JP2005501721A - ロードホイール成型用ダイ - Google Patents
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Abstract
【課題】第１は、溶湯の送りプロセスを工夫したダイを提供する。第２は、Ｘ線透視可能の気泡をなくし、第３に、高い均一性をもち、改善された機械的特徴をもったホイールを作り、さらに、一工程の周期時間、特に充填、送り、固化の工程時間を短縮し、かつ、構造が簡単で、従来のシステムおよび技術で製造ができるダイを提供する。
【解決手段】上記の目的を達成するためこの発明のロードホイール成型用のダイは、充填溶湯を容れるくぼみを形成する下方部位、上方部位、側面部位とからなるダイにおいて、設計上のホイール（the design of wheel）に、前記ダイ下方部位と上方部位とがダイを閉じたときに夫々接合する少なくとも２箇所に開口部を設け、その開口箇所を溶湯充填孔としたことを特徴としている。
【選択図】図１
【解決手段】上記の目的を達成するためこの発明のロードホイール成型用のダイは、充填溶湯を容れるくぼみを形成する下方部位、上方部位、側面部位とからなるダイにおいて、設計上のホイール（the design of wheel）に、前記ダイ下方部位と上方部位とがダイを閉じたときに夫々接合する少なくとも２箇所に開口部を設け、その開口箇所を溶湯充填孔としたことを特徴としている。
【選択図】図１
Description
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ロードホイール（on-road vehicle wheels）成型用ダイに関する。
【背景技術】
【０００２】
現在、低圧ダイカストによる軽金属合金製ホイールは、ホイール成形用の充填材（filling material）が、くぼみ（impression）の中心となるダイ中心部から供給されるいわゆるシェルタイプ（shell-type）のダイで成型されている。
【０００３】
ダイは開閉動作を行う油圧プレスに固定されている。ダイの支持ベッドの下方に、溶融合金を保有した圧力炉（pressurized furnace）が設けられ、金属溶湯は、低圧でライザー（riser）を介してダイ中心部に送られる。充填のプロセスはすべて電気的に制御される。
【０００４】
ダイは、５〜６分の機械周期（machine cycle）で充填、送り、冷却、固化、形成、最後に次のホイールのための準備という一連のプロセスの一環として充填される。
【０００５】
ホイールの中心から充填溶湯を送り込むことによって溶湯（充填材）が万篇なく行き渡り、乱流の問題を起すことなく、ホイールが小さく単純な形状な場合はスムースな流れになる。
【０００６】
しかし、ホイール設計が、形状や厚みにおいて複雑なときはＸ線透視で観察可能な気泡が発生する。通常、こうした気泡は、金属溶湯の乱流や過熱が原因で起こる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、そうした従来技術の問題点を解決することを目的とした、ホイール成型用ダイ、特にロードホイール成型用のダイを提供せんとするものである。
【０００８】
概説すると、第１の目的は、溶湯の送りプロセスを改良したダイを提供することである。
【０００９】
第２の目的は、Ｘ線透視で見えるような気泡を内在することなくホイールを形成できるダイを提供することである。
【００１０】
第３の目的は、高い均一性をもったホイールを作ることのできるダイを提供することである。
【００１１】
第４の目的は、改良された機械的特徴をもったホイールを作ることのできるダイを提供することである。
【００１２】
第５の目的は、一機械工程の周期時間、特に充填、送り、固化の工程時間を短くできるダイを提供することである。
【００１３】
第６の目的は、構造が簡単で、従来のシステムおよび技術で製造ができるダイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上記の目的を達成するためこの発明のロードホイール成型用のダイは、充填溶湯を容れるくぼみを形成する下方部位、上方部位、側面部位とからなるダイにおいて、設計上のホイール（the design of wheel）に、前記ダイ下方部位と上方部位とがダイを閉じたときに夫々接合する少なくとも２箇所に開口部を設け、その開口箇所を溶湯充填孔としたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
図１に示す第１実施例においてダイは全体として符号10で示す。ダイ10は、圧力炉12の上方に配置されたダイ下方部位（底部）11と、ダイ上方部位（凸型プラグ）13と、全体的に環状をなすダイ側面部14とからなり、さらに、閉じられると下方部位と上方部位とがホイール形成用の溶湯を保有するくぼみ（impression）を有する。
【００１６】
ダイ上方部位13は、環状体13bとそれに固定された環状体13aとからなる。すなわち、環状体と環状体とはホイール15の背面形状を形成できるように下方部位に向けた形状となっている。
【００１７】
これに対しダイ下方部位11はホイール15の正面部分を形成できるように上方に向けた形状となっている。
【００１８】
ダイ10には二箇所の充填口が、詳細は後述するが、設計上のホイール15の二箇所に開口部17として設けらる。ダイ10が閉じられると、ダイ下方部位11とダイ上方部位13とは夫々同開口部に接合する。
【００１９】
実際的には充填口は炉からの溶湯を通すように形成される。充填口はダイ下方部位11のスルーホール１６により形成されている。スルーホールは、設計上のホイール１５に間隔をあけて形成した開口17aで、炉12に固定され、ダクト（後述）終端部に位置する。
【００２０】
ダクトはチャネル１９により構成され、チャネル19は、ダイ下方部位11の下方に各スルーホール16に対し1個の関係で設けられ、炉12に接続された共通のライザー20に接続されている。
【００２１】
チャネル19は、ライザー20の上端部から放射状に延び、ライザーは、ダイ10の下方の中央部に設けられ、スルーホール16部分で略垂直に終端し終端部19ａとなる。
【００２２】
ダイ上方部位13は、ダイ下方部位11のスルーホール11部分にホイール15に対し略放射状をなし、ホイール15の中央部と外縁において溶湯の取り口となる。
【００２３】
凹部(cavities)21においてダイ上方部位１３はさらに固定された溶湯案内手段22を備えている。
【００２４】
図２は、この発明によるロードホイール成型用ダイの第２実施例であり、符号110で示す。ダイ110は、ダイ下方部位111、上方部位113、側面部114からなり、これらは実質的に実施例１と同じである。
【００２５】
第１実施例との違いは、第２のダイ110は圧力炉112に接続された二個のライザー120を有する点である。ライザーはダイ下方部位111の各スルーホール116に対し設けられている。ライザー120には、一例として圧力炉112から直接溶湯が供給される。
【００２６】
この発明のロードホイール成型用ダイ10および110の作用を説明すると、ダイは、充填工程、送り工程、冷却工程、固化工程、仕上工程と、最後に次のホイール成型過程の準備工程という一連のプロセスを経てホイールを成型する。
【００２７】
設計上のホイールの開口部17にある注ぎ口から溶湯をホイールの中心部と外縁部とに同時に流し込むことができる。溶湯は均一に分配され、攪流を起すことなく、平均した流し込みができる。
【００２８】
万一、ダイ下方部位のスルーホールに接続された放射状チャネルが中央の溶湯を分枝するようなことがあったとしても溶湯の送りは円滑であり、エックス線透視気泡の心配はなく、最終製品は均質な機械的特性のものとなる。
【００２９】
さらに、工程時間、特に溶湯の充填時間、送り時間、固化時間はは著しく短縮される。
【００３０】
もし、ダイが圧力炉から直接複数のライザーに送り込むようにすれば上記利点に加えて工程時間と準備時間とはさらに短縮されることになる。
【００３１】
実験の結果、所期の目的は十分果たされたことが確認できた。
【００３２】
上記した実施例はいずれも本発明の一例を示すものであり、発明の要旨内において種々の変更は可能であり、これらの実施例に限定されるものではない。
【００３３】
材料、大きさは適宜条件に応じて変更は可能である。
【００３４】
公知文献として本願の基礎出願であるイタリー特許PD2001Ａ000208を提示する。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明のロードホイール成型用ダイの第１実施例の側面断面図。
【図２】本発明のロードホイール成型用ダイの第２実施例の側面断面図。
【図３】図２に示す第２実施例の炉蓋の平面図。
【図４】本発明により構成されたダイの下方部位の平面図。
【図５】図４に示すダイの下方部位の横断面図。
【図６】ダイの上方部位の平面図。
【図７】図６に示すダイの上方部位の断面図。
【０００１】
この発明は、ロードホイール（on-road vehicle wheels）成型用ダイに関する。
【背景技術】
【０００２】
現在、低圧ダイカストによる軽金属合金製ホイールは、ホイール成形用の充填材（filling material）が、くぼみ（impression）の中心となるダイ中心部から供給されるいわゆるシェルタイプ（shell-type）のダイで成型されている。
【０００３】
ダイは開閉動作を行う油圧プレスに固定されている。ダイの支持ベッドの下方に、溶融合金を保有した圧力炉（pressurized furnace）が設けられ、金属溶湯は、低圧でライザー（riser）を介してダイ中心部に送られる。充填のプロセスはすべて電気的に制御される。
【０００４】
ダイは、５〜６分の機械周期（machine cycle）で充填、送り、冷却、固化、形成、最後に次のホイールのための準備という一連のプロセスの一環として充填される。
【０００５】
ホイールの中心から充填溶湯を送り込むことによって溶湯（充填材）が万篇なく行き渡り、乱流の問題を起すことなく、ホイールが小さく単純な形状な場合はスムースな流れになる。
【０００６】
しかし、ホイール設計が、形状や厚みにおいて複雑なときはＸ線透視で観察可能な気泡が発生する。通常、こうした気泡は、金属溶湯の乱流や過熱が原因で起こる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明は、そうした従来技術の問題点を解決することを目的とした、ホイール成型用ダイ、特にロードホイール成型用のダイを提供せんとするものである。
【０００８】
概説すると、第１の目的は、溶湯の送りプロセスを改良したダイを提供することである。
【０００９】
第２の目的は、Ｘ線透視で見えるような気泡を内在することなくホイールを形成できるダイを提供することである。
【００１０】
第３の目的は、高い均一性をもったホイールを作ることのできるダイを提供することである。
【００１１】
第４の目的は、改良された機械的特徴をもったホイールを作ることのできるダイを提供することである。
【００１２】
第５の目的は、一機械工程の周期時間、特に充填、送り、固化の工程時間を短くできるダイを提供することである。
【００１３】
第６の目的は、構造が簡単で、従来のシステムおよび技術で製造ができるダイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【００１４】
上記の目的を達成するためこの発明のロードホイール成型用のダイは、充填溶湯を容れるくぼみを形成する下方部位、上方部位、側面部位とからなるダイにおいて、設計上のホイール（the design of wheel）に、前記ダイ下方部位と上方部位とがダイを閉じたときに夫々接合する少なくとも２箇所に開口部を設け、その開口箇所を溶湯充填孔としたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
図１に示す第１実施例においてダイは全体として符号10で示す。ダイ10は、圧力炉12の上方に配置されたダイ下方部位（底部）11と、ダイ上方部位（凸型プラグ）13と、全体的に環状をなすダイ側面部14とからなり、さらに、閉じられると下方部位と上方部位とがホイール形成用の溶湯を保有するくぼみ（impression）を有する。
【００１６】
ダイ上方部位13は、環状体13bとそれに固定された環状体13aとからなる。すなわち、環状体と環状体とはホイール15の背面形状を形成できるように下方部位に向けた形状となっている。
【００１７】
これに対しダイ下方部位11はホイール15の正面部分を形成できるように上方に向けた形状となっている。
【００１８】
ダイ10には二箇所の充填口が、詳細は後述するが、設計上のホイール15の二箇所に開口部17として設けらる。ダイ10が閉じられると、ダイ下方部位11とダイ上方部位13とは夫々同開口部に接合する。
【００１９】
実際的には充填口は炉からの溶湯を通すように形成される。充填口はダイ下方部位11のスルーホール１６により形成されている。スルーホールは、設計上のホイール１５に間隔をあけて形成した開口17aで、炉12に固定され、ダクト（後述）終端部に位置する。
【００２０】
ダクトはチャネル１９により構成され、チャネル19は、ダイ下方部位11の下方に各スルーホール16に対し1個の関係で設けられ、炉12に接続された共通のライザー20に接続されている。
【００２１】
チャネル19は、ライザー20の上端部から放射状に延び、ライザーは、ダイ10の下方の中央部に設けられ、スルーホール16部分で略垂直に終端し終端部19ａとなる。
【００２２】
ダイ上方部位13は、ダイ下方部位11のスルーホール11部分にホイール15に対し略放射状をなし、ホイール15の中央部と外縁において溶湯の取り口となる。
【００２３】
凹部(cavities)21においてダイ上方部位１３はさらに固定された溶湯案内手段22を備えている。
【００２４】
図２は、この発明によるロードホイール成型用ダイの第２実施例であり、符号110で示す。ダイ110は、ダイ下方部位111、上方部位113、側面部114からなり、これらは実質的に実施例１と同じである。
【００２５】
第１実施例との違いは、第２のダイ110は圧力炉112に接続された二個のライザー120を有する点である。ライザーはダイ下方部位111の各スルーホール116に対し設けられている。ライザー120には、一例として圧力炉112から直接溶湯が供給される。
【００２６】
この発明のロードホイール成型用ダイ10および110の作用を説明すると、ダイは、充填工程、送り工程、冷却工程、固化工程、仕上工程と、最後に次のホイール成型過程の準備工程という一連のプロセスを経てホイールを成型する。
【００２７】
設計上のホイールの開口部17にある注ぎ口から溶湯をホイールの中心部と外縁部とに同時に流し込むことができる。溶湯は均一に分配され、攪流を起すことなく、平均した流し込みができる。
【００２８】
万一、ダイ下方部位のスルーホールに接続された放射状チャネルが中央の溶湯を分枝するようなことがあったとしても溶湯の送りは円滑であり、エックス線透視気泡の心配はなく、最終製品は均質な機械的特性のものとなる。
【００２９】
さらに、工程時間、特に溶湯の充填時間、送り時間、固化時間はは著しく短縮される。
【００３０】
もし、ダイが圧力炉から直接複数のライザーに送り込むようにすれば上記利点に加えて工程時間と準備時間とはさらに短縮されることになる。
【００３１】
実験の結果、所期の目的は十分果たされたことが確認できた。
【００３２】
上記した実施例はいずれも本発明の一例を示すものであり、発明の要旨内において種々の変更は可能であり、これらの実施例に限定されるものではない。
【００３３】
材料、大きさは適宜条件に応じて変更は可能である。
【００３４】
公知文献として本願の基礎出願であるイタリー特許PD2001Ａ000208を提示する。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明のロードホイール成型用ダイの第１実施例の側面断面図。
【図２】本発明のロードホイール成型用ダイの第２実施例の側面断面図。
【図３】図２に示す第２実施例の炉蓋の平面図。
【図４】本発明により構成されたダイの下方部位の平面図。
【図５】図４に示すダイの下方部位の横断面図。
【図６】ダイの上方部位の平面図。
【図７】図６に示すダイの上方部位の断面図。
Claims (9)
- 充填用溶湯を容れるくぼみを形成する下方部位、上方部位、側面部位からなるロードホイール成型用ダイにおいて、設計上のホイールに、前記ダイ下方部位と上方部位とがダイを閉じたときに夫々接合する少なくとも２箇所に開口部を設け、その開口箇所を溶湯充填孔としたことを特徴とするロードホイール成型用ダイ。
- 前記充填孔において下方部位と上方部位とが溶湯の通り道を形成するよう形成された請求項１に記載のロードホイール成型用ダイ。
- ダイ下方部位が炉の上方に設けられ、炉に接続されたダクトからの溶湯が通るスルーホールを、前記充填孔部分に設けたことを特徴とする請求項1に記載のロードホイール成型用ダイ。
- 前記ダクトは各スルーホールごとに一つの割合で設置されたライザーにより構成され、同ライザーに炉から溶湯を供給することを特徴とした請求項３に記載のロードホイール成型用ダイ。
- 前記ダクトは各スルーホールごとに一つの割合で設置され、炉から溶湯を供給される共通のライザーから延出されたチャネルにより構成されたことを特徴とする請求項３記載のロードホイール成型用ダイ。
- 前記チャネルは、前記共通のライザーの上端から放射状に延び、同ライザーは、ダイより下方の略中心部に設けられ、かつ、略垂直に延びダイ下方部位の前記スルーホールで終端している下端部を有したことを特徴とする請求項５に記載のロードホイール成型用ダイ。
- 前記ダイ上方部位は、ダイ下方部位のスルーホールより上方に、前記ダクトから、ダイを閉じたときその上方部位と下方部位とで形成されたくぼみからの溶湯を流し込める凹部を有したことを特徴とする請求項３に記載のロードホイール成型用ダイ。
- 前記凹部は、ホイールに対し放射状をなし、ホイールの中央部と外縁部とにおける溶湯の取り入れ口をなすことを特徴とした請求項７に記載のロードホイール成型用ダイ。
- 前記ダイ上方部位は、ダイ下方部位のスルーホールより上方位置に前記凹部に溶湯を案内する手段を設けたことを特徴とする請求項８に記載のロードホイール成型用ダイ。
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