JP2005500026A - 機能分子層の生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能分子層の細胞表面層の形成および表面結晶構造を作成制御することである。
【解決手段】単量体(SU)またはオリゴマー(SM)の形をした細胞表面層タンパク質を含む溶液を担体表面と接触させることによって、細胞表面層タンパク質(S層タンパク質)(SU,SM,SL)の層を担体表面(CP)上に機能分子の担体として生成する。S層タンパク質を堆積させるために、S層タンパク質(SU)が正味の電荷を有するように溶液中の電気化学的条件を設定する。また、担体表面(CP)の電位を設定することによって、溶液と担体表面との間に電気化学位相差を生成し、その結果S層タンパク質を溶液から担体表面に積もらせる。このように形成された層では、続いて、二次元結晶構造(SL)が形成され、このことは、溶液および/または基板の異なる電気化学的条件下で、S層タンパク質の堆積とは時間的に異なって生じる。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、機能分子の担体として細胞表面層タンパク質(S層タンパク質)を用いて、担体表面上に機能分子層を生成する方法に関し、単量体またはオリゴマーを含む溶液状のS層タンパク質を担体表面と接触させて、S層タンパク質の層を担体表面に堆積し、2次元結晶構造を層中に構築させるようにして形成するものである。
【背景技術】
【0002】
タンパク質(細菌細胞表面層)を含む結晶性細胞表面層から再結晶化S層を固体基板または液体素材上に製造することについて、たとえば欧州特許第0154620B1号(=米国特許第4,752,395号明細書)(特許文献1)に記載があり、具体的には、原核細胞の多層の細胞表面層(以下S層と称する)の生成方法および限外ろ過膜としてこれを使用する方法に関して記載されている。
【0003】
S層は、原核細胞の細胞壁成分として生じるタンパク質からなり、S層タンパクのアミノ酸配列は通常、型特異性または株特異性があり、S層タンパク質は通常、単純タンパク質または糖タンパク質である。現在、細胞表面が結晶構造である細菌株として数百のものが公知である。これらの構造の格子定数は、約3から35nmの範囲内にあり、単分子層としてのS層は大部分が3から30nm厚である。
【0004】
単離された―もとの細胞から単離された―S層タンパク質は、溶液中で集合して、本来の細胞の細胞壁の結晶構造にほぼ相当する単分子格子群(S層)を作る能力を示す。通常、pH値を低下または上昇させることによって、カオトロピック(chaotroper)剤の濃縮溶液中でS層を完全に分離させることができる。S層タンパク質の再構成(「再結晶」)の際、S層タンパク質固有の特性、およびpH値、イオン強度、溶液中のイオン組成などのS層形成条件に応じて、平らな層、円柱などの管状構造、および密閉構造(小胞)が、いわゆる自己集合生成物を形成し、単層のほか、多層S層も形成する。S層構造の形成についての情報はすべて各単量体に含まれているので、S層の形成は自己集合によって生じる。S層は、境界層上、たとえば空気/水の境界上、脂質膜上、シリコンウェハ、電極、または合成ポリマーなどの固体基板面上に好ましくは形成される。S層タンパク質には、電荷分布、疎水性、境界層の成分間での特定の相互作用など特定の表面特性があるので、境界層への付着およびS層結晶格子への組み込みを行うと、S層(単量体、オリゴマー、または小さい晶子)に所定配向が生じる。
【0005】
S層は高度に多孔質の膜であって、S層結晶格子の一部をなす孔は、約2〜6nmの範囲内で均一のサイズと形を有し、多孔率は領域の70%までを占めるまでになる。さまざまな分子を固定するためにS層結晶格子を使用することが公知であるが、これは、S層タンパク質ユニットの面上に配置される官能基の厚みが大きく、官能基の位置および配向が規定されているためである。S層サブユニット間に共有結合を生じさせて、安定性を改善するために、同一の二反応基を架橋するさまざまな長さのアミノ基特異架橋結合剤(たとえばグルタルアルデヒド)によってS層結晶格子を架橋結合する。S層タンパク質の活性化末端基の上に酵素を多く固定すると、S層結晶格子の外側面に分子を強固に結合した単層が形成される。S層タンパク質の極めて特徴的な形態的性質および生物物理学的性質、特に、官能基、および同等のサイズおよび形態の孔によって定義される空間構成を表面に有する単分子の結晶格子に自身を組織化する能力は、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、およびバイオメトリクスにおいて幅広く応用することができる。
【0006】
S層に関するさらなる詳細については、「超分子ポリマー(Supramolecular Polymers)」の5章、ニューヨーク、ア・シッフェリ・マルセル・デッカー株式会社(A Ciferri Marcel Dekker Inc.)編集、2000年(ISBN0−8247−0252−2)のU.B.スレイトル(Sleytr)らの論文「細菌細胞表面の結晶構造層(S層):多用途の自己集合システム(Crystalline Bacterial Cell Surface Layers (S-Layers): A Versatile Self-assembly System)」(非特許文献1)を参照するとよい。
【0007】
S層をセンサシステムの形成に使用することが、A.ノイバウエル(Neubauer)氏らのセンサおよびアクチュエータ(Sensors and Actuators)B40(1997年)P231〜236(非特許文献2)に記載されている。この論文は、いわゆるPLD法(「パルスレーザ堆積法」、高真空下でパルスレーザを用いて堆積すること)を用いてS層上に金の層を堆積することについて扱ったものであり、ここではグルコースオキシダーゼなどの酵素をあらかじめS層に固定しておく。また、金属層をS層上に堆積する別の方法もあり、特にD.パム(Pum)氏ら著の論文、Ber.
Bunsenges. Phys. Chem. 101(1997年)1686〜1689(非特許文献3)、およびA.ノイバウエル氏らのPTBレポートP−34(1998年)pp.75〜81(非特許文献4)に記載されている。
【0008】
後者の論文では、S層上での金属層(たとえば金)の電気化学堆積についても議論している。これは、堆積された金属層が、その下に位置するS層の構造には該当しない顆粒状組織を有するので、満足するほどの成功は得られていない。
【特許文献1】
欧州特許第0154620号明細書
【非特許文献1】
U.B.スレイトル(Sleytr)らの論文「細菌細胞表面の結晶構造層(S層):多用途の自己集合システム(Crystalline Bacterial CellSurface Layers (S-Layers): A Versatile Self-assembly System)」「超分子ポリマー(SupramolecularPolymers)」の5章、ニューヨーク、ア・シッフェリ・マルセル・デッカー株式会社(A Ciferri Marcel Dekker Inc.)編集、2000年(ISBN0−8247−0252−2)
【非特許文献2】
A.ノイバウエル(Neubauer)氏らのセンサおよびアクチュエータ(Sensors and Actuators)B40(1997年)P231〜236
【非特許文献3】
D.パム(Pum)氏ら著 Ber. Bunsenges. Phys. Chem. 101(1997年)1686〜1689、
【非特許文献4】
A.ノイバウエル氏著 PTBレポートP−34(1998年)pp.75〜81
【0009】
S層タンパク質を含む溶液からS層を堆積させる場合、S層の単量体ユニットを基板表面に直接堆積する。この単量体は、最初は表面上で組織化されていない状態にあり、堆積プロセス中で初めて結晶構造の形成が生じる。この形成は結晶化核から一般的な方法によって始まる。特に、基板表面上のS層タンパク質の濃度が、まだあまり高くない場合、各ユニットは表面上で動き回ることができ、その移動度は、とりわけ表面のタイプに依存する。十分な量のS層ユニットが基板表面に堆積すると、自然に規則的な構造へ遷移し、これが頻繁に生じる。結晶化S層を形成した後でも、溶解S層タンパク質を溶液から沈殿させて、S層結晶格子に付着させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
公知の堆積方法にもあるように、溶液中のS層単量体ユニットからS層およびさまざまなサイズのS層自己集合生成物が構成され、溶液または懸濁液に残されたままになるか、基板上に堆積する。このため、この作用は、基板上へのS層単量体ユニットの直接堆積と競争を始める。このことから、S層の生成工程の制御は、特に単層を確実に堆積させる場合困難であることがわかる。さらに、S層単量体ユニット堆積のプロセスは、結果的に2層および多層の結晶を形成することになる。第2の(露出された)S層の大部分が(基板表面に結合された)第1のS層に対して鏡像として結合されるので、用途に必要とされる機能をもったS層領域を覆ってしまう。このため、このプロセスはさまざまな用途には極めて破壊的な影響を及ぼす。
【0011】
さらに、公知の方法では、生成されたS層構造の長い軌道状配列に対し改良を必要としている。特に、前述の方法によって生成される結晶構造では、S層構造は、上記のような構造のために膨張性がかなり小さい領域を多数必然的に含んでしまう。大きな面積の領域を得るためには、S層の結晶構造の形成が始まる場所となる領域の数または核の数を制限することが望ましい。
【0012】
欧州公開特許第463859A2号公報では、バイオセンサ電極上で生体分子種(たとえばグルコースオキシダーゼのようなタンパク質)の堆積について記載している。この明細書では、まず同じ電荷符号を有する生体分子種を含む溶液を用意し、バイオセンサ電極と対極との間に定電流を印加する。その結果、生体分子は両電極間を移動し、バイオセンサ電極上に集合して膜になる。この公知文献は、堆積する生体分子の結晶状配列に対してなんら考慮しなくてもよい定電流法に基づくものである。また、堆積する層は、約1μm以上と比較的厚いが、(結晶性)単層がひとつまたはいくつか生成される実際のS層では、これとは異なり、その厚みはそれぞれ4〜15nmである。
【0013】
上記課題を鑑み、本発明の目的は、公知の方法を改善した方法によってS層の形成およびS層結晶構造の形成を制御可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の課題は、冒頭に記載した技術の方法によって達成されるものである。この方法では、機能分子の担体として細胞表面層タンパク質(S層タンパク質)を使用して、担体表面上に該機能分子の層を生成する方法であって、単量体またはオリゴマーの形をしているS層タンパク質を含む溶液を前記担体表面と接触させ、該S層タンパク質の層を前記担体表面に堆積させることによって、二次元結晶構造を該S層タンパク質の層の中で形成させ、該S層タンパク質を堆積させるために、正味の電荷を有する前記S層タンパク質を含む溶液における電気化学的条件を設定し、基板の電位を設定することによって該S層タンパク質を含む溶液と前記担体表面との間に電気化学位相差を生成し、その結果該S層タンパク質を溶液から該担体表面に付着することを特徴とする。このS層タンパク質を堆積する際、正味の電荷を有するS層タンパク質を含む溶液中で電気化学的条件を整え、基板の電位を設定することによってS層タンパク質を含む溶液と担体表面との間の電気化学位相差を生成させ、その結果、溶液からS層タンパク質を担体表面上に堆積させ、特定の方法でS層タンパク質の結晶格子を配向させる。
【0015】
本発明によれば、基板表面上へのS層形成は、溶液−基板系(図1参照)の電気化学的操作によって制御される。電位の設定は、定電圧で都合のよい方法で行う。電極を流れる電流は、本明細書中では第2に重要なことである。電気化学パラメータの経時変化によって、および/または電気化学方法を用いて溶液中およびに基板表面上で異なる条件を設定することによって、S層形成の制御を改善することができ、また、S層形成の所望のプロセス経路を選ぶことができるので、たとえば、S層単層群、または所望の数あるいは連続したS層を備えた層群の生成が容易になることは明らかである。さらに、基板表面の被膜が迅速にできるようになり、特に固定担体上に単分子の結晶性S層を形成することができるようになり、S層タンパク質を正しく配向させて堆積することができるようになる。
【0016】
本発明の電気化学的手段は、帯電、および基板表面上の電気化学的二重層(いわゆる内・外側荷電層(図1))の組成の制御を提供することに成功したものである。正確には、特に静電気的に結合したイオンで構成される外側荷電層、および化学結合した荷電粒子によって形成される内側荷電層の外因性化学組成の制御を提供する。さらに、本発明は、電気化学的二重層の拡散部分、いわゆる(荷電二重層上にある)拡散層の制御により、吸着および脱着の移行制御を可能にする。これらの層では、化学的条件が、溶液中の化学的条件とは異なり、基板表面に対して直接設定され、S層タンパク質の堆積および/または結晶化を行う目的で設定される。このため、10V/cmの範囲の電界強度が、たとえば基板表面の真上の層に直接生じるようにすることができる。このような電界強度は、溶液から基板表面へS層タンパク質を付着する際に重要な特徴を示す。
【0017】
本発明の特に注目すべき効果は次のとおりである:
(1)S層堆積の前でも、改善された方法で基板の分子精製を行ったり、基板を一新したり、再生可能な方法によって基板を形成したりすることができる。これは、電気化学的方法を使用して現場で堆積をすることができるためである。
(2)表面領域において高濃度のS層サブユニット(単量体)、S層オリゴマー、または結晶格子(たとえば核生成種)を実現することができ、結晶構造の形成の前に濃度超過(表面超過)を実現することもできる。
(3)分子配向を改善する。たとえば、S層サブユニットおよび核生成種の外側および内側に対する分子配向を改善する。
【0018】
(4)S層サブユニットおよび/または基板表面の陽子化の実現可能性を制御する。これによって、基板表面への結合(固定)性を決定できる。
(5)結晶化を促進する物質、たとえば一価または二価のイオンを、溶液または基板からS層の上へ共同吸着(物理的および/または化学的吸着)させることが実現できる。
(6)固定−促進のようなリアクタンドの共同吸着が実現できる。
(7)S層サブユニットまたはS層結晶、またはS層核生成種の電気化学的保持(つまり構造安定化)および/または電気化学的変形を実現できる。
【0019】
(8)品質管理が容易である。
(9)S層タンパク質の吸着および再結晶を方法論的に個別の工程で実現できる。
(10)基板精製、S層タンパク質の吸着、および再結晶を個別の工程で、必要に応じて物理的に分離させた状態(たとえば異なる溶液槽)で行うことができる連続処理を実現できる。
【0020】
プレート、多孔体、または分散相(懸濁)のような任意の形および寸法をもった凝縮相は、本質的に基板として考えることができるものである。
結晶格子を形成するために、基板表面の電気化学的制御によって、結合S層サブユニットの結晶化に最適な条件を設定することができる。できるだけ妨害されない方法によって、特に広範囲な結晶性S層領域への側方拡散によって、結合S層サブユニットを再構築することができる条件が特に求められている。S層タンパク質の結晶格子の大部分では外側および内側で正味の電荷が異なるので、帯電表面へのS層タンパク質の結合も厳密に規定された配向状態で生じる。このため、固体担体の表面電荷の設定を制御することによって、目的としている溶解S層タンパク質(および核生成種、つまりS層結晶格子)の吸着を達成することができる。S層タンパク質の表面電荷もタンパク質溶液のpH値に依存するので、吸着作用(吸着時のS層タンパク質の配向)、および固体担体表面へのS層タンパク質の結合強度も、周囲条件の変化によって影響を受け、周囲条件の変化によって最適化することができる。さらに、電荷に依存するS層タンパク質の吸着および結晶化も、構造化した表面(たとえば半導体材料、プリント配線板、導電性高分子材料、複合材料)上で特定の堆積を実施するために使用することができる。
【0021】
本発明は、さらに、堆積/結晶化のために必要な特定の条件を繰り返し対応させることによって、基板表面上に所定の連続物としてS層をいくつか形成することもできる。
【0022】
本発明の好ましい別の成果は、溶液および/または基板の異なる電気化学的条件を用いて、S層タンパク質の堆積、および堆積されたタンパク質層中の結晶構造の形成が、互いに時間的に異なって生じることである。この場合、S層サブユニットは、堆積と結晶化との間にある未組織状態で基板表面に存在し、基板表面上で面に沿って移動することができる。S層単量体/オリゴマーを吸着させるための最適な周囲条件がある一方、他方では表面に結合したタンパク質の結晶化させるための最適な周囲条件があり、両条件は一般に異なり、たとえば該当するパラメータを連続的に取り換えれば、両方を時間系列中で設定することができる。
【0023】
この場合、堆積と結晶化との間で行われる電気化学的条件の変更は、溶液に対して担体表面の電気化学位相を変更することから成るようにすれば有利になる。さらに、堆積と結晶化との間で電気化学的条件を変更するために、溶液の少なくとも一つの化学のパラメータを変えることもできる。特に、イオン濃度または溶解材料の濃度のほか、支持電解質の濃度またはイオン強度、pH値、酸素濃度、または一般に電子伝達反応の電位も、化学パラメータとして考慮にいれる。さらに、そのプロセスも、溶液の他のイオンの濃度によって、または温度によって影響を受ける場合もある。同様に、上記のパラメータの代わりに、または上記のパラメータと組み合わせて、基板の電気化学パラメータの少なくとも一つのパラメータ、たとえばその電荷、イオン(たとえば水酸化物イオン)の範囲、または化学的変化(粗さなどメゾスコピックレベルおよび/または原子レベルの寸法形態)を堆積と結晶化との間で変更して、電気化学的条件を変更することもできる。
【0024】
担体表面の電極および対向電極のほかに比較電極を設け、これを使用することによって電流の流れない有利な方法で溶液の電位を測定することができる。主に溶液の電位差を測定することになっている電極の表面から短い距離の間に比較電極を配置すると都合がよく、次にポテンシオスタットの電流制御によって対向電極の電位差を間接的に生成する。その結果、担体表面の電極上の実際の電圧と設定電圧とが互いに一致する。
【0025】
本発明の別の効果的な変形によれば、S層タンパク質の正味の電荷をこのタンパク質に静電気的に印加する。たとえば、タンパク質吸着の後に担体の表面電荷を変更することによって、最適条件を設定することができる。さらに、表面に電圧を印加することによって、結晶性S層の形成後にS層結晶格子の表面上、または孔中に追加の帯電分子または金属クラスターを結合または堆積させることもできる。
【0026】
さらに、S層タンパク質の堆積中および/または結晶構造の形成中に、タンパク質の立体構造の変化が生じると、特に変性または復元が生じると有益である。これも、S層の形成の制御を促進するものである。
経時的なポテンシャル曲線、たとえばパルス型または傾斜型曲線によって、S層タンパク質の堆積および/または結晶構造の形成を制御することができる。
【0027】
タンパク質の吸着および結晶化は、それらのプロセス工程に対して設定できる特定の条件下で、異なる処理槽または異なる処理槽区画でも行われうる。ここでは、たとえば溶解物質に関して区別しうる異なる溶液が処理槽に入っているが、リード化合物および/または溶媒は同じに保たれている。またこのことは、第1の槽を空にし、第2の槽を満たすなど、使用する溶液を連続的にまたは不連続的に変更することによって、ひとつの槽中で行うことができる。このようにすると、基板上のS層タンパク質の堆積は第1の溶液槽中で行われ、結晶構造の形成は第2の溶液槽中で行われる。このような場合、第1の槽中に浸漬する前に正味の電荷を静電気学的にまたは電気泳動的に基板に印加し、溶液を変更するときはこの電荷を維持することが有利である。さらに、堆積を行うための第1の溶液槽から結晶化(いわゆる浸漬)のための第2の槽に担体表面を移送することによって溶液を変更することができる。これはバッチ法に相当する。この変形として、この移送を連続移送プロセスで行うことができる。たとえば、コンベヤベルト方式でベルト状または糸状基板を異なる槽を通過させながら連続的に送り、同じ基板の異なる部分がそれぞれ同時に異なる槽内に位置するようにすることができる。
【0028】
たとえば、S層タンパク質堆積の前でもS層タンパク質に機能分子を結合することによって、さらにS層タンパク質の堆積と同時に機能分子を堆積させることによってS層上に機能分子を固定することができる。このような場合、機能分子がS層タンパク質の一つの面に、たとえば細胞壁の内側に相当する側に独占的にまたは少なくとも大部分が結合されると好都合である。また、堆積に関しては、S層タンパク質が結果として双極子モーメントを有するような電気化学的条件が選択されると好都合である。このとき、電位差の結果として生じる電場中での担体表面近くの双極子モーメントの配向によって、上記のS層タンパク質の面が担体表面からそれることになる。
【0029】
あるいは、これと組み合わせて、S層の層中で結晶構造が形成された後に、結晶構造によって規定された位置の基板上に機能分子を堆積することによって固定をすることができる。
特に、酵素、ウィルスタンパク質、または他のタンパク質機能を機能分子として使用することができる。再結合した融合タンパク質として、一つ以上の機能ユニットを有するS層タンパク質によっても機能ユニットを実現することができる。
【0030】
さらに、S層の層中で結晶構造が形成された後に、結晶構造によって規定された位置の基板上にナノ粒子を堆積するか、沈殿させることができる。これには、第2の相の堆積用テンプレートとしてS層を使用することも含まれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、いくつかの典型的な実施の形態を用いて、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、これは本発明の範囲を制限するものではない。
実施例では、以下に記載の方法論について扱う。この方法論では、本発明によって、単量体、オリゴマー、または晶子を使用して、タンパク質(S層タンパク質)を含む細胞表面層から電気伝導性の担体表面上に電気化学的に機能分子の層を沈殿させ、2次元結晶化させ、最終的に電気化学的に定着させる。S層ユニットの(1)吸着、(2)配向、(3)表面拡散、(4)結晶化、および(5)定着が電気化学的に制御されたプロセスで進むような方式による処理プロセスに対して、電荷の導電および/または蓄積ができる基板材料の条件を決める。
【0032】
基板材料の定電圧電気化学的制御を用いて、上記プロセスに明らかな影響を及ぼす電気化学的表面を基本的に三つのタイプに設定することができる。第1のタイプは、負の表面電荷が存在することを特徴とし、第2のタイプは正である正味の電荷が設定されていることを特徴とする。第3のタイプは、さらに多くの陽電位が生成され、表面が電気化学的に変換され、これによって、水酸化表面または酸化表面を介して、または他の特定の吸着されたイオン種類を介して基板のみが吸着物と相互作用し続けることを特徴とする。最初の二つのタイプでは、吸着物との相互作用は、主に静電気力によって決まり、二次的には化学的な力(たとえばファンデルワールス力)のみによって決まる。対照的に第3のタイプでは、化学的な相互作用(たとえば水素架橋結合)および非静電気的な相互作用が優勢である。
【実施例1】
【0033】
成熟タンパク質としての層タンパク質SbsB―たとえばこれが再結合によって生成された形の場合rSbsBg2-920として表す―が有する理論上の等電点(pI)は4.95である。三つのいわゆるS層相同構造(SLH構造)を含むN末端領域(アミノ酸32-207)は、8.94のpIを有し、残りの配列(アミノ酸208-920)について計算すると、pIは4.73であった(表1を参照)。再結合によって生成されたN末端基の短いSbsB形は、SLH構造が最大三つ欠損しており、これを用いた実験から、N末端基が自己集合作用に関係しないことがわかった。
【0034】
Figure 2005500026
【0035】
表1:成熟S層タンパク質、N−末端、および残りの配列の理論上の等電点(pI)。GBANの行はGenBankアクセス番号を示す。
【0036】
可溶性S層タンパク質(固体表面上で結晶化させるためのS層単量体またはオリゴマー)を生成するために、1mlの5Mグアニジン塩酸塩(GHCl)を50mMのTRIS−HCL緩衝液(pH7.2)に溶かしたものに、rSbsBアミノ酸32-920のS層自己集合生成物(サイズ0.1〜5μmの単分子S層タンパク質結晶)0.2mgを溶解し、精製水を使用し、4℃で24時間透析した。S層タンパク質が低濃度であるため、透析のあいだ、自己集合生成物の形成は避けられたが、透析終了後、一応4℃で20分間、40,000gの遠心分離にかけて、明らかに残った残留物を除いた。溶液のpH値は、0.01NのNaOHを用いて6.5に調整し、この溶液400μlを結晶化に使用した。
【0037】
まず、S層タンパク質のない電解液中で洗浄工程を行った。このとき、pH値を保ちながら、極値間の電極電位サイクルを繰り返す(たとえば飽和硫酸水銀電極では−1.2Vから+0.8Vまでの電位サイクルを金に対して繰り返す)ことによって、基板の表面の原子を完全に交換し、これによって汚染された層をすべてなくした。
これに続くS層吸着では、電気伝導性材料を固体担体として使用することができる。この担体として考えられるのは、特に金のような金属、シリコンのような半導体、導電性高分子材料、または黒鉛のような他の材料がある。
【0038】
吸着したS層サブユニットの配向は、固体担体の正味の電荷を設定することによって制御することができる。第1の例では、固定された担体の表面(5mm)が負の正味電荷を有するように、この表面の条件を決める。このような条件下では、N末端基を含みpH値6.5で正に帯電する内側によってS層サブユニット(単量体)が単層として結合する。第2の例では、固体担体の表面が正の正味の電荷を有するように、この表面の条件を決め、pH値6.5で負に帯電する外側によってS層サブユニットが結合する。
【0039】
S層サブユニットの吸着後、S層タンパク質溶液を除去し、精製水で数回洗浄した。結晶格子の形成を行うために、二価の陽イオンの溶液を精製水に加え(たとえば5mMのCaCl)、20℃でインキュベートした。N末端基部分(pI8.94)は自己集合プロセスに関係しないので、二価の陽イオンを追加して負電荷を中和することは主にアミノ酸208-920の範囲内で重要である。基板表面上の結晶性S層状構造の確認は、AFMスキャナ顕微鏡(「原子間力顕微鏡」)で行った。約1〜10μmのサイズを有する単結晶の範囲を検知することができたが、相互に異なる配向を示した。
【0040】
対照的に、吸着については、酸化物形成された第3のタイプに電位が移動すると、これに続き、完全に変更された基板表面が、すでに形成された結晶化S層に他の化学結合(たとえば非静電気相互作用)を縦方向に受け容れることができる。
【実施例2】
【0041】
この実験では、再結合して生成されるrSbsB−ストレプトアビジン・タンパク質を生成した。S層タンパク質のC末端側に機能的領域(ストレプトアビジン)を結合させる。SbsBのアミノ酸208-920の間にあり、ヘテロ四量体ストレプトアビジンを含む配列のpIは5.60である。C末端SbsB−ストレプトアビジン融合タンパク質は水溶性で、あらかじめ調整しておいた表面(たとえば、Alγ−へモ−タイプのペプチドグリカン、および組織としては典型的な二次細胞壁重合体を含むバシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)PV72/p2の細胞壁球形嚢)にのみ斜格子のS層を形成する。
【0042】
再結晶をするために、500μl精製水に融合タンパク質200μgを含む溶液を、負に帯電した5mmサイズの固体表面に接触させた。この場合、融合タンパク質の結合が、pH値6.0で正に帯電したN末端領域上に生じた。S層結晶格子を安定化させるために、1−エチル−3,3’−ジメチルアミノプロピル−カルボジイミド(EDC)を含む溶液500μlを、ゼロレングス架橋剤(精製水1ml当たり1mgEDC、溶液のpH値は0.01MのHClで4.75に調整)として加え、20℃で60分間インキュベートした。EDCは、隣接するS層サブユニットの場合のようにアミノ基およびカルボキシル基が直接静電的相互作用している場所で架橋のみを行う。インキュベーションの後、担体を精製水で数回洗浄した。次に、S層結晶格子の構造をAFM顕微鏡で評価した。斜格子のS層をはっきりと見ることができた。異なる配向をした領域では、約1〜10μmのサイズを有していた。
【実施例3】
【0043】
成熟S層タンパク質SbpA(アミノ酸31-1268;pI4.60;表1を参照)は、正方形の格子に結晶化する。成熟S層タンパク質のN末端部分(アミノ酸31-202)は、三つのSLH構造および二次細胞壁重合体の結合領域を含み、pIが4.49である。残りの配列(アミノ酸203-1268)のpIは4.68である。N末端部分は自己集合作用に関係しない。
【0044】
正方形格子の自己集合生成物の形成には二価の陽イオンが必要である。精製水1ml当たりrSbpAを200μg含みpH値6.0である溶液を、サイズ5mmの正に帯電した担体表面に塗布し、2時間20℃でインキュベートした。次に、超過のS層タンパク質溶液を洗い流した。この結晶格子を形成させるために、10mMのCaCl溶液を担体表面に付け、20℃で2時間インキュベートした。精製水で洗った後、担体をAFMで評価した。サイズが約0.5μmの正方形格子の領域を観察することができ、ニつの異なる構造化領域が約1:1の比率で存在した。このことから、S層サブユニットの外側(滑らかな曲面)も内側(荒い表面)も吸着できたことがわかる。この例によって、S層サブユニットが内側面および外側面で異なる帯電領域を有する場合、帯電基板上にはS層サブユニットの均一に配向された堆積物のみが生じることが示される(実施例2および実施例3を参照)。
【実施例4】
【0045】
ここでは、再結合して生成される融合タンパク質rSbsC−Bet v1を固体表面上で結晶化することにした。rSbsC−Bet v1では、カバノキ花粉の主要アレルゲンBet v1の配列(161アミノ酸)が、架橋剤としてのニつのグリシン基を介し、アミノ酸31-920を含みpIが6.09である短いSbsC形のC末端部に結合されている。成熟SbsC(アミノ酸31-1099)は5.40のpIを有する。N末端基領域(アミノ酸31-270)のpIは9.13であり、基の配列(アミノ酸271-1099)は4.88である(表1を参照)。N−末端部は自己集合作用に関係する。
【0046】
結晶化させるために、精製水1ml当たりrSbsC−Bet v1融合タンパク質を250μg溶かしたpH値6.0の溶液を、正味の電荷が負である固体表面に付けた。このようにすると、正に帯電したN末端基によって融合タンパク質の吸着が生じた。このため、C末端部に付いたBet v1配列は、外側に露出された状態になった。20℃で2段階インキュベーションをした後、0.01MのHClを加えてpH値を6.09に設定すると、その結果C末端S層タンパク質の負の正味の電荷が失われ、S層サブユニットが「和解した」。すなわち正味の電荷が損失したために、相互に接近し合うことになり、この作用によって、規則的な格子構造が形成された。
【実施例5】
【0047】
この実施例では、ベルト材形状の基板に連続的にS層を形成する層形成について例示する。
このことは、たとえば図2に示すように、装置V2で実施することができる。コーティング用ベルトBBは、たとえばプラスチック担体材料で作られ、S層を堆積することになっている面に金属コーティングが施される。このベルトはローラBRから回転によって繰り出され、適切な偏向ドラムまたはローラARによって案内され、処理槽B1,B2,B3,B4を通る。この場合、処理槽の数は一例として普通に挙げただけのもので、所望のプロセスに合わせることができ、したがって処理槽を増やしたり減らしたりすることができる。導電性ベルト材料は摺動接点S1,S2を介して公知の方法によって帯電するか、または処理槽の列を通過させた後に再び放電する(接地する)。
【0048】
ここに記載の本実施例では、各槽を以下のように充填する。
槽B1:箔を洗い浄化するための精製水
槽B2:S層タンパク質を箔に載せるためのS層タンパク質を含む溶液(精製水中rSbsC;50μg/ml、pH5.7)
槽B3:吸着されたS層タンパク質の結晶化用溶液(精製水による20mMのCaCl溶液)
槽B4:結晶層で化学架橋を起こして一層の安定化を図るための架橋剤溶液(0.2Mのカコジル酸Na緩衝液による0.5%のグルタルアルデヒド、pH7.0)
【0049】
各槽中のベルトの滞留時間または実行時間は20〜120分である。コーティングおよび化学架橋のあとに、洗浄工程および乾燥工程のような追加工程(不図示)を実施する。
槽系列B1〜B4の代わりに、実施例1から4のいずれかに対応するような別の槽も使用可能なことは言うまでもない。
【0050】
本実施例の変形として、重合体フィルムのような非導電性材料をコーティングすることができる。この場合、図2のような摺動接点によるベルト材料の帯電はしないが、静電気的な帯電は生じる。図3を参照する。帯電ドラムまたはロッドR1に薄膜BB’を直接接触させて通過させるか、または少し距離をあけて通過させることによって、静電気的に帯電させる。この目的のために、ロッドR1を、たとえば1000Vの高圧に設定すると都合がよい。このロッドR1は、摺動接点S1の代わりに図2の装置V2に搭載されることになる。
【実施例6】
【0051】
本実施例では、たとえばB.カステンリング(Kastenring)氏ら著、ジャーナル・オブ・エレクトロアナリティカル・ケミストリ(J. Electroanal. Chem.)、265(1989年)、pp.77〜101の電気化学懸濁セルに示される電気泳動法を使用するS層タンパク質の結晶化を扱う。図4に図示するカステンリングが記載した電気化学懸濁セルには、黒鉛で作られた円錐形の回転体FDが設けられ、「供給チャンバ」として使用される第1のホッパーCC内の右側に、構造化を受ける表面が位置する。電位差計PSを使用して、対向電極XCの電位Uoと比較される一定の仕事電位Uwで回転体FDは維持され、さらに、セル系列の中に組み込まれる粒子への特定の電位を与えることになる「フィード電極」として使用される。
【0052】
図5は、粒子上のS層結晶化のプロセスを示す。図5aに示すように、フィード電極FDの表面FS上では、懸濁液およびホッパーCCに存在してフィード電極FD上を流れる粒子NPに電荷が移送される。ここに記載の本実施例では、上に示すように粒子CPが電気泳動的な扱いを受け、フィード電極FDから負電荷を受け取る。図5bに示す次の工程で、これら粒子表面上に位置する帯電領域および電荷の分布によって決まる配向で、S層ユニットSUが粒子CP上に堆積する。このことは、本実施例の場合、正の正味の電荷を有するrSbsBのN末端を介して生じる。なお、この末端基は、図5ではS層サブユニットの斜線を引いた先端部として示している。表面上では、さらにオリゴマーSMの形成も生じうる。S層の結晶化によって、結合S層SLによって覆われる粒子EPが得られる。このような粒子のコアKP‘として、Au、Ptまたは他の金属から作られる金属粒子、黒鉛粒子または活性炭素の形をした炭素、プラスチック被覆粒子、または磁気粒子など、さまざまな分散材料を使用することができる。
【0053】
粒子を帯電させるために、図4の装置中で、ポンプPMを用いてメイン回路K1の中で溶液がフィード電極FD上を流れるようにする。ホッパーCCは、溶液の電位Urを電流フリーで測定するための比較電極RDを有する。さらに、測定器MCを通って導く第2の回路K2を設け、この測定器MC内では、測定電極MDを使用して溶液中に懸濁されている粒子の電荷を測定することができる。この目的のために、たとえば、仕事電位Uwでの測定電極MDと円筒電極CDとの間の電圧を、定電圧源CVによって生成し、(電圧Umとして測定された)電流から、公知の方法で粒子の電荷を測定することができる。吸入弁IVおよび吐出弁OVを介して利用する溶液および添加剤を供給および排出するために、測定器MCを使用することもできる。
【0054】
直径が1μmのポリスチレン・ラテックス・ボール5gの緩衝液(0.1Mのクエン酸Na溶液、pH6.0)による懸濁液25mlを電気化学懸濁セルへ注いだ。ポリスチレン・ラテックス・ボールの代わりに、ラテックス被膜のないポリスチレンボールを使用することもできる。使用するボール材料はともにインディアナ州(米国)のバンクス・ラボ(Banks Lab.)の製品である。フィード電極FDの電位は、ボールが負の表面電荷、たとえば飽和硫酸水銀電極XCに対して−1Vを帯びるような方法で設定される。20分間供給した後、S層タンパク質溶液(rSbsB;精製水1ml当たり0.25mg、pH値6.0)25mlを、たとえば容器MCの中に、または分岐した回路K2によって注入する。pH値6.0であって内側に位置する正に帯電したN末端部分によってS層タンパク質を所望どおりに吸着させるために、懸濁液を20℃で2時間循環させる。
【0055】
この循環は、ホッパーCCの供給ライン中のバルブ(不図示)によって回路K1を閉じ、分岐回路K2の循環によって生じるようにすると好都合である。この結果、フィード電極FD上へのS層タンパク質の堆積が防げられる。次に、懸濁液をセルから出して、20℃で40,000グラム、20分間遠心分離にかけ、明らかに残った超過残留物を捨てた。また、遠心分離によって残った流出液、いわゆるペレットを、10mMのCaCl溶液20mlに懸濁させる。次にこの懸濁液を20℃で4時間軽く攪拌する。二価の陽イオンの存在下、最初に吸着したS層タンパク質が再構成され、結合した結晶性S層タンパク質格子になる。次に、懸濁液を再び遠心分離にかけ、10mMのCaCl溶液20mlで洗う。このように生成したペレットでは、S層に固定された機能物質(たとえば抗体のようなレセプタ)を、高濃度の懸濁液として手に入れることができる。
【0056】
顕微鏡で評価するために、1〜2μlのペレットをフレオン22で凍結し(液体窒素で冷却し)、フリーズエッチングを施した。結晶格子の形成を評価するために、この調整物を透過型電子顕微鏡で観察した。斜格子に構成されたS層タンパク質によって完全に覆われたパーティクルがみられた。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】電気化学二重層の構造を示す図である(グイ(Gouy)氏、チャップマン(Chapman)氏、およびスタン(Stern)氏による)。
【図2】ベルト基板用の連続塗布プロセスを行うための装置を示す。
【図3】図2のベルト基板を帯電させるための構成配置を示す。
【図4】B.カステニング(Kastening)氏らによる電気化学懸濁セルに基づいたS層定電圧堆積装置を示す。
【図5】定電圧で誘導した堆積の動作を示す。
【符号の説明】
【0058】
V2 装置
B1〜B4 処理槽
BB 塗布用ベルト
BR ローラ
AR 転換ローラ
S1,S2 摺動接点
FD フィード電極
FS 電極表面
NP 粒子
CP イオン化粒子
KP コア粒子
SU S層ユニット(単量体)
SM オリゴマー
SL 結合S層
EP 被覆粒子

Claims (17)

  1. 機能分子の担体として細胞表面層タンパク質(S層タンパク質)を使用して、担体表面上に該機能分子の層を生成する方法であって、単量体またはオリゴマーの形をしているS層タンパク質を含む溶液を前記担体表面と接触させ、該S層タンパク質の層を前記担体表面に堆積させることによって、二次元結晶構造を該S層タンパク質の層の中で形成させ、該S層タンパク質を堆積させるために、正味の電荷を有する前記S層タンパク質を含む溶液における電気化学的条件を設定し、基板の電位を設定することによって該S層タンパク質を含む溶液と前記担体表面との間に電気化学位相差を生成し、その結果該S層タンパク質を溶液から該担体表面に付着することを特徴とする機能分子層の生成方法。
  2. 前記S層タンパク質の層の堆積および前記結晶構造の形成は、前記S層タンパク質を含む溶液および/または基板に対して異なる電気化学的条件下で、時間的に異なって生じるようにすることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 堆積と結晶化との間で前記電気化学的条件を変更するために、前記担体表面の前記電気化学位相を前記溶液に対して変更することを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 堆積と結晶化との間で電気化学的条件を変更するために、前記S層タンパク質を含む溶液の少なくとも一つの電気化学パラメータを変えることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
  5. 堆積と結晶化の間の電気化学的条件を変更するために、前記S層タンパク質を含む溶液の少なくとも一つの電気化学パラメータを変えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記S層タンパク質を含む溶液の電位(Ur)を比較電極(RD)によって電流フリー方式で測定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記S層タンパク質の正味の電荷を該タンパク質に定電圧で印加することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記S層タンパク質の堆積および/または前記結晶構造の形成において、前記タンパク質の立体構造の変化が生じ、特に変性または復元が生じることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記S層タンパク質の堆積および/または結晶構造の形成が、経時的なポテンシャル曲線によって制御されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記基板上への前記S層タンパク質の堆積はS層タンパク質を含む溶液の第1の槽中で行われ、前記結晶構造の形成は第2の槽中で行われることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記S層タンパク質を含む溶液の前記第1の槽へ浸漬する前に、静電気学的にまたは電気泳動的に正味の電荷を前記基板に印加し、前記溶液による前記動作の間、この電荷を維持することを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 前記S層タンパク質を含む溶液の前記第1の槽中で前記基板に正味の電荷を電気化学的に印加し、該溶液を変えてもこの電荷を維持することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の方法。
  13. S層タンパク質を含む溶液の堆積用の第1の槽から結晶化用の第2の槽へ前記担体表面を移送することによって、前記溶液の変更を行うことを特徴とする請求項10か請求項12のいずれか1項に記載の方法。
  14. S層タンパク質の堆積前に機能分子を該S層タンパク質に結合し、次に、該S層タンパク質の堆積と同時に該機能分子を前記基板上に堆積することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記S層タンパク質の層の一つの面に前記機能分子を結合し、S層タンパク質に双極子モーメントが生じるように堆積用の電気化学的条件を選択し、電位差の結果として生じる電場で前記担体表面に近い双極子モーメントの配向のために、前記S層タンパク質の前記面が前記担体表面からそれるようにすることを特徴とする請求項14に記載の方法。
  16. 前記S層タンパク質の層内で前記結晶構造が形成された後、前記結晶構造によって規定される位置の前記基板上に機能分子を堆積することを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記S層タンパク質の層内で前記結晶構造が形成された後、前記結晶構造によって規定される位置の前記基板上に電気化学的ナノ粒子を堆積することを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の方法。
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