JP2005516069A - トール油ピッチからのフィトステロール及びフィトスタノールの抽出及び精製の方法 - Google Patents

トール油ピッチからのフィトステロール及びフィトスタノールの抽出及び精製の方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トール油ピッチからのフィトステロール及びフィトスタノールの抽出及び精製の方法の提供。
【解決手段】トール油ピッチからフィトステロール及びフィトスタノールを単離し及び精製する方法は、以下の段階:
a)前記ピッチを第一の蒸留カラムに供給すること;b)過剰の樹脂酸及び脂肪酸を除去するために、前記ピッチを蒸留して蒸留されたピッチを形成すること;c)1種又はそれ以上のアルカリ金属塩基の水溶液を用いて前記蒸留されたピッチをけん化してけん化されたピッチを形成すること;d)5.8ないし6.3の最終的なpHを達成するために十分量の酸を用いて前記けん化されたピッチを中和し、それにより中和されたピッチを形成すること;e)前記中和されたピッチを、少なくとも12時間の間、又は相分離においてピッチの水分含量が15%未満となるまで相分離し、それにより沈降したピッチと水相を形成すること;f)前記沈降したピッチから、残留した水分の実質的にすべてを除去して変性されたピッチを形成すること;g)前記変性されたピッチを第二の蒸留カラムで蒸留して、該変性されたピッチから軽留分を除去し、及び遊離フィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む底部フラクションを生成すること;h)第三の蒸留カラムで前記底部フラクションのみを蒸留して、遊離フィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む軽い留出物の相を生成すること;i)少なくとも1種のアルコールを含む溶媒中に前記軽い留出物の相のみを溶解して、フィトステロール及び/又はフィトスタノールの溶液を生成すること;j)前記溶液を冷却して、結晶化されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールをその中に有するスラリーを形成すること;からなる方法を開示する。

Description

本発明の分野
本発明は、トール油ピッチからの、フィトステロール及びフィトスタノールのような未けん化物の分離及び精製に関する。
本発明の背景
ステロールは、多くの重大な細胞的な機能を示す天然の化合物である。植物中のカンペステロール(campesterol)、スティグマステロール(stigmasterol)、カンペスタノール(campestanol)及びβ−シトステロール(β−sitosterol)、菌類中のエルゴステロール(ergosterol)及び動物中のコレステロールは各々、それらそれぞれの細胞型中の細胞膜及び予備細胞膜の主要な成分である。ヒト中のフィトステロールの食事源は、植物材、すなわち野菜及び植物油である。平均的な西洋人の食事は一日あたりおよそ60ないし80mgのフィトステロールを含み、これは一日あたりおよそ500mgを与えるベジタリアンの食事と対照的であり得る。最近、これら食事の植物ステロールは、ヒトを含む多くの哺乳類に与えた場合に、その抗癌特性の可能性及びコレステロール値を低下させる能力のために多くの注目を受けている。
フィトステロールは、ヒトの治療において長期の安全性、効力、及び多用途性の独特の組合せを提供するということが一般的に受け入れられている。フィトステロールに関する目下の挑戦は、植物源からの単離、抽出及び精製、並びに経済効率的で及び大規模で処理しやすい他の源を決定することである。
慣習的に、フィトステロールは、コーン油、小麦胚芽油、大豆ピッチ及びコーン油ピッチのような源から単離されている。同様に、木、特に松の木から紙を調製する過程の間に得られるトール油ピッチがフィトステロール源として使用されている。一般的に、“クラフト法”と呼ばれる方法において、木片は、水酸化ナトリウム及び硫化ナトリウムを含む水性液中で蒸解されるか又は170℃にて2時間蒸解される。蒸解は木片を脱リグニン化し、そしてセルロースパルプ、樹脂酸ナトリウムセッケン、脂肪酸ナトリウムセッケン、リグニン分解生成物及び多くの他の化学物質を生じる。蒸解液中に残留する樹脂酸ナトリウムセッケン、脂肪酸ナトリウムセッケン及び他の疎水性化合物は、それらを生じる蒸解液を濃縮することにより分離されて皮膜を生ずるか又は表面に浮遊する(それゆえ、“スキミング(skimming)と呼ばれる。)”。
スキミングは一般的に、樹脂酸ナトリウムセッケン及び脂肪酸ナトリウムセッケンに加えて、未けん化フラクションとしてしばしばまとめて言及されるフィトステロール、フィトスタノール、エステル、脂肪アルコール、ワックス、及びテルペン等の疎水性化合物を含んでいる。スキミングの酸性化後に生じるのは粗トール油である。これはその後、揮発性材料を除去するために蒸留されて、残留物としての“ピッチ”が残る。フィトステロール及びその飽和類似体は、スキミング又はピッチのどちらかより単離され得る。フィンランド国のオイ コークス(Oy Kaukas)AB社は、1981年以来、スキミングセッケンからのフィトステロールの工業的な抽出を実践している。この領域における実例上の特許は:粗硫酸塩セッケンのスキミングからのステロールの除去のためのヘキサン抽出法を記載する、Johanssonらによる特許文献1;セッケンからのフィトステロールの単離のために、ヘキサン、アセトン、メタノール及び水からなる溶剤の混合物を使
用するオイ コークス(Oy Kaukas)による特許文献2;溶剤混合物が水、ケトン、炭化水素を含みアルコールを含まないパルプ化されたセッケンからステロールを抽出する方法をを教示するカットニー(Kutney)らによる特許文献3を含む。
多くの研究者が、ピッチからフィトステロールを抽出するために効率的に試みた。特許文献4において、アルブレヒト(Albrecht)らは、ピッチ中の脂肪酸及び樹脂酸を中和するための稀薄アルカリ溶液の量であるが、ステロールエステルをけん化する量の使用を教示している。残った有機相はその後分離され、そして熱水中にその後稀釈して冷却によりステロールを沈澱するため、アルコール性アルカリ溶液を用いてけん化してステリルエステルを遊離ステロールへと転換する。
ジュラン(Jullan)による特許文献5は、水−アルコール−炭化水素混合物中の抽出、続くけん化、及びその後の精製により、トール油ピッチからステロールを調製する方法を提供している。この方法における出発材料は、フィトステロール及び種々の不純物が抽出されるトール油ピッチである。いずれのトール油ピッチの精製方法においても、長鎖アルコール及び酸不純物はステロール(それ自体が高分子量アルコールである)から分離することが特に困難であることが認められる。この手順は、異なった極性及び無極性溶媒を用いた幾つかの溶媒抽出段階を含むために煩わしい。溶媒回収は必然的に複雑である。
ディアズ(Diaz)らによる特許文献6は、
1)水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムを用いて出発物質を“中和する”こと;
2)10%以下の水準の水分含量まで混合物を脱水し/乾燥すること;
3)2つのショートパス(short path)蒸留カラム中で蒸留すること;
4)セッケンを含まない留出物及び中性化合物を含まない残留物を収集すること
からなる、粗トール油又はトール油脂肪酸、トール油樹脂酸、蒸留されたトール油又はピッチを含むその真空蒸留生成物から未けん化物を得る方法を教示している。
ディアズの実施例、特に7及び8において、蒸留からの残留物はヘキサン及びエタノールを用いて抽出され、その後硫酸を用いて滴定されることが示されている(第11段落21ないし28行及び12段落30ないし34行。)。著者は出発材料をけん化することを請求項に記載していないが、むしろ中和してそれによりエステル結合を切断するのとは対照的に、維持している。
他の研究者は、トール油ピッチの加工の問題に取り組んでいる:スタイナー(Steiner)及びフリッツ(Fritz)による特許文献7;クリステンソン(Christenson)による特許文献8;レタイネン(Lehtinen)による特許文献9;ヒューズ(Hughes)による特許文献10及びハラダによる特許文献11。ハラダにおいて、ピッチは最初に、アルカリ金属塩基及び低分子量アルコールを用いてけん化され、そしてその後、その混合物は、水、アルコール及び軽い未けん化物のような低沸点物を除去するために薄膜エバポレーター中に導入される。最初のエバポレーターの底部フラクションはその後、フィトステロールを含む未けん化物が軽留分として除去され、そして溶融セッケンが底部フラクションとして回収される第二のスィンフィルムエバポレーターへと供給される。レタイネンは、留出フラクション中に脂肪酸及び樹脂酸を回収するための加熱された混合物の真空蒸留に先立って、トール油ピッチ5ないし25%の量で、200℃ないし300℃にてアルカリを用いてピッチとアルカリを反応させることによる脂肪酸及び樹脂酸の回収を教示している。
米国特許第4,044031号公報明細書 米国特許第3,965,085号公報明細書 米国特許第5,770,749号公報明細書 米国特許第2,715,638号公報明細書 米国特許第3,840,570号公報明細書 米国特許第6,297,353号公報明細書 米国特許第2,835,682号公報明細書 米国特許第2,573,891号公報明細書 米国特許第3,926,936号公報明細書 米国特許第4,524,024号公報明細書 米国特許第3,887,537号公報明細書
従来の方法の不利さ及び不十分さを回避するか或いは軽減することが本発明の目的である。
本発明の概要
本発明は、トール油ピッチからフィトステロール及びフィトスタノールを単離し及び精製する方法であって、
a)前記ピッチを第一の蒸留カラムに供給すること;
b)過剰の樹脂酸及び脂肪酸を除去するために、前記ピッチを蒸留して蒸留されたピッチを形成すること;
c)1種又はそれ以上のアルカリ金属塩基の水溶液を用いて前記蒸留されたピッチをけん化してけん化されたピッチを形成すること;
d)5.8ないし6.3の最終的なpHを達成するために十分量の酸を用いて前記けん化されたピッチを中和し、それにより中和されたピッチを形成すること;
e)前記中和されたピッチを、少なくとも12時間の間、又は相分離においてピッチの水分含量が15%未満となるまで相分離し、それにより沈降したピッチと水相を形成すること;
f)前記沈降したピッチから、残留した水分の実質的にすべてを除去して変性されたピッチを形成すること;
g)前記変性されたピッチを第二の蒸留カラムで蒸留して、該変性されたピッチから軽留分を除去し、及び遊離フィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む底部フラクションを生成すること;
h)第三の蒸留カラムで前記底部フラクションのみを蒸留して、遊離フィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む軽い留出物の相を生成すること;
i)少なくとも1種のアルコールを含む溶媒中に前記軽い留出物の相のみを溶解して、フィトステロール及び/又はフィトスタノールの溶液を生成すること;
j)前記溶液を冷却して、結晶化されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールをその中に有するスラリーを形成すること;及び
k)前記スラリーを洗浄、濾過及び乾燥して、濾液から結晶化されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールを単離すること
からなる方法を提供する。
本発明はまた、ここで記載された方法にしたがって調製されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールの組成物を含む。
図面の簡単な説明
本発明の種々の局面は、以下の限定されない図面により示されるであろう;
図1は、本発明にしたがった、トール油ピッチからの抽出及び精製方法を示すフローチ
ャートであり;
図2は、本発明の方法の一態様を示すフローチャートである。
以下の詳細な記載は、当業者が本発明を実施することを助けるために提供される。しかしながら、この詳細な記載は、本発明の範囲を不当に限定するために解釈されるべきではない。ここに議論される態様に対する改変及び変化は、本発明の精神及び範囲から外れることなく当業者により為され得る。
本発明は、フィトステロール及びフィトスタノールをトール油ピッチから分離する特定の目的のために、トール油ピッチを加工する独特の方法を提供する。本発明にしたがってトール油ピッチから抽出されそして精製された混合物に言及するために、ここで使用される用語“フィトステロール及び/又はフィトスタノール”は、フィトステロール及び/又はフィトスタノールを大部分含む混合物に言及する。以下、用語“トール油ピッチ”又は“ピッチ”は、粗トール油の蒸留の暗いタール質の生成物を意味すると理解され、後者はスキミングセッケンの酸性化により生成される。スキミングセッケンは、また、木片がアルカリ溶液により蒸解される“クラフト法”の生成物の一つである黒色蒸解液の蒸発により生成される。木片からピッチを生成する段階はよく知られており、そしてその分野で実施されているので、ここでは詳細に述べない。
技術的な展望から、すべての木又は林業から誘導される生成物のうちフィトステロールの単離及び精製に最も適するのは、セッケン及びピッチである。セッケン及びピッチの両方とも、出発材料としてそれらの利点及び不利点を有する。トール油の高温蒸発の間に、揮発性成分又はフィトステロールのいくらかの熱分解が生じ、これら分解された物質がピッチ中に残留する結果となる。それにもかかわらず、見落とされ得ないピッチの二つの利点は、セッケンよりも高いステロール濃度(その質量の18%まで)を有し、及びセッケンと比較して1/6までの小さい容積を有し、このことは取扱いするのにより経済的であることである。本発明の範囲内において、医薬、栄養食品及び食品用途に要求される高純度で、ピッチから高収率のフィトステロールを生成するために効率的な抽出及び精製方法が提供される。
本発明の出発材料(ピッチ)が本来誘導される木片は、モミ、ヒマラヤスギ、マツ、トウヒ、オーク、ヘムロック及びポプラを含むがこれらに制限されない種々の木の硬木又は軟木からであり得る。最も好ましくは、ピッチが生成される木片は、太平洋北西部又はアメリカ南東部或いはヨーロッパの森林の種々の木のいずれかからである。
トール油ピッチは、シトステロール(sitosterol)、スティグマステロール(stigmasterol)、カンペステロール(campesterol)及びそれらの飽和当量物を含むがこれらに限定されない種々の遊離及びエステル化されたフィトステロールを含むことが知られている。ピッチから一旦抽出されそして精製された遊離ステロール及びスタノールは、そのまま医薬、栄養食品、食品、飲料などに使用され得るか、或いは安定性又は溶解性のような特性を与えるために化学的に変性され得る。そのような操作の例は、そのすべてがフォーブス メディ−テック社(Forbes Medi−Tech Inc.)に譲渡されたPCT/CA00/00730号公報明細書、PCT/CA00/00731号公報明細書、PCT/CA00/01272号公報明細書、PCT/CA99/00512号公報明細書、PCT/CA01/00285号公報明細書、及び米国特許第6,087,353号公報明細書中に与えられる。
最初のけん化段階に従う2段階蒸留:ハラダによる米国特許第3,887,537号公報明細書、を使用したピッチからステロールを抽出することは既知である。さらに、以下
の段階:
1)アルカリ塩基金属をピッチに添加し、そして上昇された温度にて混合して、けん化する;
2)強鉱酸をその後けん化されたピッチに添加して、中和する;
3)中和されたピッチをその後真空下に加熱して、過剰の水分を除去し、正味の“変性されたピッチ”を生成する;
4)この変性されたピッチを低圧ワイプトフィルム(wiped film)エバポレーターに添加して、ピッチの“軽留分”を除去する;底部分はフィトステロールを含む;
5)前記底部分を第二の、今度は“薄膜”エバポレーターに移して、フィトステロールを“軽相”の留出物へと蒸留する;
6)前記軽相留出物をその後アルコール中で加熱及び撹拌して、フィトステロールを溶解する;
7)溶液を冷却し、そして高速度で混合してスラリーを生成し、該スラリーを冷却、洗浄及び濾過して、乾燥させる;フィトステロール結晶を回収する;
を含む方法により、ピッチからステロールを抽出することが知られている。
この方法をカバーする出願類は、そのすべてが本譲受人により所有されているカナダ国特許出願第2,230,373号公報明細書及びPCT/CA99/00150号公報明細書を含む。しかしながら、本発明の範囲内において提供されるものは、ステロール収率及び効率の点ですべての他の既知のピッチ抽出及び精製方法を凌ぐ優れた方法である。本発明をPCT/CA99/00150号公報明細書の開示及び請求項と区別する違いは、決してありふれたものではなく、以下に明らかになるように重大な改良であり、これまで認知されていない。
重要である本発明の方法の第一の段階は、ピッチを第一の蒸留カラムに供給し、そしてその後前記ピッチを蒸留することである。この予備的な蒸留段階は2つの目的を果す。第一に、過剰の樹脂酸及び脂肪酸が除去され、それにより、その後の遊離ステロールへのステリルエステルの転換の点でのけん化段階をより効率的にする。第二に、この蒸留は、けん化に要求されるアルカリ金属塩基の量及びその後の中和に要求される酸の量を減少させる。好ましい態様において、ピッチは蒸留されて、40未満の酸価、最も好ましくは30未満の酸価を達成する。この段階は、高い酸価を有するピッチ源において特に重要である。蒸留カラムは、ショートパス(short path)蒸留カラム、ワイプトフィルム(wiped film)蒸発カラム、薄膜蒸発カラム及び分子蒸留カラムからなる群より選択され得る。好ましい態様において、この段階で使用される蒸留カラムはワイプトフィルム蒸発カラムである。従来の方法のいずれにも、この使用されるピッチの前処理はない。
本発明の方法の第二の段階は、1種又はそれ以上のアルカリ金属塩基の水溶液を添加することによる、蒸留されたピッチのけん化である。好ましい塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は両方の組み合わせである。ある程度はピッチ源によるが、ピッチに対するアルカリ金属の重量パーセンテージは1%ないし30%の範囲であるべきである。より好ましくは、その範囲は、無水ベースにおいて1ないし10%又は1ないし15%である。高い酸価を有するピッチ源に対して、より多くのアルカリ金属塩基及びより長い反応時間が、遊離ステロールへのステリルエステルのけん化転換を達成するために使用されなければならない。たとえば、酸価50を有するピッチ源は、該ピッチに対するアルカリ金属の重量パーセンテージが20%ないし25%の範囲にあることを必要とする。好ましくは、けん化は、100℃ないし250℃の範囲の温度にて、60ないし300分、より好ましくは120ないし240分の範囲の間で行われる。
第三の段階は、5.8ないし6.3の最終的なpHを達成するために1種又はそれ以上
の酸を用いて、けん化されたピッチを中和することである。この範囲内のpHを達成することは重要である。それより高いpHは、その後の水分除去の段階において困難を生じるであろう。より低いpHは、貯蔵と操作の間に遊離ステロールのそのエステル化形態への逆行を触媒してしまい、それにより遊離ステロールの最終的な収率を重大に減少させてしまう。好ましくは、中和は、90℃ないし130℃の範囲で、より好ましくは100℃ないし120℃の範囲で、より好ましくは101℃ないし120℃の範囲で、そして最も好ましくは105℃ないし118℃の範囲で、1ないし10時間の間行われる。粘度を低下させ、そしてピッチと酸の混合をより効率的にし、それによりさらに急速な中和を促進するため、前記範囲のより高い端における温度が好ましい。使用され得る酸は、硫酸、塩酸、リン酸又はそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限定されないすべての有機酸又は鉱酸を含む。好ましい態様において、中和段階は、強い攪拌及び/又は混合の下で行われる。バッチ式又は連続式の両方が使用され得る。連続式系の場合、前記段階においてミキサーを使用することが好ましい。PCT/CA99/00150号公報明細書には、好ましいより高い中和温度が開示されていない。
第四の段階は、中和されたピッチを、少なくとも12時間の間、又は相分離においてピッチの水分含量が15%未満となるまで沈降させ、それにより沈降したピッチと水相を形成することである。この段階において、けん化及び中和の前段階の間に添加された水分は、好ましくは相分離及び蒸発により除去される(除去(stripping))。この沈降は、攪拌無しに、必要とされる時間の間容器中に中和されたピッチを保持することにより達成され得る。沈降は、先立つけん化及び中和段階と同じ容器中で、或いは別の容器中で起きても良い。重要なのは、この段階の完了における水分含量が15%未満、より好ましくは10%未満であるべきことであり、そうでなければ、ピッチは最終的な水分除去後に粘度が高くなり過ぎ、そして高い中和塩含量によりさらに以降に進行することが困難となる。沈降段階における温度は、先立つ中和段階の温度に維持されるのが好ましい。この型の沈降段階又はその利点の評価は、従来文献のいずれにも記載されていない。
さらに、第一の沈降過程において除去された水相が、第二の相分離のためにもう一つの容器に移される第二の相分離段階を含み得る。第一の相分離段階の間、以降の蒸留段階前にピッチの質を改善するために除去されるべきである “薄皮(rag)”層又はエマルジョンが水相と有機相の間に頻繁に存在する。第二の容器中で、薄皮層は、攪拌無しにさらなる“沈降”により分離される。この第二の相分離段階のための温度は、先立つ沈降段階の温度で維持されることが好ましい。
沈降段階(群)に続いて、及び先立つ段階における水分の除去にもかかわらず、ピッチはさらに脱水されなければならない、すなわち、残留している水分の実質的にすべてが沈降したピッチから除去されなければならない。これは、有機相からの水分のバルク的な除去を促進するいずれの手段によっても達成され得る。たとえば、十分な温度での加熱又は真空条件下での加熱である。最も好ましくは、水分は、水分が除去されるときのステリルエステルへの遊離ステロールの逆行を防止するために、圧力は大気圧よりも高くなく、そして温度は105℃以下に維持されるところの圧力式の除去を使用して除去され得る。
この脱水段階後のピッチの温度は、上述したように、ステリルエステルへの遊離ステロールの逆行を回避するためにおよそ80℃以下に冷却されることが好ましい。さらに、脱水されたピッチが以降の加工段階の開始に先立って貯蔵される場合には、冷却され、そしておよそ60℃又はそれ以下の温度に維持されるべきである。
上述した段階すべては、その後の抽出段階を受ける前の“原料(raw)”ピッチ(粗トール油蒸留の残留物)の種々の前処理に関する。ピッチが変性される特定の方法は、本発明の方法の成功にあたって重要である。したがって、本発明の範囲について用語“変性
された”ピッチは、少なくとも、
・好ましくは、40未満の酸価を達成するための前けん化蒸留
・好ましくは、60ないし300分の範囲の間、100℃ないし250℃の範囲の温度でのけん化
・好ましくは100℃を超える温度でそして強い攪拌を用いる、5.8ないし6.3の範囲のpHを達成するための中和
・少なくとも1回の沈降/相分離、及び
・好ましくは大気圧よりも高くない圧力での、そして105℃以下の温度での脱水
を受けるピッチに関する。
脱水後に、“変性された”ピッチは、その後に従う2つの真空蒸留段階(本発明の第二及び第三)に対して最も望ましくそして効果的な形態となる。スクレーパ、フラット、ロータリー又はその他のもの付きの或いは付いていないショートパス(short path)蒸留カラム遠心分離機、多段階ショートパス蒸留カラム、分子蒸留カラム、ワイプトフィルム(wiped film)蒸発カラム、及び薄膜蒸発カラムがすべて、本発明内での使用に適切である。好ましい様式において、ワイプトフィルムエバポレーター又はショートパス蒸留カラムが使用される。蒸留条件は以下により詳細に記載される。一つの態様において、残留水分及び低沸点成分の除去を補助するために、脱ガスは蒸発的蒸留の第二の段階の直前に操作され得る。
第三の蒸留から生じる軽い留出物の相は、遊離フィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む。その後、フィトステロール及び/又はフィトスタノールの溶液を生成するために、軽い留出物の相は少なくとも1種のアルコールを含む溶媒中に直ちに溶解される。溶液はその後、冷却されて、結晶化されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールをその中に有するスラリーが形成され、そして最後に、スラリーは洗浄されそして濾過されて、濾液から結晶化されたフィトステロール及び/フィトスタノールが単離される。好ましくは、軽相蒸留物を溶解するために使用される溶媒は、少なくとも1種の低分子量1価アルコールを含む。適当な溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール、及びそれらの酢酸エステル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)のようなケトン、炭素原子数1ないし8の炭化水素又はそれらの混合物を含むがそれらに限定はされない。
フローチャート:
操作において、同様の数はすべて同様の要素に言及する図1及び2を参照して、本発明の好ましい方法は以下のとおりである:
ブロック20内において、本発明にしたがった“変性されたピッチ”を生成するのに要求される一連の段階19が提供される。トール油ピッチ1は、ワイプトフィルムエバポレーター2に導入され、そして過剰の脂肪酸及び樹脂酸3を除去するために蒸留され、それにより蒸留されたピッチ4を生成する。好ましくは、このエバポレーターは、100ないし10,000ミクロン圧の範囲で、及び240℃ないし285℃の範囲の温度で操作する。一般的に、流速及びピッチ源に応じて、それは1分以内をとって、40又はそれ以下の望ましい酸価を達成するのにかかるのは1分以内である。ピッチの酸価は、試料を採取しそして滴定することにより測定され得る。
蒸留されたピッチ4はその後、アルカリ金属塩基5と共に反応容器6へと加えられる。蒸留されたピッチに対するアルカリ金属塩基量は、蒸留されたピッチの実質的に完全な又は完全なけん化を促進するために十分であるべきである。一般的に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属塩基又はそれらの組み合わせの水溶液が好ましい。これらの化合物又は組み合わせは、比較的経済的なコストに対して比較的高アルカリ性を与えるであろう。そのような化合物又は組み合わせが使用される場合、そのとき、完全な
転換が達成されるのに理論上必要とされる蒸留されたピッチ4に対するアルカリ金属塩基5の化学量論的な割合は、およそ1重量%であり得る。使用される塩基の正確な量に影響する要因は、トール油ピッチ1及び蒸留されたピッチ4の特性(該特性は、バッチごとに及び源ごとに異なり得る。)及び最も重要には、トール油ピッチの酸価等である。遊離ステロールへのステリルエステルの十分な転換を達成するために、高い酸価を有するピッチ源については、より多くの塩基及びより長い反応時間が必要とされる。
しかしながら、注意すべき重要なことは、本発明の範囲内においては、けん化前にトール油ピッチ1が蒸留されるという事実により、このけん化段階で必要とされる塩基の量は、従来のけん化過程で必要とされる量よりも少ないということである。このことは部分的に、従来の既知の方法において、塩基のかなりの量が、樹脂酸及び脂肪酸3のようなピッチの他の成分との反応において消費されてしまうという事実による。これら望ましくない成分の実質的部分は、エバポレーター2中で除去されて、塩基をステリルエステルと反応させるために使える状態にする。にもかかわらず、けん化反応のために強い駆動力を提供するために、及び遊離ステロールへのステリルエステルの実質的に完全な又は完全な転換を確保するために、蒸留されたピッチ4に対するアルカリ金属塩基5の割合は、1ないし15重量%の範囲にあり得る。好ましい態様において、蒸留されたピッチ4は、7ないし12%、最も好ましくは9.5%の濃度に稀釈された50%苛性アルカリ(水酸化ナトリウム)を用いてけん化される。
蒸留されたピッチ4とアルカリ金属塩基5の間の接触を維持するために、混合は反応容器6中で十分に強く持続される。典型的に、120ないし240分の間で、100℃ないし250℃の範囲で、さらに特には120℃ないし160℃の範囲で及び最も特には145℃の範囲で温度を操作することが、望ましい転換を促進するのに十分である。
反応容器6中のけん化に続き、けん化されたピッチ7は、中和段階のための第二の反応容器9へと入れられる。酸8はこの目的のために反応容器9に添加される。別の態様において、この中和段階は、けん化段階において使用されたと同じ容器である反応容器6中で起きる(酸8は反応容器6中に直接に添加される。)。どちらでも、この段階の終わりのpHは5.8ないし6.3の範囲内に落ちることが重要である。それより高いpHは、その後の水分除去の段階において困難を生じるであろう。より低いpHは、貯蔵と操作の間に遊離ステロールのそのエステル化形態への逆行を触媒してしまい、それにより遊離ステロールの最終的な収率を重大に減少させてしまう。好ましくは、中和は、90℃ないし130℃の範囲で、より好ましくは100℃ないし120℃の範囲で、1ないし10時間の間行われる。温度が100℃を超えることが最も好ましい。粘度を低下させ、そしてピッチと酸の混合をより効率的にし、それによりさらに急速な中和を促進するため、前記範囲のより高い端における温度が好ましい。バッチ式に対して連続式中和が好ましい。
酸8は、両方とも商業上実用的な酢酸又はギ酸のような単純な有機酸であり得る。或いは、酸8は、硫酸、塩酸又はリン酸のような鉱酸であり得る。これらは比較的強い鉱酸であり、そしてホウ酸のような弱酸よりも好ましい。好ましい態様において、酸8は、75%又は85%リン酸或いは93ないし98%硫酸のどちらかである。
したがって、水相のpH5.8ないし6.3を達成するために十分な酸が反応容器9(又は両方の段階に対して1つの容器が使用される場合は反応容器6)に添加され、それにより中和されたピッチ10を得る。このpHを達成するために観察が必要である。望ましい範囲内のpHを達成するために、この中和段階は、十分な時間の間、90℃ないし105℃の範囲の温度にて、強い撹拌下で行われることが好ましい。タイミングは、方法がバッチ式か連続式であるかによって相当に変化する。たとえば、望ましいpHを達成するために、前者はほんの数分しかかからず、後者は1時間又はそれ以上かかる。
中和されたピッチ10は、沈降容器11に導入され、そして少なくとも12時間の間、又は中和されたピッチの水分含量が15%未満となるまで、好ましくは10%未満となるまで撹拌無しに保持され、それにより、沈降したピッチ13及び水相12を得、そのうち後者は廃棄される。水分含量は、キルルキ(Krlki)滴定により測定され得る。或いは、この沈降段階は、反応容器6又は9のどちらかにおいて起き得る。鍵となる要因は、少なくともここに記載されるパラメータの範囲内で、容器中で撹拌無しであり、そしてピッチの水分含量が十分に減少されるということである。最も好ましい態様において、沈降したピッチ13は、薄皮層15を除去し、そして超沈降したピッチ16を得るために、受け入れタンク14中で第二の相分離にかけられる。再び、ピッチは撹拌無しに、そして容器の寸法及び形態に応じて2ないし24時間の間保持される。
1つ又は2つの先立つ相分離段階の間の水分の重大で重要な除去にもかかわらず、以降の蒸留段階前に除去されるか又は実質的に除去されなければならない幾らかの水分が、超沈降されたピッチ中に残留する。したがって、超沈降したピッチ16は反応容器17に移され、そして真空か大気圧除去のどちらかにかけ、すなわち、残留する水分を除去するか又は蒸発させ、それにより変性されたピッチ19を得る。一つの態様において、反応容器17中の温度は105℃以下に維持され、そして水分18は大気除去により除去される。これはバッチ式又は連続式であり得るが、後者が好ましい。より高い温度は幾らかのステロールのエステル形態への逆行を引き起こすため、105℃以下の温度はこの態様にとって好ましい。より好ましくはないが、もう一つの態様において、水分18は、超沈降したピッチ16を真空除去、すなわち、水分含量が1%未満となるまでピッチを加熱する(およそ149℃まで)することにより除去される。この水分除去により、変性されたピッチ19は、ステリルエステルへの遊離ステロールの逆行を防止するか又は最少にするために、およそ80℃未満の温度まで直ちに冷却される。
変性されたピッチ19は、軽留分23の除去のため、低圧ワイプトフィルムエバポレーター21中に導入される。これた軽留分は、前けん化蒸留において除去されなかった脂肪酸及び樹脂酸を含む。底部フラクション22は遊離フィトステロールを含んでおり、そしてエバポレーター21から除去され、そして第二の低圧ワイプトフィルムエバポレーター24中に移される。エバポレーター24は、フラクション22中に存在する遊離フィトステロールを軽相蒸留物25へと蒸留する役を果す。蒸留物25もまた、脂肪アルコール、脂肪酸、樹脂酸及び高分子量ワックスエステルを含んでいる。底部フラクション26は貯蔵され、そして他の産業のための燃料又は供給原料として使用され得る。
エバポレーター21及び24の各々の内部での特定の反応条件(例えば:温度、圧力及び残留時間)は、原料ピッチの特性及び種類に、並びに使用されるエバポレーターの型によって変化するであろう。これら条件はまた、変性されたピッチが、変性されたピッチ19のエバポレーター21への導入に先立って“脱ガスされる”かどうかにもよって変化し得る。好ましい態様において、残留する水分及び他の低沸点成分を除去するために、脱ガス剤が使用される(図示せず)。一般的に、脱ガス剤は、およそ1000ないし10,000ミクロン及び100℃ないし175℃で操作する。エバポレーター21内の蒸留条件の好ましい範囲は以下のとおり:温度190℃ないし230℃及び圧力1000ないし15,000ミクロンである。エバポレーター24内の蒸留条件の好ましい範囲は以下のとおり:温度250℃ないし315℃及び圧力100ないし5,000ミクロンである。
この2段階蒸留の間、最終生成物の純度を重大に高め得る要因が存在する。第一に、真空システムを保護するエバポレーター内の冷却トラップの潜在的な汚染のためにエバポレーター21及び24への供給速度の制御が重要である。あまりに高過ぎる供給速度は冷却トラップを汚し、そして操作妨害を引き起こすであろう。あらりに低過ぎる供給速度は該
方法を商業上実行不可能にさせるであろう。しかしながら、これら条件を最大にすることは十分に当業者の視界内にある。
第二に、エバポレーター21及び24で生成された蒸留カット中のステロール含量の制御はGC解析により測定され、そしてこの情報は温度及び供給速度を制御するために使用される。さらにまた、これら条件を最大にすることは十分に当業者の視界内にある。
軽相蒸留物25は、溶解が添加された溶媒28中で起きるまで加熱されそして撹拌される他の反応容器27へと導入される。上述した溶媒28はアルコールを含み得、及び水を含み得る。遊離ステロールの効率的な溶解は、65℃を超える、より好ましくは70℃を超える温度で、そして0.5ないし1.5の留出物対溶媒比を使用して起きることが分った。他の温度が使用され得るが、温度が低下されると、フィトステロールの溶解性が低下するであろう。ある程度は、好ましい温度は溶媒と留出物の比による。使用される溶媒が多いほど、蒸留温度がより低下し、その反対もまたある。しかしながら、より高い溶媒量は収率に悪く影響するので、バランスが発見されなければならない。この“バランス”を発見することは十分に当業者の視界内にある。
溶解が起きて、フィトステロールとフィトスタノールの溶液を得たとき、後者が反応容器27中で冷却され、それにより結晶化されたフィトステロール及びフィトスタノールをその中に有するスラリーを形成する。典型的に、結晶化が行われる温度は0ないし40℃の範囲であり得る(不純物が多くなる程、結晶化に必要とされる温度はより高くなる。)。
冷却されたスラリー29は洗浄され、そして添加された溶媒31を有利に使用して、市販の濾過装置30に通される。好ましい形態において、溶媒31は、結晶化段階で使用されたと同じ溶媒(溶媒28)であり、溶媒洗浄は周囲温度においてであり、そして装置30に対するスラリー流速に対して、洗浄比は0.5:1ないし1.5:1である。乾燥は連続ドライヤー上で起きて、精製されたフィトステロールとフィトスタノール32及び使用済み濾液33を得る。
本発明の他の局面において、そして図2に示されるように、使用済み濾液33は回収され、反応容器34中で溶媒35が除去され(溶媒回収システム)、除去された濾液36を得、そしてその後、容器37中で熱処理されて、いずれの遊離ステロールもステリルエステルへと転換される。このリサイクル過程の生成物38はその後、前けん化蒸留カラム2へと同時に供給され得る。
ここに記載された過程段階全体は、バッチ式又は連続式において行われ得ることが理解される。
以下の実施例は本発明をさらに示すが、もちろん、その範囲を限定するものと理解されるべきではない。
実施例1 “変性されたピッチ”の調製
17.1%の総ステロール(脂肪−及び樹脂−酸エステルとして)を含む861gのトール油ピッチ(TOP,B.C.ケミカルズ社,ノースウエスト カナダ 所在)、172gのNaOH(50%溶液)及び640gの脱イオン水を、機械撹拌機及び電気加熱炉付きの2リッターの実験用オートクレーブ反応容器(オートクレーブ エンジニアーズ社)に入れた。内容物を140ないし160℃に加熱し、そして撹拌しながら1時間保持した。40ないし60ゲージpsi(psig)の生じた圧力が観察された。塊を95℃ま
で冷却し、そして124gのリン酸(85%)を添加した。中和に係る僅かな発熱が観察され、そして混合を促進するために、塊を110℃までさらに加熱した。塊を30分撹拌し、その後100ないし110℃にて温度を維持しながら、撹拌しないで2時間沈降させた。温度を95℃まで低下させ、そして水性の重い相を底部バルブを介して除去した。タール状の有機軽相の界面が丁度観察されるまで、主に中和塩を含む透明で黄色から茶色の水性ブライン754gを除去した。加水分解されたステロール、脂肪−及び樹脂−酸、残留水分並びに中和塩を含む軽い有機相1014gを、コンデンサー、撹拌機及び電気加熱炉付きの2リッターの三ツ首ガラス製の丸底フラスコに入れた。中和された塊を、残留水分が煮沸発散し始める105℃まで、撹拌しながら加熱した。温度を次第に135℃まで上昇させ、その間におよそ100mLの水を収集した。機械ポンプにより、真空をシステムに引張った。27インチHgの最終真空を達成し、その間に水25mLをさらに収集した。真空を柔らげ、そして生成物を収集した。総じて131gの除去された水分及び879gの変性されたピッチを得た。変性されたピッチのGC解析は、遊離アルコールとして154mg/g(15.4%)のステロールを示していた。こうして得られた変性されたピッチは、ステロール成分をさらに増やす目的のために、高真空蒸留装置に対する供給物として適している。
実施例2 変性されたピッチの蒸留
実施例1の方法により生成された変成されたピッチを、実験室規模のショートパス蒸留装置(UIC KD−6型,ステンレス鋼製)の供給ポットに入れた。この装置は当業者によく知られており、そして加熱された円柱状エバポレーター及び同軸コンデンサーからなる。機械真空ポンプが、0.01mbarないし1,000mbarの範囲の減圧下でシステムを操作するための手段を提供する。ワイパー機構が、エバポレーター表面の薄膜に液体供給材料を広げ、それにより供給材料の一部を蒸発させた。ガス拡散により、蒸発した供給材料は、同軸コンデンサー表面に導かれ、留出物として上述した軽い相に凝縮される。残留物として上述した供給物の未蒸発部分は、重力及びワイパーのポンプ動作によって収集点へと流され、機械ポンプによりシステムから除去される。同様に、留出物が収集されそして除去される。ここに記載した装置はそれゆえ、多成分供給物を、成分の種々の沸点及びガス−液体平衡挙動に基づいて留出物及び残留物フラクションへと分離する。留出物及び/又は残留物をさらなるフラクションへと分離するために、付加的な蒸発段階が使用され得る。これら付加的な段階は、付加的なショートパス蒸留装置を使用することにより、又は望ましいフラクションをバッチ式の単式ショートパス装置に通すことにより達成され得る。
変性されたピッチおよそ1ガロン(およそ3,500g)を、160ないし180℃の範囲で、及び3ないし5mbarの範囲の圧力にて操作される加熱されたエバポレーターに連続的に供給した。供給速度はおよそ3,500g/時間であった。留出物と残留物の比5:95を達成した。留出物フラクションおよそ2ないし10%及び対応する残留物フラクション90ないし98%への供給物のこの最初の分離は、先立つ乾燥段階で除去されなかった低量の残留水分を除去し、そしてまた、その後の蒸留及び精製段階に対して有害なピッチの特定の低沸点成分を分離することにおいて有利である。プレカットとしてこでまで既知であった、この最初の分離の最適な留出物対残留物比は変化し得、そして供給物中のこれら低沸点物の量による。比較的穏やかな条件及びプレカットにおいて採られた留出物の低分子量フラクションは、最少のステロールの損失しか生じていない。
プレカット操作で得られた95%の残留物フラクションを、ショートパス蒸留装置に再び供給した。およそ40:60の留出物と残留物の比を達成するために、240ないし260℃の範囲のエバポレーター温度及び0.5ないし1.5mbarの範囲の圧力を使用した。この名目上の40%留出物フラクションは変化し得、及びトール油ピッチ供給貯蔵に対して実験的に決定されなければならない。本実施例において、名目上の40%留出物
フラクションは、GCにより、28.2%の遊離ステロールを含むと解析された。こうして得られた留出物は、その後の溶媒結晶化による精製に適している。留出物フラクション中のステロールのより高い回収は可能であるが、留出物中にまた存在し得るより高い量の共沸不純物が、得られた最終生成物の純度に悪影響を与えることが理解されるべきである。
実施例3 ステロール−リッチな留出物の結晶化
250mLのエルメンレイヤー(Erlenmeyer)フラスコ中に、実施例2で得られた名目上の40%留出物40.0gを、80%メタノール及び20%イソプロパノールからなる溶媒混合物60.0gと組合せた。ちょうど煮沸以下(およそ60ないし65℃)までホットプレート上で加熱し、それにより、溶媒への留出物の完全な溶解を行い、固体が見えないカラメル色の液体を生じた。時折かき混ぜながら、溶液を室温(およそ20ないし25℃)まで冷却した。およそ55℃において、針状の結晶が溶液中に形成し始め、粘性のスラリー状の特性が急速に得られた。室温のスラリーをブフナー漏斗で真空濾過し、そして生じた濾過ケーキを溶媒ブレンド30mLで2回洗浄した。光沢のある白色結晶を70℃にて1時間真空オーブン中で乾燥して、乾燥生成物8.3gを得た。GC解析は96.3%ステロールを示していた。融点は138.3℃であった。
実施例4 変性されたピッチの工業規模の調製
実施例1と同様の方法で、トール油ピッチ(TOP,B.C.ケミカルズ社、ノースウエスト カナダ 所在)13,304ポンド、液体苛性アルカリ(50%工業用品質)2460ポンド及び水(公共飲料水)10,350ポンドを、4,000ガロンのステンレス鋼製の反応容器に入れた。反応容器を1時間かけて、最終温度292°Fまで内部の加熱コイルのスチーム圧により加熱した。この温度を3時間の間維持した。すべての相が良く分散されたことを確保するために穏やかな攪拌を維持した。内部コイルの冷却水により、1時間かけて、およそ200ないし210°Fまで温度を低下させた。75%リン酸2589ポンドを入れた。酸の添加後、混合を1時間維持した。30分の沈降時間の後、反応容器の底部流出口から水性試料を得た。該試料のpHは5.9であった。中和されたけん化バッチを、16,000ガロンの沈降タンクに移した。第二の同一のけん化された及び中和されたバッチを調製し、そして沈降タンクに移した。組合せたバッチを12時間沈降させた。沈降時間の間、温度を190ないし200°Fに維持した。沈降時間の結果、操作員が相界面を検出するために覗きガラスを観察しつつ、水性のブラインの重い相をタンクから排出した。総じて4985ガロンの水性のブラインの層を除去した。残留していた有機層について水分含量を測定し、カールフィッシャー法により4.2%の水分が示された。大気圧にて、内部コイルのスチーム圧により、235°Fの最終温度まで有機相を加熱した。残留した水分をフラッシュし、そしてオーバーへッドコンデンサーにより凝縮した。除去時間はおよそ2時間であった。変性されたピッチの最終試料を採り、そして0.98%の水分含量を示していた。さらなるガスクロマトグラフィー解析は16.84%の総ステロール(エステル及びアルコールの組合せ)及び15.16%の遊離ステロール(アルコール形態のみ)を示していた。
実施例5 変性されたピッチの工業規模の蒸留
実施例4で調製した変性されたピッチを、2段階ショートパス蒸留システム(UIC KD−1200,エバポレーター表面12m2)に連続的に供給した。システムは連続して接続させ、第一段階からの残留(重い)流を第二の段階に向って供給した。蒸発している表面の温度を熱油循環システムにより制御した。各々の段階において表面を凝縮することは、予熱水循環システムにより独立して制御され得る。2−段階ルーツ型ブースター付きの機械真空ポンプにより独立してどちらかの段階を真空にする。残留水及び溶解したガスは、フラッシュタンクによる第一のエバポレーター段階に先立って、供給物から放出される。フラッシュに先立ち、供給物の温度は、蒸気加熱シェル及びチューブ加熱交換器に
よって、その貯蔵温度以上に加熱され得る。以下の方法のパラメータは、24時間以上連続での平均値を表す:
供給温度: 278°F
供給速度: 33.5ポンド/分
エバポレーター1の温度:380°F
エバポレーター1の圧力:4.5mmHg吸引
コンデンサー1の温度 :75°F
留出物1流れ: 3.4ポンド/分
残留物1流れ: 30.1ポンド/分
エバポレーター2の温度:511°F
エバポレーター2の圧力:1.6mmHg吸引
コンデンサー2の温度: 113°F
留出物2流れ: 13.6ポンド/分
残留物2流れ: 16.5ポンド/分

こうして得られた第二エバポレーターの留出物をその後、GCにより解析し、そして22.6%の遊離ステロールを含んでいることが分った。
実施例6 ステロール−リッチな留出物の工業規模の結晶化
実施例5で生成されたステロール−リッチな留出物20,000ポンドを、6,500ガロンのジャケット付きステンレス鋼製の撹拌タンク反応容器に入れた。組成が80%メタノール及び20%イソプロパノールの溶媒ブレンド20,000ポンドを同様に入れた。混合物を、160°Fの温度までジャケット上でスチーム圧により加熱し、穏やかな撹拌の下で1時間保持した。加熱した混合物を、ステンレス鋼製の二段階連続式のスクレーパ表面晶析装置(アームストロング社)に、100ポンド/分で供給した。第一の晶析装置段階を、そのジャケット上で平均温度78°Fの冷却塔水により冷却した。第二の段階のジャケットを、45°Fに維持された冷却水システムに連通した。晶析装置主要部の平均中間温度は122°Fであった。出口の平均温度は85°Fであった。こうして結晶化されたスラリーを、撹拌器及び再循環ポンプ付きの6,500ガロンのステンレス鋼製バッファータンク中に収集した。スラリーを、35ポンド/分の平均速度にて、連続的な蒸気密真空ベルトフィルター(パンネビス社)に供給した。フィルターの真空動作は、母体液体からステロール結晶を放出する役を果す。オーバーフロー堰及び噴霧バーのような種々の装置は、フィルターケーキを新鮮な溶媒で洗浄することを可能にする。フィルターケーキは回転式エアロックバルブを介してフィルターから排出される前に洗浄され、そして30ないし40%の平均水分含量まで乾燥される。排出された湿ったケーキは連続式回転トレードライヤー(Wyssmont Turbo−Dryer)に直接に供給され、それにより残留溶媒は1%未満の量まで除去される。乾燥されたステロール結晶は、第二の回転式エアロックバルブを介してドライヤーから出され、適切な容器中に収集され得るか又はさらに進行され得る。本件の場合、乾燥されたステロール結晶粉体3088ポンドが得られた。GC解析は96.2%のステロールを示した。ステロールの融点は138.4℃であった。
は、本発明にしたがった、トール油ピッチからの抽出及び精製方法を示すフローチャートである。 は、本発明の方法の一態様を示すフローチャートである。

Claims (20)

  1. トール油ピッチからフィトステロール及びフィトスタノールを単離し及び精製する方法であって、
    a)前記ピッチを第一の蒸留カラムに供給すること;
    b)過剰の樹脂酸及び脂肪酸を除去するために、前記ピッチを蒸留して蒸留されたピッチを形成すること;
    c)1種又はそれ以上のアルカリ金属塩基の水溶液を用いて前記蒸留されたピッチをけん化してけん化されたピッチを形成すること;
    d)5.8ないし6.3の最終的なpHを達成するために十分量の酸を用いて前記けん化されたピッチを中和し、それにより中和されたピッチを形成すること;
    e)前記中和されたピッチを、少なくとも12時間の間、又は相分離においてピッチの水分含量が15%未満となるまで相分離し、それにより沈降したピッチと水相を形成すること;
    f)前記沈降したピッチから、残留した水分の実質的にすべてを除去して変性されたピッチを形成すること;
    g)前記変性されたピッチを第二の蒸留カラムで蒸留して、該変性されたピッチから軽留分を除去し、及び遊離フィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む底部フラクションを生成すること;
    h)第三の蒸留カラムで前記底部フラクションのみを蒸留して、遊離フィトステロール及び/又はフィトスタノールを含む軽い留出物の相を生成すること;
    i)少なくとも1種のアルコールを含む溶媒中に前記軽い留出物の相のみを溶解して、フィトステロール及び/又はフィトスタノールの溶液を生成すること;
    j)前記溶液を冷却して、結晶化されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールをその中に有するスラリーを形成すること;及び
    k)前記スラリーを洗浄、濾過及び乾燥して、濾液から結晶化されたフィトステロール及び/又はフィトスタノールを単離すること
    からなる方法。
  2. 前記段階b)において、前記ピッチを蒸留して40未満の酸価を達成する請求項1記載の方法。
  3. 前記段階b)において、前記ピッチを蒸留して30未満の酸価を達成する請求項1記載の方法。
  4. 前記段階b)、g)及びh)における蒸留カラムは、ショートパス(short path)蒸留カラム、ワイプトフィルム(wiped film)蒸発カラム、薄膜蒸発カラム及び分子蒸留カラムからなる群より選択される請求項1記載の方法。
  5. 前記段階b)、g)及びh)における蒸留カラムは、ワイプトフィルム(wiped film)蒸発カラムである請求項1記載の方法。
  6. 付加的な、同時の供給物が前記第一の蒸留カラムへ供給され、該供給物は段階k)からの濾液である請求項1記載の方法であって、前記濾液を前処理して溶剤を除去しそしてその中の実質的にすべての遊離ステロールをステリルエステルに転換することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記段階d)において、前記けん化されたピッチを100度を超える温度にて1ないし10時間の間中和するところの請求項1記載の方法。
  8. 前記段階c)及びd)が同じ反応容器中で起きる請求項1記載の方法。
  9. 前記段階d)を強い撹拌下で行う請求項1記載の方法。
  10. 前記段階d)において、前記酸と前記ピッチを混合する請求項1記載の方法。
  11. 前記段階e)を撹拌なしで行う請求項1記載の方法。
  12. 前記段階e)の後に、前記水相を第二の相分離にかけることからなる付加的な段階を含む請求項1記載の方法。
  13. 前記段階f)における前記沈降したピッチから残留した水分の実質的にす
    べてを除去して変性されたピッチを形成する段階は、圧力が大気圧以下であり、そして温度が105℃未満である脱水を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. a)前記温度を、脱水後に80℃又はそれ以下まで低下させ;及び
    b)前記変性されたピッチを段階g)の開始に先立って貯蔵する場合には、前記温度を60℃又はそれ以下までさらに低下させる
    ところの請求項13記載の方法。
  15. 前記アルカリ金属塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又はその両方の組み合わせからなる群より選択される請求項1記載の方法。
  16. 前記酸は、硫酸、塩酸、リン酸又はそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選択される請求項1記載の方法。
  17. 前記段階i)における溶媒は、低分子量一価アルコール又はその酢酸エステルを含む請求項1記載の方法。
  18. 前記アルコールは、メタノール、エタノール及びイソプロパノール並びにそれらの酢酸エステルからなる群より選択される請求項17記載の方法。
  19. 前記段階i)における溶媒は、ケトン及び炭素原子数1ないし8の炭化水素、又はそれらの混合物からなる群より選択される請求項1記載の方法。
  20. 請求項1記載の方法により調製された組成物。
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