JP2005510608A - 個別の親水性−疎水性多孔質材料およびその製造方法 - Google Patents

個別の親水性−疎水性多孔質材料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、明確な表面特性を呈する個別領域を備えた多孔質高分子材料に関する。本発明はまた、そのような多孔質高分子材料の製造方法およびその用途に関する。個別領域の位置は、選択的制御方式により決定することができる。明確な親水性、疎水性、疎油性、生物学的分子結合能、湿潤およびウィッキング性、官能基の存在または密度、化学反応性、電荷、多孔度、および細孔サイズを有する個別領域を備えた多孔質材料を、本発明により製造することができる。

Description

1. 発明の分野
本発明は、異なる性質を有する複数の個別の表面領域を備えた多孔質高分子材料およびその製造方法に関する。
2. 発明の背景
金属、セラミックス、ガラス、および高分子の材料を含む多孔質材料は、濾過用、通気用、ウィッキング用、移植用、および他の生物医学用のデバイスのようなさまざまな用途で使用されてきた。たとえば、多孔質高分子材料は、代用血管として機能する医療用デバイス、人工レンズおよび眼内レンズ、電極、カテーテル、ならびに手術または透析を支援するために生体に接続されるデバイスのような体外デバイスで使用することができる。多孔質高分子材料はまた、血液を成分血液細胞と血漿とに分離するためのフィルターとして、血液から微生物を除去するためのマイクロフィルターとして、および埋植時の内皮損傷を防止するための眼用レンズのコーティングとして、使用することができる。多孔質材料はまた、ラテラルフローデバイス、フロースルーデバイス、および他のイムノアッセイデバイスのような診断用デバイスでも使用されてきた。
しかしながら、多くのポリマーの疎水性が原因で、それから作製される多孔質材料の有用性が制限されてきた。したがって、多孔質材料の表面特性を改質する試みがなされてきた。表面特性のそのような改質を達成するために、種々の方法が考えられてきた。そのような方法の例としては、有機界面活性剤の添加; たとえば米国特許第4,845,132号および同第6,022,902号に開示されているようなプラズマ放電; たとえば米国特許第6,271,273号に開示されているような電子ビーム放電; たとえば米国特許第5,688,465号に開示されているようなコロナ放電; ならびにたとえば米国特許第5,540,837号、同第5,695,640号、同第5,700,559号、同第5,807,636号、同第5,837,377号、同第5,914,182号、同第5,916,585号および同第6,060,410号に開示されているような溶液処理が挙げられる。列挙された米国特許の内容は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。
高分子材料の表面特性の改質に利用可能なさまざまな方法のほとんどは、表面改質度を制御する能力に限界があり、多くは、高価であるか、非効率的であるか、またはその細孔を塞ぐことなく多孔質表面を改質するように使用することができない。さらに、これらの方法を用いてさまざまな改質を多孔質材料に導入することができるが、これらの方法は、多孔質材料の部片全体の表面特性を改質する方法を目指したものである。
一方、種々の表面特性を有する選択的にあらかじめ決められた個別領域を備えた多孔質材料は、単一部片の診断用デバイス、マルチチャネル生物学的アッセイ、マイクロ流体デバイス、コンビナトリーケミストリー、ならびに生物学的分子および薬剤の迅速スクリーニングにおいて、多種多様な用途を有する。
したがって、種々の表面特性を有する選択的にあらかじめ決められた個別領域を備えた多孔質材料を開発する必要性が存在する。
3. 発明の概要
本発明は、異なる表面特性の個別領域を含有する新規な多孔質材料およびその製造方法を包含する。本発明に係る材料は、化学的または生物学的部分が個別のパターンで選択的に結合されているかまたは基材の表面上の個別領域が選択的に活性化されている多孔質基材を含む。
本発明に係る第1の実施形態は、明確な表面特性(distinct surface properties)を呈する複数の個別領域(discrete regions)を含有する表面を備えた単一部片(single piece)の多孔質高分子材料に関する。
本発明の材料の製造に供することのできるポリマーの特定例としては、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリスルホン、ニトロセルロース、セルロース、フッ素化ポリマー、PTFE、多孔質繊維材料、またはナイロンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ポリオレフィンとしては、エチレンビニルアセテート、エチレンメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ポリ(1-ブテン)、ポリスチレン、ポリ(2-ブテン)、ポリ(1-ペンテン)、ポリ(2-ペンテン)、ポリ(3-メチル-1-ペンテン)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、1,2-ポリ-1,3-ブタジエン、1,4-ポリ-1,3-ブタジエン; ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニリデンクロリド)、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る多孔質材料に導入することのできる表面特性としては、親水性、疎水性、疎油性、生物学的分子結合能、湿潤またはウィッキング性、官能基の存在または密度、化学反応性、電荷、多孔度、および細孔サイズが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
個別領域は、親水性領域および疎水性領域から構成しうる。この点に関して、本発明は、個別の親水性領域が疎水性境界に取り囲まれている多孔質材料を包含する。他の選択肢として、個別の疎水性領域を親水性境界に取り囲むことも可能である。他の態様において、個別領域はまた、疎水性および疎油性であってもよい。
本発明に係る多孔質材料の所与の部片において、個別領域はすべて、同一の表面特性を呈しうる。一方、多孔質材料の所与の部片において、異なる個別領域は異なる表面特性を有しうる。
本発明に係る多孔質材料は、個別領域の表面特性を改質するコーティング材料で個別領域がコーティングされた材料を包含しうる。コーティングは、単層であってもよいし、二層であってもよいし、場合により、多層であってもよい。コーティング層は、共有結合、静電相互作用、またはそれらの組合せにより、その真下の層に結合される。
好適なコーティング材料としては、高分子電解質、中性ポリマー、小分子、生体分子、またはそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特定の高分子電解質としては、ホスフェート、ポリエチレンイミド、ポリ(ビニルイミダゾリン)、四級化ポリアクリルアミド、カルボキシル変性ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリ(アクリレートトリアルキルアンモニア塩エステル)、セルロース、ポリ(アクリル酸)、ポリメチルアクリル酸、ポリ(マレイン酸)、ポリ(スチレン硫酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(トルエン硫酸)、ポリ(メチルビニルエーテル-alt-マレイン酸)、ポリ(グルタミン酸)、界面活性剤、Nafion(登録商標)(DuPont)、デキストラン硫酸、ヒアルリン酸(hyaluric acid)、ヘパリン、アルギン酸、アジピン酸、化学染料、タンパク質、酵素、核酸、ペプチド、またはそれらの塩、エステル、および/もしくはコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特定の中性ポリマーとしては、イソシアネート化末端ポリマー、エポキシ末端ポリマー、またはヒドロキシルスクシミド末端ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。中性ポリマーのより具体的な例としては、ポリウレタン、ポリ(エチレングリコール)、およびポリシロキサンが挙げられる。
特定の小分子としては、ナトリウムドデシルスルホネート、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ホスフェート、スルホネート、ブロナート、スルホネート、染料、脂質、金属イオン、またはフッ素含有界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特定の生体分子としては、タンパク質、酵素、脂質、ホルモン、ペプチド、核酸、オリゴ核酸、DNA、RNA、糖、または多糖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る多孔質材料は、個別領域に電荷を有しうる。電荷は、すべての個別領域で同一であってもよいし、異なる電荷が異なる個別領域に存在していてもよい。このほか、個別領域がすべて同一の電荷であるか否かに関係なく、異なる電荷密度が異なる個別領域に存在していてもよい。
さらに、本発明に係る多孔質材料は、個別領域に化学官能基を有しうる。個別領域はすべて同一の化学官能基を含んでいてもよいし、異なる個別領域が異なる化学官能基を含んでいてもよい。この場合にもまた、官能基のタイプに関係なく、異なる個別領域は、異なる化学官能基密度を含みうる。化学官能基の特定例としては、アミノ基、カルボン酸、硫酸、多糖、またはペルフルロアルキル基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の他の態様において、本発明に係る材料の個別領域は、三次元的に配置することが可能である。いいかえれば、本発明における多孔質な個別の部分は、xおよび/またはy方向に加えてz方向にも存在しうる。たとえば、本発明に係る個別の多孔質材料の単一部片において、材料の上部は、底部とは異なる化学的性質を有しうる。
他の実施形態では、本発明は、明確な表面特性を呈する複数の個別領域を備えた多孔質材料の製造方法に関する。本方法は、異なる性質を有するポリマー粒子をあらかじめ決められたパターンで配置するステップ、および粒子を圧縮焼結させて多孔質材料を提供するステップを含む。特定の場合には、得られた多孔質材料は、ビレットの形態をとることができる。そのような場合、多孔質材料は、場合により、スカイビングによりシートにすることができる。
他の実施形態では、多孔質基材の個別領域上にあらかじめ決められたパターンでポリマー粉末を選択的に配置するステップ、および基材中にポリマー粉末を圧縮焼結させるステップを含む方法により、本発明に係る多孔質材料を製造する。
一態様において、基材のすべての個別領域で同一のポリマー粉末を使用して、同一の化学的性質を有する個別領域を提供する。変形例として、異なるポリマーから製造されたポリマー粉末を使用して、所与の多孔質材料中に異なる化学的表面特性を有する個別領域を提供することもできる。
特定の実施形態では、親水性のポリマー粉末を疎水性多孔質基材の個別領域上に配置する。得られた多孔質材料は、個別の親水性-疎水性領域を有する。
一態様において、本発明に係るある特定の実施形態は、すべての個別領域で同一の多孔度または細孔サイズを呈する多孔質材料を製造する方法に関する。他の選択肢として、異なる多孔度または細孔サイズを異なる個別領域に導入することも可能である。
本発明に係る他の実施形態は、本発明に係る多孔質材料の他の製造方法に関する。本方法は、多孔質基材を提供することと、あらかじめ決められたように基材の個別領域を選択的に活性化させることと、を含む。多孔質基材の表面を活性化するために、高エネルギー活性化を使用する。高エネルギー活性化の例としては、直接および遠隔プラズマ活性化、コロナ放電、電子ビーム、およびUV照射が挙げられるが、これらに限定されるものではない。高エネルギー活性化に付される表面領域は、親水性になるが、表面の他の領域は疎水性のままである。
いくつかの異なる方法が、個別領域の選択的活性化を行うために利用される。プラズマ活性化、コロナ放電、またはUV照射のような活性化法では、基材の特定の部分を遮蔽し他の部分を露出した状態にすることができる所望のパターンを備えた1つ以上のマスクを利用して、選択的活性化を達成することができる。マスクの製造に利用できる好適な材料としては、金属、プラスチック、ゴム、および紙テープが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
コロナ放電活性化を用いる場合、マスクの使用に加えて特別にデザインされた電極を用いて選択的活性化を達成することができる。活性化される個別領域が正確な形状をもつように電極がデザインされるので、選択的活性化が達成される。これにより、電極に対して露出した領域は親水性になり、一方で、非露出領域は疎水性を保持するであろう。
電子ビーム活性化のような活性化法では、電子ビームを単に指定の個別領域に集束させることにより、選択的活性化を達成することができる。
本発明に係る多孔質材料は、コーティング手順に付された個別領域を含んでいてもよい。したがって、本発明に係る他の実施形態は、個別領域を覆う層を形成するのに十分な時間および温度で、個別の表面領域をコーティング材料でコーティングすることを含む方法に関する。コーティング材料は、高分子電解質、中性ポリマー、小分子、生体分子、またはそれらの組合せを含有しうる。この処理で形成される層は、好ましくは、共有結合、静電相互作用、またはそれらの組合せにより、活性化された個別領域に結合される。
特定の一実施形態では、本発明は、二層コーティングされた多孔質材料を提供するように多孔質材料にさらにコーティングを施す方法に関する。第2の層は、共有結合、静電相互作用、またはそれらの組合せにより第1の層に結合される。コーティングのサイクル数、すなわち、個別領域上に導入することのできるコーティング層の数には、制限はない。
特定の実施形態では、所望の官能基を含有する荷電した分子を反対に荷電した個別領域と反応させることにより、官能基を導入することができる。そのような荷電した分子の例としては、荷電したポリエチレングリコール(PEG)、荷電したビオチン、荷電したDNA、荷電したRNA、または荷電したタンパク質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
4. 図の簡単な説明
本発明の特定の新規な態様をよりよく理解するために、以下に記載の図を参照することができる。
5. 発明の詳細な説明
本発明の一部分は、明確な表面特性を呈する複数の個別表面領域を備えた多孔質高分子材料の単一部片に関する。本明細書中で使用する場合、「単一部片」という用語は、部片の構成要素が、グルー、接着剤、またはテープなどのような第3の構成要素材料を用いることなく、物理的に接続されていることを意味する。この単一部片の形状は、特定の形態に限定されるものではない。実現可能な形状の例としては、シート、ロッド、フィルム、ブロック、繊維、チューブ、および成形品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る多孔質材料の表面に導入することのできる、明確な性質(示差的な性質)としては、親水性、疎水性、疎油性、生物学的分子結合能、湿潤またはウィッキング性、官能基の存在または密度、化学反応性、電荷、多孔度、および細孔サイズが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に係る特定の実施形態は、個別的な親水性領域および疎水性領域を有する多孔質材料に関する。親水性および疎水性の個別の多孔質領域は、大気圧における水溶液の湿潤により識別される。水溶液は、疎水性領域ではなく親水性領域を湿潤させるかまたはそれに吸い込まれるであろう。
本発明に係る特定の実施形態は、個別的な疎水性領域および疎油性領域を備えた多孔質材料に関する。疎油性は、大気圧におけるエタノール、アセトン、ガソリンなどのような有機溶媒の湿潤により規定することができる。有機溶媒は、疎油性領域を湿潤させることもそれに吸い込まれることもないであろうが、そのような溶媒は、疎水性領域を湿潤させるかまたはそれに吸い込まれるであろう。より特定の実施形態は、疎水性境界に取り囲まれた個別の親水性領域を有する多孔質材料に関する。
本発明の一部分はまた、多孔質高分子材料の製造方法に関する。一実施形態では、本発明の多孔質材料は、異なる性質を有するポリマー粒子をあらかじめ決められたパターンで配置することと、粒子を圧縮焼結させて多孔質材料を提供することと、を含む方法を用いて製造される(図1)。生成多孔質材料がビレットの形態をとる場合、場合により、スカイビングしてシートにすることができる(図2)。
本発明に係る多孔質材料は、多孔質基材を提供することと、基材の個別領域上にあらかじめ決められたパターンでポリマー粉末を選択的に配置することと、基材中にポリマー粉末を圧縮焼結させることと、を含む方法により、を製造することもできる。使用されるポリマー粉末のタイプに依存して、同一の性質をすべての個別領域に導入することができるかまたは異なる性質を異なる個別領域に導入することが可能である。
他の実施形態では、本発明に係る多孔質材料は、多孔質基材を提供することと、基材の個別領域を選択的に活性化させることと、を含む方法を用いて製造することができる。この活性化のために高エネルギー活性化法が使用される。
種々のコーティング法を利用して、本発明に係る多孔質材料を提供することが可能である。一般的には、個別領域を覆う層を形成するのに十分な時間および温度で多孔質材料をコーティング材料で処理する。この処理は、多孔質材料の個別領域上に多層コーティングを達成するように所望に応じて繰り返すことができる。本発明に係る種々の態様の詳細な考察を以下に提供する。
5.1 材料
本発明に係る材料は、限定されるものではないが、以下で論述した材料から、本明細書に記載の方法を用いて製造することができる。
5.1.1 基材
本発明の材料を提供するために使用することのできる基材は、中実であっても多孔質であってもよく、任意のさまざまな形状および形態をとりうる。たとえば、基材は、ブロック、ロッド、フィルム、成形品、チューブ、繊維およびシートであってよい。
中実基材および多孔質基材は、金属(たとえば、Cu、Ag、Au、Al、Zn、およびFe)、合金、ガラス、セラミックス、カーボンブラック、シリカ、シリコン、および高分子材料またはプラスチックのようなさまざまな材料で製造することができる。ただし、これらに限定されるものではない。本明細書中で使用する場合、「多孔質材料」または「多孔質基材」とは、織布の、不織布の、圧縮されたか、穿孔されたか、またはエッチングされた材料または基材のように、1つ以上の細孔をもつ表面または不均一であるか、波状であるか、もしくは平滑でもフラットでもない表面を有する材料または基材を意味する。
本発明の特定の基材は、多孔質な高分子またはプラスチックの材料である。多孔質高分子材料は、通常、焼結およびキャスティング(ただし、これらに限定されるものではない)のような当技術分野で公知の方法を用いてさまざまな熱可塑性および熱硬化性材料から製造することができる。したがって、たとえば、基材に好適なポリマーは、シート状または膜状の多孔質材料を形成するように焼結することができるものである。好適な熱可塑性または熱硬化性材料の例としては、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリスルホン、ニトロセルロース、セルロース、フッ素化ポリマー、PTFE、多孔質繊維材料、またはナイロンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特定の基材の1つは、ポリオレフィンである。本発明に好適なポリオレフィンの例としては、エチレンビニルアセテート(EVA); エチレンメチルアクリレート(EMA); ポリエチレン、たとえば、限定されるものではないが、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、および超高分子量ポリエチレン(UHMWPE); ポリプロピレン; エチレン-プロピレンゴム; エチレン-プロピレン-ジエンゴム; ポリスチレン; ポリ(1-ブテン); ポリ(2-ブテン); ポリ(1-ペンテン); ポリ(2-ペンテン); ポリ(3-メチル-1-ペンテン); ポリ(4-メチル-1-ペンテン); 1,2-ポリ-1,3-ブタジエン; 1,4-ポリ-1,3-ブタジエン; ポリイソプレン; ポリクロロプレン; ポリ(ビニルアセテート); ポリ(ビニリデンクロリド); ポリ(ビニリデンフルオリド); ポリ(テトラフルオロエチレン); ならびにそれらの混合物および誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
特定のポリエチレン材料としては、Exxon Chemical Companyにより製造されているExact(登録商標)シリーズの材料、たとえば、Exact SLX-9090、Exact 3024、Exact 3030、Exact 3033、Exact 4011、Exact 4041、Exact SLP-9053、Exact SLP-9072、およびExact SLP-9095が挙げられるが、これらに限定されるものではない。LDPEの特定例としては、デラウェア州ウィルミングトンのDuPont Chemical Companyにより製造されている20シリーズの材料、たとえば、20シリーズ20、20シリーズ20-6064、20シリーズ2005、20シリーズ2010、および20シリーズ2020Tが挙げられるが、これらに限定されるものではない。LLDPEの特定例としては、Exxon Chemical Companyにより製造されているExact(登録商標)シリーズの材料、たとえば、Exact 3022およびExact 4006が挙げられるが、これらに限定されるものではない。HDPEの特定例としては、Exxon Chemical Companyにより製造されているEscorene HX(登録商標)シリーズの材料、たとえば、Escorene HX-0358が挙げられるが、これに限定されるものではない。
超高分子量ポリエチレンとしては、約1,000,000よりも大きい分子量を有するUHMWPEが挙げられるが、これに限定されるものではない。典型的には、UHMWPEは、通常の試験手順で測定可能な流量を示さない。米国特許第3,954,927号を参照されたい。この特許は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。超高分子量ポリエチレンはまた、他のポリエチレンと比較して増強された力学的性質、たとえば、限定されるものではないが、耐摩耗性、耐衝撃性、および靭性を呈する傾向がある。1,000,000以上の重量平均分子量を有するポリエチレンは、UHMWPEと呼ばれるクラスに属し、典型的には、約8以上の範囲の固有粘度である。UHMWPEの特定例としては、テキサス州リーグシティーのTicona Inc.により販売されているHostalen GUR(登録商標)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
ポリプロピレンとしては、オハイオ州アクロンのA Shulman Co.により製造されているPolyfort(登録商標)シリーズ、たとえば、FPP 2320E、2321E、2322E、2345E、PP2130、およびPP2258; ジョージア州アトランタのBP Amoco Corporationにより製造されているAcctuf(登録商標)シリーズ、たとえば、Acctuf 3045、Amoco 6014、およびAmoco 6015; ペンシルバニア州ピッツバーグのAristech Chemical Corp.により製造されているAristech(登録商標)シリーズ、たとえば、D-007-2、LP-230-S、およびTI-4007-A; ミネソタ州セントポールのBASF Thermoplastic Materialsにより製造されているBorealis(登録商標)シリーズ、たとえば、BA101E、BA110E、BA122B、BA204E、BA202E、およびBA124B; イリノイ州ショームバーグのChisso America Inc.により製造されているPolypro(登録商標)シリーズ、たとえば、F1177およびF3020; 日本国東京の三菱油化株式会社により製造されていNoblen(登録商標)シリーズ、たとえば、MA8; デラウェア州ウィルミントンのMontell USA Inc.により製造されているAstryn(登録商標)シリーズ、たとえば、68F4-4およびPD451; Montell USA Inc.により製造されているMoplen(登録商標)シリーズ、たとえば、D 50S、D 60P、およびD 78PJ; ならびにMontell USA Inc.により製造されているPro-Fax(登録商標)、たとえば、6723、6823、および6824が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
実際問題として、「細孔」という用語は、種々の意味をもちうる人為的用語である。本発明によれば、材料中の細孔の平均サイズ、形状、および数は、材料の断面を切り出すことにより決定することができる。本発明の目的では、断面の穴および窪みは細孔とみなされる。また、それらの細孔の二次元のサイズおよび形状だけしか断面から決定することができないが、それらの第3の次元(たとえば、それらの深さ)に関する情報は、第1の断面に直交する第2の断面から決定することができる。このほか、平均細孔サイズ、細孔体積、および/または表面積は、水銀圧入ポロシメーターを用いて得られる測定値から推測することができる。本発明の目的では、たとえ細孔自体が必ずしも球形でなかったとしても、典型的には、平均直径により細孔サイズを表す。
多孔質高分子材料の細孔またはチャネルを形成するのに使用される特定の方法および得られる多孔質材料の多孔度(すなわち、平均細孔サイズおよび細孔密度)は、最終的な膜が使用される所望の用途に応じて変化させることが可能である。材料が異なればその物理的性質(たとえば、引張強度および耐久性)は異なった形で多孔度による影響を受ける可能性があるので、マトリックスの所望の多孔度はまた、高分子材料自体による影響を受ける可能性もある。
本発明の目的では、たとえば、水銀ポロシメーターおよび走査型電子顕微鏡法を用いて、細孔サイズおよび細孔密度を決定することができる。本発明の特定の多孔質材料は、約0.001μm〜約1000μm、より特定的には約0.01μm〜約500μm、約0.1μm〜約200μm、より特定的には約1μm〜約100μm、特定的には約1μm〜約50μm、約1μm〜約20μm、さらにより特定的には約1μm〜約10μmの平均細孔サイズを有する。
以上に述べた材料から本発明の多孔質高分子材料を製造することができるが、市販品として入手可能な多くの他の材料を本目的に使用することもできる。ジョージア州フェアバーンのPorex Technologiesから好適な基材を購入することができる。
5.1.2 コーティング材料
本発明の一実施形態では、多孔質材料の個別領域は、コーティング材料による処理を行ってさらなるコーティングが施される。個別の多孔質材料のコーティングは、単層であっても多層であってもよいが、好ましくは多層である。本発明に係る多層コーティングは、少なくとも2層を含み、その第1の層は、個別の親水性領域の表面に固着され(たとえば、共有結合によりおよび/または静電的に)、その第2の層は、第1の層に固着される(たとえば、静電的におよび/または共有結合により)。本明細書に開示されている方法および当業者に公知の方法を用いて、追加の層を第2の層上におよび互いに固着させることができる。好適なコーティング材料としては、高分子電解質、中性ポリマー、小分子、生体分子、またはそれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
コーティング層を形成する特定の材料は、正味のカチオン性もしくはアニオン性の電荷または局在化したカチオン性もしくはアニオン性の電荷(たとえば、双性イオン)を含有する。他の選択肢として、該材料は、個別の多孔質材料上に固着または堆積させたときに正味の電荷または局在化した電荷を提供することができる。コーティング層を形成する他の材料は、特定の条件下で(たとえば、乾燥、加熱、カップリング試薬により)個別の多孔質材料と共有結合を形成することのできる官能基を含有しうる。
本明細書中で使用する場合、別段の指示がないかぎり、「高分子電解質」という用語は、電荷を有するポリマーを意味する。高分子電解質は、総合体とも呼ばれる錯体の形態で存在しうる。高分子電解質は、多酸、多塩基、および高分子両性電解質に分類される。鎖中の電荷密度に依存して、高分子電解質は、弱高分子電解質および強高分子電解質に分類される。弱高分子電解質の電荷は、イオン性基の解離定数および溶液のpHにより決定される。水溶液中の強高分子電解質は、溶液のpHと無関係にほとんどイオン化される。典型的な弱多酸高分子電解質としては、ポリ(アクリル酸)およびポリ(メタクリル酸)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。強多酸高分子電解質としては、ポリ(エチレンスルホン酸)、ポリ(スチレンスルホン酸)およびポリ(リン酸)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。弱多塩基高分子電解質としては、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリエチレンイミン(PEI)、およびポリビニルアミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。強多塩基高分子電解質は、弱多塩基高分子電解質の窒素、硫黄、またはリン原子のアルキル化により得ることができる。"Concise Polymeric Materials Encyclopedia" (Joseph C. Salamone, 1999 by CRC Press LLC, ISBN 0-84932-226- X, pages 1140-1141)を参照されたい。高分子電解質の他の例としては、アルギン酸、アジピン酸、化学染料、タンパク質、酵素、核酸、ペプチド、またはそれらの塩、エステル、および/もしくはコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る個別の親水性領域上でコーティング層を形成すべく使用することのできる有機材料としては、有機ポリマー、モノマー、および生体分子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。有機材料は、正味のおよび/または局在化したカチオン性またはアニオン性の電荷を含有しうる。個別の多孔質材料に直接固着させるのに好ましい有機材料は、ポリマーであり、たとえば、限定されるものではないが、ホモポリマーおよびコポリマー(たとえば、ランダム、グラフト、およびブロックコポリマー)である。
カチオン性電荷を含有するポリマーまたはコポリマーの例としては、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリ(ビニルイミダゾリン)、四級化ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン、ポリ(n-ビニルピロリドン)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリ(アクリレートトリアルキルアンモニア塩エステル)、セルロース、もしくは窒素、リンの四級化基を含有する他のポリマー、およびポリマー界面活性剤、またはそれらの塩、エステル、および/もしくはコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アニオン性電荷を含有するポリマーまたはコポリマーの例としては、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメチルアクリル酸、ポリ(スチレン硫酸)(PSSA)、およびそれらのナトリウム塩、スルホン化基またはカルボン酸基を含有するセルロース、カルボキシル変性ポリアクリルアミド、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(トルエン硫酸)、ポリ(メチルビニルエーテル-alt-マレイン酸)、ポリ(グルタミン酸)およびエステル、ポリ(マレイン酸)、Nafion(登録商標)(DuPont)、デキストラン硫酸、ヒアルリン酸(hyaluric acid)、ヘパリン、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、アニオン性荷電ポリマー界面活性剤、リン酸基を含有する分子、またはそれらの塩、エステル、および/もしくはコポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る親水性領域のコーティングは、生体分子から製造することもできる。特定の生体分子は、正味の電荷または局在化した電荷を含有する。生体分子の例としては、ビオチン、タンパク質、酵素、脂質、ホルモン、ペプチド、核酸、オリゴ核酸、DNA、RNA、糖、および多糖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カチオン性部分とアニオン性部分の両方を含有するポリマーおよびコポリマーを用いて本発明に係る親水性領域上にコーティングを提供することもできる。たとえば、ポリマーの繰返し単位の約1〜約99パーセント、好ましくは約20〜80パーセントは、カチオン性部分を含有することができる。両性ポリマー(すなわち、繰返し単位の約50パーセントがカチオン性基を含有し約50パーセントがアニオン性基を含有するポリマー)を使用することもできる。ポリマーおよびコポリマーは、さまざまな電荷密度(すなわち、繰返し単位の数に対する電荷数の比)を有しうる。たとえば、1〜100パーセント、好ましくは約20〜約100パーセントの電荷密度を有するポリマーを使用することができる。
中性ポリマーを用いて、とくに、本明細書に述べたような条件下で他の層の構成要素とまたは基材表面と共有結合を形成することのできるポリマーを用いて、本発明に係る親水性領域上に多層コーティングを形成することもできる。そのような中性ポリマーの例としては、ポリウレタンとPEGとを含むイソシアネート化末端ポリマー; PEGとポリシロキサンとを含むエポキシ末端ポリマー; およびヒドロキシルスクシミド末端ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明に係るポリマーおよびコポリマーは、線状、櫛型、スター型、または環状のポリマーであってよい。コポリマーは、ランダム型、グラフト型、またはブロック型のコポリマーであってよい。
伝統的なポリマー以外の分子(たとえば、小さい有機および無機分子)を用いて、本発明に係る親水性領域上の層およびコーティングを提供することができる。これらの分子は、多層コーティングの任意の層中で、好ましくは第2の層または逐次層中で、より好ましくはポリマー層と組み合わせて、使用することができる。これらの分子の分子量は、50〜1000,000、好ましくは50〜10,000のさまざまな値をとる。好ましくは、これらの分子は、電気的に荷電されている。これらの分子の例としては、界面活性剤、ホスフェート、ブロメート、スルホネート、第三級アミン類、染料、脂質、および金属イオンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明に係る界面活性剤の例としては、Zonyl界面活性剤(DuPont)、SURFYNO1界面活性剤(Air product)、FLUORAD(3M)、ナトリウムドデシルスルホネート(SDS)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1超の正電荷を有する特定の場合、金属イオンを用いて、本発明の親水性領域上にコーティングを形成することもできる。これにより、限定されるものではないが、アミノ基、カルボン酸基、チオール基、スルフィド基、またはジスルフィド基のような有機官能基と強力な錯体を形成することができる。
5.2 個別の多孔質材料の製造
本発明に係る個別の多孔質材料は、本明細書に記載の方法を用いて調製することができる。
5.2.1 ポリマー粉末の直接焼結
焼結は、個別的な粒子および/または基材(たとえば、ポリマー粒子および基材)を熱により融着一体化させるプロセスである。たとえば、最初に、ポリマー粒子を成形型または他の容器もしくは基材に充填することができる。次に、通常、粒子の外表面またはシェルだけを融解させる温度まで粒子を加熱する。次に、この温度で粒子を融着一体化させ、そして室温のようなより低い温度まで冷却させて焼結製品を形成する。本発明の焼結多孔質高分子材料を形成するために、多孔質ポリマーを製造するための多くの好適な焼結方法を使用することができる。
一実施形態では、異なる組成を有するポリマー粉末を圧縮成形型の特定領域上に選択的に配置する。次に、配置されたポリマー粉末を圧縮焼結させて完成品を形成する(図1)。完成品では、いくつかの領域は親水性であり、他の領域は疎水性である。個別的な親水性領域および疎水性領域の位置は、焼結前の粉末位置により決定される。生成多孔質材料は、ビレットの形態をとることが可能であり、その場合には、場合により、多孔質材料をスカイビングしてシートにすることが可能である(図2)。
個別的な親水性および疎水性多孔質材料はまた、成形型の異なる位置に異なる粉末を選択的に配置することにより製造することができる。これらの異なる粉末は、焼結後、異なる親水性を提供するであろう。焼結後、ポリマー粉末は、基材中に融着し、自立性多孔質プラスチック品を形成するであろう。これらの親水性および疎水性の個別的な完成品は、ビレットの形態をとる場合、そのまま使用することもできるし、スカイビングしてシートまたはフィルムにすることもできる(図2)。
個別的な親水性および疎水性多孔質材料はまた、疎水性多孔質材料または他の中実非多孔質材料上に親水性粉末を選択的に配置して高温下でそれを焼結させることにより製造することもできる。焼結後、親水性ポリマー粉末は、融着一体化され、基材材料との単一部片を形成した(図3)。
本明細書に論述されている1つ以上の焼結プロセスの後、個別的な親水性領域および疎水性領域は、同一の多孔度および細孔サイズを有するかまたは異なる多孔度および細孔サイズを有しうる。異なる多孔度および細孔サイズは、異なる形状およびサイズを有する粉末を異なる個別領域に適用することにより、多孔質材料の個別領域で得ることができる。異なる多孔度および細孔サイズはまた、同一の粉末材料を用いるが焼結プロセス時または焼結プロセス後に多孔質材料の異なる個別領域に異なる圧力をかけることにより、または焼結の持続時間を調整することにより、達成することもできる。
各個別の親水性領域は、同一種類の多孔質材料および同一のウィッキング性を有しうる。各個別の親水性領域は、同一種類の多孔質材料を有するが、異なる多孔度、細孔サイズ、およびウィッキング性を有することも可能である。さらに、各個別の親水性領域はまた、異なる多孔質材料を有しうる。たとえば、特定の個別領域をポリエチレンで製造し、一方、他の個別領域をPTFE材料で製造することが可能である。個別の多孔質材料を製造するために使用することのできる焼結性多孔質材料に対して多くの組合せが存在する。
当業者には当然のことながら、多孔質高分子材料の平均細孔サイズは、少なくともある程度は、高分子材料の平均粒子サイズ、焼結温度、および焼結時に混合物に加わる圧力(加圧される場合)に依存するであろう。たとえば、ほとんどの場合、他のオプションの材料の粒子が多孔質材料の平均細孔サイズよりも小さければ、粒子は焼結プロセス時に材料の細孔内に閉じ込められて、その細孔の壁に固着する可能性がある。一方、他のオプションの材料の粒子が多孔質材料の平均細孔サイズよりも大きければ、粒子は混在物として多孔質材料内に組み込まれるであろう。オプションの材料の融点が多孔質材料の融点よりも低い場合、オプションの材料は、細孔を被覆する可能性がある。
焼結は、中実支持体上または成形型内で行うことが可能であり、そこで得られた最終生成品は、所望の形状の部片にカットことが可能である。セルフシーリング媒体の所望の形状が複雑である場合、成形型を使用することが好ましい。
5.2.2 表面の活性化
本発明によれば、化学的処理、プラズマ放電、電子ビーム放電、コロナ放電、およびUV照射(ただし、これらに限定されるものではない)のような当技術分野で公知の1つ以上の方法を用いて、基材の表面を活性化させることができる。この活性化を行うと、ヒドロキシ基、アミン基、およびカルボン酸基(ただし、これらに限定されるものではない)のような親水性および/または化学活性部分を形成するように基材の表面が改変される。当業者には当然のことながら、形成される特定の官能基は、基材表面の化学組成ならびにそれを活性化させるのに用いられる方法および条件に依存するであろう。多くの場合、疎水性プラスチック表面を活性化させると、通常、親水性の帯電した表面が提供される。直接および遠隔プラズマ活性化、コロナ放電、電子ビーム、およびUV照射のような高エネルギー活性化法は、本発明に好ましい。
負に荷電した多孔質プラスチック表面を提供するのに使用することのできるプラズマとしては、アルゴン、酸素、窒素、メタノール、エチレンオキシド、およびアセトンのプラズマが挙げられるが、これらに限定されるものではない。正に荷電した表面を提供するのに使用することのできるプラズマとしては、アンモニアおよびエチレンジアミンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。基材の組成、そのサイズ、および使用する特定のプラズマに依存して、所望の表面を得るのに必要な時間は変化するであろう。典型的な時間は、約1分間〜約1時間の間でケースごとに異なってよい。同様に、所望のプラズマを得るのに必要な電力は、約50W〜約1000Wの間でケースごとに異なってよい。
多孔質材料上に個別的な親水性領域および疎水性領域を形成するには、疎水性領域上へのプラズマ照射を選択的にブロッキングする必要がある。プラズマ処理の後、プラズマ放電に暴露された領域だけが親水性になり、そしてたとえばマスクによりブロッキングされた領域は、その疎水性を保持するであろう(図4)。マスク材料は、多孔質材料との強固な接触を形成しプラズマに由来するイオンおよび基を効果的にブロッキングすることができるいかなる材料であってもよい。これらの材料としては、金属、プラスチック、ゴム、および紙テープが挙げられるが、これらに限定されるものではない。特定のマスク材料はポリエステルである。
コロナ放電を用いて、個別的な疎水性および親水性多孔質材料を製造することもできる。コロナ放電を用いて個別的な疎水性および親水性多孔質材料を製造する方法には、2つの異なる方法がある。1つの方法は、マスキングされた多孔質材料がコロナ放電領域を通過した後、多孔質材料のマスキングされていない部分だけが親水性になるように、均一な多孔質材料と強固に接触するマスクを適用する方法である(図4)。多孔質材料のマスキングされた部分は、その疎水性を保持するであろう。他の方法は、特別にデザインされた電極を用いて個別的な疎水性および親水性多孔質材料を製造する方法である。これらの電極は、多孔質材料の個別的な疎水性および親水性領域の位置と同一の形状になるように特別に製造される。均一な多孔質材料が電極を通過する時、電極は、その真下の多孔質材料を親水性になるようにするであろう。電極により包囲されない領域は、依然としてその疎水性を保持するであろう(図5)。
電子ビームは、多孔質材料上の個別領域を選択的に活性化させるために使用することのできる他の方法である。選択的活性化を行うために、電子ビームを単に多孔質材料の特定領域に集束させることができる。電子ビームが集束される領域は、電子ビーム処理後に親水性になるであろう。電子ビームに暴露されない領域は、そのもとの疎水性を保持するであろう。
5.2.3. 活性化された個別領域のコーティング
均一な多孔質材料を選択的に活性化させ、親水性特性および疎水性特性の個別領域を形成した後、コーティングを施すことにより、個別の親水性領域をさらに強化または固定することができる。表面改質の任意の方法をこの目的のために適用することが可能である。たとえば、活性化された個別領域を高分子電解質溶液により処理することが利用可能である。同様に、同時係属の米国特許出願第09/866,842号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)に開示されているように、機能性添加剤を多孔質材料にコーティングする方法を特定の目的に使用することができる。同時係属の米国特許出願第10/228,944号(参照により本明細書に組み入れられるものとする)に開示されているように、種々のコーティング材料を多孔質基材にコーティングする方法を使用することができる。
5.2.3.1 高分子電解質溶液による処理
本発明の特定の実施形態では、本発明に係る多孔質材料の個別領域を高分子電解質溶液による逐次処理に付すことが可能である。基材は、基材の表面上に第1の層を形成するのに用いられる材料の溶液に接触させる。特定の好適な溶液は、カチオン性またはアニオン性ポリマーの溶液である。溶液は水性であってもよいが、有機溶媒を使用することも可能である。特定例は、水、エタノール、イソプロパノールおよびそれらの混合物の溶液である。基材表面上に第1の層を形成するのに十分な時間および十分な温度で、基材と溶液との接触を保持する。とくに、基材表面上の官能基と溶液中の分子との間の共有結合および/または静電相互作用の形成によりに、層を形成する。
基材表面上の官能基と溶液中の分子との間の相互作用は、使用する溶媒のタイプ、温度、pH、およびカップリング剤の添加により調整することができる。たとえば、pHおよびカップリング剤濃度を高くすると、基材とコーティングの第1の層との間の共有結合形成を促進することができる。
得られた被覆基材を溶液から取り出した後、たとえば、超音波浴中において脱イオン水で洗浄する。典型的な洗浄時間は、溶媒および第1の層を形成するのに使用する材料に依存してケースごとに異なるであろうが、多くの場合、約10分間以下である。場合により、洗浄された単層被覆基材を高温または室温で乾燥させることができる。高温により共有結合の形成が促進される。
次に、1回コーティングされた基材を第2の溶液に接触させる。好ましくは、この第2の溶液は、第2の層が静電相互作用を介して第1の層に固着するように、第1の層を形成する電荷と反対の電荷をもつ分子の溶液である。しかしながら、第2の層を形成するのに使用される分子上の官能基と、活性化を行ってまたは行わずに、反応することができる官能基を有する分子から第1の層を形成することも可能である。2回コーティングして得られた基材を第2の溶液から取り出した後、好ましくは、洗浄し、室温または高温で乾燥させる。コーティングプロセスの実例を図6に示す。
典型的には、約10ppm〜約100,000ppmの濃度を有する高分子電解質溶液が本発明の目的で使用される。当業者には当然のことながら、特定の溶液の濃度はいずれも、ポリマーの分子量、所与の層を製造するのに用いられる分子の電荷密度、およびタイプに依存する。より高分子量の分子の溶液は、一般的には、より低分子量の分子の溶液よりも低い濃度を必要とする。同様に、高イオン密度ポリマーは、典型的には、より低い溶液濃度を必要とする。PEIおよびPAAのような溶液では、特定濃度は、エタノール-水の溶液中で、約0.05%〜約2%、または約0.1%〜約1%の範囲である。一般的には、とくに、媒体が低いイオン強度である場合、生体分子は、反対電荷を有する表面上に強く固定される。
静電相互作用は、とくに複合体形成時、異なる電荷を有する高分子電解質間における最も重要な相互作用の1つである。異なる高分子電解質は、それらの官能基間で共有結合を形成することもできる。たとえば、PEI中のアミノ基は、PAA中のカルボン酸基とアミド結合を形成することができる。また、共有結合の形成、強度、および耐久性は、溶媒のタイプ、温度、pH、ならびにカップリング剤の存在および濃度に依存する。PEIおよびPAAとカップリング剤との比もまた、形成される共有結合のパーセントに影響を及ぼすであろう。そのような反応を促進するために、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)のようなカップリング試薬を使用することができる。
さまざまなコーティングの想定しうる形態の例としては、基材と第1の層との間が静電相互作用かつ第1の層と第2の層との間が共有結合、基材と第1の層との間が共有結合かつ第1の層と第2の層との間が共有結合、基材と第1の層との間が静電相互作用かつ第1の層と第2の層との間が静電相互作用、および両方のコーティングが共有結合と静電相互作用との混合である形態が挙げられる。各層を形成する分子を複数の共有結合相互作用および/または静電相互作用によりその下側の材料に結合させることができるので、本発明の典型的な材料は、離層および/または解離に対して抵抗性をもつきわめて安定なコーティングを有する。さらに、本発明の多層コーティングの安定性が高いので、コーティングの溶解度が低くなり、したがって、浸出の少ないコーティングが提供される。
場合により多孔質表面を活性化させ、表面上に層を形成するのに十分な条件下で1種以上の化合物の溶液にそれを接触させるプロセスを繰り返すことにより、多層のコーティングを得ることができる。したがって、さまざまな厚さ、密度、および均一性の多層コーティングをさまざまな多孔質基材の個別の表面に固着させることができる。
5.2.3.2 異なる領域に個別の官能基を有する多孔質材料
本発明はまた、さまざまな化学反応性官能基を有する個別の多孔質材料基材を提供する(図7)。本発明の方法を用いて、次の変形形態を達成することができる。すなわち、各個別の親水性領域は、同一種類の反応性官能基を有し、各個別の親水性領域は、同一の化学反応性官能基を有するが、異なる官能基密度を有し、さらに、各個別の親水性領域はまた、異なる化学反応性官能基を有しうる。
一例として、個別の多孔質材料領域(たとえば、多孔質プラスチック)上に導入することのできる官能基としては、中性pHで典型的には正に荷電するアミノ基(第一級、第二級、および第三級アミンを含む)が挙げられる。アミノ官能化された個別の多孔質材料は、次の方法: アミン(たとえば、アンモニア、エチルジアミン)含有プラズマチャンバーもしくはコロナ放電環境中で多孔質材料を選択的に活性化させる方法、個別の活性化親水性領域上にPEIもしくは他のアミノ基含有高分子電解質の溶液をコーティングする方法、またはPEIもしくは他のアミノ基含有高分子電解質の溶液を、負に荷電したコーティングを表面上に有する個別の多孔質材料にコーティングする方法のいずれかにより製造することができる。
PAAまたは他のカルボン酸含有高分子電解質の溶液で正荷電多孔質材料を処理することにより、カルボン酸基を多孔質材料上に導入することができる。典型的には、正に荷電した材料は、正に荷電した高分子電解質で処理されたものであるかまたはアンモニア溶液もしくはアンモニアプラズマで活性化させたものである。
ポリ(スチレン硫酸)(PSSA)または他の硫酸含有高分子電解質の溶液で正荷電多孔質材料を処理することにより、硫酸官能基を多孔質材料上に導入することができる。典型的には、正に荷電した材料は、正に荷電した高分子電解質で処理されたものであるかまたはアンモニア溶液もしくはアンモニアプラズマで活性化させたものである。
反対電荷をもつ官能基を含有するPEG分子で荷電多孔質材料を処理することにより、PEG分子を荷電多孔質材料上にコーティングすることができる。たとえば、カルボン酸官能基を有するPEG分子をPEIでコーティングされた多孔質材料上にコーティングすることができる。
たとえば、多孔質材料と比較して反対の電荷を含有するビオチン誘導体で荷電多孔質材料を処理することにより、アビジンおよびストレプトアビジンに特異的に結合しうる小さい生体分子であるビオチンを多孔質材料上に導入することができる。
多くの多糖は、電荷を含有し、細胞の増殖および採取を行うための良好なマトリックスを提供することができる。反対に荷電した多孔質材料を多糖で処理することにより、ヘパリン、キトサン、およびCMCのような荷電多糖を多孔質材料上に導入することができる。
反対電荷を含有するフルオロアルキル分子で荷電多孔質材料を処理することにより、ペルフルオロアルキル基のようなフルオロアルキル基を多孔質材料に結合することができる。
5.2.3.3 異なる領域に個別の電荷を有する多孔質材料
本発明に係る方法によれば、さまざまな電荷および電荷密度を有する個別の多孔質材料基材を提供することができる(図8)。本発明の方法を用いて達成することのできる変形形態としては、各個別の親水性領域が同一種類の電荷を有する多孔質材料、各個別の親水性領域の電荷は同一であるが電荷密度は異なる多孔質材料、および異なる個別の親水性領域が異なる電荷を有する多孔質材料が挙げられる。
たとえば、特定領域にPEI溶液処理を施すことにより、個別の多孔質材料領域(たとえば、多孔質プラスチック)上に正電荷を導入することができる。本発明の目的では、約0.05%〜約1%の範囲のPEI溶液濃度が最適である。PEIがコーティングされた多孔質材料は、中性pHにおいて典型的には正に荷電される。特定領域にPAA溶液処理を施すことにより、個別の多孔質材料領域(たとえば、多孔質プラスチック)上に負電荷を導入することができる。本発明の目的では、約0.05%〜約1%の範囲のPAA溶液濃度が最適である。PAAがコーティングされた多孔質材料は、中性pHにおいて典型的には負に荷電される。中性または両性(たとえば、ペプチド)ポリマーを加えることにより、多孔質材料に中性電荷を導入し、中性pHにおいて中性電荷を有する多孔質材料を製造することができる。
5.2.4 三次元多孔質材料
本発明において、多孔質な個別の部分は、z方向またはx-y-zの組合せ方向に存在しうる。多孔質材料の特定の深さ部分は、他の深さ部分と異なる親水性、多孔度、細孔サイズ、官能基およびより電荷を有するであろう。本明細書に開示されている個別の多孔質材料の製造方法は、いずれも、三次元多孔質材料を製造するように適用することができる。三次元の個別の多孔質材料を製造する際、放電の浸入深さを制限するために、プラズマ、コロナ、および電子ビームの活性化エネルギーを制御しなければならない。活性化エネルギーを制御するための条件は、材料によって変化し、当業者であれば容易に決定することができる。
5.2.5 個別の多孔質材料の適用
本発明に係る材料は、多種多様な用途を有する。本発明に係る個別の多孔質材料の用途としては、液体および化学物質の送達、マイクロ流体デバイス、ラテラルフローデバイス、フロースルーデバイス、濾過デバイス、固相合成デバイス、抽出デバイス、細胞増殖デバイス、および埋植材料が挙げられる。適用分野としては、イムノアッセイ、診断、医療用デバイス、分離および精製、高速スクリーニング、コンビナトリーケミストリー、妊娠、HIVおよび薬物乱用試験、ならびに細胞生物学が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
適用のいくつかの実例を次の図に示す。図10は、単一部片のラテラルフロー診断用デバイスにおける本発明に係る個別の多孔質材料の適用を示し、図11は、96ウェルを含有する個別の反応性ゾーンにおける本発明に係る個別の多孔質材料の適用を示し、図12は、異なる時間、速度、および化学物質を用いて異なる経路を通って開始スポットから目標点まで液体を送達することのできる液体および化学物質の送達系またはマイクロ流体デバイスにおける本発明に係る個別の多孔質材料の適用を示し、そして図13は、マルチチャネルラテラルフローデバイスにおける本発明に係る個別の多孔質材料の適用を示す。これらの図は、例示のみを目的として提供されている。当業者には自明なことであろうが、本発明の範囲および精神を逸脱することなくさまざまな変更形態を熟考および/または実施することができる。
6. 実施例
本発明に係る特定の実施形態および本発明に係る特定の利点について、以下の実施例により具体的に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。本明細書中には限られた数の実施例が開示されているが、材料および方法のいずれについても本発明の目的および対象から逸脱することなく多くの変更形態を実施しうることは当業者には自明なことであろう。
6.1 個別の親水性-疎水性多孔質シート材料の1ステップ焼結
ポリマー粉末A(UHMW、ポリエチレン)および粉末混合物B(UHMW、ポリエチレン、ウィッキング試薬)を、交互に1cmの幅を有するストライプ状に圧縮成形型に配置した。配置されたポリマー粉末を高温で焼結させ、単一多孔質プラスチックシートを得た。この単一プラスチック多孔質シートでは、ポリマー粉末Aの領域は疎水性であり、ポリマー粉末Bの領域は親水性である(図1)。
6.2 個別の親水性-疎水性多孔質ビレット材料の焼結および個別のシート材料へのスカイビング
ポリマー粉末A(UHMW、ポリエチレン)および粉末混合物B(UHMW、ポリエチレン、ウィッキング試薬)を、高さ12インチおよび直径5インチの丸形カラム状成形型に選択的に充填した。中実ポリマーシート(厚さ0.2cm)を用いてカラムを軸に沿って8等分した。粉末Aおよび粉末Bをカラム成形型に交互に充填した。中実ポリマーストリップは、成形型から取り出すかまたは成形型内に残存させることができる。次に、成形型内のポリマー粉末を高温で焼結させ、単一多孔質プラスチックビレットを得た。次に、ビレットをスカイビングして薄いシートにした。生成シートは、個別の親水性-疎水性領域を有していた。
ポリマー粉末Aの領域は疎水性になり、ポリマー粉末Bの領域は親水性になった(図2)。中実非多孔質境界を除去しなければ、生成材料は、個別の多孔質領域および非多孔質領域をも含有しうるであろう。
6.3 個別的な親水性領域および疎水性領域を有する成形品の1ステップ焼結
ポリマー粉末A(UHMW、ポリエチレン、60ミクロン)および粉末混合物B(UHMW、ポリエチレン、120ミクロン、ウィッキング試薬)を、高さ1インチおよび直径0.5インチの丸形カラム状成形型に選択的に充填した。カラムの底部に0.8インチの粉末Bを詰め込み、上部に0.2インチの粉末Aを詰め込んだ。次に、成形型内のポリマー粉末を高温で焼結させた。生成品は、個別の親水性-疎水性領域を有していた。上部0.2インチのポリマー粉末Aの領域は、疎水性になり、より小さい細孔サイズを有していた。底部0.8インチのポリマー粉末Bの領域は、親水性になり、より大きい細孔サイズを有していた。
6.4 選択的プラズマ処理による個別の親水性-疎水性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)をプラスチックシートの両面上でポリエステルテープマスクでぴったりと覆った。次に、覆われた多孔質プラスチックシートを、覆われていない部分の多孔質プラスチックが親水性になるまで、100ワット、120mmHg、15分間の酸素プラズマ(EUROPLASMA、CD600PC)による処理に付した。次に、マスクを多孔質プラスチックシートから取り除いた。生成多孔質プラスチックシートは、個別的な親水性領域および疎水性領域を有していた。ポリエステルテープマスクにより覆われた領域は疎水性を保持し、覆われていない領域は、親水性になった。
6.5 選択的コロナ放電処理による個別の親水性-疎水性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)を多孔質プラスチックシートの両面上でポリエステルテープマスクでぴったりと覆った。次に、覆われた多孔質プラスチックシートを、覆われていない部分の多孔質プラスチックが親水性になるまで所定の時間にわたりコロナ放電(Corotech)に付した。次に、マスクを多孔質プラスチックから取り除いた。個別的な親水性領域および疎水性領域が多孔質プラスチック上に形成された。ポリエステルテープにより覆われた領域は疎水性を保持し、一方、覆われていない領域は、親水性になった。
他の実験では、マスクを用いることなく多孔質プラスチックシートにコロナ放電を直接適用した。コロナ放電で使用する電極を種々の形状で作製し、適正位置に電極を適用することにより、電極形状を直接転写させて多孔質プラスチックシート上に親水性領域を生成させることが可能である。この場合、電極の真下の多孔質プラスチック部分だけが親水性になった(図5)。棒状コロナ電極(0.5×5 cm、100ワット)をPorex多孔質プラスチックシートから1mm上方に配置し、10秒間放電させて、電極の真下にある多孔質プラスチック部分を親水性にした。プロセスは、ストップアンドゴープロセスである。
6.6 選択的電子ビーム処理による個別の親水性-疎水性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)を、電子ビーム線に暴露された領域が親水性になるまで所定の時間にわたり電子ビームに選択的に暴露した。電子ビーム線に暴露されない領域は、疎水性を保持する。電子ビーム処理の位置により、個別の親水性-疎水性領域の位置形状が決定される。
6.7 選択的なプラズマ処理および多層コーティング処理による個別の親水性-疎水性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)を多孔質プラスチックシートの両面上でポリエステルテープマスクでぴったりと覆った。次に、覆われた多孔質プラスチックシートを、覆われていない部分の多孔質プラスチックが親水性になるまで、100ワット、120mmHg、15分間の酸素プラズマ(EUROPLASMA、CD600PC)に暴露した。次に、マスクを多孔質プラスチックから取り除いた。処理された多孔質プラスチックは、個別的な親水性領域および疎水性領域を有していた。ポリエステルテープにより覆われた領域は疎水性を保持し、覆われていない領域は、親水性になった。
次に、プラズマ処理された個別の親水性-疎水性多孔質プラスチックシートを、0.5%のPEI(BASF, MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。次に、コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で脱イオン水ですすいだ。この洗浄を3回繰り返した。場合により、処理されたシートを空気中で乾燥させることができる。次に、すすいだ多孔質プラスチックシートを、0.5%のPAA(Aldrich、523925、MW 250,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で、100倍体積の水で洗浄した。この洗浄を3回繰り返した。処理済シートを室温で乾燥させた。処理後、プラズマに暴露された領域は永続的に親水性になり、プラズマに暴露されなかった領域は疎水性を保持した。
6.8 選択的なコロナ放電処理および多層コーティング処理による個別の親水性-疎水性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)を多孔質プラスチックシートの両面上でポリエステルテープマスクでぴったりと覆った。次に、覆われた多孔質プラスチックシートを、覆われていない部分の多孔質プラスチックが親水性になるまで200ワットのコロナ放電に付した。次に、マスクを多孔質プラスチックから取り除いた。生成多孔質プラスチックは、個別的な親水性領域および疎水性領域を有していた。ポリエステルテープにより覆われた領域は疎水性を保持し、覆われていない領域は、親水性になった。
次に、コロナ放電処理された個別の親水性-疎水性多孔質プラスチックシートを、0.5%のPEI(BASF, MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。次に、コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で脱イオン水ですすいだ。この洗浄を3回繰り返した。場合により、処理されたシートを空気中で乾燥させることができる。次に、すすいだ多孔質プラスチックシートを、0.5%のPAA(Aldrich、523925、MW 250,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で、100倍体積の水で洗浄した。この洗浄を3回繰り返した。処理済シートを室温で乾燥させた。処理後、コロナ放電に暴露された領域は永続的に親水性になり、コロナ放電に暴露されなかった領域は疎水性を保持した。
6.9 選択的な電子ビーム処理および多層コーティング処理による個別の親水性-疎水性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)を、多孔質プラスチックが親水性になるまで、電子ビーム線に暴露する。未処置の領域は疎水性を保持する。電子ビーム処理の位置により、個別の親水性-疎水性領域の位置形状が決定される。
次に、電子ビーム処理された個別の親水性-疎水性多孔質プラスチックシートを、0.5%のPEI(BASF, MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させる。次に、コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で脱イオン水ですすぐ。このすすぎを3回繰り返す。場合により、処理されたシートを空気中で乾燥させることができる。次に、すすいだ多孔質プラスチックシートを、0.5%のPAA(Aldrich、523925、MW 250,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させる。コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で、100倍体積の水で洗浄する。この洗浄を3回繰り返す。処理済シートを室温で乾燥させる。処理後、電子ビームに暴露された領域は永続的に親水性になり、電子ビームに暴露されなかった領域は疎水性を保持する。
6.10 選択的なプラズマ処理および多層コーティング処理による個別の疎水性-疎油性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)を多孔質プラスチックシートの両面上でポリエステルテープマスクでぴったりと覆った。次に、覆われた多孔質プラスチックシートを、覆われていない部分の多孔質プラスチックが親水性になるまで、100ワット、120mmHg、15分間の酸素プラズマ(EUROPLASMA、CD600PC)に暴露した。次に、マスクを多孔質プラスチックから取り除いた。生成多孔質プラスチックは、個別的な親水性領域および疎水性領域を有していた。ポリエステルテープにより覆われた領域は疎水性を保持し、覆われていない領域は、親水性になった。
次に、個別の親水性-疎水性多孔質プラスチックシートを、0.5%のPEI(BASF, MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。次に、コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で脱イオン水ですすいだ。この洗浄を3回繰り返し、場合により、多孔質プラスチックシートを空気中で乾燥させた。その結果として、個別の多孔質プラスチックの親水性領域にPEIがコーティングされた。
次に、PEIがコーティングされた多孔質プラスチックシートを、0.5%のFSPフッ素化界面活性剤 (DuPont)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で脱イオン水で洗浄した。この洗浄を3回繰り返した。処理済シートを室温で乾燥させた。PEIがコーティングされた領域は、プラズマ処理後は親水性であったが、その後、疎油性になった。
6.11 選択的なコロナ放電処理および多層コーティング処理による個別の疎水性-疎油性多孔質材料の製造
焼結多孔質プラスチックシート(T3、Porex Corporation、厚さ0.4mm)を多孔質プラスチックシートの両面上でポリエステルテープマスクでぴったりと覆った。次に、覆われた多孔質プラスチックシートを、覆われていない部分の多孔質プラスチックが親水性になるまで200ワットのコロナ放電に付した。次に、マスクを多孔質プラスチックから取り除いた。生成多孔質プラスチックは、個別的な親水性領域および疎水性領域を有していた。ポリエステルテープにより覆われた領域は疎水性を保持し、覆われていない領域は、親水性になった。
次に、コロナ放電処理された個別の親水性-疎水性多孔質プラスチックシートを、0.5%のPEI(BASF, MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。次に、コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で脱イオン水ですすいだ。この洗浄を3回繰り返した。場合により、処理されたシートを空気中で乾燥させることができる。次に、すすいだ多孔質プラスチックシートを、0.5%のFSPフッ素化界面活性剤 (DuPont)を含むエタノール-水の溶液中に10分間浸漬させた。コーティングされたシートを、超音波浴(VWR)中、室温、5分間の条件で脱イオン水で洗浄した。この洗浄を3回繰り返した。処理済シートを室温で乾燥させた。PEIがコーティングされた領域は、コロナ放電処理後は親水性であったが、その後、疎油性になった。
6.12 選択的なプラズマ処理および多層コーティング処理による個別の疎水性-親水性および個別の荷電多孔質材料の製造
実施例6.4に開示されているように多孔質プラスチックシートをプラズマ放電により予備活性化させた後、特定の親水性領域(領域A)を、正に荷電した高分子電解質溶液で(すなわち、0.5%のPEI(BASF、MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)処理し、他の親水性領域(領域B)を、負に荷電した高分子電解質溶液で(すなわち、0.5%のPAA(Aldrich、523925、MW 250,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)処理した。次に、個別の多孔質プラスチックシートを洗浄し乾燥させた。領域Aは、正に荷電され(正のξ電位)、領域Bは、負に荷電され(負のξ電位)、そして個別の多孔質材料上の疎水性領域は、中性pH条件で中性であった。
次に、正に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PEI)で処理された領域Aを、負に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PAA)で逐次的に処理することができる。領域Aは、負に荷電した状態(負のξ電位)になった。次に、同様にして、負に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PAA)で処理された領域Bを、正に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PEI)で逐次的に処理することが可能である。領域Bは、正に荷電した状態(正のξ電位)になった。所望の膜厚または電荷密度が得られるまで、上記の選択的高分子電解質溶液処理を数回繰り返すことができる。
6.13 選択的なコロナ放電処理および多層コーティング処理による個別の疎水性-親水性および個別の荷電多孔質材料の製造
実施例6.5に開示されているように多孔質プラスチックシートをコロナ放電により予備活性化させた後、特定の親水性領域(領域A)を、正に荷電した高分子電解質溶液で(すなわち、0.5%のPEI(BASF、MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)で処理し、他の親水性領域(領域B)を、負に荷電した高分子電解質溶液で(すなわち、0.5%のPAA(Aldrich、523925、MW 250,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)処理した。次に、個別の多孔質プラスチックシートを洗浄し乾燥させた。領域Aは、正に荷電され(正のξ電位)、領域Bは、負に荷電され(負のξ電位)、そして個別の多孔質材料上の疎水性領域は、中性pH条件で中性であった。
次に、正に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PEI)で処理された領域Aを、負に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PAA)で逐次的に処理することができる。領域Aは、負に荷電した状態(負のξ電位)になった。次に、同様にして、負に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PAA)で処理された領域Bを、正に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PEI)で逐次的に処理することが可能である。領域Bは、正に荷電した状態(正のξ電位)になった。所望の膜厚または電荷密度が得られるまで、上記の選択的高分子電解質溶液処理を数回繰り返すことができる。
6.14 選択的なプラズマ処理および多層コーティング処理による個別の疎水性-親水性領域および個別の化学官能基を含有する多孔質材料の製造
実施例6.4に開示されているように多孔質プラスチックシートをプラズマ放電により予備活性化させた後、特定の親水性領域(領域A)を、アミノ官能基を含有する高分子電解質で(すなわち、0.5%のPEI(BASF、MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)処理し、他の親水性領域(領域B)を、カルボン酸官能基を含有する高分子電解質で(すなわち、0.5%のPAA(Aldrich、523925、MW 250,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)処理した。次に、個別の多孔質プラスチックシートを洗浄し乾燥させた。領域Aは、アミノ基で官能化され、領域Bは、カルボン酸基で官能化され、そして疎水性領域は、炭化水素バックボーンを有して化学的に不活性である。
次に、アミノ官能性高分子電解質(すなわち、PEI)で処理された領域Aを、他の官能基を含有する負に荷電した分子で逐次的に処理して、さまざまな官能基を有する領域Aを提供することができる。その際、PEIがコーティングされた領域を、PAAで処理してカルボン酸基を提供するか、ポリ(ビニルスルフェート)で処理してスルフェート基を提供するか、ホスフェート含有分子で処理してホスフェート基を提供するか(すなわち、ホスフェートとカルボン酸の両方を含有する分子である脂質)、ビオチン含有負電荷分子で処理してビオチン官能基を提供するか(すなわち、カルボン酸官能性ビオチン, Shearwater)、チオール含有負電荷分子で処理してチオール基を提供するか(すなわち、β-メルカプト酢酸)、または遊離カルボン酸基を有するペプチドで処理するか、もしくはホスフェート基含有核酸(すなわち、ホスフェート基を含有するDNA断片およびRNA断片)で処理することができる。
次に、同様にして、負に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PAA)で処理された領域Bを、正電荷を含む官能基または分子で逐次的に処理して、さまざまな官能基を有する領域Bを提供することが可能である。
6.15 選択的なコロナ放電処理および多層コーティング処理による個別の親水性-疎水性領域および個別の化学官能基を含有する多孔質材料の製造
実施例6.5に開示されているように多孔質プラスチックシートをコロナ放電により予備活性化させた後、特定の親水性領域(領域A)を、アミノ官能基を含有する高分子電解質で(すなわち、0.5%のPET(BASF、MW 750,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)で処理し、他の親水性領域(領域B)を、カルボン酸官能基を含有する高分子電解質で(すなわち、0.5%のPAA(Aldrich、523925、MW 250,000)を含むエタノール-水の溶液で10分間)処理した。次に、個別の多孔質プラスチックシートを洗浄し乾燥させた。領域Aは、アミノ基で官能化され、領域Bは、カルボン酸基で官能化され、そして疎水性領域は、炭化水素バックボーンを有して化学的に不活性である。
次に、アミノ官能性高分子電解質(すなわち、PEI)で処理された領域Aを、他の官能基を含有する負に荷電した分子で逐次的に処理して、さまざまな官能基を有する領域Aを提供することができる。その際、PEIがコーティングされた領域を、PAAで処理してカルボン酸基を提供するか、ポリ(ビニルスルフェート)で処理してスルフェート基を提供するか、ホスフェート含有分子で処理してホスフェート基を提供するか(すなわち、ホスフェートとカルボン酸の両方を含有する分子である脂質)、ビオチン含有負電荷分子で処理してビオチン官能基を提供するか(すなわち、カルボン酸官能性ビオチン, Shearwater)、チオール含有負電荷分子で処理してチオール基を提供するか(すなわち、β-メルカプト酢酸)、または遊離カルボン酸基を有するペプチドで処理するか、もしくはホスフェート基含有核酸(すなわち、ホスフェート基を含有するDNA断片およびRNA断片)で処理することができる。
次に、同様にして、負に荷電した高分子電解質溶液(すなわち、PAA)で処理された領域Bを、正電荷を含む官能基または分子で逐次的に処理して、さまざまな官能基を有する領域Bを提供することが可能である。
明確な性質を有する個別領域を形成するようにポリマー粉末を直接焼結させる実例を提供する。 直接焼結に続いて個別の表面領域を備えた多孔質材料のシートを形成するための多孔質材料のスカイビングを示す。 個別の表面領域を形成するように他の材料上に多孔質材料を焼結させる実例を提供する。 マスクを用いる多孔質材料の選択的なプラズマ活性化およびコロナ放電活性化の実例を提供する。 マスクを用いない多孔質材料の選択的なコロナ放電活性化を示す。 多孔質材料の多層コーティングプロセスの全体的概略図を示す。 個別領域中に官能基を含有する多孔質材料の実例を提供する。 個別領域中に異なる電荷を含有する多孔質材料の実例を提供する。 三次元の個別の多孔質材料の実例を提供する。 ラテラルフローデバイスにおける本発明に係る多孔質材料の適用を示す。 96ウェルプレートにおける本発明に係る多孔質材料の適用を示す。 液体/化学物質送達およびマイクロ流体デバイスにおける本発明に係る多孔質材料の適用を示す。 マルチチャネルラテラルフロー診断用デバイスにおける本発明に係る多孔質材料の適用を示す。

Claims (64)

  1. 表面を有する多孔質高分子材料であって、該高分子材料が単一部片であり、該表面が、明確な表面特性を呈する複数の個別領域を備える、上記材料。
  2. 前記高分子材料が、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリスルホン、ニトロセルロース、セルロース、フッ素化ポリマー、PTFE、多孔質繊維材料、またはナイロンよりなる群から選択される、請求項1に記載の材料。
  3. 前記ポリオレフィンが、エチレンビニルアセテート、エチレンメチルアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレンゴム、エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ポリ(1-ブテン)、ポリスチレン、ポリ(2-ブテン)、ポリ(1-ペンテン)、ポリ(2-ペンテン)、ポリ(3-メチル-1-ペンテン)、ポリ(4-メチル-1-ペンテン)、1,2-ポリ-1,3-ブタジエン、1,4-ポリ-1,3-ブタジエン; ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニリデンクロリド)、ポリ(ビニリデンフルオリド)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、またはそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項2に記載の材料。
  4. 前記表面特性が、親水性、疎水性、疎油性、生物学的分子結合能、湿潤およびウィッキング性、官能基の存在または密度、化学反応性、電子電荷、多孔度、ならびに細孔サイズのうちの1つ以上である、請求項1に記載の材料。
  5. 前記個別の表面特性が疎水性および親水性である、請求項1に記載の材料。
  6. 前記個別の親水性領域が疎水性境界に取り囲まれている、請求項5に記載の材料。
  7. 前記個別の疎水性領域が親水性境界に取り囲まれている、請求項5に記載の材料。
  8. 前記個別の表面特性が疎水性および疎油性である、請求項1に記載の材料。
  9. すべての個別領域が同一の表面特性を呈する、請求項1に記載の材料。
  10. 異なる個別領域が異なる表面特性を呈する、請求項1に記載の材料。
  11. 前記個別領域が、1層以上のコーティング材料でコーティングされている、請求項1に記載の材料。
  12. 前記コーティング材料の第1の層が、共有結合、静電相互作用、またはそれらの組合せにより前記個別領域に結合されており、前記コーティング材料の第2の層が、共有結合、静電相互作用、またはそれらの組合せにより該第1の層に結合されている、請求項11に記載の材料。
  13. 前記コーティング材料が、高分子電解質、中性ポリマー、小分子、生体分子、またはそれらの組合せである、請求項11に記載の材料。
  14. 前記高分子電解質が、ホスフェート、ポリエチレンイミド、ポリ(ビニルイミダゾリン)、四級化ポリアクリルアミド、カルボキシル変性ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリ(アクリレートトリアルキルアンモニア塩エステル)、セルロース、ポリ(アクリル酸)、ポリメチルアクリル酸、ポリ(マレイン酸)、ポリ(スチレン硫酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(トルエン硫酸)、ポリ(メチルビニルエーテル-alt-マレイン酸)、ポリ(グルタミン酸)、界面活性剤、Nafion(登録商標)(DuPont)、デキストラン硫酸、ヒアルリン酸、ヘパリン、アルギン酸、アジピン酸、化学染料、タンパク質、酵素、核酸、ペプチド、またはそれらの塩、エステル、および/もしくはコポリマーである、請求項13に記載の材料。
  15. 前記中性ポリマーが、イソシアネート化末端ポリマー、エポキシ末端ポリマー、またはヒドロキシルスクシミド末端ポリマーである、請求項13に記載の材料。
  16. 前記中性ポリマーが、ポリウレタン、ポリ(エチレングリコール)、およびポリシロキサンである、請求項15に記載の材料。
  17. 前記小分子が、ナトリウムドデシルスルホネート、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ホスフェート、スルホネート、ブロナート、スルホネート、染料、脂質、金属イオン、またはフッ素含有界面活性剤である、請求項13に記載の材料。
  18. 前記生体分子が、タンパク質、酵素、脂質、ホルモン、ペプチド、核酸、オリゴ核酸、DNA、RNA、糖、または多糖である、請求項13に記載の材料。
  19. 前記多孔質材料が個別領域中に電荷を有する、請求項1に記載の材料。
  20. すべての個別領域が同一の電荷を有する、請求項19に記載の材料。
  21. 異なる個別領域が異なる電荷を有する、請求項19に記載の材料。
  22. 前記個別領域がさまざまな電荷密度を有する、請求項20または21に記載の材料。
  23. 前記多孔質材料が個別領域中に化学官能基を有する、請求項1に記載の材料。
  24. すべての個別領域が同一の化学官能基を有する、請求項23に記載の材料。
  25. 異なる個別領域が異なる化学官能基を有する、請求項23に記載の材料。
  26. 前記個別領域がさまざまな化学官能基密度を有する、請求項24または25に記載の材料。
  27. 前記官能基がアミノ基である、請求項23に記載の材料。
  28. 前記官能基がカルボン酸である、請求項23に記載の材料。
  29. 前記官能基が硫酸である、請求項23に記載の材料。
  30. 前記官能基が多糖である、請求項23に記載の材料。
  31. 前記官能基がペルフルオロアルキル基である、請求項23に記載の材料。
  32. 前記個別領域が三次元的に位置する、請求項1に記載の材料。
  33. 明確な表面特性を呈する複数の個別領域を備えた多孔質材料を製造する方法であって、異なる性質を有するポリマー粒子をあらかじめ決められたパターンで配置するステップ、および該配置された粒子を圧縮焼結して多孔質材料にするステップを含む、上記方法。
  34. 得られた多孔質材料がビレットの形態である、請求項33に記載の方法。
  35. 前記ビレット多孔質材料が1枚以上のシートにスカイビングされる、請求項34に記載の方法。
  36. 得られた多孔質材料が親水性領域および疎水性領域を有する、請求項33、34、または35に記載の方法。
  37. 明確な表面特性を呈する複数の個別領域を備えた多孔質材料を製造する方法であって、多孔質基材を提供するステップ、該基材の個別領域上にポリマー粉末を選択的に配置するステップ、および該ポリマー粉末を該基材中に圧縮焼結させるステップを含む、上記方法。
  38. 同一のポリマー粉末がすべての個別領域上で使用される、請求項37に記載の方法。
  39. 前記ポリマー粉末が異なるポリマーからなり、異なる表面特性の個別領域が提供される、請求項37に記載の方法。
  40. 親水性ポリマー粉末が、個別の親水性-疎水性領域を提供するように疎水性多孔質基材中に焼結される、請求項37に記載の方法。
  41. 得られた多孔質材料が、すべての個別領域で同一の多孔度または細孔サイズを有する、請求項37に記載の方法。
  42. 得られた多孔質材料が、異なる個別領域で異なる多孔度または細孔サイズを有する、請求項37に記載の方法。
  43. 明確な表面特性を呈する複数の個別領域を備えた多孔質材料を製造する方法であって、多孔質基材を提供するステップ、該基材の個別領域を選択的に活性化するステップを含む、上記方法。
  44. 前記選択的活性化が高エネルギー活性化により達成される、請求項43に記載の方法。
  45. 前記高エネルギー活性化が直接プラズマ活性化または遠隔プラズマ活性化である、請求項44に記載の方法。
  46. 前記高エネルギー活性化がUV照射である、請求項44に記載の方法。
  47. 前記高エネルギー活性化がコロナ放電である、請求項44に記載の方法。
  48. 前記選択的活性化が、マスク材料で選択領域をブロッキングすることにより達成される、請求項45、46、または47に記載の方法。
  49. 前記マスク材料が、金属、プラスチック、ゴム、または紙テープである、請求項48に記載の方法。
  50. 前記選択的活性化が、個別領域のパターンと同一の形状を有する特別にデザインされた電極を用いて達成される、請求項47に記載の方法。
  51. 前記高エネルギー活性化が電子ビーム活性化である、請求項44に記載の方法。
  52. 前記選択的活性化が、指定の領域に電子ビームを集束させることにより達成される、請求項51に記載の方法。
  53. 前記個別領域を覆う層を形成するのに十分な時間および温度で、前記個別の表面領域をコーティング材料でコーティングするステップをさらに含む、請求項33、37、または43に記載の方法。
  54. 前記コーティング材料が、高分子電解質、中性ポリマー、小分子、生体分子、またはそれらの組合せである、請求項53に記載の方法。
  55. 前記高分子電解質が、ホスフェート、ポリエチレンイミド、ポリ(ビニルイミダゾリン)、四級化ポリアクリルアミド、カルボキシル変性ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジン、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリ(アクリレートトリアルキルアンモニア塩エステル)、セルロース、ポリ(アクリル酸)、ポリメチルアクリル酸、ポリ(マレイン酸)、ポリ(スチレン硫酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(トルエン硫酸)、ポリ(メチルビニルエーテル-alt-マレイン酸)、ポリ(グルタミン酸)、界面活性剤、Nafion(登録商標)(DuPont)、デキストラン硫酸、ヒアルリン酸(hyaluric acid)、ヘパリン、アルギン酸、アジピン酸、化学染料、タンパク質、酵素、核酸、ペプチド、またはそれらの塩、エステル、および/もしくはコポリマーである、請求項54に記載の方法。
  56. 前記小分子が、ナトリウムドデシルスルホネート、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ホスフェート、スルホネート、ブロナート、スルホネート、染料、脂質、金属イオン、またはフッ素含有界面活性剤である、請求項54に記載の方法。
  57. 前記生体分子が、タンパク質、酵素、脂質、ホルモン、ペプチド、核酸、オリゴ核酸、DNA、RNA、糖、または多糖である、請求項54に記載の方法。
  58. 前記層が、共有結合、静電相互作用、またはそれらの組合せにより前記個別領域に結合される、請求項53に記載の方法。
  59. 前記個別領域上に第2の層を形成するのに十分な時間および温度で、単層コーティングされた前記個別領域を追加のコーティング材料でコーティングするステップをさらに含む、請求項53に記載の方法。
  60. 前記第2の層が、共有結合、静電相互作用、またはそれらの組合せにより前記第1の層に結合される、請求項59に記載の方法。
  61. 前記コーティングを繰り返して多層コーティングされた多孔質材料を形成する、請求項59に記載の方法。
  62. 荷電した個別領域を備えた基材を提供し、該荷電した個別領域と、官能基を含有する反対に荷電した分子とを反応させるステップを含む、請求項53に記載の方法。
  63. 前記荷電した分子がポリエチレングリコールを含有する、請求項62に記載の方法。
  64. 前記荷電した分子がビオチンを含有する、請求項62に記載の方法。
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