9a-オクタヒドロシクロペンタ[4,5]-イミダゾ[2,1-b]プリン-4-オン;3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシラート;3-アセチル-1-(2-クロロベンジル)-2-プロピルインドール-6-カルボキシラート;4-ブロモ-5-(3-ピリジルメチルアミノ)-6-(3-(4-クロロフェニル)プロポキシ)-3-(2H)ピリダジノン;1-メチル-5(5-モルホリノアセチル-2-n-プロポキシフェニル)-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ(4,3-d)ピリミジン-7-オン;1-[4-[(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルメチル)アミノ]-6-クロロ-2-キナゾリニル]-4-ピペリジンカルボン酸一ナトリウム塩;Pharmaprojects No.4516(Glaxo Wellcome);Pharmaprojects No.5051(Bayer);Pharmaprojects No.5064(Kyowa Hakko;WO 96/26940を参照されたい);Pharmaprojects No.5069(Schering Plough);GF-196960(Glaxo Wellcome);E-8010およびE-4010(Eisai);Bay-38-3045 & 38-9456(Bayer)およびSch-51866を包含する。
置換された
疑義を回避するため、別途指摘の無い限り、置換されたという語は1またはそれ以上の定義された基で置換されていることを意味する。基が幾つかの択一的基から選択できる場合、選択された基は同じであっても異なっていてもよい。疑義を回避するため、個別にという語は、1以上の置換基が幾つかの可能な置換基から選択され、それらの置換基が同じであっても異なっていてもよいことを意味する。
化学的修飾
本発明の或る態様では、このPDE5インヒビターは化学的に修飾された物質であってよい。
PDE5インヒビターの化学的修飾は、PDE5インヒビターとPDE5酵素の間の水素結合相互作用、電荷相互作用、疎水性相互作用、Van Der Waals相互作用または双極性相互作用を増強または減弱させることができる。
或る態様では、同定されたPDE5インヒビターが他の化合物の開発のためのモデル(例えば鋳型)として挙動することができる。
薬学上許容し得る塩
PDE5インヒビターは、酸付加塩または塩基付加塩のような薬学上許容し得る塩、またはその溶媒和物(水和物を包含する)として投与でき、そして/またはそのような形態であってよい。好適な塩に関する総説については、Berge et al, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19を参照されたい。
典型的には、薬学上許容し得る塩は、所望の酸または塩基を適宜使用して容易に製造できる。この塩は溶液から沈殿させて濾取することができ、または溶媒の蒸発によって回収できる。
好適な酸付加塩は非毒性塩を形成する酸から生成し、その例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、燐酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、琥珀酸塩、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパム酸塩がある。
好適な塩基付加塩は非毒性塩を形成する塩基から生成し、その例には、ナトリウム塩、カリウム塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、ジオラミン塩、オラミン塩、エチレンジアミン塩、トロメタミン塩、クロイン塩、メグラミン塩およびジエタノールアミン塩がある。好適な薬用塩に関する総説については、Berge et al J. Pharm. Sci., 66, 1-19(1977);Gould P.L., International J. of Pharmaceutics, 33(1986), 201-217;およびBighley et al, Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, Marcel Dekker Inc., New York (1996), Vol.13, 453-497頁を参照されたい。好ましい塩はナトリウム塩である。
本発明に係るピラゾロピリミジノンPDE5インヒビターの薬学上許容し得る溶媒和物は、その水和物を包含する。
本明細書において、本発明の任意の態様において定義するピラゾロピリミジノンPDE5インヒビター、それらの薬学上許容し得る塩、溶媒和物および多型(化学プロセス中の中間体化合物を除く)は、時に「本発明に係る化合物」または「本発明に係る物質」と称する。
多型/不斉炭素
PDE5インヒビターは多型で存在し得る。PDE5インヒビターは1またはそれ以上の不斉炭素原子を含むことができ、故に2またはそれ以上の立体異性型で存在する。PDE5インヒビターがアルケニルまたはアルケニレン基を含む場合、cis(E)およびtrans(Z)異性現象もまた起こり得る。本発明はPDE5インヒビターの個別的立体異性体、および適当ならばその個別的互変異性型、ならびにそれらの混合物を包含する。
ジアステレオマーまたはcisおよびtrans異性体の分離は常套技術、例えばPDE5インヒビターまたはその適当な塩もしくは誘導体の立体異性体混合物の分別結晶化、クロマトグラフィーまたはH.P.L.C.によって達成できる。PDE5インヒビターの個々のエナンチオマーもまた、対応する光学活性中間体から、または、分割、例えば適当なキラル支持体を用いる対応ラセミ化合物のH.P.L.C.によって、または、対応ラセミ化合物と適当な光学活性な酸または塩基との反応によって適宜形成されるジアステレオマー塩の分別結晶化によって、製造できる。
アイソトープ変異
本発明はさらに、PDE5インヒビターまたは薬学上許容し得るその塩の適当なアイソトープ変異を全て包含する。本発明に係るPDE5インヒビターまたは薬学上許容し得るその塩のアイソトープ変異は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号ではあるが天然に通常見出される原子質量とは異なる原子質量を有する原子に置き換わっている変異として定義する。PDE5インヒビターおよび薬学上許容し得るその塩に組み込まれ得るアイソトープの例は、水素、炭素、窒素、酸素、燐、硫黄、弗素および塩素のアイソトープ、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clを包含する。PDE5インヒビターおよび薬学上許容し得るその塩の或るアイソトープ変異、例えば3Hまたは14Cのような放射性同位体が組み込まれたものは、薬物および/または基質の組織分布の研究に有用である。トリチル化、即ち3H、および炭素14、即ち14Cアイソトープは、それらの製造容易性と検出可能性の故に、特に好ましい。さらに、デューテリウム、即ち2Hのようなアイソトープによる置換は、例えばインビボ半減期の増大または必要用量の低減といった、より大きな代謝安定性に起因する一定の治療上の利点を付与することから、幾つかの状況において好ましいかも知れない。PDE5インヒビターおよび薬学上許容し得るその塩のアイソトープ変異は一般に、適当な試薬の適切なアイソトープ変異を用いる常套的手法によって製造できる。
プロドラッグ
PDE5インヒビターをプロドラッグから誘導できるという事が、当業者には理解できるであろう。プロドラッグの例は、一定の保護された基を持ち、そのままでは薬理活性を持たないかも知れないが、或る場合には、投与され(例えば経口または非経口的に)、その後体内で代謝されて薬理活性なPDE5インヒビターを形成するものを包含する。
本発明に係るPDE5インヒビターの保護された誘導体およびプロドラッグは全て本発明の範囲内に包含される。
プロ部分
例えばH. Bundgaard, Elsevier, 1985による「Design of Prodrugs」(この開示は引用により本明細書の一部とする)に記載の「プロ部分」として知られる一定の部分を、PDE5インヒビターの適当な官能性の上に位置させることができるということも理解できるであろう。このようなプロドラッグもまた本発明の範囲内に包含される。
アンタゴニスト
例えばPDE5i化合物およびその他のさらなる活性物質に関して本明細書で使用するインヒビターという語は、幾つかの場合にはアンタゴニストという語と互換性があると考えることができる。
本明細書中使用する「アンタゴニスト」という語は、別の物質または標的の作用を減弱させる任意の物質を意味する。拮抗作用は、拮抗される物質の組み合わせに起因する(化学的拮抗作用)か、または異なる標的を介する反対の効果の招来に起因する(機能的拮抗作用または生理的拮抗作用)か、または標的の活性化を観察される効果に結び付ける中間体の結合部位について競合する(間接的拮抗作用)結果として起こり得る。
アゴニスト
本明細書中使用する「アゴニスト」という語は、別の物質もしくは標的の作用を増強する、または別の物質もしくは標的を活性化させる任意の物質を意味する。アゴニストという語は、レセプターに結合してそれにより活性型であるそれらの比率を変化させ、典型的には増大させ、その結果、生物学的応答を引き起こすリガンドを包含する。
組み合わせ
上に述べたように本発明はさらに、PCOSの処置のためのPDE5インヒビターと1またはそれ以上のさらなる活性物質の組み合わせを含む(同時、別々のまたは連続投与のため)。
したがって、本明細書における、本発明に係る用途のためのPDE5インヒビターの使用への言及は、PDE5インヒビターと他のさらなる(活性)物質との組み合わせをも包含する。
このようなさらなる物質は、本明細書前記に詳述した別のPCOS薬、例えばクロミドであってよい。
このようなさらなる物質は、別のPDEiであってもよい。
本発明に係るPCOSの処置に有用なPDE5インヒビターとさらなる物質の組み合わせを下記により詳細に述べる。
本発明に係る方法はホルモン療法と共に使用することもできる。一例として本発明は、1またはそれ以上のホルモンまたはステロイド、例えばWO-A-99/21562に記載のものと共に使用することができる。
さらなる(追加の)活性物質
本発明での使用に好適なさらなる活性物質は以下のものを包含する:
1) 1またはそれ以上の天然に存在するまたは合成のプロスタグランジンまたはそのエステル。本発明における使用に好適なプロスタグランジンは、アルプロスタジル、プロスタグランジンE1、プロスタグランジンE0、13,14 - ジヒドロプロスタグランジンE1、プロスタグランジンE2、エプロスチノール、WO-00033825および/またはUS6037346(2000年3月14日登録)に記載の天然合成および半合成プロスタグランジンならびにその誘導体(全て引用により本明細書の一部とする)、PGE0、PGE1、PGA1、PGB1、PGF1α、19-ヒドロキシPGA1、19-ヒドロキシ-PGB1、PGE2、PGB2、19-ヒドロキシ-PGA2、19-ヒドロキシ-PGB2、PGE3α、カルボプロストトロメタミンジノプロスト、トロメタミン、ジノプロストン、リポプロスト、ジメプロスト、メテノプロスト、スルプロスチューン、チアプロストおよびモキシシリート;および/または、
2) 1またはそれ以上のαアドレナリン作動性レセプターアンタゴニスト化合物α遮断薬。本発明における使用のための好適な化合物は、1998年6月14日公開のPCT出願WO99/30697に記載のα-アドレナリン作動性レセプター遮断薬(α-アドレナリン作動性レセプターに関するこの開示は引用により本明細書の一部とし、選択的α1-アドレナリン作動性レセプターまたはα2-アドレナリン作動性レセプター遮断薬および非選択的アドレナリン作動性レセプター遮断薬を包含する。好適なα1-アドレナリン作動性レセプター遮断薬は、フェントラミン、メシル酸フェントラミン、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、ダピプラゾール、フェノキシベンズアミン、イダゾキサン、エファラキサン、ヨヒンビン(α2-遮断薬)、ラウウォルファアルカロイド、Recordati 15/2739、SNAP 1069、SNAP 5089、RS17053、SL 89.0591、ドキサゾシン、テラゾシン、アバノクイルおよびプラゾシンを包含する);US6037346[2000年3月14日]由来のα2-遮断薬遮断薬ジベナルニン、トラゾリン、トリマゾシンおよびジベナルニン;米国特許:4188390;4026894;3511836;4315007;3527761;3997666;2503059;4703063;3381009;4252721および2599000(これらはそれぞれ引用により本明細書の一部とする)に記載のα-アドレナリン作動性レセプター;α2-アドレナリン作動性レセプター遮断薬は、クロニジン、パパベリン、塩酸パパペリン(所望によりピルキサミンのような強心剤を共存させてもよい)を包含し;および/または、
3) 1またはそれ以上のNO供与体(NOアゴニスト)化合物。本発明における使用のための好ましいNO供与体化合物は、有機ニトラート、例えばモノ、ジもしくはトリニトラートまたは三硝酸グリセリル(ニトログリセリンとしても知られる)を包含する有機硝酸エステル、5-硝酸イソソルビド、二硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリスリトール、四硝酸エリスリチル、ニトロプルシドナトリウム(SNP)、3-モルホリノシドノニミン、モルシドミン、S-ニトロソ-N-アセチルペニシラミン(SNAP)S-ニトロソ-N-グルタチオン(SNO-GLU)、N-ヒドロキシ-L-アルギニン、硝酸アミル、リンシドミン、リンシドミンクロロヒドラート、(SIN-1)S-ニトロソ-N-システイン、ジアゼニウムジオラート、(NONOアート)、1,5-ペンタンジニトラート、L-アルギネン、チョウセンニンジン、zizphi fructus、モルシドミン、Re-2047、ニトロシル化マキシシリート誘導体、例えば公開されたPCT出願WO0012075に記載のNMI-678-11およびNMI-937を包含し;および/または、
4) 1またはそれ以上のカリウムチャネル開放薬または調節薬。本発明における使用のための好適なカリウムチャネル開放/調節薬は、ニコランジル、クロモカリム、レブクロマカリム、レマカリム、ピナシジル、クリアゾキシド、ミノキシジル、カリブドトキシン、グリブリド、4-アミニピリジン、BaCl2を包含し;および/または、
5) 1またはそれ以上のドーパミン作動性物質、好ましくはアポモルフィンまたは選択的D2、D3またはD2/D3アゴニスト、例えばプラミペキソールおよびロピリノール(WO-0023056で特許請求されている)、L-ドーパまたはカルビドーパ、PNU95666(WO-0040226で特許請求されている);および/または、
6) 1またはそれ以上の血管拡張薬。本発明における使用のための好適な血管拡張薬は、ニモデピン、ピナシジル、シクランデラート、イソクスプリン、クロロプルマジン、ハロペリドール、Rec15/2739、トラゾドンを包含し、および/または、
7) 1またはそれ以上のトロンボキサンA2アゴニスト;および/または、
8) 1またはそれ以上の麦角アルカロイド;(好適な麦角アルカロイドは、2000年3月14日登録の米国特許6037346に記載されており、アセテルガミン、ブラゼルゴリン、ブロメルグリド、シアネルゴリン、デロルゴトリル、ジスレルギン、マレイン酸エルゴノビン、酒石酸エルゴタミン、エチスレルギン、レルゴトリル、リセルギド、メスレルギン、メテルゴリン、メテルゴタミン、ニセルゴリン、ペルゴリド、プロピセルギド、プロテルグリド、テルグリドを包含する);および/または、
9) ナトリウム利尿因子、特に心房性ナトリウム利尿因子(心房性ナトリウム利尿ペプチドとしても知られる)、B型およびC型ナトリウム利尿因子の作用を調節する1またはそれ以上の化合物、例えば中性エンドペプチダーゼのインヒビター;および/または、
10) 1またはそれ以上のアンギオテンシンレセプターアンタゴニスト、例えばロサルタン;および/または、
11) 1またはそれ以上のNO-シンターゼの基質、例えばL-アルギニン;および/または、
12) 1またはそれ以上のカルシウムチャネル遮断薬、例えばアムロジピン;および/または、
13) 1またはそれ以上のエンドセリンレセプターのアンタゴニストおよびインヒビターまたはエンドセリン変換酵素;および/または、
14) 1またはそれ以上のコレステロール低下薬、例えばスタチン類(例えばアトルバスタチン/リピトール(登録商標))およびフィブラート類;および/または、
15) 1またはそれ以上の抗血小板および抗血栓薬、例えばtPA、uPA、ワルファリン、ヒルジンおよびその他のトロンビンインヒビター、ヘパリン、トロンボプラスチン活性化因子インヒビター;および/または、
16) 1またはそれ以上のインスリン感作薬、例えばRezulin、AvandiaまたはActosおよび血糖降下薬、例えばグリピジド(スルホニル尿素類)、メトホルミン、またはアカルボース(但しこれらに限定される訳ではない);および/または、
17) 1またはそれ以上のアセチルコリンエステラーゼインヒビター、例えばドネジピル;および/または、
18) 1またはそれ以上のエストロゲンレセプター調節薬および/またはエストロゲンアゴニストおよび/またはエストロゲンアンタゴニスト、好ましくはラロキシフェンまたはラソホキシフェン、(-)-cis-6-フェニル-5-[4-(2-ピロリジン-1-イル-エトキシ)-フェニル]-5,6,7,8-テトラヒドロナフタレン-2-オールおよび薬学上許容し得るその塩(下記の化合物A)(その製造はWO96/21656に詳述されている)、
Figure 2005519927
19) 1またはそれ以上のさらなるPDEインヒビター、より詳細にはPDE2、4、7または8インヒビター、好ましくはPDE2インヒビター、好ましくはそれぞれの酵素に対して100nM未満のIC50を有する該インヒビター;および/または、
20) 1またはそれ以上のNPY(神経ペプチドY)インヒビター、より詳細にはNPY1またはNPY5インヒビター、好ましくはNPY1インヒビター、好ましくは100nM未満、より好ましくは50nM未満のIC50を有する該NPYインヒビター(NPY Y1およびNPY Y5を包含する)(好適なNPY、特にNPY1インヒビター化合物はEP-A-1097718に記載されている);および/または、
21) 1またはそれ以上の血管作動性腸管ペプチド(VIP)、VIP模擬物質、より詳細には、1またはそれ以上のVIPレセプターサブタイプVPAC1、VPACもしくはPACAP(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)により仲介されるもの、1またはそれ以上のVIPレセプターアゴニストまたはVIP類似体(例えばRo-125-1553)またはVIPフラグメント、1またはそれ以上のα-アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストとVIPの組み合わせ(例えばInvicorp、Aviptadil);および/または、
22) 1またはそれ以上のメラノコルチンレセプターアゴニストもしくは調節薬またはメラノコルチンehancer、例えばメラノタンII、PT-14、PT-141またはWO-09964002、WO-00074679、WO-09955679、WO-00105401、WO-00058361、WO-00114879、WO-00113112、WO-09954358で特許請求されている化合物、および/または、
23) 1またはそれ以上のセロトニンレセプターアゴニスト、アンタゴニストもしくは調節薬、より詳細には、WO-09902159、WO-00002550および/またはWO-00028993に記載のものを包含する、5HT1A(VML670を包含する)、5HT2A、5HT2C、5HT3および/または5HT6レセプターのアゴニスト、アンタゴニストまたは調節薬;および/または、
24) 1またはそれ以上のテストステロン置換薬(デヒドロアンドロステンジオンを包含する)、テストステルノン(Tostrelle)、ジヒドロテストステロンまたはテストステロンインプラント;および/または、
25) 1またはそれ以上のエストロゲン、エストロゲンおよびメドロキシプロゲステロンまたは酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)(即ち、組み合わせとして)、またはエストロゲンおよびメチルテストステロンホルモン置換療法薬(例えば、HRT、特にPremarin、Cenestin、Oestrofeminal、Equin、Estrace、Estrofem、Elleste Solo、Estring、Eastraderm TTS、Eastraderm Matrix、Dermestril、Premphase、Preempro、Prempak、Premique、Estratest、Estratest HS、Tibolone);および/または、
26) 1またはそれ以上のノルアドレナリン、ドーパミンおよび/またはセロトニン輸送体の調節薬、例えばブプロピオン、GW-320659;および/または、
27) 1またはそれ以上のプリン作動性レセプターアゴニストおよび/または調節薬;および/または、
28) 1またはそれ以上のニューロキニン(NK)レセプターアンタゴニスト(WO-09964008に記載のものを包含する);および/または、
29) 1またはそれ以上のオピオイドレセプターアゴニスト、アンタゴニストまたは調節薬、好ましくはORL-1レセプターのアゴニスト;および/または、
30) 1またはそれ以上のオキシトシン/バソプレシンレセプターのアゴニストまたは調節薬、好ましくは選択的オキシトシンアゴニストまたは調節薬;および/または、
31) 1またはそれ以上のカンナビノイドレセプターの調節薬;および/または、
32) 1またはそれ以上のNEPインヒビター(好ましくはこのNEPはEC3.4.24.11であり、より好ましくはこのNEPインヒビターはEC3.4.24.11の選択的インヒビターであり、さらに好ましくは選択的NEPインヒビターは、100nM未満のIC50を有するEC3.4.24.11の選択的インヒビター(例えばオムパトリラート、サムパトリラート)であり、好適なNEPインヒビター化合物はEP-A-1097719に記載されている);および/または、
33) アンギオテンシン変換酵素を阻害する1またはそれ以上の化合物、例えばエナラプリル、および、アンギオテンシン変換酵素のインヒビターとオマパトリラートのような中性エンドペプチダーゼのインヒビターを組み合わせた1またはそれ以上のインヒビター;および/または、
34) 1またはそれ以上のNO-シンターゼの基質、即ちL-アルギニンおよび/または;1またはそれ以上のカルシウムチャネル遮断薬、例えばアムロジピン;および/または、
35) 1またはそれ以上のエンドセリンレセプターのアンタゴニストおよびエンドセリン変換酵素のインヒビター;および/または、
36) 1またはそれ以上のコレステロール低下薬、例えばスタチン類およびフィブラート類;抗血小板薬および抗血栓薬、例えばtPA、uPA、ワルファリン、ヒルジンおよびその他のトロンビンインヒビター、ヘパリン、トロンボプラスチン活性化因子インヒビター;および/または、
37) 1またはそれ以上のL-DOPAおよびカルビドーパおよび/または;1またはそれ以上のCOX2インヒビターおよび/または;プレガバレン;および/または、
38) ガバペンテン;および/または、
39) 1またはそれ以上の三環系抗うつ薬、例えばアミトリプチリン;および/または、
40) 1またはそれ以上の非ステロイド系抗炎症薬および/または;1またはそれ以上のアンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター、例えばキナプリル;および/または、
41) 1またはそれ以上の抗うつ薬(例えばクロミプラミンおよびSSRI(例えばパロキセチンおよびセルタリン);および/または、
42) 1またはそれ以上のCNS賦活薬;および/または、
43) 1またはそれ以上の蛋白キナーゼC-βインヒビター、例えばLY333531;および/または、
44) 1またはそれ以上のAMP活性化蛋白キナーゼのアクチベーター、例えば5-アミノ-4-イミダゾールカルボキサミドリボヌクレオシド;および/または、
45) インスリン;および/または、
46) 減量薬、例えばシブトラミンまたはオルリスタット;および/または、
47) 1またはそれ以上のジペプチジルペプチダーゼIVインヒビター、例えばNVP DPP728またはP32/98;および/または、
48) 1またはそれ以上のグルカゴンアンタゴニスト、例えばNNC25-2504;および/または、
49) PTP1Bを阻害する1またはそれ以上の物質、例えばPTP112;および/または、
50) アンチセンス技術を用いてPTP1Bレベルを低下させる1またはそれ以上の物質;および/または、
51) 1またはそれ以上のグリコーゲンシンターゼキナーゼ-3インヒビター、例えばChir98014;および/または、
52) 1またはそれ以上のGLP-1アゴニスト、例えばGLP1、NN-2211またはエクセンディン4;および/または、
53) 1またはそれ以上のPPAR-γアゴニスト、例えばRezulin、Avandia、ActosまたはCS011;および/または、
54) 1またはそれ以上のPPAR-αアゴニスト、例えばフェノフィブラート;および/または、
55) 1またはそれ以上の二重PPAR-α/PPAR-γアゴニスト、例えばファーグリタザー、ロシグリタソン、ピオグリタゾン、GW1929、DRF2725、AZ242またはKRP297;および/または、
56) 1またはそれ以上のソルビトールデヒドロゲナーゼインヒビター、例えばCP-470711;および/または、
57) 1またはそれ以上のアルドースレダクターゼインヒビター、例えばゾポルレスタット、ゼナレスタット、またはフィダレスタット;および/または、
58) 1またはそれ以上の成長ホルモン製剤または成長ホルモン分泌促進薬。
キット
本発明はさらに、この方法において有用なキットの使用を包含する。
典型的には、このキットは、ピラゾロピリミジノンPDE5インヒビター、好ましくはシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩の有効量と、1またはそれ以上の、
a. PCOSを検査するための手段、
b. 1またはそれ以上の薬学上許容し得る担体、賦形剤または希釈剤、
c. 1またはそれ以上のさらなる活性物質、
を含む。
本明細書ではシルデナフィルを例示し特許請求しているが、本発明は、前記に詳述したような、さらなる物質と組み合わせた、PCOSの処置のための強力且つ好ましくは選択的なcGMP PDE5Iの用途に関するものでもある、ということを理解すべきである。
医薬組成物
PDE5インヒビターは単独で投与することもできるが、一般にこれらは、意図する投与経路および標準的薬学の実際を考慮して選択した、適当な医薬賦形剤、希釈剤または担体と混合して投与する。
したがって本発明はさらに、本発明に係るPDE5インヒビターの治療的有効量と、薬学上許容し得る担体、希釈剤または賦形剤(それらの組み合わせを包含する)とを含む医薬組成物を提供する。
この医薬組成物は、人間および動物医学における人間または動物での使用のためのものとすることができ、典型的には薬学上許容し得る希釈剤、担体、または賦形剤のうち任意の1またはそれ以上を含む。治療用途のための許容し得る担体または希釈剤は薬学分野において周知であり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co.(A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されている。薬用担体、賦形剤または希釈剤の選択は、意図する投与経路および標準的薬学の実際を考慮して選択できる。医薬組成物は、担体、賦形剤または希釈剤、任意の好適な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、被覆剤、可溶化剤として構成され、またはそれらに加えて成っている。
この医薬組成物には、保存剤、安定剤、色素および香料でさえ提供する事ができる。保存剤の例には安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp-ヒドロキシ安息香酸エステルがある。抗酸化剤および懸濁化剤もまた使用できる。
デリバリーシステムの違いに応じて、組成物/製剤の要件が相違するかも知れない。一例として、本発明に係る医薬組成物は、例えば鼻腔スプレーまたは吸入用エアロゾルまたは摂取可能な溶液として、ミニポンプまたは粘膜経路でデリバリーされるように製剤化でき、または、非経口的に製剤化でき、この場合、例えば静脈内、筋肉内または皮下経路によってデリバリーされるような注射可能な形態に製剤化する。これとは別に、この製剤は両方の経路でデリバリーされるように設計することもできる。
PDE5インヒビターを胃腸管粘膜を介して粘膜からデリバリーしようとする場合、胃腸管を通過する間は安定でなければならない。例えばこれは、蛋白分解に抵抗性であり、酸性pHにおいて安定であり、そして胆汁の洗浄効果に抵抗性でなければならない。
適当とあらばこの医薬組成物は、吸入によって、または坐剤もしくはペッサリーの形態で、またはローション、溶液、クリーム、軟膏もしくは散布剤の形態で局所的に、または皮膚貼付薬を使用して、または澱粉もしくは乳糖のような賦形剤を含有する錠剤の形態で、経口的に、または単独もしくは賦形剤と混合したカプセルもしくは小卵で、または香料もしくは着色料を含有するエリキシル剤、溶液もしくは懸濁剤の形態で投与でき、或いはこれらを非経口的に、例えば静脈内、筋肉内もしくは皮下経路で注入することができる。非経口投与のためには、この組成物を無菌水溶液の形態で使用するのが最善であり、その溶液には、他の物質、例えばその溶液を血液と等張にするに充分な塩類または単糖類を含有させることができる。バッカルまたは舌下投与のためには、この組成物を、常法により製剤化できる錠剤またはトローチ剤の形態で投与できる。
幾つかの態様では、本発明に係るPDE5インヒビターをシクロデキストリンと組み合わせて使用することもできる。シクロデキストリンは、薬物分子と包接および非包接複合体を形成する事が知られている。薬物-シクロデキストリン複合体の形成は、薬物分子の溶解度、溶解速度、バイオアベイラビリティーおよび/または安定性を改変し得る。薬物-シクロデキストリン複合体は一般に、殆どの投与型および投与経路にとって有用である。薬物の直接複合体を形成させる代わりに、シクロデキストリンは、例えば担体、希釈剤または可溶化剤といった補助的添加物として使用することもできる。α-、β-およびγ-シクロデキストリンが最も一般的に使用されており、好適な例がWO-A-91/11172、WO-A-94/02518およびWO-A-98/55148に記載されている。
好ましい態様では、本発明に係るPDE5インヒビターを全身デリバリー(例えば経口、バッカル、舌下)、より好ましくは経口デリバリーする。
よって、PDE5インヒビターは好ましくは経口デリバリーにとって好適な形態である。
投与
「投与される」という語は、ウイルスまたは非ウイルス技術によるデリバリーを包含する。ウイルスデリバリーメカニズムは、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、およびバキュロウイルスベクターを包含するが、これらに限定される訳ではない。非ウイルスデリバリーメカニズムは、脂質仲介トランスフェクション、リポソーム、免疫リポソーム、リポフェクチン、陽イオン性表面両親媒性化合物(CFA)およびそれらの組み合わせを包含する。
本発明に係るPDE5インヒビターは単独で投与できるが、一般には、例えばPDE5インヒビターを、意図する投与経路および標準的薬学の実際を考慮して選択した適当な医薬用賦形剤、希釈剤もしくは担体と混合した、医薬組成物として投与する。
例えば、PDE5インヒビターは、香料もしくは着色剤を含有させ得る、即時、遅延、修飾、持続、パルスまたは制御放出適用のための、錠剤、カプセル剤、小卵、エリキシル剤、溶液または懸濁液の形態で投与(例えば経口または局所)できる。
錠剤は、微結晶性セルロース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性燐酸カルシウムおよびグリシンのような賦形剤、澱粉(好ましくはトウモロコシ、馬鈴薯またはタピオカ澱粉)、グリコール酸澱粉ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよび或る種の複合珪酸塩のような崩壊剤、ならびに、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、蔗糖、ゼラチンおよびアラビアゴムのような顆粒化結合剤を含有できる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクのような潤滑剤を含有させることができる。
類似のタイプの固体組成物を、ゼラチンカプセル剤の増量剤としても利用できる。この点において好ましい賦形剤は、乳糖、澱粉、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールを包含する。水性懸濁液および/またはエリキシルのためには、PDE5インヒビターを、種々の甘味料または香料、着色剤または色素、乳化剤および/または懸濁化剤、ならびに希釈剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリン、およびそれらの混合物と合することができる。
投与(デリバリー)経路は、経口(例えば、錠剤、カプセル剤として、または摂取可能な溶液として)、局所、粘膜(例えば、鼻腔スプレーまたは吸入用エアロゾル)、鼻腔、非経口(例えば、注射可能な形態により)、胃腸管、脊髄内、腹腔内、筋肉内、静脈内、子宮内、眼内、皮内、頭蓋内、気管内、腟内、脳室内、大脳無い、皮下、眼内(硝子体内または眼房内を包含する)、経皮、直腸内、バッカル、陰茎内、膣内、硬膜外、舌下のうち1またはそれ以上を包含するが、これらに限定される訳ではない。
全ての活性物質(即ち、PDE5インヒビターと任意のさらなる物質)を同じ経路で投与する必要があるという訳ではない事を理解すべきである。即ち、PDE5インヒビターの幾つかまたは全てと任意のさらなる物質を、異なる経路で投与できる。
本発明に係るPDE5インヒビターを非経口投与する場合、このような投与の例は、PDE5インヒビターの静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内または皮下投与のうち1またはそれ以上;および/または注入技術を用いる投与を包含する。
非経口投与のためには、PDE5インヒビターは、他の物質、例えばその溶液を血液と等張とするに充分な塩類またはグルコースを含有させ得る無菌水溶液の形態で最良に使用できる。この水溶液は、必要ならば適切に緩衝化(好ましくはpH3ないし9に)すべきである。好適な非経口製剤の無菌条件下での製造は、当業者が周知の標準的薬学技術によって容易に達成できる。
指摘したように、本発明に係るPDE5インヒビターは鼻内投与または吸入によって投与することができ、乾燥粉末吸入器またはエアロゾルスプレーの形態で、加圧容器、ポンプ、スプレーまたはネブライザーから、適当な高圧ガス、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヒドロフルオロアルカン類、例えば1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134A(登録商標))もしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA(登録商標))、二酸化炭素またはその他の適当な気体を使用してデリバリーするのが好都合である。加圧エアロゾルの場合、用量単位は、計量した量をデリバリーするためのバルブを提供することにより決定できる。加圧容器、ポンプ、スプレーまたはネブライザーには、例えばエタノールと高圧ガスの混合物(ここに潤滑剤、例えばソルビタントリオレアートをさらに含有させることもできる)を溶媒に用いて、PDE5インヒビターの溶液または懸濁液を入れることができる。吸入器または注入器に入れて使用するためのカプセルまたはカートリッジ(例えばゼラチン製)は、PDE5インヒビターと適当な粉末基剤(例えば乳糖もしくは澱粉)の粉末混合物を含むよう調合できる。
これとは別に、本発明に係るPDE5インヒビターは、坐剤もしくははペッサリーの形態で投与でき、または、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏もしくは散布剤の形態で局所適用できる。本発明に係るPDE5インヒビターはまた、例えば皮膚貼付薬を使用して皮膚に、または経皮的に投与できる。これらは肺に、または直腸経路で投与することもできる。
皮膚への局所適用のために、本発明に係るPDE5インヒビターを、例えば鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウおよび水のうち1またはそれ以上との混合物に懸濁または溶解したPDE5インヒビターを含有する適当な軟膏として製剤化できる。別法としてこれは、鉱油、ソルビタンモノステアラート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルロウ、セテアリールアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水、のうち1またはそれ以上の混合物に懸濁または溶解した、適当なローションまたはクリームとして製剤化できる。
本発明に係る組成物は直接注射によって投与できる。
幾つかの適用では、PDE5インヒビターを経口投与するのが好ましく、これにより典型的には全身性副作用が回避できる。
一般に人間では、PDE5インヒビターの経口投与が好ましい経路であり、最も好都合である。受容者に、燕下障害または経口投与後の薬物吸収障害がある場合には、この薬物を非経口的に、または舌下、またはバッカルで投与できる。
本発明の或る態様では、口による投与に適合させたPCOSの処置に使用するための医薬が提供され、この医薬は、100ナノモル未満のIC50と、PDE3に優って100より大きな選択性を有するPDE5インヒビターを含む。
この「投与」の項ではPDE5インヒビターの投与に言及してきたが、この投与技術を、投与される任意のさらなる物質にも適用する。
用量レベル
典型的には、医師が個々の患者に最も適した実際の用量を決定する。特定の個体に対する具体的用量レベルと投与頻度は変化することがあり、使用する個別的化合物の活性、代謝安定性およびその化合物の作用時間、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食餌、投与の様式および時間、***速度、薬物併用、その状態の重篤度、ならびにその個体が受けている治療を包含する様々な因子に依存する。本発明に係るPDE5インヒビターおよび/または医薬組成物は、一日に1ないし10回、例えば1日に1または2回の投与計画に従って投与できる。
人間への経口および非経口投与のためには、PDE5インヒビターの日用量レベルを1回または分割投与とすることができる。
必要に応じて、PDE5インヒビターを、0.01ないし30mg/kg(体重)、例えば0.1ないし10mg/kg、より好ましくは0.1ないし1mg/kg(体重)の用量で投与できる。当然のことであるが、ここに述べた用量は平均的症例の例である。無論、より高いまたは低い用量範囲に利点がある個別例もあり得る。
典型的には、経口日用量は、例えば3-1500mg、例えば20-1000mg、そして好ましくは50-300mgとすることができる。
経口、バッカル、舌下または非経口投与のためのPDE5インヒビターの用量は、例えば1ないし500mgの範囲で1日3回までの投与とすることができる。人間の患者への経口および非経口投与のためには、PDE5インヒビターの日用量レベルは通常5ないし500mg(1回または分割投与で)となる。シルデナフィルの場合、好ましい用量は5ないし100mgの範囲(例えば、5、10、20、40および80mg)であり、これを1日に1、2または3回(好ましくは1回)投与することができる。しかしながら上に述べたように、正確な用量は処方する医師が決定するものであり、患者の年齢および体重ならびに症状の重篤度といった様々な因子に依存する。
したがって例えば、PDE5インヒビターの錠剤またはカプセル剤は、一度に1個または2個またはそれ以上を投与するために、5ないし250mg(例えば10ないし100mg)のPDE5インヒビターを適宜含有させることができる。いずれにせよ医師は、個々の患者にとって最も適切な実際の用量を決定し、それは、個々の患者の年齢、体重および反応といった因子に応じて変化するであろう。上記の用量は平均的症例の例である。無論、より高いまたは低い用量範囲に利点がある個別例もあり得、そのようなものも本発明の範囲内にある。
エアロゾルまたは乾燥粉末製剤を、好ましくは、計量された各々の用量または「一吹き」が、患者にデリバリーするためのPDE5インヒビター1ないし50mgを含有するよう、準備する。エアロゾルによる全体の日用量は、一般に、1ないし50mgの範囲であり、これを1回投与、またはより一般的には一日を通じた分割投与で投与することができる。
PDE5インヒビターの適切な用量は、PCOSの処置と嘔吐またはその他の副作用の誘発の間の満足できる治療比を可能にする用量を包含する。
製剤
本発明に係るPDE5インヒビターは、当分野で既知の技術を用いて例えば1またはそれ以上の適当な担体、希釈剤または賦形剤と混合することにより、調合して医薬組成物とすることができる。
以下に幾つかの非限定的製剤例を記載する。
製剤1;以下の材料を用いて錠剤を製造する:
重量/mg
クエン酸シルデナフィル 250
微結晶性セルロース 400
燻蒸化二酸化珪素 10
ステアリン酸 5
合計 665
成分を混和し圧縮して各々665mg重量の錠剤を形成させる。
製剤2:静脈内製剤が以下のようにして製造できる:
クエン酸シルデナフィル 100mg
等張生理食塩水 1000ml
製剤3:以下の材料を用いて錠剤を製造する:
クエン酸シルデナフィル(50mg)をセルロース(微結晶性)、二酸化珪素、ステアリン酸(燻蒸化)と混和し、混合物を圧縮して錠剤を形成させる。
バイオアベイラビリティー(生物学的利用能)
好ましくは、本発明化合物(および組み合わせ)は経口でバイオアベイラビリティーが高い。経口バイオアベイラビリティーとは、経口投与された薬物が全身循環に到達する割合を指す。薬物の経口バイオアベイラビリティーを決定する因子は、溶解、膜透過性および代謝安定性である。典型的には、経口バイオアベイラビリティーの決定には、まずインビトロの、次いでインビボのスクリーニングカスケード技術を用いる。
胃腸管(GIT)の水溶性内容物による薬物の可溶化である、溶解は、GITを模倣した適当なpHで実施するインビトロ溶解性実験から推定できる。好ましくは本発明化合物は最小溶解度50μg/mlを有する。溶解度はAdv. Drug Deliv. Rev. 23, 3-25, 1997に記載のような当分野で既知の標準法によって測定できる。
膜透過性とは、GITの細胞をこの化合物が通過することを指す。脂肪親和性が、これを推定する鍵となる性質であり、有機溶媒および緩衝液を用いたインビトロLog D7.4の測定値で定義する。好ましくは本発明化合物は-2ないし+4、より好ましくは-1ないし+2のLog D7.4を有する。Log Dは、J. Pharm. Pharmacol. 1990, 42:144に記載のような当分野で既知の標準法によって決定できる。
CaCO2のような細胞単層検定は、実質上、p-糖蛋白のような流出輸送体存在下での望ましい膜透過性、いわゆるcaco-2フラックスを予測する一助となる。好ましくは、本発明化合物は2x10-6cms-1より大きな、より好ましくは5x10-6cms-1より大きなcaco-2フラックスを有する。このcacoフラックス値はJ. Pharm. Sci, 1990, 79, 595-600に記載のような当分野で既知の標準法によって決定できる。
代謝安定性は、GITまたは肝臓が吸収過程の間に化合物を代謝する能力である初回通過効果を扱うものである。ミクロソーム、肝細胞などのような検定系は代謝傾向を予測する。好ましくは実施例に記載の化合物は、0.5未満の肝臓除去と同程度の代謝安定性をこの検定で示す。アッセイ系およびデータ取り扱いの例は、Curr. Opin. Drug Disc. Devel., 201, 4, 36-44, Drug Met. Disp., 2000, 28, 1518-1523に記載されている。
上のプロセス群の相互作用の故に、或る薬物が人間において経口でバイオアベイラビリティーが高いということのさらなる支持が、動物でのインビボ実験によって得られる。この化合物を別々に、または混合物で経口経路によって投与することによるこれらの実験で、絶対的バイオアベイラビリティーを決定する。絶対的測定値(吸収%)に対しては静脈内経路もまた利用する。動物の経口アベイラビリティーの評価例は、Drug Met. Disp., 2001, 29, 82-87;J. Med Chem, 1997, 40, 827-829, Drug Met. Disp., 1999, 27, 221-226に見出すことができる。
PDE5インヒビター検定
本明細書で言及するPDE作用力価は以下の検定によって決定できる:
ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害活性
本発明に従う用途にとって好適な好ましいPDE化合物は、強力且つ選択的なPDE5インヒビターである。環状グアノシン3',5'-一燐酸(cGMP)および環状アデノシン3',5'-一燐酸(cAMP)ホスホジエステラーゼに対するインビトロPDE阻害活性は、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要な化合物濃度)の測定によって決定できる。
必要とされるPDE酵素は、ヒト海綿体、ヒトおよびウサギ血小板、ヒト心室、ヒト骨格筋およびウシ網膜を包含する様々な材料から、本質的にW. J. Thompson and M. M. Appleman(Biochem., 1971, 10, 311)の方法によって単離できる。特に、cGMP特異的PDE(PDE5)およびcGMPで阻害されるcAMP PDE(PDE3)はヒト海綿体組織、ヒト血小板またはウサギ血小板から取得でき;cGMPで刺激されるPDE(PDE2)はヒト海綿体から取得でき;カルシウム/カルモジュリン(Ca/CAM)依存性PDE(PDE1)はヒト心室から;cAMP特異的PDE(PDE4)はヒト骨格筋から;そして光受容体PDE(PDE6)はウシ網膜から取得できる。ホスホジエステラーゼ7-11は、SF9細胞へとトランスフェクトされた完全長ヒト組換えクローンから作製できる。
検定は、W. J. Thompson et al.(Biochem., 1979, 18, 5228)の「バッチ」法の改変法を用いて、または、製品コードTRKQ7090/7100の下にAmersham plcが記載したプロトコルの改変法を用いるAMP/GMPの直接検出のためのシンチレーション近接検定を用いて実施できる。概略を述べると、IC50≒Kiとなるような、様々なインヒビター濃度と、3:1比の非標識対[3H]-標識した濃度〜1/3Km)の少量の基質(cGMPまたはcAMP)の存在下で一定量の酵素を検定することにより、PDEインヒビターの効果を調べた。最終検定容量を検定緩衝液[20mM Tris-HCl pH7.4、5mM MgCl2、1mg/ml牛血清アルブミン]で100μlとした。反応を、酵素を用いて<30%基質ターンオーバーを生ずるよう30℃で30-60分間インキュベートして開始させ、珪酸イットリウムSPAビーズ50μl(PDE9および11については各々の非標識環状ヌクレオチド3mMを含有)で終止させた。プレートを再封入して20分間振盪し、その後暗所で30分間ビーズを落ち着かせ、次いでTopCountプレート読み取り機(Packard, Meriden, CT)で計数した。放射能単位を阻害されなかった対照(100%)からの活性%に変換し、インヒビター濃度に対してプロットし、そして「Fit Curve」Microsoft Excelエクステンションを用いてインヒビターのIC50値を得た。
機能的活性
これは、S. A. Ballard et al.(Brit. J. Pharmacol., 1996, 118(suppl.), abstract 153p)またはS. A. Ballard et al.(J. Urology, 1998, vol.159, 2164-2171)に記載のように、本発明に係るPDE5インヒビターが、ニトロプルシドナトリウムまたは電場刺激により誘発した、前収縮させたウサギ海綿体組織片の弛緩を増強する能力を測定することによってインビトロで評価できる。
インビトロPDEインヒビター活性
環状グアノシン3',5'-一燐酸(cGMP)ホスホジエステラーゼに対するインビトロPDE阻害活性は、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要な化合物濃度)を測定することにより決定できる。
必要なPDE酵素は、ヒト海綿体、ヒトおよびウサギ血小板、ヒト心室、ヒト骨格筋ならびにヒトおよびネコ網膜を包含する様々な材料から、本質的にW. J. Thompson and M. M. Appleman(Biochem., 1971, 10, 311)の方法によって単離できる。
同様に、他の酵素も様々な材料から単離できる。次いでこれら他の酵素を使用して、本発明における使用のためのPDE5インヒビターの選択性を決定することができる。
一例として、cGMP特異的PDE(PDE5)およびcGMPで阻害されるcAMP PDE(PDE3)はヒト海綿体またはヒト血小板から取得でき;cGMPで刺激されるPDE(PDE2)はヒト海綿体およびヒト血小板から取得でき;カルシウム/カルモジュリン(Ca/CAM)依存性PDE(PDE1)はヒト心室から取得でき;cAMP特異的PDE(PDE4)はヒト骨格筋およびSF9細胞で発現させたヒト組換え体から取得でき;そして光受容体PDE(PDE6)はヒトまたはネコ網膜から取得できる。ホスホジエステラーゼ7-11は、SF9細胞へとトランスフェクトされた完全長ヒト組換えクローンから作製できる。
実施例
ここに本発明を実施例によってさらに説明する。
ピラゾロピリミジノンの機能的活性
これは、S. A. Ballard et al.(Brit. J. Pharmacol., 1996, 118(suppl.), abstract 153p)に記載のように、本発明に係る化合物が、ニトロプルシドナトリウムにより誘発した、前収縮させたウサギ海綿体組織片の弛緩を増強する能力を測定することによってインビトロで評価できる。
ピラゾロピリミジノンのインビボ活性
本明細書に記載のピラゾロピリミジノン化合物、特にシルデナフィルを、Trigo-Rocha et al.(Neurourol. and Urodyn., 1994, 13, 71)に記載の方法に基づく方法を用いて、ニトロプルシドナトリウムの海綿体内注射が誘発した陰茎海綿体の圧力上昇を増強する能力を、麻酔したイヌにおいてi.v.投与後に測定して、スクリーニングした。
結果
以下の実験1および2は、子宮および卵巣血流改善ならびにプロゲステロンレベル上昇の処置において、ピラゾロピリミジノン環状グアノシン3',5'-一燐酸ホスホジエステラーゼ5型(cGMP PDE V)インヒビターの活性を証明している(本明細書前記に詳述したこれらは全て多嚢胞性卵巣症候群に関連する臨床パラメータである)。
実験1
子宮血流と平均動脈血圧(MAP)に及ぼすピラゾロピリミジノンPDE V阻害の効果を評価する子宮血流のモデルを確立した。体重およそ30kgのミニブタを外科的に改変した。実時間子宮血流を定量する手段として、Transoinc血流プローブを左または右いずれかの子宮動脈の周囲に取り付けた。それぞれ血液サンプリング/化合物の投与および平均動脈血圧(MAP)の測定のため、外頸静脈と頚動脈にカテーテルを挿入した。生殖周期の発情期または黄体期のいずれかの間に被験化合物を静脈内投与し、子宮血流とMAPに及ぼすPDE V阻害の効果を測定した。結果を図1に示す。左側の2本の棒についてY軸は子宮血流(ml/分)であり、右側の2本の棒はMAP(mmgH)である。
Figure 2005519927
図1. PDE V阻害(化合物A)は対照動物に比して子宮血流を有意に改善する。処置に応答した、平均動脈血圧に及ぼす有意な効果は観察されなかった。
これらの実験から、ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビターでの処置によるPDE V阻害は、発情期(または***時期)の子宮血流を増大させる事が結論付けられた。驚くべき事に、このようなPDE V阻害は黄体期の子宮血流には影響を及ぼさなかった。エストロゲンが、子宮血流促進におけるPDE Vの作用に重要な役割を果たしていると示唆される。
実験2
およそ24ヶ月齢のフリージアン雑種未経産雌牛27頭を無作為に3つの処置群対照に配分し、ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター50mgおよび250mgを1日に2回腟内投与した。
PGF2α(Lutalyse(登録商標))を11日間隔で2回筋肉内注射して、発情期を同調させた。
ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビターを、発情期の-3日目から発情期の6日後まで(合計30日間)、1日に2回腟内投与した。血液試料を毎日採取し、できるだけ速やかに血漿を調製して-20℃で保存し、次いでプロゲステロンについて分析した。
実験終了後(即ち、2回目の発情期の6日目)、牛を安楽死させ、生殖管を集めた。各子宮の左右の子宮角の切片を集め、10%ホルマリン中に保存し、次いで組織学的に分析した。
Figure 2005519927
Fig.2. 対照動物の子宮角の切片。矢印は子宮内膜上皮層を示す。
Figure 2005519927
Fig.3.ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター(化合物A)で処置した動物の子宮角の切片。矢印は子宮内膜上皮層を示す。
Figure 2005519927
Fig.4. ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター(化合物A)は対照動物に比して子宮内膜上皮の厚さを増大させる。
Figure 2005519927
Fig.5. 対照およびピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター処置動物における血漿プロゲステロン濃度。ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビターでの処置によるPDE V阻害が、対応する対照動物に比してプロゲステロン濃度を著明に高めることが、図5から明らかである。
上記の実験1および2の結果から、ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビターでの処置によるPDE V阻害が、哺乳動物のPCOSに関連する重要な臨床パラメータである子宮血流とプロゲステロンレベルの改善を促進すると結論付けられる。
実験1の結果は、ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビターによる処置が、子宮血流レベルの増大を導くことを証明している。このような子宮血液のPDE V阻害は、PCOS患者の受胎能の改善に結びつくということがここに提唱される。
特に実験2の結果は、ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビターによる処置が、プロゲステロンレベルの増大を導くことを示している。このようなPDE V阻害は、卵巣の血流を促進し、その結果卵巣への栄養分の供給増進とプロゲステロンレベルの増大を生ずるという事がここに提唱される。したがってさらなる態様によれば、本発明はさらに、低プロゲステロンレベルが関わっている状態の処置のための、ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビターの使用を提供する。このような状態は一般に、低プロゲステロン疾患と呼称される。
本明細書において定義する、低い、とは、月経周期の黄体期において、その年齢の閉経前雌性哺乳動物で予想される正常黄体レベルより低いプロゲステロンレベルを有する雌性動物を意味する。本発明のこの態様に従って処置できる可能性のある低プロゲステロン疾患の例は、子宮内膜腺機能低下、黄体期短縮、月経周期短縮、月経前症候群および反復流産を包含する。このような処置のために好適なcGMP PDE5iは前記のようなものであり、特に、強力且つ選択的cGMP PDE5iを包含する。シルデナフィルは係る処置にとって特に好ましい。選択した任意のPDE5i、特にシルデナフィルを本明細書前記の任意の手段によって低プロゲステロン疾患の処置のために調合および投与することができるが、経口および腟内投与が好ましく、腟内投与がとりわけ好ましい。
***を導くグラーフ卵胞の成熟は、PCOSによる不妊症における重要な欠如事象である。卵巣への血液供給の亢進が、卵胞刺激ホルモン(FSH)および黄体化ホルモン(LH)といった重要なホルモンシグナルのデリバリーの改善ならびに***を担う栄養供給を導くという事が、ここでさらに提唱される。鍵となるホルモンシグナルのデリバリー改善の結果は、***につながる主たる卵胞の成熟亢進である。加えて、***前または後の血流亢進は、プロゲステロンの産生を担う黄体(***した卵胞の残存物から形成される)の形成を亢進する。未成熟なままの黄体の死滅は、着床の可能性を低下させるかも知れず、よって亢進した血流は黄体の寿命を延長させ、プロゲステロン産生を増大させ、そして受胎の可能性を増大させ得る。
したがって、さらなる態様によれば本発明は、***の亢進または改善のための、PDE Vインヒビター、特にピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター、とりわけシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩の使用を提供する。
したがって、さらに別の態様によれば、本発明は、卵胞成熟の改善のための、PDE Vインヒビター、特にピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター、とりわけシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩の使用を提供する。
したがって、さらに別の態様によれば、本発明は、黄体形成の改善と、これに続くプロゲステロン濃度の増大のための、PDE Vインヒビター、特にピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター、とりわけシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩の使用を提供する。
PCOS患者はインスリン抵抗性を持ち且つ不妊症であることから、その結果、PDE Vインヒビター、特にピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター、とりわけシルデナフィルおよび薬学上許容し得るその塩による処置は、グルコース代謝をめざし子宮血流を増大させる効により(その結果グルコースホメオスタシスと受胎能が導かれる)、PCOS患者にとって少なくとも相加効果を、そしてことによると相乗的利益を有するかも知れない。
実験3、4および5は、動物においてPCOSに影響を及ぼす特異的選択的ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター、特にシルデナフィルの効果 − ob/obマウスの血漿グルコースおよび血清トリグリセリドレベルに及ぼす効果を証明している。
生物学的データ
実験プロトコル
被験化合物
試験する選択的ピラゾロピリミジノンPDEVインヒビター化合物を、10%DMSO/0.1%プルロニクスに溶解し、マウス経口給餌針(20ゲージ、Popper & Sons, Inc., New Hyde Park, NY)を用いる経口栄養によって投与した。各投与につき4ml/kg(体重)の容量を投与した。1-50mg/kgの範囲の用量で化合物を試験した。これとは別に、選択的被験ピラゾロピリミジノンPDEVインヒビター化合物を飲料水に入れて投与したところ、経口栄養で投与した同じ化合物について観察された低下と類似の血漿グルコースおよびトリグリセリドの低下がもたらされることが判明した。
実験動物
Jackson Laboratories(Bar Harbor, ME)から取得した雄性ob/obマウスを6ないし10週齢で試験に使用した。マウスは5匹ずつケージに入れ、D11マウス試料(Purina, Brentwood, MO)と水を自由に摂取させた。
実験プロトコル
試験開始前1週間の間、マウスをPfizer動物施設に順応させた。1日目に眼窩後方の血液試料を取得し、血漿グルコースを下記のようにして測定した。次いで、各群の平均血漿グルコース濃度が相違しないよう、マウスを5群に分類した。1日目は、媒質または選択的被験ピラゾロピリミジノンPDEVインヒビター化合物を午後にのみ投与した。その後2-4日目は、1日に2回午前と午後に投与した。5日目には、午前の投与を行い、3時間後に、グルコースとトリグリセリド分析用血漿を調製するため、下記のようにして採血した。これとは別に、選択的被験ピラゾロピリミジノンPDEVインヒビター化合物を飲料水に入れて1日目の午後に投与開始し、5日目まで継続し、その後グルコースとトリグリセリド分析用血漿を調製するため、下記のようにマウスから採血した。5日目に眼窩後方の洞からの採血に従って下記のように最終血漿試料を集めた。試験の1日目と5日目に体重を測定し、食物の消費を5日間にわたり評価した。
最終採血および組織の収集
試験最終日の朝8:00頃、マウスにピラゾロピリミジノンPDEV被験化合物または媒質を投与した。投与の3時間後、眼窩後方の洞から血液25μLを取得し、Denville Scientific微小管中の0.025%ヘパリン化生理食塩水100μLに加えた。Beckman Microfuge 12でこの管を最大設定で2分間遠心分離した。血漿グルコースおよびトリグリセリド測定のため、血漿を集めた。次にマウスを断頭によって殺し、血液〜1mlを、ヘパリンリチウムを入れたBecton-Dickinson Microtainer社の血漿分離管に集めた。この管を、Beckman Microfuge 12中、最大設定で5分間遠心分離した。血漿を1.5mlエッペンドルフ管に集め、液体窒素中で急速冷凍した。血漿試料は分析するまで-80℃で保存した。
代謝産物およびホルモン分析
Alcyon Clinical Chemistry Analyzer(Abbott Laboratories, Abbott Park, IL)を使用しAbbottの供給するキットを用いて血漿グルコースおよびトリグリセリドを測定した。血漿cGMPはAmersham(Piscataway, NJ)によるBiotrak酵素免疫検定系を用いて測定した。同様の技術により、ALPCO(Uppsala, Sweden)のMercodia ELISA Insulinキットにより血漿インスリンが評価できる。全ての検定を製造者の提供する説明書に従って実施した。
統計学的解析
薬物処置と適当な媒質の比較をスチューデントのt検定により実施した。
結果(要約)
ピラゾロピリミジノンPDE Vインヒビター、特にシルデナフィルは、前記に詳述した生物学的試験法に従い、ob/obマウスの産生する血漿グルコースレベルおよび血清トリグリセリドレベルを低下させることが証明された。
実験3
表1は、シルデナフィルおよび選択的ピラゾロピリミジノンPDE VインヒビターBを用いて5日間にわたり観察した血漿グルコースレベルの変化を示している。
選択的PDE5化合物A:3-エチル-5-[5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)-2-n-プロポキシフェニル]-2-(ピリジン-2-イル)メチル-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン(シルデナフィル)
選択的PDE5化合物B:5-(2-エトキシ-5-モルホリノアセチルフェニル)-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン
Figure 2005519927
表1のデータは平均値±平均値の標準誤差を表す。これらの数は血漿グルコースレベルの絶対的減少を反映している。媒質対照からの有意差を*p<0.05として示す。
実験4
表2は、選択的被験PDE5インヒビター化合物AおよびBを用いてob/obマウスにおいて観察した血漿cGMPおよび血漿トリグリセリドレベルの変化を示している。
Figure 2005519927
表2のデータは平均値±平均値の標準誤差を表す。媒質対照からの有意差を、^p<0.1、*p<0.05、**p<0.01として示す。
実験5
表3は、マウスの飲料水に入れて投与した選択的PDE5インヒビター化合物を用いて観察された、5日間にわたる血漿グルコースレベルの低下を示している。
選択的PDE5化合物C:シルデナフィル
Figure 2005519927
表3のデータは平均値±平均値の標準誤差を表す。この表中の正の値は血漿グルコースレベルの減少を反映している。媒質対照からの有意差を^p<0.1として示す。
実験6
表4は、マウスの飲料水に入れて投与した選択的被験PDE5インヒビター化合物Cで処置したob/obマウスにおけるトリグリセリドレベルを示している。
Figure 2005519927
表4のデータは平均値±平均値の標準誤差を表す。媒質対照からの有意な差を*p<0.05、**p<0.01として示す。
総合すると、高血糖性インスリン抵抗性ob/obマウスにおけるこれらの実験結果は、上に詳述したように、選択的PDE5阻害、特にシルデナフィルでの処置による阻害がPCOSに関連する代謝パラメータを改善することを示唆している。
さらにこれらの結果は、シルデナフィルのような選択的PDE5インヒビターによる処置が、血漿グルコース濃度の減少を引き起こす事を示唆している。本明細書前記に詳述したように、血漿グルコース濃度の減少は、PCOSの臨床パラメータであるインスリン抵抗性の改善と整合性があり、さらに前記に詳述したように、PCOS患者におけるこのような改善は、例えばヘモグロビンA1cの改善として明示される。
これらの結果はさらに、選択的PDE5インヒビター、特にシルデナフィルによる処置が、血清脂質レベルの改善をもたらし得ることを示唆している。本明細書前記に詳述したように、血清脂質レベル(例えばトリグリセリドレベル)の改善は、PCOSの臨床パラメータであるインスリン抵抗性の改善と整合性がある。PCOS(本明細書の定義による)患者におけるこれらの改善は、例えば高脂血症(高グリセリド血症)の改善として明示される。
高血糖性インスリン抵抗性ob/obマウスにおけるこれらの結果はさらに、シルデナフィルのような選択的PDE5インヒビターによる連続的処置が、PCOSに関連する代謝パラメータを5日またはそれ以内に改善できることを示唆している。
本発明はさらに、PCOSの処置のための、選択的ピラゾロピリミジノンPDEVインヒビター、特にシルデナフィルと、グルコース低下剤の組み合わせを含む。特にこの複合処置は経口経路によって達成する。
さらなる態様によれば、本発明は、PCOSの処置における使用にとって好適な複合治療を提供し、この組み合わせは、選択的ピラゾロピリミジノンcGMP PDEVインヒビター、特にシルデナフィルと、本明細書前記定義によるさらなる活性物質であって、好ましくは、メトホルミン、PPAR-γのようなインスリン低下薬;ブロモクリプチン;シメチジン;アンドロゲン生合成インヒビター;フィナステリドのような5-αレダクターゼインヒビター;スピロノラクトン、酢酸シプロテロンまたはフルタミエのようなアンドロゲンレセプターアンタゴニスト;グルココルチコイド;経口避妊薬と組み合わせたGnRH類似体;クロミド、のうち1またはそれ以上、を含む。
さらに別の態様によれば、この複合処置は経口的に実施し、また、キットの形態で実施することができる。
総合すると、前記に詳述した全ての動物実験の結果は、PCOSに関連する臨床パラメータの改善と整合性がある。即ち、トリグリセリドの改善、ならびにグルコースレベルの改善、および子宮と卵巣の血流改善およびプロゲステロンレベルの改善は、PCOSの処置のための、強力且つ選択的なピラゾロピリミジノンPDEVインヒビター化合物、特にシルデナフィルおよび薬学上許容し得るその塩の活性を支持するものである。
上の明細書中で述べた刊行物は全て引用により本明細書の一部とする。本発明に記載の方法および系の様々な修飾および変形は、本発明の範囲および本質を逸脱することなく当業者には自明である。本発明を特定の好ましい態様に関連して記載してきたが、特許請求した本発明は係る特定態様に不当に限定されるべきでないという事を理解すべきである。事実、化学、生化学および生物工学または関連分野における通常の知識を有する者にとって明らかな、本発明を実施するために記載した様式の様々な修飾は、以下の請求項の範囲内にあることを意図している。

Claims (13)

  1. 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の処置のための医薬の製造における、シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの使用。
  2. 治療を必要とする個体においてPCOSを治療する方法であって、該個体に有効量のシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩を投与することを含む方法。
  3. 薬学上許容し得る担体、希釈剤または賦形剤と混合したシルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩を含む、PCOSの治療用医薬組成物。
  4. シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩および1またはそれ以上のさらなる活性物質を含む、治療を必要とする個体におけるPCOSの治療のための、同時、別々のまたは連続投与のための医薬組成物。
  5. シルデナフィルまたは薬学上許容し得るその塩を薬学上許容し得る担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む、PCOSの治療用医薬組成物の製造方法。
  6. PCOSの治療用医薬を製造における以下の一般式(I):
    Figure 2005519927
    [式中、
    AはCHまたはNであり;
    R1は、H、C1ないしC6アルキル、C3ないしC6アルケニル、C3ないしC6シクロアルキル、C3ないしC6シクロアルケニル、またはC1-C3ペルフルオロアルキル[ここで、このアルキル基は分枝または直鎖であってよく、そして、このアルキル、アルケニル、シクロアルキルまたはペルフルオロアルキル基は所望により、ヒドロキシ;C1ないしC4アルコキシ;C3ないしC6シクロアルキル;C1-C3ペルフルオロアルキル;C1ないしC3アルキル、C1ないしC4アルコキシ、C1ないしC4ハロアルキルもしくはC1ないしC4ハロアルコキシ[ここでこのハロアルキルおよびハロアルコキシ基は1またはそれ以上のハロ原子を含む]、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11[式中、R11はH、C1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルカノイル、C1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシであり、R12はC1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルカノイル、C1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシである]から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されているフェニル;NR7R8、CONR7R8またはNR7COR11[式中、R7およびR8は、H、C1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルコキシ、CO2R9、SO2R9[ここで、このアルキル、アルケニルまたはアルコキシ基は所望により、NR5R6、C1ないしC4ハロアルキルもしくはC1ないしC4ハロアルコキシで置換されていてもよく、そして、R9はH、ヒドロキシC2ないしC3アルキル、C1ないしC4アルカノイルまたはC1ないしC4アルキル[これは所望によりフェニル[ここでこのフェニルは、所望によりC1ないしC4ハロアルキルまたはC1ないしC4ハロアルコキシで置換されていてもよいC1ないしC4アルキル、C1ないしC4アルコキシ、ハロ、CN、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11またはCO2R11から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]で置換されていてもよい]である]から各々個別に選ばれる];Het1;Het2またはHet3から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]であり、または、R1は、Het4またはフェニル[ここでこのフェニル基は、所望により、C1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルコキシ、ハロ、CN、CF3、OCF3、NO2、NHR11、NHSO2R12、SO2R12、SO2NHR11、COR11、CO2R11から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]であり;
    R2は、H、C1ないしC6アルキル、C3ないしC6アルケニルまたは(CH2)n(C3ないしC6シクロアルキル)[式中、nは0、1または2であり、このアルキルまたはアルケニル基は所望により1またはそれ以上のフルオロ置換基で置換されていてもよい]であり;
    R13はOR3またはNR5R6であり;
    R3は、C1ないしC6アルキル、C3-C6アルケニル、C3-C6アルキニル、C3-C7シクロアルキル、C1-C6ペルフルオロアルキルまたは、所望によりC3ないしC5シクロアルキル、ヒドロキシ、C1ないしC4アルコキシ、C3-C6アルケニル、C3-C6アルキニル、ベンジルオキシ、NR5R6、フェニル、Het1、Het2、Het3またはHet4から選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよい(C3-C6シクロアルキル)C1-C6アルキル[ここで、C1ないしC6アルキルおよびC1ないしC4アルコキシ基は所望により、CF3のようなハロアルキル基;C3ないしC6シクロアルキル;Het1、Het2、Het3またはHet4で終結していてもよい]であり;
    R4は、所望によりOH、NR5R6、CN、CONR5R6またはCO2R7で置換されていてもよいC1-C4アルキル;所望によりCN、CONR5R6またはCO2R7で置換されていてもよいC2-C4アルケニル;所望によりNR5R6で置換されていてもよいC2-C4アルカノイル;所望によりNR5R6で置換されていてもよいヒドロキシC2-C4アルキル;所望によりOHまたはNR5R6で置換されていてもよい(C2-C3アルコキシ)C1-C2アルキル;CONR5R6;CO2R7;ハロ;NR5R6;NHSO2NR5R6;NHSO2R8;またはフェニルもしくはヘテロ環[いずれも所望によりメチルで置換されていてもよい]であるか;または、R4は、ピロリジニルスルホニル、ピペリジノスルホニル、モルホリノスルホニル、またはピペラジニル基の4位に置換基R10を有するピペラジン-1-イルスルホニル基[ここでこのピペラジニル基は、所望により1または2個のC1ないしC4アルキル、C1ないしC3アルコキシ、NR7R8またはCONR7R8基で置換されていてもよく、且つ所望によりその4-N-オキシド型であってもよい]であり;
    R5およびR6は、H、および所望によりC3ないしC5シクロアルキルまたはC1ないしC4アルコキシで置換されていてもよいC1ないしC4アルキルから各々個別に選ばれるか、または、それらの結合している窒素原子と合してアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、4-(NR9)-ピペラジニルまたはイミダゾリル基[ここでこの基は所望によりメチルまたはヒドロキシで置換されていてもよい]を形成しており;
    R10は、H;所望によりヒドロキシ、NR5R6、CONR5R6、フェニル[所望によりC1ないしC4アルキルまたはC1ないしC4アルコキシで置換されていてもよい]から選ばれる1または2個の置換基で置換されていてもよい、C1ないしC6アルキル、(C1-C3アルコキシ)C2-C6アルキル、ヒドロキシC2-C6アルキル、(R7R8N)C2-C6アルキル、(R7R8NCO)C1-C6アルキル、CONR7R8、CSNR7R8またはC(NH)NR7R8;C2ないしC6アルケニルまたはHet4であり;
    Het1は、所望によりS、NまたはOから選ばれる1またはそれ以上のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよいN-結合した4、5または6員環窒素含有ヘテロ環式基であり;
    Het2は、所望によりOまたはSから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、O、SまたはNヘテロ原子を含むC-結合した5員環ヘテロ環式基であり;
    Het3は、所望によりO、SまたはNから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい、OまたはSヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であるか、または、Het3は、3個のNヘテロ原子を含むC-結合した6員環ヘテロ環式基であり;
    Het4は、S、OまたはNから選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含む、C-結合した4、5または6員環ヘテロ環式基であり;そして、ここでこのヘテロ環式基Het1、Het2、Het3またはHet4のいずれかは、飽和、部分不飽和または芳香族であってよく、且つこのヘテロ環式基のいずれかは、所望によりC1ないしC4アルキル、C2ないしC4アルケニル、C1ないしC4アルコキシ、ハロ、CO2R11、COR11、SO2R12またはNHR11から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよく、そして/または、このヘテロ環式基のいずれかはベンゾ融合している。
    または、R13がOR3またはR3NR5である時;R1は、Het、アルキルHet、アリールまたはアルキルアリール[ここで、後者の5つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]であり;R2は、H、ハロ、シアノ、ニトロ、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、SO2NR14R15、低級アルキル、Het、アルキルHet、アリールまたはアルキルアリール[ここで、後者の5つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]であり;R3は、H、低級アルキル、アルキルHetまたはアルキルアリール[ここで、後者の3つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい] であり;R4は、H、ハロ、シアノ、ニトロ、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13、NR16Y(O)R17、SOR18、SO2R19R20、C(O)AZ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、Het、アルキルHet、アリール、アルキルアリール[ここで、後者の7つの基は全て所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]であり;YはCまたはS(O)[ここで、YがS(O)である時、R16およびR17のうち一方は存在しない]であり;Aは低級アルキレンであり;Zは、OR6、ハロ、Hetまたはアリール[ここで、後者の2つの基はいずれも所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されていてもよい]であり;R5、R6、R7、R8、R9、R18、R19およびR20は個別にHまたは低級アルキルであり;R10およびR11は個別にHまたは低級アルキル[ここで、後者の基は所望によりハロ、シアノ、ニトロ、低級アルキル、ハロ(低級アルキル)、OR6、OC(O)R7、C(O)R8、C(O)OR9、C(O)NR10R11、NR12R13およびSO2NR14R15から選ばれる1またはそれ以上の置換基で置換されそして/または終結していてもよい]、または、所望により後者の11の基のうち1またはそれ以上で置換されていてもよいHetもしくはアリールであるか、またはR10およびR11のうち一方は低級アルコキシ、アミノまたはHet[ここで、後者の2つの基はいずれも所望により低級アルキルで置換されていてもよい]であってよく;R12およびR13は個別にHまたは低級アルキルであるか、またはR12もしくはR13のうち一方はC(O)-低級アルキルまたはC(O)Het[式中、Hetは所望により低級アルキルで置換されていてもよい]であってよく;R14およびR15は個別にHまたは低級アルキルであるか、またはR14およびR15はそれらが結合している窒素原子と合してヘテロ環を形成しており;R16およびR17は個別にHまたは低級アルキルであるか、またはR16およびR17のうち一方はHetまたはアリール[ここで、後者の2つの基はいずれも所望により低級アルキルで置換されていてもよい]であってよく;Hetは、所望により置換されていてもよい4ないし12員環ヘテロ環式基[これは芳香族または非芳香族であってよく、1またはそれ以上の二重結合を含んでいてよく、単環式または二環式であってよく、そしてN、SおよびOから選ばれる1またはそれ以上のヘテロ原子を含んでいる]である。]
    を有するピラゾロピリミジノンcGMP PDE5インヒビターもしくはその薬学上許容し得る塩、溶媒和物、模擬物またはそのいずれかの生物学的アイソスターの使用。
  7. 式(I)の化合物が5-[2-エトキシ-5-(4-メチル-1-ピペラジニルスルホニル)フェニル]-1-メチル-3-n-プロピル-1,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンである、請求項6に記載の使用。
  8. 式(I)の化合物が5-[2-エトキシ-5-(4-エチルピペラジン-1-イルスルホニル)ピリジン-3-イル]-3-エチル-2-[2-メトキシエチル]-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オン (1-{6-エトキシ-5-[3-エチル-6,7-ジヒドロ-2-(2-メトキシエチル)-7-オキソ-2H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル]-3-ピリジルスルホニル}-4-エチルピペラジン)である、請求項6に記載の使用。
  9. 式(I)の化合物が5-(5-アセチル-2-ブトキシ-3-ピリジニル)-3-エチル-2-(1-エチル-3-アゼチジニル)-2,6-ジヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-オンである、請求項6に記載の使用。
  10. 前記請求項のいずれかに記載のピラゾロピリミジノンPDE5インヒビターの有効量と、
    a. PCOSを検査する手段、
    b. 1またはそれ以上の薬学上許容し得る担体、賦形剤または希釈剤、
    c. 1またはそれ以上のさらなる活性物質、
    のうち1またはそれ以上を含むキット。
  11. 実質上本明細書に記載の化合物、組成物、方法または使用。
  12. シルデナフィル及び追加の活性物質および所望により薬学上許容し得る担体を含む医薬組成物。
  13. 前記追加の活性物質がメトホルミンまたはクロミドである、請求項12に記載の医薬組成物。
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