JP2005515285A - ポリマー用可塑剤としての新規炭水化物エステル及びポリオールエステル、そのような可塑剤を含む組成物及び製品並びにこれらの使用方法 - Google Patents

ポリマー用可塑剤としての新規炭水化物エステル及びポリオールエステル、そのような可塑剤を含む組成物及び製品並びにこれらの使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明はポリマー組成物用の可塑剤として使用するのに適した炭水化物及びポリオールエステルの製造方法に関する。本発明はそのような炭水化物及びポリオールエステルを含む可塑化ポリマー組成物にも関する。本発明はそのような可塑化ポリマー組成物から製造された製品にも関する。本発明は更にこれらの組成物の使用方法に関する。

Description

本発明は、ポリマー組成物用の可塑剤として使用するのに適した炭水化物及びポリオールエステルの製造方法に関する。本発明はそのような炭水化物及びポリオールエステルを含む可塑化ポリマー組成物にも関する。本発明はそのような可塑化ポリマー組成物から得られる製品にも関する。本発明は、更に、それらの組成物の使用方法に関する。
セルロールエステルは優れた熱可塑性材料であることが知られており、従って、セルロールエステルは広範囲の用途に使用される。優れた熱可塑性を有する、最も広く使用されるセルロースエステルは、一般に、セルロースアセテート(CA)、セルロールアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)である。しかし、他の型のセルロースエステルもいくつかの用途に有用であることができる。これらの材料はいずれも、比較的高い融解温度(即ち、150〜250℃)及び比較的高い溶融粘度を有する。この高融解温度と高溶融粘度との組合せのため、これらのセルロースエステルの溶融加工に必要な温度は、場合によっては、セルロースエステルの分解温度にほぼ等しいかそれより高いこともある。その結果として、セルロースエステルは、加工中に分解するため、いくつかの用途では有用性が最小化されることがある。
溶融加工温度を低下させるために、セルロースエステルの溶融加工中又はその前に、低分子量可塑剤を添加する場合がある。しかし、このような低分子量可塑剤は、いくつかの問題を生じるおそれがある。詳細には、これらの可塑剤は多くの場合、揮発性であり、水溶性が高く、セルロースエステルとの相溶性が不十分となるおそれがある。
可塑剤の揮発性に関しては、場合によっては、配合の間に追加の可塑剤を供給する必要があり、また、作業者の可塑剤材料への暴露を最小にするために揮発可塑剤は捕捉しなければならない。多くの場合、可塑剤は、完成品の表面に移行して、そこでプレートアウトするか、あるいは完成品の表面特性に悪影響を及ぼすおそれがある。例えば完成品から揮発性可塑剤が失われると、セルロースエステル完成品において収縮、ひび割れ及び物理的性質の劣化を生じるおそれがある。
可塑剤は更に別の問題を生じるおそれがある。例えばセルロースエステルは優れたUV安定性を有することが知られている。しかし、セルロースエステルに通常混和される多量の可塑剤は、UV安定性を低下させるため、いくつかの用途ではセルロースエステルの有用性が限られるおそれがある。更に、可塑剤が水への親和性を有する場合には、セルロースエステルはいくつかの用途では使用できないことがある。
セルロースエステル用の周知可塑剤の例としては、フタル酸エステル(例えばフタル酸ジエチル又はジブチル)、グリセロール、トリアセチン、クエン酸エステル(例えばクエン酸トリエチル)、脂肪族ジエステル(例えばアジピン酸ジオクチル)、燐酸エステル(例えば燐酸トリフェニル)、低分子量ポリエチレングリコール及びポリエチレングリコールのエステルが挙げられる。このような先行技術の可塑剤の選択及び可塑剤の量は、一般的には、可塑剤とセルロースエステルとの相溶性及び完成品において望まれる特性に基づく。
この点に関して、各可塑剤の相溶性は一般にセルロースエステルによって異なることに留意しなければならない。例えばアジピン酸ジオクチルは、一般に、セルロースアセテートとは相溶性がよくないが、ほとんどのセルロースアセテートブチレートとは相溶性がよい。
更に、単一の型のセルロースエステルの中でさえ、可塑剤の相溶性は、置換度(「DS」、即ち、アンヒドログルコース単位当りの置換基の数)によって変化することがある。例えばフタル酸ジエチル(「DEP」)は、DS2.5又はそれ以下のセルロースアセテートに対しては可塑剤として使用することができるが、DEPはDS2.8〜3.0のセルロースアセテートに対しては可塑剤としては不良であると考えられる。
更に、当業者には良く理解されていることであるが、前述の先行技術の可塑剤は、ポリ乳酸及びポリ塩化ビニルのような他のポリマー組成物の可塑化に使用できる。先行技術の可塑剤の使用に伴う問題は一般にこれらのポリマーの場合にも存在する。
セルロースエステル及び他のポリマー用の先行技術の可塑剤に見られる前記問題に基づき、揮発性が低く、相溶性が良好で且つ他の有益な特性を有する、セルロースエステル用の新しい可塑剤を開発することは望ましいであろう。このような可塑剤からポリマーを形成することも望ましいであろう。更に、これらのポリマー組成物から製品を形成することも望ましいであろう。
一側面において、本発明はセルロースエステル、ポリ乳酸及びポリ塩化ビニル用の新規な可塑剤に関する。別の側面において、本発明はセルロースエステル及び炭化水素エステルを含むブレンドにも関する。更に、本発明はセルロースエステル及びポリオールエステルを含むブレンドにも関する。更に、本発明はセルロースエステル並びに炭水化物エステル及びポリオールエステルのブレンドも提供する。本発明はポリ乳酸及び炭水化物エステルを含むブレンドにも関する。更に、本発明はポリ乳酸並びにポリオールエステルを含むブレンドにも関する。更に、本発明はポリ乳酸及び炭水化物エステル及びポリオールエステルのブレンドも提供する。本発明はポリ塩化ビニル及び炭水化物エステル又はポリオールエステルを含むブレンドにも関する。更に、本発明はポリ塩化ビニル及びポリオールエステルを含むブレンドにも関する。更に、本発明はポリ塩化ビニル並びに炭水化物エステル及びポリオールエステルのブレンドも提供する。
別の側面において、本発明は新規な可塑剤によって可塑化されたポリマーから得られる製品に関する。更に、本発明は新規可塑剤材料を製造する種々の方法にも関する。更に、本発明は可塑剤組成物の使用方法にも関する。
本発明のその他の利点は、一部は以下の詳細な説明中に記載するが、一部はその説明から明らかであり、あるいは本発明を実施することによって知ることができるであろう。本発明の利点は、添付した「特許請求の範囲」中において詳細に示した要素及び組合せによって実現及び達成されるであろう。前記の概要及び以下の詳細な説明は、本発明の代表的及び説明的な側面であり、特許請求の範囲に記載した本発明を制限するものではないことを理解されたい。
図1はグルコースのα及びβアノマー並びに種々の触媒を用いた、それらと無水酢酸との反応を示す。
図2は、その場での(in situ)赤外分光法によって測定した、種々の触媒を用いた酪酸無水物とグルコースとの反応の相対速度を示す。
図3は水の吸収帯、プロピオン酸のカルボニル吸収帯及びグルコースのプロピオン酸エステルのカルボニル吸収帯を示す。赤外線スペクトルは、水性/プロピオン酸グルコース溶液からの水の除去前と水の除去後に、その場(in situ)で得た。
図4は、その場での赤外分光法によって測定した、水の添加及びGPPからの水及びプロピオン酸の共沸蒸留を示す。
図5はプロピオン酸のカルボニル吸収帯及びグルコースのプロピオン酸エステルのカルボニル吸収帯を示す。赤外線スペクトルは、共沸蒸留が始まる前と蒸留の完了後において、その場で得た。
図6は本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPの破断応力(break stress)及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPの破断応力を示す。
図7は本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPの曲げ弾性率及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPの曲げ弾性率を示す。
図8は本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPのノッチ付きアイゾッド衝撃強さ及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPのノッチ付きアイゾッド衝撃強さを示す。
図9は本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPについての曲げ弾性率対ノッチ付きアイゾッド衝撃強さ及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPの曲げ弾性率対ノッチ付きアイゾッド衝撃強さを示す。
図10は、もとのPVC及びGPPを含む製剤についての代表的な第2走査DSC加熱曲線を示す。
図11はXXP 19.9重量%を含むCAPについてのDMTAスペクトルである。
図12は選択されたCAP−XPA,XPPブレンドについての損失弾性率を示す。矢印はβ遷移が集中する温度を示す。
図13は選択されたCAP−XPA、XPPブレンドについてのtanδを示す。矢印はβ転移が集中する温度を示す。16.5重量%のXPAブレンドの場合には、β遷移はより高温にシフトし、α遷移と部分的に重なる。
図14は選択されたCAB−XPA、XPPブレンドについての損失弾性率を示す。矢印はβ遷移が集中する温度を示す。
図15は選択されたCAP−XPA、XPPブレンドについてのtanδを示す。矢印はβ遷移が集中する温度を示す。XPAブレンドの場合には、β遷移はより高温にシフトし、α遷移と部分的に重なる。
本発明は、以下の発明の詳細な説明及びそこに示された実施例を参照することにより、理解しやすくなる。本発明は本明細書中に記載した特定の方法、配合物及び条件に限定されず、当然変化し得るものであることを理解されたい。また、本明細書中で使用した用語は、特定の側面を説明するためのものであり、本発明をこれらに限定することを意図するものでないことも理解されたい。
本明細書中及び添付した「特許請求の範囲」において、多数の用語に言及するが、これらは以下の意味を有するものと定義するものとする。
単数形は、前後関係からそうでないことが明白でない限り、複数の対象を含む。
範囲は、「約」を付けた「一方の特定値」から及び/又は「約」を付けた「もう一方の特定値」までとして表すことができる。このような範囲を表す場合、もう1つの側面は、「一方の特定値」から及び/又は「もう一方の特定値」までを含む。同様に、先行する「約」を用いて値を近似値として表す場合、特定値は別の側面を形成することを理解されたい。
「任意の」又は「場合によっては」は、次に記載された事象又は状況が起こっても起こらなくてもよいこと、並びにその記載が当該事象又は状況が起こる場合と起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「場合によっては水を含む」という表現は、組成物が水を含む場合があること並びに記載が水を含む組成物と水を含まない組成物を共に包含することを意味する。
本明細書全体を通して、特許を参照する場合、参照によってこれらの特許の開示全体を本明細書の開示に取り入れる。
本明細書中で使用する「炭水化物」とは、糖類がピラノース又はフラノース(6員環又は5員環)の形態で存在する単糖類、二糖類又は三糖類を意味する。炭水化物の非限定的例としては、グルコース、スクロース、ラクトース、セロビオース、マンノース、キシロース、リボース、ガラクトース、アラビノース、フルクトース、ソルボース、セロトリオース及びラフィノースなどが挙げられる。
本明細書中で使用する「ポリオール」とは、炭水化物から誘導された非環式有機化合物であり、ポリオールは少なくとも4個の炭素原子を含む。ポリオールの非限定的例としては、ソルビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ガラクチトール、ラクチトールなどが挙げられる。
「可塑剤」は、ポリマー分子の内部修飾化(溶媒和)によって加工を容易にし且つ最終製品の柔軟性及び靭性を増大させるために、高重合体に添加される有機化合物である。後者は、副原子価結合によって結合させられ;可塑剤はこれらのいくつかを可塑剤と置き換え、ポリマー結合にする。
本発明によれば、炭水化物はC1におけるα又はβアノマーとして存在することができる(図1)。D−グルコースのαアノマーの場合には、C1、C2ヒドロキシルは互いにシスである。D−グルコースのβアノマーの場合には、C1、C2ヒドロキシルは互いにトランスである。
特に断らない限り、用語「炭水化物又はポリオールエステル」とは、本発明の新規な可塑剤を意味し、C2〜C12有機炭水化物エステル、C2〜C12ポリオールエステル、C2〜C12有機炭水化物エステルとC2〜C12ポリオールエステルとの混合物を含む。いくつかの側面において、可塑剤はC3〜C12ポリオールエステルから本質的になる。更にまた、ポリオールエステルはC3〜C4ポリオールエステルから本質的になることができる。
一側面において、本発明は、ポリマー用の可塑剤として使用するのに適した有機炭水化物エステル(以下、「炭水化物エステル」と称する)に関する。当業者ならば、有機エステルが炭素含有化合物をベースとするものであることがわかるであろう。本発明において有用な炭水化物は約1〜約3個の単糖単位を含む。炭水化物エステルの製造に使用する炭水化物は一般に、これより多い又は少ない単糖類単位を含む不純物を約10%未満含むであろう。別の側面において、出発炭水化物は単分散であることができる。更にまた、炭水化物エステルは、例えば燐酸ジフェニル含有材料のような燐酸エステルを含まない。当業者ならば理解できることであるが、このような材料は「有機エステル」とはみなされない。
本発明の炭水化物エステルの製造には広範囲の炭水化物を使用できる。別の側面において、そのような炭水化物としては、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、フルクトース、ソルボース、ラクトース、スクロース、セロビオース、セロトリオース及びラフィノースが挙げられるが、これらに限定するものではない。炭水化物は無水の形態、水和された形態であることができ、あるいは炭水化物は濃縮水溶液としても使用できる。例えば炭水化物がグルコースである場合には、無水の形態又はコーンシロップの形態、即ち約30重量%の又はそれより多くの水中のグルコースの形態で使用できる。更に、一水和物の形態のグルコースも使用できる。使用する形態は、少なくともある程度は、炭水化物を炭水化物エステルに転化するのに使用する方法によって異なる。本発明において炭水化物エステルを製造する適当な方法は以下の詳細に説明する。一側面において、水和された形態又は水性の形態の炭水化物を使用する場合には、以下により詳細に説明する、エステル化の脱水方法も有効であり得る。
更に別の側面において、本発明は、ポリマー用の可塑剤として使用するのに適したポリオールエステルに関する。本発明のポリオールエステルの製造に使用できるポリオールは、一般的には、少なくとも約4個の炭素原子を含む炭水化物から誘導される。別の非限定的側面において、適当なポリオールはソルビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ガラクチトール又はラクチトールの1種又はそれ以上を含むことができる。
ポリオールエステルを製造するポリオールは、無水の形態、水和された形態であることができ、あるいはポリオールは濃縮水溶液として得ることもできる。炭水化物エステルと同様に、使用する形態は、少なくともある程度は、ポリオールをポリオールエステルに転化するのに使用する方法によって異なる。適当な方法は以下の詳細に説明する。更にまた、セルロースエステルとポリオールエステルとの二成分混合物に関しては、適当なポリオールは、ソルビトールアセテート又はキシリトールアセテートを含まない。更にまた、このような二相混合物に適当なポリオールはC3〜C4ポリオールエステルから本質的になる。
本発明によれば、セルロースエステル及びPLA又はPVCのような他のポリマーのための可塑剤として使用するのに適当な炭水化物及びポリオールエステルを得ることができる。このような可塑剤は、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース、セロビオースのC3〜C12エステル、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース、セロビオースのC2〜C12エステル又はソルビトール、マンニトール、ガラクチトール、キシリトール及びアラビニトールのC2〜C12エステルの1種又はそれ以上を含むことができる。
別の側面において、炭水化物エステルは、C2〜C12エステル又はC2〜C10エステル若しくはC3〜C8エステルを含むことができる。更に、エステルの炭素鎖長は約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12であることもでき、いずれの値も、必要に応じて上端点又は下端点を構成することができる。
本発明の一側面において、炭水化物及びポリオールエステルは利用可能なヒドロキシル基の少なくとも約80%をエステル化することができる。更に、利用可能なヒドロキシル基の少なくとも約95%をエステル化することもできる。更に、炭水化物エステルは、利用可能なヒドロキシル基の少なくとも約80、85、90、95又は99%をエステル化することもでき、必要に応じていずれの値も上端点又は下端点として使用できる。
更に別の側面において、本発明の炭水化物及びポリオールエステルは、ASTM方法D 1925(その開示全体をこの参照によって本明細書中に取り入れる)によって測定した場合に約300未満のAPHA明度(color value)を有することができる。別の側面において、APHA明度は、約100未満であることができる。更に、APHA明度は約25、50、75、100、125、150、175、200、250又は300であることもでき、必要に応じて、いずれの値も上端点又は下端点を形成することができる。更に、炭水化物エステル及び/又はポリオールエステル並びにセルロースエステルの組成物は約25、50、75、100、125、150、175、200、250又は300のAPHA明度を有し、必要に応じて、いずれの値も上端点又は下端点を形成することもできる。
別の側面において、本発明の炭水化物エステル及びポリオールエステルは、熱重量分析の標準方法によって測定した場合に、約150℃を超えるまでは、約10重量%の減量には達しないであろう。更に別の側面においては、約200℃を超えるまでは10重量%の減量は起こらない。
別の側面において、本発明の炭水化物エステルはグルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、アラビノース、ラクトース又はセロビオースの1種又はそれ以上から得ることができる。別の非限定的側面において、エステル基は酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、オクテン酸エステル又はノナン酸エステルを含むことができる。更にまた、本発明の炭水化物エステルは、α−グルコースペンタアセテート、β―グルコースペンタアセテート、α−グルコースペンタプロピオネート、β―グルコースペンタプロピオネート、α−グルコースペンタブチレート及びβ−グルコースペンタブチレートの1種又はそれ以上を含むことができる。
別の側面において、本発明のポリオールエステルは、ソルビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ガラクチトール及びラクチトールの1種又はそれ以上から得ることができる。別の非限定的側面において、エステル基はプロピオン酸エステル又は酪酸エステルを含むことができる。更に別の側面において、本発明のポリオールエステルは、ソルビトールヘキサプロピオネート又はキシリトールペンタプロピロネートの1種又はそれ以上を含むことができる。
本発明のセルロースエステルは、構造:
Figure 2005515285
(式中、R1、R2及びR3は、独立に、水素又は炭素数2〜10の直鎖アルカノイルからなる群から選ばれる)
の反復単位を含むことができる。
本発明のセルロースエステルは、セルローストリエステル又は二次セルロースエステルからなる群であることができる。セルローストリエステルの例としては、セルローストリアセテート、セルローストリプロピオネート及びセルローストリブチレートが挙げられる。二次セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートが挙げられる。このようなセルロースエステルは、米国特許第1,698,049号、第1,683,347号、第1,880,808号、第1,880,560号、第1,984,147号、第2,129,052号及び第3,617,201号に記載されており、これらの特許の開示全体をこの参照によって本明細書中に取り入れる。
本発明において有用なセルロースエステルは、公知の方法を用いて製造することもできるし、あるいはEastman Chemical Company,Inc.(Kingsport,TN)から市販されている。
本発明において有用なセルロースエステルは、一般に、GPCによってポリスチレン換算値を用いて測定した場合に、約5,000〜約400,000の重量平均分子量(MW)を有する。更にまた、セルロースエテルのMWは、約100,000〜約300,000であることができる。更にまた、MWは約125,000〜約250,000であることができる。更にまた、セルロースエステルのMWは、約100,000、125,000、150,000、175,000、200,000、225,000、250,000、275,000又は300,000であることができ、必要に応じて、いずれの値も上端点又は下端点として使用できる。
本発明において使用できるセルロースエステルのDSは約0.7〜約3.0であることができる。別の側面において、DSは約1.7〜約2.8であることができる。更にまた、DSは約1.9〜約2.6であることができる。更にまた、セルロースエステルのDSは約0.7、0.9、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8又は3.0であることができ、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点として使用できる。MW及びDSは、一般に、セルロースエステルを使用する用途によって異なるであろう。いくつかの場合には、当業者には理解できることであるが、各アシル置換基のDSはセルロース混合エステルの性質に影響を及ぼすおそれがあり、従って、一般に、そのようなセルロースエステルから製造される製品の最終性質に影響を及ぼし得る。
別の側面において、使用できるセルロースエステルはセルローストリアセテート(CTA)、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)などの1種又はそれ以上を含むことができる。
別の側面においては、本発明は、(A)セルロースのC2〜C10エステル約5〜約95重量%;及び(B)C2〜C12炭水化物エステル約5〜約95重量%からなる組成物を含む。炭水化物は約1〜約3個の単糖単位を含み、百分率は成分(A)+成分(B)の重量に基づく。本発明の別の側面において、セルロースエステルの量は、約50〜約90重量%であり、C2〜C12炭水化物エステルの量は約50〜約10重量%であることができる。更にまた、セルロースエステルの量は約70〜約85重量%であることができ、C2〜C12炭水化物エステルの量は約30〜約15重量%であることができる。更に、セルロースエステルの量は組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。更にまた、C2〜C12炭水化物エステルの量は組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点であることができる。
本発明の別の非限定的側面において、セルロースエステル及び炭水化物エステルの具体的組成物として、以下のものが挙げられるがこれらに限定するものではない。DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタアセテート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタアセテート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタブチレート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタアセテート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタブチレート;DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DS約1.9〜約2.2のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;DS約1.9〜約2.2のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β―グルコースペンタブチレート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネート;及びDS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレート。
本発明の別の側面は、(A)セルロースのC2〜C10エステル約5〜約95重量%;及び(B)ポリオールのC3〜C12エステル約5〜約95重量%(ここでポリオールはC5又はC6の炭水化物から得られ、百分率はいずれも成分(A)+成分(B)の重量に基づく)を含む組成物に関する。当業者ならば、C1アルデヒドのアルコールへの還元のような方法によってC5〜C6炭水化物をポリオールに転化できることがわかるであろう。本発明の別の側面において、組成物中のセルロースエステルの量は、約70〜約90重量%であることができ、ポリオールエステルの量は約30〜約10重量%であることができる。更にまた、セルロースエステルの量は約70〜約85重量%であることができ、ポリオールエステルの量は約30〜約15重量%であることができる。更に、セルロースエステルの量は、組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。更にまた、ポリオールエステルの量は、組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。更に別の側面において、組成物がセルロースエステル及びポリオールエステルを含む場合には、ポリオールエステルはC2ポリオールエステルを含まない。更にまた、セルロースエステルと組合せる場合には、ポリオールエステルは本質的にC3〜C4ポリオールからなり、ポリオールエステルはC5〜C6炭水化物から誘導される。
別の非限定的側面において、セルロースエステル及びポリオールエステルの組成物としては以下のものを挙げることができる。DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサブチレート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタブチレート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタブチレート;DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタブチレート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサブチレート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタブチレート;並びにDS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート。
本発明に従って、セルロースエステルの可塑剤として使用する場合に、ポリオールのC3又はC4エステルが意外な結果を生じることが判明した。特に、以下の例17及び20に開示されるように、アセテート基を含むポリオールエステルは、他のエステル基を含むポリオールエステルよりも可塑化特性が劣っている。特に、意外なことに、エステル基がアセテートでないポリオールエステルは、このようなポリオールエステル及びセルロースエステルを含む組成物から製造される製品に優れた物理的性質を与えることが判明した。特に、以下の例17及び20に示されるように、キシリトールペンタプロピオネートは、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートに対してはキシリトールペンタアセテートよりも著しく優れた可塑剤であることが判明した。
以下の実施例に示すように、本発明の炭水化物エステル及びポリオールエステル可塑剤は、セルロースエステルと相溶性であるので、少なくともある程度は組成依存的であり得るガラス転移温度及び溶融粘度を有する配合物を生じる。しかし、これらの配合物の物理的性質は意外なことに、もとのセルロースエステルと非常に類似していることが判明した。理論にとらわれずに、炭水化物エステルは二峰性(bimodal)可塑剤として作用できると考えられる。対照的に、いくつかのポリオールエステルは、組成依存的なガラス転移温度、溶融粘度及び物理的性質を生じることが判明した。即ち、ポリオールエステルは、少なくともある程度は可塑化希釈剤として作用すると本発明者らは考えている。これらの成分を組合せて、セルローエステル、炭水化物エステル及びポリオールエステルの三成分混合物を形成することによって、溶融粘度は低いが、およそセルロースエステル/炭水化物エステル二成分混合物とセルロースエステル/ポリオールエステル二成分混合物との中間の物理的性質を有する新規組成物が得られた。
一側面において、炭水化物エステルは、α―アノマーを含む。更にまた、炭水化物エステルはβ−アノマーを含む。更にまた、炭水化物エステルはα−アノマーとβ−アノマーとの混合物を含む。意外なことに、特定のアノマー立体配置が炭水化物エステルをセルロースエステルに適合させることができることが判明した。その結果として、これは特定の炭水化物エステルを特定の用途に適合させることができる。
従って、本発明の別の側面は、(A)DS約0.7〜3.0のセルロースのC2〜C10エステル約5〜約95重量%;(B)ポリオールのC2〜C12エステル約1〜約50重量%(ここでポリオールはC5又はC6の炭水化物から誘導される);及び(C)C2〜C12炭水化物エステル(ここで炭水化物は約1〜約3の単糖単位からなる)約4〜約94重量%(ここで百分率は成分(A)+成分(B)+成分(C)の重量に基づく)を含んでなる組成物に関する。更にまた、セルロースエステルの量は、組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。更にまた、ポリオールエステルの量は、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。更にまた、炭水化物エステルの量は、組成物の約4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は94重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。
別の非限定的側面において、セルロースエステル、炭水化物エステル及びポリオールエステルの三成分組成物としては以下のものが挙げられる。DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタブチレートと、キシリトールペンタブチレート;DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタブチレートと、ソルビトールペンタブチレート;DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタンプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;並びにDS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレートと、キシリトールペンタブチレート。
本発明の更に別の側面において、三成分組成物中のセルロースエステルの量は、約60〜約90重量%であることができ、ポリオールエステルの量は約5〜約35重量%であることができ、炭水化物エステルの量は約5〜約35重量%であることができる。更にまた、セルロースエステルの量は60、65、70、75、80、85又は90重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。更にまた、ポリオールエステルの量は約5、10、15、20、25、30又は35重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。更にまた、炭水化物エステルの量は約5、10、15、20、25、30又は35重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。
本発明の組成物はいずれも、場合によっては更に、組成物の総重量に基づき、約0.001〜約50重量%の、以下から選ばれた少なくとも1種の追加の添加剤を含むことができる。非炭水化物を基材とする可塑剤、脂肪族ポリエステル、脂肪族−芳香族コポリエステル、熱安定剤、酸化防止剤、酸化促進剤、酸捕捉剤、UV安定剤、無機充填剤及び澱粉。典型的な可塑剤の例としては、フタル酸ジエチル、アジピン酸ジオクチル、クエン酸トリエチル又は燐酸トリフェニルが挙げられる。ポリエステル及びコポリエステルの例は、米国特許第5,292,783号、第5,589,566号及び第5,589,566号に記載されており、その開示全体をこの参照によって本明細書中に取り入れる。充填剤の非限定的例としては、TiO2、CaCO3及びシリカが挙げられる。
本発明の新規炭水化物及びポリオールエステルはセルロースエステル以外のポリマーのための可塑剤としても有用である。このようなポリマーの非限定的例としてはポリエステル、ポリアルカノエート及びビニルポリマーが挙げられる。炭水化物及びポリオールエステルはポリ乳酸(PLA)又はポリ塩化ビニル(PVC)用の可塑剤として特に有用であることが判明した。
従って、本発明の一側面は、(A)ポリ乳酸約5〜約95重量%;及び(B)C2〜C12炭水化物エステル(ここで炭水化物は約1〜約3の単糖単位を含む)約5〜約95重量%(ここで百分率はいずれも成分(A)+成分(B)の重量に基づく)を含んでなる組成物に関する。本発明の別の側面は、(A)ポリ乳酸約5〜約95重量%;及び(B)C2〜C12ポリオールエステル(ここでポリオールはC5又はC6炭水化物から誘導される)約5〜約95重量%(ここで百分率は成分(A)+成分(B)の重量に基づく)を含む組成物に関する。更にまた、ポリ乳酸の量は組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点として使用できる。更にまた炭水化物エステル又はポリオールエステルの量は組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。
本発明の別の側面は、(A)ポリ乳酸約5〜約95重量%;(B)C2〜C12ポリオールエステル約1〜約50重量%(ここでポリオールはC5又はC6炭水化物から誘導される);及び(C)C2〜C12炭水化物エステル(ここで炭水化物は約1〜約3の単糖単位を含む)約4〜約94重量%(ここで百分率は成分(A)+成分(B)+成分(C)の重量に基づく)を含んでなる組成物に関する。更にまた、ポリ乳酸の量は、60、65、70、75、80、85又は90重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。更にまた、ポリオールエステルの量は、約5、10、15、20、25、30又は35重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。更にまた、炭水化物エステルの量は、約4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は94重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。
本発明の更に別の側面は、(A)ポリ塩化ビニル約5〜約95重量%;及び(B)C2〜C12炭水化物エステル(ここで炭水化物は約1〜約3の単糖単位を含む)約5〜約95重量%(ここで百分率は成分(A)+成分(B)の重量に基づく)を含んでなる組成物に関する。更にまた、ポリ塩化ビニルの量は、組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。更にまた、炭水化物エステルの量は、組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。
本発明の更に別の重要な側面は、(A)ポリ塩化ビニル約5〜約95重量%;及び(B)C2〜C12ポリオールエステル(ここでポリオールはC5又はC6炭水化物から誘導される)約5〜約95重量%(ここで百分率は成分(A)+成分(B)の重量に基づく)を含んでなる組成物に関する。更にまた、ポリ塩化ビニルの量は、組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。更にまた、ポリオールエステルの量は、組成物の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点として使用できる。
本発明の更に別の重量な側面は、(A)ポリ塩化ビニル約5〜約95重量%;(B)C2〜C12ポリオールエステル(ここでポリオールはC5又はC6炭水化物から誘導される)約1〜約50重量%;及び(C)C2〜C12炭水化物エステル(ここで炭水化物は約1〜約3の単糖単位を含む)約4〜約94重量%(ここで百分率は成分(A)+成分(B)+成分(C)の重量に基づく)を含む組成物に関する。更にまた、ポリ塩化ビニルの量は、約60、65、70、75、80、85又は90重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。更にまた、ポリオールエステルの量は、約5、10、15、20、25、30又は35重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。更にまた、炭水化物エステルの量は、約4、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は94重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて、上端点又は下端点を形成できる。
本発明の別の側面は、ポリマー組成物の可塑化方法に関する。一側面において、この方法は、可塑剤をポリマー組成物中に導入することを含む。更にまた、この方法は、可塑剤とポリマー組成物とを混合することを含む。可塑剤は、本発明の炭水化物エステル又はポリオールエステルの1種又はそれ以上を含むことができる。ポリマー組成物は、本明細書中の他の場所で説明したように、セルロースエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアルカノエート及びビニルポリマーの任意の1種又はそれ以上であることができる。
本明細書中で使用する「混合」は、各成分が実質的に組成物全体に溶け込まされた、2種又はそれ以上の成分を含む材料を形成する任意の方法を包含する。化学及び化学工業の技術に熟練した者に知られた任意の混合方法が、用語「混合」の意味に含まれる。適当な混合方法の例は、混ぜ合わせ、溶融ブレンド及び乾燥ブレンドである。ブレンドは、例えば溶融押出機、混練押出機、ロールミル、高剪断ミキサー又は二軸スクリュー配合機を用いて実施できる。
本発明の別の側面は、(a)炭水化物、塩基触媒、場合によってはC2〜C12アシル酸又はそれらの混合物、及び制限部分のC2〜C12アシル酸又はそれらの混合物を合し;(b)部分エステル化炭水化物を生成するのに充分な時間、充分な温度で(a)の混合物を接触させ;(c)β−アノマー含量が少なくとも約50%のエステル化炭水化物を生成するのに充分な時間、充分な温度でインクレメント量(incremental amount)のC2〜C12アシル無水物を反応混合物(b)と接触させ;そして(d)工程(b)及び(c)において得られたβ−アノマー含量が本質的に変化しない炭水化物エステル可塑剤を生成するのに充分な時間、充分な温度で酸触媒を反応混合物(c)と接触させる工程を含む、C2〜C12炭水化物エステルを製造するための、制限無水物方法に関する。本明細書中で使用する用語「制限無水物(anhydride limited)」とは、工程(a)へのインクレメント量の無水物の添加を意味する。無水物の量をこのようにして制限することによって、反応の発熱量は制限されることができ且つ生成物の色度(colors)は改良されることができることが判明した。別の側面において、β−アノマー含量は約50%、60%、70%又は80%であり、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点を形成することができる。
本発明の別の側面は、(a)塩基触媒、C2〜C12アシル酸若しくはそれらの混合物、C2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物を合し;(b)β−アノマー含量が少なくとも約50%の炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において(a)の混合物をインクレメント量の炭水化物と接触させ;そして(c)工程(b)において得られたβ−アノマー含量が本質的に変化しない炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において酸触媒を反応混合物(b)と接触させる工程を含んでなる、C2〜C12炭水化物エステルを製造するための、制限固形分方法に関する。本明細書中で使用する用語「制限固形分(solids limited)」とは、工程(b)における固体炭水化物材料のインクレメント量添加(「制限された」)を意味する。本発明に従って、このような添加は発熱量の制御を助けることができ且つ最終炭水化物エステル中によりすぐれた色度を生じることが判明した。別の側面において、β−アノマー含量は約50%、60%、70%又は80%であり、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点を形成することができる。
本発明の別の側面は、(a)炭水化物若しくは水和炭水化物の濃縮水溶液、塩基触媒、場合によっては、C2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物及びC2〜C12アシル酸を合し;(b)水/アシル酸共沸混合物の除去及び場合によっては、炭水化物の部分エステル化を引き起こすのに充分な時間、充分な温度において(a)の混合物を接触させ;(c)β−アノマー含量が少なくとも約50%である炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において、(b)の反応混合物をインクレメント量のC2〜C12アシル無水物と接触させ;そして(d)工程(b)及び(c)において得られたβ−アノマー含量が本質的に変化しない炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において酸触媒を反応混合物(c)と接触させる工程を含んでなる、C2〜C12炭水化物エステルを製造するための、脱水方法に関する。本明細書中で使用する用語「脱水(dehydration)」とは、共沸による及び/又は無水物との反応による、工程(b)からの水の除去を意味する。別の側面において、β−アノマー含量は約50%、60%、70%又は80%であり、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点を形成することができる。
本発明の更に別の側面は、(a)炭水化物、酸触媒、場合によっては、C2〜C12アシル酸若しくはそれらの混合物及び制限部分のC2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物を合し;(b)部分エステル化炭水化物を生成するのに充分な時間、充分な温度において、(a)の混合物を接触させ;(c)α−アノマー含量が少なくとも50%であるエステル化炭水化物を生成するのに充分な時間、充分な温度においてインクレメント量のC2〜C12アシル無水物を反応混合物(b)と接触させ;そして(d)工程(b)及び(c)において得られたα−アノマー含量が本質的に変化しない炭水化物エステル可塑剤を生成するのに充分な時間、充分な温度において塩基触媒を反応混合物(c)と接触させる工程を含んでなる、C2〜C12炭水化物エステルを製造するための制限無水物法を提供する。別の側面において、工程(b)において得られるα−アノマー含量は約50%、60%、70%、80%又は90%であり、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点を形成することができる。
本発明の別の側面は、(a)酸触媒、C2〜C12アシル酸若しくはそれらの混合物及び2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物を合し;(b)α−アノマー含量が少なくとも約50%の炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において(a)の混合物をインクレメント量の炭水化物と接触させ;そして(c)工程(b)において得られたα−アノマー含量が本質的に変化しない炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において塩基触媒を反応混合物(b)と接触させる工程を含んでなる、C2〜C12炭水化物エステルを製造するための、制限固形分方法を提供する。別の側面において、工程(b)において得られるα−アノマー含量は約50%、60%、70%、80%又は90%であり、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点を形成することができる。
本発明の別の側面は、(a)炭水化物若しくは水和炭水化物の濃縮水溶液、酸触媒、場合によっては、C2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物及びC2〜C12アシル酸若しくはそれらの混合物を合し;(b)水/アシル酸共沸混合物の除去及び場合によっては、炭水化物の部分エステル化を引き起こすのに充分な時間、充分な温度において(a)の混合物を接触させ;(c)アノマー含量が少なくとも約50%である炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において、(b)の反応混合物をインクレメント量のC2〜C12アシル無水物と接触させ;そして(d)工程(b)において得られたα−アノマー含量が本質的に変化しない炭水化物エステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において塩基触媒を反応混合物(c)と接触させる工程を含んでなる、C2〜C12炭水化物エステルを製造するための脱水方法を提供する。別の側面において、工程(b)において得られるα−アノマー含量は約50%、60%、70%、80%又は90%である。
本発明の更に別の側面は、(a)ポリオール、触媒、場合によっては、C2〜C12アシル酸若しくはそれらの混合物及び制限部分のC2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物を合し;(b)部分エステル化ポリオールを生成するのに充分な時間、充分な温度において、(a)の混合物を接触させ;そして(c)C2〜C12ポリオールエステルを生成するのに充分な時間、充分な温度においてインクレメント量のC2〜C12アシル無水物を反応混合物(b)と接触させる工程を含んでなる、C2〜C12ポリオールエステルを製造するための制限無水物法を提供する。
本発明の別の重要な側面は、(a)触媒、C2〜C12アシル酸若しくはそれらの混合物又はC2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物を合し;そして(b)C2〜C12ポリオールエステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において(a)の混合物をインクレメント量のポリオールと接触させる工程を含んでなる、C2〜C12ポリオールエステル可塑剤を製造するための制限固形分法を提供する。
本発明の別の重要な側面は、(a)ポリオール若しくは水和ポリオールの濃縮水溶液、触媒、場合によってはC2〜C12アシル無水物若しくはそれらの混合物及びC2〜C12アシル酸若しくはそれらの混合物を合し;(b)水/アシル共沸混合物の除去及び場合によってはポリオールの部分エステル化を引き起こすのに充分な時間、充分な温度において(a)の混合物を接触させ;そして(c)C2〜C12ポリオールエステルを生成するのに充分な時間、充分な温度において(b)の反応混合物をインクレメント量のC2〜C12アシル無水物と接触させる工程を含んでなる、C2〜C12ポリオールエステルを製造するための脱水方法を提供する。
炭水化物又はポリオールエステルの製造において、アシル無水物を使用することができる。適当なアシル無水物は、直鎖脂肪族無水物を含むことができる。具体的な非限定的アシル無水物の例としては、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、ペンタン酸無水物、ヘキサン酸無水物などが挙げられる。
炭水化物又はポリオールエステルの製造において、アシル酸を使用できる。適当なアシル酸は、直鎖脂肪族酸を含む。具体的な非限定的アシル酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸等が挙げられる。炭水化物又はポリオールエステルの製造において、アシル酸はアシル無水物に相当することができる。
一側面において、本発明の炭水化物エステル又はポリオールエステルの製造に使用するアシル無水物の総量は、約0.8〜約2ヒドロキシル当量であることができる。ヒドロキシル当量は、炭水化物又はポリオールのモル数に、エステル化に利用できるヒドロキシル基の数を掛けることによって計算できる。別の側面において、アシル無水物の総量は、約0.9〜約1.2ヒドロキシル当量であることができる。別の側面において、炭水化物又はポリオールが水を含む場合には、無水物の加水分解のために、一般に過剰量のアシル無水物が必要であろう。この場合、アシル無水物の量は約1.0〜約1.3ヒドロキシル当量であることができる。
本発明の炭水化物又はポリオールエステルの製造に有用な触媒としては、NaOAc、KOAc、ZnCl2、FeCl3、HClO4、MSA、H2SO4などが挙げられる。適当な塩基触媒の非限定的例としては、ナトリウム金属、カリウム金属、NaOH、KOH、Ca(OH)2、Na2CO3、K2CO3、CaCO3、カルボン酸のNa塩、カルボン酸のK塩及びカルボン酸のCa塩が挙げられる。適当な酸触媒の非限定的例としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びHClO4が挙げられる。
いくつかの側面においては、カルシウム塩触媒を使用するのが有益であるかもしれない。アシル酸のカルシウム塩は前もって形成することもできるし、あるいは反応前又は反応中においてその場で(in situ)製造することもできる。いくつかの状況においてCa塩基触媒が優先であるのは、これらの材料が、出発原料の分解や炭水化物又はポリオールエステル中における着色を引き起こさずに、炭水化物又はポリオールのエステル化を触媒できるという、本発明における観察に基づく。更に、反応媒体中における限られた溶解度のために、Ca塩基触媒は一般に、反応中に過剰で制御不能な発熱を引き起こさず、その結果、より制御可能で安全な方法を提供することがわかった。更に、炭水化物又はポリオールエステル中の残留Ca触媒は、その後にMWを減少させたり、造形品を製造するための熱加工の間にセルロースエステルの着色を引き起こしたりしないことが判明した。
更に、炭水化物エステル化反応において、Ca塩基触媒はβ−アノマーを優先的に形成できることが判明した。正確なβ−アノマー含量は、少なくともある程度は、エステル化される炭水化物、反応温度、反応時間、エステル化に使用されるアシル無水物及び炭水化物エステルの単離に使用する方法に左右されると考えられる。本発明の方法のいくつかの側面において、炭水化物エステル中のβ−アノマーの量は、約95〜約50%の範囲であることができる。更にまた、炭水化物エステル中のβ−アノマーの量は約80〜約60%の範囲であることができる。更にまた、β−アノマー含量は、50、55、60、65、70、75、80、85、90又は95%であることができ、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点を形成できる。場合によっては、アノマーの立体配置が炭水化物エステルとポリマーとの相溶性に影響を与え、その結果、ポリマー配合物の物理的性質に影響を与える可能性があるという発見のために、アノマー中心の立体配置は関連がある。
いくつかの側面において、炭水化物又はポリオールエステルを製造するための触媒は、p−トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸を含むことができる。メタンスルホン酸は、酸触媒をCa塩基触媒と組合せて使用する場合に有用であることができる。意外なことに、エステル化反応の早い時期に塩基触媒を使用すると、反応の初期段階は比較的速く、反応の後期段階は非常に遅い。完全な又は実質的に完全なエステル化を達成するためには、比較的長い反応時間又は比較的高い反応温度を使用するのが必要な場合があり、それが着色生成物の形成を引き起こす。一側面において、この問題は、反応の初期段階を触媒としてCa塩を用いて実施し且つ反応の後期段階を触媒としてMSAを用いて実施することによって克服できる。Ca塩を用いて反応を完了させると、溶融加工に必要とされる優れた熱安定性を得ることができる。炭水化物エステルの場合には、初期反応段階においてCa塩塩基触媒を用いて得られる高β−アノマー含量は、MSA酸触媒の添加によってそれほど変化しないことがわかった。即ち、α/β−アノマーは一般的に、反応条件下において平衡せず、従って、最終エステル中において高β−含量が得られる。
逆に、高α−含量を有し且つ優れた熱安定性を有する炭水化物エステルを製造するのが望ましい場合には、反応の初期段階をMSAを用いて、反応の最終段階をCa塩を用いて実施することができる。この側面では、α−及びβ−アノマーの平衡は通常は起こらないと考えられる。
反応の初期段階で使用する酸又は塩基触媒の量は、反応中の炭水化物又はポリオールのモルに基づき、約0.0001〜約0.2当量であることができる。更にまた、反応の初期段階の酸又は塩基触媒の量は、約0.003〜約0.01当量であることができる。反応の第2段階に使用する酸又は塩基触媒の量は、第1段階で使用した酸又は塩基触媒の中和した後の炭水化物又はポリオールのモル当量に換算して表すことができる。反応の第2段階で使用する酸又は塩基触媒の量は、約0.0001〜約0.1当量であることができる。更にまた、反応の第2段階の酸又は塩基触媒の量は、約0.001〜約0.01当量であることができる。
制限無水物方法に関する一側面において、工程(a)におけるアシル無水物の量は約0.01〜約0.4ヒドロキシル当量であることができる。工程(a)におけるの無水物のより制限的な量は、約0.1〜約0.3ヒドロキシル当量であることができる。
制限固形分方法に関する一側面において、工程(a)におけるカルボン酸の量は、反応に使用されるアシル無水物の総量に基づき、約0.1〜約25重量%であることができる。別の側面において、アシル無水物の量は、カルボン酸の約2〜約10重量%であることができる。更にまた、カルボン酸の量は、0.1、2、5、7、10、12、15、17、20、22又は25重量%であることができ、いずれの値も必要に応じて上端点又は下端点として使用できる。
脱水方法に関する一側面において、工程(a)に必要なカルボン酸又は無水物の量は、水溶液中の水の量、共沸混合物の水/カルボン酸含量、炭水化物のエステル化度及び炭水化物のスラリーを保持するのに必要なカルボン酸の量に関連するであろう。別の側面において、カルボン酸又は無水物の量は、水を除去後の炭水化物の重量に基づき約5〜約150重量%のカルボン酸又は無水物を生成する量であることができる。更に別の側面において、カルボン酸又は無水物の量は、水を除去後の炭水化物の重量に基づき、約25〜約45重量%のカルボン酸を生成する量であることができる。
本発明の炭水化物及びポリオールエステルの製造において、エステル化反応の実施温度は、約60〜約120℃であることができる。別の側面において、エステル化反応は約75〜約100℃で実施できる。更にまた、エステル化反応は、約80〜約90℃において実施できる。エステル化反応を実施する正確な温度は、使用するアシル無水物、エステル化される炭水化物又はポリオール並びに反応に使用する触媒の型及び量を含む(これらに限定されない)多数の因子に左右されることに注意しなければならない。
更に、エステル化反応時間は通常は、反応温度、触媒の型、触媒使用量、炭水化物又はポリオールの型などのような多数の因子に左右されるであろう。反応時間が短いほど、一般的に生成物中に生成される色は少ない。本発明の一側面において、反応時間は約24時間未満であることができる。別の側面において、反応時間は、約10時間未満であることができる。反応の適当な時間及び温度は、当業者ならば、充分に実験をしなくても容易に決定できる。
反応混合物は、炭素粉末のような減色剤と接触させて、反応の過程で生成される色を減少させることができる。更に、場合によっては、生成物から過剰のカルボン酸を除去することが望ましいこともある。結晶炭水化物又はポリオール酢酸エステル(例えばグルコースペンタアセテート)の場合には、このような除去方法の1つは、大部分の酢酸を除去するための蒸留と、それに続く、非溶媒の添加による生成物の沈殿及び残留酢酸の除去であることができる。しかし、本発明に従って製造される他の炭水化物及びポリオールエステルの多くは、粘稠な液体である。アシル酢酸の大部分(約80〜90重量%)は蒸留によって除去できるが、残留アシル酸の除去は一般に、低真空又は極低真空、高温及び長い蒸留時間を必要とし、これが炭水化物又はポリオールエステルに不所望な色を生じる可能性がある。一般に、アシル酸は許容され得ない臭気を生じ、更なる色を発生させ、炭水化物又はポリオールエステルを含むポリマー組成物の分子量を低下させ且つ熱加工時にポリマー組成物の物理的性質を低下させるおそれがあるので、液体炭水化物又はポリオールエステル可塑剤中の残留アシル酸は少量でも除去することが重要である。更に、結晶炭水化物又はポリオール酢酸エステルは一般に、弱い酢酸水溶液中への溶解性の良いので、生成物を妥当な収率で得るためには、非溶媒の添加前に酢酸を除去することが必要な場合がある。
本発明の別の側面において、極めて緩和な条件下で、炭水化物又はポリオールエステル可塑剤から水/アシル酸共沸混合物を蒸留することによって、極めて低レベルのアシル酸を含む炭水化物又はポリオールエステルを得ることができる。非常に意外なことであるが、この方法を用いて観察される炭水化物又はポリオールエステルの加水分解は、たとえあったとしても、非常に少ない。別の側面において、水/アシル共沸混合物は、水/酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸及びヘキサン酸である。反応温度及び時間は一般に、反応圧力、共沸混合物の組成及び水による可塑剤の飽和度に左右されるであろう。本発明の特定の側面において、炭水化物又はポリオールエステル可塑剤の飽和に充分な水を、多数回に分けて添加することができる。次いで、共沸混合物を約100℃未満及び約760mmHg未満の温度及び圧力において除去することができる。別の側面において、温度及び圧力は約60℃未満及び約60mmHg未満であることができる。別の側面において、共沸蒸留後に炭水化物又はポリオールエステル可塑剤中に残るカルボン酸の量は、炭水化物又はポリオールエステルの重量に基づき、約1重量%未満であることができる。別の側面において、約0.5重量%未満のカルボン酸が炭水化物又はポリオールエステル中に残る。
共沸蒸留によるカルボン酸の除去後、結晶炭水化物又はポリオールエステル(例えばグルコースペンタアセテート)は、非溶媒の添加によって、又は水のような非溶媒中への溶融塊の押出によって、単離できることは、当業者にはわかるであろう。非晶質の液体炭水化物又はポリオールエステルは、それ以上精製することなく使用できる。本発明の別の側面において、炭水化物又はポリオールエステル及びセルロースエステル、ポリ乳酸若しくはポリ塩化ビニル又は他のポリマーを含む組成物はフィルム、成形品及び繊維のような造形品に変換できる。
一側面において、フィルムは、適当な溶媒からの流延、溶融圧縮、溶融押出などによって製造できる。具体的なポリマー組成、溶媒及び加工条件は一般に、対象とする用途及び目的の物理的性質によって決まるであろう。従って、広い組成範囲及び加工ウィンドーが期待される。しかし、このような条件は、当業者ならば、充分に実験しなくても容易に決定できる。
フィルムは、薄いフィルム又は厚いシートの形態であることができる。フィルムは、フィルムを不透明にするために故意に添加剤を用いるのでなければ、光学的に透明又はほとんど透明であることができる。この組成物は、可塑剤の揮発性又は移行による可塑剤の減少がほとんど又は全くない、熱安定性フィルムを生成することが判明した。この新規組成物から製造される薄いフィルムは、透明な包装、テープ裏地、フィルム裏地のような用途に及び液晶ディスプレイ用の保護フィルムとして特に適するであろう。本発明の組成物から形成される厚いシートは、眼鏡フレーム、安全ガラス、屋外光学ディスプレイ、工具用部品などのような用途に特に適することができる。多くの場合、これらの物は、押出された厚いシートから切り取るか打ち抜くことができる。
別の側面において、成形品は、射出成形又は圧縮成形などによって製造できる。別の側面において、具体的な組成及び加工条件は一般に、対象とする用途及び目的の物理的性質によって決まるであろう。従って、広い組成範囲及び加工ウィンドーが期待される。しかし、このような条件は、当業者ならば、充分に実験しなくても容易に決定できる。
本発明の組成物を成形することによって製造できる物の非限定的例としては、歯ブラシの柄、玩具、自動車装備品、工具の柄、カメラの部品、カミソリの部品、ペン・バレル、ボトル、電子ハウジング、食品収納容器、CDジュエルケース、医療用器具及びコネクター、小型家庭電化製品のハウジング及び部品、大型家庭電化製品のハウジング及び部品、食器類、食卓用金物などが挙げられる。
更に別の側面において、これらの組成物からなる繊維は、適当な溶媒から紡糸するか繊維を熱押出することによって製造できる。具体的な組成、繊維形成方法、紡糸溶媒及び加工条件は一般に、対象とする用途及び目的の物理的性質によって決まるであろう。従って、広い組成範囲及び加工ウィンドーが期待される。しかし、具体的条件は、当業者ならば、充分に実験しなくても容易に決定できる。
本発明の新規組成物から製造される繊維は一般に、衣類、濾過装置、おむつの表面シート、生理用ナプキン、手術用衣類、衛生製品、ジオテキスタイル及び複合材料の製造に有用である。
本発明の一側面は、フィルムを接着テープとして使用できるように接着剤を塗布するのに適した薄いフィルムの溶融押出に関する。別の側面において、透明テープ裏地に使用できる新規組成物は、約5〜約50重量%又は約10〜約35重量%の炭水化物又はポリオールエステルを含む、DSが約2.2〜約2.8又は約2.4〜約2.6のセルロースアセテートを含む。炭水化物エステルを使用する場合には、それはグルコースペンタアセテート又はグルコースペンタプロピオネートを含むことができる。更にまた、透明テープ裏地に使用できる組成物は、約5〜約50重量%又は約15〜約30重量%のβ−グルコースペンタプロピオネートを含む、DS約2.3〜約2.7又は約2.4〜約2.5のセルロースアセテートを含む。更に別の側面において、透明テープ裏地用のフィルムを約230〜約290℃の温度において溶融押出して実質的に着色していないフィルムを生成することができるように、新規組成物は充分に熱安定性でなければならない。更にまた、フィルムは約0.01〜約3mm又は約0.1〜約1mmの厚さを有する。
本発明の別の側面において、写真フィルム及び映画フィルム裏引きとして使用するのに適した溶液流延フィルムが提供される。一側面において、写真フィルム及び映画フィルム裏引きに使用される組成物は、約5〜約50重量%又は約5〜約35重量%の炭水化物又はポリオールエステルを含む、DSが約2.4〜約3.0又は約2.6〜約2.9のセルロースアセテートを含むことができる。炭水化物又はポリオールエステルの非限定的例は、グルコースペンタアセテート、グルコースペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート又はグルコースペンタプロピオネート/ソルビトールヘキサプロピオネート若しくはグルコースペンタプロピオネート/キシリトールペンタプロピオネートの混合物のうち1種又はそれ以上である。更に別の側面において、写真フィルム及び映画フィルム裏引きは、約10〜約30重量%のα−グルコースペンタアセテート又はβ−グルコースペンタプロピオネートを含む、DSが約2.7〜約2.9のセルロースアセテートを含む。更にまた、写真フィルム及び映画フィルム裏引きの流延用溶媒は、塩化メチレンとメタノールとの混合物を含むことができ、場合によっては追加の溶媒を含むことができる。別の側面において、塩化メチレン/メタノールの比は約95/5〜約85/15であることができ、溶媒中のセルロースアセテートの濃度は約7〜約15重量%であることができる。更にまた、写真フィルム及び映画フィルム裏引きは、約0.01〜約3mm又は約0.1〜約1/0mmの厚さを有することができる。
本発明の更に別の側面において、液晶ディスプレイ用の保護フィルムとして使用するのに適したフィルムの溶液流延が提供される。一側面において、保護フィルムに使用される組成物は、約5〜約35重量%の炭水化物又はポリオールエステルを含む、DSが約2.4〜約3.0のセルロースアセテート又はDSが約2.6〜約2.9のセルロースアセテートプロピオネートを含むことができ、この炭水化物又はポリオールエステルは、グルコースペンタアセテート、グルコースペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート及び/又はグルコースペンタプロピオネート/ソルビトールヘキサプロピオネート若しくはグルコースペンタプロピオネート/キシリトールペンタプロピオネートの混合物を含む。特定の側面において、保護フィルム用の1つの組成物は、約5〜約30重量%のβ−グルコースペンタプロピオネートを含む、DSが約2.7〜約2.9のセルロースアセテートを含むことができる。保護フィルムの流延に使用できる1つの溶媒は、塩化メチレンとメタノールとの混合物を含むことができ、場合によっては追加の溶媒を存在させることができる。塩化メチレン/メタノールの比は約95/5〜約85/15であることができる。溶媒中のセルロースアセテートの濃度は約7〜約15重量%であることができる。
保護フィルムは、約0.01〜約3mm又は約0.1〜約1.0mmの厚さを有することができる。保護フィルムは、接着剤の塗布に適した、均一なフィルム表面を有することができる。また、接着剤塗布保護フィルムは、液晶ディスプレイに使用される偏光層に対して良好な又は優れた接着性を有することができる。特に有用なのは、接着剤塗布保護フィルムは、ポリ酢酸ビニルに対して良好な接着性を示す場合である。
複合材料は、天然セルロース繊維及びポリマーマトリックス成分からなる構造であり、繊維成分が複合材料構造の少なくとも約30重量%を構成する。複合構造製品の例は、米国特許第4,474,846号、第5,883,025号、第6,123,172号、第6,184,272号に開示されており、これらの開示全体をこの参照によって本明細書中に取り入れる。このような複合材料は、例えば自動車産業においてパッケージトレイ、インテリア・ドア・トリム、リア・ウィンドウ・シェルフ、シートバック、カーペット裏地及び防音材に使用される。天然セルロース繊維を含む複合構造の他の用途としては、植木鉢、成形品、枕木、家具、桟橋、防音材、包装並びに他の建築用品及び消費製品のような製品が挙げられる。
複合構造を製造するための公知方法の1つは、熱及び圧力を用いて天然セルロース繊維/ポリマー粉末混合物を成形することである。当業界において複合構造を作成するのに使用される別の方法は、天然セルロース繊維及びポリマー繊維並びに任意の無機充填剤及び着色剤を含むことができる不織又は多層繊維構造を、目的とする製品に成形することを含む。成形品中への加熱及び加圧は、繊維成分を溶融させて複合構造を形成する。目的の最終用途に必要な引張特性、剛性、耐衝撃性及び表面特性を持った一体化複合製品を形成することができる。これらの場合のいずれにおいても、ポリマー成分は強化用天然繊維のマトリックスとして作用する。
セルロースエステルをポリマーマトリックス成分として使用するためには、複合構造の形成前にセルロースエステルに可塑剤を添加することが一般的に必要である。可塑剤は、一般に、可塑化セルロースエステル繊維を配合し且つ熱によって紡糸することによって混和することができる。あるいは、セルロースエステル繊維は溶液紡糸することができ、可塑剤は、複合構造の成形前に、セルロースエステル/天然繊維混合物に外部から添加することができる。いずれの場合にも、可塑剤は、一般に、セルロースエステルマトリックスと天然セルロースエステル繊維との間で分配されるであろう。即ち、可塑剤は、時間が経つにつれて、セルロースエステルマトリックスから移行して、複合構造の変わりやすい物理的性質と全体的劣化をもたらす。
本発明の炭水化物及びポリオールエステルは一般に、不揮発性であり、通常の使用条件下でセルロースエステル又は他のポリマーに使用される可塑剤に比較して、それが使用させるセルロースエステルから移行しない。従って、本発明の一側面は、複合構造中に本発明の組成物を含む繊維を使用することである。
一側面において、複合マトリックス中に使用される繊維を含む新規組成物は、約10〜約35重量%の炭水化物又はポリオールエステルを含む、DSが約1.9〜約2.6のセルロースアセテート、DSが約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネート又はDSが2.5〜2.8のセルロースアセテートブチレートを含むことができる。この炭水化物又はポリオールエステルは、グルコースペンタアセテート、グルコースペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート又はグルコースペンタアセテート/ソルビトールヘキサプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート/ソルビトールヘキサプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート/キシリトールペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート/ソルビトールヘキサプロピオネート、グルコースペンタブチレート/キシリトールペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート/キシリトールペンタブチレート及びグルコースペンタブチレート/ソルビトールペンタブチレートの混合物の1種又はそれ以上を含むことができる。更にまた、組成物は、DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;DSが約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DSが約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタンプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタブチレート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレート;DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;並びにDS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタブチレートの1種又はそれ以上を含むことができる。
一側面において、複合構造の天然繊維は、***、サイザル麻、亜麻、ケナフ、綿、マニラ麻、ジュート、カポック、パピルス、ラミー、ココナッツ(コイヤー)、麦わら、稲わら、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ又は木粉の1種又はそれ以上を含むことができる。本発明の天然セルロース繊維成分に適当な繊維長は約0.01〜約10.2cm又は約0.5〜約5.0cmであることができる。
前記複合構造は少なくとも約30重量%の天然繊維を含むこともできる。更にまた、天然繊維は約60〜約75重量%であることができ、残りが本発明の組成物を含み、場合によっては他のポリマー添加剤を含むことができる。
一側面において、複合材料の形成方法及び加工条件は、対象とする用途及び目的の物理的性質によって異なり得る。従って、広い組成範囲及び加工ウィンドーが期待される。適当なパラメーターは、当業者ならば、充分な実験をしなくても容易に決定できる。
実施例中に示すように、セルロースエステル並びに本発明の炭水化物及びポリオールエステルを含んでなる造形品は、本発明の炭水化物及びポリオールエステルを含まないセルロースエステル配合物の製品から得ることができる物よりも高い加熱撓み温度(HDT)を示すことが判明した。従って、本発明の一側面は、66psiにおいて約90℃より高いHDTを有する造形品を生成する、セルロースエステル及び本発明の炭水化物又はポリオールエステルの組成物に関する。更にまた、セルロースエステル及び本発明の炭水化物又はポリオールエステルの組成物は、66psiにおいて約100℃より高いHDTを有する造形品を生成する。更にまた、HDT組成物は、DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテート又はDS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネート(前記セルロースアセテートロピオネートは、アセチルのDSが約0.4〜約2.7及びプロピオニルのDSが約0.3〜約2.6である)及び本明細書の他の場所に開示された炭水化物又はポリオールエステル約5〜約20重量%を含んでなる。このセルロースエステルは、DS約2.0〜約2.7のセルロースアセテート及びDS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネート(ここでセルロースアセテートプロピオネートは、アセチルのDSが約1.7〜約2.1及びプロピオニルのDSが約0.4〜約1.1である)を含む。優れた加熱撓み温度を有する製品中に使用する炭水化物又はポリオールエステルは、グルコースペンタアセテート、グルコースペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート、ソルビトールヘキサプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート、グルコースペンタアセテート/ソルビトールヘキサプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート/ソルビトールヘキサンプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート/キシリトールペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート/ソルビトールヘキサプロピオネート、グルコースペンタブチレート/キシリトールペンタプロピオネート、グルコースペンタブチレート/キシリトールペンタブチレート又はグルコースペンタブチレート/ソルビトールヘキサブチレートの1種又はそれ以上を含む。更にまた、組成物は、DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DSAc約1.8〜約2.0及びDSPr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネート;DSAc約1.8〜約2.0及びDSPr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;DSAc約1.8〜約2.0及びDSPr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;更に、DSAc約1.8〜約2.0及びDSPr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネートの1種又はそれ以上を含む。
本発明の別の側面は、本発明の組成物から製造された、HDTが66psiにおいて約90℃より高い造形品に関する。更にまた、造形品は、66psiにおいて約100℃より高いHDTを有することができる。造形品は、フィルム、成形品又は繊維の形態であることができる。優れた加熱撓み温度を有する造形品の非限定的例としては、ディッシュウォーター安全製品、オートクレーブで処理できる製品及び極限気象条件に暴露可能な製品が挙げられるが、これらに限定されない。ディッシュウォーター安全製品の非限定的例としては、哺乳瓶、グラス、カップ、どんぶり、皿、台所用品及び食卓用金物が挙げられる。オートクレーブで処理できる製品の非限定的例としては、医療用具、チューブ、濾過装置、トレイ及び皿があげられる。極限気象条件に暴露可能な物の非限定的例としては、自動車内装品、コンパクトディスク用ジュエルケース、電子ハウジング、屋外光学ディスプレイ、液晶ディスプレイ、写真フィルム及び自動車トリムが挙げられる。
いくつかの側面において、本発明の造形品のHDTは、ガラス繊維、天然繊維、無機充填剤などのような充填剤の添加によってかなり増加させることができる。当業者ならばどの材料がこの側面において有用であるかわかるであろう。
以下の非限定的実施例を参照することによって、本発明をより詳細に説明することとする。
以下の実施例は、本明細書の「特許請求の範囲」に記載した化合物、組成物、製品、装置及び/又は方法をいかにして製造又は実施及び評価するかについての完全な開示及び説明を、当業者に示すものである。これらの実施例は、本発明の単なる代表例であり、本発明者らが自身の発明と見なすものの範囲を制限するものではない。数値(例えば、量、温度など)に関して精度を保証するために努力したが、若干の誤差及び偏差を釈明しなければならない。特に断らない限り、部は重量部であり、温度は℃で表すか周囲温度であり、圧力は大気圧かほぼ大気圧である。
一般法
フィルムの引張強さ、破断点伸び及びモジュラスは、ASTM方法D882によって測定し;引き裂き力はASTM方法D1938によって測定した。成形品の引張強さ及び破断点伸びは、ASTM方法D638によって測定し;曲げ強さ及びモジュラスはASTM方法D790によって測定し;アイゾッド衝撃強さはASTM方法D256によって測定した。可塑剤の色度は、ASTM D1925によって測定した。
炭水化物又はポリオールエステル中のカルボン酸の重量%は、HPLCによって測定した。カラムはPolymer Labs PLGel 5μmであり、検出器は、蒸発光散乱検出器であった。注入容量は20μLであり、流量は1.0mL/分であった。移動相はアセトンであった。
実施例中及び本明細書全体において使用する、「eq」は当量を意味し、「CA」はセルロースアセテートを意味し;「CAP」はセルロースアセテートプロピオネートを意味し:「CAB」はセルロースアセテートブチレートを意味し:「DOA」はアジピン酸ジオクチルを意味し:「TEC」はクエン酸トリエチルを意味し;「GPA」はグルコースペンタアセテートを意味し;「GPP」はグルコースペンタプロピオネートを意味し;「GPB」はグルコースペンタブチレートを意味し;「SHP」はソルビトールヘキサプロピオネートを意味し;「XPP」はキシリトールペンタプロピオネートを意味し;「PrOH」はプロピオン酸の意味し;「MSA」はメタンスルホン酸を意味し;「glu」はグルコースを意味し;「MD」は流れ方向を意味し;「TD」は横断方向を意味し;「Tg」はガラス転移温度を意味し;「Tc」は結晶化温度を意味し;「Tm」は融解温度を意味し;「MW」は重量平均分子量を意味する。
例1:グルコースエステル製造用の種々の塩基触媒の比較
炭水化物のエステル化における反応の相対速度及び種々の塩基触媒の色度に対する影響を評価するために、NaOH、KOH又はCa(OH)2によって触媒されるα−D−グルコースと酪酸無水物との反応を、中赤外線減衰全反射分光法を用いてその場で(in situ)で研究した。反応は、撹拌機、水冷冷却器及び窒素パージで構成された温度制御(±0.1℃)1L自動反応系中で行った。反応体/触媒の量は、無水物6当量(ヒドロキシル当量1.2)/グルコース1当量/触媒0.02当量が得られるように、グルコースに関してモルベースで調整した。各反応は、150rpmで撹拌しながら、90℃において行った。波数分解能8における1回/分の速度の100回の走査の平均としてスペクトルを収集した。所定の反応期間の最後に、各反応を700mLの水で2回洗浄した。酪酸を最初は25mmHgで、次いで3mmHgで減圧除去した。微量の酪酸を、1mmHgにおいて短行程カラムを通して蒸留によって除去した。これらの実験の結果を図2に要約する。
触媒としてNaOHを用いる場合には、エステル化開始前に初期遅延期間はなかった。KOHに比較して、NaOHはより速い反応速度を生じる。データは図2に示さなかったが、カルボン酸のK又はNa塩は同様に挙動した。Ca(OH)2の場合には、有意な反応が観測される前に約3時間の初期遅延期間があった。しかし、Ca塩はいったん反応を開始すると、NaOH又はKOHに比較して反応時間が速かった。結果として、Na又はK触媒反応が完了する前にCa(OH)2触媒反応が完了した。前もって形成した、酪酸のカルシウム塩を触媒として用いると、Ca(OH)2に比較して、遅延期間が短縮され、反応の相対速度が増加した。3種の触媒全てに関して、生成物のDSは4.95〜5.00であり、β−アノマー含量は65〜80%の範囲であった。触媒としてCa(OH)2を用いて製造された生成物はほとんど無色であった(色度=6)。触媒としてNaOH及びKOH用いて製造された生成物はそれぞれ、167及び276の明度を有していた。これらの観察は、炭水化物のエステル化においてはCa塩がより有効な触媒であり且つ生成物中に形成される色が少ないことを示している。初期遅延期間は、おそらくCa塩の溶解性によるものである。遅延期間は、カルボン酸のCa塩を前もって形成することによって又は反応混合物中に少量のカルボン酸(約2〜約30重量%のカルボン酸)を含ませて、カルボン酸のCa塩をその場で迅速に形成させることによって短縮される。
例2:触媒としてMSAを用いたグルコースペンタプロピオネートの制限固形分製造
典型的な方法において、12Lの5口丸底フラスコに、熱電対、還流冷却器、ASI React IR 4000用の先端にダイヤモンドが付いたIRプローブ、モーター駆動固形分供給装置及び機械的撹拌機を装着した。プロピオン酸無水物(6501g,50モル,ヒドロキシル当量1.2)をフラスコに加え、次いでフラスコをN2でフラッシした。プロピオン酸無水物を設定反応温度まで加熱し、メタンスルホン酸32g(0.33モル,グルコース当量0.04)を添加した。グルコース(1500g)を、所期の反応温度を維持する速度でフラスコに供給した。グルコースの供給速度が速すぎると、反応は発熱した(表Iに最大温度として記録)。グルコースを全て添加した後(約4時間)、固形分供給装置をプロピオン酸でフラッシュした。色度を減少させるために、反応溶液に2〜3重量%の炭素粉末を添加した。反応混合物を、69〜73℃で約50mmHgにおいて蒸留することによって濃縮し、約30%の液体分を除去した。反応混合物を室温まで冷却させてから、カーボンブラックを濾去した。次いで、濾液(4L)を水2Lで1回抽出した。層を分離させ、有機層を、最初は50mmHgで0.5mmHgまで減圧しながら蒸留して、水及びプロピオン酸を除去した。蒸留後、粘稠でない油が得られた。反応生成物を、1H NMR及びHPLCによって分析した。表Iは、この一般法に従って製造した、一連のグルコースペンタプロピオネートの分析を示している。
Figure 2005515285
この例から、グルコースペンタプロピオネートのようなグルコースエステルは、グルコースを制限して反応の発熱を制御しながら、触媒としてMSAを用いて、高収率で迅速且つ容易に製造できることが明らかである。最良の生成物の色度、即ち、最も低い色度は、反応温度を約90〜100℃に保持しながら、低レベルの触媒を用いることによって得られた。最も着色した製品は、より高レベルの触媒を用い且つ反応温度を120℃まで上昇させた場合に得られた。いずれの例においても、触媒としてMSAを用いることにより、α−アノマーが優先的に生成された。最高のα/βアノマー比は、より高い反応温度において又はより長い反応時間を用いることによって得られた。
例3:触媒としてCa(OH) 2 を用いたグルコースペンタプロピオネートの制限無水物製造
典型的な方法において、5Lの4口丸底フラスコに、熱電対、還流冷却器、ASI React IR 4000用の先端にダイヤモンドが付いたIRプローブ、液体ポンプ供給装置及び機械的撹拌機を装着した。プロピオン酸無水物(722g,5.55モル,ヒドロキシル当量0.4)、プロピオン酸(750g)、α−D−グルコース(500g,2.78モル)及びCa(OH)2 2.06g(27.8ミリモル,グルコース当量0.01)をフラスコに加え、次いでフラスコをN2でフラッシュした。反応混合物を90℃まで加熱し、プロピオン酸無水物の消費とプロピオン酸の生成をIRによって監視した。プロピオン酸無水物の最初の装填材料を反応させ終えたら、Ca(OH)2を更に2.06g(27.8ミリモル,グルコース当量0.01)を添加し、プロピオン酸無水物1445g(11.1モル,ヒドロキシル当量0.8)を反応器にポンプ注入した。反応温度を90℃に4.9時間保持してから、105℃に加熱し、同温度に更に13.7時間保持した。次いで、反応を120℃に加熱し、1.3時間保持した。炭素粉末(3重量%)を添加し、反応を室温まで冷却させた。炭素粉末を濾去し、有機溶液を等容量の水で2回抽出した。層を分離させ、有機層を蒸留して、プロピオン酸及び水を除去した。その結果、1099g(86%)の粘稠でない油が得られた。表IIは、この一般的な方法に従って製造した2種のグルコースペンタプロピオネートの分析を示す。
Figure 2005515285
この例から、グルコースペンタプロピオネートのようなグルコースエステルは、無水物を制限して反応の発熱を制御しながら、触媒としてCa(OH)2を用いて、高収率で迅速且つ容易に製造できることが明らかである。最良の生成物の色度は、反応温度が約120℃が保持される時間を最小にすることによって得られた。主にα−アノマーを生成するMSA触媒反応とは異なり、Ca(OH)2触媒反応は、66〜68%のβ−アノマーを生成した。この方法によって製造されたβ−グルコースペンタプロピオネートの低い色度は、可塑剤としての使用に適している。
例4:触媒としてCa(OH) 2 及びMSAを用いたグルコースペンタプロピオネートの制限無水物製造
5Lの4口丸底フラスコに、熱電対、還流冷却器、ASI React IR 4000用の先端にダイヤモンドが付いたIRプローブ、液体ポンプ供給装置及び機械的撹拌機を装着した。プロピオン酸無水物(722g,50モル,ヒドロキシル当量0.4)、プロピオン酸(206g)、α−D−グルコース(500g,2.78モル)及びCa(OH)2 2.06g(27.8ミリモル,グルコース当量0.01)をフラスコに加え、次いでフラスコをN2でフラッシュした。反応混合物を90℃まで加熱し、プロピオン酸無水物の消費とプロピオン酸の生成をIRによって監視した。プロピオン酸無水物の最初の装填材料を反応させ終えたら(40分)、プロピオン酸無水物更に1085g(8.3モル,ヒドロキシル当量0.6)を57分で反応器にポンプ注入した。プロピオン酸無水物の添加完了後(1.9時間)、MSA5.8g(0.06モル,グルコース当量0.02)を含むプロピオン酸無水物365g(2.78モル,ヒドロキシル当量0.2)を72時間かけて反応混合物にポンプ注入した。無水物/MSA溶液の添加を開始してから3.4時間、温度を90℃に保持した。炭素粉末(86g)を添加し、反応を室温まで冷却させた(総反応時間5.3時間)。炭素粉末を濾去し、溶液を等容量の水で2回抽出した。有機層を蒸留して、プロピオン酸及び水を除去した。その結果、1160g(91%)の粘稠でない油が得られた。表IIIは、この一般法に従って製造した2種のグルコースペンタプロピオネートの分析を示す。
Figure 2005515285
この例から、グルコースペンタプロピオネートのようなグルコースエステルは、無水物を制限して反応の発熱を制御しながら、触媒としてCa(OH)2及びMSAを順次用いて、高収率で迅速且つ容易に製造できることが明らかである。反応温度を約90℃に保持する場合には、反応は5.3時間で完了し、反応生成物は本質的に無色であった。反応時間がこれより短い場合でも、温度がこれより高いと多くの色が発生した。意外にも、反応の最後の部分を、一般にはα−アノマーを生成する(約59〜67%)MSAを触媒として用いて実施したが、生成物は、触媒としてCa(OH)2のみを用いて得られた(β−アノマー含量66〜68%)のと同様に高β−アノマー含量(62〜64%)を有することが観察された。しかし、混合触媒系は、より迅速な反応(Ca(OH)2のみでは14〜20時間なのに対して約5時間)を可能にし、最終反応生成物の色はより少ない。この方法によって製造されたグルコースペンタプロピオネートの色度は低く、従って、β―GPPは可塑剤としての使用に適している。
例5:触媒としてCa(OH) 2 を用いたグルコースペンタアセテートの制限無水物製造
12Lの4口丸底フラスコに、熱電対、還流冷却器、ASI React IR 4000用の先端にダイヤモンドが付いたIRプローブ、液体ポンプ供給装置及び機械的撹拌機を装着した。無水酢酸(1700g,16.7モル,ヒドロキシル当量0.4)、酢酸(1825g)、α−D−グルコース(1500g,8.33モル)及びCa(OH)2 2.04g(27.5ミリモル,グルコース当量0.003)をフラスコに加え、次いでフラスコをN2でフラッシュした。反応混合物を80℃まで加熱し、無水酢酸の消費と酢酸の生成をIRによって監視した。無水酢酸の最初の装填材料を反応させ終えたら(1.2時間)、無水酢酸850g(8.3モル,ヒドロキシル当量0.2)を58分で反応器にポンプ注入した。80℃で2.6時間後、反応温度設定値を90℃まで増加させ、その点において反応混合物は均質の淡黄色溶液になった。90℃において28分後、Ca(OH)2を更に6g(0.08ミリモル,グルコース当量0.01)反応混合物に添加した。Ca(OH)2が全て溶解するまで、反応温度を90℃に保持した。反応の開始から3時間40分後に、無水酢酸2250g(25モル,ヒドロキシル当量0.6)を1.7時間かけて反応器にポンプ注入した。反応を合計18.8時間90℃に保持してから、120℃に加熱し、同温度に更に5.3時間保持した。炭素粉末(169g)を添加し、反応を室温まで冷却させた。炭素粉末を濾去し、淡黄色の溶液を2倍容量の水中に注いだ。直ちに微細な白色沈殿が形成され、1倍容量の水を添加して、沈殿を硬化させた。白色粉末を濾過によって単離し、濾液のpHが7になるまで水洗した。白色固形分を約60℃において減圧乾燥させて、白色粉末2503g(77%)が得られた。プロトンNMRによって、生成物がDS5.06及びα/β比28/72のグルコースペンタアセテートであることが示された。
この例から、反応に供給される無水物の量を制限した場合に、触媒としてCa(OH)2を用いて高収率で安全に優れた色度を有するグルコースペンタアセテートを製造できることが明らかである。このグルコースペンタアセテートは、可塑剤として使用するのに充分な品質を有していた。
例6:触媒としてCa(OH) 2 を用いた、脱水によるグルコースペンタプロピオネートの製造
5Lの5口丸底フラスコに、熱電対、短行程カラム、ASI React IR 4000用の先端にダイヤモンドが付いたIRプローブ、液体ポンプ供給装置及び機械的撹拌機を装着した。グルコース(721g)及び水(308g)をフラスコに添加し、溶液が得られるまで、混合物を60〜70℃において撹拌した。この溶液に、プロピオン酸1271g及びCa(OH)2 1.48g(0.02モル,グルコース当量0.005)を添加して、不透明な不均質混合物が得られた。フラスコを60℃において加熱し且つ真空(60〜100mmHg)を適用して、フラスコ及び頭部温度を50〜60℃に保持した。90分後、留出物908gを除去した。反応混合物は液体分中固形分の懸濁液であった。その場でのIRによる分析は、本質的に全ての水が除去されたこと及びグルコースが部分エステル化されていることを示した(図3)。フラスコを90℃に加熱し且つ真空を120mmHgに調整しながら、プロピオン酸無水物の漸次添加を開始した。90℃/120mmHgに達した後、プロピオン酸無水物の添加につれてプロピオン酸が除去された。プロピオン酸無水物2610g(ヒドロキシ当量1)の添加には約250分を要した。この間に、留出物758gを除去した。無水物の添加が完了してから約60分後に、反応混合物にMSAを4.96g(グルコース当量0.003)を添加した。MSA添加の約200分後には、無水物は全て消費されていた。反応の完了を確実なものとするために、プロピオン酸無水物を更に201g(1.5モル,ヒドロキシル当量0.08)を、炭素粉末47gと共に反応混合物を添加した。更なる反応は観察されなかった。85℃及び100mmHgにおいて蒸留することによって、反応混合物からプロピオン酸を除去した。プロピオン酸1061gを除去後、反応混合物にCa(OH)2を0.48g添加してから、炭素粉末を濾去した。濾液を0.5倍容量の水で洗浄し、層を分離させた。プロピオン酸及び水を蒸留によって有機層から除去して、β−グルコースペンタプロピオネート(DS=4.79)1685g(91.6%)が粘稠でない油として得られた。このβ−GPPは色度が低く(57)、可塑剤としての使用に適していた。
例7:触媒としてMSAを用いたソルビトールヘキサプロピオネートの制限固形分製造
12Lの5口丸底フラスコに、熱電対、還流冷却器、モーター駆動固形分供給装置及び機械的撹拌機を装着した。プロピオン酸無水物(7501g,57.6モル,ヒドロキシル当量1.16)及びMSA(31.7g,0.329モル,ソルビトール当量0.04)をフラスコに加え、次いでフラスコをN2でフラッシした。この溶液を90℃まで加熱してから、未乾燥ソルビトール(1500g,8.23モル)を、反応温度が90〜97℃に保持される速度でフラスコに供給した。ソルビトールを全て添加した後(4.3時間)、固形分供給装置をプロピオン酸無水物381gでフラッシュした。反応を更に1時間90℃に保持してから、炭素粉末75gを添加した。反応混合物にプロピオン酸無水物を更に900g添加し、反応を100℃に加熱し、同温度に更に1.8時間保持した。反応混合物を、80℃、約150mmHgにおいて蒸留することによって濃縮し、液体分の約50%を除去した。カーボンブラックを濾去した。濾液を0.5倍容量の水で1回抽出した。層を分離させ、有機層を1mmHgにおいて蒸留して、水及びプロピオン酸を除去した。蒸留後、25℃における粘度が2.4ポアズである液体が3826g(90%)得られた。1H NMR及びHPLCによる分析によって、サンプルはDSが5.27であること及びサンプルは0.49重量%のプロピオン酸を含んでいることが示された。この生成物は色度が15であり、可塑剤としての使用に適していた。
この例は、ポリオールエステル可塑剤が本発明の方法によって容易に製造できることを示している。
例8:グルコースペンタプロピオネートから残留プロピオン酸を除去するための共沸蒸留
1Lの4口丸底フラスコに、熱電対、短行程カラム、ASI React IR 4000用の先端にダイヤモンドが付いたIRプローブ、液体ポンプ供給装置及び機械的撹拌機を装着した。フラスコに、プロピオン酸を含まないGPP(DS=5.04,α/β=51/49)331.4gを添加した。GPPにプロピオン酸46g(12.2重量%)を添加した。フラスコを50℃まで加熱し、約55mmHgの真空を適用した。合計179gの水が約2.6時間にわたって添加されるまで、この溶液に水を、6〜33mLの単位で9回添加した。水の添加毎に、溶液温度が下降するのが観察され、約27〜37℃の頭部温度においてプロピオン酸/水留出物が除去された。共沸混合物が除去されるにつれて、フラスコ温度は徐々に上昇した。8回目の添加後、フラスコ温度設定値を70℃に上昇させた。最終の水添加後、溶液温度を約62℃まで上昇させてから、実験を終了させた。図4は、実験の間の水の添加及びプロピオン酸/水の除去を示している。図5は、最初のサンプル、プロピオン酸添加後のサンプル及びプロピオン酸除去後の0.5重量%を含むサンプルについて1640〜1840cm-1のIR領域におけるカルボニル及び水の吸収帯を示している。実験の完了後、サンプルのDS、α/β比及び色度は未変化であることが判明し、プロピオン酸含量は0.34重量%であった。
この例は、緩和な条件下で水との共沸によって、サンプルを変化させることなく、炭水化物又はポリオールエステルから残留カルボン酸を除去できることを示している。
例9:セルロースアセテートとグルコースエステルとの熱配合及び溶融圧縮によるフィルムの形成
セルロースアセテート(DS=2.5)とグルコースエステル可塑剤8又は16重量%との混合物を、成分をプラスチックバッグ中で一緒に振盪することによって製造した。対照として、セルロースアセテート用の公知の可塑剤であるクエン酸トリエチルとセルロースアセテートとの混合物も同濃度で製造した。各混合物をRheometrics Mechanical Spectrometer中で220℃において配合した。得られた樹脂を粒度3mmに粉砕し、230〜250℃において圧縮成形することによってフィルムを製造した。CA/可塑剤混和性の尺度である、フィルムの光学的透明度及びガラス転移温度を測定した。フィルムの特性を、各組成物に関して測定した。結果を表IVに要約する。表IVにおいて、グルコース可塑剤のα−及びβ−アノマー含量を、括弧内に示してある。
Figure 2005515285
予想通り、可塑剤としてTECを用いてCAから製造したフィルムは、光学的に透明で、安定性であり、配合物のTgは、もとのCA(Tg=189℃)に比べて低下した。これは、可塑剤がCAと混和性であることを示している。同様に、CA/α−又はβ−GPA配合物を用いて製造されたフィルムも光学的に透明で、安定性であり、Tgは組成依存的であった。α−又はβ−GPAのTg低下能力の間には差が観察されなかった。GPAアノマーのいずれか一方を含む配合物のフィルム特性は、等しい濃度では本質的に同じであった。GPAを含むフィルムに関する破断応力及びヤング率は、可塑剤としてTECを含むものよりも高かった。α−GPPを含むCA配合物の場合には、新たに製造されたフィルムは、両濃度において光学的に透明であったが、α−GPPを16重量%含むフィルムは、約8ヶ月間にわたって不透明になった。CA/β−GPPの場合には、フィルムは透明であり、周囲温度及び60℃における長期貯蔵後でも、そのままであった。β−グルコースペンタプロピオネートは、配合物のTgの低下においてはより効果的であった。フィルム特性に関しては、β−GPPは破断応力及びヤング率の低下においてはα−GPPよりも有効であり、β−GPPに関して観測された値は、実験誤差の範囲内で、TECに関して得られたものと同じであった。CA/α−GPBの場合には、α−GPBを8重量%含むフィルムは光学的に透明で、安定性であった。α−GPBを16重量%含むフィルムは、直ちに不透明になり、Tgは組成依存的ではなかった。CA/β−GPB配合物の場合には、フィルムは光学的に透明であり、Tgは組成依存的であった。しかし、β−GPBを16重量%含むフィルムは、数週間の貯蔵後に曇ってきた。
まとめると、これらの観察は、α−及びβ−GPAが共にセルロースアセテートと極めて良好な混和性を有することを示している。溶融粘度及びTgは組成依存的であるのに対し、フィルム特性は組成によってごくわずかしか影響されないので、GPAの両アノマーは二峰性可塑剤と記載するが最も良い。非常に意外なことに、α−アノマーに比べて、β−GPPは、Tgをより効果的に低下させることによって古典的可塑剤としてより大きく作用する。即ち、アノマーの立体配置は、可塑剤のCAとの混和性に著しい影響を与える可能性があり、これは当業界ではこれまで知られていないことである。GPBの場合には、より長いエステル鎖が、両アノマーとCAとの混和性を減少させるが、GPPに関して観察されるように、β―アノマーはCAとのより高い相溶性を有する。
例10:セルロースアセテートプロピオネートとグルコースエステルとの熱配合及び溶融圧縮によるフィルムの形成
セルロースアセテートプロピオネート(DSPr=2.68,DSAc=0.05)と8重量%又は16重量%のグルコースエステル可塑剤との混合物を、成分をプラスチックバッグ中で一緒に振盪することによって製造した。対照として、セルロースアセテープロピオネート用の公知の可塑剤であるアジピン酸ジオクチルとセルロースアセテートプロピオネートとの混合物も同濃度で製造した。各混合物をRheometrics Mechanical Spectrometer中で180〜220℃において配合した。得られた樹脂を粒度3mmに粉砕し、200〜220℃において圧縮成形することによってフィルムを製造した。CAP/可塑剤混和性の尺度である、フィルムの光学的透明度及びガラス転移温度を測定した。フィルム特性もまた、各組成物に関して測定した。結果を表Vに要約する。表5において、グルコース可塑剤のα−及びβ−アノマー含量を、括弧内に示してある。
Figure 2005515285
CAPと可塑剤としてのDOAとから製造したフィルムは光学的に透明であり、安定性であり、配合物のTgはもとのCAP(Tg=141℃)に比べて低下した。これは、可塑剤がCAPと混和性であることを示している。CAP/α−又はβ−GPA配合物を用いて製造したフィルムは光学的に透明で、安定性であり、Tgは組成依存的であった。CAP/β−GPA配合物に関する破断応力及びヤング率は、対応するCAP/α−GPA配合物よりも低かった。これらの値の低下の観点から、これは、β−GPAが等濃度においてα−GPAよりもCAPに対して有効な可塑剤であることを示している。CAP/α−又はβ−GPP配合物を用いて製造したフィルムは、GPA配合物と極めて類似した挙動を示した。CAP/α−又はβ−GPP配合物を用いて製造したフィルムは光学的に透明で、安定性であり、Tgは組成依存的であった。CAP/β−GPP配合物に関する破断応力及びヤング率は、対応するCAP/α−GPP配合物よりも低かった。この場合もやはり、これらの観察は、β−GPPが等濃度においてα−GPPよりもCAPに対して有効な可塑剤であることを示している。β−GPAに比較して、β−GPPはCAPに対してより有効な可塑剤である。CAP/α−又はβ−GPB配合物の場合には、フィルムは光学的に透明であり、安定性であり、Tgは組成依存的であった。フィルム特性に関しては、CAPを可塑化する能力においてα−又はβ−GPBの間に有意差は観察されなかった。
これらの観察は、これらのグルコースエステルは全て、セルロースアセテートプロピオネートと良好な相溶性を有することを示している。しかし、GPA及びGPPの場合には、β−アノマーはα−アノマーよりもヤング率及び破断応力を効果的に低下させ、このことはβ−アノマーがα−アノマーよりも有効な可塑剤であることを示している。
例11:炭水化物又はポリオールエステルで可塑化されたセルローストリアセテートフィルムの溶液流延
16重量%若しくは24重量%のβ−GPA、β−GPP、SHP又はXPPで可塑化されたセルローストリアセテートフィルムを、溶液流延によって製造した。β−GPA及びβ−GPPの場合には、CTA及びグルコースエステルを固形分15重量%で90/10 CH2Cl2/MeOHに溶解させた。この溶液をガラス板上に注ぎ、ドローナイフを用いて、均一フィルムを流延した。溶媒を蒸発させ、平均厚さが約0.03〜0.04mmのフィルムを生成した。溶液粘度がより高いため、固形分10重量%を用いてCTA/SHP、XPPフィルムを流延した。可塑剤を含まないCTA(固形分15重量%)及び13重量%のTPPで可塑化されたCTAの対照フィルムの比較例もまた、同様な方法を用いて製造した。
いずれの場合にも、光学的に透明なフィルムが得られた。可塑剤を含まないフィルムはガラス板からカールしたのに対し、可塑化サンプルは平らなままだった。各サンプルをDSCによって分析したところ、DSCは、可塑剤がCTAと相溶性であることを示した。一例として、可塑化されていないCTAは、第1走査のTcが215℃で、第2走査のTgが184℃であり;Tmは分解温度と同じかそれよりも高いので、メルトは観察されなかった。16重量%のβ−GPPで可塑化されたCTAの場合には、観察された第1走査Tcは171℃であり、第2走査Tg及びTmは96℃及び279℃であった。24重量%のβ−GPPの場合には、観察された第1走査Tcは161℃であり、第2走査Tg及びTmは84及び270℃であった。
これらの結果は、これらの炭水化物又はポリオールエステル可塑剤がCTAと相溶性であること、及びこれらが光学的に透明な薄いフィルムを製造するのに使用できることを示している。
例12:セルロースアセテートフィルムの溶融押出
DEP(比較)、β−GPA又はβ−GPPで可塑化されたセルロースアセテートペレット(DS=2.5)を60℃において一晩中乾燥させた。1.5インチのKillionを用いて溶融押出によって薄いフィルム(0.06mm)を製造した。CA/DEP配合物の場合には、融解温度は230℃であり、ダイ温度は237℃であった。β−GPAの場合には、融解温度及びダイ温度はそれぞれ、247℃及び260℃であった。β−GPPの場合には、融解温度及びダイ温度はそれぞれ、237℃及び250℃であった。フィルム特性を測定した。その値を表VIに示す。CA/β−GPP配合物から製造したフィルムは、CA/DEP対照配合物から製造したフィルムと本質的に同じであった。対照フィルムに比べて、CA/β−GPAから製造したフィルムは、より高い破断応力、ヤング率及び引裂強さを示した。配合物は全て、光学的に透明で、低い色度を有していた。
Figure 2005515285
この例は、本発明の可塑剤を含む薄いフィルムが溶融押出によって製造できることを示している。これらのフィルムは色度が低く、光学的に透明である。適切な炭水化物エステル可塑剤及び可塑剤含量を選択することによって、様々な物理的性質が得られる。比較配合物に比べて、β−GPAはより強く、より硬いフィルムを形成する。対照的に、β−GPPを可塑剤として用いる場合には、フィルム特性は、先行技術のDEP可塑剤を含むフィルムから得られたものに非常に近い。
例13:炭水化物又はポリオールエステル可塑剤で可塑化されたセルロースアセテートプロピオネートの溶融粘度
セルロースエステルと炭水化物又はポリオールエステル可塑剤との混合物を、30mm Werner−Pfleider二軸スクリュー押出機上で配合することによって製造した。典型的な方法において、セルロースエステルと可塑剤には別々の供給系を用いた。セルロースエステルはゾーン1において乾燥粉末として添加し、可塑剤はゾーン2又は3において液体として添加した。セルロースエステルは所望の速度で、典型的には約9〜23Kg/時でホッパーから押出機のバレル中に加えた。可塑剤は、液体供給装置から押出機のバレル中にポンプ注入した。可塑剤の粘度を低下させることが必要な場合には、押出機にポンプ注入する前に可塑剤を予熱した。個々のゾーンの温度は、セルロースエステル及び可塑剤の型によって異なる。典型的には、ゾーンは約100〜約250℃であった。その後、押出機を出る材料の2つのストランドを水中で急冷し、細断してペレットにした。
一般法を用いて、セルロースアセテートプロピオネートとβ−グルコースペンタプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート及びソルビトールヘキサプピロピオネート(「SHP」)との混合物を種々の可塑剤重量%で製造した。各組成物の、絶対分子量及び3種の温度における溶融粘度を測定した。次いで、溶融粘度を絶対分子量110,000まで標準化した。各配合物のガラス転移温度も測定した。結果を表VIIに要約する。
Figure 2005515285
可塑化されなかったCAPに関しては、220℃における溶融粘度は14,182ポアズであり、第2加熱曲線からのTgは141℃である。表VIIのデータが示す通り、これらの可塑剤はいずれも、CAPの溶融粘度及びTgを有意に低下させる。比較の観点では、SHPはXPP又はβ−GPPよりも溶融粘度の低下においてはるかに有効であり、β−GPPはXPPよりも多く溶融粘度を低下させる。これらの配合物は全て、光学的に活性であった。まとめると、これらのデータは、これらの炭水化物及びポリオールエステル可塑剤がCAPと混和性であること及び良好な可塑剤として作用することを示している。
例14:炭水化物又はポリオールエステル可塑剤で可塑化されたセルロースアセテートブチレートの配合及び射出成形
例13に記載した一般法を用いて、セルロースアセテートブチレートとβ−グルコースペンタアセテート、α−グルコースペンタプロピオネート及びβ−グルコースペンタブチレートとの混合物を、種々の可塑剤重量%で製造した。Toyo 90を用いて射出成形することによって、引張試験片及び曲げ試験片を製造した。融解温度は210℃であり、成形温度は30〜38℃であった。射出成形のサイクル時間は34秒であった。配合物の標準化溶融粘度及びこれらの射出成形片に関して測定された物理的性質を表VIIIに示す。
Figure 2005515285
表VIIIに示した配合物は全て、光学的に透明であり、各配合物のガラス転移温度は組成依存的であり、3種の可塑剤は全て、CABの溶融粘度を低下させた。これらの観察は、これらの炭水化物エステルがCAB用の良好な可塑剤であることを示している。3種の可塑剤を用いて得られた標準化溶融粘度の比較は、α−GPPがCABの溶融粘度の低下においてより有効であることを示している。CAB/β−GPA配合物に関する引張特性及び曲げ特性は組成依存的であり、このことはβ−GPAが二峰性可塑剤としてより大きく作用していることを示している。これに対して、可塑剤の増加に伴って引張値及び曲げ値が低下したので、CAB/α−GPP又はβ−GPB配合物の引張特性及び曲げ特性は組成依存的であった。まとめると、これらのデータは、これらの炭水化物エステルがCAPと混和性であること及びCAB用の可塑剤として作用することを示している。選択された炭水化物エステル可塑剤の適切な濃度を選択することによって、広範囲の溶融粘度及び物理的性質が得られる。
例15:高い加熱撓み温度を有するセルロースアセテートプロピオネート/炭水化物エステル可塑剤配合物の配合及び射出成形
例13の一般法を用いて、セルロースアセテートプロピオネート(DSAc=1.95,DSPr=0.66)とβ−グルコースペンタアセテート、α−グルコースペンタプロピオネート及びβ−グルコースペンタブチレートとの混合物を種々の可塑剤重量%において製造した。Toyo 90を用いて射出成形することによって、引張試験片及び曲げ試験片を製造した。融解温度は240℃であり、成形温度は30℃であった。射出成形のサイクル時間は34秒であった。配合物の標準化溶融粘度及びこれらの射出成形片について測定された加熱撓み温度を表IXに示す。
Figure 2005515285
表IXに示した配合物は全て、光学的に透明であり、各配合物のガラス転移温度は、組成依存的であった。可塑化されなかったCAPの240℃における溶融粘度は、25,572ポアズであった。3種の可塑剤は全て、可塑剤が低レベルであっても、CAPの溶融粘度を低下させた。可塑化されなかったCAPのHDTは131℃である。相対的に低量の炭水化物エステル可塑剤の添加は、溶融粘度を有意に低下させるので、溶融加工はより容易にすることができるが、HDTに対しては作用は最小であった。これらの観察は、炭水化物又はポリオールエステル可塑剤を、CAP又はCAのようなセルロースエステルと組合せて使用することによって、高い加熱撓み温度の製品が得られることを示している。
例16
5Lの5口丸底フラスコに、熱電対、頭部に短行程蒸留カラムを有する還流冷却器、ASI React IR 4000用の先端にダイヤモンドが付いたIRプローブ、液体ポンプ供給装置(ニードル弁)及び機械的撹拌機を装着した。グルコース一水和物(750g)、プロピオン酸175g、プロピオン酸無水物1084g及びCa(OH)2 0.62gをフラスコに添加した。このフラスコを55℃に加熱し、真空(30mmHg)を適用した。水による無水物の消費よりも速い速度で、水/プロピオン酸共沸混合物が蒸留によって除去された。合計70gの留出物が除去された。その場でのIRは、プロピオン酸無水物約50〜75gが水によって消費されることを示した。55℃、30mmHgにおいて留出物がもはや除去できなくなったとき、反応混合物を90℃に加熱し且つ真空を60mmHgに調整することによって、プロピオン酸を除去した。グルコースは液体中によく分散され、塊は観察されなかった。次いで、残りの無水物(2214g)を約40g/分の速度でフラスコ中にポンプ注入した。無水物全てが添加されたら、冷却器への冷水をオンにし、12時間でオフになるように温度調節器を設定した。
淡黄色の溶液を85℃に加熱し、MSA酸1.97gを反応混合物に添加した。かま温度を90℃に上昇させ、同温度に45分保持してから、Ca(OH)2を0.18g添加した。淡黄色の溶液に炭素粉末30gを添加し、80℃、10mmHgにおいてプロピオン酸を除去した。蒸留の最後に、溶液中には約4.2重量%の酸が残っていた。IR及びプロトンNMRは共に、反応生成物がグルコースプロピオネートであることを示した。
この例は、本発明に従って水和グルコース材料を用いて炭水化物エステルを製造できることを示している。
例17:ポリオールエステル可塑剤で可塑化されたセルロースアセテートプロピオネートの配合及び射出成形(比較サンプルを含む)
例13に記載した一般法を用いて、セルロースプロピオネート(DSPr=2.67,DSAc=0.06)とキシリトールペンタプロピオネート、キシリトールペンタアセテート(比較)及びアジピン酸ジオクチル(比較)との二成分混合物を、種々の可塑剤重量%で製造した。アジピン酸ジオクチルは、CAP用の公知可塑剤である。例14の方法に手順に従って、Toyo 90を用いて射出成形することによって、引張試験片及び曲げ試験片を製造した。これらの射出成形試験片に関して物理的性質を測定した。結果を図6〜9に要約する。
この例において製造した配合物は全て、光学的に透明であり、各配合物のガラス転移温度は組成依存的であり、可塑剤は全て、CAPの溶融粘度を低下させた。これらの観察は、これらの炭水化物エステルはCAP用の可塑剤であることを示している。しかし、図6〜9が示す通り、これらの配合物から製造された成形品の物理的性質はかなり異なる。例えば、図6から、公知DOA可塑剤の場合には、破断応力が、DOA含量の増加に伴って直線的に減少することがわかる。XPP配合物に関する破断応力は、DOA配合物と同様に減少するが、同じ破断応力を達成するのに必要な可塑剤の量はわずかに多い。
例えば、図6に示したデータは、40MPaの破断応力を達成するのにDOAは9.5重量%必要であるのに対し、同じ破断応力を得るのにXPPは12.5重量%が必要であることを示している。XPA配合物は、DOA又はXPP配合物とはかなり異なった。より低い可塑剤濃度(10重量%未満)において、DOA及びXPPは共に破断応力を低下させるが、XPA配合物の破断応力は、可塑化されていないCAPの破断応力からほとんど変化しなかった。
可塑剤の型及び可塑剤の含量の影響を、更に図7において説明する。図7は、可塑剤含量の増加に伴う、曲げ弾性率の変化を示す。図に示すように、DOA及びXPP配合物の場合には、曲げ弾性率は、可塑剤含量の増加に伴って直線的に減少する。破断応力と同様に、同じ曲げ弾性率を達成するのに必要な量は、DOAよりもXPPの方がわずかに多い。可塑剤がXPAである場合には、曲げ弾性率が、可塑化されていないCAPの曲げ弾性率未満に低下される前でも、約12〜15重量%の可塑剤が必要である。図7のデータは、XPAが配合物中に極めて高い量で存在する(20重量%超)場合にのみ、XPA配合物は、XPP及びDOA配合物に匹敵する曲げ弾性率の値を示すであろうことを示している。
多くの用途において重要な物理的性質は、ノッチ付きアイゾッド衝撃強さである。CAP配合物中の所定の可塑剤含量において、図8が示すように、高いノッチ付き衝撃強さを示す配合物があれば一般に望ましい。DOAは最も高いノッチ付きアイゾッド衝撃強さを示す。XXP配合物は、DOA配合物に等しいノッチ付きアイゾッド衝撃強さは示さないが、XPP配合物の衝撃強さはXPA配合物よりもはるかに優れている。XPP配合物の衝撃強さは多くの用途に許容され得る。
XPP及びDOA配合物がXPA配合物よりも良好なノッチ付きアイゾッド衝撃強さを示す理由の1つは、配合物の曲げ弾性率に関連していると考えられる。一般に、ポリマー用の有効な可塑剤である希釈剤分子の場合には、曲げ弾性率が減少するにつれて、ノッチ付きアイゾッド衝撃強さは増加する。前述の通り、DOA及びXPPは、曲げ弾性率の低下においてXPAよりも有効である。図9は、CAPと配合されたこれらの可塑剤のノッチ付きアイゾッド衝撃強さと曲げ弾性率との関係を示す。DOA及びXPP配合物の場合には、曲げ弾性率の減少に伴ってノッチ付きアイゾッド衝撃強さの直線的増加が観察される。XPA配合物の場合には、低い曲げ弾性率値に達するまでは(高可塑剤含量)、ノッチ付きアイゾッド衝撃強さは、曲げ弾性率に伴って変化しない。
まとめると、この例において示したデータは、XPPがXPAよりもはるかに有効なCAP用可塑剤であることを示している。低可塑剤配合物は完成品においてより高いガラス転移温度及び加熱撓み温度を示すので、多くの場合に望ましい使用範囲である低可塑剤含量において、このことは特に明白である。
例18:ポリ乳酸とグルコースペンタプロピオネートとの熱配合
2種の異なるポリ乳酸(登録66及び登録70)とグルコースペンタプロピオネート(α/β=1/1)を、プラスチックバッグ中で成分を一緒に振盪することによって製造した。各混合物をRheometrics Mechanical Spectrometer中で175〜185℃において3〜5分間配合した。得られた樹脂を、粒度3mmまで粉砕し、圧縮成形によってフィルムを製造した。各組成物に関して熱的性質及びフィルム特性を測定した。結果を表Xに要約する。表X中に示した熱的性質は全て、第2加熱DSC曲線から取った。
Figure 2005515285
PLA配合物から製造されたフィルムは、PLAの結晶化による若干の不透明性はあるものの、概ね透明であった。表X中に記載されたヤング率が示す通り(登録67〜69)、GPP含量の増加に伴って、フィルムは次第に柔軟になった。登録67〜69の場合には、配合物はそれぞれ、もとのPLA(登録1)に比較して低下したTm,Tc及びTgを有していた。これは、GPPとPLAとの相溶性が良好であることを示している。登録67〜69の間における、Tm及びTgの変動は、DSC実験においてポリマーメルトからの冷却の間に起こった結晶化による。登録71に示したPLAの場合には、第1加熱走査からの冷却の間に結晶化が全て起こったので、第2加熱走査の間には結晶化は観察されなかった。しかし、15重量%のGPPとの混合後には、第1加熱走査からの冷却の間に結晶化は観察されない。従って、Tgは63℃から50℃まで有意に低下され、第2加熱走査において126℃において大きな結晶化発熱が観測される。この観測もまた、PLAとGPPとの相溶性を示している。
まとめると、表Xに示したデータから、PLAとGPPとが相溶性であること、及びGPPがPLA用の可塑剤として優れた選択肢であることがわかる。
例19:ポリ塩化ビニルとグルコースペンタプロピオネートとの熱配合
ポリ塩化ビニルと22〜36重量%のグルコースペンタプロピオネート(α/β=1/1)との混合物を、プラスチックバッグ中で成分を一緒に振盪することによって製造した。小型DACA二軸スクリュー押出機を用いて、各混合物を210℃において配合した。得られた樹脂を、粒度3mmまで粉砕し、配合物をDSCによって分析した。図10は、もとのPVCに関する及びGPPを含む配合物に関する代表的な第2走査DSC加熱曲線を示す。図に示されるように、もとのPVCは85℃のTgを示し、その後に163℃を中心とする幅広いメルトが続く。GPPと混合すると、PVCは完全に非晶質になり、Tgは、組成依存的に著しく低下する。このデータは、GPPがPVCと極めて相溶性であり、このポリオレフィンのための可塑剤として有用であることを示している。
例20:セルロースエステルとキシリトールペンタアセテート及びキシリトールペンタプロピオネートとの配合並びに動的機械熱分析によるブレンドの分析
例13に記載した一般法を用いて、セルロースアセテートプロピオネート(DSPr=2.67,DSAc=0.06)及びセルロースアセテートブチレート(DSBu=1.72,DSAc=1.03)とキシリトールペンタプロピオネート及びキシリトールペンタアセテートとの混合物を、種々の可塑剤重量%で製造した。配合された樹脂から、予備成形ウェルを有する金属板を用いて圧縮成形することよって、均一なフィルムを製造した。次いで、引張モードで動作するRheometrics Solids Analyzer II Spectrometerを用いて、加熱速度5℃/分及び周波数1Hzで、動的機械熱分析(DMTA;dynamic mechanical thermal analysis)によってフィルムを分析した。
DMTA実験においては、ポリマー又はポリマーブレンドを、周期的に一連の反復小振幅歪に供する[Takayuki Murayama,”Dynamic Mechanical Analysis of Polymeric Material”,Elsevier Scientific Publishing Company,NY,1978]。このようにして乱れを起こさせられたポリマーは、与えられたエネルギーの一部を弾力的に貯蔵し、一部分を熱の形態で散逸させる。弾力的に貯蔵されたエネルギーは、貯蔵弾性率E’として表す。熱として失われたエネルギーは、損失弾性率E”と称する。循環運動における同相成分と異相成分との角度δは、損失正接tan δ(tan δ=E”/E’)として表される。図11に示された、19.9重量%のXPPを含むCAPに関するDMTAスペクトルは、これらの量の測定を示している。貯蔵弾性率E’が変曲点を示す点において、損失弾性率E”及び損失正接tan δは極大を示すことがわかる。このピークは、混合物のガラス転移温度に相当し、CAPポリマーの大部分の運動による。図11に示したブレンドは、単一のTgを示し、これが混和性ブレンドであることを示している。
ポリマーはまた、Tg未満のガラス状領域において緩和過程を示すことができる。これらの緩和過程は、典型的には、それらが現れる順序に対応してβ遷移、γ遷移などと称される。Tgに相当するtan δ極大は、α遷移と称することが多い。多数の研究が、β遷移が側鎖置換基の回転運動によることを示している。これらの運動を起こすためには、ポリマーマトリックス中に充分な自由体積が存在しなければならない。強靱で延性のガラス状ポリマー及び良好な衝撃強さを有するものは一般に、顕著な低温β遷移を示す。可塑剤と混合されていないセルロースエステルはβ遷移を示さない。しかし、良好な可塑剤と混合すると、セルロースエステルはβ遷移を示す。一般に、β遷移が大きいほど、また、β遷移が起きる温度が低いほど、物理的性質がより改良されている。
図12〜15は、XPA及びXPPと混合されたCAP及びCABに関するtan δ及び損失弾性率の曲線において典型的に観測されるβ遷移を比較する。明確にするために、XPA及びXPPを2種の異なるレベルで用いたブレンドのみについて示す。これらは、XPA及びXPPの濃度が本質的に等しいように選択した。図に示される通り、いずれの場合にも、XPPと混合されたセルロースエステルのβ遷移は、より顕著であり、対応するセルロースエステル−XPAブレンドに関するβ遷移が起こる温度よりも低温で起こる。前述の通り、比較的低温で顕著なβ遷移は、ポリマー系に改良された物理的性質を付与する主要因の1つである。
本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、種々の変更及び変形が可能であることは、当業者にはわかるであろう。本発明の他の実施態様は、当業者には、本明細書及び本明細書中に開示した本発明の実施を検討することによって明らかであろう。本明細書及び実施例は単なる例示とみなし、本発明の真の範囲は添付した「特許請求の範囲」によって示すこととする。
グルコースのα及びβアノマー並びに種々の触媒を用いた、それらと無水酢酸との反応を示す。 その場での(in situ)赤外分光法によって測定した、種々の触媒を用いた酪酸無水物とグルコースとの反応の相対速度を示す。 水の吸収帯、プロピオン酸のカルボニル吸収帯及びグルコースのプロピオン酸エステルのカルボニル吸収帯を示す。 その場での赤外分光法によって測定した、水の添加及びGPPからの水及びプロピオン酸の共沸蒸留を示す。 プロピオン酸のカルボニル吸収帯及びグルコースのプロピオン酸エステルのカルボニル吸収帯を示す。 本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPの破断応力(break stress)及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPの破断応力を示す。 本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPの曲げ弾性率及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPの曲げ弾性率を示す。 本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPのノッチ付きアイゾッド衝撃強さ及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPのノッチ付きアイゾッド衝撃強さを示す。 本発明のポリオールエステルで可塑化されたCAPについての曲げ弾性率対ノッチ付きアイゾッド衝撃強さ及び比較例としての先行技術の可塑剤で可塑化されたCAPの曲げ弾性率対ノッチ付きアイゾッド衝撃強さを示す。 もとのPVC及びGPPを含む製剤についての代表的な第2走査DSC加熱曲線を示す。 XXP 19.9重量%を含むCAPについてのDMTAスペクトルである。 選択されたCAP−XPA,XPPブレンドについての損失弾性率を示す。矢印は、β遷移が集中する温度を示す。 選択されたCAP−XPA、XPPブレンドについてのtanδを示す。矢印は、β遷移が集中する温度を示す。 選択されたCAB−XPA、XPPブレンドについての損失弾性率を示す。 選択されたCAP−XPA、XPPブレンドについてのtanδを示す。

Claims (41)

  1. a)i)C2〜C12炭水化物有機エステル約5〜約95重量%(ここで炭水化物は約1〜約3個の単糖単位を含む);及び
    ii)C2〜C12ポリオールエステル約5〜95重量%(ここでポリオールはC5又はC6炭水化物に由来する)
    の1種又はそれ以上を含む可塑剤;並びに
    b)DS約0.7〜約3.0のセルロースのC2〜C10エステル約5〜約95重量%
    を含んでなる組成物(ここで上記百分率はいずれも成分(A)+成分(B)の重量に基づく)であるが、a)ii)がセルロースエステル/ポリオールエステル二成分ブレンドを提供するように存在する場合には、前記ポリオールエステルはポリオールアセテートを含まない組成物。
  2. 前記成分a)が炭水化物エステルを含み、そして前記セルロースエステルがセルローストリアセテート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートの1種又はそれ以上を含む請求項1に記載の組成物。
  3. 前記成分a)が炭水化物エステルを含み、そして前記炭水化物エステルの炭水化物部分がグルコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、アラビノース、ラクトース、フルクトース、ソルボース、スクロース、セロビオース、セロトリオース及びラフィノースの1種又はそれ以上から得られる請求項1に記載の組成物。
  4. 前記成分a)が炭水化物エステルを含み、そして前記炭水化物エステルがα−グルコースペンタアセテート、β−グルコースペンタアセテート、α−グルコースペンタプロピオネート、β−グルコースペンタプロピオネート、α−グルコースペンタブチレート及びβ−グルコースペンタブチレートの1種又はそれ以上を含む請求項1に記載の組成物。
  5. 前記成分a)が炭水化物エステルを含み、そして前記炭水化物エステルがα−アノマー、β−アノマー又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の組成物。
  6. 前記成分a)が炭水化物エステルを含み、そして前記炭水化物エステルが少なくとも約60%のβ−アノマーを含む請求項1に記載の組成物。
  7. 前記組成物が下記:
    a)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタアセテート;
    b)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタプロピオネート;
    c)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプオロピオネートと、グルコースペンタアセテート;
    d)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタプロピオネート;
    e)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタブチレート;
    f)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタアセテート;
    g)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタプロピオネート;
    h)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタブチレート;
    i)DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;
    j)DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    k)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    l)DS約1.9〜約2.2のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;
    m)DS約1.9〜約2.2のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    n)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネート又はβ−グルコースペンタブチレート;
    o)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタンプロピオネート;及び
    p)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレート
    の1種又はそれ以上を含む請求項1に記載の組成物。
  8. 前記成分a)が約10〜約50重量%で炭水化物エステルを含み、そして前記セルロースエステルが約90〜約50重量%を構成する請求項1に記載の組成物。
  9. 前記炭水化物エステル及びポリオールエステルが、それぞれ独立に、ASTM方法D 1925によって測定して約300未満のAPHA明度を有する請求項1に記載の組成物。
  10. 前記成分a)がポリオールエステルを含み、そして前記ポリオールエステルがC3〜C12ポリオールから本質的に成る請求項1に記載の組成物。
  11. 前記成分a)がポリオールエステルを含み、そして前記セルロースエステルがセルローストリアセテート、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートの1種又はそれ以上を含む請求項1に記載の組成物。
  12. 前記成分a)がポリオールエステルを含み、そして前記ポリオールエステルがソルビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ガラクチトール及びラクチトールの1種又はそれ以上から得られる請求項1に記載の組成物。
  13. 前記ポリオールエステルがソルビトールヘキサプロピオネート及びキシリトールペンタプロピオネートの1種又はそれ以上を含む請求項1に記載の組成物。
  14. 前記成分a)がポリオールエステルを含み、そして前記組成物が下記:
    a)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    b)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    c)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプオロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    d)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサブチレート;
    e)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    f)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタブチレート;
    g)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    h)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;
    i)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    j)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタブチレート;
    k)DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    l)DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    m)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    n)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    o)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    p)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    q)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタブチレート;
    r)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサブチレート;
    s)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    t)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    u)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタブチレート;及び
    v)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート
    を含む請求項1に記載の組成物。
  15. 前記成分a)がポリオールエステルを含み、前記ポリオールエステルが約30〜約10.0重量%を構成し且つ前記セルロースエステルが約70〜約90重量%を構成する請求項1に記載の組成物。
  16. 前記成分a)が炭水化物エステルとポリオールエステルの両方を含み、それによって三成分ブレンドとなる請求項1に記載の組成物。
  17. 前記炭水化物エステルが約4〜約94重量%で存在し、前記ポリオールエステルが約1〜約50重量%で存在し、そして前記セルロースエステルが約5〜約95重量%で存在する請求項16に記載の組成物。
  18. a)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    b)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートと、グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    c)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプオロピオネートと、グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    d)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートプロピオネートと、グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    e)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    f)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    g)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    h)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタブチレートと、キシリトールペンタブチレート;
    i)DS約0.7〜約3.0のセルロースアセテートブチレートと、グルコースペンタブチレートと、ソルビトールペンタブチレート;
    j)DS約2.7〜約2.9のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    k)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    l)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    m)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタンプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;及び
    n)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレートと、キシリトールペンタブチレート
    を含んでなる請求項16に記載の組成物。
  19. 請求項1に記載の組成物から製造される製品。
  20. 前記製品がフィルム、繊維又は造形品を含む請求項19に記載の製品。
  21. 前記製品がフィルムを含み、そのフィルムが接着剤の塗布に適した溶融押出フィルムであり、それによって接着テープを提供する請求項20に記載の製品。
  22. 前記製品がフィルムを含み、そのフィルムが液晶ディスプレイ用の保護フィルムとして又は写真フィルム若しくは映画フィルム用の裏引きとして使用するのに適した溶液流延フィルムである請求項20に記載の製品。
  23. 前記製品がフィルムを含み、そのフィルムが
    a)i)DS約2.6〜約2.9のセルロースアセテート;又は
    ii)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネート;並びに
    b)グルコースペンタアセテート、グルコースペンタプロピオネート、ソルビトールヘキサンプロピオネート、キシリトールペンタプロピオネート及びグルコースペンタプロピオネートとソルビトールヘキサプロピオネートとの混合物又はグルコースペンタプロピオネートとキシリトールペンタプロピオネートとの混合物の1種又はそれ以上約10〜約35重量%
    を含む請求項20に記載の製品。
  24. 前記製品が繊維であり、前記組成物が下記:
    a)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;
    b)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    c)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    d)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    e)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    f)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    g)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    h)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    i)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    j)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレート;
    k)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;
    l)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    m)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    n)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    o)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタブチレート;
    p)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    q)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    r)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレート;
    s)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;
    t)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタブチレート
    を含んでなる請求項20に記載の製品。
  25. 前記製品が造形品であり、その造形品が66psiにおいて約90℃より大きいHDTを有する請求項20に記載の製品。
  26. a)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;
    b)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    c)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    d)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    e)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    f)DSAc約1.8〜約2.0及びDSpr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    g)DSAc約1.8〜約2.0及びDSPr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート
    h)DSAr約1.8〜約2.0及びDSPr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    i)DSAc約1.8〜約2.0及びDSPr約0.6〜約0.8のセルロースアセテートプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート
    を含む請求項25に記載の造形品。
  27. 前記製品が繊維であり、その繊維が天然繊維が少なくとも約30重量%の複合構造を含む請求項20に記載の製品。
  28. a)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、α−グルコースペンタアセテート;
    b)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    c)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    d)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    e)DS約2.4〜約2.6のセルロースアセテートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    f)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    g)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    h)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    i)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    j)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレート;
    k)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;
    l)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートプロピオネートと、β−グルコースペンタブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    m)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネート;
    n)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    o)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、キシリトールペンタブチレート;
    p)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、ソルビトールヘキサプロピオネート;
    q)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタプロピオネート;
    r)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレート;
    s)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタブチレートと、ソルビトールヘキサブチレート;及び
    t)DS約2.5〜約2.8のセルロースアセテートブチレートと、β−グルコースペンタプロピオネートと、キシリトールペンタブチレート。
    の1種又はそれ以上を含む請求項27に記載の繊維。
  29. a)i)ポリ乳酸;又は
    ii)ポリ塩化ビニル
    を含むポリマー約5〜約95重量%;及び
    b)i)C2〜C12炭水化物エステル約5〜約95重量%;又は
    ii)C2〜C12ポリオールエステル約5〜約95重量%(ここでポリオールはC5又はC6炭水化物から得られる)
    の1種又はそれ以上を含む可塑剤
    (ここで百分率はいずれも成分(A)+成分(B)の重量に基づく)
    を含んでなる組成物。
  30. 前記ポリマーがポリ乳酸である請求項29に記載の組成物。
  31. 前記ポリマーがポリ塩化ビニルである請求項29に記載の組成物。
  32. 前記可塑剤が炭水化物エステル及びポリオールエステルの両方を含み、それによって三成分ブレンドを提供する請求項29に記載の組成物。
  33. a)グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース又はセロビオースのC3〜C12エステル;
    b)マンノース、ガラクトース、キシロース、アラビノース、ラクトース又はセロビオースのC2〜C12エステル;及び
    c)ソルビトール、マンニトール、ガラクチトール又はアラビニトールのC3〜C12エステル
    の1種又はそれ以上を含んでなり、セルロースエステル、ポリ塩化ビニル及びポリ乳酸の1種又はそれ以上を可塑化するのに適した可塑剤組成物。
  34. a)i)C2〜C12炭水化物エステル;又は
    ii)C3〜C12ポリオールエステル(ここでポリオールはC5又はC6の炭水化物から得られる)
    の1種又はそれ以上を含む可塑剤をポリマー組成物に導入し;そして
    b)前記可塑剤を前記ポリマー組成物と混合する
    ことを含んでなるポリマー組成物の可塑化方法。
  35. 前記ポリマー組成物が、
    a)DSが約0.7〜約3.0のセルロースのC2〜C10エステル;
    b)ポリ塩化ビニル;及び
    c)ポリ乳酸
    の1種又はそれ以上を含む請求項34に記載の方法。
  36. 前記ポリマー組成物が約90〜約5重量%の炭水化物エステル及び約10〜約95重量%のセルロースエステルを含む請求項34に記載の方法。
  37. 前記ポリマー組成物が約50〜約5重量%のポリオールエステル及び約50〜約95重量%のセルロースエステルを含む請求項34に記載の方法。
  38. 前記ポリマー組成物が約5〜約95重量%の炭水化物エステル及び約95〜約5重量%のポリ塩化ビニルを含む請求項34に記載の方法。
  39. 前記ポリマー組成物が約5〜約95重量%のポリオールエステル及び約95〜約5重量%のポリ塩化ビニルを含む請求項34に記載の方法。
  40. 前記ポリマー組成物が約5〜約95重量%の炭水化物エステル及び約95〜約5重量%のポリ乳酸を含む請求項34に記載の方法。
  41. 前記ポリマー組成物が約5〜約95重量%のポリオールエステル及び約95〜約5重量%のポリ乳酸を含む請求項34に記載の方法。
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