JP2005518462A - Kohを低いレベルで使用して単一成分海藻からカラギーナンを製造する不均一系方法 - Google Patents

Kohを低いレベルで使用して単一成分海藻からカラギーナンを製造する不均一系方法 Download PDF

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Abstract

海藻からゲル化性カラギーナンを製造するための改良法であって、単一成分海藻を、不均一系反応工程、1つ以上の洗浄工程に供する方法。該不均一系反応工程において、NaOH、NaCO、Na燐酸塩、KCO、K燐酸塩、アンモニアなどの高価でないアルカリを使用可能であることから、更なるワークアップによりアルカリにかかるコストを実質的に節約できる。

Description

技術分野
本発明は、海藻からゲル化性カラギーナンを製造するための改良方法に関する。更に詳しくは、本発明は、海藻からゲル化性カラギーナンを製造するための改良方法であって、その際、単一成分海藻を、水性アルカリ媒体中における反応工程、1つ以上の洗浄工程、及び更なる仕上げを包含する不均一系方法において処理する方法に関する。本発明方法では、安価なアルカリなどの安価な化学薬品を用いることができる。更に、本発明は、この方法により得ることができるカラギーナン生成物に関する。
背景技術
カラギーナンは、紅藻綱(紅藻類)の特定の種類を抽出することによって得られる高分子量の炭水化物の一種を含む。理想的なカラギーナンでは、この高分子鎖はA−モノマーとB−モノマーとが交互になっていて、繰り返しのダイマー単位を形成している。しかしながら、粗な海藻、そして処理済みカラギーナン及び精製カラギーナンでも同様に、この規則性は、変性構造をもつ幾つかのモノマー部分によって中断されていることが多い。
カラギーナンによっては、特定のカチオンの存在下で特に望ましい親水コロイド特性を示すので、広範囲の用途に有用な特性を示す。従って、カラギーナンは、食品並びに食品以外の製品、たとえば乳製品、グミキャンディ、ジャム及びマーマレード、ペットフード、クリーム、ローション、エアフレッシュナー、ゲル、塗料、化粧品、歯磨剤などでゲル化剤及び粘度調整剤として使用されている。
上記用途において、カラギーナンは、精製カラギーナン(refined carrageenan:RC)製品として、または他の海藻残渣を含む半精製カラギーナン(semirefined carrageenan:SRC)製品として使用される。
上記の如く、カラギーナンは、A−モノマーとB−モノマーとを交互に含む。より具体的には、カラギーナンはそれぞれ、α(1→3)結合で多少変性したD−ガラクトピラノースと、β(1→4)結合で多少変性したD−ガラクトピラノースの交互部分の鎖を含む。様々な型のカラギーナンを、以下の表1に概説したようにその理想構造に従って分類する。
Figure 2005518462
通常、海藻に由来する高分子鎖は、多数または少数の硫酸基をもつ鎖の中にたとえば一つの部分などの不規則性が存在するという点で理想構造からはずれている。それぞれが二つのモノマーの異なる繰り返しのダイマー単位を表す二つの交互配列をもつカラギーナンのコポリマータイプ(またはハイブリッドタイプ)も、数種の海藻に存在する。従って、種々の特性をもつありとあらゆる種類のカラギーナン材料が存在する。
種々のタイプのカラギーナンのゲル化能力の程度は、中でも、ガラクトピラノース環の親水性基の量、分子量、温度、pH並びに、親水コロイドを混合する溶媒の塩の種類及び濃度によって決定される。
ゲル化の目的、官能目的及び水の結合目的並びに、テキスチャー及び粘度調節の目的に関して、最も興味深く且つ広く使用されるカラギーナンは、カッパ−カラギーナン、イオタ−カラギーナン、シータ−カラギーナン及びラムダ−カラギーナンである。これらは、粗な海藻に全ては存在しないが、これらのうち幾つかは、以下の反応スキームに従って粗な海藻に存在する前駆体カラギーナン(それぞれミュー−、ニュー−及びラムダ−カラギーナン)のアルカリ変性によって得られる:
μ−カラギーナン + OH → κ−カラギーナン
ν−カラギーナン + OH → ι−カラギーナン
λ−カラギーナン + OH → θ−カラギーナン
従って、粗な海藻をアルカリ処理することにより、カラギーナンポリマーのダイマー単位の環部分の一つに分子内エーテル結合が形成され、それによりポリマーの親水性が更に低くなるので、このポリマーはより強力なゲル化剤になる。このゲル化特性は、第三の螺旋構造に組織化するカラギーナンによって生じる。
カッパ構造及びイオタ構造(並びにその前駆体)は、一つの硫酸基のみが異なるだけで、実際は、常に一つの海藻材料から同一の分子鎖にある程度知見され、この理由から、この群のカラギーナン構造は、カラギーナン構造の「カッパファミリー」といわれる。ほとんど純粋なカッパ/ミュー、イオタ/ニューをそれぞれ与える海藻もあるが、もっと均一にバランスの取れたコポリマーまたは「ハイブリッド」を与える海藻もある。
同様に、クサイ及びラムダ(並びに処理後のその変性構造、シータ)は、この群のカラギーナン構造に関し「ラムダファミリー」なる用語を与える別の海藻材料に常に知見される。
単離したラムダ−カラギーナン及びシータ−カラギーナンは、ほとんど全ての温度条件及び塩濃度で水溶性であるが、カリウム及び/又はカルシウム塩形のカッパ−カラギーナン及びイオタ−カラギーナンは、冷水に不溶性である。上記全てのカラギーナンは熱水に可溶性である。カッパ−カラギーナン及びイオタ−カラギーナンは、K、Ca2+、Mg2+、Ba2+、Sr2+及びNH の存在下でゲルを形成することができる。他方、ラムダ−カラギーナン及びシータ−カラギーナンはゲルを形成しない。
市販の赤い海藻種または個体群は、一種類のカラギーナン(及びその前駆体)しか含まない。これらは、本明細書中、「単一成分海藻」という。市販の海藻の(Eucheuma cottonii)(化学文献ではKappaphycus alvareziiとして公知(Doty))は、一種類のカラギーナンだけを含むこのカテゴリー、「カッパファミリー」に属する。
市販の単一成分海藻の他の例は、Eucheuma spinosum(化学文献ではEucheuma denticulatumとしても公知)、Hypnea spp及びFurcellaria sppがある。
しかしながら、多くの利用可能な赤い海藻種または個体群は少なくとも二種類のタイプのカラギーナンを含む(その前駆体を幾つか含む)。これらは、本明細書中、「二成分海藻」という。市販の海藻のChondrus crispusは、カラギーナン構造の「カッパファミリー」並びに「ラムダファミリー」を含むこのカテゴリーに属し、カッパ70%とラムダ30%とを含むと報告されている。市販の二成分海藻の他の例としては、Gigartina genus由来の数種がある。
本明細書において、「ゲル化性カラギーナン」なる用語は、ゲルを形成し得るこれらのカラギーナン種に関して使用するものとする。従って、カラギーナンのカッパファミリーは、「ゲル化性カラギーナン」であるが、カラギーナンのラムダファミリーはゲル化性カラギーナンではない。「ゲル化性カラギーナン前駆体」なる用語は、本明細書中、アルカリ変性の後でゲル化するカラギーナン前駆体を指す。従って、この前駆体それ自体は、非ゲル化性であってもよい。
従来、カラギーナンは抽出法によって製造されてきた。従って、洗浄後、海藻は高温で水抽出にかけていた。次いでこの液体抽出物を遠心分離及び/又は濾過によって精製する。この後、親水コロイドは、カリウム塩による選択的沈殿形成若しくは水の蒸発により、またはイソプロパノールなどのアルコールによって得られる。この製造方法によって純粋且つ濃縮生成物が得られるが、生産コストが高い。
米国特許第2,811,451号(Tjoa)は、海藻を最初にすすいで、圧搾し、水で抽出(中性、酸性またはアルカリ性)する海藻の処置法について開示する。種々の温度で抽出することによって、種々の特性をもつ親水コロイドが得られる。この得られた抽出物はそのままで、またはさらに処理して、粉末状親水コロイドを得ることができる。
米国特許第3,094,517号(Stanley)では、カラギーナンを製造するための典型的な均一系方法を開示する。この方法は、アルカリ、好ましくは水酸化カルシウムの使用を含む。海藻に存在するカラギーナンの重量の40%〜115%に達することもある過剰の水酸化カルシウムが特に有効であることが証明された。次いで海藻とアルカリとの混合物を、80℃〜150℃の温度に3〜6時間加熱した。過剰量のアルカリは再利用するために回収することができ、その後、濾過助剤を添加して、混合物がまだ熱いうちに任意の好適なタイプの装置により濾過を実施する。次いで濾過した抽出液を任意の好適な酸を使用して中和する。濾過の際に、抽出物をドラム乾燥、噴霧乾燥またはアルコールで凝固させる。アルコール沈殿法を利用する場合、得られた凝固物は、慣用法を利用して乾燥する。
IE 912,360(Lhonneur)(EP 465, 373に同じ)は、80℃〜100℃の温度において海藻をアルカリ水溶液で処理してカッパカラギーナンを溶解し、その溶液を濾過し、濾過の前又は後にカリウムイオン濃度を10〜20g/リットルに調整し、この得られた抽出物を、冷却された容器の中に80℃〜95℃の温度で噴霧して、ゲル化性カラギーナン粒子を形成させ、そして最後に該ゲルから水を除去することによって、Eucheuma cottoniiからカッパカラギーナンを製造する方法に関する。好ましくは、NaOHを、水1リットルあたり30〜80gの量でアルカリとして用いる。
Rideoutらは米国特許第5,801,240号で半精製カラギーナンまたは粗なカラギーナンを製造するための従来法について述べており、米国特許第5,801,240号は、この方法の改良法に関する。Rideoutらの方法は、第一に原材料の海藻を清浄にして、貯蔵する幾つかの段階を含む。清浄にして貯蔵した海藻を次いで、周囲温度で、新しい水またはリサイクルした水酸化カリウム洗液ですすぐ。次いでこの海藻を60〜80℃で水酸化カリウム蒸解溶液(cooking solution)に入れ(KOH12重量%に2時間またはKOH8重量%に3時間)、カラギーナンを変性させ、アルカリ溶解性の糖を幾らか溶解させる。蒸解後、この海藻を取り出し、水分を抜き、次いで一連の洗浄段階にかけてpHを低下させて、残存する水酸化カリウムを洗浄し、糖と塩とを溶解させる。最終的に、得られた半精製カラギーナンを切り刻み、乾燥し、粉砕する。Rideoutらによるこの方法は、酸化−還元電位を測定することによって反応の進捗状況をモニターする段階と、この電位の所定の一定値によって測定されるような平衡に到達したときに反応を停止する段階とをさらに含む。
従って、上記従来技術の参照文献から明らかであるように、一定種の海藻をアルカリ変性することによりゲル化性カラギーナンを得ることができる。ゲル化性カラギーナンは、カラギーナンが可溶化される均一系方法(アルカリとしてCa(OH)又はNaOHを用いる)によって得ることができ、又はカッパカラギーナンが不溶性のままである不均一系方法(アルカリとしてKOHを用いる)によって得ることができる。カラギーナン製造産業において、不均一系方法では、均一系方法で得られる非常に粘性のあるカラギーナン抽出物を取り扱うための大量の水を必要としないので、不均一系方法が好ましい。従って、従来技術に従った不均一系方法を行う最も広く使用され最も経済的な方法は、熱溶液中でアルカリとしてKOHを用いることによるものである。その理由は、KOHが、前駆体カラギーナンのアルカリ変性、並びに変性カラギーナンの抑制された溶解性を非常に効率的に提供し、それにより反応体積を低下させることができるからである。
従って、添加したKOHからはKとOHの両方が必要とされるので、起こり得るKの不足を別のK塩によって補うか、又は起こり得るKの過剰を受け入れなければ、OH及びKの両方の濃度を独立にコスト的に最適化することができない。
アルカリとしてKOHを用いる従来法の1つの欠点は、KOHが、NaOHなどの他のアルカリと比較して比較して高価であることである。US 5,801,240にしたがう従来法によって不均一系方法を行うのに要するKOHの量を考慮すると、カラギーナンを製造するための不均一系方法において、過剰な化学薬品を回避できると考えられる場合及び/又は低コストの別の化学薬品を一緒に用いることができる場合に、実質的な節約が予期される。Rideoutらの従来法の別の欠点は、アルカリ変性工程を出るときに、湿めった処理海藻中に残っている未消費の「過剰な」KOHの回収が殆ど又は全く行われない点である。
従って、KOHのような高価なアルカリの使用をかなり少なくできる不均一系方法を用いるカラギーナン製造法に関する必要性が存在する。
驚くべきことに、水性アルカリ媒体中の不均一系反応工程においてゲル化性カラギーナンを調製するための方法であって、その反応工程においてKOHの添加量をかなり少なくできるか又は完全に回避することさえもでき、その際、処理された海藻によって吸収されるOHの量を少なくできる前記方法を実行できることを現時点で見出した。反応工程の後に、それ自体公知である1つ以上の洗浄工程及び更なる単離工程を行って、半精製カラギーナン(SRC)又は精製カラギーナン(RC)を得る。
本発明による方法は、単一成分海藻由来のカラギーナンを製造するために、例えばカッパファミリーカラギーナンを製造するために適している。
発明の簡単な説明
従って、本発明は、ゲル化性カラギーナン(一種又は複数種)を製造する方法であって、ゲル化性カラギーナン前駆体(一種又は複数種)を含有する単一成分海藻を、
a)ゲル化性カラギーナン前駆体(一種又は複数種)をゲル化性カラギーナン(一種又は複数種)へと所望の程度まで変性できるOH濃度及び温度を有する水性アルカリ媒体における不均一系反応工程;
b)任意に、過剰のアルカリを洗い流すための1つ以上の洗浄工程;
c)任意に乾燥させ且つ任意に粉砕して半精製カラギーナン(SRC)を得る工程;及び/又は
d)任意に更に抽出し、精製し、そして単離して精製カラギーナン(RC)を得る工程
に暴露し、その場合、
工程a)における変性のために該海藻によって要求されるOH濃度が、供給されるNaOH、NaCO、燐酸ナトリウム、KCO、燐酸カリウム及びアンモニアから選択されるアルカリの1種類以上から成っていて、また任意に他の適当なアルカリも含む溶液によって得られることを特徴とし、また該水性アルカリ媒体が、該海藻組織中に存在するゲル化性カラギーナン(一種又は複数種)の溶解を実質的に防止するのに充分な塩濃度を有することも特徴とする、前記方法に関する。
更に、本発明は、本方法によって得ることができるカラギーナン生成物に関する。
したがって、本発明は、反応媒体の温度及び塩濃度のある種の条件下で、アルカリとして高価な化学薬品であるKOHを必要とせずに、カラギーナンを製造するための不均一系方法を行うことができるという知見に基づいている。更に、反応媒体において高度の塩濃度を用いると、海藻によってシステムで消費されるアルカリの量が減少するという有益な効果が得られるので、反応工程で消費されるアルカリの量が更に減少する。この特徴は、低い塩濃度を有する反応媒体に比べて、高い塩濃度を有する反応媒体において加工される場合、海藻の膨潤が減少することに起因している。
本発明では、反応媒体の非アルカリ塩濃度は、海藻それ自体によって反応媒体に対して供給される溶解イオンと、用いられるアルカリ(一種又は複数種)起源のイオンと、ならびに既に反応させたアルカリから生じるイオンと、任意には、反応媒体に対して加えられた非アルカリ塩のイオンとから成る。しかしながら、本出願では、「アルカリ」及び「非アルカリ塩」という用語は厳密に区別される。すなわち、反応媒体に添加され、アルカリ度を上昇させるる任意の化合物は、「アルカリ」と考えるべきである。アルカリ度を上昇させない塩は、「非アルカリ塩」であると考えるべきである。
KOH及びNaOHの現在の市場価格を考えると、また従来技術を用いている典型的な工業的カラギーナン製造プラントでは、カラギーナン1kgを製造するのにKOH1kgが必要であるという事実を考えると、反応工程におけるアルカリとしてKOHからNaOHへと切り替えることは、製造されるカラギーナン1kgあたり0.25米ドルを超えるアルカリコストの節約となることを意味していると考えられる。したがって、2,000メートルトンのカラギーナン年産能力を有する典型的なカラギーナン製造プラントでは、年間500,000米ドルを超える節約となることが予期される。
図面についての簡単な説明
図面を参照することによって更に詳細に本発明を開示する。
図1は、異なるNaCl濃度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClの条件下で、温度の関数としてのEucheuma cottoniiの粘度測定値を記載している図である。高温において粘度が迅速に上昇するということは、カラギーナンが溶解し、続いて海藻が崩壊している(視覚的に観察される)ことを示唆していることが図1より分かる。70℃〜75℃未満の温度で粘度がいくぶん低いということは、選択されたNaCl濃度のいずれかにおいて、これらの温度ではカラギーナンの溶解も海藻の崩壊も生じないことを示唆している。
海藻の崩壊に関して図1に示してある測定値及び添付の視覚による観察に基づいて、NaCl濃度のおおよその「閾値」を、各選択した温度について決めることができる。それにより、アルカリ処理に暴露される海藻に関するおおよその「状態図」が得られる。それは図2に示してある。
図2は、異なる温度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClのアルカリ度の条件下で不溶化された異なる一成分海藻においてゲル化性カラギーナンを維持するためのNaClの閾値濃度を示している状態図である。図2には、Eucheuma cottonii、Hypnea musc.、Eucheuma spinosum及びFurcellaria umbric.それぞれに関してそれらの閾値濃度が記載してある。したがって、図2からは、ある種の一成分海藻中に存在するゲル化性カラギーナンは、対応するNaCl濃度におけるこの海藻に対応する曲線における特定の点未満の温度において5%(w/v)NaOH溶液中において不可溶化のままであることが分かる。言い換えると、曲線未満の領域は、ゲル化性カラギーナンが可溶化される状態、すなわち可溶化される温度とNaCl濃度との組合せに相当している。
図3は、本発明の方法を実行するための1つのモードを記載している単純な流れ図である。図3では、海藻は、固定反応タンク(SW)に配置し、本発明による様々な工程で用いられる異なる液体を、このタンクへと、またこのタンクから移動させる。したがって、アルカリ変性工程である工程a)を、反応ゾーン(RZ)で行う。Rは、工程a)で用いられる水性アルカリ媒体を含むタンクを表している。更なるワークアップゾーン(FWZ)では、工程b)を行う。すなわち、海藻を洗浄液で洗浄して、残留アルカリを洗い出す。洗浄は1つ以上の洗浄工程によって行うことができる。図3では、W,W,…Wは、工程b)で用いられる洗浄液を含む異なるタンクを表している。これらの工程後、それ自体公知の方法で、海藻を加工して、半精製カラギーナン(SRC)又は精製カラギーナン(RC)を得ることができる。
図4は、反応ゾーンと更なるワークアップゾーンとの間に対向流機構が確立される本発明による方法を実行する好ましいモードを示している図である。対向流は、反応ゾーンと更なるワークアップゾーンとの間に、アルカリ液回収ゾーン(LRZ)を導入することによって得られる。アルカリ液回収ゾーン(LRZ)では、L,L,…Lは、アルカリ液回収溶液を含むタンクを表している。図4における矢印及び添付の数は、本発明による方法を実行するこの対向流モードにおける流れの向き及び時系列順を示している。この機構は、システムにおいてアルカリ及び塩の上流での移動を提供し、したがって、用いられる化学薬品の消費をかなり減らすことができる。本発明による方法を実行するこのモードでは、例えば、海藻が乾燥状態で反応工程において導入されることを保証することによって、又は上流移動媒体の体積を減少させるためのいくつかの手段、例えば蒸発手段を提供することによって、水の欠乏を反応工程で創出する必要がある。
本発明の適用可能性の程度は、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、詳細な説明及び特定の実施例は、好ましい態様を説明するためのものであること、また、保護の範囲内にある様々な変更及び改良は、詳細な説明に基づいて当業者には明らかであることが理解されるべきである。
発明を実施するための最良の態様
図3を参照しながら、本発明を一般的に説明する。図3では、海藻は、適当な攪拌手段と、処理される海藻と共にタンクへと及びタンクから移動される液体とを備えている固体タンク中に配置する。図4は、本発明による方法を実行する1つの単純な方法のみを説明するのに役立ち、したがって本方法における各工程がどのように実施できるかを示すのに役立つ。したがって、当業者には、図4のプロセス機構を他のタイプの機構に適合させる方法、例えば海藻が静止しておらず、1つのタンクから別のタンクへと移動されるプロセス機構に適合させる方法を知る。
本出願で用いている「水性媒体」、「水溶液」及び「水性液体」という用語は、水を含む液体物質を包含しており、またアルコールのような他の溶媒のいくらかの量も包含できることが強調されるべきである。重量/重量基準で水と比較した他の溶媒の量は、0%〜50%、例えば0%〜20%、例えば0%〜10%、又は0%〜5%であることができる。
図3のプロセス機構は、2つのゾーン;すなわち反応ゾーン(RZ)及び更なるワークアップゾーン(FWZ)を含む。これらのゾーンは、各工程で用いられる液体を含む多くのタンクを含む。図3では、矢印及び矢印の添付の数字は、プロセスにおける流れの方向及び時系列順を示している。好ましくは、海藻及び液体は、各工程で攪拌して、完全且つ効率的な反応/抽出を得る。
各工程におけるタンクは、各工程におけるプロセスを効率的に行うのに充分なサイズ及び含量を有しているべきである。したがって、各工程で必要な液体量を含むのに充分でない容積を有するタンクは避けるべきである。
反応ゾーン
反応ゾーンでは、特定のアルカリ濃度を有する反応媒体タンク(R)中に配置されたアルカリ水性媒体を、矢印(1)によって示されているように海藻タンク(SW)へと移動させ、そしてその海藻に関して、所望の程度までカラギーナンを変性するのに充分な時間で反応を行う。その後で、使用した液体を、矢印(2)で示してあるように、タンク(R)へと戻す。
更なるワークアップゾーン
反応工程の後、1つ以上の洗浄工程に暴露する。洗浄工程は更なるワークアップゾーンで行う。更なるワークアップゾーンは、各工程で用いられる洗浄液を含む多くのタンク(W),(W),…(W)を含む。更なるワークアップゾーンでは、第一洗浄液タンク(W)から海藻タンク(SW)へと洗浄液を移動させる。それは矢印(3)で示してある。適当な洗浄時間の後、破線(4)で示してあるように、洗浄液を廃棄した。別法として、第一洗浄工程からの使用済み洗浄液のいくらかを、破線(5)で示してあるように、反応媒体タンク(R)へと移動させ、残りは、破線(4)で示してあるように、廃棄できる。
次に、(6)で示してあるように、アルカリを添加することによって、(R)を元のアルカリ度に調整する(この調整はこの特定のポイントで行う必要はないことは明らかであるが、その調整は、バッチを処理する前に行わなければならない)。次に、矢印(7)で示してあるように(W)からの洗浄液を海藻タンク(SW)に移動させ、適当な時間の後、矢印(8)で示してあるように、使用した洗浄液を廃棄する。(SW)に洗浄液を加え、適当な時間洗浄し、使用した洗浄液を廃棄するという繰り返しサイクルが企図される。それは、それぞれ矢印(9)及び矢印(10)によって、n回の洗浄工程として示してある。通常は、3つの洗浄工程を用いるが、ただ1つの洗浄工程ならびに4,5又は6つ以上の洗浄工程も企図される。適当な数の洗浄サイクルの後、海藻を更に加工して、矢印(11)で示してあるように、半精製カラギーナン(SRC)又は精製カラギーナン(RC)を得ることができる。
上記セクションは、図3に示してある本発明方法による液体の流れを時系列順に主に焦点をあてて示した。以下のセクションでは、本発明方法による反応と更なるワークアップそれぞれに関する単一工程の様々な条件に関して更に詳細に説明する。
不均一系反応工程
本発明方法における反応工程では、様々なパラメーターのバランスをとって、許容可能な結果を提供する条件を得なければならない。すなわち、カラギーナンを未溶解のままに保ち、なお且つ変性を提供するために、特定の条件が必要である。これらのパラメーターとしては、用いられる海藻のタイプ、アルカリのタイプ及び濃度、非アルカリ塩のタイプ及び濃度、水性アルカリ媒体の温度、反応時間、及び攪拌の程度などが挙げられる。
反応条件に関する一つの要求条件は、用いられる温度においてカラギーナンが溶解するのを抑制又は実質的に防止し、且つ更に海藻材料の崩壊を防止するために、反応媒体中に充分な塩濃度が存在していることである。充分な塩濃度は、海藻それ自他の中に存在しているイオンによって、又は塩のような1種類以上のイオン付与剤によって提供される。したがって、本発明方法による反応工程では、用いられる水性媒体は、アルカリを含み、任意に更に他の非アルカリ塩を含む。充分な塩濃度は、反応媒体に対して、1種類以上の非アルカリ塩、例えばナトリウム、カリウム及び/又はカルシウムの硫酸塩及び塩化物から選択される塩を含む。例として、安価な塩、例えばNaClは、反応媒体において充分な塩濃度を付与するのに有用であることを見出した。
図2は、非アルカリ塩の濃度と、アルカリ濃度と、温度と、及びゲル化性カラギーナンが不溶性化且つ非崩壊性のままである海藻のタイプとの可能な組合せを示している。当業者は、他の条件下で、すなわち他のアルカリ及び非アルカリ塩の使用条件下での海藻類に関する溶解及び崩壊の閾値を示す対応図を得るために、同様な単純な実験を行う方法を知っている。更なる詳細については実施例1を参照されたい。
本発明による方法では、アルカリの消費は、原則的に2つの部分に分けることができる;すなわち、1つは:カラギーナンから遊離された硫酸の中和と、海藻中に存在する有機物質の加水分解による消費であり、もう1つは:洗浄による損失、すなわち処理された海藻によって反応工程から運び出された残留アルカリを洗浄することによる消費である。上記部分1は、通常は、アルカリ消費量が最大である。
不均一系反応工程は、ゲル化性カラギーナン前駆体(一種又は複数種)をゲル化性カラギーナン(一種又は複数種)へと転化させることが目的である。それらの混合物は、前駆体(一種又は複数種)をアルカリ変性することによって達成される。文献(例えば、Ciancia et al., Carbohydrate Polymers 20(1993), pp. 95-98を参照されたい)の知見に基づいて、カラギーナンの均一系アルカリ変性反応は全二次反応速度論にしたがうと仮定することができる。不均一系反応に関して同様なことを仮定すると、以下の式:
−r = k*C*C
(式中、r=反応体A(=カラギーナン前駆体)の反応速度
=速度定数(温度の関数)
=反応体Aの濃度(=カラギーナン前駆体)
=反応体Bの濃度(=ヒドロキシルイオン))
が得られる。
上記の式は、温度とアルカリ度とを数多くいろいろ組合せることによって、任意の1種類の前駆体カラギーナンタイプをある程度変性できるという実際の経験を示している。
海藻
本発明方法で用いられる海藻は、一成分海藻でなければならない。したがって、Eucheuma cottonii、Hypnea musc.、Eucheuma spinosum及びFurcellaria umbric.のような種は、本発明方法における出発材料として特に有用である。海藻は比較的乾燥した形態で市販されており、乾物含量は45%〜90%であることが普通である。海藻は、乾燥状態又は湿潤状態で反応工程に導入できる。しかしながら、以下で説明する対向流プロセス機構を適用するときは、乾燥状態で反応工程に導入して、この機構によって得られる利点、例えばプロセスで用いられる化学薬品の消費量の節約を利用するべきである。別法として、上流移動媒体の必要な体積減少は、この上流移動媒体の体積を減少させるための手段、例えば蒸発手段を提供することによって、前記機構において得ることができる。海藻対水性アルカリ媒体の割合は、海藻中に存在する液体量に左右される。好ましくは、海藻対水性アルカリ媒体の割合は、乾燥海藻の重量を基準として1:5〜1:20である。
アルカリのタイプ
本発明にしたがって、水性アルカリ媒体中で反応工程を行う。そのアルカリ媒体中において、変性のために海藻によって必要とされるOH濃度は、その中に供給されるNaOH、NaCO、燐酸ナトリウム、KCO、燐酸カリウム及びアンモニアから選択される1種類以上のアルカリを含むアルカリ溶液、更にそれに加えて、任意に、他の適当なアルカリも含むアルカリ溶液を用いることによって得られる。したがって、本発明による不均一系反応は、KOH以外の別のタイプのアルカリ媒体中で可能である。今までは、カッパカラギーナン及びイオタカラギーナンが溶液中に溶解することを防止できないと考えられてきたNaOH溶液でも、本発明による反応工程においてアルカリとして適する。アルカリに対する要求条件は、用いられる温度において、海藻中に存在するカッパファミリーカラギーナン前駆体を所望の程度まで変性するのに充分な量で存在していることである。
本発明による発明概念が、カラギーナン(一種又は複数種)を変性する場合に反応工程で用いられるアルカリとして高価な化学薬品であるKOHの量を減少させるか又はKOHを回避することであることを考慮すると、KOHは、反応工程において海藻に対して供給されるアルカリ水溶液では望ましくない。しかしながら、適当である場合は、ある量のKOHを、反応媒体中の海藻に対して供給されるアルカリ溶液中に含有させることができる。明らかに、本発明方法の有益なコスト節約効果の程度は、反応媒体中に存在する海藻に対して供給されるアルカリ溶液中に含まれるKOHの割合に左右される。したがって、最大のコスト節約効果は、KOHを完全に排除したときに得られ、またコスト節約効果が劣るのは、含まれるKOHの量が増加するときである。本発明では、KOH対アルカリ総量の様々な割合を用いることが企図される。また、他のタイプのアルカリを、NaOH、NaCO、Na燐酸塩、KCO、K燐酸塩、アンモニア又はそれらの混合物と組合せて用いることができる。以上のことを考慮して、海藻に供給されるアルカリ溶液において、NaOH、NaCO、Na燐酸塩、KCO、K燐酸塩、アンモニア又はそれらの混合物のアルカリ総量に対する割合は、乾燥重量/重量に基づいて計算すると、10%〜100%、例えば20%〜100%、例えば30%〜100%、好ましくは70%〜100%、例えば80%〜100%、最も好ましくは90%〜100%であるべきであることが考えられる。本発明方法の特別な態様では、反応工程において海藻に供給されるアルカリ溶液中のアルカリは、実質的に、NaOH、NaCO、Na燐酸塩、KCO、K燐酸塩、アンモニア又はそれらの混合物のみから成り、本発明方法の好ましい態様では、反応工程において海藻に供給されるアルカリ溶液中のアルカリは、実質的にNaOHのみから成る。
NaOHを唯一のアルカリ源として用いる場合、アルカリ濃度Cは、0%<C<12%(w/v)、好ましくは0.05%<C<10%(w/v)、最も好ましくは0.1%<C<8%(w/v)であることができる。別のアルカリ、又は他のアルカリの混合物を用いる場合、その/それらのアルカリ(一種又は複数種)の濃度は、上記範囲内の濃度を有するNaOH溶液の変性力を有する溶液が得られるように調整すべきである。他のアルカリ、又はアルカリの混合物に必要な濃度は、簡単な実験で見出すことができる。
温度
温度は、反応工程を約3時間未満で実施できるように選択すべきである。しかしながら、より長い反応時間が可能であるが、実用的な問題を考慮すると、あまり好ましくない。反応温度を選択する場合、カラギーナンの溶解度を考慮すべきである。したがって、用いられる反応温度は、カラギーナンが実質的に溶液中に溶け込まない値に限定される。これらの値は、水性アルカリ媒体の塩濃度と濃度及び組成とに左右される。水性アルカリ媒体の温度は典型的には20℃〜95℃である。NaOHをアルカリとして用いる場合は、45℃〜85℃、好ましくは55℃〜75℃、最も好ましくは約65℃の温度を施用できる。前記温度では、追加の非アルカリ塩は不要であるかもしれない。カラギーナンの溶解度は、一般的に、温度が上昇すると共に増加し、温度が低い場合は、塩濃度が低いことが必要であり、逆もまた同様である。好ましくは、水性アルカリ媒体は、海藻と混合する前に、反応温度まで加熱するが、海藻と混合した後に加熱してもよい。
非アルカリ塩
反応パラメーターのいくつかの組合せの下で、必要とされるアルカリ以外の他の化学薬品を水性アルカリ反応媒体に添加せずに、反応工程を不均一系(すなわち、カラギーナンは実質的に未溶解のままである)で行うことができる。そのような条件下では、(海藻に任意に伴われているイオンと共に)アルカリそれ自体は、カラギーナンを実質的に未溶解のままに維持するのに充分な媒体中塩濃度を提供する。
一方、反応条件を、反応工程中にカラギーナンが実質的に溶解できるように選択する場合、カラギーナンの溶解は、非アルカリ塩を反応媒体に更に添加することによって、抑制又は防止することさえもできる。また、アルカリ処理中の海藻の膨潤、及び反応工程を出るときの未消費のOH−の吸収と除去も、非アルカリ塩を反応媒体に添加することによって減少させることができる。それらの追加の塩は、原則的には任意のタイプであることができるが、コストを考えれば、もちろん、実際に有用な塩のタイプは限定される。適当な塩に関する別の制限因子は、媒体の塩基性度を低下させる酸として作用すべきではないということである。したがって、適当な追加の非アルカリ塩は、ナトリウム、カリウム及び/又はカルシウムの硫酸塩及び/又は塩化物から選択できる。
様々な反応パラメーターのバランスをとる
上記のセクションから明らかなように、カラギーナンを溶解さないままで且つ海藻材料を崩壊させないままで、カラギーナン前駆体を変性するために提供する反応条件を得るために、いくつかのパラメーターのバランスをとらなければならない。海藻材料を崩壊させずに、反応工程を不均一系で行うことができる条件を提供する反応パラメーターのそのような組合せは、Eucheuma cottonii、Hypnea musc.、Eucheuma spinosum及びFurcellaria umbric.それぞれに関して図2から推論できる。したがって、Eucheuma spinosumのカラギーナンは、最大85℃の温度まで、1%(w/v)KClを含む5%(w/v)NaOH溶液中において未溶解のままであることが図2から認められる。85℃を超えると、このカラギーナンを未溶解のままに保つためには、最大で17%(w/v)までのNaCl量が反応媒体において必要とされる。一方、Eucheuma cottonii及びHypnea musc.に関しては、カラギーナンを未溶解のままに保つのには、70℃超の温度では、追加の塩濃度が必要である。したがって、NaClを更に増量して加えることによって、より高い温度でもカラギーナンを未溶解のままに保つことができる。また、17%(w/v)NaClでは、カラギーナンは95℃の温度まで未溶解のままである。最終的に、図2からは、前者2つの種と比較すると、Furcellaria umbric.のカラギーナンは、低い温度(約72℃未満)でより可溶性であるが、高い温度では可溶性が低下する。したがって、Furcellaria umbric.は、カラギーナンを未溶解のままに保つために、60℃を超えるすべての温度で、追加の塩を必要とする。
高度の反応(カラギーナンの変性)が望ましいときは、速い反応速度を与えるプロセスパラメーター値の組合せ:すなわち、全反応時間中において高いアルカリ度、及び高い温度(例えば>3%(w/v)NaOH、75℃、3時間)が通常は選択される。のカラギーナンの高度の変性により、高いゲル度を有するカラギーナンが得られる。
不完全なアルカリ変性
しかしながら、いくつかの場合では、海藻中のカラギーナンの不完全アルカリ変性を達成するためのニーズが存在する。アルカリ変性を制限することによって、ゲル化力が劣るカラギーナンを製造できる。そのようなカラギーナンは、水の滲出又は離液が少ない低ゲル度のゲルを生成し、また、塗布性とクリーミーな食感が増しているゲルを製造するのに有利である。これらのカラギーナンは、乳製品のデザートを製造する場合に特に重要である。本出願では、これらのカラギーナンも、「ゲル化性カラギーナン」と分類される。そのような制限されたアルカリ変性は、低減されたアルカリ度、短縮された反応時間及び/又は低減された温度の反応条件を用いることによって、提供できる。
低い反応度(カラギーナンの変性)が望ましいときは、遅い反応速度を与えるプロセスパラメーター値の組合せ:すなわち、低い初期アルカリ度及び(更に重要なことには)低い最終アルカリ度が通常は選択され、必要ならば、温度も低下させ且つ時間も短縮できる。例えば、<2%(w/v)NaOH、60℃、2時間である。
対向流モード
本発明方法を実行する好ましい仕方は、対向流プロセス機構を用いることである。そのような対向流プロセス機構により、プロセスで用いられる化学薬品が後のバッチを処理するときに再利用されるので、いくつかのバッチを処理するときに実質的なコストの低減が提供される。対向流プロセスを行うときには、海藻の膨潤に起因する上流移動媒体における体積の減少を創出させるために、反応媒体中に導入される海藻が乾燥していることが好ましい。又は、上流移動媒体の体積を減少させるための手段、例えば蒸発手段を提供することによって、上流移動媒体において体積を減少させることができる。対向流モードについて、図4を参照しつつ短く説明する。しかしながら、対向流プロセスを用いることによって化学薬品を再利用する方法の完全な説明は、本出願人の同時継続特許出願WO…において開示されている。
図4において、アルカリ液回収ゾーン(LRZ)は、反応ゾーン(RZ)と更なるワークアップゾーン(FWZ)との間に導入される。アルカリ液回収ゾーンは多くのタンクを含む。アルカリ液回収ゾーンにおける単一工程も可能であるが、一般的には、2,3又は4工程を通常は用いて、反応ゾーンで用いられるアルカリ塩及び非アルカリ塩を充分に回収する。始動時の状態では、本出願ではアルカリ液回収溶液と呼んでいる、アルカリ液回収ゾーンのタンクで用いられる液体は、水のみを含むことができる。多くのバッチを処理した後、定常状態が近づき、その状態では、各タンクは、それ以前のタンク中液体に存在していた濃度を下回るアルカリと他の溶質との濃度を有するアルカリ液回収溶液を含む。別法として、始動時の状態において、タンクは、既に、この段階的に低下しているアルカリ度で調整することができる。
反応ゾーンでは、特定のアルカリ濃度を有する反応媒体タンク(R)中に配置された水性アルカリ媒体を、矢印(1)で示してあるように海藻タンク(SW)に移動させ、所望の程度までカラギーナンを変性するのに充分な時間、海藻に関して反応を実行する。その後で、使用した液体を矢印(2)で示してあるようにタンク(R)へと戻した。
アルカリ液回収ゾーンでは、アルカリ液回収溶液を、矢印(3)で示してあるように(L)から海藻タンク(SW)に供給する。適当な時間海藻を加工する。反応工程では、海藻は、矢印(1)で示してあるように海藻に供給されたアルカリ溶液のいくらかを吸収したので、タンク(R)におけるアルカリ溶液の量は、元の量に比べて少ない。したがって、第一アルカリ液回収工程から、使用済みアルカリ液回収溶液を(R)に供給して、矢印(4)で示してあるように、(R)において、アルカリ溶液を元の量に戻す。その後で、矢印(5)で示してあるように、アルカリを加えることによって、(R)におけるアルカリ度を調整する(明らかに、この調整は、この特有な時点では行う必要はないが、バッチを処理する前には調整は行わなければならない)。次に、第一アルカリ液回収工程からの使用済みアルカリ液回収溶液の残りを、矢印(6)で示してあるように、海藻タンク(SW)から(L)へと再循環させる。
次の工程では、アルカリ液回収ゾーンにおいて、アルカリ液回収溶液を、矢印(7)で示してあるように、(L)から海藻タンク(SW)へと供給する。適当な時間加工した後、矢印(8)で示してあるように、使用済みアルカリ液回収溶液を第二アルカリ液回収工程から(L)へと供給することによって、(L)におけるアルカリ液回収溶液の量を元の値まで戻す。次に、矢印(9)で示してあるように、使用済みアルカリ液回収溶液の残りを、第二アルカリ液回収工程から(L)へと再循環させる。
これらのアルカリ液回収工程の繰り返されるサイクルは、同様な方法で行うことができ、その方法では、アルカリ液回収工程における使用済みアルカリ液回収溶液の一部を、前の工程からのアルカリ液回収溶液が発生するタンクへとアルカリ液回収溶液を移動させ、且つ該アルカリ液回収工程における使用済みアルカリ液回収溶液の残りを、それが発生するタンクへと再循環させる。それは、n回のアルカリ液回収工程に関して矢印(10),(11)及び(12)で示してある。上記したように、2,3又は4アルカリ液回収工程で通常は充分である。しかしながら、わずか1回のアルカリ液回収工程、ならびに5つ、6つ又はそれ以上の工程が企図される。最後のアルカリ液回収工程の後、海藻は、本出願に記載されている更なるワークアップゾーン(FWZ)において、更に加工できる。それは矢印(13)で示してある。システムにおける液体の上流移動に起因して、タンク(Ln)は補給が必要である。この補給のための液体源は、矢印(14)で示してあるように、更なるワークアップゾーン(FWZ)からの洗浄液を用いることができる。別法として、(Ln)の補給は、矢印(15)で示してあるように、例えば水の外部供給源によって行うことができる。
始動時の状態において、アルカリ液回収ゾーンにおけるタンクが水を含んでいる場合、、これらのタンクは、前のタンクに比べてアルカリ度が低いアルカリ溶液をそれぞれ含む。多くのバッチを加工すると、定常状態に接近し、その場合、各アルカリ液回収タンクにおけるアルカリ度は、更なるバッチを連続加工している間、実質的に一定のままである。この定常状態は、連続して低下する塩基性度によって前もってタンクを調整した場合にも生じる。
洗浄工程(一工程又は複数工程)
カラギーナン(一種又は複数種)を変性するための反応を完成させる場合、更なるワークアップゾーンにおいて1つ以上の洗浄工程を行って(図3に記載してある)、残留アルカリ及び/又は非アルカリ塩を洗い出す。洗浄液は典型的には水である。しかしながら、比較的高含量のナトリウムイオンを反応工程で用いる場合、また水を洗浄液として用いる場合、本発明方法のゲル化性カラギーナン最終生成物、すなわち半精製カラギーナン(SRC)又は精製カラギーナン(RC)は、サルフェート基に対する対イオンとしてかなりの程度のナトリウムイオンを有するカラギーナン生成物であることができる。これらのタイプのカラギーナンは、いくつかの目的のためには、そのゲル化特性の故にあまり望ましくないかもしれない。したがって、そのような状態では、最終生成物を得る前に、イオン交換を行うことが望ましい。そのようなイオン交換は、ゲル化性カラギーナンがカッパカラギーナンである場合、典型的には、例えばKCl又はKSOのようなカリウム塩を用いて行って、ポリマーサルフェート基に対する対イオンとしてかなりの程度のカリウムイオンを有する最終生成物を得る。
イオン交換を行う場合には、洗浄工程の少なくとも1つの工程で用いる洗浄液は、好ましい態様では、イオン交換のために必要とされるイオンを含むことができる。したがって、洗浄液を含むタンクの1つ以上は、溶液中にカリウム塩又はカルシウム塩を含むことができる。前記イオン交換塩の濃度は、0.1%〜10%(w/v)であることができる。
時々、アルカリ処理された海藻を更に加工してカラギーナン生成物(一種又は複数種)にする前に、すべてのアルカリを確実に除去することが望ましいかもしれない。アルカリの除去は、洗浄工程の1つにおいて、好ましくは最後の洗浄工程において、弱酸性溶液で海藻を処理することによって行うことができる。
時々、更なる加工の前に、海藻を漂白することが望ましいかもしれない。前記漂白は、酸化剤を、例えば次亜塩素酸塩又は過酸化水素を、好ましくは最後の洗浄工程において、洗浄溶液に加えることによって、行うことができる
洗浄液の温度は、海藻源のタイプに左右される。一般的には5℃〜70℃、通常は10℃〜50℃の温度を用いる。しかしながら、ゲル化性カラギーナンを可溶化できる非常に高い温度は避けるべきである。
好ましくは、洗浄液を加え、攪拌し、使用した洗浄液除去するというサイクルの繰り返しを行って、所望の品質の最終生成物を得る。
SRC又はRCを得るための更なるワークアップ
最後の洗浄工程の後に、残留している固体海藻を、回収することができ、また任意には、それ自体公知の方法で更にワークアップできる。したがって、本発明による方法では、カラギーナン生成物の半精製カラギーナン(SRC)タイプならびに精製カラギーナン(RC)タイプを製造できる。
精製カラギーナン(RC)を製造するための1つの方法は、抽出によって従来の精製を行う方法であって、該方法では、海藻に水を加え、酸で中和して適当なpHにし、その後に加熱して海藻中に含まれているカラギーナンを溶解し、適当な固体/液体分離によって海藻を取り出し、例えばイソプロパノールによって選択的にカラギーナンを沈殿させ、その沈殿から水を除去し、乾燥させ、そして粉砕する。
従来技術は、いく種類かの海藻に関して精製の一部を、不均一系で洗浄することによって選択的に行うことができる方法を開示している。その方法により、自動的に、海藻から、決して溶解されなかった(抽出されなった)半精製カラギーナン(SRC)を低コストで製造することが可能になる。最終加工に関する更に詳細な説明は、U.S.5,801,240を参照されたい。
(実施例)
ゲル化性能の測定
以下の実施例では、以下の性能評価法を用いて、得られた生成物のゲル化性能を測定した。
「評価法」は、グレード値が、媒体における生成物の機能的性能の値に比例しているという原則に基づいている。すべての方法の中で、グレード強度=100°(又は他の数、その物質に関して)を有する標準として、1つの正確な生成物サンプルを規定しなければならない。
したがって、新しいサンプルがグレード強度50°を示す場合、標準と同じ性能を得るためには媒体中において二倍の用量が必要である。すなわち、50°サンプルの(商業的な)値は、100°サンプルの値の50%である。
以下に記載した性能評価法のそれぞれにおいて、サンプル(SRC又はRC)のある濃度における機能的効果(例えば、ゲル強度又は粘度)について測定する。サンプルのこれらの濃度(「ターゲットサンプル濃度」)は、規定されたターゲットに近い強度を与えるために経験的に選択され、それにより、「グレード」は、内挿又は外挿によって計算できる。グレード値は、原則的に、媒体中におけるターゲット機能効果を与えるのに必要とされるサンプル濃度に逆比例し、且つ上記したように、規定されたグレード数を有する標準に基づいて規定される。
「グレード」は、サンプルの乾物重量を基準として、次の項:すなわち100/(粉末中D.M.%)を掛けることによって得ることができる。D.M.(乾物)は、105℃で4時間、乾燥キャビネット中で生成物を乾燥させる前と後の重量を測定することによって決まる。
ミルクゲル強度、°MIG−R及び°MIG−B
この方法は、ミルクデザート製品における生成物のゲル化特性を示すことを意図しており、グレード強度:すなわち、°MIG−R(2mm変形におけるミルクゲル剛性グレード)及び°MIG−B(破断点におけるミルクゲルグレード)を計算するのに役立つ。
ターゲットサンプル濃度の測定
サンプルは、例えばX°MIG−Rにおいて機能することが予期される場合、以下の手順で用いられるサンプル粉末のグラム量YはY=1.00g*(100/X)である。したがって、例えばX=100°MIG−Rである場合、粉末量は1.00gであるべきであり、例えばX=50°MIG−Rである場合、粉末量は2.00gであるべきである。2つの異なるサンプル濃度Y及びYは、これに基づいて選択し、双方共にYの実測値に接近させて、適当な内挿又は外挿を可能にする。したがって、以下で説明する手順は、各サンプル濃度について別々に行う。
この方法のための生成物サンプルの標準は:GENULACTA Carrageenan P-100-J, lot no.2 860-0であり、101°MIG−R(ターゲットR値40.0gにおいて測定された)及び114°MIG−B(ターゲットB値100gにおいて測定された)の各付けである。この標準を基準にしてサンプルのグレードを算出できるように、以下に記載した手順は、2つの異なるサンプル濃度について、 及びこの標準サンプルについて、別々に行わなければならない。
ミルクゲル調製
スキムミルク粉末50.0g(MILEX 240, MID Foods Ingredients amba)及びサンプルYg(Y=ターゲット濃度、上記のようにして決定される)を、風袋既知の1リットルのガラスビーカーに入れ、スパチュラでその粉末を混合する。攪拌しながら脱イオン水450gを前記ビーカーに加える。その混合物を水浴中で68℃に加熱し、攪拌しながら5分間その温度に保つ。次に、脱イオン水を攪拌しながら混合物に加えることによってビーカーの内容物を総重量500.0gにする。次に、その溶液を、2枚の結晶皿(直径70mm、高さ40mm、それぞれの皿には、皿の高さを50mm超にするために皿の垂直縁上に粘着テープが取り付けられている)の中に注ぐ。溶液の表面は、粘着テープによってなお閉じ込められているが、結晶皿のガラス縁を約10mm超えている。次に、その結晶皿を5℃にサーモスタットで調節された浴中に置く。冷却浴中で2.5時間後、ゲルが形成した。結晶皿を取り出し、粘着テープを縁から取り除き、ワイヤーチーズスライサーによってゲルの上面を同じ高さで水平に切断する。
ゲル測定
プランジャー直径1インチ及びプランジャー速度1mm/秒を用いて、SMS Texture Analyser Type TA-XT2によって、ゲルモジュラス及び破断強度を測定した。剛性R(モジュラス)は、ゲル表面を2mm沈降させるプランジャー圧力として記録する。破壊B(破断)は、ゲルが破断するときのプランジャー圧力として記録する。各測定は、2つのゲル皿のそれぞれについて測定し、平均する(Ravg.及びBavg.)。
グレード強度の計算
サンプル及び標準の双方について、40.0gの規定ターゲットR値を与えるのに要する濃度は、2つの生成物:すなわち、サンプル及び標準のそれぞれに関して得られた2つのRavg.値からの内挿又は外挿によって得られる。これらの計算される濃度は、それぞれYRSA及びYRSTとする。
°MIG−Rは:(YRST*101/YRSA)°MIG−Rと規定される。
同様に、100gの規定ターゲットB値に関して、2つの濃度YBSA及びYBSTそれぞれが見出される。
°MIG−Bは:(YBST*114/YBSA)°MIG−Bと規定される。
実施例1
この実施例では、図1の粘度図及び図2の状態図の作成方法を示す。
Eucheuma cottoniiの海藻を約10kg(固形分60%)を細断して2cm〜4cmの小片にした。それらの小片を完全に混合した。
次に、5%(w/v)NaOHと1%(w/v)KClとを含むアルカリ原液20リットルを調製した。そのアルカリ原液を室温に保った。一連のNaCl溶液を、前記アルカリ原液を元にして調製した。それらのNaCl溶液は、それぞれ 0,5,10,15,20及び25%(w/v)のNaCl濃度を有していた。また、それらの溶液も室温に保った。
上記したそれらの6つのアルカリ溶液それぞれに関して、それらの1.8リットルを、240rpmで動作する実験室用攪拌機(クロスバープロペラ;Φ:50mm)を備えている加熱プレート上に載せられた3リットルビーカー中に入れた。各溶液を60℃まで加熱し、細断された海藻140gを、海藻が完全に浸漬するように加えた。各ビーカーに対して、問題のNaCl濃度を有するNaOH/KCl/NaCl溶液を加えて、総体積を2.0リットルにした。各懸濁液を60℃まで再加熱し、その温度で30分間保った。次に、5分あたり約2℃上昇するように加熱した。5℃毎に、以下のことについて観察した:すなわち、
−視覚による観察:崩壊、着色、溶解;
−粘度測定:問題となっている温度で液体サンプルを集めた。それを粘度ガラス(内部Φ:5050mm、高さ:115mm)の中に満たした。(スピンドル1を)30秒回転させた後、Brookfield LVF粘度計で測定した。
粘度の読みは以下の表2に記載してある。
一番右の欄には、各測定温度に関する「NaClの閾値濃度」が、溶液粘度の読みの上昇によって示されているようにカラギーナンの溶解を回避するために必要とされる最小NaCl濃度として推定されている。すべての場合において、海藻材料の初期崩壊に関する視覚による観察は、上記「閾値NaCl濃度」において又は未満において認められる。図1は、表2のデータを図で示したものである。25%NaClの値に対応するグラフは、20%NaClの値に対応するグラフと一致しており、したがって、25%NaClの値に対応するグラフは、図1には明示されていないことに留意すべきである。
Figure 2005518462
実施例2
この実施例では、変性のために用いられるアルカリ溶液中の塩濃度の関数として、海藻膨潤係数及び生成物の品質について説明する。
SRCの調製
Eucheuma cottoniiの海藻を約10kg(固形分70%)を細断して2cm〜4cmの小片にした。それらの小片を完全に混合した。次に、5%(w/v)NaOHと1%(w/v)KClとを含むアルカリ原液120リットルを調製し、室温に保った。
上記原液に対してNaClを加えることによって、NaCl溶液をそれぞれ0,4.2,8.4,12.6,16.8及び21%(w/v)の濃度で有する一連のNaOH/NaCl/KCl溶液を調製し、それらの溶液を室温に保った。
上記したそれらの6つのNaOH/NaCl/KCl溶液のそれぞれに関して、次の手順を行った:すなわち、該溶液19リットルを、ゆっくりと攪拌する手段と底部出口とを備えているジャケット付恒温反応器へと入れた。溶液を60℃まで加熱し、細断された海藻1kgを入れ、溶液中に海藻を完全に浸漬させた。その反応器に対して、初期タイプのNaOH/NaCl/KCl溶液を更に加えて、総体積を20リットルにしてから、内容物を60℃再加熱した。その温度で2.5時間ゆっくりと又は断続的に攪拌した後、その反応溶液を反応器からドレインした。処理された海藻を反応器から取り出し、その湿潤したドレインされた重量を記録し、次にその海藻を反応器に再び入れた。
次に、反応器に冷たい水道水20リットルを加えることによって、処理された海藻を洗浄し、10分間、一定の速度で攪拌した。その洗浄液を反応器からドレインした。この洗浄手順を二度繰り返した。
次に、洗浄されドレインされた海藻を60℃〜70℃の循環乾燥空気が備わっている乾燥キャビネット中で一晩乾燥させた。得られた乾燥材料を、250ミクロンの篩を通過できる粒子サイズまで粉砕した。SRCと呼ばれる最終生成物は約5%の含水率を有していた。
上記性能評価法によって、得られた6つのサンプルに関してミルクゲル強度を測定した。しかしながら、グレード値を計算するために様々なサンプル濃度を測定する代わりに、すべての6つの場合において、一定量(0.556g)のSRCを総量500gのミルク溶液に加えた。その結果は、サンプルのそれぞれについてモジュラス及び破断として示しており、以下の表3に掲げてある。
Figure 2005518462
表3から、アルカリ処理によって付与される湿潤に起因する海藻膨潤係数は、塩濃度が増すにつれて低下することが分かる。更に、表3からは、0%〜12%(w/v)NaClの範囲で塩濃度が増加するにつれて、ミルクゲルのモジュラス及び破断強度が増加し、反応速度定数は塩濃度に依存することを示していることが分かる。12%(w/v)を超える塩濃度では、データは、完全なカラギーナン前駆体の変性が達成されたことを示している(測定結果ではほんのわずか異なっている)。12%(w/v)未満の塩濃度では、データは、カラギーナン前駆体の変性は不完全であったことを示している。
実施例3
この実施例では、低減されたアルカリ濃度を有する溶液中でアルカリ変性工程を行うことによって、不完全なアルカリ変性を得ることができることを説明する。
SRCの調製
Eucheuma cottoniiの海藻を約10kg(固形分60%)を細断して2cm〜4cmの小片にした。それらの小片を完全に混合した。次に、24%(w/v)NaClと1%(w/v)KClとを含む原液70リットルを調製し、室温に保った。
上記原液に対してNaOHを加えることによって、NaOH溶液をそれぞれ0,0.8及び5.0%(w/v)の濃度で有する一連の3つの溶液を調製し、それらの溶液を室温に保った。
上記したそれらの3つのNaOH/NaCl/KCl溶液のそれぞれに関して、次の手順を行った:すなわち、該溶液19リットルを、ゆっくりと攪拌する手段と底部出口とを備えているジャケット付恒温反応器へと入れた。溶液を75℃まで加熱し、細断された海藻1kgを入れ、溶液中に海藻を完全に浸漬させた。その反応器に対して、初期タイプのNaOH/NaCl/KCl溶液を更に加えて、総体積を20リットルにしてから、内容物を75℃まで再加熱した。その温度で1時間ゆっくりと又は断続的に攪拌した後、その反応溶液を反応器からドレインした。
次に、反応器に冷たい水道水20リットルを加えることによって、処理された海藻を洗浄し、10分間、一定の速度で攪拌した。その洗浄液を反応器からドレインした。この洗浄手順を二度繰り返した。
次に、洗浄されドレインされた海藻を60℃〜70℃の循環乾燥空気が備わっている乾燥キャビネット中で一晩乾燥させた。得られた乾燥材料を、250ミクロンの篩を通過できる粒子サイズまで粉砕した。SRCと呼ばれる最終生成物は約5%の含水率を有していた。
3つのサンプルに関して、現状有姿のままで、ミルクゲルグレード強度°MIG−R及び°MIG−Bを、性能評価法に基づいて測定した。比較のために、従来のプラント規模のプロセスから得られた典型的なSRC生成物:すなわちGENU Texturiser X-95 13, lot no. 12 720-0も測定した。結果は以下の表4に掲げてある。
Figure 2005518462
表4から、アルカリ度が増加するにつれてミルクゲルグレード強度も増大することが分かる。試験2(0.8%(w/v)NaOH)では、グレード強度は、試験1(0%(w/v)NaOH)に比べて高いが、試験3(5.0%(w/v)NaOH)に比べて低い。その結果は、反応速度が、ヒドロキシル濃度に関して擬一次反応であるかもしれないこと、及び少なくとも試験1と試験2の場合において、カラギーナン前駆体変性が不完全であり、より高いアルカリ度を用いるときに、より高いゲル強度が明らかに得られる(試験3で示されている)ことを裏づけている。
本発明に関する上記説明は、本発明が多くの方法で変更可能であることが明らかであることを示している。そのような変更は、本発明の範囲から逸脱するものと考えるべきではなく、当業者には明らかなすべてのそのような改良も、上記請求の範囲に含まれると考えるべきである。
図1は、異なるNaCl濃度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClの条件下で、温度の関数としてのEucheuma cottoniiの粘度測定値を記載している図である。 図2は、異なる温度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClのアルカリ度の条件下で不溶化された異なる一成分海藻においてゲル化性カラギーナンを維持するためのNaClの閾値濃度を示している状態図である。 図3は、本発明の方法を実行するための1つのモードを記載している単純な流れ図である。 図4は、反応ゾーンと更なるワークアップゾーンとの間に対向流機構が確立される本発明による方法を実行する好ましいモードを示している図である。

Claims (24)

  1. ゲル化性カラギーナン(一種又は複数種)を製造するための方法であって、その際、ゲル化性カラギーナン前駆体(一種又は複数種)を含有する単一成分海藻を、次の工程:
    a)ゲル化性カラギーナン前駆体(一種又は複数種)をゲル化性カラギーナン(一種又は複数種)へと所望の程度まで変性できるOH濃度と温度とを有する水性アルカリ媒体における不均一系反応工程;
    b)過剰のアルカリを洗い流すための任意の1つ以上の洗浄工程;
    c)半精製カラギーナン(SRC)を得るための任意の乾燥工程及び任意の粉砕工程;及び/又は
    d)精製カラギーナン(RC)を得るための任意の更なる抽出、精製、及び単離工程
    に供し、
    工程a)における変性のために該海藻により必要とされるOH濃度が、供給されるNaOH、NaCO、Na燐酸塩、KCO、K燐酸塩、及びアンモニアから選択される1種類以上のアルカリの溶液であって、任意に他の適するアルカリも含む溶液によって得られることを特徴とし、また該水性アルカリ媒体が、該海藻組織中に存在する該ゲル化性カラギーナン(一種又は複数種)の溶解を本質的に防止するのに充分な塩濃度を有することを特徴とする、前記方法。
  2. 充分な塩濃度を、非アルカリ塩の添加により、水性アルカリ媒体中に提供することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 充分な塩濃度を、ナトリウム、カリウム及びカルシウムの硫酸塩及び塩化物から選択される非アルカリ塩の添加により、水性アルカリ媒体中に提供することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 充分な塩濃度を、NaClの添加により、水性アルカリ媒体中に提供することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 工程a)及びb)を、海藻を含有する単一の反応器において、使用すべき液体を該反応器に供給したり該反応器から取り出したりすることにより行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 工程a)からb)を、水性アルカリ媒体及び洗浄液を含有する多数の槽において行い、海藻をそれぞれの槽の中に移動させる、請求項1〜4記載の方法。
  7. ゲル化性カラギーナンがカッパファミリーのカラギーナンである、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. ゲル化性カラギーナンがイオタカラギーナンである、請求項7記載の方法。
  9. b)の諸工程のうち少なくとも1つ工程の洗浄液が、カラギーナンポリマーに結合されたカチオンをカリウムイオンと交換するためのカリウム塩を含む、請求項7記載の方法。
  10. カリウム塩が、KCl及びKSOから選択される、請求項9記載の方法。
  11. b)の諸工程のうち少なくとも1つの工程の洗浄液が、カラギーナンポリマーに結合されたカチオンをカルシウムイオンと交換するためのカルシウム塩を含む、請求項8記載の方法。
  12. カルシウム塩がCaClである、請求項11記載の方法。
  13. 単一成分海藻が、Eucheuma cottonii、Hypnea musc.、Eucheuma spinosum及びFurcellaria umbricから選択される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 単一成分海藻、特に乾燥した単一成分海藻の1より多いバッチを処理するための請求項1〜13のいずれかに記載の方法であって、該方法が、更に工程a)及び工程b)の間に、1種以上のアルカリ液回収溶液を包含する1つ以上のアルカリ液回収工程の系列を含み、a)で1つのバッチで得られた使用済み水性アルカリ媒体を、後のバッチを処理するときに、a)で再利用し、その際、該アルカリ液回収工程の各々について、1つのバッチで得られた該使用済みアルカリ液回収溶液の少なくとも一部を、後のバッチを処理するときに、この工程の前の工程で再利用し、また、1つのバッチで得られた前記使用済みアルカリ液回収溶液の残りを、後のバッチを処理するときに、同じ工程で再利用し、それにより、本方法において使用される水性アルカリ媒体の回収が可能になることを特徴とする、前記方法。
  15. a)で海藻に対して供給されるアルカリ溶液において、NaOH、NaCO、Na燐酸塩、KCO、K燐酸塩若しくはアンモニア、又はそれらの混合物の総アルカリ量に対する割合が、乾燥重量/重量を基準として計算した場合に、10〜100%、例えば20〜100%又は30〜100%、好ましくは40〜100%、より好ましくは50〜100%、更により好ましくは60〜100%、更にいっそう好ましくは70〜100%、例えば80〜100%、最も好ましくは90〜100%である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. a)で海藻に対して供給されるアルカリ溶液において、NaOH、NaCO、Na燐酸塩、KCO、K燐酸塩若しくはアンモニア、又はそれらの混合物の総アルカリ量に対する割合が、乾燥重量/重量を基準として計算した場合に、約100%である、請求項15記載の方法。
  17. 工程a)で海藻に対して供給されるアルカリ溶液中のアルカリが、実質的にNaOHのみを含む、請求項16記載の方法。
  18. ゲル化性カラギーナン前駆体(一種又は複数種)の変性度が完全変性に達しない、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. b)の諸工程のうち少なくとも1つの工程の洗浄液が、海藻を漂白するために、例えば次亜塩素酸塩及び/又は過酸化水素などの漂白剤を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 工程a)、b)及びc)のみが行われる、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 工程a)、b)及びd)のみが行われる、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  22. 工程a)、b)、c)及びd)が行われる、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  23. 工程a)及びd)が行われる、請求項1〜8及び13〜18記載の方法。
  24. 請求項1〜23記載の方法により得ることができるカラギーナン生成物。
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