JP2005507316A - 超常磁性酸化鉄を含む複合粒子 - Google Patents
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Abstract
本発明は、複合粒子を生産するための方法に関し、ここで、30nm未満の直径を有する超常磁性酸化鉄粒子は、官能基を含むポリシロキサンマトリックス中に含まれる。この方法によって得られた複合粒子は、磁気分離法に適している。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、30nm未満の粒径を有し、官能基を有するポリシロキサンマトリックス中に組み込まれる、超常磁性酸化鉄粒子を含む複合粒子、およびこれらの調製のための方法に関する。複合粒子は、磁気分離に適している。
【背景技術】
【0002】
分離システムにおける複合粒子の使用は公知である。この目的のために、強磁性粒子がアミノ、カルボキシルもしくはキレート官能基を有する有機ポリマーマトリックスまたは珪酸塩マトリックスに組み込まれる複合粒子が使用されるか、あるいは、複合粒子は、FeOxのような種々のシェルでコーティングされるガラスまたはプラスチックのような非磁極コアを有する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、酸化鉄粒子およびポリシランマトリックスを形成するためのプレ縮合物を含む水性有機エマルジョン中の1つ以上の加水分解可能なシラン化合物から得られたプレ縮合物を縮合すること、及び、必要に応じて、得られた複合粒子を取り除くことによる、少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの加水分解可能なシラン化合物が使用されおよび/または少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの有機化合物、特に加水分解可能なシラン化合物との反応は、後の反応工程において行われる、官能基を有するポリシロキサンマトリックス、特にポリオルガノシロキサンマトリックスに組み込まれる30nm未満の粒径を有する超常磁性酸化鉄粒子を含む複合粒子を製造する方法を提供する。この方法によって、官能基を有するポリシロキサンマトリックスに組み込まれる30nm未満の粒径を有する超常磁性鉄酸化物粒子を含む本発明の複合粒子を得ることが可能である。
【0004】
本発明に従う方法によって得られ得る超常磁性複合粒子は、種々の官能基(functionalizations)が粒子合成と同じくらい早く1つの同じ合成原理によって導入され得るという利点を提供する。これは、官能基が適用の特定の分野について柔軟に選択され得る、有機−無機ナノ複合材料から構成される高度に柔軟な超常磁性粒子分離システムを生じる。本発明の超常磁性複合粒子の有機的に修飾されたシランマトリックスは、前駆体成分として官能化された化合物、好ましくは官能化されたアルコキシシランの選択によって、モジュラー原理に従って、組み立てられる。
【0005】
本発明の官能化超常磁性複合粒子は、超常磁性酸化鉄の単一ドメイン粒子が埋め込まれている、官能化シランマトリックスからなる。酸化鉄粒子は、W/Oエマルジョン中のマトリックス前駆体(加水分解可能なシラン、特にアルコキシシラン)と混合され、そして、マトリックス成分は、好ましくは、水相を蒸発させることによって、特に、エマルジョンを熱い溶媒に滴下することによって(エマルジョン蒸発)縮合される。
【0006】
この方法において、好ましくは100nm〜2μmの平均直径を有する超常磁性複合粒子が調製される。複合体中の超常磁性酸化鉄粒子の含量は、特定の磁化を変化させるために使用され得る。異なる官能化アルコキシシランの使用は、異なる物質群の吸着/複合化に適している官能基が共有結合されるか、または特定の物質/物質群について特定の親和性を有するさらなる化合物が結合され得る、複合粒子を提供する。本発明の複合粒子に、タンパク質、酵素(触媒特性)または抗体のような生体分子が結合され得、その結果、これらはまた、生化学分野で使用され得る。
【0007】
この方法において、酸性pH範囲においてフロキュレーション安定であり、好ましくはW/Oエマルジョンの水相に導入される超常磁性アミノ官能化FeOx単一ドメイン粒子を使用することが好ましく、マトリックス前駆体の酸で前処理したゾル(例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランおよび官能化トリアルコキシシラン)が次に添加される。マトリックス前駆体は、縮合されて、エマルジョン蒸発によって固体マトリックスを生じ、FeOx単一ドメイン粒子は、官能化マトリックス中に固定される。アミノ官能化超常磁性酸化鉄粒子を使用することが特に好ましく、その調製は、参考として本明細書中に援用されるEP−B−892834において記載されている。超常磁性複合粒子を選択的に調製することが可能であり、その飽和磁化は、酸化鉄ナノ粒子の含有量を介して変化する。該粒子は超常磁性の挙動を示し、磁気相互作用の結果として不可逆的に凝集しないので、これらは、水性媒体中で懸濁された個々の粒子として、繰り返し使用され得る。
【0008】
粒子磁気分離システムは、例えば、水相からの重金属イオンの除去または貴金属の回収のための、幅広い分野の適用を有する。この目的のために、磁気分離システムは、異なる特定の官能基、例えば、特定のイオンを選択的に捕獲する異なる複合リガンド、を柔軟に備える必要がある。永久磁化から生じる磁気双極子相互作用の結果として、個々の複合粒子の凝集は、活性な表面積の減少および重力下でのより迅速な沈降を生じる。
【0009】
本発明の複合粒子は、磁場を使用して液体媒体中で、移動され、方向付けられ、そして分離され得る活性成分についての支持体成分として機能する。この目的に対して、超常磁性複合粒子は、適用特異的官能化または活性成分と結合され、例えば、有害な物質、細胞を吸着するため、もしくは触媒のため、または有機化合物の支持体結合合成において、凝集していない個々の粒子として液体媒体中で使用され、適用後に磁場中で分離され得る。複合粒子は、迅速な分離を達成するために、磁場(高度に特異的な磁化)に対する良好な応答を有するべきである。
【0010】
超常磁性粒子は、強磁性およびフェリ磁性特性に由来するが、超常磁性粒子のサイズは、磁気ドメインのサイズ以下である(Weissドメイン、<30nm)。従って、これらは単一ドメイン粒子とも称される。本発明が、単一ドメイン粒子を懸濁物から除去する場合には、これらの小さい粒子が強い熱移動を受けやすいので、高磁場強度(>5000エルステッド)が必要とされる。
【0011】
超常磁性単一ドメイン粒子の分離は、非常に強い磁場を必要とするので、これらは、粒子の再使用を妨げる、個々の粒子の集合を生じる残留磁気を保持するが、弱い磁場によって除去され得るより大きいマルチドメイン粒子と同様に、磁気分離プロセスにおける使用について適していない。本発明の複合粒子の場合、30nm以下の直径を有する超常磁性酸化鉄単一ドメイン粒子の多くは、それゆえ官能化シランマトリックス中に固定される。従って、磁場に対する優れた応答を有し、それにも関わらず超常磁性特性を有する複合粒子が得られる。酸化鉄ナノ粒子(好ましくは、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱)が埋め込まれる官能化SiO2マトリックスからなる本発明の官能化超常磁性複合粒子が、ナノメートルおよびマイクロメートルの範囲、好ましくは100nm〜2μmの平均サイズで調製され得る。
【0012】
合成における有用な超常磁性成分は、30nm以下の平均粒径を有する、好ましくは5〜20nmの平均直径を有する酸化鉄粒子である。使用される酸化鉄ナノ粒子は、未修飾であるか、またはアルコキシシラン、特にγ−アミノ−プロピルトリエトキシシシランで表面修飾されるかのいずれかであり得る。粒子の磁場に対する応答は、複合粒子中の超常磁性酸化鉄単一ドメイン粒子の含有量により変化し得る。約15重量%のFeOx含量で、11.2EMU/gの特定の磁化が達成された。これらの複合粒子の密度は、1.7g/cm3であり、その結果、マイクロメートル範囲のサイズを有する複合粒子でさえ、重力下でゆっくりと沈降する。21.4EMU/gの特定の磁化を有する複合粒子は、FeOx含量を増加させることによって調製された。240nmの直径のd50値を有する複合体の場合(80%の複合粒子が170nm〜380nmのサイズ範囲にある)、11.9m2/gのBET表面積が得られた。粒子を単離し、乾燥粉末として貯蔵し得る。これらは、再分散可能かつ再利用可能である。
【0013】
有用な超常磁性ナノ粒子は、フェライト、特に表面修飾を有さないまたは特に官能化アルコキシシラン、好ましくはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)もしくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面修飾された磁鉄鉱または磁赤鉄鉱粒子である。
【0014】
超常磁性複合粒子のマトリックスは、マトリックス前駆体として、好ましくは構造形成テトラアルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランTEOSから、ゾル−ゲル方法によって、例えば、酸加水分解および引き続く縮合によって、形成される。そのマトリックスが構造形成テトラアルコキシシラン単独によって形成されている複合粒子の表面はまた、必要に応じて、例えば、公知のゾル−ゲル方法を介して、別々の合成工程で所望の官能基を供給され得る。
【0015】
加水分解可能なシランに存在する官能基または官能基を有する有機化合物の例は、アミノ、アルキル置換アミノ、カルボキシルもしくはカルボキシレート、エポキシ、メルカプトもしくはメルカプチド、シアノ、ヒドロキシルまたはアンモニウム基である。複数の官能基がまた存在し得、次いで、キレート形成剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸に対応する誘導体)として機能し得る。さらなる例が、シランについて以下に列挙される。シラン中の官能基は、代表的に、炭化水素基を介してSiに結合し、以下に詳述するように、官能基を有する加水分解可能でない基を構成するが、水酸基はまた、例えば、Siに直接結合し得る。
【0016】
一般に、一般式(I):
RaSiX(4-a) (I)
ここで、R基は、同じであっても異なっていてもよく、そして加水分解可能でない基を構成し、X基は、同じであっても異なっていてもよく、加水分解可能な基もしくは水酸基であり、そしてaは、0、1、2または3の値、好ましくは0または1を有し得る、の加水分解可能なシランが使用され得る。
【0017】
一般式(I)において、加水分解可能なX基は、例えば、水素、ハロゲン、アルコキシ(好ましくは、C1-6アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシ)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アシルオキシ(好ましくは、C1-6アシルオキシ、例えば、アセトキシまたはプロピオニルオキシ)、アルキルカルボニル(好ましくは、C2-7アルキルカルボニル、例えば、アセチル)、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、好ましくは、1〜12、特に1〜6の炭素原子を有する。アルコキシ、特にメトキシおよびエトキシが好ましい。
【0018】
同じであっても異なっていても良い、加水分解可能でないR基は、官能基を有するかまたは官能基を有さない加水分解可能でないR基であり得る。
【0019】
加水分解可能でないR基は、例えば、アルキル(好ましくは、C1-8アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチルまたはシクロヘキシル)、アルケニル(好ましくは、C2-6アルケニル、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびブテニル)、アルキニル(好ましくは、C2-6アルキニル、例えば、アセチレニルおよびプロパルギル)、およびアリール(好ましくは、C6-10アリール、例えば、フェニルおよびナフチル)である。RおよびX基は、必要に応じて、1つ以上の代表的な置換基(例えば、ハロゲンまたはアルコキシ)を有し得る。
【0020】
R基の官能基の具体例は、エポキシ、ヒドロキシル、エーテル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、カルボキシル、ビニル、アクリロイル、メタクリロイル、シアノ、ハロゲン、アルデヒド、アルキルカルボニルおよびリン酸基である。1を超える官能基が存在し得る。官能基は、酸素またはNH基によって割り込まれ得るアルキレン、アルケニレンまたはアリーレン架橋基を介して、ケイ素原子に結合される。言及された架橋基は、例えば、上述のアルキル、アルケニルまたはアリール基に由来する。
【0021】
マトリックスを組み立てるために、テトラアルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシラン(TEOS)を使用することが好ましく、またはテトラアルコキシシランが、構造形成剤として使用され、好ましくは、テトラエトキシシラン、およびさらにアルコキシシラン、特に官能化トリアルコキシシランが、ゾル−ゲル方法を介して別々の合成工程で縮合される。
【0022】
マトリックスは、好ましくは、少なくとも1つの官能基、特に官能性トリアルコキシシラン(RSiX3、ここで、X=アルコキシ、そしてR=官能基を有する加水分解可能でない基)、好ましくはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸のアニオンおよび2−シアノエチルトリメトキシシランを有する1つ以上の加水分解可能なシランと共に、テトラアルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランを共縮合することによって形成される。
【0023】
超常磁性複合粒子は、マトリックス前駆体としての適用のために特異的に選択された官能化アルコキシシランの使用によって、特定の官能基を用いて直接調製され得る。異なる官能基は、構造形成アルコキシシラン、特にテトラアルコキシシランと共に、官能化アルコキシシランを共縮合することによって、導入される。
【0024】
適切な官能化マトリックス前駆体は、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)およびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPS)(アミノ官能基)、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸のナトリウム塩(金属イオンについてのコンプレックスリガンド)、2−シアノエチルトリメトキシシラン(ニトリル官能基)またはN−(トリメトキシシリルプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(トリメチルアンモニウム官能基)である。
【0025】
好ましい合成原理において、加水分解可能なシランのアルコールゾルは、30℃を超える温度、好ましくは60℃で、酸性媒体中で、酸、好ましくは蟻酸の添加によって前処理される。必要に応じて、水が、システムにおいて存在するアルコキシ基の好ましくは≦50mol%で、前処理の過程で添加され得る。複合粒子のサイズは、例えば、60℃で蟻酸とマトリックス前駆体の前処理の持続時間によって、変わり得る。超常磁性酸化鉄粒子をシランマトリックス中に埋め込むために、超常磁性酸化鉄単一ドメイン粒子を、例えば、W/Oエマルジョンの水相中で蟻酸で前処理した加水分解可能なシラン(アルコキシシラン)と混合する。エマルジョン中で、前駆体は、酸加水分解下でさらに反応する。前駆体は、別々にかまたは混合物として、前処理され得る。前処理したマトリックス前駆体に加えて、前処理されていない前駆体もまた、エマルジョンに添加され得る。
【0026】
水性有機エマルジョンは、例えば、Ullmanns Encyklopadie der technischen Chemieの例えば、表題エマルジョンの第10巻、第4版において記載されるように、当業者に公知の慣用のエマルジョンである。これらは、水中油型(O/W)または好ましくは油中水型(W/O)エマルジョンであり得る。これは、好ましくは、マイクロエマルジョンである。通常、少なくとも4成分が存在する:水、油性物質、乳化剤または乳化剤混合物および溶解剤。特定の例が、上述の参考文献から取られ得、これは、参考として本明細書中に援用される。
【0027】
W/Oエマルジョンの水滴は、後の複合粒子の形状を予め決定する。マトリックスの縮合は、好ましくは、水相を蒸発させることによって達成される。これは、エマルジョンの水相が突然蒸発し、留去される過程において、例えば、100℃を超える温度、好ましくは160〜170℃で熱い溶媒にエマルジョンを滴下することによって達成される。加水分解可能なシランの官能基は、これらの温度において保持される。蒸発の結果として、加水分解可能なシランは、超常磁性酸化鉄が固定される固体官能化マトリックスを縮合および形成する。水相はまた、原則として、噴霧乾燥、ロータリーエバポレーションまたは垂直パイプ炉におけるエバポレーションのような他の方法によって蒸発され得る。
【0028】
好ましい方法において、超常磁性ナノ粒子およびマトリックス前駆体として機能する加水分解可能なシランは、W/Oエマルジョンの水相中でまたはエマルジョンへの添加の前に混合され、そして超常磁性ナノ粒子は、好ましくは、エマルジョンの水相を蒸発させることによって、好ましくは100℃を超える温度で熱い溶媒にエマルジョンを滴下することによってマトリックス中に固定される。
【0029】
好ましい方法において、エマルジョンに添加される前駆体は、加水分解および/またはプレ縮合によって前処理されるマトリックス前駆体だけでなく、さらに前処理されていない加水分解可能なシランであり、そして超常磁性ナノ粒子は、エマルジョンの水相を蒸発させることによって前駆体を共縮合することによって、好ましくは100℃を超える温度で熱い溶媒にエマルジョンを滴下することによって、マトリックス中に固定される。
【0030】
本発明に従って得られた超常磁性複合粒子は、特定の磁化が粒子全体における酸化鉄単一ドメイン粒子の含量により変化され得るという特徴を有する。粒子の表面特異的特性は、異なる官能基を有する加水分解可能なシランの使用によって種々に制御され得、そして複合粒子の平均サイズは、マトリックス前駆体の前処理の持続時間によって、またはFeOxおよびマトリックス前駆体とのエマルジョンの水相のローディングにより、そしてまた、種々のエマルジョンパラメーターにより、狭い粒子サイズ分布の場合に変化され得る。
【0031】
本発明に従って、官能化複合粒子(好ましくは、アミノ官能基を有する)はまた、アルコール相におけるシランのアルカリプレ加水分解およびナノ粒子の水懸濁液とゾルとの混合の後、酸化鉄ナノ粒子および加水分解可能なシランからアルコール相が蒸留される様式で、調製され得、そして、この様式で得た水性ゾルは、W/Oエマルジョン中に撹拌され、これは次いで、例えば、エマルジョン蒸発に供される。
【0032】
さらなる好ましい実施形態において、複合粒子は、従って、アルコキシシランのアルコール性ゾル、好ましくは、テトラエトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランの等モル混合物は、アルカリ条件下でプレ加水分解される様式で調製され、酸化鉄粒子の水性懸濁液の添加およびアルコールの除去後、W/Oエマルジョン中に撹拌され、そして複合粒子は、エマルジョン蒸発によって得られる。
【0033】
0.1μm〜2μmの範囲の特定の平均粒子直径および狭い粒度分布(例えば、1.6μm±0.4μm)を有する超常磁性複合粒子を選択的に調製することは、エマルジョン方法を介して可能である。官能化複合粒子は、凝集せず、低密度(例えば、15重量%のFeOxで、1.7g/cm3)を有し、マイクロメートル範囲の直径を有する粒子でさえ水性懸濁液においてごくゆっくりと沈降し、機械的な撹拌なしで使用され得る。
【0034】
複合粒子は、その表面特異的特性(官能基、ゼータ電位)、そのサイズならびに前駆体および反応条件を変化させることによるその特異的な磁化に関して、非常に柔軟に制御され得る。粒子表面上のアミノ基またはカルボキシル基は、用途特異的官能基または特性を有するさらなる天然または合成モノマーまたはポリマーに結合する可能性を提供する。
【0035】
磁気分離方法は、医療分野、生化学分野、および環境分野において使用される。重金属イオンは、磁気充填成分に組み込まれるイオン交換機を使用することによって普通に分離される。
【0036】
複合粒子に対して、さらなる反応工程において、例えば、生体分子(酵素または抗体)が共有結合し得る。生化学的適用は、細胞分離またはDNAの分離であり、そしてまた、酵素(触媒特性)が媒体中で作用し、使用後に、磁気分離によってそれらを回収するのを可能にし、または計量された付加および磁気分離によって酵素反応を制御する可能性がある。
【0037】
複合粒子はまた、固体支持体上の合成におけるコンビナトリアル化学の分野において使用され得、この場合において、支持体結合生成物は、磁場を使用して分離され得る。有機合成化学の分野において、本発明の官能性超常磁性複合粒子は、支持体結合合成(例えば、ペプチド、タンパク質、ヘテロ環)におけるコンビナトリアル原理によって使用され得る。この場合において、各合成工程後の精製におけるろ過は、磁気分離によって置換され、これは、ブロックされたフィルターの問題を避けることを可能にする。
【0038】
本発明の複合粒子は、カチオン(例えば、貴金属または重金属)、アニオンまたは有害な物質の分離において、磁気キャリアとして使用され得る。この場合において、所望の再利用可能性は、物質または物質群を結合し得る官能基が磁気複合粒子に対して可逆的に分離されることを必要とする。共有結合したキレートコンプレックスリガンド、好ましくは、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミン三酢酸を有する超常磁性複合粒子は、汚染された水から重金属カチオンを分離するのに適している。複合体形成の制御および複合重金属イオンの再流動化は、pHを変化させることによって可能である。
【0039】
さらなる適用可能性は、触媒特性を有する物質についての担体としての使用である。1つの可能性は、酵素である。酵素でコーティングした超常磁性複合粒子は、有害な物質の酵素分解のために使用され得、そして酵素は、その使用後に、磁気分離によって回収され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
実施例
実施例1(一般的な合成)
アルコキシシランのプレ加水分解のために、500ml Schottボトル中に、34.52g(165.7mmol)のテトラエトキシシランおよび必要に応じて165.7mmolのさらに官能化されたアルコキシシラン(例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン)および15.24gの蟻酸を、25.27gのエタノールに添加し、密封したボトルを、5時間〜10日の間、60℃で貯蔵して、アルコキシシランを前処理した。酸化鉄粒子を、W/Oエマルジョンの水相中でマトリックスシランと混合した。この目的のために、9.52gのEmulsogen(登録商標)OG(オレイン酸ポリグリセロール、HLB値3)および10.80gのTween(登録商標)80(ポリオキシエチレン20)ソルビタンモノオレアート、HLB値15)を、78gの特殊な沸点の石油(b.p.180〜220℃)中に撹拌し、引き続き、超音波処理(ディスインテグレーター)に10分間供した。さらなる超音波処理下で、酸化鉄ナノ粒子の20.47gの水性懸濁液(2.37重量%のFe3O4)を添加し、その過程において、エマルジョンが形成した(W/O=0.2)。使用されるFe3O4ナノ粒子は、縮合したγ−アミノプロピルトリエトキシシランの層で安定化された粒子である。10分後、8gのマトリックスゾルを添加した。さらに10分後、超音波処理を終了し、エマルジョンを室温で24時間撹拌した。エマルジョンの水相を蒸発させ、そしてマトリックス成分を濃縮させるため、800mlのSBPPを170℃まで加熱し、そしてエマルジョンを、ポンプを介して滴下し、その過程において、水相を蒸発させ、蒸留し、そして酸化鉄粒子を、縮合マトリックス中で固定する。磁気分離後、複合粒子を、イソプロパノールで繰り返し洗浄し、引き続き水で洗浄した。最終的に、複合粒子を、60℃の減圧下でロータリーエバポレータで乾燥粉末に濃縮した。複合粒子は、15重量%のFeOx含量を有する。11.2EMU/gの特定の磁化を達成した。この酸化鉄含量における粒子の密度は、1.7g/cm3であった。
【0041】
実施例2
実施例1と同様の様式で、シラノール官能基≡SiOHを有する複合粒子(15重量%のFeOxナノ粒子の含量)を調製した。マトリックス成分は、テトラエトキシシランであった。システムにおいて存在するアルコキシ基の50mol%に対応する水を、加水分解の過程においてゾルに添加し、ゾルを60℃で5時間貯蔵した。複合粒子の平均直径は、193nm(80%の複合粒子は、125nm〜340nmのサイズ範囲内である)であり、等電点はpH2.64であった。
【0042】
実施例3
実施例1と同様の様式で、複合リガンド官能基を有する複合粒子(15重量%のFeOxナノ粒子の含量)を調製した。構造形成性マトリックス成分は、テトラエトキシシランである。TEOSゾルを、実施例2に従って60℃で前処理し、エマルジョンに添加した。16時間撹拌した後、0.75gのH2O中に溶解したN−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸の0.75gのナトリウム塩を、さらにエマルジョンに添加し、さらに3時間撹拌した(TEOS:キレート錯化剤モル比=5.0:1.0)。複合粒子の平均直径は、130nm(80%の複合粒子は、95nm〜250nmのサイズ範囲内である)であった。複合粒子の等電点は1.6であった。
【0043】
実施例4
実施例3と同様の様式で、複合粒子を種々の反応条件下で調製した。TEOSゾルを60℃で16時間調製した。N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸キレート錯化剤(0.75gのH2O中の0.75g)を、TEOSゾル(3.5g)(TEOS:キレート錯化剤モル比=4.4:1.0)の直後にエマルジョンに添加し、エマルジョンを23時間撹拌し、次いでエバポレーションに供した。
【0044】
実施例5(重金属分離)
実施例3および4由来の複合粒子は、磁気分離による水相から重金属カチオンを取り除くために適切である。Co2+イオンの錯形成反応および分離(pH8.0における)およびそれらの再流動化(pH2.3における)を行った。錯形成反応を、ムレキシドの色変化の補助でモニターした。超常磁性複合粒子の錯形成能力を、再流動化したCo2+の量を測定することにより分離後に決定し、実施例3由来の複合粒子の場合、複合粒子のグラム当たり0.2mmolの重金属イオンであることが見出され、実施例4由来の複合粒子の場合、複合粒子のグラム当たり0.4mmolの重金属イオンであることが見出された。
【0045】
実施例6
実施例1と同様の様式で、アミノ官能基(−NH2)を有する複合粒子(15重量%のFeOxナノ粒子の含量)を調製した。マトリックス成分は、1:1のモル比で、テトラエトキシシランおよび3−アミノプロピルトリエトキシシランであった。24時間および192時間のゾルのプレ加水分解によって、それぞれ、231nm(80%の複合粒子は、180nm〜335nmのサイズ範囲内である)および1.38μm(80%の複合粒子は、1.08nm〜1.74μmのサイズ範囲内である)の平均粒子サイズを得た。等電点は、7.2〜7.8の範囲のpHであった。15重量%のFeOx単一ドメイン粒子の含量についての超常磁性複合粒子の特定の磁化は、11.2EMU/gであった(FeOx単一ドメイン粒子の特定の磁化 70EMU/g)。
【0046】
実施例7
実施例6と同様の様式で、複合粒子を、4gのプレ加水分解ゾル(60℃で265時間)を添加した6.6重量%の固体含量を有する21.32gのFe3O4懸濁液を使用して調製した。これは、235nmの平均粒子サイズ(80%の複合粒子は、185nm〜425nmのサイズ範囲内である)および21.4EMU/gの特定の磁化を有する複合粒子を生じた。
【0047】
実施例8
実施例6と同様の様式で、複合粒子を、7.5gのプレ加水分解ゾル(60℃で3ヶ月以上)を添加した5.75重量%の固体含量を有する未修飾の21.15gのFe3O4懸濁液を使用して調製した。これは、1.58μmの平均粒子サイズ(80%の複合粒子は、1.33μm〜1.90μmの範囲である)の複合粒子を生じた。特定磁化は、20.2EMU/gであることが見出され、複合粒子の等電点は、pH8.6であった。
【0048】
実施例9
実施例1と同様の様式で、ニトリル官能基(−C≡N)を有する複合粒子を調製した。マトリックス成分は、1:1のモル比のテトラエトキシシランと2−シアノエチルトリメトキシシランであった。ゾルを、60℃で24時間プレ加水分解した。合成により、15重量%のFeOxナノ粒子の含量を有する超常磁性複合粒子を得た。複合粒子の平均サイズは、145nm(80%の複合粒子は、115nm〜260nmのサイズ範囲内である)であり、等電点は、pH7.9であった。
【0049】
実施例10
10.48mlの脱イオン水を、32mlエタノール中の34.52gのテトラエトキシシランおよび37.06gのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに滴下して、ゾルを、60℃で24時間熱処理した。ゾルに、140mlのFeOxナノ粒子の懸濁液(固体含量4.42重量%)を添加し、アルコールを引き続き、ロータリーエバポレーションによって除去した。20gのゾルを、W/O=0.2を有するエマルジョン中に撹拌し、エマルジョンエバポレーションに供し、160℃で3時間、熱い溶媒中で撹拌した。これにより、d50=150nmの平均サイズを有する複合粒子を得た(d10=110nm;d90=210nm)。粒子の等電点は、pH9.8であった。
【0050】
実施例11
100mgのアミノ官能化複合粒子(メタノール中の平均直径:1.2μm)を、6mlの溶媒(メタノール:H2O:酢酸(c=2mol/l)=4:1:1(v/v/v))に懸濁し、超音波で3分間処理した。別々に、89mgのβ−アラニン(スペーサー)を、1mlのH2Oおよび1mlの酢酸(c=2mol/l)の混合物中に溶解し、次いで2mlのメタノールを添加した。この溶液を、撹拌しながら、複合粒子の懸濁液に添加した。最終的に、207mgのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を添加して、混合物を室温で48時間撹拌した。処理のために、粒子をメタノールで繰り返し洗浄し、水に対して透析し、磁気分離によって単離し、40mlのメタノール中に取った。
【0051】
267mgのウレアーゼを、15mlの溶媒(メタノール:H2O:酢酸(c=2mol/l)=5:5:1(v/v/v))に溶解し、粒子懸濁液に添加した。別々に、333mgのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を、3mlのメタノールに溶解し、この溶液を、撹拌しながら、室温で粒子懸濁液に滴下した。2時間後および4時間後、各々の場合、3mlのメタノール中の333mgのDCCを再び滴下し、そして混合液を室温でさらに5日間撹拌した。処理のために、複合粒子(メタノール中の平均直径:3.8μm)をメタノールで洗浄し、水に対して透析した。
【0052】
得られた複合粒子を、尿素を分解するために、pH7で水性懸濁液中で使用した。このように形成した二酸化炭素をBa(OH)2溶液に通過させ、BaCO3の沈殿によって検出した。
【0001】
本発明は、30nm未満の粒径を有し、官能基を有するポリシロキサンマトリックス中に組み込まれる、超常磁性酸化鉄粒子を含む複合粒子、およびこれらの調製のための方法に関する。複合粒子は、磁気分離に適している。
【背景技術】
【0002】
分離システムにおける複合粒子の使用は公知である。この目的のために、強磁性粒子がアミノ、カルボキシルもしくはキレート官能基を有する有機ポリマーマトリックスまたは珪酸塩マトリックスに組み込まれる複合粒子が使用されるか、あるいは、複合粒子は、FeOxのような種々のシェルでコーティングされるガラスまたはプラスチックのような非磁極コアを有する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、酸化鉄粒子およびポリシランマトリックスを形成するためのプレ縮合物を含む水性有機エマルジョン中の1つ以上の加水分解可能なシラン化合物から得られたプレ縮合物を縮合すること、及び、必要に応じて、得られた複合粒子を取り除くことによる、少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの加水分解可能なシラン化合物が使用されおよび/または少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの有機化合物、特に加水分解可能なシラン化合物との反応は、後の反応工程において行われる、官能基を有するポリシロキサンマトリックス、特にポリオルガノシロキサンマトリックスに組み込まれる30nm未満の粒径を有する超常磁性酸化鉄粒子を含む複合粒子を製造する方法を提供する。この方法によって、官能基を有するポリシロキサンマトリックスに組み込まれる30nm未満の粒径を有する超常磁性鉄酸化物粒子を含む本発明の複合粒子を得ることが可能である。
【0004】
本発明に従う方法によって得られ得る超常磁性複合粒子は、種々の官能基(functionalizations)が粒子合成と同じくらい早く1つの同じ合成原理によって導入され得るという利点を提供する。これは、官能基が適用の特定の分野について柔軟に選択され得る、有機−無機ナノ複合材料から構成される高度に柔軟な超常磁性粒子分離システムを生じる。本発明の超常磁性複合粒子の有機的に修飾されたシランマトリックスは、前駆体成分として官能化された化合物、好ましくは官能化されたアルコキシシランの選択によって、モジュラー原理に従って、組み立てられる。
【0005】
本発明の官能化超常磁性複合粒子は、超常磁性酸化鉄の単一ドメイン粒子が埋め込まれている、官能化シランマトリックスからなる。酸化鉄粒子は、W/Oエマルジョン中のマトリックス前駆体(加水分解可能なシラン、特にアルコキシシラン)と混合され、そして、マトリックス成分は、好ましくは、水相を蒸発させることによって、特に、エマルジョンを熱い溶媒に滴下することによって(エマルジョン蒸発)縮合される。
【0006】
この方法において、好ましくは100nm〜2μmの平均直径を有する超常磁性複合粒子が調製される。複合体中の超常磁性酸化鉄粒子の含量は、特定の磁化を変化させるために使用され得る。異なる官能化アルコキシシランの使用は、異なる物質群の吸着/複合化に適している官能基が共有結合されるか、または特定の物質/物質群について特定の親和性を有するさらなる化合物が結合され得る、複合粒子を提供する。本発明の複合粒子に、タンパク質、酵素(触媒特性)または抗体のような生体分子が結合され得、その結果、これらはまた、生化学分野で使用され得る。
【0007】
この方法において、酸性pH範囲においてフロキュレーション安定であり、好ましくはW/Oエマルジョンの水相に導入される超常磁性アミノ官能化FeOx単一ドメイン粒子を使用することが好ましく、マトリックス前駆体の酸で前処理したゾル(例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシランおよび官能化トリアルコキシシラン)が次に添加される。マトリックス前駆体は、縮合されて、エマルジョン蒸発によって固体マトリックスを生じ、FeOx単一ドメイン粒子は、官能化マトリックス中に固定される。アミノ官能化超常磁性酸化鉄粒子を使用することが特に好ましく、その調製は、参考として本明細書中に援用されるEP−B−892834において記載されている。超常磁性複合粒子を選択的に調製することが可能であり、その飽和磁化は、酸化鉄ナノ粒子の含有量を介して変化する。該粒子は超常磁性の挙動を示し、磁気相互作用の結果として不可逆的に凝集しないので、これらは、水性媒体中で懸濁された個々の粒子として、繰り返し使用され得る。
【0008】
粒子磁気分離システムは、例えば、水相からの重金属イオンの除去または貴金属の回収のための、幅広い分野の適用を有する。この目的のために、磁気分離システムは、異なる特定の官能基、例えば、特定のイオンを選択的に捕獲する異なる複合リガンド、を柔軟に備える必要がある。永久磁化から生じる磁気双極子相互作用の結果として、個々の複合粒子の凝集は、活性な表面積の減少および重力下でのより迅速な沈降を生じる。
【0009】
本発明の複合粒子は、磁場を使用して液体媒体中で、移動され、方向付けられ、そして分離され得る活性成分についての支持体成分として機能する。この目的に対して、超常磁性複合粒子は、適用特異的官能化または活性成分と結合され、例えば、有害な物質、細胞を吸着するため、もしくは触媒のため、または有機化合物の支持体結合合成において、凝集していない個々の粒子として液体媒体中で使用され、適用後に磁場中で分離され得る。複合粒子は、迅速な分離を達成するために、磁場(高度に特異的な磁化)に対する良好な応答を有するべきである。
【0010】
超常磁性粒子は、強磁性およびフェリ磁性特性に由来するが、超常磁性粒子のサイズは、磁気ドメインのサイズ以下である(Weissドメイン、<30nm)。従って、これらは単一ドメイン粒子とも称される。本発明が、単一ドメイン粒子を懸濁物から除去する場合には、これらの小さい粒子が強い熱移動を受けやすいので、高磁場強度(>5000エルステッド)が必要とされる。
【0011】
超常磁性単一ドメイン粒子の分離は、非常に強い磁場を必要とするので、これらは、粒子の再使用を妨げる、個々の粒子の集合を生じる残留磁気を保持するが、弱い磁場によって除去され得るより大きいマルチドメイン粒子と同様に、磁気分離プロセスにおける使用について適していない。本発明の複合粒子の場合、30nm以下の直径を有する超常磁性酸化鉄単一ドメイン粒子の多くは、それゆえ官能化シランマトリックス中に固定される。従って、磁場に対する優れた応答を有し、それにも関わらず超常磁性特性を有する複合粒子が得られる。酸化鉄ナノ粒子(好ましくは、磁鉄鉱、磁赤鉄鉱)が埋め込まれる官能化SiO2マトリックスからなる本発明の官能化超常磁性複合粒子が、ナノメートルおよびマイクロメートルの範囲、好ましくは100nm〜2μmの平均サイズで調製され得る。
【0012】
合成における有用な超常磁性成分は、30nm以下の平均粒径を有する、好ましくは5〜20nmの平均直径を有する酸化鉄粒子である。使用される酸化鉄ナノ粒子は、未修飾であるか、またはアルコキシシラン、特にγ−アミノ−プロピルトリエトキシシシランで表面修飾されるかのいずれかであり得る。粒子の磁場に対する応答は、複合粒子中の超常磁性酸化鉄単一ドメイン粒子の含有量により変化し得る。約15重量%のFeOx含量で、11.2EMU/gの特定の磁化が達成された。これらの複合粒子の密度は、1.7g/cm3であり、その結果、マイクロメートル範囲のサイズを有する複合粒子でさえ、重力下でゆっくりと沈降する。21.4EMU/gの特定の磁化を有する複合粒子は、FeOx含量を増加させることによって調製された。240nmの直径のd50値を有する複合体の場合(80%の複合粒子が170nm〜380nmのサイズ範囲にある)、11.9m2/gのBET表面積が得られた。粒子を単離し、乾燥粉末として貯蔵し得る。これらは、再分散可能かつ再利用可能である。
【0013】
有用な超常磁性ナノ粒子は、フェライト、特に表面修飾を有さないまたは特に官能化アルコキシシラン、好ましくはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)もしくはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面修飾された磁鉄鉱または磁赤鉄鉱粒子である。
【0014】
超常磁性複合粒子のマトリックスは、マトリックス前駆体として、好ましくは構造形成テトラアルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランTEOSから、ゾル−ゲル方法によって、例えば、酸加水分解および引き続く縮合によって、形成される。そのマトリックスが構造形成テトラアルコキシシラン単独によって形成されている複合粒子の表面はまた、必要に応じて、例えば、公知のゾル−ゲル方法を介して、別々の合成工程で所望の官能基を供給され得る。
【0015】
加水分解可能なシランに存在する官能基または官能基を有する有機化合物の例は、アミノ、アルキル置換アミノ、カルボキシルもしくはカルボキシレート、エポキシ、メルカプトもしくはメルカプチド、シアノ、ヒドロキシルまたはアンモニウム基である。複数の官能基がまた存在し得、次いで、キレート形成剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸に対応する誘導体)として機能し得る。さらなる例が、シランについて以下に列挙される。シラン中の官能基は、代表的に、炭化水素基を介してSiに結合し、以下に詳述するように、官能基を有する加水分解可能でない基を構成するが、水酸基はまた、例えば、Siに直接結合し得る。
【0016】
一般に、一般式(I):
RaSiX(4-a) (I)
ここで、R基は、同じであっても異なっていてもよく、そして加水分解可能でない基を構成し、X基は、同じであっても異なっていてもよく、加水分解可能な基もしくは水酸基であり、そしてaは、0、1、2または3の値、好ましくは0または1を有し得る、の加水分解可能なシランが使用され得る。
【0017】
一般式(I)において、加水分解可能なX基は、例えば、水素、ハロゲン、アルコキシ(好ましくは、C1-6アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシ)、アリールオキシ(例えば、フェノキシ)、アシルオキシ(好ましくは、C1-6アシルオキシ、例えば、アセトキシまたはプロピオニルオキシ)、アルキルカルボニル(好ましくは、C2-7アルキルカルボニル、例えば、アセチル)、アミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、好ましくは、1〜12、特に1〜6の炭素原子を有する。アルコキシ、特にメトキシおよびエトキシが好ましい。
【0018】
同じであっても異なっていても良い、加水分解可能でないR基は、官能基を有するかまたは官能基を有さない加水分解可能でないR基であり得る。
【0019】
加水分解可能でないR基は、例えば、アルキル(好ましくは、C1-8アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチルまたはシクロヘキシル)、アルケニル(好ましくは、C2-6アルケニル、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびブテニル)、アルキニル(好ましくは、C2-6アルキニル、例えば、アセチレニルおよびプロパルギル)、およびアリール(好ましくは、C6-10アリール、例えば、フェニルおよびナフチル)である。RおよびX基は、必要に応じて、1つ以上の代表的な置換基(例えば、ハロゲンまたはアルコキシ)を有し得る。
【0020】
R基の官能基の具体例は、エポキシ、ヒドロキシル、エーテル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、カルボキシル、ビニル、アクリロイル、メタクリロイル、シアノ、ハロゲン、アルデヒド、アルキルカルボニルおよびリン酸基である。1を超える官能基が存在し得る。官能基は、酸素またはNH基によって割り込まれ得るアルキレン、アルケニレンまたはアリーレン架橋基を介して、ケイ素原子に結合される。言及された架橋基は、例えば、上述のアルキル、アルケニルまたはアリール基に由来する。
【0021】
マトリックスを組み立てるために、テトラアルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシラン(TEOS)を使用することが好ましく、またはテトラアルコキシシランが、構造形成剤として使用され、好ましくは、テトラエトキシシラン、およびさらにアルコキシシラン、特に官能化トリアルコキシシランが、ゾル−ゲル方法を介して別々の合成工程で縮合される。
【0022】
マトリックスは、好ましくは、少なくとも1つの官能基、特に官能性トリアルコキシシラン(RSiX3、ここで、X=アルコキシ、そしてR=官能基を有する加水分解可能でない基)、好ましくはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸のアニオンおよび2−シアノエチルトリメトキシシランを有する1つ以上の加水分解可能なシランと共に、テトラアルコキシシラン、好ましくはテトラエトキシシランを共縮合することによって形成される。
【0023】
超常磁性複合粒子は、マトリックス前駆体としての適用のために特異的に選択された官能化アルコキシシランの使用によって、特定の官能基を用いて直接調製され得る。異なる官能基は、構造形成アルコキシシラン、特にテトラアルコキシシランと共に、官能化アルコキシシランを共縮合することによって、導入される。
【0024】
適切な官能化マトリックス前駆体は、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)およびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AEAPS)(アミノ官能基)、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸のナトリウム塩(金属イオンについてのコンプレックスリガンド)、2−シアノエチルトリメトキシシラン(ニトリル官能基)またはN−(トリメトキシシリルプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(トリメチルアンモニウム官能基)である。
【0025】
好ましい合成原理において、加水分解可能なシランのアルコールゾルは、30℃を超える温度、好ましくは60℃で、酸性媒体中で、酸、好ましくは蟻酸の添加によって前処理される。必要に応じて、水が、システムにおいて存在するアルコキシ基の好ましくは≦50mol%で、前処理の過程で添加され得る。複合粒子のサイズは、例えば、60℃で蟻酸とマトリックス前駆体の前処理の持続時間によって、変わり得る。超常磁性酸化鉄粒子をシランマトリックス中に埋め込むために、超常磁性酸化鉄単一ドメイン粒子を、例えば、W/Oエマルジョンの水相中で蟻酸で前処理した加水分解可能なシラン(アルコキシシラン)と混合する。エマルジョン中で、前駆体は、酸加水分解下でさらに反応する。前駆体は、別々にかまたは混合物として、前処理され得る。前処理したマトリックス前駆体に加えて、前処理されていない前駆体もまた、エマルジョンに添加され得る。
【0026】
水性有機エマルジョンは、例えば、Ullmanns Encyklopadie der technischen Chemieの例えば、表題エマルジョンの第10巻、第4版において記載されるように、当業者に公知の慣用のエマルジョンである。これらは、水中油型(O/W)または好ましくは油中水型(W/O)エマルジョンであり得る。これは、好ましくは、マイクロエマルジョンである。通常、少なくとも4成分が存在する:水、油性物質、乳化剤または乳化剤混合物および溶解剤。特定の例が、上述の参考文献から取られ得、これは、参考として本明細書中に援用される。
【0027】
W/Oエマルジョンの水滴は、後の複合粒子の形状を予め決定する。マトリックスの縮合は、好ましくは、水相を蒸発させることによって達成される。これは、エマルジョンの水相が突然蒸発し、留去される過程において、例えば、100℃を超える温度、好ましくは160〜170℃で熱い溶媒にエマルジョンを滴下することによって達成される。加水分解可能なシランの官能基は、これらの温度において保持される。蒸発の結果として、加水分解可能なシランは、超常磁性酸化鉄が固定される固体官能化マトリックスを縮合および形成する。水相はまた、原則として、噴霧乾燥、ロータリーエバポレーションまたは垂直パイプ炉におけるエバポレーションのような他の方法によって蒸発され得る。
【0028】
好ましい方法において、超常磁性ナノ粒子およびマトリックス前駆体として機能する加水分解可能なシランは、W/Oエマルジョンの水相中でまたはエマルジョンへの添加の前に混合され、そして超常磁性ナノ粒子は、好ましくは、エマルジョンの水相を蒸発させることによって、好ましくは100℃を超える温度で熱い溶媒にエマルジョンを滴下することによってマトリックス中に固定される。
【0029】
好ましい方法において、エマルジョンに添加される前駆体は、加水分解および/またはプレ縮合によって前処理されるマトリックス前駆体だけでなく、さらに前処理されていない加水分解可能なシランであり、そして超常磁性ナノ粒子は、エマルジョンの水相を蒸発させることによって前駆体を共縮合することによって、好ましくは100℃を超える温度で熱い溶媒にエマルジョンを滴下することによって、マトリックス中に固定される。
【0030】
本発明に従って得られた超常磁性複合粒子は、特定の磁化が粒子全体における酸化鉄単一ドメイン粒子の含量により変化され得るという特徴を有する。粒子の表面特異的特性は、異なる官能基を有する加水分解可能なシランの使用によって種々に制御され得、そして複合粒子の平均サイズは、マトリックス前駆体の前処理の持続時間によって、またはFeOxおよびマトリックス前駆体とのエマルジョンの水相のローディングにより、そしてまた、種々のエマルジョンパラメーターにより、狭い粒子サイズ分布の場合に変化され得る。
【0031】
本発明に従って、官能化複合粒子(好ましくは、アミノ官能基を有する)はまた、アルコール相におけるシランのアルカリプレ加水分解およびナノ粒子の水懸濁液とゾルとの混合の後、酸化鉄ナノ粒子および加水分解可能なシランからアルコール相が蒸留される様式で、調製され得、そして、この様式で得た水性ゾルは、W/Oエマルジョン中に撹拌され、これは次いで、例えば、エマルジョン蒸発に供される。
【0032】
さらなる好ましい実施形態において、複合粒子は、従って、アルコキシシランのアルコール性ゾル、好ましくは、テトラエトキシシランおよびN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランの等モル混合物は、アルカリ条件下でプレ加水分解される様式で調製され、酸化鉄粒子の水性懸濁液の添加およびアルコールの除去後、W/Oエマルジョン中に撹拌され、そして複合粒子は、エマルジョン蒸発によって得られる。
【0033】
0.1μm〜2μmの範囲の特定の平均粒子直径および狭い粒度分布(例えば、1.6μm±0.4μm)を有する超常磁性複合粒子を選択的に調製することは、エマルジョン方法を介して可能である。官能化複合粒子は、凝集せず、低密度(例えば、15重量%のFeOxで、1.7g/cm3)を有し、マイクロメートル範囲の直径を有する粒子でさえ水性懸濁液においてごくゆっくりと沈降し、機械的な撹拌なしで使用され得る。
【0034】
複合粒子は、その表面特異的特性(官能基、ゼータ電位)、そのサイズならびに前駆体および反応条件を変化させることによるその特異的な磁化に関して、非常に柔軟に制御され得る。粒子表面上のアミノ基またはカルボキシル基は、用途特異的官能基または特性を有するさらなる天然または合成モノマーまたはポリマーに結合する可能性を提供する。
【0035】
磁気分離方法は、医療分野、生化学分野、および環境分野において使用される。重金属イオンは、磁気充填成分に組み込まれるイオン交換機を使用することによって普通に分離される。
【0036】
複合粒子に対して、さらなる反応工程において、例えば、生体分子(酵素または抗体)が共有結合し得る。生化学的適用は、細胞分離またはDNAの分離であり、そしてまた、酵素(触媒特性)が媒体中で作用し、使用後に、磁気分離によってそれらを回収するのを可能にし、または計量された付加および磁気分離によって酵素反応を制御する可能性がある。
【0037】
複合粒子はまた、固体支持体上の合成におけるコンビナトリアル化学の分野において使用され得、この場合において、支持体結合生成物は、磁場を使用して分離され得る。有機合成化学の分野において、本発明の官能性超常磁性複合粒子は、支持体結合合成(例えば、ペプチド、タンパク質、ヘテロ環)におけるコンビナトリアル原理によって使用され得る。この場合において、各合成工程後の精製におけるろ過は、磁気分離によって置換され、これは、ブロックされたフィルターの問題を避けることを可能にする。
【0038】
本発明の複合粒子は、カチオン(例えば、貴金属または重金属)、アニオンまたは有害な物質の分離において、磁気キャリアとして使用され得る。この場合において、所望の再利用可能性は、物質または物質群を結合し得る官能基が磁気複合粒子に対して可逆的に分離されることを必要とする。共有結合したキレートコンプレックスリガンド、好ましくは、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミン三酢酸を有する超常磁性複合粒子は、汚染された水から重金属カチオンを分離するのに適している。複合体形成の制御および複合重金属イオンの再流動化は、pHを変化させることによって可能である。
【0039】
さらなる適用可能性は、触媒特性を有する物質についての担体としての使用である。1つの可能性は、酵素である。酵素でコーティングした超常磁性複合粒子は、有害な物質の酵素分解のために使用され得、そして酵素は、その使用後に、磁気分離によって回収され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
実施例
実施例1(一般的な合成)
アルコキシシランのプレ加水分解のために、500ml Schottボトル中に、34.52g(165.7mmol)のテトラエトキシシランおよび必要に応じて165.7mmolのさらに官能化されたアルコキシシラン(例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン)および15.24gの蟻酸を、25.27gのエタノールに添加し、密封したボトルを、5時間〜10日の間、60℃で貯蔵して、アルコキシシランを前処理した。酸化鉄粒子を、W/Oエマルジョンの水相中でマトリックスシランと混合した。この目的のために、9.52gのEmulsogen(登録商標)OG(オレイン酸ポリグリセロール、HLB値3)および10.80gのTween(登録商標)80(ポリオキシエチレン20)ソルビタンモノオレアート、HLB値15)を、78gの特殊な沸点の石油(b.p.180〜220℃)中に撹拌し、引き続き、超音波処理(ディスインテグレーター)に10分間供した。さらなる超音波処理下で、酸化鉄ナノ粒子の20.47gの水性懸濁液(2.37重量%のFe3O4)を添加し、その過程において、エマルジョンが形成した(W/O=0.2)。使用されるFe3O4ナノ粒子は、縮合したγ−アミノプロピルトリエトキシシランの層で安定化された粒子である。10分後、8gのマトリックスゾルを添加した。さらに10分後、超音波処理を終了し、エマルジョンを室温で24時間撹拌した。エマルジョンの水相を蒸発させ、そしてマトリックス成分を濃縮させるため、800mlのSBPPを170℃まで加熱し、そしてエマルジョンを、ポンプを介して滴下し、その過程において、水相を蒸発させ、蒸留し、そして酸化鉄粒子を、縮合マトリックス中で固定する。磁気分離後、複合粒子を、イソプロパノールで繰り返し洗浄し、引き続き水で洗浄した。最終的に、複合粒子を、60℃の減圧下でロータリーエバポレータで乾燥粉末に濃縮した。複合粒子は、15重量%のFeOx含量を有する。11.2EMU/gの特定の磁化を達成した。この酸化鉄含量における粒子の密度は、1.7g/cm3であった。
【0041】
実施例2
実施例1と同様の様式で、シラノール官能基≡SiOHを有する複合粒子(15重量%のFeOxナノ粒子の含量)を調製した。マトリックス成分は、テトラエトキシシランであった。システムにおいて存在するアルコキシ基の50mol%に対応する水を、加水分解の過程においてゾルに添加し、ゾルを60℃で5時間貯蔵した。複合粒子の平均直径は、193nm(80%の複合粒子は、125nm〜340nmのサイズ範囲内である)であり、等電点はpH2.64であった。
【0042】
実施例3
実施例1と同様の様式で、複合リガンド官能基を有する複合粒子(15重量%のFeOxナノ粒子の含量)を調製した。構造形成性マトリックス成分は、テトラエトキシシランである。TEOSゾルを、実施例2に従って60℃で前処理し、エマルジョンに添加した。16時間撹拌した後、0.75gのH2O中に溶解したN−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸の0.75gのナトリウム塩を、さらにエマルジョンに添加し、さらに3時間撹拌した(TEOS:キレート錯化剤モル比=5.0:1.0)。複合粒子の平均直径は、130nm(80%の複合粒子は、95nm〜250nmのサイズ範囲内である)であった。複合粒子の等電点は1.6であった。
【0043】
実施例4
実施例3と同様の様式で、複合粒子を種々の反応条件下で調製した。TEOSゾルを60℃で16時間調製した。N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸キレート錯化剤(0.75gのH2O中の0.75g)を、TEOSゾル(3.5g)(TEOS:キレート錯化剤モル比=4.4:1.0)の直後にエマルジョンに添加し、エマルジョンを23時間撹拌し、次いでエバポレーションに供した。
【0044】
実施例5(重金属分離)
実施例3および4由来の複合粒子は、磁気分離による水相から重金属カチオンを取り除くために適切である。Co2+イオンの錯形成反応および分離(pH8.0における)およびそれらの再流動化(pH2.3における)を行った。錯形成反応を、ムレキシドの色変化の補助でモニターした。超常磁性複合粒子の錯形成能力を、再流動化したCo2+の量を測定することにより分離後に決定し、実施例3由来の複合粒子の場合、複合粒子のグラム当たり0.2mmolの重金属イオンであることが見出され、実施例4由来の複合粒子の場合、複合粒子のグラム当たり0.4mmolの重金属イオンであることが見出された。
【0045】
実施例6
実施例1と同様の様式で、アミノ官能基(−NH2)を有する複合粒子(15重量%のFeOxナノ粒子の含量)を調製した。マトリックス成分は、1:1のモル比で、テトラエトキシシランおよび3−アミノプロピルトリエトキシシランであった。24時間および192時間のゾルのプレ加水分解によって、それぞれ、231nm(80%の複合粒子は、180nm〜335nmのサイズ範囲内である)および1.38μm(80%の複合粒子は、1.08nm〜1.74μmのサイズ範囲内である)の平均粒子サイズを得た。等電点は、7.2〜7.8の範囲のpHであった。15重量%のFeOx単一ドメイン粒子の含量についての超常磁性複合粒子の特定の磁化は、11.2EMU/gであった(FeOx単一ドメイン粒子の特定の磁化 70EMU/g)。
【0046】
実施例7
実施例6と同様の様式で、複合粒子を、4gのプレ加水分解ゾル(60℃で265時間)を添加した6.6重量%の固体含量を有する21.32gのFe3O4懸濁液を使用して調製した。これは、235nmの平均粒子サイズ(80%の複合粒子は、185nm〜425nmのサイズ範囲内である)および21.4EMU/gの特定の磁化を有する複合粒子を生じた。
【0047】
実施例8
実施例6と同様の様式で、複合粒子を、7.5gのプレ加水分解ゾル(60℃で3ヶ月以上)を添加した5.75重量%の固体含量を有する未修飾の21.15gのFe3O4懸濁液を使用して調製した。これは、1.58μmの平均粒子サイズ(80%の複合粒子は、1.33μm〜1.90μmの範囲である)の複合粒子を生じた。特定磁化は、20.2EMU/gであることが見出され、複合粒子の等電点は、pH8.6であった。
【0048】
実施例9
実施例1と同様の様式で、ニトリル官能基(−C≡N)を有する複合粒子を調製した。マトリックス成分は、1:1のモル比のテトラエトキシシランと2−シアノエチルトリメトキシシランであった。ゾルを、60℃で24時間プレ加水分解した。合成により、15重量%のFeOxナノ粒子の含量を有する超常磁性複合粒子を得た。複合粒子の平均サイズは、145nm(80%の複合粒子は、115nm〜260nmのサイズ範囲内である)であり、等電点は、pH7.9であった。
【0049】
実施例10
10.48mlの脱イオン水を、32mlエタノール中の34.52gのテトラエトキシシランおよび37.06gのN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに滴下して、ゾルを、60℃で24時間熱処理した。ゾルに、140mlのFeOxナノ粒子の懸濁液(固体含量4.42重量%)を添加し、アルコールを引き続き、ロータリーエバポレーションによって除去した。20gのゾルを、W/O=0.2を有するエマルジョン中に撹拌し、エマルジョンエバポレーションに供し、160℃で3時間、熱い溶媒中で撹拌した。これにより、d50=150nmの平均サイズを有する複合粒子を得た(d10=110nm;d90=210nm)。粒子の等電点は、pH9.8であった。
【0050】
実施例11
100mgのアミノ官能化複合粒子(メタノール中の平均直径:1.2μm)を、6mlの溶媒(メタノール:H2O:酢酸(c=2mol/l)=4:1:1(v/v/v))に懸濁し、超音波で3分間処理した。別々に、89mgのβ−アラニン(スペーサー)を、1mlのH2Oおよび1mlの酢酸(c=2mol/l)の混合物中に溶解し、次いで2mlのメタノールを添加した。この溶液を、撹拌しながら、複合粒子の懸濁液に添加した。最終的に、207mgのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を添加して、混合物を室温で48時間撹拌した。処理のために、粒子をメタノールで繰り返し洗浄し、水に対して透析し、磁気分離によって単離し、40mlのメタノール中に取った。
【0051】
267mgのウレアーゼを、15mlの溶媒(メタノール:H2O:酢酸(c=2mol/l)=5:5:1(v/v/v))に溶解し、粒子懸濁液に添加した。別々に、333mgのN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を、3mlのメタノールに溶解し、この溶液を、撹拌しながら、室温で粒子懸濁液に滴下した。2時間後および4時間後、各々の場合、3mlのメタノール中の333mgのDCCを再び滴下し、そして混合液を室温でさらに5日間撹拌した。処理のために、複合粒子(メタノール中の平均直径:3.8μm)をメタノールで洗浄し、水に対して透析した。
【0052】
得られた複合粒子を、尿素を分解するために、pH7で水性懸濁液中で使用した。このように形成した二酸化炭素をBa(OH)2溶液に通過させ、BaCO3の沈殿によって検出した。
Claims (10)
- 酸化鉄粒子およびポリシランマトリックスを形成するためのプレ縮合物を含む水性有機エマルジョン中の1つ以上の加水分解可能なシラン化合物から得られたプレ縮合物を縮合すること、及び、必要に応じて、得られた複合粒子を取り除くことによる、少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの加水分解可能なシラン化合物が使用されおよび/または少なくとも1つの官能基を有する少なくとも1つの有機化合物、特に加水分解可能なシラン化合物との反応は、後の反応工程において行われる、官能基を有するポリシロキサンマトリックス、特にポリオルガノシロキサンマトリックスに組み込まれる30nm未満の粒径を有する超常磁性酸化鉄粒子を含む複合粒子を製造する方法。
- 請求項1に記載の方法であって、以下を特徴とする:
A)酸化鉄粒子は、水性有機エマルジョンの水相に導入されるか、または水中で懸濁される、
B)1つ以上の加水分解可能なシラン化合物は、ゾルに加水分解され、そして酸または塩基の存在下、特に酸の存在下で、有機溶媒、特にアルコール中でプレ縮合される、
C)工程B)で得られたゾルは、工程A)で調製されたエマルジョンまたは懸濁液と混合され、
D)混合物は、水性有機エマルジョンではない場合、水性有機エマルジョンに変換され、そして、
E)ゾルは縮合されて、ポリシロキサンマトリックスを得る。 - 水性有機エマルジョンがマイクロエマルジョンであり、および/または、プレ縮合物もしくはゾルの縮合が、エマルジョン蒸発の手段によって行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- 酸化鉄粒子が、1つ以上の官能基を含む少なくとも1つのシラン化合物で表面修飾されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 使用される1以上の官能基を有するシラン化合物が、γ−アミノプロピル−トリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)−エチレンジアミン三酢酸もしくはその塩、2−シアノエチルトリメトキシシランまたはN−(トリメトキシシリルプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライドであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 官能基を有するポリシロキサンマトリックスに組み込まれる、30nm未満、特に5〜20nmの粒径を有する超常磁性酸化鉄粒子を含む複合粒子。
- 複合粒子の平均の粒径が、10μm以下であり、好ましくは100nm〜2μmの範囲であることを特徴とする、請求項6に記載の複合粒子。
- 酸化鉄粒子が磁鉄鉱および/または磁赤鉄鉱であることを特徴とする、請求項6または7に記載の複合粒子。
- 酵素、タンパク質、抗体、化学療法剤、炭水化物または有機ポリマーが結合する、請求項6〜8のいずれかに記載の複合粒子。
- 磁気分離方法のための、または固体支持体上での有機合成のための磁気支持体粒子としての、請求項6〜9のいずれかに記載の複合粒子の使用。
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