JP2005505537A - 低分子量ヘパリンと低分子量デルマタン硫酸とを含む抗血栓組成物 - Google Patents

低分子量ヘパリンと低分子量デルマタン硫酸とを含む抗血栓組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、トロンビンの過剰な生成または活性を特徴とする疾患または状態を処置するための組成物および方法に関する。とりわけ本発明は、低分子量ヘパリン(LMWH)および低分子量デルマタン硫酸(LMWDS)を含む組合せ組成物を提供する。そのような組成物は、上記疾患または状態の処置に非常に適しており、単一の剤として投与すればLMWHおよびLMWDSの相加効果よりも大きい効果を発揮する(すなわち組合せ組成物は相乗効果を発揮する)。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、トロンビンの生成または活性を阻害または防止するための方法および組成物、ならびに医薬品の製造における前記組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓発作、脳卒中および深部静脈血栓症を含む多くの疾患の特徴であるトロンビンの過剰生成は、生命にかかわる可能性があり、処置を必要とする。そのような処置の一つは、患者へのヘパリン(未分画ヘパリンまたは低分子量ヘパリン(LMWH))の投与である。ヘパリンはグリコサミノグリカン(GAG)類に属する硫酸化オリゴ糖である。ヘパリンはそれ自体が抗凝固物質であるわけではないが、その効果はアンチトロンビン(AT)によって媒介され、また、アンチトロンビンほどではないがヘパリンコファクターII(HCII)によっても媒介される。上記の疾患および状態を処置するためのヘパリンの使用は、出血の危険があるので、特に肺、CNSおよび胃腸系では制限される。
【0003】
トロンビンの過剰な生成および活性を特徴とする疾患の治療法としてより最近になって提案されたもう一つの方法は、例えばWO98/55514などに開示されている低分子量デルマタン硫酸(LMWDS)による処置である。デルマタン硫酸もGAG類に属し、ヘパリンと同様にそれ自体が抗凝固物質であるわけではない。デルマタン硫酸の抗凝固効果はHCIIのみによって達成され、トロンビン(第IIa因子)はHCIIの唯一の標的であるので、デルマタン硫酸はトロンビンの選択的阻害剤であると考えられる。
【0004】
上述のようにヘパリン処置には有害作用(例えば出血)の危険が伴うので、解重合ヘパリンと未分画デルマタン硫酸とを含む併用処置が検討された[Cosmi, Thrombosis and Haemostasis, 70, 443-447, 1993]。しかし相加的効果しか認められなかった。
【発明の開示】
【0005】
驚いたことに、LMWHとLMWDSとを組み合わせると、流動相トロンビンとフィブリン結合型トロンビンのどちらに対しても、各化合物単独の場合と比較して、相加的効果を予想外に上回る阻害効果、すなわち相乗的阻害効果が得られることが、ここに見いだされた。したがって本発明の目的は、LMWHとLMWDSとを併用してこれら2つの化合物の抗凝固効果を最大にすると同時に、出血などの有害作用の危険を低下させることである。
【0006】
低分子量ヘパリンと低分子量デルマタン硫酸はどちらも抗凝固物質活性を示すが、これらは異なる機序によってそれぞれの活性を発揮すると考えられる。
【0007】
LMWHはアンチトロンビン(AT)に結合することにより、トロンビン(第IIa因子ともいう)の生成に重要な役割を果たす血漿中のセリンプロテアーゼ第Xa因子に対するATの阻害効果を増大させる。このようにLMWHはトロンビンの生成を阻害する。ヘパリンオリゴ糖分子の長さによっては、ヘパリン/AT複合体がトロンビンに結合することによって、トロンビンを直接阻害する場合もある。トロンビンへの結合が可能であるためには、ヘパリンオリゴ糖分子は、18個以上の単糖単位を持つ必要がある。LMWHは低分子量であるため、18個未満の単糖単位からなるオリゴ糖を、主に含んでいる。したがってLMWHの抗凝固効果は、主として抗第Xa因子活性に依拠している。LMWHはHCIIにも結合して、トロンビンに対するその阻害効果を増強する。
【0008】
LMWDSは、HCIIを活性化することによってフィブリン結合型トロンビンを阻害することができる。活性型コンフォメーションでは、HCIIのアミノ末端がトロンビンのエキソサイトIに結合する。トロンビンはエキソサイトIを介してフィブリンにも結合するので、活性型HCIIはトロンビン結合部位に関してフィブリンと競合して、トロンビンをフィブリンから追い出す。そうすると、追い出された(すなわち流動相の)トロンビンを、ヘパリン/HCII、デルマタン硫酸/HCIIおよびヘパリン/ATによって阻害することができる。
【0009】
異なる機序に依拠して最大効力を達成する併用療法では、その処置法に対する忍容性を向上させ、単剤療法において高用量の薬物および薬物の長期使用が引き起こす副作用の危険を低下させることができる。本発明の組合せを使用すれば、処置効果を得るために必要な各成分の用量を低下させることができ、したがって各成分の有害な毒作用の危険も低下させることができる。用量が下がれば、各成分を単剤として投与する場合と比較して、安全域の増加が起こりうる。
【0010】
したがって本発明は、少なくとも1つのLMWHと少なくとも1つのLMWDSとを、要すれば医薬的に許容できる賦形剤またはビヒクルと共に含む、医薬組成物に関する。
【0011】
もう一つの側面として、本発明は、同時投与用または逐次投与用の少なくとも1つのLMWHと少なくとも1つのLMWDSとを個別の容器に、要すれば医薬的に許容できる賦形剤またはビヒクルと共に含む、医薬組成物に関する。
【0012】
本発明の具体的一側面として、相乗的効果を発揮するのに有効なLMWHとLMWDSとの組合せを含む医薬組成物が提供される。
【0013】
さらにもう一つの側面として、本発明は、少なくとも1つのLMWHの単位量と、少なくとも1つのLMWDSの単位量とを、要すれば医薬的に許容できる賦形剤またはビヒクルと共に含む、医薬組成物に関する。
【0014】
好ましい一態様では、本医薬組成物は、トロンビンの活性または生成を防止または阻害するのに必要な各成分の用量の2〜10分の1以下である量のLMWHおよびLMWDSを含む。
【0015】
上記の組成物は、LMWHおよびLMWDSの医薬的に許容できる塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩なども含む。
【0016】
さらにもう一つの側面として、本発明は、トロンビンの生成または活性を防止または阻害する方法であって、その必要がある患者に、有効量のLMWHとLMWDSとを、同時にまたは逐次的に投与することを含む方法に関する。
【0017】
本発明の具体的一側面として、トロンビン生成を防止または阻害する方法であって、その必要がある患者に、相乗的活性をもたらすのに十分な量のLMWHとLMWDSとを投与することを含む方法が提供される。
【0018】
さらにもう一つの側面として、本発明は、トロンビンの過剰な生成または活性に関係する疾患の疾患重症度、疾患症状または周期性もしくは再発を防止または改善するための、上記処置方法の使用に関する。
【0019】
さらにもう一つの側面として、本発明は、トロンビンの生成または活性を防止または阻害するための医薬品を製造するために、LMWHとLMWDSとを、要すれば医薬的に許容できる賦形剤またはビヒクルと共に使用することに関する。好ましい一態様では、相乗的効果が発揮されるように、LMWHとLMWDSの量を調節する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
低分子量ヘパリン
本明細書において「低分子量ヘパリン」(ここではLMWHと略記する)という用語は、インビトロでATおよびHCII関連抗凝固活性を持つことを特徴とする、ヘパリン由来のオリゴ糖の混合物を指す。ヘパリンの分子構造は、主に、ウロン酸とN−硫酸化グルコサミンとの二糖単位の繰り返しによって構成されている。この構造は、硫酸化、L−エピマー化、およびN−脱アセチル化とそれに続くN−硫酸化に、非常に大きいばらつきを持っている。LMWHは、主に、18個未満の単糖単位を持つオリゴ糖からなり、これらのオリゴ糖はATをトロンビンに結合させるには短すぎる。
【0021】
本発明のLMWHは、以下の特徴の1つまたは複数によって限定することができる:
a)インビトロでのアンチトロンビンおよびヘパリンコファクターII関連抗凝固物質活性、
b)18個未満の単糖単位を含むオリゴ糖に富むこと、
c)少なくとも1つまたは複数のアンチトロンビン結合性五糖単位を持つオリゴ糖少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%または40%を含むこと、
d)約1500〜約5400Daの分子量を持つオリゴ糖に富むこと、
e)約3400Da〜5600Daのピーク分子量、
f)1.1〜1.8の多分散度、および
g)1.8〜4の抗第Xa因子/抗第IIa因子比。
【0022】
特定の一側面によれば、本発明で使用されるLMWHは、次の挙げる特徴の組合せの一つを持ちうる:a、b、cおよびd;a、b、c、およびe;a、b、e、およびf;a、b、e、およびg;a、b、c、e、f、およびg;b、c、d、およびe;b、e、fおよびg;b、e、dおよびf;b、e、f、dおよびg;b、c、e、fおよびg;またはaからgまで。
【0023】
「オリゴ糖に富む」という用語は、指定した分子量範囲内のオリゴ糖、または18個未満の単糖単位を持つオリゴ糖を、少なくとも25%、30%、35%、40%、45%または50%含んでいる画分を示すものとする。
【0024】
「アンチトロンビン結合性五糖単位」という用語は、下記の構造式に示すように3つのD−グルコサミン残基と2つのウロン酸残基とからなり、中央のD−グルコサミン残基が唯一の3−O−硫酸部分を持っている、ヘパリンの重要構造単位を示すものとする:
【化1】
Figure 2005505537
【0025】
この五糖単位はヘパリンがATに結合するのに必要なヘパリンの最小構造を表す[Choay, Biochem. Biophys. Res. Comm, 116, 492-499, 1983]。この五糖単位によってヘパリンがATに結合すると、AT中の反応中心ループにコンフォメーション変化が起こって、ATが弱い阻害剤から強い阻害剤に変化する。本発明のLMWHはAT/ヘパリン複合体をトロンビンに結合させるには短すぎるので、LMWHの主な抗凝固物質効果は第Xa因子によって媒介され、トロンビン生成の阻害をもたらす。すべてのヘパリン分子が、上記五糖構造を含むわけではなく、上記五糖構造を含まないヘパリン分子は、抗HCII活性しか示さない。
【0026】
「単位量」という用語は、患者に投与することができる単位量、すなわち単回量であって、取り扱いと包装が容易であり、活性物質をそのまま、または固体もしくは液体医薬賦形剤との混合物として含んでいる、物理的および化学的に安定な単位量として存在するものを意味する。
【0027】
本発明で使用するLMWHとして、上記a)〜g)に記載した特徴よりも詳細な特徴を持つLMWHを製造することができることは、理解されるだろう。例えば、LMWHは5〜17個、例えば7〜15個、例えば9〜13個の単糖単位を含みうる。さらには、アンチトロンビン結合性五糖だけを含む、すなわち5個の単糖単位だけ含むオリゴ糖を使用することも可能であると言える。また、1800Da〜5100Da、2100Da〜4800Da、2400Da〜4500Da、または2700〜4100Daの分子量を持つオリゴ糖に富むLMWHを使用することも可能であると言える。さらに、3400Da〜5600Da、3400Da〜5000Da、3600Da〜4800Da、または3800Da〜4600Daのピーク分子量を持つLMWHを使用することも可能であると言える。本発明で使用されるLMWHが持つ抗第Xa因子活性と抗第IIa因子活性とは同等ではないだろう。好ましい一態様では、抗第Xa因子活性は約80IU/mg〜約155IU/mg、好ましくは約90IU/mg〜約140IU/mgの範囲であり、抗第IIa因子活性は約10IU/mg〜80IU/mg、好ましくは20IU/mg〜60IU/mgの範囲である。
【0028】
本発明用のLMWHは、そのようなヘパリンのオリゴ糖を製造するために通常行われる方法で、動物組織から得ることができる。また、例えば適切な単糖などから新規合成することもできる。
【0029】
一例として、LMWHは、まず未分画ヘパリンを解重合して低分子量のヘパリンを得て、目的とするLMWHを単離または分離することによって、未分画ヘパリンから得ることができる。市販の未分画ヘパリン(例えばUSPまたはPh. Eur.)は多くの供給業者(例えばSIGMA Chemical Co., ミズーリ州セントルイス)から、一般的にはアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩として(最も一般的にはヘパリンナトリウムとして)、入手することができる。もう一つの選択肢として、例えばCoyne, Erwin, Chemistry and Biology of Heparin(Lundbladsら編, Elsevier, ノールトホラント, ニューヨーク, 1981)の9〜17頁などに記載されている、当技術分野で知られるさまざまな方法によって、哺乳動物の組織または器官から(例えばウシ、ブタおよびヒツジなどの、特に腸粘膜または肺から)未分画ヘパリンを抽出することもできる。好ましい一態様では、未分画ヘパリンをブタ腸から抽出する。
【0030】
数多くの解重合方法が知られており、それらは一般に、ヘパリンポリマーの化学的または酵素的分解に基づいている。例えば、本発明で使用されるLMWHは、ベンジル化とそれに続くアルカリ解重合、亜硝酸解重合、酵素的解重合、過酸化解重合などによって、未分画ヘパリンから製造することができる。例えば、本発明で使用されるLMWHは、WO98/55515に開示されている亜硝酸解重合法または過ヨウ素酸酸化加水分解法によって、未分画ヘパリンから製造することができる。
【0031】
好ましい一態様として、本発明で使用されるLMWHは、U.S.3,766,167およびU.S.4,396,762に記載のへパリナーゼによる解重合によって、未分画ヘパリンから製造することができる。特に、LMWHは、制御されたヘパリナーゼ解重合によって製造される。
【0032】
市販のLMWHには、エノキサパリン(例えばKlexane(登録商標), Aventis)、チンザパリン(例えばInnohep(登録商標), Leo Pharmaceutical Products)、ナドロパリン(例えばFraxiparin(登録商標), Sanofi-Synthelabo)、ダルテパリン(例えばFragmin(登録商標), Pharmacia)およびアルデパリン(ardeparin)(例えばNormiflo(登録商標), Wyeth Ayerst Laboratories)などがある。
【0033】
本発明の方法および組成物には合成アンチトロンビン結合性五糖単位も使用することができる。例えば、フォンダパリヌクス(例えばArixtra(登録商標), Sanofi-SynthelaboおよびOrganon)を包含する市販の五糖を利用することができる。
【0034】
低分子量デルマタン硫酸
本明細書において「低分子量デルマタン硫酸」(ここではLMWDSと略記する)という用語は、インビトロでAT関連活性をほとんどまたは全く持たないがHCII関連抗凝固物質活性は持っていることを特徴とする、デルマタン硫酸由来のオリゴ糖の混合物を指す。デルマタン硫酸は交互に並んだウロン酸残基とN−アセチルガラクトサミン残基とから構成されている。多くのグルクロン酸残基はC−5がエピマー化してイズロン酸残基になる。次に、GalNAcのC−4位もしくはC−6位またはIdoAのC−2位でO−硫酸化が起こりうる。本発明で使用されるLMWDSは、HCIIに対して、天然の未分画デルマタン硫酸よりも高い親和性を示す。本発明用のLMWDSは、以下の特徴によって限定することができる:
i)硫黄含量6.0%〜10.0%(w/w)、例えば6.0%〜8.0%(w/w)、好ましくは6.5%〜8.0%(w/w)、
ii)硫酸/カルボキシル比1.2〜2.5、例えば1.2〜2.0、例えば1.3〜1.8、好ましくは1.3〜1.6、
iii)ジ硫酸化二糖含量20%〜60%(w/w)、好ましくは30%〜60%(w/w)のモノ硫酸化二糖含量、および
iv)HCIIによる抗トロンビン活性20〜60IU/mg、好ましくは30〜60IU/mgの範囲。
【0035】
本発明の好ましい一態様では、デルマタン硫酸オリゴ糖の混合物を含むLMWDSであって、その混合物中のオリゴ糖の90%以上が約1600Da〜約20,000Daの分子量を持ち、ピーク分子量は約4500Da〜約8000DaであるようなLMWDSを選択する。好ましいLMWDSでは、約5000〜約8000Daの範囲の分子量を持つデルマタン硫酸オリゴ糖に富む。
【0036】
本発明で使用されるLMWDSは、そのようなオリゴ糖を未分画デルマタン硫酸から製造するために通常行われる方法で、組織から得ることができる。また、適切な単糖から新規合成することもできる。好ましくは、デルマタン硫酸の著しく荷電した領域を保護しその単離を容易にする解重合法を使って、未分画デルマタン硫酸よりも溶解性と効力とが向上している本発明用のLMWDSを得る。一例として、LMWDSは、過ヨウ素酸酸化、水素化ホウ素還元、酸加水分解およびイオン交換クロマトグラフィーによって製造することができる。
【0037】
デルマタン硫酸の供給源としては、皮膚などの哺乳動物組織、例えばブタまたはウシから得られる血管付きの組織および皮膚などが挙げられる。好ましくは、ブタ小腸粘膜を、デルマタン硫酸の供給源として使用する。
【0038】
本組成物は、好ましくは、参考文献としてそのまま本明細書の一部を構成するWO98/55514に記載のLMWDSを含む。そのようなLMWDSを製造する方法もWO98/55514に記載されている。
【0039】
組成物および方法
本発明の組成物および方法は、トロンビンの過剰な生成および活性および/または過剰な補体活性化を特徴とする状態または疾患を予防または治療するための処置適用に役立つ。そのような状態は対象が外傷にさらされた場合に、例えば手術患者などで、しばしば発生する。創傷または手術によって生じる外傷は、血管損傷と、二次的な血液凝固の活性化とをもたらす。これらの望ましくない効果は、一般外科手術または整形外科手術、婦人科手術、心臓手術または血管手術、または他の外科手術後に起こりうる。過剰なトロンビンは、心臓発作、脳卒中または四肢の壊疽を引き起こしうるアテローム性動脈硬化などの自然疾患の進行を悪化させる場合もある。したがって、本発明の方法および組成物は、不安定狭心症、急性心筋梗塞(心臓発作)、脳血管発作(脳卒中)、肺塞栓、深部静脈血栓症、動脈血栓症などを含む、多くの重要な心血管合併症を治療、予防または阻止するために使用することができる。
【0040】
本発明の一側面として、止血機序を混乱させる医学的状態(例えば冠状動脈疾患、アテローム性動脈硬化など)により、血栓を形成する危険が増大している患者におけるトロンビンの生成または活性を防止または阻害するための方法および組成物が提供される。もう一つの側面として、心臓手術、血管手術または経皮冠動脈インターベンションなどの医学的処置後の、血栓を形成する危険が増大している患者のための方法および組成物が提供される。本発明の方法において組成物または個々のオリゴ糖画分は、医学的処置前、医学的処置中、または医学的処置後に投与することができる。
【0041】
本発明の処置を施すことができる患者または本発明の組成物を投与することができる患者には、哺乳動物を含む動物、特にヒトが含まれる。動物には、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブダ、ネコ、イヌなどの家畜、および動物園動物も含まれる。
【0042】
本発明の組成物は、活性剤と患者の体内にある活性剤受容体部位との接触をもたらす任意の手段によって投与することができる。LMWHおよびLMWDSは、所望の効果を得るために、同時に、または異なる時点に任意の順序で逐次的に投与することができる。本発明の組成物および処置の効果が最適になるような投与計画を選択することは、医師または獣医師であれば可能である。観察される活性の増進は投与のタイミングには依存しないと、今のところ考えられている。本組成物は錠剤、カプセル剤(それぞれ徐放性または持効性製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、懸濁剤、シロップ剤および乳剤などの経口剤形で投与することができる。また、静脈内(ボーラスまたは注入)、腹腔内、皮下、または筋肉内に、いずれも薬学分野の当業者には周知の剤形を使って投与することもできる。本発明の組成物は、適切な鼻腔内ビヒクルの局所的使用により鼻腔内に、または例えば通常の経皮皮膚パッチ剤を使って経皮経路で投与することができる。経皮送達システムでの投薬は、投与計画中は間欠的にではなく連続的に行いうる。
【0043】
本発明は、LMWHとLMWDSとの相乗的活性をもたらす組合せ処置、または相乗的に有効な量のLMWHとLMWDSとを送達する組合せ処置を包含する。本発明での使用に適した医薬組成物としては、活性成分が相乗的に有効な量で存在する組成物が挙げられる。「相乗的活性」または「相乗的に有効な量」とは、各成分単独で達成される相加的結果よりも大きい所望の結果(例えば上述したような血栓関連心血管状態を処置する場合であればトロンビンの阻害の向上、例えばクロット結合トロンビンの不活化の向上、アンチトロンビンによる第Xa因子の不活化を触媒することによるトロンビン生成の阻害の向上など)を達成するために、十分な量のLMWHとLMWDSとが存在することを意味する。
【0044】
本発明の投与計画は、その薬剤の薬力学的特徴、その投与様式および投与経路、患者の種、年齢、性別、健康、医学的状態、および体重、症状の性質および程度、併用処置の種類、処置の頻度、患者の腎機能および肝機能、ならびに所望する効果などの既知の因子に依存して、変化しうる。疾患または状態の進行を防止し、抑制し、停止させるのに必要な薬物の有効量は、通常の技術を持つ医師または獣医師であれば、容易に決定することができる。
【0045】
通例、活性剤すなわちLMWHおよびLMWDSは、それぞれ1回あたり約2mg〜約1000mgの範囲の濃度、より好ましくは1回あたり5mg〜500mgの範囲の濃度で、本医薬組成物中に存在しうる。1日量は広範囲にわたって変動しうるが、通常は各活性成分について、1日あたり1回あたり約20mg〜約100mgの範囲の濃度でありうる。
【0046】
本発明の組成物およびその成分は通例、意図する投与形態に従い通常の製薬実務に準拠て選択される適切な医薬希釈剤、賦形剤またはビヒクルを含む。ビヒクルは、患者におけるトロンビン生成を阻害または防止するのに相乗的に有効な量の活性成分を提供するように調整することができる。
【0047】
適切な医薬ビヒクルは、いくつかの標準的テキストブック、例えばRemington, The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, Mack Publishing Company, 2000などに記載されている。一例として、カプセル剤または錠剤の形で経口投与する場合は、活性成分を、例えば乳糖、デンプン、ショ糖、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、グルコース、硫酸カルシウム、リン酸二カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどの無毒性の医薬的に許容できる不活性ビヒクルと混合することができる。液剤の形で経口投与する場合は、薬物成分を、例えばエタノール、グリセロール、水などの無毒性で医薬的に許容できる任意の経口用不活性ビヒクルと混合することができる。適切な結合剤(例えばゼラチン、デンプン、トウモロコシ甘味料、ブドウ糖を含む天然糖類、天然および合成ゴム、およびロウ)、滑沢剤(例えばオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよび塩化ナトリウム)、崩壊剤(例えばデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイトおよびキサンタンガム)、着香剤、および着色剤も、製剤またはその成分に混合することができる。
【0048】
本発明組成物の非経口投与用製剤としては、水性の溶液剤、シロップ剤、水性または油性の懸濁剤、および食用油(例えば綿実油、ヤシ油または落花生油など)との乳剤が挙げられる。水性懸濁剤に適した分散剤または懸濁化剤としては、トラガカント、アルギナート、アラビアゴム、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ゼラチン、メチルセルロースおよびポリビニルピロリドンなどの合成または天然ゴムが挙げられる。
【0049】
非経口投与の場合、本発明の組成物は滅菌した水性または非水性溶媒、特に水、等張食塩水、等張ブドウ糖液、緩衝液、または治療活性化合物の非経口投与に便利に使用される他の溶媒を含むことができる。本組成物は、例えば細菌補集フィルターを通した濾過、組成物への滅菌剤の添加、組成物の放射線照射、組成物の加熱などによって滅菌することができる。
【0050】
もう一つの選択肢として、本発明の化合物は、使用直前に滅菌溶媒でたやすく溶解される滅菌固形製剤、例えば凍結乾燥粉末として提供することもできる。
【0051】
非経口投与用の組成物はさらに、通常の添加剤、例えば安定剤、緩衝剤または保存剤、例えばヒドロキシ安息香酸メチルなどの酸化防止剤なども含みうる。
【0052】
上述した製剤の他に、本組成物はデポー剤として製剤化することもできる。そのような長時間作用性の製剤は植え込みによって(例えば皮下にまたは筋肉内に)投与するか、または筋肉内注射によって投与することができる。したがって例えば本発明の成分は、適切なポリマー材料または疎水性材料を使って(例えば医薬的に許容できる油中の乳剤として)製剤化するか、イオン交換樹脂を使って製剤化するか、あるいは、やや溶けにくい誘導体、例えばやや溶けにくい塩などとして製剤化することができる。
【0053】
本発明の組成物およびその成分は、ターゲティング可能な薬物担体として可溶性ポリマーを含んでもよい。
【0054】
本発明は、本発明の組成物を1つまたは複数の追加処置剤と共に使用する方法も包含する。追加処置剤は、アスピリン、プリオキシカム、クロピドグレル、チクロピジン、または糖タンパク質IIb/IIIa受容体拮抗薬などの抗血小板剤または血小板阻害剤;ボロペプチド、ヒルジンまたはアルガトロバンなどのトロンビン阻害剤;またはプラスミノゲン活性化因子(組織プラスミノゲン活性化因子など)、アニストレプラーゼ、ウロキナーゼまたはストレプトキナーゼなどの血栓溶解剤または線維素溶解剤;またはそれらの組合せを包含するが、それらに限定されない。
【0055】
本発明で使用されるLMWHおよびLMWDSの性質および特徴は、以下の方法を使って決定することができる。
1.Dedem, Pharmeuropa, 3, 202-218, 1991の方法によるGPC−HPLCでの分子量
2.Ph. Eur. 2.ed, V.3.5.3による硫黄含量
3.Ph. Eur. 1997:0828による硫酸/カルボン酸比
4.第4国際ヘパリン標準品(コード番号82/502)を標準物質として無血漿系において発色測定法(Diagnostica Stago, フランス)で測定したHCIIによる抗トロンビン活性
5.Ph. Eur. 1997:0828による抗第Xa因子活性および抗第IIa因子活性;どちらの方法も勾配比法のための統計学的方法を使って改変。
【0056】
本活性品は、上述した心血管状態を処置するための医薬組成物に有用であるだけでなく、血液凝固の機序を解明するための試薬としてインビトロで使用することもできることは、当業者には容易に理解されるだろう。
以下の実施例で本発明を説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。
【実施例1】
【0057】
LMWHとLMWDSとを組み合わせた場合の抗血栓活性
体外回路を使用して、LMWH、LMWDS、およびLMWHとLMWDSとの組合せの抗血栓活性を比較した。Weitz, Circulation, 99, 682-689, 1999に記述されているように、LMWH、LMWDS、またはそれらの組合せを、再カルシウム化ヒト全血に加えて、水浴中、37℃に維持した。次に、蠕動ポンプを使って、40μ血液フィルターを通して血液を循環させた。インライン圧力ゲージを使ってフィルターの近位で圧力を測定することにより、フィルター内での血液の凝固を検出した。実験は90分間にわたって行われたので、フィルター破損までの最大達成可能時間は>90分である。この研究で使用したLMWDSは以下の特徴を持っている:Mp 5000Da、Mw 7600Da、および多分散度1.4。使用したLMWHは、3500Da〜5500Daのピーク分子量Mpと、90〜125IU/mgの抗第Xa因子活性とを特徴とする、市販のエノキサパリン(Aventis)である。
【0058】
表1に示すように、200μg/mlの濃度のLMWDSを単独で使用すると、フィルターの開通性は65分間保たれた。表1は、20μg/mlのエノキサパリン単独では、フィルターの開通性が70分間保たれたことも示している。最後に表1は、50μg/mlのLMWDSと2μg/mlのエノキサパリンとを組み合わせることにより、フィルターの開通性は85分間まで維持されたことを示している。LMWHとLMWDSとを組み合わせると顕著な相乗的効果が得られることは、これらのデータから明白である。LMWHとLMWDSとを併用すると、これら2つの薬物は、各薬物を単独で投与した場合に必要な用量の4分の1〜10分の1以下の用量で有効である(すなわち200mg/mlに対して50mg/mlおよび20mg/mlに対して2mg/ml)。
【表1】
Figure 2005505537

Claims (12)

  1. A)以下の特徴の1つまたは複数によって限定することができる少なくとも1つのヘパリンオリゴ糖分画:
    a)インビトロでのアンチトロンビンおよびヘパリンコファクターII関連抗凝固物質活性を持つこと、
    b)18個未満の単糖単位を含むオリゴ糖に富むこと、
    c)少なくとも1つまたは複数のアンチトロンビン結合性五糖単位を持つオリゴ糖少なくとも15%、20%、25%、30%、35%または40%を含むこと、
    d)約1500〜約5400Daの分子量を持つオリゴ糖に富むこと、
    e)約3400Da〜5600Daのピーク分子量、
    f)1.1〜1.8の多分散度、および
    g)1.8〜4の抗第Xa因子/抗第IIa因子比、
    および
    B)以下の特徴によって限定することができる少なくとも1つのデルマタン硫酸分画:
    i)硫黄含量6.0%〜10.0%(w/w)、
    ii)硫酸/カルボキシル比1.2〜2.5、
    iii)ジ硫酸化二糖含量20%〜60%(w/w)、および
    iv)HCIIによる抗トロンビン活性20〜60IU/mgの範囲、
    の組合せを、要すれば医薬的に許容できる賦形剤またはビヒクルと共に含む、医薬組成物。
  2. A)以下の特徴の1つまたは複数によって限定することができる少なくとも1つのヘパリンオリゴ糖分画:
    a)インビトロでのアンチトロンビンおよびヘパリンコファクターII関連抗凝固物質活性を持つこと、
    b)18個未満の単糖単位を含むオリゴ糖に富むこと、
    c)少なくとも1つまたは複数のアンチトロンビン結合性五糖単位を持つオリゴ糖少なくとも15%、20%、25%、30%、35%または40%を含むこと、
    d)約1500〜約5400Daの分子量を持つオリゴ糖に富むこと、
    e)約3400Da〜5600Daのピーク分子量、
    f)1.1〜1.8の多分散度、および
    g)1.8〜4の抗第Xa因子/抗第IIa因子比、
    および
    B)以下の特徴によって限定することができる少なくとも1つのデルマタン硫酸分画:
    i)硫黄含量6.0%〜10.0%(w/w)、
    ii)硫酸/カルボキシル比1.2〜2.5、
    iii)ジ硫酸化二糖含量20%〜60%(w/w)、および
    iv)HCIIによる抗トロンビン活性20〜60IU/mgの範囲、
    を、同時投与用または逐次投与用に個別の容器内に、要すれば医薬的に許容できる賦形剤またはビヒクルと共に含む、医薬組成物。
  3. A)以下の特徴の1つまたは複数によって限定することができる少なくとも1つのヘパリンオリゴ糖分画:
    a)インビトロでのアンチトロンビンおよびヘパリンコファクターII関連抗凝固物質活性を持つこと、
    b)18個未満の単糖単位を含むオリゴ糖に富むこと、
    c)少なくとも1つまたは複数のアンチトロンビン結合性五糖単位を持つオリゴ糖少なくとも15%、20%、25%、30%、35%または40%を含むこと、
    d)約1500〜約5400Daの分子量を持つオリゴ糖に富むこと、
    e)約3400Da〜5600Daのピーク分子量、
    f)1.1〜1.8の多分散度、および
    g)1.8〜4の抗第Xa因子/抗第IIa因子比、
    および
    B)以下の特徴によって限定することができる少なくとも1つのデルマタン硫酸分画:
    i)硫黄含量6.0%〜10.0%(w/w)、
    ii)硫酸/カルボキシル比1.2〜2.5、
    iii)ジ硫酸化二糖含量20%〜60%(w/w)、および
    iv)HCIIによる抗トロンビン活性20〜60IU/mgの範囲、
    を、単位量で、要すれば医薬的に許容できる賦形剤またはビヒクルと共に含む、医薬組合せ組成物。
  4. ヘパリンオリゴ糖分画が、a、b、cおよびd;a、b、c、およびe;a、b、e、およびf;a、b、e、およびg;a、b、c、e、f、およびg;b、c、d、およびe;b、e、fおよびg;b、e、dおよびf;b、e、f、dおよびg;b、c、e、fおよびg;またはaからgまで、の特徴を有する請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. デルマタン硫酸オリゴ糖分画が、約1600Da〜約20,000Daの分子量、および約4500Da〜約8000Daのピーク分子量を持つ請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. A)およびB)の量が、トロンビンの生成または活性の抑制に相乗的効果を発揮するのに有効である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
  7. ヘパリンオリゴ糖分画およびデルマタン硫酸オリゴ糖分画の用量が、トロンビンの生成または活性を防止または阻害するのに必要な各分画の単独投与時の用量の2〜10分の1以下である請求項6に記載の組成物。
  8. ヘパリンオリゴ糖分画が、アンチトロンビン結合性五糖単位である請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. トロンビンの生成または活性を防止または阻害する方法であって、その必要がある患者に、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物を有効量で投与することを含む方法。
  10. ヘパリンオリゴ糖分画およびデルマタンオリゴ糖分画を、同時にまたは別々に投与する請求項9に記載の方法。
  11. トロンビンの生成または活性を防止または阻害するための医薬品を製造するための、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物の使用。
  12. LMWHおよびLMWDSの量が、相乗的効果を発揮するのに有効である請求項11に記載の使用。
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