JP2005515782A - 再構築された胚へ核を移植した後の融合および活性化のための方法およびシステム - Google Patents

再構築された胚へ核を移植した後の融合および活性化のための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、初期同時電気的融合および活性化が不成功に終わった後に、イン・ビボ(invivo)において***された卵母細胞を脱核したものに哺乳類の細胞核を再融合させることにより、多様な非ヒト哺乳類(ヤギ、ブタ、齧歯類、霊長類、ウサギ、およびウシなど)の生きた仔を得るための活性化および融合された核移植可能胚の作出に関するもうひとつの改良された方法が提供されることを示すデータを提供する。さらに、動物核移植プログラムにおいては、電気パルスを複数回あてることにより、生きた仔を得るための同時融合および活性化法に関する別異のより有効な活性化法が提供される。

Description

本発明は、非ヒト哺乳類の核移植過程において使用することを目的とする、再構築された胚を融合および活性化するための改良法に関する。さらに特定すると、本発明は、電気的活性化処置を少なくとも2回行うことにより、核移植過程において、再構築された胚の活性化を向上させる方法を提供する。
一般的には、本発明は、体細胞核移植(SCNT)の分野、および望ましいトランスジェニック動物を作出することに関する。さらに特定すると、本発明は、体細胞由来の細胞系を確立し、これらの細胞系を形質転換し、さらに、これらの形質転換細胞および細胞系を用いて非ヒト哺乳類トランスジェニック動物を作出するための方法に関する。
ある種の所望される形質または特徴、例えば、体重、乳の含有量、乳の産出量、乳汁分泌期の間隔の長さ、および疾病抵抗性が増加している、などを有する動物は、長い間待ち望まれていた。伝統的な品種改良法によって、いくつかの特に所望される形質を有する動物を作出することはできたが、そのような形質は、所望しない多数の特徴を伴っていることが多く、時間の浪費であり、費用がかさみ、また、信頼性に欠ける。さらに、そのような方法においては、特定の動物系において、対象動物の遺伝子群には全く存在していない所望するタンパク質治療用物質など(すなわち、牛乳中にクモの糸のタンパク質を含有させる)のような遺伝子産物を産生させることは絶対に不可能である。
トランスジェニック動物作出の技術が進歩したことにより、特定の形質を保有するように遺伝子を操作した、または、特定のタンパク質またはその他の分子化合物を発現するように遺伝子を設計した動物の作出に関する非常に精度の高い方法が提供されている。すなわち、トランスジェニック動物とは、発生の早期段階において、体細胞および/または生殖細胞に慎重に導入された遺伝子を保有している動物である。動物が発達、成長するにつれて、動物内に組み込まれたタンパク質生成物または特定の発達上の変化が明らかになってくる。
現在のところ、トランスジェニック家畜の作出に利用できる技術は、不十分であり、時間がかかり、特に、生きた胚の産生率が非常に低い。導入遺伝子の発達中に、一般的にはDNA配列がランダムに挿入され、それによって様々な問題が生じる。その中で第一の問題は、挿入による不活化であり、これは、入ってきたDNAによってコード配列または制御配列が破壊されることにより、必要な遺伝子が不活化されることである。別の問題としては、導入遺伝子が全く組み込まれていないか、または、組み込まれてはいるが発現しないことである。さらなる問題は、導入位置の影響により、制御が正確に行われていない可能性があることである。このことは、同一のトランスジェニック構築体を用いて作出した別異の始祖動物(founder animal)間において、遺伝子の発現レベルおよび遺伝子制御の正確さに多様性があることを意味する。従って、多数の始祖動物を作出すること、および、トランスジェニック系の維持を保証するような様式においては、導入遺伝子を発現する動物は5%未満である場合が多いことは、常識的なことである。
さらに、トランスジェニック家畜を作出する効率は低く、作出された100個体のうちの1個体がトランスジェニックであるという効率は、当然のことである(非特許文献1)。その結果、トランスジェニック動物を作出するための費用は、発現個体1個体につき25万〜50万ドル(約2750万〜5500万円)にもなる(非特許文献1)。
従来技術における方法においては、一般的に、クローニング段階において胚細胞型を使用していた。この方法を用いた研究としては、キャンベル(Campbell)ら(非特許文献2)およびスティス(Stice)ら(非特許文献3)によるものが挙げられる。これらの研究において、胚細胞系は、妊娠10日未満の胚由来であった。これらの研究においては、細胞をフィーダー層上で維持することにより、クローニング段階において使用するドナー細胞の分化を阻止していた。本発明においては、分化した細胞を使用した。本発明の方法においては、分化したドナー核に端を発するクローン繁殖させた胚と共に、胚細胞系を使用することもできると考えられる。
従って、本発明に従うことにより、優れた遺伝子型を有する哺乳類(ヤギを含む)の繁殖が可能である。このことにより、遺伝的な優越性が証明された、または他の所望する形質を備えた成体の繁殖が可能になる。多くの重要な哺乳類種、たとえば、ヤギ、齧歯類、ウシおよびウサギなどにおいても研究が加速すると考えられる。本発明により、回収し、クローニング段階に使用できる胎仔または成体の細胞数は、10億個にも上る。このことは、多数の同一形質の仔を短期間に得られることを意味する。
ウォール(Wall)、1997 キャンベル(Campbell)ら、Nature, 1996 スティス(Stice)ら、Biol. Reprod., 1996
従って、いくつかの動物種について、多様な方法によってトランスジェニック動物が作出されてきたが、手頃な費用で、所望するタンパク質を大量に発現することができる、または、導入遺伝子の挿入によって生じた遺伝子変化を発現することができるトランスジェニック動物を容易にかつ再現性良く作出する方法はいまだにない。
従って、生存可能なトランスジェニック子孫をより確実に効率的に産生しようとする試みにおいて、トランスジェニック動物の発育、特に、同時融合中の融合細胞の活性化および細胞対の活性化に関して、産生効率を上げることができるような改良核移植法が待ち望まれている。
簡潔に述べると、本発明は、次のような核移植段階を介して非ヒト哺乳類をクローニングする方法を提供する:ドナー核の供給源として使用する、所望の分化哺乳類細胞を入手し;ドナー核の供給源である細胞と同種の哺乳類から少なくとも1個の卵母細胞を入手し;少なくとも1個の卵母細胞を脱核し;脱核した卵母細胞に所望の分化細胞または細胞核を移植し;細胞対を同時融合して活性化することにより一次トランスジェニック胚を形成させ;融合して一次トランスジェニック胚を形成してはいないが、追加電気ショックを与えることを含む少なくともひとつの追加活性化プロトコールに従って行われた初回の電気ショック後に活性化される細胞対を活性化することによって二次トランスジェニック胚を形成させ;二細胞発生段階以上になるまで、活性化した一次および/または二次トランスジェニック胚を培養し;最後に、胚が胎仔に成長するような適切な宿主哺乳類に一次および/または二次トランスジェニック胚を移植する。一般的には、上述の方法は、脱核した卵母細胞に分化した哺乳類細胞または細胞核を挿入する前に、所望する遺伝子が挿入、除去または改変されたドナー細胞核を使用することによって行われる。さらに特記すべきことは、使用する卵母細胞は脱核前にイン・ビトロ(in vitro)で成熟させておくことが好ましい。
さらに、本発明の方法は、中期II期で静止しているヤギの卵母細胞を使用することにより、トランスジェニック動物の作出を最適化することができ、ここで、該卵母細胞は脱核し、ドナー体細胞と融合させると同時に活性化した。トランスジェニッククローン動物のうちの一個体の乳を分析したところ、所望する標的トランスジェニックタンパク質生成物の産生レベルが高くなっていることが示された。
さらに重要な点は、本方法を用いることにより、細胞、組織および臓器移植などにおいて使用可能なCICM細胞、胎仔または子孫の生存率を上昇させることもできることである。動物から胎仔または成細胞を取り出し、多様な細胞のクローニング段階においてそれらを使用することにより、クローン発生させた胎仔が器官形成を経て発達するにつれて、それらから組織およびおそらく臓器を得ることができる。クローン発生した仔から、細胞、組織および臓器を単離することもできる。この過程は、細胞および遺伝子治療を含む多くの医療および獣医治療のための「材料」の供給源を提供することができる。細胞を、その細胞を採取した動物に戻す場合には、免疫学的拒絶反応が回避される。さらに、それらのクローンから多くの細胞型を単離することが可能であるため、造血キメラ法(hematopoietic chimericism)などのその他の方法を用い、同種の個体間および種間の免疫学的拒絶反応を回避することができる。
以下の略号は、明細書中に示された意味を有するものである。
略号表
体細胞核移植 SCNT
培養内部細胞塊 CICM
核移植 NT
合成卵管液 SOF
ウシ胎仔血清 FBS
ポリメラーゼ連鎖反応 PCR
ウシ血清アルブミン BSA
語句の説明
ヤギ−多様な種類のヤギまたはヤギ近縁種
再構築胚−再構築された胚とは、脱核により、保有していた遺伝材料を除去された卵母細胞である。融合後に成体または胎仔の体細胞の遺伝材料を配置することによって「再構築」されている。
融合スライド−一定の間隔で固定された並行電極用のスライドガラス。電極の間に細胞対を置き、融合および活性化のための電流を受けられるようにする。
細胞対−融合および/または活性化前の脱核卵母細胞と、体性もしくは胎仔の細胞核。
サイトカラシンB−ある種の菌の代謝生成物であって、有糸核***に影響を与えることなく、細胞質***を選択的かつ可逆的に阻止する。
細胞質体−真核細胞の細胞質性物質。
細胞核−脱核によって細胞から得られた細胞の核。細胞質体と細胞質膜によって周囲を囲まれている。
体細胞−生殖細胞を除く、生物の体の任意の細胞。
単為生殖−***の侵入していない卵母細胞から胚が発達すること。
トランスジェニック生物−実験的に他の生物から遺伝子材料を移植された生物であり、宿主は、その染色***置に移植された遺伝子の遺伝形質を獲得する。
体細胞核移植−治療的クローニングともいう。体細胞を脱核した卵母細胞と融合する過程。体細胞の核は遺伝情報を提供し、卵母細胞は胚の発達に必要な栄養およびその他のエネルギー産生材料を提供する。一旦融合が起こると、細胞は多能性であり、肺胞へと発達し、この時点で内部細胞塊が単離される。
本発明は、核移植段階に使用するために開発したトランスジェニック胚の数を増やすための系に関する。本発明は、初回の同時電気的融合および活性化が不成功に終わった後に、融合および活性化した胚を作出するための改良法を提供する。この能力により、ヤギ、ブタ、齧歯類、霊長類、ウサギ、ウシを含む多様な非ヒト哺乳類について、生きた子孫を作出するために使用する、活性化され、融合された核移植可能な胚の作出効率が上昇することになる。
さらに、本発明は、クローニング手順に関し、これは、非血清飢餓分化ヤギ胎仔細胞または成体細胞を含む、分化した哺乳類胎仔細胞または成体細胞由来の細胞核を、ドナー核と同種の脱核した卵母細胞内に移植するものである。核は、クローニングされた胚の発達を支持するように再プログラムされ、この胚を雌のレシピエントに移植して、胎仔および子孫を産生させることができ、または、この胚を用いて、培養内部細胞塊(CICM)を産生することができる。クローニングした胚は、受精胚と組み合わせてキメラ胚、胎仔および/または子孫を産生することもできる。
ドナー細胞核を脱核細胞質体に融合させ、続いて、得られた細胞対を活性化することは、体細胞核移植によって生きた子孫を首尾良く作出するために必要な重要な段階である。最も一般的に用いられる方法は、ドナー細胞核を細胞質体へ電気的に融合させる方法である。しかしながら、より重要なことは、多数の家畜種において胚発生の過程を開始させるにあたって核移植法において使用される、活性化させるためのいくつかの方法、活性化段階のタイミングであり、これらについては既に報告がなされている。哺乳類においては、種差はあるものの、初期シグナル事象、およびそれに続いて起こる、受精時に***によって誘導されるCa2+振動が正常な過程であり、その結果、卵母細胞は活性化され、胚が発達する(フィソア(Fissore)ら、1992およびアルベリオ(Alberio)ら、2001)。現在では、Ca2+を化学的および電気的に移動させる方法を利用し、体細胞核移植によって得られた細胞対を活性化している。しかしながら、これらの方法では、一般的なイン・ビトロ(in vitro)受精パターンにおける***と類似したCa2+移動パターンを作り出してはいない。
体細胞を使用し、ヒツジにおいて最初の成功例が報告されて以来、核移植の優れた利点が明らかにされている(ウィルムート(Wilmut)ら、1997)。体細胞からその他多くの種がクローニングされてきた(バグイシ(Baguisi)ら、1999;シベリ(Cibelli)ら、1998)が、その成功度は多様である。その他多数の胎仔性組織および成体体細胞性組織(ゾウ(Zou)ら、2001;ウェルス(Wells)ら、1999)、ならびに胚性組織(ヤン(Yang)ら、1992;ボンディオリ(Bondioli)ら、1990;メン(Meng)ら、1997)を利用した実験についても報告されている。別異の研究室実験法において、再構築時の細胞核が属している細胞周期における段階も重要であると報告されている(カシナサン(Kasinathan)ら、Biol. Reprod. 2001;ライ(Lai)ら、2001;ヨン(Yong)ら、1998;カシナサン(Kasinathan)ら、Nature Biotech. 2001)。しかしながら、融合および活性化に使用された配列、タイミングおよび方法については非常に違いが大きい。
従来技術においては、核移植法には、初期胚の分割細胞を使用することに重きを置いていた。この方法は、使用可能な胚性分割細胞の数が少ないこと、そのような細胞内への外来性の遺伝材料の導入が不可能であることによって限界がある。対照的に、分化した胚、胎仔性または成体体細胞性の細胞が核移植用の細胞核ドナーとして作用し得るという発見により、生殖細胞系の改変についての広範な可能性が出てきた。本発明に従い、核移植に組換え体細胞系を使用すること、および、「再構築」胚を使用することによって使用可能な細胞数を増やすことにより、本過程の効率を上げることは、従来型のトランスフェクト法によって導入遺伝子をより多数のトランスジェニック動物内に導入することができるだけではなく、創始者モザイク現象(founder mosaicism)問題を実質的に克服したトランスジェニック動物の産生効率を上げることができる。
既に、発明者らは、同時電気的融合および活性化により、ヤギおよびその他の動物において、生きた子孫を首尾良くつくり出すことができることを示している。発明者らの最新の実験においては、初回同時電気的融合および活性化に続いて、さらに電気的活性化を行い、***によって誘導されるCa2+振動により近づけ、また、体細胞核移植によって胚および生きた仔をつくり出すことを目指した。最終的に、初回同時電気的融合および活性化段階においては融合しなかった脱核細胞質に対して、ドナー細胞核が再融合することができることを確認し、体細胞核移植によってヤギの胚および生きた仔をつくり出した。
本発明の基礎となるデータは、生きた子孫をつくり出す可能性に関しては、単回の同時電気的融合および活性化と比較して、初回同時電気的融合および活性化後にさらに単回の追加電気的活性化を行うことがより効果的であることを示している。続いて行った実験においては、実験プロトコールの範囲を広げ、初回同時電気的融合処理後に、単回または定期的に複数回の追加電気的活性化を取り入れた。続いて行った実験の結果から、妊娠55日目において妊娠を確立することができる核移植胚を産生する能力においては、追加電気的活性化の回数が異なっても同程度であったが、両方法ともより効率的であることが示された。ボンドリ(Bondolli)らは、既に、追加電気的活性化を行うことにより、ブタにおいて、核移植によって生きた仔を首尾良くつくり出すことができたと報告している。その他の報告(コラス(Collas)ら、1993)においては、ウシにおいて、追加電気的活性化を行うことにより、単為生殖性胚を首尾良くつくり出すことができたことを示している。本明細書に示す結果から、ヤギの細胞核と、別のプロトコールに従ってイン・ビボ(in vivo)で***された卵母細胞を脱核したものとを同時電気的融合および活性化した後に、追加電気的活性化を行うことにより、多様な動物、特にヤギにおいて、核移植を利用したもうひとつのより効率的な方法を提供できることが示唆される。
脱核細胞質に細胞核が電気的に融合する効率は、使用する動物種および細胞型によって異なる。しかしながら、ヤギを用いた発明者らの実験および他の研究者ら(バグイシ(Baguisi)ら、1999;スティス(Stice)ら、1992)による報告においては、初回融合期間中に都合良く融合しない細胞対の亜集団が存在していた。これらの実験においては、体細胞核移植によってヤギの胚および生きた仔をつくり出すことを目的として、初回同時電気的融合および活性化が失敗した後に実施する、追加再融合の可能性を判断した。実験データから、生きた子孫をつくり出す能力に関して、同時電気的融合および活性化のみを行った場合(バグイシ(Baguisi)ら、1999)、または初回同時電気的融合および活性化が首尾良く行われた後に単回の追加電気的活性化を行った場合と比較して、再融合は、可能性が高く、より効率的であることが示された。続いて行った実験において、融合していない細胞対を再融合させることにより、妊娠55日目において妊娠を確立することができる核移植胚をつくることができたことを確認した。
ドナー細胞核は、トランスジェニック雄由来の***を用いて陰性雌成体(negative adult female)を人工的に授精させることによってつくり出した40日目のトランスジェニック雌胎仔由来の一次胎仔体細胞系から得た。生きた仔は、2回の核移植過程によってつくり出した。ひとつのプロトコールにおいては、中期II期で静止しているヤギの卵母細胞を脱核し、ドナー体細胞と電気的に融合させ、同時に活性化を行った。第二のプロトコールにおいては、イン・ビボ(in vivo)活性化したヤギ卵母細胞を終期II期において脱核し、ドナー細胞核と電気的に融合させ、同時に二度目の活性化を行い、ゲノムの再活性化を誘導した。3匹の健康で同一の雌の仔が生まれた。遺伝子型の分析から、クローン発生した全ての仔は、ドナー細胞系由来であることが確認された。トランスジェニッククローン発生仔のうちの1匹の乳を分析したところ、親のトランスジェニック系と同様に、ヒト抗トロンビンIIIを高レベルで産生することが示された。従って、本発明において採用した方法論および系により、トランスジェニック動物であるヤギが体細胞核移植によってつくられ、また、クローン発生した動物の乳汁中に標的治療タンパク質を産生させることが可能であることが示された。
前述の発明は、理解の一助として例を挙げることによって詳細の一部を説明したものであるが、当業者であれば、ある種の変更および変形が可能であることは自明である。故に、説明および実施例は本発明の範ちゅうを制限するためのものではなく、請求項によって範囲が正確に定められる。
ウィルムート(Wilmut)ら、およびキャンベルら(Campbell)は、再構築した胚の融合に単回電気パルスを使用し、次に、胚を化学的に活性化する前に何時間も時間をおいたと報告している。その他の報告においては、多様な種を活性化させるために使用することができる別異の電気的および化学的刺激について記載している(コー(Koo)ら、2000;フィソア(Fissore)ら、)。本発明は、間をあけることなく、また、活性化および融合した胚に続けて追加の電気パルスを与えて、同時に融合および活性化を行うことによる、体細胞核移植の利用法を提供している。融合および活性化技術に関する間断のない研究により、本明細書に開示されている別の方法が導かれ、この開示によれば、効率が上がり、より確実かつ効率的にトランスジェニック動物または細胞系をつくり出す過程が提供される。
従来の方法を発展させ、従来技術によって入手可能な、融合され、活性化された胚の効率の低さを克服する過程において、初回では融合しないが活性化はされている再構築胚の利用法を評価するための研究を行った。それに従って実験を行い、被験種(例えば、ヤギなど)に複数回電気パルスを使用することについて調査した。同じ方法により、ブタモデルにおいて、核移植後の卵母細胞活性化、および生きた子豚の産生に関しても試験を行った。これは、***が正常に卵母細胞に侵入、受精し、Ca2+振動を誘導する際に、イン・ビボ(in vivo)において観察される事象をより巧妙に模倣して行ったものであった(アルベリオ(Alberio)ら、2001;デュシベラ(Ducibella)ら、1998)。
材料および方法
ガヴィン(Gavin),W.G.の記載(1996)に従い、卵母細胞ドナーに対しては、ドナーの発情期同期化および過剰***を行い、さらに極微操作を行った。該文献は、参照として本明細書中に特に取り入れておく。一次体細胞の単離および確立、ならびに細胞核ドナーとして使用する体細胞のトランスフェクションおよび調製も上掲の記載に従って行った。一次体細胞は、分化した非生殖細胞であり、これらは、脂質を利用する標準的なトランスフェクションプロトコールを用いて、目的の遺伝子をトランスフェクトした動物組織から得たものでる。トランスフェクト細胞について検査を行い、それらは導入遺伝子を含む細胞であった。そこで、それらの細胞を核移植用のドナー細胞として使用するため、バグイシ(Baguisi)ら(1999)の方法に従って培養および調製した。脱核および再構築過程は、核酸を可視化させるためのDNA染色染料Hoechst 33342またはその他の蛍光感受性化合物を用いて卵母細胞を染色して、またはせずに行うことができることも記憶されたい。しかしながら、好ましくは、中期板において遺伝子材料を照らし出すために、Hoechst 33342を約0.1〜5.0μg/ml使用する。
ヤギ
本研究に使用した、スクレイピーにかかっていない純血または混血のアルパイン(Alpine)種、ザーネン種およびトッゲンブルク種の乳用ヤギ群は、農業安全基準(Good Agricultural Practice:GAP)の指針に従って飼育した。
ヤギ胎仔体細胞系の単離
細胞核ドナーとして使用する、ヤギ胎仔一次繊維芽細胞系は、トランスジェニック雄から用時採取した***を用いて2匹の非トランスジェニック雌を人工的に授精させることによってできた35日目および40日目の胎仔由来であった。胎仔は外科的に取り出し、平衡化リン酸緩衝生理食塩水(PBS、Ca2+/Mg2+不含)中に入れた。0.025%のトリプシン、0.5mMのEDTAに38℃で10分間浸漬した胎仔組織を細かく刻むことにより、単細胞懸濁物を調製した。胎仔細胞培地(ヌクレオシド類、0.1mMの2−メルカプトエタノール、2mMのL-グルタミンおよび1%のペニシリン/ストレプトマイシン(各10,000I.U./ml)を添加した10%のウシ胎仔血清を加えた平衡化Medium-199(M199、ギブコ(Gibco)社))を用いて細胞を洗浄し、25cm2フラスコ内で培養した。インキュベーション4日後にトリプシン処理をすることによって一次胎仔細胞のコンフルエント単層を回収し、培養または低温保存によって維持した。
ドナー細胞系の性別鑑別および遺伝子型決定
胎仔組織からゲノム性DNAを単離し、標的シグナル配列が存在していること、ならびに性別鑑別に有用な配列について、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって分析した。367bpの配列を増幅することにより、標的トランスジェニック配列を検出した。zfX/zfYプライマー対および増幅したフラグメントのSacI制限酵素切断物を用いて性別鑑別を行った。
胚の再構築のためのドナー細胞の調製
全ての核移植過程についてトランスジェニック雌系(CFF6)を使用した。胎仔細胞培地を加えた4ウェルプレートに胎仔体細胞を播種し、培養によって維持した(5%CO2、39℃)。48時間後、培地を新鮮な低血清(5%FCS)胎仔細胞培地に置換した。次の7日間は、48〜72時間毎に、培養培地を低血清胎仔細胞培地に置換した。最初に低血清培地を添加してから7日目にトリプシン処理することによって体細胞(細胞核ドナーとして使用する)を回収した。脱核卵母細胞に融合させる前に、2mMのL-グルタミンおよび1%のペニシリン/ストレプトマイシン(各10,000I.U./ml)を添加した10%のウシ胎仔血清を加えた平衡化M199中に1〜3時間細胞を再懸濁した。
卵母細胞の回収
以前の記載(ガヴィン(Gavin),W.G.,1996)に従い、卵母細胞ドナーを同期化および過剰***させ、精管切除した雄と48時間間隔で交尾させた。回収後、2mMのL-グルタミンおよび1%のペニシリン/ストレプトマイシン(各10,000I.U./ml)を添加した10%のウシ胎仔血清を加えた平衡化M199中で卵母細胞を培養した。
細胞質体の調製および脱核
卵丘を有する卵母細胞を除去した。卵丘を有していない卵母細胞を2群に分けた:中期II期で静止しているもの(極細胞1個)および終期II期のもの(極細胞がはっきり見えない、または、部分的に押し出されている第二極細胞が存在するもの)。最初に、中期II期で静止している卵母細胞を脱核した。活性終期II期にある卵母細胞は、M199/10%FBS中で2〜4時間培養することによって調製した。培養期間終了後、活性化されていた全ての卵母細胞(部分的に押し出されている第二極細胞が存在するもの)は、培養誘導性、カルシウム活性化終期II期卵母細胞(終期II期−Ca)として分類し、脱核を行った。培養期間中に活性化されなかった卵母細胞は、M199/7%のエタノールを含む10%FBS中でさらに5分間インキュベートして活性化を誘導し、続いて、M199/10%FBS中でさらに3時間培養して終期II期に到達させた(終期II期−EtOH)。
全ての卵母細胞は、脱核前にサイトカラシン(シグマ( Sigma )社)、M199/10%FBS中5μg/ml)で15〜30分間処理した。中期II期卵母細胞は、25〜30μmのガラスピペットを用い、第一極細胞および極細胞を取り囲んでいる隣接する細胞質(細胞質の約30%)を吸引して中期板から除去することによって脱核した。終期II期−Caおよび終期II期−EtOHの卵母細胞は、第一極細胞および部分的に押し出されている第二極細胞を含む周囲の細胞質(細胞質の10〜30%)を除去することによって脱核した。脱核後は、全ての卵母細胞を直ちに再構築した。
核移植および再構築
ドナー細胞の注入は、卵母細胞の脱核時に使用したものと同一の培地中で行った。ガラスピペットを用い、1個のドナー細胞を透明体と卵細胞質膜との間においた。電気的融合および活性化処置を行う前に、M199中で細胞−卵母細胞対を30〜60分間インキュベートした。再構築した卵母細胞は、融合緩衝液(300mMのマンニトール、0.05mMのCaCl2、0.1mMのMgSO4、1mMのK2HPO4、0.1mMのグルタチオン、0.1mg/mlのBSA)中で2分間平衡化した。電気的融合および活性化は、室温下、「融合スライド」(ギャップは500μm;BTX−ジェネトロニクス(BTX-Genetronics)社、カリフォルニア州サンディエゴ)に2本のステンレススチール電極を取り付けた融合チャンバー内に融合培地を満たして行った。
融合は、融合スライドを用いて行った。融合スライドは、融合皿の内部に取り付け、融合スライドの電極が融合緩衝液に浸るように、十分量の緩衝液を入れた。細胞対を培養インキュベーターから取り出し、融合緩衝液で洗浄した。立体顕微鏡を用い、細胞核/細胞質体接合部が電極と平行になるように、各電極から等距離の位置に細胞対を置いた。活性化および融合を促進するために細胞対にかける電圧の範囲は、1.0〜10.0kV/cmであることに注意されたい。しかしながら、好ましくは、初回単回同時融合および活性化電気パルスの電圧範囲は2.0〜3.0kV/cmであり、最も好ましくは2.5kV/cmであり、少なくとも20マイクロ秒間かけることが好ましい。これは、BTX ECM 2001 Electrocell Manipulatorを用いて細胞対にかけた。電気パルスをかける時間は10〜80マイクロ秒の範囲であった。この操作の終了後、処理細胞対は新鮮な融合緩衝液滴中に移した。融合処理した細胞対は平衡化SOF/FBSで洗浄し、その後、サイトカラシン−B含有または不含の平衡化SOF/FBSに移した。サイトカラシン−Bを使用する場合には、その濃度範囲は1〜15μg/mlであり、最も好ましくは5μg/mlである。細胞対は、空気中に約5%のCO2を含む加湿ガスチャンバー内において、37〜39℃でインキュベートした。本明細書に記載されている全てのプロトコールにおいては、サイトカラシン−Bの代わりにマンニトールを使用することに注意されたい(HEPES緩衝マンニトール(0.3mm)培地、Ca2+およびBSA添加)。
融合の10〜90分後、最も好ましくは融合30分後において、実際に融合した細胞核/細胞質体の存在を確認した。本発明の目的を達成するためには、融合細胞対には追加の活性化処理を行った(二重電気パルス)。この追加電気パルスは、電圧が0.1〜5.0kV/cmの範囲であり、時間は10〜80マイクロ秒の範囲であった。しかしながら、好ましくは、融合細胞対にかけた追加の単回電気パルス(二重パルス)は、0.4または2.0kV/cmで20マイクロ秒間であった。追加の電気パルスは、初回電気パルスから15分以上経過した後にあてることができたが、最も好ましくは、初回融合および活性化処理後、30分〜2時間後に開始してさらに活性化を行った。別の実験においては、非融合細胞対に単回の電気パルスをかけて再融合させた。この追加電気パルスの電圧および時間は、初回融合パルスから15分以上経過後において、1.0〜5.0kV/cmで少なくとも10マイクロ秒間であった。しかしながら、より好ましくは、融合効果を上げるためには、初回融合および活性化処理の30分〜1時間後に、追加の電気パルスの電圧範囲を2.2〜3.2kV/cmとし、20マイクロ秒間行う。融合した、および融合処理を受けた全ての細胞対をSOF/FBS+5μg/mlのサイトカラシン−Bに戻した。細胞対は、空気中に約5%のCO2を含む加湿ガスチャンバー内において、37〜39℃で少なくとも20分間、好ましくは30分間インキュベートした。
本発明に従う方法の別のやり方においては、追加の単回電気パルス(二重パルス)が提供され、追加活性化効果を上げるために、初回融合および活性化処理から少なくとも15分以上経過後、好ましくは30分〜1時間経過後に、好ましくは2.0kV/cmの電圧を少なくとも20マイクロ秒間細胞対にあてた。この追加の活性化パルスの電圧は、1.0〜6.0kV/cmの範囲で使用できた。
別の方法としては、残っている融合細胞対に対して、初回融合および活性化処理後30分以上経過後に、15〜30分の間隔をあけて、好ましくは2.0kV/cmで20マイクロ秒間の追加の単回電気パルスを少なくとも3回かけることにより(四重パルス)、さらに活性化を行った。しかしながら、この追加プロトコールにおいては、追加活性化パルスの電圧は1.0〜6.0kV/cmの範囲であり、時間は10〜60マイクロ秒間であって、さらに、初回融合処理後の開始時間は、最短で15分、最長で4時間に設定することができることに注意されたい。続いて行った実験においては、初回融合および活性化処理の1時間後に、2.6〜3.2kV/cmの範囲の単回電気パルスを20マイクロ秒間かけて非融合細胞対を再融合させることにより、さらに融合を行わせた。融合した、および融合処理された全ての細胞対は、サイトカラシン−B含有または不含の平衡化SOF/FBSに戻した。サイトカラシン−Bを使用する場合には、濃度は1〜15μg/mlの範囲であり、最も好ましくは5μg/mlであった。
細胞対は、空気中に約5%のCO2を含む加湿ガスチャンバー内において、37〜39℃で少なくとも30分間インキュベートした。サイトカラシン−Bの代わりの物質としては、マンニトールを使用した。
再融合を行ってから30分後に、細胞核/細胞質体再融合の成功率を測定した。融合処理した細胞対は、平衡化SOF/FBSで洗浄し、5μg/mlのシクロヘキシミドを添加した平衡化SOF/FBSに移した。細胞対は、空気中に約5%のCO2を含む加湿ガスチャンバー内において、37〜39℃で、最長4時間インキュベートした。
シクロヘキシミド処理後、少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも0.7%、好ましくは0.8%のウシ血清アルブミン、ならびに、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシン(SOF/BSA中)を添加した平衡化SOF培地を用いて細胞対を十分に洗浄した。平衡化SOF/BSAに細胞対を移し、約6%のO2、約5%のCO2、残りは窒素で構成される気体を充填した加湿ガスチャンバー内において、37〜39℃で24〜48時間培養した。経過時間に則した発達をしている核移植胚(24〜48時間で1個から8個になったもの)を同期化した代理レシピエントに移植した。
核移植胚の培養およびレシピエントへの移植
全ての核移植胚は、鉱物油で被覆した10%のFBS添加M199の50μlの液滴中、ヤギ卵管上皮細胞の一次細胞の単層上で共培養した。胚培養は、胚をレシピエントに移植する前に、5%のCO2を含む加湿ガスチャンバー内において、39℃で48時間維持した。レシピエント胚移植は、既報(文献番号22)に従って行った。
妊娠および周産期ケア
ヤギについては、発情期初日から25日目に超音波検査を行うことによって妊娠を判定した。検査は、妊娠75日目までは週1回行い、その後は月1回行って胎仔の生存を確認した。妊娠期間は152日以上であり、分娩は、5mgのPGF2α(Lutalyse、アップジョン(Upjohn)社)を用いて誘導した。分娩は、処理後24時間以内に開始した。出産後、仔をすぐに母親から離し、出生1時間以内に熱処理した初乳を与えた。
クローン発生個体の遺伝子型決定
ゲノム性DNAを単離するために、出生直後に、クローン雌個体(例えば、ヤギなど)および代理母から血液サンプルおよび耳の皮膚組織を採取した。各サンプルについて、はじめに、特異的トランスジェニック標的タンパク質に対するプライマーを用いてPCR分析を行い、次に、該特異的標的タンパク質に対するcDNAを用いてサザンブロット分析を行った。各サンプルについて、EcoRI(ニュー・イングランド・バイオラブズ(New England Biolabs)社、マサチューセッツ州ベバリー)を用いて5μgのゲノム性DNAを切断し、0.7%の寒天ゲル(SeaKem(登録商標)、ME)中で電気泳動を行い、当該分野において既知の標準的手法に従ってキャピラリー移動を行うことによってナイロン膜(MagnaGraph、MSI社、マサチューセッツ州ウェストボロ)上に固定した。Prime-It(登録商標)キット(ストラタジーン(Stratagene)社、カリフォルニア州ラ・ホーヤ)を使用し、α−32Pd CTPでラベルした1.5kbのXhoI〜SalI hAT cDNAフラグメントで膜をプローブした。ハイブリダイセーションは、65℃で一晩かけて行った。ブロットは、0.2×SSC、0.1%のSDSで洗浄し、X-OMAT(商標)ARフィルムに48時間暴露した。
乳タンパク質の分析
生後2ヶ月の時点で、幼若の雌のトランスジェニック動物に対して、ホルモンによる乳汁分泌促進を行った。1日1回手で搾乳し、hAT発現分析用の乳サンプルを採取した。既報(エドムンズ(Edmunds), T.ら、1998)に従い、ウェスタンブロット分析およびhAT活性分析を行った。
本発明の開発中に行った実験においては、脱核および再構築後に、1〜15%のウシ胎仔血清(FBS)、好ましくは10%のFBS、ならびに、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを添加した平衡化合成卵管液培地(SOF/FBS)中で細胞核/細胞質対をインキュベートした。細胞対は、融合前に、約5%のCO2を含む加湿ガスチャンバー内において、37〜39℃で少なくとも30分間インキュベートした。
結果
表1にまとめているように、本実験においては、初回単回同時融合および活性化パルスをあてた1646対のうち、114対は分解し、720対が融合した(43.7%)。融合した720対のうち、364融合対に二重パルスをあてたところ、13対は分解し、二重パルスをあてられた残りの351対を培養した。初回融合操作において融合しなかった計812対について再融合を行った。この再融合操作から、54対は分解し、346対は融合した(42.6%)。初回融合および再融合を合わせた全体の融合率は、融合操作を行った1646対に対して1066対であった(64.8%)。
Figure 2005515782
表2には、融合および活性化型に基づき、核移植胚を移植された代理レシピエントについて、妊娠満期の結果をまとめている。これらの実験においては、再融合細胞対から得られた胚を移植された4匹のレシピエントが妊娠満期を迎え、また、二重パルスをあてた細胞対から得られた胚を移植された1匹のレシピエントが妊娠満期を迎えた。これらとは異なり、単回パルスをあてた細胞対から得られた胚を移植されたレシピエントでは、妊娠満期を迎えたものはなかった。
Figure 2005515782
融合および活性化型に基づき、生まれた仔の結果を表3にまとめた。本実験においては、再融合によって得られた346融合対から4匹の仔が生まれ(1.2%)、二重パルス活性化法によって得られた351融合対から1匹の仔が生まれた(0.3%)。これらとは異なり、同時融合および活性化によって得られた353融合対からは1匹も仔が生まれなかった。
Figure 2005515782
表4は、トランスジェニック創始動物をつくり出すための試みについての結果をまとめたものである。本実験でつくり出した動物はヤギであった。しかしながら、本明細書において開示している技術は、その他の哺乳類種においても有用である。本データは、2001年の5月および6月期のものである。本表は、実験の詳細について明らかにしているが、最も有意味な側面は、首尾よく融合した再構築対の数、およびレシピエントに移植した胚が発達した数である。体細胞核移植によって得られた計902個の胚を138匹の代理レシピエントに移植し、5匹のレシピエント(3.8%)が妊娠満期を迎え、5匹の健康な仔を産んだ。
Figure 2005515782
これらの実験結果に基づき、続いて行った実験においては、単回パルスをあてられた融合していない細胞対をレシピエントに移植した。別の言い方をすれば、融合した細胞対は全て、二重パルスまたは四重パルス処理を受けていた。さらに、非融合細胞対の再融合は、続けて行った全ての実験で実施した。表5にまとめているように、続けて行った実験においては、初回単回同時融合および活性化パルスをあてられた2599対のうち、85対は分解し、1404対が融合した(54.0%)。融合した1404対のうち、825対に二重パルスをあてたところ、22対は分解し、残りの803対を培養した。残っている融合対のうち、579対に四重パルスをあてたところ、57対は分解し、残りの522対を培養した。初回融合操作において融合しなかった計1110対について再融合を行った。これらの再融合操作により、33対は分解し、672対が融合した(60.5%)。初回融合および再融合を合わせた全体の融合率は、融合操作を行った2599対に対して2076対であった(79.9%)。
Figure 2005515782
表6は、融合および活性化型に基づき、核移植胚を移植された代理レシピエントについて行った55日目の超音波の結果をまとめたものである。これらの実験においては、妊娠55日目では、二重パルスを受けた細胞対から得られた胚を移植された7匹のレシピエント(13.2%)が妊娠していた。また、妊娠55日目では、四重パルスを受けた細胞対から得られた胚を移植された4匹のレシピエント(8.5%)が妊娠しており、再融合した細胞対から得られた胚を移植された4匹のレシピエント(4.6%)が妊娠していた。
Figure 2005515782
本実験においては、トランスジェニック動物としてヤギを用いた。従って、妊娠についての超音波は妊娠期間の55日目にとった。融合および活性化型に基づく55日目の超音波の結果は、表7にまとめている。続いて行った実験においては、二重パルス活性化法によって得られた803融合対から9匹の胎仔(1.1%)が成長し、四重パルス活性化法によって得られた522融合対から6匹の胎仔(1.1%)が成長した。これとは別に、再融合によって得られた672融合対から5匹の胎仔(0.7%)が成長した。
Figure 2005515782
表8は、トランスジェニック創始動物の開発のために行った試みの結果をまとめたものである。本データは、2001年9月〜12月期のものである。 本表は、実験の詳細について明らかにしているが、最も有意味な側面は、首尾よく融合した再構築対の数、およびレシピエントに移植した胚が発達した数である。体細胞核移植によって得られた計1562個の胚を262匹の代理レシピエントに移植した。188匹のレシピエントについて、妊娠55日目に超音波検査を行い、15匹(8.0%)において、胎仔の発達が示され、妊娠を確認した。
Figure 2005515782
本発明においては、活性化および融合したトランスジェニック胚をさらにつくり出せるようにすることにより、トランスジェニック過程の効率を上げることができた。これらの胚は、代理動物に移植することができ、または、クローン増殖させて保存もしくは利用することができる。さらに、核移植とこれらの細胞をイン・ビトロ(in vitro)で改変および選択することができる能力とを組み合わせることにより、本方法は、従来のトランスジェニック胚技術よりも効率がよくなる。本発明に従えば、これらのトランスジェニッククローン胚を使用して、CICM細胞系またはその他の胚性細胞系をつくり出すことができる。故に、本発明は、遺伝子操作技術に供する未分化細胞系をイン・ビトロ(in vitro)で誘導、維持する必要性を排除するものである。
従って、ひとつの側面から見ると、本発明は、哺乳類をクローニングする方法を提供する。一般的には、哺乳類は、以下の段階を含む核移植法によってつくり出すことができる。
(i)ドナー核の供給源として使用する、所望の分化哺乳類細胞を入手し;
(ii)ドナー核の供給源である細胞と同種の哺乳類から卵母細胞を入手し;
(iii)前記卵母細胞を脱核し;
(iv)所望する分化細胞または細胞核を脱核した卵母細胞に移入し;
(v)細胞対の同時融合および活性化を行って一次トランスジェニック胚を形成させ; (vi)融合して一次トランスジェニック胚を形成することはなかったが、追加電気ショックを含む少なくとも1回の追加活性化プロトコールを実施することにより、初回電気ショック後に活性化される細胞対を、活性化して二次トランスジェニック胚を形成させ;
(vii)前記活性化一次および/または二次トランスジェニック胚を二分割発生段階以上になるまで培養し;
(viii)胚が胎仔に発達するように、前記一次および/または二次トランスジェニック胚を宿主哺乳類に移入する。
本発明は、分化哺乳類細胞または細胞核を脱核卵母細胞に挿入する前に、分化哺乳類細胞または細胞核内に、所望する遺伝子が挿入、除去または改変されていることによって遺伝的に操作されている哺乳類またはトランスジェニック哺乳類をクローニングする方法をも含む。
さらに本発明は、上記の方法に従って得られた哺乳類およびそのような哺乳類の子孫を提供する。好ましくは、本発明は、ヤギのクローニングに使用する。本発明はさらに、細胞、組織および臓器移植の分野において、核移植胎仔、ならびに核移植およびキメラ子孫を使用することを提供する。
別の側面から見ると、本発明は、CICM細胞を産生する方法を提供する。そのような方法は以下の段階を含む:
(i)ドナー核の供給源として使用する、所望の分化哺乳類細胞を入手し;
(ii)ドナー核の供給源である細胞と同種の哺乳類から卵母細胞を入手し;
(iii)前記卵母細胞を脱核し;
(iv)所望する分化細胞または細胞核を脱核した卵母細胞に移入し;
(v)細胞対の同時融合および活性化を行って一次トランスジェニック胚を形成させ; (vi)融合して一次トランスジェニック胚を形成することはなかったが、追加電気ショックを含む少なくとも1回の追加活性化プロトコールを実施することにより、初回電気ショック後に活性化される細胞対を、活性化して二次トランスジェニック胚を形成させ;
(vii)前記活性化一次および/または二次トランスジェニック胚を二分割発生段階以上になるまで培養し;
(viii)前記培養活性化胚から得た細胞を培養してCICM細胞を得る。
本明細書に記載されている方法によって得られたCICM細胞は、細胞、組織および臓器移植の分野における使用、あるいは、トランスジェニック胎仔もしくは子孫を含む胎仔または子孫をつくらせることにおいて、有益である。分化哺乳類細胞とは、初期胚段階を経過した細胞である。分化細胞は、外胚葉、中胚葉もしくは内胚葉組織、または細胞層由来である。
別の方法としては、細胞対に複数回の電気ショックを与えて融合および活性化を促進する。一般的には、哺乳類は核移植法によってつくられるが、その方法には以下の段階が含まれる:
(i)ドナー核の供給源として使用する、所望の分化哺乳類細胞を入手し;
(ii)ドナー核の供給源である細胞と同種の哺乳類から卵母細胞を入手し;
(iii)前記卵母細胞を脱核し;
(iv)所望する分化細胞または細胞核を脱核した卵母細胞に移入し;
(v)細胞対に少なくとも2回の電気ショックを与えて融合および活性化を開始し、該細胞対を活性化融合胚にし;
(vii)前記活性化融合胚を二分割発生段階以上になるまで培養し;
(viii)胚が胎仔へと発達するように、前記一次および/または二次トランスジェニック胚を宿主哺乳類に移入し;
ここで、前記少なくとも2回の電子ショックのうちの2回目は、初回電気ショック後、15分以上経過してから行う。
ヒト細胞を含む哺乳類細胞は、既知の方法によって入手することができる。本発明に有用な哺乳類細胞としては、例えば、上皮細胞、神経細胞、表面細胞、角化細胞、造血細胞、色素細胞(メラノサイト)、軟骨細胞、リンパ球(BおよびTリンパ球)、赤血球、マクロファージ、単球、単核球、繊維芽細胞、心筋細胞、およびその他の筋肉細胞などが挙げられる。さらに、核移植に使用する哺乳類細胞は、例えば、皮膚、肺、膵臓、肝臓、胃、腸、心臓、生殖器官、膀胱、腎臓、尿道およびその他の泌尿器などの別異の器官から得ることができる。これらは、適切なドナー細胞の例である。適切なドナー細胞、すなわち、本発明において有用な細胞は、身体の任意の細胞または臓器から得ることができる。これには、全ての体細胞または生殖細胞が含まれる。
繊維芽細胞は理想的な細胞型であるが、これは、発達中の胎仔および成体から大量に入手できるからである。繊維芽細胞は、いくらか分化しており、そのため、以前は、クローニング手順に使用するには不適切だと考えられていた。重要なことは、これらの細胞は、イン・ビトロ(in vitro)において、短い倍加時間で容易に増殖させることが可能であり、また、遺伝子標的法において使用するために、クローン的に増殖させることができることである。繰り返して述べるが、本発明は、分化細胞を使用している点において新規である。本発明は、細胞の増殖、遺伝子改変、およびイン・ビトロ(in vitro)における選択が容易に行える点において有利である。
卵母細胞に関する適切な哺乳類源としては、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ブタ、ウサギ、モルモット、マウス、ハムスター、ラット、霊長類などが挙げられる。好ましくは、卵母細胞は、ヤギ(caprine)および有蹄類から、最も好ましくはヤギ(goat)から得る。卵母細胞の単離法は、当該分野において既知である。基本的には、本方法は、哺乳類(例えば、ヤギなど)の卵巣または生殖管から卵母細胞を単離する過程を含む。ヤギ卵母細胞の容易な入手源は、ホルモン誘導した雌である。
遺伝子操作、核移植およびクローニングなどの技術を有効に活用するためには、これらの細胞を核移植用レシピエント細胞として使用する前に、また、***によって受精を行わせて胚へと発達させる前に、イン・ビボ(in vivo)で成熟させることが好ましい。核移植法においては、イン・ビボ(in vivo)で成熟させた中期II期の卵母細胞を使用した。基本的には、成熟中期II期卵母細胞は、発情開始、またはヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)もしくは類似のホルモンを投与してから数時間後に、過剰***させることなく、または過剰***させて、外科的に採取した。
さらに、トランスジェニック技術によって動物のゲノムの改変が行えること、組換えタンパク質産生ための新規な別法が提供されることに注目されたい。トランスジェニック家畜の乳汁中にヒト組換え薬剤を産生させることにより、微生物バイオリアクターに付随する多くの問題点(例えば、翻訳後修飾ができない、タンパク質の折りたたみが不適切、生成コストがかかるなど)または動物細胞バイオリアクターに付随する多くの問題点(例えば、元手が高い、培養培地が高価、収率が低いなど)が解決される。
脱核および核移植時の卵母細胞の成熟段階は、核移植法の成功の重要な鍵であることが報告されている(ファースト(First)およびプラザー(Prather)、1991)。一般的には、成功している哺乳類胚クローニングにおいては、レシピエント卵母細胞として中期II期卵母細胞を使用しているが、これは、この段階においては、卵母細胞が「活性化」可能である、または、十分に「活性化」されているので、***を授精するように、導入された核を処理すると考えられているからである。家畜、特にヤギにおいては、一般的に、卵母細胞活性化期間は、***の接触時、および***の卵母細胞膜内への侵入時に生じる。
一定の成熟期間(約10〜40時間、好ましくは約16〜18時間)経過後、卵母細胞を脱核した。脱核を行う前に、好ましくは、卵母細胞を取り出し、EMCARE培地に入れるが、この培地には、卵丘細胞除去に先だって、ヒアルロニダーゼを1mg/mlの濃度になるように添加した。この操作は、微細ピペットで繰り返しピペッティングすることにより、または、短時間渦動させることによって可能である。卵丘を除去された卵母細胞について、極体に関するスクリーニングを行い、極体の存在によって確認された中期II期卵母細胞を核移植に使用した。脱核は以下のようにして行った。
脱核は、例えば、米国特許第4,994,384号(参照として本明細書中に取り入れておく)に記載されているような既知の方法に従って行った。例えば、中期II期の卵母細胞は、すぐに脱核を行う場合には、好ましくは7.5mg/mlのサイトカラシンBを含むEMCARE培地に入れるか、または、すぐに脱核しない場合には、例えば、CR1aa+10%FBSなどのような胚培養培地などの適切な培地に入れたが、後者の場合、好ましくは24時間以内、より好ましくは、16〜18時間以内に脱核を行う。
脱核は、顕微鏡下、微細ピペットを用いて極体および周囲の細胞質を除去することによって行った。次に、卵母細胞をスクリーニングして脱核がきちんと行われていることを確認した。このスクリーニングは、33342 Hoechst染料を1μg/ml含む EMCAREまたはSOF中で卵母細胞を染色し、次に、UV光を10秒未満照射して卵母細胞を観察することによって行った。首尾よく脱核された卵母細胞を適切な培養培地に移した。
本発明においては、レシピエント卵母細胞の脱核は、好ましくは、イン・ビトロ(in vitro)またはイン・ビボ(in vivo)での成熟開始から約10〜約40時間の間、より好ましくは、成熟開始から約16〜24時間の間、最も好ましくは、成熟開始から約16〜18時間の間に行う。
活性化胚の作成に使用した脱核卵母細胞の卵黄周囲の空隙に、脱核した卵母細胞と同種の哺乳類細胞を1個導入した。既知の方法に従い、哺乳類細胞および脱核卵母細胞を用いて活性化胚を作成した。例えば、電気融合によって細胞を融合させた。電気融合は、原形質膜を一時的に破壊させるのに十分な電気パルスをあてることによって生じる。原形質膜は迅速に再形成するため、この破壊は非常に短時間である。従って、2つの隣接する膜の破壊が誘導され、再形成時に脂質二重層が混じり合い、2つの細胞の間に小さな通路ができる。そのような小さな開口部は熱力学的に不安定であるため、2つの細胞がひとつになるまで広がる。この過程に関するさらなる論考については、プラザー(Prather)らによる米国特許第4,997,384号を参照のこと(この特許全体を参照として本明細書中に取り入れておく)。多様な電気融合培地を使用することができ、それらとしては、ショ糖、マンニトール、ソルビトールおよびリン酸緩衝液などが挙げられる。融合は、細胞融合剤(fusogenic agent)としてセンダイウイルスを用いて行うこともできる(ポニマスキン(Ponimaskin)ら、2000)。
さらに、ドナー核が小さいなどのいくつかの場合においては、エレクトロポレーション融合を利用するよりは、卵母細胞内に直接核を注入することが好ましい。そのような技術については、コラス(Collas)およびバーンズ(Barnes)、Mol. Reprod. Dev., 38: 246-267(1994)に記載されており、全体を参照として本明細書中に取り入れておく。
活性化胚は、既知の方法によって活性化することができる。そのような方法としては、例えば、基本的には準生理的温度において活性化胚を培養し、低温またはかなり低温のショックを活性化胚に与えることなどが挙げられる。この方法は、室温で活性化胚を培養することによって最も簡便に実施可能であり、ここで、室温とは、胚が通常おかれている生理的温度条件と比べると低い。
別の方法としては、既知の活性化剤を添加することによって活性化することができる。例えば、授精の間に***が卵母細胞に侵入することは、核移植後に、灌流卵母細胞を活性化して多数を有効妊娠させ、遺伝的に同一の複数の仔が生まれたことによって示された。また、電気的および化学的ショックなどの処理をすることにより、融合後のNT胚を活性化することができる。適切な卵母細胞活性化法は、ススコ(Susko)−パリッシュ(Parrish)らの米国特許第5,496,720号に記載されており、全体を参照として本明細書中に取り入れておく。
さらに、順次活性化をするプロトコールも存在するが、活性化は同時に行うことが最も効果的である。活性化によって、細胞内では次のような事象が起こる:
(i)卵母細胞内の二価の陽イオンのレベルが上昇し、さらに、
(ii)卵母細胞内の細胞性タンパク質のリン酸化反応が低下する。
上記の事象は、卵母細胞の細胞質内にマグネシウム、ストロンチウム、バリウムまたはカルシウムなどの二価の陽イオンをイオノフォアなどの形で導入することにより、外的に誘発することができる。二価の陽イオンレベルを上昇させるためのその他の方法としては、電気ショックの使用、エタノール処理および、かご型キレート化剤による処理などが挙げられる。リン酸化反応は、例えば、セリン−スレオニンキナーゼ阻害剤などのようなキナーゼ阻害剤を添加するなどの既知の方法によって低下させることができ、そのような阻害剤の例としては、6−ジメチル−アミノプリン、スタウロスポリン、2−アミノプリンおよびスフィンゴシンなどが挙げられる。別の方法としては、卵母細胞内にホスファターゼ(例えば、ホスファターゼ2Aおよびホスファターゼ2Bなど)を導入することにより、細胞タンパク質のリン酸化反応を阻害することができる。
従って、活性化および融合「再構築胚」を多数得ることができるという本明細書記載の実施形態は、本発明の原理の応用を例示したに過ぎないことは自明である。上述の記載から、SCNT用の再構築胚の改良使用法の要点についての形式、使用法、用途の変更は新規であり、本発明の特質または請求項の範ちゅうを超えることなく、改変および/または組み換えることができる。
参考文献
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核移植を介してクローン動物を作出する方法についての一般的な図式。

Claims (49)

  1. 核移植過程を介して非ヒト哺乳類をクローニングする方法であって、
    (i) ドナー核の供給源として使用する、所望の分化哺乳類細胞を入手し;
    (ii) 前記ドナー核の供給源である細胞と同種の哺乳類から少なくとも1個の卵母細胞を入手し;
    (iii) 前記少なくとも1個の卵母細胞を脱核し;
    (iv) 所望の分化細胞または細胞核を前記脱核卵母細胞に移入し;
    (v) 細胞対の同時融合および活性化を行って一次トランスジェニック胚を形成させ;
    (vi) 融合して一次トランスジェニック胚を形成することはなかったが、初回電気ショック後に追加電気ショックを含む少なくとも1回の追加活性化プロトコールを実施することにより活性化される細胞対を、活性化して二次トランスジェニック胚を形成させ;
    (vii) 前記活性化一次および/または二次トランスジェニック胚を二分割発生段階以上になるまで培養し;さらに、
    (viii) 胚が胎仔に発達するように、前記一次および/または二次トランスジェニック胚を宿主哺乳類に移入する;工程を含むことを特徴とする方法。
  2. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が中胚葉由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が内胚葉由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が外胚葉由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が胎仔体組織由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  6. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が胎児体細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が繊維芽細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 前記ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が有蹄類由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  9. 前記ドナー核細胞またはドナー細胞が、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギおよびバッファローより成る群から選択される有蹄類由来であることを特徴とする請求項1または8記載の方法。
  10. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、非ヒト哺乳類成体の体細胞由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  11. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、上皮細胞、神経細胞、表面細胞、角化細胞、造血細胞、色素細胞、軟骨細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、赤血球、マクロファージ、単球、繊維芽細胞および筋肉細胞より成る群から選択されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  12. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、皮膚、肺、膵臓、肝臓、胃、腸、心臓、生殖器官、膀胱、腎臓および尿道より成る群から選択される臓器由来であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  13. 少なくとも1個の前記卵母細胞を脱核前にイン・ビボ(in vivo)で成熟させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  14. 少なくとも1個の前記卵母細胞を脱核前にイン・ビトロ(in vitro)で成熟させることを特徴とする請求項1記載の方法。
  15. 前記非ヒト哺乳類が齧歯類であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  16. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、非静止体細胞または非静止体細胞から単離した核であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  17. 胎仔が仔まで成長することを特徴とする請求項1または8記載の方法。
  18. 少なくとも1個の卵母細胞の脱核を、イン・ビトロ(in vitro)成熟開始後約10〜60時間の間に行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  19. 前記分化哺乳類細胞または細胞核を前記脱核卵母細胞に移入する前に、該分化哺乳類細胞または細胞核において、所望する遺伝子の挿入、除去、または改変を行うことを特徴とする請求項1記載の方法。
  20. 請求項1または19記載の方法によって得られた仔。
  21. キメラであることを特徴とする請求項19記載の方法によって得られた仔。
  22. クローニングプロトコールにおいてサイトカラシンBを使用することを特徴とする請求項1記載の方法。
  23. クローニングプロトコールにおいてサイトカラシンBを使用しないことを特徴とする請求項1記載の方法。
  24. 培養内部細胞塊を産生する方法であって、
    (i) ドナー核の供給源として使用する、所望の分化哺乳類細胞を入手し;
    (ii) 前記ドナー核の供給源である細胞と同種の哺乳類から少なくとも1個の卵母細胞を入手し;
    (iii) 前記少なくとも1個の卵母細胞を脱核し;
    (iv) 所望の分化細胞または細胞核を前記脱核卵母細胞に移入し;
    (v) 細胞対の同時融合および活性化を行って一次トランスジェニック胚を形成させ;
    (vi) 融合して一次トランスジェニック胚を形成することはなかったが、初回電気ショック後に追加電気ショックを含む追加活性化プロトコールを少なくとも1回実施することにより活性化される細胞を、活性化して二次トランスジェニック胚を形成させ;さらに、
    (vii) 前記活性化胚から得た細胞を培養することによって培養内部細胞塊を得る;工程を含むことを特徴とする方法。
  25. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が中胚葉由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  26. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が内胚葉由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  27. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が外胚葉由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  28. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が胎仔体組織由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  29. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が胎仔体細胞由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  30. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が繊維芽細胞由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  31. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が有蹄類由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  32. ドナー核またはドナー細胞核が、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギおよびバッファローより成る群から選択される有蹄類由来であることを特徴とする請求項24または31記載の方法。
  33. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、哺乳類成体の体細胞由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  34. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、上皮細胞、神経細胞、表面細胞、角化細胞、造血細胞、色素細胞、軟骨細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、赤血球、マクロファージ、単球、繊維芽細胞および筋肉細胞より成る群から選択されることを特徴とする請求項24記載の方法。
  35. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、皮膚、肺、膵臓、肝臓、胃、腸、心臓、生殖器官、膀胱、腎臓および尿道より成る群から選択される臓器由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  36. 少なくとも1個の前記卵母細胞を脱核前にイン・ビボ(in vivo)で成熟させることを特徴とする請求項24記載の方法。
  37. 少なくとも1個の前記卵母細胞を脱核前にイン・ビトロ(in vitro)で成熟させることを特徴とする請求項24記載の方法。
  38. 前記哺乳類細胞が齧歯類由来であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  39. ドナー核またはドナー細胞核の供給源として使用した前記ドナー分化哺乳類細胞が、非静止体細胞または非静止体細胞から単離した核であることを特徴とする請求項24記載の方法。
  40. 前記培養内部細胞塊がヒト以外の仔に発達することを特徴とする請求項1または8いずれか1項記載の方法。
  41. 少なくとも1個の卵母細胞の脱核を、イン・ビトロ(in vitro)成熟開始後約10〜60時間の間に行うことを特徴とする請求項24記載の方法。
  42. 前記分化哺乳類細胞または細胞核を前記脱核卵母細胞に挿入する前に、該分化哺乳類細胞または細胞核において、所望する遺伝子の挿入、除去または改変を行うことを特徴とする請求項24記載の方法。
  43. 請求項24または42記載の方法によって得られた仔。
  44. キメラであることを特徴とする請求項42記載の方法によって得られた非ヒト仔。
  45. クローニングプロトコールにおいてサイトカラシンBを使用することを特徴とする請求項24記載の方法。
  46. クローニングプロトコールにおいてサイトカラシンBを使用しないことを特徴とする請求項24記載の方法。
  47. 前記培養内部細胞塊が、移植用の機能的臓器を発生させるために用いられることを特徴とする請求項24記載の方法。
  48. 前記培養内部細胞塊が器官形成に用いられることを特徴とする請求項24記載の方法。
  49. 核移植過程を介して非ヒト哺乳類をクローニングする方法であって、
    (i) ドナー核の供給源として使用する所望の分化哺乳類細胞を入手し;
    (ii) 前記ドナー核の供給源である細胞と同種の哺乳類から少なくとも1個の卵母細胞を入手し;
    (iii) 前記少なくとも1個の卵母細胞を脱核し;
    (iv) 所望の分化細胞または細胞核を前記脱核卵母細胞に移入し;
    (v) 細胞対に少なくとも2回の電気ショックを与えて融合および活性化を開始して該細胞対を活性化融合胚にし;
    (vi) 前記活性化融合胚を二分割発生段階以上なるまで培養し;
    (vii) 胚が胎仔へと発達するように、前記活性化融合胚を宿主哺乳類に移入する;工程を含み、
    ここで、前記少なくとも2回の電気ショックのうちの2回目は、初回電気ショック後15分以上経過してから行い、さらに、
    前記脱核卵母細胞に前記分化哺乳類細胞または細胞核を挿入する前に、該分化哺乳類細胞または細胞核において、所望する遺伝子の挿入、除去または改変を行うことを特徴とする方法。
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