JP2005504806A - 化合物 - Google Patents

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    • C07D333/38Carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals

Abstract

チオフェン誘導体をここに記載する。記載された発明は、かかるチオフェン化合物の製造方法ならびに疾病の治療におけるその使用方法も包含する。

Description

【0001】
発明の背景
本発明は、チオフェン誘導体、それを含む組成物および医薬、ならびにかかる化合物、組成物および医薬の製造および使用方法に関する。かかるチオフェン誘導体は不適当な血管形成に関連した疾病の治療に有用である。
【0002】
血管形成のプロセスは新たな血管の発達であり、一般的にはすでに存在している血管構造からの毛細血管の発達である。血管形成は以下のものを包含すると定義されている:(i)内皮細胞の活性化;(ii)血管透過性の上昇;(iii)暫定的なフィブリンゲルマトリックスの形成を導く、引き続き生じる基底膜の溶解および血漿成分の溢出;(iv)内皮細胞の増殖および動員;(v)機能的毛細血管を形成するための、動員された内皮細胞の再組織化;(vi)毛細血管ループ形成;ならびに(vii)基底膜の沈着および新たに形成された血管への血管周囲細胞の再増殖。正常な血管形成は胚の発達から成熟を経てなされる組織成長の間に活性化され、その後、成人期において相対的な静止期に入る。正常な血管形成は傷の治癒の間にも活性化され、さらにメスの生殖サイクルのある時期にも活性化される。不適当な血管形成は、種々の網膜症、虚血性疾患、アテローム性動脈硬化、慢性炎症性疾患、ならびに癌を包含するいくつかの疾病状態に関連している。疾病状態における血管形成の役割が議論されており、例えば、Fan et al., Trends in Pharmacol. Sci. 16: 54-66; Shawver et al., DDT Vol. 2, No. 2 February 1997; Folkmann, 1995, Nature Medicine 1: 27-31; Colville-Nash and Scott, Ann. Rheum. Dis., 51, 919,1992; Brooks et al., Cell, 79, 1157, 1994; Kahlon et al., Can. J. Cardiol. 8, 60, 1992; Folkman, Cancer Biol, 3, 65, 1992; Denekamp, Br. J. Rad. 66, 181, 1993; Fidler and Ellis, Cell, 79, 185, 1994; O'Reilly et al., Cell, 79, 315, 1994; Ingber et al., Nature, 348, 555, 1990; Friedlander et al., Science, 270, 1500, 1995; Peacock et al., J. Exp. Med. 175, 1135, 1992; Peacock et al., Cell. Immun. 160, 178, 1995; および Taraboletti et al., J. Natl. Cancer Inst. 87, 293, 1995において議論されている。
【0003】
癌において、固形腫瘍の増殖は血管形成依存的であることが示されている(Folkmann, J., J. Nat’l. Cancer Inst., 1990, 82, 4-6参照)。したがって、前−血管形成経路を標的化することは、これらの大きな満たされていない医学的な要求のある領域における新しい治療薬を提供するために広く追求されている戦略である。血管形成および固形腫瘍の血管新生に関与しているチロシンキナーゼの役割が興味を引いた。最近まで、この領域の大部分の興味が血管内皮成長因子(VEGF)および血管内皮成長因子受容体といわれるその受容体(VEGFR)のごとき成長因子に注がれてきた。VEGFはポリペプチドであり、インビトロにおいて内皮細胞に対してマイトジェン的であり、インビボにおいて血管形成応答を刺激する。VEGFは不適当な血管形成にも関連している(Pinedo, H.M. et al. The Oncologist, Vol.5, No. 90001, 1-2, April 2000)。VEGFRは蛋白チロシンキナーゼ(PTKs)である。PTKsは、細胞増殖および分化の調節に関与する蛋白の特定のチロシル残基のリン酸化を触媒する(A.F. Wilks, Progress in Growth Factor Research, 1990, 2, 97-111; S.A. Courtneidge, Dev. Supp. l, 1993, 57-64; J.A. Cooper, Semin. Cell Biol., 1994, 5(6), 377-387; R.F. Paulson, Semin. Immunol., 1995, 7(4), 267-277; A.C. Chan, Curr. Opin. Immunol., 1996, 8(3), 394-401)。
【0004】
VEFGに対する3種のPTK受容体が同定されている:それらはVEGFR−1(Flt−1)、VEGFR−2(Flk−1またはKDR)およびVEGFR−3(Flt−4)である。これらの受容体は血管形成に関与しており、シグナルトランスダクションにおいて役割を果たしている(Mustonen, T. et al. J. Cell Biol. 1995, 129: 895-898)。VEGFR−2は特に興味深く、それは内皮細胞において最初に発現される膜貫通受容体PTKである。VEGFによるVEGFR−2の活性化は、腫瘍の血管形成を開始させるシグナルトランスダクション経路における重要な工程である。VEGFの発現は腫瘍細胞に構成的であり、さらに特定の刺激に応答してアップレギュレーションされうる。かかる刺激の1つは低酸素状態であり、そこではVEGFの発現は腫瘍および関連宿主組織の両方においてアップレギュレーションされる。VEGFリガンドは、VEGFR−2の細胞外VEGF結合部位に結合することによりVEGFR−2を活性化させる。このことはVEGFRsの受容体二量体化およびVEGFR−2の細胞内キナーゼドメインにおけるチロシン残基の自己リン酸化を導く。キナーゼドメインはホスファートをATPからチロシン残基へと輸送するように働き、かくして、VEGFR−2の下流のシグナリング蛋白のための結合部位を提供し、最終的に血管形成の開始を導く(McMahon, G., The Oncologist, Vol. 5, No. 90001, 3-10, April 2000)。
【0005】
アンギオポイエテン1(Ang1)は内皮特異的受容体チロシンキナーゼTIE−2のリガンドであり、新規な血管形成因子である(Davis et al., Cell, 1996, 87: 1161-1169; Partanen et al., Mol. Cell Biol., 12: 1698-1707 (1992); U.S. Patent Nos. 5,521,073; 5,879,672; 5,877,020; and 6,030,831)。略語TIEは「IgおよびEGF相同領域を含むチロシンキナーゼ」を表す。もっぱら血管内皮細胞および初期造血細胞で発現される特定のクラスのチロシンキナーゼを同定するためにTIEが用いられる。典型的には、TIE受容体キナーゼはEGF様および免疫グロブリン(IG)様ドメインの存在により特徴付けられ、それらは内部鎖ジスルフィド結合により安定化された細胞外折りたたみユニットからなる(Partanen et al., Curr. Topics Microbiol. Immunol., 1999, 237: 159-172)。血管発達の初期段階の間に機能するVEGFとは異なり、Ang1およびその受容体TIE−5は血管発達の後期段階、すなわち、血管リモデリング(リモデリングは血管内腔の形成をいう)および成熟の間に機能する(Yancopoulos et al., Cell, 1998, 93: 661-664; Peters, K.G., Circ. Res., 1998, 83(3): 342-3; Suri et al., Cell 87, 1996: 1171-1180)。
【0006】
したがって、TIE−2の阻害は、血管形成により開始される新たな血管構造のリモデリングおよび成熟を破壊することに役立ち、そのことにより血管形成プロセスを破壊するものと考えられる。さらにそのうえ、VEGFR−2のキナーゼドメイン結合部位における阻害は、チロシン残基のリン酸化をブロックし、血管形成の開始を破壊するのに役立つであろう。おそらく、その後、TIE−2および/またはVEGFR−2の阻害は腫瘍の血管形成を妨げ、腫瘍増殖を遅延または根絶するのに役立つはずである。したがって、不適当な血管形成に関連した癌または他の疾患の治療が提供されうる。
【0007】
本発明者らは、TIE−2キナーゼ活性、VEGFR−2キナーゼ活性、あるいはTIE−2キナーゼおよびVEGFR−2キナーゼ活性の阻害剤である新規チオフェン化合物を見出した。かかるチオフェン誘導体は不適当な血管形成に関連した癌を包含する疾患の治療に有用である。
【0008】
発明の概要
本発明の1の態様において、式(I):
【化1】
Figure 2005504806
(I)
[式中、Aはアリール、ヘテロアリール、少なくとも1つの独立して選択されたR基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−RR、−C(O)OR、−C(O)NR、または−C(O)Rであり;
Dは水素、C−Cアルキル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、少なくとも1つの独立して選択されたR基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−RR、−C(O)OR、−C(O)NR、または−C(O)Rであり;
RはC−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、またはC−Cアルキニレンであり;
は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、少なくとも1つの独立して選択されたR基で置換されたアリールまたはヘテロアリール、−C(O)OR、または−C(O)NR(ここに両方のRは同時にはHでない);
はハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−CN、−NHC(O)R、−NHC(S)R、−NR、−RNR、−SR、−S(O)R、−S(O)、−RC(O)OR、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NR、または−NHC(=NH)Rであり;
は水素、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−RR、−NR’’’R’’’’、または−NR’NR’’’R’’’’であり;
は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、シアノアルキル、−R’R’’、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−NHC(O)OR’’’、−R’NHC(O)OR’’’、−R’NHC(O)NR’’’R’’’’、または−R’C(O)OR’’’であり;
は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、シアノアルキル、−R’R’’、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−C(O)OR’’’、または−R’C(O)NR’’’R’’’であり;
は水素、C−Cアルキル、またはアリールであり;
R’はC−Cアルキレンであり;
R’’はヘテロアルキルまたはNR’’’R’’’’であり;
R’’’は水素、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはC−Cシクロアルキルであり;
R’’’’は水素、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC−Cシクロアルキルである]で示される化合物、あるいはその塩、溶媒和物、または生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0009】
本発明の第2の態様において、Aが少なくとも1つの独立して選択されたR基で置換されたアリールであり、D、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’’、R’’’、およびR’’’’が上記定義のものである式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0010】
本発明の第3の態様において、Rが水素であり、A、D、R、R、R、R、R、R、R’、R’’、R’’’およびR’’’’が上記定義のものである式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体が提供される。かかる化合物において、好ましくは、Aは少なくとも1つの独立して選択されたR基で置換されたアリールである。
【0011】
本発明の第4の態様において、RおよびDが両方とも水素であり、A、R、R、R、R、R、R、R’、R’’、R’’’、およびR’’’’が上記定義のものである式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体が提供される。かかる化合物において、好ましくは、Aは少なくとも1つの独立して選択されたR基で置換されたアリールである。
【0012】
本発明の第5の態様において、治療上有効量の式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体ならびに1種またはそれ以上の医薬上許容される担体、希釈剤および賦形剤を含む医薬組成物が提供される。
【0013】
本発明の第6の態様において、哺乳動物における疾病の治療方法が提供され、該疾病は不適当なTIE−2活性およびVEGFR−2活性のうち少なくとも1つにより媒介されるものであり、該方法は、治療上有効量の式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体を該哺乳動物に投与することを特徴とする。
【0014】
本発明の第7の態様において、治療に使用される式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体が提供される。
【0015】
本発明の第8の態様において、不適当なTIE−2活性およびVEGFR−2活性のうち少なくとも1つにより媒介される疾病の治療に使用される医薬の製造における式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体の使用が提供される。
【0016】
本発明の第9の態様において、哺乳動物における疾病の治療方法が提供され、該疾病は不適当なTIE−2活性およびVEGFR−2活性のうち少なくとも1つにより媒介されるものであり、該方法は、治療上有効量の(i)式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体および(ii)性著因子受容体機能を阻害する薬剤を該哺乳動物に投与することを特徴とする。
【0017】
本発明の第10の態様において、哺乳動物における疾病の治療方法が提供され、該疾病は不適当な血管形成により特徴付けられるものであり、該方法は、治療上有効量の式(I)の化合物;あるいはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体を該哺乳動物に投与することを特徴とする。
【0018】
詳細な説明
付与された特許、公開および未公開の特許出願、ならびに他の刊行物を含め、本明細書において引用または参照するすべての文書を参照により本明細書に記載されているものとする。
【0019】
本明細書の用語「有効量」は、例えば研究者や医師により調べられる組織、系またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発する薬剤または医薬の量を意味する。さらに、用語「治療上有効量」は、そのような量を与えられていない対応する対象と比較して、疾病、障害、または副作用の改善された治療、治癒、予防、または改善を生じさせ、あるいは疾病または障害の進行速度を低下させる量を意味する。該用語は正常な生理学的機能を促進するに有効な量もその範囲に包含する。
【0020】
本明細書において、式(I)中の2−アミノ−3−カルボキシアミド−チオフェン骨格の番号付けは下記構造式に示すとおりである。
【化2】
Figure 2005504806
【0021】
本明細書の用語「アルキル」は、C−Cアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、またはC−Cパーフルオロアルキルを包含する群から選択される置換基で置換されていてもよい、1個ないし12個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状炭化水素基をいい、複数回置換されていてもよい。本明細書の「アルキル」の例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル等を包含するが、これらに限らない。
【0022】
本明細書の用語「C−Cアルキル」は、少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含む上記アルキル基をいう。本発明において有用な分枝状または直鎖状の「C−Cアルキル」基の例はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、n−ブイル、t−ブチル、n−ペンチルおよびイソペンチルを包含するが、これらに限らない。
【0023】
本明細書の用語「アルキレン」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよびC−Cパーフルオロアルキルを包含する群から選択される置換基で置換されていてもよい、1個ないし10個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状の2価炭化水素基をいい、複数回置換されていてもよい。本明細書の「アルキレン」の例はメチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン等を包含するが、これらに限らない。
【0024】
本明細書の用語「C−Cアルキレン」および「C−Cアルキレン」は、少なくとも1個、多くともそれぞれ6個または3個の炭素原子を含む上記アルキレン基をいう。本発明において有用な「C−Cアルキレン」基の例はメチレン、エチレン、およびn−プロピレンを包含するが、これらに限らない。
【0025】
本明細書の用語「アルケニル」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよびC−Cパーフルオロアルキルを包含する群より選択される置換基で置換されていてもよい、2個ないし10個の炭素および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖状または分枝状炭化水素基をいい、複数回置換されていてもよい。本明細書に用いられる「アルケニル」の例はエテニル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、およびイソブテニルを包含する。
【0026】
本明細書の用語「C−Cアルケニル」は、少なくとも2個、多くとも6個の炭素原子を含む上記アルケニル基をいう。本発明において有用な「C−Cアルケニル」基の例はエテニル、プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、およびイソブテニルを包含する。
【0027】
本明細書の用語「アルケニレン」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよびC−Cパーフルオロアルキルを包含する群より選択される置換基で置換されていてもよい、2個ないし10個の炭素原子および1個またはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有する直鎖状または分枝状の2価炭化水素基をいい、複数回置換されていてもよい。本明細書で用いられる「アルケニレン」の例はエテン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイル、メチレン−1,1−ジイル等を包含するが、これらに限らない。
【0028】
本明細書の用語「C−Cアルケニレン」および「C−Cアルケニレン」は、少なくとも2個、多くともそれぞれ6個または3個の炭素原子を含む上記アルケニレン基をいう。本発明において有用な「C−Cアルケニレン」の例はエテン−1,2−ジイル、プロペン−1,3−ジイル、メチレン−1,1−ジイル等を包含するが、これらに限らない。
【0029】
本明細書の用語「アルキニル」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、アリール、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよびC−Cパーフルオロアルキルを包含する群から選択される置換基で置換されていてもよい、2個ないし10個の炭素および少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖状または分枝状の炭化水素基をいい、複数回置換されていてもよい。本明細書の「アルキニル」の例はアセチレニル、1−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、および1−ヘキシニルを包含するがこれらに限らない。
【0030】
本明細書の用語「アルキニレン」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよびC−Cパーフルオロアルキルを包含する群より選択される置換基で置換されていてもよい、2個ないし10個の炭素原子および1個またはそれ以上の炭素−炭素三重結合を有する直鎖状または分枝状の2価の炭化水素基をいい、複数回置換されていてもよい。本明細書の「アルキニレン」の例はエチレン−1,2−ジイル、プロピレン−1,3−ジイル等を包含するが、これらに限らない。
【0031】
本明細書の用語「C−Cアルキニレン」および「C−Cアルキニレン」は、少なくとも2個、多くともそれぞれ6個または3個の炭素原子を有する上記アルキニレン基をいう。本発明において有用な「C−Cアルキニレン」基の例はエチン−1,2−ジイル、プロピン−1,3−ジイル等を包含するがこれらに限らない。
【0032】
本明細書の用語「ハロゲン」はフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)をいい、用語「ハロ」はハロゲン基フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードをいう。
【0033】
本明細書の用語「C−Cハロアルキル」は、少なくとも1個の上記ハロ基で置換されていてもよい、少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含む上記アルキル基をいう。本発明において有用な分枝状または直鎖状の「C−Cハロアルキル」基の例は、独立して1個またはそれ以上のハロ、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードで置換されたメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、およびn−ブチル、例えばトリフルオロメチルを包含するが、これらに限らない。
【0034】
本明細書の用語「C−Cシクロアルキル」は、3個ないし7個の炭素原子を有する非芳香族環状炭化水素基をいい、結合できるようにC−Cアルキルリンカーを含んでいてもよく、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−Cパーフルオロアルキルを包含する群より選択される置換基で置換されていてもよく、複数回置換されていてもよい。C−Cアルキル基は上記のとおりである。典型的な「C−Cシクロアルキル」基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを包含するが、これらに限らない。
【0035】
本明細書の用語「C−Cシクロアルキレン」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−Cパーフルオロアルキルを包含する群から選択される置換基で置換されていてもよい3個ないし7個の炭素原子を有する2価の非芳香族環状炭化水素基をいい、複数回置換されていてもよい。本明細書の「シクロアルキレン」の例はシクロプロピル−1,1−ジイル、シクロプロピル−1,2−ジイル、シクロブチル−1,2−ジイル、シクロペンチル−1,3−ジイル、シクロヘキシル−1,4−ジイル、シクロヘプチル−1,4−ジイル、またはシクロオクチル−1,5−ジイル等を包含するが、これらに限らない。
【0036】
本明細書の用語「ヘテロサイクリック」または「ヘテロサイクリル」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンまたはC−Cパーフルオロアルキルを包含する群から選択される置換基で置換されていてもよいS、SO、SO、O、N、またはN−オキシドから選択される1個またはそれ以上の異種原子置換を有する3ないし12員環をいい、複数回置換されていてもよい。かかる環は飽和していてもよく、あるいは1回またはそれ以上置換されていてもよい。かかる環は1個またはそれ以上の置換されていてもよい他の「ヘテロサイクリック」環、アリール環(ベンゼン環を包含)、ヘテロアリール環、またはシクロアルキル環と縮合していてもよい。「ヘテロサイクリック」部分の例はテトラヒドロフラン、ピラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、テトラヒドロチオピラン、テトラヒドロチオフェン等を包含するが、これらに限らない。
【0037】
本明細書の用語「ヘテロサイクリレン」は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノ、カルボキシ、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいカルバモイル、アルキルまたはアリールで置換されていてもよいアミノスルホニル、ニトロ、シアノ、ハロゲンおよびC−Cパーフルオロアルキルを包含する群より選択される置換基で置換されていてもよいS、SO、SO、O、N、またはN−オキシドから選択される1個またはそれ以上の異種原子を含む不飽和の3ないし12員環をいい、複数回置換されていてもよい。かかる環は1回またはそれ以上の不飽和部分を有する。かかる環は1個またはそれ以上の置換されていてもよいアリール環(ベンゼン環を包含)、ヘテロサイクリック環、ヘテロアリール環、またはシクロアルキル環と縮合していてもよい。「ヘテロサイクリレン」の例はテトラヒドロフラン−2,5−ジイル、モルホリン−2,3−ジイル、ピラン−2,4−ジイル、1,4−ジオキサン−2,3−ジイル、1,3−ジオキサン−2,4−ジイル、ピペリジン−2,4−ジイル、ピペリジン−1,4−ジイル、ピロリジン−1,3−ジイル、モルホリン−2,4−ジイル等を包含するが、これらに限らない。
本明細書の用語「アリール」は、置換されていてもよいベンゼン環あるいは1個またはそれ以上の置換されていてもよいベンゼン環と縮合して環システムを形成している置換されていてもよいベンゼン環をいう。存在してもよい典型的な置換基はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルキル、C−Cアロアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボキシアミド、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルまたはアシルにより置換されていてもよい)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキル、アリールまたはヘテロアリールにより置換されていてもよい)、アミノスルホニル(アルキル、アシル、アロイル、アロイルアミノ、ヘテロアロイル、アシルオキシアロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、アリール(アリール、ハロゲン、C−Cアルキル、C−CハロアルキルまたはC−Cアルキルスルホニルにより置換されていてもよい)、ウレイド、アリールウレア、アルキルウレア、シクロアルキルウレア、アルキルチオウレア、アリールオキシ、またはアラルコキシにより置換されていてもよい)を包含し、複数回置換するものであってもよい。かかる環または環システムは1個またはそれ以上の置換されていてもよいアリール環(ベンゼン環を包含)またはシクロアルキル環と縮合していてもよい。「アリール」基の例はフェニル、2−ナフチル、テトラヒドロナフチル、1−ナフチル、ビフェニル、インダニル、アントラシル、フェナントリルまたはナフチルならびにそれらの置換誘導体を包含するが、これらに限らない。
【0038】
本明細書の用語「アリーレン」は、置換されていてもよいベンゼン環2価の基あるいは1個またはそれ以上の置換ベンゼン環と縮合した置換されていてもよいベンゼン環を含むベンゼン環システム2価の基をいう。存在していてもよい典型的な置換基はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、アミノスルホニル(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−Cパーフルオロアルキル、ヘテロアリールおよびアリールを包含する群から選択されるものであり、複数回置換するものであってもよい。かかる環または環システムは1個またはそれ以上の置換されていてもよいアリール環(ベンゼン環を包含)またはシクロアルキル環と縮合していてもよい。「アリーレン」の例はベンゼン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル等を包含するが、これらに限らない。
【0039】
本明細書の用語「アラルキル」は、C−Cアルキレンリンカーを介して結合した上記アリールまたはヘテロアリール基をいい、ここにC−Cアルキレンは上記のものである。「アラルキル」の例はベンジル、フェニルプロピル、2−ピリジルメチル、3−イソオキサゾリルメチル、3−(1−メチル−5−t−ブチル−ピラジル)メチル、3−イソオキサゾリルメチル、および2−イミダゾリルエチルを包含するが、これらに限らない。
【0040】
本明細書の用語「ヘテロアリール」は、S、SO、SO、O、NまたはN−オキシドから選択される1個またはそれ以上の異種原子置換を含む、置換されていてもよい単環式の5ないし7員の芳香族環、あるいは1個またはそれ以上の置換されていてもよいかかるヘテロアリール環、アリール環(ベンゼン環を包含)、ヘテロサイクリック環またはシクロアルキル環(例えば、二環式または三環式システム)と縮合したかかる芳香族環をいう。存在してもよい置換基の例はC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、アミノスルホニル(アルキル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−Cパーフルオロアルキル、ヘテロアリールまたはアリールにより置換されていてもよい)から選択されるものであり、複数回置換するものであってもよい。本明細書の「ヘテロアリール」基の例はフラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキソ−ピリジル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジル、ピラジニル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、インダゾリル、およびそれらの置換バージョンを包含するが、これらに限らない。
【0041】
本明細書の用語「ヘテロアリーレン」は、5ないし7員の単環式芳香族2価の基、あるいはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルスルファニル、C−Cアルキルスルフェニル、C−Cアルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、カルボキシ、テトラゾリル、カルバモイル(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、アミノスルホニル(アルキルまたはアリールにより置換されていてもよい)、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、C−Cパーフルオロアルキル、ヘテロアリール、またはアリールを包含する群より選択される置換基で置換されていてもよいS、SO、SO、O、N、またはN−オキシドから選択される1個またはそれ以上の異種原子置換を含む多環式芳香族2価の基をいい、複数回置換されていてもよい。多環式芳香族システム2価の基に関して、1個またはそれ以上の環が1個またはそれ以上の異種原子を含んでいてもよく、1個またはそれ以上の環はアリール、ヘテロサイクリック、ヘテロアリール、またはシクロアルキルであってもよい。本明細書の「ヘテロアリーレン」の例はフラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,4−ジイル、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル、1,3−チアゾール−2,4−ジイル、1,3−チアゾール−2,5−ジイル、ピリジン−2,4−ジイル、ピリジン−2,3−ジイル、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,4−ジイル、キノリン−2,3−ジイル等を包含する。
【0042】
本明細書の用語「アルコキシ」は基RO−をいい、ここにRは上記アルキルであり、用語「C−Cアルコキシ」はここに定義するアルコキシ基をいい、ここにアルキル部分は少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含む。本発明において有用な典型的なC−Cアルコキシ基はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、およびt−ブトキシを包含するが、これらに限らない。
【0043】
本明細書の用語「アラルコキシ」は基RO−をいい、ここにRは上記アルキルであり、Rは上記アリールである。
【0044】
本明細書の用語「アリールオキシ」は基RO−をいい、ここにRは上記アリールである。
【0045】
本明細書の用語「ウレイド」は基−NHC(O)NHをいう。
【0046】
本明細書の用語「アリールウレア」は基−NHC(O)NHRをいい、ここにRは上記アリールである。
【0047】
本明細書の用語「アリールチオウレア」は基−NHC(S)NHRをいい、ここにRは上記アリールである。
【0048】
本明細書の用語「アルキルウレア」は基−NHC(O)NHRをいい、ここにRは上記アルキルである。
【0049】
本明細書の用語「シクロアルキルウレア」は基−NHC(O)NHRをいい、ここにRは上記シクロアルキルである。
【0050】
本明細書の用語「C−Cシクロアルコキシ」は基RO−をいい、ここにRは上記C−Cシクロアルキルである。本発明において有用な典型的なC−Cシクロアルコキシ基はシクロプロポキシシクロブトキシ、およびシクロペントキシを包含するが、これらに限らない。
【0051】
本明細書の用語「ハロアルコキシ」は基RO−をいい、ここにRは上記ハロアルキルであり、用語「C−Cハロアルコキシ」は、ハロアルキル部分が少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含むここで定義されるハロアルコキシ基をいう。本発明において有用な典型的なC−Cハロアルコキシ基はトリフルオロメトキシを包含するが、これに限らない。
【0052】
本明細書の用語「アルキルスルファニル」は基RS−をいい、ここにRは上記アルキルであり、用語「C−Cアルキルスルファニル」は、アルキル部分が少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含むここで定義されるアルキルスルファニル基をいう。
【0053】
本明細書の用語「ハロアルキルスルファニル」は基RS−をいい、ここにRは上記ハロアルキルであり、用語「C−Cハロアルキルスルファニル」は、アルキル部分が少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含む、ここで定義されるハロアルキルスルファニル基をいう。
【0054】
本明細書の用語「アルキルスルフェニル」は基RS(O)−をいい、ここにRは上記アルキルであり、用語「C−Cアルキルスルフェニル」は、アルキル部分が少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含む、ここで定義されるアルキルスルフェニル基をいう。
【0055】
本明細書の用語「アルキルスルホニル」は基RS(O)−をいい、ここにRは上記アルキルであり、用語「C−Cアルキルスルホニル」は、アルキル部分が少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含む、ここで定義されるアルキルスルホニル基をいう。
【0056】
本明細書の用語「アルキルスルホニルアミノ」は基−NHS(O)をいい、ここにRは上記アルキルであり、用語「C−Cアルキルスルホニルアミノ」は、アルキル部分が少なくとも1個、多くとも6個の炭素原子を含む、ここで定義されるアルキルスルホニルアミノ基をいう。
【0057】
本明細書の用語「アリールスルホニルアミノ」は基−NHS(O)をいい、ここにRは上記アリールである。
【0058】
本明細書の用語「アルキルカルボキシアミド」は基−NHC(O)Rをいい、Rはアルキル、アミノであるか、あるいは上記のアルキル、アリールまたはヘテロアリールで置換されたアミノである。
【0059】
本明細書の用語「アルキルカルボキシ」は基−C(O)Rをいい、ここにRは上記アルキルである。
本明細書の用語「オキソ」は基=Oをいう。
本明細書の用語「メルカプト」は基−SHをいう。
本明細書の用語「カルボキシ」は基−C(O)OHをいう。
本明細書の用語「シアノ」は基−CNをいう。
【0060】
本明細書の用語「シアノアルキル」は基−RCNをいい、ここにRは上記アルキルである。本発明において有用な典型的な「シアノアルキル」基はシアノメチル、シアノエチル、およびシアノイソプロピルを包含するが、これらに限らない。
【0061】
本明細書の用語「アミノスルホニル」は基−S(O)NHをいう。
【0062】
本明細書の用語「カルバモイル」は基−C(O)NHをいう。
【0063】
本明細書の用語「スルファニル」は基−S−をいう。
本明細書の用語「スルフェニル」は基−S(O)−をいう。
本明細書の用語「スルホニル」は基−S(O)または−SO−をいう。
【0064】
本明細書の用語「アシル」は基RC(O)−をいい、ここにRは上記アルキル、シクロアルキル、またはヘテロサイクリルである。
【0065】
本明細書の用語「アロイル」は基RC(O)−をいい、ここにRは上記アリールである。
【0066】
本明細書の用語「アロイルアミノ」は基RC(O)NH−をいい、ここにRは上記アリールである。
【0067】
本明細書の用語「ヘテロアロイル」は基RC(O)−をいい、ここにRは上記ヘテロアリールである。
【0068】
本明細書の用語「アルコキシカルボニル」は基ROC(O)−をいい、ここにRは上記アルキルである。
【0069】
本明細書の用語「アシルオキシ」は基RC(O)O−をいい、ここにRは上記アルキル、シクロアルキル、またはヘテロサイクリルである。
【0070】
本明細書の用語「アロイルオキシ」は基RC(O)O−をいい、ここにRは上記アリールである。
【0071】
本明細書の用語「ヘテロアロイルオキシ」は基RC(O)O−をいい、ここにRは上記ヘテロアリールである。
【0072】
本明細書の用語「ていてもよい」は、その次に記載されるイベントが起こっても起こらなくてもよく、起こるイベントおよび起こらないイベントの両方を包含する。
【0073】
本明細書の用語「生理学的に機能的な誘導体」は、本発明の化合物の医薬上許容される誘導体、例えば、エステルまたはアミドをいい、哺乳動物に投与されると本発明の化合物またはその活性代謝物を提供(直接的または間接的に)しうるものである。かかる誘導体は、過度の実験をしなくても、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery, 5th Edition, Vol 1: Principles and Practice(参照により本明細書に記載されているものとする)の教示を参照すれば当業者に明らかである。
【0074】
本明細書の用語「溶媒和物」は、溶質(本発明においては式(I)の化合物またはその塩もしくは生理学的に機能的な誘導体)および溶媒により形成される種々の化学量論的複合体をいう。本発明の目的のためのかかる溶媒は溶質の生物学的活性を妨害してはならない。適当な溶媒の例は水、メタノール、エタノールおよび酢酸を包含するが、これらに限らない。好ましくは、使用する溶媒は医薬上許容される溶媒である。適当な医薬上許容される溶媒の例は水、エタノールおよび酢酸を包含するが、これらに限らない。最も好ましくは、使用溶媒は水である。
【0075】
本明細書の用語「置換され」は、記載された置換基(複数も可)での置換をいい、特記しないかぎり複数回の置換が許される。
【0076】
本明細書に記載の特定の化合物は1個またはそれ以上のキラル原子を含み、あるいは2種のエナンチオマーとして存在してもよい。本発明の化合物はエナンチオマー混合物ならびに精製エナンチオマーまたはエナンチオマー豊富化混合物を包含する。上記式(I)により示される化合物の個々の異性体ならびに完全にまたは部分的に平衡化されたそれらの混合物も本発明の範囲内に含まれる。さらに本発明は、異性体混合物となった上記の式で示される化合物の個々の異性体(1個またはそれ以上のキラル中心が逆転している)も包含する。また、式(I)の化合物のすべての互変異性体および互変異性体混合物も式(I)の化合物の範囲内に含まれることが理解される。
【0077】
本明細書において式(I)の化合物といえば、特記しない限り、A、D、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’’、R’’’、またはR’’’’に関して上で定義された式(I)の範囲内のすべての化合物をいうことが理解されるべきである。
【0078】
本発明の化合物の特別な例は下記のものを包含する:
2−アミノ−4−{4−[3−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
2−アミノ−4−[4−(3−フェニル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
2−アミノ−4−[4−[3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
2−アミノ−4−[4−(3−インダン−5−イル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
2−アミノ−4−{4−[(1−[2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル]−メタノイル)−アミノ]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
またはその塩、溶媒和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体。
【0079】
典型的には、本発明の塩は医薬上許容される塩である。用語「医薬上許容される塩」に包含される塩は本発明の化合物の無毒の塩をいう。本発明の化合物の塩は、式(I)の化合物中の置換基上の窒素に由来する酸付加塩を含みうる。代表的な塩は下記の塩を包含する:アセタート、ベンゼンスルホナート、ベンゾアート、ビカルボナート、ビスルファート、ビタルタラート、ボラート、ブロミド、カルシウムエデタート、カムシラート、カルボナート、クロリド、クラブラナート、シトラート、ジヒドロクロリド、エデタート、エディシラート、エストラート、エシラート、フマラート、グルセプタート、グルコナート、グルタマート、グリコリルアルサニラート、ヘキシルレゾルシナート、ヒドラバミン、ヒドロブロミド、ヒドロクロリド、ヒドロキシナフトラート、ヨージド、イセチオナート、ラクタート、ラクトビオナート、ラウラート、マラート、マレアート、マンデラート、メシラート、メチルブロミド、メチルニトラート、メチルスルファート、モノカリウムマレアート、ムカート、ナプシラート、ニトラート、N−メチルグルカミン、アキサラート、パモアート(エムボナート)、パルミタート、パントテナート、ホスファート/ジホスファート、ポリガラクツロナート、カリウム塩、サリチラート、ナトリウム塩、ステアラート、スバセタート、スクシナート、タンナート、タルタラート、テオクラート、トシラート、トリエチオジド、トリメチルアンモニウム塩およびバレラート。医薬上許容されない他の塩は本発明の化合物の製造に有用であり得、これらは本発明のさらなる態様を形成する。
【0080】
治療用途に、治療上有効量の式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体をそのまま化学物質として投与してもよいが、有効成分を医薬組成物として提供することができる。したがって、さらに本発明は、治療上有効量の式(I)の化合物および/またはその塩、溶媒和物および/または生理学的に機能的な誘導体、ならびに1種またはそれ以上の医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体は上記のものである。担体、希釈剤または賦形剤は、処方の他の成分に適合し、その受容者に悪影響を及ぼさないという意味で許容されるものでなくてはならない。本発明のもう1つの貸与において、式(I)の化合物および/またはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体を1種またはそれ以上の医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合することを特徴とする医薬処方の製造方法も提供される。
【0081】
あらかじめ決められた量の有効成分を含む単位剤形として医薬処方を提供してもよい。そのような単位は、処置すべき症状、投与経路ならびに患者の年齢、体重および状態にもよるが、例えば0.5mgないし1g、好ましくは1mgないし700mg、より好ましくは5mgないし100mgの式(I)の化合物を含む。好ましい単位用量処方は、本発明計に示したような1日分の有効成分の用量またはそれ以下の用量、あるいはその何分の1かを含むものである。さらにそのうえ、製薬分野においてよく知られたいずれかの方法によってかかる医薬処方を調製してもよい。
【0082】
適切な経路、例えば、経口(ほほ側または舌下を包含)、直腸、鼻腔内、局所(ほほ側、舌下または経皮を包含)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または経皮を包含)経路で医薬処方を投与することができる。製薬分野で知られた方法、例えば、有効成分を担体または賦形剤と混合することによりかかる処方を製造することができる。
【0083】
例えば、経口投与用の医薬処方を、カプセルまたは錠剤のごとき個々の単位として、粉末または顆粒として、水性または非水性液体中の溶液または懸濁液として、可食性泡状物質またはホイップとして、あるいは水中油液体エマルジョンまたは油中水液体エマルジョンとして提供してもよい。
【0084】
例えば、錠剤またはカプセル形態での経口投与には、エタノール、グリセロール、水等のごとき経口用の無毒の医薬上許容される不活性担体と活性薬剤成分を混合することができる。化合物を適当な微細サイズにまで粉砕し、次いで、同様に粉砕された可食性炭水化物、例えば、デンプンまたはマンニトールと混合することにより粉末を調製する。香料、保存料、分散剤および着色料が含まれていてもよい。
【0085】
上記のごとく粉末混合物を調製し、次いで、ゼラチンシースに充填することによりカプセルを製造する。充填操作の前に、コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールのごときグライダントおよび滑沢剤を粉末混合物に添加してもよい。アガー−アガー、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムのごとき崩壊剤または可溶化剤を添加して、カプセルが飲み込まれた場合の医薬の利用可能性を改善してもよい。
【0086】
そのうえ、所望あるいは必要な場合には、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色料を混合物中に含有させてもよい。適当な結合剤はデンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータラクトースのごとき天然糖類、コーン甘味料、アラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムのごとき天然および合成ガム類、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ロウ等を包含する。これらの剤形に使用する滑沢剤はオレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を包含する。崩壊剤はデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を包含するが、これらに限らない。
【0087】
粉末混合物を調製し、顆粒化またはスラッジ化させ、滑沢剤および崩壊剤を添加し、錠剤化させることにより錠剤を処方する。適当には粉砕された化合物を上記希釈剤または基材と混合し、次いで、所望によりカルボキシメチルセルロース、アリジナート、ゼラチンまたはポリビニルピロリドンのごとき結合剤、パラフィンのごとき溶解遅延剤、第4級塩のごとき吸収促進剤および/またはベントナイト、カオリンまたは燐酸二カルシウムのごとき吸着剤と混合することにより粉末混合物を調製する。糖蜜、デンプンペースト、アラビアゴム漿剤またはセルロース性もしくはポリマー性物質の溶液のごとき結合剤とともに湿らせ、次いで、ふるいにかけることにより粉末混合物を顆粒化させることができる。顆粒化に対する別法として、粉末混合物を錠剤形成器にかけ、不完全にスラッジ化された結果物を壊して顆粒とすることができる。ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を添加することにより顆粒を滑沢化させて錠剤形成ダイスへの粘着を防止することができる。その後、滑沢化された混合物を錠剤に圧縮する。本発明の化合物を自由に流動する不活性担体と混合し、顆粒化またはスラッジ化工程を経ずに直接圧縮して錠剤としてもよい。シェラックのシーリングコートを含む透明または半透明保護コーティング、糖類またはポリマー性物質のコーティングならびにロウの艶出しコーティングを施してもよい。これらのコーティングに色素を添加して異なる単位用量を区別するようにしてもよい。
【0088】
シロップおよびエリキシルのごとき経口用液体を投与単位形態として調製することができ、一定量があらかじめ決められた量の化合物を含有するようにしてもよい。化合物を適当な着香水溶液に溶解することによりシロップを調製することができ、無毒のアルコール担体を用いることによりエリキシルを調製することができる。化合物を無毒の担体に分散させることにより懸濁液を処方してもよい。エトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエステルのごとき可溶化剤および乳化剤、保存料、ペパーミント油のごとき香料または天然甘味料またはサッカリンまたは他の人工甘味料等を添加してもよい。
【0089】
適切な場合には、経口投与用の投与単位処方をマイクロカプセルに封入してもよい。例えば、粒子状物質をポリマーまたはロウ等でコーティングあるいはそれらに包埋させることにより処方を調製して放出を延長または持続させてもよい。
【0090】
式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体を、小単層小胞、大単層小胞および多層小胞のごときリポソームデリバリーシステムの形態として投与してもよい。コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンのごとき種々のリン脂質からリポソームを形成することができる。
【0091】
化合物分子がカップリングされる個々の担体としてモノクローナル抗体を用いることにより式(I)の化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体をデリバリーしてもよい。標的化可能薬剤担体としての可溶性ポリマーに化合物をカップリングさせてもよい。かかるポリマーはポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド−フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルタミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリジンを包含する。さらにそのうえ、薬剤の制御放出を達成するのに有用な特定クラスの生分解性ポリマー、例えば、ポリ乳酸、ポリエプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル類、ポリアセタール類、ポリジヒドロピラン類、ポリシアノアクリラート類およびヒドロゲルの架橋もしくは両親媒性ブロックコポリマーに化合物をカップリングさせてもよい。
【0092】
受容者の皮膚に長時間密着する1枚ごとのパッチとして経皮投与用医薬処方を提供してもよい。例えば、Pharmaceutical Research, 1986, 3(6): 318に一般的に説明されているイオントフォレシスにより有効成分をパッチからデリバリーしてもよい。
【0093】
局所投与用医薬処方を軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、パウダー、溶液、パスタ、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油として処方してもよい。
【0094】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚を治療するために、好ましくは、処方を局所用軟膏またはクリームとして適用する。軟膏として処方する場合、有効成分をパラフィン軟膏基材または水混和性軟膏基材とともに使用してもよい。別法として、有効成分を、水中油クリーム基材または油中水基材を用いてクリームとして処方してもよい。
【0095】
目への局所投与用医薬処方は点眼液を包含し、有効成分は適当な担体、特に水溶液中に溶解または懸濁される。
【0096】
口への局所投与用医薬処方はロゼンジ、香錠および洗口剤を包含する。直腸投与用医薬処方を座薬または浣腸液として提供してもよい。
【0097】
鼻への投与用の医薬処方では担体は固体であり、そのような処方は例えば20ないし500ミクロンの粒子サイズを有する粗粉末を包含し、それは鼻から吸うことにより、すなわち、粉末を入れた容器を鼻に近づけて容器から鼻を通して吸入することにより投与される。鼻のスプレーまたは鼻の滴剤用の、担体が液体である適当な処方は有効成分の水性または油性溶液を包含する。
【0098】
吸入により投与するための医薬処方は微粒子ダストまたはミストを包含し、種々のタイプの一定用量の加圧エアロゾル、ネブライザーまたは吸入器によりそれらを得ることができる。
【0099】
膣投与用の医薬処方をペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、パスタ、フォームまたはスプレー処方として提供してもよい。
【0100】
非経口投与用医薬処方は水性または非水性滅菌注射液を包含し、それらは抗酸化剤、バッファー、制菌剤および処方を受容者の血液と等張にする溶質を含んでいてもよく、水性および非水性滅菌懸濁液は懸濁剤および増粘剤を含んでいてもよい。処方を1回用または多回用の容器、例えば、密封アンプルおよびバイアルに入れて提供してもよく、使用直前に滅菌液体担体、例えば注射用水を添加することだけが必要な凍結乾燥状態として保存してもよい。滅菌粉末、顆粒および錠剤から即時用の注射溶液および懸濁液を調製してもよい。
【0101】
上で特に述べた成分のほかに、処方がそのタイプに応じた慣用的な他の薬剤を含んでいてもよいこと、例えば、経口投与用処方が経口投与に適した薬剤を含んでいてもよいことが理解されるべきである。
【0102】
本発明の化合物の治療上有効量は、例えば動物の年齢および体重、治療すべき正確な症状およびその重篤度、処方の性質、ならびに投与経路を包含する多くの因子に左右され、最終的には医師または獣医の裁量によりであろう。しかしながら、新生物、例えば直腸癌や乳癌の増殖を治療するための式(I)の化合物の有効量は、一般的には、受容者(哺乳動物)体重1kgあたり1日につき0.1ないし100mg/kgの範囲であり、より通常には、受容者体重1kgあたり1日につき1ないし10mg/kgの範囲であろう。よって、体重70kgの成体哺乳動物について、1日の実際の量は通常70ないし700mgであろうし、この量を1日1回あるいはより通常には1日の用量が同じになるように1日に何回か(例えば2回、3回、4回、5回または6回)に分けて投与してもよい。その塩、溶媒和物および生理学的に機能的な誘導体の有効量を、式(I)の化合物の有効量の割合として決定してもよい。本明細書において言及する他の症状の治療には同様の用量が適当と考えられる。
【0103】
本発明の化合物およびそれらの塩および溶媒和物ならびにそれらの生理学的に機能的な誘導体を単独で用いてもよく、あるいは本明細書で述べる症状を治療するための他の治療薬と組み合わせて用いてもよい。詳細には、抗癌剤を他の化学治療、ホルモン治療または抗体と組み合わせて、あるいはまた外科的治療および/または放射線治療とともに用いることが考えられる。よって、本発明の組み合わせ治療は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物またはその生理学的に機能的な誘導体の投与と、少なくとも1種の癌治療法とを含む。好ましくは、本発明の組み合わせ治療は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物またはその生理学的に機能的な誘導体の投与と、少なくとも1種の他の医薬上活性のある薬剤、好ましくは抗新生物剤の投与を含む。式(I)の化合物と他の医薬上活性のある薬剤を一緒に投与してもよく、別個に投与してもよく、同時にあるいはいずれかの順序で逐次に投与してもよい。所望の組み合わせ治療効果が得られるように式(I)の化合物および他の医薬上活性のある薬剤の量ならびに投与の相対的タイミングが選択されよう。
【0104】
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物またはその生理学的に機能的な誘導体および少なくとも1種のさらなる癌治療剤を、かかる他の抗癌治療薬とともに、同時あるいは逐次に、いずれかの治療上適切な組み合わせで用いてもよい。1の具体例において、他の抗癌治療薬は少なくとも1種の付加的な化学治療薬であり、少なくとも1種の抗新生物薬を包含する。式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物またはその生理学的に機能的な誘導体と他の抗新生物薬との組み合わせ投与は、(1)両方の薬剤を含む単一の医薬組成物として、あるいは(2)それぞれが化合物の1つを含有する別個の医薬組成物として、同時に投与することによる本発明の組み合わせであってもよい。別法として、まず1の抗新生物薬を投与し、次に他の薬剤を投与する(あるいはその逆)逐次的組み合わせ投与を行ってもよい。かかる逐次投与は時間的に近いものであっても、遠いものであってもよい。
【0105】
抗新生物薬は、細胞周期特異的様式で抗新生物効果を誘発するもの、すなわちフェーズ特異的で細胞周期の特定のフェーズにおいて作用するものであってよく、あるいはDNAに結合し、非細胞周期特異的様式で作用するもの、すなわち非細胞周期特異的で他の機構により作動するものであってもよい。
【0106】
式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体との組み合わせにおいて有用な抗新生物薬は下記のものを包含する:
【0107】
(1)パクリタクセルおよびそのアナログであるドセタキセルのごときジテルペノイド;ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビンオレルビンのごときビンカアルカロイド;エトポシドおよびテニポシドのごときエピポドフィロトキシン;5−フルオロアラシルおよびフルオロデオキシウリジンのごときフルオロピリミジン;アロプリノール、フルドゥラビン、メトトレキサート、クラドラビン、シタラビン、メルカプトプリン、およびチオグアニンのごとき代謝阻害剤;ならびに9−アミノカンプトテシン、イリノテカン、トポテカン、CPT−11および7−(4−メチルピペラジノ−メチレン)−10,11−エチレンジオキシ−20−カンプトテシンの種々の光学的形態のごときカンプトテシンを包含する細胞周期特異的抗新生物薬(これらに限らない)。
【0108】
(2)メルファラン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メクロレタミン、ヘキサメチルメラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチンおよびダカルバジンのごときアルキル化剤;ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミソラマイシンのごとき抗腫瘍性抗生物質;ならびにシスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチンのごときプラチナ協調複合体を包含する細胞毒性化学治療薬(これらに限らない);ならびに
【0109】
(3)タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェンのごとき抗エストロゲン剤;酢酸メゲストロールのごときプロゲストロゲン;アナストロゾール、レトラゾール、ボラゾールおよびエクセメスタンのごときアロマターゼ阻害剤;フルタミド、ニルタミド、ビカルタミドおよび酢酸シプロテロンのごとき抗アンドロゲン剤;酢酸ゴセレリンおよびルプロリドのごときLHRHアゴニストおよびアンタゴニスト;フィナステリドのごときテストステロン5α−ジヒドロレダクターゼ阻害剤;マリマスタットのごときメタロプロテイナーゼ阻害剤;抗プロゲストゲン剤;ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター受容体機能阻害剤;肝細胞増殖因子、erb−B2、erb−B4、上皮成長因子受容体(EGFR)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、血管内皮成長因子受容体(VEGFRおよびTIE−2)の機能阻害剤(本明細書記載VEGFRおよびTIE−2阻害剤以外のもの)のごとき成長因子機能阻害剤;ならびにCDK2阻害剤およびCDK4阻害剤のごとき他のチロシンキナーゼ阻害剤を包含する他の化学治療薬(これらに限らない)。
【0110】
式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物ならびに生理学的に機能的な誘導体は、プロテインキナーゼTIE−2およびVEGFR−2の少なくとも1つの阻害剤として活性がある。
【0111】
よって、本発明は、医学的治療、詳細には、不適切なTIE−2およびVEGFR−2キナーゼ活性の少なくとも1つにより媒介される疾病の治療に使用される式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物ならびに生理学的に機能的な誘導体も提供する。
【0112】
本明細書の不適切なTIE−2および/またはVEGFR−2活性とは、特定の哺乳動物対象において期待される正常なTIE−2および/またはVEGFR−2活性を逸脱するTIE−2および/またはVEGFR−2活性をいう。不適切なTIE−2および/またはVEGFR−2活性は、例えば、TIE−2および/またはVEGFR−2活性の異常な上昇、あるいはTIE−2および/またはVEGFR−2活性のタイミングおよび/または制御の逸脱の形態であってもよい。かかる不適切な活性は、例えば、不適切あるいは制御されない活性化を導くプロテインキナーゼの過剰発現または変異から生じうる。さらにそのうえ、望ましくないTIE−2および/またはVEGFR−2活性は悪性のごとき異常な源中に存在しうる。すなわち、TIE−2および/またはVEGFR−2活性のレベルが不適切と考えられるほど異常である必要はなく、むしろ活性が異常な源に由来するのである。
【0113】
同様に、本明細書の不適切な血管形成とは、特定の哺乳動物において考えられる正常な血管形成活性から逸脱した血管形成活性である。不適切な血管形成は、例えば、活性の異常な上昇、あるいは血管形成活性のタイミングおよび/または制御の逸脱の形態であってもよい。かかる不適切な活性は、例えば、不適切あるいは制御されない活性化を導くプロテインキナーゼの過剰発現または変異から生じうる。さらにそのうえ、望ましくない血管形成活性は悪性のごとき異常な源中に存在しうる。すなわち、血管形成活性のレベルが不適切と考えられるほど異常である必要はなく、むしろ活性が異常な源に由来するのである。
【0114】
本発明は、不適切なTIE−2および/またはVEGFR−2活性に関連した疾病の予防および/または治療のために、TIE−2および/またはVEGFR−2活性を調節、モジュレーション、または阻害する方法に関する。
【0115】
詳細には、本発明の化合物は、腫瘍増殖および転移を包含する癌の感受性のある形態の治療に有用である。さらにそのうえ、本発明の化合物を用いて、特定の既存の癌の化学治療とともに付加的あるいは相乗的効果を得ることができ、そして/あるいは特定の既存の癌の化学治療および放射線治療の有効性を回復させることができる。
【0116】
また本発明の化合物は、新たな血管新生および/または血管透過性に関連する疾病領域における細胞増殖により特徴付けられる、関節炎および再狭窄を包含する血管増殖性疾患;肝硬変およびアテローム性動脈硬化症を包含する線維症性疾患;糸球体腎炎、糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管障害症候群、器官移植拒絶反応および糸球体症を包含するメサンギウム細胞増殖性疾患;乾癬、真性糖尿病、慢性の傷の治癒、炎症および神経変性疾患を包含する代謝性疾患;さらに糖尿病性網膜症;斑状変性;目の血管新生により特徴付けられる他の疾患;ならびに血管腫により特徴付けられる疾患を包含する哺乳動物を苦しめる1またはそれ以上の疾病の治療に有用である。
【0117】
本発明のさらなる態様は、不適切なTIE−2およびVEGFR−2活性の少なくとも1つにより媒介される疾病に苦しむ哺乳動物の治療方法を提供し、該方法は、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体を該対象に投与することを特徴とする。好ましい具体例において、疾病は癌、例えば悪性腫瘍である。本発明のこの態様は、疾病が本明細書に開示した新たな血管新生および/または血管透過性に関連した疾病の領域における細胞増殖により特徴付けられる哺乳動物の疾病である、かかる方法も提供する。
【0118】
本発明のさらなる態様は、癌に苦しむ哺乳動物の治療方法を提供し、該方法は、有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体を該対象に投与することを特徴とする。
【0119】
本発明のさらなる態様は、不適切なTIE−2およびVEGFR−2活性の少なくとも1つにより媒介される疾病の治療のための医薬の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体の使用を提供する。好ましい具体例において、疾病は癌、例えば悪性腫瘍である。本発明のこの態様は、疾病が本明細書に開示した新たな血管新生および/または血管透過性に関連した疾病の領域における細胞増殖により特徴付けられる哺乳動物の疾病である、かかる使用も提供する。
【0120】
本発明のさらなる態様は、癌、例えば悪性腫瘍の治療のための医薬の製造における式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体の使用を提供する。
【0121】
本発明の化合物での治療を必要とする哺乳動物は、典型的にはヒトである。
【0122】
もう1つの具体例において、(a)式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体、ならびに(b)成長因子受容体の機能を阻害する薬剤を組み合わせて哺乳動物に投与して、不適切なTIE−2およびVEGFR−2活性の少なくとも1つにより媒介される疾病、例えば癌、例えば悪性腫瘍を治療する。かかる成長因子受容体は、例えば、EGFR、PDGFR、erbB2、erbB4、VEGFRおよび/またはTIE−2を包含する。成長因子受容体および成長因子受容体機能を阻害する薬剤は、例えば、Kath, John C., Exp. Opin. Ther. Patents (2000) 10(6):803-818 および Shawver et al DDT Vol 2, No. 2 February 1997に記載されている。
【0123】
式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体ならびに成長因子受容体機能を阻害するための薬剤を、治療上適切な組み合わせで同時または逐次的に用いてもよい。(1)両方の化合物を含む単一の医薬組成物、あるいは(2)1の化合物をそれぞれ含む別個の医薬組成物を同時に投与することにより、本発明の組み合わせを用いてもよい。別法として、まず1の化合物を投与し、次に他の化合物を投与する(あるいはその逆)逐次的組み合わせ投与を行ってもよい。かかる逐次投与は時間的に近いものであっても、遠いものであってもよい。
【0124】
本発明のもう1つの態様において、哺乳動物における疾病を治療する方法が提供され、該疾病は不適切な血管形成により媒介されるものであり、該治療方法は治療上有効量の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体を該哺乳動物に投与することを特徴とする。1の具体例において、不適切な血管形成活性は、不適切なVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3またはTIE−2活性の少なくとも1つによるものである。もう1つの具体例において、不適切な血管形成は不適切なVEGFR−2およびTIE−2の少なくとも1つによるものである。さらなる具体例において、該方法は、治療上有効量のVEGFR−2阻害剤を(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体とともに投与することをさらに特徴とする。好ましくは、該疾病は癌、例えば悪性腫瘍である。本発明のこの態様は、疾病が本明細書に開示した新たな血管新生および/または血管透過性に関連した疾病の領域における細胞増殖により特徴付けられる哺乳動物の疾病である、かかる方法も提供する。
【0125】
本発明のもう1つの態様において、哺乳動物における疾病を治療する際に用いる医薬の製造における(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または生理学的に機能的な誘導体の使用が提供され、該疾病は不適切な血管形成により特徴付けられる。1の具体例において、不適切な血管形成活性は不適切なVEGFR−1、VEGFR−2、VEGFR−3またはTIE−2活性の少なくとも1つによるものである。もう1つの具体例において、不適切な血管形成は不適切なVEGFR−2およびTIE−2活性の少なくとも1つによるものである。さらなる具体例において、該使用は、該医薬を製造するためのVEGFR−2阻害剤の使用を包含する。好ましくは、該疾病は癌、例えば悪性腫瘍である。本発明のこの態様は、疾病が本明細書に開示した新たな血管新生および/または血管透過性に関連した疾病の領域における細胞増殖により特徴付けられる哺乳動物の疾病である、かかる使用も提供する。
【0126】
(1)両方の化合物を含む単一の医薬組成物、あるいは(2)1の化合物をそれぞれ含む別個の医薬組成物を同時に投与することにより、本発明の組み合わせを用いてもよい。別法として、まず1の化合物を投与し、次に他の化合物を投与する(あるいはその逆)逐次的組み合わせ投与を行ってもよい。かかる逐次投与は時間的に近いものであっても、遠いものであってもよい。
【0127】
標準的な化学的方法を包含する種々の方法により本発明の化合物を得ることができる。すでに定義された変数は、特記しない限り、すでに定義した意味を有するものとする。説明的な一般適合性方法をいかに示し、次いで、本発明の特定の化合物が実施例において製造される。
【0128】
一部を下記合成スキームに示す有機合成の分野で知られた方法により一般式(I)の化合物を得てもよい。下記スキームのすべてにおいて、化学の一般的原理に照らして必要な場合には感受性または反応性の基に対する保護基が用いられることが十分に理解されよう。有機合成の標準的方法に従って保護基を取り扱う(T. W. Green and P. G. M. Wuts (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons)。化合物の合成の都合のよい段階で、当業者に容易に明らかな方法を用いてこれらの基を除去する。方法ならびに反応条件およびそれらの実行順序の選択は式(I)の化合物の製造に適合したものでなくてはならない。当業者は、立体中心が式(I)の化合物に存在するかどうかを認識するであろう。したがって、本発明は、両方の可能な立体異性体を包含し、さらにラセミ化合物のみならず個々のエナンチオマーも包含する。化合物が単一のエナンチオマーであることを望まれる場合、立体特異的合成により、あるいは最終生成物または都合のよい中間体の分割によりそれを得てもよい。当該分野において知られているいずれかの方法により、最終生成物、中間体、または出発物質の分割を行ってもよい。例えば、Stereochemistry of Organic Compounds by E. L. Eliel, S. H. Wilen, and L. N. Mander (Wiley-Interscience, 1994)参照。
【0129】
メチルケトンから出発して、スキーム1および2に示す合成手順に従って式(I)の化合物を得ることができる。メチルケトンはフェニル置換ケトンとともにここに例示されているが、これらに限らない。インデックス「a」は所望により選択される置換基のいずれかの数を表し、保護基または変更された基を包含しうる。スキーム1は、目的の2−アミノ−3−カルボキシアミド−チオフェン骨格(iv)の合成経路を示す。スキーム1および2の合成経路の特別な詳細は下記実施例に示され、例えば、TIE−2キナ−ゼ阻害活性を有する2−アミノ−3−カルボキシアミド−チオフェン化合物が得られた。
【0130】
C−5に水素基を含む2−アミノ−3−カルボキシアミド−チオフェン骨格(iv)の合成をスキーム1に示す。2−アミノ−3−カルボキシアミド−5−フェニル−チオフェン骨格に関する公表された方法(Beecham Group Limited, US Patent No. 3,963,750)を適用して、メチルケトン(i)から1工程で環システム(iv)を得ることができる。(i)から3工程で同じ環システム(iv)を得ることができ、中間体2−アミノ−3−シアノ−チオフェン(iii)を加水分解して所望アミドとする。Schaefer, H., et al., J. Prakt. Chem., 1984, 326, N6, 917-923。両方の経路とも、メチルケトン(i)から出発して種々の誘導体を得るための経路として役立ちうる。
【0131】
スキーム2に示すように、2−アミノ−3−カルボキシアミド−チオフェン骨格(iv)が単離されたならば、適当な溶媒(ニ−トアミンを溶媒として用いてもよい)中において対応第1級アミンまたは対応アルキル化剤(例えば、ハライド、トリフルオロメタンスルホナートまたはスルファートであるが、これらに限らない)で(iv)を処理することにより2−アミノの位置にR基を導入してもよい。例えば、臭素化の場合に酢酸中の臭素を用い、あるいは塩素化の場合に塩化チオニルを用いるC5位置のハロゲン化により中間体(vi)を得る。例えば、スズキカップリング条件を用いてハロゲン基を置換して「(vii)を得ることができる。必要ならば、標準的な合成法に従って「a」置換基を処理して所望化合物(viii)を得てもよい。
【化3】
Figure 2005504806
【化4】
Figure 2005504806
【0132】
実施例
実施例のみを用いて本発明の特定の具体例を説明する。例示化合物の物理データは帰属された化合物の構造と矛盾しない。
【0133】
本明細書のこれらの手順、スキームおよび実施例に用いるシンボルおよび慣用的表現は現在の科学文献、例えばJournal of the American Chemical Society or the Journal of Biological Chemistryに用いられているものと矛盾しない。標準的な1文字または3文字表記法を通常に使用してアミノ酸残基を示し、特記しないかぎり、L−型とする。特記しないかぎり、すべての出発物質を商業的供給者から得て、さらに精製せずに使用した。特別には、下記の略号を実施例および明細書全体に使用することができる:
g (グラム); mg (ミリグラム);
L (リットル); mL (ミリリットル);
μL (マイクロリットル); psi (1平方インチあたりポンド);
M (モラー); mM (ミリモラー);
i. v. (静脈内); Hz (ヘルツ);
MHz (メガヘルツ); mol (モル);
mmol (ミリモル); rt (室温);
min (分); h (時);
mp (融点); TLC (薄層クロマトグラフィー);
Tr (保持時間); RP (逆相);
MeOH (メタノール); i-PrOH (イソプロパノール);
TEA (トリエチルアミン); TFA (トリフルオロ酢酸);
TFAA (無水トリフルオロ酢酸); THF (テトラヒドロフラン);
DMSO (ジメチルスルホキシド); AcOEt (酢酸エチル);
DME (1,2-ジメトキシエタン); DCM (ジクロロメタン);
DCE (ジクロロエタン); DMF (N,N-ジメチルホルムアミド);
DMPU (N,N'-ジメチルプロピレンウレア);
CDI (1,1-カルボニルジイミダゾール);
IBCF (クロロギ酸イソブチル);
HOAc (酢酸);
HOSu (N-ヒドロキシサクシンイミド);
HOBT (1-ヒドロキシベンゾトリアゾール);
mCPBA (メタ-クロロ過安息香酸);
EDC (塩酸エチルカルボジイミド);
BOC (tert-ブチルオキシカルボニル);
FMOC (9-フルオレニルメトキシカルボニル);
DCC (ジシクロヘキシルカルボジイミド);
CBZ (ベンジルオキシカルボニル);
Ac (アセチル); atm (気圧);
TMSE (2-(トリメチルシリル)エチル); TMS (トリメチルシリル);
TIPS (トリイソプロピルシリル); TBS (t-ブチルジメチルシリル);
DMAP (4-ジメチルアミノピリジン); BSA (ウシ血清アルブミン)
ATP (アデノシン三リン酸); HRP (セイヨウワサビペルオキシダーゼ);
DMEM (ダルベッコの改変イーグル培地);
HPLC (高圧液体クロマトグラフィー);
BOP (ビス(2-オキソ-3-オキサゾリジニル)ホスフィニククロリド);
TBAF (テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド);
HBTU (O-ベンゾトリアゾール-1-イル-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート);
HEPES (4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸);
DPPA (ジフェニルホスホリルアジド);
fHNO3 (発煙HNO3);および
EDTA (エチレンジアミン四酢酸)
【0134】
エーテルという場合はすべてジエチルエーテルであり、ブラインはNaCl飽和水溶液である。特記しないかぎり、すべての温度は℃(セ氏)であらわす。特記しないかぎり、不活性雰囲気下、室温においてすべての反応を行う。
【0135】
Varian VXR-300、Varian Unity-300、Varian Unity-400 装置、Brucker AVANCE-400、Bruker AM 400 分光計 または General Electric QE-300にてH NMRスペクトル(以下、「NMR」という)を記録した。100万あたりの部数で化学シフトを表す(ppm,δ単位)。結合定数はヘルツ(Hz)単位である。スプリッティングパターンは見かけの多重度を示し、s(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、quint(クインテット)、m(マルチプレット)、br(ブロード)とする。
【0136】
エレクトロスプレーイオン化を用いてオープンアクセスLC−MSシステムで質量スペクトルを取った。LC条件:3.2分で4.5%から90%のCH3CN(0.02% TFA)、0.4分ホールドおよび1.4分再平衡化; MS、214 nmにおけるUVおよび光散乱検出器(ELS)により検出。カラム: 1 X 40 mm Aquasil (C18)。
【0137】
調製用(prep)hplcには、約50mgの最終生成物を500μlのDMSOに溶解し、50x20mm(内径)のYMC CombiPrep ODS-A カラムに20mL/分で、H2O (0.1% TFA)中10% CH3CN (0.1% TFA)から90% CH3CN (0.1% TFA)まで10分間のグラジエント、次いで、2分ホールドとした。Merck シリカゲル 60 (230 − 400 メッシュ)でフラッシュクロマトグラフィーを行った。
【0138】
1mmのNaClセルを用いてNicolet 510 FT−IR スペクトル計にて赤外(IR)スペクトルを得た。
【0139】
0.25 mm E. Merck シリカゲルプレート (60F−254)での薄層クロマトグラフィーにより大部分の反応をモニターし、UV光、5%エタノール性ホスホモリブデン酸またはp−アニスアルデヒド溶液を用いて可視化した。
【0140】
実施例1
2−アミノ−4−{4−[3−(2−フルオロ−5−チルフルオロメチル−フェニル)− ウレイド]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミド
【化5】
Figure 2005504806
スキーム1および2に示す手順と同様の手順に従って実施例1を得た。
a) 2−アミノ−4−(4−ニトロ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド
元素イオウ(0.32g,10mmoles,1当量)、シアノアセトアミド(0.84g,10mmoles,1当量)およびp−ニトロ−アセトフェノン(1.65g,10mmoles)を微細粉末にまで粉砕し、2mLのエタノールおよび2mLのモリホリンで処理した。スラリーを室温で一晩撹拌し、20mLの塩化メチレンおよび25mLのブライン中に注いだ。有機層を保存し、水層を2x15mLの塩化メチレンで抽出した。有機層を一緒にし、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(50%酢酸エチル−ヘキサン)により精製して2−アミノ−4−(4−ニトロ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミドを得た。TLC (50%酢酸エチル−ヘキサン) = 0.30. LC−MS (m/e) = 264.0 (MH+)。H−NMR (CDCl): ppm 6.1 (s, 1H), 7.5 (d, 2H, J=8.8 Hz), 8.2 (d, 2H, J=8.8 Hz)。
【0141】
b) 2−アミノ−4−(4−アミノ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド
2−アミノ−4−(4−ニトロ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド(40mg,0.15mmoles,1当量)を5mLの6M HCl溶液に懸濁し、元素スズ(96mg,0.80mmoles,5.3当量)で処理した。TLCにより判断すると反応は15分で完了した。溶液を濃水酸化アンモニウムで処理してpH10とし、次いで、10mLのブラインおよび20mLの塩化メチレンで希釈した。有機層を保存し、水層を2x20mLの塩化メチレンで洗浄した。有機層を一緒にし、20mLのブラインで洗浄し、固体硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固させた。粗2−アミノ−4−(4−アミノ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミドをそのまま次工程に使用した。TLC (80%酢酸エチル−ヘキサン) = 0.52。LC−MS (m/e) = 234.2 (MH+)。H−NMR (CDCl): ppm 5.9 (s, 1H), 6.6 (d, 2H, J=8.0 Hz), 7.1 (d, 2H, J=8.0 Hz)。
【0142】
c) 2−アミノ−4−{4−[3−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミド
粗2−アミノ−4−(4−アミノ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド(0.15mmoles,1当量)を5mLのTHFに溶解し、400μlのTHF中0.35M 2−フルオロ−2−トリフルオロメチル−フェニルイソシアナート(0.15mmoles,1当量)の溶液で処理した。1時間後、反応混合物を1mLのメタノールおよび1mLのトリエチルアミンで希釈し、30分撹拌し、濃縮乾固させた。残渣をprepHPLCにより精製して、純粋な2−アミノ−4−{4−[3−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミドを得た。TLC (60%酢酸エチル) = 0.35。LC−MS (m/e) = 439.2 (MH+)。
【0143】
実施例2
2−アミノ−4−[4−(3−フェニル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド
【化6】
Figure 2005504806
【0144】
粗2−アミノ−4−(4−アミノ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド(0.15mmoles,1当量)を5mLのTHFに溶解し、400μlのTHF中の0.35Mフェニルイソシアナート(0.15mmoles,1当量)の溶液で処理する。TLC分析により判断して反応が完結したら、反応混合物を1mLのメタノールおよび1mLのトリエチルアミンで希釈し、30分撹拌し、濃縮乾固させる。残渣をprepHPLCにより精製して、純粋な2−アミノ−4−[4−(3−フェニル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミドを得た。
【0145】
実施例3
2−アミノ−4−[4−[3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−ウレイド]−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド
【化7】
Figure 2005504806
粗2−アミノ−4−(4−アミノ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド(0.15mmoles,1当量)を5mLのTHFに溶解し、400μlのTHF中の2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルイソシアナート(0.15mmoles,1当量)の溶液で処理した。TLCにより判断して反応が完結したら、反応混合物を1mLのメタノールおよび1mLのトリエチルアミンで希釈し、30分撹拌し、濃縮乾固させる。残渣をprepHPLCにより精製して、純粋な2−アミノ−4−[4−[3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−ウレイド]−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミドを得た。
【0146】
実施例4
2−アミノ−4−[4−(3−インダン−5−イル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド
【化8】
Figure 2005504806
粗2−アミノ−4−(4−アミノ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド(0.15mmoles,1当量)を5mLのTHFに溶解し、400μlのTHF中の5−インダニルイソシアナート(0.15mmoles,1当量)の溶液で処理した。TLCにより判断して反応が完結したら、反応混合物を1mLのメタノールおよび1mLのトリエチルアミンで希釈し、30分撹拌し、濃縮乾固させる。残渣をprepHPLCにより精製して、純粋な2−アミノ−4−[4−(3−インダン−5−イル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミドを得た。
【0147】
実施例5
2−アミノ−4−{4−[(1−[2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル]−メタノイル)−アミノ]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミド
【化9】
Figure 2005504806
粗2−アミノ−4−(4−アミノ−フェニル)−チオフェン−3−カルボン酸アミド(0.15mmoles,1当量)を1mLのDMFに溶解し、1mLのDMF中の2-フルオロ-5-トリフルオロメチル安息香酸(0.20mmoles,1.3当量)およびHBTU(0.20mmoles,1.3当量)の溶液に添加した。この溶液に0.5mLのトリエチルアミンを添加した。TLCにより分析して反応が完結するまで溶液を室温で撹拌した。粗反応混合物を調製用HPLCにより精製して、所望2−アミノ−4−{4−[(1−[2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル]-メタノイル)-アミノ]-フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミドを得た。
【0148】
生物学的データ
下記方法の1つまたはそれ以上により、化合物をTIE−2キナーゼおよびVEGFRキナーゼ阻害活性に関して試験する。
【0149】
TIE−2酵素アッセイ(TIE2−E)
TIE−2酵素アッセイはLANCE法(Wallac)およびGST−TIE2、バキュロウイルスにより発現されたヒトTIE2の組み換え構築物(GSTによりタグを付したアミノ酸762−1104,GenBank受託番号L06139)を用いるものである。該方法は、γ−ホスファートをATPからビオチン化合成ペプチドD1−15(ビオチン-C6-LEARLVAYEGWVAGKKKアミド)中のチロシン残基上に転移させる精製酵素の能力を測定するものである。このペプチドのリン酸化を下記の手順を用いて検出する:酵素をプレアクチベーションするために、22.5mMのHEPESバッファー(pH7.4)中で2 mM ATP, 5 mM MgCl2 および 12.5 mM DTTとともにGST−TIE2を室温で30分インキュベーションする。プレアクチベーションされたGST−TIE2を、86ウェルプレート中室温で、1mMのHEPESバッファー中、1 uM D1-15 ペプチド, 80 uM ATP, 10 mM MgCl2, 0.1mg/ml BSA および 試験化合物 (DMSO中10mMストックから希釈して最終DMSO濃度2.4%)とともに30分インキュベーションする。EDTA(最終濃度45mM)を添加することにより反応を停止させる。
次いで、ストレプトアビジン結合−APC(allophycocyanin, Molecular Probe)およびユーロピウム標識抗−リン酸化チロシン抗体(Wallac)を添加して、最終濃度をそれぞれ17μg/ウェルおよび2.1μ/ウェルとする。ARVOマルチラベルカウンター(Wallac Berthold Japan)を用いてAPCシグナルを測定する。ブランク対照ウェルに対する活性の阻害パーセントを計算する。非線形回帰(Levernberg−Marquardt)および等式y = Vmax (1-x/(K+x)) + Y2[式中、KはIC50に等しい]を用いて活性を50%阻害する試験化合物の濃度(IC50)を内挿する。モラー濃度としてのIC50値をpIC50値、すなわちlogIC50に変換する。
【0150】
TIE−2自己リン酸化アッセイ(TIE2−C)
TIE−2リン酸化アッセイはELISA法およびTIE−2細胞内ドメイン/c−fms細胞外ドメイン(TIE2/c−fms)キメラ蛋白発現マウス3T3細胞を用いるものである。このアッセイは細胞において発現されたTIE2蛋白の自己リン酸化レベルを測定するものである。加湿10% CO2、90%空気のインキュベーターにて、10%血清を含有する高グルコースDMEM(Sigma)中、37℃で細胞を培養する。試験化合物(DMSO中10mMストックから希釈して最終DMSO濃度0.1%)をTIE2/c−fms発現細胞とともに、96ウェル中の無血清DMEM中にて1時間インキュベーションし、次いで、c−fmsリガンドであるMCSF(マクロファージコロニー刺激因子)を用いてTIE2/c−fms受容体を活性化させる。培地を吸引除去し、20mMのTris−HCl(pH8.0中)137 mM NaCl, 2mM EDTA, 10% グリセロール, 0.09 ml オルトバナジン酸ナトリウムおよび完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)を含有する溶解バッファーとともに氷上で少なくとも30分細胞をインキュベーションする。96ウェルプレートにコーティングされたラット抗−c−fms抗体中に細胞抽出物を移し、4℃で12時間インキュベーションする。抽出物を吸引除去し、プレートをビオチン化抗−ホスホチロシン抗体PT66(sigma)とともにインキュベーションし、次いで、HRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)−標識ストレプトアビジン(PIERCE)とともにインキュベーションする。HRPにより触媒されるTMBに由来する450nmにおける光学密度をARVOマルチラベルカウンター(Wallac Berthold Japan)にて測定する。ブランク対照ウェルに対する活性阻害パーセントを計算する。非線形回帰(Levernberg−Marquardt))および等式y = Vmax (1-x/(K+x)) + Y2[式中、KはIC50に等しい]を用いて、活性を50%阻害する試験化合物の濃度(IC50)を内挿する。モラー濃度のIC50値をpIC50値、すなわち−logIC50に変換する。
【0151】
Tie2蛍光分極キナーゼ活性アッセイ(TIE2−FP)
組み換え型Tie2の活性化:
室温において、20mM Tris-HCl, pH 7.5, 12mM MgCl2, 100mM NaCl, 20μM バナジン酸ナトリウム, 1mM DTT および 300μM ATP中で酵素を2時間インキュベーションすることにより組み換え型GST−Tie2を活性化させる。次いで、活性化混合物をNAP−25脱塩カラム(Pharmacia Biotech カタログ番号 17-0852-02)にかけて遊離ATPを除去する。活性化酵素を小分けして20mM Tris-HCl, pH 7.5 および 100mM NaCl中で−80℃にて保存する。
【0152】
アッセイ条件:
最終的なアッセイ条件は:50mM HEPES, pH 7.5, 5% DMSO (化合物をスクリーニングする場合), 200μM ATP, 5mM MgCl2, 1mM DTT, 50μM バナジン酸ナトリウム, 1nM 活性化酵素, および 200μM ペプチドである。飽和濃度以下のATP(200μM)および種々の濃度の活性化Tie2およびペプチド基質(RFWKYEFWR-OH; MW 1873 Da, TFA塩)の下で化合物のIC50を測定する。Panvera抗−ホスホチロシン抗体(カタログ番号P2840)およびPTKグリーントレーサー(カタログ番号P2842)を用いてリン酸化ペプチドを検出する。室温において30分間、138秒サイクルでTECAN Polarionにて分極を測定する。次いで、通常の計算方法を用いて、分極%からIC50を決定する。
【0153】
実施例1に従って調製された2−アミノ−4−{4−[3−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミドをTIE2−FPアッセイにより試験したところ、pIC50>7.0を得た。
【0154】
VEGF−R2酵素アッセイ(VEGF−E)
VEGF酵素アッセイはLANCE法(Wallac)およびGSTによりタグを付されたヒトTIE2の細胞内ドメインのバキュロウイルス発現組み換え構築物であるGST−VEGFR2を用いるものである。該方法は、γ−ホスファートをATPからビオチン化合成ペプチド(ビオチン−アミノヘキシル−EEEEYFELVAKKKK−NH2)中のチロシン残基上に転移させることを触媒する精製酵素の能力を測定するものである。下記手順に従ってこのペプチドのリン酸化を検出する。100mM HEPESバッファー中の75uM ATP, 5 mM MgCl2, 0.1mM DTT, 0.1mg/mL BSA および 試験化合物 (DMSO中10mMのストックから所望濃度に希釈)とともにGST−VEGFR2を室温で40−60分インキュベーションする。EDTA(最終濃度50mM)を添加することにより反応を停止させる。次いで、ストレプトアビジン結合−APC(アロフィコシアニン, Molecular Probe)およびユーロピウム標識抗−リン酸化チロシン抗体(Wallac)を添加して最終濃度をそれぞれ15nMおよび1nMとする。ARVOマルチラベルカウンター(Wallac Berthold, Japan)を用いてAPCシグナルを測定する。ブランク対照ウェルに対する活性阻害パーセントを計算する。非線形回帰(Levernberg−Marquardt))および等式y = Vmax (1−x/(K+x)) + Y2[式中、KはIC50に等しい]を用いて、活性を50%阻害する試験化合物の濃度(IC50)を内挿する。モラー濃度のIC50値をpIC50値、すなわち−logIC50に変換する。
【0155】
VEGFにより駆動される細胞増殖アッセイ」:BrdU取り込みアッセイ(VEGF−C)
ヒト臍帯内皮細胞(HUVEC, Clonetics, CC2519)をタイプIコラーゲン被覆100mmペトリ皿中のEGM−MV培地(Clonetics, CC3125)中、加湿5% CO,95%空気雰囲気下のインキュベーターにて37℃で継代する(6回以上継代されたHUVECを捨てて、アッセイに供さない)。トリプシン/EDTAを用いて細胞を集め、血球計数盤を用いてカウントし、タイプIコラーゲンで被覆された96ウェルプレート(Becton Dickinson, 354407)中の5% FBS(Hyclone, A 1115−L)およびゲンタマイシン(50 ug/ml, Gibco BRL)を含有するM199培地(Gibco BRL, 12340−030)中に5000個/ウェルとなるように撒く。37℃で一晩インキュベーション後、培地を100μlの0.6% DMSOおよびゲンタマイシンならびに種々濃度の化合物を含むM199に置換した。化合物を、100% DMSO中の10mMストック溶液から無血清M199培地で希釈する。37℃で30分インキュベーション後、細胞にゲンタマイシン、0.2%培養グレードのウシ血清アルブミン(BSA, Sigma A1993)および20ng/mlのVEGF(R&D systems, 293−VE)または0.6ng/mlの塩基性FGF(R&D systems, 233−FB)を含有する100μlの無血清M199培地をフィードし、37℃でさらに24時間インキュベーションした。ブロモデオキシウリジン(無血清M199中10uMのBrdU)を37℃でさらに24時間細胞にパルスした。製造者の指示に従ってBrdU細胞増殖ELISA(Roche Molecular Biochemicals, 1647229)を用いて増殖中のHUVEC中へのBrdUの取り込みを分析する。マルチラベルカウンター(ARVO SX, Wallac)を用いて450nmにおける光学密度を測定する。ブランク対照に対する細胞増殖の阻害パーゼントを計算する。非線形回帰(Levernberg−Marquardt))および等式y = Vmax (1−x/(K+x)) + Y2[式中、KはIC50に等しい]を用いて、細胞増殖を50%阻害する試験化合物の濃度(IC50)を内挿する。モラー濃度のIC50値をpIC50値、すなわち−logIC50に変換する。

Claims (17)

  1. 式(I):
    Figure 2005504806
    (I)
    [式中、Aはアリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−RR、−C(O)OR、−C(O)NR、または−C(O)Rであり、ここにアリール、ヘテロアリール、およびヘテロサイクリルは置換されていてもよく(少なくとも1個の独立して選択されるR基で置換されたアリールまたはヘテロアリールを包含するが、それらはさらに置換されていてもよい);
    Dは水素、C−Cアルキル、ハロ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−RR、−C(O)OR、−C(O)NR、または−C(O)Rであり、ここにアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロサイクリルは置換されていてもよく(少なくとも1個の独立して選択されるR基で置換されたアリールまたはヘテロアリールを包含するが、それらはさらに置換されていてもよい);
    RはC−Cアルキレン、C−Cアルケニレン、またはC−Cアルキニレンから独立して選択され、ここにアルキレン、アルケニレン、およびアルキニレンは置換されていてもよく;
    は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシ、ヘテロサイクリル、−C(O)OR、または−C(O)NRであり、ここに両方のRは同時にはHでなく、ここにアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アリールオキシおよびヘテロサイクリルは置換されていてもよく(少なくとも1個の独立して選択されるR基で置換されたアリールまたはヘテロアリールを包含するが、それらはさらに置換されていてもよい);
    はハロ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−CN、−NHC(O)R、−NHC(S)R、−NR、RNR、−SR、−S(O)、−RC(O)OR、−C(O)OR、−C(O)R、−C(O)NR、−NHS(O)、−S(O)NR、または−NHC(=NH)Rから独立して選択され、ここにアルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルコキシ、アリール、アラルキル、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロサイクリルは置換されていてもよく;
    は水素、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロサイクリル、−RR、−NR’’’R’’’’、または−NR’NR’’’R’’’’から独立して選択され;ここにアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロサイクリルは置換されていてもよく;
    は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、シアノアルキル、−R’R’’、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−NHC(O)OR’’’、−R’NHC(O)OR’’’、−R’NHC(O)NR’’’R’’’’、または−R’C(O)OR’’’から独立して選択され;ここにアルキル、シクロアルキル、シアノアルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロアリールは置換されていてもよく;
    は水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、シアノアルキル、−R’R’’、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、−C(O)OR’’’、または−R’C(O)NR’’’R’’’から独立して選択され;ここにアルキル、シクロアルキル、シアノアルキル、アリール、アラルキル、およびヘテロアリールは置換されていてもよく;
    は水素、C−Cアルキル、またはアリールから独立して選択され;ここにアルキルおよびアリールは置換されていてもよく;
    R’は置換されていてもよいC−Cアルキレンから独立して選択され;
    R’’は置換されていてもよいヘテロアルキルまたはNR’’’R’’’’から独立して選択され;
    R’’’は水素、C−Cアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、またはC−Cシクロアルキルから独立して選択され;ここにアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、およびシクロアルキルは置換されていてもよく;
    R’’’’は水素、C−Cアルキル、アリール、ヘテロアリール、またはC−Cシクロアルキルから独立して選択され;ここにアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびシクロアルキルは置換されていてもよい]で示される化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  2. Aが少なくとも1個の独立して選択されるR基で置換されており、さらに置換されていてもよいアリールである請求項1記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  3. が水素である請求項1記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  4. Dが水素である請求項3記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  5. Aが少なくとも1個の独立して選択されるR基で置換されており、さらに置換されていてもよいアリールであり;
    が−NHC(O)Rであり;
    が−NR’’’R’’’’であり;
    およびRが価数の点から許容されるように置換されており;
    が水素であり;
    Dが水素
    である請求項1記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  6. Aが少なくとも1個の独立して選択されるR基で置換されており、さらに置換されていてもよいフェニルであり;
    が−NHC(O)Rであり;
    が−NR’’’R’’’’であり;
    R’’’が水素であり;
    R’’’’が置換されていてもよいアリールであり;
    、R、およびR’’’’が価数の点から許容されるように置換されており;
    が水素であり;
    Dが水素
    である請求項5記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  7. 下記のもの:
    2−アミノ−4−{4−[3−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
    2−アミノ−4−[4−(3−フェニル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
    2−アミノ−4−[4−[3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−ウレイド]−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド;
    2−アミノ−4−[4−(3−インダン−5−イル−ウレイド)−フェニル]−チオフェン−3−カルボン酸アミド;および
    2−アミノ−4−{4−[(1−[2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニル]−メタノイル)−アミノ]−フェニル}−チオフェン−3−カルボン酸アミド
    からなる群より選択される請求項1記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  8. 治療上有効量の請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体、ならびに1またはそれ以上の医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤を含み、抗新生物剤であるさらなる薬剤および/または血管形成を阻害する薬剤をさらに含んでいてもよい医薬組成物。
  9. 哺乳動物における疾病の治療方法であって、該疾病が不適切なTIE−2キナーゼおよびVEGFR−2キナーゼ活性の少なくとも1つにより媒介されるものであり、治療上有効量の請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体を該哺乳動物に投与することを特徴とする方法。
  10. 治療に用いられる請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体。
  11. 不適切なTIE−2キナーゼおよびVEGFR−2キナーゼ活性の少なくとも1つにより媒介される疾病の治療に使用される医薬の製造、および/または不適切な血管形成により特徴づけられる疾病の治療に使用される医薬の製造における請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体の使用であって、例えば、該疾病が癌であるか、そして/あるいは哺乳動物がかかっている疾病が新たな血管新生および/または血管透過性に関連した疾病の領域における細胞の増殖により特徴付けられるものである使用。
  12. 治療上有効量の請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物における癌の治療方法であって、さらに治療上有効量の少なくとも1のさらなる抗癌剤を、例えば、請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体の投与と同時に、その前、および/またはその後に投与することをさらに特徴とする方法。
  13. 哺乳動物における新たな血管新生および/または血管透過性に関連した疾病の領域における細胞増殖により特徴付けられる疾病にかかっている哺乳動物の治療方法であって、治療上有効量の請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体を該哺乳動物に投与することを特徴とする方法。
  14. 哺乳動物における疾病の治療方法であって、該疾病が哺乳動物における不適切なTIE−2キナーゼおよびVEGFR−2キナーゼ活性の少なくとも1つにより媒介されるものであり、治療上有効量の(i)請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体、および(ii)成長因子受容体機能を阻害する薬剤を哺乳動物に投与することを特徴とし、例えば、成長因子受容体機能を阻害する薬剤が、血小板由来成長因子受容体の機能、上皮成長因子受容体の機能、erb2受容体の機能、erb4受容体の機能、VEGF受容体の機能、および/またはTIE−2受容体の機能を阻害する薬剤から選択されるものであり、例えば、成長因子受容体機能を阻害する薬剤が上皮成長因子受容体およびerb2受容体の機能を阻害するものであり、上皮成長因子受容体、erb2受容体、およびerb4受容体の少なくとも2つの機能を阻害するものであり、あるいはVEGF受容体およびTIE−2受容体の少なくとも1つの機能を阻害するものである、方法。
  15. 該疾病が不適切な血管形成により特徴づけられ、さらに治療上有効量のVEGFR2阻害剤を投与することを特徴としてもよい、哺乳動物における疾病の治療方法であって、請求項1ないし7のいずれか1項記載の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは生理学的に機能的な誘導体を該哺乳動物に投与することを特徴とするものであり、例えば、不適切な血管形成が、不適切なVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3またはTIE−2キナーゼ活性の少なくとも1つ、特にVEGFR2キナーゼまたはTIE−2キナーゼ活性の少なくとも1つから生じるものである方法。
  16. 請求項1ないし7のいずれか1項の記載の化合物がTIE−2キナーゼまたはVEGFR−2キナーゼ活性の少なくとも1つを阻害するものである請求項15記載の方法。
  17. 疾病が癌であるか、あるいは新たな血管形成および/または血管透過性に関連した疾病の領域における細胞の増殖により特徴づけられる哺乳動物の疾病である請求項9および14ないし16のいずれか1項に記載の方法。
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