JP2005514051A - 胃癌における遺伝子発現プロファイル - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は一般に、胃癌患者から得た胃組織における遺伝子発現の変化に関する。具体的には、本発明は、癌性の胃組織において、非癌性の胃組織と比べ発現が異なる一連のヒト遺伝子に関する。
米国においては、新たに胃癌(stomach cancer,or gastric cancer)と診断される例が、毎年約24,000例にのぼる。ここ60年間で、胃癌の発生率は有意に減少しているが、胃癌は依然として重篤な疾患であり、これを引き起こす要因はわかりにくいままである。同様の状況下においても、胃癌を発症する者もあれば、しない者もある。
胃細胞における、胃癌の発症・進行に関連する分子的変化について、知られていることは殆どない。従って、広範な遺伝子発現レベルの変化に関する研究に対する必要性、および胃癌の発症・進行に関連する新規な分子マーカーの同定に対する必要性が存在する。更に、介入(intervention)により胃癌の進行を停止または遅らせることに成功することが期待されるならば、この疾患の初期の兆候(manifestation)を正確に評価する手段を確立する必要がある。胃癌の初期の兆候を正確に評価する方法の一つは、疾患の進行に特異的に(uniquely)関連するマーカーを同定することである(例えば、非特許文献2等を参照)。同様に、胃癌の進行を阻害または停止する治療薬の開発は、胃における癌性の変異(transformation)および増殖に寄与する遺伝子の同定にかかっている。
患者に医薬組成物を投与する工程;
前記患者から得た細胞または組織から、遺伝子発現プロファイルを作成する工程;および
前記患者の遺伝子発現プロファイルを、正常胃細胞からなる細胞母集団から得た遺伝子発現プロファイル、罹患胃細胞からなる細胞母集団から得た遺伝子発現プロファイルまたはその両者と比較する工程
を含む、胃癌患者の治療の監視方法を提供する。ある好ましい実施形態においては、前記遺伝子発現プロファイルは、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを含む。
患者に医薬組成物を投与する工程であって、前記組成物は、表1の遺伝子のうち少なくとも1種の発現を変化させる工程;
罹患細胞を有する前記患者から得た細胞または組織から、遺伝子発現プロファイルを作成する工程;および
前記患者の遺伝子発現プロファイルを、胃癌細胞からなる未処理細胞の母集団から得た遺伝子発現プロファイルと比較する工程
を含む、胃癌患者の治療方法を含む。
細胞を前記薬物に曝露する工程;および
表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを検出する工程
を含む薬物のスクリーニング方法を含む。ある好ましい実施形態においては、1種以上の遺伝子を、表1に記載された遺伝子よりなる群から選択することができる。ある好ましい方法においては、表中の遺伝子を全てまたは殆ど全て検出することが好ましい。
以下の記載において、当業者には知られている用語や成句が多数用いられている。明瞭且つ一貫した解釈のため、ある種の用語・成句につきその定義を示す。
本発明は、正常胃組織と癌性胃組織の間で発現に差のあるそれらの遺伝子を同定するものである。当業者は、発現に差があると同定された1種以上の遺伝子を表1より選択し、本明細書において提供される情報および方法を用いて特定試料を調査または検査(interrogate or test)することができる。2つの条件または起源の特定の調査のためには、2つの条件または起源の間で発現パターンにかなり大きな差を示すようなそれらの遺伝子を選択することが好ましい。他の例においては、2つの条件の間で発現の差が僅かしかないような遺伝子を選択することが適切な場合もある。差が少なくとも約2倍であることが好ましいこともあるが、他の例においては、3倍、5倍または10倍が好ましいこともある。遺伝子またはタンパク質の調査が行われ、異なった情報が得られる場合もある。
本明細書に記載の通り、下記表1に提供される遺伝子および遺伝子発現情報を、胃組織における疾患状態の推定または同定のための診断マーカーとして使用しうる。例えば、患者から得た胃組織試料またはその他の試料を、当業者には既知の何らかの方法によってアッセイし、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを、正常胃組織、癌性胃組織またはその両者に見られる発現レベルと比較しうる。組織その他の試料から生成する、正常または罹患胃組織からの発現プロファイルと本質的に類似している発現プロファイルを、例えば疾患の診断に利用しうる。発現データ(使用可能な配列その他の情報も)の比較は、研究者または診断医が行ってもよく、本明細書に記載のように、コンピュータおよびデータベースの支援により行ってもよい。
胃癌の分子発現マーカーは、形態学的臨界に基づいて行われる疾患の形式および進行の確認に用いることができる。例えば、組織試料において発現している遺伝子のレベルおよび形式に基づいて、正常胃組織を癌性胃組織と区別しうる。ある状況においては、古典的な基準に基づく細胞の形式や起源の同定が曖昧である。これらの状況では、胃の試料を得た領域、および正常な遺伝子発現のレベルが変化しているか否か(代謝障害の兆候)の同定に、本発明の分子発現マーカーが有用である。
本発明によれば、可能性ある薬物のスクリーニングを行い、その薬物の適用により、本明細書で同定されている遺伝子のうち1種以上の発現が変化するか否かを決定することができる。これは例えば、特定の薬物が、特定の胃癌患者の治療に有効であるか否かを決定する際に有用である。可能性ある薬物によって遺伝子の発現が影響を受け、その発現レベルが正常に戻った場合、その薬物は胃癌の治療に必要である(indicated)。同様に、健康な胃細胞による正常でない遺伝子発現を引き起こす薬物は、胃癌の治療において禁忌(contra−indicated)である。
下記表1の核酸分子の発現、または表1の核酸分子がコードする少なくとも1種のタンパク質の活性を上方または下方に調整或いは調節する薬物、例えばアゴニストまたはアンタゴニストを用いて、これらの核酸分子がコードするタンパク質の機能および活性に関連する生物学的および病理学的プロセスを調節してもよい。薬物は、表1の核酸分子自体、それがコードするタンパク質またはそれらの分子の一部(例えば、これらの核酸分子のオープンリーディングフレーム(open reading frames)の全体または一部)でありうる。
胃癌において発現に差があると同定された遺伝子は、所定の試料における単一または複数の遺伝子を検出したり、その発現レベルを定量したりするための、種々の核酸検出アッセイに利用しうる。例えば、伝統的なノーザンブロッティング、ヌクレアーゼ保護、RT−PCRおよび示差的表示法を、遺伝子発現レベルの検出に使用しうる。少数の遺伝子(例えば5〜50遺伝子)をアッセイする方法では、高処理量のPCRを使用しうる。
本明細書に記載の遺伝子の配列に基づくプローブを、通常使用可能なあらゆる方法により調製しうる。組織または細胞アッセイ用のオリゴヌクレオチドプローブは、好ましくは、適切な相補的遺伝子または転写物に対し特異的にハイブリダイズするのに十分な長さを有する。典型的には、オリゴヌクレオチドプローブは、少なくとも10、12、14、16、18、20または25ヌクレオチドの長さを有する。ある場合には、少なくとも30、40または50ヌクレオチドのより長いプローブが好ましい。
(1)平均化コントロール
(2)発現レベルコントロール
(3)ミスマッチコントロール
当業者には明らかなことだが、本発明の方法およびアッセイに用いる核酸試料は、利用可能なあらゆる方法・手順で得ることができる。全mRNAを単離する方法もまた、当業者にはよく知られている。核酸を単離・精製する方法は、例えば非特許文献25に詳細に記載されている。そのような試料にはRNA試料が含まれるが、関心ある細胞または組織から単離されたmRNA試料から合成されたcDNAも含まれる。そのような試料にはまた、cDNAから増幅されたDNAや、増幅されたDNAから転写されたRNAも含まれる。ホモジェネートが使用可能となる前に、ホモジェネート中に存在するRNaseを阻害または破壊することが好ましいことを、当業者は理解している。
発現に差のある遺伝子用のオリゴヌクレオチドプローブを含有する固相担体は、当業者には既知のあらゆる固形または半固形担体材料でありうる。適切な例には、膜、フィルター、組織培養皿、ポリ塩化ビニル皿、ビーズ、試験片、シリコンまたはガラス系チップ等が含まれるが、これらに限定されない。適切なガラスウェハーおよびハイブリダイゼーション法(例えば、特許文献2に開示されているもの)を、広範囲に利用可能である。オリゴヌクレオチドが結合(直接、間接共、また共有結合、非共有結合共)しうるあらゆる固相表面を使用しうる。ある実施形態においては、同じ固相担体に対し、オリゴヌクレオチドのあるものを共有結合させ、別のあるものを非共有結合させることが好ましいことがある。
核酸のハイブリダイゼーションは単に、プローブとその相補的標的が、相補的塩基対形成を介して安定なハイブリッド二重鎖を形成しうる条件下で、プローブと標的核酸を接触させることを含む(特許文献7を参照)。ハイブリッド二重鎖を形成しない核酸は洗い流されて、ハイブリダイズした検出(典型的には、結合させた検出可能なラベルを介して)すべき核酸が残る。温度を上昇させるか、核酸を含む緩衝溶液の塩濃度を低下させることにより、核酸が変性することは、一般に認識されている。厳密度の低い条件下(例えば、低温および/または高塩濃度)では、アニールする配列が完全に相補的でなくても、ハイブリッド二重鎖(例えば、DNA−DNA、RNA−RNAまたはRNA−DNA)が形成される。従って低厳密度では、ハイブリダイゼーションの特異性が低下する。逆に、高厳密度(例えば、高温および/または低塩濃度)では、成功裡にハイブリダイゼーションが起こりミスマッチはより少ない。当業者は、ハイブリダイゼーション条件を、いかなる厳密度となるようにも選択しうることを理解する。好ましい実施形態においては、ハイブリダイゼーションを確実に起こさせるため低厳密度(この場合、6×SSPE−T、37℃(0.005% トリトン X−100))でハイブリダイゼーションを行い、ミスマッチのハイブリッド二重鎖をなくすため高厳密度(例えば、1×SSPE−T、37℃)で洗浄を行う。所望のレベルのハイブリダイゼーション特異性が得られるまで、厳密度を上げながら(例えば、37〜50℃で、0.25×SSPE−Tにまで)、連続して洗浄を行ってもよい。ホルムアミド等の試薬を添加することによって、厳密度を上げてもよい。テストプローブに対するハイブリダイゼーションと、存在しうる種々のコントロール(例えば、発現レベルコントロール、平均化コントロール、ミスマッチコントロール等)に対するハイブリダイゼーションの比較によって、ハイブリダイゼーション特異性を評価する。
ハイブリダイズした核酸の検出は、典型的には、試料核酸に結合させた1種以上のラベルを検出することにより行う。ラベルの組み込みは、当業者にはよく知られている多くの方法のうちいずれを用いて行ってもよい(特許文献7を参照)。
本発明は、配列情報(例えば、表1の遺伝子のうち1種以上についての)を、種々の胃組織試料における遺伝子発現情報と共に含むリレーショナルデータベースを含む。データベースにはまた、所定の配列または組織試料に関連する情報(例えば、配列情報に関連する遺伝子についての記述的情報、組織試料の臨床状態についての記述的情報、試料が由来している患者についての情報など)も含まれていてもよい。データベースは、異なる部分(例えば、配列データベースと遺伝子発現データベース)を含むように設計されていてもよい。本発明のデータベースは、コンピュータ読み取りの可能なあらゆる利用可能な媒体に記録しうる。そのようなデータベースの構成・構築のための方法は、広範囲に利用可能である。例えば、特許文献8を参照されたい(この文献は、引用により全体にわたって明確に本明細書に組み入れられる)。
組織試料の取得および調製
患者の組織試料は、進行した胃癌(AGC)と診断された韓国人患者5名(男性4名、女性1名、年齢47〜68歳)に由来する。各患者に関し胃の2つの領域から組織を得て、1組の生検試料を作成した。組織は、胃癌と、正常胃組織(NOR)からなる非癌性の周辺領域から取得した。
各組織試料の組織学的分析を行い、試料を正常(NOR)または癌性(AGC)のカテゴリーに分離した。
全ての試料を上記のように調製し、AffymetrixヒトゲノムU95アレイに対してハイブリダイズさせた。各チップには、遺伝子またはcDNAクローン1つあたり、16〜20種のオリゴヌクレオチドプローブ対が含まれている。これらのプローブ対には、パーフェクトマッチの組とミスマッチの組が含まれている(平均の差を計算するため両方が必要)。平均の差は、各プローブ対についての強度差の尺度であり、パーフェクトマッチの強度からミスマッチの強度を差し引いて算出される。これは、プローブ対間のハイブリダイゼーションにおける可変性や、蛍光強度に影響する恐れのある他の擬似ハイブリダイゼーション(hybridization artifacts)を考慮したものである。計算した平均の差の数値を用いて、各遺伝子の絶対的判定(absolute call)を作成する。
まずデータをフィルターにかけ(filtered)、いずれの試料においても発現が見られない遺伝子を全て除外した。癌性試料の組における各遺伝子についての平均発現数値を、正常組織試料の組におけるその遺伝子についての平均発現数値と比較することにより、比率(癌性/正常)を算出した。ある遺伝子につき、いずれかの方向について倍率(fold)の変化が1.9を超え、分散分析(ANOVA)試験により測定したp値が0.00097未満のとき、その遺伝子を解析に含めた。全体の倍率変化解析において、ヒトゲノムU95セットで調査した約60000種の遺伝子のうち33遺伝子が「存在」とされた。表1において、正常生検試料に対する、疾患状態における遺伝子発現レベルの比較(または倍率変化)を示す数は、正の場合も負の場合もある。正の値は、コントロールに比べ癌試料において発現レベルが高い(上方調整)ことを示し、負の値は、癌試料において発現レベルが低い(下方調整)ことを示す。
上記の方法を用いて、胃癌において過剰に発現している、または発現が低下している遺伝子の優位なものを同定した。一貫した発現パターンの差を示す遺伝子は、広範囲の診断および治療のための可能性ある標的を提供する。
Claims (33)
- (a)組織試料における、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを検出する工程
を含む、患者における胃癌の診断方法であって、表1の遺伝子の発現に差があることは、胃癌を示すことを特徴とする胃癌の診断方法。 - (a)組織試料における、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを検出する工程
を含む、患者における胃癌進行の検出方法であって、表1の遺伝子の発現に差があることは、胃癌の進行を示すことを特徴とする胃癌進行の検出方法。 - (a)患者に医薬組成物を投与する工程;
(b)前記患者から得た細胞または組織から、表1の遺伝子のうち1種以上の遺伝子発現プロファイルを作成する工程;および
(c)前記患者の遺伝子発現プロファイルを、正常胃細胞および癌性胃細胞よりなる群から選択される細胞母集団から得た遺伝子発現プロファイルと比較する工程
を含む胃癌患者の治療の監視方法。 - (a)患者に医薬組成物を投与する工程;
(b)前記患者から得た細胞または組織から、表1の遺伝子のうち1種以上の遺伝子発現プロファイルを作成する工程;および
(c)前記患者の遺伝子発現プロファイルを、正常胃細胞および癌性胃細胞よりなる群から選択される遺伝子発現プロファイルと比較する工程
を含む胃癌患者の治療方法。 - (a)組織試料における、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを検出する工程
を含む、患者における胃疾患の分類方法であって、表1の遺伝子の発現に差があることは、胃疾患が胃癌であることを示すことを特徴とする胃疾患の分類方法。 - 胃癌の発病または進行を調節しうる薬物のスクリーニング方法であって、
(a)癌性胃細胞を含む細胞母集団から、第1の遺伝子発現プロファイルを作成する工程であって、前記発現プロファイルは、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを含む工程;
(b)前記細胞母集団を薬物に曝露する工程;
(c)薬物に曝露された細胞母集団から、第2の遺伝子発現プロファイルを作成する工程;および
(d)前記第1および第2の遺伝子発現プロファイルを比較する工程
を含むことを特徴とする薬物のスクリーニング方法。 - 表1中の遺伝子と特異的にハイブリダイズする配列を各々有する少なくとも2種のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
- 少なくとも3種のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
- 少なくとも5種のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
- 少なくとも7種のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
- 少なくとも10種のオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
- 前記オリゴヌクレオチドは、固相担体に結合していることを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の組成物。
- 前記固相担体は、膜、ガラス担体、フィルター、組織培養皿、高分子物質、ビーズおよびシリカ担体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
- 表1中の遺伝子と特異的にハイブリダイズする配列を各々有する少なくとも2種のオリゴヌクレオチドを含む固相担体。
- 前記オリゴヌクレオチドと共有結合していることを特徴とする請求項14に記載の固相担体。
- 前記オリゴヌクレオチドと非共有結合していることを特徴とする請求項14に記載の固相担体。
- 不連続な領域1cm2あたり、少なくとも10種の異なるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項14に記載の固相担体。
- 不連続な領域1cm2あたり、少なくとも100種の異なるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項14に記載の固相担体。
- 不連続な領域1cm2あたり、少なくとも1000種の異なるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項14に記載の固相担体。
- 不連続な領域1cm2あたり、少なくとも10000種の異なるオリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項14に記載の固相担体。
- (a)表1の遺伝子のうち少なくとも1種からなる1組の遺伝子の、胃組織における発現レベルを同定する情報を含むデータベース;および
(b)前記情報を見るためのユーザインタフェース
を含むコンピュータシステム。 - 前記データベースは、前記遺伝子に関する配列情報を更に含むことを特徴とする請求項21に記載のコンピュータシステム。
- 前記データベースは、前記遺伝子の正常胃組織における発現レベルを同定する情報を更に含むことを特徴とする請求項21に記載のコンピュータシステム。
- 前記データベースは、前記遺伝子の胃癌から得た組織における発現レベルを同定する情報を更に含むことを特徴とする請求項21に記載のコンピュータシステム。
- 外部データベースからの、前記遺伝子を前記外部データベースと関係付ける記述的情報を含むレコードを更に含むことを特徴とする請求項21〜24のいずれかに記載のコンピュータシステム。
- 前記外部データベースは、GenBankであることを特徴とする請求項25に記載のコンピュータシステム。
- 請求項21〜26のいずれかに記載のコンピュータシステムを用いて、組織または細胞における、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを同定する情報を提示する方法であって、
(a)組織または細胞における、表1の遺伝子のうち1種以上の発現レベルを、前記データベースにおける遺伝子の発現レベルと比較する工程
を含むことを特徴とする情報を提示する方法。 - 少なくとも2種の遺伝子の発現レベルを比較することを特徴とする請求項27に記載の情報を提示する方法。
- 少なくとも5種の遺伝子の発現レベルを比較することを特徴とする請求項27に記載の情報を提示する方法。
- 少なくとも10種の遺伝子の発現レベルを比較することを特徴とする請求項27に記載の情報を提示する方法。
- 組織または細胞の試料における1種以上の遺伝子の発現レベルを、胃癌における発現レベルと比較して表示する工程を更に含むことを特徴とする請求項27に記載の情報を提示する方法。
- 表1の遺伝子、表1の遺伝子の機能的断片、表1の遺伝子がコードするタンパク質および前記タンパク質の機能的断片よりなる群から選択される、胃癌の進行を遅らせるか、停止させるための治療薬。
- (a)胃癌患者に、少なくとも1種の表1の遺伝子の全体または一部、或いはそれがコードするタンパク質を含む医薬組成物を投与する工程
を含む胃癌患者の治療方法。
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